(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】流体導出入システム
(51)【国際特許分類】
A61M 60/804 20210101AFI20220824BHJP
A61M 60/139 20210101ALI20220824BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20220824BHJP
【FI】
A61M60/804
A61M60/139
A61M60/216
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021021670
(22)【出願日】2021-02-15
(62)【分割の表示】P 2019024350の分割
【原出願日】2014-03-05
【審査請求日】2021-02-17
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518145695
【氏名又は名称】ティーシーワン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン・シェンク
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エル・グリーン
(72)【発明者】
【氏名】キーフ・エム・フィッツジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エフ・ミューラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ピー・サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】キース・シューベルト
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ダブリュー・ブリストル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ポール・ミルズ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・シー・レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エル・キーナン
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0093086(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0218022(US,A1)
【文献】特開2001-079093(JP,A)
【文献】特開平10-099440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/804
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリをプライミングするためのシステムであって、
・カテーテルアセンブリであって、
先端部を備える長尺ボディ、及び
前記先端部に配置された動作デバイス、
を備えるカテーテルアセンブリと、
・
前記長尺ボディ及び前記動作デバイスを覆うように配置されたプライミングハウジングを有し、かつ、前記動作デバイスの挿入を受けるように構成されたプライミング容器と、
を備え、
前記プライミング容器が、
前記長尺ボディの前記先端部に固定され、それにより、前記長尺ボディが当該プライミング容器と流体連通する基端部と、
先端部であって、流体が前記長尺ボディを通してそして当該プライミング容器内へ導かれて前記カテーテルアセンブリ内からエアを吐出させるときに当該先端部を通してエアが吐出される、先端部と、
を備え、
前記長尺ボディに固定された前記基端部が、前記動作デバイスよりも近位側にあ
り、
前記プライミングハウジングが、漏斗状部分を備え、
前記プライミングハウジングの内径が、前記漏斗状部分内で先端から基端へ縮径しており、
前記漏斗状部分が、前記動作デバイスを前記プライミング容器に対して基端側へ移動させると、前記動作デバイスを格納構成へと折り畳むように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記プライミング
ハウジングが、前記動作デバイスを収容するように構成され
ていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プライミングハウジングが、前記長尺ボディの前記先端部を収容するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プライミング容器の前記基端部に接続されたシールキャップをさらに備え、
前記シールキャップが、プライミングのために前記プライミング容器をシールするように構成されていることを特徴とする
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記シールキャップを前記プライミングハウジングに接続するように構成されたネジ山付コネクタをさらに備えることを特徴とする
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記シールキャップが、前記プライミングハウジングから前記長尺ボディへエアを基端向きに導入することを防止するように構成され、かつ、前記プライミングハウジングの前記基端部からのプライミング流体が流出することを防止するように構成されていることを特徴とする
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記シールキャップが、当該シールキャップの先端部にシール凹所を備え、前記シール凹所が、前記シールキャップを通して前記長尺ボディを延在させることを可能とするように構成されている
請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記動作デバイスが、インペラーと前記インペラーの周りに位置付けられた拡張可能カニューレとを備えるインペラーアセンブリを備えることを特徴とする
請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記インペラーが、拡張可能であることを特徴とする
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記カテーテルアセンブリに流体を供給するように構成された注入システムであって、インターフェースボディを備える、注入システムと、
前記注入システムに接続されたコンソールハウジングであって、前記インターフェースボディを受けるように構成されたインターフェース開口を備える、コンソールハウジングと、
をさらに備えることを特徴とする
請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記インターフェースボディ上に配置された閉塞ベッドと、
前記閉塞ベッドの近傍において前記インターフェースボディ上に設置されたチューブセグメントと、
前記インターフェースボディ上に配置された電気的構成部材と、
をさらに備え、
前記インターフェースボディが、当該インターフェースボディが前記コンソールハウジングの前記インターフェース開口内に挿入されたときに、前記コンソールハウジング内のポンプが前記チューブセグメント及び前記閉塞ベッドに対して動作可能に係合するような、なおかつ、前記コンソールハウジング内の電気的相互接続部材が当該インターフェースボディ上の前記電気的構成部材に対して電気的に接続されるような、寸法とされている、
ことを特徴とする
請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2013年 3月13日付けで出願された米国出願第61/780,656号、名称「Fluid Handling System」(以下においては、「’656優先出願」と称される)を含む、外国または国内優先権の主張を有したいかなる出願もすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、心臓の機械的循環補助のためのポンプを対象とする。特に、本出願は、カテーテルポンプのためのコンソールおよびコントローラに関するものであり、また、カテーテルポンプに対して流体を供給し得るよう構成されたまたカテーテルポンプから流体を抽出し得るよう構成された流体導出入システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
心臓疾患は、高い死亡率を有する重大な健康問題である。医師は心不全の治療に機械的循環補助システムを使用することが多くなってきている。急性心不全の治療には、患者に素早く支援を提供することができるデバイスが必要である。医師は、素早く、侵襲性を最小限度に抑えて配備できる治療法の選択肢を望んでいる。
【0004】
大動脈内バルーンポンプ(IABP)は、現在、急性心不全を治療するための最も一般的なタイプの循環補助デバイスである。IABPは、急性心筋梗塞(MI)または非代償性心不全の治療中、心臓性ショック後に患者を安定させるため、または危険性の高い経皮冠動脈インターベンション(PCI)において患者を補助するためなど、心不全を治療するために普通に使用されている。循環補助システムは、単独で、または薬物療法とともに使用することができる。
【0005】
従来のアプローチでは、IABPは、循環系に部分的補助を行うため大動脈内に位置付けされ、カウンターパルゼーション方式で動作される。近年になって、潜在的補助のレベルを上げようとして(すなわち、より高い流れにしようとして)侵襲性を最小限度に抑えた回転式血液ポンプが開発された。回転式血液ポンプは、通常、体内に挿入され、心臓血管系、例えば、左心室および上行大動脈に接続され、心臓のポンプ機能を支援する。心臓の右側の補助のために右心室から肺動脈に静脈血をポンプ機能で送り込むという他の用途も知られている。緊急循環補助デバイスの目的は、心臓移植前に患者を安定させるために、または補助を継続するために、一定期間にわたって心筋にかかる負荷を軽減することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6,544,216号
【文献】米国特許第7,070,555号
【文献】米国特許出願公開第2012-0203056A1号
【文献】米国特許第5,964,694号
【文献】米国特許第6,007,478号
【文献】米国特許第6,178,922号
【文献】米国特許第6,176,848号
【文献】米国特許第7,393,181号
【文献】米国特許第8,376,707号
【文献】米国特許第7,841,976号
【文献】米国特許第7,022,100号
【文献】米国特許第7,998,054号
【文献】米国特許出願公開第2011/0004046号
【文献】米国特許出願公開第2012/0178986号
【文献】米国特許出願公開第2012/0172655号
【文献】米国特許出願公開第2012/0178985号
【文献】米国特許出願公開第2012/0004495号
【文献】米国特許出願第13/802,556号
【文献】米国特許出願第13/801,833号
【文献】米国特許出願第13/802,570号
【文献】米国特許出願第13/801,528号
【文献】米国特許出願第13/802,468号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
急性心不全を治療するためには、改良された機械的循環補助デバイスが必要である。完全に近い心臓流量をもたらすように設計された固定断面心室支援デバイスは、大きすぎて、経皮的に(例えば、切開なしで大腿動脈を通して)送り込むことができないか、または流量が不十分である。
【0008】
性能および臨床的成果が改良されたポンプが必要である。溶血および血栓症の危険性を抑えつつ流量を高めることができるポンプが必要である。侵襲性を最小限度に抑えて挿入することができ、重大な有害事象が発生する危険性を抑えつつ様々な適応症に対して十分な流量を送ることができるポンプが必要である。一態様では、例えば、15FRまたは12FR切開により、侵襲性を最小限度に抑えて留置され得る心臓ポンプが必要である。一態様では、例えば62mmHgのヘッド圧力で、動作中に4Lpm以上の平均流量をもたらし得る心臓ポンプが必要である。回転式ポンプの流量は、インペラーをより高速に回転させることによって高めることができるが、回転速度が上がると、溶血の危険性が高まり、有害な結果を引き起こし、場合によっては死亡に至るおそれもあることが知られている。したがって、一態様では、高い回転速度で溶血が発生する可能性を最小限度に抑えながら十分な流量を送ることができるポンプが必要である。これらおよび他の問題は、ここで説明されている本発明によって解消される。
【0009】
さらに、様々なカテーテルポンプシステムにおいては、カテーテルアセンブリの動作デバイスに対して流体を供給することが重要であり(例えば、可動部材の潤滑のために、および/または、患者に対して供給されることとなる処理流体の供給のために)、また、患者の身体から廃棄流体を抽出することが、重要である。コントローラは、カテーテルアセンブリ内への流れをおよびカテーテルアセンブリからの流れを制御し得るように、構成することができる。カテーテルアセンブリを、コンソール内に収容可能とされたコントローラに対して係合するための改良された機構を提供することが、有利である。
【0010】
加えて、埋設および処理のための時間を短縮することが要望されている。特に急性心不全に関する治療の場合には、治療を開始するのに要する時間が、生還のためにはおよび良好な回復のためには、重要である。例えば、数分間の違いが、心筋梗塞や心臓性ショックを有した患者の場合には、回復につながるか、あるいは、恒久的な脳損傷をもたらすか、の違いとなり得る。したがって、セッティングとプライミングと挿入とを、より迅速にかつより容易にかつより効果的に行い得るポンプシステムが、なおも要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の問題点や他の問題点は、本発明によって克服される。
【0012】
経皮的に挿入され得るとともに、要求された場合に左側のあるいは右側のあるいは双方の全心臓流を提供し得るような、ポンピングデバイスが、早急に要望されている。
【0013】
一実施形態においては、流体導出入システムが開示される。流体導出入システムは、ハウジングを具備することができる。ハウジングは、1つまたは複数のポンプと、ポンプを駆動し得るよう構成されたコントローラと、を備えることができる。流体導出入システムは、さらに、カテーテルアセンブリを具備することができる。カテーテルアセンブリは、基端部と先端部とを有したカテーテルボディと、先端部のところに配置された動作デバイスと、を備えることができる。注入システムを、カテーテルボディの基端部に対して流体連通させることができる。注入システムは、閉塞部材を備えることができ、この閉塞部材は、第1状態においては、ハウジングから離間し得るよう構成されるとともに、第2状態においては、ハウジングに対して注入システムを少なくとも部分的に固定し得るよう構成される。第2状態において閉塞部材がハウジングに対して係合した際には、注入システムは、ポンプに対して動作可能に係合されることができる。
【0014】
他の実施形態においては、流体導出入システムのための着脱可能なインターフェースが開示される。この着脱可能なインターフェースは、コンソールハウジングのインターフェース開口内に挿入され得るサイズおよび形状とされたインターフェースボディを備えることができる。電気的構成部材を、インターフェースボディ上に配置することができる。さらに、閉塞ベッドを、インターフェースボディ上に配置することができる。チューブセグメントを、閉塞ベッドの近傍においてインターフェースボディ上に配置することができる。インターフェースボディは、インターフェースボディがコンソールハウジングのインターフェース開口内に挿入されたときに、コンソールハウジング内のポンプがチューブセグメントおよび閉塞ベッドに対して動作可能に係合するような、なおかつ、コンソールハウジング内の電気的相互接続部材がインターフェースボディ上の電気的構成部材に対して電気的に接続されるような、寸法とすることができる。
【0015】
さらに他の実施形態においては、注入システムをコンソールハウジングに対して動作可能に連結するための方法が開示される。この方法においては、注入システムをコンソールハウジングのインターフェース開口内に配置することができる。インターフェースボディは、閉塞ベッドと、この閉塞ベッドの近傍においてインターフェースボディ上に設置されたチューブセグメントと、電気的構成部材と、を備えることができる。この方法においては、さらに、コンソールハウジングのポンプローラが閉塞ベッドに対してチューブセグメントを押圧するまで、なおかつ、コンソールハウジングの電気的相互接続部材がインターフェースボディの電気的構成部材に対して電気的に接続されるまで、インターフェースボディを、インターフェース開口を通して挿入することができる。
【0016】
他の実施形態においては、カテーテルアセンブリをプライミングするための方法が開示される。カテーテルアセンブリは、長尺ボディと、動作デバイスと、を備えることができる。この方法においては、カテーテルアセンブリの動作デバイスを、プライミング容器内へと、挿入することができる。この方法においては、さらに、プライミング容器の基端部を、長尺ボディの先端部に対して固定することができ、これにより、長尺ボディを、プライミング容器に対して流体連通させることができる。長尺ボディを通しておよびプライミング容器を通して流体を供給することができ、これにより、カテーテルアセンブリ内のエアを吐出させることができる。
【0017】
本発明の他の適用範囲や様々な利点は、添付図面を参照しつつ、以下の詳細な説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】左心室の支援のために解剖学的構造内の所定位置に配置されたカテーテルアセンブリの駆動デバイスを概略的に示す図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリを示す斜視図である。
【
図3A】コンソールとカテーテルアセンブリとを備えた流体導出入システムを示す斜視図である。
【
図3B】
図3Aに示すコンソールのインターフェース領域を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態において、インターフェース部材を示す斜視図である。
【
図5B】非ロック状態とされたインターフェース部材を示す斜視図である。
【
図5C】ロック状態とされたインターフェース部材を示す斜視図である。
【
図6A】本発明の一実施形態において、電気的構成部材の第1面を示す斜視図である。
【
図6B】
図6Aの電気的構成部材の反対側の第2面を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態において、注入システムを概略的に示す図である。
【
図8】
図2におけるプライミング装置を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
急性心不全を含む心臓ストレスを受けている患者を治療するのに有用な心臓ポンプの構成部材の様々な実施形態のより詳細な説明を以下に示す。
【0020】
本出願は、例えば経皮的心臓ポンプシステムのカテーテルアセンブリといったようなカテーテルアセンブリ内において、流体通路および電気通路を制御し得るよう構成されたおよび/または管理し得るよう構成された流体導出入システムに関するものである。特に、本発明における経皮的心臓ポンプシステムは、カテーテルアセンブリと、コンソールと、を備えることができる。コンソールは、カテーテルアセンブリ内を挿通した流体通路および電気通路を制御し得るよう構成されたコントローラを有している。本発明のいくつかの実施形態は、全体的に、カテーテルアセンブリをコンソールに対して連結して係合させるための様々な構成に関するものである。例えば、コンソールは、ポンプの流速を制御し得るよう構成し得るとともに、カテーテルアセンブリの様々な電気通路および流体通路を通して、様々な生理学的パラメータやポンプ性能を観測することができる。いくつかの構成においては、カテーテルアセンブリは、使い捨て可能なものとすることができる。すなわち、使用後には、カテーテルアセンブリを廃棄することができる。これに対し、コンソールおよびコントローラは、再使用可能なものとされる。再使用可能なコンソールと使い捨て可能なカテーテルアセンブリとを備えた実施形態においては(あるいは、実際、コンソールとカテーテルアセンブリとが連結可能とされているすべての実施形態においては)、カテーテルアセンブリとコンソールとの間に、カテーテルアセンブリとコンソールとの間の様々な流体連通および電気的接続を実行する実効的インターフェースを設けることが望ましい。
【0021】
特に、カテーテルアセンブリの基端部のところに、コンソールに対して着脱可能に係合可能とされたインターフェース部材を設けることが有利である。さらに、実用性を増強するために、また、連結を行うに際してのミスの発生を最小化するために、インターフェースを容易に使用し得るものとすることは、重要である。これにより、ユーザーは、使用前には、カテーテルアセンブリをコンソールに対して容易に連結し得るとともに、使用後には、コンソールからカテーテルアセンブリを容易に取り外すことができる。さらに、インターフェースを、カテーテルアセンブリのインターフェース部材とコンソールのインターフェース領域との間の連結を確実に行い得るものとすることは、重要である。これにより、処置時には、カテーテルアセンブリがコンソールに対してずっと連結されたままであることを、確保することができる。
【0022】
本明細書においては、カテーテルアセンブリの一例は、血液をポンピングすることで患者の心臓を支援し得るよう構成された動作デバイス(例えば、インペラーデバイス)を備えた経皮的心臓ポンプシステムにおいて、使用される。心臓ポンプシステムは、いくつかの実施形態においては、左心室の負荷を少なくとも一時的に補助し得るよう構成することができる。例示としての心臓ポンプは、大腿動脈を通して患者の心臓へと経皮的な導入を行い得るように構成することができる。特に、例示としてのインペラーアセンブリは、折り畳み可能なインペラーとカニューレとを備えることができる。インペラーアセンブリは、いくつかの構成においては、13FR未満というカテーテルサイズで、例えば12.5FRというカテーテルサイズで、患者の脈管系内へと挿入することができる。心臓にまでの患者の脈管系を通しての挿入時には、シースは、インペラーとカニューレとからなるアセンブリを、格納状態に維持することができる。インペラーアセンブリが、左心室(あるいは、患者の心臓の他のチャンバ)内に配置されたときには、インペラーおよびカニューレは、シースをインペラーアセンブリから取り外すことにより、例えば約24FRというカテーテルサイズへと、拡径させることができる。インペラーおよびカニューレの拡径された直径は、いくつかの実施形態においては、より大きな流速を生成することができる。
【0023】
例えば、
図1は、本発明におけるカテーテルポンプシステムの一使用事例を示している。インペラーアセンブリ116Aを備えていてもよい、ポンプの基端部は、心臓の左心室(LV)から大動脈に血液を送り込むためにLV内に留置される。ポンプは、心臓性ショック、心筋梗塞、および他の心臓状態を含む、様々な状態にある患者を治療し、また、経皮冠動脈インターベンションなどの処置で患者を補助するためにもこの方法で使用され得る。心臓内にポンプの基端部を留置する有利な一方法は、セルジンガー法または心臓専門医に馴染みのある他の方法を使用して経皮的アクセスおよびデリバリーを行うものである。これらのアプローチにより、救急医療、カテーテルラボ、および他の外科手術を行わない周囲環境においてポンプを使用することができる。修正により、ポンプで心臓の右側を補助することもできる。右側補助に使用することが可能な例示的な修正は、デリバリー特徴部を用意すること、および/または静脈側から少なくとも1つの心臓弁を通して留置される基端部を整形することを含み、これはそれらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている特許文献1~3などにおいて開示されている。
【0024】
図2には、カテーテルアセンブリ100Aが斜視図で示されている。カテーテルアセンブリ100Aは、上述した心臓ポンプシステムの使い捨て可能な部分に対応することができる。例えば、カテーテルアセンブリ100Aは、カテーテルアセンブリ100Aの先端部の近傍に位置したインペラーアセンブリ116Aと、このインペラーアセンブリ116Aから基端向きに延在する長尺ボディ174Aと、カテーテルアセンブリ100Aに対して注入剤を供給し得るよう構成された注入システム195と、被駆動アセンブリ101と駆動アセンブリ103とを有してなるモータアセンブリと、このモータアセンブリから基端向きに延在する1つまたは複数の導管302(例えば、電気的な導管、および/または、流体用の導管)と、導管302の基端部のところに連結されたインターフェース部材300と、を備えることができる。
【0025】
図2のカテーテルアセンブリ100Aの先端部から基端部まで移動して、インペラーアセンブリ116Aを、カテーテルアセンブリ100Aの先端部のところに配置することができる。上述したように、インペラーアセンブリ116Aは、拡張可能なカニューレすなわちハウジングと、1つまたは複数のブレードを有したインペラーと、を備えることができる。インペラーの回転により、血液を、基端向きに(あるいは、状況によっては、先端向きに)ポンピングすることができ、これにより、心臓支援デバイスとして機能することができる。プライミング装置1400を、インペラーアセンブリ116A上に配置することができる。
図7,8を参照して後述するように、プライミング装置1400は、カテーテルアセンブリの動作デバイスを患者内へと挿入する前に、カテーテルアセンブリ100Aからエアを排出するプロセスを促進し得るよう構成することができる。
【0026】
引き続き
図2を参照すると、長尺ボディ174Aは、インペラーアセンブリ116Aから、注入システム195まで、基端向きに、延在している。注入システム195は、注入剤をカテーテルアセンブリ100A内へと導入し得るとともに、廃棄流体をカテーテルアセンブリ100Aから導出し得るよう構成されている。カテーテルボディ120A(長尺ボディ174Aを挿通している)は、基端向きに延在しており、モータアセンブリの被駆動アセンブリ101に対して連結することができる。カテーテルボディ120Aは、長尺ボディ174A内を挿通することができる。これにより、長尺ボディ174Aは、カテーテルボディ120Aに対して相対的に、軸線方向に並進移動することができる。カテーテルボディ120Aに対しての長尺ボディ174Aの軸線方向並進移動により、インペラーアセンブリ116Aの拡張や折り畳みを行うことができる。例えば、カテーテルボディ120Aの先端部に連結されたインペラーアセンブリ116Aは、長尺ボディ174Aを、インペラーアセンブリ116Aに対して基端向きに移動させることにより、拡径状態へと移行させることができる。いくつかの実施形態においては、インペラーアセンブリ116Aは、拡径状態へと、自己拡張することができる。拡径状態においては、インペラーアセンブリ116Aは、大きな流速でもって血液をポンピングすることができる。処置の後には、インペラーアセンブリ116Aは、長尺ボディ174Aの先端部170Aを、インペラーアセンブリ116Aを超えた先端位置にまで前進させることにより、折り畳み状態へと圧縮することができる。これにより、インペラーアセンブリ116Aを折り畳み状態とすることができる。
【0027】
上述したように、カテーテルボディ120Aは、モータアセンブリの被駆動アセンブリ101に対して連結することができる。被駆動アセンブリ101は、駆動アセンブリ103によって印加されたトルクを受領し得るよう構成することができる。駆動アセンブリ103は、
図2においては、被駆動アセンブリ101およびカテーテルアセンブリ100Aとは非連結の態様で図示されている。駆動アセンブリ103は、被駆動アセンブリ101に対して、駆動アセンブリ103に対して被駆動アセンブリ101の基端部を係合させることによって、例えば、駆動アセンブリ103の開口105内に被駆動アセンブリ101の基端部を挿入することによって、連結することができる。
【0028】
図2には図示していないけれども、駆動シャフトが、被駆動アセンブリ101からカテーテルボディ120Aを通して延在することができる。これにより、駆動シャフトを、インペラーアセンブリ116Aのところにおいてあるいはインペラーアセンブリ116Aよりも基端側において、インペラーシャフトに対して連結することができる。駆動アセンブリ103は、コンソール(例えば、
図3A,3Bを参照することができる)内のコントローラに対して、電気的に連通することができる。コントローラは、モータアセンブリの動作を制御し得るとともに、カテーテルアセンブリ100A内へと注入剤を供給する注入システム195の動作を制御することができる。よって、インペラーアセンブリ116Aのインペラーは、様々な実施形態におけるカテーテルポンプの動作時には、モータアセンブリによって遠隔的に回転駆動されることができる。例えば、モータアセンブリは、患者の体外に配置され得る。いくつかの実施形態において、モータアセンブリは、コントローラまたはコンソールから隔てられ、例えば患者により近い位置に留置される。他の実施形態では、モータアセンブリは、コントローラの一部とされる。さらに他の実施形態では、モータアセンブリは、患者体内に挿入可能なように小型化される。このような実施形態では、駆動シャフトをかなり短く、例えば、大動脈弁から大動脈弓までの距離より短く(約5cm以下に)することができる。小型化されたモータを使用するカテーテルポンプおよび関連構成部材および方法のいくつかの例は、それらの全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている特許文献4~7で説明されている。
【0029】
図2に示すように、モータアセンブリ(例えば、駆動アセンブリ103、および、被駆動アセンブリ101)は、電気配線を有し得る導管302を介して、コントローラおよびコンソールに対して、電気的に接続されている。特に、
図2に示すように、電気配線は、モータアセンブリから基端向きにインターフェース部材300にまで、延在することができる。コンソール内のコントローラを、モータアセンブリに対しておよび/またはカテーテルアセンブリ100A内の他のセンサ(例えば、圧力センサ、流量センサ、温度センサ、バブル検出器、等)に対して電気的に接続することを可能とし得るよう、有利には、インターフェース部材300とコンソールとの間に信頼性の高い電気的接続を設けることができる。したがって、様々な実施形態においては、着脱可能なインターフェース部材300は、コンソール内の1つまたは複数の電気的コンタクト(本明細書では、時に、相互接続と称される)に対して接続され得るよう構成された電気的構成部材を備えることができる。電気的接続は、単純な、ユーザーフレンドリーな態様で行うことができる。本発明の様々な実施形態においては、例えば、電気的接続は、インターフェース部材300とコンソールとの間において、流体連結が形成されるのと実質的に同時に形成することができる。これにより、ポンプシステムの動作の複雑さを低減させた構成を提供することができ、これにより、生命に関わるような緊急時にポンプを使用する場合でも、設定時のエラーの発生や遅延の発生を低減させることができる。
【0030】
インペラーアセンブリ116A内においてインペラーを回転可能に支持するための機械的構成部材は、高回転速度となるにつれて発生するような熱および粒子の生成を制御しつつ、高回転速度を可能とする。注入システム195は、この目的のために、カテーテルアセンブリ100Aの先端部に対して、冷却溶液および潤滑溶液を供給することができる。
図2に示すように、注入システム195は、流体用の導管すなわちチューブを有し得る導管302を介して、インターフェース部材300に対して流体連通することができる。カテーテルアセンブリ100Aを、使い捨て可能なものとし得ることにより、および/または、コンソールから着脱可能なものとし得ることにより、インターフェース部材300をコンソールに対して安定的に連結することが重要である。さらに、処置時に安定的なままであるような流体連結をユーザーが容易に形成し得るよう、使用が容易であるインターフェースとすることが重要である。連結を安定的に維持することは、導管302によって運ばれる流体および信号がインペラーの連続的な動作を可能としていることのために、重要である。状況によっては、ポンプシステムが停止した場合には、カテーテルアセンブリ100Aを患者から取り外して、交換する必要がある。このような状況は、生命に関わりかねず、少なくとも極めて不利なものである。
【0031】
動作時には、カテーテルポンプシステムは、心臓から出て患者の脈管系を通る血液の流れを効果的に増大させることができる。本明細書で開示されている様々な実施形態において、ポンプは、最大流量(例えば、低いmmHg)として、4Lpmより大きい、4.5Lpmより大きい、5Lpmより大きい、5.5Lpmより大きい、6Lpmより大きい、6.5Lpmより大きい、7Lpmより大きい、7.5Lpmより大きい、8Lpmより大きい、9Lpmより大きい、または10Lpmよりも大きい流量を発生するように構成され得る。様々な実施形態において、ポンプは、62mmHgという圧力ヘッドにおける平均流量として、2Lpmより大きい、2.5Lpmより大きい、3Lpmより大きい、3.5Lpmより大きい、4Lpmより大きい、4.25Lpmより大きい、4.5Lpmより大きい、5Lpmより大きい、5.5Lpmより大きい、または6Lpmより大きい流量を発生するように構成され得る。
【0032】
ポンプおよび関連構成部材の様々な追加態様は、その全体の内容があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている特許文献8~17で開示されているものに類似する。それに加えて、本出願には、参照により、またあらゆる目的のために、以下の同時に提出された出願のそれぞれにおいて開示されている主題全体が組み込まれる。
特許文献18:米国特許出願第13/802,556号:2013年3月13日出願、整理番号THOR.072Aに対応、名称「DISTAL BEARING SUPPORT」;
特許文献19:米国特許出願第13/801,833号:2013年3月13日出願、整理番号THOR.089Aに対応、名称「SHEATH SYSTEM FOR CATHETER PUMP」;
特許文献20:米国特許出願第13/802,570号:2013年3月13日出願、整理番号THOR.090Aに対応、名称「IMPELLER FOR CATHETER PUMP」;
特許文献21:出願第13/801,528号:2013年3月13日出願、整理番号THOR.092Aに対応、名称「CATHETER PUMP」;
特許文献22:米国特許出願第13/802,468号:2013年3月13日出願、整理番号THOR.093Aに対応、名称「MOTOR ASSEMBLY FOR CATHETER PUMP」
【0033】
流体導出入システム
図3Aは、流体導出入システム350を示す斜視図である。流体導出入システム350は、コンソール301と、
図2のカテーテルアセンブリ100Aと、を備えている。コンソール301は、インターフェース部材300を介して、電力と、制御信号と、注入のための医療用流体(例えば、生理的食塩水)と、を提供することができるとともに、カテーテルアセンブリ100Aからの廃棄流体の抽出を行うことができる。よって、有利には、複数の流体連結を、単一のインターフェースを使用して、行うことができる。
図2に示すように、例えば、着脱可能なインターフェース部材300は、カテーテルアセンブリ100Aの基端部のところに配置することができ、インターフェース領域303のところにおいてコンソール301に対して連結し得るよう構成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態においては、流体導出入システム350は、カテーテルアセンブリ100Aに対して流体を供給し得るよう構成することができるとともに、カテーテルアセンブリ100Aから流体を抽出し得るよう構成することができる。上述したように、また、ここに組み込まれた特許文献に開示されているように、生理的食塩水および/または他の医療用溶液は、モータアセンブリと動作デバイスとの間の構成部材を潤滑したり冷却したりすることができる。要望によっては、流体導出入システム350を使用して、カテーテルアセンブリ100Aから廃棄流体を除去することができる。いくつかの実施形態においては、流体導出入システム350は、基端と先端とを有した複数管腔カテーテルボディを有することができる。カテーテルボディは、1つまたは複数の管腔を有することができ、それら管腔を通して、医療用溶液(例えば、生理的食塩水)や、廃棄流体や、血液を、流すことができる。カテーテルアセンブリ100Aを通して(例えば、カテーテルアセンブリ100A内へと、あるいは、カテーテルアセンブリ100Aから)流体を駆動するために、コンソール301は、カテーテルアセンブリ100Aがコンソール301に対して連結されてポンプに対して係合されたときに、カテーテルアセンブリ100Aに対して正圧または負圧を印加し得るよう構成された1つまたは複数のポンプを備えることができる。
【0035】
加えて、流体導出入システム350は、また、コンソール301とカテーテルアセンブリ100Aとの間の電気接続を提供し得るよう構成することができる。例えば、コンソールは、モータアセンブリの動作を制御および/または管理し得るようプログラムされたコントローラ(例えば、プロセッサ)を備えることができる。コンソール301は、さらに、モータアセンブリに対して、および/または、インターフェース部材300がコンソール301に対して連結された際に電力によって駆動される他の構成部材に対して、電力を供給し得るよう構成された電気的インターフェースを備えることができる。さらに、1つまたは複数の電気的なあるいは電子的なセンサを、カテーテルアセンブリ100A内に設けることができ、これらセンサを、流体導出入システム350を介して、コンソール301に対して電気的に接続することができる。よって、本発明による様々な実施形態は、カテーテルアセンブリ100Aとコンソール301との間にわたっての、流体連結と電気的接続とを提供することができる。
【0036】
上述したように、流体導出入システム350は、カテーテルアセンブリ100Aとコンソール301との間に、着脱可能なインターフェースを提供することができる。流体導出入システム350は、例えば1つまたは複数のポンプやプロセッサ(例えば、コントローラ)や電気的相互接続等といったような様々な構成部材を備えることができる。例えば、コンソール301内の1つまたは複数のポンプを活性化するために、および/または、コンソール301とインターフェース部材300との間の1つまたは複数の電気的接続を係合させるために、ユーザーは、単に、インターフェース部材300の先端部(例えば、閉塞部材を含む)を、図示のZ方向に沿って、ポンプが活性化されるまでまた電気的接続が形成されるまで、インターフェース領域303の開口304内へと、挿入するだけでよい。いくつかの見地においては、Z方向に沿ったインターフェース部材の挿入は、ポンプの連結と電気的な接続とを実質的に同時に達成することができる。
【0037】
いくつかの実施形態においては、インターフェース部材300は、インターフェース領域303とインターフェースとの間にロックデバイスを係合させることによって、コンソール301に対して固定することができる。ロックデバイスを係合させるための1つの簡便な方法は、インターフェース部材300の一部分を、後述するようにして、インターフェース部材の他の部分に対して、あるいは、コンソール301に対して、回転させることである。例えば、最も外側の構造(Zで示す向きとは反対側の構造)であって、時に「キャップ」と称される構造を、コンソールに対して回転させることにより、インターフェース部材300をコンソール301に対して機械的に固定し得るよう構成されたロック機構を係合させることができる。これにより、処置時に、インターフェース部材300が偶発的に外れてしまうことを防止することができる。
【0038】
コンソール301は、さらに、ユーザーインターフェース312を備えることができる。ユーザーインターフェース312は、ディスプレイデバイス、および/または、タッチスクリーンディスプレイを備えることができる。ユーザーは、ユーザーインターフェース312に対して相互作用することにより、経皮的心臓ポンプシステムを駆動することができ、例えば所望の流速や他の処理パラメータといったようなものを選択することができる。ユーザーは、また、ユーザーインターフェース312上において、処置の特性を観測することもできる。
【0039】
図3Bは、
図3Aに示すコンソール301のインターフェース領域303を示す斜視図である。インターフェース領域303は、インターフェース部材300の先端部を受領し得るよう構成された開口304を備えることができる。開口304は、インターフェース部材300の一部を受領し得る形状およびサイズとされた全体的に円形のキャビティを備えることができる。バブル検出器308(例えば、いくつかの実施形態においては、光学的センサ)を、開口304の背面壁のところに配置することができる。バブル検出器308は、2つの壁によって形成された凹所であるとともに、チューブの一セグメントを受領し得るサイズおよび形状とされた凹所を備えることができる。そのチューブを通して流体が流れたときには(例えば、
図4におけるバブル検出器チューブセグメント326を参照することができる)、バブル検出器308は、流体を観測することができ、これにより、流体が望ましくない物質を含有しているかどうかを、例えば、流体がエアバブルやあるいは他のガスバブルを含有しているかどうかを、決定することができる。いくつかの実施形態においては、バブル検出器308は、チューブセグメントを通して流れる流体内のバブルの量(数、あるいは、容積)を測定することができる。患者内に塞栓を誘起することを防止するために、処理流体内のバブルを検出することが重要であることは、理解されるであろう。バブル検出器308は、コンソール301内のコントローラに対して電気的に接続することができ、処理流体内のバブルの量を表示することができる。処理流体内にバブルが存在する場合には、コンソール301は、ユーザーに対して警告を発することができる。
【0040】
インターフェース領域303は、また、いくつかの実施形態においては、1つまたは複数のポンプを、例えば、1つまたは複数の蠕動ポンプを、備えることができる。蠕動ポンプを使用することにより、カテーテルアセンブリ100A内へと、あるいは、カテーテルアセンブリ100Aから、流体をポンピングすることができる。これにより、医療用流体を供給したり、廃棄流体を抽出したり、することができる。そのようなポンプは、1つまたは複数のローラ306を使用することができ、これにより、それぞれのチューブ(例えば、
図4におけるポンプチューブセグメント324a,324bを参照することができる)内への流体の供給を制御することができる。例えば、1つまたは複数のポンプローラ306は、コンソール301内に収容することができる。図示のように、2つのポンプローラ306は、開口304の背面壁のところに、それぞれの回転軸線(例えば、
図3Bに図示されたY方向)まわりに取り付けられる。ポンプローラ306は、コンソール内の蠕動ポンプモータによって、回転駆動することができる(
図3A,3Bには図示されていない)。
図4を参照して詳細に後述するように、ローラ306は、ポンプチューブセグメント324a,324bに対して係合することができ、これにより、カテーテルアセンブリ100A内へとあるいはカテーテルアセンブリ100Aから流体をポンピングすることができる。ポンプローラ306は、インターフェース部材300の閉塞ベッド領域(例えば、
図4における閉塞ベッド322a,322bを参照することができる)内に受領され得るよう構成することができる。これにより、カテーテルアセンブリ100Aを通して流体をポンピングすることができる。
【0041】
電気的相互接続307を、また、開口304の背面壁に設けることができる。電気的相互接続307は、モータアセンブリに対して、電力を、および/または、電気信号または指示を、提供し得るよう構成することができる。これにより、モータアセンブリの動作を制御することができる。電気的相互接続307は、また、圧力や流速やおよび/またはカテーテルアセンブリ100A内の1つまたは複数の構成部材の温度に関してのセンサ読取値を表す電気信号を受領し得るよう構成することができる。凹所チャネル309は、開口304の底部から、側面に沿って、コンソール301の下エッジにまで、延在することができる。凹所チャネル309は、インターフェース部材300とモータアセンブリとの間にわたって延在する1つまたは複数の導管302(例えば、電気的導管、および/または、流体用導管)を受領し得る形状およびサイズとすることができる。一実施形態においては、インターフェース部材300がインターフェース開口304内に配置されたときには、すべての導管302をチャネル309内に受領することができ、これにより、側面を面一なものとすることができる。
【0042】
加えて、インターフェース部材300が、コンソール301内に制御可能に固定されることが重要である。これにより、ユーザーがインターフェース部材300をコンソール301に対して取り付けたり取り外したりするときにのみ、インターフェース部材300を、取り付けたり取り外したりすることができる。例えば、
図5A~5Cを参照して詳細に後述するように、インターフェース領域303は、グルーブ313を備えることができる。グルーブ313は、インターフェース部材300上のロック機構(例えば、X方向に突出したタブあるいはフランジ)を受領し得るサイズおよび形状とすることができる。一実施形態においては、係合解除部材305は、スプリングを搭載した解放機構310を備えている。スプリングを搭載した解放機構310は、開口304の上方に、および、インターフェース部材300(例えば、
図5A~5Cの図示、および、関連する後述の記載を参照することができる)の孔内に挿入し得るピン311の上方に、配置されている。
図5A~5Cを参照して後述するように、ピン311は、インターフェース部材300をコンソール301から解放することを支援することができる。スプリングを搭載した解放機構310を押圧することにより、ピン311を解放することができ、コンソール301からインターフェース部材300をロック解除することができる。したがって、スプリングを搭載した解放機構310は、さらなる安全機構として機能することができる。これにより、ユーザーによってカセットが偶発的に係合解除されることを防止することができる。
【0043】
着脱可能なインターフェース部材
図4は、本発明の一実施形態によるインターフェース部材300を示す斜視図である。インターフェース部材300は、コンソール301のインターフェース領域303内に適合し得る形状およびサイズとされたボディを備えることができる。
図4に示すように、インターフェース部材300は、実質的に円形のプロファイルを有することができ、時に、パックと称される。いくつかの実施形態においては、インターフェース部材300は、手動インターフェース320に対して動作可能に連結された外側ボディ333を備えることができる。手動インターフェース320は、時に、キャップと称される。手動インターフェース320は、全体的に、手のひらサイズとされている。これにより、ユーザーは、その手の中に受領することができ、例えばキャップの外側リム上へと指で圧力を印加することによって、快適に動作させることができる。1つまたは複数の閉塞ベッドを、インターフェース部材300とコンソール301との間の境界部分に、例えばインターフェース部材300内にあるいはインターフェース部材300上に、形成するあるいは設けることができる。例えば、第1および第2の閉塞ベッド322a,322bを、インターフェース部材300内に形成することができる。
図4に示すように、例えば、閉塞ベッド322a,322bは、インターフェース部材300内に形成された円弧形状の凹所領域を備えることができる。
【0044】
インターフェース部材300は、さらに、インターフェース部材300内に形成された閉塞ベッド322a,322bに沿って配置された第1および第2のポンプチューブセグメント324a,324bを備えることができる。インターフェース部材300がコンソール301内に配置されたときには、ポンプローラ306は、インターフェース部材300に対して係合することができる。これにより、閉塞ベッド322a,322bに対してチューブセグメント324a,324bを圧縮することができる。コンソール301内のポンプモータローラ306を回転駆動したときには、流体は、チューブセグメント324a,324bの非圧縮部分内を流れ、カテーテルアセンブリ100A内を通して流れ続ける。例えば、チューブセグメント324a,324bを圧縮することにより、流体を、インターフェース部材300からモータアセンブリへと延在するさらにモータアセンブリを超えて延在する導管302を介して、カテーテルアセンブリ100A内へとまたカテーテルアセンブリ100Aからポンピングすることができる。
【0045】
蠕動ポンプのための許容誤差をかなり厳しいものとし得ることにより、インターフェース部材300のボディ(例えば、外側ボディ333、および/または、例えば
図5B~5Cに図示された内側ボディ339といったような内側ボディ)は、正確な許容誤差でもって形成することができる(例えば、いくつかの実施態様においては、一体構造からモールド成型される)。これにより、インターフェース部材300がコンソール301内に挿入されたときには、ポンプローラ306は、正確にかつ自動的に、セグメント324a,324bに対しておよび閉塞ベッド322a,322bに対して、係合する。これにより、チューブセグメント324a,324bを信頼性高く閉塞することができ、カテーテルアセンブリ100Aを通して流体をポンピングすることができる。よって、インターフェース部材300が、インターフェース領域303内へと十分に奥深くまで挿入されたときには、コンソール301内のポンプは、インターフェース部材300に対して自動的に係合することができる。
【0046】
例えば、ローラ306と閉塞ベッド322a,322bとの間のギャップは、いくつかの構成においては、チューブセグメント324a,324bの2壁厚さと比較して、より小さなものとすることができる。これにより、チューブ324a,324bを、効果的に閉塞することができる。インターフェース部材300の正確な許容誤差のために、ポンプは、インターフェース部材300をコンソール301内へと単に挿入することによって、係合することができる。いくつかの実施形態においては、ポンプを個別的に起動する必要はない。インターフェース部材300の寸法は、インターフェース部材300のコンソール301内への挿入時に閉塞ベッド322a,322bがそれぞれのポンプローラ306に対して自動的に係合するように、選択することができる。
【0047】
上記の構成は、様々な利点を提供する。本明細書により当業者であれば理解されるように、インターフェース部材300およびインターフェース領域303は、1つまたは複数のローラ306に対してのチューブセグメントの使用が容易なかつ迅速な連結を提供する。さらに、構成部材は、容易にかつ安価に製造することができる。なぜなら、ただ1つの構成部材だけしか厳しい許容誤差を必要としないからであり、また、インターフェース領域303に対してのインターフェース部材300の境界部分が、自己軸合わせされるからである。境界部分は、第2機構を使用してあるいは操作者ステップによってポンプに対して係合する必要性を除去し、心臓ポンプの操作を簡略化して、コンソール301に対してのカテーテルアセンブリ100Aの係合を単純化する。また、コンソール301がローラによってIVポール上に取り付けられる態様においては、あるいは、コンソール301が他のタイプの軽量カート上に取り付けられる態様においては、例えば、本発明による単純化された係合機構を、有利なものとすることができる。なぜなら、ポールに対して最小限に印加された力しか必要としないからである。これにより、ポンプが係合される際に、ポールが回転したり曲がったりすることが防止される。
【0048】
ポンプチューブセグメント324a,324bは、それぞれ対応する閉塞ベッド322a,322bの近傍であるいはそれぞれ対応する閉塞ベッド322a,322b内で、インターフェース部材300上に取り付けることができる。図示のように、第1および第2のポンプチューブセグメント324a,324bは、上述したように、コンソール301内でポンプローラ306に対して係合し得るよう構成することができる。第1および第2のポンプチューブセグメント324a,324bは、円弧形状を有することができる(本発明の様々な構成においては、予成形されたものとすることができる)。そのような円弧形状は、それぞれ対応する閉塞ベッド322a,322bの湾曲形状に対して、全体的に適合する。よって、コンソール301内におけるポンプローラ306は、閉塞ベッド322a,322b内に配置することができる。これにより、閉塞ベッド322a,322bの壁に対して、ポンプチューブセグメント324a,324bを圧縮することができる。加えて、バブル検出器チューブセグメント326を、また、インターフェース部材300内にあるいはインターフェース部材300上に取り付けることができ、
図3Bに示すように、バブル検出器308に対して係合し得るよう構成することができるあるいはバブル検出器308に対して隣接して配置し得るよう構成することができる。バブル検出器チューブセグメント326は、任意の適切な形状とすることができる。図示のように、バブル検出器チューブセグメントは、実質的に直線形状とすることができ、バブル検出器308によってコンソール301内に受領され得るサイズおよび形状とすることができる。
図3A~3Bを参照して上述したように、バブル検出器308(光学的センサとすることができる)を使用することにより、患者に対して供給される処理流体または潤滑流体内におけるエアバブルの存在を検出することができる。
【0049】
ポンプチューブセグメントは、例えばカテーテルボディの1つまたは複数の管腔を含めたカテーテルアセンブリ100Aの残部に対して、導管302を介して、流体的に連結することができる。したがって、動作時には、着脱可能なインターフェース部材300は、制御されたシステム内において、流体を、患者内へとまたは患者からポンピングすることができる。これにより、例えば、流体に関する滅菌環境を維持しつつ、カテーテルアセンブリ100A内の流体をポンピングすることができる。実施態様に応じて、カテーテルボディ内へと導入される医療溶液の量は、カテーテルボディから導出される医療溶液の量と比較して、同じとすることができる、あるいは、最少量だけ多いものとすることができる。これにより、心臓ポンプの血液フリー部分内へと血液が流入することを防止することができる。
【0050】
加えて、1つまたは複数の電気的コンタクト328を、インターフェース部材300内に設けることができる。電気的コンタクト328は、コンソール301とカテーテルアセンブリ100A(例えば、モータアセンブリ、および/または、任意の適切なセンサ)との間にわたって電気信号を伝達し得るよう構成された任意の適切な電気的インターフェースとすることができる。例えば、電気的コンタクト328は、コンソール301内に配置された電気的相互接続307に対して電気的に接続し得るよう構成することができる。電気的コンタクト328と電気的相互接続307との間の電気接続を介して、電気的制御信号および/または電力を、コンソール301とカテーテルアセンブリ100Aとの間にわたって伝達することができる。有利には、電気的コンタクト328と電気的相互接続307との間の電気接続は、インターフェース部材300をコンソール301のインターフェース領域303内へと挿入した時点で、形成することができるすなわち完了させることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、電気的コンタクト328と電気的相互接続307との間の電気接続は、インターフェース部材300をインターフェース領域303内へと挿入した時点で、流体連結(例えば、ポンプの係合)と実質的に同時に形成することができる。いくつかの見地においては、例えば、電気接続は、電気的コンタクト328からの複数の電気的ピンを、コンソール301の電気的相互接続307のそれぞれ対応する孔内へと挿入することによって、形成することができる。あるいはこの逆に、電気接続は、コンソール301の電気的相互接続307からの複数の電気的ピンを、電気的コンタクト328のそれぞれ対応する孔内へと挿入することによって、形成することができる。
【0051】
また、
図4に示すように、手動インターフェース320を、外側ボディ333の基端部に対して機械的に連結することができ、
図5A~5Cを参照して後述するように、制限された態様でもって、外側ボディ333に対して相対的に回転させ得るよう構成することができる。例えば、外側ボディ333は、1つまたは複数のロック開口331を有することができる。1つまたは複数のロック開口331は、手動インターフェース320をコンソール301に対してロックし得るよう構成されたロックタブ332を受領し得るよう構成される。さらに、
図5A~5Cを参照して後述するように、外側ボディ333は、
図3Bに図示されたピン311を受領し得るサイズおよび形状とされたピン孔321を備えることができる。
【0052】
本明細書により、ポンプローラや閉塞ベッドやチューブの構成を、本発明の用途に応じて修正し得ることは、理解されるであろう。例えば、本発明の構成は、サービスおよび修理のためのアクセスを容易なものとし得るように、修正することができる。様々な実施形態においては、ポンプローラは、コンソールの外部に配置することができる。様々な実施形態においては、ポンプローラと閉塞ベッドとの双方を、カセット内に配置することができる。様々な実施形態においては、コンソールは、カセット内のポンプローラを起動するための機構を備えている。様々な実施形態においては、ポンプローラは、固定することができる。様々な実施形態においては、ポンプローラは、回転駆動し得るように、あるいは、並進駆動し得るように、あるいは、これらの双方と、することができる。ポンプローラと閉塞ベッドとの一方または双方を、移動可能とされたベース上に配置することができる。いくつかの実施形態においては、コンソールとカセットとの間の境界部分は、患者の脈管系内へと流体(例えば、生理的食塩水)をポンピングするための正圧インターフェースを有することができる、また、患者の脈管系から流体(例えば、廃棄流体)をポンピングするための負圧インターフェースを有することができる。
【0053】
ロック機構
上述したように、インターフェース部材300は、有利には、コンソール301のハウジング内の対応形状開口304内へとインターフェース部材300を単に挿入することによって、コンソール301に対して完全に係合することができる。インターフェース部材300を、コンソールのインターフェース領域303の背面壁に対して近接させた際には、例えば、インターフェース部材300を開口304内へと挿入した際には、流体の導出入と電気接続とを行うことができ、システム350を動作可能とすることができる。インターフェース部材300内のロック機構は、追加的な固定特性のために設けることができる。追加的な固定特性は、患者の輸送に際しておよび他の動的設定に際して、特に有効なものとすることができる。例えば、処置の全体にわたってカテーテルアセンブリ100Aがコンソール301に対して固定されていることが望ましい。これにより、コンソール301からインターフェース部材300が偶発的に係合解除されることがなく、処置が妨害されることがない。
【0054】
一実施形態においては、ロック機構は、コンソール301とインターフェース部材300との間に配置することができ、アクチュエータの最小の移動によって係合され得るように構成することができる。例えば、手動インターフェース320は、コンソール301に対しての手動インターフェース320の少しの回転量でもってロックデバイスの係合を引き起こし得るように構成することができる。
【0055】
図5Aは、手動インターフェース320を示す斜視図である。
図5Aに示すように、手動インターフェース320は、内部カム335を有することができるあるいは内部カム335に対して連結することができる。内部カム335は、例えばローブ336a,336bといったような1つまたは複数の突出ローブを有することができる。さらに、内部カム335は、ローブ336a,336bに対して内方に凹んだ凹所領域337を有することができる。内部カム335は、さらに、段付き領域338を有することができる。段付き領域338により、後述するように、インターフェース部材300を、コンソール301に対してロックし得るとともに、コンソール301からロック解除することができる。
【0056】
図5Bは、ロック解除位置においてインターフェース部材300Aを示す斜視図であり、
図5Cは、ロック状態においてインターフェース部材300Bを示す斜視図である。
図5Bのインターフェース部材300Aおよび
図5Cのインターフェース部材300Bにおいては、外側ボディ333の図示が、図示の明瞭化の目的のために、省略されていることは、理解されるであろう。特に断らない限り、
図5B,5Cにおける構成部材は、
図4に図示した構成部材と同じあるいは同様である。
図5B,5Cに示すように、インターフェース部材300A,300Bは、
図4に示す外側ボディ333内に配置され得る内側ボディ339を備えることができる。閉塞ベッド322a,322bは、
図5B,5Cに示すように、インターフェース部材300A,300Bの内側ボディ339内に形成することができる。しかしながら、他の構成においては、閉塞ベッド322a,322bは、外側ボディ333内に形成することができる、あるいは、インターフェース部材300A,300Bの他の部分内に形成することができる。加えて、
図5A,5Bに示すように、電気的構成部材340を、内側ボディ339の凹所内に、あるいは、内側ボディ339の他の部分内に、配置することができる。電気的構成部材340に関する追加的な詳細は、
図6A,6Bを参照して後述する。
【0057】
インターフェース部材300A,300Bの内側ボディ339は、さらに、突起330を備えることができる。突起330は、その先端のところに、タブ332を有している。インターフェース部材300Aが、非ロック状態とされたときには、突起330は、手動インターフェース320のカム335の凹所337内にあるいは凹所337の近傍に、位置することができる。したがって、
図5Bに示すように、インターフェース部材300Aが非ロック状態とされたときには、カム335は、突起330に対して接触することができず突起330に対して力を印加することができない。
【0058】
しかしながら、インターフェース部材300をコンソール301内に挿入した後には、手動インターフェース320を内側ボディ339に対しておよびコンソール301に対して相対的に回転させることにより、例えば
図5Bにおける矢印Aの向きに回転させることにより、インターフェース部材300を所定位置にロックすることができる。手動インターフェース320を回転させたときには、インターフェース部材300A,300B内において内部カム335も一緒に回転する。カムが回転した後には、カム335のローブ336a,336bは、内側ボディ339の1つまたは複数の突起330に対して係合することができ、突起330を、内側ボディ339に対して外側へと押すことができる。一実施形態においては、タブ332が、外側ボディ333上に形成されたロック開口331を通して外向きに延出することができる。タブ332が、ロック開口331を通して押し込まれたときには、タブ332は、外側ボディ333から横方向外向きに突出する。この状態において、いくつかの実施形態においては、複数のタブ332の各々を、コンソール301のグルーブ313(
図3Bを参照することができる)内にロックすることができ、これにより、インターフェース部材300Bをコンソール301に対して固定することができる。よって、非ロック状態においては、タブ332は、インターフェース部材300Aの外表面に対して実質的に面一とすることができ、また、ロック状態においては、タブ332は、ロック開口331を通して延出することができて、コンソール301のグルーブ313内におけるロックされることができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、突起330は、内側ボディ339から片持ち式に突出することができる。上述したように、インターフェース部材300をコンソール301に対して係合させた際に、インターフェース部材に形成された閉塞ベッド322a,322bとポンプローラ306との間の許容誤差を厳しいものに維持することが重要である。閉塞ベッド322a,322bを、片持ち式の突起330と同じボディ内に形成し得ることにより、例えば成型プロセスといったような従来的製造プロセスを使用することにより、インターフェース部材300(例えば、外側ボディ333、および/または、内側ボディ339)を、厳密な寸法で製造することができる。よって、突起330と、タブ332と、閉塞ベッド322a,322bとは、厳しい寸法誤差の範囲内で形成することができ、タブ332および/または突起330を、非常に良好な精度でもって、閉塞ベッド322a,322bに対して配置することができる。これにより、インターフェース部材300をコンソール301に対して係合させた際には、ポンプチューブセグメント324a,324bを、最適に閉塞することができる。さらに、インターフェース部材300は、コンソール301に対して最小の力を印加するだけで、インターフェース部材300上において手動インターフェース320を回転させることにより、ロックすることができる。このことは、システムを連結し得るモバイルカートやIVポールの破損を最小化するという利点を、増強する。
【0060】
係合解除機構
また、コンソール301からインターフェース部材300を係合解除し得るよう構成された係合解除機構を設けることが重要である。
図3B,4,5B,5Cに示すように、コンソール301の係合解除機構305は、コンソール301からインターフェース部材300を係合解除して非ロック状態とし得るよう構成することができる。例えば、ピン311は、スプリング付勢されたものとすることができる。これにより、インターフェース部材300Aが非ロック状態とされたときには、ピン311は、外側ボディ333のピン孔321を通して延在し、カム335の複数のローブ336のうちの1つのローブの側面に対して接触するのみである。よって、インターフェース部材300Aの非ロック状態においては、ピン311は、カム表面に沿って単にスライドすることができる。これにより、ピン311およびコンソール301に対して相対的に手動インターフェース320を回転させることができる。
【0061】
しかしながら、
図3B,5Cに示すように、インターフェース部材300Bがロック状態へと回転された後には、ピン311は、内部カム335の段付き領域338に対して係合することができる。例えば、スプリング付勢されたピン311は、カム335の段付き領域338内へとあるいはカム335の肩部内へと延出されることができる。段付き領域338に対して係合することにより、ピン311は、カム335がロック状態から非ロック状態へと回転することを防止する。ユーザーは、スプリング付勢された係合解除機構310を押圧することにより、カセットを係合解除することができる。これにより、スプリングを解除して、段付き領域338からピン311を取り外すことができる。これにより、ピン311を、段付き領域338から係合解除することができ、内部カム335を、非ロック状態へと戻り回転させることができる。カム335が、非ロック状態へと戻り移動したときには、タブ332は、コンソール301のグルーブ313から離脱させることができる。
【0062】
電気的相互接続、構成部材、および、ケーブル
図6Aは、
図4に示す電気的構成部材340の第1面を示す斜視図である。
図6Bは、
図6Aの電気的構成部材340の反対側の第2面を示す斜視図である。
図5B,5Cに示すように、電気的構成部材340は、インターフェース部材300の凹所内に配置することができる。電気的構成部材340は、例えばプリント回路基板(PCB)といったような任意の適切な電気的なまたは電子的な構成部材とすることができ、カテーテルアセンブリ100A内の様々な構成部材とコンソール301との間の電気的インターフェースを提供し得るよう構成されている。上述したように、電気的構成部材340は、インターフェース部材300とコンソール301との間の電気的インターフェースを形成することができる。これにより、コンソール301とカテーテルアセンブリ100A(例えば、モータアセンブリ、および/または、様々なセンサ)との間の電気通信を提供することができる。
【0063】
例えば、インターフェース部材300の電気的構成部材340は、コンソール301の対応する電気的相互接続307に対して係合し得るよう構成された1つまたは複数の電気的コンタクト328を備えることができる。電気的コンタクト328および/または電気的相互接続307は、例えば、9個のピンからなる電気的相互接続とすることができる。しかしながら、任意の適切な相互接続を使用することができる。カテーテルポンプの動作デバイス(例えば、インペラー)を駆動するモータアセンブリは、1つまたは複数の電気的ケーブルを介して、例えば導管302を介して、インターフェース部材300に対して電気的に接続することができる。また、コンソール301は、電源に対して接続することができる。電源は、インターフェース部材のコンタクト328を介して、および、インターフェース部材300をモータアセンブリに対して接続する電気的導管302を介して、カテーテルポンプのモータアセンブリを駆動することができる。電気的構成部材340は、また、コンソール301と、カテーテルポンプのモータアセンブリあるいはカテーテルアセンブリ100Aの他の部分と、の間において電気信号を中継し得るよう構成された通信相互接続を備えることができる。例えば、コンソール301内の(あるいは、インターフェース部材内の)コントローラは、コンソール301とインターフェース部材300との間の電気的構成部材340を介して、カテーテルポンプのモータアセンブリに対して、指示を送信することができる。いくつかの実施形態においては、電気的構成部材340は、動作デバイスのところのセンサを含めて、カテーテルアセンブリ100A内のセンサ(例えば、圧力センサあるいは温度センサ)、のための相互接続を備えることができる。センサを使用することにより、1つまたは複数のチューブ内の流体の特性(例えば、生理的食塩水の圧力)を測定することができる。センサを使用することにより、システムの動作パラメータ(例えば、心室の圧力、あるいは、大動脈の圧力)を測定することができる。センサは、付属の治療法の一部として設けることができる。
【0064】
インターフェース部材300内の電気的構成部材340を使用することにより、ケーブル(および、モータアセンブリ、センサ、等)を、コンソール301の対応する相互接続307に対して、電気的に接続することができる。例えば、電気的構成部材340の第2面上の1つまたは複数の内部コネクタ348,348は、コンタクト328(コンソール301の相互接続307に対して連結し得るよう構成されている)と、カテーテルアセンブリ100と、の間の電気通信を提供することができる。例えば、電気ケーブル(例えば、導管302)は、第1内部コネクタ346と第2内部コネクタ348とを接続することができる。内部コネクタ346,348は、電気的構成部材340の第1面上のコンタクト328に対して電気的に連通することができる。電気的構成部材340は、コンソール301の相互接続307に対して電気的に連通することができる。
【0065】
様々な実施形態においては、電気的構成部材340は、流体的にシールすることができる。これにより、内部の電気系統が濡れてしまうことが防止される。このことは、湿気のある環境下においておよび/または滅菌環境下において、有利なものとすることができる。これは、また、有利には、高圧用途において潜在的なリスクとなるような1つまたは複数の流体チューブの漏洩や破裂が起こった際に、エレクトロニクス系統を保護することができる。
【0066】
加えて、電気的構成部材340(例えば、PCB)は、この電気的構成部材340上に設置された様々な電気的構成部材あるいは電子的構成部材を備えることができる。
図6Bに示すように、例えば、2つの圧力センサ344a,344bを、電気的構成部材340上に設置することができる。これにより、ポンプチューブセグメント324a,324b内の圧力を検出することができる。圧力センサ344a,344bを使用することにより、ポンプチューブセグメント324a,324b内の流体の流れを観測することができる。これにより、心臓ポンプの適切な動作を確認することができる。例えば、カテーテルボディ内への医療用溶液の導入とカテーテルボディからの廃棄流体の導出との間の適切なバランスを確認することができる。様々な他の構成部材を、例えばプロセッサやメモリや特定用途向け集積回路(ASIC)といったような構成部材を、回路基板上に設けることができる。例えば、それぞれ対応する圧力センサASIC345a,345bを、圧力センサ344a,344bに対して接続することができる。これにより、圧力センサ344a,344bによって検出された信号を処理することができる。処理された信号は、PCB内の内部トレース(図示せず)を介しておよびコンタクト328を介して、ASIC345a,345bからコンソール301へと、伝送することができる。
【0067】
プライミング、注入システム、および、装置
注入システムの一実施形態が、
図7に図示されている。上述した様々な構成部材は、参考のためここに組み込まれた特許文献を参照することにより、より詳細に理解することができる。注入システム1300は、カテーテルアセンブリの動作デバイス(例えば、インペラーアセンブリ116)に対して、処理流体および/または潤滑流体を供給し得るよう構成することができ、また、カテーテルアセンブリから廃棄流体を抽出し得るよう構成することができる。さらに、上述したように、長尺ボディ174は、カテーテルボディ120上にわたってスライド可能に配置することができる。これにより、カテーテルボディ120の外表面と長尺ボディ174の内表面との間に、ギャップまたはチャネルを設けることができる。そのようなギャップまたはチャネルは、医療処理時に患者にとって有害なエアポケットを含有することができる。加えて、カテーテルボディ120内に延在する管腔も、また、患者にとって有害なエアポケットを含有することができる。よって、処理を行う前に、カテーテルボディ120内の管腔内から、および、長尺ボディ174とカテーテルボディ120との間に位置したギャップあるいはチャネル内から、エアを吐出することが望ましい。
【0068】
図7のシステム1300は、処理時にカテーテルアセンブリに対して流体を供給し得るように、および/または、処理時に廃棄流体を抽出し得るように、および/または、長尺ボディ174からエアを吐出し得るように例えば処理前に長尺ボディ174の内表面とカテーテルボディ120の外表面との間からエアを吐出し得るように、構成することができる。この実施形態においては、インターフェース部材1313(いくつかの見地において、上述したインターフェース部材300と同様のものあるいは同じもの)は、上述したように、カテーテルアセンブリの様々な構成部材どうしを連結するために設けることができる。外側シースチューブ1303aは、流体リザーバ1305から、注入デバイスに対して連結し得るよう構成されたルアー102まで、延在することができる。
図7に示すように、外側シースチューブ1303aは、外側シースへと流体を供給し得るよう構成することができる、例えば、長尺ボディ174とカテーテルボディ120との間のスペースへと流体を供給し得るよう構成することができる。流体リザーバ1305は、付加的には、圧力カフを備えることができる。これにより、外側シースチューブ1303aを通して流体を付勢することができる。圧力カフは、重力によって誘起された流体の流れを使用した流体供給の実施形態において、特に有効なものとすることができる。ルアー102は、長尺ボディ174に対して注入流体をあるいは他のプライミング流体を供給し得るよう構成することができる。これにより、上述したように、長尺ボディ174からエアを吐出することができる。これにより、システム1300を「プライミング」することができる。加えて、モータハウジング1314上に配置し得る圧力センサ1309aを、外側シースチューブ1303aに対して接続することができる。これにより、外側シースチューブ1303aを通してルアー102内へと流れる注入流体またはプライミング流体の圧力を測定することができる。
図7に図示されたモータハウジング1314は、例えば駆動アセンブリ103が被駆動アセンブリ101に対して連結されたときといったようなときには、
図2を参照して上述したモータアセンブリと同じものあるいは同様のものとすることができる。
【0069】
図7の実施形態に示すように、内側カテーテルチューブ1303bは、T字形状の連結部材1320を介して、モータハウジング1314と流体アセンブリ1305との間にわたって延在することができる。内側カテーテルチューブ1303bは、処理時にカテーテルボディ120内の管腔に対して流体を供給し得るように、および/または、カテーテル120からエアを吐出し得るように、および/または、システム1300をプライミングし得るように、構成することができる。例えばローラポンプといったようなポンピング機構1306aを、カテーテルチューブ1303bに沿って設けることができる。これにより、システム1300を通して注入流体またはプライミング流体をポンピングすることを支援することができる。上述したように、ローラポンプは、いくつかの実施形態においては、蠕動ポンプとすることができる。加えて、エア検出器1308を、内側カテーテルチューブ1303bに対して接続することができ、システム1300内に導入されたエアまたはバブルの存在を検出し得るよう構成することができる。いくつかの実施形態においては、圧力センサ1309aを、内側カテーテルチューブ1303bに対して接続することができる。これにより、チューブ内の流体の圧力を測定することができる。加えて、フィルタ1311を使用することができ、これにより、カテーテルボディ120に対して液体が注入される前にあるいはプライミングされる前に、注入流体からあるいはプライミング流体から、破片や他の望ましくない粒子を除去することができる。いくつかの実施形態においては、エア検出器1308や圧力センサ1309aやポンピング機構1306aを、上述したインターフェース部材1313(例えば、インターフェース部材300)に対して接続することができる。1つまたは複数の電気ライン1315は、モータハウジング1314をカセット1313に対して接続することができる。電気ライン1315は、モータを励起するために、あるいは、センサ1309aに対して電力を供給するために、あるいは、他の構成部材に対して電力を供給するために、電気信号を提供することができる。カテーテルボディ120からエアを吐出するために、カテーテルアセンブリの基端部のところに、注入流体あるいはプライミング流体を導入することができる。流体を先端側に前進させることができ、カテーテルボディ120からエアを追い出して、システムをプライミングすることができる。
【0070】
いくつかの見地においては、廃棄流体ライン1304を、カテーテルボディ120と廃棄物リザーバ1310との間にわたって流体連通可能に連結することができる。圧力センサ1309cは、インターフェース部材1313上に配置し得るあるいはインターフェース部材1313に対して接続し得るものであって、廃棄流体ライン1304内の流体の圧力を測定することができる。例えばローラポンプといったようなポンピング機構1306bを、例えば、インターフェース部材1313に対して接続することができ、廃棄流体ライン1304を通して廃棄物リザーバ1310へと廃棄流体をポンピングすることができる。
【0071】
図8は、
図2に示すプライミング装置1400を拡大して示す図である。上述したように、プライミング装置1400は、長尺ボディ174Aの先端部170Aの近傍において、インペラーアセンブリ116A上に配置することができる。プライミング装置1400は、処理に関連して使用することができ、インペラーアセンブリ116Aからエアを吐出することができる。例えば、ハウジング内に拘束されたすべてのエアを吐出することができる、あるいは、先端部170Aの近傍において長尺ボディ174A内に留まったままでいるすべてのエアを吐出することができる。例えば、プライミング操作は、患者の脈管系内へとポンプが挿入される前に、行うことができる。これにより、エアバブルを患者内に導入させることがない、および/または、エアバブルが患者を損傷することがない。プライミング装置1400は、長尺ボディ174Aとインペラーアセンブリ116Aとの双方の周縁まわりに配置され得るよう構成されたプライミングハウジング1401を備えることができる。シールキャップ1406を、プライミングハウジング1401の基端部1402に対して付与することができる。これにより、プライミングのためにプライミング装置1400を実質的にシールすることができる。すなわち、エアが、長尺ボディ174A内へと基端向きに導入されることがなく、また、プライミング流体が、ハウジング1401の基端部から流出することがない。シールキャップ1406は、当業者に公知であるような任意の手法でもって、プライミングハウジング1401に対して連結することができる。しかしながら、いくつかの実施形態においては、シールキャップ1406は、プライミングハウジング1401の基端部1402のところに配置されたネジ山付きコネクタ1405を介して、プライミングハウジング上に螺着することができる。シールキャップ1406は、このシールキャップ1406の先端部のところに配置されたシール凹所を備えることができる。シール凹所は、シールキャップ1406を通して長尺ボディ174Aを延在させ得るように、構成することができる。
【0072】
プライミング操作においては、次に、流体を、シールされたプライミング装置1400内へと導入することができる。これにより、インペラーアセンブリ116Aおよび長尺ボディ174Aからエアを吐出することができる。流体は、様々な手法でもって、プライミング装置1400内へと導入することができる。例えば、流体は、プライミング装置1400内へと長尺ボディ174Aを通して先端向きに導入することができる。他の実施形態においては、例えばルアーといったような導出口を、付加的には、プライミングハウジング1401の側面上に形成することができる。これにより、流体を、プライミング装置1400内へと導入することができる。
【0073】
ガス透過性メンブランを、プライミングハウジング1401の先端部1404上に配置することができる。ガス透過性メンブランは、プライミング時には、プライミングハウジング1401からエアを逃がすことができる。
【0074】
プライミング装置1400は、また、有利には、カテーテルアセンブリ100Aの拡張可能部分を折り畳み得るよう構成することができる。プライミングハウジング1401は、漏斗形状部分1415を備えることができる。漏斗形状部分1415においては、ハウジングの内径は、先端から基端へと縮径している。漏斗形状部分は、ゆっくりと湾曲することができる。これにより、インペラーハウジングの相対的な基端移動は、インペラーハウジングを、漏斗形状部分1415によって折り畳み可能とすることができる。インペラーハウジングが完全に折り畳まれたときにはあるいはインペラーハウジングが完全に折り畳まれた後には、長尺ボディ174Aの先端部170Aは、折り畳まれたハウジングに対して相対的に先端向きに移動することができる。インペラーハウジングが完全に折り畳まれて、シースアセンブリの長尺ボディ174A内へと退避された後には、カテーテルアセンブリ100Aを、経皮的心臓処理が行われるに先立って、例えば血液をポンピングするようにポンプが起動されるに先立って、プライミングハウジング1401から取り外すことができる。ここで開示された様々な実施形態は、システムに対して注入を行うための合計時間が最小化されるようにあるいは低減されるように、実施することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、システムに対して完全に注入を行うための時間は、6分以下とすることができる。他の実施態様においては、注入時間は、5分未満や、4分未満や、3分未満、とすることができる。さらに他の実施態様においては、システムに対して注入を行うための合計時間は、45秒以下とすることができる。心臓血管に疾病を有した患者に対しての使用に関しては、より短い注入時間を有利なものとし得ることは、理解されるであろう。
【0075】
血管系内への挿入のための経皮的心臓ポンプの製造
本明細書において説明したように、および、参考のためにここに組み込まれた特許文献に開示されているように、様々な実施形態においては、心臓ポンプは、例えばカテーテル研究において使用し得る手法を使用するといったような低侵襲的な態様で挿入される。
【0076】
心臓ポンプのカテーテルアセンブリ100Aの挿入の前に、様々な技術を使用することにより、挿入のためのシステムを準備することができる。例えば、
図8に関して上述したように、カテーテルアセンブリ100Aをプライミングすることにより、患者に対して処理を行う前に内部に含有され得るガスを除去することができる。このプライミング技法は、カテーテルアセンブリ100Aの先端部を、プライミング容器内に、例えばプライミング装置1400内に、配置することによって、行うことができる。その後、カテーテルアセンブリ100A内へと、加圧状態で媒体が供給される。これにより、潜在的に有害なすべての物質を、例えばエアや他のガスを、カテーテルアセンブリ100Aから除去することができる。一技法においては、プライミング装置1400は、例えば生理的食塩水といったような生体適合性液体によって充填される。その後、例えば生理的食塩水といったような生体適合性液体を、カテーテルアセンブリ100を通して先端向きに流す。これにより、上述したように、内部に形成されたすべてのキャビティ内のエアを除去することができる。プライミング流体の圧力や流速は、プライミングに適したものとして設定することができる。例えば、圧力や流速は、動作圧力や動作流速よりも小さい。
【0077】
一技法においては、生体適合性液体は、カテーテルアセンブリ100Aを通して、基端部から正圧で加圧されつつ押し出される。これにより、内部の空隙からすべてのガスが除去される。すべてのガスが除去されたことを確認するための一技法は、ポンプの抽出流や背圧を観測することである。上述したように、プライミング装置1400は、生理的食塩水や他の生体適合性液体の流出を防止しつつ、ガスを除去し得るよう構成することができる。よって、所定の流れを維持するための背圧または抽出流は、すべてのガスが除去され終わった時点で、劇的に変化することとなる。
【0078】
他の技法においては、プライミング装置1400は、カテーテルアセンブリ100Aの基端部内に生体適合性液体を抽出するための負圧源を備えることができる。プライミング装置1400に対して負圧を印加することは、心臓ポンプの駆動時に使用されるポンプとは個別的に、カテーテルアセンブリ100Aのプライミングを可能とし得るという利点を有することができる。その結果、プライミングを、患者に対して直接的に関与していない操作者によって、患者に対して行われている他の医療処理と並行して、行うことができる。
【0079】
他のアプローチにおいては、心臓ポンプを駆動するためのポンプとは個別的な正圧ポンプを使用することにより、基端部に対して印加される正圧によってプライミングを行うことができる。プライミング装置1400の容量をより高速で充填するための個別の導入口を設けることにより、様々なプライミング手法を想定することができる。
【0080】
完全にプライミングされたカテーテルアセンブリの拡張可能ハウジングの折り畳み
患者内への挿入のためにカテーテルアセンブリ100Aを準備するためのある種の方法におけるさらなる見地においては、インペラーハウジング116Aを折り畳むことができる。インペラーハウジング116Aの折り畳み状態は、システムの先端部のサイズを、例えば横断方向におけるサイズを、低減させる。これにより、例えばカテーテル研究タイプの処理を使用すること等によって、皮膚表面の近くの小さな容器を通して、患者は、右側の支持、あるいは、左側の支持、あるいは、左右の支持、を有することができる。上述したように、一技法においては、プライミング装置1400は、漏斗形状部分を有している。すなわち、先端部のところにおいて大きな直径を有しており、基端部のところにおいてより小さな直径を有している。漏斗形状部分は、大径から小径へのゆっくりとした移行をもたらす。小さな直径は、インペラーハウジング116Aの折り畳まれたサイズに近いものであり、大きな直径は、インペラーハウジング116Aの拡径したサイズに近いものであるあるいは拡径したサイズよりも大きなものである。一手法においては、カテーテルアセンブリ100Aをプライミングした後に、インペラーハウジング116Aを、プライミング装置1400とインペラーハウジング116Aとの間において相対移動をもたらすことによって、折り畳むことができる。例えば、プライミング装置1400は、例えば手によってといったようにして固定位置に保持することができ、カテーテルアセンブリ100Aは、インペラーハウジング116Aの少なくとも一部がプライミング装置1400の小径セグメント内に配置されるまで、引き抜くことができる。その後、シースアセンブリの長尺ボディ174Aを、折り畳まれたインペラーハウジング116A上にわたって前進させることができる。
【0081】
他の技法においては、カテーテルアセンブリ100Aがなおも保持され、プライミング装置1400が、インペラーハウジング116A上にわたって先端側にスライドされる。これにより、インペラーハウジング116Aを折り畳むことができる。その後、長尺ボディ174Aとインペラーハウジング116Aとの間の相対移動は、カテーテルアセンブリ100Aが完全にプライミングされた後に、インペラーハウジング116A上にわたって長尺ボディ174Aの先端部170Aを位置させることができる。
【0082】
複数の特定の実施形態を参照して本発明について上述したけれども、それらの実施形態が、本発明の原理や用途を単に例示しているに過ぎないことは、理解されるであろう。したがって、上記の様々な実施形態に対して多様な修正を加え得ることは、また、特許請求の範囲によって規定された本発明の精神および範囲を逸脱することなく他の構成を採用し得ることは、理解されるであろう。よって、本発明が、上記の様々な実施形態に関してのおよびそれらの等価物に関してのすべての修正や変形を包含することが意図されている。
[付記項1]
流体導出入システムであって、
ハウジングであるとともに、1つまたは複数のポンプと、前記ポンプを駆動し得るよう構成されたコントローラと、を備えたハウジングと;
カテーテルアセンブリであるとともに、基端部と先端部とを有したカテーテルボディと、前記先端部のところに配置された動作デバイスと、前記基端部に対して流体連通した注入システムと、を備えたカテーテルアセンブリと;
を具備してなり、
前記注入システムが、閉塞部材を備え、
この閉塞部材が、第1状態においては、前記ハウジングから離間し得るよう構成されるとともに、第2状態においては、前記ハウジングに対して前記注入システムを少なくとも部分的に固定し得るよう構成され、
前記第2状態において前記閉塞部材が前記ハウジングに対して係合した際には、前記注入システムが、前記ポンプに対して動作可能に係合される、
ことを特徴とするシステム。
[付記項2]
付記項1記載のシステムにおいて、
前記ハウジングが、開口を備え、
前記閉塞部材が、前記閉塞部材の一部が前記開口内に挿入されることによって、前記ハウジングに対して係合される、
ことを特徴とするシステム。
[付記項3]
付記項2記載のシステムにおいて、
前記閉塞部材が、第3状態においては、前記ハウジングに対して前記注入システムを固定し得るよう構成されている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項4]
付記項3記載のシステムにおいて、
前記閉塞部材が、前記ハウジングに対して相対的に前記閉塞部材を回転させることによって、前記ハウジングに対して前記注入システムを固定し得るよう構成されている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項5]
付記項3記載のシステムにおいて、
前記閉塞部材が、係合解除部材を備え、
この係合解除部材が、前記第3状態から前記第2状態へと前記閉塞部材を移行させ得るよう構成され、これにより、前記閉塞部材が、前記ハウジングに対して前記注入システムを部分的に固定する、
ことを特徴とするシステム。
[付記項6]
付記項1記載のシステムにおいて、
前記第2状態において前記閉塞部材を前記ハウジングに対して係合させた際には、前記ハウジングと前記閉塞部材の電気的構成部材との間に、電気的接続が形成される、
ことを特徴とするシステム。
[付記項7]
付記項6記載のシステムにおいて、
前記電気的接続が、前記注入システムが前記ポンプに対して動作可能に係合されるのと同時に、形成される、
ことを特徴とするシステム。
[付記項8]
付記項6記載のシステムにおいて、
前記カテーテルアセンブリが、さらに、前記閉塞部材の前記電気的構成部材に対して電気的に接続されたモータアセンブリを備えている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項9]
付記項6記載のシステムにおいて、
前記カテーテルアセンブリが、さらに、前記閉塞部材の前記電気的構成部材に対して電気的に接続された1つまたは複数のセンサを備えている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項10]
付記項1記載のシステムにおいて、
前記注入システムが、
前記カテーテルボディに対して流体連通された廃棄流体ラインであるとともに、前記カテーテルアセンブリから廃棄流体を導出し得るよう構成された廃棄流体ラインと、
前記カテーテルボディに対して流体連通された第1注入流体ラインであるとともに、前記カテーテルアセンブリ内へと流体を供給し得るよう構成された第1注入流体ラインと、
を備えている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項11]
付記項10記載のシステムにおいて、
前記カテーテルアセンブリが、さらに、長尺ボディを備え、
前記カテーテルボディが、前記長尺ボディ内に配置され、
前記注入システムが、前記長尺ボディに対して流体連通された第2注入流体ラインを備えている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項12]
付記項11記載のシステムにおいて、
前記第2注入流体ラインが、前記長尺ボディと前記カテーテルボディとの間に流体を供給し得るよう構成されている、
ことを特徴とするシステム。
[付記項13]
流体導出入システムのための着脱可能なインターフェースであって、
この着脱可能なインターフェースが、
コンソールハウジングのインターフェース開口内に挿入され得るサイズおよび形状とされたインターフェースボディと;
このインターフェースボディ上に配置された電気的構成部材と;
前記インターフェースボディ上に配置された閉塞ベッドと;
この閉塞ベッドの近傍において前記インターフェースボディ上に配置されたチューブセグメントと;
を具備し、
前記インターフェースボディが、前記インターフェースボディが前記コンソールハウジングの前記インターフェース開口内に挿入されたときに、前記コンソールハウジング内のポンプが前記チューブセグメントおよび前記閉塞ベッドに対して動作可能に係合するような、なおかつ、前記コンソールハウジング内の電気的相互接続部材が前記インターフェースボディ上の前記電気的構成部材に対して電気的に接続されるような、寸法とされている、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項14]
付記項13記載の着脱可能なインターフェースにおいて、
さらに、ロック機構を具備し、
このロック機構が、前記インターフェースボディの一部が前記インターフェース開口に対して相対的に回転駆動されたときには、前記インターフェースボディを、前記コンソールハウジングに対して固定的に連結する、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項15]
付記項14記載の着脱可能なインターフェースにおいて、
前記インターフェースボディが、さらに、回転可能なキャップと、突起と、この突起の少なくとも一部を受領し得るサイズおよび形状とされたロック開口と、を備え、
前記ロック機構が、前記キャップを回転させる内部カムを備え、
前記キャップが回転駆動されたときには、前記内部カムが、前記突起を、前記ロック開口を通して押圧して、前記コンソールハウジング内に形成されたグルーブ内へと位置させる、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項16]
付記項13記載の着脱可能なインターフェースにおいて、
前記ポンプが、前記ポンプの1つまたは複数のローラが前記閉塞ベッドに対して前記チューブセグメントを押圧したときには、前記チューブセグメントおよび前記閉塞ベッドに対して動作可能に係合される、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項17]
付記項13記載の着脱可能なインターフェースにおいて、
前記ポンプが、前記電気的相互接続部材が前記電気的構成部材に対して電気的に接続されるのと同時に、前記チューブセグメントおよび前記閉塞ベッドに対して動作可能に係合される、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項18]
付記項13記載の着脱可能なインターフェースにおいて、
さらに、前記電気的構成部材に対して接続された1つまたは複数のセンサを具備している、
ことを特徴とする着脱可能なインターフェース。
[付記項19]
注入システムをコンソールハウジングに対して動作可能に連結するための方法であって、
前記注入システムを前記コンソールハウジングのインターフェース開口内に配置し、ここで、前記インターフェースボディを、閉塞ベッドと、この閉塞ベッドの近傍において前記インターフェースボディ上に設置されたチューブセグメントと、電気的構成部材と、を備えたものとし;
前記コンソールハウジングのポンプローラが前記閉塞ベッドに対して前記チューブセグメントを押圧するまで、なおかつ、前記コンソールハウジングの電気的相互接続部材が前記インターフェースボディの前記電気的構成部材に対して電気的に接続されるまで、前記インターフェースボディを、前記インターフェース開口を通して挿入する;
ことを特徴とする方法。
[付記項20]
付記項19記載の方法において、
さらに、
前記インターフェースボディの端部部材を、前記インターフェース開口に対して相対的に回転駆動し、これにより、前記インターフェースボディを前記コンソールハウジングに対して固定する;
ことを特徴とする方法。
[付記項21]
付記項20記載の方法において、
前記端部部材を回転駆動するに際しては、前記端部部材を、前記インターフェース開口がなす面に対して垂直な軸線まわりに回転駆動する、
ことを特徴とする方法。
[付記項22]
付記項20記載の方法において、
さらに、
係合解除部材を起動し、これにより、前記インターフェースボディを前記コンソールハウジングから機械的に取り外す、
ことを特徴とする方法。
[付記項23]
付記項19記載の方法において、
前記ポンプローラによって前記閉塞ベッドに対して前記チューブセグメントを押圧することと、前記電気的相互接続部材を前記電気的構成部材に対して電気的に接続することとを、同時に行う、
ことを特徴とする方法。
[付記項24]
カテーテルアセンブリが長尺ボディと動作デバイスとを備えている場合に、このカテーテルアセンブリをプライミングするための方法であって、
前記カテーテルアセンブリの前記動作デバイスを、プライミング容器内へと、挿入し;
前記プライミング容器の基端部を、前記長尺ボディの先端部に対して固定し、これにより、前記長尺ボディを、前記プライミング容器に対して流体連通させ;
前記長尺ボディを通しておよび前記プライミング容器を通して流体を供給し、これにより、前記カテーテルアセンブリ内のエアを吐出させる;
ことを特徴とする方法。
[付記項25]
付記項24記載の方法において、
さらに、前記カテーテルアセンブリから前記プライミング容器を取り外す、
ことを特徴とする方法。
[付記項26]
付記項25記載の方法において、
さらに、
前記プライミング容器を取り外した後に、前記カテーテルアセンブリの前記動作デバイスを、患者の脈管系内へと挿入する、
ことを特徴とする方法。
[付記項27]
付記項24記載の方法において、
さらに、前記プライミング容器と前記動作デバイスとを相対的に移動させ、これにより、前記動作デバイスを、格納状態へと折り畳む、
ことを特徴とする方法。
【符号の説明】
【0083】
100A カテーテルアセンブリ
116A インペラーアセンブリ(動作デバイス)
120A カテーテルボディ
174A 長尺ボディ
195 注入システム
300 インターフェース部材
301 コンソール
302 導管
303 インターフェース領域
304 開口(インターフェース開口)
306 ポンプローラ
307 電気的相互接続(電気的相互接続部材)
320 手動インターフェース
322a 閉塞ベッド
322b 閉塞ベッド
324a ポンプチューブセグメント
324b ポンプチューブセグメント
333 外側ボディ
350 流体導出入システム
1400 プライミング装置