(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】タッチ制御溝を備えた家庭用装置コントローラ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0362 20130101AFI20220824BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220824BHJP
H05B 47/00 20200101ALI20220824BHJP
【FI】
G06F3/0362 464
H04Q9/00 301D
H05B47/00
(21)【出願番号】P 2019556571
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(86)【国際出願番号】 US2018012273
(87)【国際公開番号】W WO2018129105
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2021-01-04
(32)【優先日】2017-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519242296
【氏名又は名称】ブリリアント ホーム テクノロジー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BRILLIANT HOME TECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】エミ,アーロン ティー
(72)【発明者】
【氏名】スタネック,スティーヴン
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-018448(JP,A)
【文献】特開2010-205421(JP,A)
【文献】国際公開第2014/088081(WO,A1)
【文献】特開2010-073613(JP,A)
【文献】特開2008-103126(JP,A)
【文献】特開2009-110912(JP,A)
【文献】特開2009-301811(JP,A)
【文献】特開平10-154585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0362
H04Q 9/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用装置コントローラであって、
1つ以上の家庭用装置をリストする選択可能なメニューを表示するタッチスクリーンと、
1つ以上の無線ネットワーク上で1つ以上の家庭用装置と通信する無線通信インターフェースと、
1つ以上の照明要素に結合した有線インターフェースと、
前記タッチスクリーンの近傍に配置された1つ以上のタッチ溝であって、各タッチ溝が、該タッチ溝を操作中のユーザーの指での操作を容易にするような長さおよび深さを有する、タッチ溝と、
各々が、前記1つ以上のタッチ溝の対応するタッチ溝に、動作可能に連結された1つ以上のタッチスライダーと、
前記家庭用装置コントローラに、
前記各タッチスライダーに対応するタッチ溝と対話するユーザーによって行われたタッチジェスチャーに対応する信号を、前記1つ以上のタッチスライダーの各々から受信させ、
第1の家庭用装置が、前記1つ以上の家庭用装置または前記1つ以上の照明要素を含み、少なくとも部分的に前記信号に基づいて、前記第1の家庭用装置によって実行可能な制御コマンドを生成させ、
前記制御コマンドを前記第1の家庭用装置に送信して実行させ、
前記家庭用装置コントローラと無線接続した前記1つ以上の家庭用装置の第2の家庭用装置を選択している前記タッチスクリーン上のユーザー入力を受信させ、
前記1つ以上のタッチ溝の選択されたタッチ溝を再設定させ、前記選択されたタッチ溝を用いて前記第2の家庭用装置の無線制御を可能とし、
前記選択されたタッチ溝の再設定に引き続き、前記タッチスクリーン上で行われたユーザーのジェスチャーに対応する信号を受信させ、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するか家庭用装置選択ジェスチャーを有するかを決定させ、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するとの決定に基づき、前記タッチスクリーン上で行われた前記ユーザーのジェスチャーに対応する受信信号に基づき前記第2の家庭用装置用の一組の制御コマンドを生成させ、
前記一組の制御コマンドを、前記1つ以上の無線ネットワーク上で、前記第2の家庭用装置に送信して実行させる、
命令を実行する1つ以上のプロセッサと、
を備えたことを特徴とするコントローラ。
【請求項2】
前記第1の家庭用装置が、前記1つ以上の照明要素のうちのある照明要素を含み、前記制御コマンドが、前記照明要素の明るさを向上又は低下させる調光レベルコマンドを含むことを特徴とする、請求項1記載の家庭用装置コントローラ。
【請求項3】
前記実行された命令が、前記家庭用装置コントローラに、前記調光レベルコマンドを、負荷線上における操作された出力波形として、前記照明要素に送信させることを特徴とする、請求項2記載の家庭用装置コントローラ。
【請求項4】
前記第2の家庭用装置が、前記家庭用装置コントローラと無線接続した第2の照明要素を有し、
前記実行された命令が、前記家庭用装置コントローラに、前記無線通信インターフェースを介して、前記調光レベルコマンドを前記第2の照明要素に送信させることを特徴とする、請求項2記載の家庭用装置コントローラ。
【請求項5】
前記第2の家庭用装置が、温度制御システム、ファンコントローラ、窓コントローラ、又はオーディオコントローラのうちの1つを含むことを特徴とする、請求項1記載の家庭用装置コントローラ。
【請求項6】
前記タッチスライダーが、複数の静電容量タッチセンサーを含むことを特徴とする、請求項1記載の家庭用装置コントローラ。
【請求項7】
家庭用装置コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記家庭用装置コントローラに、
前記家庭用装置コントローラのタッチ溝と対話するユーザーによって行われた、タッチジェスチャーに対応する信号を、前記家庭用装置コントローラのタッチスライダーから受信させ、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、i)1つ以上の無線ネットワーク上で前記家庭用装置コントローラの無線通信インターフェースと通信する1つ以上の家庭用装置、およびii)前記家庭用装置コントローラの有線インターフェースに結合した1つ以上の照明要素のいずれかの第1の家庭用装置によって実行可能な制御コマンドを生成させ、
前記制御コマンドを前記第1の家庭用装置に送信して実行させ、
前記家庭用装置コントローラのタッチスクリーン上のユーザー入力であって、前記家庭用装置コントローラと無線接続した前記1つ以上の家庭用装置の第2の家庭用装置を選択している、ユーザー入力を受信させ、
前記タッチ溝を再設定させ、前記タッチ溝を用いて前記第2の家庭用装置の無線制御を可能とし、
前記タッチ溝の再設定に引き続き、前記タッチスクリーン上で行われたユーザーのジェスチャーに対応する信号を受信させ、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するか家庭用装置選択ジェスチャーを有するかを決定させ、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するとの決定に基づき、前記タッチスクリーン上で行われた前記ユーザーのジェスチャーに対応する受信信号に基づき前記第2の家庭用装置用の一組の制御コマンドを生成させ、
前記一組の制御コマンドを、前記1つ以上の無線ネットワーク上で、前記第2の家庭用装置に送信して実行させる、
命令を記憶しており、
前記タッチ溝が、該タッチ溝を操作中のユーザーの指での操作を容易にするような長さおよび深さを有し、
前記タッチスクリーンが、前記家庭用装置コントローラの前記タッチ溝の近傍に配置されていることを特徴とする、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記第1の家庭用装置が、照明要素を含み、前記制御コマンドが、前記照明要素の明るさを向上又は低下させる調光レベルコマンドを含むことを特徴とする、請求項7記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記実行された命令が、前記家庭用装置コントローラに、前記調光レベルコマンドを、負荷線上における操作された出力波形として、前記照明要素に送信させることを特徴とする、請求項8記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第2の家庭用装置が、前記家庭用装置コントローラと無線接続した第2の照明要素を含み、前記実行された命令が、前記家庭用装置コントローラに、前記無線通信インターフェースを介して、前記一組の制御コマンドを前記第2の照明要素に送信させることを特徴とする、請求項7記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
家庭用装置コントローラためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、家庭用装置コントローラの1つ以上のプロセッサによって実行され、
各々が、前記家庭用装置コントローラのタッチ溝と対話するユーザーによって行われた、タッチジェスチャーに対応する信号を、前記家庭用装置コントローラのタッチセンサーから受信するステップと、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、i)1つ以上の無線ネットワーク上で前記家庭用装置コントローラの無線通信インターフェースと通信する1つ以上の家庭用装置、およびii)前記家庭用装置コントローラの有線インターフェースに結合した1つ以上の照明要素のいずれかの第1の家庭用装置によって実行可能な制御コマンドを生成するステップと、
前記制御コマンドを前記第1の家庭用装置に送信して実行するステップと、
前記家庭用装置コントローラのタッチスクリーン上のユーザー入力であって、前記家庭用装置コントローラと無線接続した前記1つ以上の家庭用装置の第2の家庭用装置を選択している、ユーザー入力を受信させるステップと、
前記タッチ溝を再設定させ、前記タッチ溝を用いて前記第2の家庭用装置の無線制御を可能とするステップと、
前記タッチ溝の再設定に引き続き、前記タッチスクリーン上で行われたユーザーのジェスチャーに対応する信号を受信させるステップと、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するか家庭用装置選択ジェスチャーを有するかを決定させるステップと、
前記ユーザーのジェスチャーがタッチ制御ジェスチャーを有するとの決定に基づき、前記タッチスクリーン上で行われた前記ユーザーのジェスチャーに対応する受信信号に基づき前記第2の家庭用装置用の一組の制御コマンドを生成させるステップと、
前記一組の制御コマンドを、前記1つ以上の無線ネットワーク上で、前記第2の家庭用装置に送信して実行させるステップと、
を含み、
前記タッチ溝が、該タッチ溝を操作中のユーザーの指での操作を容易にするような長さおよび深さを有し、
前記タッチスクリーンが、前記家庭用装置コントローラの前記タッチ溝の近傍に配置されていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【関連技術の相互参照】
【0001】
本願は、「Home Control with Capacitive Touch Grooves」と題する、2017年1月3日出願の米国特許出願第62/441,871号、及び米国特許第15/861,655号の優先権の利益を主張するものであり、いずれの出願も参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものである。
【技術分野】
【0002】
本願はタッチ制御溝を備えた家庭用装置コントローラに関するものである。
【背景技術】
【0003】
照明器具に使用される照明制御システム等のホームコントロールシステムは、バイナリアナログスイッチ及びアナログ調光スイッチを含み、ユーザーは、かかるスイッチが接続された電気ボックスに配線されている1つ以上の電灯を制御することができる。これ等のスイッチの制御は煩雑及び/又は魅力的ではないため、これ等を制御する改善された手段を得ることは有用である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書記載の照明制御システムの例は、プロセス、装置、システム、組成物、コンピュータ可読記憶媒体等のコンピュータ可読媒体、又はプログラム命令が、1つ以上の通信リンクを介して送られるコンピュータネットワークを含む、多くの方法で実現することができる。本明細書において、これ等の実施形態、又は実施形態の例が取り得る任意の形態を技法と呼ぶことができる。概して、開示したプロセスのステップの順序は、本明細書に記載の実施形態の範囲において変更することができる。
【0005】
1つ以上の実施形態の詳細を以下に説明する。本明細書に記載の実施形態は、多くの代替実施形態、改良実施形態、及び均等物を包含することができる。記載の実施形態の完全な理解を得るために、多くの具体的詳細が以下の説明に記載されている。
【0006】
数ある利点の中でも、本明細書に記載の例は、電灯スイッチ用の既存の住宅ギャングボックス配線を利用して、多くの家庭用装置に(無線及び/又は有線で)相互接続するスマート家庭用照明制御パネルを提供し、その照明制御パネルを介して、家庭用装置が制御される技術的効果を達成する。本明細書に記載の例は、アナログの電灯スイッチを1つ以上のタッチ溝を備えたデジタルタッチパネル及び/又は家庭におけるユーザーの経験による技能向上をもたらすタッチスクリーンに置換する。
【0007】
本明細書において、家庭用装置コントローラは、コンピューティング装置を備え、1つ以上ネットワークを介して、照明コントローラのシステムと通信するためのネットワーク接続及び処理リソースを提供することができる。家庭用装置コントローラは、カスタムハードウェア、車載装置、又はオンボードコンピュータ等に対応することもできる。コンピューティング装置は、家庭用装置のネットワークと通信するように構成された、指定アプリケーションを動作させることもできる。
【0008】
本明細書に記載の1つ以上の例は、コンピューティング装置が実行する方法、技法、及び行為をプログラム的に又はコンピュータ実装方法として実行することを可能にする。本明細書において、プログラム的とは、コード又はコンピュータ実行可能命令を用いることを意味する。これ等の命令は、コンピューティング装置の1つ以上のメモリリソースに記憶することができる。プログラム的に実行されるステップは、自動であってもなくてもよい。
【0009】
本明細書に記載の1つ以上の例は、プログラムモジュール、エンジン、又はコンポーネントを用いて実現することができる。プログラムモジュール、エンジン、又はコンポーネントは、プログラム、サブルーチン、プログラムの一部、又は1つ以上の指定されたタスク若しくは機能を実行することができるソフトウェアコンポーネント又はハードウェアコンポーネントを含むことができる。本明細書において、モジュール又はコンポーネントは、別のモジュール又はコンポーネントと独立して、ハードウェアコンポーネント上に存在することができる。あるいは、モジュール又はコンポーネントは、別のモジュール、プログラム、又はマシンとの共用要素又はプロセスであってよい。
【0010】
本明細書に記載の一部の例は、概して、処理及びメモリリソースを含むコンピュータ装置の使用を必要とし得る。例えば、本明細書に記載の1つ以上の例は、その全部又は一部をコンピュータ装置に実装することができる。メモリ、処理、及びネットワークリソースはすべて、(任意の方法の実行又は任意のシステムの実装を含む)本明細書に記載の例の確立、使用、又は実行に関連して使用することができる。
【0011】
更に、本明細書に記載の1つ以上の例は、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を使用して実現することができる。これ等の命令は、非一時的コンピュータ可読媒体に担持させることができる。以下の図に示す又は説明するマシンは、処理リソース、及び本明細書に開示の例を実現する命令を担持及び/又は実行することができるコンピュータ可読媒体の例を示している。特に、本発明の例と共に示す多数のマシンは、プロセッサ、並びにデータ及び命令を保持する様々な形態のメモリを含んでいる。非一時的コンピュータ可読媒体の例には、パーソナルコンピュータ又はサーバーのハードドライブ等の永久記憶装置が含まれる。コンピュータ記憶媒体の別の例には、CD又はDVDユニット、(スマートフォン、多機能装置、タブレットコンピュータに搭載されているもの等の)フラッシュメモリ、及び磁気メモリが含まれる。コンピュータ、端末、ネットワーク対応装置(例えば、モバイル機器又はここで説明する家庭用装置コントローラ)はすべて、プロセッサ、メモリ、及びコンピュータ可読媒体に記憶することができる命令を利用する、マシン及び装置の例である。加えて、例は、コンピュータプログラム、又はかかるプログラムを担持することができる、コンピュータ利用可能担持媒体の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本明細書の開示は、同様の要素には同様の参照番号を付した添付図面の図に、限定ではなく例として示されている。
【
図1】様々な実施形態による、タッチ制御溝を含むタッチ制御パネルを備えた、家庭用装置コントローラの例を示す図。
【
図2】様々な実施形態による、複数のタッチ制御溝及びスクリーンを含むタッチ制御パネルを備えた、家庭用装置コントローラの例を示す図。
【
図3】本明細書に記載の例示的な家庭用装置コントローラを実装することができるコンピューティング装置の例を示すハードウェア図。
【
図4】様々な実施形態による、家庭用装置コントローラを使用して、1つ以上の家庭用装置を制御する方法の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
システムの説明
図1は、様々な実施形態による、タッチ溝制御パネル備えた家庭用装置コントローラの例を示す図である。
図1に示す例は、タッチ制御パネル101を備えた家庭用装置コントローラ100の前面図である。1つ以上の例によれば、家庭用装置コントローラ100によって、ユーザーは照明の明るさを制御する機能を得ることができる。一部の実施形態において、タッチ制御パネル101は、デコラスイッチの大きさ(例えば、1.31×2.63インチ(約3.33×約6.68cm)とすることができ、標準のデコラ電灯スイッチのカバーに収めることができる。一部の実施形態において、家庭用装置コントローラ100は、標準、中間、又は特大の電灯スイッチカバーの大きさとすることができる。一部の実施形態において、家庭用装置コントローラ100の前面の層は、ナイロン、ポリカーボネート、ABS等を含む)プラスチック等の非導電性材料の単一片であってよく、一部の実施形態では、射出成形されたものであってよい。タッチ制御パネル101は、以下で説明するAC電子機器を含む家庭用装置コントローラ100の構成要素であって、住宅や会社等の建物の壁に取り付けることができる。
【0014】
制御溝102又はタッチ制御溝102は、住宅コントローラ100のタッチ制御パネル101上に形成することができ、照明を調整する機能又は他の装置の機能を制御する機能を提供することができる。容量性タッチセンサー又は複数の容量性タッチセンサーの組み合わせ等のタッチセンサーが、制御溝102の下に配置されるか、あるいは制御溝102に連結される。例えば、タッチセンサーは、プリント基板(例えば、FR4等のガラス強化エポキシラミネートシート)又はカプトン等のポリイミドフィルムに埋設することができ、一部の実施形態において、これをフレックスコネクタに一体化することができる。
【0015】
タッチセンサーは、「スライダー」構成で行うように構成することができ、その例は、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、インターネット経由でAtmel社から入手できる、Atmel社文書番号QTAN0079「Buttons、 Sliders、and Wheels:Sensor Design Guide」に記載されている。詳細については、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、インターネット経由でAtmel社から入手できる、Paul Russelの「Atmel QTouch Layout Quick Reference」に記載されている。タッチセンサーは、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、インターネット経由でテキサスインスツルメンツ社から入手できる、テキサスインスツルメンツ社が開発したCapTIvate(商標)静電容量式タッチセンサー技術であって、その例が、「Design Guide」と題するセクションの「CapTIvate Technology Guide」に記載されているもの等、静電容量式タッチセンサーの任意の組み合わせを利用して構成することができる。一部の実施形態において、タッチセンサーは、「Slider and Wheel」の章に記載されている「Mutual Capacitive Slider」として構成することができる。
【0016】
特定の例において、タッチセンサーは、平面若しくは非平面、自己静電容量若しくは相互静電容量、交互嵌合X及びY電極、又はFlooded-X静電容量式スライダー等の容量性タッチスライダー備えることができ、制御溝102の背後に実装することができる。タッチセンサーは、タッチコントローラに接続されている。タッチコントローラは、Atmel ATTiny、テキサスインスツルメンツ MSP430等のマイクロコントローラ、又はSilicon Labs TouchXpres等の専用タッチコントローラであってよい。タッチコントローラは、タッチセンサーの静電容量を分析し、デジタル又はアナログ信号を生成する。タッチコントローラからの信号は、例えば、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、Universal Asynchronous Receiver/Transmitter(UART)、Inter-Integrated Circuit(I2C、仕様はNXP Semiconductors社からドキュメント番号UM10204「I2C-bus specification and user manual」として、インターネット経由でNXPから入手可能)又はシリアルペリフェラルインターフェイスバス(SPI、詳細についてはインターネット経由で入手可能な「Introduction to I2C and SPI protocols」と題する、Byte Paradigm社の記事を参照)を使用してマイクロプロセッサに送信することができる。
【0017】
一部の実施形態において、制御溝102の長さは60mm~80mm、水平方向の大きさは、通常の指で快適な大きさ(例えば、10mm~20mmの幅)とすることとができる。制御溝102の深さは、その場所を視覚的及び/又は触覚的に示す任意の寸法(例えば、1mm~10mm)であってよい。(例えば、深さが重視される)一部の実施形態において、深さは1mm~3.5mm(例えば、約2.5mm)であってよい。
【0018】
制御溝102の盆(例えば、最大深さ)における材料(例えば、プラスチック)は、制御溝102の背後のタッチセンサーの感度を最適化するために、比較的薄くすることができる(例えば、2.5mm~2mm)。一部の実施形態において、タッチセンサーは、制御溝102を備えた家庭用装置コントローラ100の背面部分に接合されていても、制御溝102に組み込まれていてもよい。一部の実施形態において、タッチセンサーは、間に空隙が殆んど又は全くないようにして(例えば、2mm未満)、タッチ制御溝102の背後のプリント回路基板(PCB)(例えば、FR4PCB)、又はカプトンフィルム上に配置することができる。一部の実施形態において、タッチセンサーを発泡体等の弾性材料に取り付けることができ、これによってタッチセンサーを制御溝102の背面に押し付けて、潜在的な空隙を排除することができる。
【0019】
家庭用装置コントローラは、同じモジュールに統合することができる照明制御機能を含むことができる。例えば、家庭用装置コントローラは、一般に、デューティサイクルのある相の間、AC入力「ライン」に対し出力の一部を除去すること(例えば、ゼロクロッシングの前又は後に、波形の一部を切り取る「前縁」又は「後縁」調光器)によって、電灯に延びる「負荷」ラインのAC出力波形をチョップ又は操作して電灯を暗くし、目的の調光量を示すデューティサイクルをもたらすAC調光器として機能することができる。様々な実施形態において、家庭用装置コントローラ101は、所望のオン/オフ/調光レベル状態に関する指示を受信し、それに応じて出力を調整するマイクロコントローラ又はタッチコントローラ(例えば、Atmel ATTiny又はATMega等)の制御下に置くことができるMOSFET(例えば、一対のFET及び/又はMOSFET)等の、トライアック又は電界効果トランジスタ(FET)を用いて、かかる調光を行うことができる。
【0020】
一部の実施形態において、家庭用装置コントローラは、照明用として出力電圧を変化させることができるDC電源(例えば、10V、12V、又は24V)を使用することができる。一部の実施形態において、家庭用装置コントローラは、例えば、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、技術標準IEC62386及びIEC60929に規定されている、電灯制御用のDigital Addressable Lighting Interface (DALI)を使用することができる。一部の実施形態において、家庭用装置コントローラは、制御溝102におけるタッチジェスチャーに基づいて、Wi-Fi、Zigbee、Z-Wave、又はBluetooth(BLEを含む)等の無線ネットワークを使用して、指定されたオン/オフ/調光状態に対応する照明制御コマンドを送信することができる。
【0021】
タッチジェスチャーは、ユーザーによって制御溝102において行われ、マイクロプロセッサによって解釈され、照明制御コマンドを生成することができる。特に、タップ、フリック、スライド等の一次元のタッチジェスチャーを検出することができる。マイクロプロセッサは、タッチ制御溝102において行われたジェスチャーに対応する信号を分析することによって、タッチジェスチャーを検知することができる。マイクロプロセッサは、タッチコントローラとマイクロプロセッサとの間の通信に使用される特定のインターフェース(例えば、前述のUART、I2C、SPI等)を介して、信号を受信することができる。(一部の実施形態において、汎用マイクロプロセッサであってよく、一部の実施形態において、マイクロコントローラであってよく、一部の実施形態において、協調して動作する1つ以上のマイクロプロセッサ及び/又はマイクロコントローラの組み合わせであってよく、一部の実施形態において、 これらの処理構成の1つ以上を組み込んだ、又は接続したタッチセンサー固有の集積回路であってよい)マイクロプロセッサにおいて、信号が解釈され、指が検知された(又は検知されなくなった)位置と時間が判定され、それに基づいて、マイクロプロセッサが、タッチ速度、加速度、タッチ圧力、及び制御溝102のタッチ位置を算出することができる。マイクロプロセッサは、タッチ位置、時間、速度等を組み合わせてジェスチャーを導き出し、接続されている照明装置又は他の家庭用装置に対する、制御コマンドを生成することができる。一部の実施形態において、マシンラーニング技術を適用して、例えば、複数の人々からのタッチジェスチャーのトレーニングデータと対応する分類を使用して、ジェスチャー認識モデルを生成することができる。かかるトレーニングの例は、いずれも、すべての目的のために、参照により完全に記載されているかの如く本明細書に組み込まれる、インターネットを介してGoogle Researchから入手可能な、SIGCHI Conference on Human Factors on Computing Systems 2012の議事録のページ2875~2884に掲載のHao Lu及びYang Liによる「Gesture Coder:A Tool for Programming Multi-Touch Gestures by Demonstration」及び20th Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (2007)の議事録に掲載のDaniel Woodによる「Methods for Multi-touch Gesture Recognition」に記載されている。適切なマシンラーニング技術の例には、当業者周知のステートマシンの生成、隠れマルコフモデル、サポートベクターマシン、ベイジアンネットワーク、人工ニューラルネットワーク、及び動的タイムワーピングが含まれる。
【0022】
ユーザーが制御溝102において実行することができる、かかるジェスチャーの例には以下を含むことができ、以下の説明では、当業者が容易に理解できる、かかるジェスチャーを検知する方法の例も例示として記載してあり、例示的な実施形態は、最下部を0とし、タッチ溝又は領域に沿って、指が検出される場所を0~1000の値で示すと仮定し、この例は純粋に例示的であり、例えば、百分率で解釈可能である。
● タップ-これは、一部の例示的な実施形態において、溝内の指の存在を検知し、続いて10未満の変化でその不在を検知することによって実践することができる。
● フリックアップ(速い動き)-これは、一部の例示的な実施形態において、最終接触点が最初の接触点より10~100大きいと判定された、300ms未満の間、指が接触したことを検知することによって実践することができる。
● フリックダウン(速い動き)-これは、一部の例示的な実施形態において、最終接触点が最初の接触点より10~100大きいと判定された、300ms未満の間、指が接触したことを検知することによって実践することができる。
● スワイプアップ(フリックより遅い)-これは、一部の例示的な実施形態において、指が、少なくとも300msの間接触及び/又は少なくとも100の距離を移動し、最初の接触点と比較して、経時的に大きくなる接触点を有することを検知することによって実践することができる。一部の実施形態において、スワイプアップが検知されると、値が変化する際増分的に与えられ、例えば、対話的調光、音量調整、又は他の制御形態を容易することができる。一部の実施形態において、最初の接触点と比較して、接触点が経時的に小さくなり始めたことを検知すると、スワイプアップがスワイプダウンになり、双方向調整が可能になる。
● スワイプダウン(フリックより遅い)-これは、一部の例示的な実施形態において、指が、少なくとも300msの間接触及び/又は少なくとも100の距離を移動し、最初の接触点と比較して、経時的に小さくなる接触点を有することを検知することによって実践することができる。一部の実施形態において、スワイプダウンが検知されると、値が変化する際増分的に与えられ、例えば、対話的調光、音量調整、又は他の制御形態を容易することができる。一部の実施形態において、最初の接触点と比較して、接触点が経時的に大きくなり始めたことを検知すると、スワイプダウンがスワイプアップになり、双方向調整が可能になる。
● ホールドアンドムーブアップ-これは、一部の例示的な実施形態において、最初の接触によって検知がトリガーされる、前述のスワイプアップと同様に実践することができる。
● ホールドアンドムーブダウン-これは、一部の例示的な実施形態において、最初の接触によって検知がトリガーされる、前述のスワイプダウンと同様に実践することができる。
● 掌検知-これは、一部の例示的な実施形態において、人間の指(例えば、20mm)に対応するには大き過ぎる幅のタッチが存在していることを検出したとき実践することができ、一部の例において、イベントが意図したものではないとして無視することができる。
【0023】
一部の例において、マイクロコントローラは、スワイプジェスチャーと同じ方法で、ホールドアンドムーブジェスチャーを解釈することができる。ジェスチャーは、例えば、次のように照明制御アクションにマッピングすることができる。
【0024】
【0025】
様々な例において、マイクロコントローラ又はタッチコントローラは、電灯の調光レベルに対して0~nの所定の範囲の数値を割り当てることができ、ここで0は「オフ」を示しnは最大値を表す。調光できない、又は調光しないように構成されている電灯等の電灯のオン/オフは、一部の実施形態においてn=1であるか、あるいは一部の実施形態において、無制限の調光可能電灯と同じ最大値を使用することができる。マイクロコントローラは、割り当てられた数値を電灯の出力レベルを設定するモジュールに送信することができる。様々な実施形態において、モジュールは、同じマイクロプロセッサの論理コンポーネントを含むことも、別のマイクロプロセッサを含むこともでる。
【0026】
一部の実施形態において、最小及び/又は最大の調光値を持つように電灯を調整することができる。最大の調光値は、電灯が対話的に調光することができる最大の明るさに対応することができる。最小調光値は、電灯を調光することができる最低の明るさ「オン」値に対応することがでる(例えば、0「オフ」値からの調光レベルの上昇は、調光レベルを最小の調光レベルを設定した直後から発生して上方に調整することができ、最小レベルからの調光レベルの低下は、調光レベルを0「オフ」に設定した直後に発生する)。
【0027】
本明細書において例示的に使用される種類のコントローラは、照明器具以外の他の装置の制御に使用することができ、一部の実施形態において、同じジェスチャーを用いてこれを達成することができる。例えば、ファンの電源のオン/オフ又は回転速度の設定、日よけ又はブラインドの上下移動、又は引き出し及び引き込み、サーモスタット等の空調システムの温度設定等が可能である。
【0028】
図1に示す例によれば、家庭用装置コントローラ101は、1つ以上の電灯110、115を操作するように構成することができる。1つの例において、ユーザーが、制御溝102において、ジェスチャーを行うことができ、これを家庭用装置コントローラ101のマイクロプロセッサが解釈して、電灯110、115のオン/オフ状態及び/又は調光レベルを制御することができる。様々な例において、家庭用装置コントローラ101は、電灯スイッチと同じ配線を利用して、既存の電灯スイッチを置換するように構成することができる。特定の実施形態において、家庭用装置コントローラ101は、ジェスチャーを解釈して、有線接続113を使用する電灯115、及び/又は無線接続112(例えば、Wi-Fi、Zigbee、Z-Wave、又はBluetooth)を使用する電灯110(例えば、スマート電球)の電灯制御コマンドを生成することができる。
【0029】
一部の例において、家庭用装置コントローラ101は、オーディオシステム、ファン、温度制御システム、又は自動制御カーテン若しくはブラインド等のスマート家庭用装置120に(無線又は有線で)接続することができる。マイクロプロセッサは、制御溝102において行われたジェスチャーを解釈して、例えば、ファンのファン速度、オーディオシステムの音量、室温、カーテン、日よけ、又はブランドの開閉又は中間状態等のオン/オフ及び調整が可能である。
【0030】
図2は様々な実施形態による、家庭用装置コントローラの別の例を示す図である。
図2において、家庭用装置コントローラパネル201は、スクリーン202と複数のタッチ制御溝203、204、205を備えている。家庭用装置コントローラ200は、タッチ制御パネル201及び以下に説明するACエレクトロニクスを更に含むことができる。家庭用装置コントローラ200は、住宅や会社等の建物の壁に取り付けることができる。一部の実施形態において、タッチ制御パネル201は、スナップオン及びオフすることができる、プラスチックベゼル等の取り外し可能なベゼルを備えることができ、それによって、タッチ制御パネル201全体の交換を必要とせずに、色の変更等、表面の変更が可能である
タッチ制御溝203、204、205の構造、構成、及び/又は動作は、
図1に関連して図示及び説明したタッチ制御溝102と同様であってよい。一部の実施形態において、複数のタッチ制御溝203、204、205における、複数の同時ジェスチャーを同時に解釈することができる。
【0031】
各々のタッチ制御溝203、204、205に接続又は連結されているのは、対応するタッチセンサー又は一連のタッチセンサー(例えば、容量性タッチスライダー)であってよい。タッチスライダーの実施形態において、タッチスライダーは、本明細書に記載のI2C又はSPI等のバスを使用して接続される。
【0032】
各々のタッチスライダーは、特定の電灯回路に関連付けることができる(例えば、家庭用装置コントローラ200は、各々が特定のタッチスライダー、従って特定の対応するタッチ制御溝に割り当てることができる複数の出力を有することができる)。従って、タッチコントローラが、特定のタッチ制御グルーブに対応する、特定のタッチスライダーにおいてジェスチャーを検知したとき、タッチコントローラは、タッチジェスチャーに対応する一連の信号を、家庭用装置コントローラ200のマイクロプロセッサに送信することができ、これによって、タッチスライダーと制御溝の組み合わせに対応する回路に、対応する制御コマンドを生成することができる。一部の実施形態において、かかる回路は物理回路(例えば、前述のAC又はDC回路)であってよい。一部の実施形態において、かかる回路は有線又は非有線の仮想回路であってよく、マイクロプロセッサは、前述のように、適用可能なネットワーク(例えば、Wi-Fi、Zigbee、Z-Wave、DALI、又はBluetooth等)を使用して、検出されたジェスチャーに対応する制御命令を送信することができる。
【0033】
例示的な実施形態において、ソフトウェア、スマートフォンのモバイルアプリケーション、又はサーバーが提供するウェブサイトを介して、スクリーン202に、ユーザーインターフェースを提供することができ、これによって、特定のタッチ制御溝を、例えば、家庭用装置コントローラ200に接続されている物理照明回路、別の家庭用装置コントローラに接続されている物理照明回路、又はスマート電球、オーディオシステム、スマートブラインド又はカーテン、サーモスタット、ファン等のサードパーティの装置等、特定の出力にマッピングするオプションがユーザーに提供される。タッチ制御溝にマッピングする装置が選択されると、家庭用装置コントローラ200は、通知を受けることができ、タッチ制御溝に関連付けられた識別子に装置を関連付けるマッピングをそのメモリ(例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ)に保存することができる。その後、タッチ制御溝においてジェスチャーが検知されると、マッピングが参照されるか、又は以前に参照されたマッピング状態が所定位置となり、タッチ制御溝におけるジェスチャーによって、装置を適宜制御することができる。
【0034】
図2に示す例において、既存の電灯スイッチパネルを置換して家庭用装置コントローラ200を取り付けることができ、更に電灯スイッチパネルの背後の壁内に取り付けられた、ギャングボックスの既存の負荷及び電力線を利用することができる。家庭用装置コントローラ200は、処理及びメモリリソース、並びに1つ以上のネットワーク通信プロトコルを実装した、ネットワーク通信モジュールを備えることができる。特定の態様において、タッチ制御溝の1つ以上(例えば、制御溝205)を、例えば、住宅コントローラに取り付けられた負荷線から直接配線を介して、有線接続215で、電灯要素235に関連付けることができる。かかる有線接続では、家庭用装置は(例えば、コントローラ及び/又は無線通信モジュールを備えた)スマート家庭用装置である必要はない。
【0035】
様々な例によれば、スクリーン202は、タッチスクリーンを備えることができ、ユーザーは、スマート照明器具233、234、温度制御システム222、ファンコントローラ224、窓コントローラ226、又はオーディオコントローラ228等、任意の数の接続されているスマートホームシステム220を操作することができる。特定の実施形態において、ユーザーは、タッチスクリーン202上で、特定のスマート家庭用装置を選択し、タッチ制御溝203、204を使用して、選択したスマート家庭用装置のオン/オフ又は調整可能な特定のパラメータを調整することができる。変形例において、スクリーン202自体がタッチ制御溝として振る舞うことができ、ユーザーは、本明細書に記載の説明に従って、(例えば、タッチスクリーンに示されたY軸を、前述のタッチジェスチャーを認識する溝内の位置として使用して)ジェスチャーを入力し、選択されたスマート家庭用装置を制御することができる。かかる実施形態において、画像表示、モーションアート表示、シーンや装置等の選択可能な項目等、スクリーンに表示されている別のユーザーインターフェース要素の存在下で、ジェスチャーを認識することができる。かかる実施形態において、スクリーンにタッチされたことが検知されると、そのタッチが前述のタッチ制御ジェスチャーを含むか否かを判定することができる。もし含んでいれば、そのジェスチャーに対する適切な機能を実行することができ、含んでいなければ、タッチ情報を別の処理コンポーネントに送って、スクリーン上のユーザーインターフーイスとの対話等の解釈を行うことができる。
【0036】
例えば、ユーザーが、タッチスクリーン202に表示された、選択可能メニューの温度制御システム222を選択すると、マイクロプロセッサがトリガーされ、室温を調整する制御コマンドとして、タッチスクリーン202上で行われたジェスチャーを解釈することができる。従って、タッチスクリーンにおいて、上方にタッチスクロールするジェスチャーによって、マイクロプロセッサは、部屋の温度を上昇させるコマンドを生成し、温度制御システム222にこれ等の温度制御コマンドを送信することができる。
【0037】
特定の実施形態において、タッチ制御溝(例えば、制御溝203)が、特定のスマート家庭用装置(例えば、照明要素233)専用の制御溝として機能することができる。かかる実施形態において、ユーザーは、制御溝203においてジェスチャーを実行することができ、住宅コントローラ200のマイクロプロセッサが、ジェスチャーを解釈し、ジェスチャーに従って、照明要素233に対する制御コマンドを生成し、制御コマンドを適宜照明要素233に送信することができる。
【0038】
変形例において、タッチ制御溝(例えば、制御溝204)は、スクリーンに表示された選択可能メニューからのユーザー選択に基づいて、様々なスマートホームシステム220及び/又は照明要素233、234との接続を動的に変更することができるユニバーサル制御溝204を備えることができる。更に、特定のスマート家庭用装置のユーザー選択に基づいて、当該装置内のマイクロプロセッサが、制御溝204において行われたジェスチャーの解釈を適応的に変更することができる。例えば、ユーザーがタッチスクリーンで窓コントローラ226を選択すると、マイクロプロセッサがトリガーされ、制御溝204において行われたジェスチャーを、窓日よけ又はブランドを開閉するアクチュエータ又はサーボ制御コマンドとして解釈することができる。
【0039】
別の実施形態において、タッチスクリーン202は、ユーザーがタッチスクリーン202又は特定の制御溝203、204、205において実行したジェスチャーに対応する、動的温度設定、調光値、ファン速度、窓日よけの設定、又は音量の表示等、動的コンテンツをグラフィカルに表示することができる。
【0040】
図2に示す3つのタッチ制御溝203、204、205の利用は、純粋に例示的なものであり、本明細書に記載の同じ技術が、2、4、5、6、又はそれ以上のタッチ制御溝(及び対応するタッチスライダー)に対して実施され得ることが企図されている。
【0041】
ハードウェア図
図3は、本明細書に記載の例示的な家庭用装置コントローラを実装することができる、コンピューティング装置を示すハードウェア図である。例えば、コンピューティング装置300は、
図1及び2に関連して図示及び説明した、家庭用装置コントローラ100、200とユーザーとの対話を介して実行される、ロジック及び処理を含むことができる。1つの実施形態において、コンピューティング装置300又はホームコントローラ300(交換可能に使用される)は、処理リソース310、メインメモリ320、読取専用メモリ(ROM)330、ディスプレイ340、及び通信インターフェース350を備えている。コンピューティング装置300は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置によって提供されるもの等、メインメモリ320に保存されている情報を処理し、情報及びプロセッサ310によって実行可能な命令を記憶する少なくとも1つのプロセッサ310を備えている。本明細書を通して、「マイクロコントローラ」又は「マイクロプロセッサ」は、
図3に関連して図示及び説明したように、プロセッサ310又はプロセッサ310とメインメモリ320との組み合わせを含むことができる。様々な実施形態において、マイクロプロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、協働する1つ以上のマイクロプロセッサ及び/又はマイクロコントローラの組み合わせ、及び/又は1つ以上のこれ等の処理構成を組み込むか又はそれに接続された、タッチセンサーに特化した集積回路であってよい。メインメモリ320は、プロセッサ310が実行する命令の実行中に、一時的な変数又は他の中間情報を記憶するのにも使用することができる。コンピューティング装置300は、静的情報及びプロセッサ310の命令を記憶しているROM330又は他の静的ストレージ装置も備えることができる。
【0042】
通信インターフェース350は、コンピューティング装置300が、1つ以上の無線ネットワークリンクを使用し、1つ以上の制御ネットワーク380(例えば、Bluetooth、Zigbee、Wi-Fi等)を介して通信することを可能にする。ネットワークリンクを使用して、コンピューティング装置300は、1つ以上の家庭用装置、1つ以上のサーバー、又はサードパーティの中間通信モジュールと通信することができる。メモリ320内の実行可能命令には、コンピューティング装置300が実行し、特定の制御溝又は表示スクリーン340でユーザーが実行したジェスチャーを特定し、適切な家庭用装置に対する制御コマンドを適宜生成する、ジェスチャー解釈命令322を含むことができる。例えば、プロセッサ310が、ジェスチャー解釈命令322を実行して、制御溝に接続されたセンサー360及び/又はディスプレイのタッチセンサーから信号を受信し、検知されたジェスチャーに基づいて、制御コマンドを生成することができる。
【0043】
メモリ320に記憶されている実行命令には、コンピューティング装置300が実行して、通信インターフェースを様々な家庭用装置に選択的に接続して、ジェスチャー解釈命令322を実行したプロセッサ310によって生成された制御コマンドを送信する 制御接続命令324も含むことができる。本明細書に記載のように、コンピューティング装置300は、有線接続を介し、1つ以上の家庭用装置370(例えば、照明要素)に接続することも、スマート家庭用装置に接続するための無線ネットワークプロトコルを実装して、制御ネットワーク380を介し、制御コマンドを送信することもできる。
【0044】
一部の実施形態において、例えば、一方の側(例えば、住宅コントローラ300又はACコントローラ390)のスプリングクリップ又はポゴピンと、対応する側の導電パッドとの間に電気接続をもたらすクリップによって、住宅コントローラ300をACコントローラ390に連結することができる。ACコントローラ390は、電力、負荷、ニュートラル、及び/又は接地用の壁配線への接続を有することができ、一部の実施形態において、3ウェイ構成のL1及びL2出力を有することができる。一部の実施形態において、ACコントローラ390は、ホームコントローラ300から命令を受信し、電界効果トランジスタ、トライアック、及び/又は、例えば、前述したような他の調光メカニズムを制御することができる、ACマイクロコントローラを備えることができる。特定の例において、ACコントローラ390は、ACコントローラ390を既存の配線(例えば、電灯スイッチ)の電力線及び負荷線に接続する調光FET395を含むことができる。
図3に示す例において、負荷線によってACコントローラ390が、1つ以上の有線家庭用装置(例えば、電灯)に接続され、電力線によってACコントローラ390(家庭用装置コントローラ300)が、電源399に接続されている。
【0045】
プロセッサ310は、ソフトウェア及び/又は他のロジックで構成され、
図1、2、4、及び本願の別の場所に記載の実施形態で説明した、1つ以上のプロセス、ステップ、及び他の機能を実行する。本明細書に記載の例は、コンピューティング装置300を使用して、本明細書に記載の技法を実行することに関連している。1つの例によれば、これ等の技法は、メインメモリ320に含まれている1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行しているプロセッサ310に応答して、コンピューティング装置300によって実行される。かかる命令は、別の機械可読媒体からメインメモリ320に読み込むことができる。メインメモリ320に含まれている命令シーケンスを実行することによって、プロセッサ310が、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。別の実施形態において、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用して、本明細書に記載の例を実現することができる。従って、本明細書に記載の例は、ハードウェア回路とソフトウェアとの如何なる特定の組み合わせにも限定されるものではない。
【0046】
図4は、様々な実施形態による、家庭用装置コントローラを使用して、1つ以上の家庭用装置を制御する方法の例を示すフローチャートである。
図4の以下の説明において、
図1~3に関連して図示及び説明したのと同様の機能ついては、同様の参照文字を参照することができる。更に、
図4に関連して説明するプロセスは、
図1及び2に関連して図示及び説明した制御パネル101、201を含むことができるコントローラ又は
図3の例示的な家庭用装置コントローラ300の処理リソースによって実行することができる。
【0047】
図4において、家庭用装置コントローラのコントローラは、タッチセンサーから1つ以上の信号を受信することができる(400)。タッチセンサーは、家庭用装置コントローラのタッチ制御溝102(402)又はタッチスクリーン202(404)に含まれるか、又は動作可能に連結することができる。様々な例において、コントローラは、家庭用装置コントローラを家庭用装置に選択的に接続することができる(405)。特定の態様において、接続は照明要素との有線接続(409)、又は本開示を通して説明しているようなスマート家庭用装置との無線接続(407)を含むことができる。1つの例において、信号は、スマート家庭用装置の表示メニューからのユーザー選択、及び家庭用装置コントローラのタッチスクリーン又はタッチ制御溝のいずれかにおいて実行されるジェスチャーに対応することができる。
【0048】
受信した信号に基づいて、コントローラは、ユーザーが実行したジェスチャーを特定することができる(410)。本明細書に記載のように、ジェスチャーは、タップジェスチャー、スクロール若しくはスワイプジェスチャー(上下)、又はタッチホールド及びスクロールジェスチャーを含むことができる。ジェスチャーに基づいて、コントローラは、接続されている又は選択された家庭用装置に対する、制御コマンドを生成することができ(415)、その制御コマンドをその家庭用装置に送信する(420)ことができる。本明細書に記載のように、制御コマンドには、電灯の調光レベルコマンド、オーディオの音量コマンド、窓アクチュエータコマンド、温度制御コマンド、ファン速度コマンド等が含まれる。
【0049】
本明細書に記載の例は、他の概念、アイデア、又はシステムとは無関係に、本明細書に記載の個々の要素及び概念に拡張されること、並びに例は、本願のいずれかに記載の要素の組み合わせを含むことを意図している。本明細書において、添付の図面を参照しながら例が詳細に説明されているが、当然のことながら、概念はこれ等の正確な例に限定されるものではない。従って、当業者には多くの改良及び変形が明らかであろう。従って、概念の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって規定されることを意図している。更に、他の機構及び例が、特定の機構に言及していなくても、個別又は例の一部として記載されている特定の機構を、別の個別に記載されている機構又は他の例の一部と組み合わせることができることを意図している。従って、組み合わせの記述がなくても、かかる組み合わせに対する権利の主張が除外されるべきものではない。
【符号の説明】
【0050】
100、200 家庭用装置コントローラ
101、201 タッチ制御パネル
102、203、204、205 タッチ制御溝
110、115 電灯
112 無線接続
113、215 有線接続
120 スマート家庭用装置
202 タッチスクリーン
220 スマートホームシステム
222 温度制御システム
224 ファンコントローラ
226 窓コントローラ
228 オーディオコントローラ
233、234 スマート照明器具
235 電灯要素
310 プロセッサ
320 メインメモリ
322 ジェスチャー解釈命令
324 制御接続命令
330 ROM
340 表示スクリーン
350 通信インターフェース
360 センサー
370 家庭用装置
380 制御ネットワーク
390 ACコントローラ