(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】糊付けによる鼻美容整形方法及び鼻美容整形用糊
(51)【国際特許分類】
A45D 44/22 20060101AFI20220824BHJP
A61F 5/08 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
A45D44/22 A
A61F5/08
(21)【出願番号】P 2021196972
(22)【出願日】2021-12-03
【審査請求日】2021-12-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521530325
【氏名又は名称】江俣 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】江俣 恵子
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-214531(JP,A)
【文献】特開2014-121361(JP,A)
【文献】特開2017-196406(JP,A)
【文献】特表2018-530357(JP,A)
【文献】特公平05-034051(JP,B2)
【文献】特開2011-1983(JP,A)
【文献】特開2004-331910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D44/00-44/22
A61F 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻腔内に入れて外から鼻を押し潰すと割れる程度の強度且つ生体分解性乃至は吸収性のある素材で構成されたカプセルの中に、
鼻腔内の皮膚を一時的に接着可能な糊を封入した鼻美容整形用糊。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容整形に関し、特に鼻の美容整形に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、美容的観点から「小鼻にしたい」という要望がある。外科的手術によるものは、費用的な観点からもハードルが高く、また、痛みや手術失敗(希望通りにならない)といったリスクも大きい。
【0003】
そういった手術に頼ることなく、鼻の形を整形する方法や器具についても既に様々提案されているところである(特許文献参照)。
【0004】
例えば特許文献1においては、マグネットをシリコンやゴムなどの柔らかい素材で包み込んだ器具をそれぞれ左右の鼻の中に入れて鼻中隔を左右内側から挟むようにして装着し、磁力によって2つの器具が引き合う作用を利用して鼻を高くするというものである。
【0005】
また、特許文献2においては、「J字」乃至は「U字」形状の可撓性かつ弾性力を有する薄肉板状のプラスチックを鼻孔に装着して、その弾力性によって鼻を高く整形するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-32154号公報
【文献】特開2011-167481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、柔らかい素材で包まれているといっても硬い磁石であったり、また、鼻を内側から押し上げて整形できる程度の可撓性かつ弾性力を有するプラスチックを鼻の中に取り付けるわけなので、外部からの衝撃(例えばボールが鼻にぶつかる等)によって鼻孔内が大きく傷付いたりする可能性は否定できない。また、装着したものが鼻孔の奥方に入り込んでしまい、容易に自分では取り出すことができなくなるといった恐れもある。更に、外出先などで取り外した後は、保管が面倒となったり専用の収納ケースが必要となるなど手間もかかる。
【0008】
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、何らかの器具を鼻腔内に取り付けることなく、鼻を小鼻に維持する美容整形方法を提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく、本願発明は、皮膚を一時的に接着可能な糊を鼻腔内の所望箇所に塗り、外部から鼻を押さえ付けることによって鼻孔を狭めるように接着することにより、鼻を小さく見せることを特徴とする。
【0010】
このように、何らかの器具を鼻腔内に取り付けるのではなく、鼻孔内を「糊付け」することによって小鼻を作り出すのである。鼻孔が狭まってしまうので呼吸がし難くなるというデメリットもあるが、自分で苦しくない範囲に調整すればよいし、何より鼻の中に器具を装着する必要がないので、外部からの衝撃によって鼻孔内が大きく傷付いたりすることがない。また、装着したものが鼻孔の奥方に入り込んでしまい、容易に自分では取り出すことができなくなるといった恐れもない。更に、外出先などで取り外した後は、保管が面倒となったり専用の収納ケースが必要となるなど手間もかからない。
【0011】
また、本発明で使用する「糊」は、例えば、瞼に塗って二重瞼を一時的に維持させるための糊を流用するのが望ましい。
【0012】
瞼用の糊は、アレルギー発生など皮膚トラブルが起こりにくい材料で構成されているので、それをそのまま利用することで、鼻孔内でも安心して使用することができる。また、瞼用の糊は、お湯で洗い流すことができるので、小鼻状態の維持が不要となったときはお湯などで洗い流すことによって接着状態を容易に解除することが可能である。
【0013】
また、前記糊は、生体分解性乃至は吸収性のある素材によって構成されたカプセルの中に封入されているように構成してもよい。
【0014】
このように構成すれば、カプセルを鼻孔内に入れて外から鼻を押し潰すようにするだけで、カプセルが割れて内部の糊が放出されるため、手を汚さずに簡単に小鼻に整形することが可能となる。またカプセルは生体分解性乃至は吸収性のある素材で構成されているので、後処理の必要もない。
【0015】
前記糊は、生体分解性乃至は吸収性のある素材によって構成されたシートの表面に塗布されているように構成してもよい。
【0016】
このように構成すれば、シートを鼻孔内に入れて外から鼻を押し潰すようにするだけで、シート表面に塗布された糊によって鼻孔が接着されるため、手を汚さずに簡単に小鼻に整形することが可能となる。またシートは生体分解性乃至は吸収性のある素材で構成されているので、後処理の必要もない。
【発明の効果】
【0017】
本発明を適用することで、何らかの器具を鼻腔内に取り付けることなく、鼻を小鼻に維持する美容整形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の適用の前後を示した写真であり、(a)が整形前、(b)が整形後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は非常にシンプルである。例えば、瞼に塗って二重瞼を一時的に維持させるための「糊」を鼻孔内に塗布し、その上で鼻孔を押し潰すように鼻を押さえ付けるだけである。これにより、外観上鼻が小さく見えるので、所謂「小鼻」となる。
【0020】
もちろん瞼用の糊の流用でなく専用のものを用意しても良いが、瞼用の糊はアレルギー発生など皮膚トラブルが起こりにくい材料で構成されているので、それをそのまま利用することで、鼻孔内でも安心して使用することができる。また、瞼用の糊は、お湯で洗い流すことができるので、小鼻状態の維持が不要となったときはお湯などで洗い流すことによって接着状態を容易に解除することが可能である。
【0021】
このように、何らかの器具を鼻腔内に取り付けるのではなく、鼻孔内を「糊付け」することによって小鼻を作り出すのである。鼻の中に器具を装着する必要がないので、外部からの衝撃によって鼻孔内が大きく傷付いたりすることがない。また、装着したものが鼻孔の奥方に入り込んでしまい、容易に自分では取り出すことができなくなるといった恐れもない。更に、外出先などで取り外した後は、保管が面倒となったり専用の収納ケースが必要となるなど手間もかからない。
【0022】
また、糊を、生体分解性乃至は吸収性のある素材によって構成されたカプセルの中に封入されているように構成すれば、カプセルを鼻孔内に入れて外から鼻を押し潰すようにするだけで、カプセルが割れて内部の糊が放出されるため、手を汚さずに簡単に小鼻に整形することが可能となる。またカプセルは生体分解性乃至は吸収性のある素材で構成されているので、後処理の必要もない。
【0023】
また、糊を、生体分解性乃至は吸収性のある素材によって構成されたシートの表面に塗布されているように構成すれば、シートを鼻孔内に入れて外から鼻を押し潰すようにするだけで、シート表面に塗布された糊によって鼻孔が接着されるため、手を汚さずに簡単に小鼻に整形することが可能となる。またシートは生体分解性乃至は吸収性のある素材で構成されているので、後処理の必要もない。
【要約】
【課題】
何らかの器具を鼻腔内に取り付けることなく、鼻を小鼻に維持する美容整形方法を提供する。
【解決手段】
皮膚を一時的に接着可能な糊を鼻腔内の所望箇所に塗り、外部から鼻を押さえ付けることによって鼻孔を狭めるように接着することにより、鼻を小さく見せる。このとき糊は、直接鼻孔内塗布するだけでなく、例えば、生体分解性乃至は吸収性のある素材によって構成されたカプセルの中に封入されているのが望ましい。
【選択図】
図1