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▶ 黒田 まさみの特許一覧

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  • 特許-シートカッター 図1
  • 特許-シートカッター 図2
  • 特許-シートカッター 図3
  • 特許-シートカッター 図4
  • 特許-シートカッター 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】シートカッター
(51)【国際特許分類】
   B26B 27/00 20060101AFI20220824BHJP
   B26B 3/00 20060101ALI20220824BHJP
   B65B 69/00 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B26B27/00 E
B26B3/00 Z
B65B69/00 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020004740
(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公開番号】P2021109052
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-10-09
(73)【特許権者】
【識別番号】312014867
【氏名又は名称】黒田 まさみ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 哲正
(72)【発明者】
【氏名】黒田 まさみ
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】実開昭47-022016(JP,U)
【文献】実開昭49-065459(JP,U)
【文献】実開昭64-050087(JP,U)
【文献】特開平11-260319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 27/00
B26B 3/00
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートをカットする為のシートカッターであって、このシートカッターは略平板状の基板に支持部とカッター部を設け、このカッター部は第一の刃部とこの第一の刃部に対向して近接する第二の刃部を有し、第一の刃部と第二の刃部にはこの基板の一部を剪断してカット部を形成し、この剪断により形成されるそれぞれのバリを第一の刃部と第二の刃部との内側方向に向けたことを特徴するシートカッター。
【請求項2】
請求項1のシートカッターのカッター部の第一の刃部と第二の刃部の間は、この基板の垂直方向から見て、隙間なく構成したことを特徴とするシートカッター。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のシートカッターの第一の刃部と第二の刃部は、この基板の平行方向から見て、外方に拡大する隙間を有することを特徴とするシートカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として調味料・食品等の袋を構成するプラスチックやアルミニウム、紙製等のシートをカットするシートカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
しょう油等の調味料や食品やお菓子の入った袋は、誤って破れたり漏れたりしないように、十分な強度が持たせてある。このため、素手で開封するのが難しく、ハサミでカットすることが多かった。このため、袋自体に切れ込みなどを入れる対策をしたものがあったが、あまり開けやすいと不用意に開いてしまう問題があり、コストもかかるので何も対策してない商品も沢山存在している。
【0003】
そこで、特許文献1に示すような、袋開封カッターが開示されていた。この袋開封カッターは上押え板1と下押え板2とこれを連結する連結部3とを有し、この間にカッター刃5を設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-35657
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この袋開封カッターは、家庭で使うには構造が複雑で使い難く、嵩張るという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シートをカットする為のシートカッターであって、このシートカッターは略平板状の基板に支持部とカッター部を設け、このカッター部は第一の刃部とこの第一の刃部に対向して近接する第二の刃部を有し、第一の刃部と第二の刃部にはこの基板の一部を剪断してカット部を形成し、この剪断により形成されるそれぞれのバリを第一の刃部と第二の刃部との内側方向に向けたことを特徴するシートカッター。
【発明の効果】
【0007】
上記の問題点を解決し、シンプルでコンパクトなシートカッターを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施例のシートカッターの斜視図を示す。
図2】第一の実施例のシートカッターの六面図を示す。底面図は平面図と対称に表れる。
図3】第一の実施例のシートカッターの使用方法を示す斜視図である。
図4図1のAA断面図である。
図5】第二の実施例のシートカッターの六面図を示す。底面図は平面図と対称に表れる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
シートをカットする為のシートカッターであって、このシートカッターは略平板状の基板に支持部とカッター部を設け、このカッター部は第一の刃部とこの第一の刃部に対向して近接する第二の刃部を有し、第一の刃部と第二の刃部にはこの基板の一部を剪断してカット部を形成し、この剪断により形成されるそれぞれのバリを第一の刃部と第二の刃部との内側方向に向けたことを特徴するシートカッター。
【0010】
上記のシートカッターのカッター部の第一の刃部と第二の刃部の間は、この基板の垂直方向から見て、隙間なく構成したことを特徴とするシートカッター。
上記のシートカッターの第一の刃部と第二の刃部は、この基板の平行方向から見て、外方に拡大する隙間を有することを特徴とするシートカッター。
【実施例
【0011】
図1乃至図4により第一の実施例のシートカッターを説明する。シートカッター10は平板状の基板20に支持部21とカッター部30を設けてある。カッター部30は第一の刃部31とこの第一の刃部31に対向する第二の刃部32を有している。
【0012】
基板20は一枚の金属板をプレスして成型され、この金属板はバネ鋼板やステンレスバネ板等の薄いバネ板を用いるのが望ましい。第一の刃部31と第二の刃部32はこの基板20の一部を剪断して形成される。この剪断により形成されるそれぞれのバリ35は、第一の刃部31と第二の刃部32との内側方向に向けるようプレスされる。
【0013】
カッター部30の第一の刃部31と第二の刃部32の間には、この基板の垂直方向から見て、隙間が無いようカット部34が形成されている。また、カット部34は、基板20の平行方向、すなわち図2の正面図の方向から見て、内側が狭く外方に拡大する隙間を有している。
【0014】
図4に示すように、第一の刃部31と第二の刃部32は剪断により形成され、双方のバリ35は内側に向くように形成される。基板20の外周のバリ等を取るためにバレル研磨しても、大きめの研磨石を用いればこれらの第一の刃部31と第二の刃部32のバリ35は、内側を向いているので研磨されず維持される。
【0015】
図3に示すように、指50で把持部21を摘まんで、袋40のシートを第一の刃部31と第二の刃部32の間の隙間に挿入して、カット部34でシートをカットする。このとき、バリ35がシートを両側から挟持するのでシートのカットを容易にする効果がある。
【0016】
この実施例のシートカッター10は、第二の刃部32の先端部を小さくし、小さい隙間や孔に挿入してもカットできるようにしている。第二の刃部32の根本は剛性を確保するために大きくしている。この発明のシートカッター10は、小さいカード状のコンパクトな外形であるので、ポケットやバッグの中に入れても邪魔にならない利点がある。一試作例では、35mm×25mmで厚さ0.25mmである。
【0017】
単に、袋の開封であればハサミでもできるが、ハサミをポケット等に入れて動き回るのは危険でもあるし、幼児の手の届く所に置いておくのも危険である。この発明のシートカッター10は、第一の刃部31と第二の刃部32の内側に指が触れないので、幼児が触っても安全である。なお、バリ35の反対側に生成される外側のダレ36には指が触れても安全である。
【0018】
さらにこの実施例では、外方に向かって拡がるガイド33を設けてあるので、第一の刃部31と第二の刃部32の間にシートを容易に挿入することができる。
【0019】
図5は第二の実施例のシートカッターであり、ガイド33を広くして、シートの導入を容易としたものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
この発明は、調味料や食品やお菓子の入った袋をカットする為のものであるが、その他の袋や薄いシートにも利用可能である。
【符号の説明】
【0021】
10はシートカッター
20は基板
21は把持部
30はカッター部
31は第一の刃部
32は第二の刃部
33はガイド
34はカット部
35はバリ
36はダレ
40は袋
50は指
図1
図2
図3
図4
図5