(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】ネットワークリソーススケジューリング方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20220823BHJP
H04W 40/04 20090101ALI20220823BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20220823BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20220823BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20220823BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W40/04
H04W72/12
H04W84/18
H04W88/04
(21)【出願番号】P 2021505720
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2019098311
(87)【国際公開番号】W WO2020024926
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】201810872232.4
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 冰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 民▲貴▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 悦峰
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲還▼青
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0152377(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0099662(US,A1)
【文献】特表2017-528956(JP,A)
【文献】特開2009-206814(JP,A)
【文献】特開2017-143466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 12/28
H04L 12/44-12/46
H04L 12/50-12/66
H04L 45/00-49/9057
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークノードにより、メッセージを受信するステップであって、前記メッセージが、前記第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、前記第1のリソース情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用され、前記第2のリソース情報が、前記第2のネットワークノードと前記第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用される、ステップと、
前記メッセージが前記第1のネットワークノードの前記識別子を含んでいると判断する場合に、前記第1のネットワークノードにより、前記第1のリソース情報を取得し、なおかつ前記第1のリソース情報に基づいて前記第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うステップと、
前記第2のリソース情報に基づいて前記第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように前記第2のネットワークノードをトリガーするため、前記第1のネットワークノードにより、前記第2のネットワークノードへ前記メッセージを送信するステップと
を含む、ネットワークリソーススケジューリング方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークノードにより、前記第2のネットワークノードへ前記メッセージを送信する前記ステップは、
前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したと判断した後に、前記第1のネットワークノードにより、前記メッセージに第1の指示識別子を加え、なおかつ前記第1の指示識別子が加えられた前記メッセージを前記第2のネットワークノードへ送信するステップであって、前記第1の指示識別子が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの成功を指示するために使用される、ステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のネットワークノードがパケット転送経路上の出口ノードである場合は、前記メッセージが前記第3のネットワークノードへ送信され、その後、前記第3のネットワークノードによってネットワーク管理デバイスへ送信される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のリソース情報は、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のある候補ネットワークリソースを指示するために使用され、前記第1の指示識別子は、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間で首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するためにさらに使用され、前記首尾よくスケジュールされたネットワークリソースは前記候補ネットワークリソースから選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングが失敗したと判断した後に、前記第1のネットワークノードにより、前記メッセージに第2の指示識別子を加え、なおかつ前記第2の指示識別子が加えられた前記メッセージをネットワーク管理デバイスへ送信するステップであって、前記第2の指示識別子が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの失敗を指示するために使用される、ステップ
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージは送信先広告オブジェクト(DAO)メッセージである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のネットワークノードの前記識別子と、前記第2のネットワークノードの前記識別子と、前記第3のネットワークノードの前記識別子と、前記第1のリソース情報と、前記第2のリソース情報はいずれも、前記DAOメッセージ内のOptionフィールドに携えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Optionフィールドは、第1のTarget Optionフィールドと、第2のTarget Optionフィールドと、第3のTarget Optionフィールドと、第1のSchedule Reservation Optionフィールドと、第2のSchedule Reservation Optionフィールドとを含み、
前記第1のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第1のTarget Optionフィールドと前記第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、前記第2のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第2のTarget Optionフィールドと前記第3のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、
前記第1のTarget Optionフィールドは前記第1のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第2のTarget Optionフィールドは前記第2のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第3のTarget Optionフィールドは前記第3のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第1のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第1のリソース情報を携え、前記第2のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第2のリソース情報を携える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ネットワークノードであって、前記ネットワークノードは第1のネットワークノードであり、
メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、前記メッセージが、前記第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、前記第1のリソース情報が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用され、前記第2のリソース情報が、前記第2のネットワークノードと前記第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用される、受信ユニットと、
前記メッセージが前記第1のネットワークノードの前記識別子を含んでいると判断する場合に、前記第1のリソース情報を取得し、なおかつ前記第1のリソース情報に基づいて前記第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように構成されたスケジューリングユニットと、
前記第2のリソース情報に基づいて前記第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように前記第2のネットワークノードをトリガーするため、前記第2のネットワークノードへ前記メッセージを送信するように構成された第1の送信ユニットと
を含む、ネットワークノード。
【請求項10】
前記第1の送信ユニットは、
前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したと判断された後に、前記メッセージに第1の指示識別子を加えるように構成された追加サブユニットと、
前記第1の指示識別子が加えられた前記メッセージを前記第2のネットワークノードへ送信するように構成された送信サブユニットであって、前記第1の指示識別子が、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの成功を指示するために使用される、送信サブユニットと
を含む、請求項9に記載のネットワークノード。
【請求項11】
前記第3のネットワークノードがパケット転送経路上の出口ノードである場合は、前記メッセージが前記第3のネットワークノードへ送信され、その後、前記第3のネットワークノードによってネットワーク管理デバイスへ送信される、請求項9または10に記載のネットワークノード。
【請求項12】
前記第1のリソース情報は、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のある候補ネットワークリソースを指示するために使用され、前記第1の指示識別子はさらに、前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間で首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するために使用され、前記首尾よくスケジュールされたネットワークリソースは前記候補ネットワークリソースから選ばれる、請求項10に記載のネットワークノード。
【請求項13】
前記第1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングが失敗したと判断された後に、前記メッセージに第2の指示識別子を加え、なおかつ前記第2の指示識別子が加えられた前記メッセージをネットワーク管理デバイスへ送信するように構成された第2の送信ユニットであって、前記第2の指示識別子が、前記第
1のネットワークノードと前記第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの失敗を指示するために使用される、第2の送信ユニット
をさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項14】
前記メッセージは送信先広告オブジェクト(DAO)メッセージである、請求項9から13のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項15】
前記第1のネットワークノードの前記識別子と、前記第2のネットワークノードの前記識別子と、前記第3のネットワークノードの前記識別子と、前記第1のリソース情報と、前記第2のリソース情報はいずれも、前記DAOメッセージ内のOptionフィールドに携えられる、請求項14に記載のネットワークノード。
【請求項16】
前記Optionフィールドは、第1
のTarget Optionフィールドと、第2のTarget Optionフィールドと、第3のTarget Optionフィールドと、第1
のSchedule Reservation Optionフィールドと、第2のSchedule Reservation Optionフィールドとを含み、
前記第1のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第1のTarget Optionフィールドと前記第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、前記第2のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第2のTarget Optionフィールドと前記第3のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、
前記第1のTarget Optionフィールドは前記第1のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第2のTarget Optionフィールドは前記第2のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第3のTarget Optionフィールドは前記第3のネットワークノードの前記識別子を携え、前記第1のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第1のリソース情報を携え、前記第2のSchedule Reservation Optionフィールドは前記第2のリソース情報を携える、
請求項15に記載のネットワークノード。
【請求項17】
命令を含むコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令がコンピュータで実行されると、前記コンピュータは請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を遂行することが可能となる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照により全文が本願に援用される、2018年8月2日に中国国家知識産権局に提出された「ネットワークリソーススケジューリング方法および装置」と題する中国特許出願第201810872232.4号の優先権を主張する。
【0002】
本願は通信技術分野に関し、特にネットワークリソーススケジューリング方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タイムスロット式チャネルホッピング(Time Slotted Channel Hopping、TSCH)モードでは、ネットワークリソースが2つの次元に、すなわちスロットとチャネルとに、分割されることがあり、1単位の形成済みネットワークリソースはcellと呼ばれる。cellは、スロットとチャネルシフトに基づいて決定されることがある。例えば、cellは1単位のネットワーク帯域幅であってよい。
【0004】
インターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force、IETF)の6TiSCH作業部会は、TSCHモードのための6top(6TiSCH Operation Sublayer)アダプテーション層を設計している。2つの隣接するノードは、cellを追加(ADD)、削除(DELETE)、または再配置(RELOCATE)するために6topにて6P transactionシグナリングを起動する。しかしながら、この方法は、僅か1ホップ内の2つの隣接ノード間でのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングに応用可能であり、マルチホップ経路でリソース予約を実施することはできない。
【発明の概要】
【0005】
技術的な問題を解決するため、本願の実施形態は、ネットワークリソーススケジューリング方法および装置を提供することで、マルチホップ経路でリソース予約が実施されることができないという技術的な問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、本願の一実施形態はネットワークリソーススケジューリング方法を提供する。該方法は、第1のネットワークノードにより、メッセージを受信するステップであって、該メッセージが、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、第1のリソース情報が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースであり、第2のリソース情報が、第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースである、ステップと、メッセージが第1のネットワークノードの識別子を含んでいると判断する場合に、第1のネットワークノードにより、第1のリソース情報を取得し、なおかつ第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うステップと、第2のリソース情報に基づいて第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように第2のネットワークノードをトリガーするため、第1のネットワークノードにより、第2のネットワークノードへメッセージを送信するステップとを含む。第2のネットワークノードは第1のネットワークノードの次ホップネットワークノードであり、第3のネットワークノードは第2のネットワークノードの次ホップネットワークノードである。
【0007】
前述の方法によると、第1のネットワークノードはメッセージを受信し、該メッセージはマルチホップ経路上の複数のネットワークノード間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを含み、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でリソーススケジューリングが行われた後に、第1のネットワークノードは、第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングをトリガーするため、第2のネットワークノードへ該メッセージを送信し、これにより、1つのメッセージを使用することでエンド・ツー・エンドのリソーススケジューリングが実施され、マルチホップ経路上でエンド・ツー・エンドのリソース予約が実施されることができる。
【0008】
いくつかの可能な実装において、第1のネットワークノードにより、第2のネットワークノードへメッセージを送信するステップは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したと判断した後に、第1のネットワークノードにより、メッセージに第1の指示識別子を加え、なおかつ第1の指示識別子が加えられたメッセージを第2のネットワークノードへ送信するステップであって、第1の指示識別子が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの成功を指示するために使用される、ステップを含んでよい。
【0009】
一実装において、第3のネットワークノードがパケット転送経路上の出口ノードである場合は、メッセージが第3のネットワークノードへ送信されてよく、その後、第3のネットワークノードによってネットワーク管理デバイスへ送信されてよい。
【0010】
第1のリソース情報が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のある候補ネットワークリソースを指示するために特に使用され、第1の指示識別子が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間で首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するためにさらに使用され、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースが候補ネットワークリソースから選ばれ得ることは理解できる。
【0011】
いくつかの可能な実装において、ネットワークリソーススケジューリング方法は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングが失敗したと判断した後に、第1のネットワークノードにより、メッセージに第2の指示識別子を加え、なおかつ第2の指示識別子が加えられたメッセージをネットワーク管理デバイスへ送信するステップであって、第2の指示識別子が、第2のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの失敗を指示するために使用される、ステップをさらに含んでよい。
【0012】
本願の本実施形態におけるメッセージは送信先広告オブジェクト(Destination Advertisement Object、DAO)メッセージであってよい。
【0013】
一例において、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報はいずれも、DAOメッセージ内のOptionフィールドに携えられる。
【0014】
具体的な実装において、Optionフィールドは、第1のTarget Optionフィールドと、第2のTarget Optionフィールドと、第3のTarget Optionフィールドと、第1のSchedule Reservation Optionフィールドと、第2のSchedule Reservation Optionフィールドとを含む。第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のTarget Optionフィールドと第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のTarget Optionフィールドと第3のTarget Optionフィールドとの間に置かれる。第1のTarget Optionフィールドは第1のネットワークノードの識別子を携え、第2のTarget Optionフィールドは第2のネットワークノードの識別子を携え、第3のTarget Optionフィールドは第3のネットワークノードの識別子を携え、第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のリソース情報を携え、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のリソース情報を携える。
【0015】
第2の態様によると、本願の一実施形態はネットワークノードをさらに提供する。該ネットワークノードは第1のネットワークノードであり、受信ユニットと、スケジューリングユニットと、第1の送信ユニットとを含む。受信ユニットはメッセージを受信するように構成され、該メッセージは、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、第1のリソース情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースであり、第2のリソース情報は、第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースである。スケジューリングユニットは、メッセージが第1のネットワークノードの識別子を含んでいると第1のネットワークノードが判断する場合に、第1のリソース情報を取得し、なおかつ第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように構成される。第1の送信ユニットは、第2のリソース情報に基づいて第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように第2のネットワークノードをトリガーするため、第2のネットワークノードへメッセージを送信するように構成される。
【0016】
いくつかの可能な実装において、第1の送信ユニットは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したと第1のネットワークノードが判断した後に、メッセージに第1の指示識別子を加えるように構成された追加サブユニットと、第1の指示識別子が加えられたメッセージを第2のネットワークノードへ送信するように構成された送信サブユニットであって、第1の指示識別子が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの成功を指示するために使用される、送信サブユニットとを含んでよい。
【0017】
一実装において、第3のネットワークノードがパケット転送経路上の出口ノードである場合は、メッセージが第3のネットワークノードへ送信され、その後、第3のネットワークノードによってネットワーク管理デバイスへ送信される。
【0018】
第1のリソース情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のある候補ネットワークリソースを指示するために特に使用され、第1の指示識別子は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間で首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するためにさらに使用され、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースは候補ネットワークリソースから選ばれる。
【0019】
具体的な実装において、ネットワークノードは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングが失敗したと判断された後に、メッセージに第2の指示識別子を加え、なおかつ第2の指示識別子が加えられたメッセージをネットワーク管理デバイスへ送信するように構成された第2の送信ユニットであって、第2の指示識別子が、第2のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの失敗を指示するために使用される、第2の送信ユニットをさらに含んでよい。
【0020】
本願の本実施形態におけるメッセージは送信先広告オブジェクトDAOメッセージであってよい。
【0021】
一例において、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報はいずれも、DAOメッセージ内のOptionフィールドに携えられる。
【0022】
具体的な実装において、Optionフィールドは、第1のTarget Optionフィールドと、第2のTarget Optionフィールドと、第3のTarget Optionフィールドと、第1のSchedule Reservation Optionフィールドと、第2のSchedule Reservation Optionフィールドとを含む。第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のTarget Optionフィールドと第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のTarget Optionフィールドと第3のTarget Optionフィールドとの間に置かれる。第1のTarget Optionフィールドは第1のネットワークノードの識別子を携え、第2のTarget Optionフィールドは第2のネットワークノードの識別子を携え、第3のTarget Optionフィールドは第3のネットワークノードの識別子を携え、第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のリソース情報を携え、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のリソース情報を携える。
【0023】
以上は本願の本実施形態で提供されるネットワークノードを説明する。具体的な実装については、第1の態様で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法の前述した実施形態の説明を参照されたい。本実施形態で達成される効果は前述した方法の実施形態で達成されるそれと同じである。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0024】
第3の態様によると、本願の一実施形態は、少なくとも1つの接続されたプロセッサとメモリとを含むネットワークノードをさらに提供する。メモリはプログラムコードを保管するように構成され、プロセッサは、第1の態様によるネットワークリソーススケジューリング方法を遂行するため、メモリ内のプログラムコードを起動するように構成される。
【0025】
第4の態様によると、本願の一実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この命令がコンピュータで実行されると、コンピュータは第1の態様によるネットワークリソーススケジューリング方法を遂行することが可能となる。
【0026】
第5の態様によると、本願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。このコンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されると、コンピュータは第1の態様によるネットワークリソーススケジューリング方法を遂行することが可能となる。
【0027】
本願の実施形態の技術的なソリューションをより明確に説明するため、これ以降は実施形態の説明に必要な添付の図面を簡単に説明する。説明する添付の図面は本願に記録されたいくつかの実施形態を示すものに過ぎず、当業者なら添付の図面をもとにして別の図面を作り出すことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願の一実施形態による応用シナリオにおけるネットワークシステム構成の概略図である。
【
図2】本願の一実施形態によるネットワークリソーススケジューリング方法の概略流れ図である。
【
図3】本願の一実施形態によるDAOメッセージの形式の概略図である。
【
図4】本願の一実施形態によるSchedule Reservation Optionフィールドの形式の概略図である。
【
図5】本願の一実施形態によるTarget Optionフィールドの形式の概略図である。
【
図6】本願の一実施形態による6P transactionシグナリングを使用してcellのネゴシエーションおよびスケジューリングを行う概略流れ図である。
【
図7】本願の一実施形態によるReservation Confirmation Optionフィールドの形式の概略図である。
【
図8】本願の一実施形態によるDAO-ACKメッセージの形式の概略図である。
【
図9】本願の一実施形態によるネットワークノードの概略構造図である。
【
図10】本願の一実施形態によるネットワークノードの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
通常、ネットワークノード間で効率的で秩序あるパケット送受を行うには、パケット送受経路上のネットワークノードごとにネットワークリソースが構成される必要がある。ネットワークノードは、別々のチャネルを使用することで同一スロット内で互いに通信でき、ネットワークリソースが適切にスケジュールされる限りは、互いに干渉し合わない。
【0030】
6TiSCH作業部会がTSCHモードでネットワークリソースをスケジュールするスケジューリング機能(Scheduling Function)を規定していることは理解されることができる。具体的に述べると、2つの隣接ネットワークノード間のcellは、2つの隣接ネットワークノード間で予約されるcellの数(SCHEDULED CELLS)と、ネットワークトラフィックに必要なcellの数(REQUIRED CELLS)と、閾値SFXTHRESHとに基づいて動的にスケジュールされることができる。隣接ネットワークノード間で実際に使用されるcellの数はUSED CELLSと表記される。オーバープロビジョニングパラメータはOVER PROVISIONと表記される。ここで、REQUIRED CELLS=USED CELLS+OVER PROVISIONである。具体的に述べると、2つの隣接ネットワークノード間でcellをスケジュールするポリシーは次の通りであってよい。REQUIRED CELLS<(SCHEDULED CELLS-SFXTHRESH)であるなら、これは、予約されたcellの数が過度に多くてcellが削除される必要があることを意味するため、1つ以上のcellが削除され、(SCHEDULED CELLS-SFXTHRESH)<=REQUIRED CELLS<=SCHEDULED CELLSであるなら、これは、予約されたcellの数が適切であって、増減される必要がないことを意味し、あるいは、SCHEDULED CELLS<REQUIRED CELLSであるなら、これは、予約されたcellの数が少なすぎてcellが追加される必要があることを意味するため、1つ以上のcellが追加される。前述の決定が完了された後に、2つの隣接ネットワークノードは、cellを構成するため、6topアダプテーション層にて6P transactionシグナリングを直接起動できる。
【0031】
しかしながら、いくつかの応用シナリオでは、パケットは送信元から所定の時間内に送信先に到着することを必要とされる。例えば、自動制御において、入力信号は、この制御の1閉ループ周期内にコントローラに到着する必要がある。さもないと、制御は不安定な状態になる恐れがある。しかしながら、2つの隣接ネットワークノード(1ホップとも呼ばれる)間で個別のネゴシエーションおよびスケジューリングが行われるcell構成方式では、各ホップの2つの隣接ネットワークノード間での効果的パケット送受しか保証されることができない。マルチホップ経路の場合は、経路上の各ネットワークノードにおけるパケットの送受時間が集約的にスケジュールされて管理されることはできない。結果的に、経路上の各ネットワークノードは所定の時間にパケットを送受できない可能性があり、このため、経路上の送信元から送信先へのパケット送受がデターミニスティックレイテンシで完遂されることを保証することは難しい。具体的に述べると、1ホップ内の2つの隣接ノード間で個別のネゴシエーションおよびスケジューリングが行われるcell構成のためのソリューションは、マルチホップ経路上でのcellスケジューリングに応用できない。1つの完全な経路が処理のために複数の独立したシングルホッププロセスに分割される場合ですら、送信元から送信先へのcellの集約的スケジューリングが保証されることはできない。
【0032】
これを踏まえ、前述した技術的問題を解決するため、本願の一実施形態はネットワークリソーススケジューリング方法を提供する。パケット転送経路上でネットワークリソースの集約的スケジューリングを開始するため、パケット転送経路上の各ネットワークノードへメッセージが送信される。パケット転送経路上の各ホップネットワークノードにつき、メッセージを受信するネットワークノードは、メッセージから、該ネットワークノードおよび次ホップネットワークノード間の目標リソーススケジューリング情報を取得できる。この場合、該ネットワークノードは、取得した目標リソーススケジューリング情報に基づいて、次ホップネットワークノードを相手にネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを行うことができる。該ネットワークノードのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した後に、該ネットワークノードは次ホップネットワークノードへメッセージを送信し、次ホップネットワークノードは前述の要領で次ホップネットワークノードのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを完遂し、同様に、最終的にはパケット転送経路上の全てのノードがネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを完遂する。このメッセージはDAOメッセージであってよい。本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法によると、パケット転送経路上の各ネットワークノードへメッセージ(例えば、DAOメッセージ)が集約的に送達されることで、マルチホップ経路上の各隣接ネットワークノード対間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースは集約的にスケジュールされることができ、各ホップネットワークノードによって個別のネットワークリソーススケジューリングが行われる場合に、マルチホップ経路上でネットワークリソースが集約的にスケジュールされて管理されることができず、結果的に、経路上でパケットが所定の時間に送受されることができないという問題を解決するため、マルチホップ経路上の送信元から送信先にかけてパケットのデターミニスティックレイテンシが維持され得ることが保証され得ることが分かる。
【0033】
本願の本実施形態で使用されるルーティングプロトコルが低電力・多損失ネットワークのためのIPv6ルーティングプロトコル(IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks、略してRPL)(RFC6550)であることは理解されることができる。RPLではDAOメッセージが規定されている。DAOメッセージはユニキャストメッセージであり、ダウンリンクルートを構築するため、子ネットワークノードが親ネットワークノードか境界ルーターへ経路情報を送信するために使用される。これに基づき、本願の本実施形態においては、親ネットワークノードか境界ルーターから送信される逆伝搬スケジューリングDAO(Scheduling DAO、略してS-DAO)メッセージが、パケット転送経路上の各子ネットワークノードによって受信される。
【0034】
例えば、本願の本実施形態におけるシナリオの1つは、
図1に示されたTSCHモードのネットワークトポロジ構造に応用されることができる。このTSCHモードのネットワークトポロジ構造が送信先本位の有向非巡回グラフ(Destination Of Directed Acyclic Graph、略してDODAG)であって、DODAG内のルートネットワークノードが境界ルーター(Border Router、略してBR)であってよいことは理解されることができる。BRはローカルネットワーク管理デバイスへ接続されてよく、あるいはBRは、ルーターを使用して外部ネットワークと外部ネットワーク管理デバイスを接続してよい。ネットワークカバレッジエリアを拡張するため、BRはサブネットバックボーン(backbone)を使用して互いに接続されてよい。
【0035】
具体的な実装において、ローカルネットワーク管理デバイスか外部ネットワーク管理デバイスはネットワークリソースデータベースを管理し、ネットワークリソーススケジューリングソリューションを策定できる。ネットワークでつながれた後、境界ルーターはネットワークリソーススケジューリングソリューションを含むネットワーク情報を収集できる。ネットワークトポロジ構造の中で集約的なネットワークリソース管理およびスケジューリングを実施するため、ネットワークリソーススケジューリングソリューションを受信した境界ルーターは、それぞれの子ネットワークノードへネットワークリソーススケジューリングソリューションを送達する責任がある。
【0036】
図1に示されたネットワークトポロジ構造が一例として使用される。BRによって受信され送達されるDAOメッセージに対応するパケット転送経路がネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードCであると仮定すると、具体的なソリューションは次の通りであってよい。ネットワークノードAはDAOメッセージを受信し、DAOメッセージに携えられ、ネットワークノードAと次ホップネットワークノード(すなわち、ネットワークノードB)との間でスケジュールされる必要のあるcellを指示するために使用される、目標リソーススケジューリング情報1を、取得する。この場合、ネットワークノードAは、目標リソーススケジューリング情報1に基づいて、ネットワークノードBを相手にcellのネゴシエーションおよびスケジューリングを行う(例えば、6P transactionシグナリングと応答シグナリングを使用することによってネゴシエーションを行ってよい)。cellのネゴシエーションおよびスケジューリングが成功する場合は、ネットワークノードAがネットワークノードBへDAOメッセージを送信する。ネットワークノードBはDAOメッセージを受信し、DAOメッセージに携えられ、ネットワークノードBと次ホップネットワークノード(すなわち、ネットワークノードC)との間でスケジュールされる必要のあるcellを指示するために使用される、目標リソーススケジューリング情報2を、取得する。この場合、ネットワークノードBは、目標スケジューリング情報2に基づいて、ネットワークノードCを相手にcellのネゴシエーションおよびスケジューリングを行う。cellのネゴシエーションおよびスケジューリングが成功する場合は、ネットワークノードBがネットワークノードCへDAOメッセージを送信する。ネットワークノードCはDAOメッセージを受信し、ネットワークノードCが出口ノードであることを知る。この場合、パケット転送経路上でのネットワークリソーススケジューリングは完了される。
【0037】
したがって、本願の本実施形態においては、パケット転送経路上の各ネットワークノードへDAOメッセージが送達され得ることで、マルチホップ経路上の各隣接ネットワークノード対間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースは集約的にスケジュールされることができ、マルチホップ経路上の送信元から送信先にかけてネットワークリソースを予約し、パケット転送のデターミニスティックレイテンシ実現を支援することができる。本願の本実施形態において、マルチホップ経路とは、転送経路上で送信元ノードと送信先ノードとの間に少なくとも1つの中間ノードが含まれている転送経路である。
【0038】
前述したシナリオが本願の本実施形態で提供される一シナリオの一例に過ぎず、本願の本実施形態がこのシナリオに限定されないことは理解されることができる。
【0039】
これ以降は、添付の図面を参照しながら一実施形態を使用して、本願の本実施形態におけるネットワークリソーススケジューリング方法の具体的実装を詳述する。
【0040】
図2は、本願の一実施形態によるネットワークリソーススケジューリング方法の概略流れ図である。該方法は、以下のステップを特に含んでよい。
【0041】
ステップ201:第1のネットワークノードがメッセージを受信し、メッセージは、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、第1のリソース情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用され、第2のリソース情報は、第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用される。
【0042】
第1のネットワークノードによって受信されるメッセージがスケジューリングのために使用されるDAOメッセージであってよいことは理解されることができる。本実施形態の迫真性を高めるため、本実施形態ではDAOメッセージは一例として説明に用いられる。DAOメッセージはネットワーク管理デバイス(例えば、境界ルーター)によって送信されてパケット転送経路上に伝送されてよく、このパケット転送経路は、少なくとも第1のネットワークノードと、第2のネットワークノードと、第3のネットワークノードとを含む。
【0043】
第1のネットワークノードがパケット転送経路上の出口(Egress)ノード以外のいずれかのネットワークノードであってよいこと、そしてパケット転送経路上の第1のネットワークノードの次ホップノードが第2のネットワークノードであること、第2のネットワークノードの次ホップノードが第3のネットワークノードであることは理解されることができる。具体的に述べると、パケット転送経路は、...->第1のネットワークノード->第2のネットワークノード->第3のネットワークノード->...であってよく、第1のネットワークノードは入口(Ingress)ノードか中間ノードであってよく、第3のネットワークノードは出口ノードか中間ノードであってよい。
【0044】
具体的な実装において、ローカルネットワーク管理デバイスか外部ネットワーク管理デバイスは、パケット転送経路上のネットワークリソースに対応する集約スケジューリングポリシーを策定し、この集約スケジューリングポリシーをBRへ送信し、BRは集約スケジューリングポリシーをDAOメッセージの中に封入し、入口ノードを使用してパケット転送経路沿いのパケット転送経路上の各ネットワークノードへDAOメッセージを送達し、これにより、ホップバイホップ型ネットワークノードはネットワークリソース構成を相次いで完遂する。パケット転送経路より前のいくつかのノードがBRと入口ノードの間に含まれる場合、これらのノードは目下のリソース予約のために入口ノードへDAOメッセージを転送するのみであって、第1のネットワークノードや第2のネットワークノードによって遂行される操作を遂行しない。
【0045】
なお、BRがDAOメッセージを送達することは、本実施形態における説明のための一例に過ぎない。本願の本実施形態において、ネットワークリソースの集約的スケジューリングを実施するためにDAOを送達できるネットワーク管理デバイスはいずれも、パケット転送経路上の各ネットワークノードへDAOメッセージを送達できる。
【0046】
例えば、DAOメッセージの形式について
図3を参照できることは理解されることができる。以下、DAOメッセージに含まれるフィールドとフィールドの値および意味が説明される。
【0047】
Type:Typeはメッセージのタイプを指示するために使用される。本実施形態において、Type=155であるなら、これはメッセージのタイプが制御タイプであることを意味する。
【0048】
Code:CodeはメッセージがDAOメッセージであることを指示するために使用される。Code=0x04であるなら、これはメッセージが暗号化されたDAOメッセージであることを意味する。Code=0x84であるなら、これはメッセージが暗号化されていないDAOメッセージであることを意味する。実際の応用では、Codeがインターネット割り当て番号局(The Internet Assigned Numbers Authority、略してIANA)規格に従って割り当てられてよく、0x00、0x01、0x02、0x03、0x80、0x81、0x82、0x83、および0x8A以外のいずれかの値であってよい。
【0049】
Checksum:Checksumは暗号化のときに使用され、RFC4443規格に従って計算される。
【0050】
Security:SecurityはDAOメッセージが暗号化される場合に使用されるフィールドである。
【0051】
RPL Instance ID:RPL Instance IDは8 bit RPLインスタンスIDであってよい。本願の本実施形態において、IDは境界ルーターのIDであってよく、境界ルーターと1対1の対応関係にある。
【0052】
K:KはDAOメッセージがACKを必要とするか否かを指示し、本願の本実施形態では1に設定されてよい。
【0053】
D:DはDAOメッセージがDODAGのIDを含むか否かを指示し、本願の本実施形態では0に設定されてよい。
【0054】
DAO Sequence:DAO Sequenceはシーケンス番号である。このシーケンス番号は、境界ルーターがDAOメッセージを送信するたびに1ずつ増加する。シーケンス番号は、DAOメッセージと、DAOメッセージに対する応答メッセージ(すなわち、DAO-ACKメッセージ)との対応関係を確認するために使用される。DAOメッセージと対応するDAO-ACKメッセージは同じシーケンス番号を使用するため、DAO-ACKメッセージが特定のDAOメッセージに対する応答メッセージであることを確認できる。
【0055】
Options:OptionsフィールドはDAOメッセージ内のオプションシーケンスである。
【0056】
DAOメッセージ内のOptionsフィールドが情報シーケンスを含んでよいことは理解できる。情報シーケンスは、パケット転送経路上の各ネットワークノードに対応するリソーススケジューリング情報を含み、パケット転送経路上の各ノードと、各ノードの次ホップノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用される。例えば、情報シーケンスは第1のリソース情報と第2のリソース情報とを含んでよい。第1のリソース情報は第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを携えてよく、第2のリソース情報は第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを携えてよい。加えて、DAOメッセージ内のOptionsフィールド内の情報シーケンスは、パケット転送経路上の各ネットワークノードの識別子をさらに含んでよい。例えば、情報シーケンスは、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子とを含んでよい。詳しい説明については、ステップ202を参照されたい。
【0057】
ステップ202:第1のネットワークノードは、メッセージが第1のネットワークノードの識別子を含んでいると判断する場合に、第1のリソース情報を取得し、第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行う。
【0058】
第1のネットワークノードによって受信されるメッセージが、転送経路上の各ネットワークノードの識別子と、2つの隣接ネットワークノード間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースとを含んでいることは理解されることができる。この場合、第1のネットワークノードがメッセージから第1のネットワークノードの識別子を見つける場合は、第1のネットワークノードが転送経路上のノードであることを意味する。
【0059】
第1のネットワークノードは、DAOメッセージに携えられた情報シーケンスで第1のリソース情報を探す。情報シーケンスは、パケット転送経路上の各ノードと各ノードの次ホップノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用され、第1のリソース情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用される。
【0060】
具体的な実装において、情報シーケンスはDAOメッセージ内のOptionsフィールドに携えられてよく、情報シーケンス内の各リソース情報はOptionsフィールド内
のSchedule Reservation Optionフィールドに携えられてよい
。Schedule Reservation Optionフィールドの形式は
図4に示されている。以下、スケジュール予約オプションフィールドに含まれるフィールドとフィールドの値および意味が説明される。
【0061】
Command ID:Command IDは各ネットワークノードに対応するスケジューリング操作を指示するために使用され、具体的な値は1、2、または3であってよい。Command ID=1であるなら、これは遂行される必要のあるスケジューリング操作がネットワークノードのcellの追加(Add)であることを意味する。Command ID=2であるなら、これは遂行される必要のあるスケジューリング操作がネットワークノードのcellの削除(Delete)であることを意味する。Command ID=3であるなら、これは遂行される必要のあるスケジューリング操作がネットワークノードのcellの再配置(Relocate)であることを意味する。
【0062】
Slot Frame ID:Slot Frame IDは6P transactionのときに使用されるスロットフレームを識別するために使用され、換言すると、ネゴシエーションおよびスケジューリングの機会を指示するために使用される。
【0063】
Cell Options:Cell Optionsはスケジュールされる必要のあるcellのタイプを識別するために使用され、具体的な値はTX、RX、SHAREDなどである。Cell Options=TXであるなら、これはパケットを送信するために使用されるcellがスケジュールされる必要があることを意味する。Cell Options=RXであるなら、これはパケットを受信するために使用されるcellがスケジュールされる必要があることを意味する。Cell Options=SHAREDであるなら、パケットの送信とパケットの受信に使用されることができるcellがスケジュールされる必要があることを意味する。
【0064】
NumCells:NumCellsは追加、削除、または再配置される必要のあるcellの数を指示するために使用される。
【0065】
Candidate Cell List:Candidate Cell Listは候補セルリストを指示し、候補セルリスト内のcell数はNumCellsのcell数以上である。
【0066】
Relocate Cell List:Relocate Cell Listは再配置cellリストを指示し、スケジューリング操作がcellの再配置であることをCommand IDが指示する場合に限り有効である。再配置cellリスト内のcell数はNum Cellsに等しい。
【0067】
パケット転送経路上の出口ノード以外のネットワークノードはいずれも、DAOメッセージ内の情報シーケンスからネットワークノードに対応するリソース情報を見つけることができ、ネットワークリソーススケジューリングを行うときに、それぞれのネットワークノードは、DAOメッセージ内の複数のリソース情報の中でネットワークノードに一意に対応するリソース情報を探す必要があることは理解されることができる。このリソース情報はネットワークノードの目標リソース情報と表記される。DAOメッセージ内のOptionsフィールドはパケット転送経路上の各ネットワークノードの識別子をさらに含んでよいため、パケット転送経路上の各ネットワークノードはネットワークノードに対応する目標リソース情報を見つけることができる。
【0068】
具体的な実装において、各ネットワークノードの識別子は、DAOメッセージ内のOptionsフィールド内
のTarget Optionフィールドに携えられてよい
。Target Optionフィールドの形式は
図5に示されている。以下、目標オプションフィールドに含まれるフィールドとフィールドの値および意味が説明される。
【0069】
Type:TypeはフィールドがTarget Optionフィールドであることを指示するために使用される識別子であり、Typeは本実施形態において5に設定されてよい。
【0070】
Option Length:Option LengthはTarget Optionフィールドの長さを指示するために使用される。
【0071】
Prefix length:Prefix lengthはIPv6プレフィックスの長さを指示するために使用される。本願の本実施形態において、Prefix lengthは128に設定されてよい。これは、128ビットIPv6アドレスの長さを指示する。
【0072】
Target Prefix:本願の本実施形態において、Target Prefixはネットワークノードの128ビットIPv6アドレスであり、このIPv6アドレスはネットワークノードの識別子として使用される。
【0073】
具体的な実装において、パケット転送経路上の各ネットワークノードによって受信されるDAOメッセージでは、リソース情報の配置順序とネットワークノードの識別子の配置順序について2つの条件が検討される必要がある。第一に、それぞれのネットワークノードは、受信したDAOから対応する目標リソース情報を見つけられるようにすることができる。第二に、それぞれのネットワークノードは、ネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを行う際の相手方にあたる目標ネットワークノードであって、ネゴシエーションおよびスケジューリングが完了した後にDAOが送信される際の送信先にあたる目標ネットワークノードを、判断するために、受信したDAOから次ホップネットワークノードを判断できるようにすることができる。
【0074】
いくつかの可能な実装において、DAOメッセージの中にあるリソース情報の配置順序とネットワークノードの識別子の配置順序は、具体的には次の通りであってよい。ネットワークノードの識別子はパケット転送経路上のネットワークノードの順序で配置され、2つの隣接ネットワークノード間でパケットを転送するために使用されるネットワークリソースを指示するために使用されるリソース情報は、2つの隣接ネットワークノードの識別子の間に置かれる。例えば、詳細は次の通りであってよい。DAOメッセージ内のOptionフィールドは、Target OptionフィールドとSchedule Reservation Optionフィールドとを含む。1つのTarget Optionフィールドは、パケット転送経路上の1つのネットワークノードの識別子を携え、1つのSchedule Reservation Optionフィールドは、1対の隣接ネットワークノード間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースを指示するために使用されるリソース情報を携える。
【0075】
この場合、パケット転送経路上で互いに隣接する第1のネットワークノードと第2のネットワークノードについては、DAOメッセージにおいて、第1のネットワークノードの識別子と第2のネットワークノードの識別子がパケット転送経路上での第1のネットワークノードと第2のネットワークノードの順序で配置され、第1のネットワークノードによって見つけられる第1のリソース情報は、第1のネットワークノードの識別子と第2のネットワークノードの識別子との間に置かれる。例えば、DAOメッセージ内のOptionフィールドは、少なくとも2つのTarget Optionフィールドと少なくとも1つのSchedule Reservation Optionフィールドとを含んでよい。第1のTarget Optionフィールドは第1のネットワークノードの識別子を携える。第2のTarget Optionフィールドは第2のネットワークノードの識別子を携える。目標Schedule Reservation Optionフィールドは第1のリソース情報を携え、目標Schedule Reservation Optionフィールドは第1のTarget Optionフィールドと第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれる。この場合、DAOは、...第1のTarget Optionフィールド、目標Schedule Reservation Optionフィールド、第2のTarget Optionフィールド...を含んでよい。
【0076】
したがって、パケット転送経路上で隣接する第1のネットワークノード、第2のネットワークノード、および第3のネットワークノードの場合、メッセージ内のOptionフィールドは、第1のTarget Optionフィールド、第2のTarget Optionフィールド、第3のTarget Optionフィールド、第1のSchedule Reservation Optionフィールド、および第2のSchedule Reservation Optionフィールドを含む。第1のTarget Optionフィールドは第1のネットワークノードの識別子を携え、第2のTarget Optionフィールドは第2のネットワークノードの識別子を携え、第3のTarget Optionフィールドは第3のネットワークノードの識別子を携え、第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のリソース情報を携え、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のリソース情報を携える。この場合、DAOは、...第1のTarget Optionフィールド、第1のSchedule Reservation Optionフィールド、第2のTarget Optionフィールド、第2のSchedule Reservation Optionフィールド、第3のTarget Optionフィールド...を含んでよい。
【0077】
例えば、
図1のパケット転送経路(すなわち、ネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードC)を一例として用いてDAOメッセージの具体的形態が説明される。ネットワークノードAの識別子
はTarget Option Aフィールドに携えられ、ネットワークノードBの識別子
はTarget Option Bフィールドに携えられ、ネットワークノードCの識別子
はTarget Option Cフィールドに携えられ、ネットワークノードAに対応する第1のリソース情報
はSchedule Reservation Option 1フィールドに携えられ、ネットワークノードBに対応する第2のリソース情報
はSchedule Reservation Option 2フィールドに携えられる。この場合、パケット転送経路上のネットワークノードによって受信されるDAOメッセージは表1に示されている。具体的に述べると
、Target Option Aフィールドと
、Schedule Reservation Option 1フィールドと
、Target Option Bフィールドと
、Schedule Reservation Option 2フィールドと
、Target Option Cフィールドが含まれている。
【0078】
【0079】
この場合、第1のネットワークノードがDAOメッセージを受信した後のステップ202の可能な具体的実装は次の通りであってよい。第1のネットワークノードは、第1のネットワークノードの識別子を携えるフィールドをDAOメッセージで探し、第1のネットワークノードの識別子を携えるフィールドの次のフィールドから解析によって第1のネットワークノードの第1のリソース情報を取得する。加えて、第1のネットワークノードは、DAOメッセージから、第1のネットワークノードの第1のリソース情報を携えるフィールドの次のフィールドをさらに見つけることができ、なおかつ第2のネットワークノードを判断するため、該フィールドから第1のネットワークノードの次ホップネットワークノード(第2のネットワークノードと表記)の識別子を見つけることができる。
【0080】
例えば、ネットワークノードAが第1のネットワークノードであると仮定すると、ネットワークノードAは、表1に示されたDAOメッセージを受信した後に、ネットワークノードAの識別子を携えるTarget Option Aフィールドを見つけることができ、該フィールドの次のSchedule Reservation Option 1フィールドからネットワークノードAに対応する第1のリソース情報を取得することができる。加えて、ネットワークノードAはさらに、第1のリソース情報が置かれているフィールドの次のフィールドから次ホップネットワークノードB(第2のネットワークノードと表記)を知ることができ、すなわち、目標リソーススケジューリング情報がネットワークノードAと特定のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるcellを指示していることを確認できる。
【0081】
第1のネットワークノードは、第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを行う。
【0082】
第1のネットワークノードが、取得した第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを行うことができることは理解されることができる。TSCHモードのためにインターネットエンジニアリングタスクフォース(Internet Engineering Task Force、略してIETF)の6TiSCH作業部会によって設計された6topアダプテーション層に基づくと、ネットワークリソーススケジューリングは6topアダプテーション層で実施されてよい。具体的な実装において、2つの隣接するノードは、ネットワークリソースを追加(Add)、削除(Delete)、または再配置(Relocate)するために6topアダプテーション層にて6P transactionシグナリングを起動する。
【0083】
ネゴシエーションおよびスケジューリングプロセスについては、
図6に示されたネゴシエーション手順を参照されたい。このネゴシエーション手順は、以下を特に含んでよい。第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングを完遂するため、第1のネットワークノードは第2のネットワークノードへ6P transactionシグナリングを送信し、第2のネットワークノードは、6P transactionシグナリングを受信した後に、6P transaction応答シグナリングを生成し、第1のネットワークノードへ6P transaction応答シグナリングをフィードバックする。例えば、ネットワークリソースが追加される。
図6に示されているように、ネットワークノードAとネットワークノードBとの間で2つのネットワークリソースを追加するスケジューリングを実施するため、ネットワークノードAはネットワークノードBに対する6P transactionシグナリングでAddシグナリングを開始する。あるひとつの場合、ネットワークノードAは、ネットワークノードBからAddシグナリングに対する応答シグナリングを所定の期間内に受信しない場合に、このスケジューリング要求を終了する。もうひとつの場合、ネットワークノードAがネットワークノードBからAddシグナリングに対する応答シグナリングを所定の期間内に受信する場合は、ネットワークノードAとネットワークノードBが構成されたネットワークリソースに基づいてパケットを各々受信/送信する。
【0084】
6P transactionシグナリング内のAddシグナリングは、タイプと、コードと、シーケンス番号と、NumCellsと、候補セルリストとを含んでよい。タイプ(Type)は、メッセージがスケジューリングを開始するための要求シグナリングであることを指示するために使用される。コード(Code)は、具体的なスケジューリング操作を指示するために使用され、この具体的操作は、Add、Delete、またはRelocateを含んでよい。シーケンス番号(SeqNum)は、送信メッセージと応答メッセージとの対応関係を判断するために使用される。NumCellsは、Codeで指示される操作に対応するネットワークリソースの数を指示するために使用される。候補cellリスト(Cell List)は、候補として使用されることができる特定のネットワークリソースを示すために使用される。それぞれのネットワークリソースは二次元座標を使用して表現されてよい。一方の次元はネットワークリソースのスロットを表し、他方の次元はネットワークリソースのチャネルを表す。例えば、(1,2)、(2,2)、および(3,5)は3通りのネットワークリソース識別子である。同様に、6P transaction応答シグナリングは、タイプと、コードと、シーケンス番号と、セルリストとを含んでよい。タイプ(Type)は、メッセージが応答シグナリングであることを指示するために使用される。コード(Code)は、スケジューリング操作の結果を指示するために使用され、この結果は成功または失敗を含んでよい。Code=0であるなら、これはネットワークリソーススケジューリングの成功を意味し、あるいはCode=1であるなら、これはネットワークリソーススケジューリングの失敗を意味する。シーケンス番号(SeqNum)は、送信メッセージと応答メッセージとの対応関係を判断するために使用される。cellリスト(Cell List)は、スケジューリングが完了された後に構成されるネットワークリソースを示すために使用され、このネットワークリソースは、候補ネットワークリソースリスト内の一部または全部のネットワークリソースを含んでよい。具体的に述べると、要求シグナリングの候補cellリスト内のcell数は、応答シグナリングのcellリスト内のcell数以上である。
【0085】
なお、ネゴシエーションおよびスケジューリングプロセスでは、6P transactionシグナリングの全てのパラメータがDAOメッセージから取得されてよい。例えば、6P transactionシグナリングの候補cellリスト(Cell List)は、DAOメッセージ内のSchedule Reservation Optionフィールドから取得されてよい。
【0086】
6P transaction応答シグナリングのCodeが0に等しいなら、これは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネゴシエーションおよびスケジューリングが成功し、次ホップネットワークノードのcellがスケジュールされることができることを意味し、6P transaction応答シグナリングのCodeが1に等しいなら、これは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネゴシエーションおよびスケジューリングが失敗し、パケット転送経路上のネットワークノード間での集約的スケジューリングが終了されたとみなされ、次のネットワークノードを相手に行われるべきスケジューリングが行われないことを意味することが理解されることができる。
【0087】
ステップ203:ネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した場合に、第2のリソース情報に基づいて第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように第2のネットワークノードをトリガーするため、第1のネットワークノードは第2のネットワークノードへメッセージを送信する。
【0088】
第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した場合に、第1のネットワークノードが第2のネットワークノードへメッセージを送信することは理解されることができる。第2のネットワークノードがメッセージを受信した後に第2のネットワークノードによって遂行される操作については、ステップ202で第1のネットワークノードがメッセージを受信した後に第1のネットワークノードによって遂行されるステップを参照されたい。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0089】
可能な一実装において、第2のネットワークノードによってフィードバックされて第1のネットワークノードによって受信される6P transaction応答シグナリングが、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングの成功を伝える場合は、第1のネットワークノードが第1のネットワークノードに隣接する第2のネットワークノードへDAOメッセージを送信でき、これにより、第2のネットワークノードは、本願の本実施形態で提供される方式でネットワークリソーススケジューリングを行う。
【0090】
具体的な実装において、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した後は、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを確認するため、第1のネットワークノードはメッセージに第1の指示識別子を加え、第1の指示識別子が加えられたメッセージを第2のネットワークノードへ送信することができる。この第1の指示識別子は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したことを指示するために使用される。
【0091】
一例においては、ネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した後に、DAOメッセージ内の第1のリソース情報が目標スケジューリング確認情報に差し替えられてよく、この目標スケジューリング確認情報は第1の指示識別子と表記される。目標スケジューリング確認情報は第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したことを指示するために使用され、目標スケジューリング確認情報は首尾よくスケジュールされたネットワークリソースのリストを含んでよい。首尾よくスケジュールされたネットワークリソースが候補ネットワークリソースから選ばれることは理解されることができる。
【0092】
第1のリソース情報が情報シーケンス内
のSchedule Reservation Optionフィールドに携えられる場合は、第1の指示識別子として使用される目標スケジューリング確認情報が第1
のReservation Confirmation Optionフィールドに相応に携えられてよく、第1
のReservation Confirmation Optionフィールド内のCodeが0であってよいことは理解されることができる。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリングの結果が「成功」であることを指示するために使用される
。Reservation Confirmation Optionフィールドの形式は
図7に示されている。以下、Reservation Confirmation Optionフィールドに含まれるフィールドとフィールドの値および意味が説明される。
【0093】
Code:Codeは、6P transactionのときに返されるコードを指示するために使用され、成功/失敗を指示する。Code=0であるなら、第1のReservation Confirmation Optionフィールドに目標スケジューリング確認情報が相応に携えられてよく、これは、6P transactionネゴシエーションおよびスケジューリングが成功したことを意味し、あるいはCode=1であるなら、これは6P transactionネゴシエーションおよびスケジューリングが失敗したことを意味し、第2のReservation Confirmation Optionフィールドに目標スケジューリング失敗情報が相応に携えられてよい。
【0094】
Success Cell List:Success Cell Listは、首尾よくネゴシエーションおよびスケジューリングされたcellのリストを指示するために使用される。
【0095】
ステップ202で第1のネットワークノードによって取得される第1のリソース情報は、スケジュールされるべき候補ネットワークリソースを指示するために使用される情報を携え、ネゴシエーションおよびスケジューリングが成功した後に、目標スケジューリング確認情報は、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するために使用される情報を携える。首尾よくスケジュールされたネットワークリソースはスケジュールされるべき候補ネットワークリソースから選ばれ、スケジュールされるべき候補ネットワークリソースの一部または全部のcellであってよい。一例において、スケジュールされるべき候補ネットワークリソースを指示するために使用される情報は、情報シーケンス内のSchedule Reservation Optionフィールド内のCandidate Cell Listフィールドに携えられてよく、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するために使用される情報は、DAOメッセージ内の第1のReservation Confirmation Optionフィールド内のSuccess Cell Listに携えられてよい。
【0096】
具体的な実装において、第2のネットワークノードは、DAOメッセージを受信した後に、本願の本実施形態で提供され、第1のネットワークノードによって遂行される、ネットワークリソーススケジューリングソリューションを参照しながらネットワークリソーススケジューリングを行うことができ、同様に、最終的にはパケット転送経路上の全てのネットワークノードが首尾よくcellをスケジュールする。
【0097】
一例において、出口ノードがメッセージ(例えば、DAOメッセージ)を受信する場合は、これは、パケット転送経路上の各ホップネットワークノードによって行われたネゴシエーションおよびスケジューリングが成功したことを意味し、パケット転送経路上の出口ノード以外のネットワークノードに第1の指示識別子が相応に加えられる。例えば、DAOメッセージ内の全ての第1のリソース情報がスケジューリング確認情報に差し替えられる場合は、パケット転送経路上の出口ノードがDAOメッセージ内のスケジューリング確認情報をDAO-ACKメッセージの中に封入し、このDAO-ACKメッセージをユニキャスト方式で境界ルーターへフィードバックすることができる。
【0098】
DAO-ACKメッセージの形式が
図8に示されていることは理解されることができる。以下、DAO-ACKメッセージに含まれるフィールドとフィールドの値および意味が説明される。
【0099】
Type:Typeはメッセージのタイプを指示するために使用される。本実施形態において、Type=155であるなら、これはメッセージのタイプが制御タイプであることを意味する。
【0100】
Code:CodeはメッセージがDAO-ACKメッセージであることを指示するために使用される。Code=0x05であるなら、これはメッセージが暗号化されていないDAO-ACKメッセージであることを意味する。Code=0x85であるなら、これはメッセージが暗号化されたS-DAO-ACKメッセージであることを意味する。
【0101】
Security、RPL Instance ID、D、Reserved、DAO Sequence、およびOptionsについては、
図3とDAOの説明を参照されたい。
【0102】
別の可能な一実装において、第2のネットワークノードによってフィードバックされて第1のネットワークノードによって受信される6P transaction応答シグナリングが、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングの失敗を指示する場合は、第1のネットワークノードがメッセージに第2の指示識別子を加えることができる。例えば、第1のネットワークノードは、DAOメッセージ内の第1のリソース情報を目標スケジューリング失敗情報に差し替え、この目標スケジューリング失敗情報をDAO-NACKメッセージの中に封入し、このDAO-NACKメッセージを境界ルーターへフィードバックすることができる。
【0103】
第1のリソース情報がDAOメッセージ内
のSchedule Reservation Optionフィールドに携えられる場合は、第2の指示識別子として使用される目標スケジューリング失敗情報がDAO-NACKメッセージ内の第2
のReservation Confirmation Optionフィールドに相応に携えられてよく、第2
のReservation Confirmation Optionフィールド内のCodeが1であってよいことは理解されることができる。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリングの結果が「失敗」であることを指示するために使用される
。Reservation Confirmation Optionフィールドの形式については、
図7と対応する説明を参照されたい。
【0104】
具体的な実装において、第1のネットワークノードは、ネゴシエーションおよびスケジューリングの失敗を伝えるDAO-NACKメッセージを受信した後に、目標リソーススケジューリング情報を携えるSchedule Reservation Optionフィールドを、協調スケジューリング失敗識別子を携える第2のReservation Confirmation Optionフィールドに差し替えることができる。この場合、第1のネットワークノードは目標スケジューリング失敗情報を携える第2のReservation Confirmation OptionフィールドをDAO-NACKメッセージの中に封入し、このDAO-NACKメッセージをユニキャスト方式で境界ルーターへフィードバックすることができる。DAO-NACKメッセージの形式と関連する説明については、前述したDAO-ACKメッセージの形式とDAO-ACKメッセージの関連する説明を参照されたい。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0105】
本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法によると、パケット転送経路でネットワークリソースの集約的スケジューリングを開始するために、パケット転送経路上の各ネットワークノードへDAOメッセージかこれと同様のものが送信されることが分かる。パケット転送経路上の各ホップネットワークノードは、パケット転送経路上でネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングが完了されるまで、DAOメッセージ内の対応する第1のリソース情報に基づいて、ネットワークノードと次ホップネットワークノードとのネットワークリソースネゴシエーションおよびスケジューリングを行うことができる。このように、パケット転送経路上の各ネットワークノードへDAOメッセージが送達されることができるため、マルチホップ経路上の各隣接ネットワークノード対間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースは集約的にスケジュールされることができ、マルチホップ経路でエンド・ツー・エンドのリソーススケジューリングを実現する。
【0106】
なお、いくつかのパケット転送応用シナリオでは、送信元から送信先へパケットが転送される時間がデターミニスティックレイテンシ条件を満たすようにする必要があり、すなわち、パケットは所定の時間が経過する前に送信先に到着する必要があることが求められる。しかし、本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法では、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間の第1のリソース情報と第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間の第2のリソース情報が同一メッセージの中で集約的に構成され、特定の対応関係を有することができる。このように、ネットワークノード間でネットワークリソースの時系列が厳密にコントロールされることができるなら、パケット転送経路上の各ネットワークノードがスケジュールされたネットワークリソースを使用してパケットを転送する場合に存在する固定レイテンシが保証されることができ、本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法を使用してスケジューリングが行われた後に、各ネットワークノードは「デターミニスティックレイテンシ」でエンド・ツー・エンドのパケット転送を完遂できる。
【0107】
加えて、本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法は、マルチホップ経路上の各隣接ネットワークノード対間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソースの集約的スケジューリングに応用可能である。加えて、このスケジューリング方法では、ネットワークノードの処理能力とネットワークトポロジ構造の安定性について高い要求はない。TSCHモードのネットワークトポロジ構造内のネットワークノードは高い処理能力を有していないため、また安定したネットワークトポロジ構造を有していないため、本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法は、TSCHモードのネットワークトポロジ構造におけるネットワークリソーススケジューリングソリューション要求に非常に適しており、TSCHモードのネットワークトポロジ構造におけるパケット転送経路上の各隣接ネットワークノード対間でのネットワークリソースの集約的スケジューリングに応用可能なソリューションである。
【0108】
本願の本実施形態で提供されるネットワークリソーススケジューリング方法が説明された後、これ以降は、本願の本実施形態が、2つの状況に、すなわちスケジューリング成功状況とスケジューリング失敗状況に、応用される実例を、2つの実例を用いて明確かつ完全に説明する。
【0109】
実例1:
図1に示された状況でのパケット転送経路(すなわち、ネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードC)が一例として使用される。ネットワーク帯域幅リソースを、すなわちcellを、集約的にスケジュールする方法の具体的プロセスは、以下のステップを含んでよい。
【0110】
第1部:ネットワークノードAとネットワークノードBとの間でcellスケジューリングが行われる。
【0111】
S11:BRが、表1に示された情報シーケンスを携えたDAOメッセージをネットワークノードAへ送信する。
【0112】
S12:ネットワークノードAは、受信したDAOメッセージから、第1のTarget Option AフィールドにネットワークノードAの識別子が携えられていることに気づく。
【0113】
S13:ネットワークノードAは、DAOメッセージから、Schedule Reservation Option 1フィールドと、Target Option Aフィールドの後ろのTarget Option Bフィールドとを取得し、解析によりSchedule Reservation Option 1フィールドから第1のリソース情報を取得し、Target Option Bフィールドから、次ホップネットワークノードがネットワークノードBであると判断する。
【0114】
S14:ネットワークノードAは第1のリソース情報に基づいてネットワークノードBへ6P transactionシグナリングを送信する。
【0115】
S15:ネットワークノードBは6P transaction応答シグナリングをフィードバックし、この応答シグナリングはネゴシエーションおよびスケジューリングの成功を指示する。
【0116】
S16:ネットワークノードAは、DAOメッセージ内にあって第1のリソース情報を携えるSchedule Reservation Option 1フィールドを、目標スケジューリング確認情報1を携えるReservation Confirmation Option 1フィールドに差し替え、このReservation Confirmation Option 1フィールドに含まれるCodeは0に等しい。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリング結果が「成功」(Success)であることを意味し、表2に示されたDAOメッセージが形成される。
【0117】
【0118】
S17:ネットワークノードAは、表2に示された情報シーケンスを携えるDAOメッセージをネットワークノードBへ送信する。
【0119】
第2部:ネットワークノードBとネットワークノードCとの間でcellスケジューリングが行われる。
【0120】
S21:ネットワークノードBは、ネットワークノードAによって送信された受信済みDAOメッセージから、ネットワークノードBの識別子を携えるTarget Option Bフィールドを見つける。
【0121】
S22:ネットワークノードBは、S-DAOメッセージから、Schedule Reservation Option 2フィールドと、Target Option Bフィールドの後ろのTarget Option Cフィールドとを取得し、解析によりSchedule Reservation Option 2フィールドから第2のリソース情報を取得し、Target Option Cフィールドから、次ホップネットワークノードがネットワークノードCであると判断する。
【0122】
S23:ネットワークノードBは第2のリソース情報に基づいてネットワークノードCへ6P transactionシグナリングを送信する。
【0123】
S24:ネットワークノードCは6P transaction応答シグナリングをフィードバックし、この応答シグナリングはネゴシエーションおよびスケジューリングの成功を指示する。
【0124】
S25:ネットワークノードBは、S-DAOメッセージ内にあって第2のリソース情報を携えるSchedule Reservation Option 2フィールドを、目標スケジューリング確認情報2を携えるReservation Confirmation Option 2フィールドに差し替え、このReservation Confirmation Option 2フィールドに含まれるCodeは0に等しい。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリング結果が「成功」(Success)であることを意味し、表3に示されたDAOメッセージが形成される。
【0125】
S26:ネットワークノードBは、表3に示された情報シーケンスを携えるDAOメッセージをネットワークノードCへ送信する。
【0126】
第3部:ネットワークノードCによって操作が遂行される。
【0127】
S31:ネットワークノードCは、受信したDAOメッセージから、最後のTarget Option CフィールドにネットワークノードCの識別子が携えられていることに気づき、ネットワークノードCが出口ノードであると判断する。
【0128】
S32:ネットワークノードCはDAOメッセージ内のスケジューリング確認情報をDAO-ACKメッセージの中に封入し、このDAO-ACKメッセージをユニキャスト方式で境界ルーターへフィードバックする。
【0129】
【0130】
出口ノードによって送信されたDAO-ACKメッセージを境界ルーターが受信した後に、パケット転送経路:ネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードC上での集約的cellスケジューリングが完了されたと考えられることは理解されることができる。
【0131】
実例2:引き続き、
図1に示された状況でのパケット転送経路(すなわち、ネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードC)が一例として使用される。cellを集約的にスケジュールする方法の具体的プロセスは、以下のステップを含んでよい。
【0132】
第1部:ネットワークノードAとネットワークノードBとの間でcellスケジューリングが行われる。
【0133】
S11’:BRが、表1に示された情報シーケンスを携えたDAOメッセージをネットワークノードAへ送信する。
【0134】
S12’:ネットワークノードAは、受信したS-DAOメッセージから、第1のTarget Option AフィールドにネットワークノードAの識別子が携えられていることに気づく。
【0135】
S13’:ネットワークノードAは、S-DAOメッセージから、Schedule Reservation Option 1フィールドと、Target Option Aフィールドの後ろのTarget Option Bフィールドとを取得し、解析によりSchedule Reservation Option 1フィールドから第1のリソース情報を取得し、Target Option Bフィールドから、次ホップネットワークノードがネットワークノードBであると判断する。
【0136】
S14’:ネットワークノードAは第1のリソース情報に基づいてネットワークノードBへ6P transactionシグナリングを送信する。
【0137】
S15’:ネットワークノードBは6P transaction応答シグナリングをフィードバックし、この応答シグナリングはネゴシエーションおよびスケジューリングの成功を指示する。
【0138】
S16’:ネットワークノードAは、DAOメッセージ内にあって第1のリソース情報を携えるSchedule Reservation Option 1フィールドを、目標スケジューリング確認情報1を携えるReservation Confirmation Option 1フィールドに差し替え、このReservation Confirmation Option 1フィールドに含まれるCodeは0に等しい。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリング結果が「成功」(Success)であることを意味し、表2に示されたDAOメッセージが形成される。
【0139】
S17’:ネットワークノードAは、表2に示されたオプションシーケンスフィールドを携えるDAOメッセージをネットワークノードBへ送信する。
【0140】
第2部:ネットワークノードBとネットワークノードCとの間でcellスケジューリングが行われる。
【0141】
S21’:ネットワークノードBは、ネットワークノードAによって送信された受信済みDAOメッセージから、ネットワークノードBの識別子を携えるTarget Option Bフィールドを見つける。
【0142】
S22’:ネットワークノードBは、DAOメッセージから、Schedule Reservation Option 2フィールドと、Target Option Bフィールドの後ろのTarget Option Cフィールドとを取得し、解析によりSchedule Reservation Option 2フィールドから第2のリソース情報を取得し、Target Option Cフィールドから、次ホップネットワークノードがネットワークノードCであると判断する。
【0143】
S23’:ネットワークノードBは第2のリソース情報に基づいてネットワークノードCへ6P transactionシグナリングを送信する。
【0144】
S24’:ネットワークノードCは6P transaction応答シグナリングをフィードバックし、この応答シグナリングはネゴシエーションおよびスケジューリングの成功を指示する。
【0145】
S25’:ネットワークノードBは、DAOメッセージ内にあって第2のリソース情報を携えるSchedule Reservation Option 2フィールドを、目標スケジューリング失敗情報2を携えるReservation Confirmation Option 3フィールドに差し替え、Reservation Confirmation Option 2フィールドに含まれるCodeは1に等しい。これは、ネゴシエーションおよびスケジューリング結果が「失敗」(Failure)であることを意味し、表4に示されたDAOメッセージが形成される。
【0146】
【0147】
S26’:ネットワークノードBはDAOメッセージ内の目標スケジューリング失敗情報をDAO-NACKメッセージの中に封入し、このDAO-NACKメッセージをユニキャスト方式で境界ルーターへフィードバックする。
【0148】
中間ノードによって送信されたDAO-NACKメッセージを境界ルーターが受信した後に、パケット転送経路:ネットワークノードA->ネットワークノードB->ネットワークノードC上での集約的cellスケジューリングが完了されたと考えられることは理解されることができる。
【0149】
したがって、出口ノードか中間ノードによって送信される、DAOメッセージに対する応答メッセージ(DAO-ACKメッセージとDAO-NACKメッセージを含む)を、境界ルーターが受信した後に、パケット転送経路上でのネットワークノード間の集約的cellスケジューリングが完了されたと考えられ得ることは理解されることができる。
【0150】
加えて、本願の一実施形態はネットワークノードをさらに提供する。
図9は、ネットワークノードの概略構造図である。このネットワークノードは第1のネットワークノードであって、
メッセージを受信するように構成された受信ユニット901であって、該メッセージが、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報とを含み、第1のリソース情報が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソース
を指示するために使用され、第2のリソース情報が、第2のネットワークノードと第3のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のあるネットワークリソース
を指示するために使用される、受信ユニット901と、
メッセージが第1のネットワークノードの識別子を含んでいると第1のネットワークノードが判断する場合に、第1のリソース情報を取得し、なおかつ第1のリソース情報に基づいて第2のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように構成されたスケジューリングユニット902と、
第2のリソース情報に基づいて第3のネットワークノードを相手にネットワークリソーススケジューリングを行うように第2のネットワークノードをトリガーするため、第2のネットワークノードへメッセージを送信するように構成された第1の送信ユニット903とを含む。
【0151】
いくつかの可能な実装において、第1の送信ユニット903は、
第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングが成功したと第1のネットワークノードが判断した後に、メッセージに第1の指示識別子を加えるように構成された追加サブユニットと、
第1の指示識別子が加えられたメッセージを第2のネットワークノードへ送信するように構成された送信サブユニットであって、第1の指示識別子が、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの成功を指示するために使用される、送信サブユニットとを含んでよい。
【0152】
一実装において、第3のネットワークノードがパケット転送経路上の出口ノードである場合は、メッセージが第3のネットワークノードへ送信され、その後、第3のネットワークノードによってネットワーク管理デバイスへ送信される。
【0153】
第1のリソース情報は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でスケジュールされる必要のある候補ネットワークリソースを指示するために特に使用され、第1の指示識別子は、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間で首尾よくスケジュールされたネットワークリソースを指示するためにさらに使用され、首尾よくスケジュールされたネットワークリソースは候補ネットワークリソースから選ばれる。
【0154】
具体的な実装において、ネットワークノードは、第1のネットワークノードと第2のネットワークノードとの間でネットワークリソーススケジューリングが失敗したと判断された後に、メッセージに第2の指示識別子を加え、なおかつ第2の指示識別子が加えられたメッセージをネットワーク管理デバイスへ送信するように構成された第2の送信ユニットであって、第2の指示識別子が、第2のネットワークノードと第2のネットワークノードとのネットワークリソーススケジューリングの失敗を指示するために使用される、第2の送信ユニットをさらに含んでよい。
【0155】
本願の本実施形態におけるメッセージは送信先広告オブジェクトDAOメッセージであってよい。
【0156】
一例において、第1のネットワークノードの識別子と、第2のネットワークノードの識別子と、第3のネットワークノードの識別子と、第1のリソース情報と、第2のリソース情報はいずれも、DAOメッセージ内のOptionフィールドに携えられる。
【0157】
具体的な実装において、Optionフィールドは、第1のTarget Optionフィールドと、第2のTarget Optionフィールドと、第3のTarget Optionフィールドと、第1のSchedule Reservation Optionフィールドと、第2のSchedule Reservation Optionフィールドとを含む。第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のTarget Optionフィールドと第2のTarget Optionフィールドとの間に置かれ、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のTarget Optionフィールドと第3のTarget Optionフィールドとの間に置かれる。第1のTarget Optionフィールドは第1のネットワークノードの識別子を携え、第2のTarget Optionフィールドは第2のネットワークノードの識別子を携え、第3のTarget Optionフィールドは第3のネットワークノードの識別子を携え、第1のSchedule Reservation Optionフィールドは第1のリソース情報を携え、第2のSchedule Reservation Optionフィールドは第2のリソース情報を携える。
【0158】
以上は本願の本実施形態で提供されるネットワークノードを説明する。具体的な実装については、
図2に対応するネットワークリソーススケジューリング方法の前述した実施形態の説明を参照されたい。本実施形態で達成される効果は前述した方法の実施形態で達成されるそれと同じである。ここでは詳細は繰り返し説明されない。
【0159】
加えて、
図10は、本願の一実施形態によるネットワークノードの概略構造図である。ネットワークノード1000は、少なくとも1つの接続されたプロセッサ1001とメモリ1002とを含む。メモリ1002はプログラムコードを保管するように構成され、プロセッサ1001は、
図2に示されたネットワークリソーススケジューリング方法を遂行するため、メモリ内のプログラムコードを起動するように構成される。
【0160】
加えて、本願の一実施形態は、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。この命令がコンピュータで実行されると、コンピュータは
図2に対応するネットワークリソーススケジューリング方法を遂行することが可能となる。
【0161】
加えて、本願の一実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。このコンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されると、コンピュータは
図2に対応するネットワークリソーススケジューリング方法を遂行することが可能となる。
【0162】
本願の本実施形態で述べられている「第1のネットワークノード」や「第1のリソース情報」などの名称における「第1」は、名称の識別子として使用されているに過ぎず、順序の最初を意味しない。このルールは「第2」やこれと同様のものにも当てはまる。
【0163】
実施形態の方法の一部または全部のステップが汎用ハードウェアプラットフォームに加えてソフトウェアによって実装されてよいことを当業者が明確に理解できることは、前述した実装の説明から分かる。このような理解を踏まえ、本願の技術的なソリューションはコンピュータソフトウェア製品の形で実装されてよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に、例えば、読み取り専用メモリ(英語:read-only memory、ROM)/RAM、磁気ディスク、または光ディスクに保管されてよく、本願の実施形態または実施形態の一部分の方法を遂行することをコンピュータデバイス(これは、パーソナルコンピュータ、サーバー、またはルーターなどのネットワーク通信デバイスであってよい)に命令するいくつかの命令を含む。
【0164】
本明細書の実施形態はいずれも漸進的に説明されており、実施形態の同じ部分や同様の部分についてはこれらの実施形態を参照でき、それぞれの実施形態では他の実施形態との差異に注目している。特に、ネットワークノードの実施形態は方法の実施形態と基本的に同様であるため、簡潔に説明されている。関連する部分については、方法の実施形態の一部の説明を参照されたい。説明されているネットワークノードの実施形態は一例に過ぎない。単独の部分として説明されているモジュールは物理的に単独であってもなくてもよく、モジュールとして表示されている部分は物理的なモジュールであってもなくてもよく、1箇所に置かれてもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実施形態のソリューションの目的を達成するため、一部または全部のモジュールが実際の要求に基づいて選ばれてよい。当業者なら、創造的な努力を払わずとも実施形態を理解し、実施することができる。
【0165】
上記の説明は本願の例示的な実装に過ぎず、本願の保護範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0166】
901 受信ユニット
902 スケジューリングユニット
903 第1の送信ユニット
1000 ネットワークノード
1001 プロセッサ
1002 メモリ