(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B65H 26/08 20060101AFI20220824BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220824BHJP
B41J 15/04 20060101ALI20220824BHJP
B65H 16/02 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B65H26/08
B41J29/00 A
B41J15/04
B65H16/02
(21)【出願番号】P 2019096633
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】菊井 健弘
(72)【発明者】
【氏名】松井 優和
(72)【発明者】
【氏名】神山 卓郎
【審査官】土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-19100(JP,A)
【文献】特開2013-166617(JP,A)
【文献】特開平11-130310(JP,A)
【文献】特公平7-25450(JP,B2)
【文献】特許第3940880(JP,B2)
【文献】特開2012-184056(JP,A)
【文献】特開2001-2296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 26/08
B41J 29/00
B41J 15/04
B65H 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の芯材の周りにロール状に巻回された用紙を収納する収納部と、
用紙に文字又は図形を印刷する印刷部と、
前記収納部から前記印刷部へ用紙を搬送する搬送部と、
前記収納部に収納された用紙の一方の端面に対向する基準面と、
前記収納部に収納された用紙の他方の端面に対向する仕切り板と、を有し、
前記仕切り板は、
前記仕切り板の面内で回動可能な支持板と、
前記支持板に搭載され、用紙の残量が所定量まで減少したことを検出するセンサと、
前記支持板が回動するときの中心点に少なくとも重畳するように配置される押込面を有し、前記押込面によって用紙の端面を押し込む押込部材と、
前記支持板、前記センサ及び押込部材が搭載される基材と、
を有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記支持板は、前記中心点に対応する位置に貫通孔が形成され、
前記押込部材は、前記貫通孔を貫通すると共に、前記基材に固定される軸部を更に有する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記仕切り板は、前記押込部材と前記支持板との間に前記軸部に係合するように配置され、前記押込面を前記基準面の方向に付勢する付勢部材を更に有する、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記押込部材は、前記中心点を覆う中央部と、前記中央部から上方に延伸する第1腕部と、前記中央部から下方に延伸する第2腕部とを有する、請求項1~3の何れか一項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記仕切り板は、前記基準面の方向に移動可能に配置される、請求項1~4の何れか一項に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップイン方式等のロール紙を用いたプリンタにおいて、ロール紙の残量が減少したことを検出するニアエンドセンサ(以下、単にセンサとも称する)の検出機能を向上させる種々の技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ロール紙が浮き上がらずに一定の場所に落ち着かせるように、ロール紙の外周より内側の位置で、ロール紙の端面を圧接する負荷付与部材を配置する技術が記載されている。特許文献1に記載される技術は、ロール紙の圧接部分より外側が回転することで、ロール紙の外周付近のばらけを取り除くと共に、ロール紙が浮き上がることはなく一定の場所に落ち着いた状態で用紙を繰り出すことができる。
【0004】
また、特許文献2には、ロール紙への負荷を緩衝する負荷緩衝ユニットにおいて用紙の残量を検出するセンサとして機能するフォトインタラプタを、軸部によって回動可能な部材に取り付けることで、ロール紙の端面に対して位置調整可能に取り付ける技術が記載されている。特許文献2に記載される技術は、負荷緩衝ユニットに対するロール紙の巻き掛け方向及び角度に応じて、フォトインタラプタの取り付け位置を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公平7-25450号公報
【文献】特許第3940880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ロール紙の端面を押し込む押込部材、及びロール紙の端面に対して位置調整可能に取り付けられた用紙の残量を検出するセンサの双方を有するプリンタは知られていない。特許文献1及び2に記載される技術を組み合わせて、押込部材及び位置調整可能なセンサの双方を有するプリンタが実現可能であるが、押込部材とセンサを回動させる部材と重畳して配置すると、回動部材の動作を押込部材が妨げるおそれがある。一方、センサを回動させる部材と押込部材とを重畳せずに配置すると、プリンタのサイズが大きくなり、プリンタの小型へのニーズに反する。
【0007】
本発明は、より小さなサイズで押込部材及び位置調整可能なセンサの双方を搭載可能なプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプリンタは、円筒状の芯材の周りにロール状に巻回された用紙を収納する収納部と、用紙に文字又は図形を印刷する印刷部と、収納部から印刷部へ用紙を搬送する搬送部と、収納部に収納された用紙の一方の端面に対向し、収納部に収納された用紙の他方の端面に対向する対向面を有する仕切り板と、を有し、仕切り板は、仕切り板の面内で回動可能な支持板と、支持板に搭載され、用紙の残量が所定量まで減少したことを検出するセンサと、支持板が回動するときの中心点に少なくとも重畳するように配置される押込面を有し、押込面によって用紙の端面を押し込む押込部材と、支持板、センサ及び押込部材が搭載される基材とを有する。
【0009】
さらに、本発明に係るプリンタでは、支持板は、中心点に対応する位置に貫通孔が形成され、押込部材は、貫通孔を貫通すると共に、基材に固定される軸部を更に有することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明に係るプリンタでは、仕切り板は、押込部材と支持板との間に軸部に係合するように配置され、押込面を基準面の方向に付勢する付勢部材を更に有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明に係るプリンタでは、押込部材は、中心点を覆う中央部と、中央部から上方に延伸する第1腕部と、中央部から下方に延伸する第2腕部とを有することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明に係るプリンタでは、仕切り板は、基準面の方向に移動可能に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るプリンタは、より小さなサイズで押込部材及び位置調整可能なセンサの双方を搭載できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るプリンタの斜視図(その1)である。
【
図2】実施形態に係るプリンタの斜視図(その2)である。
【
図4】(a)は
図1に示すプリンタの部分拡大斜視図(その1)であり、(b)は
図1に示すプリンタの部分拡大斜視図(その2)である。
【
図5】(a)は
図1に示す仕切り板の平面図であり、(b)は仕切り板の背面図で仕切り板24のリアケースが取り外された状態を示す図である。
【
図7】
図5(a)に示すニアエンドセンサの位置調整を説明するための図であり、(a)は比較的細い芯材に巻回された用紙を使用するときのニアエンドセンサの位置調整を示す
図3に示されるB-B線に沿う断面図であり、(b)は比較的太い芯材に巻回された用紙を使用するときのニアエンドセンサの位置調整を示す
図3に示されるB-B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係るプリンタについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0016】
(実施形態に係るプリンタの構成及び機能)
図1~4を参照して、実施形態に係るプリンタの構成及び機能について説明する。
図1はプリンタに用紙を収納していない状態でプリンタの上ケースが開いたときの斜視図であり、
図2はプリンタに用紙を収納した状態でプリンタの上ケースが開いたときの斜視図である。
【0017】
プリンタ1は、収納部10と、サーマルヘッド11と、プラテンローラ12と、固定刃13と、可動刃14と、上ケース15と、下ケース16と、回転軸17と、開閉ボタン18と、用紙排出口19とを有する。プリンタ1は、加熱により変色する感熱紙である用紙100に、加熱されたサーマルヘッド11を接触させることで文字又は図形を印刷するドロップイン方式等のサーマルプリンタである。用紙100は、円筒状の芯材にロール状に巻回された連続紙である。
【0018】
収納部10は、用紙ホルダ20と、第1用紙ローラ21と、第2用紙ローラ22と、基準面23と、仕切り板24と、第1ガイド軸25と、第2ガイド軸26とを有し、用紙100を収納する。用紙ホルダ20、第1用紙ローラ21、第2用紙ローラ22、基準面23、仕切り板24、第1ガイド軸25及び第2ガイド軸26のそれぞれは、下ケース16の内部に配置される。
【0019】
用紙ホルダ20は、第1用紙ローラ21及び第2用紙ローラ22と共に、収納部10に収納された用紙100を保持する。第1用紙ローラ21及び第2用紙ローラ22は、用紙ホルダ20と共に用紙100を支持しながら、用紙100の搬送に伴って回転する。
【0020】
基準面23は、収納部10に収納された用紙100の一方の端面102に対向して配置される。仕切り板24は、基準面23に対向し且つ基準面23の方向に移動可能に配置され、収納部10に用紙100が収納されたとき、用紙100の他方の端面101に対向する。第1ガイド軸25及び第2ガイド軸26は、第2用紙ローラ22の延伸方向と平行に延伸し、基準面23の直交する方向に仕切り板24を移動可能に支持する。
【0021】
サーマルヘッド11は、上ケース15が閉まったときにプラテンローラ12と対向する位置に配置され、用紙100に文字又は図形を印刷する印刷部である。用紙100は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とに挟持されて印刷される。サーマルヘッド11は、内蔵されるバネ材によりプラテンローラ12の方向に押圧されると共に、印刷する文字又は図形を示す印刷データに応じて内蔵する発熱体を発熱させ、用紙100に文字又は図形を印刷する。
【0022】
プラテンローラ12は、不図示の駆動モータにより回転して用紙100を搬送する搬送部である。サーマルヘッド11とプラテンローラ12とによって挟持された用紙100は、プラテンローラ12が回転することによって搬送される。サーマルヘッド11により用紙100に印刷された後に、用紙100は被印刷領域の後端で固定刃13及び可動刃14によって切断され、用紙排出口19から排出される。
【0023】
固定刃13はサーマルヘッド11と上ケース15の用紙排出口19側の端面との間に固定して配置され、可動刃14はプラテンローラ12と下ケース16の用紙排出口19側の端面との間に鉛直方向に移動可能に配置される。用紙100は、サーマルヘッド11により印刷された後に、固定刃13及び可動刃14によって切断され、
図2において矢印Aで示される方向にプリンタ1から排出される。
【0024】
上ケース15は、下ケース16の上部を覆い、下ケース16の上部に回転軸17によって回転自在に支持されている。上ケース15は、表面に窓部150が形成される。開閉ボタン18は、上ケース15に配置され、押下されることに応じて、回転軸17を中心として、上ケース15が下ケース16に対して上方に回転して、上ケース15が開く。なお、プリンタ1は、上ケース15が閉じた状態で使用される。
【0025】
図5及び6を参照して、仕切り板24について詳細に説明する。なお、
図5(b)は、仕切り板24のリアケースが取り外された状態を示す図である。
【0026】
仕切り板24は、フロントケース41と、リアケース42と、押込部材43と、付勢部材44と、単にセンサとも称されるニアエンドセンサ45と、センサカバー46と、操作部材47と、支持板48と、締結部材49とを有する。フロントケース41及びリアケース42は、押込部材43、付勢部材44、ニアエンドセンサ45、センサカバー46、操作部材47、支持板48及び締結部材49を搭載する基材である。
【0027】
フロントケース41は、用紙100の端面101に対向する対向面410と、第1ガイド軸支持部411と、第2ガイド軸支持部412と、固定部413と、対向面の反対の第1内面414とを有する。また、フロントケース41は、対向面410から第1内面414に貫通する第1開口部415、第2開口部416、及び第1軸穴417が形成されると共に、対向面410に押込部材収納部418が形成される。
【0028】
対向面410は、基準面23に対向すると共に、収納部10に用紙100が収納されたときに、用紙100の端面101に対向する。また、対向面410は、第1開口部415を介してニアエンドセンサ45が用紙100の端面101に対向して移動可能に配置される。さらに、対向面410は、第2開口部416を介して操作部材47が移動可能に配置される。対向面410は、操作部材47の近傍にニアエンドセンサ45の位置を示すセンサ位置表示419が配置される。センサ位置表示419は、第1位置を示す数字「1」から第5位置を示す数字「5」までの5つの数字が表示される。
【0029】
第1ガイド軸支持部411は第1ガイド軸25が貫通し、第2ガイド軸支持部412は第2ガイド軸26が貫通する。固定部413は、用紙ホルダ20に形成される係合部と係合することで、用紙ホルダ20に固定される。仕切り板24は、用紙100の幅に応じて第1ガイド軸25及び第2ガイド軸26を介して基準面23との間の距離が変更可能であり、用紙100の幅と一致する位置で固定部413によって固定される。
【0030】
第1内面414は、対向面410の反対の面であり、波形の形状を有する波形部420が形成される。波型部420は、支持板48の腕部483と係合することで、操作部材47によって移動されるニアエンドセンサ45をセンサ位置表示419に表示される数字「1」~「5」のそれぞれに対応する第1位置~第5位置に固定する。
【0031】
リアケース42は、第2内面421を有する。第2内面421は、外縁に沿って複数の凸部422が形成されると共に、第1軸穴417に対応する位置に第2軸穴423が第2内面421から裏面に貫通するように形成される。複数の凸部422は、フロントケース41の第1内面414の外縁に形成される凹部と係合して、フロントケース41とリアケース42とを一体化させる。また、リアケース42は、第2軸穴423の周囲に支持板48の形状に対応する形状を有し、支持板48を収容する凹部424が形成される。
【0032】
押込部材43は、中央部430と、第1腕部431と、第2腕部432と、軸部433と、第1係合部434と、第2係合部435とを有する。中央部430は略円形の平面形状を有する。第1腕部431は、中央部430の外縁から中央部430から離隔するように直線状に鉛直方向上方に延伸する。第2腕部432は、中央部430の外縁から第1腕部431の延伸方向と反対の方向、すなわち鉛直方向下方に中央部430から離隔するように直線状に延伸する。第1腕部431及び第2腕部432の端部と中央部430の中心との間の距離は、ニアエンドセンサ45及び操作部材47と中央部430の中心との間の距離と略同一である。中央部430、第1腕部431及び第2腕部432の表面は、用紙100の端面101を押し込む押込面である。
【0033】
軸部433は、中央部430の裏面から直線状に起立する。第1係合部434は第1腕部431の先端に配置され、第2係合部435は第2腕部432の先端に配置される。第1係合部434及び第2係合部435は、押込部材収納部418の内部に形成される係合部と係合することで、押込部材43をフロントケース41に固定する。
【0034】
付勢部材44は、押込部材43の軸部433に係合する、具体的には押込部材43の軸部433が内部を貫通するバネであり、一端がフロントケース41の第1軸穴417の内壁に沿って形成される受け部に接し、他端が押込部材43の中央部430の裏面に接するように配置される。付勢部材44は、中央部430の裏面から押圧することで、押込部材43の中央部430、第1腕部431及び第2腕部432の何れかの部分を用紙100の端面101に接触させて、用紙100を基準面の方向に押し込む。
【0035】
ニアエンドセンサ45は、例えば光学センサであり、用紙100の残量が所定量を下回った状態であることを検出する。ニアエンドセンサ45の構成及び機能は、よく知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。センサカバー46は、ニアエンドセンサ45の裏面に配置され、ニアエンドセンサ45を支持板48に固定する。
【0036】
操作部材47は、表面が第2開口部416を介して対向面410から視認可能なように支持板48に固定され、不図示の操作者がニアエンドセンサ45の位置を操作するときに、操作者によって操作される。
【0037】
支持板48は、支持面480と、センサ固定部481と、操作部材固定部482と、腕部483とを有し、仕切り板24の移動方向に直交する面内で回動可能である。支持板48は、第1軸穴417及び第2軸穴423のそれぞれに対応する位置に貫通孔484が支持面480から支持面480の裏面に貫通するように形成される。貫通孔484は、第1軸穴417及び第2軸穴423と共に、押込部材43の軸部433が挿入される。支持板48は、操作部材固定部482に固定された操作部材47が操作者によって操作されることに応じて、軸部433の中心を中心点として回動する。支持板48が回動することで、センサ固定部481に固定されたニアエンドセンサ45が軸部433を中心に回動する。
【0038】
締結部材49は、押込部材43の軸部433と螺合して押込部材43をフロントケース41に固定する。締結部材49は、押込部材43が一定以上たわまないようにすると共に、フロントケース41から押込部材43が外れないようにするストッパーとして機能する。
【0039】
図7を参照して、ニアエンドセンサ45の位置調整を説明する。
【0040】
ニアエンドセンサ45は、用紙が巻回される芯材の径に応じて5つの位置に調整される。ニアエンドセンサ位置表示419において数字「1」で示される第1位置は、用紙が巻回される芯材の径が一番細いときにニアエンドセンサ45が配置される位置である。また、ニアエンドセンサ位置表示419において数字「5」で示される第5位置は、用紙が巻回される芯材の径が一番太いときにニアエンドセンサ45が配置される位置である。ニアエンドセンサ位置表示419において数字「2」、「3」及び「4」のそれぞれで示される第2位置、第3位置及び第4位置は、用紙が巻回される芯材の径が中間の太さであるときにニアエンドセンサ45が配置される位置である。
【0041】
径が比較的細い芯材111に巻回された用紙110は、残量の減少に従って、
図7(a)及び7(b)において矢印Cで示される凹部に嵌る位置に移動する。ニアエンドセンサ45は、第1位置に配置されるとき、凹部に嵌る位置に移動した用紙110の用紙の残量が所定量まで減少したことを検出する。
【0042】
径が比較的太い芯材121に巻回された用紙120は、残量が減少しても矢印Cで示される凹部に嵌ることない。ニアエンドセンサ45は、第5位置に配置されるとき、凹部に嵌らない位置に移動した用紙120の用紙の残量が所定量まで減少したことを検出する。
【0043】
(実施形態に係るプリンタの作用効果)
プリンタ1は、用紙の端面を押し込む押込面が、ニアエンドセンサ45を搭載する支持板が回転するときの中心点に重畳するように配置されるので、より小さなサイズで押込部材43及び位置調整可能なニアエンドセンサ45の双方を搭載できる。
【0044】
また、プリンタ1は、押込部材43と支持板48との間に押込部材43の押込面を基準面23の方向に付勢する付勢部材44が配置されるので、収納部10に収納された用紙100の端面101を付勢部材44の弾性力に応じた力で押し込むことができる。また、プリンタ1は、付勢部材44が押込部材43の軸部433に係合するように配置されるので、より小さいサイズで付勢部材44を配置することができる。
【0045】
また、プリンタ1は、押込部材43は、中央部430に加えて、第1腕部431及び第2腕部432の表面のそれぞれで用紙100の端面101を押し込むことができるので、用紙100の径が細くなっても用紙100の端面101を押し込み続けることができる。
【0046】
(実施形態に係るプリンタの変形例)
プリンタ1では、押込部材43は、中央部430、第1腕部431及び第2腕部432の表面で用紙100の端面101を押し込むが、実施形態に係るプリンタでは、押込面は、支持板48が回動するときの中心点に少なくとも重畳するように配置されればよい。
【0047】
また、プリンタ1では、押込部材43の第1腕部431及び第2腕部432のそれぞれは鉛直方向に延伸するが、実施形態に係るプリンタでは、押込部材の腕部は、鉛直方向から傾斜して配置されてもよい。また、実施形態に係るプリンタでは、押込部材の腕部は、1本でもよく、3本以上であってもよい。
【0048】
また、プリンタ1では、押込部材43の第1腕部431及び2腕部432の端部と中央部430の中心との間の距離は、ニアエンドセンサ45及び操作部材47と中央部430の中心との間の距離と略同一である。しかしながら、実施形態に係るプリンタでは、押込部材の腕部の端部と中央部の中心との間の距離は、ニアエンドセンサ45及び操作部材47と中央部430の中心との間の距離よりも長くてもよく、短くてもよい。
【0049】
また、プリンタ1は、サーマルプリンタであるが、実施形態に係るプリンタ1は、サーマルプリンタに限定されず、ロール紙を使用するものであればよい。実施形態に係るプリンタ1は、例えばインクジェットプリンタ、電子写真方式プリンタ、ドットインパクトプリンタ、及び昇華型プリンタ等の他の印刷形式のプリンタであってもよい。
【0050】
また、プリンタ1では、仕切り板24は基準面23の方向に移動可能に配置されるが、実施形態に係るプリンタでは、仕切り板は移動することなく収容部10の内部に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 プリンタ
10 収納部
11 サーマルヘッド(印刷部)
12 プラテンローラ(搬送部)
20 用紙ホルダ
21 第1用紙ローラ
22 第2用紙ローラ
23 基準面
24 仕切り板
41 フロントケース(基材)
42 リアケース(基材)
43 押込部材
44 付勢部材
45 ニアエンドセンサ(センサ)
46 センサカバー
47 操作部材
48 支持板
49 締結部材