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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】換気装置及び換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/147 20060101AFI20220824BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20220824BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20220824BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20220824BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
F24F3/147
F24F3/14
F24F7/08 A
F24F11/65
F24F13/22 227
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019101688
(22)【出願日】2019-05-30
(65)【公開番号】P2020197310
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】福田 佳久
(72)【発明者】
【氏名】水野 高伸
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172886(JP,A)
【文献】特開2013-221277(JP,A)
【文献】特開2010-065936(JP,A)
【文献】特開2003-279070(JP,A)
【文献】特開2013-217616(JP,A)
【文献】特開2014-208320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/08
F24F 3/14
F24F 3/147
F24F 11/65
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室、外壁部及び屋根部を備える建物における前記居室に対応して設けられる換気装置であって、
前記外壁部又は前記屋根部は、少なくとも日射により内部の空気の熱せられる壁体又は天井体の二重構造であるダブルスキンを備え、
外部から空気が流入する共通給気路を有するとともに、該共通給気路を通った空気の供給先が前記居室内及び前記ダブルスキン内に分岐するように構成された給気路と、
前記共通給気路に設置され、水分の吸着により該共通給気路を通る空気を除湿可能なデシカント材と、
前記共通給気路を通った空気の供給先を前記居室内又は前記ダブルスキン内に切換えるための給気対象切換手段と、
外部へと排出される空気が通る共通排気路を有するとともに、該共通排気路に対する空気の流入元が前記居室内及び前記ダブルスキン内となるように構成された排気路と、
前記共通排気路に対する空気の流入元を前記居室内又は前記ダブルスキン内に切換えるための排気対象切換手段と、
前記共通給気路を通る空気及び前記共通排気路を通る空気の間で全熱交換を行える全熱交換エレメントと給気ファンと排気ファンとを有する全熱交換器と、
前記共通給気路における前記全熱交換器及び前記デシカント材間に設置され、所定の冷媒が内部を流れることにより前記共通給気路を通る空気を冷却可能な冷却手段とを備えてなる装置本体部を有し、
前記デシカント材は、固定状態で配設されており、
前記装置本体部は、所定の通常モード又は所定の再生モードにて動作可能であり、
前記通常モードでは、前記給気対象切換手段により前記共通給気路を通った空気の供給先が前記居室内とされるとともに、前記排気対象切換手段により前記共通排気路に対する空気の流入元が前記居室内とされることで、前記給気路を通って前記居室内へと前記全熱交換器及び前記デシカント材を経た空気が供給される状態となり、
前記再生モードでは、前記給気対象切換手段により前記共通給気路を通った空気の供給先が前記ダブルスキン内とされるとともに、前記排気対象切換手段により前記共通排気路に対する空気の流入元が前記ダブルスキン内とされることで、前記全熱交換器によって、前記ダブルスキン内から流出し前記共通排気路を通る空気を利用して前記共通給気路を通る空気が加熱され、この加熱された空気によって前記デシカント材が加熱されて再生される状態となるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項2】
前記冷媒として、少なくとも空気温度を調節可能な温度調節機から排出される空気中水分凝縮ドレン水が用いられることを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記装置本体部は、
前記ダブルスキン内から前記居室内に連通する第一連通部に対応して設けられ、前記ダブルスキン内の空気を前記居室内に送るための第一送風ファンと、
前記居室内から前記ダブルスキン内に連通する第二連通部に対応して設けられ、前記居室内の空気を前記ダブルスキン内に送るための第二送風ファンとを備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項4】
前記装置本体部において前記再生モードでの動作が可能な否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記装置本体部における前記再生モードでの動作が可能であると判定された場合に、該装置本体部における動作モードを、前記通常モードから前記再生モードへと切換可能な動作モード切換手段とを備え、
前記判定手段は、時刻に関する情報を取得するための時刻情報取得手段、前記居室内における二酸化炭素濃度に関する情報を取得するための濃度情報取得手段及び前記居室内における人の有無に関する情報を取得するための人有無情報取得手段のうちの少なくとも2つから取得された少なくとも2つの情報に基づき前記再生モードでの動作が可能か否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の換気装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の前記装置本体部を複数備えてなる換気システムであって、
少なくとも空気温度を調節可能な温度調節機から排出される空気中水分凝縮ドレン水を貯留するドレンタンクを有するとともに、前記冷媒として前記ドレンタンクに貯留された空気中水分凝縮ドレン水が用いられるように構成され、
前記冷却手段による空気の冷却を同時に行う前記装置本体部の数が、前記装置本体部の総数よりも少なくなるように前記冷却手段を制御する冷却時期制御手段を備えることを特徴とする換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の居室に対応して設置され、外部からの空気の温度湿度を調節して居室内に導くタイプの換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事務所ビルや電算ビル、コンビニエンスストア等の建物における居室(人がある程度の時間留まったり、頻繁に出入りしたりする室)の換気を行うにあたって、全熱交換器により、居室内から排出され外部へ捨てられる空気の熱エネルギーの一部を利用して、居室内へと供給される外気など外部空気の温度や湿度の調節を行うように構成された換気装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような換気装置によれば、居室内の空気を循環して空気温度等を調節する空調機へ導入する前に、外部から居室内へと供給される空気の温度や湿度を居室外へと排出される空気の温度や湿度により近づけることができるため、空調機における空調負荷の低減などを図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3152543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した換気装置において、この換気装置から居室内へと導入される外部空気は、温調されていた居室内空気であった排気から全熱交換器により一部回収された熱エネルギーが付与されて温度や湿度の調節された外部空気となるが、調節される前の外気が季節や天候によっては多量の水分を含むような場合、居室内の空調された空気と比べて不快なものとなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、居室内の循環空調系に導入される外部空気を、冷凍サイクルを用いることなく、より心地よいものとすること等が可能な換気装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0007】
手段1.居室、外壁部及び屋根部を備える建物における前記居室に対応して設けられる換気装置であって、
前記外壁部又は前記屋根部は、少なくとも日射により内部の空気の熱せられる壁体又は天井体の二重構造であるダブルスキンを備え、
外部から空気が流入する共通給気路を有するとともに、該共通給気路を通った空気の供給先が前記居室内及び前記ダブルスキン内に分岐するように構成された給気路と、
前記共通給気路に設置され、水分の吸着により該共通給気路を通る空気を除湿可能なデシカント材と、
前記共通給気路を通った空気の供給先を前記居室内又は前記ダブルスキン内に切換えるための給気対象切換手段と、
外部へと排出される空気が通る共通排気路を有するとともに、該共通排気路に対する空気の流入元が前記居室内及び前記ダブルスキン内となるように構成された排気路と、
前記共通排気路に対する空気の流入元を前記居室内又は前記ダブルスキン内に切換えるための排気対象切換手段と、
前記共通給気路を通る空気及び前記共通排気路を通る空気の間で全熱交換を行える全熱交換エレメントと給気ファンと排気ファンとを有する全熱交換器と、
前記共通給気路における前記全熱交換器及び前記デシカント材間に設置され、所定の冷媒が内部を流れることにより前記共通給気路を通る空気を冷却可能な冷却手段とを備えてなる装置本体部を有し、
前記デシカント材は、固定状態で配設されており、
前記装置本体部は、所定の通常モード又は所定の再生モードにて動作可能であり、
前記通常モードでは、前記給気対象切換手段により前記共通給気路を通った空気の供給先が前記居室内とされるとともに、前記排気対象切換手段により前記共通排気路に対する空気の流入元が前記居室内とされることで、前記給気路を通って前記居室内へと前記全熱交換器及び前記デシカント材を経た空気が供給される状態となり、
前記再生モードでは、前記給気対象切換手段により前記共通給気路を通った空気の供給先が前記ダブルスキン内とされるとともに、前記排気対象切換手段により前記共通排気路に対する空気の流入元が前記ダブルスキン内とされることで、前記全熱交換器によって、前記ダブルスキン内から流出し前記共通排気路を通る空気を利用して前記共通給気路を通る空気が加熱され、この加熱された空気によって前記デシカント材が加熱されて再生される状態となるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【0008】
上記手段1によれば、装置本体部は、通常モード又は再生モードで動作可能である。
【0009】
通常モードでは、共通給気路を通った空気(外部からの空気)の供給先、及び、共通排気路に対する空気の流入元(排出される空気の流入元)がそれぞれ居室内とされる。そして、外部からの空気は、全熱交換器及びデシカント材を経て居室内へと供給される。全熱交換器によって外部からの空気と居室内から外部へと排出される空気との全熱交換が行われることで、居室内へと供給される空気の温度は居室外へと排出される空気の温度により近づけられる。さらに、デシカント材によって外部からの空気に含まれる水分が吸着されることで、居室内へと供給される空気の湿度が低減される。
【0010】
このように居室内へと供給される空気の温度調節及び湿度低減が行われることより、夏季など、外部の空気の温度や湿度が比較的高くなりやすい時期において、居室内に外部空気として導入供給される空気を、居室内の人員にとってより心地よいものとすることが可能となる。また、居室内の空気を循環温調して空調を行う空調機における空調負荷(除湿負荷)を低減させることができ、ひいては省エネルギー性能や環境性能(CO2排出量など)の点で良好な性能を得ることができる。さらに、圧縮動作等により空気の除湿を行うタイプの除湿機ではなく、水分を吸着するデシカント材を利用して除湿を行うため、循環温調する空調機の冷却コイルの列数などの削減ができて、除湿に係るコストの低減や装置の小型化を図ることができる。
【0011】
一方、デシカント材における吸着可能な水分量には限界があるため、デシカント材による除湿機能を維持するためには、デシカント材を再生させること、すなわちデシカント材を加熱し吸着された水分を蒸発させることが必要となる。この点、上記手段1によれば、再生モードでは、共通給気路を通った空気(外部からの空気)の供給先、及び、共通排気路に対する空気の流入元(排出される空気の流入元)がそれぞれダブルスキン内とされ、全熱交換器により、ダブルスキン内から流出した比較的高温の空気を利用して共通給気路を通る空気が加熱され、この加熱された空気によってデシカント材が加熱されて再生される。
【0012】
このように再生モードでは、ダブルスキン内の空気の有する熱エネルギーを有効活用してデシカント材の再生が行われるため、再生のための熱エネルギーを生じさせる熱源装置を別途設ける必要がなく、再生に係るコストの低減や省エネルギー性能の更なる向上を図ることができる。
【0013】
また、再生モードでは、ダブルスキン内の空気がデシカント材に直接供給されるのではなく、全熱交換器によりダブルスキン内の空気を用いて共通給気路を通る空気が加熱され、この加熱された空気がデシカント材へと供給される。従って、ダブルスキン内の空気をデシカント材に直接供給するための送風機を含む流路を不要とすることができ、コストや小型化などの点でより有利となる。
【0014】
さらに、通常モードにおいてデシカント材によって除湿される空気と、再生モードにおいてデシカント材を加熱して再生するための空気とはそれぞれ同じ流路(共通給気路)を通ってデシカント材に供給される。ここで、デシカント材によって除湿される空気の流路(前者の流路)と、デシカント材を加熱して再生するための空気の流路(後者の流路)とを別々に設けた場合には、デシカント材において、前者の流路に対応して配置される部位と後者の流路に対応して配置される部位とを交互に変更する(入れ換える)必要がある。そのため、デシカント材を移動可能(例えば回転可能)な構成とせざるを得ない。この点、上記手段1によれば、デシカント材によって除湿される空気と、デシカント材を加熱して再生するための空気とはそれぞれ同じ流路(共通給気路)を通ってデシカント材に供給されるため、デシカント材を移動可能に構成する必要はなく、デシカント材を固定状態で配設することができる。そのため、デシカント材を移動可能に構成した場合と比べて、コスト低減や小型化を一層図ることができる。
【0015】
加えて、再生モードにおいてデシカント材に供給される空気(再生用空気)の流れと、除湿時(通常モード)においてデシカント材に供給される空気(除湿される空気)の流れとを同一とすることができる。そのため、デシカント材における水分の吸着された部分に対し加熱された空気をより確実に当てることができ、水分を効果的に蒸発させることができる。その結果、デシカント材の再生を効率よく行うことができる。
【0016】
また、再生モードでは、デシカント材の加熱時(再生時)に生じる水蒸気の気化熱で空気が冷却され、この冷却された空気がダブルスキン内へと供給される。そのため、この乾球温度が気化熱により比較的低温とされた外部からの空気を用いて、ダブルスキン内の空気の入替を行うことができる。その結果、ダブルスキン内における過度の温度上昇を抑えることができ、ひいては過度の温度上昇に伴う各種不具合(例えば、空気層である二重構造内の空気温度の内側仕切りを通した伝熱増加による居室内の熱負荷増加や、二重構造の加熱による構造体劣化など)の発生をより確実に抑えることができる。
【0017】
さらに、上記手段1によれば、冷却手段によって共通給気路における全熱交換器及びデシカント材間を通る空気を冷却することができる。そのため、再生モードから通常モードへと切換えたときにおいて、それまでの再生に伴いデシカント材が熱を持った状態となっていたとしても、冷却手段により空気を冷却することで、居室内へと高温の空気が供給されてしまうことをより確実に防止できる。これにより、再生モードから通常モードへと切換えた直後であっても、居室内に外部から導入供給される空気を居室内の人員にとって心地よいものとすることがより確実に可能となる。また、通常モードにおいても、外部からの導入空気からデシカント材にて除湿する際に発生する吸着熱による外部の空気の加熱を、冷却手段によって冷却することで、居室内の循環空気の温調を行う空調機の熱負荷をより確実に低減させることができる。
【0018】
手段2.前記冷媒として、少なくとも空気温度を調節可能な温度調節機から排出される空気中水分凝縮ドレン水が用いられることを特徴とする手段1に記載の換気装置。
【0019】
上記手段2によれば、空調機や冷蔵冷凍庫などの温度調節機から排出され排水として捨てられる空気中水分凝縮ドレン水を冷媒として用いることで、冷却手段による空気の冷却を余分な電気エネルギーを用いることなく行うことができる。この空気中水分凝縮ドレン水は、除湿コイルの表面において温度調節機により温調されて出てきた空気より低い温度まで冷却されており、冷熱として十分のポテンシャルを持っているが自由水として排水されるだけの存在であった。従って、通常単に排出される空気中水分凝縮ドレン水の冷熱エネルギーを有効的に利用することができ、省エネルギー性能や環境性能の点でより良好な性能を得ることができる。
【0020】
手段3.前記装置本体部は、
前記ダブルスキン内から前記居室内に連通する第一連通部に対応して設けられ、前記ダブルスキン内の空気を前記居室内に送るための第一送風ファンと、
前記居室内から前記ダブルスキン内に連通する第二連通部に対応して設けられ、前記居室内の空気を前記ダブルスキン内に送るための第二送風ファンとを備えることを特徴とする手段1又は2のいずれかに記載の換気装置。
【0021】
上記手段3によれば、例えば冬季などにおいては、第一送風ファン及び第二送風ファンを動作させることで、ダブルスキン内及び居室内の間で空気をやりとりさせることができる。これにより、ダブルスキン内の空気の熱を利用して居室内を暖めることができ、居室内の空気循環の空調機における暖房に係るコストや空調負荷を低減させることができる。尚、夏季などにおいては、両送風ファンを停止させることによって、ダブルスキン内の高温空気が居室内に移動することを抑制できる。
【0022】
手段4.前記装置本体部において前記再生モードでの動作が可能な否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記装置本体部における前記再生モードでの動作が可能であると判定された場合に、該装置本体部における動作モードを、前記通常モードから前記再生モードへと切換可能な動作モード切換手段とを備え、
前記判定手段は、時刻に関する情報を取得するための時刻情報取得手段、前記居室内における二酸化炭素濃度に関する情報を取得するための濃度情報取得手段及び前記居室内における人の有無に関する情報を取得するための人有無情報取得手段のうちの少なくとも2つから取得された少なくとも2つの情報に基づき前記再生モードでの動作が可能か否かを判定することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の換気装置。
【0023】
上記手段4によれば、判定手段による判定結果に基づき、装置本体部の動作モードを、自動的に通常モードから再生モードへと切換えることができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0024】
また、上記手段4によれば、判定手段は、時刻に関する情報、居室内における二酸化炭素濃度に関する情報、及び、居室内における人の有無に関する情報のうちの少なくとも2つの情報に基づき、再生モードでの動作が可能か否かを判定する。従って、再生モードにて動作可能な時期、すなわち通常モードによる居室内の換気を停止しても問題ない時期をより正確に把握することができ、より適切な時期に再生モードでの動作を行うことができる。
【0025】
尚、時刻情報取得手段は、例えば時計機能を実現するためのIC等によって構成することができ、濃度情報取得手段は、例えばCO2センサによって構成することができ、人有無情報取得手段は、例えば居室内の人体が衣服を通じて発する熱を赤外線を検出することで検知する熱センサや、居室内のある点の人の移動を超音波などを利用して遮りなどで検知する超音波センサ、さらに人が携帯する携帯端末が利用する居室内WiFi電波の利用状況を把握することで人の有無を検知する人検知装置などの人感センサにより構成することができる。
【0026】
手段5.上記手段1乃至4のいずれかに記載の前記装置本体部を複数備えてなる換気システムであって、
少なくとも空気温度を調節可能な温度調節機から排出される空気中水分凝縮ドレン水を貯留するドレンタンクを有するとともに、前記冷媒として前記ドレンタンクに貯留された空気中水分凝縮ドレン水が用いられるように構成され、
前記冷却手段による空気の冷却を同時に行う前記装置本体部の数が、前記装置本体部の総数よりも少なくなるように前記冷却手段を制御する冷却時期制御手段を備えることを特徴とする換気システム。
【0027】
上記手段5によれば、上記手段2と同様に、空気中水分凝縮ドレン水を冷媒として用いて冷却手段による空気の冷却が行われるため、ドレン水の冷熱エネルギーを有効的に利用することができ、省エネルギー性能や環境性能の点でより良好な性能を得ることができる。
【0028】
また、上記手段5によれば、冷却時期制御手段によって、冷却手段による空気の冷却を同時に行う装置本体部の数が、装置本体部の総数よりも少なくなるように冷却手段が制御される。例えば、各装置本体部において、空気の冷却が順番に(ローテーションで)行われるように冷却手段が制御される。従って、ドレン水の不足に伴い冷却手段による空気の冷却が不十分となることをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態において、事務所ビル及び換気システムなどの概略構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態において、装置本体部などの概略構成を示す模式図である。
図3】第1実施形態において、通常モードにおける空気の流れなどを説明するための模式図である。
図4】第1実施形態において、再生モードにおける空気の流れなどを説明するための模式図である。
図5】第2実施形態において、電算ビルなどの概略構成を示す模式図である。
図6】第3実施形態において、店舗建物や装置本体部などの概略構成を示す模式図である。
図7】第3実施形態において、通常モードにおける空気の流れなどを説明するための模式図である。
図8】第3実施形態において、再生モードにおける空気の流れなどを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、換気システム1は、建物としての事務所ビル101に設けられた居室102について、居室102内にいる人間の保健衛生のため室内で発生する呼気などの有害ガス、臭気、粉塵などを、除塵処理された外気を導入しその代わりに前記物質を含む室内空気の一部を排気する換気制御などを行うためのものである。まず、換気システム1が設けられる事務所ビル101について説明する。尚、図1等では、説明の便宜上、事務所ビル101及び後述する換気装置3を別々に示しているが、実際には、事務所ビル101内における居室102の一部などの所定位置に換気装置3が設置されている。また、図2では、図示の便宜上、事務所ビル101及び該事務所ビル101の有する1の居室102等を別々に示している。
【0031】
事務所ビル101は、事務所などに用いられる居室102を複数備えた比較的高層の建築物であり、外壁部及び屋根部を備えている。事務所ビル101の外壁部は、壁内部の空気層による建物の貫流負荷の軽減、日射負荷の削減などを目的として窓部や壁体を二重構造とする、少なくとも日射により内部の空気の熱せられるダブルスキン103によって構成されている。ダブルスキン103は、事務所ビル101の各階層に亘って設けられている。また、ダブルスキン103は、各階層の居室102と隣接する位置に設けられており、壁部104によってダブルスキン103の内部空間と居室102の内部空間とが画された状態となっている。ダブルスキン103は、例えば室外側のガラス(アウターガラス)と室内側のガラス(インナーガラスであり、これが壁部104に相当)とその中間層(内部空間)とからなる構造をとっている。ガラスの代わりに不透明な板材であっても良い。
【0032】
さらに、各居室102内には、濃度情報取得手段としてのCO2センサ105と、人有無情報取得手段としての熱センサ106とが設けられている。CO2センサ105は、居室102内における二酸化炭素濃度に関する情報を取得するためのものであり、熱センサ106は、居室102内の人体が衣服を通じて発する熱を赤外線を検出するなどにより検知することで居室102内における人の有無に関する情報を取得するためのものである。CO2センサ105及び熱センサ106により取得された情報は、後述する制御装置5へと出力される。尚、図2では、居室102内にCO2センサ105及び熱センサ106を1つずつ設けた状態を示しているが、CO2センサ105及び熱センサ106の設置数や設置場所については適宜変更可能である。
【0033】
また、事務所ビル101外には、居室102内における空気の温度や湿度を調節するため室内空気を循環して温調する空調機107の室外機(図示せず)が設けられている。本実施形態では、空調機107(室内機)が温度調節機に相当する。空調機107により居室102内の空気の循環空調を行う場合(例えば、空調機107により居室102内を冷房する場合)には、空調機107(室内機)の冷却コイル表面に空気中水分が凝縮して、空気中水分凝縮ドレン水が排出され得る。
【0034】
次いで、換気システム1について説明する。換気システム1は、ドレン水回収供給装置2及び換気装置3を備えている。
【0035】
ドレン水回収供給装置2は、空調機107から排出された空気中水分凝縮ドレン水を回収して貯留した上で、貯留された空気中水分凝縮ドレン水を換気装置3(特に後述する冷却コイル43)へと供給するためのものである。ドレン水回収供給装置2は、ドレン水回収路21、ドレンタンク22及びドレン水供給路23を備えている。
【0036】
ドレン水回収路21は、空調機107(の室外機)及びドレンタンク22をつなぐ空気中水分凝縮ドレン水の流路であり、ドレン水回収路21を介して、各空調機107(の室外機)から排出された空気中水分凝縮ドレン水がドレンタンク22へと送られるようになっている。ドレン水回収路21を通って回収された空気中水分凝縮ドレン水は、ドレンタンク22に貯留される。
【0037】
ドレン水供給路23は、ドレンタンク22及び後述する複数の装置本体部4(特に冷却コイル43)をつなぐ空気中水分凝縮ドレン水の流路である。ドレン水供給路23には送出ポンプ24が設置されており、該送出ポンプ24の動作により、ドレン水供給路23を介して、ドレンタンク22に貯留された空気中水分凝縮ドレン水が各装置本体部4(特に冷却コイル43)へと送られるようになっている。尚、装置本体部4に送られたドレン水は、冷却コイル43の内部を通った上で、所定のドレン水排出路26を通って排出される。
【0038】
また、ドレン水供給路23のうち、各装置本体部4へと個別に接続される各流路のそれぞれには、供給対象切換用バルブ25が設置されている。供給対象切換用バルブ25は、ドレンタンク22から空気中水分凝縮ドレン水が供給される装置本体部4(冷却コイル43)を切換えるために用いられる。
【0039】
換気装置3は、装置本体部4及び装置本体部4の動作制御などを行う制御装置5を備えている。装置本体部4と制御装置5とは、1対1であっても良いし、多対1であってもよい。
【0040】
装置本体部4は、居室102ごとに1又は複数設けられており、給気路41、全熱交換器42、冷却手段としての冷却コイル43、デシカント材44、給気対象切換手段としての第一開閉バルブ45a及び第二開閉バルブ45b、排気路46並びに排気対象切換手段としての第三開閉バルブ47a及び第四開閉バルブ47bを備えている。尚、図2では、1の装置本体部4の構成を示しているが、その他の装置本体部4も同様の構成を有している。
【0041】
給気路41は、外部からの空気が流入する共通給気路413と、それぞれ共通給気路413の最下流部に連なる分岐形成された第一供給先給気路411及び第二供給先給気路412とを備えている。第一供給先給気路411における空気の吹出口はダブルスキン103内に設定される一方、第二供給先給気路412における空気の吹出口は居室102内に設定されている。
【0042】
全熱交換器42は、例えば静止型の全熱交換器である全熱交換エレメント、外部からの空気を吸い込んで給気する給気ファン、及び排気を外部へ排気する排気ファンを有しており、共通給気路413内の空気が通る流路と後述する共通排気路463内の空気が通る流路とを備えている。これら流路は例えば伝熱性及び透湿性を有する材料からなる仕切部(図示せず)により仕切られている。全熱交換器42によって、共通給気路413を通る空気及び共通排気路463を通る空気の間で全熱交換が行われる。
【0043】
全熱交換エレメントから建物内部へ取り込まれる給気に関し、共通給気路413では、全熱交換器42の給気ファンの動作によって、外部から共通給気路413内に外部空気が搬送される(流入する)とともに、この空気が前記供給先給気路411,412を通って居室102内やダブルスキン103内へと吹出されるようになっている。すなわち、共通給気路413を通った空気の供給先がダブルスキン103内及び居室102内に分岐するように構成されている。
【0044】
冷却コイル43は、共通給気路413における全熱交換器42及びデシカント材44間に設置されており、内部を所定の冷媒が流れることによって共通給気路413を通る空気を冷却する。本実施形態では、冷媒として、前記ドレンタンク22に貯留された空気中水分凝縮ドレン水が用いられる。
【0045】
デシカント材44は、水分を吸着するためのデシカント(乾燥剤)が充填又は塗布された通気性を有する素子を備えている。デシカント材44は、冷却コイル43よりも下流の共通給気路413に配設されており、前記デシカントにより水分を吸着することで共通給気路413を通る空気を除湿する。吸着により除湿するので、ほぼ等湿球温度線上の変化として吸着熱が発生する。また、デシカント材44は、固定状態で配設されており、移動用の機構(例えば回転機構)などを特に備えない構成とされている。
【0046】
さらに、デシカント材44は、自身が加熱されることによって、前記デシカントに吸着された水分を外部に放出する構成となっている。つまり、デシカント材44は、加熱されることによって、水分を十分に吸着可能な状態へと戻る(つまり再生する)ことが可能なものである。
【0047】
第一開閉バルブ45a及び第二開閉バルブ45bは、共通給気路413を通った空気の供給先を居室102内又はダブルスキン103内に切換えるためのものである。第一開閉バルブ45aは、第一供給先給気路411に設けられており、該第一供給先給気路411の開閉状態を切換える。第二開閉バルブ45bは、第二供給先給気路412に設けられており、該第二供給先給気路412の開閉状態を切換える。
【0048】
また、両開閉バルブ45a,45bは、制御装置5(特に後述する動作モード切換部53)によって動作制御されるように構成されている。共通給気路413を通った空気の供給先を居室102内とする場合には、制御装置5によって、第一供給先給気路411が閉状態となる一方、第二供給先給気路412が開状態となるように、両開閉バルブ45a,45bが制御される。一方、共通給気路413を通った空気の供給先をダブルスキン103内とする場合には、制御装置5によって、第一供給先給気路411が開状態となる一方、第二供給先給気路412が閉状態となるように、両開閉バルブ45a,45bが制御される。
【0049】
排気路46は、外部へと排出される空気が通る共通排気路463と、それぞれ共通排気路463の最上流部に連なる第一流入元排気路461及び第二流入元排気路462とを備えている。第一流入元排気路461における空気の吸込口はダブルスキン103内に設定される一方、第二流入元排気路462における空気の吸込口は居室102内に設定されている。また、前述のように全熱交換器が備える排気ファンの動作によって、居室102内やダブルスキン103内から流入元排気路461,462内に空気が吸込まれる(流入する)とともに、この空気が共通排気路463内を通って外部に排出されるようになっている。すなわち、共通排気路463に対する空気の流入元がダブルスキン103内及び居室102内の双方となるように構成されている。
【0050】
第三開閉バルブ47a及び第四開閉バルブ47bは、共通排気路463に対する空気の流入元を居室102内又はダブルスキン103内に切換えるためのものである。第三開閉バルブ47aは、第一流入元排気路461に設けられており、該第一流入元排気路461の開閉状態を切換える。第四開閉バルブ47bは、第二流入元排気路462に設けられており、該第二流入元排気路462の開閉状態を切換える。
【0051】
また、両開閉バルブ47a,47bは、上述した第一開閉バルブ45a及び第二開閉バルブ45bと同様に、制御装置5(特に後述する動作モード切換部53)によって動作制御されるように構成されている。共通排気路463に対する空気の流入元を居室102内とする場合には、制御装置5によって、第一流入元排気路461が閉状態となる一方、第二流入元排気路462が開状態となるように、両開閉バルブ47a,47bが制御される。一方、共通排気路463に対する空気の流入元をダブルスキン103内とする場合には、制御装置5によって、第一供給先給気路411が開状態となる一方、第二供給先給気路412が閉状態となるように、両開閉バルブ47a,47bが制御される。
【0052】
加えて、装置本体部4は、第一送風ファン48a及び第二送風ファン48bを有している。第一送風ファン48aは、ダブルスキン103内から居室102内に連通する第一連通部104aに対応して設けられている。第一送風ファン48aの動作によって、ダブルスキン103内の空気を居室102内へと送ることが可能となる。一方、第二送風ファン48bは、居室102内からダブルスキン103内に連通する第二連通部104bに対応して設けられている。第二送風ファン48bの動作によって、居室102内の空気をダブルスキン103内へと送ることが可能となる。
【0053】
さらに、装置本体部4は、通常モード又は再生モードにて動作可能とされている。通常モードは、居室102内に対して心地よい外部空気を送るためのモードであり、再生モードは、デシカント材44を再生させるためのモードである。
【0054】
通常モードでは、図3に示すように、第一、第二開閉バルブ45a,45bにより共通給気路413を通った空気の供給先が居室102内とされるとともに、第三、第四開閉バルブ47a,47bにより共通排気路463に対する空気の流入元が居室102内とされる。これにより、給気路41を通って居室102内へと全熱交換器42及びデシカント材44を経た空気が供給されるとともに、排気路46を通って居室102内の空気の一部が外部に排出される状態となる。
【0055】
一方、再生モードでは、図4に示すように、第一、第二開閉バルブ45a,45bにより共通給気路413を通った空気の供給先がダブルスキン103内とされるとともに、第三、第四開閉バルブ47a,47bにより共通排気路463に対する空気の流入元がダブルスキン103内とされる。これにより、給気路41を通ってダブルスキン103内へと全熱交換器42及びデシカント材44を経た空気が供給されるとともに、排気路46を通ってダブルスキン103内の空気が外部に排出される状態となる。この状態においては、全熱交換器42によって、ダブルスキン103内から流出し共通排気路463を通る空気を利用して共通給気路413を通る空気の加熱が行われ、この加熱された空気によってデシカント材44を加熱して再生させることが可能となる。
【0056】
また、装置本体部4における動作モードの切換えは、前記制御装置5により行われる。そこで次に、制御装置5について説明する。
【0057】
制御装置5は、各装置本体部4の動作制御などを行うためのものであり、例えばCPUやメモリ、入出力端子などを備えたコンピュータシステム等により構成されている。制御装置5は、時刻情報取得手段としての時刻情報取得部51、判定手段としての判定部52、動作モード切換手段としての動作モード切換部53及び冷却時期制御手段としての冷却時期制御部54を備えている(図1及び図2参照)。尚、本実施形態において、時刻情報取得部51、判定部52及び動作モード切換部53は、各装置本体部4の動作制御において共通に用いられるようになっているが、これらを装置本体部4ごとに設けることとしてもよい。
【0058】
時刻情報取得部51は、現在の時刻を把握するための時計と、スケジュールされる設定時刻及び現在時刻の合致によるスイッチとの、それぞれが機能するものであり、本実施形態では制御装置5に内蔵された時計機能を実現するためのICによって構成されている。
【0059】
判定部52は、時刻情報取得部51から取得した時刻に関する情報、CO2センサ105から取得した居室102内の二酸化炭素濃度に関する情報及び熱センサ106から取得した居室102内における人の有無に関する情報に基づき、装置本体部4ごとに、再生モードでの動作が可能か否かを判定する。本実施形態において、判定部52は、取得した各情報に基づき、夜間から早朝にかけての時刻であって、居室102内の二酸化炭素濃度が所定値よりも低く、かつ、居室102内に人がいないと想定される場合に、再生モードでの動作が可能であると判定する。勿論、この判定手法は例示であって、適宜変更可能である。また、例えば、曜日ごとに、再生モードでの動作が可能か否かの判定対象となる装置本体部4が異なるように設定してもよい。
【0060】
尚、判定部52は、時刻情報取得部51、CO2センサ105及び熱センサ106のうちの少なくとも2つから取得された少なくとも2つの情報に基づき、再生モードでの動作が可能か否かを判定するものであってもよい。また、熱センサ106に代えて又は加えて、人有無情報取得手段として、居室102内のある点の人の移動を超音波などを利用して遮りなどで検知する超音波センサ、さらには人が携帯する携帯端末が利用する居室102内のWiFi電波等の利用状況を把握して居室102内の人の有無を検知する人検知装置などの他形式の人感センサを用いてもよい。
【0061】
動作モード切換部53は、装置本体部4における動作モードを切換えるためのものである。動作モード切換部53は、判定部52によって再生モードでの動作が可能であると判定された場合、この判定に係る装置本体部4の動作モードを、通常モードから再生モードへと切換える。また、動作モード切換部53は、時刻情報取得部51から取得した時刻に関する情報に基づき、現在の時刻が後述する再生モード終了時刻になったことを把握すると、装置本体部4における動作モードを、再生モードから通常モードへと切換える。
【0062】
冷却時期制御部54は、再生モードから通常モードへの切換時刻を示す再生モード終了時刻の設定や、装置本体部4(冷却コイル43)に対する選択的なドレン水の供給などを行うためのものである。冷却時期制御部54は、動作モードが通常モードから再生モードへと切換えられた装置本体部4ごとに、再生モード終了時刻を設定する。本実施形態において、冷却時期制御部54は、基本的には、通常モードから再生モードへの切換時刻を基準時刻として、この基準時刻から予め設定された再生動作時間が経過した時刻を再生モード終了時刻に設定する。
【0063】
但し、冷却時期制御部54は、所定の冷却実行期間が時間的に重なることになる装置本体部4の数が予め設定された同時稼働数未満の数となるように、各装置本体部4における再生モード終了時刻を設定する。冷却実行期間は、再生モード終了時刻を始期とし、再生モードの終了時から予め設定された一定時間が経過したときを終期とした期間であり、冷却コイル43による空気の冷却が実行される期間である。また、同時稼働数は、換気システム1の有する装置本体部4の総数未満に設定されるものであり、ドレンタンク22に貯留可能なドレン水の量によって適宜設定される。
【0064】
本実施形態では、例えば、前記同時稼働数が3に設定されている一方、上述した基本的な再生モード終了時刻の設定手法を用いると、前記冷却実行期間が時間的に重なることになる装置本体部4の数が4つ以上となるような場合、このような装置本体部4の数が3つ以下となるように、冷却時期制御部54によって、各装置本体部4における再生モード終了時刻が調節される。本実施形態において、冷却時期制御部54は、1つの装置本体部4のみにおいて冷却コイル43による空気の冷却が行われるように、又は、前記同時稼働数未満の複数の装置本体部4において冷却コイル43による空気の冷却が同時に行われるように、再生モード終了時刻を設定する。尚、冷却時期制御部54は、例えば各装置本体部4における前記冷却実行期間がそれぞれ異なるものとなるように、つまり、冷却コイル43による空気の冷却が所定のローテーションで(順序に従って)行われるように、各装置本体部4における再生モード終了時刻を設定してもよい。
【0065】
また、冷却時期制御部54は、設定された再生モード終了時刻になると、この再生モード終了時刻に係る装置本体部4の冷却コイル43が冷却動作を行うように該冷却コイル43の動作を制御する。より詳しくは、冷却時期制御部54は、再生モード終了時刻に係る装置本体部4の冷却コイル43へと空気中水分凝縮ドレン水が供給されるように、供給対象切換用バルブ25を制御し該冷却コイル43に係るドレン水供給路23を開状態とすることで、該冷却コイル43の動作を制御する。本実施形態では、再生モード終了時刻が上記のように設定されるため、1つ又は複数の装置本体部4ごとに別々で、冷却コイル43による空気の冷却が行われることとなる。また、再生モード終了時刻が上記のように設定されることで、結果的に、冷却コイル43による空気の冷却を同時に行う装置本体部4の数が装置本体部4の総数よりも少なくなるように、冷却コイル43の動作が制御されることとなる。
【0066】
尚、冷却コイル43に対するドレン水の供給を開始してから前記冷却実行期間が経過すると、冷却時期制御部54は、供給対象切換用バルブ25を制御し該冷却コイル43に対する空気中水分凝縮ドレン水の供給を停止する。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態によれば、通常モードでは、共通給気路413を通った空気(外部からの空気)の供給先、及び、共通排気路463に対する空気の流入元(排出される空気の流入元)がそれぞれ居室102内とされる。そして、外部からの空気は、全熱交換器42及びデシカント材44を経て居室102内へと供給される。全熱交換器42によって外部からの空気と居室102内から外部へと排出される空気との全熱交換が行われることで、居室102内へと供給される外部空気の温度は居室102外へと排出される空気の温度により近づけられる。さらに、デシカント材44によって外部からの空気に含まれる水分が吸着されることで、居室102内へと供給される空気の湿度が低減される。
【0068】
このように居室102内へと供給される空気の温度調節及び湿度低減が行われることより、夏季など、外部の空気の温度や湿度が比較的高くなりやすい時期において、居室102内に供給される空気を、居室102内の人員にとってより心地よいものとすることが可能となる。また、居室102内の空調を行う空調機107における空調負荷を低減させることができ、ひいては省エネルギー性能や環境性能(CO2排出量など)の点で良好な性能を得ることができる。さらに、圧縮動作等により空気の除湿を行うタイプの除湿機ではなく、水分を吸着するデシカント材44を利用して除湿を行うため、たとえ吸着熱で乾球温度が少し上昇しても、その後の空調負荷を処理する空調機107の冷却コイルにおける冷媒温度と空気温度が近い場での除湿という潜熱負荷処理を、対数平均温度差において大きな温度差が取れる顕熱負荷の冷却処理に置き換えることができ、これにより循環温調する空調機107の冷却コイルの列数が削減できることで、除湿に係るコストの低減や装置の小型化を図ることができる。
【0069】
一方、デシカント材44における吸着可能な水分量には限界があるため、デシカント材44による除湿機能を維持するためには、デシカント材44を再生させること、すなわちデシカント材44を加熱し吸着された水分を蒸発させることが必要となる。この点、本実施形態では、再生モードにおいて、共通給気路413を通った空気(外部からの空気)の供給先、及び、共通排気路463に対する空気の流入元(排出される空気の流入元)がそれぞれダブルスキン103内とされる。そして、ダブルスキン103内から流出した、二重構造内の空気層へ日射熱が継続して与えられた結果比較的高温になった空気を全熱交換器42により熱交換して利用することで共通給気路413を通る空気が加熱され、この加熱された空気によってデシカント材44が加熱されて再生され続ける状態が継続され再生されることになる。
【0070】
このように再生モードでは、ダブルスキン103内の空気の有する熱エネルギーを有効活用してデシカント材44の再生が行われるため、再生のための熱エネルギーを生じさせる熱源装置を別途設ける必要がなく、再生熱は日射熱由来であって再生に係るコストの低減や省エネルギー性能の更なる向上を図ることができる。
【0071】
また、再生モードでは、ダブルスキン103内の空気がデシカント材44に直接供給されるのではなく、全熱交換器42によりダブルスキン103内の空気を用いて共通給気路413を通る空気が加熱され、この加熱された空気がデシカント材44へと供給される。従って、ダブルスキン103内の空気をデシカント材44に直接供給するための流路を不要とすることができ、コストや小型化などの点でより有利となる。
【0072】
さらに、通常モードにおいてデシカント材44によって除湿される空気と、再生モードにおいてデシカント材44を加熱して再生するための空気とはそれぞれ同じ流路(共通給気路413)を通ってデシカント材44に供給される。ここで、デシカント材44によって除湿される空気の流路(前者の流路)と、デシカント材44を加熱して再生するための空気の流路(後者の流路)とを別々に設けた場合には、デシカント材44において、前者の流路に対応して配置される部位と後者の流路に対応して配置される部位とを交互に変更する(入れ換える)必要がある。そのため、デシカント材44を移動可能(例えば回転可能)な構成とせざるを得ない。この点、本実施形態では、デシカント材44によって除湿される空気と、デシカント材44を加熱して再生するための空気とはそれぞれ同じ流路(共通給気路413)を通ってデシカント材44に供給されるため、デシカント材44を移動可能に構成する必要はなく、デシカント材44を固定状態で配設することができる。そのため、デシカント材44を移動可能に構成した場合と比べて、コスト低減や小型化を一層図ることができる。
【0073】
加えて、再生モードにおいてデシカント材44に供給される空気(再生用空気)の流れと、除湿時(通常モード)においてデシカント材44に供給される空気(除湿される空気)の流れとを同一とすることができる。そのため、デシカント材44における水分の吸着された部分に対し加熱された空気をより確実に当てることができ、水分を効果的に蒸発させることができる。その結果、デシカント材44の再生を効率よく行うことができる。
【0074】
また、再生モードでは、デシカント材44の加熱時(再生時)に生じる水蒸気の気化熱で空気が冷却され、この冷却された空気がダブルスキン103内へと供給されることとなる。そのため、この気化熱により乾球温度で比較的低温とされた外部からの空気を用いて、ダブルスキン103内の空気の入替を行うことができる。その結果、ダブルスキン103内における過度の温度上昇を抑えることができ、ひいては過度の温度上昇に伴う各種不具合(例えば、空気層である二重構造内の空気温度の内側仕切りを通した伝熱増加による居室102内の熱負荷増加や、二重構造の加熱による構造体劣化など)の発生をより確実に抑えることができる。
【0075】
さらに、冷却コイル43によって共通給気路413における全熱交換器42及びデシカント材44間を通る空気を冷却することができる。そのため、再生モードから通常モードへと切換えたときにおいて、それまでの再生に伴いデシカント材44が熱を持った状態となっていたとしても、冷却コイル43により空気を冷却することで、居室102内へと高温の空気が供給されてしまうことをより確実に防止できる。これにより、再生モードから通常モードへと切換えた直後であっても、居室102内に外部から導入供給される空気を居室102内の人員にとって心地よいものとすることがより確実に可能となる。また、通常モードにおいても、外部からの導入空気からデシカント材44にて除湿する際に発生する吸着熱による外部の空気の加熱を、冷却コイル43によって冷却することで、居室102内の循環空気の温調を行う空調機107の熱負荷をより確実に低減させることができる。
【0076】
加えて、空調機107から排出され排水として捨てられる空気中水分凝縮ドレン水を冷媒として用いることで、冷却コイル43による空気の冷却を余分な電気エネルギーを用いることなく行うことができる。この空気中水分凝縮ドレン水は、除湿コイル(空調機107内蔵のコイル)の表面において温度調節機(空調機107)により温調されて出てきた空気より低い温度まで冷却されており、冷熱として十分のポテンシャルを持っているが自由水として排水されるだけの存在であった。従って、通常単に排出される空気中水分凝縮ドレン水の冷熱エネルギーを有効的に利用することができ、省エネルギー性能や環境性能の点でより良好な性能を得ることができる。
【0077】
また、例えば冬季などにおいては、第一送風ファン48a及び第二送風ファン48bを動作させることで、ダブルスキン103内及び居室102内の間で空気をやりとりさせることができる。これにより、ダブルスキン103内の空気の熱(日射熱由来で外壁を通して継続的に与えられる熱)を利用して居室102内を暖めることができ、居室102内の空気循環の空調機107における暖房に係るコストや空調負荷を低減させることができる。尚、夏季などにおいては、両送風ファン48a,48bを停止させることによって、ダブルスキン103内の高温空気が居室102内に移動することを抑制できる。
【0078】
さらに、本実施形態では、判定部52による判定結果に基づき、装置本体部4の動作モードを自動的に通常モードから再生モードへと切換えることができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0079】
また、判定部52は、時刻に関する情報、居室102内における二酸化炭素濃度に関する情報、及び、居室102内における人の有無に関する情報のうちの少なくとも2つの情報に基づき、再生モードでの動作が可能か否かを判定する。従って、再生モードにて動作可能な時期、すなわち通常モードによる居室102内の換気を停止しても問題ない時期をより正確に把握することができ、より適切な時期に再生モードでの動作を行うことができる。
【0080】
さらに、冷却時期制御部54によって、冷却コイル43による空気の冷却を同時に行う装置本体部4の数が、装置本体部4の総数よりも少なくなるように冷却コイル43が制御される。従って、ドレン水の不足に伴い冷却コイル43による空気の冷却が不十分となることをより確実に防止できる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。図5に示すように、本第2実施形態における建物としての電算ビル111は、複数の居室102とともに、多数のコンピュータシステム及びこれに関連する機器等が設置される電算室112を有する構成となっている。尚、図5では、説明の便宜上、電算ビル111及び該電算ビル111の有する1の居室102等を別々に示している。また、電算ビル111は、上記第1実施形態における事務所ビル101と同様に、外壁部を構成するダブルスキン103を備えるものである。
【0081】
さらに、居室102及び電算室112のそれぞれに対応して室内の空調を行うための空調機107(図示するのは室内機であり、室外機は図示しない)が複数設けられており、これら空調機107(室内機が有する冷却コイル)から空気中水分凝縮ドレン水が排出されるようになっている。排出された空気中水分凝縮ドレン水は、上記第1実施形態と同様に、ドレンタンク22に貯留される。
【0082】
一方、本第2実施形態において、電算ビル111は、多数の居室102を備えるものとはされておらず、その結果、居室102に対応する装置本体部4の数が比較的少数となっている。そのため、空調機107から排出されてドレンタンク22に貯留される空気中水分凝縮ドレン水の量は、装置本体部4の数に対して十分に多いものとなる。
【0083】
この点を考慮して、本第2実施形態では、全ての装置本体部4において、冷却コイル43による空気の冷却を同時に行うことが可能に構成されている。具体的には、上記第1実施形態で述べた、再生モード終了時刻の基本的な設定手法のみを用いて、再生モード終了時刻が設定されることで、全ての装置本体部4において、冷却コイル43による空気の冷却を同時に行うことが可能とされている。
【0084】
以上、本第2実施形態によれば、基本的には、除湿に係るコストの低減や装置の小型化等、上記第1実施形態による作用効果と同様の作用効果が奏されることとなる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。本第3実施形態における建物としての店舗建物121は、例えばコンビニエンスストアなどであり、居室122を有している。居室122は、商品が陳列されており、商品の販売などを行うための売り場室122aと、該売り場室122aに隣接設置されており、商品倉庫や従業員用のスペースとして利用されるバックヤード室122bとを備えている。また、通気口124を通って、売り場室122a内からバックヤード室122b内へと空気を送ることが可能に構成されている。尚、図6では、図示の便宜上、店舗建物121及び居室122が2つずつ示されているが、実際には、店舗建物121及び居室122は1つずつである。
【0085】
さらに、上記第1実施形態において、ダブルスキン103は事務所ビル101の外壁部を構成しているのに対し、本第3実施形態において、ダブルスキン123は店舗建物121の屋根部を構成している。コンビニエンスストア等の店舗建物121は平屋建てである場合があり、広大な屋根部を有してそこへ日射が降り注ぐことになる。ダブルスキン123は、屋根と天井とにより構成される天井裏として中間層が設置されており、日射などにより内部の空気が熱せられるという点で、上記第1実施形態におけるダブルスキン103と同様である。
【0086】
また、本第3実施形態において、ドレン水回収供給装置2のドレン水回収路21は、空気温度を調節することで商品の冷蔵や冷凍などを行う温度調節機としての冷蔵冷凍庫127に接続されている。冷蔵冷凍庫127は図示しない室外機を、店舗建物121の外部に設けている。そして、冷蔵冷凍庫127(の有する空気冷却コイル)のフロン冷媒が内部を流通するチューブとそれと密着するフィン表面に空気が接触して空気中水分が凝縮して発生する空気中水分凝縮ドレン水は、ドレン水回収路21を介してドレンタンク22へと送られて、該ドレンタンク22に貯留されるようになっている。
【0087】
加えて、本第3実施形態において、第一供給先給気路411における空気の吹出口はダブルスキン123内に設定される一方、第二供給先給気路412における空気の吹出口は売り場室122a内に設定されている。すなわち、共通給気路413を通った空気の供給先は、ダブルスキン123内及び売り場室122a内に分岐するように構成されている。
【0088】
さらに、本第3実施形態において、第一流入元排気路461における空気の吸込口はダブルスキン123内に設定される一方、第二流入元排気路462における空気の吸込口はバックヤード室122b内に設定されている。すなわち、共通排気路463に対する空気の流入元は、ダブルスキン123内及びバックヤード室122b内の双方となるように構成されている。
【0089】
また、本第3実施形態では、通常モードから再生モードへの切換えは、例えば、手動により制御装置5を操作することで行われるようになっている。
【0090】
そして、本第3実施形態において、通常モードでは、図7に示すように、第一、第二開閉バルブ45a,45bにより共通給気路413を通った空気の供給先が売り場室122a内とされるとともに、第三、第四開閉バルブ47a,47bにより共通排気路463に対する空気の流入元がバックヤード室122b内とされる。これにより、給気路41を通って売り場室122a内へと全熱交換器42及びデシカント材44を経た空気が供給されるとともに、排気路46を通ってバックヤード室122b内の空気が外部に排出される状態となる。
【0091】
一方、再生モードでは、図8に示すように、第一、第二開閉バルブ45a,45bにより共通給気路413を通った空気の供給先がダブルスキン123内とされるとともに、第三、第四開閉バルブ47a,47bにより共通排気路463に対する空気の流入元がダブルスキン123内とされる。これにより、給気路41を通ってダブルスキン123内へと全熱交換器42及びデシカント材44を経た空気が供給されるとともに、排気路46を通ってダブルスキン123内の空気が外部に排出される状態となる。
【0092】
以上、本第3実施形態によれば、基本的には、除湿に係るコストの低減や装置の小型化等、上記第1実施形態による作用効果と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0093】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0094】
(a)上記実施形態では、冷却コイル43の内部を循環する冷媒として、空調機107や冷蔵冷凍庫127から排出される空気中水分凝縮ドレン水を用いているが、空気中水分凝縮ドレン水以外の冷媒を用いてもよい。
【0095】
(b)上記実施形態では、建物として事務所ビル101、電算ビル111及び店舗建物121を挙げているが、建物はこれらに限定されるものではない。従って、建物は、比較的高層の店舗ビルや博物館などの施設建物、役所などの公共建物などであってもよい。
【0096】
(c)上記実施形態において、供給対象切換手段及び排気対象切換手段は、それぞれ2つの開閉バルブにより構成されているが、1の分岐バルブによって供給対象切換手段や排気対象切換手段を構成してもよい。
【0097】
(d)上記実施形態において、外部の空気や排気を搬送する給気ファンや排気ファンを全熱交換器42が備えているが、これに限らず、共通給気路や共通排気路にそれぞれファンを備えて空気を搬送することとしても良い。
【符号の説明】
【0098】
1…換気システム、3…換気装置、4…装置本体部、22…ドレンタンク、41…給気路、42…全熱交換器、44…デシカント材、45a…第一開閉バルブ(給気対象切換手段)、45b…第二開閉バルブ(給気対象切換手段)、46…排気路、47a…第三開閉バルブ(排気対象切換手段)、47b…第四開閉バルブ(排気対象切換手段)、48a…第一送風ファン、48b…第二送風ファン、51…時刻情報取得部(時刻情報取得手段)、52…判定部(判定手段)、53…動作モード切換部(動作モード切換手段)、54…冷却時期制御部(冷却時期制御手段)、101…事務所ビル(建物)、102,122…居室、103,123…ダブルスキン、105…CO2センサ(濃度情報取得手段)、106…熱センサ(人有無情報取得手段)、107…空調機(温度調節機)、111…電算ビル(建物)、121…店舗建物(建物)、127…冷蔵冷凍庫(温度調節機)、413…共通給気路、463…共通排気路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8