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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ミニチュア抵抗器の量産方法
(51)【国際特許分類】
   H01C 17/00 20060101AFI20220824BHJP
   H01C 13/00 20060101ALI20220824BHJP
   H01C 3/00 20060101ALI20220824BHJP
【FI】
H01C17/00 100
H01C13/00 J
H01C3/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021111462
(22)【出願日】2021-07-05
(65)【公開番号】P2022014906
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】109122884
(32)【優先日】2020-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】312002598
【氏名又は名称】旺詮股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 廷鈞
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-169645(JP,A)
【文献】特開2014-007374(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107188(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0217544(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 17/00
H01C 13/00
H01C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
A、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる箔シートを用意するステップと、
B、前記箔シートを貫通し且つ複数の縦方向及び横方向の列に配置された複数のスリットを形成することにより、パターン化された箔シートを形成し、前記パターン化された箔シートは、マトリクスアレイに配置された複数の抵抗器ブランクと、各前記縦方向と横方向との列の交点に位置する複数の接続領域と、前記抵抗器ブランク、前記スリット及び前記接続領域を囲むようにループするフレーミングストリップと、を含み、各前記接続領域は、各前記縦方向と横方向との列のそれぞれに配置された各前記スリットが、前記縦方向と横方向との列の交点と互いに間隔を空けて配置されるようにして形成されており、各前記抵抗器ブランクは、前記接続領域と前記フレーミングストリップとによって互いに接続されているステップと、
C、前記抵抗器ブランクを覆うように、前記パターン化された箔シートの上面に第1のフォトレジストフィルムをボンディングし、且つ、前記パターン化された箔シートの下面に第2のフォトレジストフィルムをボンディングするステップと、
D、前記第1のフォトレジストフィルムに、前記抵抗器ブランクの上面を露出させるように複数の孔を形成するステップと、
E、前記孔を埋めながら前記抵抗器ブランクの上面に接続されるように、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる複数の突起ブロックを前記孔に形成するステップと、
F、前記パターン化された箔シートから前記第1のフォトレジストフィルム及び前記第2のフォトレジストフィルムを除去して、前記抵抗器ブランクを露出させるステップと、
G、封止材を用いて、前記突起ブロックの頂面を覆わずに前記抵抗器ブランクの上面と下面とを覆うように、前記パターン化された箔シートと前記突起ブロックを封止するステップと、
H、各前記接続領域及び各前記フレーミングストリップにある前記封止材及び前記スリットを通過して互いに交差する複数のカットラインに沿って延びる前記封止材を除去すると共に、各前記接続領域及び各前記フレーミングストリップを切断することにより、互いに分離された個々の抵抗器ブランクを得る型抜き工程を行うステップと、
I、前記抵抗器ブランクの上面の反対する2つの端部に位置する各前記突起ブロック及び前記個々の抵抗器ブランクの反対する2つの側面に、合わせて2つの外部電極を形成することにより、ミニチュア抵抗器を得るステップと、
を含むことを特徴とするミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項2】
前記ステップFの後、各前記抵抗器ブランクが特定の電気抵抗値を付与されるように、レーザーを用いて前記突起ブロックに覆われていない各前記抵抗器ブランクの上面をトリミングするサブステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項3】
前記ステップDにおいて、フォトリソグラフィによって前記第1のフォトレジストフィルムに前記孔を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項4】
前記ステップDにおいて、各前記抵抗器ブランクを覆う前記第1のフォトレジストフィルムの複数の領域のそれぞれに、2つの前記孔をそれぞれ所定の位置に間隔を空けて形成することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項5】
前記ステップEにおいて、前記突起ブロックは、電気めっき、コーティング、印刷、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された工程によって形成されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項6】
前記ステップGにおいて、前記抵抗器ブランクの前記上面を覆う前記封止材は、前記抵抗器ブランクに形成された各前記突起ブロックの高さに等しい厚さを有することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項7】
前記ステップHにおいて、前記封止材の一部を除去することにより、個々の前記抵抗器ブランクの反対する2つの側面と、前記抵抗器ブランクのそれぞれに形成された前記突起ブロックのそれぞれの側面と、を露出させることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【請求項8】
前記ステップIにおいて、前記2つの外部電極のそれぞれは、2つの金属層を含むことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のミニチュア抵抗器の量産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動電子部品の製造方法に関し、より詳細にはミニチュア抵抗器の量産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミニチュア抵抗器は、所定の電気抵抗を実現するために様々な電子機器に広く使用されている受動電子部品の1つである。図1に示されるように、従来のミニチュア抵抗器100は、導電性材料からなる抵抗器ブランク11と、抵抗器ブランク11の下面に配置された支持層12と、抵抗器ブランク11及び支持層12を覆う封止層13と、抵抗器ブランク11の反対する2つの側面に形成された2つの外部電極14と、を含む。
【0003】
従来のミニチュア抵抗器100の量産方法は、基本的には、まず導電性材料からなるプレートを用意し、その板の下面に支持層12を配置する。その後、切断工程でマトリクスアレイに配置された複数の抵抗器ブランク11を形成し、各抵抗器ブランク11の上面を抵抗トリミングして、抵抗器ブランク11に所定の抵抗値を付与する工程を行う。その後、抵抗器ブランク11を覆うように絶縁層13を配置し、そして、抵抗器ブランク11に切断工程またはエッチング工程を行い、互いに分離した個々の抵抗器ブランク11を得る。最後に、個々の抵抗器ブランク11の反対する2つの側面に2つの外部電極14を形成することにより、複数のミニチュア抵抗器100を得る。
【0004】
前述の従来のミニチュア抵抗器100の量産方法においては、抵抗器ブランク11の変形により切削加工時に高精度が得られにくかったり、パッケージのベタつきや接着剤のはみ出しが起きたり、外部電極14をめっきで形成すると厚みが不均一になったり密度が不十分になったりするなど、様々な欠点があり、技術的な課題がある。
【0005】
そこで、当業者は、特許文献1~3などに代表されるように、様々な解決策を提案して、上記のような技術的課題を解決しようとしている。また、様々な製造方法が、ミニチュア抵抗器の生産性を向上させるために提案されている。
【0006】
また、電子機器の発展に伴い、ミニチュア抵抗器の用途も多様化しており、ミニチュア抵抗器の量産時に発生する様々な技術的課題を解決するために、様々な製造方法を提案し続けることが、当業者にとって重要な課題の一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】台湾特許第I438787号明細書
【文献】台湾特許第I553672号明細書
【文献】台湾特許第I600354号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の問題点に鑑みて、本発明は、少なくとも1つの上記の課題を解決するミニチュア抵抗器の量産方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を実現するために、本発明は、
A、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる箔シートを用意するステップと、
B、前記箔シートを貫通し且つ複数の縦方向及び横方向の列に配置された複数のスリットを形成することにより、パターン化された箔シートを形成し、前記パターン化された箔シートは、マトリクスアレイに配置された複数の抵抗器ブランクと、各前記縦方向と横方向との列の交点に位置する複数の接続領域と、前記抵抗器ブランク、前記スリット及び前記接続領域を囲むようにループするフレーミングストリップと、を含み、各前記接続領域は、各前記縦方向と横方向との列のそれぞれに配置された各前記スリットが、前記縦方向と横方向との列の交点と互いに間隔を空けて配置されるようにして形成されており、各前記抵抗器ブランクは、前記接続領域と前記フレーミングストリップとによって互いに接続されているステップと、
C、前記抵抗器ブランクを覆うように、前記パターン化された箔シートの上面に第1のフォトレジストフィルムをボンディングし、且つ、前記パターン化された箔シートの下面に第2のフォトレジストフィルムをボンディングするステップと、
D、前記第1のフォトレジストフィルムに、前記抵抗器ブランクの上面を露出させるように複数の孔を形成するステップと、
E、前記孔を埋めながら前記抵抗器ブランクの上面に接続されるように、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる複数の突起ブロックを前記孔に形成するステップと、
F、前記パターン化された箔シートから前記第1のフォトレジストフィルム及び前記第2のフォトレジストフィルムを除去して、前記抵抗器ブランクを露出させるステップと、
G、封止材を用いて、前記突起ブロックの頂面を覆わずに前記抵抗器ブランクの上面と下面とを覆うように、前記パターン化された箔シートと前記突起ブロックを封止するステップと、
H、各前記接続領域及び各前記フレーミングストリップにある前記封止材及び前記スリットを通過して交差するカットラインに沿って延びる前記封止材を除去すると共に、各前記接続領域及び各前記フレーミングストリップを切断することにより、互いに分離された個々の抵抗器ブランクを得る型抜き工程を行うステップと、
I、前記抵抗器ブランクの上面の反対する2つの端部に位置する各前記突起ブロック及び前記個々の抵抗器ブランクの反対する2つの側面に、合わせて2つの外部電極を形成することにより、ミニチュア抵抗器を得るステップと、を含むことを特徴とするミニチュア抵抗器の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
上記のように、本発明のミニチュア抵抗器200の量産方法により、パターン化された箔シート300を第2のフォトレジストフィルム42で支持することにより、突起ブロック22の形成時にパターン化された箔シート300が構造的に不十分になる可能性があるという問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来のミニチュア抵抗器の構成を示す斜視断面図である。
図2】本発明のミニチュア抵抗器の量産方法の一実施形態のステップを示すフローチャートである。
図3】上記の実施形態の方法によって製造されたミニチュア抵抗器を示す斜視断面図である。
図4】上記の実施形態の方法によって形成されたパターン化された箔シートを示す部分斜視図である。
図5】上記の実施形態の方法における、複数の抵抗器ブランクが含まれているパターン化された箔シートに複数のスリットを形成するステップを示す図である。
図6】パターン化された箔シートにフォトレジストフィルムをボンディングするステップを示す図である。
図7】複数の孔を形成するステップ、複数の突起ブロックを形成するステップ、フォトレジストフィルムを除去するステップを示す図である。
図8】抵抗器ブランクの上面をトリミングするサブステップと、パターン化された箔シートと突起部を封止するステップと、を示す模式図である。
図9】個々の抵抗器ブランクを得るために切断処理するステップと、ミニチュア抵抗器を得るために外部電極を形成するステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、符号又は符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応の又は類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0013】
図2及び図3に示されるように、本発明の実施形態によるミニチュア抵抗器200の量産方法は、ステップA~Iを含む。
【0014】
ステップAにおいて、図4及び図5(a)に示されるように、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる箔シート31を用意する。
【0015】
ステップBにおいて、図2図5に示されるように、箔シート31を貫通し且つ縦方向及び横方向の列に配置された複数のスリット311を形成することにより、パターン化された箔シート300を形成する。
【0016】
この実施形態においては、フォトリソグラフィを用いて複数のスリット311を形成する。例えば、図5(b)、(c)に示されるように、まず、箔シート31の反対する2つの表面にエッチングを行う位置を示すパターンが形成されるように2つのフォトレジスト層32を配置し、外側の表面から所定の位置で内側に向かってエッチングして箔シート31を部分的に除去してスリット311を形成し、続いて、箔シート31から2つのフォトレジスト層32を除去することにより、パターン化された箔シート300を得ることができる。
【0017】
パターン化された箔シート300は、マトリクスアレイに配置された複数の抵抗器ブランク21と、各前記縦方向と横方向との列の交点に位置する複数の接続領域314と、抵抗器ブランク21、スリット311、接続領域314を囲むようにループするフレーミングストリップ313と、を含む。
【0018】
なお、各接続領域314は、各縦方向と横方向との列のそれぞれのスリット311が、縦方向と横方向との列の交点で互いに間隔を空けて配置されるようにして形成される。
【0019】
各抵抗器ブランク21は、接続領域314とフレーミングストリップ313とによって互いに接続されている。
【0020】
ステップCにおいて、図2及び図6に示されるように、抵抗器ブランク21の反対する上下2面を完全に覆うように、パターン化された箔シート300の上面に第1のフォトレジストフィルム41をボンディングし、且つ、パターン化された箔シート300の下面に第2のフォトレジストフィルム42をボンディングする。
【0021】
ステップDにおいて、図2及び図7(a)に示されるように、抵抗器ブランク21の上面を露出させるように、第1のフォトレジストフィルム41に複数の孔411を形成する。
【0022】
具体的に、本実施形態では、図7(a)に示されるように、各抵抗器ブランク21を覆う第1のフォトレジストフィルム41の複数の領域のそれぞれに、2つの孔411をそれぞれ所定の位置に、フォトリソグラフィによって間隔を空けて形成する。
【0023】
ステップEにおいて、図2及び図7(b)に示されように、孔411を埋めながら抵抗器ブランク21の上面に接続されるように、所定の抵抗値を有する導電性材料からなる複数の突起ブロック22を孔411に形成する。
【0024】
この実施形態において、突起ブロック22は、電気めっき、コーティング、印刷、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される工程によって形成される。
【0025】
また、ステップD及びEにおいて、パターン化された箔シート300に第2のフォトレジストフィルム42を強固に接着することで、パターン化された箔シート300から剥離することを回避することができ、且つ、パターン化された箔シート300を十分に支持するソフトな支持構造として機能することができる。
【0026】
ステップFにおいて、図2及び図7(c)に示されように、パターン化された箔シート300から第1のフォトレジストフィルム41及び第2のフォトレジストフィルム42を除去して、抵抗器ブランク21を露出させる。
【0027】
第1のフォトレジストフィルム41及び第2のフォトレジストフィルム42は、その後の製造工程に悪影響を及ぼさないために、抵抗器ブランク21に物理的なダメージを与えない溶剤(例えば、フォトレジスト剥離剤)を用いて、容易且つ効果的に除去できるものを用いることができる。
【0028】
この実施形態において、ステップFの後、突起ブロック22に覆われていない各抵抗器ブランク21の上面をレーザーを用いてトリミングし(図8(a)を参照)、抵抗器ブランク21に選択された特性、例えば、特定の電気抵抗値を付与する。
【0029】
特定の実施形態において、ステップFの後、形成された突起ブロック22の一部は、抵抗器ブランク21の側面と同一平面上にはない(図7(c)及び図8(a)を参照)。そのため、抵抗器ブランク21の上面をトリミングする上述のステップの後に、突起ブロック22に近接する抵抗器ブランク21の一部をダイシング工程によって除去して、突起ブロック22が抵抗器ブランク21の側面と同一平面上になるように配置し、スリット311の幅を広げることができる(図8(b)を参照)。
【0030】
ステップGにおいて、図2及び図8(b)に示されるように、封止材23を用いて、突起ブロック22の頂面を覆わずに抵抗器ブランク21の上面と下面とを覆うように、パターン化された箔シート300と突起ブロック22を封止する。
【0031】
この実施形態において、ホットプレスにより形成された封止材23の一部がスリット311内に充填されており、且つ、抵抗器ブランク21の各突起ブロック22が設けられている上面(図8(b)においては下向きの面)を覆う封止材23は、抵抗器ブランク21に形成された各突起ブロック22の高さと等しい厚さを有して、封止材23が突起ブロック22の頂面を露出するように突起ブロック22と同一平面になる。
【0032】
ステップHにおいて、図2及び図9(a)に示されるように、各接続領域314及び各フレーミングストリップ313にある封止材23及びスリット311を通過して互いに交差する複数のカットライン51に沿って延びる封止材23を除去すると共に、各接続領域314及び各フレーミングストリップ313を切断することにより、互いに分離された個々の抵抗器ブランク21を得る型抜き工程を行うことにより、個別の抵抗器ブランク21の反対する2つの側面と、抵抗器ブランク21のそれぞれに形成された突起ブロック22のそれぞれの側面と、を露出させることが可能となる。
【0033】
ステップIにおいて、図2及び図9(b)に示されるように、抵抗器ブランク21の上面(図9においては下向きの面)の反対する2つの端部に位置する各突起ブロック22及び個々の抵抗器ブランク21の反対する2つの側面に、合わせて2つの外部電極24を形成することにより、図3に示されるミニチュア抵抗器200を得る。
【0034】
この実施形態において、2つの外部電極24のそれぞれは、電気めっきによって形成された2つの金属層、すなわち、ニッケル金属層241及びスズ金属層242を含む。
【0035】
他の実施形態において、外部電極24は、スパッタリング、表面蒸着、導電層接合などによって形成されることができるが、これに限定されない。
【0036】
以上に示した本発明の実施形態によるミニチュア抵抗器200の量産方法によれば、製造過程において、パターン化された箔シート300を第2のフォトレジストフィルム42で支持することにより、突起ブロック22の形成時にパターン化された箔シート300が構造的に不十分になる可能性があるという問題を回避でき、また、第2のフォトレジストフィルム42は、抵抗器ブランク21に物理的なダメージを与えることなく、溶剤によって容易に除去することができるので、その後の製造工程や、製造されたミニチュア抵抗器200の品質に悪影響を与えることはない。
【0037】
また、ソフトなテクスチャを有する第2のフォトレジストフィルム42を用いれば、抵抗器ブランク21のそれぞれにしっかりと貼り付けることができるので、その後の製造方法のステップで容易に剥がれることがなく、ミニチュア抵抗器200の製造歩留まりが大幅に向上し、その製造コストも効果的に低減されるミニチュア抵抗器200の量産方法を提供できる。
【0038】
上記においては、説明のため、実施形態の完全な理解を促すべく多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のミニチュア抵抗器の量産方法は、従来技術の製造過程において発生した問題を解決することができるミニチュア抵抗器の量産方法として有用である。
【符号の説明】
【0041】
200 ミニチュア抵抗器
21 抵抗器ブランク
22 突起ブロック
23 封止材
24 外部電極
241 ニッケル金属層
242 スズ金属層
300 パターン化された箔シート
31 箔シート
311 スリット
313 フレーミングストリップ
314 接続領域
32 フォトレジスト層
41 第1のフォトレジストフィルム
411 孔
42 第2のフォトレジストフィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9