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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ゴムウエットマスターバッチの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/22 20060101AFI20220824BHJP
   C08J 3/215 20060101ALI20220824BHJP
   C08L 21/02 20060101ALI20220824BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
C08J3/22 CEQ
C08J3/215
C08L21/02
C08K3/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018224492
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020084122
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 健治
【審査官】松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-003316(JP,A)
【文献】特開2016-094501(JP,A)
【文献】特開2014-095022(JP,A)
【文献】特開2016-141720(JP,A)
【文献】特開2017-088796(JP,A)
【文献】特開2012-131943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0152353(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C08J 3/00 - 3/28
C08J 99/00
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
B29B 7/00 - 11/14
B29B 13/00 - 15/06
B29C 31/00 - 31/10
B29C 37/00 - 37/04
B29C 71/00 - 71/02
B29C 48/00 - 48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも充填剤、分散溶媒、ゴムラテックス溶液を原料として得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、
前記充填剤および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液を混合・凝固させて、充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程と、
単軸押出機を使用して、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を含み、
前記単軸押出機は、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給側に脱水部と、排出側に乾燥部と、当該脱水部および当該乾燥部を挿通するスクリューを有し、
前記スクリューは、複数の山部および複数の谷部を有し、
前記脱水部は、前記スクリューに面する内壁面を有し、かつ前記スクリューを収容する外筒を備え、
一般式(1):0.02≦C/(A×B)≦0.15
(一般式(1)中、Aは、前記脱水部に位置するスクリューにおいて、前記充填剤含有ゴム凝固物の押出し方向の最下流の山部から当該最下流の山部に隣り合う山部までのピッチと、当該ピッチに存在する前記スクリューの谷部底面から前記外筒の前記内壁面までのクリアランスとにおける、前記スクリューが1回転した際のピッチ体積(mm)を表し、Bは前記スクリューの回転数(rpm)を表し、Cは前記単軸押出機に投入される前記充填剤含有ゴム凝固物の1分間当たりの供給体積(mm/min)を表す。)で表される条件を満たすことを特徴とするゴムウエットマスターバッチの製造方法。
【請求項2】
前記充填剤含有ゴム凝固物は、前記脱水部から前記乾燥部に押し出される直前の温度が、50℃以上110℃以下であることを特徴とする請求項1記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムウエットマスターバッチの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填剤を含有するゴム組成物を製造する際の加工性能や充填剤の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填剤と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填剤を分散溶媒中に分散させた充填剤含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填剤とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填剤の分散性に優れ、加工性能や補強性能などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性能に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。
【0003】
上述したゴムウエットマスターバッチの製造方法において、凝固工程後に得られた充填剤含有ゴム凝固物から、分散溶媒およびゴムラテックス溶液由来の水分を除去する方法は、例えばろ過法や遠心分離法により固液分離を行った後、任意の混合機を用いて、充填剤含有ゴム凝固物を加熱しつつ混練を行って脱水する方法が挙げられる。かかる脱水方法では、脱水、乾燥、可塑化などの工程数を増やすほど、あるいは混練時の加熱温度を高めるほど、脱水後に得られるゴムウエットマスターバッチの含水率を低減できる。しかしながら、脱水、乾燥、可塑化などの工程数、脱水時に加える熱量および/または機械的エネルギーが多くなると、得られるゴムウエットマスターバッチのポリマー分子鎖の切断などを引き起こし、最終的に得られるゴム組成物の加硫ゴム特性が悪化する場合がある。したがって、ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、脱水、乾燥、可塑化などの工程では、多くの工夫の余地があるのが実情である。
【0004】
例えば、特許文献1では、充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥を行う際、二軸押出機を使用する技術が記載されている。また、特許文献2および3では、単軸押出機を使用する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-141720号公報
【文献】特開2016-3316号公報
【文献】特開2016-94501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、本発明者が鋭意検討したところ、上記の特許文献で記載されているような単軸押出機を使用する技術には、脱水条件を改良することにより、ゴム物性をさらに改良できる余地があることが判明した。
【0007】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、優れた耐スコーチ性および低発熱性を有する加硫ゴムが得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも充填剤、分散溶媒、ゴムラテックス溶液を原料として得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、前記充填剤および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液を混合・凝固させて、充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程と、単軸押出機を使用して、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を含み、前記単軸押出機は、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給側に脱水部と、排出側に乾燥部と、当該脱水部および当該乾燥部を挿通するスクリューを有し、前記スクリューは、複数の山部および複数の谷部を有し、前記脱水部は、前記スクリューに面する内壁面を有し、かつ前記スクリューを収容する外筒を備え、一般式(1):0.02≦C/(A×B)≦0.15(一般式(1)中、Aは、前記脱水部に位置するスクリューにおいて、前記充填剤含有ゴム凝固物の押出し方向の最下流の山部から当該最下流の山部に隣り合う山部までのピッチと、当該ピッチに存在する前記スクリューの谷部底面から前記外筒の前記内壁面までのクリアランスとにおける、前記スクリューが1回転した際のピッチ体積(mm)を表し、Bは前記スクリューの回転数(rpm)を表し、Cは前記単軸押出機に投入される前記充填剤含有ゴム凝固物の1分間当たりの供給体積(mm/min)を表す。)で表される条件を満たすことを特徴とするゴムウエットマスターバッチの製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかるゴムウエットマスターバッチの製造方法における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。但し、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
【0010】
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、上記の特許文献2および3のように、少なくとも充填剤、分散溶媒、ゴムラテックス溶液を原料として得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、前記充填剤および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液を混合・凝固させて、充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程と、単軸押出機を使用して、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を含む。また、前記単軸押出機は、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給側に脱水部と、排出側に乾燥部と、当該脱水部および当該乾燥部を挿通するスクリューを有し、前記スクリューは、複数の山部および複数の谷部を有し、前記脱水部は、前記スクリューに面する内壁面を有し、かつ前記スクリューを収容する外筒を備える。このような単軸押出機を使用することにより、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行うことができるため、ゴムの劣化が抑制され、ゴム物性、特にゴム強度に優れたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
【0011】
さらに、本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、一般式(1):0.02≦C/(A×B)≦0.15(一般式(1)中、Aは、前記脱水部に位置するスクリューにおいて、前記充填剤含有ゴム凝固物の押出し方向の最下流の山部から当該最下流の山部に隣り合う山部までのピッチと、当該ピッチに存在する前記スクリューの谷部底面から前記外筒の前記内壁面までのクリアランスとにおける、前記スクリューが1回転した際のピッチ体積(mm)を表し、Bは前記スクリューの回転数(rpm)を表し、Cは前記単軸押出機に投入される前記充填剤含有ゴム凝固物の1分間当たりの供給体積(mm/min)を表す。)で表される条件を満たす。一般的に、単軸押出機のスクリューに供給される充填剤含有ゴム凝固物の量が多い方が、脱水部にて当該ゴム凝固物が強く圧縮されるため、圧搾され、脱水し易いと考えられる。しかしながら、当該ゴム凝固物の供給が多い場合、当該ゴム凝固物に圧縮がかかっても、当該ゴム凝固物から圧搾される水は脱水部での逃げ場が十分ではなく、脱水部から排出される水の量が少なくなること、すなわち、乾燥部に供給される当該ゴム凝固物の水分率が高くなることが判明した。とくに、脱水部に位置するスクリューにおいて、当該ゴム凝固物の押出し方向の最下流に位置するピッチ(スクリューの隣り合う山部間の部分)では、当該ゴム凝固物は脱水部で最も圧縮されるため、上記の問題が顕著となる。また、単軸押出機に供給される充填剤含有ゴム凝固物の量が少ない場合、脱水部での当該ゴム凝固物に熱が過剰にかかるため、圧搾よりも乾燥による水分の低下が著しく、ゴム劣化が生じる。一方、本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、上記の一般式(1)のとおり、脱水部に位置するスクリューにおいて、当該ゴム凝固物の押出し方向の最下流に位置するピッチに存在する空間体積と、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給量とを所定の関係に設定することにより、脱水条件が最適化され、優れた耐スコーチ性および低発熱性を有する加硫ゴムが得られるゴムウエットマスターバッチが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明で使用可能な単軸押出機の外観図の一例である。
図2】単軸押出機内部の説明図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、少なくとも充填剤、分散溶媒、ゴムラテックス溶液を原料として得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、前記充填剤および前記分散溶媒を含有するスラリー溶液と前記ゴムラテックス溶液を混合・凝固させて、充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程と、単軸押出機を使用して、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う加熱工程を含む。
【0014】
<充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程>
本発明の充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程は、従前どおり、充填剤および分散溶媒を含有するスラリー溶液とゴムラテックス溶液とを混合・凝固させて、充填剤含有ゴム凝固物を製造する。
【0015】
前記充填剤は、例えば、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなど、ゴム工業において通常使用される無機充填剤が挙げられる。前記無機充填剤の中でも、本発明においてはカーボンブラックを特に好適に使用することができる。
【0016】
前記カーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。カーボンブラックは、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0017】
前記分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば、有機溶媒を含有する水であってもよい。
【0018】
前記ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。
【0019】
前記天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。本発明において使用する天然ゴムラテックス中の天然ゴムの数平均分子量は、200万以上であることが好ましく、250万以上であることがより好ましい。また天然ゴムラテックス溶液としては、濃縮ラテックス、フィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムを乳化重合により製造したものがある。前記ゴムラテックス溶液は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
【0020】
以下に、充填剤として、カーボンブラック、ゴムラテックス溶液として、天然ゴムラテックス溶液を使用した例に基づき、好ましい凝固工程の一例を説明する。この場合、カーボンブラックの分散度合いが非常に高く、かつ加硫ゴムとしたときの低発熱性能、耐久性能およびゴム強度をさらに向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
【0021】
前記カーボンブラックおよび前記分散溶媒を含有するスラリー溶液は、前記カーボンブラックを前記分散溶媒に分散させる方法によって得られ、当該方法としては、例えば、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用してカーボンブラックを分散させる方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。
【0022】
前記「高せん断ミキサー」とは、ローターとステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なローターと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でローターが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えば、SILVERSON社製「ハイシアーミキサー」、IKA社製「ハイシアーミキサーIKA2000シリーズ」、特殊機化工業(株)製「T.K.ホモミキサー」、みずほ工業(株)製「ウルトラホモミキサー」、エム・テクニック社製「クレアミックス」、太平洋機工(株)製「キャビトロン」などが挙げられる。
【0023】
前記ゴムラテックス溶液存在下で、前記カーボンブラックおよび前記分散溶媒を含有するスラリー溶液を混合することにより、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液が製造できる。混合方法としては、上述したカーボンブラックおよび分散溶媒を混合する方法と同様の方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。前記ゴムラテックス溶液は、後述する加熱工程の脱水時間・労力を考慮した場合、具体的には、ゴム固形分の濃度が10~60重量%程度であることが好ましく、20~30重量%程度であることがより好ましい。また、前記カーボンブラックおよび前記分散溶媒を含有するスラリー溶液は、前記カーボンブラックの濃度が1~20重量%程度であることが好ましい。
【0024】
また、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した後、得られたゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを混合して、天然ゴムラテックスが付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造してもよい。前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部の使用量は、使用するゴムラテックス溶液全量に対して、0.05~20重量%が例示される。また、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部の使用量は、添加するゴムラテックス溶液のゴム固形分の量がカーボンブラックとの重量比で0.25~15%であることが好ましく、0.5~10%であることが好ましい。また、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部の濃度が、0.1~5重量%であることが好ましく、0.5~2重量%であることがより好ましい。
【0025】
前記カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固することにより、カーボンブラック含有ゴム凝固物を製造できる。凝固の方法としては、例えば、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液中に凝固剤を含有させる方法が挙げられる。前記凝固剤としては、ゴムラテックス溶液の凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などの酸;塩化ナトリウムなどの塩を使用することができる。
【0026】
前記充填剤含有ゴム凝固物は、充填剤が、ゴム成分100重量部に対して10~110重量部含有することが好ましい。この場合、最終的に、充填剤の分散度合いと、加硫ゴムとしたときの低発熱性能および耐久性能とを、バランス良く向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
【0027】
<加熱工程>
本発明の加熱工程は、単軸押出機を使用して、前記充填剤含有ゴム凝固物の脱水・乾燥・可塑化を一工程で行う。
【0028】
<単軸押出機>
本発明の単軸押出機は、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給側に脱水部と、排出側に乾燥部と、当該脱水部および当該乾燥部を挿通するスクリューを有し、前記スクリューは、複数の山部および複数の谷部を有し、前記脱水部は、前記スクリューに面する内壁面を有し、かつ前記スクリューを収容する外筒を備える。このような単軸押出機としては、例えば、図1および図2に模式的に示すような単軸押出機およびその内部を挙げることができる。以下、前記ゴムウエットマスターバッチの製造方法を、図1および図2に示す単軸押出機およびその内部を適宜例にとって説明する。
【0029】
単軸押出機20は、スクリュー23と、供給口29側(上流側)に位置する第一外筒25および排出口30側(下流側)に位置する第二外筒26からなる外筒27と、を有し、凝固工程後に得られた充填剤含有ゴム凝固物は供給口29から投入され、外筒長さ方向(スクリュー軸方向)1に沿って、混練されつつ進み、最終的に排出口30から排出される。上流側部分は脱水部21とも呼ばれ、下流側部分は乾燥部22とも呼ばれる。乾燥部22には、必要に応じてジャケット28を設けて温調しても良い。かかる単軸押出機の外筒(バレル)の長さ(L)・外筒径(D)は、通常のゴム業界で使用される任意の単軸押出機が使用可能であり、さらには外筒長さと外筒径との比率(L/D)も任意に設定可能である。
【0030】
外筒27の内壁面には、外筒長さ方向1に沿って延びるスリット24を有しても良い。スリット24のスリット幅としては、例えば0.1~2.0mmのものが例示される。スリット24は、外筒長さ方向1に沿って連続的に延びるものであっても良く、断続的に延びるものであっても良い。また、外筒内壁面に形成するスリット24として、外筒内壁面からスリット深さ方向に向かって、スリット幅が一定でのままで形成されたものでも良く、スリット幅が狭くなるように形成されたものでも良い。また、外筒内壁面の少なくとも一部がブラスト処理されたものであってもよい。ブラスト処理方法は、物理的研磨(ショットブラスト)、化学的研磨(化学腐食)などが使用可能であり、特に限定されるものではない。
【0031】
図2では、本発明で使用可能な単軸押出機内部の説明図の一例を示す。単軸押出機20が備えるスクリュー23は、複数の山部31および複数の谷部32を有する。また、単軸押出機内部は、スクリュー23の山部31頂面から外筒27の内壁面までのクリアランスH1、およびスクリュー23の谷部32底面から外筒27の内壁面までのクリアランスH2を有する。また、単軸押出機内部は、外筒長さ方向において、山部31の長さ(幅)L1およびL1´と、隣り合う山部に位置する谷部32の長さL2の合計の長さである、ピッチP(=L1+L1´+L2)を有する。前記クリアランスH1は、例えば、0.1~10mmのものが例示され、前記クリアランスH2は、例えば、1~90mmのものが例示される。前記谷部32の長さL2は、例えば、20~470mmのものが例示される。また、ピッチPは、例えば、25~500mmのものが例示される。
【0032】
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、一般式(1):0.02≦C/(A×B)≦0.15(一般式(1)中、Aは、前記脱水部に位置するスクリューにおいて、前記充填剤含有ゴム凝固物の押出し方向の最下流の山部から当該最下流の山部に隣り合う山部までのピッチと、当該ピッチに存在する前記スクリューの谷部底面から前記外筒の前記内壁面までのクリアランスとにおける、前記スクリューが1回転した際のピッチ体積(mm)を表し、Bは前記スクリューの回転数(rpm)を表し、Cは前記単軸押出機に投入される前記充填剤含有ゴム凝固物の1分間当たりの供給体積(mm/min)を表す。)で表される条件を満たす。このように、当該ゴムウエットマスターバッチの製造方法は、脱水部に位置するスクリューにおける当該ゴム凝固物の押出し方向の最下流に位置するピッチに存在する空間体積と、前記充填剤含有ゴム凝固物の供給量とを所定の関係に設定することにより、優れた耐スコーチ性および低発熱性を有する加硫ゴムが得られるゴムウエットマスターバッチが得られる。なお、前記ピッチ体積は、具体的には、前記L2と前記H2に存在する空間体積と、前記L1(およびL´)と前記H1に存在する空間体積を示す。
【0033】
前記スクリューの回転数(rpm)は、充填剤含有ゴム凝固物に適度なせん断力を与えることができる観点から、2rpm以上35rpm以下であることが好ましく、5rpm以上30rpm以下であることがより好ましい。
【0034】
前記単軸押出機において、前記脱水部の加熱温度は、充填剤含有ゴム凝固物の水分率を低下させる観点およびゴムの劣化を防止する観点から、100℃以上250℃以下であることが好ましく、140℃以上200℃以下であることがより好ましい。また、前記単軸押出機において、前記乾燥部の加熱温度は、充填剤含有ゴム凝固物の水分率を低下させる観点およびゴムの劣化を防止する観点から、100℃以上270℃以下であることが好ましく、140℃以上230℃以下であることがより好ましい。
【0035】
前記充填剤含有ゴム凝固物は、脱水部での過剰な熱によるゴムの劣化を防止する観点および乾燥部での乾燥の効率性を高める観点から、前記脱水部から前記乾燥部に押し出される直前の温度が、50℃以上110℃以下であることが好ましい。前記充填剤含有ゴム凝固物は、乾燥部での乾燥の効率性を高める観点から、前記脱水部から前記乾燥部に押し出される直前の温度が、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。
【0036】
前記加熱工程後に得られたゴムウエットマスターバッチは、後述するゴム組成物を製造する観点から、水分率が、3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましい。また、前記加熱工程後に得られたゴムウエットマスターバッチは、乾燥部での過剰な熱によるゴムの劣化を防止する観点から、水分率が、0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることがより好ましい。
【0037】
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法では、前記加熱工程に引き続いて、上記で得られたゴムウエットマスターバッチを用い、乾式混合する工程を実施して、ゴム組成物を製造することができる。
【0038】
前記乾式混合する工程では、各種配合剤を用いることができる。使用可能な配合剤としては、例えば、ゴム、硫黄系加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、メチレン受容体およびメチレン供与体、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤が挙げられる。なお、各種配合剤は、必要に応じ、上記のゴムウエットマスターバッチを製造する際に使用することもできる。
【0039】
前記ゴムは、前記ゴムウエットマスターバッチ由来のゴム成分とは別に使用されるものである。前記ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)や、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などの合成ジエン系ゴムが挙げられる。ゴムは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0040】
前記加硫剤は、通常のゴム用加硫剤であればよく、硫黄系加硫剤が好ましい。前記硫黄系加硫剤としての硫黄は、通常のゴム用硫黄であればよく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0041】
前記加硫剤の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、0.5~10重量部であることが好ましく1~5重量部であることがより好ましい。
【0042】
前記加硫促進剤としては、通常のゴム用加硫促進剤であればよく、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などが挙げられる。加硫促進剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0043】
前記加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して0.5~5重量部であることが好ましく、1~3重量部であることがより好ましい。
【0044】
前記老化防止剤としては、通常のゴム用老化防止剤であればよく、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
【0045】
前記老化防止剤の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して1~5重量部であることが好ましい。
【0046】
前記ゴムウエットマスターバッチおよび前記各種配合剤の配合(添加)の方法は、例えば、噛合式バンバリーミキサー、接線式バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練する方法が挙げられる。
【0047】
前記混練する方法は特に限定されないが、例えば、硫黄系加硫剤および加硫促進剤などの加硫系成分以外の成分を、任意の順序で添加し混練する方法、同時に添加して混練する方法、また、全成分を同時に添加して混練する方法などが挙げられる。また、混練する回数は、1回または複数回であってもよい。混練する時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、2~5分程度とすればよい。また、混練機の排出温度は、120~170℃とすることが好ましく、120~150℃とすることがより好ましい。なお、混練機の排出温度は、前記加硫系成分を含む場合、80~110℃とすることが好ましく、80~100℃とすることがより好ましい。
【0048】
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法によれば、優れた耐スコーチ性および低発熱性を有する加硫ゴムが得られるゴムウエットマスターバッチが得られる。また、本発明のゴムウエットマスターバッチを用いたゴム組成物は、空気入りタイヤに適している。
【実施例
【0049】
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
【0050】
(使用原料)
a)天然ゴムラテックス溶液:「NRフィールドラテックス」(Golden Hope社製)(DRC=31.2%)
b)カーボンブラック:「シースト9H(N134)」(東海カーボン社製)
c)カーボンブラック:「シースト7HM(N234)」(東海カーボン社製)
d)カーボンブラック:「シーストKH(N339)」(東海カーボン社製)
e)カーボンブラック:「シーストSO(N550)」(東海カーボン社製)
f)カーボンブラック:「シーストS(N774)」(東海カーボン社製)
g)合成ゴム:「UBEPOL BR150L」(宇部興産社製)
h)酸化亜鉛:「1号亜鉛華」(三井金属鉱業社製)
i)ステアリン酸:「ルナックS-20」(花王社製)
j)ワックス:「OZOACE0355」(日本精蝋社製)
k)老化防止剤(A):N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、「ノクラック6C」(大内新興化学工業社製)
l)老化防止剤(B):2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、「ノクラック224」(大内新興化学工業社製)
m)硫黄:「5%油入微粉末硫黄」(鶴見化学工業社製)
n)加硫促進剤:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、「サンセラーCM」(三新化学工業社製)
【0051】
<実施例1>
<ゴムウエットマスターバッチの製造>
<充填剤含有ゴム凝固物を製造する工程>
天然ゴムラテックス溶液に水を加え、濃度25重量%のゴムラテックス水溶液を調製した。また、水にカーボンブラック「シースト7HM(N234)」を添加し、これにPRIMIX社製ロボミックスを使用してカーボンブラックを分散させることにより(該ロボミックスの条件:9000rpm、30分)、濃度5重量%のカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した。次に、得られたカーボンブラック含有スラリー溶液に、上記のゴムラテックス水溶液を、ゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックが45重量部になるように添加し、SANYO社製家庭用ミキサーSM-L56型を使用して混合し(ミキサー条件11300rpm、30分)、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造した。
【0052】
続いて、カーボンブラック含有ゴムラテックス溶液に、上記のSANYO社製家庭用ミキサーSM-L56型を使用して混合しながら、凝固剤として、ギ酸(10%溶液)を溶液全体がpH4となるまで添加して、充填剤含有ゴム凝固物として、カーボンブラック含有天然ゴム凝固物を製造した。
【0053】
<加熱工程>
図1および図2に記載のスクイザー式単軸押出機[(スエヒロEPM社製、品番V-02型)、バレル径90mm、(バレル長さ)/(バレル径)(L/D)=8.6、外筒27内壁面でのスリット幅(スクリュー軸方向上流側におけるスリット幅=0.9mm、スクリュー軸方向下流側におけるスリット幅=0.7mm)、スクリュー回転数8rpm]を使用し、加熱温度180℃(加熱式スクリューおよびジャケットの加熱温度180℃)に設定した状態で、上記で得られたカーボンブラック含有天然ゴム凝固物を、前記一般式(1)におけるC/(A×B)が0.07になるように単軸押出機に投入し、混練しつつ脱水・乾燥・可塑化を一工程で行い、ゴムウエットマスターバッチを製造した。また、脱水部から乾燥部に押し出される直前のカーボンブラック含有天然ゴム凝固物の温度は95℃であり、得られたゴムウエットマスターバッチの水分率は1.1重量%であった。前記脱水部から前記乾燥部に押し出される直前の前記充填剤含有ゴム凝固物の温度の測定は、脱水部の再下流に位置するスリットに温度検知器を差し込むことで行った。
なお、前記C(前記単軸押出機に投入される前記充填剤含有ゴム凝固物の1分間当たりの供給体積(mm/min))は、充填剤含有ゴム凝固物の水分率を0重量%と仮定したときの重量から算出できる供給体積である。また、当該水分率を0重量%と仮定したときの充填剤含有ゴム凝固物の比重は1.0g/cmと定義する。例えば、水分率が20重量%である充填剤含有ゴム凝固物100重量部を1分間供給した場合の供給体積は、80mm/min[={100×(1-0.2)}/1.0]となる。
【0054】
前記充填剤含有ゴム凝固物および前記ゴムウエットマスターバッチの水分率は、JIS K6238-2に準じ、A&D社製加熱乾燥式水分計MX-50を使用して測定される。
【0055】
<ゴム組成物および未加硫ゴム組成物の製造>
上記で得られたゴムウエットマスターバッチと、表1に記載の各原料(硫黄と加硫促進剤を除く成分)を、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練時間:3分、排出温度:150℃)することにより、ゴム組成物を製造した。次いで、得られたゴム組成物に、表1に記載の硫黄、および加硫促進剤を加え、バンバリーミキサーを用いて乾式混合(混練時間:1分、排出温度:90℃)することにより、未加硫ゴム組成物を製造した。なお、表1中の配合比率は、ゴム組成物に含まれるゴム成分の全量を100重量部としたときの重量部(phr)で示す。
【0056】
<実施例2~10、12~16、比較例1~7>
各実施例および各比較例において、一般式(1):C/(A×B)の値、スクリュー回転数、脱水部の温度、使用する原料およびその量を、表1または表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2~10、12~16および比較例1~7のゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および未加硫ゴム組成物を製造した。
【0057】
<実施例11>
実施例1のカーボンブラックを水に分散させる工程において、ゴムラテックス溶液の一部を加えたこと、また、実施例1のゴムラテックス水溶液存在下で、カーボンブラック含有スラリー溶液を混合する工程において、残りのゴムラテックス水溶液を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および未加硫ゴム組成物を製造した。なお、カーボンブラックを水に分散させる工程において、使用するゴムラテックス溶液の全量に対して、0.5重量%のゴムラテックス水溶液を添加した。
【0058】
上記の実施例及び比較例で得られた未加硫ゴム組成物について以下の評価を行った。評価結果を表1および表2に示す。
【0059】
<耐スコーチ性の評価>
耐スコーチ性の評価は、JIS K6300に準拠して、(株)東洋精機製作所製のロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴム組成物を125℃で1分間予熱後、最低粘度Vmより5ムーニー単位上昇するのに要した時間t5を測定し、実施例1~11は比較例1の値を100とした指数、実施例12は比較例3の値を100とした指数、実施例13は比較例4の値を100とした指数、実施例14は比較例5の値を100とした指数、実施例15は比較例6の値を100とした指数、実施例16は比較例7の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、スコーチタイムが長く、耐スコーチ性に優れることを意味する。なお、比較例2は、ゴムウエットマスターバッチの水分率が高過ぎる(4.3重量%)ため、ゴム組成物を製造できないことから、評価できなかった。
【0060】
<加硫ゴムの製造>
上記の実施例及び比較例で得られた未加硫ゴム組成物を、150℃、30分間の条件で加硫することにより、加硫ゴムを製造した。得られた加硫ゴムについて以下の評価を行った。評価結果を表1および表2に示す。
【0061】
<発熱性の評価>
発熱性の評価は、JIS K6394に準じて、(株)東洋精機製作所製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度60℃の条件下で損失係数tanδを測定し、実施例1~11は比較例1の値を100とした指数、実施例12は比較例3の値を100とした指数、実施例13は比較例4の値を100とした指数、実施例14は比較例5の値を100とした指数、実施例15は比較例6の値を100とした指数、実施例16は比較例7の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、発熱し難く、低発熱性に優れることを示す。なお、比較例2は、ゴムウエットマスターバッチの水分率が高過ぎる(4.3重量%)ため、ゴム組成物を製造できないことから、評価できなかった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
図1
図2