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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】遊技情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
A63F7/02 352L
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018195841
(22)【出願日】2018-10-17
(65)【公開番号】P2020062203
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 安隆
【審査官】小河 俊弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-017750(JP,A)
【文献】特開2001-293239(JP,A)
【文献】特開2014-008370(JP,A)
【文献】特開2011-235168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機各々に付設され、遊技に関する各種情報を表示することが可能な複数の遊技情報表示装置を備えた遊技情報表示システムにおいて、
前記複数の遊技情報表示装置に対して、特定の情報を表示するタイミングを同期させるための同期信号を送信する同期信号送信手段を備え、
前記遊技情報表示装置は、
遊技者による所定の操作がされたときに、当該操作に応じた遊技情報を表示する遊技情報表示手段と、
前記操作がされていないときに、静止画及び動画を含む複数の表示コンテンツを組み合わせた案内情報を、予め設定された表示順及び表示時間に従って表示する案内情報表示手段と、
前記同期信号送信手段から同期信号を受信するタイミングを特定するタイミング特定手段と、
前記同期信号を受信したときに、前記案内情報表示手段に対して前記表示順が最初の表示コンテンツから案内情報の表示を再開させる同期処理を実行可能な同期表示制御手段と、
前記タイミング特定手段により特定されたタイミングにおいて、前記案内情報に含まれる動画を表示する予定となっているか否かを判定する判定手段と、
この判定手段が前記タイミングにおいて前記動画を表示する予定となっていると判定した場合に、前記案内情報表示手段に対して当該動画の表示を回避させるとともに前記静止画を表示させる動画回避処理を実行可能な動画回避手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示システム。
【請求項2】
前記同期信号送信手段は、一定の時間間隔で同期信号を送信するように構成され、
前記遊技情報表示装置は、受信した同期信号を有効とみなす有効期間を予め設定する有効期間設定手段を備え、
前記同期表示制御手段は、前記有効期間設定手段により設定された有効期間内に同期信号を受信した場合に前記同期処理を実行することを特徴とする請求項1に記載した遊技情報表示システム。
【請求項3】
前記動画回避手段は、前記案内情報表示手段に対して前記案内情報に含まれる動画を全て除いた静止画のみを順番に表示させる動画回避処理を実行可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、複数の遊技情報表示装置が同期して一斉に特定の表示を実行することが知られている。具体的には、各遊技情報表示装置に対して同期信号を送信し、その同期信号の受信に基づいて各遊技情報表示装置が表示を開始するように構成されている。このような構成により複数の遊技情報表示装置での表示が揃った状態で見栄えよく実行されるものであるが、一旦同期した後の遊技中における様々な事象が原因で表示タイミングにズレが生じてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3549456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、各遊技情報表示装置における同期のタイミングを適宜調整するとともに、その調整が原因で遊技者に対して不快感を与えることのない遊技情報表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
遊技情報表示システムでは、案内情報の表示中において同期を実行するタイミングで動画を中断してしまうことが無いので、遊技者に対して不快感・違和感を与えることなく同期処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
図2】遊技機とともに示す計数貸出ユニットの正面図
図3】計数貸出ユニットを中心に示す機能ブロック図
図4】計数貸出ユニットの表示部における基本情報表示画面を示す図
図5】管理装置にて選択される計数貸出ユニットの同期タイミングの設定を示す説明図
図6】同期タイミングの有効期間を示す説明図
図7】動画回避処理によるコンテンツ調整機能の実施条件を説明するための図
図8】計数貸出ユニットの表示部における画面遷移例を示す図(その1)
図9】計数貸出ユニットの表示部における画面遷移例を示す図(その2)
図10】計数貸出ユニットの表示部における画面遷移例を示す図(その3)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、遊技場における遊技情報表示システム100全体の概略構成を示している。遊技場内には、複数の遊技機1が設置されており、複数の遊技機1各々に対応して計数貸出ユニット2及び呼出表示装置3が付設されている。遊技機1、計数貸出ユニット2及び呼出表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続されている。
【0008】
また、遊技場内には、精算機7や景品交換端末(以下、POS)8も設置されており、これら精算機7やPOS8もLAN5を介して管理装置6と接続されている。精算機7は、一般カードや会員カード(図3に符号9,10で示す)がカード挿入口7aに挿入されると、図示しないカードリーダライタでカード9,10を読取って入金残高を特定し、その入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口7bから払い戻す返却処理を行う。POS8は、付属するカード処理機8aでカード9,10を読取って遊技価値(持玉数・貯玉数)を特定し、その遊技価値に基づき景品交換処理を行う。尚、持玉とは当日中に計数した玉であり、貯玉とは前日以前に計数した玉である。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ6m、キーボード6k等が接続されている。管理装置6は、遊技機1、計数貸出ユニット2、呼出表示装置3等、上記した各種機器から出力される遊技信号を入力することで、各種機器の稼動状況等を管理する。尚、図1では図示を省略したが、同図のパチンコ機の他、所謂スロットマシンも含めて例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっており、遊技場内に形成された複数の遊技機島に、それら遊技機1側の機器が設置されているものとする。
【0010】
図2に示すように、遊技機1はCRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上部受皿13の上面には、左右に並ぶ貸出ボタン13aと返却ボタン13bを有する。
【0011】
遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉が盤面11に発射され、その玉が始動口16に入賞すると、その入賞に応じた数の玉を払出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。尚、遊技機1は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打ち込んだ玉の玉数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払出された玉の数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当り状態を特定可能な大当り信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0012】
計数貸出ユニット2は、各遊技機1の側方の位置に設けられ、所謂各台計数機能を備える。具体的には図2に示すように、計数貸出ユニット2は、現在の運用状態(例えば正常状態、エラー状態等)を示す状態表示部21、紙幣が投入される紙幣投入口22、入金残高や持玉数・貯玉数等を表示するタッチパネル式の液晶表示部24、1単位分(単位付与数)の玉を払い出すための払出ボタン25、払出された玉が通過する払出ノズル26、一般カード9或いは会員カード10が挿入されるカード挿入口28、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿29等を備えている。
【0013】
図3の機能ブロック図は、計数貸出ユニット2の構成を中心に示している。計数貸出ユニット2の制御部20(以下、適宜「計数貸出ユニット2」と略す)は、CPU20a、ROM20b、RAM20c、I/O20d等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。制御部20に接続された周辺部としては、上記した状態表示部21、液晶表示部24(以下「表示部24」と略す)、払出ボタン25を含むとともに、管理装置6や遊技機1との間で各種信号や各種情報を送受信するI/F部20e、紙幣投入口22に投入された紙幣の真贋を判定する紙幣処理部22a、表示部24上に設けられたタッチパネル24a、カード挿入口28に挿入されたカード9,10に記憶されている各種情報を読取ったり、書込んだりするカードRW(リーダライタ)28a、最大10枚の一般カード9をストック可能なカードストック部28b、払出ボタン25が操作されたときに、1度数分の玉を払出ノズル26から払い出す払出部25a、計数受皿29から流入する玉数を計数する計数部29a等を含む。
【0014】
一般カード9は、当日限り有効なカードであり、ICチップ9aが内蔵されている。ICチップ9aには、カードを特定可能な一般IDが記憶されているとともに、計数貸出ユニット2に入金された入金残高や持玉数が記憶される。この一般カード9の持玉数は当日のみ有効で、入金残高は翌日以降も利用可能とされている。
会員カード10は、予め設定されている有効期限(例えば3年間)まで有効なカードであり、ICチップ10aが内蔵されている。ICチップ10aには、会員登録を行った遊技者を特定可能な会員IDが記憶されているとともに入金残高が記憶される。会員カード10に対応する持玉数や貯玉数は管理装置6の会員口座に記憶される。この会員カード10の持玉数、貯玉数、並びに入金残高は、翌日以降も利用可能とされている。
【0015】
計数貸出ユニット2は、以下に示す機能を備えている。
(a)カード9,10の未挿入状態で紙幣投入口22へ投入された紙幣を受付けると、カードストック部28bに収納している一般カード9をカードRW28aへ繰り出して、その入金金額(1000円単位)を記憶するとともに、当該入金金額(入金残高)を表示部24に表示する。このとき、1度数(500円)は、貸出単価が4円のパチンコ機では125玉であるから(後述の図4の画面41参照)、入金残高に相当する度数を表示部24に表示してもよい。
【0016】
(b)遊技機1の貸出ボタン13aの操作(貸出操作)に応じて入金残高の範囲内で1度数に相当する玉を遊技機1内部の払出機構から貸し出す貸出処理を行う。
(c)遊技機1の下部受皿14から落下して計数受皿29で受けられた玉が計数部29aに流入することで玉を計数し、その計数した玉数である計数玉数を表示部24に表示する。
(d)払出ボタン25の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員遊技者の場合)の範囲内で1度数ずつ前記払出機構から払い出す。
【0017】
(e)遊技機1の返却ボタン13bの操作に応じて入金残高及び持玉数をカード挿入口28に挿入されている一般カード9に記憶して発行する。会員カード10が挿入されている場合は、入金残高を会員カード10に記憶して発行する。カード挿入口28に何れのカード9,10も挿入されていない場合は、カードストック部28bにストックしている一般カード9を図示しない記録媒体移動手段によりカードRW28aに繰出して、そのカード9に入金残高及び持玉数を記憶して発行する。こうしたカード9,10の発行(返却)処理を行う場合、係る発行情報を管理装置6へ送信し、管理装置6側にも記憶する。
【0018】
(f)一般カード9がカード挿入口28に挿入された場合は、一般カード9に記憶されている入金残高及び持玉数をカードRW28aにより読出して表示部24に表示する。会員カード10が挿入された場合は、会員カード10に記憶されている入金残高を読出して表示部24に表示すると共に持玉数を管理装置6から受信して表示し、又、暗証番号の入力を条件として貯玉数を管理装置6から受信して表示する。
(g)表示部24において、各種の遊技情報、案内・広告情報等を表示する(後述の図4図8図10参照)。
【0019】
図3に示す管理装置6の制御部60(以下、適宜「管理装置6」と略す)は、マイクロコンピュータを主体に構成され、ROMやRAMといった記憶部60aや、I/O等を備えており、その記憶部60aに記憶された制御プログラムに従い動作する。また、管理装置6は、上記した遊技機1や計数貸出ユニット2から送信される各種の遊技信号に基づいて、各種の遊技データを管理する。
【0020】
尚、図1に示す呼出表示装置3は、遊技者により操作される操作ボタン群31や、液晶表示部32及びLED表示部33を備えており、遊技者による操作ボタン群31での呼出操作に応じて、従業員を呼び出すための表示部32,33での呼出表示を実行する。また、呼出表示装置3は、遊技者による操作ボタン群31での表示切替操作に応じて、各種の遊技情報(大当たり回数、大当たり確率、出玉数等)を表示部32に表示する。
【0021】
ところで、「従来技術」で述べたように、複数の遊技情報表示装置が同期して一斉に特定の表示を実行することが知られている。具体的には、複数の遊技機1各々に付設された呼出表示装置3のような遊技情報表示装置に対して同期信号を送信し、その同期信号の受信に基づいて各遊技情報表示装置が表示を開始するように構成されている。このような構成により、複数の遊技情報表示装置での表示が揃った状態で見栄えよく実行されるものであるが、一旦同期した後の遊技中における様々な事象が原因で表示タイミングにズレが生じてしまうという問題があった。
【0022】
そこで、本実施形態では計数貸出ユニット2(遊技情報表示装置)における同期のタイミングを適宜調整するとともに、その調整が原因で遊技者に対して不快感を与えることのないようにしている。この計数貸出ユニット2を含む遊技情報表示システム100の構成について、以下の「(1)基本情報表示と案内情報表示との切替」~「(7)画面遷移例」の順に、図4以降の図面も参照しながら説明する。
【0023】
(1)基本情報表示と案内情報表示との切替
計数貸出ユニット2は、表示部24に後述する案内情報の他、基本情報を含む、遊技に関する各種情報を表示することが可能とされている。ここで、図4の上側の画面41は、基本情報を表示する基本情報画面41であって、遊技者が所持する一般カード9を、計数貸出ユニット2のカード挿入口28へ挿入して、対応する遊技機1で遊技を行うときに表示部24に表示される画面41を示している。
【0024】
この画面41には、種別(貸出単価)・単位付与数を表す欄41a、所定情報を表示する領域の欄41b、挿入中のカード9,10の種別(会員・一般)と入金残高及び持玉数を表す欄41c、持玉数或いは持玉の払出が可能であることを表す欄41dが設けられている。尚、会員カード10が挿入口28へ挿入され、対応する貯玉を読出した場合、同画面41中の「持玉」に代えて「貯玉」を表す欄41c,41dが表示される。
【0025】
遊技者が払出ボタン25を操作すると、計数貸出ユニット2は、図4の上側の画面41から下側の画面42に遷移させる。同画面42は、持玉払出中である旨を表す欄42aと、その払出しに係る持玉数に関する情報を表す欄42bとを含む持玉払出中画面である。尚、図示は省略するが、遊技者が貸出ボタン13aを操作したとき、計数貸出ユニット2は、図4の上側の画面41から貸出中画面に遷移させる。
【0026】
上記した基本情報画面41や、持玉払出中画面42、前記貸出中画面は、何れも基本情報表示画面に相当する。また、計数貸出ユニット2の表示部24は、上記した遊技者による所定の操作(つまりカード9,10の挿入・排出に係る操作や、ボタン13a,25操作、タッチパネル24aのタッチ操作等)がされたときに、当該操作に応じた遊技情報(基本情報表示画面41,42)を表示する遊技情報表示手段に相当する。
そして、計数貸出ユニット2は、遊技者による所定の操作がされていない無操作状態が所定時間(例えば60秒)継続したときに、基本情報表示画面41,42から案内情報の表示画面へと切替えるように画面遷移させる。
【0027】
(2)案内情報の表示コンテンツ
案内情報の表示画面には、通常案内の画面と、番組案内の画面とがある。
通常案内の画面は、例えば計数貸出ユニット2の操作方法を案内するための画面であり、静止画のみを対象とする。また、通常案内の静止画は、予めROM20bに記憶されており、表示コンテンツとしての内容の変更を不可としている。具体的には、図9中「通常案内」の画面として、符合「Ima」を付して表す、複数の静止画Ima1~Ima4が予め用意されている。
【0028】
図9に示すように、通常案内の静止画Ima1~Ima4には、何れも「4円」の貸出単価と単位付与数を表す欄41aと、通常案内情報を表示する領域の欄41iとが設けられている。この欄41iにおいて、静止画Ima1では「紙幣を投入できます」と表示し、静止画Ima2では「カードを挿入できます」と表示し、静止画Ima3では「再プレイを利用できます」と表示し、静止画Ima4では「画面をタッチしてください」と表示する。また、これら通常案内の静止画Ima1~Ima4は、各々表示時間t(例えば何れも10秒間)と表示する順番とが予め設定された案内情報として組み合わされている。これにより、計数貸出ユニット2は、表示部24にて、通常案内の静止画Ima1~Ima4を表示するとき、左側からIma1,Ima2,Ima3,Ima4の表示順に従って、各画面をローテーション表示する。
【0029】
これに対し、番組案内の画面は、営業案内、宣伝広告等の案内画面であり、静止画と動画とがある。番組案内の静止画・動画として、最大10の表示コンテンツを、遊技場側が任意に組み合わせる設定が可能である。具体的には図9中「番組案内」の画面として、符合「Vid´」を付して表す複数の動画Vid1´~Vid3´や、図8中「番組案内」の画面として、符合「Ima´」を付して表す複数の静止画Ima1´,Ima2´が予め用意されている。これら番組案内の動画Vid1´~Vid3´と静止画Ima1´,Ima2´には、各々表示時間t(例えば何れも10秒間)と表示する順番とが予め設定されている。
【0030】
このうち、図9の「番組案内」として示す動画Vid1´~Vid3´は、番組構成を全て動画の表示コンテンツとして組み合わせた案内情報であり、Vid1´,Vid2´,Vid3´の表示順に10秒で画面が切替わる表示時間(再生時間)tを設定している。つまり、計数貸出ユニット2は、表示部24にて、番組案内の動画Vid1´~Vid3´を、左側からVid1´,Vid2´,Vid3´の表示順に従ってローテーション表示し、以後これを繰返す(同図の「コンテンツ調整」については後述する)。
【0031】
また、図8の「番組案内」として示す動画Vid1´と静止画Ima1´,Ima2´は、番組構成に静止画を含む表示コンテンツとして組み合わせた案内情報であり、Vid1´,Ima1´,Ima2´の表示順に10秒で画面が切替わる表示時間tを設定している。つまり、計数貸出ユニット2は、表示部24にて、番組案内の動画Vid1´と静止画Ima1´,Ima2´を、左側からVid1´,Ima1´,Ima2´の表示順に従ってローテーション表示し、以後これを繰返す(同図の「コンテンツ調整」については後述する)。
尚、計数貸出ユニット2は、上記した表示コンテンツ、或いは表示順等の表示ルールの設定を管理装置6からダウンロードするものとし、表示部24は案内情報表示手段に相当する。
【0032】
(3)同一遊技島内における同期表示
各中継装置4(同期信号送信手段)は、同一遊技島内における複数の計数貸出ユニット2に対して特定の情報(番組案内等)を表示するタイミングを同期させるための同期信号を送信している。この同期信号は、中継装置4から常時一定周期、つまり一定の時間間隔(例えば60秒間隔)で送信され、同一遊技島内における各計数貸出ユニット2で表示タイミングを合わせるための信号として特定される。そして、計数貸出ユニット2は同期表示制御手段として、同期信号を受信したときに、表示部24に対して前記表示順が最初の表示コンテンツから案内情報の表示を再開させる同期処理を実行する。
【0033】
これにより、同一遊技島内における複数の計数貸出ユニット2は、中継装置4から受信する同期信号に基づいて、表示部24の表示を制御することにより、同一遊技島内における表示部24での表示タイミングを同期させ、一斉に番組案内等の表示を行わしめる。
この点、開店時は全ての計数貸出ユニット2における表示タイミングが同期しているが、上記した遊技者による所定の操作(計数や持玉払出に係る操作、入金に係る操作等)や特定のエラー状態(動作異常や不正検知を状態表示部21で表示した状態)等の営業中における様々な要因により表示タイミングのズレが生じうる。
【0034】
(4)同期設定
図5は、管理装置6により設定される、計数貸出ユニット2における同期タイミングTimの設定を表す説明図である。同図に示すように、同期タイミングTimの間隔は、営業中における「時刻」として規定され、00分、10分、20分、…に同期させる「10分」毎の設定と、00分、20分、40分に同期させる「20分」毎の設定と、00分、30分に同期させる「30分」毎の設定とがある。
【0035】
遊技場の管理者は、キーボード6k等の入力手段を操作し、同期タイミングTimの間隔について「10分」毎と「20分」毎と「30分」毎との設定の何れか1つを選択することができる。これにより、管理装置6は、選択された同期タイミングTimの設定を各計数貸出ユニット2へ送信し、計数貸出ユニット2は、係る同期タイミングTimの設定を、中継装置4から同期信号を受信するタイミングTimとして特定する。
【0036】
(5)同期処理の実行
図6は、計数貸出ユニット2における同期タイミングTimの有効期間を示す説明図である。ここで、有効期間とは、計数貸出ユニット2において、中継装置4から受信した同期信号を有効とみなす期間であり、同図に示すように例えば同期タイミングTimの前後30秒間に設定されているものとする。
【0037】
また、有効期間は、例えば管理装置6での入力操作により同期タイミングTimと併せて設定し、その同期タイミングTimと有効期間の設定を計数貸出ユニット2へ送信することで、計数貸出ユニット2において当該タイミングTimの有効期間を予め設定しておくことができる。それ故、計数貸出ユニット2における制御部20や、I/F部20eは有効期間設定手段並びにタイミング特定手段に相当する。
そして、計数貸出ユニット2は、特定した同期タイミングTimにおいて、その有効期間内に同期信号を受信したと判定した場合に前記同期処理を実行する。
【0038】
ここで、図6の例では、「同期時間(同期タイミングTim)」の有効期間を「同期有効期間」として表し、中継装置4から同期信号を受信した時点を「同期信号受信」として表している。このように、同期信号受信が有効期間内にあれば、同期タイミングTim「00分00秒」からズレていても、計数貸出ユニット2により同期処理が実行される。尚、00分30秒丁度のタイミングは、有効期間に含まないものとする。
一方、計数貸出ユニット2において、同期信号受信が有効期間内にあったとしても、上記した遊技者による所定の操作が行われているとき或いは特定のエラー状態にあるとき、同期処理を実行しないようになっている。
【0039】
(6)同期処理実行時の表示
計数貸出ユニット2は、上記したように、同期処理において表示部24での表示順が最初の表示コンテンツから案内情報の表示を再開させるように表示制御する。
このような同期処理が実行されるとき、同期信号受信時点で、表示部24における表示途中の案内情報の動画が、最初の表示コンテンツへと切替わることを防止するため、計数貸出ユニット2は、同期信号受信までの間、優先的に静止画Ima1´,Ima2´の表示コンテンツを表示し、或いは通常案内の静止画Ima1~Ima4の表示を続けるコンテンツ調整機能を有する。
【0040】
図7は、コンテンツ調整機能に係る実施条件を説明するための概念図である。即ち、計数貸出ユニット2は、(i)次回表示するコンテンツが動画であること、(ii)動画の再生時間tが、同図の「同期有効期間」の中に含まれること、(iii)同期信号が未受信であること、の条件(i)~(iii)を全て満たす場合に、コンテンツ調整を行う。
【0041】
ここで、図7中、上段に示す「調整なし」は、(i)次回表示するコンテンツが「動画」であり且つ(iii)同期信号が未受信であっても、その動画の再生時間tが有効期間に含まれておらず、条件(ii)を満たさないため、コンテンツ調整は行われない。これに対し、中段及び下段に示す「調整あり」は、動画の再生時間tが有効期間に含まれ(同図のハッチング部分参照)、条件(ii)を満たすため、他の条件(i)(iii)を満たすとき、コンテンツ調整が行われる。
このように、計数貸出ユニット2は、特定した同期タイミングTimにおいて、その有効期間に案内情報に含まれる動画(例えばVid1´~Vid3´の何れかの動画)を表示する予定となっているか否かを、(i)~(iii)の条件を満たすか否かで判定する判定手段として機能し、その判定結果に基づきコンテンツ調整を行う。
【0042】
(7)画面遷移例
図8は、動画Vid1´の再生時間tが有効期間に含まれる場合であって、番組構成に静止画Ima1´,Ima2´を含むときの表示部24での画面遷移例を示している。ここで、計数貸出ユニット2は、同図の「番組案内」として示す動画Vid1´と静止画Ima1´,Ima2´を、Vid1´,Ima1´,Ima2´の表示順にローテーション表示して、番組案内を行うものとする。
【0043】
この場合、計数貸出ユニット2は、(iii)同期信号が未受信であるとき、(i)次回表示するコンテンツとして動画Vid1´を予定しており、且つ(ii)その動画Vid1´の再生時間tが有効期間に含まれていることから、(i)~(iii)の条件を満たすと判定する。つまり、計数貸出ユニット2は、同図8の同期タイミングTimにおいて、その有効期間に動画Vid1´を表示する予定となっていると判定し、表示部24に対して当該動画Vid1´の表示を回避させるとともに静止画Ima1´,Ima2´を表示させる動画回避処理を実行する。
【0044】
このとき、計数貸出ユニット2は動画回避手段として、同図8中「コンテンツ調整」として表すように、表示部24に対して案内情報に含まれる動画Vid1´を全て除いた静止画のみをIma1´,Ima2´の順番に表示させる動画回避処理を実行する。この動画回避処理により、有効期間において、同期信号受信まで、動画Vid1´を省いた静止画Ima1´,Ima2´のみのローテーション表示を行うように表示制御する。この後、計数貸出ユニット2は、同期タイミングTimの有効期間内に、中継装置4から同期信号を受信したと判定すると、その時点から動画Vid1´と静止画Ima1´,Ima2´を、Vid1´,Ima1´,Ima2´の表示順にローテーション表示を行う元の表示態様にて、同期処理を実行する。
【0045】
これに対し、図9は、動画Vid1´~Vid3´の再生時間tが有効期間に含まれる場合であって、番組構成が全て動画Vid1´~Vid3´のときの表示部24での画面遷移例を示している。ここで、計数貸出ユニット2は、同図の「番組案内」として示す動画を、Vid1´,Vid2´,Vid3´の表示順にローテーション表示して、番組案内を行うものとする。
【0046】
この場合、計数貸出ユニット2は、(iii)同期信号が未受信であるとき、(i)次回表示するコンテンツとして動画Vid1´~Vid3´の何れかを予定しており、且つ(ii)その動画Vid1´~Vid3´の何れかの再生時間tが有効期間に含まれていることから、(i)~(iii)の条件を満たすと判定する。これにより、計数貸出ユニット2は、図9の同期タイミングTimの有効期間に、動画Vid1´~Vid3´を表示する予定となっていると判定し、表示部24に対して当該動画Vid1´~Vid3´の表示を回避させるとともに静止画Ima1~Ima4を表示させる動画回避処理を実行する。
【0047】
このとき、計数貸出ユニット2は、図9中「通常案内」として表すように、表示部24に対して案内情報に含まれる動画Vid1´~Vid3´を全て除いて静止画のみをIma1,Ima2,Ima3,Ima4の順番に表示させる動画回避処理を実行する。この動画回避処理により、有効期間において、同期信号受信まで、動画Vid1´~Vid3´を省いた静止画Ima1~Ima4のローテーション表示を行う(コンテンツ調整を行う)。この後、計数貸出ユニット2は、同期タイミングTimの有効期間内に、中継装置4から同期信号を受信したと判定すると、その時点から動画をVid1´,Vid2´,Vid3´の順にローテーション表示する元の表示形態にて、同期処理を実行する。
【0048】
図10は、有効期間内に、同期信号を受信できなかった場合の画面遷移例を示しており、同図の番組構成は図8の番組構成と同様、静止画Ima1´,Ima2´を含むものとする。
この場合、計数貸出ユニット2は、図8と同様、同期タイミングTimの有効期間に動画Vid1´を表示する予定となっていると判定し、表示部24に対して当該動画Vid1´の表示を回避させるとともに静止画Ima1´,Ima2´のローテーション表示を行う動画回避処理を実行する。
【0049】
このとき、計数貸出ユニット2は、図10に示すように、同期タイミングTimの有効期間内に、中継装置4からの同期信号受信がないため、表示部24で動画Vid1´を表示させることはない(同期処理を実行しない)。もっとも、有効期間が終了すると、その時点(00分30秒の時点)から、動画Vid1´と静止画Ima1´,Ima2´を、Vid1´,Ima1´,Ima2´の表示順にローテーション表示を行う元の表示形態にて、同期処理を実行する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の遊技情報表示システム100によれば、表示部24での案内情報の表示中において、同期を実行するタイミングで動画Vid1´~Vid3´を中断してしまうことが無いので、遊技者に対して不快感・違和感を与えることなく同期処理を実行することができる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組合せるようにしてもよい。
【0052】
呼出表示装置3を本願発明の遊技情報表示装置としてもよい。この場合、呼出表示装置3の表示部32は、遊技者による操作ボタン群31での所定の操作がされたときに、当該操作に応じた遊技情報を表示する遊技情報表示手段として、或いはその操作がされていないときに、静止画及び動画を含む複数の表示コンテンツを組み合わせた案内情報を、予め設定された表示順及び表示時間に従って表示する案内情報表示手段として機能させることができ、計数貸出ユニット2の表示部24と代替しうるものである。
【0053】
案内情報の表示タイミングを同期させる範囲は、上記した同一遊技島内に限らず、特定の遊技島内、特定の遊技機種内、遊技場全体等、任意の範囲内に設定しうることは勿論であり、その任意の範囲内で前記同期処理を実行可能である。
【0054】
案内情報は、上記した通常案内の情報(静止画Ima1~Ima4)と、番組案内の情報(動画Vid1´~Vid3´と静止画Ima1´,Ima2´)に限らず、任意の静止画や動画を表示コンテンツとして組み合わる設定を行うことができる。
また、上記した各数値は例示であり、例えば動画の再生時間tを、表示コンテンツ毎に異ならせる等、どのような数値を採用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1は遊技機、2は計数貸出ユニット(遊技情報表示装置)、4は中継装置(同期信号送信手段)、20は制御部(有効期間設定手段、タイミング特定手段、同期表示制御手段、判定手段、動画回避手段)、20eはI/F部(有効期間設定手段、タイミング特定手段)、24は液晶表示部(遊技情報表示手段、案内情報表示手段)、100は遊技情報表示システムである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10