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▶ グラコ ミネソタ インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】可変流量ポペット弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/34 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
F16K1/34 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019571333
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 US2018039028
(87)【国際公開番号】W WO2018237283
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】62/523,845
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308025451
【氏名又は名称】グラコ ミネソタ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】エッベン, ジェームス, アール.
(72)【発明者】
【氏名】クシェル, アンソニー, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム, マイケル, イー.
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-172836(JP,A)
【文献】特開2012-225438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0023148(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流部分と該上流部分から延びる外側プラグテーパ部分とを有する弁プラグ本体と、該弁プラグ本体を通って延びるプラグ通路であって、前記弁プラグ本体の前記上流部分内に延び第1段座を含む第1セグメントと該第1セグメントから延びる第2セグメントとを有するプラグ通路と、を備える外側弁プラグと、
軸部開口を有する上流端であって前記軸部開口が通って延びる上流端と、下流端と、前記上流端と前記下流端との間に配置されて半径方向内方に延びる肩部と、を備え、前記第2セグメント内に配置されているブッシングと、
前記プラグ通路内に配置され且つ前記軸部開口を通って前記ブッシング内に延びる内側弁プラグであって、前記第1段座と接合するように構成された内側プラグテーパ部分を有する頭部と、前記軸部開口を通って前記頭部から延びる軸部と、を備える内側弁プラグと、
前記軸部に取り付けられて前記ブッシング内に配置されているキャップと、を備え、
前記キャップは、第1段閉鎖位置と第1段開放位置との間で前記内側弁プラグを作動させるように構成されており、且つ、前記ブッシングの前記肩部に係合して第2段閉鎖位置と第2段開放位置との間で前記外側弁プラグを作動させるように構成されている、可変流量弁。
【請求項2】
前記軸部は、該軸部から半径方向に延び且つ前記キャップの上流端に当接するように構成されたフランジ部を更に備える、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項3】
前記内側弁プラグは、前記フランジ部から前記キャップの中央ボア内に延びる取付部を更に備える、請求項2記載の可変流量弁。
【請求項4】
前記プラグ通路の前記第1セグメントは、前記第1段座と前記第2セグメントとの間を延びる中間部分を更に備える、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項5】
前記軸部は段部を含んでおり、前記軸部は、前記段部と前記キャップとの間よりも、前記頭部と前記段部との間において大きな断面積を有している、請求項4記載の可変流量弁。
【請求項6】
前記外側弁プラグはエラストマーを含み、前記内側弁プラグは金属を含み、前記内側プラグテーパ部分は、前記内側弁プラグが前記第1段閉鎖位置にある状態で、前記第1段座と直接接触するように構成されている、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項7】
前記キャップは、キャップ本体と、該キャップ本体を通って延びるキャップボアであって前記内側弁プラグの前記軸部を収容するように構成されたキャップボアと、前記キャップ本体から半径方向外方に延びる複数のリブと、を備える、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項8】
前記ブッシング内において前記軸部の周囲に配置される第1段ばねであって、前記ブッシングの前記上流端と前記キャップとの間を延びる第1段ばねを更に備える、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項9】
前記外側弁プラグの前記上流部分は、該上流部分から半径方向外方に延びる複数のベーンを有する、請求項1記載の可変流量弁。
【請求項10】
上流側流体チャンバと下流側流体チャンバとを画定するノズル本体と、
前記上流側流体チャンバと前記下流側流体チャンバとの間において前記ノズル本体から半径方向内方に延びる外側弁座と、
前記ノズル本体内に配置された可変流量弁であって、完全閉鎖位置、部分開放位置、及び完全開放位置の間を移動可能な可変流量弁と、を備え、
該可変流量弁は、
上流部分と該上流部分から延びる外側プラグテーパ部分であって前記外側弁座と接合するように構成された外側プラグテーパ部分と、を有する弁プラグ本体と、該弁プラグ本体を通って延び第1段座を含むプラグ通路と、を備える外側弁プラグと、
前記上流側流体チャンバ内に配置され、前記外側弁プラグを前記外側弁座に向かって付勢するように構成された第2段ばねと、
前記プラグ通路内に配置されたブッシングと、
前記プラグ通路内に配置され且つ前記ブッシング内に延びる内側弁プラグであって、前記第1段座と接合するように構成された内側プラグテーパ部分を有する頭部と、前記頭部から前記ブッシング内に延びる軸部と、を備える内側弁プラグと、
前記軸部に取り付けられて前記ブッシング内に配置されているキャップと、
前記ブッシング内において前記軸部の周囲に配置され、前記ブッシングの上流端と前記キャップとの間を延びる第1段ばねと、を備え、
前記キャップは、
前記可変流量弁を、前記完全閉鎖位置から前記部分開放位置に作動させ、且つ、前記部分開放位置から前記完全開放位置に作動させるように構成されており、前記部分開放位置において前記内側弁プラグは前記第1段座から変位しており、前記完全開放位置において前記外側弁プラグは前記外側弁座から変位している、流体分配用のノズル。
【請求項11】
前記プラグ通路は、前記弁プラグ本体の前記上流部分内に延び第1段座を含む第1セグメントと、該第1セグメントから延びる第2セグメントであって前記ブッシングが内部に配置されている第2セグメントと、を備える請求項10記載のノズル。
【請求項12】
前記プラグ通路の前記第1セグメントは、前記第1段座と前記第2セグメントとの間を延びる中間部分を更に備える、請求項11記載のノズル。
【請求項13】
前記軸部は段部を含んでおり、前記軸部は、前記段部と前記キャップとの間よりも、前記頭部と前記段部との間において大きな断面積を有している、請求項12記載のノズル。
【請求項14】
前記ブッシングは、軸部開口を有する上流端であって前記軸部開口が通って延びる上流端と、下流端と、前記上流端と前記下流端との間に配置されて半径方向内方に延びる肩部と、を備え、前記内側弁プラグは、前記軸部開口を通って前記ブッシング内を延びている請求項10記載のノズル。
【請求項15】
前記外側弁座は前記ノズル本体と一体である、請求項10記載のノズル。
【請求項16】
前記ノズル本体及び前記外側弁座は金属を含み、
前記外側弁プラグはエラストマーを含み、
前記内側弁プラグは金属を含み、
前記外側プラグテーパ部分は、前記可変流量弁が前記完全閉鎖位置及び前記部分開放位置にある状態で、前記外側弁座と直接接触するように構成されており、前記内側プラグテーパ部分は、前記可変流量弁が前記完全閉鎖位置にある状態で、前記第1段座と直接接触するように構成されている、請求項10記載のノズル。
【請求項17】
前記軸部は、該軸部から半径方向に延びるフランジ部であって、前記キャップの上流端に当接するように構成されたフランジ部を有する、請求項10記載のノズル。
【請求項18】
前記内側弁プラグは、前記フランジ部から前記キャップのキャップボア内に延びる取付部を有する、請求項17記載のノズル。
【請求項19】
前記第2段ばねは前記第1段ばねよりも高いバネ定数を有する、請求項10記載のノズル。
【請求項20】
前記ノズル本体に取り付けられたトリガーと、
前記ノズル本体を通って延びるカムであって前記トリガーに連結されたカムと、
前記下流側流体チャンバ内に配置されたプッシュロッドであって前記キャップに連結されたプッシュロッドと、を備え、
前記トリガーは、前記カムを回転駆動するように構成されており、
前記カムは、前記プッシュロッドを前記上流側流体チャンバに向かって変位させるように構成されており、
前記プッシュロッドは、前記キャップを変位させて、前記可変流量弁を前記完全閉鎖位置から前記部分開放位置に且つ前記部分開放位置から前記完全開放位置に作動するように構成されている、請求項10記載のノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月23日に出願された「可変流量ポペット弁」という名称の米国仮特許出願第62/523,845号の優先権を主張し、その開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して弁に関する。より具体的には、本開示は、流体分配システムのための可変流量ポペット弁に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車工場で油及び他の潤滑剤を分配するために使用されるような流体分配システムは、分配ノズルを利用して加圧流体の分配を制御する。分配ノズルは、流れを制御するために使用者によって作動される内側弁を含む。使用者は、トリガーを押し下げることによって、閉鎖位置と開放位置との間で内側弁を機械的に作動させる。弁の上流側の流体は加圧されており、弁が開放位置にあるとき、当該流体圧力は、弁を越えて下流側に流体を駆動する。上流側の流体圧力は、閉鎖位置から開放位置への弁の移動に対抗するものであって、その結果、使用者は、上流側の流体圧力を克服して弁を開放位置に作動させるために大きな力を及ぼす必要がある。さらに、弁は、典型的には、弁が開いているときに流体が流れているか、または弁が開いていないときに流体が流れていないかのいずれかであるバイナリ流量(binary flow rates)を提供する。弁が2段式弁である場合、弁は、2つの別個の流量、すなわち、第1段部が開いている場合の低流量と、第2段部が開いている場合の高流量とを提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によれば、可変流量弁は、外側弁プラグと、ブッシングと、内側弁プラグと、キャップとを含んでいる。外側弁プラグは、弁プラグ本体とプラグ通路とを含んでおり、弁プラグ本体は、上流部分と当該上流部分から延びる外側プラグテーパ部分とを有しており、プラグ通路は、弁プラグ本体を通って延びている。プラグ通路は、第1セグメントと第2セグメントとを含んでおり、第1セグメントは、弁プラグ本体の上流部分内に延在し且つ第1段座を含んでおり、第2セグメントは、第1セグメントから延在している。ブッシングは、第2セグメント内に配置され、シャフト開口部を有する上流端と、下流端と、半径方向内側に延在する肩部であって上流端と下流端との間に配置された肩部とを含んでいる。内側弁プラグは、プラグ通路内に配置され、シャフト開口部を通ってブッシング内に延びている。内側弁プラグは、第1段座と接合するように構成された内側プラグテーパ部分を有する頭部と、頭部からシャフト開口部を通って延びる軸部とを含んでいる。キャップは、軸部に取り付けられ、ブッシング内に配置されている。キャップは、第1段閉鎖位置と第1段開放位置との間で内側弁プラグを作動させるように構成されており、ブッシングの肩部に係合して第2段閉鎖位置と第2段開放位置との間で外側弁プラグを作動させるように構成されている。
【0005】
本開示の別の態様によれば、流体を分配するためのノズルは、上流側流体チャンバ及び下流側流体チャンバを画定するノズル本体と、上流側流体チャンバと下流側流体チャンバとの間でノズル本体から半径方向内向きに延在する外側弁座と、ノズル本体内に配置された可変流量弁とを含んでいる。可変流量弁は、全閉鎖位置と、部分開放位置と、全開放位置との間で移動可能である。可変流量弁は、外側弁プラグと、上流側流体チャンバ内に配置された第2段ばねであって外側弁プラグを外側弁座に向かって付勢するように構成された第2段ばねと、ブッシングと、内側弁プラグと、キャップと、第1段ばねとを含んでいる。外側弁プラグは、弁プラグ本体とプラグ通路とを含んでおり、弁プラグ本体は、上流部分と、上流部分から延在し且つ外側弁座と接合するように構成された外側プラグテーパ部分とを有しており、プラグ通路は、弁プラグ本体を通って延在し、第1段座を含んでいる。ブッシングは、プラグ通路内に配置されている。内側弁プラグは、プラグ通路内に配置され、ブッシング内に延びている。内側弁プラグは、第1段座と接合するように構成された内側プラグテーパ部分を有する頭部と、当該頭部からブッシング内に延びる軸部とを含んでいる。キャップは、軸部に取り付けられ、ブッシング内に配置されている。第1段ばねは、ブッシング内で軸部の周りに配置され、ブッシングの上流端とキャップとの間を延在している。キャップは、可変流量弁を全閉鎖位置から、内側弁プラグが第1段座から変位される部分開放位置に作動させるように構成されており、且つ、可変流量弁を部分開放位置から、外側弁プラグが外側弁座から変位される完全開放位置に作動させるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】ノズルアセンブリの断面図である。
図1B】閉鎖位置にある可変流量ポペット弁を示す、図1Aの詳細部Zの拡大断面図である。
図1C】部分開放位置にある図1Bの可変流量ポペット弁の断面図である。
図1D】全開放位置にある図1Bの可変流量ポペット弁の断面図である。
図2A】可変流量ポペット弁の分解図である。
図2B図2Aの可変流量ポペット弁の下流端の立面図である。
図2C図2Aの可変流量ポペット弁の断面図である。
図3】別の可変流量ポペット弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、ノズル10の断面図であり、ノズル10は、オイル、不凍液、トランスミッション液、及び/又は潤滑剤などの加圧流体を、他の部品の間で分配するように構成されている。図1Bは、閉鎖位置にある可変流量ポペット弁(VFPV)12を示す、図1Aの詳細部Zの拡大断面図である。図1Cは、部分開放位置にあるVFPV12を示す断面図である。図1Dは、完全開放位置にあるVFPV12の断面図である。図1A-1Dは、まとめて説明される。
【0008】
ノズル10は、VFPV12と、ノズル本体14と、流入側取り付け部16(図1A)と、排出側取り付け部18(図1A)と、トリガー20(図1A)と、カム22(図1A)と、プッシュロッド24とを含んでいる。VFPV12は、第1段部26、第2段部28、ブッシング30、及びキャップ32を含んでいる。第1段部26は、内側弁プラグ34と第1段ばね36とを含んでいる。内側弁プラグ34は軸部38と頭部40を含んでおり、頭部40は、円錐台状であり、第1テーパ面42を含んでいる。第2段部28は、外側弁プラグ44と第2段ばね46とを含んでいる。外側弁プラグ44は、外側プラグ本体48及びプラグ通路50を含んでいる。外側プラグ本体48は、第2テーパ面52と上流部分54とを含んでいる。プラグ通路50は、第1セグメント56と第2セグメント58とを含んでいる。第1セグメント56は、第1段座60と中間部分62とを含んでいる。ブッシング30は、上流端64と、下流端66と、軸部開口68と、肩部70とを含んでいる。ノズル本体14は、上流側流体チャンバ72と、下流側流体チャンバ74と、第2段座76とを含んでいる。上流側矢印及び下流側矢印は、それぞれ上流方向及び下流方向を示している。
【0009】
流入側取り付け部16はノズル本体14に取り付けられ、上流側流体チャンバ72に流体を供給する。排出側取り付け部18はノズル本体14に取り付けられ、下流側流体チャンバ74から流体を受け取る。VFPV12は、ノズル本体14内で上流側流体チャンバ72と下流側流体チャンバ74との間に配置され、上流側流体チャンバ72と下流側流体チャンバ74との間の流体の流れを制御するように構成されている。プッシュロッド24は、下流側流体チャンバ74内に配置され、閉鎖位置(図1Bに示す)、部分開放位置(図1Cに示す)、及び完全開放位置(図1Dに示す)の間でVFPV12を作動させる。キャップ32は、内側弁プラグ34に取り付けられ、ブッシング30の下流端66内に延びている。プッシュロッド24は、キャップ32と相互作用し、キャップ32を上流方向に駆動するように構成されている。プッシュロッド24はキャップ32と相互作用するように記載されているが、一例では、キャップ32の下流端がプッシュロッド24に取り付けられていることが理解される。キャップ32は、任意の所望の方法でプッシュロッド24に固定することができる。例えば、キャップ32は、プッシュロッド24のねじ山と螺合するように構成されたねじ山を含むことができる。しかし、キャップ32は、プレス嵌め接続、接着剤、または溶接などの任意の所望の方法で、プッシュロッド24に永久的に、または取り外し可能に取り付けることができることを理解されたい。一例では、キャップ32はプッシュロッド24と一体であってもよい。トリガー20は、ノズル本体14に旋回可能に取り付けられ、カム22に連結されている。カム22は、ノズル本体14内に配置されて回転するように構成されており、これにより、プッシュロッド24を上流方向に駆動してVFPV12を作動させる。
【0010】
第2段座76は、ノズル本体14から延在し、ノズル本体14と一体である。第2段座76は、ノズル本体14において面取りされたボアである。第2段座76は、ノズル本体14と一体として記載されているが、第2段座76は、ノズル本体14とは別個に形成され、ノズル本体14内に設置されてもよいことが理解される。外側弁プラグ44は、ノズル本体14内に配置され、閉鎖位置にあるときに第2段座76に当接するように構成されている。外側プラグ本体48の上流部分54は、外側弁プラグ44をノズル本体14内に整列させる。第2テーパ面52は、上流部分54から下流に延び、第2段座76と接合するように構成されている。第2段ばね46は、上流側流体チャンバ72内に配置され、流入側取り付け部16と外側弁プラグ44の上流部分54との間に延びている。
【0011】
プラグ通路50は、外側プラグ本体48を通って延び、第1段部26を通って流れる流体のための流路を画定している。プラグ通路50の第1セグメント56は、プラグ通路50の第2セグメント58の上流側に配置されている。第1段座60は、第1セグメント56の面取りされた部分であり、第1セグメント56の上流端に配置されている。中間部分62は、第1段座60からプラグ通路50の第2セグメント58まで下流方向に延びている。第2セグメント58は、中間部分62よりも大きな直径を有している。ブッシング30は、プラグ通路50の第2セグメント58内に配置されている。軸部開口68は、ブッシング30の上流端64を貫通して延び、一例では、軸部開口68は、中間部分62と実質的に同じ直径を有する。肩部70は、上流端64と下流端66との間でブッシング30から半径方向内方に延びている。
【0012】
内側弁プラグ34は、プラグ通路50を通って延び、軸部開口68を通ってブッシング30内に入る。頭部40は、第1テーパ面42を含んでおり、第1テーパ面42は、第1段座60と接触するように構成されている。軸部38は、頭部40から下流方向に延びている。軸部38は、中間部分62を通って延び、軸部開口68を通ってブッシング30内に入る。軸部38の下流端はキャップ32に接続されている。軸部38は、ねじ接続または圧入接続などの任意の所望の方法でキャップ32に接続することができる。第1段ばね36は、ブッシング30内において軸部38の周囲に配置されている。第1段ばね36は、ブッシング30の上流端64とキャップ32との間に延びている。
【0013】
ノズル本体14は、他の選択肢の中でもアルミニウムまたはステンレス鋼などの金属から鋳造されている。外側弁プラグ44はエラストマー材料から形成されており、これにより、外側弁プラグ44が第2段座76に係合したときに、外側弁プラグ44はノズル本体14と流体密なシールを形成する。外側弁プラグ44は、分配される流体に適合し且つ熱可塑性エラストマーのような第2段座76とのシールを形成し得る任意の所望のエラストマーから形成することができる。例えば、外側弁プラグ44は、Santoprene(登録商標)などのエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムから形成することができる。内側弁プラグ34は、アルミニウム又はステンレス鋼のような、外側弁プラグ44と流体密なシールを形成するように構成された金属材料から形成される。
【0014】
VFPV12の第1段部26は、第2段部28が開放位置に作動する前に開放位置に作動するように構成されている。第1段ばね36は、第2段ばね46よりも低いばね定数を有しており、これにより、外側弁プラグ44が開放位置に移動する前に内側弁プラグ34が開放位置に移動することを保証する。作動中、VFPV12は、最初は図1Bに示す完全閉鎖位置にある。使用者は、トリガー20を用いてノズル10を通る流体の流れを制御する。ノズル10を通る流体の流れを開始するために、使用者はトリガー20を押し下げ、これにより、カム22が回転し、プッシュロッド24を上流方向に駆動する。キャップ32とプッシュロッド24との接続により、プッシュロッド24はキャップ32を上流方向に駆動する。キャップ32は、内側弁プラグ34を上流方向に駆動し、これにより、頭部40は第1段座60から係合解除し、第1段ばね36がキャップ32とブッシング30の上流端との間で圧縮される。第1段座60から離脱する頭部40は、第1テーパ面42と第1段座60との間の流路を開放し、流体はプラグ通路50を通って下流に流れ始める。流体は、第1テーパ面42と第1段座60との間の流路を通って流れ、中間部分62を通って流れ、軸部開口68を通ってブッシング30に入る。図2A~2Cに関して以下でより詳細に説明するように、流体は、ブッシング30を通って流れ、キャップ32を通ってVFPV12を出る。
【0015】
頭部40が第1段座60から変位すると、第1テーパ面42と第1段座60との間の流路の容積が増大する。流路の容積が増加するにつれて、第1段部26を通る流量も同様に増加する。第1テーパ面42及び第1段座60の輪郭は可変流量を提供し、これにより、第1段部を通る流れは、バイナリ(binary)ではなく、その代わりに使用者によって制御され得る。トリガー20を押し下げて頭部40が第1段座60から変位される距離を制御することによって、使用者は下流側流体チャンバ74への流体の流量を制御する。第1段部26を開くと、上流側流体チャンバ72内の圧力降下も生じる。上流側流体チャンバ72内の流体圧力は、第1段部26を通る流量が増加するにつれて低下し続ける。上流側流体チャンバ72内の流体圧力が減少することにより、図1Dに示す完全開放位置にVFPV12を作動させるのに必要な力がかなり小さくなる。
【0016】
キャップ32がブッシング30の肩部70に係合するまで、プッシュロッド24はキャップ32を上流方向に駆動し続ける。キャップ32が肩部70に係合すると、第1段部26は完全に開放する。第1段部26の作動中、第2テーパ面52は第2段座76と係合したままであり、これにより、第2段部28は閉じられている。従って、図1Cに示す部分開放位置におけるVFPV12により、流体は第1段部26を通って流れるが、第2段部28を通って流れることは防止される。
【0017】
図1Cに示す部分開放位置から図1Dに示す完全開放位置にVFPV12を作動させることによって、使用者は、VFPV12を通る流量をさらに増加させることができる。使用者は、トリガー20をさらに押し下げることによって、VFPV12を完全開放位置に作動させる。カム22は、プッシュロッド24をさらに上流側に駆動する。キャップ32は、ブッシング30の肩部70に力を及ぼし、それによって外側弁プラグ44を上流方向に駆動する。第2テーパ面52が第2段座76から係合解除されると、第2テーパ面52と第2段座76との間の第2段部28を通る流路が開放される。流体は、第1段部26及び第2段部28の両方を通って上流側流体チャンバ72から下流側流体チャンバ74へ流れる。第1段部26を通る流量と同様に、第2段部28を通る流量は、トリガー20を押し下げることによって外側弁プラグ44が第2段座76から変位する距離を制御することで制御される。上述したように、上流側流体チャンバ72内の流体圧力は、第1段部26が開放されたときに減少し、これにより、第2段部28を開放位置に作動させるのに必要な力が少なくなる。第2段部28を開放位置に作動させるのに必要な力が少ないので、使用者は第2段部28の作動に対するより大きな制御性を有する。
【0018】
流体分配が完了した後、VFPV12は、図1Bに示す完全閉鎖位置に戻る。使用者はトリガー20を解放し、これにより、カム22が図1Aに示す位置に戻る。第2段ばね46は、外側弁プラグ44を図1Dに示す位置から図1Cに示す位置に駆動し、これにより、第2テーパ面52が第2段座76と係合して第2段部28を通る流路を閉鎖する。第1段ばね36は、キャップ32従ってプッシュロッド24を上流方向に駆動し、図1Bに示す位置に戻す。軸部38とキャップ32との接続により、キャップ32は内側弁プラグ34を図1Bに示す閉鎖位置に引き戻す。頭部40は第1段座60と再係合し、それによって第1段部26を通る流路を閉鎖する。頭部40が第1段座60と係合し且つ第2テーパ面52が第2段座76と係合すると、VFPV12は完全閉鎖位置になり、上流側流体チャンバ72から下流側流体チャンバ74への流体の流れが防止される。
【0019】
VFPV12は重要な利点を提供する。第1段ばね36は第2段ばね46よりも低いばね定数を有し、これにより、第2弁プラグが開放位置に移動する前に内側弁プラグ34が開放位置に移動することを確実にする。内側弁プラグ34を開放位置に移動させると、上流側流体チャンバ72内の圧力降下が生じ、これにより、外側弁プラグ44を開放位置に移動させるのに必要な力が減少する。したがって、使用者は、第2段部28を通る流量に対するより大きな制御性を有する。さらに、外側弁プラグ44はノズル本体14を直接密封し、内側弁プラグ34は外側弁プラグ44を直接密封し、それによって部品の数を減らし、製造及び組立を単純化する。内側弁プラグ34は第1テーパ面42を含んでおり、当該第1テーパ面42は、頭部40と第1段座60との間の距離を制御することによって使用者が第1段部26を通る流量を可変的に制御することを可能にする。外側弁プラグ44は第2テーパ面52を含んでおり、当該第2テーパ面52は、第2テーパ面52と第2段座76との間の距離を制御することによって使用者が流量を可変に制御することを、可能にする。したがって、VFPV12は、使用者がノズル10を通る流量を正確に制御することを可能にし、当該ノズル10は、より良好な制御を提供し、使用者の信頼性を高め、材料の浪費を低減する。
【0020】
図2Aは、VFPV12の分解図である。図2Bは、VFPV12の端面図である。図2Cは、VFPV12の断面図である。図2A図2Cは、一緒に説明される。VFPV12は、第1段部26(図2A及び図2C)、第2段部28(図2A及び図2C)、ブッシング30、及びキャップ32を含んでいる。第1段部26は、内側弁プラグ34′、第1段ばね36(図2A及び図2C)、環状流路78a(図2C)、及び環状流路78b(図2C)を含む。内側弁プラグ34′は、軸部38′(図2A及び図2C)及び頭部40(図2A及び図2C)を含んでおり、頭部40は、第1テーパ面42(図2A及び図2C)及びスロット80(図2A及び図2C)を含んでいる。軸部38′は、段部82(図2A及び図2C)、取付部84、及びフランジ部86(図2A及び図2C)を含んでいる。第2段部28の外側弁プラグ44が示されている。外側弁プラグ44は、外側プラグ本体48及びプラグ通路50を含んでいる。外側プラグ本体48は、第2テーパ面52、上流部分54(図2A及び図2C)、及びベーン88を含んでいる。プラグ通路50は、第1セグメント56(図2C)及び第2セグメント58(図2C)を含んでいる。第1セグメント56は、第1段座60(図2C)及び中間部分62(図2C)を含んでいる。ブッシング30は、上流端64(図2A及び図2C)、下流端66(図2A及び図2C)、軸部開口68(図2C)、及び肩部70(図2B及び図2C)を含む。キャップ32は、キャップ本体90と、中央ボア92と、複数のリブ94とを含む。複数のリブ94及びブッシング30は、ギャップ96(図2B)を規定する。図2Cに示す上流矢印及び下流矢印は、それぞれ上流方向及び下流方向を表す。
【0021】
プラグ通路50は、外側プラグ本体48を通って延びている。第1セグメント56はプラグ通路50の上流端に配置され、第2セグメント58はプラグ通路50の下流端に配置されている。第1段座60は、第1セグメント56の面取りされた部分であり、第1セグメント56の上流端に配置されている。中間部分62は、第1段座60と第2セグメント58との間に延び、これらの間に流路を提供する。第2セグメント58は、第1セグメント56よりも大きな直径を有する。ブッシング30は、第2セグメント58の下流端を通って第2セグメント58内に延びている。肩部70は、ブッシング30から半径方向内方に延びている。軸部開口68は、ブッシング30の上流端64を通って延びている。
【0022】
外側弁プラグ44の上流部分54は、第1段座60から第2テーパ面52まで下流方向に半径方向に広がる。第2テーパ面52は、上流部分54から外側弁プラグ44の下流端まで下流方向に収束する。ベーン88は、上流部分54から半径方向に延び、ノズル本体14内で外側弁プラグ44を案内するように構成される(図1A図1D)。
【0023】
内側弁プラグ34′は、プラグ通路50内に配置されている。頭部40の第1テーパ面42は、第1段部26が閉鎖位置にあるときに第1段座60と接触する(図2Cに最も良く示されている)。軸部38′は、頭部40から中間部分62を通って下流に延びており、軸部38′は、軸部開口68を通ってブッシング30内に延びている。フランジ部86は、軸部38′から半径方向に延びており、内側弁プラグ34′がキャップ32に取り付けられたときにキャップ32の上流端に当接するように構成されている。段部82は、頭部40とフランジ部86との間の軸部38′に配置され、軸部38′の断面積を減少させている。環状流路78aは、段部82の上流の軸部38′の部分とプラグ通路50の内壁との間に配置され、環状流路78bは、段部82の下流の軸部38′の部分とプラグ通路50の内壁との間に配置される。内側弁プラグ34′は単一の段部82を含むものとして示されているが、内側弁プラグ34′は所望のより多数または少数の段部を含みこれにより第1段部26を通るより大きな流量制御性を提供し得ることを理解されたい。
【0024】
取付部84は、フランジ部86から下流に延びる軸部38′の一部であり、取付部84は、キャップ32の中央ボア92内に延びて、内側弁プラグ34′とキャップ32とを接続する。ある例では、取付部84は雄ねじを含んでおり、中央ボア92は、取付部84の雄ねじと螺合するように構成された雌ねじを含む。しかしながら、取付部84は、圧入接続などの任意の所望の方法で中央ボア92内に固定され得ることを理解されたい。別の例では、取付部84は、接着剤などで中央ボア92内に永久的に固定することができる。スロット80は、頭部40内に延在しており、内側弁プラグ34′とキャップ32との連結を容易にするように構成されている。例えば、取付部84とキャップ32とが互いに噛み合うねじ山を有する場合、スロット80は、使用者がキャップ32に対して内側弁プラグ34′を回転させて、ねじ回しなどでそれらの間の連結を容易にすることを可能にする。スロット80は、マイナス(slotted)、Phillips(登録商標)、Torx(登録商標)、クラッチ、Pozidriv(登録商標)、正方形、六角形、または任意の他の所望の駆動構成など、取り付けを容易にするための任意の所望の駆動構成として構成することができる。
【0025】
キャップ32は、ブッシング30の下流端66を通ってブッシング30内に延びている。複数のリブ94は、キャップ本体90から半径方向に延び、キャップ32をブッシング30内に整列させるように構成されている。さらに、複数のリブ94は、それらの間にギャップ96を画定し、当該ギャップ96は、流体がVFPV12の第1段部26から下流に流れるための流路を提供する。リブ94は、更にブッシング30の肩部70に係合するように構成されており、これにより第2段部28を閉鎖位置(図1B及び図1Cに示す)と開放位置(図1Dに示す)との間で作動させる。中央ボア92の下流端は、プッシュロッド24(図1A図1D)の一部を受け入れてキャップ32をプッシュロッド24に固定するように構成されている。例えば、中央ボア92は、プッシュロッド24の雄ねじと螺合するように構成された雌ねじを含むことができる。第1段ばね36は、ブッシング30内に配置され、内側弁プラグ34′の軸部38′を取り囲んでいる。第1段ばね36は、キャップ32とブッシング30の上流端64との間に延びている。
【0026】
動作中、第1段部26は、第2段部28が開放位置に作動される前に、開放位置に作動される。流体の分配を開始するために、キャップ32は上流方向に駆動され、キャップ32は内側弁プラグ34′を上流方向に押し、頭部40は第1段座60から係合解除する。キャップ32が上流に移動すると、第1段ばね36は、キャップ32とブッシング30の上流端64との間で圧縮される。頭部40が第1段座60から係合解除すると、第1テーパ面42と第1段座60との間の流路が開き、流体が第1段部26を通って下流に流れ始める。流体は、第1テーパ面42と第1段座60との間に開放された流路を通り、中間部分62を通って下流側に流れ、軸部開口68を通ってブッシング30に入る。流体は、ブッシング30を通って下流側に流れ、キャップ32の複数のリブ94の間に配置されたギャップ96を通ってVFPV12を出る。
【0027】
内側弁プラグ34′が上流側に移動される距離を制御することによって、使用者は第1段部26を通る流量を制御する。頭部40と第1段座60との間の距離が増加すると、第1段部26を通る流量は同様に増加する。段部82は、さらなる流量制御を提供する。軸部38′は、段部82の上流においてより大きな断面積を有し、段部82の下流においてより小さな断面積を有する。内側弁プラグ34′が上流側に移動するにつれて、環状流路78aの長さは減少し、環状流路78bの長さは増加する。環状流路78bが環状流路78aよりも大きな断面積を有するので、環状流路78aの長さを減少させ、同時に環状流路78bの長さを増加させると、第1段部26を通る流量が増加する。従って、段部82は、使用者に対し増加した流量の制御を提供し、内側弁プラグ34′が上流側に変位される距離を制御することによって、使用者が流量をさらに変化させることを可能にする。使用者は、肩部70に係合する複数のリブ94などによってキャップ32が肩部70に係合するまで、キャップ32したがって内側弁プラグ34′を上流側に変位させ続ける。キャップ32が肩部70に係合すると、第1段部26は完全に開放する。
【0028】
第2段部28を開くように作動させることによって、使用者は第1段部26の容量を超えて流量をさらに増加させることができる。キャップ32は肩部70と係合し、ブッシング30を介して外側弁プラグ44に駆動力を加える。キャップ32は、外側弁プラグ44を上流方向に駆動して、これにより、第2テーパ面52が第2段座76から係合解除する(図1B図1Dに最も良く示されている)。外側弁プラグ44が第2段座76から変位される距離を制御することによって、使用者はVFPV12の第2段部28を通る流量を制御する。第2段部28が完全閉鎖位置と完全開放位置との間で作動されるとき、第1段部26は完全開放位置を維持する。
【0029】
分配が完了した後、VFPV12は、完全閉鎖位置に戻る。第2段ばね46(図1A図1D)は外側弁プラグ44を閉鎖位置に戻し、この場合、第2テーパ面52が第2段座76と係合する。第1段ばね36はキャップ32に作用し、第1テーパ面42が第1段座60に係合するまでキャップ32、従って内側弁プラグ34′を下流側に駆動する。
【0030】
VFPV12は重要な利点を提供する。第2段部28が開放する前に第1段部26を開放することにより、VFPV12の上流側における圧力降下が生じる。VFPV12の上流側において減少した圧力は、VFPV12を完全開放位置に移動するのに必要な力の量を減少させ、この場合、第1段部26及び第2段部28の両方が完全に開放している。第1段部26を通る流量が増加するにつれて、VFPV12の上流側の圧力は減少する。圧力の減少、及び第2段部28の作動に必要な力の減少は、VFPV12を通る流量に関して使用者に向上した制御性を提供する。段部82は、第1段部26を通る、向上した流量制御性及び流量可変性を提供する。環状流路78bの長さを増加させる一方で環状流路78aの長さを減少させることにより、中間部分62を通る流路の容積が増加する。流路の容積を増加させると、第1段部26を通る流量が増加する。
【0031】
図3は、第1段部26、第2段部28、ブッシング30、及びキャップ32を含むVFPV12の断面図である。第1段部26は、内側弁プラグ34′′及び第1段ばね36を含む。内側弁プラグ34′′は、軸部38及び頭部40′を含む。頭部40′は、第1テーパ面42′及びスロット80を含む。軸部38は、取付部84及びフランジ部86を含む。第2段部28の外側弁プラグ44が示されている。外側弁プラグ44は、外側プラグ本体48及びプラグ通路50′を含む。外側プラグ本体48は、第2テーパ面52、上流部分54、及びベーン88を含む。プラグ通路50′は、第1セグメント56′及び第2セグメント58を含む。第1セグメント56′は、第1段座60′を含む。ブッシング30は、上流端64と、下流端66と、軸部開口68と、肩部70とを含む。キャップ32は、キャップ本体90と、中央ボア92と、複数のリブ94とを含む。上流矢印及び下流矢印は、それぞれ上流方向及び下流方向を表す。
【0032】
外側弁プラグ44の上流部分54は、第1段座60′から第2テーパ面52まで下流側に半径方向に広がっている。第2テーパ面52は、上流部分54から外側弁プラグ44の下流端まで下流方向に収束している。ベーン88は、上流部分54から半径方向に延びており、ノズル本体14(図1A図1D)内で外側弁プラグ44を案内するように構成される。
【0033】
プラグ通路50′は、外側プラグ本体48を通って延びている。第1セグメント56′は、プラグ通路50′の上流端に配置され、第2セグメント58は、プラグ通路50′の下流端に配置される。第1段座60′は、第1セグメント56′の面取りされた部分である。第1段座60′は、第1セグメント56′の大部分を通って延びており、これにより、第1段座60′の下流端が第2セグメント58に近接して配置される。ブッシング30は、プラグ通路50′の第2セグメント58内に配置されている。肩部70は、ブッシング30から半径方向内方に延びている。軸部開口68は、ブッシング30の上流端64を通って延び、第1段座60′の下流端に近接して配置される。
【0034】
内側弁プラグ34′′は、外側弁プラグ44内に配置されている。内側弁プラグ34′′は、第1段座60′を通って延び、軸部開口68を通ってブッシング30内に入る。頭部40′の第1テーパ面42′は、内側弁プラグ34′′が閉鎖位置にあるときに第1段座60′に当接するように構成されている。第1テーパ面42′は、軸部38との交差部まで下流側に延びている。第1テーパ面42′及び第1段座60′は、細長く形成されている。第1テーパ面42′は、第1段座60′を越えて下流に延びており、内側弁プラグ34′′が閉鎖位置にある状態で軸部開口68内に入る。スロット80は、頭部40′内に延び、内側弁プラグ34′′とキャップ32との接続を容易にするように構成されている。軸部38は、頭部40′からキャップ32に向かって下流方向に延びている。取付部84は、中央ボア92内に延び、内側弁プラグ34′′をキャップ32に固定する。フランジ部86は、軸部38から半径方向に延びており、内側弁プラグ34′′がキャップ32に固定されたときにキャップ32の上流端に当接するように構成されている。
【0035】
キャップ32は、ブッシング30の下流端66を通ってブッシング30内に延びている。複数のリブ94は、キャップ本体90から半径方向に延びており、キャップ32をブッシング30内に整列させるように構成されている。さらに、複数のリブ94は、それらの間にギャップ96を画定しており、当該ギャップ96は、流体がVFPV12の第1段部26から下流に流れるための流路を提供する。リブ94は、ブッシング30の肩部70と係合するように構成されており、これにより、第2段部28を閉鎖位置(図1B及び図1Cに示す)と開放位置(図1Dに示す)との間で作動させる。中央ボア92の下流端は、プッシュロッド24(図1A図1D)の一部を受け入れるように構成されており、これにより、キャップ32をプッシュロッド24に固定する。
【0036】
動作中、第2段部28が開放位置に作動される前に、第1段部26は開放位置に作動される。流体の分配を開始するために、キャップ32は上流方向に駆動され、キャップ32は内側弁プラグ34′′を上流方向に押し、これにより、頭部40′は第1段座60′から係合解除する。キャップ32が上流に移動すると、第1段ばね36は、キャップ32とブッシング30の上流端64との間で圧縮される。頭部40′が第1段座60′から離脱すると、第1テーパ面42′と第1段座60′との間の流路が開放され、流体は第1段部26を通って下流に流れ始める。流体は、第1テーパ面42′と第1段座60′との間に開口する流路を通って流れ、軸部開口68を通ってブッシング30に入る。流体は、ブッシング30を通って下流に流れ、キャップ32を通ってVFPV12を出る。
【0037】
第1テーパ面42′及び第1段座60′の輪郭は、使用者が第1段部26を通る流量を可変的に制御することを可能にする。頭部40′が第1段座60′から離れるように変位されるほど、第1テーパ面42′及び第1段座60′の間で開放される流路の容積が大きくなる。流路の容積が増加するにつれて、第1段部26を通る流量も増加する。したがって、使用者は、第1テーパ面42′と第1段座60′との間の距離を変化させることによって、第1段部26を通る流量を変化させる。第1テーパ面42′及び第1段座60′の細長い輪郭は、第1テーパ面42′と第1段座60′との間に細長い流路を画定する。細長い流路は、第1段部26が供給することができる流量のより大きな可変性を提供し、したがって、第1テーパ面42′及び第1段座60′の細長い輪郭は、第1段部26を通る流量の向上した制御性を使用者に提供する。
【0038】
使用者は、第2段部28を開くように作動させることによって、第1段部26の容量を超えて流量をさらに増加させることができる。キャップ32は、ブッシング30の肩部70と係合し、ブッシング30を介して外側弁プラグ44に駆動力を及ぼす。キャップ32は、外側弁プラグ44を上流方向に駆動し、これにより、第2テーパ面52は第2段座76から係合解除する(図1B図1Dに最も良く示されている)。使用者は、外側弁プラグ44が第2段座76から変位される距離を制御することによって、VFPV12の第2段部28を通る流量を制御する。第1段部26は、第2段部28が作動して開くとき、完全開放位置を維持する。
【0039】
分配が完了した後、VFPV12は完全閉鎖位置に戻る。第2段ばね46(図1A図1D)は、外側弁プラグ44を、第2テーパ面52が第2段座76と係合する閉鎖位置に戻す。第1段ばね36はキャップ32に作用し、第1テーパ面42′が第1段座60′に係合するまでキャップ32、従って内側弁プラグ34′′を下流側に駆動する。
【0040】
VFPV12は重要な利点を提供する。第1テーパ面42′及び第1段座60′は、細長く形成されており、それらの間に細長い流路を画定する。細長い流路は、使用者が第1段部26を通る流量に対する精密な制御をすることを可能にする。第2段部28を開放させる前に第1段部26を開放させることは、VFPV12の上流の流体圧力を低下させ、それによって、第2段部28を開放するのに必要な力が減少し、第2段部28の作動に対する使用者の制御性を向上させる。加えて、第1テーパ面42′及び第2テーパ面52は、VFPV12を通る流量に対してより大きな制御性を使用者に提供する。
【0041】
本発明は好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、様々な変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく形式上及び細部になされてもよいことは認識できる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3