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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】携帯燃焼台
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20220824BHJP
   F24B 13/00 20060101ALI20220824BHJP
   F24B 1/18 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A47J37/07
F24B13/00 A
F24B1/18 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020022984
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021126348
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】520053887
【氏名又は名称】株式会社MEYKOU
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】宇野 光二郎
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01645216(EP,A2)
【文献】登録実用新案第3155739(JP,U)
【文献】カナダ国特許出願公開第02321121(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24B 1/00-15/10
F24C 1/00-1/16;
7/08-7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分解及び組立が繰り返し可能な携帯燃焼台であって、
それぞれ、一方の側辺から斜め下方に向けて所定長さに切り込まれた第1スリットと、前記一方の側辺に対向する他方の側辺から斜め下方に向けて所定長さに切り込まれた第2スリットとが形成された第1側板部及び第2側板部と、
それぞれ、底辺部から内方に所定長さに切り込まれた第1スリットと、該第1スリットから所定間隔をもって配置され前記底辺部から内方に所定長切り込まれた第2スリットとが形成された第1底板部及び第2底板部と、を有し、
前記第1底板部の第1スリットと前記第1側板部の第1スリットとを、前記第1底板部の第2スリットと前記第2側板部の第1スリットとをそれぞれ合わせて、前記第1底板部と前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれとを嵌め合わせ結合させ、前記第2底板部の第1スリットと前記第1側板部の第2スリットとを、第2底板部の第2スリットと前記第2側板部の第2スリットとをそれぞれ合わせて、前記第2底板部と前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれとを、前記第2底板部が前記第1底板部に突き当たるように、嵌め合わせ結合させて、組み立てられ
前記第1底板部の前記底辺部、及び前記第2底板部の前記底辺部には、屈曲した折り曲げ部が形成され、前記第1底板部の前記折り曲げ部に、前記第2底板部の前記折り曲げ部が当接する、携帯燃焼台。
【請求項2】
前記第1側板部及び前記第2側板部には、通流口となる通流用開口部が形成され、前記第2底板部の前記折り曲げ部が前記通流用開口部の下方の位置で、前記第1底板部の前記折り曲げ部に当接する請求項に記載の携帯燃焼台。
【請求項3】
前記第1底板部と、前記第2底板部とに載架され、複数個の開口部が形成された板状部材の燃料受板部を有する請求項1または2に記載の携帯燃焼台。
【請求項4】
前記第1側板部及び前記第2側板部の上辺所定付近には、横長形状の把持用開口部が形成されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯燃焼台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立及び分解が繰り返し可能な携帯燃焼台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されたバーベキューコンロが知られている。このバーベキューコンロは、上部を開口とする平面視矩形状である箱型炭入部の両側面に、据付用脚が締結部品により取付けられている。そして、締結部品に含まれる軸状部材の蝶ボルトが挿通される、上記炭入部の両側面の取付孔を長穴状に形成することで、据付用脚の取付位置を調整可能にし、平坦でない地面の上であっても安定した設置を可能とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-195567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記バーベキューコンロでは、締結部材を構成する蝶ボルトとナットとのネジ止めを解除することで、据付用脚を炭入部から取り外し可能であるものの、コンロ全体の大半を占める、箱型炭入部は分解組立不能であることから、コンロの収納、搬送及び洗浄が不便であるという問題がある。また、据付用脚の取付位置の調整も、複数個所のネジ止めの調整が必要となる場合があり、組み立てに煩雑さを伴うことになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、分解及び組立が容易に繰り返し可能で、搬送及び洗浄が容易となる携帯燃焼台の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯燃焼台は、分解及び組立が繰り返し可能な携帯燃焼台であって、それぞれ、一方の側辺から斜め下方に向けて所定長さに切り込まれた第1スリットと、前記一方の側辺に対向する他方の側辺から斜め下方に向けて所定長さに切り込まれた第2スリットとが形成された第1側板部及び第2側板部と、それぞれ、底辺部から内方に所定長さに切り込まれた第1スリットと、該第1スリットから所定間隔をもって配置され前記底辺部から内方に所定長切り込まれた第2スリットとが形成された第1底板部及び第2底板部と、を有し、前記第1底板部の第1スリットと前記第1側板部の第1スリットとを、前記第1底板部の第2スリットと前記第2側板部の第1スリットとをそれぞれ合わせて、前記第1底板部と前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれとを嵌め合わせ結合させ、前記第2底板部の第1スリットと前記第1側板部の第2スリットとを、第2底板部の第2スリットと前記第2側板部の第2スリットとをそれぞれ合わせて、前記第2底板部と前記第1側板部及び前記第2側板部のそれぞれとを、前記第2底板部が前記第1底板部に突き当たるように、嵌め合わせ結合させて、組み立てられ、前記第1底板部の前記底辺部、及び前記第2底板部の前記底辺部には、屈曲した折り曲げ部が形成され、前記第1底板部の前記折り曲げ部に、前記第2底板部の前記折り曲げ部が当接する、構成である。
【0006】
このような構成によれば、それぞれの上記スリット同士を合わせて、第1側板部及び第2側板部と、第1底板部及び第2底板部とを、嵌め合わせ結合させて携帯燃焼台が組み立てられるので、分解及び組立が容易に繰り返し可能となるだけでなく、部品数も比較的少ないことから、収納、搬送及び洗浄を容易に行うことができる。また、第1底板部と第2底板部とがそれぞれ底辺部の折り曲げ部同士で当接するので、隙間の発生を抑え、第1底板部及び第2底板部から木炭等の燃料滓が地面に落下するのを防止することができ、周囲の環境汚染等を回避することができる。
【0009】
本発明に係る携帯燃焼台において、前記第1側板部及び前記第2側板部には、通流口となる通流用開口部が形成され、前記第2底板部の前記折り曲げ部が前記通流用開口部の下方の位置で、前記第1底板部の前記折り曲げ部に当接する構成とすることができる。
【0010】
このような構成によれば、第1側板部及び第2側板部に形成された通流用開口部から外の空気を底板部の上部に供給できるので、燃料の燃焼効率を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る携帯燃焼台において、前記第1底板部と、前記第2底板部とに載架され、複数個の開口部が形成された板状部材の燃料受板部を有する構成とすることができる。
【0012】
このような構成によれば、板形状の燃料受板部を傾斜する第1底板部と第2底板部とに載架するので、燃料の燃焼による第1底板部及び第2底板部への直接の汚れを防止でき、更に燃料受板部に開口部を形成するので、開口部を通じて下から上へ燃焼気流を発生させ、燃焼効率を向上させることができる。
【0013】
本発明に係る携帯燃焼台において、前記第1側板部及び前記第2側板部の上辺所定付近には、横長形状の把持用開口部が形成されてなる構成とすることができる。
【0014】
このような構成によれば、組み立てた携帯燃焼台を第1側板部及び第2側板部の把持用開口部を指で把持することができ、容易に所定位置まで搬送でき、更に設置位置を変更することも容易にでき、使い勝手のよい携帯燃焼台の提供を可能とすることができる。また把持用開口部が側板部に形成されるから、燃料の燃焼熱が伝わり難く、手で把持し易い携帯燃焼台となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯燃焼台によれば、側板部と底板部に形成されたスリット同士を合わせて、側板部と底板部とを嵌め合わせ結合させて組み立てられるので、分解及び組立が容易に繰り返し可能となるだけでなく、部品数も比較的少ないことから、収納、搬送及び洗浄を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る携帯コンロ(携帯燃焼台)の斜視図である。
図2図2は、図1に示す携帯コンロ(携帯燃焼台)の分解斜視図である。
図3図3は、図1に示す携帯コンロ(携帯燃焼台)の使用状態の一例を示す斜視図である。
図4図4は、図1に示す携帯コンロ(携帯燃焼台)を分解して収納する手順を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明の携帯燃焼台の一実施形態としての携帯コンロについて説明する。
【0018】
本発明の実施の一形態に係る携帯コンロは、図1図2に示すように構成される。図1は携帯コンロ11の斜視図であり、図2は携帯コンロ11の分解斜視図である。
【0019】
図1に示すように、携帯コンロ11は、向かい合うように立設されている、一対の方形状の板状部材である、第1側板部12と、第2側板部13とを有する。第1側板部12及び第2側板部13との間には、中央に向けて傾斜する方形状の板状部材である、第1底板部15と、第2底板部16とが設けられている。そして、第1底板部15と第2底板部16とに、方形状の板状部材である燃料受板部21が載架されている。第1側板部12、第2側板部13、第1底板部15、第2底板部16及び燃料受板部21により携帯コンロ11が構成される。
【0020】
図2に示すように、第1側板部12及び第2側板部13の上部中央には、使用者が手で把持するための開口である把持用開口部12k、13kがそれぞれ形成されている。把持用開口部12k、13kは、手で把持するために親指を除く他の4本の指がゆとりをもって挿入可能となるようなサイズであって、かつ横長形状の開口となっている。第1側板部12及び第2側板部13には、更に固形燃料の燃焼用の空気を燃料受板部21の下部及び上部に導入するための空気通流口となる、主通流用開口部12m、13mと、主通流用開口部12m、13mの上部に横並びに4つの比較的小さな副通流用開口部12p、13pがそれぞれ形成されている。
【0021】
図2に示すように、第1側板部12及び第2側板部13は、上記したように第1底板部15及び第2底板部16との嵌め合わせ結合用に、一方の側辺12a、13aの中間付近から斜め下方で主通流用開口部12m、13mの中心直下付近に向けて所定長さの切込部である第1スリット12f、13fが形成され、側辺12a、13aと反対側の側辺12b、13bの中間付近から斜め下方で主通流用開口部12m、13mの中心直下付近に向けて、第1スリット12f、13fと同じ所定長さの切込部である第2スリット12g、13gが形成されている。上記の側板部と底板部との嵌め合わせ結合は、側板部のスリットと底板部のスリットとを合わせ、側板部と底板部とを嵌め合わせて結合させることをいう。
【0022】
第1底板部15は、横長となる方形状の板状部材であり、長手方向の一方の長辺である底辺部15cの両端側には所定長さの切込部である第1スリット15a、第2スリット15bが内方(底辺部15cと交わる方向)に向けて形成されている。第1底板部15の長辺である第1底辺部15cに形成された第1スリット15aと第2スリット15bとの間には、略直角に所定長さだけ折り曲げた折り曲げ部15dが形成されている。第1スリット15a及び第2スリット15bは、それぞれ底辺部15cの両端から、例えば20~30mm内側の位置に切込部として形成される。
【0023】
第2底板部16は、第1底板部15と同様に横長となる方形状の板状部材であり、長手方向の一方の長辺である底辺部16cの両端側に所定長さの切込部である第1スリット16a、第2スリット16bが内方(底辺部16cと交わる方向)に向けて形成されている。第2底板部16の長辺である底辺部16cには、略直角に所定長さ折り曲げた折り曲げ部15dが一端から他端まで形成されている。第1底辺部15と同様に、第1スリット16a及び第2スリット16bは、それぞれ底辺部16cの両端から、例えば20~30mm内側の位置に切込部として形成される。
【0024】
燃料受板部21は、横長の板状部材であり、短手方向の両端が、上に向けて傾斜するように屈曲する屈曲部21a、21bが形成され、屈曲部21aと屈曲部21bとの間は平坦部21cとなっている。燃料受板部21を第1底板部15及び第2底板部16に載架したときに、第1底板部15及び第2底板部16の傾斜角と屈曲部21a、21bの傾斜角とが略同一となるように屈曲部21a、21bが形成されている。平坦部21cには、長手方向に沿って長孔となる開口部23が、長手方向に3列、短手方向に2列の計6個が形成されている。開口部23は、燃料受板部21で木炭等を燃焼させるときの燃焼用空気を燃料受板部21の下から取り入れる取り入れ口の役割を果たすものである。
【0025】
上記した第1側板部12及び第2側板部13、第1底板部15及び第2底板部16、及び燃料受板部21は、例えばステンレス製(SUS304)で板厚が1.0mm乃至2.0mmの範囲のいずれかとすることが好ましい。なお、スチール製としてもよいが、使用後に水で洗浄することから、スチール製よりも錆び難く塗装を不要にできるステンレス製が好ましい。
【0026】
次に、携帯コンロ11の組立と組立後の使用動作を図1図3を参照して説明する。図3は、携帯コンロ11の使用状態の一例を示す斜視図である。
【0027】
図2に示すように、立設する第1側板部12の第1スリット12fに第1底板部15の第1スリット15aを、第2側板部13の第1スリット13fに第1底板部15の第2スリット15bを、それぞれ合わせて、第1底板部15と第1側板部12及び第2側板部13とを嵌め合わせ結合させる。このとき、第1底板部15の折り曲げ部15dが上向きとなるように合わせる。嵌め合わせ結合により傾斜するように設けられた第1底板部15の折り曲げ部15dは、第1側板部12及び第2側板部13の主通流用開口部12m、13mの中心直下付近に配置される。上記した第1底板部15の第1スリット15a、第2スリット15bと、これらに嵌合する第1側板部12の第1スリット12f、第2側板部13の第1スリット13fは、第1底板部15の底辺部15cの折り曲げ部15dが主通流用開口部12m、13mの中心直下付近に位置するように、上記各スリットの切込長さが調整されている。各スリット12f、13f、15a、15bの幅(切込幅)は、スリット同士を合わせて底板部と側板部とが嵌め合わせ結合できるように、第1側板部12、第2側板部13、第1底板部15及び第2底板部16の板厚より若干大きい程度とされる。
【0028】
次に、上記同様に第1側板部12の第2スリット12gに第2底板部16の第1スリット16aを、第2側板部13の第2スリット13gに第2底板部16の第2スリット16bを、それぞれ合わせて、第1底板部15と第1側板部12及び第2側板部13とを嵌め合わせ結合させる。このとき、第2底板部16の折り曲げ部16dが上向きとなるように合わせる。嵌め合わせ結合により傾斜するように設けられた第2底板部16の折り曲げ部16dは、第1側板部12及び第2側板部13の主通流用開口部12m、13mの中心直下付近において、第1底板部15の折り曲げ部15dと重なるように当接される。第1底板部15の折り曲げ部15dと、第2底板部16の折り曲げ部16dとが重なることにより、燃焼領域18で燃焼した木炭等の燃料滓の地面への落下を抑制することができることになる。また、主通流用開口部12m、13m及び副通流用開口部12p、13pは、第1底板部15及び第2底板部16の上に位置することになる。また、上述同様に、第2底板部16の第1スリット16a、第2スリット16bと、これらに嵌合する第1側板部12の第2スリット12g、第2側板部13の第2スリット13gは、第2底板部16の底辺部16cの折り曲げ部16dが主通流用開口部12m、13mの中心直下付近で、第1底板部15の折り曲げ部15dに第2底板部16の折り曲げ部16dが重なるように上記各スリットの切込長さが調整される。上述同様に、各スリット12g、13g、16a、16bの幅(切込幅)は、スリット同士を合わせて底板部と側板部とが嵌め合わせ結合できるように、第1側板部12、第2側板部13、第1底板部15及び第2底板部16の板厚より若干大きい程度とされる。
【0029】
第1側板部12及び第2側板部13と、第1側板部12及び第2側板部13に傾斜して嵌合する第1底板部15及び第2底板部16とで囲まれた空間が、固形燃料(木炭等)の燃焼領域18として形成される。
【0030】
第1底板部15及び第2底板部16を第1側板部12及び第2側板部13に嵌め合わせ結合させた後に、燃料受板部21の屈曲部21aを第1底板部15の上に、屈曲部21bを第2底板部16の上に当接するように載架させ、携帯コンロ11の組立が完了する。図1に示すように、燃料受板部21が第1底板部15及び第2底板部16の上に載架されたときには、燃料受板部21の平坦部21cの長手方向端部が主通流用開口部12m、13mを上下に分断する位置となる。これにより、主通流用開口部12m、13mから通流する空気は、燃料受板部21の下部と上部の双方から燃焼領域18に導入されることになる。また、副通流用開口部12p、13pから通流する空気は、燃料受板部21の上部から燃焼領域18に導入される。上記のように燃焼領域18への空気の通流を確保することで燃焼効率を向上させることができる。上記したように、第1底板部15及び第2底板部16は、側板部12と側板部13との間の中央部である、主通流用開口部12m、13mの中心直下付近に向けて下がるように傾斜し、主通流用開口部12m、13mの中心直下付近で第1底板部15の折り曲げ部15dに第2底板部16の折り曲げ部16dが当接している。このとき第1底板部15及び第2底板部16の傾斜角度は、水平方向から例えば、俯角30度乃至45度程度となっている。
【0031】
組み立てた携帯コンロ11の第1側板部12に形成される把持用開口部12kと、第2側板部13に形成される把持用開口部13kにそれぞれ指を入れて調理を行う所定の位置まで搬送し、設置する。このように、携帯コンロ11はスリット同士を合わせて底板部と側板部とを嵌め合わせ結合させて組み立てるので、従来の携帯コンロのような、ボルト締め等による組立を要しないことから、老若男女の経験の無い者でも容易に組立が可能であり、把持し易く搬送も容易である。また、立設する第1側板部12及び第2側板部13が地面等に載置されるので安定的に設置することができる。なお、嵌め合わせ結合を解除することで携帯コンロ11の分解も容易に行える。
【0032】
図3に示すように、組み立てられた携帯コンロ11を使用するには、燃料受板部21(図1図2参照)の上に、新聞紙等(不図示)と着火剤(不図示)を置き、更にその上に木炭31等の固形燃料を載置する。固形燃料としては、木炭の他に竹炭、無煙炭等を使用することができる。新聞紙等に着火すると、ゼリー状又は固形状の着火剤が燃焼し、続いて木炭31が燃焼する。このとき、第1側板部12及び第2側板部13の主通流用開口部12m、13m(図1参照)から燃料受板部21の下部、上部に向けて燃焼用の空気が通流され、更に副通流用開口部12p、13p(図2参照)から燃料受部21の上部に燃焼用の空気が通流されるので、木炭31の燃焼効率を向上させることができる。次に、木炭31の隅々まで燃焼が行き渡ったら、例えば調理用プレート35を第1底板部15及び第2底板部16の上に載架して鉄板焼き等の料理を行うことができる。なお、調理用プレートの載置台36は、例えば6枚の方形状の板状部材37にスリットを形成し、これらの嵌め合わせ結合により形成することができる。図3では調理用プレート35を使用したが、鉄串等を使用して肉、野菜等を直接火に炙って料理することもできる。なお、上記したように、本実施形態では、携帯燃焼台の例として携帯コンロ11について記載したが、本発明は、これに限定されず、調理を目的としない、たとえば、キャンプファイアーに用いられる焚火台、屋外暖房器として用いられる焚火台等であってもよい。
【0033】
次に、携帯コンロ11を分解して収納する手順について図4を参照して説明する。図4に示すように、携帯コンロ11の第1側板部12及び第2側板部13と第1底板部15及び第2底板部16との嵌め合わせ結合を解除し、第2底板部16の上に第1底板部15を重ねる(矢印A1)。このとき、第2底板部16の折り曲げ部16dと第1底板部15の折り曲げ部15dとを反対側の位置に置くことで、積み重ねたときの全体の厚さを均等にすることができる。更にその上に第1側板部12及び第2側板部13を横に並べて第1底板部15に重ねる(矢印A2)。最後に燃料受板部21を第1側板部12及び第2側板部13の上に重ねる(矢印A3)。そして、第1底板部15及び第2底板部16、第1側板部12及び第2側板部13並びに燃料受板部21を重ねた全体を結束バンド(不図示)等で固定し、例えば、手提げ袋39にそのまま入れて簡単に収納、搬送することができる(矢印A4)。また、分解した携帯コンロ11を収納した手提げ袋39を持ってキャンプ場等に持っていけば、手提げ袋39から取り出して、第1側板部12及び第2側板部13と第1底板部15及び第2底板部16とを嵌め合わせ結合することで、容易に組立て、設置、使用することが可能である。
【0034】
上記したように、本実施形態に係る携帯コンロ11によれば、一対の第1側板部12及び第2側板部13に、第1底板部15及び第2底板部16をそれぞれ傾斜するように嵌め合わせ結合させ、第1底板部15及び第2底板部16に燃料受板部21を載架して携帯コンロ11を組み立てることができるので、部品点数が少なく、かつボルト締め等を不要とし、組み立て分解を容易とする携帯調理具を提供することができる。また、方形状の側板部及び底板部からなるので、使用後の洗浄も容易であり、分解後の収納、搬送も容易となるものである。また、立設する一対の側板部により地面等に載置されるので、安定性を確保することが容易となる。なお、本実施形態に係る携帯コンロ11は、第1側板部12、第2側板部13、第1底板部15、第2底板部16及び燃料受板部21により構成されるが、燃料受板部21を除いた、部品数の少ない、第1側板部12、第2側板部13、第1底板部15及び第2底板部16で構成することもできる。
【0035】
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上説明したように、本発明に係る携帯燃焼台は、部品数も比較的少なく、収納、搬送及び洗浄を容易に行うことができるので、分解及び組立が容易に繰り返し可能な携帯燃焼台として有用である。
【符号の説明】
【0037】
11 携帯コンロ(携帯燃焼台)
12、13 側板部
12a、12b、13a、13b 側辺
12f、13f 第1スリット
12g、13g 第2スリット
12k、13k 把持用開口部
12m、13m 主通流用開口部
12p、13p 副通流用開口部
15 第1底板部
15a 第1スリット
15b 第2スリット
15c 底辺部
15d 折り曲げ部
16 第2底板部
16a 第1スリット
16b 第2スリット
16c 底辺部
16d 折り曲げ部
21 燃料受板部
21a、21b 屈曲部
21c 平坦部
23 開口部
35 調理用プレート
36 載置台
37 板状部材
図1
図2
図3
図4