(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/49 20140101AFI20220824BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20220824BHJP
A63F 13/493 20140101ALI20220824BHJP
【FI】
A63F13/49
A63F13/35
A63F13/493
(21)【出願番号】P 2019093117
(22)【出願日】2019-05-16
(62)【分割の表示】P 2017150135の分割
【原出願日】2015-12-22
【審査請求日】2019-05-20
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 仁
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】松田 直也
【審判官】吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】英雄伝説 空の軌跡 ソラノキセキFC,ファミ通Pocket,日本,株式会社エンターブレイン,2006年11月 3日,Vol.002,第24-27頁
【文献】時間経過によるイベントの発生と消滅,デビルサバイバー2 公式パーフェクトガイド,日本,株式会社エンターブレイン,2011年 9月 8日,初版,第22頁
【文献】バトルとイベントの密接な関係,ロマンシング サガ -ミンストレルソング- 公式ファーストガイド,日本,株式会社スクウェア・エニックス,2005年 6月 1日,初版第2刷,第19頁
【文献】耳より情報/グローランサー,電撃PlayStation,日本,メディアワークス,1999年12月24日,第5巻第36号,第81頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記ビデオゲームにおいて
所定の発生条件が満たされたときに発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、
前記
取り置き要求を受け付けたイベントを登録したことに基づいて
、当該イベントがスキップされるよう前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、
前記
登録機能により登録されたイベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザ
が操作するキャラクタのステータスを採用して当該イベントを実行する実行機能と、
所定数を上限に登録されたイベントのうち所定条件を満たしたイベントを、前記実行機能による実行を待たずに前記所定の記憶領域から消去する消去機能とを実現させ、
前記登録機能では、前記
登録されたイベントを実行可能とするための情報を前記所定の記憶領域に登録する機能を実現させ、
前記実行機能では、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けなかった場合、当該イベントを実行する機能を実現させ、
前記消去機能では、前記
登録されたイベントが発生してから所定時間が経過した場合、
前記所定条件が満たされたものとして当該イベントを前記所定の記憶領域から消去する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記実行機能では、登録されたイベントの一覧から前記ユーザが選択したイベントを実行する機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記ビデオゲームにおいて
所定の発生条件が満たされたときに発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、
前記
取り置き要求を受け付けたイベントを登録したことに基づいて
、当該イベントがスキップされるよう前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、
前記
登録機能により登録されたイベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザ
が操作するキャラクタのステータスを採用して当該イベントを実行する実行機能と、
所定数を上限に登録されたイベントのうち所定条件を満たしたイベントを、前記実行機能による実行を待たずに前記所定の記憶領域から消去する消去機能とを実現させ、
前記登録機能では、前記
登録されたイベントを実行可能とするための情報を前記所定の記憶領域に登録する機能を実現させ、
前記実行機能では、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けなかった場合、当該イベントを実行する機能を実現させ、
前記消去機能では、前記
登録されたイベントが発生してから所定時間が経過した場合、
前記所定条件が満たされたものとして当該イベントを前記所定の記憶領域から消去する機能を
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、
前記ビデオゲームにおいて
所定の発生条件が満たされたときに発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録手段と、
前記
取り置き要求を受け付けたイベントが登録されたことに基づいて
、当該イベントがスキップされるよう前記ビデオゲームの進行を制御する制御手段と、
前記
登録機能により登録されたイベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザ
が操作するキャラクタのステータスを採用して当該イベントを実行する実行手段と、
所定数を上限に登録されたイベントのうち所定条件を満たしたイベントを、前記実行手段による実行を待たずに前記所定の記憶領域から消去する消去手段とを含み、
前記登録手段は、前記
登録されたイベントを実行可能とするための情報を前記所定の記憶領域に登録し、
前記実行機能では、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けなかった場合、当該イベントを実行する機能を実現させ、
前記消去手段は、前記
登録されたイベントが発生してから所定時間が経過した場合、
前記所定条件が満たされたものとして当該イベントを前記所定の記憶領域から消去する
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビデオゲームの分野において、発生した各種イベントをスキップできるように構成されたシステムがある。
【0003】
このようなシステムには、例えば、バトルの開始に併せて再生されるムービーを任意のタイミングでスキップできるようにしたものもある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムは、ビデオゲームで発生する各種イベントのスキップを可能とすることで、プレイ時間に余裕がある人にはイベントを楽しんでもらい、プレイ時間に余裕がない人には適宜イベントを省略してもらうことで、ビデオゲームの楽しみ方に自由度を持たせていた面がある。しかし、従来のシステムでは、イベントのスキップを許容することでビデオゲームの趣向が低下してしまう場合があった。すなわち、例えばビデオゲームを構成するイベントの全てをスキップ可能な構成としてしまうと、ビデオゲームの趣向がユーザに伝わらなくなってしまう場合があった。一方、イベントのスキップを過度に制限してしまうと、ユーザに要求される負担が大きくなってしまう場合があった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ビデオゲームの楽しみ方に関する自由度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、 ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、前記イベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザのステータスを採用して当該イベントを実行する実行機能と、所定条件に基づいて、前記実行機能による実行を待たずに、前記登録機能により登録された前記イベントを前記所定の記憶領域から消去する消去機能とを実現させるためのものである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、前記イベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザのステータスを採用して当該イベントを実行する実行機能と、所定条件に基づいて、前記実行機能による実行を待たずに、前記登録機能により登録された前記イベントを前記所定の記憶領域から消去する消去機能とを実現させるためのものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた場合に、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録手段と、前記イベントが登録されたことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御手段と、前記イベントの実行要求を受け付けた場合に、前記所定の記憶領域を参照し、前記実行要求を受け付けた際の前記ユーザのステータスを採用して当該イベントを実行する実行手段と、所定条件に基づいて、前記実行機能による実行を待たずに、前記登録手段により登録された前記イベントを前記所定の記憶領域から消去する消去手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
【
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例について説明するための説明図である。
【
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と、ビデオゲーム処理システムのユーザが使用するユーザ端末20,201~20N(Nは任意の整数)とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0014】
サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0015】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nとを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0016】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。なお、サーバ10は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えるが、ここでの説明は省略する。また、ビデオゲーム処理システム100においては、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、各種情報はサーバ10が管理することが好ましい。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0017】
図2は、サーバ10の構成の例であるサーバ10Aの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ10Aは、登録部11と、制御部12と、実行部13とを少なくとも備える。
【0018】
登録部11は、ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する機能を有する。
【0019】
ここで、イベントとは、ビデオゲームで発生した出来事を意味する。イベントの構成は特に限定されず、ユーザ操作が可能なもの(例えば、戦闘)であってもよいし、ユーザ操作が不能なもの(例えば、動画再生)であってもよい。なお、イベントを発生させるための構成は特に限定されないが、ビデオゲームの進行に応じて発生する構成であることが好ましい。
【0020】
また、取り置き要求とは、イベントを取り置くことを指示する命令を意味する。取り置き要求を受け付けるための構成は、イベントを識別可能なものであれば特に限定されない。取り置き要求を受け付けるための構成の例には、ユーザによる所定の操作入力を取り置き要求と判定する構成や、所定条件が満たされたことを取り置き要求と判定する構成がある。なお、取り置き要求に応じて登録されたイベントは、後で実行可能な状態で登録されるため、ここでは「取り置き」と表現している。
【0021】
制御部12は、イベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御する機能を有する。
【0022】
ここで、イベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御するための構成は、イベントを登録した結果を以降の処理に反映する構成であれば特に限定されない。このような構成の例には、イベントを登録したことを表すゲーム画面を表示する構成や、イベントを登録したことでイベントが完了し、その後のストーリーが進行する構成がある。
【0023】
実行部13は、所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する機能を有する。
【0024】
ここで、イベントに対する実行要求を受け付けるための構成は、ユーザがイベントを認識し得る構成であれば特に限定されない。このような構成の例には、登録されているイベントの一覧を表示してユーザによる選択を受け付ける構成がある。
【0025】
また、イベントを実行するとは、イベントをユーザに体験させることを意味する。すなわち、例えばイベントが動画再生である場合、イベントに対応する動画を再生することがイベントの実行に相当する。また、イベントが敵キャラクタとの戦闘の場合、ユーザの操作に応じて戦闘を進行させることがイベントの実行に相当する。なお、イベントが実行を含む複数のフェーズ(例えば、発生、実行、終了)に分かれており、実行の部分のみ取り置き可能な構成としてもよい。
【0026】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザがビデオゲームを認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0027】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0028】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0029】
図3は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、イベントの登録に関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0030】
ゲーム処理は、例えばビデオゲームにおいてイベントが発生した際に開始される。以下、取り置きが可能なイベントが発生し、サーバ10Aがイベントの取り置き要求を受け付けた場合を例にして説明する。
【0031】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、取り置き要求を受け付けたイベントを登録する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、発生したイベントを後で実行するために必要な情報を所定の記憶領域に登録する。
【0032】
サーバ10Aは、イベントを登録すると、イベントを登録したことに基づいて、ビデオゲームの進行を制御する(ステップS12)。本例においてサーバ10Aは、ベントを登録した旨をユーザに報知し、ビデオゲームの状況に応じた処理を行う。
【0033】
サーバ10Aは、ビデオゲームの進行を制御している際、イベントの実行要求を受け付けると、実行要求を受け付けたイベントを実行する(ステップS13)。本例においてサーバ10Aは、ユーザが指定した登録済イベントを実行する。なお、本例においてサーバ10Aは、イベントに関するゲーム画面を出力させるための情報(出力情報)を端末20に送信し、端末20が備える表示装置の表示画面にゲーム画面を表示させる。
【0034】
ここで、ゲーム画面とは、仮想空間(あるいはゲーム空間)を表す画面を意味する。なお、本例では、ゲーム画面を構成する各種要素を画像と称する場合がある。ゲーム画面の構成はビデオゲームの状況をユーザが認識し得る構成であれば特に限定されない。
【0035】
また、ゲーム画面を表示装置の表示画面に表示させるとは、通信ネットワーク30を用いた通信により、ユーザ端末20等が備える表示装置にゲーム画面を出力させることを意味する。表示装置にゲーム画面を表示させるための構成の例には、サーバ側で生成した情報(出力情報)を端末側に送信する構成がある。なお、出力情報の構成は特に限定されず、例えば画像を圧縮した情報でもよいし、端末側で画像を生成させるための情報であってもよい。画像を圧縮した情報の例には、クラウドゲームで使用されるもの(例えば、MPEG)がある。また、端末側で画像を生成させるための情報には、オンラインゲームで使用されるもの(例えば、オブジェクトの位置情報)がある。
【0036】
端末20は、サーバ10Aから受信した出力情報に基づいて、自身が備える表示装置の表示画面にゲーム画面を表示して(ステップS14)、ここでの処理を終了する。
【0037】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0038】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、取り置き要求を受け付けたイベントを登録し(ステップS101)、ビデオゲームの進行を制御する(ステップS102)。本例においてサーバ10Aは、端末20からユーザ操作に関する情報(操作関連情報)を適宜受信して、ビデオゲームの進行を制御する。
【0039】
サーバ10Aは、ビデオゲームの進行を制御している際、登録済イベントの実行要求を受け付けると、実行要求を受け付けたイベントを実行する(ステップS103)。本例においてサーバ10Aは、イベントの実行に関する情報を生成し、生成した情報を端末20に送信する。
【0040】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0041】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、取り置き要求を受け付けたイベントを登録し(ステップS201)、ビデオゲームの進行を制御し(ステップS202)、イベントの実行要求を受け付けた際には、実行要求を受け付けたイベントを実行する(ステップS203)。本例において端末20は、登録したイベントを所定の記憶領域に登録し、イベントの識別情報を含む実行要求を受け付けた場合に、所定の記憶領域からイベントを実行するための情報を読み出す。
【0042】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能を備えたサーバ10Aが、登録部11と、制御部12と、実行部13とを備える構成としているので、ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録し、イベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御し、所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行し、ビデオゲームの楽しみ方に関する自由度を向上させることができる。
【0043】
すなわち、ビデオゲームにおいて発生したイベントを単純にスキップするのではなく、取り置く(すなわち、後で実行できるように登録しておく)ことができるようになるので、例えば時間がないときはイベントを取り置いておき、時間ができた際にイベントをプレイすることができ、ビデオゲームのプレイ態様に関する自由度を高めることができる。
【0044】
[第2の実施形態]
図6は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20B(端末20B)の構成を示すブロック図である。本例において、端末20Bは、登録部21と、制御部22Bと、実行部23とを少なくとも備える。
【0045】
制御部22Bは、登録したイベントが発生しなかったもの(未発生)として又は当該イベントが終了(あるいは完了)したものとしてビデオゲームの進行を制御する機能を有する。
【0046】
ここで、登録したイベントが発生しなかったものとしてビデオゲームの進行を制御するとは、発生したイベントをビデオゲームの進行に影響させないことを意味する。すなわち、制御部22Bは、イベントの発生条件が満たされ所定イベントが発生した際、このイベントを登録すると、イベント発生前の状態にビデオゲームの状況を設定し、その後のビデオゲームの進行を制御する。なお、この場合、登録したイベントの発生条件を、登録前のものから登録したイベントの実行要求に変更する構成としてもよい。
【0047】
また、イベントが終了したものとしてビデオゲームの進行を制御するための構成は特に限定されないが、取り置いたイベントをユーザがプレイしたいと思うような構成であることが好ましい。このような構成の例には、イベントを登録すると、イベントが成功したものと判定し、イベントでユーザが取得し得るゲーム内要素については取得していないものとしてその後のビデオゲームの進行を制御する構成がある。
【0048】
また、登録したものを未発生とするか終了したものとするかについて、所定規則に従って判定する構成としてもよいし、どちらか一方のみを採用する構成としてもよい。なお、所定規則に従って判定するための構成は特に限定されず、例えばイベントに関する情報に「登録された場合の取り扱い」が含まれており、登録要求を受け付けた際に当該情報を参照して判定する構成としてもよい。
【0049】
図7は、端末20が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、端末20Bの動作を例にして説明する。なお、サーバ10との動作については、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0050】
端末20Bは、発生したイベントを登録すると、登録したものが未発生または終了したものとしてビデオゲームの進行を制御する(ステップS2-11)。本例において端末20Bは、イベントが戦闘の場合、未発生のイベントとしてビデオゲームの進行を制御する。また、イベントが動画再生の場合、動画再生が終了したものとしてビデオゲームの進行を制御する。
【0051】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Bが、制御部22Bを備える構成としているので、登録したイベントが発生しなかったものとして又は当該イベントが終了したものとしてビデオゲームの進行を制御し、発生したイベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御することができる。
【0052】
[第3の実施形態]
図8は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20C(端末20C)の構成を示すブロック図である。本例において、端末20Cは、登録部21Cと、制御部22と、実行部23Cとを少なくとも備える。
【0053】
登録部21Cは、イベントと、所定の情報とを対応付けて所定の記憶領域に登録する機能を有する。
【0054】
ここで、所定の情報の内容は特に限定されないが、登録したイベントをユーザに認識させ得るためのものであることが好ましい。所定の情報の例には、イベントの発生日時など、イベントの発生に関する情報(発生関連情報)がある。イベントの発生に関する情報の他の例には、イベント発生時に所定規則に従って決定される情報(例えば、敵キャラクタのレベルや敵キャラクタの捕獲確率、戦闘開始状況など。)がある。なお、ここでのイベントとは、イベントの名称やイベントの内容など、イベントに関する情報を意味する。
【0055】
実行部23Cは、所定の記憶領域を参照して表示されるリストを介して受け付けた実行要求に基づいてイベントを実行する機能を有する。
【0056】
ここで、リストを介してイベントの実行要求を受け付けるための構成は特に限定されないが、ユーザがイベントの内容を認識して実行要求を入力し得る構成であることが好ましい。このような構成の例には、イベント名と、イベントの発生日時を含む登録済みイベントの一覧をリストとして表示し、ユーザが指定したイベント名に対応するイベントについて実行要求を受け付けたものと判定する構成がある。
【0057】
図9は、端末20が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、端末20Cの動作を例にして説明する。なお、サーバ10との動作については、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0058】
端末20Cは、発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けると、取り置き要求を受け付けたイベントと、所定の情報とを登録する(ステップS3-11)。本例において端末20Cは、イベントに関する情報と、イベントの発生日時とを対応付けて所定の記憶領域に登録する。
【0059】
端末20Cは、イベントを登録し、ビデオゲームの進行を制御すると、リストを介して受け付けた実行要求に基づいてイベントを実行する(ステップS3-12)。本例において端末20Cは、ユーザ操作に応じて登録済みのイベントを表すリストを表示し、ユーザが指定したイベントを実行するための処理を行う。
【0060】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Cが、登録部21Cと、実行部23Cとを備える構成としているので、イベントと、所定の情報とを対応付けて所定の記憶領域に登録し、所定の記憶領域を参照して表示されるリストを介して受け付けた実行要求に基づいてイベントを実行し、登録したイベントの実行方法に関する自由度を高めることができる。すなわち、登録したイベントの一覧から実行したいイベントを選択できるので、ユーザにとっての自由度を向上させることができる。
【0061】
なお、上述した実施形態の例ではリストの構成について特に限定しない場合について説明したが、イベントの実行要求を受け付ける際、ある程度の制限をユーザに課す構成としてもよい。このような構成の例には、イベントに関する情報に基づいて定められる順(例えば、イベントの登録順)にイベントを実行することをユーザに要求する構成がある。
【0062】
[第4の実施形態]
図10は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20D(端末20D)の構成を示すブロック図である。本例において、端末20Dは、登録部21と、制御部22と、実行部23と、報知部24と、消去部25とを少なくとも備える。
【0063】
報知部24は、登録されたイベントが所定数ある場合に、当該所定数のイベントのうち少なくとも1つのイベントをプレイヤ(すなわち、端末20Dのユーザ)に報知する機能を有する。
【0064】
ここで、所定数の構成は特に限定されず、1つであってもよいし、登録可能な上限数であってもよい。すなわち、報知部24は、イベントが所定数だけ登録されている場合、プレイヤの操作に依らずに登録されたイベントの存在をプレイヤに報知する。
【0065】
また、イベントをプレイヤに報知するとは、実行し得るイベント、すなわちプレイヤが取り置いたイベントの存在をプレイヤに認識させることを意味する。登録されたイベントをプレイヤに報知するための構成は特に限定されないが、登録されたイベントの数をプレイヤが認識し得る構成であることが好ましい。
【0066】
消去部25は、実行部23により実行されたイベントの登録を消去する機能を有する。
【0067】
ここで、実行されたイベントとは、プレイヤによりクリアされたものであってもよいし、プレイヤによりプレイされたもの(未クリアを含む)であってもよい。また、登録を消去するための構成は特に限定されない。
【0068】
図11は、端末20が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、端末20Dの動作を例にして説明する。なお、サーバ10との動作については、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0069】
端末20Dは、所定の報知条件が充足された際、登録されたイベントをプレイヤに報知する(ステップS4-11)。本例において端末20Dは、所定の記憶領域を参照し、取り置かれたイベントとして登録されたイベントをプレイヤに認識させるためのゲーム画面(登録イベント報知画面)を表示する。
【0070】
端末20Dは、登録されたイベントをプレイヤに報知すると、実行されたイベントを消去する(ステップS4-12)。本例において端末20Dは、登録イベント報知画面を表示した後、プレイヤによるイベントの選択を受け付け、プレイヤにより選択されたイベントを実行するための処理を行う。そして、実行したイベントを所定の記憶領域から消去する。
【0071】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Dが、報知部24と、消去部25を備える構成としているので、登録されたイベントが所定数ある場合に、当該所定数のイベントのうち少なくとも1つのイベントをプレイヤに報知し、実行したイベントの登録を消去し、イベントが取り置かれたまま放置されることを防止することができる。
【0072】
[第5の実施形態]
図12は、ユーザ端末20の例であるユーザ端末20E(端末20E)の構成を示すブロック図である。本例において、端末20Eは、登録部21と、制御部22Eと、実行部23と、表示部26と、判定部27と、受付部28とを少なくとも備える。
【0073】
表示部26は、イベントに対する実行要求と、取り置き要求と、回避要求とのうち何れかを受け付けるためのゲーム画面(イベント発生画面)を表示する機能を有する。
【0074】
ここで、イベントに対する実行要求とは、発生したイベントを実行することを要求する命令を意味する。また、イベントに対する取り置き要求とは、発生したイベントを所定の記憶領域に登録することを要求する命令を意味する。また、イベントに対する回避要求とは、発生したイベントを回避することを要求する命令を意味する。
【0075】
判定部27は、ゲーム画面を介した回避要求を受け付けた際、所定の判定規則に従ってイベントを回避できるか否か判定する機能を有する。
【0076】
ここで、ゲーム画面を介して回避要求を受け付けるとは、ゲーム画面を表示している際に所定の操作(例えば、イベント発生画面に含まれる回避ボタンを選択する操作。図示せず。)を受け付けることを意味する。
【0077】
また、判定規則の内容は特に限定されないが、イベントの回避に失敗する可能性があるものであることが好ましい。判定規則の例には、イベントに対応する回避確率を用いて成否判定を行うものがある。
【0078】
制御部22Eは、判定部27による判定結果に基づいてビデオゲームの進行を制御する機能を有する。
【0079】
ここで、判定結果に基づいてビデオゲームの進行を制御するとは、判定結果をビデオゲームの進行に反映させることを意味する。判定結果をビデオゲームの進行に反映させるための構成は特に限定されないが、反映されていることをプレイヤが認識し得る構成であることが好ましい。このような構成の例には、判定結果が成功の場合、イベントが回避されたものとしてその後のビデオゲームの進行を制御し、判定結果が失敗の場合、イベントを実行するための処理を行う構成がある。
【0080】
受付部28は、ビデオゲームにおいて発生したイベントが所定条件を満たす場合にのみ取り置き要求を受け付ける機能を有する。
【0081】
ここで、所定条件の内容は特に限定されないが、ビデオゲームの進行に対する影響が考慮されたものであることが好ましい。
【0082】
図13は、端末20が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、端末20Eの動作を例にして説明する。なお、サーバ10との動作については、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0083】
端末20Eは、イベントが発生したことに応じてイベント発生画面を表示する(ステップS5-11)。本例において端末20Eは、発生したイベントに関する画像と、イベント開始操作受付ボタンと、イベント取り置き操作受付ボタンと、イベント回避操作受付ボタンとを含むゲーム画面をイベント発生画面として表示する。
【0084】
端末20Eは、イベント発生画面を表示し、回避要求を受け付けると、イベントを回避できるか否かを判定する(ステップS5-12)。本例において端末20Eは、イベントに対応する確率に基づいてイベント回避の可否を判定する。なお、端末20Eは、イベント発生画面を表示した後、イベントの実行要求または取り置き要求を受け付けた場合、それぞれ対応する処理を実行する。
【0085】
端末20Eは、イベント回避の可否を判定すると、判定結果に基づいてビデオゲームの進行を制御する(ステップS5-13)。本例において端末20Eは、イベント回避が成功した場合、イベント回避に対応する処理を実行し、その後のビデオゲームの進行を制御する。また、イベント回避が失敗した場合、端末20Eは、イベントを実行する。
【0086】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Eが、制御部22Eと、表示部26と、判定部27とを備える構成としているので、イベントに対する実行要求と、取り置き要求と、回避要求とのうち何れかを受け付けるためのゲーム画面を表示し、ゲーム画面を介した回避要求を受け付けた際、所定の判定規則に従ってイベントを回避できるか否か判定し、判定結果に基づいてビデオゲームの進行を制御し、発生したイベントを取り置くことに特徴をもたせることができ、ビデオゲームの趣向性を向上させることができる。すなわち、例えば発生したイベントが敵キャラクタとの戦闘の場合、戦うか回避するかの選択をプレイヤに選択させるものは従来もあったが、どちらとも異なる選択肢として「取り置く」という特徴的な選択肢を設けることができる。
【0087】
また、第5の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Eが、受付部28を備える構成としているので、ビデオゲームにおいて発生したイベントが所定条件を満たす場合にのみ取り置き要求を受け付け、ゲームバランスが崩れることを防止できる。
【0088】
[第6の実施形態]
図14は、システム100(
図1参照)におけるユーザ端末20の例であるユーザ端末20F(端末20F)の構成を示すブロック図である。以下、表示装置を備える端末20Fにおいて、サーバ10と適宜通信して進行するビデオゲーム(いわゆるネットワークゲーム)の進行が制御される場合を例にして説明する。
【0089】
本例において、端末20Fは、登録部21Fと、制御部22Fと、実行部23Fとを少なくとも備える。
【0090】
登録部21Fは、ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する機能を有する。本例において登録部21Fは、敵キャラクタとのバトルが発生した際、バトルが発生したことを表すゲーム画面(イベント発生画面)に設けられた特定の仮想ボタンが選択された場合、取り置き要求を受け付けたと判定し、このバトルに関する情報を再現可能な状態で所定の記憶領域に登録する。
【0091】
図15は、端末20Fが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図15に示すように、端末20Fは、登録番号、名前、ランク、正位置/逆位置、捕獲確率、および出現時間を含む登録されたイベントに関する情報(登録イベント情報)を記憶する。
【0092】
ここで、登録番号とは、登録されたイベントの識別番号を意味する。本例においては、登録順に番号が付されるものとする。また、本例においては、登録可能数に上限が設定されているものとする。なお、登録番号の付し方や上限数の変更規則については、特に限定されない。
【0093】
また、名前とは、イベントの識別情報としての役割を果たすものである。登録されたイベントに対して名前を付けるための構成は特に限定されないが、プレイヤがイベントを識別し得る構成であることが好ましい。本例においては、敵キャラクタの名前が記憶されるものとする。
【0094】
また、ランクとは、敵キャラクタのIDに紐付いている情報である。ランクのほか、登録されたイベントを実行する際に出力する情報として、敵キャラクタに関する情報が記憶され得る。なお、敵キャラクタのランクが、プレイヤに関する情報(例えば、プレイヤのレベル)に基づいて決定される構成としてもよい。
【0095】
また、正位置/逆位置、捕獲確率、および出現時間とは、イベント単位で決定される情報である。これらのほか、イベントを実行する際に再現すべき情報として、イベント発生状況に関する情報が記憶され得る。
【0096】
ここで、逆位置とは、バトル単位で決定される敵キャラクタパラメータ補正の一種を意味する。該当バトルの間だけ保持され、バトル後に効果が残ることはない。逆位置になる条件は特に限定されないが、本例においては、プレイヤのレベルと、所定規則に従って特定可能な確率とを用いる条件が設けられているものとする。なお、本例においては、逆位置の場合、「敵が画面の定位置に到着してから半回転させ、逆さ向きにする」という演出をするため「逆位置」と表現する。
【0097】
また、捕獲確率とは、敵キャラクタをプレイヤが捕獲できる確率を意味する。捕獲確率を算出するための構成は特に限定されないが、プレイヤがゲーム内要素を使用することで変動し得る構成であることが好ましい。
【0098】
また、出現時間とは、敵キャラクタが出現した時間を意味する。出現時間の利用方法は特に限定されず、記録としてプレイヤに提示する構成としてもよいし、出現時間から所定時間が経過することでバトルに関する情報を更新または消去する構成としてもよい。
【0099】
図18は、ゲーム画面の例について説明するための説明図である。
図18に示すように、イベント発生画面としてのゲーム画面には、敵キャラクタNPCと、取り置きボタン1601と、イベント回避ボタン1602と、イベント実行ボタン1603と、捕獲確率表示領域1610とが設けられる。
【0100】
取り置きボタン1601は、プレイヤによる取り置き要求を受け付けるための仮想ボタンである。プレイヤが当該ボタンを選択すると、敵キャラクタNPCとのバトルが登録され、バトルが実行されることなく次の場面へとビデオゲームが進行する。
【0101】
イベント回避ボタン1602は、プレイヤによる回避要求を受け付けるための仮想ボタンである。プレイヤが当該ボタンを選択すると、敵キャラクタNPCとのバトルの回避判定が行われ、バトルが回避されるか、または回避失敗によりバトルが実行される。
【0102】
イベント実行ボタン1603は、プレイヤによる実行要求を受け付けるための仮想ボタンである。プレイヤが当該ボタンを選択すると、敵キャラクタNPCとのバトルが実行される。
【0103】
制御部22Fは、イベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御する機能を有する。本例において制御部22Fは、イベントとしてのバトルが登録されると、登録によりバトルが終了したものとして、その後の処理を行う。なお、登録したバトルについては、登録したことをその後の処理に反映させる構成としてもよいし、バトルが発生しなかったものとして取り扱われる構成としてもよい。
【0104】
実行部23Fは、所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する機能を有する。本例において実行部23Fは、登録したバトルがプレイヤにより選択された際、当該バトルを実行するものとする。なお、本例においては、プレイヤ操作に応じて登録バトル一覧を表示し、プレイヤ選択したバトルを実行する。
【0105】
図15は、端末20Fが実行するゲームに関する処理(ゲーム処理)の例を示すフローチャートである。以下、端末20Fの動作を例にして説明する。なお、サーバ10との動作については、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0106】
端末20Fは、ゲーム処理において、先ず、取り置き要求を受け付けたイベントを登録する(ステップS6-11)。本例において端末20Fは、イベントとしてのバトルが発生し、プレイヤによる取り置き要求を受け付けた場合に、当該バトルを所定の記憶領域に登録する。
【0107】
端末20Fは、イベントを登録すると、その後のビデオゲームの進行を制御する(ステップS6-12)。本例において端末20Fは、登録したバトルが取り置きされたことに対応する処理を行うことで、その後のビデオゲームの進行を制御する。
【0108】
端末20Fは、ビデオゲームの進行を制御している際、登録したイベントの実行要求を受け付けると、実行要求を受け付けたイベントを実行する(ステップS6-13)。本例において端末20Fは、登録されているバトルのうち、プレイヤにより選択されたバトルを開始する。
【0109】
以上に説明したように、第6の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能を備えたユーザ端末20Fが、登録部21Fと、制御部22Fと、実行部23Fとを備える構成としているので、ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録し、イベントを登録したことに基づいてビデオゲームの進行を制御し、所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行し、ビデオゲームの楽しみ方に関する自由度を向上させることができる。
【0110】
なお、第6の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Fが、プレイヤにテストを行わせ、当該テストの結果に基づいて敵キャラクタを決定する構成としてもよい。このような構成とすることで、ビデオゲームにおけるテストの趣向性を向上させることができる。この場合、テストの構成は特に限定されないが、プレイヤが所与の選択肢にゲーム内要素を設定する構成であることが好ましい。このような構成の例には、出題者側(例えば、ビデオゲームの管理者側)が現実事象に関する問題と複数の選択肢を作成し、プレイヤに所定数の選択肢を選択させ、正解が確定した後、正解に相当する選択肢を選択したプレイヤに特典を付与する構成がある。なお、この場合、誤答を選択したプレイヤに対して敵キャラクタとのバトルを実行させ、当該バトルの結果に基づいて当該プレイヤが選択肢に設定したゲーム内要素の扱いを決定する構成としてもよい。すなわち、例えば誤答を選んだプレイヤであっても、その後の敵キャラクタとのバトルに勝利した場合、誤答に設定したゲーム内要素の一部または全部を取得できる構成としてもよい。さらに、このようなバトルを取り置くことができる構成としてもよい。
【0111】
なお、第6の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Fが、登録したバトルの実行要求を受け付けた際、当該バトルに対応するイベント発生画面を表示する構成としてもよい。このような構成とすることで、新たな画面を生成する負荷を排除できる。
【0112】
なお、第6の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Fが、取り置いたイベントを実行する際のプレイヤまたはプレイヤキャラクタのステータスについては、イベント発生時のものを採用する構成としてよいし、イベント実行時のものを採用する構成としてもよい。また、通常はイベント発生時のステータスを採用し、所定条件が満たされた際、例えばプレイヤによる所定のゲーム内要素の使用があった際にはイベント実行時のステータスを採用する構成としてもよい。
【0113】
なお、第6の実施形態の一側面として、ユーザ端末20Fが、複数のプレイヤの協力を促す構成としてもよい。この場合、ユーザ端末20Fが、ビデオゲームにおいて他プレイヤに関する所定条件が満たされている場合、プレイヤがゲーム中資産を消費することなく行動できる構成としてもよい。この場合、例えばクイズゲームにおける選択肢を選択する際、通常はプレイヤのゲーム内要素が代価として消費されるが、他プレイヤが選択している選択肢には所定回数だけ代価を不要とする構成としてもよい。また、他プレイヤが遭遇した敵キャラクタに攻撃する場合、所定回数までは、通常要求される攻撃の代価がプレイヤに要求されない構成としてもよい。なお、この敵キャラクタとのバトルが他プレイヤにより取り置かれた場合、他プレイヤが当該バトルを実行する際、プレイヤにもその旨が通知される構成としてもよい。
【0114】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0115】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0116】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0117】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0118】
なお、ビデオゲームの進行に応じてとは、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等が生じたことを特定の処理の契機や基準とすることを意味する。特定の処理の例としては、判定処理や情報更新処理などがある。また、ビデオゲームで発生し得る種々の進行あるいは変化等の例としては、時間の進行、ゲーム要素値の変化、特定のステータス若しくはフラグの更新、あるいはユーザによる操作入力などがある。
【0119】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、
前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、
前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記制御機能では、前記登録したイベントが発生しなかったものとして又は当該イベントが終了したものとして前記ビデオゲームの進行を制御する機能を
実現させるための[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記登録機能では、前記イベントと、所定の情報とを対応付けて前記所定の記憶領域に登録する機能を実現させ、
前記実行機能では、前記所定の記憶領域を参照して表示されるリストを介して受け付けた前記実行要求に基づいてイベントを実行する機能を
実現させるための[1]または[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記ユーザ端末に、
前記登録されたイベントが所定数ある場合に、当該所定数のイベントのうち少なくとも1つのイベントをプレイヤに報知する報知機能と、
前記実行機能により実行したイベントの登録を消去する消去機能とを
実現させるための[1]から[3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記ユーザ端末に、
前記イベントに対する実行要求と、取り置き要求と、回避要求とのうち何れかを受け付けるためのゲーム画面を表示する表示機能と、
前記ゲーム画面を介した回避要求を受け付けた際、所定の判定規則に従って前記イベントを回避できるか否か判定する判定機能とを実現させ、
前記制御機能では、前記判定機能による判定結果に基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する機能を
実現させるための[1]から[4]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[6]
前記ユーザ端末に、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントが所定条件を満たす場合にのみ前記取り置き要求を受け付ける受付機能を
実現させるための[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[7]
[1]から[6]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記ユーザ端末に実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該ユーザ端末と通信可能なサーバに実現させるためのビデオゲーム処理用プログラム。
[8]
[1]から[7]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムがインストールされたユーザ端末。
[9]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理システムであって、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録手段と、
前記イベントが登録されたことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御手段と、
前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
[10]
前記サーバが、前記登録手段と、前記制御手段と、前記実行手段とを含み、
前記ユーザ端末が、前記ビデオゲームを表示装置の表示画面に出力するための情報を受信する受信手段を含む
[9]記載のビデオゲーム処理システム。
[11]
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、
前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、
前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[12]
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録機能と、前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御機能と、前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行機能とを備えたサーバから、前記ビデオゲームを表示装置の表示画面に出力するための情報を受信する機能を前記ユーザ端末に
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[13]
[11]記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[14]
[11]または[13]記載のビデオゲーム処理プログラムがインストールされたサーバ。
[15]
ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録処理と、
前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御処理と、
前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
[16]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、 ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するために実行するビデオゲーム処理方法であって、
前記ビデオゲームにおいて発生したイベントに対する取り置き要求を受け付けた際、当該イベントを所定の記憶領域に登録する登録処理と、
前記イベントを登録したことに基づいて前記ビデオゲームの進行を制御する制御処理と、
前記所定の記憶領域に登録されているイベントに対する実行要求を受け付けた際、当該イベントを実行する実行処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明の実施形態の一つによれば、ビデオゲームの楽しみ方に関する自由度を向上させるのに有用である。
【符号の説明】
【0121】
10 サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11,21 登録部
12,22 制御部
13,23 実行部
24 報知部
25 消去部
26 表示部
27 判定部
28 受付部
30 通信ネットワーク
100 システム