(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ペン針組立品を据え付けるための装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
A61M5/32 510Z
A61M5/32 502
(21)【出願番号】P 2019529849
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 US2017064698
(87)【国際公開番号】W WO2018106680
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】201621333824.1
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201611111494.6
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー ゾン
(72)【発明者】
【氏名】ホワション ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ フー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ティンティン ファン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-014615(JP,A)
【文献】特開2015-139623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン針送達デバイスのための少なくとも1つのペン針組立品を支持するためのデバイスであって、前記ペン針組立品は、外側カバー、カニューレを有する針ハブ、および内側シールドを含み、前記デバイスは、
上壁および側壁を有するハウジングであって、前記上壁は、前記ペン針組立品を受け入れるための少なくとも1つの第1のウェルおよび前記第1のウェルよりも小さい直径および前記内側シールドを受け入れおよび保持するための寸法を有する少なくとも1つの第2のウェルを備える外側上面を有する、ハウジング、および、
同時に、前記外側カバーおよび使用された針ハブを前記第1のウェルから排出しおよび前記内側シールドを前記第2のウェルから排出するためのエジェクタ
であって、前記エジェクタは、第1の位置から第2の位置に移動可能であり、前記エジェクタは、前記第1のウェルと協働する第1のプランジャおよび前記第2のウェルと協働する第2のプランジャを含み、それによって、前記第1の位置から前記第2の位置への前記エジェクタの移動は、前記外側カバーおよび使用された針ハブを前記第1のウェルから排出し、および前記内側シールドを前記第2のウェルから排出する、
エジェクタ
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1のウェルは、前記外側カバーからの前記針ハブの分離を可能にするために、前記ペン針組立品の前記外側カバーと係合するための寸法を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のウェルは、前記外側カバーからの前記針ハブの分離を可能にするためおよび前記第1のウェル内部における前記外側カバーの回転を抑制するために十分な力で前記外側カバーを把握するために、前記外側カバーの形状および寸法を補完する形状および寸法を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1のウェルは、前記ハウジングに対する前記外側カバーの前記回転を抑制するために、前記外側カバー上の補完凹部と結合するために、配向されるリブを含むことを特徴とする請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のウェルは、前記内側シールドからの前記針ハブの分離を可能にするために、前記内側シールドと係合するための寸法を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2のウェルは、摩擦嵌合によって前記内側シールドを把握するための内面を有することを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
ペン針送達デバイスのための複数のペン針組立品を支持するための格納デバイスであって、各ペン針組立品は、外側カバー、カニューレを有する針ハブ、および内側シールドを含み、前記デバイスは、
上壁および側壁を有するハウジングであって、前記上壁は、前記ペン針組立品を受け入れるための複数の第1のウェルおよび前記第1のウェルよりも小さい直径および前記内側シールドを受け入れおよび保持するための寸法を有する複数の第2のウェルを備える外側上面を有する、ハウジング、および
同時に、前記外側カバーおよび使用された針ハブを前記第1のウェルから排出しおよび前記内側シールドを前記第2のウェルから排出するための移動可能エジェクタ
であって、前記エジェクタは、第1の位置から第2の位置に移動可能であり、前記エジェクタは、それぞれの第1のウェルと協働するためおよびそれぞれの第1のウェル内で摺動するための第1のプランジャ、およびそれぞれの第2のウェルと協働するためおよびそれぞれの第2のウェル内で摺動するための第2のプランジャを含み、それによって、前記第1の位置から前記第2の位置への前記エジェクタの移動が、前記外側カバーおよび使用された針ハブを各前記第1のウェルから排出し、および前記内側シールドを各前記第2のウェルから排出する、
エジェクタ
を含むことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
前記第1のウェルは、前記外側カバーからの前記針ハブの分離を可能にするために、前記第1のウェル内において前記ペン針組立品の前記外側カバーを係合しおよび保持するための寸法を有することを特徴とする請求項
7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のウェルは、前記外側カバーからの前記針ハブの分離を可能にするためおよび前記第1のウェル内部における前記外側カバーの回転を抑制するために、十分な力で前記外側カバーを把握するために、前記外側カバーの形状および寸法を補完する形状および寸法を有することを特徴とする請求項
7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1のウェルは、当該ウェルおよびハウジングに対する前記外側カバーの前記回転を抑制するために、前記外側カバー上の補完凹部と結合するために、配向されるリブを含むことを特徴とする請求項
9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2のウェルは、前記内側シールドからの前記針ハブの分離を可能にするために、前記内側シールドと係合するための寸法を有することを特徴とする請求項
7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2のウェルは、摩擦嵌合によって前記内側シールドを把握するための内面を有することを特徴とする請求項
11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(a)の下、2016年12月6日に出願された中国実用新案出願番号第201621333824.1号、および2016年12月6日に出願された中国発明特許出願第201611111494.6号に基づく優先権を主張し、これらは参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、ペン針組立品をペン送達デバイスに据え付ける際に使用するための装置に関する。より具体的には、本発明は、概して、不注意な(inadvertent)針刺しのリスクを低減させるために、内側シールド(内側シールド)を備える針ハブを保持するためおよび使用後の針ハブを保持するための第1のウェルを有する装置に関する。装置は、内側シールドに手を触れる必要なく内側シールドを針ハブから分離するための、内側シールドを受け入れるための第2のウェルを有し得る。
【背景技術】
【0003】
インスリンおよび他の注射可能薬(injectable medications)は、一般に、薬物送達ペンを用いて送達され、それによって使い捨てのペン針ハブはペンに取り付けられて、薬物容器(drug container)アクセスを容易にしおよび流体が容器から針を通って患者内に出ることを可能にする。
【0004】
様々なペン針送達デバイスは、物質を患者に分配するための技術分野において知られている。送達デバイスは、多くの場合、患者内に挿入するためのハブの患者端から延びるカニューレまたは針を有する使い捨ての針ハブを使用する。ハブの非患者端は、物質を患者に送達するためのペン送達デバイスに結合される。
【0005】
針ハブ組立品は、多くの場合、いくつかのばらの状態の(loose)針ハブを含有する容器内に包装される。針ハブは、包装から選択され、および患者に注射をするためのペン針送達デバイスに取り付けられ、および次いで、取り外されて廃棄される。針ハブ包装は、針ハブを封入する外側カバー、および外側カバーから剥離されて針ハブが取り外され得るようにキャビティ―を開放する取り外し可能シール、を含む。針ハブは、送達デバイス上に螺合される(threaded onto)ねじ付き(threaded)非患者端を有し得る。針ハブが取り付けられた状態の送達デバイスは、次いで、外側カバーから取り外される。内部針シールドは、デバイスが使える状態となるまでカニューレを覆うために、針ハブに取り付けられる。シールドは、物質を患者に送達するために使用するためのカニューレを露出させるために取り外される。使用後に、針ハブは、露出されたカニューレを封入するために、外側カバー内に挿入し戻され得る。ペン送達デバイスは、針ハブを外側カバー内部に残して針ハブから分離される。
【0006】
従来の(prior)デバイスは、針ハブへ接続しおよび針ハブを送達デバイスから取り外すために両手の使用を必要とする。外側カバー内に配置し戻される間、カニューレは、露出され、および偶発的な針刺しの高いリスクをもたらす。使用済みの針ハブおよびカニューレを外側カバーのキャビティ内へ位置付ける間に外側カバーを把持する手動操作は、偶発的な針刺しなしには困難であり得る。
【0007】
既存の(Existing)ペン針組立品は、Marshらに対する特許文献1およびR. Marshに対する特許文献2に開示されており、その両方の内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0008】
従来のデバイスは、意図される使用のために適当であったが、業界において、ペン針ハブ組立品のための改善された包装に対する継続的な要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2006/0229562号
【文献】米国特許出願公開第2007/0149924号
【発明の概要】
【0010】
少なくとも1つのペン針ハブ組立品を受け入れるための装置およびデバイスが開示される。特に、1つの特徴は、不注意な針刺しのリスクを低減させる方法で使用され得るペン針組立品のための包装または装置を対象とする。
【0011】
1つの実施形態において、装置には、針ハブおよびカニューレを保持および支持する一方、ペン針送達デバイスに取り付け、および使用された針ハブを処分(disposal)のために格納するための針ハブ用のウェルが備わっている。装置は、操作者が内側シールドに手を触れることなく内側シールドが針ハブから取り除かれ得るようにカニューレを覆う内側シールドを受け入れるための凹部またはウェルを有する。使用された針ハブは、ウェル内に挿入し戻されおよび処分の準備ができるまで格納され得る。エジェクタ機構は、針ハブ、外側カバーおよび内側シールドを、鋭利物容器(sharps container)のような適当な処分手段(disposal)に排出するために設けられる。
【0012】
装置の別の態様に従って、内側シールドは、内側シールドが摩擦嵌合(friction fit)または干渉嵌合(interference fit)によって保持されるように、装置内のウェル内に挿入され得る。針ハブおよびカニューレは、次いで、内側シールドがウェル内に保持されている間に、使用者が内側シールドに手を触れる必要なしに、内側シールドを分離するために引っ張られ得る。
【0013】
装置の1つの態様は、使用者が針ハブ上の露出されたカニューレを備える露出されたハブに手を触れる必要なしに針ハブを送達デバイスに取り付けるために針ハブ組立品を受け入れおよび支持するためのデバイスを提供することである。針ハブ組立品は、送達デバイスが針ハブの非患者端に取り付けられ得るように、デバイス内に位置付けられる。針ハブ上の内側針シールドは、次いで、内側シールドが内側シールドに手を触れることなく針ハブから分離され得るように、内側シールドを把握するためにデバイス内のウェル内に挿入され得る。使用後に、針ハブは、デバイスのウェル内に位置付けられ、および送達デバイスから接続解除され、そこでデバイスは、使用された針ハブ、外側カバー、および内側シールドを保持する。針ハブは、カニューレを封入しおよび不注意な針刺しのリスクを低減させるために、摩擦嵌合または干渉嵌合によって針ハブウェル内に保持され得る。エジェクタは、使用された構成要素をデバイスから処分容器内に排出するために設けられる。
【0014】
装置の様々な特徴は、基本的に、ペン針組立品が外側カバー、針ハブ、および針ハブ上のカニューレを覆う内側シールドを含むペン針組立品のためのデバイスを提供することによって達成される。デバイスは、上壁および側壁を有するハウジングを含む。上壁は、ペン針組立品を受け入れるための寸法を持つ少なくとも1つの第1のウェルを備える外側上面を有する。第2のウェルは、上壁内に形成され、および第1のウェルの直径よりも小さい直径および内側シールドを受け入れおよび保持するための寸法を有する。デバイスは、外側カバーおよび針ハブを第1のウェルから排出するため、および内側シールドを第2のウェルから排出するため、のエジェクタを含む。
【0015】
1つの実施形態において、第2のウェルは、内側シールドをウェル内へ挿入することにより、針ハブがペン針に取り付けられたときに物質を患者に送達するためのカニューレを露出させるために内側シールドを分離するために外方に引っ張られ得る十分な力で内側シールドを把握するように、摩擦嵌合または干渉嵌合によって内側シールドを受け入れるための寸法を有する。針ハブおよびカニューレの使用後に、針ハブは、第1のウェル内に挿入され、そこで、針ハブは、ペン針送達デバイスが針ハブから操作者が針ハブに手を触れることなく分離されそれによって不注意な針刺しのリスクを低減し得るように、摩擦嵌合または干渉嵌合によって把握され得る。
【0016】
装置の特徴は、外側上面を備える上壁を有するハウジングを含むデバイスを提供することによって、さらに達成される。上壁は、第1の寸法を持つ複数の第1のウェル、および第2の寸法を持つ複数の第2のウェル、を含む。各第1のウェルは、外側カバー、カニューレを有する針ハブ、およびカニューレを封入するために針ハブに結合される内側シールド、を有するペン針組立品を受け入れる。第2のウェルは、内側シールドを受け入れおよび保持するための寸法を有する。デバイスは、第1のウェルに受け入れられた外側カバーおよび使用された針ハブを排出するため、および第2のウェルに受け入れられた内側シールドを排出するため、のエジェクタをさらに含む。
【0017】
本発明の特徴は、支持デバイスを用いてペン針組立品の針ハブを送達デバイスに結合する方法によってさらに達成される。デバイスは、ペン針組立品を含有するための複数の第1のウェル、ペン針組立品の内側シールドを受け入れるための寸法を持つ複数の第2のウェル、を備える上壁、およびペン針組立品の外側カバーと針ハブとを第1のウェルから排出しおよび内側シールドを第2のウェルから排出するためのエジェクタ、を有する。方法は、送達デバイスの結合端を第1のウェル内に挿入して針ハブの開放端と係合および結合させる工程を含む。針ハブが取り付けられた状態の送達デバイスは、外側カバーが第1のウェル内に保持されたままで、取り外される。内側シールドは、第2のウェル内に挿入され、そこで内側シールドは、物質を患者に送達するのに使用するためのカニューレを露出させるために、針ハブが内側シールドから引き離されおよび分離され得るのに十分な力で把握される。使用後に、針ハブは、第1のウェル内に保持された外側カバー内に挿入され、および送達デバイスから接続解除される。エジェクタは、次いで、処分のために、使用された針ハブおよび外側カバーを第1のウェルから排出し、および内側シールドを第2のウェルから排出するために、作動させられる。
【0018】
本発明の目的、利点、および顕著な特徴は、添付図面と併せて本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から、明らかになるであろう。
【0019】
本発明の様々な実施形態の上述の利益および他の利点は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から、および添付図面から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】針ハブ、内側シールド、およびカバーを含むペン針組立品を示す、1つの実施形態におけるペン針送達デバイスの分解図である。
【
図3】1つの実施形態における格納デバイス(storage device)の上面斜視図である。
【
図4】把握部材を示す、
図3の格納デバイスの底面斜視図である。
【
図5】ウェル内に位置付けられたペン針組立品を示す、格納デバイスの断面図である。
【
図6】針ハブに接続されている送達デバイスを示す、デバイスの断面図である。
【
図7】外側カバーから引かれている針ハブを示す、デバイスの斜視図である。
【
図8】内側シールドをデバイスのウェル内に挿入するペン針送達デバイスの断面図である。
【
図9】内側シールドから分離されているペン針送達デバイスの断面図である。
【
図10】ウェル内に保持される外側カバー内に挿入されている針ハブの断面図である。
【
図11】使用後に外側カバー内部に位置付けられた針ハブを示す断面図である。
【
図12】使用された針ハブから分離された送達デバイスを示す断面図である。
【
図13】使用された針ハブ、外側カバーおよび内側シールドをデバイスから排出するための位置にあるエジェクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を通して、同様の参照番号は、同様の部品、構成成分、および構成を指すことは理解されよう。
【0022】
本装置は、ペン送達デバイスと使用するための少なくとも1つのおよび好ましくは複数のペン針組立品を格納しおよび支持するためのデバイスを対象とする。装置は、偶発的な針刺しのリスクを低減させるために、使用された針ハブが使用後にデバイス内に再配置され(replaced)および後に針ハブに手を触れることなく廃棄され得る、使用された針ハブのための格納デバイスを対象とする。
【0023】
本開示は、以下の記載において明らかにされまたは図面に例示される構造の詳細および構成成分の配置へのその適用に限定されないことは、当業者によって理解されよう。本明細書における実施形態は、様々な方法で修正され実施されまたは実行され得る。また、本明細書において使用される言葉遣い(phraseology)および用語(terminology)は、説明の目的のためであり、および限定しているとみなされるべきではないことは理解されよう。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」およびそれらの変形の使用は、以降に列挙されるアイテムおよびそれらの等価物、ならびに付加的なアイテムを包含することが意味される。そうではないと限定されない限り、本明細書における用語「接続され(connected)」、「結合され(coupled)」、および「据え付けられ(mounted)」、ならびにそれらの変形は、広く使用され、および直接的および間接的な接続、結合、および据え付けを包含する。加えて、用語「接続され(connected)」および「結合され(coupled)」およびそれらの変形は、物理的または機械的接続または結合に制限されない。さらに、上に(up)、下に(down)、底(bottom)、および上(top)のような用語は、相対的であり、および例示を助けるために採用されるが、限定的ではない。
【0024】
針ハブ組立品のためのデバイスは、便利かつ容易な組み立て、および露出された針カニューレに手を触れることが減らされたペン送達デバイス上の針ハブの取り外しを可能にし得る。針ハブ組立品のためのデバイスは、ペン針送達デバイスが針ハブ組立品に片手で取り付けられ、それによって、露出された針カニューレを備える針ハブに手を触れることによる針刺しのリスクを低減し得るように、テーブルのような平坦な表面上に配置され得る。
【0025】
ペン針送達デバイス10は、
図1に示されるように、典型的には、用量ノブ/ボタン、外部スリーブ12、およびキャップを含む。用量ノブ/ボタンは、使用者が注射されるべき薬の投与量を設定することを可能にする。外部スリーブ12は、外部スリーブ12は、薬を注射するときに、使用者によって把握される。キャップは、シャツポケット、財布、または他の適当な場所にペン注射器デバイス10を安全に保持し、および偶発的な針
刺し損傷からのカバー/保護を提供するために、使用者によって使用される。
【0026】
標準的なペン針送達デバイスにおいて、投薬および送達機構は全て、外部スリーブ12内部で見られ、およびそれらは従来技術の知識を有する者によって理解されるので、本明細書により詳細には記載されない。薬剤カートリッジ(medicament cartridge)は、典型的には、知られている取り付け手段によって標準的なペン注射器ハウジングに取り付けられる。薬剤カートリッジ内部におけるプランジャまたはストッパの遠位移動(distal movement)は、薬がリザーバ
またはハウジング内に押し込められることを引き起こす。薬剤カートリッジは、セプタムによってシールされ、およびリザーバまたはハウジング内部に位置するセプタム貫通針カニューレによって穿刺される。リザーバハウジングは、好ましくは、薬剤カートリッジ上に螺着される(screwed onto)が、他の取り付け手段が使用され得る。ペン針送達デバイスは、業界において知られている標準的なペン送達デバイスであり得るので、ペン針送達デバイスは詳細には示されない。ペン針組立品18は
図2に示されるように、カニューレ20を支持する針ハブ16、外側カバー22、および内側シールド24を含む。保護シール26は、清潔なおよび滅菌状態(clean and sterile condition)に維持するために針ハブおよびカニューレを封入するために、
図2に示されるように外側カバーの開放端に取り付けられる。シールは、使用の間、針ハブにアクセスするために外側カバーから容易に剥離され得るラベルまたは他のクロージャ部材であり得る。
【0027】
ペン針送達デバイス10は、送達デバイス10のねじ山付き端(threaded end
)に螺着する(screw onto)雌ねじを備える接続用非患者端を有する
図1に示される針ハブ16に接続される。針カニューレ20は、物質を患者に送達するための針ハブ16の患者端から延びる。外側カバー22は、使用前および後に偶発的な針刺しから患者を保護するために針カニューレを覆うために提供され得る。内側シールド24は、カニューレを封入するために針ハブ16の該端から延びるポストを覆って設けられる。使用の間、針ハブ16はペン送達デバイスに接続され、および内側シールドは取り外される。使用後に、外側カバーは、概して、針カニューレを覆うために針ハブ上に配置し戻される。カバーの付いた針ハブは、次いで、ペン針送達デバイスから取り外され、および廃棄される。
【0028】
デバイスは、少なくとも1つのペン針組立品を、露出されたカニューレを備える針ハブに使用者が手を触れる必要なく、物質を患者に注射するために使用するための針ハブに送達デバイスまたはペン針注射器デバイスが結合され得る場所において、受け入れおよび支持するために構成される。使用された針ハブおよびカニューレは、次いで、デバイス内に保持されおよび送達デバイスから分離された外側カバー内に、位置付けされ戻され得る。使用された外側カバーおよび針ハブおよび内側シールドは、デバイス内に保持される。デバイスは、次いで反転され得(can be inverted)、およびエジェクタは、使用された外側カバー、針ハブおよび内側シールドを安全な処分のために構成要素に手を触れることなく排出するために作動されまたは展開(deployed)され得る。
【0029】
図3から
図5を参照して、本発明の支持用デバイス30は、側壁34、上壁36、開放底端38、および開放底端38内に受け入れられるエジェクタ40を備えるハウジング32を含む。上壁36は、ペン針組立品用のウェルを形成する少なくとも1つのおよび好ましくは複数の凹部を備える外側上面42を有する。示される実施形態において、上壁36は、互いから離間されおよび上面42から外方に面する複数の第1のウェル44を有する。各ウェル44は、ペン針組立品を受け入れおよび支持する寸法を有し、および
図5に示される。複数の第2のウェル46もまた、上壁36内に設けられ、および第1のウェル44から間隔が空けられる。第2のウェル46は、内側シールド24を受け入れおよび支持するための寸法を有する。
【0030】
示されおよび説明される実施形態において、ウェル44および46は、上壁36内に形成される。他の実施形態において、ウェルは、使用者にとってアクセスしやすい側壁内または他の場所に設けられ得る。ウェルを上壁内に設けることにより、送達デバイスは、安定した表面または支持体上に置かれたときに、デバイスの動きを抑制する下方の方向に押され得るという利点を有する。
【0031】
図5に示されるように、ペン針組立品のためのウェル44は、ペン針組立品18の寸法を補完する深さおよび幅を有する。ウェル44は、ペン針組立品18および送達デバイス10のねじ山付き結合端14を受け入れるのに十分な直径を持つ第1の実質的に円筒形の上部区画(区画)48を有する。第2の円筒形の区画50は、第1の区画48より下で(below))間隔が空けられおよび上壁36から間隔が空けられる。区画50は、送達デバイス上の肩部と結合する(mating with)ための第1の区画48と第2の区画50との間に延びる棚部52を備えて、第1の区画48の直径よりも小さい直径を有する。棚部52は、上面42より下で針ハブ16の外側フランジ54を凹部に置くために(to recess)、上壁36からある距離間隔が空けられる。棚部52は、ペン針組立品の外側カバー22のためおよび送達デバイスのためのストップ部材を形成する。
【0032】
円錐形区画54は、第2の区画50の底端から下側区画56まで集中するように延びる。図面に示されるように、下側区画56は、開放底端58を有する。下側区画56は、外側カバー22の端を補完する形状を有する。示される実施形態において、下側区画56は、外側カバーの該端の円錐形形状に対応するわずかなテーパまたは円錐形形状を有する。様々な区画によって画定される第1のウェル44は、ペン針組立品がウェル44内部で嵌合するように、ペン針組立品の形状および寸法を補完する形状および寸法を有する。
【0033】
図3に示される1つの実施形態において、複数の歯60は、
図1に示される外側カバー22の外面内に形成される対応するリブまたは凹部と結合するために、第2の区画50の底端から内方に突き出る。歯60は、針ハブ16を送達デバイスの結合端と結合しおよび送達デバイスの結合端から結合解除する間に、ハウジング32に関する外側カバー22の回転運動を抑制するために外側カバーと係合するために、配向される。ウェル44は、摩擦嵌合によってまたは干渉嵌合によって外側カバー22を保持するための寸法を有し得る。他の実施形態において、把握部材が、外側カバー22を把握するために設けられ得る。1つの実施形態において、把握機構は、外側カバー22の外面と係合するためにウェル44内の環状の凹部内に受け入れられるOリングであり得る。
【0034】
示される実施形態において、複数の第1のウェル44は、複数のペン針組立品を収容するために上壁36内に形成される。第1のウェル44は、必要に応じて適当なパターンで配置され得る。示される実施形態において、第1のウェル44は、上壁36の外縁の周辺に概して円形のパターンで配置される。
【0035】
第2のウェル46は、針ハブ16からの分離後に内側シールド24を受け入れるための形状および寸法を有する。
図5に示されるように、ウェル46は、上面42から延びる第1の実質的に円筒形の区画62を有し、および結合端14のみがウェル46内に挿入されうるように結合端14の外径を補完する直径を有する。第1の区画62は、結合端14の長さに対応する軸方向長さを有する。棚部64は、第1の区画62の底端から下側の実質的に円筒形の区画66まで半径方向に内方に延びる。下側区画66は、棚部64から軸方向に開放底端68まで延びる。下側区画66は、内側シールド24の外径に対応する直径を有する。1つの実施形態において、下側区画66の直径は、内側シールド24が針ハブ16のポストから分離されることを可能にするために、内側シールド24を把握するために、内側シールド24と摩擦嵌合を形成するための直径を有する。
【0036】
エジェクタ40は、ハウジング32に関して軸方向に摺動するためにハウジング32の開放底端38内部に据え付けられる。示される実施形態において、エジェクタ40は、上壁36とエジェクタ40との間に延びるばね部材70によって、上壁36から遠ざかるように付勢される。エジェクタ40は、開放底端38内部に嵌合するためのおよびハウジング32内部において摺動するための外寸を有する底板(bottom plate)72によって形成される。ハウジング32は、ハウジング32の底端まで軸方向に延びる案内ポスト76を含む。底板72には、ハウジング32に対する摺動移動(sliding movement)のための案内ポスト76を受け入れる開口74が備わっている。ストップ部材78は、底板72の摺動移動を可能にしながら、底板72をハウジング32のキャビティ内部に保持するために、各案内ポスト76上に設けられている。
【0037】
ハウジング32は、側壁34からハウジング32の軸中心に向かって半径方向に内方に延びるフランジ80を有し、および側壁の上端と底端との間に位置付けられる。軸方向に延びる内壁82は、上壁36に向かう上向き方向に延び、および側壁34から半径方向に内方におよび側壁34と平行に間隔が空けられる。フランジ80は、底板72から延びるプランジャ86と位置合わせされおよびプランジャ86を受け入れる穴84を含む。
図6に示されるように、プランジャ86は、第1のウェル44の内部における摺動移動のために、エジェクタ40の摺動移動を用いて、第1のウェル44の開放底端58と位置合わせされる。フランジ80は、各ウェル44と位置合わせされる穴104を含む。各ウェル44のためのプランジャ86は、底板72上に設けられる。
【0038】
エジェクタ40は、板90を支持するための、底板72から上壁36に向かって上向きに延びる中心ポスト88を含む。板90は、内壁82のキャビティ内部において軸方向に摺動するために、内壁82の内寸に対応する外寸を持つ実質的に平坦な構成を有する。下側スリーブ92は中心ポスト88と結合するために、および上側スリーブ94はばね70と結合するために、板90の底面から延びる。プランジャ96は、板90の上面から延び、およびウェル
46を通って摺動するために、第2のウェル46の開放底端68と位置合わせされる。各ウェル46には、対応するプランジャ96が備わっている。
図5に示されるように、ばね70は、ペン針組立品の構成要素がそれぞれのウェル内に挿入され得るように、プランジャ86およびプランジャ96が退避位置(retracted position)にあるように、エジェクタ40を上壁36から遠ざかるように付勢する。エジェクタは、それぞれのウェルから構成要素を排出するために、プランジャ86およびプランジャ96が
図13に示される第2の位置になるように、手動で上方に押され得る。
【0039】
デバイス30の底面は、テーブルの上のような表面上に置かれたときに摺動に抵抗するための摺動抵抗性表面または摩擦部材を含み得る。示される実施形態において、底板72の底面には、使用の間、支持用表面上でデバイスを安定化させるための、摺動抵抗性パッド100および吸引状(suction-like)カップ102が備わっている。他の実施形態において、ハウジングの側壁34の底縁には、適当な非摺動表面または部材(non-slip surface or member)備わっていてもよい。
【0040】
本発明の支持デバイス30は、露出されたカニューレを備える針ハブに使用者が手を触れる必要を回避することによって偶発的な針刺しのリスクを低減させる方法で、針ハブをペン針送達デバイスに結合しおよび結合解除するために使用される。デバイスは、また、安全なやり方で、使用された針ハブを格納しおよび使用された針ハブを廃棄する、便利な方法を提供する。
【0041】
デバイスは、送達デバイスを針ハブに結合しおよび結合解除し、および注射後のカニューレへの使用者による露出が低減された状態で、使用された針ハブを処分する方法における使用のために適当である。使用時に、シール26は、ペン針組立品18から取り外され得、およびペン針組立品は、
図5に示されるように、組立品がデバイス30の上面42より下に位置付けられるように、選択されたウェル44内に位置付けられる。他の実施形態において、シールが取り付けられた状態のペン針組立品18が、ウェル44内に配置され得る。1つの実施形態において、シールまたはクロージャは、ウェル内に受け入れられた針ハブを保護するために、ウェル44の開放上端上に設けられ得る。シールは、次いで、使用前に、外側カバーから取り外されまたは分離され得る。慣用のペン針送達デバイスのような送達デバイス10は、
図6に示されるように、ウェル
44内に挿入される。歯60は、送達デバイス10の結合端14が針ハブ16に結合され得るように、外側カバー22の外面と係合する。示される実施形態において、結合端14は、当技術分野において知られているような、針ハブ16の内面上の雌ねじと結合する(mating with)ための雄ねじを有する。送達デバイス10は、結合端
14を針ハブ16内に螺着させるために、ウェル44内部において回転させられ得る。針ハブ16が取り付けられた状態の送達デバイス10は、次いで、
図7に示されるように、外側カバー22がウェル44内部に捕捉されたままでありながら、内側シールド24が針ハブ16の端に取り付けられた状態でウェル44から退避させられる。
【0042】
図8を参照して、針ハブ16および内側シールド24を備える送達デバイス10は、内側シールド24がウェル46の第2の部分66内に位置付けられるように、ウェル46内に挿入される。ウェル44の第2の部分66は、送達デバイスが
図9に示されるようにウェル46内部に内側シールド24を残して引き出され得るように、内側シールド24を把握するための寸法または他の把握機構を有する。このようにして、針ハブは、針ハブに手を触れることが限定的で、およびカニューレを露出させるために外側カバーおよび内側シールドを手動で取り外す必要なしに、送達デバイスに結合され得る。
図9に示される露出されたカニューレを備える送達デバイスは、物質を患者に注射するために使える状態である。
【0043】
使用後に、使用された針ハブ16は、使用者が外側カバーまたは針ハブに手を触れる必要なしに、外側カバー22内に配置し戻され得る。
図10および
図11を参照して、使用された針ハブ16は、送達デバイス10に取り付けられていながら、第1のウェル44内に挿入される。
図11に示されるように、針ハブ16は、外側カバー22内に挿入し戻され、そこで、送達デバイスは、針ハブ16から結合端14を螺着解除するために回転させられ得る。送達デバイス10は、次いで、さらなる使用のために、
図12に示されるように、取り外され得る。
【0044】
本発明の支持用デバイス30は、偶発的な針刺しのリスクを低減させるために、いくつかの使用された針ハブ16および対応する内側シールド24をそれぞれのウェル内に保持することができる。使用された針ハブ16および内側シールド24は、
図13に示されるように、デバイス10を反転させることによって、廃棄され得る。エジェクタ40は、作動および
図13に示される位置に移動させられ得、そこで、各ウェルから、使用された針およびシリンジのための適当な処分容器内に、プランジャ86は、使用された針ハブ16を備える外側カバー22を排出し、およびプランジャ96は、内側シールド24を排出する。ばね70は、次いで、エジェクタ40を、再使用のために原位置に付勢し戻す。
【0045】
本明細書に記載される実施形態に対して本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことは当業者によって理解されよう。異なる実施形態および請求項の特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされてもよいことは、特に注意されたい。そのような変更および組み合わせの全ては、本発明の範囲内であるとみなされ、これは、添付の請求項およびそれらの等価物によって定義される。
【0046】
上述の実施形態および利点は、単に例示的であり、および本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。本発明の例示の実施形態の記載は、例示的であることが意図され、および本発明の範囲を限定することは意図されない。様々な修正、変更、および変形は、当業者に明らかとなり、および本発明の範囲内に入ることが意図される。