IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サテライトオフィスの特許一覧

特許7128462ボットシステム、ボットシステムのプログラム
<>
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図1
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図2
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図3
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図4
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図5
  • 特許-ボットシステム、ボットシステムのプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ボットシステム、ボットシステムのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20220824BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220824BHJP
   H04M 3/493 20060101ALI20220824BHJP
   G06F 40/30 20200101ALI20220824BHJP
【FI】
G06F16/90 100
H04M11/00 302
H04M3/493
G06F40/30
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018072153
(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公開番号】P2019185203
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】516346218
【氏名又は名称】株式会社サテライトオフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】原口 豊
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-152948(JP,A)
【文献】特開平05-020362(JP,A)
【文献】特開2002-073669(JP,A)
【文献】特開2015-153410(JP,A)
【文献】特開2017-228169(JP,A)
【文献】特許第5952987(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0169101(US,A1)
【文献】特開2001-014252(JP,A)
【文献】中渡瀬 秀一,統計的手法によるテキストからの重要語抽出メカニズム,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,1995年09月14日,第95巻 第87号,pp.41~48
【文献】土肥 浩,Face-to-face型擬人化エージェント・インタフェースの構築,情報処理学会論文誌,社団法人情報処理学会,1999年02月15日,第40巻 第2号,pp.547~555
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 40/20-40/58
H04M 11/00
H04M 3/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムであって、
前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定し、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、
前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースにある複数の質問と回答との組み合わせの中から、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーの端末へ送信する構成であることを特徴とするボットシステム。
【請求項2】
ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムであって、
前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定し、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、所定の箇所がタップまたはクリックされると、所定の箇所に関するデータがチャットデータとしてユーザーの端末からチャットボットへ送信され、
前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信し、ユーザーの端末が、チャットデータのテキストを音声に変換して出力する構成であることを特徴とするボットシステム。
【請求項3】
ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムのプログラムであって、
前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定する表示判定ステップと、
前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にする表示自在ステップと、
前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、
前記チャットボットが、前記把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースにある複数の質問と回答との組み合わせの中から、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーの端末へ送信する返信ステップとを具備していることを特徴とするボットシステムのプログラム。
【請求項4】
ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムのプログラムであって、
前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定する判定ステップと、
前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、所定の箇所がタップまたはクリックされたか否かを判定する操作判定ステップと、
前記所定の箇所がタップまたはクリックされたとき、所定の箇所に関するデータをチャットデータとしてユーザーの端末からチャットボットへ送信する送信ステップと、
前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、
前記チャットボットが、前記把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信し、ユーザーの端末が、チャットデータのテキストを音声に変換して出力する返信ステップとを具備していることを特徴とするボットシステムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムや、マイクと、スピーカと、通信手段と、ボットとを備えたボットシステム、および、ボットシステムのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータで読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、少なくとも1つのプロセッサは、質問データを選択し、メッセージングサービスに登録されたユーザーのうち少なくとも1つのユーザーのアカウントとメッセージングサービスに登録された人工知能アカウントとの間に設定された通信セッションを確認し、質問データを人工知能アカウントのインスタントメッセージとして確認された通信セッションを通じて少なくとも1つのユーザーに送信し、確認された通信セッションを通じて少なくとも1つのユーザーから質問データに対する返答データを受信し、質問データおよび受信した返答データに基づいて人工知能のための学習データを生成する人工知能学習システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-153078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の人工知能学習システムは、人工知能とユーザーとを端末を介してテキストデータで対話させて人工知能に学習させる構成であったため、ユーザーの意図を人工知能が把握しにくいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ユーザーである入力者の意図を把握してユーザーの所望の内容を自動で応答するボットシステム、および、そのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムであって、前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定し、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースにある複数の質問と回答との組み合わせの中から、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーの端末へ送信する構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムであって、前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定し、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、所定の箇所がタップまたはクリックされると、所定の箇所に関するデータがチャットデータとしてユーザーの端末からチャットボットへ送信され、前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信し、ユーザーの端末が、チャットデータのテキストを音声に変換して出力する構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムのプログラムであって、前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定する表示判定ステップと、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にする表示自在ステップと、前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、前記チャットボットが、前記把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースにある複数の質問と回答との組み合わせの中から、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーの端末へ送信する返信ステップとを具備していることにより、前述した課題を解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信するボットシステムのプログラムであって、前記ユーザーの端末の表示部において、所定のウェブサイトが表示されたか否かをチャットボットが判定する判定ステップと、前記表示されたと判定したとき、表示部においてチャット画面を表示自在にし、所定の箇所がタップまたはクリックされたか否かを判定する操作判定ステップと、前記所定の箇所がタップまたはクリックされたとき、所定の箇所に関するデータをチャットデータとしてユーザーの端末からチャットボットへ送信する送信ステップと、前記チャットボットが、前記ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、前記チャットボットが、前記把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信し、ユーザーの端末が、チャットデータのテキストを音声に変換して出力する返信ステップとを具備していることにより、前述した課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のボットシステムは、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとを備えていることにより、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとの間でチャットデータを送受信することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0015】
本請求項1に係る発明のボットシステムによれば、ユーザーが入力した内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力された内容に関連性のあるものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、ユーザーは所望の内容の情報を受け取ることができる。
つまり、ユーザーからの要求に対して自動で適切な内容のものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
さらに、ウェブサイトを閲覧しているユーザーが知りたい内容についての質問や困っていることを入力するとユーザーが知りたいと思われる内容や解決策がデータベースの中から選択されて返信されるため、ユーザーがウェブサイト上のFAQなどを読むことなく簡単にやりとりをして解決策を知らせてくれるお問い合わせに対する回答機能を果たすことができる。
【0016】
本請求項2に係る発明のボットシステムによれば、ユーザーが入力した内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力された内容に関連性のあるものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、ユーザーは所望の内容の情報を受け取ることができる。
つまり、ユーザーからの要求に対して自動で適切な内容のものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
さらに、ユーザーがタップまたはクリックするだけで、チャットボットへチャットデータが送信されて、送信したチャットデータと関連のある内容がチャットデータとして返信されて音声で案内されるため、ユーザーはテキスト入力することなく、ウェブサイトでタップまたはクリックした箇所の関連内容を音声で聞くことができる。
【0017】
本請求項3に係る発明のボットシステムのプログラムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果と同様、ユーザーが入力した内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力された内容に関連性のあるものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、ユーザーは所望の内容の情報を受け取ることができる。
つまり、ユーザーからの要求に対して自動で適切な内容のものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
さらに、ウェブサイトを閲覧しているユーザーが知りたい内容についての質問や困っていることを入力するとユーザーが知りたいと思われる内容や解決策がデータベースの中から選択されて返信されるため、ユーザーがウェブサイト上のFAQなどを読むことなく簡単にやりとりをして解決策を知らせてくれるお問い合わせに対する回答機能を果たすことができる。
【0018】
本請求項4に係る発明のボットシステムのプログラムによれば、請求項2に係る発明が奏する効果と同様、ユーザーが入力した内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力された内容に関連性のあるものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、ユーザーは所望の内容の情報を受け取ることができる。
つまり、ユーザーからの要求に対して自動で適切な内容のものが選択されてユーザーの端末に返信されるため、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
さらに、ユーザーがタップまたはクリックするだけで、チャットボットへチャットデータが送信されて、送信したチャットデータと関連のある内容がチャットデータとして返信されて音声で案内されるため、ユーザーはテキスト入力することなく、ウェブサイトでタップまたはクリックした箇所の関連内容を音声で聞くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施例であるボットシステムの上位概念を示す概念図。
図2】本発明の第1実施例であるチャットボットの上位概念の動作を示すチャート図。
図3】本発明の第1実施例であるボットシステムを示す下位概念図。
図4】本発明の第2実施例であるボットシステムを示す概念図。
図5】本発明の第3実施例であるボットシステムを示す概念図。
図6】本発明の第4実施例であるボットシステムを示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のボットシステムは、ユーザーの端末と、チャット用サーバのチャットボットとを備え、チャットボットが、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信する構成であることにより、人が対応することなくユーザーが所望の内容の情報を受け取ることでユーザーを満足させるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
または、本発明のボットシステムは、マイクと、スピーカと、通信手段と、ボットとを備え、ボットが、マイクからの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してスピーカを用いて音声出力する構成であることにより、人が対応することなく、かつ、音声入力者は手を動かすことなく所望の内容を音声で聞くことで音声入力者を満足させるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
さらに、本発明のボットシステムのプログラムは、チャットボットが、ユーザーの端末からのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、チャットボットが、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信する返信ステップとを具備していることにより、人が対応することなくユーザーが所望の内容の情報を受け取ることでユーザーを満足させるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
または、本発明のボットシステムのプログラムは、ボットが、マイクからの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップと、ボットが、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してスピーカを用いて音声出力する音声出力ステップとを具備していることにより、人が対応することなく、かつ、音声入力者は手を動かすことなく所望の内容を音声で聞くことで音声入力者を満足させるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0025】
例えば、ユーザーの端末は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ端末、ノート型パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン端末、タブレット端末、腕時計型端末などの情報を送受信するものであって、所謂インターネットである広域ネットワーク、ローカルネットワーク、電話回線などを含む通信ネットワークと接続自在なものであれば如何なるものであっても構わない。
また、ユーザーの端末における入力形式は、音声入力をテキストに変換する形式でもよいし、ユーザーによって直接テキストで入力される形式でもよい。
さらに、チャットボットによるユーザーの端末のチャット画面における尋ね方は、音声によるものでもよいし、テキストによるものでもよいし、音声およびテキストの両方によるものでもよい。
さらに、チャットボットが設けられたチャット用サーバと、データベースのサーバとが別体の構成でもよいし、共通の構成でもよい。
また、例えば、ボット(学習機能を有した人工知能制御手段)を有する端末と、データベースを有する端末(サーバ)とが別体の構成でもよいし、共通の構成でもよい。
言い換えると、ボット(人工知能制御手段)を、マイクおよびスピーカと一緒の端末に設けた構成でもよいし、データベースを有するサーバと一緒の端末に設けた構成でもよい。
また、関連性のあるものには、関連性のあるデータ、情報、他の所定のアプリケーションソフトウェア、他の所定のシステムが含まれる。
ボット(人工知能制御手段)およびデータベースは、1つのサーバやクラウド上の複数のサーバに設けられた構成でもよい。
【実施例1】
【0026】
以下に、本発明の第1実施例であるボットシステム100およびそのプログラムについて、図1乃至図3に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例であるボットシステム100の上位概念を示す概念図であり、図2は、本発明の第1実施例であるチャットボット121の上位概念の動作を示すチャート図であり、図3は、本発明の第1実施例であるボットシステム100を示す下位概念図である。
【0027】
本発明の第1実施例であるボットシステム100は、図1に示すように、ユーザーの端末の一例であるスマートフォン端末110Aと、チャット用サーバ120と、チャット用サーバ120に設けられたチャットボット121と、データベースサーバ130とを有している。
このうち、スマートフォン端末110Aには、データベース参照自動応答機能のチャットボット121(データベース参照自動応答ボット)のID情報が追加され、スマートフォン端末110Aの液晶タッチパネルである表示部111Aに表示されたチャット画面112Aには、チャットボット121のアイコン113が表示されるように構成されている。
【0028】
チャット用サーバ120は、チャットボット121のプログラムと、チャットデータを記憶するチャットデータ用データベース122とを有している。
そして、スマートフォン端末110Aは、チャット用サーバ120のチャットボット121との間でチャットデータを送受信するように構成されている。
チャットボット121は、実際にはチャット用サーバ120に設けられているが、概念としては、スマートフォン端末110Aが、チャット用サーバ120を介してチャットボット121との間でチャットデータを送受信するイメージである。
【0029】
また、チャット用サーバ120は、I/Oの結果を待たずに処理を進める構成である。
本実施例では、チャットボット121が、ユーザーのスマートフォン端末110Aからの入力をトリガーとして、スマートフォン端末110Aからのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーのスマートフォン端末110Aへ送信するように構成されている。
【0030】
なお、ユーザーの端末の一例としてスマートフォン端末110Aを挙げて説明したが、ボットシステム100は、図1に示すように、人工知能スピーカ端末110Bと、データベースを有したデータベースサーバ130とを備えた構成でもよい。
このうち、人工知能スピーカ端末110Bは、マイク114と、スピーカ115と、通信手段と、インストールされた学習機能を有する人工知能制御手段であるボット116とを備えている。
そして、ユーザーが、人工知能スピーカ端末110Bに向かって話しかけると、ボット116が、マイク114からの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースを有したデータベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してスピーカ115を用いて音声出力するように構成されている。
ボット116が、人工知能スピーカ端末110Bの内部に設けられた構成について説明したが、チャットボット121と同様、サーバに設けられた構成でもよい。
この場合、人工知能スピーカ端末110Bの内部においてマイク114からの音声データをテキストデータに変換してテキストデータをサーバのボット(116)に送信することは言うまでもない。
また、スマートフォン端末110Aに設けられたマイクおよびスピーカを用いてサーバのボットとやりとりする構成でもよい。
【0031】
ここでは、スマートフォン端末110Aの場合を挙げて説明する。
具体的には、図2に示すように、ステップS1では、判定ステップとして、チャットボット121が、ユーザーからの入力の有無を判定する。
入力形式は、音声入力をテキスト変換したものでもよいし、直接テキスト入力されたものでもよい。
そして、スマートフォン端末110Aからチャットデータとしてチャットボット121へ送信され、チャットボット121が、チャットデータを受信したか否かを判定する。
受信したと判定して場合はステップS2へ進み、他方、まだ受信していないと判定した場合はステップS1を繰り返す。
【0032】
ステップS2では、意図把握ステップとして、チャットボット121が、ユーザーのスマートフォン端末110Aからのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する。
ここで、分かち書きルールについて説明する。
ルール1:文節は、きりはなす。
ルール2:文節中の一部分が、文節をつくれるときは、その部分をきりはなす。
ルール3:そのあいだに別のことばをわりこませられる部分は、きりはなす。
ルール4:そのうしろにいろいろなことばをつづけられる部分は、きりはなす。
【0033】
ステップS3では、データベースへのアクセスステップとして、チャットボット121が、把握した内容に基づいて、データベースサーバ130にアクセスする。
ステップS4では、返信ステップとして、データベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーのスマートフォン端末110Aへ送信する。つまり、応答する。
【0034】
これにより、ユーザーが入力した内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力された内容に関連性のあるものが選択されてユーザーのスマートフォン端末110Aに返信される。
その結果、ユーザーは所望の内容の情報を受け取ることができる。
なお、データベースサーバ130と、チャット用サーバ120とをそれぞれ独立して設けたが、共通のサーバでもよいのは勿論である。
【0035】
以下に、より具体的な動作について説明する。
図3に示すように、会社のオフィスで従業員がパソコンPCを用いて作業していたとする。
そして、パソコンPCのモニターがついたり、消えたりする不具合が生じたとする。
従業員が、スマートフォン端末110Aの液晶タッチパネルの表示部111Aにおいてチャット画面112Aを表示させると、チャットボット121が一例として「こんにちは! お困りごとを入力してください!」の旨をスマートフォン端末110Aへ送信し、スマートフォン端末110Aがそれを受信すると、「こんにちは! お困りごとを入力してください!」の旨が、スマートフォン端末110Aのチャット画面112Aに表示される。
【0036】
従業員が、例えば、「パソコンのモニターがついたり、消えたりして困っています。どうすればいいですか?」の旨を音声入力またはテキスト入力してチャットボット121へ送信する。
すると、チャットボット121が、「パソコンのモニターがついたり、消えたりして困っています。どうすればいいですか?」の旨のチャットデータを受信する。
そして、人工知能制御手段を有するチャットボット121が、分かち書きルールに沿って文節毎に区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する。
【0037】
この例の場合、「パソコン」、「困って」、「ます」、「どうすれば」、「いいですか?」の単語から、ユーザーの意図であるインテントが「パソコンについて教えてほしい」ということをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
これにより、データベースにおいてパソコンPCについてのカテゴリーを選択すればよい。
さらに、インテントにとって意味を持つ単語であるエンティティを把握する。
【0038】
この例の場合、具体的にパソコンPCについてどのような状態であるのかを把握する必要があり、インテントに対するエンティティが「モニター」、「ついたり」、「消えたり」であることをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
そして、質問や問い合わせ内容が、パソコンPCのモニターの不具合についてであると把握する。
【0039】
データベースサーバ130のデータベースには、質問と回答との複数の組み合わせがデータで設けられている。
チャットボット121が、データベースサーバ130にアクセスする。
そして、データベースにある質問と回答との複数の組み合わせの中から、チャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択する。
さらに、選択した質問に対する回答の内容をユーザーのスマートフォン端末110Aへ送信する。
【0040】
この例の場合、その質問と回答との組み合わせを選択して、その回答の一例として「一度、パソコンを再起動してみましょう!」の旨をスマートフォン端末110Aへ送信する。所謂、プッシュ通知である。
すると、スマートフォン端末110Aが、チャットボット121からチャットデータを受信し、チャット画面112Aには、「一度、パソコンを再起動してみましょう!」の旨が表示される。
なお、この際、スマートフォン端末110Aのスピーカを用いて、チャットボット121からのチャットデータの内容を音声で出力してもよい。
【0041】
これにより、ユーザーが知りたい内容についての質問や困っていることを入力するとユーザーが知りたいと思われる内容や解決策がデータベースの中から選択されて返信される。
その結果、ユーザーが所謂、FAQを読むことなく簡単、かつ、素早く解決策を知らせてくれるヘルプデスク機能を果たすことができる。
なお、本実施例では、データベース参照自動応答ボットの一例としてコールセンター自動対応ボットの機能について説明したが、チャットボット121が、ユーザーからの入力に応じて企業の製品やサービスの情報をユーザーの端末へ自動応答によって提供するように構成してもよい。
また、人工知能スピーカ端末110Bの場合もスマートフォン端末110Aと同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0042】
このようにして得られた本発明の第1実施例であるボットシステム100は、ユーザーの端末の一例であるスマートフォン端末110Aと、チャット用サーバ120のチャットボット121と、データベースを有するデータベースサーバ130とを備え、チャットボット121が、ユーザーのスマートフォン端末110Aからのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、データベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーのスマートフォン端末110Aへ送信する構成であることにより、ユーザーが所望の内容の情報を受け取ることができ、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
【0043】
さらに、チャットボット121が、ユーザーのスマートフォン端末110Aからのチャットデータの言葉から把握した内容に基づいて、データベースサーバ130のデータベースにある質問と回答との複数の組み合わせの中から、チャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーのスマートフォン端末110Aへ送信する構成であることにより、ユーザーが所謂、FAQを読むことなく簡単、かつ、素早く解決策を知らせてくれるヘルプデスク機能を果たすことができる。
【0044】
また、本発明の第1実施例であるボットシステム100は、マイク114と、スピーカ115と、通信手段と、ボット116とを有する人工知能スピーカ端末110Bを備え、ボット116が、マイク114からの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してスピーカ115を用いて音声出力する構成であることにより、音声入力者は手を動かすことなく所望の内容を音声で聞くことができ、人が対応することなく音声入力者を満足させることができる。
【0045】
また、本発明の第1実施例であるボットシステム100のプログラムは、チャットボット121が、ユーザーのスマートフォン端末110Aからのチャットデータの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップS2と、チャットボット121が、把握した内容に基づいて、データベースにアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーの端末へ送信する返信ステップS3、S4とを具備していることにより、ユーザーが所望の内容の情報を受け取ることができ、人が対応することなくユーザーを満足させることができる。
【0046】
さらに、本発明の第1実施例であるボットシステム100のプログラムは、ボット116が、マイク114からの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する意図把握ステップ(S2)と、ボット116が、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してスピーカ115を用いて音声出力する音声出力ステップ(S3、S4に対応)とを具備していることにより、音声入力者は手を動かすことなく所望の内容を音声で聞くことができ、人が対応することなく音声入力者を満足させることができるなど、その効果は甚大である。
【実施例2】
【0047】
続いて、本発明の第2実施例であるボットシステム100について、図4に基づいて説明する。
ここで、図4は、本発明の第2実施例であるボットシステム100を示す概念図である。
第2実施例のボットシステム100は、第1実施例のボットシステム100の用途をウェブサイトお問い合わせの自動対応に変更したものであり、多くの要素について第1実施例のボットシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、本発明の第2実施例であるボットシステム100のユーザーの端末の一例であるパーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたとき、チャット画面112Cが表示されるように構成されている。
具体的には、パーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたか否かをパーソナルコンピュータ端末110Cの制御部(またはチャットボット121)が判定する。
表示されたと判定した場合、パーソナルコンピュータ端末110Cの制御部(またはチャットボット121)が、表示部111Cにおいてチャット画面112Cを表示する。
【0049】
例えば、所定のウェブサイトWBの一例として企業の商品やサービスを案内するウェブサイトWBが表示されたとき、パーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにチャット画面112Cを表示する。
そして、チャットボット121が、一例として「こんにちは! お問い合わせ内容を入力してください!」の旨をパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
すると、パーソナルコンピュータ端末110Cのチャット画面112Cにおいて、チャットボット121からのメッセージとして、「こんにちは! お問い合わせ内容を入力してください!」の旨が表示される。
【0050】
ユーザーが、パーソナルコンピュータ端末110Cのチャット画面112Cにおいて、一例として「プランAと、プランBとの違いって何でしょうか?」と入力してチャットボット121へ送信したとする。
すると、チャットボット121が、「プランAと、プランBとの違いって何でしょうか?」の旨のチャットデータを受信する。
そして、人工知能制御手段を有するチャットボット121が、分かち書きルールに沿って文節毎に区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する。
【0051】
この例の場合、「プラン」、「何でしょうか?」の単語から、ユーザーの意図であるインテントが「プランについて教えてほしい」ということをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
これにより、データベースにおいてプランの内容についてのカテゴリーを選択すればよい。
さらに、インテントにとって意味を持つ単語であるエンティティを把握する。
【0052】
この例の場合、具体的にプランの違いについてどのような違いがあるのかを把握する必要があり、インテントに対するエンティティが「プランA」、「プランB」、「違い」であることをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
そして、質問や問い合わせ内容が、プランAの内容とプランBの内容との違いについてであると把握する。
【0053】
データベースサーバ130のデータベースには、質問と回答との複数の組み合わせがデータで設けられている。
チャットボット121が、データベースサーバ130にアクセスする。
そして、データベースにある質問と回答との複数の組み合わせの中から、チャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択する。
さらに、選択した質問に対する回答の内容をユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
【0054】
この例の場合、一例として「プランAと、プランBとの違いは、オプション設定の有無の違いです!」の旨をパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
すると、パーソナルコンピュータ端末110Cが、チャットボット121からチャットデータを受信し、チャット画面112Cには、「プランAと、プランBとの違いは、オプション設定の有無の違いです!」の旨が表示される。
なお、この際、パーソナルコンピュータ端末110Cのスピーカを用いて、チャットボット121からのチャットデータの内容を音声で出力してもよい。
【0055】
これにより、ウェブサイトWBを閲覧しているユーザーが知りたい内容についての質問や困っていることを入力するとユーザーが知りたいと思われる内容や解決策がデータベースの中から選択されて返信される。
その結果、ユーザーがウェブサイトWB上の所謂、FAQなどを読むことなく簡単にやりとりをして解決策を知らせてくれるお問い合わせに対する自動回答機能を果たすことができる。
【0056】
このようにして得られた本発明の第2実施例であるボットシステム100は、ユーザーの端末の一例であるパーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたか否かをチャットボット121が判定し、表示されたと判定したとき、表示部111Cにおいてチャット画面112Cを表示自在にし、データベースにある複数の質問と回答との組み合わせの中から、ユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cからのチャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある質問を選択し、選択した質問に対する回答の内容をユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する構成であることにより、ユーザーがウェブサイトWB上のFAQなどを読むことなく簡単にやりとりをして解決策を知らせてくれるお問い合わせに対する自動回答機能を果たすことができるなど、その効果は甚大である。
【実施例3】
【0057】
続いて、本発明の第3実施例であるボットシステム100について、図5に基づいて説明する。
ここで、図5は、本発明の第3実施例であるボットシステム100を示す概念図である。
第3実施例のボットシステム100は、第1実施例のボットシステム100の用途をウェブサイトWBの情報の音声自動案内に変更したものであり、多くの要素について第1実施例および第2実施例のボットシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0058】
図5に示すように、本発明の第3実施例であるボットシステム100は、人工知能スピーカ端末110Bと、データベースを有したデータベースサーバ130とを備えている。
人工知能スピーカ端末110Bのボット116が、マイク114からの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する。
そして、ボット116が、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるウェブサイト情報を選択して、ウェブサイトWBの内容についてスピーカ115を用いて音声出力するように構成されている。
【0059】
例えば、ユーザーである音声入力者が、一例として「飲食店紹介○○のホームページ!」の旨を人工知能スピーカ端末110Bに話しかけたとする。
すると、マイク114から音声データとして入力されてテキストデータに変換される。
そして、ボット116が、「音声入力者は飲食店紹介○○のホームページの情報を知りたい」と音声入力者の意図を把握する。
次に、ボット116は、データベースサーバ130にアクセスして飲食店紹介○○のホームページ(トップページ)のユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)にアクセスする。
【0060】
飲食店紹介○○のホームページ(トップページ)には、条件設定として場所やジャンルを入力または指定する箇所がある。
ボット116は、飲食店紹介○○のホームページ(トップページ)の例えばHTML形式のソースコードからそれを認識して、一例として「場所やジャンルをおしえてください!」の旨を音声出力する。
音声入力者は、一例として「東京駅近くでイタリアン!」の旨を人工知能スピーカ端末110Bに話す。
【0061】
すると、マイク114から音声データとして入力されてテキストデータに変換され、ボット116が、飲食店紹介○○のウェブサイトWB内で東京駅近くの場所、かつ、イタリアンのジャンルの情報のものを探す。
この条件を満たす飲食店「○○バール」、「リストランテ△△」の情報が登録されていたとする。
ボット116は、スピーカ115を用いて「○○バール、リストランテ△△があります!」の旨を音声出力する。
【0062】
これにより、音声入力者が話した入力内容が形態素解析または分かち書きルールで区切られて意図である所謂、インテントおよび意図にとって意味ある単語である所謂、エンティティが把握されて入力内容に沿ったウェブサイトWBの情報が選択される。
その結果、音声入力者は手を動かすことなく所望のウェブサイトWBの情報を音声で聞くことができる。
つまり、音声入力者からの要求に対して自動で適切な内容のウェブサイトWBの情報が選択されて音声出力されるため、人が対応することなく音声入力者を満足させることができる。
【0063】
なお、ボット116が、人工知能スピーカ端末110Bの内部に設けられた構成について説明したが、チャットボット121と同様、サーバに設けられた構成でもよい。
また、ユーザーの端末の一例として人工知能スピーカ端末110Bを挙げて説明したが、スマートフォン端末110Aおよびチャットボット121を用いてもよい。
この場合、スマートフォン端末110Aの表示部111Aに料理を写真や店内の雰囲気を示す写真を表示して、ユーザーにイメージを伝えることができる。
【0064】
このようにして得られた本発明の第3実施例であるボットシステム100は、マイク114と、スピーカ115と、通信手段と、ボット116とを有する人工知能スピーカ端末110Bと、データベースサーバ130とを備え、ボット116が、マイク114からの入力データの言葉を形態素解析または分かち書きルールで区切って音声入力者の意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握し、把握した内容に基づいて、通信手段を用いてデータベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるウェブサイト情報を選択して、ウェブサイトWBの内容についてスピーカ115を用いて音声出力する構成であることにより、音声入力者は手を動かすことなく所望のウェブサイトWBの情報を音声で聞くことができるなど、その効果は甚大である。
【実施例4】
【0065】
続いて、本発明の第4実施例であるボットシステム100について、図6に基づいて説明する。
ここで、図6は、本発明の第4実施例であるボットシステム100を示す概念図である。
第4実施例のボットシステム100は、第1実施例のボットシステム100の用途をウェブサイトWBの音声案内の自動対応に変更したものであり、多くの要素について第1実施例から第3実施例のボットシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0066】
図6に示すように、本発明の第4実施例であるボットシステム100のユーザーの端末の一例であるパーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたとき、チャット画面112Cが表示されるように構成されている。
具体的には、パーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたか否かをパーソナルコンピュータ端末110Cの制御部(またはチャットボット121)が判定する。
表示されたと判定した場合、パーソナルコンピュータ端末110Cの制御部(またはチャットボット121)が、表示部111Cにおいてチャット画面112Cを表示する、または、バックグラウンドでチャット画面112Cを起動する。
【0067】
例えば、所定のウェブサイトWBの一例として企業の商品としてのABC水筒を案内するウェブサイトWBが表示されたとき、パーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにチャット画面112Cを表示する。
そして、チャットボット121が、一例として「こんにちは! 知りたい箇所をクリックまたはタップしてください!」の旨をパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
すると、パーソナルコンピュータ端末110Cのチャット画面112Cにおいて、チャットボット121からのメッセージとして、「こんにちは! 知りたい箇所をクリックまたはタップしてください!」の旨が表示される。
【0068】
ユーザーが、パーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて表示されたウェブサイトWBの商品の一例としてABC水筒の箇所をクリックしたとする。
すると、クリックした箇所にソースコードなどのよって埋め込まれているテキスト情報の一例として「ABC水筒」がチャットデータとして入力されてチャットボット121へ送信され、チャットボット121が、「ABC水筒」の旨のチャットデータを受信する。
そして、人工知能制御手段を有するチャットボット121が、分かち書きルールに沿って文節毎に区切ってユーザーの意図を把握するとともに意図にとって意味のある単語を把握する。
【0069】
この例の場合、「ABC水筒」の単語から、ユーザーの意図であるインテントが「商品について教えてほしい」ということをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
これにより、データベースにおいて商品の内容についてのカテゴリーを選択すればよい。
さらに、インテントにとって意味を持つ単語であるエンティティを把握する。
【0070】
この例の場合、具体的に商品についてスペックを把握する必要があり、インテントに対するエンティティが「ABC水筒」であることをチャットボット121(人工知能制御手段)が把握する。
そして、ユーザーの知りたい内容が、ABC水筒のスペックの詳細についてであると把握する。
【0071】
データベースサーバ130のデータベースには、情報のタイトルとその情報の詳細との複数の組み合わせがデータで設けられている。
チャットボット121が、データベースサーバ130にアクセスする。
そして、データベースにある情報のタイトルとその情報の詳細との複数の組み合わせの中から、チャットデータの言葉に基づいて把握した内容と関連性のある情報のタイトルを選択する。
さらに、選択した情報のタイトルに対するその情報の詳細の内容をユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
【0072】
この例の場合、一例として「弊社新発売のABC水筒は、容量500ml、温・冷対応です! 色は、ブルー、レッド、グレー、ピンクの4色」の旨をパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信する。
すると、パーソナルコンピュータ端末110Cが、チャットボット121からチャットデータを受信し、チャット画面112Cには、「弊社新発売のABC水筒は、容量500ml、温・冷対応です! 色は、ブルー、レッド、グレー、ピンクの4色」の旨が表示されるとともに、パーソナルコンピュータ端末110Cのスピーカが、チャットボット121からのチャットデータの内容を音声で出力するように構成されている。
【0073】
これにより、ユーザーがタップまたはクリックするだけで、チャットボット121へチャットデータが送信されて、送信したチャットデータと関連のある内容がチャットデータとして返信されて音声で案内される。
その結果、ユーザーはテキスト入力することなく、ウェブサイトWBでタップまたはクリックした箇所の関連内容を音声で聞くことができる。
【0074】
このようにして得られた本発明の第4実施例であるボットシステム100は、ユーザーの端末の一例であるパーソナルコンピュータ端末110Cの表示部111Cにおいて、所定のウェブサイトWBが表示されたか否かをチャットボット121が判定し、表示されたと判定したとき、表示部111Cにおいてチャット画面112Cを表示自在にし、所定の箇所がタップまたはクリックされると、所定の箇所に関するデータがチャットデータとしてユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cからチャットボット121へ送信され、チャットボット121が、チャットデータの言葉を把握し、把握した内容に基づいて、データベースサーバ130にアクセスしてデータベースの中から関連性のあるものを選択してユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cへ送信し、ユーザーのパーソナルコンピュータ端末110Cが、チャットデータのテキストを音声に変換して出力する構成であることにより、ユーザーはテキスト入力することなく、ウェブサイトWBでタップまたはクリックした箇所の関連内容を音声で聞くことができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0075】
100 ・・・ ボットシステム
110A・・・ スマートフォン端末(ユーザーの端末)
111A・・・ 表示部
112A・・・ チャット画面
113 ・・・ (チャットボットの)アイコン
110B・・・ 人工知能スピーカ端末(通信手段を含む)(ユーザーの端末)
114 ・・・ マイク
115 ・・・ スピーカ
116 ・・・ ボット(人工知能制御手段)
110C・・・ パーソナルコンピュータ端末(ユーザーの端末)
111C・・・ 表示部
112C・・・ チャット画面
120 ・・・ チャット用サーバ
121 ・・・ チャットボット
122 ・・・ チャットデータ用データベース
130 ・・・ データベースサーバ(データベース)
PC ・・・ パソコン
WB ・・・ ウェブサイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6