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特許7128888固体化学物質ブロックの溶解を高めるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】固体化学物質ブロックの溶解を高めるための方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 21/00 20220101AFI20220824BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20220824BHJP
   A47L 15/44 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
B01F21/00 102
B01F35/75
A47L15/44
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020523444
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-14
(86)【国際出願番号】 US2018057718
(87)【国際公開番号】W WO2019084409
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-05-29
(31)【優先権主張番号】62/578,279
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ロナルド シュワルツ
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ジョーセフ ドレイク
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0195404(US,A1)
【文献】実開昭61-083497(JP,U)
【文献】特表2016-511143(JP,A)
【文献】特表2007-535404(JP,A)
【文献】特表2017-523912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-25/90
B01F 29/00-29/90
B01F 35/00-35/95
A47L 15/00-21/06
A47K 5/00-5/18
C02F 1/50
C02F 1/66-1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出装置であって、前記吐出装置は、
固体製品を保持するためのキャビティを有するハウジングと、
液体を供給する流体源と、
ガスを供給するガス源と、
前記固体製品と前記流体源との間に位置する、前記液体に乱流を生じる流れ制御部であって、前記固体製品に隣接して前記液体および前記ガスを組み合わせて、前記固体製品に接触させ、それにより、前記固体製品を侵食させ、前記侵食された固体製品および前記液体から溶液を生成する、流れ制御部と、
最終使用用途へと前記溶液を吐出するための前記ハウジング内の出口と、を備える、吐出装置。
【請求項2】
前記キャビティに空気を供給するための空気ポンプを前記ハウジング内にさらに備える、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記キャビティに隣接する複数のポートをさらに備え、前記流体源が前記ポートの上流にある、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記液体およびガスを導入するための少なくとも1つのポートをさらに備える、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記キャビティに接続され、前記液体および前記ガスを前記キャビティに供給する、別々の液体およびガス管をさらに備える、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項6】
固体製品から製品化学物質を得るための方法であって、前記方法は:
吐出装置のキャビティ内に前記固体製品を保持することと;
流体源から前記固体製品に液体を供給することと;
記固体製品に供給される前記液体と並列して、ガス源から前記固体製品にガスを供給することと;
ガスと前記液体を組み合わせて、それによって、(a)圧力を維持する、及び(b)溶液を生成するのに必要な前記液体の量を節約することと;
前記固体製品と前記流体源との間に位置する流れ制御部で少なくとも前記液体に乱流を生じることと;
前記固体製品に隣接する少なくとも1つのポートを通して前記液体および前記ガスの組み合わせを導入させることと;
前記固体製品を侵食させて、前記固体製品および前記液体から前記溶液を生成することと
を含む、方法。
【請求項7】
前記溶液から前記ガスを排出することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記固体製品の浸食後に、前記ガスを排出することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポートを通して導入する前に、前記液体および/または前記ガスの特性を調整することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記特性が、圧力、体積、温度、速度、乱流、流量、および/または衝突を含む、請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスおよび液体が、前記ポートの上流で組み合わせられる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスが、空気である、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
溶液を吐出する方法であって、前記方法は:
固体製品でガスと液体を組み合わせて、(a)圧力を維持する、及び(b)溶液を生成するのに必要な前記液体の量を節約することと;
前記固体製品と流体源との間に位置する流れ制御部で少なくとも前記液体に乱流を生じることと;
ハウジングのキャビティ内で前記液体および前記ガスを前記固体製品に衝突させることによって、前記固体製品を侵食することと
前記侵食された固体製品および前記液体から溶液を生成することと;
前記溶液を前記ハウジング内の貯蔵部に回収することと次いで、
前記貯蔵部から前記溶液を選択的に吐出することと、を含む、溶液を吐出する方法。
【請求項14】
前記固体製品を侵食するときに、前記ハウジングから前記ガスを排出することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体および/または前記ガスの特性を調整して前記溶液の所望の濃度を生成することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記特性が、液体およびガスの圧力、体積、温度、速度、乱流、流量、ならびに衝突を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガスが、空気である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記キャビティの上流で前記液体およびガスを組み合わせることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記キャビティの少なくとも1つのポートを通して前記液体およびガスを導入することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
別々の液体およびガス導管を通して、前記液体および前記ガスを前記キャビティに供給することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法35第119条の下で、2018年10月27日に出願された米国仮特許出願第62/578,279号の優先権を主張する。この仮特許出願は、本明細書、特許請求の範囲、および要約、ならびにあらゆる図、表、付録、または図面を含むが、これらに限定されない、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、固体化学物質製品から溶液を吐出するための吐出装置および動作方法に関する。より具体的には、しかし限定することなく、本発明は、非圧縮性液体および圧縮性ガスの組み合わせを使用して固体製品を溶解または侵食する際に、強化された制御および調整性を提供するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クリーニングおよび殺菌に使用される液体洗剤のような液体溶液への固体製品の溶解パラメータは、溶解プロセスの動作パラメータおよび入力に基づいて変化する。液体を固体製品上に噴霧して固体製品を液体溶液に溶かすことは、1つの手法である。この手法に関して、動作パラメータは、固体製品と吐出装置の噴霧ノズルとの間の距離、ならびに固体製品上へ噴霧される液体の圧力および温度の変化などの、吐出装置内の特性に基づいて少なくとも部分的に変化する。ノズルの流量、噴霧パターン、噴霧角度、およびノズル流量の変化もまた、吐出装置の動作パラメータに影響を及ぼし、それにより、結果として生じる液体溶液の化学物質、効果、および濃度の有効性に影響を及ぼし得る。さらに、噴霧による固体製品の溶解は普通、ノズル噴霧パターンが展開して、槽が溶解した製品を回収するために吐出装置内に追加のスペースを必要とし、これにより吐出装置がより大型になる。
【0004】
乱流技術を使用した吐出システムは最近、より硬い固体化学物質ブロックを利用し始めており、これにより、吐出装置の内部の濃縮能力が低くなっている。乱流技術の場合、浸水深さ、pluckから製品までの高さ、マニホールド拡散器の孔の数およびサイズ、孔のレイアウト、水温、水圧などのような、吐出装置を出る溶液の濃度を制御するための様々な調整オプションが存在する。しかしながら、これらの調整レベルには限界がある。例えば、拡散器の孔は、吐出装置の寿命を通じて乾燥化学物質によって汚損する前に最小直径に作製することしかできない。また、固体化学物質ブロックの表面を完全に覆って、さらに浸食を達成するために必要な、最小数の孔が存在する。乱流技術プラットフォームは、リンス補助剤、洗濯洗剤、およびヘルスケア酵素などの、より挑戦的なブロック浸食に向かって動いている。これらのブロックは、吐出させることがますます困難になってきているので、濃度調整性の上限が制限因子になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、当技術分野には、溶液濃度を上昇させて、かつ水の使用を最小にするための分野において、乱流を調整する技術のための方法および装置に対する必要性が存在する。
【0006】
したがって、本発明の主な目的、特徴、および/または利点は、従来技術の欠点を克服する装置および方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的、特徴、および/または利点は、液体およびガスの組み合わせを利用して固体化学物質ブロックを侵食し、それにより、所望の吐出濃度を有する溶液を生成する乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的、特徴、および/または利点は、圧縮空気をシステムに組み込んで、水の量を低減し、かつ溶液濃度レベルを高めながら、固体化学物質ブロックを溶解するための水を置換することによって、乱流技術の現場調整を可能にする方法および装置を提供することである。
【0009】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、多種多様な用途で使用することができる乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0010】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、コスト効率的である乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0011】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、コスト効率的である乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0012】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、簡単に使用され、かつ再使用される乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0013】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、容易に製造され、組み立てられ(設置され)、分解され(取り外され)、修理され、取り替えられ、格納されて、輸送されて、かつ洗浄される乱流技術の方法および装置を提供することである。
【0014】
本発明のなおさらなる目的、特徴、および/または利点は、乱流技術の方法および装置を、上で述べた目的のうちのいくつかまたは全てを達成するシステムに組み込むことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下は、本明細書に開示される態様または実施形態のリストを提供し、開示全体を限定しない。本開示を読み取ることによって理解されるように、本明細書に開示される実施形態のいずれかを、完全または部分的に、他の実施形態と組み合わせることができることが想到される。
【0016】
本開示のいくつかの態様によれば、固体製品から生成される溶液を吐出するための吐出装置は、固体製品を保持するためのキャビティを有するハウジングと、固体ブロックに隣接する液体およびガスを組み合わせて、固体製品に接触させ、それにより、固体製品を侵食させて、侵食された固体製品および液体から溶液を生成するための流体源と、溶液を吐出するためのハウジングの出口と、を備える。
【0017】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、キャビティに空気を供給するための空気ポンプをハウジング内にさらに備える。
【0018】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、提供されるガスの量の調整を提供するための、フィードバックセンサを有するポンプコントローラをさらに備える。
【0019】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、キャビティに隣接する複数のポートをさらに備え、流体源は、ポートの上流にある。
【0020】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、液体およびガスを導入するための少なくとも1つのポートをさらに備える。
【0021】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、液体およびガスをキャビティに供給するための、キャビティに接続された別々の液体およびガス管をさらに備える。
【0022】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、少なくとも2つの別々の流路を生成している器具分割器をさらに備え、流路の各々は、液体を分配するための流れ制御部を含む。
【0023】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、マニホールド拡散ポートを有し、かつ流体源の流体源ノズルに隣接して位置決めされている、マニホールド拡散部材をさらに備える。
【0024】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、吐出装置は、直立壁と、マニホールド拡散部材を備える底部床と、を含む、製品化学物質回収器をさらに備える。
【0025】
本開示のいくつかの他の態様によれば、方法は、上記の態様のいずれかに記載の吐出装置によって生成される溶液を吐出することを含む。
【0026】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、少なくとも1つのポートを通して導入する前に、液体および/またはガスの特性を調整することをさらに含む。
【0027】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される。
【0028】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、圧力、体積、温度、速度、乱流、流量、ベクトル、および/または衝突を含む。
【0029】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、提供されるガスの量を調整することをさらに含む。
【0030】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、流れ制御部によって液体を分配することをさらに含む。
【0031】
本開示のいくつかの他の態様によれば、固体製品から製品化学物質を得るための方法は、固体製品に隣接する少なくとも1つのポートを通して液体およびガスを導入し、それによって、固体製品を侵食させて、固体製品および液体から溶液を生成することを含む。
【0032】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、液体は、液源の液源ノズルを介して固体製品の底面の近くに導入される。
【0033】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、固体製品の底面を液体中に沈めることをさらに含む。
【0034】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、液体をマニホールド拡散部材のマニホールド拡散ポートに通すことをさらに含み、当該マニホールド拡散部材は、液源の液源ノズルに隣接して位置決めされている。
【0035】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、溶液から離れてガスを排出することをさらに含む。
【0036】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、固体製品の浸食後に、ガスを排出することをさらに含む。
【0037】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、少なくとも1つのポートを通して導入する前に、液体および/またはガスの特性を調整することをさらに含む。
【0038】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される。
【0039】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、圧力、体積、温度、速度、乱流、流量、ベクトル、および/または衝突を含む。
【0040】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、ガスおよび液体は、ポートの上流で組み合わせられる。
【0041】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、ガスは、空気である。
【0042】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、製品化学物質回収器の溶液を回収することをさらに含む。
【0043】
本開示のいくつかの他の態様によれば、溶液を吐出する方法は、ハウジングのキャビティ内で液体およびガスを固体製品に衝突させることによって、固体製品を侵食することと、侵食された固体製品および液体をハウジングの貯蔵部に回収して、溶液を生成することと、次いで、貯蔵部から溶液を選択的に吐出することと、を含む。
【0044】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、液体は、液源の液源ノズルを介して固体製品の底面の近くに導入される。
【0045】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、固体製品の底面を液体中に沈めることをさらに含む。
【0046】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、液体をマニホールド拡散部材のマニホールド拡散ポートに通すことをさらに含み、当該マニホールド拡散部材は、液源の液源ノズルに隣接して位置決めされている。
【0047】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、固体製品を侵食するときに、ハウジングからガスを排出することをさらに含む。
【0048】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、溶液のための所望の濃度を生成するように、液体および/またはガスの特性を調整することをさらに含む。
【0049】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される。
【0050】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、特性は、液体およびガスの圧力、体積、温度、速度、乱流、流量、ベクトル、ならびに衝突を含む。
【0051】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、ガスは、空気である。
【0052】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、キャビティの上流で液体およびガスを組み合わせることをさらに含む。
【0053】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、キャビティの少なくとも1つのポートを通して液体およびガスを導入することをさらに含む。
【0054】
本開示のいくつかの追加の態様によれば、方法は、別々の液体およびガス導管を通して、液体およびガスをキャビティに供給することをさらに含む。
【0055】
これらのまたは他の本発明の目的、特徴、および利点は、添付図面とともに、例示される実施形態の以下の詳細な説明を検討した後に当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明による乱流技術の吐出装置の1つの実施形態の斜視図である。
図2】前方操作パネルを取り外して、吐出装置の内部構成要素のいくつかを示す、本発明による吐出装置の別の斜視図である。
図3図2に類似する正面図である。
【0057】
本開示の様々な実施形態は、本発明を実施することができるいくつかの方法を例示する。これらの実施形態を、図面を参照して詳細に説明するが、いくつかの図を通して、同様の参照番号は、同様の部品を表す。特定の実施形態への言及は、本開示の範囲を限定せず、本明細書で表される図面は、例示的な目的で提示されている。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の定義および導入事項は、本発明の理解を容易にするために提供される。別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明の実施形態が関係する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0059】
「a」、「an」、および「the」という用語は、文脈が別途明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または(or)」という用語は、文脈が別途明確に示さない限り、「および(and)」を含むことを意図する。「または(or)」という用語は、特定のリストの任意の1つの成員を意味し、また、そのリストの成員の任意の組み合わせも含む。
【0060】
本明細書で使用される「約」という用語は、質量、体積、時間、距離、波長、周波数、電圧、電流、および電磁界を含むがこれらに限定されない任意の定量化可能な変数に関して、例えば、典型的な測定手法および機器を通して起こり得る数量の変動を指す。
【0061】
本明細書で使用される「約」という用語は、質量、体積、時間、距離、波長、周波数、電圧、電流、および電磁界を含むがこれらに限定されない任意の定量化可能な変数に関して、例えば、典型的な測定手法および機器を通して起こり得る数量の変動を指す。さらに、現実世界で使用される固体および液体の取り扱い手順を考えると、組成物を作製するため、または方法を実行するためなどに使用される成分の製造、供給元、または純度の違いを通して起こり得る、特定の不注意による誤差や変動が存在する。「約(about)」という用語によって修飾されているかどうかにかかわらず、特許請求の範囲は、その量の同等物を含む。
【0062】
「構成された(configured)」という用語は、特定のタスクを実行する、または実行することができる、または特定の構成を採用するように構築された装置、システム、または他の構造を表す。「構成された(configured)」という用語は、構築された、配設された、適合された、製造された、などの他の類似する語句と互換的に使用することができる。
【0063】
第1、第2、垂直、水平、頂部、底部、上部、下部、前方、後方、端部、側部、凹部、凸部、などの用語は、提示された図に従って参照される。これらの用語は、説明の目的でのみ使用され、限定するものではない。物体または物体の組み合わせの配向は、本発明の範囲から逸脱することなく変化し得る。
【0064】
本発明の装置、システム、および方法は、本明細書に記載される本発明の構成要素を含み得るか、本質的にそれからなり得るか、またはそれからなり得る。「~から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、装置、システム、および方法が追加の構成要素またはステップを含み得ることを意味するが、追加の構成要素またはステップが、特許請求される装置、システム、および方法の基本的かつ新規な特性を物質的に変更しない場合のみに限られる。
【0065】
以下の実施形態は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明されているが、他の実施形態が利用される場合がある。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、機械的な変更、手順的な変更、および他の変更が行われる場合がある。したがって、本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0066】
図1は、本発明に使用される吐出装置10の例示的な実施形態を示している。しかしながら、他の種類および構成の吐出装置を本発明に使用することができ、吐出装置10の説明および図は限定的ではないことに留意されたい。吐出装置10は、水などの液体と組み合わせた固体製品化学物質を保持して、製品化学物質溶液を生成するように構成される。例えば、固体製品化学物質は、液体と混合して、洗浄用洗剤溶液を生成することができる。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、吐出装置10は、液体およびガスを固体製品と相互作用させて、その最終使用用途のための所望の濃度を有する製品化学物質を形成することによって機能する。開示するように、液体は、固体製品の底部または他の表面に導入することができる。
【0068】
したがって、本発明の吐出装置10は、固体製品または環境条件のような制御できない別の条件のいずれかの特性に基づいて、手動で、またはリアルタイム(すなわち、自動的に)のいずれかで調整可能な新規の乱流制御または流動方式制御を含む。特性は、固体製品の密度、液体の温度または圧力、吐出装置または固体製品が置かれている部屋の気候(湿度、温度、気圧など)、使用される液体/流体の種類、使用される固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせとすることができる。吐出装置10は、既存の流動方式または乱流の特性などを調整することができる。調整は、固体製品の特性と侵食量との既知の関係、ならびに異なる種類の乱流と固体製品の侵食量との関係の利用に基づいて行うことができる。
【0069】
説明したように、乱流または流動特性/方式は、固体化学物質の特性(複数可)と吐出量との既知の関係に基づいて調整することができる。例えば、液体温度変化の1度の変化当たりの製品吐出の量変化を理解することにより、乱流を調整して温度変化の影響を打ち消すことができる。濃度は、侵食量または吐出量と特性または乱流のいずれかとの既知の関係に従って調整することができる。
【0070】
例示的な実施形態によれば、図1の吐出装置10は、ハンドル16をその上に有する前方ドア14を備えるハウジング12を含む。ドア14は、任意の好都合な様態でハウジングに取り付けられる。例えば、前方ドア14は、前方操作パネル22に、それらの間にあるヒンジ20を介してヒンジ的に接続することができる。これにより、前方ドア14をヒンジ20の回りに回転させて、吐出装置10のハウジング12内に近づくことが可能になる。前方ドア14はまた、オペレータがハウジング12に収容されている固体製品を視認することを可能にするために、前方ドア内に窓18も含む。一旦、収容されている製品がある程度侵食されているように見えたら、前方ドア14をハンドルで開いて、オペレータが固体製品を侵食されていない新しい製品に取り替えることを可能にする。
【0071】
前方操作パネル22は、製品IDラベルを張るための製品ID窓24を含むことができる。製品ID窓24により、オペレータは、ハウジング12内に収容されている製品の種類を迅速に判断することができ、製品の取り替えが迅速かつ効率的に行われる。IDラベルは、健康リスク、製造情報、最終取り替え日などのような他の情報を含むこともできる。吐出装置は、プッシュボタン、スイッチ、またはタッチ感応パッドなどの様々な方法で作動させることができる。例えば、1つの実施形態では、プッシュボタン26を前方操作パネル22に取り付けて吐出装置10を作動させる。ボタン26は、ボタンを押すまたは押下げることで吐出装置10を作動させて、固体製品および液体によって生成される所定量の製品化学物質溶液を放出するように、ばね付勢式ボタンとすることができる。このように、ボタン26を事前に設定して、ボタンを押すたびに所望の量を吐出することができるか、またはボタンが押下されている状態で所定量の製品化学物質を放出し続けることができる。
【0072】
前方操作パネル22に接続されているのは後方容器28であり、後方容器28は、吐出装置10の上部、側部、および後部を概ね覆っている。後方容器28を取り外して、吐出装置10の内部に近づくこともできる。取り付けプレート30は、吐出装置10の後部に位置決めされ、吐出装置を壁または他の構造に取り付ける手段を含む。例えば、吐出装置10は、取り付けプレート30に取り付けられるねじ、フック、または他の吊り下げ手段で壁に取り付けることができる。
【0073】
吐出装置10のハウジング12の構成要素は、成形プラスチックまたは他の材料とすることができ、窓18は、透明ポリプロピレンなどのような透明プラスチックとすることができる。ハンドル16は、前方ドア14に接続することができ、前方ドア14から切り離すことができる。さらに、逆流防止デバイス62を後方容器28に、または後方容器28内に位置決めして、製品化学物質の逆流を防止することができる。
【0074】
固体製品は、壁40で取り囲まれるキャビティ38内に載置される。固体製品化学物質は、支持部材50上に載置される。支持部材50は、格子、スクリーンとすることができ、または別様に、液体がそこを通過することを可能にするための穿孔を含むことができる。水などの液体は、吐出装置10の底部側の液体入口32を介して、吐出装置10に接続される。ボタン26を押すことなどによって吐出装置を作動させることで、液体を吐出装置10に通して、製品化学物質と接触させる。液体は液源34内を、器具分割器36を介して通過する。図示のように、液源は、異なる流路用の2流路液源である。流路群の各流路は、液体を所望の量で適切に分配する流れ制御部(図示せず)を含む。この流れ制御部を変更して固体製品と接触する液体の乱流を変更し、乱流を特性に基づいて調整して、形成される製品化学物質を許容濃度範囲内に維持することができる。例えば、液体は、液源34内を通過して液源ノズル44から流れ出すことができる。液源ノズル44は、パック部材としても知られ得るマニホールド拡散部材に隣接して位置決めされ、よって、液体ノズル44を通過する液体は、マニホールド拡散部材のマニホールド拡散ポートを通過する。
【0075】
さらに、本発明は、支持部材50上に位置決めされた状態の製品化学物質を完全に沈める、部分的に沈める、または全く沈めなくてもよいことを想定する。浸水水位は、または浸水しないかは、製品の化学物質、所望の濃度、化学物質を侵食させるために使用される流体、吐出装置の使用頻度、さらに他の要素を含むがこれらに限定されない、多くの要素に依存する可能性がある。例えば、侵食要素として水が通常使用される場合、化学物質の侵食速度を制御し易くするように製品化学物質の底部分を沈めさせることが好ましいことが知られている。浸水量は、ブロックの化学物質に依存し得る。例えば、あるブロックの化学物質の場合は、浸水量を約0.25~0.75インチとすることができ、一方で、異なるブロックの化学物質は、浸水量を約0.5~1.0インチとすることができる。これにより、製品を使用しているときの製品の侵食がより均一になって、廃棄する、またはその他には、無駄になってしまう半端な量の製品が残る可能性が低くなる。
【0076】
液体は、ほぼ上向き方向に流れ続けて、製品格子50で支持される固体製品の一部分または複数部分に接触するようになる。液体および固体製品を混合することにより、固体製品を侵食させることになり、これにより固体製品の複数部分が、液体中に溶解して製品化学物質を形成するようになる。この製品化学物質は、普通、直立壁と、マニホールド拡散部材を構成する底部床と、を有するカップ状部材である製品化学物質回収器56に回収される。製品化学物質は、製品化学物質が製品化学物質回収器56を構成する壁の高さによって決定されるオーバーフローポートのレベルに到達するまで、製品化学物質回収器56内を上昇し続ける。パックまたは加圧水容器は、固体化学物質ブロック上へほぼ上向きに水を噴霧する。噴霧が生じた後に、溶液は、この構成要素の縁部の上を階段状に落ち、吐出装置から顧客の容器の中へ送達するための漏斗形状の構成要素を介して回収される。
【0077】
液源34は、希釈液ノズルで終端する第2の経路を含む。したがって、より多量の液体を回収ゾーン内の製品化学物質に追加し、製品化学物質をさらに希釈して、許容範囲内の濃度を有する製品化学物質を得ることができる。
【0078】
吐出装置10の他の構成要素は、回収ゾーンの上部の周りにほぼ位置決めされる飛散防止ガードを含む。飛散防止ガードは、回収ゾーン内の製品化学物質が回収ゾーンの外部に溢れ出るのを防止する。
【0079】
本発明によれば、吐出装置10は、圧縮空気をシステムの中へ導入して、固体化学物質ブロックを溶解するために使用される水を部分的に置換することができ、より高い濃度レベルの溶液を生成することができる。空気、または不活性ガスが必要である場合は窒素などの他のガスを使用することで、衝突に不可欠な圧力をシステムが維持することを可能にする。空気はまた、固体ブロックの噴霧領域を維持するとともに、溶液の生成に必要な水量を減少させる。また、ガスまたは空気は、システムから排出されるため、最終的な化学物質溶液の一部とはならない。空気の使用はまた、マニホールドの孔の汚損もしくは目詰まりを排除するか、または少なくとも最小にする。
【0080】
空気および水の使用は、吐出装置10に構造的形態の劇的な変化を強いることなく、溶液の濃度調整可能性の制限を解決し易くすることができる。本発明は、空気を給水管に導入して液体量を置換する。空気は、空気の侵食作用が完了すると直ぐに空気がシステムから出て行くように、システムが噴霧圧力/噴霧量を維持するのを補助し易くする。
【0081】
液体とガスとの比率は、固体製品またはブロックの硬度に応じて、製品ごとに異なる。一般に、同じ割合の濃度を得るために、より軟かいブロックは、より硬いブロックよりも少ない空気を必要とする。同様に、空気圧もまた、システムの材料、ブロックの硬度、および水のパラメータに応じて異なる。ブロックの硬度は、密度、含水量、浸食性、または産業界で使用されており、かつ知ることおよび/または使用することができる他の試験に基づいて決定することができる。いくつかの事例では、10psi未満で十分であり得る。しかしながら、可能な圧力範囲について、0.1~100psiが本開示の一部として含まれていることが考えられる。
【0082】
吐出装置10は配線されて、ハウジング12の内部に給電される。吐出装置10は、電動空気ポンプまたはガスポンプ110を含む。空気ポンプ110は、空気配管(明瞭性にするために図示せず)が取り付けられるニップル112を含む。空気配管は、配管箇所またはカプラ114に接続して空気をキャビティ38の中へ導入するように、単一配管とすること、または複数の配管に分割することができる。したがって、液源34からの水などの液体は、ポンプ110からの空気などの気体と組み合わせられて、固体化学物質ブロックを効果的に溶解して、濃縮溶液を生成する。ボタン26を押すことにより吐出装置10が作動すると、液体がシステム内に流れ込み始める。ポンプは、ボタン26を押すと同時に作動させることができ、または代替的に、ポンプ50の遅延回路を利用して、空気をシステムの中へ導入する前に、確実に水路を形成することができる。
【0083】
空気を液体と組み合わせて固体化学物質ブロックを溶解させることによって、溶液の濃度を、水のみを使用した乱流吐出装置よりも2~3倍高めることができる。また、水量は、空気の追加により少なくとも25%減らすことができ、これにより、オペレータはコストを節約することができる。
【0084】
ガス源に接続することができるポンプ110を介して、少なくとも部分的にガスが提供されると、フィードバックセンサを有するポンプコントローラは、提供されるガスの量の調整を提供することができる。これは、ガスの圧力、ガスの流量、投入されている気体ストリームの整合性(パルシング、一定の流れ、可変流動、ランダム流動、組み合わせ、など)、ならびにガスのオン/オフの調整性を可能にすることができる。ポンプは、固体製品に向かうガスのほぼリアルタイムの調整および動作設定を提供して、液体およびガスの組み合わせによって製品を侵食する量を制御し易くし、それによって、許容可能なパラメータの範囲内の溶液濃度を提供する。調整は、システムによって出力される濃度の制御を可能にし、さらに、環境変化(周囲環境および吐出装置出力に基づく環境の両方)、浸食速度、および/または固体製品の浸食、溶液の濃度レベル、もしくは吐出ユニットの内外で制御できない他の入力に影響を及ぼし得る他の要素、に基づく制御も与える。
【0085】
以下の表は、補助空気のオフおよびオンの両方で動作させた、本発明による吐出装置を比較した試験結果を示す。表に示されるように、最終結果は、ガスを使用した場合とガスを使用しない場合によって、平均で、約2倍の濃度の向上である。使用されている空気圧は、温度または圧力の所定の閾値を補償するように増加または減少させることなどの、水圧または水温と相関し、またはそれに対応し得るか、または、所望の濃度または試験される濃度に基づいて空気圧が含まれるように独立し得る。
【表1】
【0086】
本開示の態様による吐出装置10はまた、インテリジェント制御および通信構成要素のような構成要素を含むことができる。このようなインテリジェント制御ユニットの例は、タブレット、電話、ハンドヘルドデバイス、ラップトップ、ユーザディスプレイ、または入力を許可し、オプションを提供し、電子機能の出力を表示することができる概して任意の他のコンピューティングデバイスとすることができる。なおさらなる例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または別の好適なプログラム可能なデバイス、およびメモリを含む。また、コントローラは、他の構成要素を含むことができ、レジスタ転送レベル(「RTL」)設計プロセスで開発されるチップのような半導体(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」))チップに部分的に実装するか、または全体を実装することができる。
【0087】
メモリは、いくつかの実施形態では、プログラム格納領域およびデータ格納領域を含む。プログラム格納領域およびデータ格納領域は、リードオンリメモリ(「ROM」、不揮発性メモリの例であり、不揮発性メモリは、電源に接続されていないときにデータを失わないことを意味している)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」、揮発性メモリの例であり、揮発性メモリは、電源に接続されていないときにメモリのデータを失うことを意味している)のような異なる種類のメモリの組み合わせを含むことができる。揮発性メモリのいくつかの例は、スタティックRAM(「SRAM」)、ダイナミックRAM(「DRAM」)、シンクロナスDRAM(「SDRAM」)などを含む。不揮発性メモリの例は、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカードなどを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ、マイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラのような処理ユニットは、メモリに接続されて、メモリのRAM(例えば、実行中に)、メモリのROM(例えば、ほぼ永続的に)、または別のメモリもしくはディスクのような別の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納することができるソフトウェア命令を実行する。
【0088】
通信モジュールは、吐出装置に含めることができ、コンピュータ、タブレット、サーバ、または他のコンピューティングデバイスのような別のコントローラに接続し、かつ別のコントローラと通信するように構成することができる。これにより、吐出装置は、吐出装置に関連するデータまたは他の情報(例えば、警告、状態、通知など)を遠く離れた場所にある追加コントローラに供給して、吐出装置に関するリアルタイム情報および格納情報を与えることができる。この情報は、吐出装置に関連する問題を突き止め、情報を予測し、またはその他には、情報を追跡するために使用することができる。通信は、通信が遠く離れた場所から吐出装置へのコマンドを含むことができるような入力形式とすることもできる。
【0089】
いくつかの実施形態では、吐出装置は、補助デバイス(他の吐出装置またはリモートコントローラ)との通信を行う第1通信モジュール、および/または中央ロケーション(サーバ、コンピュータ、または他のマスターコントローラ)との通信を行う第2通信モジュールを含む。簡潔性を期して、本明細書における「communications module(通信モジュール)」という用語は、モバイルリーダおよび中央ロケーションの両方と通信するように個々に、または集合的に動作可能な1つ以上の通信モジュールに適用される。
【0090】
通信モジュールは、中央ロケーションとの通信を、ネットワークを介して行う。いくつかの実施形態では、ネットワークは、ほんの一例として、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)(例えば、全地球測位システム(「GPS」)、TCP/IPベースネットワーク、例えばモバイル通信用グローバルシステム(「GSM」)ネットワーク、汎用パケット無線サービス(「GPRS」)ネットワーク、符号分割多元接続(「CDMA」)ネットワーク、エボリューションデータ最適化(「EV-DO」)ネットワーク、GSMエボリューション用エンハンスデータレート(「EDGE」)ネットワーク、3GSMネットワーク、4GSMネットワーク、デジタルエンハンストコードレス遠距離通信(「DECT」)ネットワーク、デジタルAMPS(「IS-136/TDMA」)ネットワーク、または統合デジタルエンハンストネットワーク(「iDEN」)などのようなセルラーネットワーク)であるが、他のネットワークタイプが可能であり、本明細書において想到される。特定の実施形態では、ネットワークは、これに限定されないが、洗浄機が窓の近くにある場合のような、低品質の接続の瞬間に通信モジュールと中央ロケーションとの間の通信を可能にするように動作可能なGSMまたは他のWAMである。
【0091】
いくつかの実施形態では、ネットワークは、単なる例として、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、近距離無線通信(「NFC」)などといった様々な通信プロトコルのうちのいずれかを利用する、TCP/IPベースのネットワークまたはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、近隣エリアネットワーク(「NAN」)、ホームエリアネットワーク(「HAN」)、またはパーソナルエリアネットワーク(「PAN」)であるが、他のネットワークタイプが可能であり、本明細書において想到される。ネットワークは、通常、低品質接続中に、通信モジュールと中央位置との間の通信を可能にする。ネットワークを通した通信は、ポートベースのネットワークセキュリティ、事前共有鍵、拡張認証プロトコル(「EAP」)、有線同等プライバシー(「WEP」)、テンポラルキーインテグリティプロトコル(「TKIP」)、Wi-Fi保護アクセス(「WPA」)などのためのIEEE802.1規格で提供される手法のような、1つ以上の暗号化技法を使用して保護することができる。
【0092】
通信モジュールとネットワークとの間の接続は無線であり、コンピュータまたは他の外部処理デバイスに物理的に繋ぐことなく可動洗浄機を自由に移動および操作して、このような通信を容易にすることができる。このような通信様式が少なくともこの理由から好ましいが、通信モジュールとネットワークとの間の接続は、代わりに有線接続(例えば、通信モジュールのドッキングステーション、通信モジュールおよびコンピュータもしくは他の外部処理デバイス、または他の通信インターフェースハードウェアを取り外し可能に接続する通信ケーブル)とするか、または無線接続および有線接続の組み合わせとすることができると想到される。同様に、コントローラとネットワークまたはネットワーク通信モジュールとの間の接続は、有線接続、無線接続、または直ぐ前に説明した方式のいずれかの方式の無線接続および有線接続の組み合わせである。いくつかの実施形態では、コントローラまたは通信モジュールは、データを転送、受信、または格納する1つ以上の通信ポート(例えば、イーサネット(登録商標)、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(「SATA」)、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、統合ドライブエレクトロニクス(「IDE」)など)を含む。
【0093】
中央ロケーションは、中央に配置されるコンピュータ、コンピュータ群のネットワーク、または中央に配置される1つ以上のサーバを含むことができる。中央ロケーションは、1つ以上の吐出装置10からのデータを格納、解釈、および伝達するように適合させることができ、データを解釈し、解釈したデータをユーザに伝達することもできる。
【0094】
したがって、均一に個体化学物質ブロックを溶解または侵食するための非圧縮性液体および圧縮性ガスの組み合わせは、従来技術において達成することができない、利点を提供する。
【0095】
上述のことから、本発明が述べられる目的の少なくとも全てを達成できることが分かる。
【0096】
参照番号のリスト
以下の参照番号のリストは、本開示の理解および調査を容易にするために提供されており、網羅的なものではない。そうすることが可能であるとすると、番号で特定される要素は、別の番号で特定される任意の要素に置き換えることができるか、または任意の要素と組み合わせて使用することができる。また、番号は、本明細書において提供される記述子に限定されず、同じ機能を保有する同等の構造および他の物体を含む。
10吐出装置
12ハウジング
14ドア
16ハンドル
18窓
20ヒンジ
22前方操作パネル
24製品ID窓
26ボタン
28後方容器
30取り付けプレート
32液体入口
34液源
36器具分割器
38キャビティ
40壁
44液源ノズル
50ポンプ
56製品化学物質回収器
62逆流防止デバイス
110ポンプ
112ニップル
114カプラ
【0097】
本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されない。以下の特許請求の範囲は、本開示のいくつかの実施形態をより詳細に記載している。
以下の項目[1]~[39]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
固体製品から生成される溶液を吐出するための吐出装置であって、前記吐出装置は、
前記固体製品を保持するためのキャビティを有するハウジングと、
前記固体ブロックに隣接する液体およびガスを組み合わせて、前記固体製品に接触させ、それにより、前記固体製品を侵食させ、前記侵食された固体製品および前記液体から前記溶液を生成する、流体源と、
前記溶液を吐出するための前記ハウジング内の出口と、を備える、吐出装置。
[2]
前記キャビティに空気を供給するための空気ポンプを前記ハウジング内にさらに備える、項目1に記載の吐出装置。
[3]
提供されるガスの量に対する調整を提供するための、フィードバックセンサを有するポンプコントローラをさらに備える、項目2に記載の吐出装置。
[4]
前記キャビティに隣接する複数のポートをさらに備え、前記流体源が前記ポートの上流にある、項目1~3のいずれか一項に記載の吐出装置。
[5]
前記液体およびガスを導入するための少なくとも1つのポートをさらに備える、項目1~4のいずれか一項に記載の吐出装置。
[6]
前記キャビティに接続され、前記液体および前記ガスを前記キャビティに供給する、別々の液体およびガス管をさらに備える、項目1~5のいずれか一項に記載の吐出装置。
[7]
少なくとも2つの別々の流路を生成する器具分割器をさらに備え、前記流路の各々が前記液体を分配するための流れ制御部を含む、項目1~6のいずれか一項に記載の吐出装置。
[8]
マニホールド拡散ポートを有し、かつ前記流体源の流体源ノズルに隣接して位置決めされている、マニホールド拡散部材をさらに備える、項目1~7のいずれか一項に記載の吐出装置。
[9]
直立壁と、前記マニホールド拡散部材を備える底部床と、を含む、製品化学物質回収器をさらに備える、項目8に記載の吐出装置。
[10]
項目1~9のいずれか一項に記載の吐出装置によって生成される溶液を吐出することを含む、方法。
[11]
少なくとも1つのポートを通して導入する前に、前記液体および/または前記ガスの特性を調整することをさらに含む、項目10に記載の方法。
[12]
前記特性が、前記固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される前記液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される、項目10又は11に記載の方法。
[13]
前記特性が、圧力、量、温度、速度、乱流、流量、ベクトル、および/または衝突を含む、項目10~12のいずれか一項に記載の方法。
[14]
提供されるガスの量を調整することをさらに含む、項目10~13のいずれか一項に記載の方法。
[15]
流れ制御部によって前記液体を分配することをさらに含む、項目10~14のいずれか一項に記載の方法。
[16]
固体製品から製品化学物質を得るための方法であって、
前記固体製品に隣接する少なくとも1つのポートを通して液体およびガスを導入し、それによって、前記固体製品を侵食させて、前記固体製品および前記液体から溶液を生成することを含む、方法。
[17]
前記液体が、液源の液源ノズルを介して前記固体製品の底面の近くに導入される、項目16に記載の方法。
[18]
前記固体製品の前記底面を前記液体中に沈めることをさらに含む、項目17に記載の方法。
[19]
前記液体をマニホールド拡散部材のマニホールド拡散ポートに通すことをさらに含み、前記マニホールド拡散部材が、前記液源の前記液源ノズルに隣接して位置決めされている、項目17又は18に記載の方法。
[20]
前記溶液から前記ガスを排出して離すことをさらに含む、項目16~19のいずれか一項に記載の方法。
[21]
前記固体製品の浸食後に、前記ガスを排出することをさらに含む、項目16~20のいずれか一項に記載の方法。
[22]
前記少なくとも1つのポートを通して導入する前に、前記液体および/または前記ガスの特性を調整することをさらに含む、項目16~21のいずれか一項に記載の方法。
[23]
前記特性が、前記固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される前記液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される、項目22に記載の方法。
[24]
前記特性が、圧力、量、温度、速度、乱流、流量、ベクトル、および/または衝突を含む、項目22又は23のいずれか一項に記載の方法。
[25]
前記ガスおよび液体が、前記ポートの上流で組み合わせられる、項目16~24のいずれか一項に記載の方法。
[26]
前記ガスが、空気である、項目16~25のいずれか一項に記載の方法。
[27]
製品化学物質回収器の前記溶液を回収することをさらに含む、項目16~26のいずれか一項に記載の方法。
[28]
溶液を吐出する方法であって、
ハウジングのキャビティ内で液体およびガスを固体製品に衝突させることによって、前記固体製品を侵食することと、
前記侵食された固体製品および液体を前記ハウジング内の貯蔵部に回収して、溶液を生成することと、次いで、
前記貯蔵部から前記溶液を選択的に吐出することと、を含む、溶液を吐出する方法。
[29]
前記液体が、液源の液源ノズルを介して前記固体製品の底面の近くに導入される、項目28に記載の方法。
[30]
前記固体製品の前記底面を前記液体中に沈めることをさらに含む、項目29に記載の方法。
[31]
前記液体をマニホールド拡散部材のマニホールド拡散ポートに通すことをさらに含み、前記マニホールド拡散部材が、前記液源の前記液源ノズルに隣接して位置決めされている、項目29又は30に記載の方法。
[32]
前記固体製品を侵食するときに、前記ハウジングから前記ガスを排出することをさらに含む、項目31に記載の方法。
[33]
前記液体および/または前記ガスの特性を調整して前記溶液の所望の濃度を生成することをさらに含む、項目28~32のいずれか一項に記載の方法。
[34]
前記特性が、前記固体製品の密度、環境もしくは気象条件、使用される前記液体の種類、使用されている固体製品の数、またはこれらのいくつかの組み合わせに基づいて、リアルタイムで調整される、項目33に記載の方法。
[35]
前記特性が、液体およびガスの圧力、量、温度、速度、乱流、流動比率、ベクトル、ならびに衝突を含む、項目33又は34に記載の方法。
[36]
前記ガスが、空気である、項目28~35のいずれか一項に記載の方法。
[37]
前記キャビティの上流で前記液体およびガスを梳くことをさらに含む、項目28~36のいずれか一項に記載の方法。
[38]
前記キャビティの少なくとも1つのポートを通して前記液体およびガスを導入することをさらに含む、項目28~37のいずれか一項に記載の方法。
[39]
別々の液体およびガス導管を通して、前記液体および前記ガスを前記キャビティに供給することをさらに含む、項目28~38のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3