(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】流量を制御するためのおよび流路を遮断するための真空バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 51/02 20060101AFI20220824BHJP
F16K 1/00 20060101ALI20220824BHJP
F16K 31/44 20060101ALI20220824BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
F16K51/02 A
F16K1/00 A
F16K31/44 H
F16K31/04 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017109721
(22)【出願日】2017-06-02
【審査請求日】2020-04-10
(32)【優先日】2016-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ネッツァー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ザイツ
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルト・ゾンダーエッゲル
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505711(JP,A)
【文献】特開平08-042734(JP,A)
【文献】特表2010-500760(JP,A)
【文献】特開2005-16729(JP,A)
【文献】特開2002-250470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 51/02
F16K 1/00
F16K 31/44
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口軸(A)を画定するバルブ開口(16、26、36、46)を含み、バルブ開口(16、26、36、46)の周囲を通り、第一の密閉平面(E
S)を画定する第一の密閉面(13、23、33)を含む弁座(12、22、32、42)と、
第一の密閉面(13、23、33)に対応する第二の密閉面(14、24)を有し、第二の密閉面(14、24)が第二の密閉平面(E
T)を画定し、その修正可能な位置がバルブディスク(11、21、31、41)のそれぞれの位置および配置によって決定される、体積流量または質量流量を制御し、流路を遮断するためのバルブディスク(11、21、31、41)と、
バルブディスク(11、21、31、41)に接続されており、バルブディスク(11、21、31、41)の制御されたガイダンスを提供するための、受け入れ手段を含む第一の結合要素(38、48)と、
とりわけ受け入れ手段によって第一の結合要素(38、48)に結合された駆動ユニット(39、49)と、を有し、駆動ユニット(39、49)が
バルブディスク(11、21、31、41)と弁座(12、22、32、42)とが互いと相対的に接触しない様式で存在する開放位置から、
それらの間にあり、結果としてバルブ開口(16、26、36、46)が気密様式で閉鎖されるシール(15、25、35、45)の結果として第一の密閉面(13、23、33)と第二の密閉面(14、24)との間に軸方向の密閉接触が存在する閉鎖位置にバルブディスク(11、21、31、41)を調節可能であり、
長手閉鎖方向において少なくとも実質的に幾何学的長手軸に沿って後退するような様式で構成されており、
バルブディスク(11、21、31、41)が微細な制御位置に調節可能であるように、駆動ユニット(39、49)およびバルブディスク(11、21、31、41)が構成され、そして相互作用し、とりわけ連結されており、
前記微細な制御位置では、バルブディスク(11、21、31、41)が弁座(12、22、32、42)と相対的に画定された様式で傾斜し、そのような様式で、第一の密閉平面(E
S)と第二の密閉平面(E
T)とが画定された角度(α)を取り囲み、そして
シール(15、25、35、45)が第一のまたは第二の密閉面(13、23、33、14、24)に対して完全に接触し、それぞれの他の密閉面(13、23、33、14、24)に対しては部分のみにおいて接触し、
ここで、前記バルブディスク(11、21、31、41)が前記開放位置から前記閉鎖位置にまたは前記閉鎖位置から前記開放位置に調節されるときであって、当該バルブディスク(11、21、31、41)が、前記閉鎖位置に達する前または前記開放位置に達する前に前記微細な制御位置を取るように、前記駆動ユニット(39、49)と前記バルブディスク(11、21、31、41)とが構成されおよび連結されており、
第一の結合要素(38)が開口軸(A)または長手軸に関して横方向に延在する交差部材(38)として構成され、バルブディスク(11、21、31、41)の背面側面における少なくとも一つの接続点においてバルブディスク(11、21、31、41)に接続されており、受け入れ手段が交差部材(38)の延在部の方向に関して横方向に駆動ユニット(39)を結合するための中心の結合点を提供し、交差部材(38)が延在部の方向に関して横方向に延在する調節腕(37)によって駆動ユニット(39)に接続されることが特徴付けられた、
体積流量または質量流量を制御し、気密様式で流路を遮断するための真空バルブ(10、20、30、40)、とりわけ、真空制御バルブ。
【請求項2】
第二の密閉面(14、24)の延在部によって画定された第二の密閉平面(E
T)が開口軸(A)または長手軸に傾斜するような様式で、バルブディスク(11、21、31、41)を微細な制御位置に位置付けることが特徴付けられた、請求項1の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項3】
第一の密閉面(13、23、33)が開口軸(A)または長手軸と平行な方向を向き、開口軸(A)または長手軸と直交して延在する、または
第一の密閉面(13、23、33)が開口軸(A)または長手軸と横方向の方向を向き、開口軸または長手軸と直交して延在する平面に傾斜することが特徴付けられた、請求項1または2の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項4】
第一の密閉平面と第二の密閉平面と(E
S、E
T)が開放位置および微細な制御位置において画定された角度(α)を取り囲む、および
第一の密閉平面と第二の密閉平面と(E
S、E
T)が閉鎖位置において互いと実質的に平行に配置されることが特徴付けられた、請求項1~3のいずれか一項の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項5】
バルブディスク(11、21、31、41)の第二の、いくつかのまたは複数の微細な制御位置を、とりわけ逐次的に調節可能であり、
各ケースにおいて第一の密閉平面と第二の密閉平面と(E
S、E
T)によって取り囲まれる角度α
nが各ケースにおいて異なり、そして
各ケースにおいて、シール(15、25、35、45)が二つの密閉面(13、23、33、14、24)のうちの一つに対して完全に隣接し、他の密閉面(13、23、33、14、24)に対しては部分のみにおいて隣接することが特徴付けられた、請求項1~4のいずれか一項の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項6】
微細な制御位置を、各ケースにおいて、個々にまたは継続的に、制御された様式で調節可能であり、従って、とりわけ、バルブ開口(16、26、36、46)を通り抜ける媒体の体積流量または質量流量の継続的な制御を提供可能であることが特徴付けられた、請求項5の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項7】
交差部材(38)とバルブディスク(11、21、31、41)との間の接続が少なくとも一つの接続点における摩擦撹拌溶接接続を含むことが特徴付けられた、請求項
6の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項8】
交差部材(38)が、
中心の結合点の両方の側面に位置する少なくとも二つの側部接続点において、バルブディスク(11、21、31、41)の背面側面においてバルブディスク(11、21、31、41)に接続されており、
中心の結合点および両方の側面において結合点に接続し、側部接続点の間を延在する一部分を含む中心の一部分において、背面側面から特定の間隔をあけており、
交差部材(38)の歪みの結果として、バルブディスク(11、21、31、41)が開口軸(A)または長手軸と直角の旋回軸(S)を中心にして調節腕(37)と相対的に旋回可能であるような様式で弾力的に構成することができ、そして
とりわけ、一つの部品において構成されることが特徴付けられた、請求項
6または
7の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項9】
駆動ユニット(39、49)が少なくとも一つのモータ(49a、49b)および制御された様式で、長手軸に沿ってまたはそれと平行に、少なくとも一つのモータ(49a、49b)によって移動可能である少なくとも一つのガイドコンポーネント(47)、とりわけ、ガイド棒を含み、
バルブディスク(11、21、31、41)が受け入れ手段によってガイドコンポーネント(47)に接続されており、弁座(12、22、32、42)と相対的に移動可能であることが特徴付けられた、請求項1~
8のいずれか一項の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項10】
駆動ユニット(39、49)が長手軸と平行の、制御された様式で、少なくとも一つのモータを手段として移動可能である二つのガイドコンポーネント(47)、とりわけ、ガイド棒を含むことが特徴付けられた、請求項
9の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項11】
バルブディスク(11、21、31、41)がそれに接続されており、受け入れ手段を有する第二の結合要素(48)を含み、第一のおよび第二の結合要素(48)がバルブディスク(11、21、31、41)に直接に配置されており、とりわけ、バルブディスク(11、21、31、41)における一つの部品として構成されており、
各ケースにおいて、ガイドコンポーネント(47)が第一のおよび第二の結合要素(48)の受け入れ手段のそれぞれの一つに接続されることが特徴付けられた、請求項
10の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項12】
駆動ユニット(49)が、二つのモータ(49a、49b)を含み、二つのガイドコンポーネント(48)の各々が制御された様式でモータの一つによって移動可能であり、そして
微細な制御位置、とりわけ、複数の微細な制御位置を、とりわけ、画定された、二つのモータ(49a、49b)の個々の作動によって提供可能であり、そのような様式で、結果として、第二の密閉平面と相対的な第一の密閉平面の傾斜位置をもたらすことができることが特徴付けられた、請求項
10または
11の真空バルブ(10、20、30、40)。
【請求項13】
真空バルブ(10、20、30、40)がガイドコンポーネント(47)を接続するブリッジを含み、
第一の結合要素(38、48)がブリッジに接続される、とりわけ、交差部材として構成されることが特徴付けられた、請求項
10の真空バルブ(10、20、30、40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブディスクおよび少なくとも三つの段におけるバルブディスクのためのガイドを有する真空制御バルブに関する。
【0002】
一般に、真空バルブの種々の態様がバルブハウジングに形成された開口の中を通る流路を実質的に気密様式で閉鎖するための先行技術から公知である。
【0003】
とりわけ、可能である場合には、微細な小粒子の汚染の存在がないように保護された雰囲気において行う必要があるICおよび半導体製造の分野において、真空スライダーバルブが使用されている。例として、半導体ウェーハまたは液晶基材のための生産工場において、高感度半導体または液晶素子がプロセスチャンバの内側に位置する半導体素子が各ケースにおいて一つの処理装置によって処理されるいくつかのプロセスチャンバの中を連続的に通る。プロセスチャンバの内側の処理プロセス中、およびプロセスチャンバからプロセスチャンバへの運送中の両方において、高感度半導体素子は、常に、保護された雰囲気、とりわけ、真空中に置く必要がある。
【0004】
プロセスチャンバは、例として、接続通路によって共に接続され、真空スライダーバルブによってプロセスチャンバを開いて、部品を一つから次のプロセスチャンバに移送し、その後、それらを閉鎖して気密様式でそれぞれの生産ステップを実行することが可能である。これらのタイプのバルブは、記載した利用分野を理由として真空移送バルブとして、およびそれらの矩形の断面の開口を理由として矩形スライダーとしても指定される。
【0005】
移送バルブは、特に、高感度半導体素子の生産中に使用されるため、とりわけ、バルブの作動およびバルブ閉鎖部材への機械的負荷によって引き起こされる粒子生成、およびバルブスペースにおける自由粒子の数を可能な限り小さく保たねばならない。粒子生成は、主に摩擦の結果であり、例として、金属間接触および摩耗によって生み出される。
【0006】
それぞれの駆動技術に応じて、とりわけ、バルブスライダーまたは矩形スライダーとも呼ばれるスライダーバルブと振り子バルブとの間に差が生じ、大抵のケースにおいて、先行技術における二つのステップにおいて閉鎖および開放がもたらされる。第一のステップにおいて、バルブ閉鎖部材、とりわけ、閉鎖ディスクは、スライダーバルブの事象において、例えば、例として、US6,416,037(Geiser)またはUS6,056,266(Blecha)に開示されており、とりわけ、Lタイプにおいて、開口にわたって弁座と実質的に平行に線形様式で動き、または振り子バルブの事象において、例えば、例として、US6,089,537(Olmsted)に開示されており、この接続では、閉鎖ディスクとバルブハウジングの弁座との間が接触することなく、旋回軸を中心にして開口にわたって旋回する。第二のステップにおいて、閉鎖ディスクは、バルブハウジングの弁座においてそれについての閉鎖側面を通して押圧され、これにより開口が気密様式で閉鎖される。密閉は、たとえば、閉鎖ディスクの閉鎖側面に配置されており、開口の周囲を延在して弁座において押圧されるシールによって、または閉鎖ディスクの閉鎖側面がそれに対して押圧される、弁座における密閉リングのいずれかによってもたらすことができる。シール、とりわけ、密閉リングは、溝および/または硬化において保持することができる。
【0007】
種々の密閉装置が先行技術、例として、US6,629,682B2(Duelli)に開示されている。真空バルブにおける密閉リングおよびシールのための好適な材料は、例として、FKMとも呼ばれるフッ素化ゴム、とりわけ、「Viton」の商標名として公知のフルオロエラストマ、および略してFFKMであるペルフルオロゴムがある。
【0008】
シールが弁座に接触することなく、閉鎖部材が開口にわたって最初に横方向に摺動し、その後、閉鎖部材が弁座において実質的に垂直に押圧される記載した多段移動は、シールが横方向にまたは縦方向に負荷を受けることなく、ほぼもっぱら垂直に押圧される利点の他に、バルブ開口を通り抜ける媒体(たとえば、プロセスガス)の流量を制御する実現性も提供する。
【0009】
閉鎖部材のL状の移動を可能にする一つの単一駆動または複数の駆動、例として、二つの線形駆動または一つの線形駆動と一つの伸張駆動のいずれかがこの意図のために使用される。
【0010】
先に指名されたバルブタイプの共通の態様では、閉鎖部材(バルブディスク)とバルブ駆動とは、少なくとも一つの調節腕、とりわけ、押し棒または弁棒によって接続される。この接続において、固定調節腕は、その端部の一つを通して固定様式で閉鎖部材に、およびその他の端部を通して固定様式でバルブ駆動に接続される。閉鎖ディスクは、バルブの大抵のケースにおいて、ねじ接続によって少なくとも一つの押し棒に接続される。
【0011】
DE102008 061 315B4は、弁棒に関して横方向に延在する交差部材によって弁棒における弁板の取り付けを記載している。交差部材は、とりわけ、ねじによって、中心の接続点において弁棒に接続されており、とりわけ、ねじ接続によって、中心の接続点の両方の側面に位置する少なくとも二つの側部接続点において弁板に接続されている。同じように、中心の接続点を含む中心の一部分および両方の側面において接続する一部分において、交差部材は、弁板から間隔をあける。交差部材は、好ましくは、一つの材料における一つの部品において構成でき、とりわけ、全体を金属で生産することができる。
【0012】
US6 471 181B2は、同様の取り付けを記載している。弁棒に接続される交差部材は、第一の板にねじ接続された弁棒の端部を受け入れるための円錐開口を含む第一の板を包含する。弾性軸受ブロックが弁棒への中心の接続点の両方の側面において第一の板に取り付けられ、各ケースにおいて弁板にねじ接続された第二の板が前述の弾性軸受ブロックの側面において、第一の板の反対側に取り付けられる。
【0013】
US2008/0066811A1は、弁板が第一のおよび第二の交差部材に接続された真空バルブを記載している。交差部材は、接続部材を介して弁板に接続される。これらは接続腕を備えており、これは、交差部材の長手方向において両方の側面において、接続点から交差部材に延在し、そして交差部材の長手方向に延在し、交差部材の長手方向において間隔をあけたいくつかの点において弁板にねじ接続された共通の接続脚に端部において接続される。結果として、交差部材の長手方向においてより均一な力の伝達が達成される。
【0014】
US6,994,311B2は、開放バルブ位置における開口の中の対称的な流量を生み出すことを狙いとした真空制御バルブを開示している。バルブディスクがガイド(弁棒)において中心に取り付けられ、これを軸方向にガイドすることができ、これにより開口の中の体積流量を、バルブディスクと弁座との間の間隔に応じて調節することができる。
【0015】
先の態様に共通して、とりわけ、制御中の、前述の設計の一つの結果としての制御曲線(単位時間当たりの体積流量)は、通常、不都合な曲線進行を発生する。とりわけ、ほぼ閉鎖したバルブ状態から完全に閉鎖したバルブ状態に移行するときに、曲線は、このケースにおいて発生する「スナッピングシャット効果」を理由として、明確に不均一な曲線進行を示す。開口を通り抜ける流れは、このケースでは突然に遮断される。結果として、非常に低い圧力範囲における微細な調節は、ほとんど実行不可能である、さらに言えば不可能である。
【0016】
従って、本発明の基礎をなす目的は、一方では、制御されたバルブ開口の気密閉鎖、他方では、開口を通り抜ける流量についての改善された制御機能を提供する真空バルブを提供することにある。
【0017】
前述の目的は、独立請求項の特徴の具現化によって達成される。代替または有利な様式で本発明をさらに発展する特徴は、従属請求項に見出される。
【0018】
本発明の基礎は、とりわけ、可能である場合には、制御曲線全体にわたって確実に制御された様式および制御可能なまたは均質な様式における流量制御を設計するための、非常に低い真空圧力範囲内(たとえば、10-6mbar未満)の分子のガスの流量の正確な制御のための要求の観点における意欲である。分子のガスの流量は、移行ゾーン(10-3mbar未満)においても役割を果たし、ガス分子の比較的に大きい自由路長によっても特徴付けられる。本発明は、バルブディスクと弁座との間の初期に角度付けられた接触によって流量の制御を具現化する手法に基づき、体積流量は、相対的傾斜位置(バルブディスクと弁座との間の接触)に応じて調節可能である。この接続におけるより大きい開放角度は、より大きいサイズの開口、従って、単位時間当たりのより多い体積流量の実現性を意味する。開放角度を減少することによって、密閉面間の、さらに言えば弁座のシールとバルブディスクのシールとの完全な接触が存在し、従って、開口が完全に閉鎖した状態(閉鎖位置)になるまで、流量を、段々におよび/または継続的に減少することができる。
【0019】
本発明のバルブを使用して、先に指名された流量を、有利である様式で、すなわち、非常に低い圧力のケースでさえも制御することができ、そして同時に実質的に対称的なおよび層状の流れを提供および維持することができる。
【0020】
本発明は、真空バルブ、とりわけ、体積流量または質量流量を制御し、気密様式で流路を遮断するための真空制御バルブに関する。バルブは、開口軸を画定するバルブ開口、およびバルブ開口の周囲を延在し、第一の密閉平面を画定する第一の密閉面を含む弁座を有する。加えて、体積流量または質量流量を制御し、流路を遮断するためのバルブディスクが第一の密閉面に対応する第二の密閉面を提供され、第二の密閉面が第二の密閉平面を画定し、その修正可能な位置は、バルブディスクのそれぞれの位置および配置によって決定される。
【0021】
加えて、バルブは、バルブディスクに接続されており、バルブディスクの制御されたガイダンスを提供するための、受け入れ手段を含む第一の結合要素、およびとりわけ、受け入れ手段によって第一の結合要素に結合されており、バルブディスクを調節可能であるような様式で構成された駆動ユニットを有する。バルブディスクは、バルブディスクと弁座とが互いと相対的に接触しない様式で存在する開放位置から、それらの間にあるシールの結果として第一の密閉面と第二の密閉面との間に軸方向の密閉接触が存在し、結果としてバルブ開口が気密様式で閉鎖される閉鎖位置まで調節可能であり、長手閉鎖方向または長手開放方向において少なくとも実質的に幾何学的長手軸に沿って後退する。
【0022】
駆動ユニットおよびバルブディスクは、バルブディスクを微細な制御位置に調節可能であるような様式で構成され、そのような様式で相互作用し、とりわけ、そのような様式で結合し、そこでは、バルブディスクは、第一の密閉平面と第二の密閉平面が画定された角度を取り囲むような様式で、弁座と相対的に画定された様式で傾斜し、シールは、二つの密閉面のうちの一つに対して完全に隣接し、他の密閉面に対しては部分のみにおいて隣接する。換言すると、第一の密閉面と第二の密閉面とは、シールによって部分的にのみ接触する。それ故に、第一の密閉面または第二の密閉面は、シールにおいて部分的にのみ押圧される。シールの別の部分は、反対側に置かれた密閉面に依然として触れない。結果として、故意に開口の全体ではない密閉が生み出される。
【0023】
従って、閉鎖位置においてよりも、微細な制御位置においてシールのより小さい面の一部分が反対側に置かれた密閉面に接触するまたはそれに押圧される。
【0024】
そのようなターゲットとされた傾斜位置および傾斜に応じて調節可能なバルブ開口の開放範囲の結果として、有利である圧力および流量制御が可能となる。そのような制御は、通常、たとえば、プロセスガスを使用し、要求される圧力を調節するために結果生じる要求が存在するときに使用できる。このようにしてもたらすことができる開口を通り抜ける媒体の恒久的な層状の流れの結果として、圧力変動を回避し、より速い様式で要求される圧力に達することができる。バルブディスクと弁座との間の完全な分離(開放位置)のための追加的に提供される実現性の結果として、さもなければ、流れ開口を非常に大きくすることを選ぶことができる。
【0025】
駆動ユニットとバルブディスクとは、とりわけ、バルブディスクが開放位置から閉鎖位置にまたは閉鎖位置から開放位置に調節されるときに、バルブディスクが閉鎖位置に達する前に、さらに言えば、開放位置に達する前に、微細な制御位置を取るような様式で構成および結合される。これは、例として、駆動ユニットの対応する作動によって、たとえば、弁座と相対的なガイド棒またはディスクの制御された傾斜の結果として構成することができる。傾斜は、例として、ガイド棒のガイディングにおいて、すなわち、ガイドの対応的に旋回可能な軸受配置の結果として提供することができる。弁座と相対的なディスクのみの傾斜は、ガイド棒と相対的なまたは調節腕と相対的なディスクの対応的に可変の軸受配置の結果としても提供できる。
【0026】
これの代替として、ディスクは、弁座の密閉面に関連して所定の横方向位置に既に配置することができる。所望の傾斜位置は、このようにしても達成できる。
【0027】
加えて、種々の線形移動(閉鎖移動)は、バルブディスクの(上面および底面ではないが、ディスク端に関連する)二つの端部側面に関連して実行することができ、これによりディスクの一つの側面が反対側に置かれた側面よりも早く弁座に達する。
【0028】
本発明の態様のバルブディスクは、第二の密閉面の延在部によって画定された第二の密閉平面が開口軸または長手軸に傾斜するような様式で、微細な制御位置に位置付けられる。長手軸の位置は、とりわけ、駆動ユニットによって提供される調節の方向によって画定される。バルブディスクは、その結果、たとえば、ディスク底面の法線と平行な方向においては移動しないが、その傾斜位置において、そこに関して横方向に移動し、とりわけ、これによりその結果、前述の傾斜位置において弁座に接触するであろう
【0029】
具現化に応じて、弁座の密閉面の配置に関連して、(弁座の)第一の密閉面は、開口軸または長手軸と平行な方向を向き、開口軸または長手軸と直交して延在することができる。そのような構成は、本発明のバルブの通常の具現化である。
【0030】
しかしながら、これの代替として、第一の密閉面は、開口軸または長手軸と横方向の方向を向き、開口軸または長手軸と直交して延在する平面と角度を付けることもできる。これも本発明のそのような具現化において、長手軸または開口軸と相対的な直交の配置のケースでさえも、バルブディスクは、弁座を圧迫するような角度で移動し、傾斜位置によって制御を提供することができる。換言すると、バルブディスクのターゲットとされる横方向位置の設置において、弁座、さらに言えば、それについての密閉面は、角度を付けることができる。
【0031】
態様において、第一の密閉平面と第二の密閉平面とは、開放位置および微細な制御位置において画定された角度αを取り囲み、第一の密閉平面と第二の密閉平面とは、閉鎖位置において互いと実質的に平行に配置される。微細な制御位置から閉鎖位置に向かう移動があるときには、それ故に、角度αの値は、「ゼロ」に徐々に近づくように移動、最終的に「ゼロ」となる。
【0032】
態様に従い、単一の微細な制御位置を調節できるのみではなく、バルブディスクの第二の、いくつかのまたは複数の微細な制御位置を、とりわけ継続的に調節可能であることが自明である。このケースでは、各ケースにおいて第一の密閉平面と第二の密閉平面とによって取り囲まれる角度αnは、各ケースにおいて異なり、第一のおよび第二の密閉面は、各ケースにおいて、シールによって部分的にのみ接触する。それ故に、各ケースにおいて、いくつかの微細な制御位置は、弁座に関連するバルブディスクの別の傾斜位置に対応することができる。とりわけ、各傾斜位置を、継続的な閉鎖移動中、それぞれの微細な制御位置に割り当てることができる。
【0033】
とりわけ、微細な制御位置は、各ケースにおいて、個々にまたは逐次的に、制御された様式で調節でき、従って、とりわけ、バルブ開口を通り抜ける媒体の体積流量または質量流量の継続的な制御を提供することができる。流量は、このケースでは、とりわけ、層状の様式で維持することができる。そのような制御は、とりわけ、駆動ユニットのステッピングモータまたはサーボモータによって、ガイド棒、さらに言えば押し棒が移動されることで提供される。
【0034】
特定のフレームワーク内における、駆動ユニットとのバルブディスクの結合に関係して、さらに言えば、弾性旋回能力に関連して、バルブディスクの取り付けの結果として、第一の結合要素は、開口軸または長手軸に関して横方向に延在する交差部材として、態様に従い構成でき、バルブディスクの背面側面における少なくとも一つの接続点においてバルブディスクに接続される。
【0035】
そのような交差部材は、使用されるおよび/または形成する材料に関係して弾性的に構成され、すなわち、特定のトルク能力、従って、部材の延在部によって画定された旋回軸を中心にしたディスクの旋回を提供する。交差部材の前述の特性は、可能である微細な制御位置を越えて、バルブの完全な閉鎖に至るまで(さらに言えば、逆も同じ)、シールにおける密閉面の均質な押圧を可能にする。(閉鎖された)バルブディスクを移動させる形態は、密閉材料において発生する任意の横方向負荷がなく、従って、任意の無用の粒子生成がなく、交差部材をツイストすることによってもたらすことができる。その後、移動は、傾斜位置から密閉平面の平行位置にもたらされる。
【0036】
一つの具現化において、交差部材の受け入れ手段は、交差部材の延在部の方向に関して横方向に駆動ユニットを結合するための中心の結合点を提供し、交差部材は、交差部材の延在部の方向に関して横方向に延在する調節腕によって駆動ユニットに接続される。それ故に、この接続において、交差部材は、調節腕に接続され、バルブディスクは、調節腕の移動によってガイドされる。
【0037】
さらなる態様の交差部材は、中心の結合点の両方の側面に位置する少なくとも二つの側部接続点において、対応する様式で、バルブディスクの背面側面においてバルブディスクに接続することができる。その結果、中心の結合点および両方の側面において前述の結合点に接続する部分を包含し、側部接続点の間を延在する中心の一部分において、交差部材をツイストする結果として、バルブディスクが開口軸または長手軸と直角である旋回軸を中心にして調節腕と相対的に旋回可能であるような様式で、交差部材は、背面側面から特定の間隔をあけて、弾力的に構成することができる。交差部材と調節腕とは、とりわけ、一つの部品において構成される。
【0038】
とりわけ、少なくとも一つの接続点における交差部材とバルブディスクとの間の接続は、摩擦撹拌溶接接続を含むことができる。結果として、たとえば、ねじ接続のケースにおいて提供される粒子生成のリスクは、さらに減少される。
【0039】
本発明の態様の駆動ユニットは、少なくとも一つのモータおよび制御された様式で、長手軸に沿ってまたはそれと平行に、少なくとも一つのモータによって移動する少なくとも一つのガイドコンポーネント、とりわけ、ガイド棒を含み、バルブディスクは、受け入れ手段によってガイドコンポーネントに接続されており、弁座と相対的に移動される。例として、ディスクは、調節腕および交差部材によってガイドコンポーネントに間接的に接続される。長手軸の位置は、とりわけ、たとえば、押し棒またはガイド棒として構成された、さらに言えば、指定されたガイドコンポーネントの延在部によって、および/または駆動ユニットによって提供される線形移動の方向によって画定される。
【0040】
具体的な態様の駆動ユニットは、少なくとも一つのモータ、とりわけ、二つのモータ、および長手軸と平行に、制御された様式で、少なくとも一つのモータ、さらに言えば、二つのモータによって移動される二つのガイドコンポーネント、とりわけ、ガイド棒を含む。このケースでは、二つのガイドコンポーネントは、たとえば、二つのガイド棒と平行の中心を形成する共通の長手軸を画定する。
【0041】
とりわけ、バルブディスクは、それに接続されており、受け入れ手段を有する第二の結合要素を含むことができ、第一のおよび第二の結合要素は、バルブディスクに直接に配置される、とりわけ、バルブディスクを持つ一つの部品として構成されており、各ケースにおいて、ガイドコンポーネントが第一のおよび第二の結合要素の受け入れ手段のそれぞれの一つに接続される。結合要素は、とりわけ、互いに反対側に置かれる、すなわち、バルブディスクを通る中心垂線に関連して軸方向に対称的な様式で、ディスクの端に取り付けるまたは形成することができる。従って、弁座と相対的なディスクの配置は、二つのガイド棒の個々の移動によって修正することができる。たとえば、一つの棒が他の一つよりもさらに移動する場合には、ディスクは、弁座と斜めに配置し、微細な制御位置にガイドすることができる。
【0042】
それ故に、一つの態様の駆動ユニットは、二つのモータを備えることができ、二つのガイドコンポーネントの各々が制御された様式でモータの一つによって動かせるる。微細な制御位置、とりわけ、さらに言えば、複数の微細な制御位置を、画定された、とりわけ二つのモータの個々の作動によって、結果として、第二の密閉平面と相対的な第一の密閉平面の傾斜位置をもたらすことができる様式で提供可能である。
【0043】
一つの具現化において、バルブは、二つのガイドコンポーネントを接続するブリッジを含み、第一の結合要素がブリッジに接続される。そのような態様では、バルブディスクは、ガイド棒の間に中心に配置することができる。ディスクの所望の傾斜位置は、対応するモータ作動によって設定できる、すなわち、第一のディスク端部が第一のガイド棒に結合されて、ガイドされ、ここでは同じものと弁座との間の間隔が同じものと第二のディスク端部との間の間隔よりも小さい。結合要素は、この接続において、とりわけ、交差部材として構成することができる。結果として、交差部材の弾性と個々のモータ作動との間の組み合わせから、バルブ開口を通り抜ける流量の高度に正確な制御をもたらすことができ、シールの均質な押圧および開口の中の広範囲の層状の流れが提供される。
【0044】
従って、先の態様は、バルブディスクが少なくとも間接様式でガイド棒に結合されることによって、(二つのガイド棒をもつ)二部分ディスクガイドと交差部材とを組み合わせる。
【0045】
本発明の装置を、図面において概略的に示され、本発明のさらなる効果もみられる具体的な例示的な態様を通して、単に例示的な様式で以下により詳細に記載する。図は次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1a】開放位置における本発明の真空バルブの第一の実施形態を示す図である。
【
図1b】開放位置における本発明の真空バルブの第二の実施形態を示す図である。
【
図2a】微細な制御位置における本発明の真空バルブの第一の実施形態を示す図である。
【
図2b】微細な制御位置における本発明の真空バルブの第二の実施形態を示す図である。
【
図3a】閉鎖位置における本発明の真空バルブの第一の実施形態を示す図である。
【
図3b】閉鎖位置における本発明の真空バルブの第二の実施形態を示す図である。
【
図4a】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第三の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【
図4b】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第三の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【
図4c】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第三の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【
図5a】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第四の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【
図5b】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第四の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【
図5c】開放位置および微細な制御位置における本発明の真空バルブの第四の実施形態のさまざまな斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1aは、開放位置における本発明の真空バルブ10の実施形態を通る断面の概略図を示す。バルブ10は、閉鎖要素としてバルブディスク11、およびバルブディスク11の反対側に置かれた弁座12を含む。弁座12は、バルブ開口16の周囲を延在し、従って、バルブ開口16を画定する。バルブディスク11は、弁座12と相対的に移動するように配置され、開口16によって画定された少なくとも開口軸Aに沿う可動性、または第二の密閉面14の配置によって画定された軸Bに沿う可動性が提供される。軸Aと軸Bとは、弁座12と相対的なディスク11、さらに言えば、それについての密閉面14の平行配置のため、示される位置で一致している。
【0048】
これの代替として、バルブディスク11は、開放位置において、平行ではないが、弁座12と相対的に斜めに(傾斜して)配置することもできる。
【0049】
バルブディスク11および弁座12の両方は、各ケースにおいて、密閉面、即ち、第一の密閉面13および第二の密閉面14を有する。第一の密閉面13は、追加的に、シール15を含む。前述のシール15は、例えば、加硫によってポリマーとして弁座12において硬化することができる。これの代替として、シール15は、例えば、弁座12の溝におけるOリングシールとして構成することができる。密閉材料が弁座12に接着し、結果として、シール15を具体化することもできる。代替態様において、シール15は、バルブディスク11の側面、とりわけ、第二の密閉面14に配置することができる。前述の具現化の組み合わせも考えられる。
【0050】
密閉面13は、弁座12における第一の密閉平面ESを画定し、密閉面14は、バルブディスク11における第二の密閉平面ETを画定する。従って、密閉平面ETおよびESの位置は、第一に、それぞれの密閉面の延在部、第二に、バルブディスク11の、さらに言えば弁座12の現在の空間的配置(および位置)に応じて決まる。
【0051】
図1bは、開放位置における本発明のバルブ20のさらなる態様を示す。バルブ20は、
図1aのそれと同様の様式で設計される。
【0052】
対照的に、ここではシール25は、バルブディスク21の密閉面24の側面に配置され、対応する密閉面23が弁座22に構成される。密閉面23および24は、順に対応する密閉平面ETおよびESを画定する。
【0053】
図1aおよび1bは、単に概略様式におけるそれぞれのバルブの具現化を示す。それぞれの弁座と相対的にバルブディスク11、さらに言えば21を移動させる駆動ユニットは、いずれのケースにおいても示さない。そのような駆動ユニットは、通常、モータ、とりわけ、ステッピングモータまたはサーボモータを備える。バルブディスクは、対応する機構によって駆動ユニットに結合することができる。本発明に従うこのために、種々の具現化が可能である。
【0054】
第一に、駆動ユニットは、モータによって長手軸に沿って線形様式で移動する押し棒(ガイド棒)を備えることができる。調節腕の第一の端部は、とりわけ、横方向に角度を付けてまたは棒に関して直交して押し棒に接続される。押し棒と調節腕との間の接続は、固定様式で構成される。交差部材が調節腕に関して横方向に延在し、順にバルブディスクに接続し、第二の、反対側に置かれた端部に提供される。交差部材は、ディスクが交差部材の延在部によって画定された旋回軸を中心にして旋回可能であるような様式で弾力的に構成される。ディスクの所望の旋回能力、従って、所望の傾斜位置の実現性、およびこの接続において、部材をツイストする結果として、弁座と相対的なディスクの傾斜の修正が可能である。
【0055】
二つのガイドコンポーネント(押し棒)をもつ装置を、代替として、またはバルブディスクを製作するための組み合わせ可能な設計としても構成できる。ディスクは、この接続において、とりわけ、ディスク外周に関連して反対側に置かれた二つの側面に配置された二つの受け入れ手段を有する。受け入れ手段の各々の一つは、そこに接続された一つの押し棒を有する。押し棒の駆動は、二つのモータによって好ましい様式でもたらされるが、少なくとも一つのモータおよび一つの歯車ユニットで具現化することもできる。弁座と相対的なバルブディスクの傾斜位置および傾斜位置の調節は、平行にもたらされない(押し棒の線形位置に関連する)押し棒の線形移動の結果として制御された様式でも提供することができる。
【0056】
図2aおよび2bは、開放位置ではないが、微細な制御位置における
図1aおよび1bのバルブの具現化を示す。この接続では、各ケースにおいて、バルブディスク11、さらに言えば21は、弁座12、さらに言えば22と平行には配置されないが、互いと相対的に傾斜している。バルブは、閉鎖位置に達する前のバルブディスクの閉鎖移動の各ケースにおいて、そのような微細な制御位置に達し、それを取ることができるように構成される(および適用可能な場合には制御される)。
【0057】
密閉平面ETおよびESは、このケースでは平行には存在せず、従って、互いに交わり、角度αが取り囲まれる。前述の所望の傾斜位置、つまり、開放角度αは、シール15、さらに言えば25との少なくとも部分的(ここでは、外周のシールの左方側面)接触を保つことによって変動させることができる。結果として、有利である流量制御が提供される。角度αがより小さく調節されるほど、可能である媒体の単位時間当たりの流量は小さくなる。このケースでは、効果は、とりわけ、二つのバルブディスク側面(上および底)における圧力差の結果として、比較的に非常に小さい角度および力のケースでさえも、角度αがなおも依然として段々にまたは継続的に調節可能であり、ディスクにおいても継続的に変動することである。結果として、非常に正確な閉鎖または開放移動を実行でき、とりわけ、閉鎖位置に向かってもしくは閉鎖位置から移行、または制御位置に移行するときに、継続的に利用されたまたは遮断された媒体の流れを制御することが可能である。
【0058】
とりわけ、角度が修正されるとき、接触したシールの面も変動する。角度がますます小さくなるにつれて、密閉材料の接触面がより大きくなる。
【0059】
制御は、とりわけ、(弁座の方向において)上面よりもディスクの底面においてより小さい圧力が行き渡っているときに有利である。(シールによる)バルブディスクと弁座との間の部分的接触の結果として、(圧力差を理由として)ディスクに作用する力の一部は、接触面によって既に吸収することができ、したがって、バルブ駆動またはディスク取り付けによって吸収する必要はない。
【0060】
微細な制御位置において、バルブディスク11、さらに言えば21は、弁座12、さらに言えば22に接触するときに、軸を中心にして回転または旋回するフラップとして見ることもできる。
【0061】
弁座12および22のそれぞれに対するバルブディスク11および12の角度付けられた隣接を提供するための種々の機械的解決策が考えられる。一般の真空技術において、とりわけ、真空バルブの解決策において、粒子生成を回避するまたはそのリスクを明確に減少する密閉の解決策が好ましいはずである。このために、コンポーネントの相対的可動性の回避、またはそのような可動性が必須である場合には、可能である場合には、コンポーネント間の摩擦を発生することのない、コンポーネントの軸受配置が好ましいはずである。
【0062】
従って、ディスクにおける解決策を促進するおよび保つ粒子回避が以下の
図4および5において本発明に従い提案される。それぞれの弁座と相対的なバルブディスクの線形可動性は、このケースでは、疑う余地なく、提供される必要がある、しかしながら、このケースでは、微細な制御位置において弁座と相対的な傾斜を調節するための、旋回軸を中心にしたディスクの旋回能力の態様も考慮されるはずであり、ここで本発明に従い(粒子生成の回避が)達成される。
【0063】
図3aおよび3bは、各ケースにおいて、バルブ開口16または26を通り抜ける媒体の流れがシール15、さらに言えば25によって完全に提供された密閉作用を理由として完全に遮断された、シールされた閉鎖位置におけるバルブ10および20を示す。このケースでは、各々のシール15または25は、反対側の側面の反対側に置かれた対応する密閉面と完全接触する、すなわち、バルブ開口を中心に外周全体にわたって接触し、所定の程度押圧される。密閉平面E
TとE
Sとは、平行に存在する。
【0064】
図4aおよび4bは、開放位置における真空バルブ30の本発明の実施形態を示す。バルブディスク31が弁座32から間隔をあけて平行様式で位置付けられ、バルブ開口36を露出する。
【0065】
シール35が弁座32の密閉面33に取り付けられる。密閉面33の進行が密閉平面ESを画定する。
【0066】
バルブディスク31は、交差部材38として構成された結合要素によって調節腕37に接続される。弁座32の密閉面33の反対側に位置し、形態およびサイズに関係して同じに対応するバルブディスク31の密閉面の進行が密閉平面ETを画定する。開放位置において、密閉平面ETとESとは、互いに平行に配置される。
【0067】
交差部材38は、調節腕37に関して横方向におけるそれについての延在部によって、これも調節腕37に関して横方向に延在する旋回軸Sを画定する。交差部材38は、前述の交差部材の中心領域において、固定されて(ここでは、ねじ接続されて)調節腕37に接続され、前述の交差部材の端部においてバルブディスク31に固定される。しかしながら、それぞれの締め具は、代替様式においても、たとえば、ボルトまたは溶接(たとえば、摩擦撹拌溶接)によって生み出すことができる。とりわけ、調節腕37および交差部材38は、一つの部品において構成することができる。
【0068】
交差部材38は、それ自体が特定の材料弾性を提供するような様式で形成され、結果として、実質的に損耗しない様式で、(たとえば、ツイストの角度および力吸収に関連した)既定の範囲内において旋回軸Sを中心にツイストすることが可能である。
【0069】
調節腕37は、押し棒またはガイド棒によって駆動ユニット39に接続される。ディスク31は、駆動39によって、押し棒の延在部に沿う線形様式で移動できる。
【0070】
図4cは、微細な制御位置におけるバルブ30を示す。バルブディスク31は、シール35と部分的に接触する。ディスク31を通る断面の示す右方側面においては、ディスク31とシール35との間の接触がない。それ故に、バルブディスク31は、弁座32と平行には配置されない。密閉平面E
TとE
Sとは、画定された角度αにおいて交わる。
【0071】
示す微細な制御位置は、(制御された様式で)交差部材38と調節腕37との間の接続が旋回可能なように構成される結果として生み出すことができる。バルブディスク31が弁座32に近づくように移動するとき、わずかな旋回を設定および維持(固定)することができる。これの代替として、ディスク31は、交差部材38によって、ディスク31が開放位置において弁座32と平行ではないが、既に相対的傾斜位置を含むような様式で、締めることができる。このケースでは、密閉平面ETとESとは、対応的に平行ではないが、特定の角度αを取り囲む。
【0072】
ディスク31は、線形接近移動の結果として、その後、対応的な傾斜した様式で弁座32に対して隣接する。駆動39によるさらなる線形調節の結果として、交差部材38をツイストすることによってディスク31の傾斜を修正することができる。それ故に、押し棒がさらに引っ込む場合には、開放角度αはより小さくなる。このケースでは、交差部材38は、内部ねじれを通して作用される、すなわち、ツイストされる。結果として、シール35におけるディスク密閉面の継続的に修正可能な、かつこのケースでは、均質に維持された押圧を提供することができる。これは、開口36の完全な閉鎖という結果をもたらすことができ、これによりここでも、シールの進行に関係して、シールは、均質な様式で押圧される。
【0073】
従って、交差部材は、ツイストされる結果として傾斜位置の継続的(または、段階的)な修正を可能にし、シール35は、均質な様式で押圧される。追加的に、シールが均質な様式で押圧される結果として、さらに、シールにおいていかなる横方向負荷ももたらされない結果として、粒子生成が最小限にまたは完全に抑制される。
【0074】
調節腕37と交差部材38との間の接続における傾斜位置の代替として、弁座32と相対的なディスク31の傾斜位置も、旋回により、または押し棒の恒久的な傾斜位置により提供することができる。その結果、交差部材によって提供される効果は、上述の変動に対応する。
【0075】
図5aおよび5bは、開放位置における真空バルブ40の本発明のさらなる態様を示す。バルブディスク41が弁座42と間隔をあけて平行様式で位置付けられ、バルブ開口46を露出する。
【0076】
図4a~cの具現化と対照的に、バルブディスク41は、駆動ユニット49のモータを通して制御された様式で各々移動できる二つのガイド棒47により、弁座42と相対的に移動可能であるように配置される。シール45がディスク41の底面に置かれる。それぞれの密閉面は、順に、密閉平面E
TおよびE
Sを画定する。
【0077】
ガイド棒47が二つの結合要素48の受け入れ手段に接続される。ここでは、結合要素48は、バルブディスク41との一つの部品において構成される、しかしながら、結合要素48を分離コンポーネントとしても設計できることが自明であり、前述の結合要素は、たとえば、ディスク41にねじ接続するまたは溶接することが可能である。
【0078】
図5cに示すような特定の微細な制御位置を調節するために、駆動49の二つの駆動部品49aおよび49bを、個々の様式で対応的に作動させることができる。このケースでは、二つの駆動部品49a、49bのうちの一つは、同じ時間期間内において、他のガイド棒47のための第二の駆動によって提供される距離よりも長い、ガイド棒47の一つが進む距離を生成する。換言すると、ガイド棒47の一つは、特定の時間の期間にわたって少なくとも他よりも迅速に引っ込む。これの代替として、第一の駆動を通して生じる線形移動は、第二の駆動を通して生じるものよりも早く開始することができ、結果として駆動は、実質的に同期移動を提供する。
【0079】
弁座42と相対的に傾斜するバルブディスク41が結果として提示される。バルブディスク41、さらに言えば、それについてのシール45がこの様式で調節可能な前述の傾斜位置において弁座42に(ある程度)接触する(
図5c)。より速く、さらに言えば、さらに進んでガイドされる第一のガイド棒47によって、いったん第一の端部位置に達すると、バルブ開口46を通り抜ける流量、さらに言えば流れの制御を、線形様式でさらに第二のガイド棒47を動かすことだけによって提供することができる。第一の端部位置は、シール45と弁座との間に接触が存在する場合には、実質的にディスク41の位置に一致することができる。しかしながら、密閉材料45の所望の押圧を達成するために、接触するとさらなる線形の動きをもたらすことができることが自明である。それ故に、第一の端部位置、そして第二の端部位置も、所望のシール圧縮の生成にも対応できる。
【0080】
示す図が概略様式における可能である例示的な実施形態のみを示すことが自明である。本発明の種々の手法は、互いに、ならびに先行技術の真空条件下のプロセス体積における体積流量または圧力を制御するための方法および装置と組み合わせることもできる。