(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ドーム型テント
(51)【国際特許分類】
E04H 15/40 20060101AFI20220825BHJP
E04H 15/44 20060101ALI20220825BHJP
E04H 15/56 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
E04H15/40
E04H15/44
E04H15/56
(21)【出願番号】P 2018118379
(22)【出願日】2018-06-22
【審査請求日】2021-05-17
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】591060175
【氏名又は名称】竹内 稔
(72)【発明者】
【氏名】竹内 稔
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-129781(JP,A)
【文献】登録実用新案第3142529(JP,U)
【文献】特開2006-194057(JP,A)
【文献】米国特許第04945936(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00 -15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーム状を形成するテントと、
テントシートを内部から拡張せしめる複数のフレームパイプと、前記複数のフレームパイプの一端を折り畳み可能に連結する天頂金具と、前記テント内部から前記天頂金具を押し当て、着脱可能に仮固定する支柱を備えたドーム型テント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーム状に組立てたフレームパイプに沿うようにテントシートを張る組立て式のドーム型テントやドーム型タープテントに関する。
【背景技術】
【0002】
ドーム状に組立てたフレームパイプに沿うようにシートを張る組み立て式のドーム型テントや、傘骨等に用いられる開閉金具を用いてフレームパイプを広げる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-45313 ドーム型テント
【文献】実開平6-45005 テント
【文献】特開2002-129781 簡易テント
【文献】実願昭51-176596 折り畳み式携帯用半球形テント
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2008-45313、実開平6-45005、ではテントシートの外面に設けたスリーブに複数のフレームパイプを挿入して組み立てる構造のため、大型のテントでは、一人で組み立てることが困難であった。
【0005】
また、フレームパイプでテントを吊り下げて支える構造のため、パイプやスリーブ部に風圧抵抗を受けるため部材強度を必要とする問題が有った。
【0006】
特開2002-129781、実願昭51-176596、では傘骨等に用いられる開閉金具を用いてフレームパイプを広げる構造が用いられているため、手動で支持骨を押し上げ、ストッパーで固定する手段を設けている。
【0007】
このため構成部品が多く、重量が重くなることや、押し上げるための腕力が必要なため、大きいテントには利用できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明のドーム型テントでは、フロアシートを張り広げ、角部を固定されたドーム状を形成するテントを設け、複数のフレームパイプの一端を折畳み可能に連結する天頂金具を、テント内部からテント天頂部に押し当て仮固定する支柱を設けてある。
【0009】
仮固定された天頂金具には、連結折畳み可能なフレームパイプの端部が連結されており、天頂金具が仮固定された状態で、フレームパイプを連結し、フレームパイプの他方の端部をフロアシートの角部にあてはめ、更にフレームパイプをパイプ止めに固定する。
【0010】
支柱も折畳み連結もしくは収縮可能な構造で、下部を浮かせた後、支柱上部の天頂金具と連結された部材を引き下げると、フレームパイプは、アーチ状に湾曲し、テントシートを内部から拡張せしめる。ここで天頂金具のパイプ固定具により、フレームパイプ同士を連結固定すると、フレームパイプはドーム状で保持され、テント内に大きな空間を形成する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のドーム型テントによれば、天頂部に手が届かない大型テントでも、支柱により一人でも容易に設営が可能となる。
【0012】
更に、フレームパイプとテントシートが密着固定されるため、強度が高く、外部に風圧抵抗となるものが無いため、更に強度を増す効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本願発明の天頂金具の例を示す斜視図である。
【
図3】本願発明の作用(組立手順)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本願発明の実施例で、フロアシートを張り広げ、角部を固定されたドーム状を形成するテントを設け、複数のフレームパイプの一端を折畳み可能に連結する天頂金具を、テント内部からテント天頂部に押し当て仮固定する、着脱可能な支柱を設けてある。
【0015】
仮固定された天頂金具には、連結折畳み可能なフレームパイプの端部が連結されており、天頂金具が仮固定された状態で、フレームパイプを連結し、フレームパイプの他方の端部をフロアシートの角部にあてはめ、更にフレームパイプをパイプ止めに固定する。
【0016】
支柱は、折畳み連結もしくは伸縮可能な構造で、下部を浮かせた後、支柱上部の天頂金具と連結された部材を引き下げると、フレームパイプはアーチ状に湾曲し、テントシートを内部から拡張せしめる。
ここで天頂金具のパイプ固定具により、フレームパイプ同士を連結固定すると、フレームパイプはドーム状で保持され、支柱を取り外すとテント内には、仕切りのない大きな空間を形成する。
【0017】
図2には、本願発明のパイプ固定具の実施例を2例挙げており、上部のA例では、天頂金具が支柱で引き下げられ、フレームパイプと水平な位置で筒状のガイドをスライドすることで、天頂金具とフレームパイプ同士を連結固定可能としている。
【0018】
他方、下部のB例では、天頂金具が支柱で引き下げられ、フレームパイプと水平な位置になるとスプリングで横にスライドし、自動で天頂金具とフレームパイプ同士を連結固定可能としている。
【0019】
図3には、本願発明の作用(組立手順)を示しており、手順の最初は、ドーム型テントのフロアシートを張り拡げ、端部のペグアタッチメントにペグを打ち込み固定する。
タープテントの場合は、フロアシートは、各端部を繋ぐ紐状体でも可能である。
【0020】
次に、フレームパイプの端部と連結した天頂金具に支柱を取付け、テント内部に入り、天頂金具をテント天頂部に押し当て支柱を立てて仮固定する。
【0021】
次に、フレームパイプを連結し、フレームパイプの他方の端部をフロアシートの角部に当てはめ、更にフレームパイプをパイプ止めに固定する。
【0022】
次に、支柱下部を浮かせ、支柱上部の天頂金具と連結された部材を引き下げると、フレームパイプはアーチ状に湾曲し、テントシートを内部から拡張せしめる。
【0023】
ここで天頂金具のパイプ固定具により、フレームパイプ同士を連結固定すると、フレームパイプはドーム状で保持され、支柱を取り外すとテント内には、仕切りの無い大きな空間を形成する。
【0024】
このように、天井が届かないほどの大型テントで在りながら、組立手順はすべて一人の設営者で可能なことを示しており、アーチ状のフレームパイプとテントシートは密着固定されるため、フレームパイプの拡張力とテントシートの収縮力の相乗作用により強固にドーム形状が形成される。
【0025】
図4には、本願発明の応用例を示しており、内部にインナーテントを設けた2ルーム型や2つのテントを結合したもの、更に形状の異なるテントを結合したデザインも容易に形成可能なことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本願発明のドーム型テントによれば、従来に比べ軽量で簡素なため、コストが低く、強度も向上させ、組立ても容易となるドーム型テントを提供可能となる。
【符号の説明】
【0027】
1 テントシート
2 フロアシート
3 出入口
4 ペグアタッチメント
5 ペグ
6 パイプ止め
7 フレームパイプ
8 天頂金具
9 パイプ固定具
10 支柱
11 スプリング
12 設営者