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特許71288941つのバッテリから2つのヒータに電力を供給するエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】1つのバッテリから2つのヒータに電力を供給するエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20220824BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20220824BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/65
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020533268
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2019015026
(87)【国際公開番号】W WO2020101258
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0141967
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,テフン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハンイル
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェソン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジュンホ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-513970(JP,A)
【文献】国際公開第2017/085240(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/127417(WO,A1)
【文献】特開2017-113016(JP,A)
【文献】特表2016-516402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
バッテリと、
第1エアロゾル生成基材を加熱する第1ヒータと、
第2エアロゾル生成基材を加熱する第2ヒータと、
前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに互いに異なる時間に電力が提供されるように制御し、
前記制御部は、前記第1ヒータに電力が提供されねばならない第1期間と前記第2ヒータに電力が提供されねばならない第2期間との和が現在制御周期を超えれば、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位によって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御し、
前記第1エアロゾル生成基材は、ニコチンを含む固体基材であり、
前記第2エアロゾル生成基材は、エアロゾル形成剤を含む液体基材である、ことを特徴とするエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位によって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する複数の制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記複数の制御モードは、
前記第1ヒータに前記電力が優先提供されるように制御する第1制御モードと、
前記第2ヒータに前記電力が優先提供されるように制御する第2制御モードと、を含むことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数のモードのうち、いずれか1つのモードによって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御し、
前記いずれか1つのモードは、ユーザ命令によって決定されることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
外部機器と通信を行う通信部をさらに含み、
前記ユーザ命令は、前記外部機器に入力されて前記通信部を介して受信されることを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、現在制御周期に対して前記第1ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクルと、
前記現在制御周期に対して前記第2ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルを獲得することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記現在制御周期において第1期間の間に前記バッテリから前記第1ヒータに前記第1デューティサイクルを満足する電力が提供され、
前記現在制御周期において残りの期間のうち、少なくとも一部期間の間に前記バッテリから前記第2ヒータに電力が提供されるように制御することを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記現在制御周期において第2期間の間に前記バッテリから前記第2ヒータに前記第2デューティサイクルを満足する電力が提供され、
前記現在制御周期において残りの期間のうち、少なくとも一部期間の間に前記バッテリから前記第1ヒータに電力が提供されるように制御することを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記現在制御周期と後続する少なくとも1つの制御周期において、前記バッテリから前記第1ヒータに提供される電力の総量が前記第1デューティサイクルを満足するように、前記バッテリから前記第1ヒータに提供される電力を制御することを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御するためにパルス幅変調(pulse width modulation)信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記第1デューティサイクルと前記第2デューティサイクルとの和は、100%を超過することを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
前記エアロゾル生成装置に含まれた第1ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクル及び前記エアロゾル生成装置に含まれた第2ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルを獲得する段階と、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに供給される電力を制御する制御モードを確認する段階と、
前記確認された制御モードによってバッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する段階と、を含み、
前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに互いに異なる時間に電力が提供され、
前記第1ヒータは、ニコチンを含む固体基材を加熱するものであり、
前記第2ヒータは、エアロゾル形成剤を含む液体基材を加熱
前記制御モードを確認する段階は、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位を選定し、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する段階は、
前記第1ヒータに電力が提供されねばならない第1期間と前記第2ヒータに電力が提供されねばならない第2期間との和が現在制御周期を超えれば、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位によって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する段階は、
前記第1ヒータ及び前記第2ヒータのうち、前記優先順位の高いヒータに前記電力が優先提供されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項12及び13のうち、いずれか1項に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、1つのバッテリから2つのヒータに電力を配分して伝達するエアロゾル生成装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないシガレットまたはカートリッジ内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に係わる需要が増大している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置についての研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置は、2つのヒータを含んでもよい。1つのヒータは、ニコチンを含むシガレットの加熱に使用され、他の1つのヒータは、液体基材を含むカートリッジの加熱に使用される。また、エアロゾル生成装置は、移動しながら使用可能なようにバッテリを含んでもよい。
【0004】
バッテリは、限定された電源を有するので、2つのヒータが要求する電力をいずれも充足するように電力を提供する場合、瞬間的な電圧降下などによって、エアロゾル生成装置が誤作動してしまう恐れがある。これにより、バッテリから2つのヒータに電力を適切に配分して伝達するための研究が進行しつつある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリから、出力可能な電力範囲内で、2つのヒータに電力を配分して伝達する方法を提供することである。また、上述した方法によって動作するエアロゾル生成装置を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前記技術的課題に限定されず、さらに他の技術的課題が存在してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例によるエアロゾル生成装置は、バッテリと、第1エアロゾル生成基材を加熱する第1ヒータと、第2エアロゾル生成基材を加熱する第2ヒータと、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに互いに異なる時間に電力が提供されるように制御する。
【発明の効果】
【0008】
制御部が、バッテリから第1ヒータに電力が伝達される時間と第2ヒータに電力が伝達される時間が重ならないように制御し、バッテリから出力される電圧が降下されることを防止し、エアロゾル生成装置の誤作動または機器欠陥の発生を防止する。
【0009】
また、制御部は、複数の制御モードで動作可能であり、複数の制御モードは、第1ヒータに優先的に電力が伝達されるように制御する第1制御モード及び第2ヒータに優先的に電力が伝達されるようにする第2制御モードを含む。第1制御モードは、シガレットが決定された温度プロファイルによって正常に加熱されてユーザに所望の喫味が提供されるように制御するモードであり、第2制御モードは、カートリッジが決定された温度プロファイルによって正常に加熱されてユーザに所望の量のエアロゾルが提供されるように制御するモードである。ユーザによって、喫味またはエアロゾルの提供量が充足されることを好み、ユーザは、複数の制御モードのうち、いずれか1つの制御モードを選択し、好みに合わせてエアロゾル生成装置を使用することができる。
【0010】
発明の効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3】シガレットの一例を示す図面である。
図4】制御部がヒータに伝達される電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
図5】現在制御周期に対して第1ヒータが要求する電力と第2ヒータが要求する電力の一例を示す図面である。
図6】第1制御モードによってバッテリから第1ヒータ及び第2ヒータに提供された電力の一例を示す図面である。
図7】第2制御モードによってバッテリから第1ヒータ及び第2ヒータに提供された電力の一例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施例によるエアロゾル生成装置は、バッテリと、第1エアロゾル生成基材を加熱する第1ヒータと、第2エアロゾル生成基材を加熱する第2ヒータと、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに互いに異なる時間に電力が提供されるように制御する。
【0013】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位によって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する複数の制御モードを有する。
【0014】
前記エアロゾル生成装置において、前記複数の制御モードは、前記第1ヒータに前記電力が優先提供されるように制御する第1制御モードと、前記第2ヒータに前記電力が優先提供されるように制御する第2制御モードと、を含む。
【0015】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記複数のモードのうち、いずれか1つのモードによって前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御し、前記いずれか1つのモードは、ユーザ命令によって決定される。
【0016】
前記エアロゾル生成装置は、外部機器と通信を行う通信部をさらに含み、前記ユーザ命令は、前記外部機器に入力されて前記通信部を介して受信される。
【0017】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、現在制御周期に対して前記第1ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクルと、前記現在制御周期に対して前記第2ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルを獲得する。
【0018】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記現在制御周期において第1期間の間に前記バッテリから前記第1ヒータに前記第1デューティサイクルを満足する電力が提供され、前記現在制御周期において残りの期間のうち、少なくとも一部期間の間に前記バッテリから前記第2ヒータに電力が提供されるように制御する。
【0019】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記現在制御周期において第2期間の間に前記バッテリから前記第2ヒータに前記第2デューティサイクルを満足する電力が提供され、前記現在制御周期において残りの期間のうち、少なくとも一部期間の間に前記バッテリから前記第1ヒータに電力が提供されるように制御する。
【0020】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記現在制御周期と後続する少なくとも1つの制御周期において、前記バッテリから前記第1ヒータに提供される電力の総量が前記第1デューティサイクルを満足するように、前記バッテリから前記第1ヒータに提供される電力を制御する。
【0021】
前記エアロゾル生成装置において、前記制御部は、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御するためにパルス幅変調(pulse width modulation)信号を出力する。
【0022】
前記エアロゾル生成装置において、前記第1エアロゾル生成基材は、ニコチンを含む固体基材であり、前記第2エアロゾル生成基材は、蒸気形成剤を含む液体基材である。
【0023】
前記エアロゾル生成装置において、前記第1デューティサイクルと前記第2デューティサイクルとの和は、100%を超過する。
【0024】
他の実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、前記エアロゾル生成装置に含まれた第1ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクル及び前記エアロゾル生成装置に含まれた第2ヒータが要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルを獲得する段階と、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに供給される電力を制御する制御モードを確認する段階と、前記確認された制御モードによってバッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに提供される電力を制御する段階と、を含み、前記バッテリから前記第1ヒータ及び前記第2ヒータに互いに異なる時間に電力が提供される。
【0025】
上述した方法は、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータの優先順位を選定する段階をさらに含み、前記第1ヒータ及び前記第2ヒータのうち、前記優先順位の高いヒータに前記電力が優先提供される。
【0026】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しつつ、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されねばならない。
【0027】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態に具現されもし、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1及び図2は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0031】
図1及び図2を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、第1ヒータ13、第2ヒータ14、及びカートリッジ15を含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入される。
【0032】
図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例と係わる構成要素が図示されている。したがって、図1及び図2に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれるということを、この実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0033】
図1には、バッテリ11、制御部12、第1ヒータ13、第2ヒータ14、及びカートリッジ15が一列に配置されている。また、図2には、第1ヒータ13と第2ヒータ14は並列に、第2ヒータ14とカートリッジ15は、一列に配置されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図1及び図2に図示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、第1ヒータ13、第2ヒータ14、及びカートリッジ15の配置は変更される。
【0034】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、第1ヒータ13及び/または第2ヒータ14を作動させ、エアロゾルを発生させる。第1ヒータ13及び/または第2ヒータ14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0035】
必要に応じて、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置1は、第1ヒータ13及び第2ヒータ14を加熱することができる。
【0036】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、第1ヒータ13または第2ヒータ14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0037】
例えば、バッテリ11の出力電圧は、4.0V~5.0Vの範囲内に含まれ、容量は、2000mAh~4000mAhの範囲内に含まれる。望ましくは、バッテリ11の出力電圧は、4.2Vであり、容量は3000mAhであるが、それに限定されるものではない。
【0038】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、第1ヒータ13、及び第2ヒータ14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0039】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアに具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0040】
第1ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、第1ヒータ13は、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱された第1ヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させる。
【0041】
第1ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、第1ヒータ13は、電気絶縁性基質(例えば、ポリイミド(polyimide)で形成された基質)及び導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、第1ヒータ13が加熱される。しかし、第1ヒータ13は、前記例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に予め設定されても、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0042】
一方、他の例において、第1ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、第1ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0043】
例えば、第1ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱する。
【0044】
また、エアロゾル生成装置1には、第1ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個の第1ヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置されても、シガレット2の外部に配置されてもよい。また、複数個の第1ヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、第1ヒータ13の形状は、図1及び図2に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0045】
第2ヒータ14は、カートリッジ15に含まれた液状組成物(第2エアロゾル生成基材)を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。言い換えれば、第2ヒータ14によって加熱されて生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、第2ヒータ14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0046】
例えば、カートリッジ15は、液体保存部及び液体伝達手段を含むが、それに限定されない。例えば、第2ヒータ14及びカートリッジ15は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0047】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であり、非タバコ物質を含む液体でもある。カートリッジ15は、第2ヒータ14から脱/付着可能にも作製され、第2ヒータ14と一体として作製されてもよい。
【0048】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0049】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を第2ヒータ14に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0050】
第2ヒータ14は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱する。例えば、第2ヒータ14は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されない。また、第2ヒータ14は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。第2ヒータ14は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0051】
例えば、第2ヒータ14及びカートリッジ15は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0052】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、第1ヒータ13、第2ヒータ14、及びカートリッジ15以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット挿入感知センサーなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造にも作製される。
【0053】
図1及び図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態で第1ヒータ13が加熱されてもよい。
【0054】
また、図1及び図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、外部機器と通信を行うための通信部を含んでもよい。エアロゾル生成装置1は、通信部を介して外部機器と無線通信または有線通信(例えば、イーサネット通信またはUSB通信方式など)を行う。例えば、エアロゾル生成装置1と外部機器の無線通信にはWLAN(wireless local area network)、ブルートゥース、ZigBee、IrDA(Infrared Data Association)、及びRFID(Radio-FrequencyIdentification)などの通信方式が使用される。
【0055】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0056】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部のみ挿入されても、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0057】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット2の内部に流入されてもよい。
【0058】
以下、図3を参照して、シガレット2の例を説明する。
【0059】
図3は、シガレットの一例を示す図面である。
【0060】
図3を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド31、フィルタロッド32、及び前端プラグ33を含む。図1及び図2を参照して上述した第1部分は、タバコロッド31及び前端プラグ33を含み、第2部分は、フィルタロッド32を含む。
【0061】
例えば、前端プラグ33の長さは、約7mm、タバコロッド31の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmであるが、それらに限定されない。
【0062】
タバコロッド31は、エアロゾル生成物質(第1エアロゾル生成基材)を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド31は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド31には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド31に噴射されることによって添加される。
【0063】
タバコロッド31は、多様に作製される。例えば、タバコロッド31は、シート(sheet)によっても作製され、筋(strand)によっても作製される。また、タバコロッド31は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド31は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド31を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド31に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド31を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド31は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0064】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。
【0065】
第1セグメント321は、酢酸セルロースフィルタでもある。例えば、第1セグメント321は、内部に中空を含むチューブ形態の構造物でもある。第1セグメント321によってエアロゾルの冷却効果が発生する。第1セグメント321に含まれた中空の直径は、2mmないし4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、その限りではない。
【0066】
第1セグメント321の長さは、4mmないし30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、その限りではない。望ましくは、第1セグメント321の長さは、12mmにもなるが、その限りではない。
【0067】
第1セグメント321の製造時に可塑剤の含量を調節することで、第1セグメント321の硬度が調整される。また、第1セグメント321は、内部(例えば、中空)に同形あるいは異形の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造される。
【0068】
第2セグメント322は、酢酸セルロースフィルタでもある。第2セグメント322の長さは、4mmないし20mmの範囲内で適切に採用される。例えば、第2セグメント322の長さは、約14mmにもなるが、その限りではない。
【0069】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれる。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を行っても、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い込んだ構造でもある。カプセル34は、球状または円筒状を有するが、それらに制限されるものではない。
【0070】
前端プラグ33は、タバコロッド31の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1ないし図3の1)に流れて行くことを防止することができる。
【0071】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によって包装される。ラッパ35には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装される。そして、第5ラッパ355によってシガレット3全体が再包装される。
【0072】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成される。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を取り囲む領域に形成されるが、それに制限されない。穿孔36は、図1及び図2に図示された第1ヒータ13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0073】
図1及び図2を参照して説明したように、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11と2つのヒータ13、14を含み、シガレット2を加熱するために、バッテリ11から第1ヒータ13に電力が伝達され、液体組成物を加熱するためにバッテリ11から第2ヒータ14に電力が伝達される。
【0074】
一方、バッテリ11の容量は、限定されているので、第1ヒータ13及び第2ヒータ14が要求する電力をいずれも満足するように電力を提供する場合、瞬間的な電圧降下が起こり、これにより、エアロゾル生成装置1の誤作動または機器欠陥が発生する恐れがある。
【0075】
これを防止するために、本発明において、制御部12は、バッテリ11から第1ヒータ13及び第2ヒータ14に互いに異なる時間に電力が提供されるように制御する。以下では、バッテリ11の限定された電源を考慮して、制御部12が第1ヒータ13及び第2ヒータ14に提供される電力を制御する方法について説明する。
【0076】
図4は、制御部がヒータに伝達される電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図1及び図2に図示されたエアロゾル生成装置1の構成に基づいて、図4に図示された制御方法を説明する。
【0078】
S41段階において、制御部12は、現在制御周期に対して第1ヒータ13が要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクルと、第2ヒータ14が要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルとを獲得する。
【0079】
制御部12は、バッテリ11から第1ヒータ13及び第2ヒータ14に提供される電力を制御するために、パルス幅変調(pulse width modulation)制御方式を使用することができる。制御部12の一制御周期は、100μs~1000μsの範囲に含まれる。望ましく、一制御周期は、500μsでもある。現在制御周期は、複数の制御周期のうち、制御を遂行しようとする現在時点に対応する一制御周期を意味する。
【0080】
図5は、現在制御周期に対して第1ヒータが要求する電力と第2ヒータが要求する電力の一例を示す図面である。
【0081】
図4及び図5を共に参照すれば、第1デューティサイクルは、現在制御周期P1に対する第1ヒータ13に電力が提供されねばならない期間P11の比率によって獲得される。同様に、第2デューティサイクルは、現在制御周期P1に対する第2ヒータ14に電力が提供されねばならない期間P12の比率によって獲得される。
【0082】
第1デューティサイクルは、第1ヒータ13がシガレットを加熱する温度によって決定される。例えば、第1ヒータ13の温度プロファイルが喫煙進行程度によって温度が低くなるように設定された場合、第1デューティサイクルは、喫煙が進行されることにより、減少する値を有することができる。ここで、第1ヒータ13の温度プロファイルとは、第1ヒータ13を加熱するために、既設定の温度プロファイルを意味する。
【0083】
同様に、第2デューティサイクルは、第2ヒータ14がカートリッジ15を加熱する温度によって決定され、第2ヒータ14の温度プロファイルによって変化される。ここで、第2ヒータ14の温度プロファイルとは、第2ヒータ14を加熱するために、既設定の温度プロファイルを意味する。
【0084】
すなわち、第1デューティサイクルと第2デューティサイクルは、それぞれ第1ヒータ13の温度プロファイル及び第2ヒータの温度プロファイルによって変化するので、制御部12は、制御周期ごとに、または特定制御周期ごとに、第1デューティサイクル及び第2デューティサイクルを獲得することができる。
【0085】
第1ヒータ13に電力が提供されねばならない期間P11と第2ヒータ14に電力が提供されねばならない期間P12との和が現在制御周期P1を超えれば、すなわち、第1デューティサイクルと第2デューティサイクルとの和が100%を超えれば、バッテリ11の限定された電源では、現在制御周期P1で第1デューティサイクルと第2デューティサイクルとを満足する電力を、それぞれ第1ヒータ13と第2ヒータ14とに提供し難い。
【0086】
制御部12は、バッテリ11の限定された電源を考慮して、制御モードによって第1ヒータ13及び第2ヒータ14に伝達する電力を制御し、これは、図4に図示されたS42段階とS43段階とで行われる。
【0087】
再び図4を参照すれば、S42段階において、制御部12は、複数の制御モードのうち、現在制御周期に適用せねばならない制御モードを確認する。
【0088】
複数の制御モードは、第1ヒータ13及び第2ヒータ14の優先順位によって区別されるモードであって、第1制御モード及び第2制御モードを含んでもよい。
【0089】
第1制御モードは、第1ヒータ13が優先順位を有するモードであって、バッテリ11から第1ヒータ13に電力が優先伝達されるモードである。すなわち、第1制御モードは、限定された電源を有するバッテリ11の電力を配分する際に、第1ヒータ13が要求する電力を優先満足させるように電力を配分するモードである。第1制御モードでは、第1ヒータ13の温度プロファイルによって、シガレット2が正常に加熱され、ユーザに所望の喫味が提供される。
【0090】
第2制御モードは、第2ヒータ14が優先順位を有するモードであって、バッテリ11から第2ヒータ14に電力が優先伝達されるモードである。すなわち、第2制御モードは、限定された電源を有するバッテリ11の電力を配分する際に、第2ヒータ14が要求する電力を優先満足させるように電力を配分するモードである。第2制御モードでは、第2ヒータ14の温度プロファイルによって、カートリッジ15が正常に加熱され、ユーザに所望の量のエアロゾルが提供される。
【0091】
制御部12が複数の制御モードのうち、いずれの制御モードで動作するかは、ユーザによって選択される。すなわち、制御部12は、ユーザが選択した制御モードが何なのかを確認し、確認された制御モードで制御する。
【0092】
ユーザは、外部機器を介して制御モードを選択し、選択された制御モードは、エアロゾル生成装置1の通信部を介して受信され、制御部12に伝達される。
【0093】
ユーザが制御モードを選択するのに使用される外部機器は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、PC(personal computer)、PDA(personal digital assistants)、ウェアラブルデバイス(wearable device)などでもあるが、挙げられた種類に限定されるものではない。
【0094】
ユーザは、喫煙開始前、または喫煙途中で制御モードを選択することができる。
【0095】
一例として、ユーザは、喫煙する度に、第1制御モード及び第2制御モードのうち、いずれか1つのモードを選択する。ここで、喫煙は、複数のパフを含む1つのサイクルを意味する。すなわち、ユーザは、喫煙開始前に、第1制御モード及び第2制御モードのうち、いずれか1つのモードを選択した後、喫煙を開始する。
【0096】
他の例として、ユーザは、第1制御モード及び第2制御モードのうち、いずれか1つのモードを基本モードと選択し、喫煙開始前、または喫煙中に基本モードを他のモードに変更することができる。
【0097】
さらに他の例として、ユーザは、1回の喫煙に対して複数の制御モードを選択することができる。例えば、ユーザは、1回の喫煙において、1~3回のパフに対しては、第1制御モードを、その後のパフに対しては、第2制御モードを選択する。
【0098】
例えば、第1制御モードは、シガレットが決定された温度プロファイルによって正常に加熱され、ユーザに所望の喫味が提供されるように制御するモードであり、第2制御モードは、カートリッジが決定された温度プロファイルによって正常に加熱され、ユーザに所望の量のエアロゾルが提供されるように制御するモードでもある。ユーザによって、喫味を好むか、エアロゾルの提供量が充足されることを好むなど、好みが互いに異なる。ユーザは、複数の制御モードのうち、いずれか1つの制御モードを選択し、自分の好みに合わせてエアロゾル生成装置を使用することができる。
【0099】
S43段階において、制御部12は、獲得された制御モードによってバッテリ11から第1ヒータ13及び第2ヒータ14に電力が伝達されるように制御する。
【0100】
以下、図6を参照して、制御部12が第1制御モードによってヒータ13、14に伝達される電力を制御する一例を説明する。また、図7を参照して、制御部12が第2制御モードによってヒータ13、14に伝達される電力を制御する一例を説明する。
【0101】
図6は、第1制御モードによってバッテリから第1ヒータ及び第2ヒータに提供された電力の一例を示す図面である。
【0102】
制御部12は、t1~t2の期間を有する現在制御周期P1において、t11~t12の期間の間に第1ヒータ13が要求する電力のデューティサイクルである第1デューティサイクルに該当する電力が第1ヒータ13に伝達され、残りの期間(t12~t2)中に第2ヒータ14に電力が伝達されるように制御する。
【0103】
場合によって、第1デューティサイクルと第2デューティサイクルとの和が100%を超過する。そのような場合、第1ヒータ13に電力を伝達し、残りの期間(t12~t2)全部において第2ヒータ14に電力が伝達されるように制御するにしても、第2ヒータ14に伝達される電力は、第2デューティサイクルを満足させることができない。
【0104】
但し、第2ヒータ14が連続して加熱する時間が、ユーザがエアロゾルを吸い込む時間と類似して1秒~2秒と短い場合、第2ヒータ14に正常な電力が提供されて生成されたエアロゾルの量と足りない電力が提供されて生成されたエアロゾルの量に大差はない。したがって、第1制御モードでは、現在制御周期において第2ヒータ14に足りない電力が提供されても、第2ヒータ14に十分な電力の補償がなされない。
【0105】
例えば、第1デューティサイクルが60%であり、第2デューティサイクルが50%である場合、第1制御モードによって現在制御周期P1に対して60%のデューティサイクルに該当する期間(t11~t12)の間に第1ヒータ13に電力が伝達されれば、残りの期間(t12~t2)に電力をいずれも第2ヒータ14に伝達しても、第2ヒータ14が提供された電力のデューティサイクルは、40%になる。結果として、現在制御周期P1で第2ヒータ14に電力が10%デューティサイクルだけ足りなく提供され、10%デューティサイクルだけ足りない電力が十分に補償されない。
【0106】
図6には、現在制御周期の開始時点t1と第1ヒータ13への電力提供開始時点t11が同一時点を示すように図示されているが、t11は、t1以後の時点でもある。同様に、第2ヒータ14への電力提供開始時点t21は、第1ヒータ13への電力提供終了時点t12以後の時点であり、現在制御周期の終了時点t2は、第2ヒータ14への電力提供終了時点t22以後の時点でもある。
【0107】
また、図6には、t11~t12の期間がt21~t22の期間より先行するように図示されているが、t21~t22の期間がt11~t12の期間より先行することができる。すなわち、第2ヒータ14に電力が、時間的に先に提供された後、第1ヒータ13に第1デューティサイクルを満足する電力が提供される。
【0108】
そのように制御部11が互いに異なる時間に第1ヒータ13及び第2ヒータ14に電力が伝達されるように制御し、限定された容量を有するバッテリ11から第1ヒータ13及び第2ヒータ14に安定して電力が提供される。また、第1ヒータ13に第1デューティサイクルを満足する電力を提供することで、シガレット2を第1ヒータ13の温度プロファイルによって加熱させ、ユーザが所望する喫味を提供することができる。
【0109】
図7は、第2制御モードによってバッテリから第1ヒータ及び第2ヒータに提供された電力の一例を示す図面である。
【0110】
制御部12は、t1~t2の期間を有する現在制御周期P1で、t21~t22の期間の間に第2ヒータ14が要求する電力のデューティサイクルである第2デューティサイクルに該当する電力が第2ヒータ14に伝達され、残りの期間(t1~t21)中に第1ヒータ13に電力が伝達されるように制御する。
【0111】
場合によって、第1デューティサイクルと第2デューティサイクルとの和が100%を超過する。そのような場合、残りの期間(t1~t21)全部において第1ヒータ13に電力が伝達されるように制御するにしても、第1ヒータ13に伝達される電力は、第1デューティサイクルを満足させるのに十分ではない。
【0112】
第1ヒータ13は、全体喫煙期間の間にシガレット2を連続して加熱せねばならないので、第1ヒータ13に足りない電力が続いて提供される場合、シガレット2を第1ヒータ13の温度プロファイルによって加熱することができない。
【0113】
それを防止するために、制御部12は、現在制御周期P1において第1ヒータ13に伝達され得ない電力が次の制御周期P2で補償して提供されるように制御することができる。
【0114】
例えば、第1デューティサイクルが60%であり、第2デューティサイクルが50%である場合、第2制御モードによって現在制御周期P1に対して50%のデューティサイクルに該当する期間(t21~t22)の間に第2ヒータ14に電力が伝達されれば、残りの期間(t1~t21)に電力をいずれも第1ヒータ13に伝達しても、第1ヒータ13が提供された電力のデューティサイクルは、50%になる。すなわち、第1ヒータ13が要求する電力のデューティサイクルは60%であり、提供された電力のデューティサイクルは、50%なので、第1ヒータ13には、10%のデューティサイクルに該当する電力が足りなく提供される。制御部12は、次の制御周期P2から10%のデューティサイクルに該当する期間(t13~t14)の間に第1ヒータ13に電力が伝達されるように制御することで、第1ヒータ13に足りない電力を補償することができる。
【0115】
場合によって、次の制御周期P2には、第1ヒータ13に電力を補償するための余裕がない場合もある。そのような場合、制御部12は、次の制御周期P2に後続する制御周期において第1ヒータ13に足りない電力が提供されるように制御することができる。
【0116】
そのように、制御部12は、現在制御周期P1と後続する制御周期において第1ヒータ13に提供される電力のデューティープロファイルの総和が第1デューティープロファイルを満足するように制御し、現在制御周期P1において提供されていない電力を第1ヒータ13に補償して伝達可能である。
【0117】
図7には、現在制御周期の開始時点t1と第1ヒータ13への電力提供開始時点t11が同一時点を示すように図示されているが、t11は、t1以後の時点でもある。同様に、第2ヒータ14への電力提供開始時点t21は、第1ヒータ13への電力提供終了時点t12以後の時点であり、現在制御周期の終了時点t2は、第2ヒータ14への電力提供終了時点t22以後の時点でもある。同様に、第1ヒータ13に補償電力が提供され始める時点t13は、次の制御周期の開始時点t2以後の時点でもある。
【0118】
また、図7には、t11~t12の期間がt21~t22の期間より先行するように図示されているが、t21~t22の期間がt11~t12の期間より先行することができる。すなわち、第2ヒータ14に第2デューティサイクルを満足する電力が時間的に先に提供された後、第1ヒータ13に電力が提供される。
【0119】
そのように制御部12が互いに異なる時間に第1ヒータ13及び第2ヒータ14に電力が伝達されるように制御して、限定された容量を有するバッテリ11から第1ヒータ13及び第2ヒータ14に安定して電力が提供される。また、第2ヒータ14に第2デューティサイクルを満足する電力が提供されることで、カトマイザ15が第2ヒータ14の温度プロファイルによって加熱され、ユーザが所望の量のエアロゾルを提供することができる。また、現在制御周期において第1ヒータ13に足りなく提供された電力を後続する制御周期で補償することにより、シガレット2を第1ヒータ13の温度プロファイルによって加熱させうる。
【0120】
一方、上述した方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体に多くの手段を通じて記録される。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0121】
本実施例に係わる技術分野において通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲内で変形された形態に具現可能であることを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7