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▶ エスカーラ メディカル リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】アンカー送達のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
A61B17/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019548788
(86)(22)【出願日】2017-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 IL2017051300
(87)【国際公開番号】W WO2018100576
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】62/427,240
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519192463
【氏名又は名称】エスカーラ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,エディット
(72)【発明者】
【氏名】ワイスブロッド,ハガイ
(72)【発明者】
【氏名】ソボル,モラン
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ,シャハル
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-520263(JP,A)
【文献】特表2008-529608(JP,A)
【文献】特開2015-097821(JP,A)
【文献】特表2012-511403(JP,A)
【文献】特開2015-062697(JP,A)
【文献】特開2011-083626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
17/04 - 17/08
17/56 - 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1組織を第2組織に固定する際の使用のためのアンカーシステムであって、前記アンカーシステムは
a.四点二平面アンカーであって、前記アンカーは、
i.第1近位連結部分と、前記第1近位連結部分とは同一平面上に配置され、かつ、少なくとも収縮構成においては遠位方向に、および少なくとも非収縮構成においては横方向に、前記第1近位連結部分から離れるように延長する、対向するフックの遠位対と、を備える、第1平坦アンカー要素と、
ii.ラッチ機構を用いることにより前記第1近位連結部分と一緒に嵌り合うように構築された第2近位連結部分と、前記第2近位連結部分とは同一平面上に配置され、かつ、少なくとも収縮構成においては遠位方向に、および少なくとも非収縮構成においては横方向に、前記第2近位連結部分から離れるように延長する、対向するフックの遠位対と、を備える、第2平坦アンカー要素と、
を備え、
記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素は、前記ラッチ機構を用いることにより一緒に連結される
四点二平面アンカーと、
b.前記アンカーの非収縮直径よりも小さい内径を有する遠位管部分を備える回収装置であって、それにより、前記アンカーの前記遠位管部分内への近位方向の引き抜きが前記アンカーを収縮状態に収縮させるのに効果的であり、
前記回収装置の遠位管部分は、前記アンカーに接続される回収ワイヤを前記遠位管部分に通すように構成され、それにより、(i)前記回収ワイヤを包囲する遠位管部分の遠位方向の前進が、前記遠位管部分の遠位先端部を前記アンカーの近位部分にもってくるのに効果的であり、かつ(ii)前記回収ワイヤの近位方向の引き抜きが、前記アンカーを前記遠位管部分内に引っ込ませ、前記遠位管部分内に収まるように収縮させるのに効果的であり、
前記回収装置は、前記遠位管部分の近位にあり、かつ近位管部分の遠位にある可撓接合部を備える、
回収装置と、
を備える、アンカーシステム。
【請求項2】
前記可撓接合部の可撓性は、前記遠位先端部を前記アンカーの近位部分にもってくることが、前記遠位先端部が前記アンカーの基部を包囲するように自動誘導することを含むようなものである、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項3】
前記回収ワイヤを包囲する遠位管部分の遠位方向の前進において、前記遠位管部分は、前記遠位先端部が前記アンカーの基部を包囲するまで、前記可撓接合部で任意の径方向寸法に収縮するのに効果的である、請求項1または2のどちらか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項4】
前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素は、前記ラッチ機構によってのみ一緒に連結される、請求項1乃至3の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項5】
前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素は、溶接、接着剤による取り付け、クリップによる取り付け、圧着、または挿入および/またはラッチしていない他の連結機構を用いずに一緒に連結される、請求項1乃至4の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項6】
(i)前記第1近位連結部分は、前記第1近位連結部分の後方側面と前方側面との間で延長するアパーチャを有し、(ii)前記第2近位連結部分は、近位突起体をそれぞれ備える1対の離間した近位アーム部であって、前記近位アーム部の近位突起体は互いに向かって突起し、前記近位突起体の間の近位側距離は、前記第1近位連結部分の後方側面から前方側面まで測定された厚さよりも小さい、近位アーム部を備え、(iii)前記第1近位連結部分および前記第2近位連結部分の締結は、前記第2近位連結部分の近位突起体の前記第1近位連結部分のアパーチャへの挿入およびラッチを含む、請求項1乃至の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項7】
前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素のそれぞれは、1枚の超弾性物質から取得される、請求項1乃至の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項8】
前記アンカーシステムは、長尺ニードルを備えるアプリケータを追加的に備え、前記アンカーは前記長尺ニードル内に配置され、前記対向するフックの遠位対は、前記長尺ニードル内に収まるように縮小状態に付勢される、請求項1乃至の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項9】
前記アプリケータは、前記対向するフックの遠位対が遠位側で外向きに前記長尺ニードルの縦軸から前記第2の組織の中または向こうに延長するのを可能にするべく、前記長尺ニードルの遠位端部の外に前記アンカーを射出するように構成されたトリガ可能な前進機構を追加的に備える、請求項に記載のアンカーシステム。
【請求項10】
前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素は一緒に連結し、前記第1平坦アンカー要素により画成される第1面前記第2平坦アンカー要素により画成される第2面との間に70度と110度との間の角度を形成するように構築される、請求項1乃至の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項11】
前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素は、前記第1平坦アンカー要素により画成される第1面、および前記第2平坦アンカー要素により画成される第2面が互いに対して垂直であるように一緒に連結するように構築される、請求項1乃至10の何れか一項に記載のアンカーシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載のアンカーシステムのアンカーを製造するための方法であって、前記方法は、
a.少なくとも1枚の超弾性物質から前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素を取得することであって、前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素のそれぞれは各々の面を画成することと、
b.前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素を、前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素の各々の面が互いに対して垂直な状態で位置決めすることと、
c.前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素を一緒に結合するべく、前記第1平坦アンカー要素および前記第2平坦アンカー要素を締結することと、
を備える、方法。
【請求項13】
前記締結することは、前記第2平坦アンカー要素の近位突起体を前記第1平坦アンカー要素のアパーチャへ挿入およびラッチすることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記取得することは、圧断、切断、成型および鍛造からなる群より選択される技術を用いることによる、請求項12または13のどちらか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「Anchor Delivery System and Method」を発明の名称とする2016年11月29日に出願された米国仮特許出願第62/427,240号の優先権を主張する。なお米国仮特許出願第62/427,240号は参照することによりその全体が本願に援用される。
【0002】
本発明は組織アンカーシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
患者の身体の内部部分を支持するために使用される多様な医療装置および処置(例えば骨盤臓器脱の治療などのための)が存在する。患者の骨盤底は、臓器(例えば骨盤腔内の膀胱、結腸、尿道、子宮、子宮頸、小腸、または直腸など)を支持するための筋肉および靭帯を含む。骨盤臓器脱は、この正常な構造的支持が伸長または脆弱化したときに発生し、これらの臓器の下降または落下を生じさせる。骨盤臓器脱には4つの主要な形態が存在する。膀胱瘤は膣壁の脆弱化であり、その結果、膀胱が膣内に飛び出す。直腸瘤は膣後壁の脆弱化であり、その結果、直腸が膣内に飛び出す。膣円蓋小腸(子宮脱)では、子宮が上方から膣内に飛び出し、腸ヘルニアでは、小腸が下降し膣内に飛び出す。
【0004】
この種の疾患を治療するための1つの処置は膣尖部を、仙棘靭帯に、または骨盤領域内の他の構造的に支持する組織に、固定することを含む。大多数の状況では、前方または後方の脱出は尖部支持の欠陥により生じる。膣尖部領域を支持することにより、膣領域の尖部に関する脱出の大部分が緩和される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の脱出治療処置には経腹アプローチまたは経膣アプローチによる切開が必要である。特に、これらの処置はメッシュ、グラフト、または他のインプラントを患者の骨盤領域内に留置することを含む。メッシュ、グラフト、または他のインプラントは1つまたは複数の切開部を通して骨盤領域に送達される。したがって、この処置は相当な手術を必要とし、患者は、通常は回復の一部として手術後数日にわたる入院を余儀なくされる。
【0006】
関連技術の前述の事例およびそれに関連する制限は、例示的であることを意図するものであり、排他的ではない。関連技術の他の制限は、本明細書を読み、図面を研究すると、当業者に明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に記載する実施形態およびその態様は、代表的および例示的であることが意図され、範囲の限定を意図しないシステム、ツール、および方法に関連して説明および図示される。
【0008】
一実施形態によれば、長尺ニードルと、前記の長尺ニードルの近位端部に配置されたハンドルと、前記の長尺ニードル内に配置された超弾性アンカーであって、前記の長尺ニードル内に収まるように縮小状態に付勢される、少なくとも1つの常態では拡張される長尺フックを含む、超弾性アンカーと、固定要素と、前記の長尺ニードル内部に配置され、かつ、前記の長尺ニードルの長さの少なくとも1部分に沿って延長する、糸であって、前記のアンカーに連結され、かつ、前記の固定要素に通される、糸と、前記のハンドルによりトリガ可能であり、かつ、前記の長尺フックが前記の長尺ニードルの長手方向軸から遠位側で外向きに組織内に、または組織を越えて、拡張することが可能となるよう、長尺ニードルの遠位端部から前記のアンカーを射出し、前記のアンカーの射出後、少なくとも1つの方向におけるアンカーの動きを防止するために固定要素を装置から射出するよう構成された、前進機構と、を含む装置が提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、固定要素は長尺ニードルの周りに摺動可能に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、固定要素は、少なくとも1つの方向における前記の糸上での固定要素の摺動を防止するよう構成されたアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、前記の固定要素のアクチュエータはラチェット機構である。いくつかの実施形態では、前記の固定要素のアクチュエータは前記の糸に対して力を作用させるよう構成される。
【0011】
1つの態様によれば、1枚の超弾性物質から取得された第1平坦アンカー要素であって、前記の近位連結部分の後方側面と前方側面との間で延長するアパーチャを有する第1近位連結部分、および、前記の第1近位連結部分に対して同一平面上に配置され、かつ、前記の第1近位連結部分から遠位方向ならびに横方向に離間する方向に延長する、対向するフックの遠位対、を含む、第1平坦アンカー要素と、1枚の超弾性物質から取得され、かつ、各近位アーム部が近位突起体を含む1対の離間した近位アーム部であって、前記のアーム部の前記の近位突起体は互いに向かって突起し、前記の近位突起体の近位側距離は前記の第1結合要素の後方側面から前方側面まで測定された厚さよりも小さい、1対の離間した近位アーム部を含む第2近位連結部分、および、前記の第2近位連結部分に対して同一平面上に配置され、かつ、前記の第2近位連結部分から遠位方向および横方向に離間する方向に延長する、対向するフックの遠位対、を含む、第2平坦アンカー要素と、を含み、前記の第1平坦アンカー要素および前記の第2平坦アンカー要素は、前記の第2平坦アンカー要素の前記の近位突起体を前記の第1平坦アンカー要素の前記のアパーチャに挿入およびラッチしたときに、一緒に連結するよう構築される、アンカーが提供される。
【0012】
1つの態様によれば、少なくとも1枚の超弾性物質から第1平坦アンカー要素および第2平坦アンカー要素を取得するステップと、前記の第1平坦アンカー要素および前記の第2平坦アンカー要素を、前記の第1平坦アンカー要素および前記の第2平坦アンカー要素の面が互いに対して垂直となるよう、位置決めするステップと、前記の第2平坦アンカー要素の前記の近位突起体を前記の第1平坦アンカー要素の前記のアパーチャに対して挿入およびラッチするステップと、を含む、アンカーを製造するための方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態では、取得するステップは、圧断、切断、および鍛造からなる群より選択される技術を用いることによる。
【0014】
他の態様によれば、長尺ニードルを経膣導入し、順次的に、前記の長尺ニードルの遠位端部で膣壁に対して突き刺して仙棘靭帯などの靭帯に貫入するステップと、前記のアンカーの長尺フックが前記の長尺ニードルの長手方向軸から遠位側で外向きに靭帯内に拡張するよう、収縮されたアンカーを前記のニードルの遠位端部から射出するステップと、例えば前記のアンカーに連結された糸を露出させるために、前記の長尺ニードルを膣壁に対する近位位置まで引き抜くステップと、膣壁の近位部分に対して固定要素を展開し、少なくとも1つの方向における前記の糸上における前記の固定要素の摺動を防止し、それにより膣壁を靭帯に固定するために、アクチュエータを作動させるステップと、を含む、靭帯固定のための方法が提供される。
【0015】
この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念の選択を簡略化された形で紹介するために提供されたものである。この概要は、特許請求される発明主題の必ずしもすべての重要な特徴または不可欠な特徴を特定することを意図せず、また、特許請求される発明主題の範囲を限定することも意図しない。
【0016】
さらなる実施形態、および、本発明の適用性の全範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、本発明の好適な実施形態を示す一方で、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかとなるため、説明を目的としてのみ示されたものであることを理解すべきである。
【0017】
例示的な実施形態が参照される図面において示される。図面に示される構成要素および特徴物の寸法は、全般に、提示の簡便性および明瞭性のために選択され、必ずしも正確な縮尺ではない。以下に図面を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】一実施形態に係る第1組織を第2組織に固定するための装置の完成図である。
図1B】一実施形態に係る図1Aの装置のシャフトの遠位部分の拡大部分透視図である。
図1C】一実施形態に係る図1Aの装置の長尺ニードルおよび固定要素斜視図である。
図1D】一実施形態に係る、図1Cの固定要素、および、その収縮構成にある図1Aの装置の超弾性アンカーの斜視図である。
図1E】一実施形態に係る、図1Aの装置から放出された後の、図1Cの固定要素、および、その拡張構成にある図1Dの超弾性アンカーの斜視図である。
図2A】一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定するために装置から放出された後の、固定要素およびその拡張構成にある超弾性アンカーの斜視図である。
図2B】一実施形態に係る、回収装置内に引き込まれる位置にある図2Aのアンカーを示す図である。
図2C】一実施形態に係る図2Bの拡大図である。
図2D図2B図2Cのアンカーおよび回収装置に係る、靭帯内に展開されたアンカーを、膣壁を通して回収するための方法のステップを示す概略図である。
図2E図2B図2Cのアンカーおよび回収装置に係る、靭帯内に展開されたアンカーを、膣壁を通して回収するための方法のステップを示す概略図である。
図2F図2B図2Cのアンカーおよび回収装置に係る、靭帯内に展開されたアンカーを、膣壁を通して回収するための方法のステップを示す概略図である。
図2G】一実施形態に係る回収装置の斜視図である。
図2H】一実施形態に係る回収装置の断面図である。
図3A】一実施形態に係るアンカーの完成図である。
図3B】一実施形態に係る、図3Aのアンカーの第1平坦アンカー要素の概略図である。
図3B(1)】一実施形態に係る、図3Aのアンカーの代替的な第1平坦アンカー要素の概略図である。
図3C】一実施形態に係る、図3Bの第1平坦アンカー要素の遠位端部図である。
図3D】一実施形態に係る、図3Aのアンカーの第2平坦アンカー要素の概略図である。
図3E】一実施形態に係る、図3Dの第2平坦アンカー要素の遠位端部図である。
図4】一実施形態に係る、図2A図2Eのアンカーを製造するための方法のステップのフローチャートである。
図5】一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定するための方法のステップのフローチャートである。
図6A図1A図1Eの装置に係る、膣壁を靭帯に固定する方法のステップを示す概略図である。
図6B図1A図1Eの装置に係る、膣壁を靭帯に固定する方法のステップを示す概略図である。
図6C図1A図1Eの装置に係る、膣壁を靭帯に固定する方法のステップを示す概略図である。
図6D図1A図1Eの装置に係る、膣壁を靭帯に固定する方法のステップを示す概略図である。
図6E図1A図1Eの装置に係る、膣壁を靭帯に固定する方法のステップを示す概略図である。
図7】一実施形態に係る、固定要素の側面図である。
図8A】一実施形態に係る、固定要素の側面図である。
図8B】一実施形態に係る、固定要素の近位端部図である。
図9A】一実施形態に係る、固定要素の側面図である。
図9B】一実施形態に係る、固定要素の近位端部図である。
図10A】一実施形態に係る、固定要素の側面図である。
図10B】一実施形態に係る、固定要素の近位端部図である。
図11】一実施形態に係る固定要素に通された糸を示す図である。
図12】一実施形態に係る、アンカーおよび固定要素に連結された糸を示す図である。
図13】一実施形態に係る、アンカーおよび固定要素に連結された糸を示す図である。
図14】一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定する2つのアンカーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、第1組織を第2組織に(例えば膣壁を仙棘靭帯に)固定するための装置と、係る装置を操作するための方法と、が開示される。この固定によりこれら2つの組織は、接触させられてもよく、または、固定の様式により許容される距離を越えて引き離されることがない状態で互いから特定距離に保たれてもよい。いくつかの実施形態では、第1組織および第2組織は同一組織の異なる部分を指し得る。さらに、係る装置を製造する方法も開示される。
【0020】
この装置は組織に貫入するための長尺ニードルを含み得、長尺ニードルは、収縮構成にあるアンカーと、固定要素と、を収容する。固定要素は、固定要素に対して少なくとも1つの方向におけるアンカーの移動を防止し、それにより、長尺ニードルからアンカーが放出されることを可能にするよう構成され得る。固定要素は、固定要素が組織に対して作用させる負荷が拡散するよう、比較的大きい表面積にわたり組織に対して接続し得る。
【0021】
所望によりアンカー、またはアンカーの少なくとも1部分は、生分解性を示す。所望によりアンカー、またはアンカーの少なくとも1部分は、弾性を示す。所望によりアンカー、またはアンカーの少なくとも1部分は、超弾性を示す。所望により、アンカーは少なくとも1つの常態では拡張される遠位フックを含む。遠位フックは、長尺ニードル内に収まるよう付勢されており、長尺ニードルから放出されたとき遠位側で外向きに拡張する。所望により、ニードルからアンカーが放出されると、少なくとも1つのフックは、長尺ニードルの長手方向軸から組織内に遠位側で外向きに拡張する。所望により、アンカーは、少なくとも1つのフックが組織の遠位表面の外側で体腔へと拡張するよう、放出される。係る実施形態ではアンカーは、少なくとも1つのフックよりもむしろ1つまたは複数のTバーを含むよう構築され得る。
【0022】
所望により、この装置は複数のアンカーを含む。所望により、長尺ニードルは複数のアンカーを収容し得る。係る実施形態では、複数のアンカーは連続的または順次的に展開され得る。代替的または追加的に、この装置は複数の長尺ニードルを含み得る。各長尺ニードルは、複数のアンカーが同時に展開され得るよう、少なくとも1つのアンカーを収容する。複数のアンカーは互いに連結され得る。複数のアンカーは、組織内に展開される前に、互いに連結され得る。代替的に、複数のアンカーは、組織内に展開されるときに、互いに連結され得る。図14を参照すると、図14では、一実施形態に係る、第2組織1492を第1組織1490に固定する2つのアンカー1408aおよび1408bが示されている。2つのアンカー1408aおよび1408bは第2組織1492(例えば仙棘靭帯)内に展開される。所望により、アンカー1408aおよび1408bはバンド1420により一緒に連結されており、バンド1420は、第1組織がバンド1420により切断されないよう、(少なくとも第1組織1490の近位表面に対して接触する箇所において)充分な幅を有する。バンド1420は、第1組織1490(例えば膣壁)に対して近位側でアンカー1408aと1408bとの間で拡がり、それにより第1組織(例えば膣壁)が第2組織1492に固定され得る。所望により、バンド1420が組織を切断することをさらに防止するために、固定要素(図示せず)がバンド1420に連結され、第1組織1490の近位表面に対して押し付けられ得る。
【0023】
所望により、固定要素は、アンカーの近位部分に対して係合し、それにより、固定要素に対する少なくとも1つの方向におけるアンカーの動きを防止し得る。所望により、固定要素は、接続要素(例えば非限定的な例としては糸が挙げられる)を介してアンカーに対して係合し得る。糸は、所望により、生体吸収性または非生体吸収性を示し得る外科用糸(外科用「縫合糸」とよばれる場合もある)である。好適な生体吸収性物質は、例えばポリグリコール酸、ポリラクチック酸、モノクリル、およびポリジオキサノンを含む。好適な非生体吸収性物質は、例えば、ナイロン、ポリエステル、PVDF(フッ化ポリビニリデン)、およびポリプロピレンを含む。この糸は、縒り糸、モノフィラメント線、またはマルチフィラメント線であり得る。この糸は金属もしくはプラスチックから作られてもよく、または任意の生体適合性物質から作られてもよい。この糸は剛性または伸張性を示し得る。
【0024】
当業者は、膣腔に永久的に露出される糸(例えば永久縫合糸製)は、望ましくない効果(例えば膣組織に対する炎症、過度のおりもの、その他)を生じさせ得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、固定要素の近位端部は、例えば糸を保護するカバーにより、糸が露出されることを防止するよう構築されると有利であり得る。代替的に、固定要素は、任意の他の好適な手段を使用して(例えば取り付け、接合、および/または任意の他種類の連結を介して)、アンカーに対して係合してもよい。所望により、固定要素と、アンカーの近位部分とは、アンカーの近位部分が固定要素内に収まるよう構築され得る。係合は、長尺ニードルからアンカーが放出される前または後に用いられ得る。所望により、係合は、結索、溶接、接着剤による取り付け、クリップによる取り付け、締結、圧着、または任意の他の好適な機構により、用いられ得る。
【0025】
所望により、固定要素には、糸上で少なくとも1つの方向における固定要素の摺動を防止し、それによりアンカーの相対運動が防止されるようトリガ可能なアクチュエータが装備され得る。所望により、固定要素のアクチュエータは、糸に対して力を作用させるよう構成され得る。所望により、アクチュエータはラチェット機構である。1つの非限定的な事例では、固定要素は、糸の周囲に配置され、かつ、糸上に配置された対向する歯状体/突起部に対して係合可能である、内部歯状体/突起部を含む。所望により、糸および固定要素は、糸および固定要素を一緒にロックするためにその間に形成されたスナップロック係合機構を含む。1つの非限定的な事例では、糸は少なくとも1つの突起を含み得、固定要素は相補的な戻り止めを含み得る。所望により、糸上で固定要素が摺動する間に糸と固定要素とを回転に関して位置合わせするために、位置合わせ機構が、糸と固定要素との間に形成される。
【0026】
所望により、固定要素はビーズと糸締結要素とを含む。ビーズおよび締結要素の非限定的な事例が図7図8A図8B図9A図9B図10A図10B図11図12、および図13に提示されている。
【0027】
ここで図7を参照すると、図7には、一実施形態に係る、少なくとも1つの方向におけるビーズ706aの移動を防止するために、ビーズ706aと、ビーズ706aに通された糸720上で用いられる結節706bと、を含む固定要素706の側面図が示されている。
【0028】
ここで図8Aおよび図8Bを参照すると、図8Aには、一実施形態に係る固定要素806の側面図が示され、図8Bでは、一実施形態に係る固定要素806の近位端部図が示されている。固定要素806は摩擦ラチェット機構として動作する。固定要素806は、外側ビーズ806aと、外側ビーズ806a内に展開された締結要素806bと、を含む。締結要素806bは4つの舌状体806cを含み得、これらの舌状体806cは外側ビーズ806aから内向きに互いに糸820に対して接触するよう延長する。なお糸820は舌状体806c同士の間でビーズ806aに通されている。4つの舌状体806cが糸の外部表面上で摺動するため、糸820は近位方向に移動することが可能である。しかし、4つの舌状体806cの縁部が糸に対して軽微に突き刺さり、それにより遠位方向の移動を妨げるにあたり充分な摩擦が生じるため、糸820が遠位方向に移動することは防止される。
【0029】
ここで図9A図9Bを参照すると、図9Aには、一実施形態に係る固定要素906の側面図が示され、図9Bには、一実施形態に係る固定要素906の近位端部図が示されている。固定要素906は摩擦ラチェット機構として動作する。固定要素906は、外側ビーズ906aと、外側ビーズ906a内に展開された締結要素906bと、を含む。締結要素906bは2つの舌状体906cを含み得る。これらの舌状体906cは外側ビーズ906aから内向きに互いに糸920に対して接触するよう延長する。なお糸920は、舌状体906c同士の間でビーズ906aに通される。2つの舌状体906cが糸の外部表面上で摺動するため、糸920は近位方向に移動することが可能である。しかし、2つの舌状体906cの縁部が糸に対して軽微に突き刺さり、それによりこの遠位方向の移動を妨げるにあたり充分な摩擦が生じるため、糸920が遠位方向に移動することは防止される。
【0030】
ここで図10A図10Bを参照すると、図10Aには一実施形態に係る固定要素1006の側面図が示され、図10Bには一実施形態に係る固定要素1006の近位端部図が示されている。固定要素1006は外側ビーズ1006aと、外側ビーズ1006a内に展開された締結要素1006bと、を含む。締結要素は舌状体1006cおよびピン1006dを含み得る。糸1020はピン1006dとビーズ1006aの内側表面との間の間隙に通され得る。所望により舌状体1006cは、糸1020をピン1006dとビーズ1006aの内側表面との間に固定するために、糸1020に対してピン1006dを押圧し得る。
【0031】
ここで図11を参照すると、図11には、一実施形態に係る固定要素1106に通された糸1120が示されている。固定要素は、外側ビーズ1006aと、突起体1106cおよびくさび部1106dを含む締結要素1006bと、を含む。糸1120は突起体1106cの周りに巻き付けられ得る。所望により、くさび部1106dは力を印加し、糸1120を突起体1106cとくさび部1106dとの間の定位置にロックし得る。
【0032】
ここで図12を参照すると、図12には、一実施形態に係る、アンカー1208と、固定要素1206のビーズ1206aと、に通された糸1220が示されている。糸1220はその端部の両方に隆起を有し、それにより、アンカー1208とビーズ1206aとが互いから事前設定された距離に連結され得る。
【0033】
ここで図13を参照すると、図13には、一実施形態に係る、アンカー1308および固定要素1306に通された糸1320が示されている。糸1320はその端部の両方に隆起を有し得る。所望により、固定要素1306は、バネ1306bにより連結された遠位ビーズ1306a1および近位ビーズ1306a2を含む。バネ1306bは、アンカー1308およびビーズ1306の相互接続に対して軽微な弾性を与えるよう作用し得る。
【0034】
所望により、少なくとも1つのフックは超弾性物質から作られる。本明細書で使用される「超弾性」という用語は、一定負荷のもとで変形した構造体が、その負荷が取り除かれたときに、その元の構成に戻る能力を指す。「超弾性物質」という用語は、物質が、ステンレス鋼物質が塑性変形なしに耐えることが可能な能力の少なくとも2倍の応力に耐える能力を指す。好適な超弾性物質は、ニチノール(ニッケル・チタン合金)などの生体適合性超弾性物質であり得る。本明細書で使用されるように、物質は、当該物質および当該物質のあらゆる分解産物が、全般に患者に対して無毒であり、患者の身体に対して顕著に有毒な効果または不適切な効果(例えば顕著な免疫反応など)を有さない場合に、生体適合性である。
【0035】
所望により、超弾性物質のシートから取得された少なくとも2つの平坦アンカー要素が、アンカーを形成するために一緒に連結され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの平坦アンカー要素は、圧断、切断、成型、および鍛造からなる群より選択された技術を使用して取得される。いくつかの実施形態では、シートの厚さは、0.1mm~1mm、0.2mm~1mm、0.3mm~1mm、0.4mm~1mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1mm、0.1mm~0.9mm、0.2mm~0.9mm、0.3mm~0.9mm、0.4mm~0.9mm、0.5mm~0.9mm、0.6mm~0.9mm、0.1mm~0.8mm、0.2mm~0.8mm、0.3mm~0.8mm、0.4mm~0.8mm、0.5mm~0.8mm、0.6mm~0.8mm、0.1mm~0.7mm、0.2mm~0.7mm、0.3mm~0.7mm、0.4mm~0.7mm、0.5mm~0.7mm、0.6mm~0.7mm、0.1mm~0.6mm、0.2mm~0.6mm、0.3mm~0.6mm、0.4mm~0.6mm、または0.5mm~0.6mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0036】
所望により、少なくとも2つの平坦アンカー要素は、例えばラッチ機構を用いて、一緒に嵌り合うよう、構築され得る。代替的に、少なくとも2つの平坦アンカー要素は、溶接、接着剤による取り付け、クリップによる取り付け、圧着、または任意の他の適切な連結機構により、一緒に連結され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、アンカーは一緒に結合された2つの平坦アンカー要素を含む。係る実施形態では、2つの平坦アンカー要素の面は、5度~175度、10度~170度、15度~165度、20度~160度、25度~155度、30度~150度、35度~145度、40度~140度、45度~135度、50度~130度、55度~125度、60度~120度、65度~115度、70度~110度、75度~105度、80度~100度、85度~95度の範囲の角度を画成する。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。いくつかの実施形態では、2つの平坦アンカー要素の面は互いに対して垂直である。
【0038】
当業者は、本装置および本装置の構成要素の寸法が固定されるべき標的組織に応じて変動し得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、本装置は、体腔内において第1組織を第2組織に固定するためのものである。いくつかの実施形態では、体腔は膣腔である。いくつかの実施形態では、本装置は膣壁を仙棘靭帯に固定するためのものである。
【0039】
以下の説明を通じて、本装置の異なる実施形態の同様の要素は、100の位が異なる整数の要素番号により参照される。例えば図1の超弾性アンカーは番号108により参照され、超弾性アンカー108に対応する図2の超弾性アンカーは番号208により参照される。
【0040】
ここで図1A図1B図1C図1D、および図1Eを参照すると、これらの図面には、第1組織を第2組織に固定するために使用され得る装置100が示されている。図1Aには、一実施形態に係る装置100の完成図が示されている。図1Bには、一実施形態に係る、長尺ニードル(「ニードル」)104と、シャフト102内に配置された固定要素106と、を示す、装置100のシャフト102の遠位部分の拡大部分透視図が示されている。図1Cは、一実施形態に係る、装置100の固定要素106とニードル104を示す斜視図である。図1Dは、一実施形態に係る、固定要素106と、その収縮構成にある超弾性アンカー(「アンカー」)108と、を示す斜視図である。図1Eは、一実施形態に係る、固定要素106と、ニードル104から放出された後にその拡張構成にあるアンカー108と、示す斜視図である。
【0041】
装置100に関する説明を支援するため、長手方向軸Zが図1A図1Bに示されており、長手方向軸Zは、近位端部110から遠位開口部112まで装置100のシャフト102の長さに沿って延長する中心軸とよばれる。
【0042】
装置100はアンカー108を収容するニードル104を含み、アンカー108は少なくとも1つの常態では拡張される長尺フック(「少なくとも1つのフック」)114を含み、少なくとも1つのフック114は、長尺ニードル104内に収まるよう縮小状態に付勢される。所望により、アンカー108は遠位開口部116を介してニードル104から放出され得る。所望により、アンカー108は組織内に放出され得る。所望により、ニードル106からアンカー108が放出されると、少なくとも1つのフック114は、ニードル104の長手方向軸から遠位側で外向きに拡張し得る。所望により、少なくとも1つのフック114は、直交関係にある、1つの対向するフック114aおよび114bと、1対の対向するフック114cおよび114dと、を含み得る。所望により、少なくとも1つのフック114の内側表面には、組織に対して係合し、かつ、組織に対してより良好な保持を提供する、歯状体128が備えられている。
【0043】
所望により、ニードル104には、組織(例えば膣壁および仙棘靭帯)に対して突き刺して貫入するための遠位突き刺し先端部118(例えば、鋭利な面取り加工済み縁部)がさらに備えられている。非限定的な事例では、ニードル104が膣壁および仙棘靭帯に対して突き刺して貫入すると、アンカー108が仙棘靭帯内に放出される。代替的に、突き刺し先端部118が組織を通って体腔に貫入すると、アンカー108がその体腔内に放出され得る。
【0044】
所望により、装置100は、アンカー108の近位端部に対して連結するよう構築された固定要素106をさらに含む。所望により、固定要素106およびアンカー108は糸120を介して連結される。所望により、糸120は、ニードル104の長さの少なくとも遠位部分に沿って配置された長尺スロット122を介して、固定要素106およびアンカー108から延長する。所望により、糸120は固定要素106およびアンカー108のうちの少なくとも一方に通される。
【0045】
所望により、ニードル104および固定要素106はシャフト102内に配置される。所望により、固定要素106はニードル104の周りに摺動可能に配置され得る。代替的に、固定要素は、例えば非限定的な例として、他のシャフト(図示せず)から、別個に配置され得る。所望により、ニードル104および固定要素106のうちの少なくとも一方は、例えば前進機構(図示せず)を用いることにより、遠位開口部112を通りシャフト102から前進させられ得る。前進されられると、固定要素106はシャフト102から放出され得る。前進させられると、ニードル104は、順次的に、第1組織を突き刺して第2組織に貫入するために、シャフト102から遠位側に飛び出し得る。当業者は、ニードル104の遠位開口部116とシャフト102の遠位開口部112との間の事前設定された最大値距離が第1標的組織および第2標的組織に応じて一定範囲の値を取り得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、この事前設定された距離は、5mm~20mm、7mm~20mm、5mm~15mm、6mm~15mm、7mm~15mm、8mm~15mm、9mm~15mm、10mm~15mm、5mm~13mm、6mm~13mm、7mm~13mm、8mm~13mm、9mm~13mm、10mm~13mm、5mm~11mm、6mm~11mm、7mm~11mm、8mm~11mm、9mm~11mm、10mm~11mm、5mm~9mm、6mm~9mm、7mm~9mm、8mm~9mm、5mm~8mm、6mm~8mm、または7mm~8mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0046】
所望により、装置100には、ニードル104の近位端部に配置されたハンドル124がさらに備えられている。所望により、ハンドル124は、固定された様式で、または代替的に着脱可能な様式で、シャフト102の近位端部110に連結される。ハンドル124は、前進機構(図示せず)が、少なくとも1つのフック114がニードル104の長手方向軸から遠位側で外向きに拡張することが可能となるようアンカー108をニードル104の遠位開口部116から射出することを、さらに、アンカー108が固定要素106に対して近位方向に動くことが防止されるようシャフト102から固定要素106をさらに射出することを、トリガするよう構成され得る。所望により、固定要素106には、糸上で少なくとも1つの方向における固定要素120の摺動を防止し、それによりアンカーの相対運動が防止されようトリガ可能なアクチュエータ(図示せず)が装備され得る。所望により、固定要素106のアクチュエータは、糸120に対して力を作用させるよう構成される。所望により、固定要素106および糸120はラチェット機構により係合し、それにより固定要素106は糸120上で1方向に摺動することが可能となる。
【0047】
ここで図2Aを参照すると、図2Aには、一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定するために使用され得る装置200のアンカー208および固定要素206の斜視図が示されている。
【0048】
アンカー208は、図1A図1Eで説明した装置100と実質的に同様であるが、フック214a、214b、214c、および214dの内側表面226が滑らかであり、図1Aの歯状体128が存在せず、その結果、アンカー208の回収が可能であるという点が、注目すべき差異である。所望により、アンカー208はさらに回収ワイヤ230に連結され得る。所望により、回収ワイヤ230はアンカー208の近位基部209に連結される。所望により、アンカー208は、アンカー208と固定要素206とを連結する糸220を切断することにより、固定要素206から取り外され得る。所望により、糸220はアンカー208の近位基部209に連結される。所望により、回収ワイヤ230は、アンカー208を回収するために近位方向に引っ張られ得る。所望により、回収ワイヤ230は、アンカー208から固定要素206を取り外した後に近位方向に引っ張られ得る。
【0049】
当業者は、組織内に展開されたアンカー208を、近位方向にアンカーを引っ張ることにより、回収することは、組織に対してフック214a、214b、214c、および214dを移動させることに起因する損傷(例えば破断)を組織に生じさせ得ることを理解するであろう。組織内に展開されたアンカー208を組織に損傷を生じさせることなく回収するために、アンカー208が、最初に回収装置内に納まるよう収縮された後、次に回収装置内で組織から回収されると、有利である。非限定的な事例では、仙棘靭帯内に展開されたアンカー208は、アンカー208と膣壁との間の直接的接触を防止する回収装置を介して膣壁を通過して回収され得る。
【0050】
ここで図2B図2Cを参照すると、図2B図2Cには、一実施形態に係る、回収装置232内に引き入れられた装置200のアンカー208の斜視図が示されている。回収装置232は、アンカー208がそこを通って貫入管233b内に引き入れられ得る遠位開口部235を有する貫入管233bを含む。貫入管233bの内径は、所望により、折り畳まれたときのアンカー208の外径よりもわずかに大きい。例えば貫入管233bの内径は、折り畳まれたときのアンカー208の外径よりも1~5%、5~10%、10~15%、または15%以上大きい値であり得る。
【0051】
所望により、貫入管233bは、組織に貫入し、遠位開口部235をアンカー208の近位基部209の近傍に位置決めすることを可能にするための、遠位突き刺し先端部(図示せず)を有する。所望により、回収装置232の貫入管233bは、回収ワイヤ230の周囲に配置され、貫入管233bの遠位開口部235がアンカー208の基部に接近することが可能となるよう、回収ワイヤ230の長さに沿って遠位方向に前進される。回収ワイヤ230は、アンカー208の近位基部が遠位開口部235を介してカテーテル233b内に挿入されることが支援されるよう、回収装置232の貫入管233bを通して引っ張られ得る。アンカー208は、貫入管233bを通して近位方向に前進されると、貫入管233b内に収まるよう、収縮し得る。所望により、回収装置232は、貫入管233bの周りに同心状に配置された第2管233aをさらに含む。所望により、貫入管233bは第2管233aの遠位端部234(例えば遠位開口部)から遠位方向に突き出る。所望により、貫入管233bが遠位端部234から突き出ることは、第2管233a内で長手方向軸に沿って貫入管233bが前進することにより支援される。
【0052】
ここで図2D図2Fを参照すると、図2D図2Fの各図面には、第2組織(例えば仙棘靭帯)内に展開されたアンカー208を、フック214a、214b、214c、214dを第1組織290に露出させることなく、第1組織(例えば膣壁)を通して回収するために回収装置232を用いるための方法のステップが示されている。ここで図2Dを参照すると、図2Dには、第1組織290の近位表面に対して導入された第2管232と、第2組織292内のアンカー208の近位基部209に対して密閉する貫入管233bの遠位開口部235と、が示されている。所望により、貫入管233bは、順次的に、遠位突き刺し先端部がアンカー208の近位基部209に到達するよう、第1組織290を通って第2組織292に貫入する。
【0053】
ここで図2Eを参照すると、図2Eには、アンカー208が貫入管233bを通って近位方向に前進させられて貫入管233b内に収まるよう収縮されたフック214の部分的収縮構成が示されている。ここで図2Fを参照すると、図2Fには、貫入管233b内で収縮構成にあるアンカー208が示されている。
【0054】
図2G図2Hはそれぞれ、一実施形態に係る代替的な回収装置240の斜視図および断面図である。回収装置240は長尺シャフト242を含み、これらの図面では長尺シャフト242の遠位部分のみが見られる。シャフト242は、所望によりシャフトの遠位開口部に内部で接続される側方開口部246を有する。
【0055】
ハンドル(図示せず)も回収装置240の一部であり得、このハンドルはシャフト242の近位側面に配置され得る。ハンドルは、外科医が回収装置240を好都合に保持および操作することを可能にする把手を含み得る。シャフト242は、その遠位端部が仙棘靭帯に到達したときに、そのハンドルが完全にまたは大部分が患者の膣口の外側に維持されるよう、充分な長さを有し得る。ハンドルは糸引っ張り機構も含み得る。糸引っ張り機構は、(アンカーの基部に接続されている)糸の自由端をハンドルに固定し、そこから糸を引っ張ることを可能にする。例えば、糸引っ張り機構はプーリを含み得、そのプーリ上に糸が巻き取られ得る。
【0056】
可撓管244がシャフト242の遠位開口部から出現する。この可撓管244は所望により3つの部品から、すなわち、シャフト242に対して取り付けられるか、接続されるか、または一体的に形成された近位硬質管244cと、可撓接合部(例えばコイルバネ24bなど)と、遠位開口部(所望により鋭利化される)を有する遠位硬質管(またはニードル)244aと、から構築される。当業者は、可撓管が、以下で説明する様式で動作するよう構成されるかぎり、異なる様式で構築され得ることを理解するであろう。
【0057】
回収装置240は、以下のように動作する。アンカーの基部に接続され、かつ、所望により膣口から出るよう充分な長さを有する、糸の自由端が、外科医により可撓管244の遠位開口部に挿入され、シャフト242の側方開口部246から出現してくるまで、可撓管に通される。
【0058】
次に糸の自由端は回収装置240に対して近位方向に引っ張られ得る。このように引っ張ることは、ハンドルに設けられた糸引っ張り機構を作動させることによりなされ得る。糸引っ張り機構は、例えば、プーリを回転させることにより、プーリ上で糸を巻き取って、アンカーと回収装置240との間の距離を短縮させる。アンカーを組織に固定する力が比較的強力であるため、回収装置240は、実質上、アンカーに向かって引っ張られ、可撓管244の遠位開口部が組織に(例えば膣壁に、次いで仙棘靭帯に)貫入し、次に、アンカーの基部を包囲するであろう。
【0059】
コイルバネ244bにより(または異なる可撓機構により)達成される可撓管244の可撓性により、可撓管244は、アンカーの基部を包囲するよう、自動誘導する。換言すると、可撓管244が糸上で摺動し、回収装置240が遠位方向に前進する際、糸は緊張状態に保たれ、可撓管244は、可撓管244がアンカー基部を包囲するまで、任意の径方向寸法に収縮することが可能である。
【0060】
可撓管244は、その遠位開口部が、アンカーのフックが外向きにカールし始めるエリアに到達するまで、(例えば回収装置240に向かって糸を引っ張ることにより)前進され得る。次に外科医は、糸を遠位方向に引っ張りことを継続しつつ、回収装置240を定位置に保ち得る。これにより、アンカーが可撓管244内に引き抜かれるにつれて、アンカーのフックは次第に折り畳まれるであろう。
【0061】
可撓管244の内径(または、折り畳まれたアンカーを収容するにあたり充分な長さを有する可撓管244の少なくとも遠位部分の内径)は、所望により、折り畳まれたときのアンカーの外径よりもわずかに大きい。例えば可撓管244の内径は、折り畳まれたときのアンカーの外径よりも、1~5%、5~10%、10~15%、または15%以上大きい値であり得る。
【0062】
所望により、可撓管244はその内腔の内部にアンカーデリミタを有し、アンカーデリミタは、アンカーが近位方向に摺動して可撓管の全体を通り抜けて側方開口部246から出ることを防止する。いくつかのシナリオでは、回収装置240が身体から完全に引き抜かれるまで、アンカーが可撓管244に固定された状態にあることが保証されることは、有利であり得る。アンカーデリミタは、例えば、コイルバネ244bの内径がより狭いこと、すなわち折り畳まれたアンカーの外径よりも狭いことにより、具体化され得る。このことにより、アンカーは遠位硬質管244aの内部に保たれ、さらに近位方向に移動することが防止されるであろう。他の選択肢は、可撓管の内側に内部突起体(図示せず)を含むことである。それによりアンカーは、突起体を通り過ぎようとすると、停止させられる。
【0063】
ここで図3A図3Eを参照すると、一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定するための装置100において使用され得る超弾性アンカー(「アンカー」)208の複数の図が示されている。
【0064】
ここで図3A図3Eを参照すると、一実施形態に係る、第1組織を第2組織に固定するための図1A図1Eの装置100において使用され得る超弾性アンカー(「アンカー」)308の複数の図が示されている。図3A図3B図3C図3D、および図2Eでは、第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342を含むアンカー308の完成図、アンカー308の第1平坦アンカー要素336を示す透視図、第1平坦アンカー要素336の厚さ364を示す遠位端部図、アンカー308の第2平坦アンカー要素342を示す透視図、および、第2平坦アンカー要素342の厚さ366を示す遠位端部図が示されている。
【0065】
第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342に関する説明を支援するために、3つの直交軸が図3Bおよび図3Cに示されている。図3Bを参照すると、「長手方向軸」と標示される軸は、第1平坦アンカー要素336の近位端部346から遠位端部348まで第1近位連結部分344の長さに沿って延長する中心軸を指す。「横軸」と標示される軸は、第1平坦アンカー要素336の幅を示し、第1平坦アンカー要素336の対向するフック314aおよび314bの遠位対の第1横方向縁部350aから、第1平坦アンカー要素336の対向するフック314aおよび314bの遠位対の第2横方向縁部350bまで、延長する。「縦軸」と標示される軸は、第1平坦アンカー要素336の厚さを画成する第1平坦アンカー要素336の前方側面から後方側面まで延長し、縦軸および長手方向軸の両方に対して直交する。図3Dを参照すると、「長手方向軸」と標示される軸は、近位端部354から遠位端部356まで第2平坦アンカー要素342の第2近位連結部分352の長さに沿って延長する中心軸を指す。「横軸」と標示される軸は、第1平坦アンカー要素342の幅を示し、第2平坦アンカー要素342の対向するフック314cおよび314dの遠位対の第1横方向縁部350cから、第2平坦アンカー要素342の対向するフック314cおよび314dの遠位対の第2横方向縁部350dまで、延長する。「縦軸」と標示される軸は、第2平坦アンカー要素342の厚さを画成する第2平坦アンカー要素342の前方側面から後方側面まで延長し、縦軸および長手方向軸の両方に対して直交する。
【0066】
アンカー308は第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342を含む。所望により、アンカー308の第1平坦アンカー要素336およびアンカー308の第2平坦アンカー要素342は、これらの面が、これらの面の間に第1角度αおよび補角βを画成するよう、一緒に連結され得る。いくつかの実施形態では、第1角度αは30度~150度の範囲であり、補角βは第1角度αに対する補角である。所望により、アンカー308の第1平坦アンカー要素336およびアンカー308の第2平坦アンカー要素342の面は互いに対して実質的に垂直であり得る。所望により、第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342は、第2平坦アンカー要素342の近位突起体358aおよび360aが第1平坦アンカー要素336のアパーチャ362に対して挿入およびラッチしたときに一緒に連結するよう、構築され得る。
【0067】
第1平坦アンカー要素336は、第1近位連結部分344と、第1近位連結部分344に対して同一平面上に配置され、第1近位連結部分344から遠位方向かつ横方向に離間する方向に延長する、対向するフック314aおよび314bの遠位対と、を含み得る。所望により、第1近位連結部分344は、第1近位連結部分344の後方側面と前方側面との間で延長するアパーチャ362を含む。
【0068】
所望により、フック314aおよび314bのうちの各フックは、半径R1を有する内側曲率を画成する。いくつかの実施形態では、半径R1は、2mm~3mm、2.1mm~3mm、2.2mm~3mm、2.3mm~3mm、2.4mm~3mm、2.5mm~3mm、2mm~2.6mm、2.1mm~2.6mm、2.2mm~2.6mm、2.3mm~2.6mm、2.4mm~2.6mm、2mm~2.5mm、2.1mm~2.5mm、2.2mm~2.5mm、2.3mm~2.5mm、2.4mm~2.5mm、2mm~2.4mm、2.1mm~2.4mm、2.2mm~2.4mm、または2.3mm~2.4mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0069】
所望により、フック314aの第1横方向縁部350aおよびフック314bの第2横方向縁部350bは、長手方向軸-横軸により画成される平面に沿ってテーパし、それにより第1横方向縁部350aおよび第2横方向縁部350bの各横方向縁部の近位縁部上の表面は先細状となり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1平坦アンカー要素336の対向フック314aおよび314bの遠位対の第1横方向縁部350aから第2横方向縁部350bまで測定された幅337は
、4mm~16mm、4mm~15mm、4mm~14mm、4mm~13mm、4mm~12mm、4mm~10mm、4mm~9mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6.5mm、4mm~6mm、8mm~12.4mm、8mm~12.2mm、8mm~12.1mm、8mm~12mm、8mm~11.9mm、8mm~11.8mm、8mm~11.7mm、8mm~11.6mm、8mm~11.5mm、8mm~11.4mm、8mm~11.3mm、8mm~11.2mm、8.5mm~13mm、8.5mm~12.9mm、8.5mm~12.8mm、8.5mm~12.7mm、8.5mm~12.6mm、8.5mm~12.5mm、8.5mm~12.4mm、8.5mm~12.2mm、8.5mm~12.1mm、8.5mm~12mm、8.5mm~11.9mm、8.5mm~11.8mm、8.5mm~11.7mm、8.5mm~11.6mm、8.5mm~11.5mm、8.5mm~11.4mm、8.5mm~11.3mm、8.5mm~11.2mm、9mm~13mm、9mm~12.9mm、9mm~12.8mm、9mm~12.7mm、9mm~12.6mm、9mm~12.5mm、9mm~12.4mm、9mm~12.2mm、9mm~12.1mm、9mm~12mm、9mm~11.9mm、9mm~11.8mm、9mm~11.7mm、9mm~11.6mm、9mm~11.5mm、9mm~11.4mm、9mm~11.3mm、9mm~11.2mm、9.5mm~13mm、9.5mm~12.9mm、9.5mm~12.8mm、9.5mm~12.7mm、9.5mm~12.6mm、9.5mm~12.5mm、9.5mm~12.4mm、9.5mm~12.2mm、9.5mm~12.1mm、9.5mm~12mm、9.5mm~11.9mm、9.5mm~11.8mm、9.5mm~11.7mm、9.5mm~11.6mm、9.5mm~11.5mm、9.5mm~11.4mm、9.5mm~11.3mm、9.5mm~11.2mm、10mm~13mm、10mm~12.9mm、10mm~12.8mm、10mm~12.7mm、10mm~12.6mm、10mm~12.5mm、10mm~12.4mm、10mm~12.2mm、10mm~12.1mm、10mm~12mm、10mm~11.9mm、10mm~11.8mm、10mm~11.7mm、10mm~11.6mm、10mm~11.5mm、10mm~11.4mm、10mm~11.3mm、10mm~11.2mm、10.5mm~13mm、10.5mm~12.9mm、10.5mm~12.8mm、10.5mm~12.7mm、10.5mm~12.6mm、10.5mm~12.5mm、10.5.5mm~12.4mm、10.5mm~12.2mm、10.5mm~12.1mm、10.5mm~12mm、10.5mm~11.9mm、10.5mm~11.8mm、10.5mm~11.7mm、10.5mm~11.6mm、10.5mm~11.5mm、10.5mm~11.4mm、10.5mm~11.3mm、10.5mm~11.2mm、11mm~13mm、11mm~12.9mm、11mm~12.8mm、11mm~12.7mm、11mm~12.6mm、11mm~12.5mm、11mm~12.4mm、11mm~12.2mm、11mm~12.1mm、11mm~12mm、11mm~11.9mm、11mm~11.8mm、11mm~11.7mm、11mm~11.6mm、11mm~11.5mm、11mm~11.4mm、11mm~11.3mm、または11mm~11.2mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、フック314aおよび314bの幅338は、0.2mm~0.6mm、0.2mm~0.58mm、0.2mm~0.56mm、0.2mm~0.54mm、0.2mm~0.52mm、0.2mm~0.5mm、0.2mm~0.48mm、0.2mm~0.46mm、0.2mm~0.44mm、0.2mm~0.42mm、0.2mm~0.41mm、0.2mm~0.40mm、0.2mm~0.39mm、0.25mm~0.6mm、0.25mm~0.58mm、0.25mm~0.56mm、0.25mm~0.54mm、0.25mm~0.52mm、0.25mm~0.5mm、0.25mm~0.48mm、0.25mm~0.46mm、0.25mm~0.44mm、0.25mm~0.42mm、0.25mm~0.41mm、0.25mm~0.40mm、0.25mm~0.39mm、0.3mm~0.6mm、0.3mm~0.58mm、0.3mm~0.56mm、0.3mm~0.54mm、0.3mm~0.52mm、0.3mm~0.5mm、0.3mm~0.48mm、0.3mm~0.44mm、0.3mm~0.42mm、0.3mm~0.41mm、0.3mm~0.40mm、0.3mm~0.39mm、0.32mm~0.6mm、0.32mm~0.58mm、0.32mm~0.56mm、0.32mm~0.54mm、0.32mm~0.52mm、0.32mm~0.5mm、0.32mm~0.48mm、0.32mm~0.44mm、0.32mm~0.42mm、0.32mm~0.41mm、0.32mm~0.40mm、0.32mm~0.39mm、0.34mm~0.6mm、0.34mm~0.58mm、0.34mm~0.56mm、0.34mm~0.54mm、0.34mm~0.52mm、0.34mm~0.5mm、0.34mm~0.48mm、0.34mm~0.44mm、0.34mm~0.42mm、0.34mm~0.41mm、0.34mm~0.40mm、0.34mm~0.39mm、0.36mm~0.6mm、0.36mm~0.58mm、0.36mm~0.56mm、0.36mm~0.54mm、0.36mm~0.52mm、0.36mm~0.5mm、0.36mm~0.48mm、0.36mm~0.44mm、0.36mm~0.42mm、0.36mm~0.41mm、0.36mm~0.40mm、0.36mm~0.39mm、0.37mm~0.6mm、0.37mm~0.58mm、0.37mm~0.56mm、0.37mm~0.54mm、0.37mm~0.52mm、0.37mm~0.5mm、0.37mm~0.48mm、0.37mm~0.44mm、0.37mm~0.42mm、0.37mm~0.41mm、0.37mm~0.40mm、または0.37mm~0.39mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、近位端部346からフック314aまたは314bの遠位端部まで長手方向軸に沿って測定された高さ339は、4mm~16mm、4mm~15mm、4mm~14mm、4mm~13mm、4mm~12mm、4mm~10mm、4mm~9mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6.5mm、4mm~6mm、5mm~16mm、5mm~15mm、5mm~14mm、5mm~13mm、5mm~12mm、5mm~10mm、5mm~9mm、5mm~8mm、5mm~7mm、5mm~6.5mm、5mm~6mm、5.5mm~16mm、5.5mm~15mm、5.5mm~14mm、5.5mm~13mm、5.5mm~12mm、5.5mm~10mm、5.5mm~9mm、5.5mm~8mm、5.5mm~7mm、5.5mm~6.5mm、5.5mm~6.4mm、5.5mm~6.3mm、5.5mm~6.2mm、5.5mm~6.1mm、または5.5mm~6mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0073】
所望により、第1近位連結部分344の横軸に沿って測定された幅341は、0.8mm~2mm、0.8mm~1.8mm、0.8mm~1.7mm、0.8mm~1.6mm、0.8mm~1.5mm、0.8mm~1.4mm、0.8mm~1.3mm、0.8mm~1.2mm、0.9mm~2mm、0.9mm~1.8mm、0.9mm~1.7mm、0.9mm~1.6mm、0.9mm~1.5mm、0.9mm~1.4mm、0.8mm~1.3mm、0.9mm~1.2mm、1mm~2mm、1mm~1.8mm、1mm~1.7mm、1mm~1.6mm、1mm~1.5mm、1mm~1mm、0.8mm~1mm、1mm~1.2mm、1.1mm~2mm、1.1mm~1.8mm、1.1mm~1.7mm、0.8mm~1.1mm、1.1mm~1.5mm、1.1mm~1.4mm、1.1mm~1.3mm、または1.1mm~1.2mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0074】
所望により、横軸に沿ってアパーチャ362内で測定された幅340は、0.01mm~0.06mm、0.01mm~0.05mm、0.01mm~0.04mm、0.01mm~0.03mm、0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.06mm、0.02mm~0.05mm、0.02mm~0.04mm、または0.02mm~0.03mmだけ、第2平坦アンカー要素342の厚さ366を超過する。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。所望により、フック314aと314bとの間で横軸に沿って測定された近位間隔343は、0.01mm~0.06mm、0.01mm~0.05mm、0.01mm~0.04mm、0.01mm~0.03mm、0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.06mm、0.02mm~0.05mm、0.02mm~0.04mm、または0.02mm~0.03mmだけ、第2平坦アンカー要素342の厚さ366を超過する。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、アパーチャ362内で測定された幅340、および、フック314aと314bとの間で横軸に沿って測定された間隔343の各値は、独立的に、0.34mm~0.6mm、0.36mm~0.6mm、0.38mm~0.6mm、0.4mm~0.6mm、0.41mm~0.6mm、0.42mm~0.6mm、0.43mm~0.6mm、0.44mm~0.6mm、0.45mm~0.6mm、0.46mm~0.6mm、0.47mm~0.6mm、0.48mm~0.6mm、0.49mm~0.6mm、0.5mm~0.6mm、0.51mm~0.6mm、0.52mm~0.6mm、0.53mm~0.58mm、0.54mm~0.6mm、0.55mm~0.6mm、0.56mm~0.6mm、0.4mm~0.58mm、0.41mm~0.58mm、0.42mm~0.58mm、0.43mm~0.58mm、0.44mm~0.58mm、0.45mm~0.58mm、0.46mm~0.58mm、0.47mm~0.58mm、0.48mm~0.58mm、0.49mm~0.58mm、0.5mm~0.58mm、0.51mm~0.58mm、0.52mm~0.58mm、0.53mm~0.58mm、0.54mm~0.58mm、0.55mm~0.58mm、0.56mm~0.58mm、0.4mm~0.56mm、0.41mm~0.56mm、0.42mm~0.56mm、0.43mm~0.56mm、0.44mm~0.56mm、0.45mm~0.56mm、0.46mm~0.56mm、0.47mm~0.56mm、0.48mm~0.56mm、0.49mm~0.56mm、0.5mm~0.56mm、0.51mm~0.56mm、0.52mm~0.56mm、0.53mm~0.56mm、0.54mm~0.56mm、または0.55mm~0.56mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、第1平坦アンカー要素336およびその構成要素(例えば第1近位連結部分344、フック314aおよび314b)の後方側面から前方側面まで測定された厚さ364は、0.34mm~0.6mm、0.36mm~0.6mm、0.38mm~0.6mm、0.4mm~0.6mm、0.41mm~0.6mm、0.42mm~0.6mm、0.43mm~0.6mm、0.44mm~0.6mm、0.45mm~0.6mm、0.46mm~0.6mm、0.47mm~0.6mm、0.48mm~0.6mm、0.49mm~0.6mm、0.5mm~0.6mm、0.51mm~0.6mm、0.52mm~0.6mm、0.53mm~0.58mm、0.54mm~0.6mm、0.55mm~0.6mm、0.56mm~0.6mm、0.4mm~0.58mm、0.41mm~0.58mm、0.42mm~0.58mm、0.43mm~0.58mm、0.44mm~0.58mm、0.45mm~0.58mm、0.46mm~0.58mm、0.47mm~0.58mm、0.48mm~0.58mm、0.49mm~0.58mm、0.5mm~0.58mm、0.51mm~0.58mm、0.52mm~0.58mm、0.53mm~0.58mm、0.54mm~0.58mm、0.55mm~0.58mm、0.56mm~0.58mm、0.4mm~0.56mm、0.41mm~0.56mm、0.42mm~0.56mm、0.43mm~0.56mm、0.44mm~0.56mm、0.45mm~0.56mm、0.46mm~0.56mm、0.47mm~0.56mm、0.48mm~0.56mm、0.49mm~0.56mm、0.5mm~0.56mm、0.51mm~0.56mm、0.52mm~0.56mm、0.53mm~0.56mm、0.54mm~0.56mm、または0.55mm~0.56mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0076】
第2平坦アンカー要素342は、第2近位連結部分352と、第2近位連結部分352に対して同一平面上に配置され、第2近位連結部分352から遠位方向かつ横方向に離間する方向に延長する、対向するフック314cおよび314dの遠位対と、を含み得る。
【0077】
所望により、フック314cおよび314dの各フックは、半径R2を有する内側曲率を画成する。いくつかの実施形態では、半径R2は、2mm~3mm、2.1mm~3mm、2.2mm~3mm、2.3mm~3mm、2.4mm~3mm、2.5mm~3mm、2mm~2.6mm、2.1mm~2.6mm、2.2mm~2.6mm、2.3mm~2.6mm、2.4mm~2.6mm、2mm~2.5mm、2.1mm~2.5mm、2.2mm~2.5mm、2.3mm~2.5mm、2.4mm~2.5mm、2mm~2.4mm、2.1mm~2.4mm、2.2mm~2.4mm、または2.3mm~2.4mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0078】
所望により、フック314cの第1横方向縁部350cおよびフック314dの第2横方向縁部350dは、長手方向軸-横軸により画成される平面に沿ってテーパし、それにより第1横方向縁部350cおよび第2横方向縁部350dの各横方向縁部の近位縁部上の表面は先細状となり得る。
【0079】
所望により、第2近位連結部分352は、1対の離間した近位アーム部358および360を含み、近位アーム部358および360の各アーム部は、互いに向かって突き出す近位突起体358aおよび360aを含む。所望により、1対の離間した近位アーム部358と360との間の距離361は、第1近位連結部分344の後方側面から前方側面まで測定された厚さ364を超過し、近位突起体358aと360aとの間の近位側距離365は、第1近位連結部分344の後方側面から前方側面まで測定された厚さ364よりも小さい。いくつかの実施形態では、距離361は、0.01mm~0.06mm、0.01mm~0.05mm、0.01mm~0.04mm、0.01mm~0.03mm、0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.06mm、0.02mm~0.05mm、0.02mm~0.04mm、または0.02mm~0.03mmだけ厚さ364を超過する。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、近位突起体358aと360aとの間の近位側距離363は、0.01mm~0.06mm、0.01mm~0.05mm、0.01mm~0.04mm、0.01mm~0.03mm、0.01mm~0.02mm、0.02mm~0.06mm、0.02mm~0.05mm、0.02mm~0.04mm、または0.02mm~0.03mmだけ、厚さ364よりも小さい。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0080】
所望により、第2近位連結部分352の横軸に沿って測定された幅365は、0.8mm~2mm、0.8mm~1.8mm、0.8mm~1.7mm、0.8mm~1.6mm、0.8mm~1.5mm、0.8mm~1.4mm、0.8mm~1.3mm、0.8mm~1.2mm、0.9mm~2mm、0.9mm~1.8mm、0.9mm~1.7mm、0.9mm~1.6mm、0.9mm~1.5mm、0.9mm~1.4mm、0.8mm~1.3mm、0.9mm~1.2mm、1mm~2mm、1mm~1.8mm、1mm~1.7mm、1mm~1.6mm、1mm~1.5mm、0.8mm~1mm、1mm~1.2mm、1.1mm~2mm、1.1mm~1.8mm、1.1mm~1.7mm、0.8mm~1.1mm、1.1mm~1.5mm、1.1mm~1.4mm、1.1mm~1.3mm、または1.1mm~1.2mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0081】
所望により、いくつかの実施形態では、近位端部354からフック314cまたは314dの遠位端部まで長手方向軸に沿って測定された高さ367は、4mm~16mm、4mm~15mm、4mm~14mm、4mm~13mm、4mm~12mm、4mm~10mm、4mm~9mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6.5mm、4mm~6mm、5mm~16mm、5mm~15mm、5mm~14mm、5mm~13mm、5mm~12mm、5mm~10mm、5mm~9mm、5mm~8mm、5mm~7mm、5mm~6.5mm、5mm~6mm、5.5mm~16mm、5.5mm~15mm、5.5mm~14mm、5.5mm~13mm、5.5mm~12mm、5.5mm~10mm、5.5mm~9mm、5.5mm~8mm、5.5mm~7mm、5.5mm~6.5mm、5.5mm~6.4mm、5.5mm~6.3mm、5.5mm~6.2mm、5.5mm~6.1mm、または5.5mm~6mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2平坦アンカー要素342の対向フック314cおよび314dの遠位対の第1横方向縁部350cから第2横方向縁部350dまで測定された幅369は、4mm~16mm、4mm~15mm、4mm~14mm、4mm~13mm、4mm~12mm、4mm~10mm、4mm~9mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6.5mm、4mm~6mm、8mm~12.4mm、8mm~12.2mm、8mm~12.1mm、8mm~12mm、8mm~11.9mm、8mm~11.8mm、8mm~11.7mm、8mm~11.6mm、8mm~11.5mm、8mm~11.4mm、8mm~11.3mm、8mm~11.2mm、8.5mm~13mm、8.5mm~12.9mm、8.5mm~12.8mm、8.5mm~12.7mm、8.5mm~12.6mm、8.5mm~12.5mm、8.5mm~12.4mm、8.5mm~12.2mm、8.5mm~12.1mm、8.5mm~12mm、8.5mm~11.9mm、8.5mm~11.8mm、8.5mm~11.7mm、8.5mm~11.6mm、8.5mm~11.5mm、8.5mm~11.4mm、8.5mm~11.3mm、8.5mm~11.2mm、9mm~13mm、9mm~12.9mm、9mm~12.8mm、9mm~12.7mm、9mm~12.6mm、9mm~12.5mm、9mm~12.4mm、9mm~12.2mm、9mm~12.1mm、9mm~12mm、9mm~11.9mm、9mm~11.8mm、9mm~11.7mm、9mm~11.6mm、9mm~11.5mm、9mm~11.4mm、9mm~11.3mm、9mm~11.2mm、9.5mm~13mm、9.5mm~12.9mm、9.5mm~12.8mm、9.5mm~12.7mm、9.5mm~12.6mm、9.5mm~12.5mm、9.5mm~12.4mm、9.5mm~12.2mm、9.5mm~12.1mm、9.5mm~12mm、9.5mm~11.9mm、9.5mm~11.8mm、9.5mm~11.7mm、9.5mm~11.6mm、9.5mm~11.5mm、9.5mm~11.4mm、9.5mm~11.3mm、9.5mm~11.2mm、10mm~13mm、10mm~12.9mm、10mm~12.8mm、10mm~12.7mm、10mm~12.6mm、10mm~12.5mm、10mm~12.4mm、10mm~12.2mm、10mm~12.1mm、10mm~12mm、10mm~11.9mm、10mm~11.8mm、10mm~11.7mm、10mm~11.6mm、10mm~11.5mm、10mm~11.4mm、10mm~11.3mm、10mm~11.2mm、10.5mm~13mm、10.5mm~12.9mm、10.5mm~12.8mm、10.5mm~12.7mm、10.5mm~12.6mm、10.5mm~12.5mm、10.5.5mm~12.4mm、10.5mm~12.2mm、10.5mm~12.1mm、10.5mm~12mm、10.5mm~11.9mm、10.5mm~11.8mm、10.5mm~11.7mm、10.5mm~11.6mm、10.5mm~11.5mm、10.5mm~11.4mm、10.5mm~11.3mm、10.5mm~11.2mm、11mm~13mm、11mm~12.9mm、11mm~12.8mm、11mm~12.7mm、11mm~12.6mm、11mm~12.5mm、11mm~12.4mm、11mm~12.2mm、11mm~12.1mm、11mm~12mm、11mm~11.9mm、11mm~11.8mm、11mm~11.7mm、11mm~11.6mm、11mm~11.5mm、11mm~11.4mm、11mm~11.3mm、または11mm~11.2mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、フック314cおよび314dの幅368は、0.2mm~0.6mm、0.2mm~0.58mm、0.2mm~0.56mm、0.2mm~0.54mm、0.2mm~0.52mm、0.2mm~0.5mm、0.2mm~0.48mm、0.2mm~0.46mm、0.2mm~0.44mm、0.2mm~0.42mm、0.2mm~0.41mm、0.2mm~0.40mm、0.2mm~0.39mm、0.25mm~0.6mm、0.25mm~0.58mm、0.25mm~0.56mm、0.25mm~0.54mm、0.25mm~0.52mm、0.25mm~0.5mm、0.25mm~0.48mm、0.25mm~0.46mm、0.25mm~0.44mm、0.25mm~0.42mm、0.25mm~0.41mm、0.25mm~0.40mm、0.25mm~0.39mm、0.3mm~0.6mm、0.3mm~0.58mm、0.3mm~0.56mm、0.3mm~0.54mm、0.3mm~0.52mm、0.3mm~0.5mm、0.3mm~0.48mm、0.3mm~0.44mm、0.3mm~0.42mm、0.3mm~0.41mm、0.3mm~0.40mm、0.3mm~0.39mm、0.32mm~0.6mm、0.32mm~0.58mm、0.32mm~0.56mm、0.32mm~0.54mm、0.32mm~0.52mm、0.32mm~0.5mm、0.32mm~0.48mm、0.32mm~0.44mm、0.32mm~0.42mm、0.32mm~0.41mm、0.32mm~0.40mm、0.32mm~0.39mm、0.34mm~0.6mm、0.34mm~0.58mm、0.34mm~0.56mm、0.34mm~0.54mm、0.34mm~0.52mm、0.34mm~0.5mm、0.34mm~0.48mm、0.34mm~0.44mm、0.34mm~0.42mm、0.34mm~0.41mm、0.34mm~0.40mm、0.34mm~0.39mm、0.36mm~0.6mm、0.36mm~0.58mm、0.36mm~0.56mm、0.36mm~0.54mm、0.36mm~0.52mm、0.36mm~0.5mm、0.36mm~0.48mm、0.36mm~0.44mm、0.36mm~0.42mm、0.36mm~0.41mm、0.36mm~0.40mm、0.36mm~0.39mm、0.37mm~0.6mm、0.37mm~0.58mm、0.37mm~0.56mm、0.37mm~0.54mm、0.37mm~0.52mm、0.37mm~0.5mm、0.37mm~0.48mm、0.37mm~0.44mm、0.37mm~0.42mm、0.37mm~0.41mm、0.37mm~0.40mm、または0.37mm~0.39mmの範囲である。それぞれの可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。異なる実施形態は所望により組み合わせられ得る。
【0084】
図3B(1)では、図3Bの第1平坦アンカー要素336に対する代替物が示されており、ここで注目すべき差異は近位端部346aの形状である。図3Bの近位端部346が扁長の弓形状を有する一方で、図3B(1)の近位端部346aは2つの直線状の「肩部」を有する弓形状として成形される。この構成は、アンカー要素が本装置のシャフトの内部に存在するときにアンカー要素に接続された糸が締め付けられることまたは絡まることが防止されるという点で、有利であり得る。
【0085】
ここで図4を参照すると、図4は、図3A図3Eに係るアンカーを製造するための方法のフローチャートである。第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342が、少なくとも1枚の超弾性物質から取得される(ステップ470)。所望により、第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342は、圧断、切断、成型、および鍛造からなる群より選択された技術を使用して取得され得る。第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342が、それらの面がそれらの面の間に第1角度αおよび補角βを画成するよう、配置される(ステップ472)。所望により、第1平坦アンカー要素336および第2平坦アンカー要素342は、それらの面が互いに対して垂直となるよう、配置される。第2平坦アンカー要素342の近位突起体358aおよび360aが第1平坦アンカー要素336のアパーチャ362に挿入される(ステップ474)。所望により、挿入時、近位突起体358aおよび360aがアパーチャ362内でラッチし得る(ステップ476)。
【0086】
ここで図5を参照すると、図5は第1組織を第2組織に固定するための方法のフローチャートである。長尺ニードルが体腔を通って第1組織の近位表面まで導入される(ステップ580)。いくつかの実施形態では、体腔は膣腔である。長尺ニードルの遠位端部が、順次的に、第1組織を通して、次に第2組織内に、または第2組織を越えて、貫入される(ステップ582)。いくつかの実施形態では、第1組織は膣壁であり、第2組織は仙棘靭帯である。アンカーが、アンカーの少なくとも1つのフックがニードルの長手方向軸から遠位側で外向きに拡張するよう、長尺ニードルの遠位端部から射出される(ステップ584)。所望により、少なくとも1つのフックは第2組織内に、または第2組織を越えて、拡張し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフックは第2組織内に拡張する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフックは第2組織の遠位外側表面を越えて内腔内に拡張する。長尺ニードルが第1組織に対する近位位置まで引き抜かれる(ステップ586)。アンカーが糸に連結されるいくつかの実施形態では、糸は、長尺ニードルが引き抜かれると、第1組織の近位において露出される。近位方向におけるアンカーの相対運動を防止し、それにより第1組織が第2組織に固定されるよう、アンカーの近位部分に連結された固定要素が第1組織の近位外側表面に対して展開される(ステップ588)。いくつかの実施形態では、固定要素は、展開時にアンカーの近位部分に連結される。いくつかの実施形態では、固定要素は、展開前にアンカーの近位部分に連結される。いくつかの実施形態では、固定要素およびアンカーは糸により連結される。糸が固定要素およびアンカーを連結し、ステップ584において長尺ニードルが引き抜かれるときに、およびステップ586において固定要素が展開されるときに糸が露出される非限定的な事例では、アクチュエータは、少なくとも1つの方向において糸上で固定要素が摺動することを防止するために作動され得る。
【0087】
所望により、アンカーの近位部分に連結されたワイヤを挿入することにより、または、アンカーの近位端部を回収装置の遠位開口部に挿入し、ワイヤを近位方向に引っ張ることにより遠位開口部を通過して回収装置までアンカーを挿入することにより、アンカーが近位方向に回収され得る(ステップ590)。ステップ590はステップ588の前に用いられ得る。代替的または追加的に、ステップ590は、アンカーの近位部分から固定要素を取り外した後に、用いられ得る。
【0088】
図6A図6Eは概略図であり、図6A図6Eの各図面には、図1A図1Eの装置にしたがって第1組織(例えば膣壁)を第2組織(仙棘靭帯)に固定するための方法のステップが示されている。
【0089】
ここで図6Aを参照すると、図6Aには、第2組織(例えば仙棘靭帯)692に対して押し付けられた第1組織(例えば膣壁)690の近位表面に対して導入されたシャフト102が示されている。
【0090】
ここで図6Bを参照すると、図6Bには、第1組織(例えば膣壁)690を通して第2組織(例えば仙棘靭帯)692に挿入された遠位突き刺し先端部118を有する長尺ニードル104が示されている。所望により、長尺ニードルは、遠位突き刺し先端部118を用いて、順次的に、第1組織690を突き刺し、第2組織692に貫入することにより、第1組織690を通過して第2組織692に挿入され得る。
【0091】
ここで図6Cを参照すると、図6Cには、少なくとも1つのフック114が長尺ニードル102の長手方向軸から第2組織(例えば仙棘靭帯)692内に遠位側で外向きに拡張するよう、長尺ニードル102の遠位開口部116から射出されたアンカー108が示されている。
【0092】
ここで図6Dを参照すると、図6Dには、糸120に近位側で連結されたアンカー108が示されており、糸120は、長尺ニードル104およびシャフト102が第1組織690(図示せず)に対して近位の位置まで引き抜かれた後、露出される。
【0093】
ここで図6Eを参照すると、図6Eには、膣壁690の近位部分に対して展開され、それにより第1組織(例えば膣壁)690が第2組織(例えば仙棘靭帯)692に固定される、固定要素106が示されている。所望により、アクチュエータ(図示せず)が、少なくとも1つの方向における糸120上での固定要素106の摺動を防止するよう、作動される。
【0094】
「~を含む」、「~を含んでいる」、「~を備える」、「~を備えている」、「有する」という用語およびこれらの活用形は、「~を含むが、これらに限定されない」を意味する。
【0095】
「~からなる」という用語は「~を含み、かつ~に限定される」を意味する。
【0096】
「実質的に~からなる」という用語は、構成要素、方法、または構造が、追加的な成分、ステップ、および/または部品が、請求される構成要素、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変化させない場合にかぎり、追加的な成分、ステップ、および/または部品を含み得ることを意味する。
【0097】
本明細書で使用される単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、および「the(その)」は、特記なきかぎり、複数の参照を含む。例えば「1つの構成要素」または「少なくとも1つの構成要素」という用語は、複数の構成要素(その混合物を含む)を含み得る。
【0098】
本願の全体を通して、本発明の様々な実施形態は範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、単に便宜性および簡潔性を目的とするものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、その範囲内のすべての可能な部分範囲および個々の数値を具体的に開示するものとみなされるべきである。例えば、1~6など範囲の記載は、例えば、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6、その他、およびその範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、および6を特に開示したものとみなされるべきである。このことは、範囲の広さに関わりなく当てはまる。
【0099】
本明細書で数値範囲が示される場合、示された範囲内の任意の記載の数値(分数または整数)が含まれることが意図される。第1指示数値と第2指示数値との間の「範囲内の/範囲」、および第1指示数値から第2指示数値「まで」の「範囲内の/範囲」という語句は、本明細書では相互交換可能に使用され、第1指示数値および第2指示数値と、その範囲内のすべての分数および整数と、を含むことが意図される。
【0100】
本明細書で使用される「方法」という用語は、化学、薬理学、生物学、生化学、および医学の従事者に既知であるか、または係る従事者により容易に開発される、これらの様式、手段、技術、および手続きを含むがこられに限定されない所与の作業を達成するための様式、手段、技術、および手続きを指す。
【0101】
本明細書で使用される「治療する」という用語は、症状の進行を無効化、実質的に阻害、低速化、または逆転させること、症状の臨床的または審美的兆候を実質的に改善すること、または、症状の臨床的または審美的兆候の出現を実質的に防止することを含む。
【0102】
明瞭化のために別個の実施形態の文脈で説明された本発明の特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わされた形でも提供され得ることが理解されるであろう。逆に、簡略化のために単一の実施形態の文脈で説明された本発明の様々な特徴が、個別に、任意の好適な部分的組み合わせで、または、適宜、本発明の任意の他の説明される実施形態でも、提供され得る。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、これらの実施形態が、これらの要素が存在しない場合には機能しないのでなければ、これらの実施形態の本質的な特徴であると考えられるべきではない。本明細書で説明される本発明の様々な態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して説明される。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、およびフローチャート図および/またはブロック図におけるブロック組み合わせがコンピュータ可読プログラム命令により実装され得ることが理解されるであろう。
【0103】
図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実現形態のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理関数を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替的な実現形態では、ブロックにおいて示される機能は図面で示される順序とは異なる順序で実施され得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、関与する機能に応じて、実質的に並列に実行されてもよく、またはこれらのブロックは、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせが、指定された機能を実行するか、または特殊用途ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを作用させるかもしくは実行する、特殊用途ハードウェアに基づくシステムにより実装され得ることも注目されるであろう。
【0104】
本発明の様々な実施形態に関する説明は、例示目的のために提示してきたが、網羅的であること、または、開示された実施形態に限定されることは意図されない。多数の変更および変形が、説明された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者に明らかとなるであろう。本明細書で使用された術語は、本発明の様々な実施形態の原理、実際的な適用、または現在市場で見出される技術に対する技術的改善を、最も良好に説明するために、または、他の当業者が本明細書で開示される実施形態を理解可能となるよう、選択されたものである。
図1A-1B】
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B-2C】
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3B1
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14