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特許7128821ファスナ(留め材)を生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法
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  • 特許-ファスナ(留め材)を生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ファスナ(留め材)を生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/34 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
B65B13/34
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2019534934
(86)(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-06
(86)【国際出願番号】 US2017068747
(87)【国際公開番号】W WO2018126030
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】62/440,114
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515200331
【氏名又は名称】エーブリー デニソン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Avery Dennison Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュトラー,デイビッド エル.
(72)【発明者】
【氏名】ブルート サード,チャールズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シレイル,トーマス エフ.
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-544620(JP,A)
【文献】米国特許第05038931(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0035904(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナ(留め材)を生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法であって、
フィラメントおよび複数のTバー要素を持った装置を準備するステップであり、当該装置がアプリケータモジュールおよび中空針を備えてなると共に、前記アプリケータモジュールはフィラメント及びTバー要素を中空針内に供給すると共に、Tバー要素をフィラメントに係合させるように構成されている、ステップと、
第1の位置において前記中空針によって前記包装を貫通するステップと、
前記中空針を通して第1のTバー要素を前記第1の位置に配置するステップと、
前記第1の位置において前記第1のTバー要素を前記フィラメントに係合するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記中空針を第2の位置に移動させるステップを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の位置において前記中空針によって前記包装を貫通するステップを更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中空針を通して第2のTバー要素を前記第2の位置に配置するステップを更に備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の位置において前記第2のTバー要素を前記フィラメントに係合するステップを更に備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の位置において前記フィラメントを切断するステップを更に備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フィラメントが前記アプリケータモジュールを介して供給され、前記中空針と係合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントとは別に前記中空針を通して配置される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントに結合される、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントを突き刺す、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントに締め付け固定される、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、一旦前記フィラメントと係合されると、前記フィラメントに対して略垂直に配向される、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記ファスナ(留め材)が、フィラメントと、第1のTバー要素と、第2のTバー要素とを備えており、
当該フィラメントが、第1の端部、第2の端部、並びに、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さを備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記ファスナ(留め材)の長さがユーザによって選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記装置は、前記ファスナ(留め材)の長さを変えるために当該装置の改変を必要としない、請求項13および14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記装置は、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するための少なくとも1つのファスナ(留め材)を生成するために、複数のフィラメントおよび複数のTバー要素を伴って準備される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ファスナ(留め材)を生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法であって、
フィラメントおよび複数のTバー要素を持った装置を準備するステップであり、当該装置がアプリケータモジュールおよび中空針を備えてなると共に、前記アプリケータモジュールはフィラメント及びTバー要素を中空針内に供給すると共に、Tバー要素をフィラメントに係合させるように構成されている、ステップと、
第1の位置において前記中空針によって前記包装を貫通するステップと、
前記中空針を通して第1のTバー要素を前記第1の位置に配置するステップと、
前記第1の位置において前記第1のTバー要素を前記フィラメントに係合するステップと、
前記中空針を第2の位置に移動するステップと、
前記第2の位置において前記中空針によって前記包装を貫通するステップと、
前記第2の位置において前記フィラメントに第2のTバー要素を係合するステップと、
前記第2の位置において前記フィラメントを切断するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項18】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントに結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントを突き刺す、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントに締め付け固定される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、一旦前記フィラメントと係合されると、前記フィラメントに対して略垂直に配向される、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ファスナ(留め材)が、フィラメントと、第1のTバー要素と、第2のTバー要素とを備え、
当該フィラメントが、第1の端部、第2の端部、並びに、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長さを備える、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ファスナ(留め材)の長さがユーザによって選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記装置は、前記ファスナ(留め材)の長さを変えるために当該装置の改変を必要としない、請求項22および23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素が、前記フィラメントとは別に前記中空針を通して配置される、請求項17~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの追加のファスナ(留め材)を前記包装に固定するステップを更に備える、請求項17~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
長さが異なる複数のファスナ(留め材)を構成するための装置であって、
中空針と、
アプリケータモジュールと、
を備えており、
前記アプリケータモジュールはフィラメント及びTバー要素を中空針内に供給すると共に、Tバー要素をフィラメントに係合させるように構成されており、
請求項1に記載の方法を用いて、ファスナが生成されると共に、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するために使用されることを特徴とする、装置。
【請求項28】
長さが異なる複数のファスナ(留め材)を構成するための装置であって、
中空針と、
アプリケータモジュールと、
を備えており、
前記アプリケータモジュールが、前記中空針内にフィラメントを供給し、前記中空針を通して第1のTバー要素および第2のTバー要素を吐出し、第1の位置および第2の位置において前記第1のTバー要素および前記第2のTバー要素を前記フィラメントに取り付けることを特徴とする、装置。
【請求項29】
前記装置が、前記アプリケータモジュール上に配置されたボタン、スイッチ、又はトリガを更に備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記装置が、フィラメントを切断して個々のファスナを分離するための切断用構成要素を更に備える、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記装置が、前記フィラメントを保持し且つ予張力をかけるためのスプールを更に備える、請求項28~30のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年12月29日に出願された米国特許出願第62/440,114号に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、概ね、製品を包装に固定するためのファスナ(留め材)およびシステムに関する。より具体的には、本開示は、異なる長さのファスナを選択するときにシステムを改変する必要なく様々に異なる長さの弾性ファスナを使用して製品を包装に取り付けるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
弾性ファスナ(弾力性のある留め材)は、それらに限定するものではないが、厚紙またはプラスチック裏材などの包装材料に様々な製品を固定するために広く使用されている。弾性ファスナ(本明細書では弾性ステープルとも呼ばれる)は、若干可撓性があるが、製品は、不規則な形状の製品を異なる位置で包装に固定するために、ある範囲の異なる長さのステープルを必要とすることが多い。既存の弾性ステープルアプリケータは、製品を包装材料に取り付けるために予め形成された固定長のファスナを必要とする。残念なことに、異なるサイズの用途を満たすために、多くの異なる長さのファスナが必要とされることが多い。現在のところ、ユーザは、機械を停止し、装填されたファスナストックを異なる長さのファスナストックと交換しなければならず、作業を完了するためにプロセス全体を劇的に遅くしている。あるいは、製品および包装は、単一の作業を完了するために異なる長さのファスナを装填した追加の機械に移動しなければならないであろう。
【0004】
したがって、様々に異なる長さのファスナを製造することができるファスニングシステム(fastening system)に対する必要性が存在する。本開示は、プロセスを中断して異なる長さのファスナストックによってファスナストックを交換する必要なく製品を包装材料に固定するための異なる長さの弾性ファスナを生成する装置およびプロセスを提供する。システムは、予め形成されたファスナを使用することなく様々な長さの弾性ファスナを生成する。ファスナは、同時に製品を包装に取り付けるため、個別に製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】(特になし)
【発明の概要】
【0006】
以下は、詳細な説明に記載された幾つかの実施形態の基本的な理解を提供するために簡略化された概要を提示する。この概要は、広範な概要ではなく、重要な/重大な要素を特定するまたはその範囲を明確にすることを意図したものではない。その唯一の目的は、後に提示されるよりも詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0007】
本明細書に開示されて特許請求される主題は、その一態様では、ファスナ(留め材)を生成すると共に、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するためにファスナを使用する方法を備える。本明細書に記載されるように、ファスナは、包装内の1つの製品または複数の製品に固定されることができる。さらに、ファスナは、少なくとも1つの包装の複数の部分に固定されることができる。多くの実施形態では、ファスナによって固定された2つ以上の製品が存在してもよい。
【0008】
多くの実施形態では、本方法は、アプリケータモジュールと、針とを備える装置を使用する。いくつかの実施形態では、本方法は、1)フィラメントおよび複数のTバー要素(本明細書に記載されるように、少なくとも第1のTバー要素および第2のTバー要素を備える)を有する装置をストック(準備)することと、2)第1の位置において針によって包装を貫通することと、3)針を通してフィラメントおよび第1のTバー要素を展開(配置)することと、4)第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合させることとを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、アプリケータは、複数のTバー要素を持った針を供給することができる。次に、フィラメントがアプリケータモジュールを介して供給され、針と相互作用することができる。さらに、針は、次に第1の位置において包装を貫通することができ、第1のTバー要素をフィラメント内またはフィラメントの周囲に且つ包装を介して注入することができる。いくつかの実施形態では、第1のTバー要素は、一旦フィラメントに係合されるかまたは取り付けられると、フィラメントに対して略垂直に配向されることができる。多くの実施形態では、第1のTバー要素が第1の位置においてフィラメントに略垂直に係合されるかまたは取り付けられることができる場合、それは、次に包装に固定されることができる。いくつかの実施形態では、針は、次に少なくとも1つの製品にわたってフィラメントを延伸しながら第2の位置に移動されることができ、第2の位置に挿入されることができる。次に、第2のTバー要素がフィラメント内またはフィラメントの周囲に且つ針によって包装を介して注入されることができる。いくつかの実施形態では、第2のTバー要素は、一旦フィラメントに係合されるかまたは取り付けられると、フィラメントに対して略垂直に配向されることができる。多くの実施形態では、第2のTバー要素が第2の位置においてフィラメントに略垂直に係合されるかまたは取り付けられることができる場合、それは、次に包装に固定されることができる。次に、フィラメントは、第2のTバー要素から遠位の第2の位置において切断され、それによって少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する弾性ファスナを生成することができる。
【0010】
一実施形態では、装置は、フィラメント部(第1の端部、第2の端部、および長さを備える)と、第1のTバー要素と、第2のTバー要素とをそれぞれ備える複数の弾性ファスナを生成する。各弾性ファスナは、第1の位置および第2の位置において少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するために使用されることができる。そして、装置は、より長いまたはより短いファスナが望まれる場合がある用途のために異なる長さの弾性ファスナを生成することができる。いくつかの実施形態では、異なる長さの弾性またはファスナは、少なくとも1つの製品を包装に固定することができ、少なくとも1つの追加のファスナを包装に(例えば、第3および第4の位置に)固定するステップも含むことができる。
【0011】
多くの実施形態では、複数の異なる長さのファスナを構成するための装置は、1)針と、2)アプリケータモジュールとを備えることができ、本明細書に記載された方法を使用して、ファスナ(留め材)が生成され、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するために使用される。
【0012】
また、本明細書に記載されているのは、複数の異なる長さのファスナを構成するための装置において、1)針と、2)アプリケータモジュールとを備え、アプリケータモジュールが、フィラメントを供給することができ、フィラメントが、針と相互作用することができ、それによって針を介して第1のTバー要素および第2のTバー要素を吐出し、そして、第1のTバー要素および第2のTバー要素が、それぞれ第1の位置および第2の位置においてフィラメントと係合する、装置である。
【0013】
前述の目的および関連する目的を達成するために、開示された技術革新の特定の例示的な態様は、以下の説明および添付の図面と関連して本明細書で説明される。しかしながら、これらの態様は、本明細書に開示されている原理が採用されることができる様々な方法のほんの一部を示すものであり、そのような全ての態様およびそれらの均等物を含むことを意図している。他の利点および新規な特徴は、図面と併せて考慮すると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】開示された構成に従う、所望の長さのファスナを生成して製品を包装に固定する装置の斜視図を示している。
図2】開示された構成に従う、ファスナ(留め材)の斜視図を示している。
図3A】開示された構成に従う、長さが異なる2つのファスナ(留め材)によって包装に固定された製品の斜視図を示している。
図3B】開示された構成に従う、所望の長さの前記ファスナによって包装に固定された、図3Aのファスナ200により形成される中心線での製品の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ここで図面を参照して説明されると共に、全体を通して同様の要素を指すために同様の参照符号が使用される。以下の説明では、説明の目的で、その完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、本明細書に記載されていることがこれらの具体的な詳細がなくても実施されることができることは明らかであり得る。他の例では、その説明を容易にするために、周知の構造および装置がブロック図の形式で示される。
【0016】
一実施形態では、製品を包装に固定するためのファスナ(留め材)を製造するための装置およびその使用方法である。不規則な形状の製品は、一般に、裏材もしくは厚紙などの他の包装材料、または他の類似の硬質材料に固定される。これらの種類の製品を固定する従来の方法に伴う1つの問題は、製品を包装に適切に固定するために様々に異なる長さのファスナを必要とすることが多いということである。多くの実施形態では、本明細書に開示される方法は、ストック材料の単一の設定を有する装置を使用して異なる長さのファスナを生成する。
【0017】
最初に図面を参照すると、図1は、少なくとも1つの製品10を少なくとも1つの包装20に係合する、取り付ける、または固定するための、弾性ステープル(elastic staple)とも呼ばれるファスナ(留め材)200を生成するための装置100を示している。装置100は、ファスナ200を製造するためにフィラメント102および複数のTバー要素104を利用する。
【0018】
多くの実施形態では、複数の異なる長さのファスナを構成するための装置は、1)針と、2)アプリケータモジュールとを備えることができ、本明細書に記載された方法を使用して、ファスナが生成され、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するために使用される。
【0019】
いくつかの実施形態では、装置100は、針112と、アプリケータモジュール114とを備えることができる。装置100は、複数のファスナ200を構築して展開(配置)し、各ファスナ200(図2に示す)は、後述するように異なる長さを有することができる。
【0020】
アプリケータモジュール114は、ファスナを製造するのに必要とされる複数のTバー要素104およびフィラメント102を提供するのに役立つことができる。多くの実施形態では、アプリケータモジュール114はまた、複数のTバー要素104を展開(配置)することができる。多くの実施形態では、アプリケータモジュール114は、さらに、複数のTバー要素104をフィラメント102に係合させるか又は取り付けることができる。
【0021】
多くの実施形態では、アプリケータモジュール114は、さらに、スプール110からフィラメント102を受け取り、次にアプリケータモジュールを介してフィラメント102を供給し、針112と相互作用することができる。アプリケータモジュール114は、フィラメント102とは別に針112を通して複数のTバー要素104のそれぞれを同期的に吐出する。アプリケータモジュール114は、アプリケータモジュール114上に配置されたボタン、スイッチ、トリガなどの展開作動装置(図1には示されていない)を備えることができる。アプリケータモジュール114は、フィラメント102を切断して個々のファスナを分離するための切断構成要素(図1には示されていない)をさらに備える。同様に、切断構成要素は、アプリケータモジュール114上に配置されたボタン、スイッチ、トリガなどの切断作動装置(図示されていない)によって作動させることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、アプリケータモジュール114は、アプリケータモジュールを介してフィラメント102を供給し、針112と相互作用する。そして、アプリケータモジュール114は、針112を通して図2に詳細に示されている)第1のTバー要素および第2のTバー要素を吐出することができる。さらに、いくつかの実施形態では、アプリケータモジュール114は、次に、第1の位置および第2の位置(図3Bに記載)において第1のTバー要素および第2のTバー要素をフィラメント102に係合するまたは取り付ける。
【0023】
多くの実施形態では、装置は、フィラメント102を保持するためのスプール110をさらに備えることができる。多くの実施形態では、スプール110はまた、フィラメント102がアプリケータモジュール114に入るときにそれに予張力を付与することができる。第1のTバー要素および第2のTバー要素を係合するまたは取り付けるとき、フィラメント102に予張力をかけることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、そして図1に示されるように、フィラメント102は、フィラメント材料の連続スプール110として供給されてもよい。フィラメント102は、スプール110の周りに巻回されてもよい。多くの実施形態では、針112は、中空針とすることができる。
【0024】
多くの実施形態では、装置は、少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するための少なくとも1つのファスナを生成するために複数のフィラメントおよび複数のTバー要素をストックする(蓄える)ことができる。
【0025】
図2を全体的に参照すると、各ファスナ(留め材)200は、フィラメント部202と、第1のTバー要素210と、第2のTバー要素212とを備えることができる。フィラメント部202は、第1の端部206と、第2の端部208と、長さ204とを備える。フィラメント部202の長さ204は、可変とすることができ、適切な固定位置において少なくとも1つの製品10を少なくとも1つの包装20に適切に固定するのに必要な長さに応じてユーザが長さ204を選択および調整することを可能にする。多くの実施形態では、第1のTバー要素210は、第1の端部206においてフィラメント部202に取り付け可能とすることができる。多くの実施形態では、第2のTバー要素212は、第2の端部208においてフィラメント部202に取り付け可能とすることができる。第1のTバー要素210および第2のTバー要素212は、本明細書に開示されているものの全体的な概念に影響を与えることなく当業者にとって公知であるように、結合、溶接、接着、突き刺し、締め付け、挿入などによって、または任意の他の適切な固定手段の方法によって、フィラメント部に係合され、取り付けられ、あるいは固定されることができる。
【0026】
一実施形態では、装置100およびファスナ200の構造、並びに、ファスナ200を製造し、それを使用して少なくとも1つの製品10を少なくとも1つの包装20に固定するための装置100の使用が、図3Aおよび図3Bに提供されることができる。多くの実施形態によれば、図3Aおよび図3Bは、ファスナ200を用いて少なくとも1つの包装20に固定された少なくとも1つの製品10を示している。
【0027】
多くの実施形態では、ファスナを生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定する方法は、1)フィラメントおよび複数のTバー要素を有する装置をストック(準備)するステップであって、当該装置がアプリケータモジュールおよび針を備えてなる、ステップと、2)第1の位置において針によって包装を貫通するステップと、3)針を通して第1のTバー要素を展開(配置)するステップと、4)第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合するステップとを備える。多くの実施形態では、第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合することは、第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合することを備えることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、針を第2の位置に移動させるステップをさらに備えることができる。針は、少なくとも1つの製品の形状に適応するために第2の位置に移動されることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第2の位置において針によって包装を貫通するステップをさらに備えることができる。包装はまた、本明細書に記載(説明)されるファスナについての少なくとも1つの製品の形状を収容するように貫通されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、針を通して第2のTバー要素を展開(配置)するステップをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第2の位置において第2のTバー要素をフィラメントに係合するまたは取り付けるステップをさらに備えることができる。第2のTバー要素を係合するまたは取り付けることによって、ファスナは、上述した方法によって少なくとも1つの製品および少なくとも1つの包装に固定されることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第2の位置においてフィラメントを切断するステップをさらに備えることができる。第2の位置においてフィラメントを切断した後、装置は、少なくとも1つの製品に他のファスナを提供してそれを少なくとも1つの包装に固定することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、ファスナを生成して少なくとも1つの製品を少なくとも1つの包装に固定するための本明細書に記載の方法は、1)フィラメントおよび複数のTバー要素を有する装置をストック(準備)するステップであって、当該装置がアプリケータモジュールおよび針を備えてなる、ステップと、2)第1の位置において針によって包装を貫通するステップと、3)針を通して第1のTバー要素を展開(配置)するステップと、4)第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合するステップと、5)針を第2の位置に移動するステップと、6)第2の位置において針によって包装を貫通するステップと、7)針を通して第2のTバー要素を展開(配置)するステップと、8)第2の位置においてフィラメントに第2のTバー要素を係合するステップと、9)第2の位置においてフィラメントを切断するステップとを備える。多くの実施形態では、第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに係合することは、第1の位置において第1のTバー要素をフィラメントに取り付けることを含むことができる。多くの実施形態では、第2の位置において第2のTバー要素をフィラメントに係合することは、第2の位置において第2のTバー要素をフィラメントに取り付けることを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ユーザは、装置100にフィラメント102および複数のTバー要素104を装填する。そして、アプリケータモジュール114は、スプール110からフィラメント102を受け取り、アプリケータモジュールを介してフィラメント102を供給し、針112と相互作用する。
【0033】
いくつかの実施形態では、次に、少なくとも1つの製品10が少なくとも1つの包装20上に配置される。ユーザは、少なくとも1つの包装20上の第1の位置22に針112を配置し、針112およびフィラメント102によって少なくとも1つの包装20を貫通し、それによって針112を少なくとも1つの包装20に着座させることができる。次に、ユーザは、アプリケータモジュール114を作動させて、針112を通してアプリケータモジュール114から第1のTバー要素210を吐出することができる。多くの実施形態では、針112は、中空針である。いくつかの実施形態では、第1のTバー要素210は、フィラメント102とは別に針を通して展開(配置)される。他の実施形態では、第1のTバー要素210は、フィラメント102と相互作用するように針を通して展開(配置)されてもよい。次に、第1のTバー要素210は、第1の位置22においてフィラメント102に係合されるかまたは取り付けられる。上記のように、第1のTバー要素210は、典型的には、フィラメント102に突き刺すか、貫通するか、締め付けるか、または他の方法で固定される。
【0034】
第1のTバー要素210が第1の位置22においてフィラメント102に固定されると、第1のTバー要素210は、フィラメント102に対して略垂直に配向するようにそれ自体を位置決めまたはトグルすることができる。そうすることで、第1のTバー要素210は、少なくとも1つの包装20の裏側にそれ自体を係合して本質的に固定することができる。第1のTバー要素210がそれ自体を係合して本質的に固定すると、第1のTバー要素210は、第1の位置22においてフィラメント102の引き抜きを防止することができる。この時点で、針112は、少なくとも1つの包装20から引き抜かれ、フィラメント102を少なくとも1つの製品10を越えて第2の位置24まで引きずりながら少なくとも1つの製品10にわたって移動されることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ここで、針112およびフィラメント102によって少なくとも1つの包装20を貫通し、それによって針112を第2の位置24において少なくとも1つの包装20に着座させることができる。さらに、ユーザは、アプリケータモジュール114を再度作動させて、針112を通してアプリケータモジュール114から第2のTバー要素212を吐出することができる。いくつかの実施形態では、第2のTバー要素212は、フィラメント102とは別に針を通して展開(配置)されることができる。他の実施形態では、第2のTバー要素212は、フィラメント102と相互作用するように針を通して展開(配置)されてもよい。多くの実施形態では、次に、第2のTバー要素212は、第1のTバー要素210と同様の手段(手法)で、第2の位置24においてフィラメント102に係合されるかまたは取り付けられることができる。第1のTバー要素210と同様に、第2のTバー要素212は、それがフィラメント102に対して略垂直に配向するようにそれ自体を位置決めまたはトグルすることができる。そうすることで、第2のTバー要素212は、少なくとも1つの包装20の裏側にそれ自体を係合して本質的に固定することができる。第2のTバー要素212がそれ自体を係合して本質的に固定すると、第2のTバー要素212は、第2の位置24においてフィラメント102の引き抜きを防止することができる。そして、フィラメント102は、第2のTバー要素212から遠位において切断されるかまたは切られて、ファスナ200を所定の位置に残したまま第1の位置22および第2の位置24において少なくとも1つの製品10を少なくとも1つの包装20に固定したままとすることができるとともに、針112は、少なくとも1つの包装20から引き抜かれる。
【0036】
ユーザは、ファスナ200の長さ204を選択することができる。ファスナ200の長さ200は、第1の位置22と第2の位置24との間の距離に依存することができる。多くの実施形態では、本明細書に記載の装置は、ファスナの長さを変えるための改変を必要としない。装置100は、装置100を改変することなくまたは異なるファスナ構成要素を補充する必要なく、「第2の長さ232を備えた、異なる長さのファスナ230」を製造するためにさらに使用されることができる。少なくとも1つの製品10を少なくとも1つの包装20にさらに固定するために、異なる長さのファスナ230は、第1の位置22および第2の位置24において使用されるファスナ200と同様の方法で製造される。ユーザは、針112を第3の位置26および第4の位置28に移動させて上述したようなステップを繰り返す。第2の長さ232は、第3の位置26と第4の位置28との間の距離、およびフィラメント102によって張られる製品10の大部分によって決まる。本方法は、所与の用途によって必要とされるように任意の様々に異なる長さのファスナを形成するために無限に反復可能である。
【0037】
本明細書に記載のファスナ200は、これらに限定されるものではないが、ポリプロピレン、ナイロン、PET、ポリウレタン、リサイクル可能プラスチック、バイオベースプラスチック、および生分解性プラスチック、PHA、PHB、およびPVA材料などの少なくとも1つの熱可塑性材料からなることができる。
【0038】
上述された事項は、特許請求された主題の事例を含む。特許請求された主題を説明する目的で構成要素または方法論の考えられる全ての組み合わせを説明することはもちろん不可能であるが、当業者は、特許請求された主題のさらに多くの組み合わせおよび置換が可能であることを認識することができる。したがって、特許請求された主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれる全てのそのような代替例、変更例および変形例を包含することが意図される。さらにまた、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、そのような用語は、「備える(comprising)」が一つのクレーム(請求項)中の遷移部用語(transitional word)として使用されるときに解釈されるときのような用語「備える」と同様に包括的であることが意図されている。
【符号の説明】
【0039】
10 製品
20 包装
22 第1の位置
24 第2の位置
26 第3の位置
28 第4の位置
100 装置
102 フィラメント
104 複数のTバー要素
110 スプール
112 針
114 アプリケータモジュール
200 ファスナ(留め材)
202 (ファスナの)フィラメント部
204 (フィラメント部の)長さ
206 (フィラメント部の)第1の端部
208 (フィラメント部の)第2の端部
210 第1のTバー要素
212 第2のTバー要素
230 ファスナ(留め材)
232 (第2の)長さ
図1
図2
図3A
図3B