(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】車両の安全を保証するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B60R 25/102 20130101AFI20220824BHJP
B60R 25/33 20130101ALI20220824BHJP
B62H 5/00 20060101ALI20220824BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220824BHJP
G01S 19/16 20100101ALI20220824BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B60R25/102
B60R25/33
B62H5/00 Z
G06Q50/10
G01S19/16
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2019524516
(86)(22)【出願日】2017-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2017068272
(87)【国際公開番号】W WO2018015455
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】102016113333.7
(32)【優先日】2016-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519020258
【氏名又は名称】エルエスピー イノベイティブ オートモーティブ システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シュミット
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ツェラー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ライバー
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3200243(JP,U)
【文献】特開2003-223688(JP,A)
【文献】特開2014-226976(JP,A)
【文献】特開2014-024353(JP,A)
【文献】特開2007-231654(JP,A)
【文献】特開2012-056437(JP,A)
【文献】特開2007-164336(JP,A)
【文献】特開2006-103585(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0150028(US,A1)
【文献】米国特許第09157742(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00-25/40
B62H 5/00
G06Q 50/10
G01S 19/16
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(1)であって、
-少なくとも1つのサーバ(30)を有し、
-車両処理装置(11)と車両通信装置(12)を備えた、少なくとも1つの車両(10)を有し、前記車両通信装置(12)が、少なくとも1つのモバイル無線網(2)を介して前記サーバ(30)と通信するように形成されており、前記車両処理装置(11)が、データ(60)を前記サーバ(30)へ伝達するように形成されている、
ものにおいて、
前記サーバ(30)が少なくとも1つの対応づけテーブル(34)を有しており、前記対応づけテーブルが少なくとも1つの前記車両(10)に少なくとも1つの端末(40)を対応づけ、
前記サーバ(30)が次のように、すなわち
a)伝達された前記車両(10)の前記データ(60)を使用して、前記車両(10)が不当に移動されたか、を確認し、
b)前記車両(10)の移動が不当である場合に、前記対応づけテーブル(34)を使用して対応する前記端末(40)を求め;かつ/又は
c)不当な移動である場合に、対応する前記端末(40)へ警告通知(61)を送信する、
ように、形成されており、
前記車両(10)が、制御部(14)を介して制御される少なくとも1つの電気ドライブ(15)を有しており、走行状態(Z)及び/又は前記車両(10)が移動されたことを表す状態(Z1)を求めるために、前記車両処理装置(11)が前記制御部(14)及び/又は前記電気ドライブ(15)と通信接続されて
おり、
前記車両(10)が、近距離通信装置(18)を有しており、前記近距離通信装置が、モバイル端末(40)及び前記車両処理装置(11)と通信接続されており、
前記制御部(14)が、前記近距離通信装置(18)の信号(63)に従って前記電気ドライブ(15)を作動させるように、形成されており、
前記電気ドライブ(15)を作動させるために、キーペアを介して暗号化された許可通知(63)が前記近距離通信装置(18)と前記モバイル端末(40)との間で交換され、キーペアのキー(35、35’、35")が、コンポーネント固有であって、コンポーネント(50)の交換によってその有効性を失う、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記車両(10)が、サテライトナビゲーションシステムの信号を受信して、前記車両(10)の位置を定めるために、位置決定装置(13)を有し、前記車両処理装置(11)が、前記車両(10)の位置を前記サーバ(30)へ伝達するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両処理装置(11)が次のように、すなわち
a)走行状態(Z1、Z2)及び/又は少なくとも1つの加速度センサ(17)の信号に従ってアクティブ状態とパッシブ状態の間で変化し;
b)アクティブ状態においては、1時間より短い、時間インターバルで、前記データ(60)をサーバ(30)へ伝達し、
c)パッシブ状態においては、1時間より長い、時間間隔でデータを前記サーバ(30)へ伝達し、あるいはパッシブ状態においては、前記データを前記サーバ(30)へ伝達しない、
ように形成されている、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記車両処理装置(11)が次のように、すなわちパッシブ状態においていくつかのコンポーネントを、少なくとも時々電流なしに切り替えるように、形成されている、ことを特徴とする請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
前記サーバ(30)が、少なくともいくつかの前記車両(10)に関して、許可情報(36、36’、36")を記憶し、前記許可情報が、それぞれの車両が移動されてよいか、を
表し、前記サーバ(30)が次のように、すなわちそれぞれの前記車両(10)の前記許可情報(36、36’、36”)を使用して、車両が不当に移動されたか、を確認するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記サーバ(30)が次のように、すなわち対応づけられたモバイル端末(40)から受信した命令(62)に従って、それぞれの前記許可情報(36、36’、36”)をセットするように、形成されている、ことを特徴とする請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つのモバイル端末(40)が、アプリケーションを有し、前記アプリケーションは、前記モバイル端末(40)によって前記アプリケーションが実施された場合に、前記サーバ(30)と通信するように、かつ/又は前記サーバ(30)によって準備された情報(60)を、可視化するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか1項に記載のシステム(1)用の、又は請求項1から
7のいずれか1項に記載のシステム(1)の車両(10)用の、方法であって、
a)前記車両通信装置(12)を用いて前記データ(60)を前記サーバ(30)へ伝達するステップと、
b)伝達された前記車両(10)の前記データ(60)を使用して、前記車両(10)が不当に移動されたか、を確認するステップと、
c)前記車両(10)の移動が不当である場合に、前記対応づけテーブル(34)を使用して対応する前記端末(40)を求めるステップと、
d)不当な移動である場合に、対応する前記端末(40)へ警告通知(61)を送信するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
e)不当な移動である場合に、信号発信器(19)を作動させる、ステップ
を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
請求項
8又は
9に記載の方法を履行するための命令が実施される場合に、その命令を有するコンピュータ読取り可能なメモリ。
【請求項11】
システムであって、
-車両処理装置(11)と近距離通信装置(18)とを備えた、少なくとも1つの車両(10)を有し、車両(10)が制御部(14)によって制御される電気ドライブ(15)を有し、かつ制御部(14)が、近距離通信装置(18)の許可通知(63)に従って前記電気ドライブ(15)を作動させるように、形成されており、
-少なくとも1つのモバイル端末(40)を有し、該モバイル端末が、無線接続(4)を介して前記車両(10)と通信するように形成されており、
前記電気ドライブ(15)を作動させるために、キーペアを介して暗号化された前記許可通知(63)が前記近距離通信装置(18)と前記モバイル端末(40)の間で交換される、
ものにおいて、
キーペアのキー(35、35’、35")が、ハードウェアID(45、45’、45")に基づいて、コンポーネント固有であり、かつコンポーネント(50)の交換によって有効性を失う、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
車両(10)であって、
-近距離通信装置(18)を有し、
-制御部(14)によって制御される電気ドライブ(15)を有し、前記制御部(14)が、前記近距離通信装置(18)の許可通知(63)に従って前記電気ドライブ(15)を作動させるように形成されており、かつ前記電気ドライブ(15)を作動させるために、キーペアを介して暗号化された前記許可通知(63)が前記近距離通信装置(18)によって受信される、
ものにおいて、
前記キーペアのキー(35、35’、35")が、ハードウェアID(45、45’、45")に基づいて、コンポーネント固有であり、かつコンポーネント(50)の交換によって有効性を失う、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の安全を保証するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリー駆動される車両、特に電気自転車(いわゆるEバイク)は、非常に人気がある。他の電気車両も、都市交通において重要性を獲得している(たとえば電気的な小型車両又はオフロード車両)。
【0003】
これらは、電気車両の値段が高いことに基づいて、盗まれるリスクが高い。
【0004】
たとえば電気車両を不動の対象に接続することを許す、ナンバー錠のような、伝統的な安全機構は、携帯しなければならず、したがって重いという、欠点を有している。それによって電気車両の行動範囲が減少する。さらに、電気車両が盗まれた場合に、すぐにそれを追跡するのは不可能である。さらに、錠を携帯するのはドライバーにとって不快であり、かつ購入には付加的なコストがかかる。
【0005】
自動車の場合には、盗難防止はきわめて成熟している。自動車においては、電子的なひげなしロックを有するキーレス-ゴーシステムは、従来技術である。その場合にひげなしロックは、非接触で車両を開放し、かつロックすることができる。自動車は、無線を介して解除して始動させることができる。さらに、最近の自動車にはアラームシステムが搭載されており、自動車が権限のない者によって移動されるとすぐに、アラーム信号を作動させる。
【0006】
自動車においては、自動車内にGPS位置トラッカーが配置されており、自動車が盗まれた場合に、それが自動車の追跡を可能にするような解決も知られている。そのために、地図上で自動車の位置を可視化するウェブサイトが設けられている。
【0007】
自転車については、Velocate社によるシステムが知られており、それにおいてGPS位置トラッカーが自転車の尾灯内に配置されている。尾灯が揺すられることにより、すなわちたとえば自転車が移動された場合に、スマートフォンアプリを介してユーザーへ警告が送信される。その場合に設定(configuration)のために、ブルートゥース(登録商標)接続が必要である。
【0008】
上述した解決の欠点は、車両が移動されるか、が連続的に測定されなければならないことである。さらに、それに応じたセンサ装置も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この従来技術から出発して、本発明の課題は、上述した欠点に焦点をあてたシステムと方法を提供することである。特に本発明の課題は、使用されるコンポーネントのエネルギ消費が少なく、確実かつ使いやすいシステムと方法を提供することである。さらに、個々のコンポーネントのコンパクトな構造を可能にしようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、次のものを有するシステムによって解決される:
-少なくとも1つのサーバ、特にクラウドサーバもしくはウェブサーバ;
-車両処理装置と車両通信装置とを備えた少なくとも1つの車両、特に自転車、三輪車又はオフロード車両(たとえばQUAD、ATV、UTV)、その場合に車両通信装置が、少なくとも1つのモバイル無線網を介してサーバと通信するように形成されており、その場合に車両処理装置が、データをサーバへ伝達するように形成されている。
【0011】
その場合にサーバが少なくとも1つの対応づけテーブルを有しており、その対応づけテーブルが少なくとも1つの車両に少なくとも1つの端末を対応づけ、その場合にサーバが次のように、すなわち
a)伝達された車両のデータを使用して、車両が不当に移動されたか、を確認し;
b)車両の移動が不当である場合に、対応づけテーブルを使用して付属の端末を求め;かつ/又は
c)不当な移動である場合に、対応する端末へ警告通知を送信する、
ように、形成されている。
【0012】
したがって本発明の重要な核心は、伝達された車両のデータのみに基づいて、車両が不当に移動されたか、が確認されることにある。その場合に1つの実施形態においては、データがたとえば、車両通信装置が所定のモバイル無線セルと通信することを示せば、充分である。モバイル無線セルは、通常、大まかな位置を示す。車両が他のセルと接続される場合には、それは、車両が移動されたことのインジケータとなる。車両が不当に移動されたか、を確認するために、サーバは少なくとも1つの対応づけテーブルを有している。対応づけテーブルは、車両と端末の一義的な対応づけを形成することができる。その場合に対応づけテーブルは、どの端末が警告通知を受け取るべきかを求める、きわめて簡単な可能性をあらわす。対応づけテーブルは、端末対車両の関係づけを許し、その関係づけは、特に1:1、1:Nあるいは又N:Mの関係づけタイプを有し、その場合にここでは関係づけタイプを記述するために、Min-Max表記法が使用される。
【0013】
ただサーバへデータを伝達するだけで済むことにより、システムのきわめてエネルギを節約する変換が可能である。さらに上述したシステムは、データが少なくとも実質的にサーバ上で処理されることを、許す。それによって、車両の処理装置がいわゆる埋め込みプロセッサとして、さほどパワフルではなく、わずかな電流しか消費しないプロセッサとして、形成されることが、可能である。またそれによって、車両がわずかなメモリのみを搭載することが、可能である。それによって車両のコストが低下する。
【0014】
ある実施形態において、システムは、少なくとも1つのモバイル端末、特にスマートフォン又はいわゆるウエアラブルを有することができる。
【0015】
ある実施形態において、車両が位置決定装置を有しており、その位置決定装置は、サテライトナビゲーションの信号を受信するため、かつ車両の位置を定めるために、形成されている。その場合に車両処理装置は、車両の位置をサーバへ伝達するように、形成することができる。位置決定装置は、たとえばGPS受信機又はGNSS受信機とすることができる。それによって、車両のきわめて正確な位置決定が可能である。したがって車両の位置がサーバへ伝達された場合に、車両が不当に移動されたか、をきわめて迅速に確認することが可能である。したがって車両の不当な移動から付属の端末へ知らせるまでの間の時間が、短縮される。
【0016】
ある実施形態において、車両は、制御部を介して制御される少なくとも1つの電気ドライブを有しており、その場合に車両状態を求めるために、車両処理装置が制御部及び/又は電気ドライブと通信接続することができる。ある実施形態において、車両が移動された場合にのみ、データがサーバへ送信される。
【0017】
したがって上述した実施形態においては、車両自体、車両が移動されたかどうかを確認するように、形成することができる。上述した実施形態において、サーバは、移動が正当に行われたか、不当に行われたかを確認することができる。したがってサーバ上の計算の手間が削減される。
【0018】
ある実施形態において、車両は近距離通信装置を有することができ、その近距離通信装置が端末及び車両処理装置と通信接続することができる。
【0019】
近距離通信装置は、たとえばブルートゥース(登録商標)モジュールとすることができ、その場合にワイヤレスUSB又は802.11A/B/G/N/AC WLANのような、他のテクノロジーも考えられる。車両が近距離通信装置を有している場合に、端末は車両と直接通信することができる。
【0020】
他の実施形態において、制御部は、近距離通信装置の信号に従って電気ドライブを作動させるように、形成することができる。
【0021】
たとえば短距離通信装置は、許可通知を受信することができる。その場合に許可通知は、車両を移動させてよいことを示す。その場合に許可通知は、短距離通信装置を介して受信することができ、そのことは暗示的に、端末が車両の近傍にあることを表す。
【0022】
したがって、上述したシステムによって、いわゆるキーレス-ゴー機能を提供することができる。その場合に端末は、キーの役割を果たす。このような機能性は、特に車両のドライバーにとって快適である。というのは、別のキーを携帯する必要がないからである。
【0023】
許可通知は、暗号化することができる。たとえばキーペアを使用する、非対称の暗号化方法を使用することができる。したがってある実施形態においては、電気ドライブを作動させるために、キーペアを介して暗号化された許可通知を短距離通信装置と端末との間で交換することができる。ある実施形態においては、車両を作動させるために、端末の認証が成功裏に行われれば、充分である。
【0024】
許可通知の暗号化が、システムの安全性を向上させる。したがって特に第三者には、許可通知を不当に車両へ送信することは、不可能である。暗号化するために、AES、SHA、PGPのような慣用の方法、あるいは、たとえば有限体において楕円曲線を使用するような、暗号方式を使用することができる。
【0025】
ある実施形態において、キーペアのキーは、コンポーネント固有とすることができ、かつコンポーネントの交換によってその有効性を失うことができる。
【0026】
車両のコンポーネントは、たとえばバッテリー、充電式バッテリー、制御部又は電気モータとすることができる。その場合にキーは、少なくとも部分的に、使用されるコンポーネントに基づいて生成することができる。たとえば1つ又は複数のコンポーネント、たとえばバッテリー又は充電式バッテリーのシリアルナンバー又は識別ナンバーが、偶然のキーを生成する場合のソルト(salt)として使用することができ、それによって入力のエントロピーが増大される。他の可能性は、キーペアのキーを生成するために、たとえば種々のコンポーネントのシリアルナンバーを組み合わせることにある。車両のコンポーネントが交換された場合に、キーはその有効性を失う。
【0027】
代替的に、種々のコンポーネントを明確にする、見出し語又はリストを設けることができる。この場合において、たとえば許可方法の経過において、存在するコンポーネントがリスト又は見出し語内で検出されたコンポーネントと一致するか、を検査することができる。一致しない場合には、存在する結合(ペアリング)及び/又はキーを消去し、もしくは非作動にすることができる。
【0028】
上述した実施形態は、不当なユーザーが、車両を走行できなくすることなしに、車両のコンポーネントを簡単に交換することはできない、という利点を有している。それによって安全性が向上する。
【0029】
他の実施形態において、車両処理装置は次のように、すなわち
a)走行状態及び/又は少なくとも1つのセンサ、特に加速度センサ、移動センサあるいは位置決定装置の信号に従ってアクティブ状態とパッシブ状態の間で変化し;
b)アクティブな状態においては、たとえば1時間より短い、特に10分より短い、小さいタイムインターバルで、データをサーバへ伝達し;
c)パッシブな状態においては、たとえば1時間よりも長い、特に2時間よりも長い大きいタイムインターバルで、データをサーバへ伝達し、あるいはパッシブ状態においては、データをサーバへ伝達しない、
ように形成することができる。
【0030】
車両が移動された場合に、データが高い周波数でサーバへ送信されると、効果的である。それによって、車両の位置を確認することが、可能である。車両が移動されない場合には、エネルギを節約するために、データがめったに送信されないと、効果的である。
【0031】
ある実施形態においては、車両がアクティブな状態にあるか、パッシブな状態にあるかを認識するために、加速度センサを使用することができる。そのために加速度センサの信号を分類することができる。たとえばSVM又はニューラルネットワークなどのような、機械学習方法が考えられる。
【0032】
ある実施形態においては、車両処理装置は、パッシブな状態においていくつかのコンポーネントを少なくとも時々電流なしに切り替えるように、形成することができる。
【0033】
たとえば、車両処理装置は、位置決定装置及び/又は車両通信装置を電流なしに切り替えるように、形成することができる。したがって、車両がパッシブな状態にある場合に、さらに電流が節約される。
【0034】
ある実施形態において、サーバは少なくともいくつかの車両について、それぞれの車両が移動してよいか、を表す許可情報を記憶することができ、その場合にサーバは、それぞれの車両の許可情報を使用して、車両が不当に移動されたか、を確認するように、形成することができる。
【0035】
したがって上述した実施形態においては、すべての情報がサーバ上にあって、それが簡単な管理と効率的なリソース利用を可能にする。
【0036】
ある実施形態においては、サーバは、対応づけられた端末から受信した命令に従って許可情報をセットするように、形成することができる。
【0037】
したがって原則的に、端末がサーバ上の許可情報をセットすることが可能である。それによって、車両の移動が正当に実施されるか、不当に実施されるかを、端末によって制御することができる。その結果、端末は認証に使用することができる。したがって上述したキーレス-ゴー機能を効率的に変換する、可能性が提供される。
【0038】
他の実施形態において、少なくとも1つの端末はアプリケーションを有することができ、そのアプリケーションは、アプリケーションが端末によって実施される場合に、サーバと通信し、かつ/又はサーバによって準備された情報を可視化するように、形成することができる。
【0039】
端末上で、たとえば、受信した情報を可視化するアプリを実施することができる。情報は、たとえば位置情報とすることができる。したがって車両の位置は、たとえば端末の地図上でいつでも表示することができる。直観的に操作される、ユーザーになじみやすく、かつ見やすい解決が提供される。
【0040】
ある実施形態において、デバイスは外部のサービス業者に配置することができる。外部のサービス業者は、たとえば民間警備業者、又は、たとえば警察のような、国の治安当局とすることができる。さらに、ある実施形態においては、デバイスをフリートオペレーターに配置することが可能である。
【0041】
したがって車両が不当に移動された場合に直接治安当局又は民間警備業者へ報告することが可能なので、それによって車両の回収を迅速に開始することができる。それによって潜在的威嚇が高まるので、事前に盗難を阻止することができる。
【0042】
課題はさらに、特に上述したようなシステムのため、かつ/又は上述したシステムの車両のための、方法によって解決され、その方法は、以下のステップ:
a)データ、特に位置データを、車両通信装置によってサーバへ伝達し;
b)伝達された車両のデータを使用して、車両が不当に移動されたか、を確認し;
c)車両が不当に移動された場合には、対応づけテーブルを使用して付属の端末を求め;
d)移動が不当である場合に、付属の端末に警告通知を送信する、
ステップを有している。
【0043】
システムに関連してすでに説明したのと同様又は同一の利点が生じる。
【0044】
ある実施形態において、方法は、不当な移動である場合に、信号発信器を作動させるステップを有することができる。たとえばクラクションを作動させることができるので、車両が不当に移動された場合には、近傍にいる通行人にアラームで知らされる。
【0045】
方法はさらに、上述した方法を履行させるための命令が実施される場合に、その命令を有するコンピュータ読取り可能なメモリによって解決される。
【0046】
課題はさらに、システムによって解決され、そのシステムは:
-車両処理装置と車両通信装置とを有する、少なくとも1つの車両、特に自転車、三輪車又はオフロード車両(たとえばQUAD、ATV、UTV)を有し、その場合に車両が制御部によって制御される電気ドライブを有し、かつその場合に制御部が、近距離通信装置の信号、特に許可通知、に従って電気ドライブを作動させるように、形成されており;
-少なくとも1つの端末、特にスマートフォンを有し、該端末が、無線接続を介して車両と通信するように形成されており、電気ドライブを作動させるために、キーペアを介して暗号化された許可通知が近距離通信装置と端末との間で交換される。
【0047】
その場合にキーペアのキーは、特にハードウェアIDベースの、コンポーネント固有であって、コンポーネントの交換によってその有効性を失う。
【0048】
システムに関連してすでに説明したのと同様又は同一の利点が生じる。
【0049】
ある実施形態において、無線接続はブルートゥース(登録商標)接続とすることができる。
【0050】
ある実施形態において、許可通知は、車両に対する端末の最小距離を下回った場合に自動的に伝達することができる。
【0051】
自動的な接続形成は、車両のドライバーが手動のステップを行う必要がない、という利点を有している。これは、きわめて快適な解決となる。
【0052】
ある実施形態において、車両は車両通信装置を有することができ、それは、データをモバイル無線網へ送信し、かつそこから受信するように形成することができ、その場合に車両通信装置はさらに、キーを含むデータを受信するように形成することができ、その場合に車両処理装置は、受信したキーに基づいて許可通知を復号化するためのキーを更新するように、形成することができる。
【0053】
車両通信装置が、キーを含むデータを受信することができると、効果的である。受信したデータは、キーの更新を実施するために、利用することができる。たとえば車両のドライバーがそのキーを紛失し、あるいは忘れた場合に、車両のメーカーから新しいキーを提供してもらうことができ、そのキーは、場合によっては暗号化して、車両へ伝達することができる。
【0054】
ある実施形態において、端末はバイオメトリックセンサ、特に指紋スキャナ又はアイリススキャナを有することができ、その場合に端末は、バイオメトリックセンサによって検出されたデータを使用して、キーペアのキーを受信するように形成することができ、そのキーによって許可通知を暗号化することができる。
【0055】
許可通知を暗号化するためのキーは、ドライバーのバイオメトリックデータに基づいて付加的に形成することもできる。したがってキーとドライバー及び車両との結合が保証されている。
【0056】
ある実施形態において、端末が車両の受信領域内にある場合、特に車両から2メートル、好ましくは1メートルの距離内にある場合に、許可通知の送信は自動的に実施することができる。
【0057】
ある実施形態において、端末が車両の受信領域内にあるか、の確認は、無線接続の信号強さに基づいて、かつ/又は信号到達時間に基づいて、実施することができる。
【0058】
さらに課題は、車両、特に自転車、三輪車又はオフロード車両(たとえばQUAD、ATV、UTV)によって解決され、その車両は、
-車両通信装置を有し;
-制御部によって制御される電気ドライブを有し、その場合に制御部は、近距離通信装置の信号、特に許可通知に従って電気ドライブを作動させるように形成されており、かつその場合に電気ドライブを作動させるために、キーペアを介して暗号化された許可通知が、近距離通信装置によって受信される。
その場合にキーペアのキーは、特にハードウェアIDベースで、コンポーネント固有であって、コンポーネントの交換によってその有効性を失う。
【0059】
他の実施形態が、下位請求項から明らかにされる。
【0060】
以下、複数の実施例を用いて本発明が記述され、それらの実施例が図によって詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図5】車両のドライバーに警告する方法のフローチャートである。
【
図6】キーレス-ゴー機能の使用を図式的に示している。
【
図7】車両充電式バッテリーを図式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下において、同一又は等しく作用する部分には、同一の参照符号が使用される。
【0063】
図1は、ドライバーに警告するシステム1の図式的な表示を示している。システムは、自転車10、サーバ30及びスマートフォン40を有している。スマートフォン40は、たとえばドライバーによって保持することができ、かつアプリを実施することができ、そのアプリがサーバ30から警告メッセージ61を受信することができる。サーバ30は、第1の実施例においてウェブサーバとして形成されており、それがインターフェイスを提供し、そのインターフェイスは、スマートフォン40上のアプリから利用することができる。
【0064】
サーバ30は、モバイル無線網2と通信接続されている。したがってサーバ30は、呼びかけに応じること、あるいはたとえばSMSメッセージを受信することができる。さらにサーバ30は、モバイル無線網2を介してインターネット接続を形成することができる。そのためにサーバ30は、たとえばUMTS規格又はLTE規格を使用することができる。したがって警告メッセージ61は、モバイル通信網2を介して送信することもできる。
【0065】
自転車10がデータ60をモバイル通信網2へ送信し、そのデータがサーバ30によって受信される。データ60は、たとえば位置データ60とすることができる。位置データ60はたとえば周期的に、たとえば1時間、2時間あるいは分単位の時間間隔で、送信することができる。
【0066】
受信したデータ60を用いてサーバ30は、自転車10が移動されたか否かを、求めることができる。データ60がGPS座標である場合に、サーバ30によって、GPS座標が変化したか、を簡単に求めることができる。しかしデータ60は、モバイル無線セルの識別ナンバーであってもよい。その場合にサーバ30は、モバイル無線セルの識別ナンバーが変化したか、を確認することができる。モバイル無線セルの変化がもたらされた場合には、自転車10の移動が存在する。
【0067】
他の実施例においては、データ60は、自転車10の経路を予測するために、利用することができる。そのためにたとえばパーティクルフィルタ又は再帰型ニューロネットワークを使用することができる。その場合に履歴位置データがエビデンスとして使用できるので、未来の位置を予測することができる。
【0068】
サーバ30は、自動車が移動されたかの確認後に、その移動が正当な移動であるか、不当な移動であるか、を求めることができる。サーバ30が、自転車10の移動が不当に行われたことを確認した場合に、サーバは警告メッセージ61をスマートフォン40へ送信する。第1の実施例において、警告メッセージ61はSMSである。他の実施例においては、警告メッセージ61はウェブサービスのプッシュ通知であってもよい。
【0069】
警告メッセージ61は、たとえば自転車10の位置についての情報を含んでいる。すなわち自転車10の位置は、スマートフォン40の表示装置上に地図で可視化することができる。さらに、スマートフォン40が自転車10の過去の移動の推移を地図上に示すことが、可能である。したがってスマートフォン40のユーザーにはいつでも、自転車10がどこへ移動しているか、を追跡することが可能である。そのようにして法執行機関又はユーザー自体が、自転車10を取り戻すことができる。
【0070】
図2は、システム1の自転車10の図式的な構造を示している。自転車10は、少なくとも1つの車両処理装置11と車両通信装置12とを有している。車両処理装置11は、車両通信装置12を使用しながらモバイル無線網2を介して通知をサーバ30へ送信するように、形成されている。上述したように、車両通信装置12は、たとえばSMSをサーバ30へ送信することができる。
図2に示す自転車10は、さらに位置決定装置13を有している。位置決定装置13は、GPS受信機として形成することができ、したがって自転車10の現在の位置を定めることができる。
【0071】
求められたGPS座標は、その後車両通信装置12を介してサーバ30へ送信することができる。
【0072】
しかし他の実施例においては車両処理装置11が、自転車10の位置が変化したか、を検査することも可能である。SMS又は他の通知は、自転車10の位置が変化した場合にのみ、サーバ30へ送信すれば済む。したがって通知の不必要な送信を阻止することができる。
【0073】
実施例において自転車10は、電気ドライブ15を有する電気自転車である。電気ドライブ15は、バッテリー50から電流を供給されて、制御部14によって駆動される。電気ドライブ15は、この実施例においてペダルを踏み込む際にドライバーを支援する。したがって車両処理装置11は、電気ドライブ15がアクティブである場合に、自転車10が移動するか、も確認することができる。したがってこの実施例において、位置決定装置13を省くことができる。自転車10が移動するか、を確認するための他の可能性は、加速度センサ17を設けることである。加速度センサ17は、たとえばジャイロメータとして形成することができる。車両処理装置11は、加速度センサ17によって生成されたデータを使用しながら、自転車10の移動が存在するか、を確認することができる。したがって、自転車10の移動を確認するために、加速度センサ17を設けるだけで充分である。
【0074】
他の実施例においては、車両通信装置12が、加速度センサ17の生データもしくは車両処理装置11によってあらかじめ処理されたデータを、サーバ30へ送信することができる。
【0075】
この実施例において、車両通信装置12は、サーバ30から通知を受信するように、形成されている。たとえば、サーバ30によって、自転車10の移動が不当な移動であることが確認された場合に、サーバ30は通知を車両通信装置12へ送信することができる。車両処理装置11は、通知の受信に反応して,自転車10に配置されているクラクション19を作動させることができる。それによってそばにいる通行人は、自転車10の不当な移動を知らされる。
【0076】
上述した実施例において、自転車10のドライバーもしくは所有者は、不当な移動について知らされ、位置データ60を介して自転車10を見つけることができる。さらに、自転車10に設けられたアラーム設備機能を作動させることが可能なので、そばにいる通行人は、盗難を知らされる。
【0077】
図3は、サーバ30の例を示している。サーバ30は、図示される例において計算ユニット31、メモリ32およびネットワークインターフェイス、たとえばネットワークカード33を有している。さらにサーバ30はデータベースを有しており、そのデータベースが多数の対応づけテーブル34を有している。
【0078】
ネットワークカード33が自転車10からデータ、たとえば位置データ60を伴う自転車IDを受信する。まずサーバ30は、自転車10の移動が存在するか、を確認することができる。その場合にメモリ32内に記憶されている自転車10の過去のデータを、受信した位置データ60と比較することができる。位置データの偏差が存在する場合に、移動が確認される。対応づけテーブル34内には、許可情報36、36’、36”が含まれており、それらは許可情報36、36’、36”(
図4を参照)に対応づけられた車両10の移動が、正当に実施されたか、不当に実施されたか、を示す。したがって対応づけテーブル34を介してサーバ30は、自転車10の確認された移動が正当に実施されたか、不当に実施されたか、を簡単に確認することができる。
【0079】
サーバ30によって、自転車10の移動が不当に実施されたことが確認された場合に、ネットワークカード33が警告通知61をドライバーのスマートフォン40へ送信する。
【0080】
図4は、対応づけテーブル34の図式的な構造を示しており、その対応づけテーブルはサーバ30のデータベースに記憶されている。対応づけテーブル34は、第1のコラムを有し、その中に車両ナンバー20、20’、20"が記憶されている。これらの車両ナンバー20、20’、20”は、車両を一義的に同定する「グローバル一意識別子」(GUID)タイプであることができる。対応づけテーブル34は、さらにデバイス番号45、45’、45"のためのコラムを有しており、その場合にデバイス番号45、45’、45”は、たとえばスマートフォンのようなモバイル端末デバイス40のIMEIナンバーであることができる。したがって各車両10にデバイス40が一義的に割り当てられている。
【0081】
車両ナンバー20、20’、20”用のコラムとデバイス45、45’、45”用のコラムから、車両10の不当な移動が確認された場合に、サーバ30がどのデバイス40に警告通知61を送信しなければならないか、を求めることができる。
【0082】
対応づけテーブルは、さらに、許可権限36、36’、36”用のコラムを有することができる。許可権限用のコラムは、許可情報36、36’、36”に付属する車両10を移動してよいか、を表す。
【0083】
たとえばサーバ30が、車両ナンバー20を有する車両10が移動されたことを確認した場合に、許可情報36は、この移動が正当に実施されたか、あるいは不当に実施されたか、を表す。移動が不当である場合に、デバイス番号45を有するデバイス40に警告通知61が送信される。
【0084】
対応づけテーブル34は、さらにユーザーを承認するために使用することができるキー35、35’、35”を記憶するコラムを有することができる。たとえばキー35、35’、35”は、非対称の暗号化方法の私と公のキーのタプルとすることができる。キー35、35’、35”は、自転車10の詳細な通知61を検証するために、使用することができる。それによって、不当な通知60が受信されることを、排除することができる。
【0085】
他の実施例においては、デバイス40用のコラム内に、唯一のデバイスナンバー45、45’、45”の他にデバイスナンバー45、45’、45”のタプル(tuple、組)も記載することができる。車両ナンバー用のコラム内に、唯一の車両ナンバー20の他に車両ナンバー20のタプルも記載することができる。したがって対応づけテーブル34によって1:N及びM:Nの関係も変換される。代替的に対応づけテーブル34は、デバイスナンバー又は車両ナンバーのための他の多数のコラムを有することができ、それによって上述した関係タイプを変換することができる。
【0086】
実施例において、デバイス40は第三者プロバイダーに配置されている。第三者プロバイダーは、たとえば民間の警備業者、警察又はフリートオペレーターとすることができる。すなわち第三者も車両10の不当な移動について、いつでも報告を受けることができる。
【0087】
図5は、ドライバーに警告する方法のフローチャートを示している。ステップS1において、データ60がサーバ30へ伝達される。そのために車両通信装置12を使用することができる。データ60は、特に自転車10の位置データとすることができる。
【0088】
ステップS2において、伝達されたデータ60から、車両10の状態Zが走行状態Z1であるか停止状態Z2であるかが確認される。状態Zが停止状態Z2に相当することが確認された場合には、方法がステップS1から続行される。それに対して状態Zが走行状態Z1に相当することが確認された場合には、方法はステップS3へ進んで、そこで車両10の移動が正当な移動であるか、不当な移動であるかが求められる。
【0089】
そのために、対応づけテーブル34が使用される。
【0090】
車両10の移動が不当な移動であることが確認された場合に、対応づけテーブル34内で対応づけられたスマートフォン40へ警告通知61が送信される。
【0091】
図6は、他の実施例を図式的に示している。
図6の実施例において、自転車10は付加的にブルートゥース(登録商標)モジュール18(
図2も参照)を有している。スマートフォン40も同様にブルートゥース(登録商標)モジュール42を有している。したがってスマートフォン40は、直接自転車10と通信することができる。特にスマートフォン40は、自転車10との通信が成功裏に形成されている場合に、移動が正当に行われることを示す、対応づけテーブル34内の許可情報36をセットするために、サーバ30へ通知62を送信することができる。
【0092】
スマートフォン40が自転車10の受信領域3内にあると直ぐに、スマートフォン40と自転車10との間に接続が自動的に形成されると効果的である。受信領域3は、半径Rによって定められ、かつブルートゥース(登録商標)モジュール18と42の到達距離に依存している。
【0093】
自転車10とスマートフォン40の間に接続を形成するために、図示される実施例においては、自転車10とスマートフォン40の間で暗号化された許可通知64が交換される。したがって、正当なスマートフォン40のみが該当する自転車10と通信することが、保証されている。通知64を暗号化するために使用されるキー35、35’、35”は、少なくとも一部は、自転車10内で使用されるハードウェアコンポーネントに基づくことができる。すなわちこの実施例においては、キー35、35’、35”は、組み込まれた充電式バッテリー50のシリアルナンバーを使用して形成される。充電式バッテリー50が交換された場合には、キー35、35’、35”はその有効性を失う。したがって自転車10における変更によって、不当なユーザーが自転車10の不当な移動を行うことは、不可能になる。
【0094】
スマートフォン40と自転車10の間の接続が成功裏に形成された場合に、自転車10の制御部14が電気ドライブ15を解放する。通常の場合に電気ドライブ15は、オフにされているので、自転車10の不当な移動は阻止される。したがってスマートフォン40が自転車10に接近すると、いわゆるキーレス-ゴー機能が提供される。
【0095】
図7は、本発明の他の実施例を示している。すなわちスマートフォン40は、自転車10の個々のコンポーネント50との接続を形成するためにも使用される。この例において充電式バッテリー50が計算ユニット51、メモリ52及び通信装置53を有している。通信装置53は、メモリ52から充電式バッテリー50のハードウェアID54を読み出して、それに基づいてキーを形成することができ、そのキーはスマートフォン40によって認証のために使用することができる。認証が成功裏に実施された場合に、充電式バッテリー50-は自転車10の駆動に必要なエネルギ供給を提供する。
【0096】
図示される実施例の利点は、たとえば自転車10もしくは車両10にキーレス-ゴー機能を後から搭載できることである。
【0097】
図8に示す実施例においては、サーバ30を省くことができる。その場合にスマートフォン40と自転車10の間の通信は、無線接続4を介して行われ、警告通知61は自転車10から直接スマートフォン40へ送信される。
【0098】
当業者には、上述した実施例と実施形態が例としての特徴しかもたず、かつ、発明の理念から逸脱することなしに、実施例の個々の視点を互いに組み合わせることができることは、明らかである。
【符号の説明】
【0099】
1 システム
2 モバイル無線網
3 受信領域
4 無線接続
10 車両、自転車
11 車両処理装置
12 車両通信装置
13 GPS受信機、位置決定装置
14 制御部
15 電気ドライブ
16 バッテリー、コンポーネント
17 加速度センサ
18 ブルートゥース(登録商標)モジュール、近距離通信装置
19 信号発信器、クラクション
20、20’、20” 車両ID
30 サーバ
31、41、51 計算ユニット
32、52 メモリ
33 通信装置、ネットワークカード
34 対応づけテーブル
35 キー
36、36’、36” 許可情報
40 スマートフォン、モバイル端末
42 ディスプレイ
42 ブルートゥース(登録商標)モジュール
43 LTE-、UMTS-、GSM(登録商標)-モジュール
44 位置決定装置、GPSセンサ
45、45’、45” デバイスID
41 アプリ、アプリケーション
50 バッテリー、充電式バッテリー
53 通信装置
54 ハードウェアID
60 データ、位置データ
61 警告通知
62 許可情報をセットするための命令
63 許可通知、信号
64 暗号化された許可通知
R 間隔
Z 状態
Z1 走行状態
Z2 停止状態