(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】薬剤廃棄物システム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A61J3/00 311Z
(21)【出願番号】P 2019513296
(86)(22)【出願日】2017-09-08
(86)【国際出願番号】 US2017050648
(87)【国際公開番号】W WO2018049139
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-04
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】メイネス,デイヴィッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンダーワウデ,ブライアン・ジェイ
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0207804(US,A1)
【文献】特表2013-542414(JP,A)
【文献】特表2016-505372(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0209550(US,A1)
【文献】米国特許第05167635(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0216205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
C02F 1/00-7/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IVバッグ中に配置された残留薬剤組成物を処理する薬剤廃棄物システムであって、
前記IVバッグと流体連通した状態に置かれ、前記IVバッグから前記残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出するように構成された抽出ステージと、
前記IVバッグを前記抽出ステージに結合するように構成された薬剤ディスペンサ継手と、
前記抽出ステージと流体連通しており、前記IVバッグから抽出される前記残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるように構成された薬剤廃棄物処理ステージと、
主ハウジングであって、前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージが前記主ハウジング内に少なくとも一部配置された、主ハウジングと
を備え
、
前記主ハウジングが、前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージへの未承認のアクセスを防ぐように構成された安全機構をさらに備える薬剤廃棄物システム。
【請求項2】
前記薬剤廃棄物処理ステージが、分離ステージとしてさらに定められ、前記分離ステージが、前記IVバッグから抽出される前記残留薬剤組成物を浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分とに分離するように構成された、請求項1に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項3】
前記分離ステージが、フィルタハウジングと前記フィルタハウジング内に配置されたフィルタ媒体とを備えたフィルタ組立体を備える、請求項2に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項4】
前記フィルタ媒体が、前記フィルタ媒体が前記汚染された廃棄物部分を保持するように、前記IVバッグから抽出される前記残留薬剤組成物の少なくとも一部に結合するように構成された、請求項3に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項5】
前記フィルタ媒体が、活性炭を含む、請求項3に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項6】
前記フィルタ組立体が、前記フィルタハウジングに取り外し可能に結合されている交換可能なカートリッジを備え、前記フィルタ媒体が、前記交換可能なカートリッジ内に配置された、請求項3に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項7】
前記薬剤廃棄物処理ステージが、化学処理ステージとしてさらに定められ、前記化学処理ステージが、前記IVバッグから抽出される前記残留薬剤組成物を化学的手法で処理するように構成された、請求項1に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項8】
前記化学処理ステージが、前記抽出ステージに流体連通している化学処理容器と、前記化学処理容器内に配置されている化学剤とを備える、請求項7に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項9】
前記化学剤が、不活性剤、変性剤、オキシダイザー、およびそれらの組合せを含む、請求項8に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項10】
前記抽出ステージが、前記薬剤ディスペンサ継手と流体連通しているポンプを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項11】
前記薬剤ディスペンサ継手が、第1のIVバッグに結合するように構成された第1の薬剤ディスペンサ継手としてさらに定められ、前記薬剤廃棄物システムは、第2のIVバッグに結合するように構成された第2の薬剤ディスペンサ継手をさらに備えており、前記抽出ステージがマニホールドを備え、前記マニホールドは、
前記第1および第2のIVバッグから前記残留薬剤組成物を受け取るように構成されている1つまたは複数のマニホールド入口と、
前記第1および第2のIVバッグから受け取った前記残留薬剤組成物を前記ポンプへ出力するように構成されているマニホールド出口と
を備える、請求項10に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項12】
前記抽出ステージが、前記薬剤廃棄物処理ステージと流体連通している貯槽を備え、前記貯槽が、前記IVバッグから抽出される前記残留薬剤組成物を一時的に保管するために前記薬剤廃棄物処理ステージの上流にある、請求項1~
11のいずれか一項に記載の薬剤廃棄物システム。
【請求項13】
安全機構を備える主ハウジングであって、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージが前記主ハウジング内に少なくとも一部配置された主ハウジングを備える薬剤廃棄物システムによって、IVバッグから残留薬剤組成物を処分する方法であって、
前記安全機構を作動させて前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージへの未承認のアクセスを防ぐことと、
前記IVバッグを薬剤ディスペンサ継手に結合することと、
前記IVバッグから前記薬剤ディスペンサ継手を通じて前記残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出することと、
前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を化学的手法および物理的手法のうちの一方で処理することと
を含む方法。
【請求項14】
前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージのうちの一方と流体連通している廃棄物分析ステージをさらに備え、前記廃棄物分析ステージが、前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージのうちの一方の出力または入力を分析するように構成されている、請求項1に記載の薬剤廃棄物システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本主題の特許出願は、2016年9月9日に出願された米国仮特許出願第62/385,746号および2016年12月6日に出願された米国仮特許出願第62/430,623号の優先権ならびに全利益を主張するものであり、その全ては引用によって本明細書の一部を成すものとする。
【0002】
本開示は、一般に、薬剤廃棄物システム(pharmaceutical waste system)、および残留薬剤組成物(residual pharmaceutical composition)を処分する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医療処置中、患者を助けるために、または痛み若しくは他の症状の管理を手助けするために、薬剤組成物、例えば流体薬剤組成物や固体薬剤組成物がしばしば利用されている。薬剤組成物は調合薬(pharmaceutical drug)を含み、調合薬は、患者を診断する、患者が有し得る病状を治療する、患者が有し得る病状を治す、ある種の病気に対して患者に免疫性を与える、患者が感じる痛みのレベルを管理する、または患者にいくらかの医療的な利益を与えるために、使用されることができる。薬剤組成物は、しばしば、多くの異なるタイプの薬剤ディスペンサ(pharmaceutical dispenser)から患者へ投与されている。例えば、急患治療設備および他の医療設備は、しばしば、静脈内(IV)バッグ、カセットもしくはカートリッジ、ボトル、混合バイアル、シリンジ、またはいくつかの他のタイプの薬剤ディスペンサから与えることができるこのような薬剤組成物を使用している。また、このような薬剤組成物は、患者の調節、すなわち、自己調節鎮痛法(PCA:Patient-Controlled Analgesia)を受けることができ、または資格を持っている医療専門家によって完全に調節され得る。
【0004】
患者がもはや薬剤組成物を必要としなくなると、この際に残留薬剤組成物と呼ばれる薬剤組成物の何らかの残りは、適切なやり方で処分されることが望ましい。残留薬剤組成物の適切な処分かつ適時の処分によって、任意の望ましくない調合薬の流用(すなわち、調合薬の盗み)、および/または残留薬剤組成物の不適切な使用または潜在的に危険な使用もしくは摂取を有効に阻止することができる。したがって、薬剤ディスペンサ中に配置された残留薬剤組成物を処理する薬剤廃棄物システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、薬剤ディスペンサ中に配置された残留薬剤組成物を処理する薬剤廃棄物システムが提供される。薬剤廃棄物システムは、薬剤ディスペンサと流体連通している抽出ステージを備える。抽出ステージは、薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出するように構成されている。薬剤廃棄物システムは、薬剤ディスペンサ継手(pharmaceutical dispenser coupler)をさらに備える。薬剤ディスペンサ継手は、薬剤ディスペンサを抽出ステージに結合するように構成されている。薬剤廃棄物システムは、抽出ステージと流体連通している薬剤廃棄物処理ステージ(pharmaceutical waste treatment stage)をさらに備える。薬剤廃棄物処理ステージは、薬剤ディスペンサから抽出される残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるように構成されている。
【0006】
本開示は、薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物を処分する方法も提供する。この方法は、薬剤ディスペンサを薬剤ディスペンサ継手に結合することを含む。上記方法は、薬剤ディスペンサから薬剤ディスペンサ継手を通じて残留薬剤ディスペンサ組成物の少なくとも一部を抽出することをさらに含む。上記方法は、抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を化学的手法および物理的手法のうちの一方で処理することをさらに含む。
【0007】
本開示の利点は、添付図面と一緒に検討するときに以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されると共により良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による薬剤廃棄物システムの概略図である。
【
図2A】主ハウジングを含む薬剤廃棄物システムの別の実施形態の斜視図である。
【
図2B】図示されていない主ハウジングの前壁を有する
図2Aの薬剤廃棄物システムの斜視図である。
【
図3】マニホールド、ポンプ、および貯槽を含む薬剤廃棄物システムの別の実施形態の概略図である。
【
図4】分離ステージ(separation stage)を含む薬剤廃棄物システムの別の実施形態の概略図である。
【
図5】化学処理ステージを含む薬剤廃棄物システムの別の実施形態の概略図である。
【
図6】分離ステージおよび化学処理ステージを含む薬剤廃棄物システムの別の実施形態の概略図である。
【
図7】一実施形態による残留薬剤組成物を処分する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、薬剤ディスペンサ12中に配置された残留薬剤組成物を処理する薬剤廃棄物システム10が提供される。薬剤廃棄物システム10は、薬剤ディスペンサ継手14と、抽出ステージ16と、薬剤廃棄物処理ステージ18とを備えることができる。
【0010】
薬剤廃棄物システムの何れのステージおよび/またはコンポーネントも、1つまたは複数の流体導管を介して互いに流体連通できることを理解されたい。また流体導管の設計は、特に限定されず、流体導管は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。非限定的な例として、流体導管は、あるコンポーネントから別のコンポーネントへおよび/またはあるステージから別のステージへ内部で残留薬剤組成物を移送するのに適したパイプ、チューブ、管路、または任意の他のタイプの流体導管であり得る。
【0011】
図1を再び参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤ディスペンサ12は、患者、被験者、または他の対象装置などに薬剤組成物を投与するのに適した任意のタイプの薬剤ディスペンサとすることができる。薬剤組成物は、患者を診断する、患者が有し得る病状を治療する、患者が有し得る病状を治す、ある種の病気に対して患者に免疫性を与える、患者が感じる痛みのレベルを管理する、またはさもなければ患者にいくらかの医療的な利益を与えるために使用され得る調合薬を含むことができる。薬剤組成物は、流体、ゲル、乳剤、粉末、カプセル、錠剤の形態、または任意の他の適切な形態をとることができる。薬剤ディスペンサ12は、静脈内(IV)バッグ、カセットもしくはカートリッジ、ボトル、混合バイアル、および/またはシリンジとすることができる。もちろん、さらに他のタイプの薬剤ディスペンサも考えられる。他の実施形態では、他の形態の液体医療廃棄物が、本明細書に記載された薬剤廃棄物システムを用いて処理されてもよい。
【0012】
薬剤ディスペンサは、薬剤組成物を出力するのに適したディスペンサ出口を備えることができる。ディスペンサ出口は、薬剤ディスペンサ継手との迅速かつ効率的な結合を助けるために任意の適切な形態をとることができる。一実施形態では、ディスペンサ出口は、ルアーロック取付具とすることができる。このようにして、薬剤ディスペンサは、薬剤組成物が漏れのリスクなしで薬剤ディスペンサから除去できるように、薬剤ディスペンサに迅速に結合することができる。もちろん、迅速かつ効率的な結合を助けるさらに他のディスペンサ出口が考えられる。
【0013】
いくつかの実施形態では、薬剤ディスペンサは、薬剤ディスペンサ内の残留薬剤組成物をロックするためにディスペンサ出口に動作可能に接続されたロック機構または他の弁(図示せず)を備えることができる。このようにして、薬剤ディスペンサは、薬剤ディスペンサ内に配置された残留薬剤組成物への未承認のアクセスを防ぐことによって保険施設内の薬流用のリスクを減少させることが有利である。ロック機構の設計は、特に限定されないことを理解されたい。
【0014】
図1を再び参照すると、薬剤ディスペンサ継手14は、薬剤ディスペンサ12のディスペンサ出口を抽出ステージ16に結合するように構成されている。薬剤ディスペンサ継手14は、薬剤ディスペンサ12の出口と抽出ステージ16との間の流体連通を可能にするとともに、薬剤ディスペンサ12の出口との迅速かつ効率的な結合を助けるのに適した任意の継手とすることができる。薬剤ディスペンサ継手14は、任意の個数および/またはタイプの薬剤ディスペンサを収納するように構成できることを理解されたい。
【0015】
薬剤ディスペンサ12がIVバッグ12である場合、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、薬剤ディスペンサ継手14は、ルアーロック継手14とすることができる。このようにして、患者ケア従事者は、残留薬剤組成物が薬剤ディスペンサ12から抽出される際に薬剤ディスペンサ内に配置された残留薬剤組成物12が漏れないように、薬剤ディスペンサ12の出口をルアーロック継手14に結合することができる。ルアーロック継手14は、薬剤ディスペンサ12の出口と抽出ステージ16の入口ポートとの構成に基づいてオス/オス、オス/メス、メス/オス、またはメス/メスのルアーロック継手とすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、薬剤ディスペンサ継手は、薬剤ディスペンサの出口との液密接続、および薬剤廃棄物システムのいずれかの流体導管との流体導管取付具(fluid conduct fitting)を形成するように構成することができる。このようにして、薬剤ディスペンサ継手は、薬剤ディスペンサの出口、および薬剤廃棄物システムの流体導管との迅速かつ効率的な結合を助ける。薬剤ディスペンサ継手は、針、トロカール、シリンジ、または他の気体/流体送給システムなどの2つの装置または物体の間の流体または気体の移送のための安全確実で漏れのない接続を形成するように構成されている任意の適切な設計を想定し得る。
【0017】
薬剤ディスペンサ継手は、2つ以上の薬剤ディスペンサを抽出ステージに一度に結合するように構成されてもよいと考えられる。薬剤廃棄物システムは、対応する個数の薬剤ディスペンサを抽出ステージに一度に結合するのに必要な任意の個数の薬剤ディスペンサ継手を備えることもできるとも考えられる。一例として、患者ケア従事者が、3つの薬剤ディスペンサを抽出ステージに一度に結合したい場合には、薬剤廃棄物システムは、3つの薬剤ディスペンサ継手を備えてもよい。
【0018】
一実施形態では、
図2A、
図2Bおよび
図3に示されるように、薬剤ディスペンサ継手14は、第1の薬剤ディスペンサ継手14としてさらに定められてもよく、薬剤廃棄物システム10は、第2の薬剤ディスペンサ22を結合するように構成されている第2の薬剤ディスペンサ継手20を備えてもよい。第2の薬剤ディスペンサ継手20は、第1の薬剤ディスペンサ継手14と同じであってもよく、それとは異なっていてもよい。例えば、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、第1および第2の薬剤ディスペンサ継手14、20は、それぞれルアーロック継手14、20であってもよい。
【0019】
図1を再び参照すると、抽出ステージ16は、薬剤ディスペンサ12と流体連通している。抽出ステージ16は、薬剤ディスペンサ12から残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出するように構成されている。
【0020】
図2Bおよび
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、抽出ステージは、マニホールド24をさらに備えることができる。マニホールド24は、1つまたは複数の薬剤ディスペンサ12、22と流体連通した状態に置かれるように構成されている。マニホールド24が存在する場合、マニホールド24は、1つまたは複数のマニホールド入口26と、マニホールド出口28とを備える。1つまたは複数のマニホールド入口26は、対応する個数の薬剤ディスペンサ12、22から薬剤ディスペンサ継手14、20を通じて残留薬剤組成物を受け取るように構成されている。マニホールド出口28は、薬剤ディスペンサ12、22から受け取った残留薬剤組成物を出力するように構成されている。もちろん、マニホールドは、薬剤ディスペンサから受け取った残留薬剤組成物を出力するのに必要な任意の個数のマニホールド出口を備えることができると考えられる。
【0021】
図2Bを参照すると、例示の実施形態では、マニホールド24は、2つのマニホールド入口26を備える。各マニホールド入口26は、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22の一方に結合されている。このようにして、有利には、マニホールド24は、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22内に配置された残留薬剤組成物の同時抽出を助ける。
【0022】
図2Bおよび
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、抽出ステージは、第1および第2の薬剤ディスペンサ継手14、20と流体連通しているポンプ30、したがって、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22をさらに備えることができる。ポンプ30が存在する場合、ポンプ30は、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22から残留薬剤組成物を選択的に抽出するように構成されている。
【0023】
図3を参照すると、ポンプ30は、残留薬剤組成物を薬剤廃棄物処理ステージ18へポンプ式で送るようにさらに構成することができる。ポンプ30は、残留薬剤組成物が処理された後に、残留薬剤組成物を廃棄物ドレイン32へポンプ式で送るようにさらに構成することができる。言い換えれば、ポンプ30が存在する場合、有利には、ポンプ30は、薬剤ディスペンサから抽出ステージへの残留薬剤組成物の迅速かつ効率的な抽出、抽出ステージから薬剤廃棄物処理ステージ18への残留薬剤組成物の移送、および/または処理後の残留薬剤組成物の処分を助ける。いくつかの実施形態では、ポンプ30は、以下に詳細に説明される薬剤廃棄物システムの制御部(図示せず)によって制御することができる。また、薬剤廃棄物システムは、2つ以上のポンプを備えてもよいと考えられる。
【0024】
ポンプは、抽出ステージと流体連通している薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物を抽出するのに適した任意の適切な構成または設計を想定し得る。一例として、ポンプは、ロータリ型容積式ポンプ(例えば、歯車ポンプ、またはスクリューポンプ)、往復型容積式ポンプ(例えば、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、またはピストンポンプ)、リニア型容積式ポンプ(例えば、ロープポンプ、または鎖ポンプ)、脈動ポンプ(例えば、水撃ポンプ、パルサーポンプ、または空気揚水ポンプ)、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプ(gravity pump)とすることができる。もちろん、さらに他のポンプの構成も考えられる。
【0025】
いくつかの実施形態では、抽出ステージは、抽出装置(図示せず)をさらに備えることができる。抽出装置が存在する場合、抽出装置は、薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物を抽出するのを手助けするように構成することができる。抽出装置の設計は、特に限定されず、抽出装置は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。非限定の例として、薬剤ディスペンサがシリンジであるとき、抽出装置は、シリンジポンプであり得る。このようにして、シリンジポンプは、所定の期間にわたって、シリンジの内容物を抽出ステージへ抽出するように構成できる。他の実施形態では、抽出装置は、薬剤廃棄物処理システムとの固体残留薬剤組成物の適合性を助けるために、固体残留薬剤組成物を液体に変換するグラインダを備えることができる。さらに他の実施形態では、薬剤ディスペンサがIVバッグであるとき、抽出装置は、IVバッグから残留薬剤組成物をより迅速かつより効率的な抽出を助けるために、IVバッグを圧縮するように構成されているプレス機等の圧縮装置を備えてもよい。
【0026】
図3を再び参照すると、いくつかの実施形態では、抽出ステージは、貯槽34を備えることができる。貯槽34は、薬剤廃棄物処理ステージ18と流体連通することができる。貯槽34が存在する場合、貯槽34は、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22から抽出される残留薬剤組成物を一時的に保管するために薬剤廃棄物処理ステージ18の上流にある。薬剤廃棄物処理ステージ18が残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させる前に、貯槽34は、残留薬剤組成物を一時的に保管するのに適した任意の容積を有し得る。いくつかの例では、薬剤廃棄物処理ステージ18は、抽出ステージから残留薬剤組成物のより多くを受け取る前に、残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるために追加の時間を必要とし得る。有利には、貯槽34は、薬剤廃棄物処理ステージ18によって必要とされる追加の時間が、薬剤ディスペンサ12、22から抽出される残留薬剤廃棄物組成を一時的に保管することによって経過することを可能にする。さらに有利には、貯槽34は、抽出後の残留薬剤組成物についての保管を防ぐことによって薬剤ディスペンサ12、22内に配置された残留薬剤組成物の迅速かつ効率的な抽出を可能とする。このようにして、貯槽34は、保険施設内の薬流用のリスクを減少させるとともに、薬剤廃棄物処理ステージ18が残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させることができないという可能性も減少させる。さらに、抽出ステージが薬剤ディスペンサ12、22から残留薬剤組成物を抽出するのに時間がかかるのよりも、薬剤廃棄物処理ステージ18は残留薬剤組成物を処理するのにより時間がかかり得るので、貯槽34は、残留薬剤組成物の処分を求める人が、残留薬剤組成物が処理されるのを待つ必要がないことを確実にする。貯槽34は、薬剤廃棄物処理ステージの物理的上方に位置することができる。したがって、流体は、重力によって貯槽から薬剤廃棄物処理ステージ18へおよび/または薬剤廃棄物処理ステージ18を通じて少なくとも一部流れるようになっている。
【0027】
図2Bに示されるように、一実施形態では、薬剤廃棄物処理ステージは、以下に詳細に説明されるフィルタ組立体38を備え、貯槽34は、フィルタ組立体38と流体連通している。
【0028】
図2Bおよび
図3を再び参照すると、例示の実施形態では、貯槽34は、マニホールド24およびポンプ30の下流に位置する。しかしながら、廃棄物処理の前に薬剤ディスペンサ12、22から抽出される残留薬剤組成物の一時的な保管を助ける貯槽34は、ポンプ30およびマニホールド24に対して任意の位置に位置することができると考えられる。
【0029】
図1を再び参照すると、薬剤廃棄物処理ステージ18は、抽出ステージ16と流体連通している。薬剤廃棄物処理ステージ18は、薬剤ディスペンサから抽出された残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるように構成されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図4に示されるように、薬剤廃棄物処理ステージ18は、分離ステージ36としてさらに定められる。分離ステージ36は、薬剤ディスペンサ12から抽出された残留薬剤組成物を、浄化された廃棄物部分(purified waste portion)と汚染された廃棄物部分(contaminated waste portion)とに分離するように構成されている。本開示の文脈では、浄化された廃棄物部分は、残留薬剤組成物が化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容した後に、何ら調合薬がないまたはほぼない残留薬剤組成物の一部を指す。本開示の文脈では、汚染された廃棄物部分は、残留薬剤組成物が化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させられた後に、残留薬剤組成物の調合薬の全部またはほぼ全部を含む残留薬剤組成物の一部を指す。以下に説明されるように、汚染された廃棄物部分は、結合剤などの化学組成内に隔離することができることを理解されたい。
【0031】
続いて
図4を参照すると、分離ステージ36は、フィルタ組立体38をさらに備えることができる。フィルタ組立体38は、フィルタハウジング40をさらに備えることができる。フィルタハウジング40の設計は、特に限定されず、フィルタハウジング40は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。
【0032】
フィルタ組立体38は、フィルタ媒体(図示せず)をさらに備えることができる。フィルタ媒体は、フィルタハウジング40内に配置されている。フィルタ媒体が存在する場合、フィルタ媒体は、フィルタ媒体が汚染された廃棄物部分を保持するように薬剤ディスペンサ12から抽出された残留薬剤組成物の少なくとも一部に結合するように構成されている。言い換えれば、フィルタ媒体は、残留薬剤組成物の任意の調合薬の少なくとも一部に結合するように構成されている。このようにして、フィルタ媒体は、残留薬剤組成物の調合薬を回復不能にさせることができる。本開示の文脈では、回復不能という用語は、残留薬剤組成物の任意の調合薬は、調合薬がその以前の潜在的な目的および/またはその医療的な利益を成すためにその以前の機能をもはやもたらすことができないように化学的および/または物理的に変えられてしまっていることを意味する。したがって、有利には、フィルタ媒体は、保険施設内の薬流用のリスクを減少させる。
【0033】
フィルタ媒体は、残留薬剤組成物の少なくとも一部に結合するのに適した任意の結合剤を含むことができる。非限定の例として、フィルタ媒体は、ゼオライト、粘土、シリカゲル、酸化アルミニウム、炭素、活性炭、およびそれらの組合せを含み得る。一実施形態では、フィルタ媒体は、活性炭で構成される。もちろん、さらに他の結合剤が考えられる。
【0034】
図4を再び参照すると、いくつかの実施形態では、フィルタ組立体38は、交換可能なフィルタカートリッジ42をさらに備えることができる。交換可能なフィルタカートリッジ42は、フィルタハウジング40に取り外し可能に結合されている。交換可能なフィルタカートリッジ42が存在する場合、フィルタ媒体は、交換可能なフィルタカートリッジ42内に配置される。このようにして、フィルタ媒体がもはや任意の残留薬剤組成物の調合薬に有効に結合することができないときに、患者ケア従事者は、交換可能なフィルタカートリッジ42を迅速かつ効率的に交換することができる。
【0035】
交換可能なフィルタカートリッジ42は、任意の適切な手法で処分できる。例えば、交換可能なフィルタカートリッジ42は、一般ごみと共に処分され、規制された廃棄物会社によって持って行かれ、返却され、焼却によって破壊されるなどされてもよい。また、いくつかの実施形態では、交換可能なフィルタカートリッジ42は、最終的な返却および/または処分のために大量に収集され、記録され、集積されてもよい。このような実施形態では、交換可能なフィルタカートリッジ42は、追跡目的のためにシリアルナンバー、RFIDチップ、トランスポンダ、または他の形態の識別表示をさらに備えることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、抽出ステージは、対応する各フィルタ媒体が残留薬剤組成物の異なる部分に結合するように構成されているように2つ以上のフィルタ組立体を備えることができる。
【0037】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物処理ステージ18は、化学処理ステージ44としてさらに定められてもよい。化学処理ステージ44は、薬剤ディスペンサ12から抽出された残留薬剤組成物を化学的手法で処理するように構成されている。本開示の文脈では、残留薬剤組成物を化学的手法で処理するという用語は、調合薬が回復不能であるように任意の残留薬剤組成物の調合薬を化学的に不活性化する、変性させる、酸化させる、または他の方法で変容させることを意味している。したがって、有利には、化学処理ステージ44は、保険施設内の薬流用のリスクを減少させる。
【0038】
続いて
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、化学処理ステージ44は、化学処理容器46をさらに備えることができる。化学処理容器46の設計は、特に限定されず、化学処理容器46は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。
【0039】
いくつかの実施形態では、化学処理ステージ44は、化学剤48をさらに備えることができる。
図5に示されるように、化学処理容器44が存在する場合、化学剤48は、化学処理容器44内に配置されている。化学剤48は、任意の残留薬剤組成物の調合薬に接触し、調合薬が回復不能であるように調合薬を不活性化する、変性させる、酸化させる、または他の方法で変容させる。
【0040】
化学剤48は、残留薬剤組成物の調合薬を回復不能にさせるのに適した任意の化合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、化学剤48は、苦味剤、催吐剤、変性剤、イオン化剤、酸化剤(oxidizing agent)、触媒剤、抗真菌剤、粘度調整剤、結合剤、およびそれらの組合せを含む。一実施形態では、化学剤は、不活性剤、変性剤、およびオキシダイザー(oxidizer)、ならびにそれらの組合せを含む。もちろん、さらに他の化合物も考えられる。
【0041】
苦味剤は、任意の残留薬剤組成物の調合薬が回復不能にされるように残留薬剤組成物をまずい味にさせるのに適した任意の苦味剤であってもよい。一実施形態では、苦味剤は、安息香酸デナトニウム(商標名Bitrex(登録商標))であってもよい。もちろん、さらに他の苦味剤も考えられる。
【0042】
催吐剤は、任意の残留薬剤組成物の調合薬が回復不能にされるように嘔吐を引き起こすおよび/または吐き気をもたらすのに適した任意の催吐剤であってもよい。一実施形態では、催吐剤は、吐根であり得る。もちろん、さらに他の催吐剤も考えられる。
【0043】
変性剤は、残留薬剤の任意の調合薬の回復に関連した困難を増すのに適した任意の変性剤であってもよい。いくつかの実施形態では、変性剤は、硫酸キニン無水物、ブルシン(またはブルシン硫酸)、ニコチン、シンコニジン(または硫酸シンコニジン)、2-ヒドロキシメチルエーテル、2-(ヒドロキシメチル)アミノエタノール、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、安息香酸デナトニウム、クアシン、ナリンギン、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸第一鉄、エディファスB、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエーテル、二酸化塩素、塩素、臭素、重炭酸ナトリウム、ホルムアミド(脱イオン)、グアニジンチオシアネート、グアニジンイソチオシアネート、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ホルムアミド、塩酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン溶液、尿素、チオ尿素、塩化グアニジニウム、硫酸カルシウム二水和物、Cole-Parmer製キニーネ、Cole-Parmer製2-ケトグルタル酸、Cole-Parmer製テトラメチルスズ、2-ケトグルタル酸、硫酸セリウム、セリウム二水和物、シュウ酸二水和物、硫酸リチウム、(+)-(R)-トランス-4-(1-アミノエチル)-N-(4-ピリジル)シクロヘキサンカルボキサミド二塩酸塩、(+/-)-1-(5-イソキノリンスルホニル)-2-メチルピペラジン二塩酸塩、(+/-)-3-アミノピロリジン二塩酸塩、(+/-)-トランス-4-(2-ピリジニル)-ピロリジン-3-カルボン酸二塩酸塩、(+/-)-トランス-4-(4-ピリジニル)-ピロリジン-3-カルボン酸二塩酸塩、(-)-N-(1(R)-フェニルエチル)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3(S)-アミン二塩酸塩、(1,4-ジメチルパイプラジン-2-イル)酢酸二塩酸塩、(1-(5-イソキノリンスルホニル)-ホモピペラジン二塩酸塩、(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-(4-フルオロ-ベンジル)-アミン二塩酸塩)、(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-(4-メトキシ-ベンジル)-アミン二塩酸塩、(1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)メチルアミン二塩酸塩、(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピリジン-3-イルメチルアミン-二塩酸塩、(1-[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イルピロリジン-3-イル)メチルアミン二塩酸塩、(1H-イミダゾール-2-イル)メタンアミン二塩酸塩、(1R,2R)-トランス-1,2-シクロペンタンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-1,2-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)エチレンジアミン二塩酸塩水和物、(1S,2S)-1,2-ビス(2-クロロフェニル)エチレンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-1,2-ビス(4-フルオロフェニル)エチレンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-1,2-ビス(4-メトキシフェニル)エチレンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-1,2-ビス(4-ニトロフェニル)エチレンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-1,2-ジ-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩、(1S,2S)-トランス-1,2-シクロペンタンジアミン二塩酸塩、(1S,4S)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン二塩酸塩、(2,4-ジメチル-1,3-チアゾール-5-イル)メチルアミン二塩酸塩、(2-アミノ-ベンゾチアゾール-8-イル)-酢酸二塩酸塩、(2-クロロ-6-フルオロベンジル)ヒドラジン二塩酸塩、(2-ジメチルアミノエチル)-レセルピリン酸二塩酸塩、(2-エチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)メタノールジヒドロクロリド、(2-イミダゾール-1-イルエチル)メチルアミン二塩酸塩、(2-イミノチアゾール-3-イル)酢酸二塩酸塩、ならびにそれらの組合せとすることができる。一実施形態では、変性剤は、硫酸キニン無水物である。もちろん、さらに他の変性剤も考えられる。
【0044】
酸化剤は、残留薬剤組成物の調合薬が回復不能であるように任意の残留薬剤組成物の調合薬を酸化させるのに適した任意の酸化剤であり得る。酸化剤は、塩素系酸化剤、非塩素系酸化剤、およびそれらの組合せであり得る。非限定な一例として、塩素系酸化剤は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸マグネシウム、次亜塩素酸カルシウム、または任意の他の適切な固体塩素化合物およびその塩であり得る。非限定の例として、非塩素系酸化剤は、臭素系酸化剤、安定化ペルオキシド化合物、例えば、過硫酸塩、過モノ硫酸塩、過マンガン酸塩、および他の安定化ペルオキシド化合物、ならびにその塩、ならびに金属酸化物であり得る。もちろん、さらに他の酸化剤も考えられる。
【0045】
一実施形態では、化学剤は、塩素系酸化剤を含む。
【0046】
図6を参照すると、一実施形態では、薬剤廃棄物処理ステージは、抽出ステージ16と流体連通している化学処理ステージ44を備える。化学処理ステージ44は、化学処理容器46、および化学剤48を備える。薬剤廃棄物処理ステージ18は、分離ステージ36をさらに備える。分離ステージ36は、化学処理ステージ44と流体連通している。分離ステージ36は、フィルタ組立体38を備える。フィルタ組立体38は、フィルタハウジング40と、このフィルタハウジング40内に配置されているフィルタ媒体とを備える。例示の実施形態では、分離ステージ36は、化学処理ステージ44の下流にある。しかしながら、分離ステージが化学処理ステージの上流にあってもよいことも考えられる。分離ステージが化学処理ステージと平行に配置されてもよく、残留薬剤組成物の一部が化学処理ステージに向けられるとともに、残留薬剤組成物の別の部分が分離ステージに向けられることがさらに考えられる。言い換えれば、化学処理ステージおよび分離ステージが両方とも存在していても、残留薬剤組成物が化学処理ステージおよび分離ステージを通過しなくてもよいことが考えられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物処理ステージは、任意の残留薬剤組成物の調合薬を不活性化および/または変性させるように構成されている光源をさらに備えてもよい。光源は、調合薬が回復不能にされるように任意の残留薬剤組成物の調合薬を不活性化および/または変性させるのに適した可視光、紫外線、または任意の他の光源とすることができる。
【0048】
図2Aおよび
図2Bを再び参照すると、薬剤廃棄物システム10は、主ハウジング50をさらに備えることができる。主ハウジング50が存在する場合、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージの少なくとも一部は、主ハウジング50内に配置されている。すなわち、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージは、主ハウジング50と共に少なくとも一部配置される。例示の実施形態では、主ハウジング50は、長方形構成を有する。また、例示の実施形態では、主ハウジング50は、ドア51およびドア51を開けるためのハンドル53などのアクセス部材を備える。しかしながら、主ハウジング50の設計は、特に限定されず、主ハウジング50は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。
【0049】
図2Aを参照すると、主ハウジング50が存在する場合、薬剤廃棄物システム10は、安全機構52をさらに備えてもよい。安全機構52は、主ハウジング50への未承認のアクセスを防ぐように構成されており、これにより必然的に主ハウジング50の内容物、例えば、マニホールド24、ポンプ30、貯槽34、および/またはフィルタ組立体38(すなわち、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージ)へのアクセスを防ぐ。いくつかの実施形態では、マニホールド24、ポンプ20、貯槽34、および/またはフィルタ組立体38は、完全に主ハウジング50内にあり得る。安全機構52の設計は、特に限定されず、安全機構52は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。非限定の例として、安全機構52は、組合せロック、あるいは鍵、暗証番号、指紋リーダ、音声認識、または任意の他の適切なタイプのロックのうちの1つまたは複数を必要とするロックで構成され得る。安全機構52は、ロックされた構成とロック解除された構成との間で移動可能であり得る。ロックされた構成では、安全機構52は、抽出ステージおよび廃棄物処理ステージへの未承認のアクセスが防がれるように主ハウジング50をロックする。ロック解除された構成では、安全機構52は、抽出ステージおよび廃棄物処理ステージへの承認されたアクセスが許可されるように主ハウジング50のロックを解除する。
【0050】
いくつかの実施形態では、化学処理容器および化学処理剤が存在する場合、化学処理容器は、少なくとも一部が主ハウジング内に、または完全に主ハウジング内に配置され得る。他の各実施形態では、化学処理容器は、主ハウジング内に配置され得る。もちろん、化学処理容器が主ハウジングの外側に位置してもよいと考えられる。
【0051】
いくつかの実施形態では、光源が存在する場合、光源は、少なくとも一部が主ハウジング内に配置され得る。他の実施形態では、光源は、完全に主ハウジング内に配置され得る。もちろん、化学処理容器が主ハウジングの外側に位置してもよいと考えられる。
【0052】
図2Aに示すように、一実施形態では、安全機構52は、キーパッド54とRFIDセンサ56とを備える。例示の実施形態では、患者ケア従事者は、キーパッド54上で暗証番号を入力し、または代替として、RFIDセンサ56の近くにRFIDチップを置き、それによって安全機構52をロックされた構成からロック解除された構成へ移動させることができる。このようにして、有利には、安全機構52は、患者ケア従事者、または他の人がフィルタ組立体38の交換可能なフィルタカートリッジの交換などの薬剤廃棄物組立体10の保守を行うことを可能にしつつ、同時に抽出ステージ、薬剤廃棄物処理ステージ、および/またはそれらの間の流体導管内に収容されている残留薬剤組成物への未承認のアクセスを防ぐことによって保険施設内の薬流用のリスクを減少させる。同様に、安全機構は、患者ケア従事者または他の人が主ハウジング内に配置され得る本明細書に記載された流体導管、マニホールド、貯槽、フィルタ組立体、化学処理容器、ならびに/あるいは任意の他のコンポーネントおよび/またはステージの保守を行うことを可能にしつつ、同時に薬流用のリスクを減少させる。
【0053】
図1を再び参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物システム10は、薬剤廃棄物処理ステージ18に結合されているドレイン導管58をさらに備えることができる。ドレイン導管58は、処理された薬剤組成物(すなわち、薬剤廃棄物処理ステージの後の残留薬剤組成物)の処分のために廃棄物ドレイン32に結合するように構成され得る。代替として、一実施形態では、ドレイン導管は、処理された薬剤組成物の処分に適した廃棄物容器または任意の他の容器に結合されてもよい。さらに他の各実施形態では、ドレイン導管は、廃棄物ドレインと廃棄物容器の両方に結合されてもよい。このようにして、残留薬剤組成物の処理は、患者ケア従事者が薬剤ディスペンサ12を薬剤ディスペンサ継手14に結合することができ、薬剤廃棄物システム10が、薬剤ディスペンサ12から残留薬剤組成物を抽出し、残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させ、次いで処理された薬剤組成物を処分するように合理化されている。ドレイン導管58の設計は、特に限定されず、ドレイン導管58は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。
【0054】
一実施形態では、ドレイン導管が廃棄物容器に結合されている際、廃棄物容器は、処理された薬剤組成物を受け取るように構成することができる。廃棄物容器は、残留薬剤組成物の任意の調合薬が回復不能にされることをさらに確実にするように本明細書に記載されたような化学剤を備えることができる。廃棄物容器の設計は、特に限定されず、廃棄物容器は、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。廃棄物容器が処理された薬剤組成物で一旦満たされると、廃棄物容器は、患者ケア従事者によって容易に処分および交換することはできないと考えられる。
【0055】
図4を参照すると、分離ステージ36がフィルタ組立体38を備えるとき、浄化された廃棄物部分はドレイン導管58を通じて廃棄物ドレイン32に処分され、汚染された廃棄物部分はフィルタ媒体に固められたままとなると考えられる。
【0056】
いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物システムは、薬剤廃棄物システムを制御するように構成されている制御部をさらに備えることができる。制御部は、薬剤廃棄物システムの動作を制御するためにメモリ内に記憶された命令を処理するために1つまたは複数のプロセッサまたはマイクロプロセッサを備えることができる。そのような命令は、制御部によって実行される本明細書に記載された機能、アルゴリズム、または技法のいずれかであり得る。さらにまたは代替として、制御部は、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、および/または本明細書に記載された機能を実行することができる他の適切なハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアで構成することができる。この制御部は、薬剤廃棄物システムの主ハウジング内に配置することができる。代替的に、制御部は、薬剤廃棄物システムから遠隔に位置してもよく、有線接続または無線接続を介して薬剤廃棄物システムと通信してもよい。一実施形態では、制御部は、薬剤廃棄物システムの主ハウジング内に配置されている。制御部は、薬剤廃棄物システムならびに/または抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージのコンポーネントをまとめて制御するように構成されている1つまたは複数のサブ制御部を備えることができる。代替的に、制御部は、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージのために個々に、および抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージのいくつかのコンポーネント、例えばポンプのために、1つまたは複数のサブ制御部を備えてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、制御部は、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージからデータを受信するように構成することができる。抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージから受け取ったデータは、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージの動作パラメータを含み得る。一例として、制御部は、貯槽内の残留薬剤組成物の量を示す貯槽からのデータを受信することができる。このようにして、有利には、制御部は、貯槽内の残留薬剤廃棄物組成物の量に基づいて、薬剤ディスペンサからより多くの残留薬剤組成物を抽出し、および/またはより多くの残留薬剤組成物を薬剤廃棄物処理ステージへ送給するようにポンプを制御することができる。別の例として、制御部は、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージの1つまたは複数のコンポーネントが保守を必要とすることを示すデータを受信することができる。抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージの1つまたは複数のコンポーネントが保守を必要とすることを示すデータに応じて、制御部は、患者ケア従事者に警告する信号を出力することができる。この警告は、音響的および/または視覚的であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、制御部は、主ハウジングの安全機構からデータを受信するように構成することができる。このデータは、安全機構がロックされた構成であるかロック解除された構成であるかを含み得る。制御部は、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージがアクセス可能か(すなわち、主ハウジングが開いているか、閉じているか)を判定するようにさらに構成されてもよい。このようにして、制御部は、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージへの未承認のアクセスが行われたか判定することができる。例えば、制御部は、安全機構がロックされた構成にありかつ主ハウジングが開いているときに、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージの未承認のアクセスが行われたか判定することができる。未承認のアクセスに応答して、制御部は、未承認のアクセスが行われたことを患者ケア従事者に警告する信号を出力することができる。この警告は、音響的および/または視覚的であり得る。
【0059】
図1を再び参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物システム10は、廃棄物分析ステージ60をさらに備えることができる。廃棄物分析ステージ60が存在する場合、廃棄物分析ステージ60は、抽出ステージ16および薬剤廃棄物処理ステージ18のうちの一方、または抽出ステージ16と薬剤廃棄物処理ステージ18との両方と流体連通することができる。一実施形態では、廃棄物分析ステージは、抽出ステージの上流の位置で抽出ステージと流体連通することができる。別の実施形態では、廃棄物分析ステージは、抽出ステージの下流の位置で、および薬剤廃棄物処理ステージの上流の位置で抽出ステージと流体連通することができる。さらに他の各実施形態では、廃棄物分析ステージは、薬剤廃棄物処理ステージの下流の位置で薬剤廃棄物処理ステージと流体連通している。いくつかの実施形態では、廃棄物分析ステージは、抽出ステージの下流の位置で、抽出ステージの下流の位置かつ薬剤廃棄物処理ステージの上流の位置で、薬剤廃棄物処理ステージの下流の位置で、ならびにそれらの組合せで、抽出ステージと薬剤廃棄物処理ステージの両方と流体連通している。
【0060】
廃棄物分析ステージ60が存在する場合、廃棄物分析ステージ60は、抽出ステージ16および薬剤廃棄物処理ステージ18のうちの一方の出力または入力を分析するように構成されている。廃棄物分析ステージ60は、抽出ステージ16および/または薬剤廃棄物処理ステージ18の出力または入力を分析するのに適している任意の分析装置を備えてもよい。非限定の例として、廃棄物分析ステージ60は、屈折計、液体質量分析計または気体質量分析計、赤外(IR)分光計、核磁気共鳴(NMR)分光計、紫外可視(UV-Vis)分光光度計、およびそれらの組合せを備えることができる。一実施形態では、廃棄物分析ステージは、残留薬剤組成物の屈折率および濃度を測定する屈折計を備える。もちろん、廃棄物分析ステージはさらに他の分析装置を備えてもよいと考えられる。
【0061】
いくつかの実施形態では、廃棄物分析ステージは、少なくとも一部主ハウジング内に配置され得る。他の実施形態では、廃棄物分析ステージは、完全に主ハウジング内に配置され得る。もちろん、廃棄物分析ステージは、主ハウジングの外側に位置してもよいと考えられる。
【0062】
いくつかの実施形態では、制御部は、抽出ステージおよび/または薬剤廃棄物処理ステージの出力または入力の特性を判定するために廃棄物分析ステージからデータを受信するように構成されている。非限定の例として、制御部によって判定される抽出ステージおよび/または薬剤廃棄物処理ステージの入力または出力の特性は、残留薬剤組成物の任意の調合薬の識別性、残留薬剤組成物の任意の調合薬の濃度、およびそれらの組合せであり得る。ほんの一例として、廃棄物制御部は、薬剤廃棄物処理ステージの出力における任意の調合薬の濃度を決定することができる。このようにして、制御部は、薬剤廃棄物処理ステージが任意の残留薬剤組成物の調合薬が回復不能とされているように物理的手法および化学的手法のうちの一方で残留薬剤組成物を変容させたことを検証することができる。もちろん、制御部が抽出ステージおよび/または薬剤廃棄物処理ステージの出力または入力のさらに他の特性を判定してもよいと考えられる。
【0063】
いくつかの実施形態では、制御部が、廃棄物分析ステージの出力に基づいて物理的手法および化学的手法のうちの一方で残留薬剤組成物が変容させられていると判定する場合、制御部は、貯槽から薬剤廃棄物処理ステージへのより多くの残留薬剤組成物の送給など、抽出ステージから薬剤廃棄物処理ステージへより多くの残留薬剤組成物を送給するようにポンプを制御することができる。代替として、残留薬剤組成物が物理的手法および化学的手法のうちの一方で変容させられていないと制御部が判定する場合、この制御部は、抽出ステージから薬剤廃棄物処理ステージへのより多くの残留薬剤組成物の送給を防ぐようにポンプを制御することができる。また、残留薬剤組成物が物理的手法および化学的手法のうちの一方で変容させられていないとの判定に応じて、制御部は、任意の残留薬剤組成物の調合薬が回復不能にさせられていないことを、患者をケアする人に警告する信号を出力することができる。この警告は、音響的および/または視覚的であり得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物システムは、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージと流体連通している清掃ステージ(図示せず)をさらに備えることができる。清掃ステージは、残留薬剤組成物が処分された後に、抽出ステージおよび薬剤廃棄物処理ステージのコンポーネントを清掃するように構成されている。清掃ステージの設計は、特に限定されず、清掃ステージは、任意の適切な構成を想定し得ることを理解されたい。非限定の例として、清掃ステージは、残留薬剤組成物の処分の後に残っている薬剤廃棄物システム(または他の廃棄物)の何らかの残っている調合薬を除去するように構成されているバックフラッシュ機能を備えることができる。このようにして、有利には、清掃ステージは、薬剤廃棄物システムが残りの調合薬をそれ自体が一掃することを可能にする。清掃ステージは、何らかの残りの調合を除去するために清掃中に注入される洗浄剤(例えば、変性剤、酸化剤など)をさらに備えてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、清掃ステージは、少なくとも一部主ハウジング内に配置され得る。他の各実施形態では、清掃ステージは、完全に主ハウジング内に配置され得る。もちろん、清掃ステージが主ハウジングの外側に位置してもよいと考えられる。
【0066】
図2Aおよび
図2Bを再び参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤廃棄物システム10は、ユーザ入力デバイス62をさらに備えることができる。ユーザ入力デバイス62は、患者ケア従事者が薬剤廃棄物システム10を操作することを可能にするように構成されている。非限定の例として、ユーザ入力デバイス62は、タッチスクリーン表示画面、ボタン、音声作動装置、モーションセンサ、およびそれらの組合せを備えることができる。ユーザ入力デバイス62がタッチスクリーン表示画面であるとき、タッチスクリーン表示画面は、薬剤廃棄物システム10に関するデータと、薬剤廃棄物システム10を制御するために静電容量タッチを用いて選択可能である複数のアイコンとを表示するように動作可能であり得る。このデータは、制御部からタッチスクリーン表示画面へ伝達されるデータに対応し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイスは、表示画面の周囲で主ハウジングに設けられたボタンの形態をとり得る。ボタンは、薬剤廃棄物システムの専用機能を制御することができる。いくつかの実施形態では、このボタンに関連した機能は、表示画面上に示される情報の変化に応じて変更することができる。そのような実施形態では、ボタンに現在関連付けられているアクティブな機能に関する指示は、ボタンの近くの表示画面上に示すことができる。
【0068】
非限定の例として、ユーザ入力デバイスは、患者ケア従事者が、その名前および/またはIDを入力し、任意の残留薬剤組成物の調合薬の説明を入れ、薬剤ディスペンサを抽出ステージに流体結合し、薬剤廃棄物システムの様々なステージへ残留薬剤組成物をポンプ式で送るようにポンプを動作させ、薬剤ディスペンサ内に配置された残留薬剤組成物を抽出するようにポンプおよび/または抽出装置を動作させ、ポンプが薬剤廃棄物システムの様々なステージへ残留薬剤組成物をポンプ式で送るのを停止させ、薬剤廃棄物システムを清掃するように清掃ステージを動作させることなどを可能にするように構成することができる。
【0069】
図2Aおよび
図2Bを再び参照すると、例示の実施形態では、流体導管(すなわち、ドレイン導管58、および第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22をマニホールド24に流体結合する流体導管)の一部は、逆止弁64などの流量制限装置64を備える。流量制限装置64は、ただ一方向に残留薬剤組成物が流れることを可能にするように構成することができる。例えば、例示の実施形態(
図2A)では、ドレイン導管58の逆止弁64は、フィルタ組立体38から離れる方向に残留薬剤組成物が流れることだけを可能にすることができる。同様に、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22をマニホールド24に流体結合する流体導管の逆止弁64は、第1および第2の薬剤ディスペンサ12、22から離れる方向に残留薬剤組成物が流れることだけを可能にすることができる。このようにして、逆止弁36は、主ハウジング50の安全機構52と協働し、それによって、有利には、抽出後および処理前の残留薬剤組成物へのアクセスを制限することによって保険施設内の薬流用のリスクを減少させる。もちろん、例示の実施形態は、流量制限装置を備える流体導管の一部だけを示すが、流体導管のいずれかが、流量制限装置を備えることができると考えられる。
【0070】
いくつかの実施形態では、流量制限装置は、制御部と通信するように構成することができる。流量制限装置が制御部と通信するとき、流量制限装置は、処理された薬剤組成物の決定された特徴に基づいて処理された薬剤組成物が廃棄物ドレインおよび廃棄物容器の一方へ流れることを可能にするように構成することができる。例えば、制御部が処理された薬剤組成物のいずれかの調合薬の濃度が閾値未満であると判定するとき、制御部は、処理された薬剤組成物が廃棄物ドレインへ流れることを可能にするように流量制限装置を制御することができる。また、制御部が処理された薬剤組成物のいずれかの調合薬の濃度が閾値以上であると判定するとき、制御部は、処理された薬剤組成物が廃棄物容器へ流れることを可能にするように流量制限装置を制御することができる。一実施形態では、制御部は、処理された薬剤組成物の判定された特徴に基づいて廃棄物ドレインと廃棄物容器の両方へ流れることを可能にするように流量制限装置を制御することができる。さらに他の実施形態では、制御部は、処理された薬剤組成物の決定された特徴に基づいて処理された薬剤組成物が廃棄物ドレインと廃棄物容器の両方へ流れるのを防ぐように流量制限装置を制御することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、流量制限装置が制御部と通信するとき、流量制限装置は、流量制限装置を通じての残留薬剤組成物の流れを調節するように構成することができる。例えば、流量制限装置は、ゲートバルブ、バタフライバルブ、ロータリバルブ、または弁を通じての残留薬剤組成物の流れを調節するのに適した任意の他の弁であり得る。一実施形態では、流量制限装置が、薬剤ディスペンサをマニホールドに流体結合する流体導管に配置されているとき、制御部は、残留薬剤組成物が薬剤ディスペンサから抽出された後に、流量制限装置を閉じるように動作させる(すなわち、流量制限装置を通じて流れることを防ぐ)ことができる。または、制御部は、薬剤ディスペンサが薬剤ディスペンサ継手に結合されているとき、流量制限装置を開くように動作させる(すなわち、流量制限装置を通じて流れることを可能にする)ことができる。このようにして、流量制限装置は、主ハウジングの安全機構と協働し、それによって、有利には、抽出後および処理前の残留薬剤組成物へのアクセスを制限することによって保険施設内の薬流用のリスクを減少させることができる。
【0072】
本開示は、薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物を処分する方法も提供する。
【0073】
図7のフローチャートを参照すると、この方法は、薬剤ディスペンサを薬剤ディスペンサ継手に結合するステップ702を含む。薬剤ディスペンサは、本明細書に記載された任意の薬剤ディスペンサであり得る。薬剤ディスペンサ継手は、本明細書に記載された任意の薬剤ディスペンサ継手であり得る。薬剤ディスペンサは、本明細書に記載された薬剤廃棄物システムの抽出ステージと流体連通するように薬剤ディスペンサ継手に結合することができる。
【0074】
続いて
図7を参照すると、上記方法は、薬剤ディスペンサから薬剤ディスペンサ継手を通じて残留薬剤組成物の少なくとも一部をポンプ式に送るなど抽出するステップ704をさらに含む。ステップ704において抽出された残留薬剤組成物の一部は、抽出された薬剤組成物と呼ばれ得る。残留薬剤組成物の一部は、任意の適切な手法で抽出され得る。
【0075】
図7を再び参照すると、上記方法は、抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を化学的手法および物理的手法のうちの一方で処理するステップ706をさらに含む。ステップ706において処理された抽出された薬剤組成物の一部は、処理された薬剤組成物と呼ばれ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、処理するステップは、抽出された薬剤組成物を浄化された廃棄物部分および汚染された廃棄物部分に分離することをさらに含んでもよい。抽出された薬剤組成物は、任意の適切な手法で分離され得る。例えば、抽出された薬剤組成物は、フィルタリングによって抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分に分離することができる。抽出された薬剤組成物の一部は、例えば、本明細書に記載されたフィルタ組立体によってフィルタリングされてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、処理するステップは、抽出された薬剤組成物を化学処理することをさらに含むことができる。抽出された薬剤組成物は、任意の適切な手法で化学処理することができる。例えば、抽出された薬剤組成物は、抽出された薬剤組成物を不活性化すること、抽出された薬剤組成物を変性させること、抽出された薬剤組成物を酸化させること、およびそれらの組合せによって化学処理することができる。一実施形態では、抽出された薬剤組成物は、本明細書に記載された塩素系酸化剤を用いて酸化させることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、処理するステップは、回復不可能な薬剤廃棄物を形成するように抽出された薬剤組成物を酸化させることと、浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分との間で回復不可能な薬剤廃棄物を分離することとを含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、上記方法は、抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を分析して抽出された薬剤組成物の特性を判定するステップをさらに含んでもよい。抽出された薬剤組成物は、任意の適切な手法で分析することができる。例えば、抽出された薬剤組成物は、本明細書に記載された任意の分析装置によって分析することができる。非限定の例として、判定される抽出された薬剤組成物の特性は、抽出された薬剤組成物の任意の調合薬の識別性、抽出された薬剤組成物の任意の調合薬の濃度、およびそれらの組合せであり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、上記方法は、抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を処理する前に、抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を貯槽に保管するステップをさらに含むことができる。例えば、抽出された薬剤組成物は、貯槽に一時的に保管することができ、それによって抽出された薬剤組成物の別の部分を処理するのに十分な時間を薬剤廃棄物処理ステージに与えることを可能にする。抽出された薬剤組成物は、本明細書に記載されたいずれかの貯槽に保管することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、上記方法は、薬剤廃棄物処理ステージから廃棄物ドレインおよび/または廃棄物容器へ処理された薬剤組成物をポンプ式で送るステップをさらに含んでもよい。一実施形態では、抽出された薬剤組成物が浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分との間で分離されるとき、浄化された廃棄物部分は、廃棄物ドレインおよび/または廃棄物容器へポンプ式で送られ得る。廃棄物容器は、本明細書に記載された任意の廃棄物容器であり得る。
【0082】
用語「include」、「includes」、および「including」(含む、備える)は、用語「comprise」、「comprises」、および「comprising」(備える、含む)と同じ意味を有するとさらに理解されよう。
【0083】
本発明は、例示的な手法で説明されてきた。使用されている術語は、限定ではなく説明の単語の性質内にあることが意図されていることを理解されたい。本発明の多くの修正形態および変更形態が、上記教示に鑑みて可能である。したがって、本発明は、特に説明されるもの以外で実施され得る。
【0084】
本開示の各実施形態は、以下の例示的な項目を参照して説明することができる。
【0085】
[項目1] - 廃棄製品(waste product)を収集および処分する廃棄物システムであって、ある量の廃棄製品を収容する廃棄物ディスペンサと、前記廃棄物ディスペンサから前記ある量の廃棄製品をほぼ同時に受け取るように構成されているマニホールドとを備える廃棄物システム。
【0086】
[項目2] - 前記マニホールドに結合されているポンプ組立体をさらに備え、前記ポンプ組立体は、前記マニホールドから前記廃棄製品を選択的に除去するように構成されている、項目1に記載の廃棄物システム。
【0087】
[項目3] - 前記ポンプ組立体は、ロータリ型容積式ポンプ、往復型容積式ポンプ、リニア型容積式ポンプ、脈動ポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプのうちの1つを備える、項目2に記載の廃棄物システム。
【0088】
[項目4] - 処分物入れをさらに備え、前記ポンプ組立体は、前記廃棄製品を処分のための前記処分物入れへ移送する、項目2に記載の廃棄物システム。
【0089】
[項目5] - 廃棄物調整組立体をさらに備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記ポンプ組立体は、化学的手法および物理的手法のうちの一方で前記廃棄製品を変容させるように構成されている前記廃棄物調整組立体を通じて前記廃棄製品をポンプ式で送る、項目4に記載の廃棄物システム。
【0090】
[項目6] - フィルタ組立体をさらに備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記ポンプ組立体は、前記廃棄製品から何らかの望ましくない成分を除去するように構成されている前記フィルタ組立体を通じて前記廃棄製品をポンプ式で送る、項目4に記載の廃棄物システム。
【0091】
[項目7] - 前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送された後に、前記廃棄物システムを清掃するように構成されている清掃システムをさらに備える、項目4に記載の廃棄物システム。
【0092】
[項目8] - 前記廃棄製品の前記真正性を確認するために前記廃棄物ディスペンサに収容されている前記廃棄製品を分析するように構成されている廃棄物分析システムをさらに備える、項目1に記載の廃棄物システム。
【0093】
[項目9] - 操作者が前記廃棄物システムの前記動作を制御することを可能にするように構成されている動作制御システムをさらに備える、項目1に記載の廃棄物システム。
【0094】
[項目10] - 廃棄物ディスペンサ内に収容されている廃棄製品を収集および処分する廃棄物システムであって、前記廃棄物ディスペンサに結合され、前記廃棄物ディスペンサから前記廃棄製品を選択的に除去するように構成されているポンプ組立体を備える、廃棄物システム。
【0095】
[項目11] - 前記ポンプ組立体は、ロータリ型容積式ポンプ、往復型容積式ポンプ、リニア型容積式ポンプ、脈動ポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプのうちの1つを備える、項目10に記載の廃棄物システム。
【0096】
[項目12] - 処分物入れをさらに備え、前記ポンプ組立体は、前記廃棄製品を処分のための前記処分物入れへ移送する、項目10に記載の廃棄物システム。
【0097】
[項目13] - 廃棄物調整組立体をさらに備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記ポンプ組立体は、化学的手法および物理的手法のうちの一方で前記廃棄製品を変容させるように構成されている前記廃棄物調整組立体を通じて前記廃棄製品をポンプ式で送る、項目12に記載の廃棄物システム。
【0098】
[項目14] - フィルタ組立体をさらに備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記ポンプ組立体は、前記廃棄製品から何らかの望ましくない成分を除去するように構成されている前記フィルタ組立体を通じて前記廃棄製品をポンプ式で送る、項目12に記載の廃棄物システム。
【0099】
[項目15] - 項目12に記載の廃棄物システムは、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送された後に、前記廃棄物システムを清掃するように構成されている清掃システムをさらに備える。
【0100】
[項目16] - 前記廃棄製品の前記真正性を確認するために前記廃棄物ディスペンサ内に収容されている前記廃棄製品を分析するように構成されている廃棄物分析システムをさらに備える、項目10に記載の廃棄物システム。
【0101】
[項目17] - 操作者が前記廃棄物システムの前記動作を制御することを可能にするように構成されている動作制御システムをさらに備える、項目10に記載の廃棄物システム。
【0102】
[項目18] - 前記廃棄物ディスペンサからの前記廃棄製品の前記除去を向上させるように構成されている廃棄物除去補助システムをさらに備える、項目10に記載の廃棄物システム。
【0103】
[項目19] - 廃棄物ディスペンサ内に収容されている廃棄製品を収集および処分する廃棄物システムであって、前記廃棄製品を受け取る廃棄物調整組立体と、処分のために前記廃棄製品を受け取るように構成されている処分物入れとを備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記フィルタ組立体は、前記廃棄製品を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるように構成されている、廃棄物システム。
【0104】
[項目20] - 前記廃棄物調整組立体は、不活性剤、変性剤、およびオキシダイザーのうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載の廃棄物システム。
【0105】
[項目21] - 前記廃棄物ディスペンサに結合されているポンプ組立体をさらに備え、前記ポンプ組立体は、前記廃棄物ディスペンサから前記廃棄物調整組立体へ前記廃棄製品を選択的に移動させる、項目19に記載の廃棄物システム。
【0106】
[項目22] - 前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送された後に、前記廃棄物システムを清掃するように構成されている清掃システムをさらに備える、項目19に記載の廃棄物システム。
【0107】
[項目23] - 前記廃棄製品の前記真正性を確認するために前記廃棄物ディスペンサ内に収容される前記廃棄製品を分析するように構成されている廃棄物分析システムをさらに備える、項目19に記載の廃棄物システム。
【0108】
[項目24] - 操作者が前記廃棄物システムの前記動作を制御することを可能にするように構成されている動作制御システムをさらに備える、項目19に記載の廃棄物システム。
【0109】
[項目25] - 少なくとも1つの廃棄物ディスペンサ内に収容されている廃棄製品を収集および処分する廃棄物システムであって、前記廃棄製品を受け取るフィルタ組立体と、処分のために前記廃棄製品を受け取るように構成されている処分物入れとを備え、前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送される前に、前記フィルタ組立体は、前記廃棄製品から何らかの望ましくない成分を除去するように構成されている、廃棄物システム。
【0110】
[項目26] - 前記フィルタ組立体は、前記廃棄製品から望ましくないコンポーネントを除去するように構成されている少なくとも1つのカートリッジを含む、項目25に記載の廃棄物システム。
【0111】
[項目27] - 前記少なくとも1つの廃棄物ディスペンサに結合されているポンプ組立体をさらに備え、前記ポンプ組立体は、前記少なくとも1つの廃棄物ディスペンサから前記フィルタ組立体へ前記廃棄製品を選択的に移動させる、項目25に記載の廃棄物システム。
【0112】
[項目28] - 前記廃棄製品が前記処分物入れへ移送された後に、前記廃棄物システムを清掃するように構成されている清掃システムをさらに備える、項目25に記載の廃棄物システム。
【0113】
[項目29] - 前記廃棄製品の前記真正性を確認するために前記少なくとも1つの廃棄物ディスペンサ内に収容されている前記廃棄製品を分析するように構成されている廃棄物分析システムをさらに備える、項目25に記載の廃棄物システム。
【0114】
[項目30] - 操作者が前記廃棄物システムの前記動作を制御することを可能にするように構成されている動作制御システムをさらに備える、項目25に記載の廃棄物システム。
【0115】
[項目31] - 流体薬剤ディスペンサ内に収容されている流体薬剤廃棄物を収集および処分する廃棄物システムであって、前記流体薬剤ディスペンサに結合されているポンプ組立体を備え、前記ポンプ組立体は、前記流体薬剤ディスペンサから前記流体薬剤廃棄物を選択的に除去するように構成されている、廃棄物システム。
【0116】
[項目32] - 前記ポンプ組立体は、ロータリ型容積式ポンプ、往復型容積式ポンプ、リニア型容積式ポンプ、脈動ポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプのうちの1つを備える、項目31に記載の廃棄物システム。
【0117】
[項目33] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記流体薬剤ディスペンサと前記ポンプ組立体との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目31に記載の廃棄物システム。
【0118】
[項目34] - 保管容器をさらに備え、前記ポンプ組立体は、処分のために前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送する、項目33に記載の廃棄物システム。
【0119】
[項目35] - 第2の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第2の流体管路を通じて流れる、項目34に記載の廃棄物システム。
【0120】
[項目36] - 保管容器をさらに備え、前記ポンプ組立体は、処分のために前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送する、項目31に記載の廃棄物システム。
【0121】
[項目37] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目36に記載の廃棄物システム。
【0122】
[項目38] - 流体薬剤廃棄物を収集および処分する廃棄物システムであって、前記流体薬剤廃棄物を保持する流体薬剤ディスペンサと、前記流体薬剤ディスペンサに結合され、前記流体薬剤ディスペンサから前記流体薬剤廃棄物を選択的に除去するように構成されているポンプ組立体とを備える廃棄物システム。
【0123】
[項目39] - 前記流体薬剤ディスペンサは、前記流体薬剤廃棄物を内部にロックするように前記流体薬剤ディスペンサを選択的に封止するアダプタを備える、項目38に記載の廃棄物システム。
【0124】
[項目40] - 前記ポンプ組立体は、ロータリ型容積式ポンプ、往復型容積式ポンプ、リニア型容積式ポンプ、脈動ポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプのうちの1つを備える、項目38に記載の廃棄物システム。
【0125】
[項目41] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記流体薬剤ディスペンサと前記ポンプ組立体との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目38に記載の廃棄物システム。
【0126】
[項目42] - 保管容器をさらに備え、前記ポンプ組立体は、処分のために前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送する、項目41に記載の廃棄物システム。
【0127】
[項目43] - 第2の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第2の流体管路を通じて流れる、項目42に記載の廃棄物システム。
【0128】
[項目44] - 保管容器をさらに備え、前記ポンプ組立体は、処分のために前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送する、項目38に記載の廃棄物システム。
【0129】
[項目45] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目44に記載の廃棄物システム。
【0130】
[項目46] - 流体薬剤ディスペンサ内に収容されている流体薬剤廃棄物を収集および処分する廃棄物システムであって、前記流体薬剤ディスペンサに結合され、前記流体薬剤ディスペンサから前記流体薬剤廃棄物を選択的に除去するように構成されているポンプ組立体と、前記ポンプ組立体に結合され、前記流体薬剤廃棄物を受け取って保持するように構成されている保管容器とを備え、前記ポンプ組立体は、処分のために前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送するように構成されている、廃棄物システム。
【0131】
[項目47] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目46に記載の廃棄物システム。
【0132】
[項目48] - 前記ポンプ組立体は、ロータリ型容積式ポンプ、往復型容積式ポンプ、リニア型容積式ポンプ、脈動ポンプ、速度ポンプ、遠心ポンプ、軸流ポンプ、または重力ポンプのうちの1つを備える、項目46に記載の廃棄物システム。
【0133】
[項目49] - 第1の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記流体薬剤ディスペンサと前記ポンプ組立体との間で前記第1の流体管路を通じて流れる、項目46に記載の廃棄物システム。
【0134】
[項目50] - 第2の流体管路をさらに備え、前記流体薬剤廃棄物は、前記ポンプ組立体と前記保管容器との間で前記第2の流体管路を通じて流れる、項目42に記載の廃棄物システム。
【0135】
[項目51] - 流体薬剤廃棄物を収集および処分する廃棄物システムであって、前記流体薬剤廃棄物を保持する流体薬剤ディスペンサと、前記流体薬剤ディスペンサに結合され、前記流体薬剤ディスペンサから第1の流体管路を通じて前記流体薬剤廃棄物を選択的に除去するように構成されているポンプ組立体と、前記ポンプ組立体に結合され、前記流体薬剤廃棄物を受け取って保持するように構成されている保管容器とを備え、前記ポンプ組立体は、処分のために第2の流体管路を通じて前記保管容器へ前記流体薬剤廃棄物を移送するように構成されている、廃棄物システム。
【0136】
[項目52] - 薬剤ディスペンサ中に配置された残留薬剤組成物を処理する薬剤廃棄物システムであって、前記薬剤ディスペンサと流体連通している抽出ステージであって、前記薬剤ディスペンサから前記残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出するように構成されている抽出ステージと、前記薬剤ディスペンサを前記抽出ステージに結合するように構成されている薬剤ディスペンサ継手と、前記抽出ステージと流体連通しており、前記薬剤ディスペンサから抽出される前記残留薬剤組成物を化学的手法および物理的手法のうちの一方で変容させるように構成されている薬剤廃棄物処理ステージとを備える薬剤廃棄物システム。
【0137】
[項目53] - 前記薬剤廃棄物処理ステージは、化学処理ステージとしてさらに定められ、前記化学処理ステージは、前記薬剤ディスペンサから抽出される前記残留薬剤組成物を化学的手法で処理するように構成されている、項目52に記載の薬剤廃棄物システム。
【0138】
[項目54] - 前記化学処理ステージは、前記抽出ステージと流体連通している化学処理容器と、前記化学処理容器内に配置された化学剤とを備える、項目53に記載の薬剤廃棄物システム。
【0139】
[項目55] - 前記化学剤は、不活性剤、変性剤、オキシダイザー、およびそれらの組合せを含む、項目54に記載の薬剤廃棄物システム。
【0140】
[項目56] - 前記化学剤は、塩素系酸化剤で構成される、項目55に記載の薬剤廃棄物システム。
【0141】
[項目57] - 前記薬剤廃棄物処理ステージは、前記抽出ステージと流体連通しており、前記薬剤ディスペンサから抽出される前記残留薬剤組成物を化学的手法で処理するように構成されている化学処理ステージであって、前記分離ステージと流体連通している化学処理容器、および前記化学処理容器内に配置された化学剤を備える化学処理ステージと、前記化学処理ステージと流体連通している分離ステージであって、前記化学処理ステージからの前記化学処理された薬剤廃棄物を浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分とに分離するように構成されており、フィルタハウジング、および前記フィルタハウジング内に配置されたフィルタ媒体を備えたフィルタ組立体を備える分離ステージとを備える、項目52に記載の薬剤廃棄物システム。
【0142】
[項目58] - 前記薬剤廃棄物処理ステージに結合されているとともに、前記処理された薬剤組成物の処分用の廃棄物ドレインに結合されるようになされているドレイン導管をさらに備える、項目52に記載の薬剤廃棄物システム。
【0143】
[項目59] - 前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージのうちの一方と流体連通している廃棄物分析ステージをさらに備え、前記廃棄物分析ステージは、前記抽出ステージおよび前記薬剤廃棄物処理ステージのうちの一方の出力または入力を分析するように構成されている、項目52に記載の薬剤廃棄物システム。
【0144】
[項目60] - 薬剤ディスペンサから残留薬剤組成物を処分する方法であって、前記薬剤ディスペンサを薬剤ディスペンサ継手に結合することと、前記薬剤ディスペンサから前記薬剤ディスペンサ継手を通じて前記残留薬剤組成物の少なくとも一部を抽出することと、前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を化学的手法および物理的手法のうちの一方で処理することとを含む方法。
【0145】
[項目61] - 前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を処理することは、前記抽出された薬剤組成物を浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分とに分離することを含む、項目60に記載の方法。
【0146】
[項目62] - 前記抽出された薬剤組成物を分離することは、前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部をフィルタ処理することを含む、項目61に記載の方法。
【0147】
[項目63] - 前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を処理することは、前記抽出された薬剤組成物を化学処理することを含む、項目60に記載の方法。
【0148】
[項目64] - 前記抽出された薬剤組成物を化学処理することは、前記抽出された薬剤組成物を不活性化すること、前記抽出された薬剤組成物を変性させること、前記抽出された薬剤組成物を酸化させること、およびそれらの組合せを含む、項目63に記載の方法。
【0149】
[項目65] - 前記抽出された薬剤組成物を化学処理することは、塩素系酸化剤を用いて前記抽出された薬剤組成物を酸化させることを含む、項目64に記載の方法。
【0150】
[項目66] - 前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を分析して前記抽出された薬剤組成物の特性を判定することをさらに含む、項目60に記載の方法。
【0151】
[項目77] - 前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を処理することは、回復不可能な薬剤廃棄物を形成するように前記抽出された薬剤組成物を酸化させること、および浄化された廃棄物部分と汚染された廃棄物部分との間で前記回復不可能な薬剤廃棄物を分離することを含む、項目60に記載の方法。
【0152】
[項目78] - 前記前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を処理する前に、前記抽出された薬剤組成物の少なくとも一部を貯槽に一時的に保管することをさらに含む、項目60に記載の方法。