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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】壁パネル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
E04F13/08 101U
E04F13/08 101G
E04F13/08 101F
E04F13/08 101B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018007280
(22)【出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2019124100
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】308009679
【氏名又は名称】株式会社ベクトル
(73)【特許権者】
【識別番号】500210372
【氏名又は名称】織部製陶株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000207436
【氏名又は名称】日鉄鋼板株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(73)【特許権者】
【識別番号】503378420
【氏名又は名称】日鉄ステンレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(72)【発明者】
【氏名】吉川 盛一
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-101435(JP,U)
【文献】特表2014-501334(JP,A)
【文献】特開平05-209454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製のパネル本体と、
前記パネル本体に埋め込まれた状態で設けられるとともに、上下方向に延びる複数の縦レールと、
前記縦レールに取り付けられるとともに、水平方向に延びる複数の横レールと、
前記横レールに取り付けられる複数のタイルとを備え
前記縦レールにはアンカーが一体的に接続され、前記アンカーは前記縦レールとともに前記パネル本体に埋め込まれた状態で設けられる壁パネル。
【請求項2】
前記縦レール及び前記横レールは、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム系合金めっき鋼板により形成される請求項1に記載の壁パネル。
【請求項3】
前記縦レール及び前記横レールは、ステンレス鋼により形成される請求項1に記載の壁パネル。
【請求項4】
上下方向に延びる複数の縦レールに、アンカーを一体的に接続し、前記アンカーが前記縦レールとともに埋め込まれた状態でコンクリート製のパネル本体を成形し、
次に、水平方向に延びる複数の横レールを前記縦レールに固定部材を介して取り付け、
次に、複数のタイルを前記横レールの各々に嵌合させて取り付ける、壁パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁パネル及びその製造方法に関し、特に乾式工法によってタイルが取り付けられる壁パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁又は内壁を覆うタイルの乾式工法のひとつとして、壁面下地に設けたレールを介してタイルを取り付ける方法が従来から存在する。ここで、特許文献1に記載される壁パネルは、上下方向に延びて壁パネル本体に取り付けられる複数の長尺形状の金物と、これらの金物に直交して取り付けられ、水平方向に延びるガイドレールと、ガイドレールに嵌合して取り付けられるタイルとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-191246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される壁パネルでは、上下方向に延びる長尺形状の金物は、壁パネル本体にアンカーボルトを介して取り付けられている。そのため、壁パネル本体にはアンカーボルト用の孔を設けなければならず、その分、壁面の強度が低下するおそれがあった。
【0005】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、壁面の強度を低下させずにタイルを取り付けることができる壁パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明に係る壁パネルは、コンクリート製のパネル本体と、パネル本体に埋め込まれた状態で設けられるとともに、上下方向に延びる複数の縦レールと、縦レールに取り付けられるとともに、水平方向に延びる複数の横レールと、横レールに取り付けられる複数のタイルとを備え、縦レールにはアンカーが一体的に接続され、アンカーは縦レールとともにパネル本体に埋め込まれた状態で設けられる
【0007】
また、この発明に係る壁パネルの縦レールにはアンカーが一体的に接続され、アンカーは縦レールとともにパネル本体に埋め込まれた状態で設けられてもよい。
【0008】
さらに、壁パネルの縦レール及び横レールは、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム系合金めっき鋼板により形成されてもよい。
また、縦レール及び横レールは、ステンレス鋼により形成されてもよい。
【0009】
また、この発明に係る壁パネルの製造方法は、上下方向に延びる複数の縦レールに、アンカーを一体的に接続し、アンカーが縦レールとともに埋め込まれた状態でコンクリート製のパネル本体を成形し、次に、水平方向に延びる複数の横レールを縦レールに固定部材を介して取り付け、次に、複数のタイルを横レールの各々に嵌合させて取り付けるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る壁パネル及びその製造方法によれば、壁面の強度を低下させずにタイルを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1に係る壁パネルを示す立面図である。
図2図1に示す壁パネルを切断線II-IIで切断した様子を示す断面図である。
図3図1に示す壁パネルを切断線III-IIIで切断した様子を示す断面図である。
図4図1に示す壁パネルの縦レール及びアンカーの形状を示す図である。
図5図5(a)は、図4に示す縦レール及びアンカーがパネル本体に埋め込まれている状態を示す側面図であり、図5(b)は、図4に示す縦レールを示す立面図である。
図6図6(a)は、図1に示す壁パネルの縦レールに横レールが取り付けられた状態を示す側面図であり、図6(b)は、図6(a)に示される横レールの形状を示す立面図である。
図7図7は、図6(a)に示す横レールにタイルが取り付けられた状態を示す断面図である。
図8図1に示す壁パネルの横レールを縦レールに取付ける固定部材の構造を示す分解斜視図である。
図9図8に示す固定部材のワッシャの形状及び動きを示す模式図である。
図10図9に示すワッシャの形状の別例を示す模式図である。
図11図11(a)~(e)は、図7に示すタイルを横レールに取り付ける手順を示す説明図である。
図12】この発明の実施の形態2に係る壁パネルを示す断面図である。
図13】この発明の実施の形態3に係る壁パネルの縦レールを示す斜視図である。
図14図13に示す縦レールを上面側から見た模式図である。
図15図13に示す縦レールに横レールを取付ける際に使用される固定部材の分解斜視図である。
図16】この発明の実施の形態4に係る壁パネルの縦レールを示す図であり、図16(a)は縦レールの取付部材を幅方向から見た図であり、図16(b)は、縦レールを長手方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に示すように、上下方向Vに複数の列毎に並べられた複数の長方形状のタイル4が、壁パネル100の屋外側の面を覆うように設けられている。タイル4の各々は、上下方向Vに延びる複数の縦レール2及び水平方向Hに延びる複数の横レール3を介してパネル本体1に取り付けられている。
なお、上下方向V及び水平方向Hは、厳密に鉛直又は水平な方向である必要はなく、上下方向Vは、壁パネル100が施工される建物の高さ方向であり、水平方向Hは、建物の屋根の軒や基礎に略平行な方向であればよい。
また、縦レール2及び横レール3は、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム系合金めっき鋼板をプレノッチロールフォーミング工法で加工することにより形成される。
【0013】
図2及び3に示すように、縦レール2はコンクリート製のパネル本体1に埋め込まれた状態で取り付けられている。また、縦レール2には、水平方向Hに延びるアンカー23が溶接によって一体的に接続されており、アンカー23は縦レール2とともにパネル本体1に埋め込まれる。なお、図2に示すように、各々のアンカー23は上下方向Vに沿って一定の間隔で設けられている。また、縦レール2の壁外側Eには上下方向Vに一定の間隔で並んで設けられる複数の突出部22が形成されている。突出部22の各々には、横レール3の各々が係合される。
【0014】
次に、図4及び5を参照して、縦レール2の形状についてより詳細に説明する。
図4に示すように、縦レール2は、C形鋼の両側のリップ21の一部が壁外側Eに立ち上げられることにより突出部22が形成されたものである。図5(a)に示すように、縦レール2の突出部22は略平行四辺形状をなしている。また、図5(b)に示すように、縦レール2の両側のリップ21の間には間隔D1が設けられる。またさらに、縦レール2の壁内側Fにはアンカー23が溶接によって取り付けられている。図4に示すように、アンカー23は、水平方向Hに延びる丸棒形状の部材であり、中央部分23aが壁外側Eに湾曲する。
【0015】
また、図6(a)に示すように、横レール3には、縦レール2の突出部22に係合可能な屈折部分3aが形成される。また、図6(b)に示すように、屈折部分3aよりも上端寄りの部分には、水平方向Hを長手方向とする長円形状のボルト穴3bが形成される。横レール3を縦レール2に取り付ける際は、図6(a)に示すように、縦レール2の突出部22に横レール3の屈折部分3aを係合させる。
【0016】
図7に示すように、横レール3は固定部材31によって縦レール2に固定されている。図7及び8に示すように、固定部材31は、ボルト31a,変形ワッシャ31b及び円形ワッシャ31cを有する。ボルト31aはボルト穴3bに挿通する。ここで、変形ワッシャ31bと円形ワッシャ31cとの間に縦レール2のリップ21及び横レール3が挟み込まれることにより、横レール3は縦レール2に対して固定される。
【0017】
次に、図9を参照して、変形ワッシャ31bの形状について説明する。
変形ワッシャ31bは、平行四辺形形状をなしており、リップ21同士の間隔D1よりも小さいD2の幅を有する。変形ワッシャ31bは中央部分にボルト31aが係合した状態で、図9の二点鎖線に示す向きで縦レール2の内側に挿入される。そして、ボルト31aを回すことにより、矢印に示すように変形ワッシャ31bが回転し、変形ワッシャ31bの平行四辺形の鋭角部分Sが縦レール2のリップ21に当接する。これによって、変形ワッシャ31bは、円形ワッシャ31cとの間に縦レール2及び横レール3を挟み込むことが可能となる。従って、変形ワッシャ31bを有する固定部材31により、少ない部品で簡易に横レール3を縦レール2に固定させることができる。
【0018】
なお、固定部材31の変形ワッシャの形状は、図9に示すような平行四辺形状に限定されず、図10に示す変形ワッシャ131bのような形状であってもよい。すなわち、変形ワッシャ131bは、平行四辺形の一対の鋭角部分Sが切除されて直線部131dが形成された形状をなしており、直線部131dの各々は縦レール2の内面に係合し得る。そのため、変形ワッシャ131bを有する固定部材31は、より安定して横レール3を縦レール2に取付けることができる。
【0019】
また、図7に示すように、タイル4の壁内側Fには凹部4aが形成される。凹部4aの底部41の上端には上端溝部4bが設けられている。また、凹部4aの底部41の下端には下端溝部4cが設けられる。そして、横レール3とタイル4の凹部4aとが互いに嵌合することによってタイル4は横レール3に取り付けられる。この時、横レール3の上端3cはタイル4の上端溝部4bと係合し、横レール3の下端3dはタイル4の下端溝部4cと係合する。
【0020】
次に、図11(a)~(e)を参照して、タイル4の取り付け方法について説明する。
まず、上下方向Vに延びる複数の縦レール2が埋め込まれた状態でコンクリート製のパネル本体1を成形し、次に、水平方向Hに延びる複数の横レール3を縦レール2に固定部材31を介して取り付ける。
そして、図11(a)に示すように、横レール3の下端3dがタイル4の凹部4aの内部に差し込まれるように、タイル4を下から上に移動させる。
次に、図11(b)に示すように、横レール3の下端3dをタイル4の凹部4aの下端溝部4cの段差に当接させるとともに、横レール3の上端3cもタイル4に当接させる。
さらに、図11(c)に示すように、さらにタイル4を上方に持ち上げ、横レール3の下端3dをタイル4の凹部4aの下端溝部4cに係合させた上で、下端溝部4cを中心にしてタイル4を図11(d)に示すように回動させる。そして、図11(e)に示すように、横レール3はタイル4の凹部4aの内部に収納された状態となる。この状態において、横レール3の上端3cとタイル4の上端溝部4bとが互いに当接するよう、タイル4の位置は下方にずらすように移動させる。これにより、タイル4は横レール3の各々に嵌合して取り付けられる。
【0021】
以上より、この実施の形態1に係る壁パネル100では、上下方向Vに延びる複数の縦レール2がコンクリート製のパネル本体1に埋め込まれた状態で設けられるため、パネル本体1に縦レール2を取り付けるためのボルト穴等を設ける必要がない。そのため、パネル本体1の強度を低下させることなく、パネル本体1にタイル4を取り付けることができる。
【0022】
また、縦レール2には溶接によってアンカー23が一体的に接続されており、アンカー23は縦レール2とともにパネル本体1に埋め込まれた状態で設けられる。従って、パネル本体1の強度を低下させることなく、パネル本体1に対して縦レール2をより強固に固定することができる。
【0023】
また、縦レール2及び横レール3は、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム系合金めっき鋼板により形成されるため、壁パネル100は耐食性及び耐候性に優れている。
【0024】
なお、縦レール2及び横レール3は、溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム系合金めっき鋼板に限定されず、ステンレス鋼により形成されてもよい。縦レール2及び横レール3がステンレス鋼によって形成されることにより、錆が発生しにくくなり、壁パネル100は耐食性に優れたものとなる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る壁パネル200の構成を図12に示す。なお、以下の説明において、図1~11の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
壁パネルの横レール3にはタイル104が取り付けられている。タイル104の上端には凸部104aが形成され、下端には凹部104bが形成される。上下方向Vに隣り合って並ぶタイル104同士は、図12の矢印Mに示すように壁外側から目視した際に互いの凸部104aと凹部104bとが互いに重なりあうように配置される。
【0026】
また、横レール3は縦レール2に対して固定部材43によって固定されている。固定部材43は、縦レール2の壁内側Fから壁外側Eに向かって予め貫通して取り付けられるネジ付ナット43bと、ネジ付ナット43bに螺合するボルト43aとを有する。またボルト43aにはスプリングワッシャ43cが取り付けられ、横レール3は、スプリングワッシャ43cと縦レール2のリップ21との間に挟み込まれることにより、縦レール2に固定される。このように、縦レール2に予めネジ付ナット43bが取り付けられていることにより、ボルト43aを簡単に締め付けることができ、横レール3を縦レール2に効率よく取り付けることができる。
【0027】
以上より、この実施の形態2に係る壁パネル200では、外側から目視された際に、タイル104同士の隙間からタイル104の上端の凸部104aが視認される。これにより、タイル104同士の隙間に目地が設けられているように見え、タイル104の間にモルタル等で目地を設ける必要がなくなる。これにより、意匠性が良くなるとともに、施工時の作業効率が向上する。
また、壁パネル200では、壁パネル100と同様に、縦レール2がパネル本体1に埋め込まれた状態で設けられているので、パネル本体1の強度を低下させることなく、パネル本体1にタイル4を取り付けることができる。
【0028】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る壁パネル300の構成を図13~15に示す。
壁パネル300のパネル本体1には、図13及び14に示す縦レール302が埋め込まれる。縦レール302はC形鋼であり、縦レール302の一対のリップ321は内側に傾斜して設けられている。また、縦レール302の外周には、C字形状の曲板部材322が嵌合される。曲板部材322の各々は、縦レール302の外周面に設けられた3個の爪部302aによって、縦レール302に取り付けられる。また、曲板部材322の両端の各々には上方に突出する鋭角状の部分である突出部322aが形成される。そして、曲板部材322には、横レール3が載置されて取り付けられる。この時、横レール3の屈折部分3aが曲板部材322の突出部322aに係合する。
【0029】
また、横レール3は固定部材331によって縦レール302に固定される。図15に示すように、固定部材331は、横レール3のボルト穴3bを貫通して設けられるボルト331aと、ボルト331aに係合するナット331bと、ボルト331aに取り付けられるとともにナット331bに隣接して設けられるワッシャ331fとを有する。また、固定部材331は取付板331cを有し、取付板331cの中央に形成されるボルト穴331dにはボルト331aが貫通する。また、取付板331cの両端には傾斜部331eが形成され、傾斜部331eは縦レール302のリップ321に係合する。固定部材331のボルト331a及びナット331bによって、横レール3及び取付板331cが互いに締め付けられることにより、横レール3は取付板331cを介して縦レール302に固定される。
なお、ナット331bと取付板331cとの間に設けられるワッシャ331fは、平ワッシャでなく、スプリングワッシャであってもよい。
【0030】
以上より、この実施の形態3に係る壁パネル300では、縦レール302のリップ321に突出部を設ける加工を施さずに、別部品である曲板部材322を縦レール302に組み付けることで、横レール3を縦レール302に取り付けることができる。これにより、壁パネル300の施工時の作業効率が向上する。
また、壁パネル300では、壁パネル100,200と同様に、縦レール302がパネル本体1に埋め込まれた状態で設けられているので、パネル本体1の強度を低下させることなく、パネル本体1にタイル4を取り付けることができる。
【0031】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る壁パネル400の構成を図16に示す。
図16に示すように、壁パネル400は縦レール302を有し、縦レール302には取付部材402が取り付けられている。取付部材402は縦レール302と平行に延び、略L字形状の断面を有している。取付部材402は縦レール302の側面に溶接によって取り付けられる。また、取付部材402は、横レール3の取付方向に向かって突出する複数の爪部402aを有する。爪部402aは取付部材402の長手方向に沿って各々、所定の間隔を空けて設けられている。そして、取付部材402の爪部402aの各々には、横レール3が載置されて取り付けられる。
【0032】
以上より、この実施の形態4に係る壁パネル400では、壁パネル300と同様に、縦レール302に別部品である取付部材402を組み付けることで、縦レール302の加工が不要となり、横レール3を縦レール302に効率よく取り付けることができる。
また、壁パネル100,200,300と同様に、縦レール302がパネル本体1に埋め込まれた状態で設けられるので、パネル本体1の強度を低下させることなく、パネル本体1にタイル4を取り付けることができる。
【0033】
なお、実施の形態1~4において、タイル4には陶製のものが使用されるが、これに限定されず、石材又は金属で作られたタイルを用いてもよい。
また、アンカー23は縦レール2,302に溶接によって接続されるが、これに限定されず、アンカー23はリベットやねじによって縦レール2,302に一体的に接続されてもよい。
また、アンカー23は丸棒形状の部材に限定されず、例えば、角形状の断面を有する部材であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 パネル本体、2,302 縦レール、3 横レール、4 タイル、23 アンカー、31,43,331 固定部材、100,200,300,400 壁パネル、H 水平方向、V 上下方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16