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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】電力供給ステーション
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20220825BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20220825BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20220825BHJP
   H02J 15/00 20060101ALI20220825BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220825BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/38 170
H02J7/35 K
H02J15/00 G
H01M8/04 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022527157
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2021039452
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2020/040935
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/016596
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/018528
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/024698
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2021/029485
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-295616(JP,A)
【文献】特開2003-257443(JP,A)
【文献】特開2019-200839(JP,A)
【文献】特開2014-074207(JP,A)
【文献】特開2008-230953(JP,A)
【文献】特開2020-078104(JP,A)
【文献】特開2006-236741(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0343733(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0025880(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00-5/00
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J15/00
H01M8/04-8/0668
F24S10/00-90/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液の電気分解を行い、水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置で得られた水素の供給量を制御する第1流量制御装置と、前記水素発生装置で得られた水素を蓄積する蓄積部とを含む水素貯蔵部と、
前記水素発生装置で得られた水素と、前記蓄積部に蓄積された水素の少なくとも一方に基づいて発電する燃料電池と、
前記燃料電池で得られた電力を蓄積する燃料電池用蓄電部と、
補機電源とを備え、
前記第1流量制御装置は、少なくとも、前記水素発生装置で得られた水素の前記燃料電池への供給量を制御するものであり、
前記燃料電池用蓄電部の蓄電装置の充電容量は、前記補機電源の蓄電装置の充電容量よりも大きく、
前記燃料電池用蓄電部は、出力端子部を介して、外部の電気機器に電力を供給し、
前記補機電源は、前記第1流量制御装置に電力を供給する、電力供給ステーション。
【請求項2】
自然エネルギーに基づいて発電する再生可能エネルギー由来電力発生装置と、
前記再生可能エネルギー由来電力発生装置で得られた電力を蓄積する蓄電部と、を更に備え、
前記補機電源は、前記再生可能エネルギー由来電力発生装置で得られた電力を蓄積し、
前記蓄電部の蓄電装置の充電容量は、前記燃料電池用蓄電部の蓄電装置の充電容量よりも大きく、
前記水素発生装置は、前記再生可能エネルギー由来電力発生装置と前記蓄電部の少なくとも一方からの電力に基づいて、電解液の電気分解を行う、請求項1に記載の電力供給ステーション。
【請求項3】
前記蓄電部は、入力端子部を介して、外部の電気機器から供給された電力を蓄積する、請求項2に記載の電力供給ステーション。
【請求項4】
前記水素発生装置における電気分解で発生した気体に含まれる水分を収集する取水部を更に備え、
前記燃料電池で発電の際に排出される水、及び前記取水部で得られた水は、前記電解液として前記水素発生装置に供給される、請求項1~請求項3のいずれかに記載の電力供給ステーション。
【請求項5】
太陽熱温水器と、
前記燃料電池で発電の際に排出される水、及び前記取水部で得られた水が、少なくとも前記太陽熱温水器及び前記水素発生装置を通る流量を制御する第2流量制御装置とを更に備え、
前記補機電源は、前記第2流量制御装置に電力を供給する、請求項4に記載の電力供給ステーション。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給ステーションなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、電力を蓄積し、蓄積した電力などを電気自動車などに供給するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-122399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水素に基づいて得られた電力の蓄積が十分に考慮されていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、水素に基づいて得られた電力の蓄積を効率良く行うことが可能な電力供給ステーションなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力供給ステーションは、電解液の電気分解を行い、水素を発生させる水素発生装置と、水素発生装置で得られた水素の供給量を制御する第1流量制御装置と、水素発生装置で得られた水素を蓄積する蓄積部とを含む水素貯蔵部を備え、水素発生装置で得られた水素と、蓄積部に蓄積された水素の少なくとも一方に基づいて発電する燃料電池を備え、燃料電池で得られた電力を蓄積する燃料電池用蓄電部を備え、補機電源を備える。
燃料電池用蓄電部の蓄電装置の充電容量は、補機電源の蓄電装置の充電容量よりも大きい。
燃料電池用蓄電部は、出力端子部を介して、外部の電気機器に電力を供給する。
補機電源は、第1流量制御装置に電力を供給する。
【0007】
補機電源が、電力供給ステーションの内部を動作させ、当該補機電源を、水素を燃料電池へ供給するための始動用電源として用いることが可能になる。すなわち、水素に基づいて得られた電力の蓄積を効率良く行うことが可能になる。
【0008】
好ましくは、電力供給ステーションは、自然エネルギーに基づいて発電する再生可能エネルギー由来電力発生装置と、再生可能エネルギー由来電力発生装置で得られた電力を蓄積する蓄電部と、を更に備える。
補機電源は、再生可能エネルギー由来電力発生装置で得られた電力を蓄積する。
蓄電部の蓄電装置の充電容量は、燃料電池用蓄電部の蓄電装置の充電容量よりも大きい。
水素発生装置は、再生可能エネルギー由来電力発生装置と蓄電部の少なくとも一方からの電力に基づいて、電解液の電気分解を行う。
【0009】
太陽光発電など、再生可能エネルギー由来の電力発電装置を用いて、余剰電力を水素に換えて蓄積することが可能になる。水素を蓄積する方が、電気を蓄積するよりも、少ない容積でエネルギーを貯めやすく、長時間の蓄積での劣化が少ない。
【0010】
さらに好ましくは、蓄電部は、入力端子部を介して、外部の電気機器から供給された電力を蓄積する。
【0011】
さらに好ましくは、電力供給ステーションは、水素発生装置における電気分解で発生した気体に含まれる水分を収集する取水部を更に備える。
燃料電池で発電の際に排出される水、及び取水部で得られた水は、電解液として水素発生装置に供給される。
【0012】
第2発電装置、及び水素貯蔵部で発生する水を電解液として活用することで、外部からの水の供給が少ない状態でも、水素の生成が行える。
【0013】
さらに好ましくは、電力供給ステーションは、太陽熱温水器と、燃料電池で発電の際に排出される水、及び取水部で得られた水が、少なくとも太陽熱温水器及び水素発生装置を通る流量を制御する第2流量制御装置とを更に備える。
補機電源は、第2流量制御装置に電力を供給する。
【0014】
補機電源が、電力供給ステーションの内部を動作させ、当該補機電源を、水を太陽熱温水器などへ供給するための始動用電源として用いることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、水素に基づいて得られた電力の蓄積を効率良く行うことが可能な電力供給ステーションなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態のサーバーを除く、電力・水素供給システムの斜視図である。
図2】第1実施形態の試験対象電源と負荷試験装置を除く、電力・水素供給システムの構成図である。
図3】第1実施形態のサーバーを除く、電力・水素供給システムの構成図である。
図4】第1実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成を示すブロック図である。
図5】第1表示部が表示する充電情報の例である。
図6】第1表示部が表示するルートの例である。
図7】陰極の移動制御で負荷量を調整する水素発生装置の構成を示す図である。
図8】絶縁体の移動制御で負荷量を調整する水素発生装置の構成を示す図である。
図9】第2実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成を示すブロック図である。
図10】第3実施形態の冷却装置(電力・供給ステーションと熱媒体循環装置)のブロック図である。
図11】コンテナ(筐体)に設けられた第3実施形態の冷却装置のブロック図である。
図12】第4実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成を示すブロック図である。
図13】第4実施形態の第2熱媒体の循環の構成を示すブロック図である。
図14】第4実施形態の第2熱媒体の循環の構成を示すブロック図で、熱移動装置を用いたものである。
図15】第4実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成の応用例を示すブロック図である。
図16】第5実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成を示すブロック図である。
図17】第5実施形態の電力・水素供給ステーションの1つの構成の応用例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0018】
(電力・水素供給システム1)
第1実施形態の電力・水素供給システム1は、第1電力・水素供給ステーション10a、第2電力・水素供給ステーション10b、第3電力・水素供給ステーション10c、サーバー100、電気自動車(第1電気自動車c1~第4電気自動車c4)、試験対象電源(第1試験対象電源G1、第2試験対象電源G2)、負荷試験装置(充電式負荷試験装置LB1、電気分解式負荷試験装置LB2)、負荷試験移動装置(第1負荷試験移動装置t1、第2負荷試験移動装置t2)を備える(図1図3参照)。
【0019】
(第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10c)
第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれは、第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、充電器14、ステーション側表示部15、ステーション側操作部16、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)、水素貯蔵部21を有する(図4参照)。
【0020】
(第1発電装置11)
第1発電装置11は、太陽光発電装置、風力発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて発電する発電装置(再生可能エネルギー由来電力発生装置)である。
第1発電装置11は、常時、発電が可能な状態にされる。
ただし、第1発電装置11が風力発電装置であって、且つ、第1発電装置11が受ける風力が所定の風力を超える場合には、第1発電装置11は、発電が出来ない状態にされる。
第1発電装置11は、建物(筐体)25の屋上などに設置される。
第1発電装置11で得られた電力は、制御装置13を介して、充電器14、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、水素貯蔵部21などに供給される。
【0021】
(第2発電装置12)
第2発電装置12は、水素に基づいて発電する発電装置(燃料電池)である。
第2発電装置12は、第1発電装置11から供給される電力が十分でない場合などに、発電が可能な状態にされる。
第2発電装置12は、建物25の内部若しくは、建物25の屋上などに設置される。
第2発電装置12で得られた電力は、制御装置13を介して、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)などに供給される。
すなわち、通常は、第2発電装置12で得られた電力は、水素貯蔵部21には供給されない。ただし、後述する第2発電装置12の負荷試験を行う際は、第2発電装置12で得られた電力は、水素貯蔵部21の水素発生装置21bなどにも供給される。
また、第2発電装置12で発電の際に排出される水は、後述する第4実施形態に示すように、電解液供給部21aに供給されてもよい。
【0022】
(制御装置13)
制御装置13は、パワーコンディショナー、分電盤などを含み、電力の供給元の切替制御、及び電力の供給先の切替制御を行う。
具体的には、制御装置13は、入力側で、第1発電装置11、第2発電装置12、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18と接続する。
なお、制御装備13は、入力側で、さらに商用電源の受電装置(不図示)と接続してもよい。
制御装置13は、出力側で、充電器14、ステーション側表示部15、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)、水素貯蔵部21(水素発生装置21b、保温冷却部21c、検知装置21f、水素供給部21g)、通信部23と接続する。
ただし、第1発電装置11は、制御装置13を介さずに、直接的に、可搬式蓄電部18、水素発生装置21bなどと接続してもよい。
制御装置13は、建物25の内部などに設置される。
【0023】
(入力切替制御)
第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thpよりも少なく、且つ、固定式蓄電部17の充電率(state of charge)R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い、そして/若しくは、可搬式蓄電部18の充電率R2が第2充電率閾値Thr2よりも低い場合には、第1発電装置11などから供給される電力が十分でないとして、制御装置13は、第2発電装置12と接続し、第2発電装置12からの電力の供給を受ける。
この場合、第2発電装置12は、水素貯蔵部21の水素タンク21dからの水素の供給を受け、電力を発生させる。
また、この場合、水素発生装置21bは停止する。
また、この場合、制御装置13は、第1発電装置11との接続を維持してもよいし、第1発電装置11との接続を遮断してもよい。
【0024】
なお、可搬式蓄電部18の充電率R2は、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bのいずれかの充電率R2であって、最も低い値を示すものをいうものとする。
【0025】
ただし、水素貯蔵部21の水素充填率R3が第1水素充填率閾値Thr3よりも低い場合には、第2発電装置12から制御装置13の電力供給は行わない。この場合、制御装置13は、固定式蓄電部17若しくは可搬式蓄電部18からの電力供給を受ける。
なお、水素貯蔵部21の水素充填率R3は、水素貯蔵部21の保温冷却部21cに取り付けられた水素タンク21dのいずれかの水素充填率R3であって、最も高い値を示すものとする。
また、水素充填率R3は、水素タンク21dに充填された(水素吸蔵合金によって吸収された)水素の吸蔵量(cc/g若しくはwt%)の、水素タンク21dに充填し得る水素の最大吸蔵量との割合と定義する。
水素充填率R3は、水素タンク21dの水素吸蔵合金に取り付けられた歪センサーなどの検知装置21fで検出された、当該水素吸蔵合金の膨張率などに基づいて算出される。
また、水素充填率R3は、連通管21eに設けられた流量センサーなどの検知装置21fで検出された、水素タンク21dに流入する水素の量、及び排出される水素の量などに基づいて算出されてもよい。連通管21eは、第2発電装置12及び水素発生装置21bと水素タンク21dと水素供給部21gと連通する。
【0026】
(電力供給装置の使用優先順位(1))
第1実施形態では、第1発電装置11からの電力が第1優先で、固定式蓄電部17からの電力が第2優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第3優先で、第2発電装置12からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dなどに供給される。
【0027】
この場合、第1発電装置11からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、水素貯蔵部21、通信部23に供給される。
第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thpよりも少ない場合、固定式蓄電部17からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、固定式蓄電部17から可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
固定式蓄電部17の充電率R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い場合、可搬式蓄電部18からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、可搬式蓄電部18から固定式蓄電部17と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
可搬式蓄電部18の充電率R2が第2充電率閾値Thr2よりも低い場合、第2発電装置12からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、第2発電装置12から固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
【0028】
(電力供給装置の使用優先順位(2))
しかしながら、電力供給装置(第1発電装置11、第2発電装置12、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)の使用優先順位は、上述の使用優先順位(1)に限るものではない。
例えば、第1発電装置11からの電力が第1優先で、第2発電装置12からの電力が第2優先で、固定式蓄電部17からの電力が第3優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dに供給されてもよい。
【0029】
この場合、第1発電装置11からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、水素貯蔵部21、通信部23に供給される。
第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thpよりも少ない場合、第2発電装置12からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、第2発電装置12から固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
水素貯蔵部21の水素充填率R3が第1水素充填率閾値Thr3よりも低い場合、固定式蓄電部17からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、固定式蓄電部17から可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
固定式蓄電部17の充電率R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い場合、可搬式蓄電部18からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、可搬式蓄電部18から固定式蓄電部17と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
【0030】
(電力供給装置の使用優先順位(3))
また、例えば、第1発電装置11からの電力が第1優先で、固定式蓄電部17からの電力が第2優先で、第2発電装置12からの電力が第3優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dに供給されてもよい。
【0031】
この場合、第1発電装置11からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、水素貯蔵部21、通信部23に供給される。
第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thpよりも少ない場合、固定式蓄電部17からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、固定式蓄電部17から可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
固定式蓄電部17の充電率R1が第1充電率閾値Thr1よりも低い場合、第2発電装置12からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、第2発電装置12から固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
水素貯蔵部21の水素充填率R3が第1水素充填率閾値Thr3よりも低い場合、可搬式蓄電部18からの電力は、制御装置13を介して、ステーション側表示部15、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、通信部23に供給される。ただし、可搬式蓄電部18から固定式蓄電部17と水素貯蔵部21への電力供給は行われない。
【0032】
すなわち、制御装置13は、ステーション側操作部16などを使って設定された使用優先順位に基づいて、第1発電装置11と、第2発電装置12と、蓄電装置(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)から供給される電力を調整する。
【0033】
ただし、制御装置13は、第2発電装置12と固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18の使用状態に応じて、使用優先順位を決定し、制御装置13が決定した使用優先順位に基づいて、第1発電装置11と、第2発電装置12と、蓄電装置(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)から供給される電力を調整してもよい。
【0034】
例えば、現時点から過去に第1時間TT1(例えば、TT1=24時間)の間における、可搬式蓄電部18からの電力供給を行う時間Taが、時間閾値Thtよりも短い場合は、第1発電装置11からの電力が第1優先で、固定式蓄電部17からの電力が第2優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第3優先で、第2発電装置12からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dなどに供給されるように、制御装置13が使用優先順位を決定する。
【0035】
また、例えば、現時点から過去に第1時間TT1の間における、固定式蓄電部17からの電力供給を行う時間Tbが、第2発電装置12からの電力供給を行う時間Tc以上に長い場合は、第1発電装置11からの電力が第1優先で、第2発電装置12からの電力が第2優先で、固定式蓄電部17からの電力が第3優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dに供給されるように、制御装置13が使用優先順位を決定する。
【0036】
また、例えば、現時点から過去に第1時間TT1の間における、固定式蓄電部17からの電力供給を行う時間Tbが、第2発電装置12からの電力供給を行う時間Tcよりも短い場合は、第1発電装置11からの電力が第1優先で、固定式蓄電部17からの電力が第2優先で、第2発電装置12からの電力が第3優先で、可搬式蓄電部18からの電力が第4優先で、第1負荷19a~第4負荷19dに供給されるように、制御装置13が使用優先順位を決定する。
【0037】
上述の使用優先順位(1)と使用優先順位(2)と使用優先順位(3)のいずれでも、固定式蓄電部17から可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給、可搬式蓄電部18から固定式蓄電部17と水素貯蔵部21への電力供給、第2発電装置12から固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給は行わない形態を説明した。
しかしながら、第1電気自動車c1に供給する電力、水素、可搬式蓄電装置18b、水素タンク21dの需給バランスを考慮して、固定式蓄電部17から可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給、可搬式蓄電部18から固定式蓄電部17と水素貯蔵部21への電力供給、第2発電装置12から固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18と水素貯蔵部21への電力供給の少なくとも1つを行ってもよい。
【0038】
(出力切替制御)
制御装置13は、固定式蓄電部17と接続する。
ただし、固定式蓄電部17の充電率R1が、満充電状態に近く、第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thp以上に多い場合には、固定式蓄電部17に蓄積された電力を使用せずとも、第1発電装置11から負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)、可搬式蓄電部18、及び水素貯蔵部21への電力供給が十分行える。このため、かかる場合には、制御装置13は、固定式蓄電部17との接続を遮断する。
【0039】
可搬式蓄電部18と制御装置13とは、常時接続される。
ただし、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bのすべての充電率R2が、満充電状態に近い場合は、制御装置13は、可搬式蓄電部18との接続を遮断する。
この場合に、制御装置13は、充電済みの可搬式蓄電装置18bを保持部18aから取り外して、充電が完了していない可搬式蓄電装置18bを保持部18aに取り付ける旨の第1入替案内をステーション側表示部15に表示させる、若しくは当該第1入替案内を、通信部23を介して、第1電力・水素供給ステーション10aの使用者の携帯端末に表示させる。可搬式蓄電装置18bの入替後は、制御装置13は、可搬式蓄電部18との接続を行う。
【0040】
制御装置13は、負荷(第1負荷19a、第2負荷19b、第3負荷19c、第4負荷19d)のうち、使用者などによってオン状態にされたものと接続する。
【0041】
水素貯蔵部21と制御装置13とは、常時接続される。
ただし、水素貯蔵部21の保温冷却部21cに取り付けられた水素タンク21dのすべての水素充填率R3が、第2水素充填率閾値Thr4(Thr4>Thr3)以上に高い場合は、水素タンク21dに水素が十分に充填されているとして、制御装置13は、水素貯蔵部21との接続を遮断する。
この場合に、制御装置13は、水素充填済みの水素タンク21dを保温冷却部21cから取り外して、水素充填が完了していない水素タンク21dを保温冷却部21cに取り付ける旨の第2入替案内をステーション側表示部15に表示させる、若しくは当該第2入替案内を、通信部23を介して、第1電力・水素供給ステーション10aの使用者の携帯端末に表示させる。水素タンク21dの入替後は、制御装置13は、水素貯蔵部21との接続を行う。
【0042】
制御装置13は、通信部23と接続する。
【0043】
(交流と直流の変換)
第1実施形態では、制御装置13を通過する電力が交流であるとして説明する。
このため、第1発電装置11と第2発電装置12のうち直流の電力を発生させる装置と制御装置13の間には、電力を直流から交流に変換する装置(不図示)が設けられる。
また、固定式蓄電部17と制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換したり、所定の電流及び電圧に変換したりする装置(第1変換装置13a)が設けられる。
また、可搬式蓄電部18と制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換したり、所定の電流及び電圧に変換したりする装置(第2変換装置13b)が設けられる。
また、ステーション側表示部15と負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)と通信部23のうち、直流で駆動するものと制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換したり、所定の電流及び電圧に変換したりする装置(不図示)が設けられる。
また、水素発生装置21bと制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換したり、所定の電流及び電圧に変換したりする装置(不図示)が設けられる。
【0044】
ただし、制御装置13を通過する電力が直流であってもよい。
この場合には、第1発電装置11と第2発電装置12のうち交流の電力を発生させる装置と制御装置13の間には、電力を交流から直流に変換する装置が設けられる。
また、ステーション側表示部15と負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)と通信部23のうち、交流で駆動するものと制御装置13の間には、電力を直流から交流に変換する装置が設けられる。
また、この場合、第1変換装置13a及び第2変換装置13bは、所定の電流及び電圧に変換する装置として機能する。
【0045】
(充電器14)
充電器14は、第1電気自動車c1などと着脱可能な状態で接続し、第1発電装置11などからの電力を第1電気自動車c1に供給する。また、充電器14は、第1電気自動車c1からの電力を固定式蓄電部17などに供給してもよい。この場合、充電器14は、第1電気自動車c1の充電端子と接続し、第1電気自動車c1の車内蓄電装置31aを充電する充電装置(第1コンバーター14a)と、第1電気自動車c1の給電端子と接続し、第1電気自動車c1の車内蓄電装置31aを放電するV2H機器(第2コンバーター14b)を有する。
【0046】
(ステーション側表示部15、ステーション側操作部16)
ステーション側表示部15は、固定式蓄電部17の充電情報、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bの充電情報、水素貯蔵部21の保温冷却部21cに取り付けられた水素タンク21dの水素充填率情報、電力供給装置(第1発電装置11、第2発電装置12、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)の使用優先順位に関する情報、第1電気自動車c1などからの予約情報などを表示する。
ステーション側操作部16は、当該使用優先順位の設定操作などに用いられる。
【0047】
ステーション側表示部15とステーション側操作部16は、タッチパネルなどで、一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
また、ステーション側表示部15とステーション側操作部16は、第1電力・水素供給ステーション10aの建物25などに固定されてもよいし、着脱可能な状態で固定されてもよい。
また、第1電力・水素供給ステーション10aの使用者の携帯端末などが、ステーション側表示部15とステーション側操作部16の少なくとも一方として機能してもよい。
【0048】
(固定式蓄電部17)
固定式蓄電部17は、第1発電装置11などからの電力を蓄積する蓄電装置を有する。
固定式蓄電部17の蓄電装置は、着脱を考慮せず、建物25の内部の所定の位置に固定される。
【0049】
固定式蓄電部17は、第1発電装置11からの電力供給が十分でない場合に、制御装置13を介して、蓄積した電力を、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)などに供給する。
また、固定式蓄電部17は、補機電源として、第1電力・水素供給ステーション10aを構成する電気機器(ステーション側表示部15など)への電力供給も行う。ただし、固定式蓄電部17とは別に、当該補機電源用の蓄電装置を設けてもよい。
【0050】
第1変換装置13aと固定式蓄電部17は、第1発電装置11など電力供給装置の負荷試験を行う充電式負荷試験領域として使用されてもよい。
この場合、第1変換装置13aと固定式蓄電部17の少なくとも一方は、電気分解負荷試験を行う際に、負荷量を調整するための第1可変構造を有する。
【0051】
例えば、当該第1可変構造として、第1変換装置13aが、複数のAC/DCコンバーターを有する。当該複数のAC/DCコンバーターは、並列に接続され、固定式蓄電部17の1つの蓄電装置に接続される。当該複数のAC/DCコンバーターのうち、試験対象電源(第1発電装置11などの電力供給装置)から制御装置13を介して固定式蓄電部17に電力供給が行われる際に、使用されるものの数を変えることで、負荷量が調整される。
【0052】
また、例えば、当該第1可変構造として、固定式蓄電部17が、複数の蓄電装置を有する。当該複数の蓄電装置は、並列に接続され、第1変換装置13aの1つのAC/DCコンバーターに接続される。当該複数の蓄電装置のうち、試験対象電源(第1発電装置11などの電力供給装置)から制御装置13と第1変換装置13aを介して電力供給が行われるものの数を変えることで、負荷量が調整される。
【0053】
また、例えば、当該第1可変構造として、第1変換装置13aが、複数のAC/DCコンバーターを有し、固定式蓄電部17が、複数の蓄電装置を有する。当該複数のAC/DCコンバーターは、並列に接続される。当該複数の蓄電装置は、並列に接続される。当該複数のAC/DCコンバーターは、それぞれ、当該複数の蓄電装置と接続される。従って、AC/DCコンバーターと蓄電装置が直列に接続されたものが、複数セット設けられる。当該複数のAC/DCコンバーターと蓄電装置のセットのうち、試験対象電源(第1発電装置11などの電力供給装置)から制御装置13を介して電力供給が行われるものの数を変えることで、負荷量が調整される。
【0054】
(可搬式蓄電部18)
可搬式蓄電部18は、保持部18aと、可搬式蓄電装置18bを有する。
保持部18aは、着脱可能な状態で可搬式蓄電装置18bを保持する。
可搬式蓄電装置18bは、第1発電装置11などからの電力を蓄積する蓄電装置である。
可搬式蓄電装置18bは、保持部18aから取り外しが可能であり、後述する第2電気自動車c2など、他の電気機器に着脱可能な状態で取り付けられ、当該他の電気機器を駆動する。
可搬式蓄電装置18bは、第1発電装置11からの電力供給が十分でない場合に、制御装置13を介して、蓄積した電力を、負荷(第1負荷19a~第4負荷19d)などに供給する。
【0055】
また、可搬式蓄電装置18bへの電力の蓄積は、第1電力・水素供給ステーション10aで行われるだけではなく、第1電力・水素供給ステーション10aの外部で行われてもよい。
例えば、充電式負荷試験装置LB1とともに、第1負荷試験移動装置t1に搭載された可搬式蓄電装置18bは、第1試験対象電源G1から、充電式負荷試験装置LB1を介して、供給された電力を蓄積する形態が考えられる(図3参照)。
充電式負荷試験装置LB1は、第1試験対象電源G1からの電力を可搬式蓄電装置18bに充電させることで、第1試験対象電源G1の負荷試験を行う。
また、可搬式蓄電装置18bは、第2電力・水素供給ステーション10bの保持部18aに保持されて、第2電力・水素供給ステーション10bの第1発電装置11などから、供給された電力を蓄積する形態が考えられる。
【0056】
第1実施形態では、保持部18aが3つ設けられ、同時に3つの可搬式蓄電装置18bに対して充電が可能な例を示すが、保持部18aが設けられる数は3つに限るものではない。
【0057】
可搬式蓄電部18の保持部18aは、建物25の内部などに設置される。
【0058】
第2変換装置13bと可搬式蓄電部18は、第1発電装置11など電力供給装置の付加試験を行う充電式負荷試験領域として使用されてもよい。
この場合、第2変換装置13bと可搬式蓄電部18の少なくとも一方は、電気分解負荷試験を行う際に、負荷量を調整するための第2可変構造を有する。
【0059】
例えば、当該第2可変構造として、可搬式蓄電部18が、複数の可搬式蓄電装置18bを有する。当該複数の可搬式蓄電装置18bは、並列に接続され、第2変換装置13bの1つのAC/DCコンバーターに接続される。当該複数の可搬式蓄電装置18bのうち、試験対象電源(第1発電装置11などの電力供給装置)から制御装置13と第2変換装置13bを介して電力供給が行われるものの数を変えることで、負荷量が調整される。
【0060】
また、例えば、当該第2可変構造として、第2変換装置13bが、複数のAC/DCコンバーターを有し、可搬式蓄電部18が、複数の可搬式蓄電装置18bを有する。当該複数のAC/DCコンバーターは、並列に接続される。当該複数の可搬式蓄電装置18bは、並列に接続される。当該複数のAC/DCコンバーターは、それぞれ、当該複数の可搬式蓄電装置18bと接続される。従って、AC/DCコンバーターと可搬式蓄電装置18bが直列に接続されたものが、複数セット設けられる。当該複数のAC/DCコンバーターと可搬式蓄電装置18bのセットのうち、試験対象電源(第1発電装置11などの電力供給装置)から制御装置13を介して電力供給が行われるものの数を変えることで、負荷量が調整される。
【0061】
(第1負荷19a~第4負荷19d)
第1負荷19a~第4負荷19dは、電球、エレベーター、冷蔵庫、エアコンディショナー、テレビなど、建物25の内部または建物25の近辺に設けられた電気機器である。
第1負荷19a~第4負荷19dのうち、使用者がオン状態になるように操作したものに対して、制御装置13を介しての電力供給が行われる。
第1負荷19a~第4負荷19dの少なくとも1つは、第1発電装置11など電力供給装置の負荷試験を行う負荷試験装置であってもよい。
【0062】
(水素貯蔵部21)
水素貯蔵部21は、取水部21a1を含む電解液供給部21a、水素発生装置21b、保温冷却部21c、水素タンク21d、連通管21e、検知装置21f、水素供給部21gを有する。
【0063】
電解液供給部21aは、水素発生装置21bに、電気分解を行うための水などの電解液を供給する。
【0064】
電解液は、取水部21a1で収集される。
取水部21a1は、空気中の水分を結露させ、結露した水を電解液として収集する除湿装置である。
当該除湿装置は、例えば、冷却板と放熱板とその間に設けられた熱電素子(ペルチェ素子)で構成される。
第1実施形態では、冷却板が建物25の内部に設けられて、建物25の内部の空気に含まれる水分を結露させる。ただし、冷却板が建物25の外部に設けられて、建物25の外部の空気の水分を結露させてもよい。
なお、建物25のエアコンディショナーの一部が当該除湿装置として機能し、当該エアコンディショナーの動作で結露して出来た水が、電解液として収集されてもよい。
また、取水部21a1は、建物25の上方からの雨水、建物25の周囲に貯めた水、当該周囲に流れる川の水を収集する形態であってもよい。
また、当該除湿装置は、水素発生装置21bにおける電気分解で発生した気体(酸素、水素)に含まれる水分の取水に用いられてもよい。
【0065】
水素発生装置21bは、第1発電装置11などから供給された電力に基づいて、電気分解を行って、水素を発生させる。
電解液供給部21aと水素発生装置21bは、別体で構成されてもよいし、一体で構成されてもよい。
【0066】
水素発生装置21bは、第1発電装置11など電力供給装置の負荷試験を行う電気分解式負荷試験領域として使用されてもよい。
電解液供給部21aから水素発生装置21bへの電解液の供給制御と、水素発生装置21bにおける電極の少なくとも一方の移動制御と、水素発生装置21bにおける電極の一方と他方の間の絶縁体の移動制御などによって、電気分解式負荷試験領域の負荷試験における負荷量の調整が行われる。
すなわち、電解液供給部21aと水素発生装置21bの少なくとも一方は、電気分解負荷試験を行う際に、負荷量を調整するための第3可変構造を有する。
【0067】
例えば、当該第3可変構造として、電極の少なくとも一方(例えば、陰極)が複数設けられる。当該電極の少なくとも一方であって、複数設けられたもののうち、試験対象電源(例えば、第1発電装置11)からの電流を流す陰極の数を変えることで、負荷量が調整される。
【0068】
また、例えば、当該第3可変構造として、電極の少なくとも一方(例えば、陰極21b1)が上下方向に移動可能になるように構成される。当該電極の少なくとも一方であって、上下方向に移動可能なものと電解液とが接触する面積を変えることで、負荷量が調整される(電極移動制御、図7参照)。図7は、電解液を保持する容器が陽極21b2を構成し、容器の内側に陰極21b1が設けられ、陰極21b1は保持機構21b3によって上下方向に移動可能な状態、すなわち、電解液との接触面積が変動可能な状態で保持される例を示す。
【0069】
また、例えば、当該第3可変構造として、水素発生装置21bに供給する電解液の量が調整されるように構成される。当該電解液の量を変えて、電極と電解液とが接触する面積を変えることで、負荷量が調整される(電解液供給制御)。
【0070】
また、例えば、当該第3可変構造として、電極の一方(例えば、陰極21b1)と電極の他方(例えば、陽極21b2)の間で移動可能になるように構成された絶縁体21b4が設けられる。当該絶縁体21b4による電極間の遮蔽度合いを変えることで、負荷量が調整される(絶縁体移動制御、図8参照)。図8は、電解液を保持する容器の内側に陰極21b1と陽極21b2が設けられ、陰極21b1と陽極21b2の間に絶縁体21b4が設けられ、絶縁体21b4は保持機構21b3によって上下方向に移動可能な状態で保持される例を示す。
【0071】
第3可変構造により、充電式負荷試験領域に比べて、負荷量の微調整が容易である。このため、充電式負荷試験領域が大きな負荷量の調整に用いられ、電気分解式負荷試験領域が小さな負荷量の調整に用いられる。
【0072】
保温冷却部21cは、着脱可能な状態で水素タンク21dを保持し、保持した水素タンク21dを温めたり冷やしたりする。
具体的には、水素発生装置21bで生成された水素を吸蔵させる場合には、保温冷却部21cは、自身が保持する水素タンク21dを冷やす。
水素タンク21dから水素を放出させる場合には、保温冷却部21cは、自身が保持する水素タンク21dを温める、若しくは冷却を停止する。
ただし、後述する第4実施形態に示すように、太陽熱温水器20など、保温冷却部21cと別の装置で得られた熱を使って、水素タンク21dを温めてもよい。
【0073】
水素タンク21dは、水素を吸蔵する水素吸蔵合金と、当該水素吸蔵合金を保持する容器を有する。水素タンク21dの当該容器は、内部に当該水素吸蔵合金を保持する。水素タンク21dは、高圧下若しくは低温下において、水素を吸蔵し、当該高圧下若しくは当該低温下の状態でない場合に、吸蔵した水素を放出する。
水素タンク21dは、連通管21eを介して、第2発電装置12、水素発生装置21b、及び水素供給部21gと連通する。
また、水素発生装置21b、水素タンク21d、連通管21eなどの気体に含まれる水分(ドレン水など)は、後述する第4実施形態に示すように、電解液供給部21aに供給されてもよい。
【0074】
水素タンク21dと連通管21eの少なくとも一方には、歪みセンサー、流量センサーなどの検知装置21fが設けられる。
検知装置21fは、水素タンク21dの水素充填度合い(水素充填率R3)を算出するために用いられる。
【0075】
なお、第1実施形態では、水素タンク21dは、可搬式であり、保温冷却部21cから着脱可能で、後述する第4電気自動車c4、及び第2負荷試験移動装置t2に搭載され得るものとして説明する。しかしながら、水素タンク21dの少なくとも1つが、着脱を考慮せず、保温冷却部21cなどに固定される形態であってもよい。
また、第1実施形態では、水素タンク21dが、吸蔵合金に吸蔵することで水素を蓄積する形態を説明する。しかしながら、水素タンク21dが、水素を含む有機ハイドライド、液化した状態の水素、圧縮した気体の状態の水素のいずれかを蓄積する形態でもよい。
【0076】
水素供給部21gは、第3電気自動車c3などと着脱可能な状態で接続し、水素タンク21dなどからの水素を第3電気自動車c3の車内固定水素貯蔵装置31cに供給する。
また、高圧水素タンクなどが水素供給部21gに着脱可能な状態で接続されてもよい。この場合、当該高圧水素タンクなどからの水素が、水素タンク21dなどに供給されてもよい。
【0077】
また、水素タンク21dへの水素の蓄積(吸蔵)は、第1電力・水素供給ステーション10aで行われるだけではなく、第1電力・水素供給ステーション10aの外部で行われてもよい。
例えば、電気分解式負荷試験装置LB2とともに、第2負荷試験移動装置t2に搭載された水素タンク21dは、第2試験対象電源G2から、電気分解式負荷試験装置LB2を介して、発生した水素を蓄積する形態が考えられる(図3参照)。
電気分解式負荷試験装置LB2は、第2試験対象電源G2からの電力を使って水などの電解液の電気分解を行い、当該電気分解で得られた水素を水素タンク21dに吸蔵させることで、第2試験対象電源G2の負荷試験を行う。
また、水素タンク21dは、第2電力・水素供給ステーション10bの保温冷却部21cに保持されて、第2電力・水素供給ステーション10bの第1発電装置11などから、供給された電力に基づく水素を蓄積する形態が考えられる。
【0078】
(バッファータンク)
なお、連通管21eにおける、水素発生装置21bと水素タンク21dの間、水素タンク21dと水素供給部21gの間には、水素を一時的に貯留するバッファータンク21d1が設けられてもよい。
【0079】
(減圧装置)
また、連通管21eには、圧力を調整するための減圧装置21d2が設けられてもよい。
【0080】
(通信部23)
通信部23は、通信部23を含む第1電力・水素供給ステーション10aの位置情報、営業情報、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bなどの充電情報、水素貯蔵部21の保温冷却部21cに取り付けられた水素タンク21dの水素充填率情報などをサーバー100に送信する。
当該充電情報、水素充填率情報は、サーバー100を介して、後述する第1電気自動車c1などに送信される。
通信部23は、サーバー100から、固定式蓄電部17などに蓄積された電力、充電済みの可搬式蓄電装置18b、充填済みの水素タンク21d、及び水素タンク21dに充填された水素の購入若しくは交換の予約に関する情報などを受信する。
【0081】
通信部23は、第1電力・水素供給ステーション10aの使用者の携帯端末などに、固定式蓄電部17の充電情報、可搬式蓄電部18の保持部18aに取り付けられた可搬式蓄電装置18bの充電情報、水素貯蔵部21の保温冷却部21cに取り付けられた水素タンク21dの水素充填率情報、電力供給装置(第1発電装置11、第2発電装置12、固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)の使用優先順位に関する情報などを送信する。
【0082】
(建物25)
建物25は、第1負荷19aなどを設置した建物である。
【0083】
(第1電気自動車c1)
第1電気自動車c1は、自動車、オートバイ、船、空中浮遊装置など、充電器14を介して供給された電力で駆動する乗り物である。
第1電気自動車c1は、車内蓄電装置31a、第1通信部33a、第1表示部35aを有する。
【0084】
(車内蓄電装置31a)
車内蓄電装置31aは、充電器14の第1コンバーター14aを介して、固定式蓄電部17などから供給された電力を蓄積する。
車内蓄電装置31aに蓄積された電力は、第1電気自動車c1のモーター(不図示)、第1通信部33a、第1表示部35aなどに供給される。
車内蓄電装置31aへの電力の供給は、固定式蓄電部17から行われるだけでなく、他の電力供給装置(第1発電装置11、第2発電装置12、可搬式蓄電装置18b)から行われてもよい。
また、車内蓄電装置31aは、充電器14の第2コンバーター14bを介して、固定式蓄電部17などに電力を供給する。
【0085】
(第1通信部33a)
第1通信部33aは、第1電気自動車c1の位置情報などをサーバー100に送信する。
第1通信部33aは、サーバー100から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれにおける固定式蓄電部17の充電情報などを受信する。
【0086】
(第1表示部35a)
第1表示部35aは、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれの営業時間、第1電気自動車c1の現在位置からの所要時間、固定式蓄電部17の充電状況、予約可否などを含む充電情報を表示する(図5参照)。
【0087】
当該充電情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、充電済みの固定式蓄電部17からの電力の購入などについて、予約が可能な場合には、予約指示ボタン35a1を表示する。
予約指示ボタン35a1をタッチするなど、所定の第1操作が行われると、当該予約指示ボタン35a1に対応する電力・水素供給ステーションに対して、サーバー100を介して、予約に関する情報が送信される、若しくは、発呼が行われる。
予約に関する情報の送信には、第1電気自動車c1若しくは第1電気自動車c1の使用者情報、到着予想時間、電力購入することなどの送信が含まれる。
発呼が行われる場合は、第1通信部33aを介しての通話が開始された後に、第1電気自動車c1の使用者と、対応する電力・水素供給ステーションの使用者との通話が行われる。
【0088】
当該充電情報は、第1電気自動車c1の現在位置から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれへのルート案内ボタン35a2を表示する。
ルート案内ボタン35a2をタッチするなど、所定の第2操作が行われると、第1電気自動車c1の現在位置から、当該ルート案内ボタン35a2に対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われる。
当該ルートRuは、当該ルート案内ボタン35a2に対応する電力・水素供給ステーションを最終目的地Dpとして算出されたルートであってもよいし、第2操作を行う前に他の目的地へのルート設定が行われている場合には、当該他の目的地を最終目的地とし、当該ルート案内ボタン35a2に対応する電力・水素供給ステーションを経由地として算出されたルートRuであってもよい。
【0089】
また、第1操作が行われた時に、当該予約指示ボタン35a1に対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われてもよい(図6参照)。
図6は、第1操作が行われる前に他の目的地へのルート設定が行われていない状態で、第2電力・水素供給ステーション10bに可搬式蓄電装置18bの購入若しくは交換の予約を行い、第2電力・水素供給ステーション10bを最終目的地Dpとして、現在位置CpからのルートRuが第1表示部35aに表示された例を示す。
【0090】
ルートの算出など、第1表示部35aの表示に関する演算処理は、第1電気自動車c1の制御部が行ってもよいし、サーバー100が行ってもよい。
【0091】
当該充電情報には、全ての電力・水素供給ステーションが含まれてもよいが、第1電気自動車c1の現在位置から第1距離d1の範囲内のものだけ、そして/若しくは、第1電気自動車c1がルート設定をしている場合には当該ルートから第1距離d1の範囲内のものだけを含める形態であってもよい。
【0092】
また、当該充電情報は、第1電気自動車c1の現在位置から直線距離若しくは道のりが近い順、第1電気自動車c1がルート設定をしている場合は当該ルートからの直線距離若しくは道のりが近い順に、電力・水素供給ステーションを並べた状態で表示してもよい。
【0093】
また、当該充電情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、充電済みの固定式蓄電部17があるものに対応する充電情報、購入の予約が可能なものに対応する充電情報、現在位置などからの所要時間が短いものに対応する充電情報など、特定の条件に合うものだけを表示してもよい。
【0094】
(第2電気自動車c2)
第3電気自動車c3は、自動車、オートバイ、船、空中浮遊装置など、可搬式蓄電装置18bを保持し、保持した可搬式蓄電装置18bの電力で駆動する乗り物である。
第2電気自動車c2は、可搬式蓄電装置保持部31b、第2通信部33b、第2表示部35bを有する。
【0095】
(可搬式蓄電装置保持部31b)
可搬式蓄電装置保持部31bには、可搬式蓄電装置18bが着脱可能な状態で取り付けられる。
可搬式蓄電装置18bに蓄積された電力は、可搬式蓄電装置保持部31bを介して、第2電気自動車c2のモーター(不図示)、第2通信部33b、第2表示部35bなどに供給される。
【0096】
(第2通信部33b)
第2通信部33bは、第2電気自動車c2の位置情報などをサーバー100に送信する。
第2通信部33bは、サーバー100から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれにおける可搬式蓄電装置18bの充電情報などを受信する。
【0097】
(第2表示部35b)
第2表示部35bは、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれの営業時間、第2電気自動車c2の現在位置からの所要時間、可搬式蓄電装置18bの充電状況、予約可否などを含む充電情報を表示する(不図示)。
【0098】
第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれが、複数種類の可搬式蓄電装置18bに充電している場合には、当該複数種類の可搬式蓄電装置18bのうち、第2電気自動車c2の可搬式蓄電装置保持部31bに対応するものに関連する情報だけが、当該充電情報として表示されるのが望ましい。
【0099】
当該充電情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、充電済みの可搬式蓄電装置18bの購入若しくは第2電気自動車c2が保持している可搬式蓄電装置18bとの交換などについて、予約が可能な場合には、予約指示ボタンを表示する。
第2表示部35bの予約指示ボタンをタッチするなど、所定の第1操作が行われると、当該予約指示ボタンに対応する電力・水素供給ステーションに対して、サーバー100を介して、予約に関する情報が送信される、若しくは、発呼が行われる。
予約に関する情報の送信には、第2電気自動車c2若しくは第2電気自動車c2の使用者情報、到着予想時間、購入若しくは交換する対象の可搬式蓄電装置18bの種類などの送信が含まれる。
発呼が行われる場合は、第2通信部33bを介しての通話が開始された後に、第2電気自動車c2の使用者と、対応する電力・水素供給ステーションの使用者との通話が行われる。
【0100】
当該充電情報は、第2電気自動車c2の現在位置から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれへのルート案内ボタンを表示する。
第2表示部35bのルート案内ボタンをタッチするなど、所定の第2操作が行われると、第2電気自動車c2の現在位置から、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われる。
当該ルートRuは、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを最終目的地Dpとして算出されたルートであってもよいし、第2操作を行う前に他の目的地へのルート設定が行われている場合には、当該他の目的地を最終目的地とし、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを経由地として算出されたルートRuであってもよい。
【0101】
また、第1操作が行われた時に、当該予約指示ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われてもよい(不図示)。
【0102】
ルートの算出など、第2表示部35bの表示に関する演算処理は、第2電気自動車c2の制御部が行ってもよいし、サーバー100が行ってもよい。
【0103】
当該充電情報には、全ての電力・水素供給ステーションが含まれてもよいが、第2電気自動車c2の現在位置から第1距離d1の範囲内のものだけ、そして/若しくは、第2電気自動車c2がルート設定をしている場合には当該ルートから第1距離d1の範囲内のものだけを含める形態であってもよい。
【0104】
また、当該充電情報は、第2電気自動車c2の現在位置から直線距離若しくは道のりが近い順、第2電気自動車c2がルート設定をしている場合は当該ルートからの直線距離若しくは道のりが近い順に、電力・水素供給ステーションを並べた状態で表示してもよい。
【0105】
また、当該充電情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、充電済みの可搬式蓄電装置18bがあるものに対応する充電情報、購入若しくは交換の予約が可能なものに対応する充電情報、現在位置などからの所要時間が短いものに対応する充電情報など、特定の条件に合うものだけを表示してもよい。
【0106】
(第3電気自動車c3)
第2電気自動車c2は、自動車、オートバイ、船、空中浮遊装置など、水素供給部21gを介して供給された水素に基づく電力で駆動する乗り物である。
第3電気自動車c3は、車内固定水素貯蔵装置31c、第3通信部33c、第3表示部35cを有する。
【0107】
(車内固定水素貯蔵装置31c)
車内固定水素貯蔵装置31cは、水素供給部21gを介して、水素タンク21dなどから供給された水素を蓄積する。車内固定水素貯蔵装置31cは、着脱を考慮せず、第3電気自動車c3の内部の所定の位置に固定される。
車内固定水素貯蔵装置31cに蓄積された水素は、燃料電池(不図示)で電力に変換される。
当該燃料電池で変換された電力は、第3電気自動車c3のモーター(不図示)、第3通信部33c、第3表示部35cなどに供給される。
車内固定水素貯蔵装置31cへの水素の供給は、1つの水素タンク21dから行われるだけでなく、他の水素供給装置(他の水素タンク21d、水素発生装置21b)から行われてもよい。
【0108】
(第3通信部33c)
第3通信部33cは、第3電気自動車c3の位置情報などをサーバー100に送信する。
第3通信部33cは、サーバー100から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれにおける水素タンク21dの水素充填情報などを受信する。
【0109】
(第1表示部35a)
第1表示部35aは、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれの営業時間、第1電気自動車c1の現在位置からの所要時間、水素タンク21dの水素充填状況、予約可否などを含む水素充填情報を表示する(不図示)。
【0110】
当該水素充填情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、水素充填済みの水素タンク21dからの水素の購入などについて、予約が可能な場合には、予約指示ボタンを表示する。
第3表示部35cの予約指示ボタンをタッチするなど、所定の第1操作が行われると、当該予約指示ボタンに対応する電力供給装置に対して、サーバー100を介して、予約に関する情報が送信される、若しくは、発呼が行われる。
予約に関する情報の送信には、第3電気自動車c3若しくは第3電気自動車c3の使用者情報、到着予想時間、水素購入することなどの送信が含まれる。
発呼が行われる場合は、第3通信部33cを介しての通話が開始された後に、第3電気自動車c3の使用者と、対応する電力・水素供給ステーションの使用者との通話が行われる。
【0111】
当該水素充填情報は、第3電気自動車c3の現在位置から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれへのルート案内ボタンを表示する。
第3表示部35cのルート案内ボタンをタッチするなど、所定の第2操作が行われると、第3電気自動車c3の現在位置から、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われる。
当該ルートRuは、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを最終目的地Dpとして算出されたルートであってもよいし、第2操作を行う前に他の目的地へのルート設定が行われている場合には、当該他の目的地を最終目的地とし、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを経由地として算出されたルートRuであってもよい。
【0112】
また、第1操作が行われた時に、当該予約指示ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われてもよい(不図示)。
【0113】
ルートの算出など、第3表示部35cの表示に関する演算処理は、第3電気自動車c3の制御部が行ってもよいし、サーバー100が行ってもよい。
【0114】
当該水素充填情報には、全ての電力・水素供給ステーションが含まれてもよいが、第3電気自動車c3の現在位置から第1距離d1の範囲内のものだけ、そして/若しくは、第3電気自動車c3がルート設定をしている場合には当該ルートから第1距離d1の範囲内のものだけを含める形態であってもよい。
【0115】
また、当該水素充填情報は、第3電気自動車c3の現在位置から直線距離若しくは道のりが近い順、第3電気自動車c3がルート設定をしている場合は当該ルートからの直線距離若しくは道のりが近い順に、電力・水素供給ステーションを並べた状態で表示してもよい。
【0116】
また、当該水素充填情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、水素充填済みの水素タンク21dがあるものに対応する水素充填情報、購入の予約が可能なものに対応する水素充填情報、現在位置などからの所要時間が短いものに対応する水素充填情報など、特定の条件に合うものだけを表示してもよい。
【0117】
(第4電気自動車c4)
第4電気自動車c4は、自動車、オートバイ、船、空中浮遊装置など、水素タンク21dを保持し、保持した水素タンク21dの水素に基づく電力で駆動する乗り物である。
第4電気自動車c4は、水素タンク保持部31d、第4通信部33d、第4表示部35dを有する。
【0118】
(水素タンク保持部31d)
水素タンク保持部31dには、水素タンク21dが着脱可能な状態で取り付けられる。
水素タンク21dに蓄積された水素は、燃料電池(不図示)で電力に変換される。
当該燃料電池で変換された電力は、第4電気自動車c4のモーター(不図示)、第4通信部33d、第4表示部35dなどに供給される。
【0119】
(第4通信部33d)
第4通信部33dは、第4電気自動車c4の位置情報などをサーバー100に送信する。
第4通信部33dは、サーバー100から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれにおける水素タンク21dの水素充填情報などを受信する。
【0120】
(第4表示部35d)
第4表示部35dは、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれの営業時間、第4電気自動車c4の現在位置からの所要時間、水素タンク21dの水素充填状況、予約可否などを含む充電情報を表示する(不図示)。
【0121】
第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれが、複数種類の水素タンク21dに水素充填している場合には、当該複数種類の水素タンク21dのうち、第4電気自動車c4の水素タンク保持部31dに対応するものに関連する情報だけが、当該水素充填情報として表示されるのが望ましい。
【0122】
当該水素充填情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、水素充填済みの水素タンク21dの購入若しくは第4電気自動車c4が保持している水素タンク21dとの交換などについて、予約が可能な場合には、予約指示ボタンを表示する。
第4表示部35dの予約指示ボタンをタッチするなど、所定の第1操作が行われると、当該予約指示ボタンに対応する電力・水素供給ステーションに対して、サーバー100を介して、予約に関する情報が送信される、若しくは、発呼が行われる。
予約に関する情報の送信には、第4電気自動車c4若しくは第4電気自動車c4の使用者情報、到着予想時間、購入若しくは交換する対象の水素タンク21dの種類などの送信が含まれる。
発呼が行われる場合は、第4通信部33dを介しての通話が開始された後に、第4電気自動車c4の使用者と、対応する電力・水素供給ステーションの使用者との通話が行われる。
【0123】
当該水素充填情報は、第4電気自動車c4の現在位置から、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのそれぞれへのルート案内ボタンを表示する。
第4表示部35dのルート案内ボタンをタッチするなど、所定の第2操作が行われると、第4電気自動車c4の現在位置から、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われる。
当該ルートRuは、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを最終目的地Dpとして算出されたルートであってもよいし、第2操作を行う前に他の目的地へのルート設定が行われている場合には、当該他の目的地を最終目的地とし、当該ルート案内ボタンに対応する電力・水素供給ステーションを経由地として算出されたルートRuであってもよい。
【0124】
また、第1操作が行われた時に、当該予約指示ボタンに対応する電力・水素供給ステーションへのルートRuの表示が行われてもよい(不図示)。
【0125】
ルートの算出など、第4表示部35dの表示に関する演算処理は、第4電気自動車c4の制御部が行ってもよいし、サーバー100が行ってもよい。
【0126】
当該水素充填情報には、全ての電力・水素供給ステーションが含まれてもよいが、第4電気自動車c4の現在位置から第1距離d1の範囲内のものだけ、そして/若しくは、第4電気自動車c4がルート設定をしている場合には当該ルートから第1距離d1の範囲内のものだけを含める形態であってもよい。
【0127】
また、当該水素充填情報は、第4電気自動車c4の現在位置から直線距離若しくは道のりが近い順、第4電気自動車c4がルート設定をしている場合は当該ルートからの直線距離若しくは道のりが近い順に、電力・水素供給ステーションを並べた状態で表示してもよい。
【0128】
また、当該水素充填情報は、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10cのうち、水素充填済みの水素タンク21dがあるものに対応する水素充填情報、購入若しくは交換の予約が可能なものに対応する水素充填情報、現在位置などからの所要時間が短いものに対応する水素充填情報など、特定の条件に合うものだけを表示してもよい。
【0129】
(サーバー100)
サーバー100は、ネットワークを介して、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10c、第1電気自動車c1~第4電気自動車c4と通信する。
後述するように、サーバー100が、第1電力・水素供給ステーション10aと隣接して配置される場合には、第1電力・水素供給ステーション10aから供給される電力に基づいて、サーバー100が冷却されてもよい(図10参照)。
【0130】
(負荷試験の動作手順)
第1発電装置11の負荷試験を行う場合は、第2発電装置12はオフ状態にされ、第1発電装置11から固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、及び水素発生装置21bへの電力供給が行われる。
第2発電装置12の負荷試験を行う場合は、第1発電装置11はオフ状態にされ、第2発電装置12から固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、及び水素発生装置21bへの電力供給が行われる。なお、負荷試験の目的以外で第2発電装置12を使用する際は、第2発電装置12から水素発生装置21bへの電力供給は行われないように動作制御される。
第1電力・水素供給ステーション10aに接続される外部の試験対象電源の負荷試験を行う場合には、当該外部の試験対象電源が制御装置13に接続され、第1発電装置11と第2発電装置12はオフ状態にされ、当該外部の試験対象電源から固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18、及び水素発生装置21bへの電力供給が行われる。
【0131】
(複数の発電装置、蓄電装置、水素貯蔵部を用いることの効果)
第1発電装置11と、第2発電装置12を用いることにより、第1発電装置11による発電が可能な時間帯は、第1発電装置11を用いた発電で電力及び水素を蓄積する。第1発電装置11による発電が可能でない時間帯は、第2発電装置12、蓄電部(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)からの電力を用いて、第1負荷19a、第1電気自動車c1などの電気機器を駆動する。
第1発電装置11は自然エネルギーに基づいて発電し、第2発電装置12は水素に基づいて発電する。また第2発電装置12で用いる水素は、水素貯蔵部21で得られた水素が用いられる。
このため、外部からの電力供給が無くても、第1電力・水素供給ステーション10a内で、電力及び水素を得て、これらを貯蔵することが可能になる。
蓄電部(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)に蓄積される電力は、放電により蓄積された電力が減少するおそれがある。
水素貯蔵部21の水素タンク21dに蓄積される水素は、水素が自然に放出される可能性が低い。
このため、短期間の貯蔵は、蓄電部(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)への蓄電を用い、長期間の貯蔵は、水素タンク21dへの水素吸蔵を用いることで、第1発電装置11で得られた電力を、効率的に貯蔵することができる。
また、電気機器に対しては、電力を直接供給する形態、水素を直接供給する形態、可搬式蓄電部18を供給する形態、水素を含む容器(可搬式の水素タンク21d)を供給する形態などに対応し、様々な形態の電気機器に対して電力・水素の供給が可能になる。
また、空気中の湿気に基づいて得られる水を電解液として用いることで、外部からの部材の供給が少ない状態でも、水素の蓄積を継続して行うことが可能になる。
【0132】
(蓄電装置、水素発生装置を負荷試験領域として用いることの効果)
第1電力・水素供給ステーション10a内の、電力貯蔵装置(固定式蓄電部17など)と水素貯蔵装置(水素発生装置21bなど)の両方を使って、大きな負荷及び、小さな負荷で、電力発生装置(第1発電装置11など)の負荷試験を行うことが可能になる。負荷試験の際に発生した電力は、電力若しくは水素として貯蔵出来るので、エネルギーロスが少ない。
【0133】
(電気分解式負荷試験領域を負荷の微調整用に用いることの効果)
電気分解の電極などの移動、若しくは電解液の供給を制御することにより、充電式負荷試験領域における使用する蓄電装置の数を切り替える制御よりも、微少な負荷量の調整が可能になる。
【0134】
(使用優先順位を調整出来ることの効果)
第1発電装置11による発電が可能でない時間帯にも、複数の電力供給装置、すなわち、蓄電部(固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18)と第2発電装置12とを用いて、電力供給が可能になる。一方で、必要とされる電力供給装置と、実際に使用する電力供給装置が一致しないことが起こりえる。最適な使用優先順位を設定することで、効率よく、蓄積した電力と水素を用いることが可能になる。
【0135】
(蓄電部などの使用状態に基づいて、制御装置13が使用優先順位を決定することの効果)
固定式蓄電部17、可搬式蓄電部18の使用頻度を一定以上に保つことで、自然放電によるロスを少なくすることが出来る。また、第2発電装置12の使用頻度を一定以上に保つことで、不使用による第2発電装置12の劣化の可能性、固定式蓄電部17と可搬式蓄電部18の充放電過多による劣化の可能性を低くすることが可能になる。
【0136】
(歪みセンサーを用いることの効果)
歪みを計測する歪みセンサーを検知装置21fとして用いることにより、吸蔵により膨張した水素吸蔵合金の歪み度合いから水素の充填度合いを得ることが出来、水素タンク21dに流入する水素などの流量に基づいて算出する形態に比べて、正確な水素の充填度合いを得ることが可能になる。
【0137】
(直接電気機器に水素などを供給することの効果)
蓄電部は、プラグインハイブリッドカー(第1電気自動車c1)など、直接車両のバッテリーに充電するタイプの電気機器に対して、ケーブルを介して電力供給を行うことが可能になる。水素タンク21dなどは、燃料電池自動車(第3電気自動車c3)など、直接車両の車内固定水素貯蔵装置31cに水素充填を行うタイプの電気機器に対して、可撓性管などを介して水素充填を行うことが可能になる。
【0138】
(負荷試験で得られた電力を用いることの効果)
試験対象電源の負荷試験で得られた電力を用いて、可搬式蓄電装置18bへの蓄電、可搬式の水素タンク21dへの水素充填が可能になる。
【0139】
(充電状況を知らせることの効果)
車内蓄電装置31aに蓄積された電力を用いる第1電気自動車c1では、充電済みの固定式蓄電部17などからの電力を購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
固定式蓄電部17の充電状況などを含む充電情報を、車内蓄電装置31aを用いる第1電気自動車c1の第1表示部35aに表示させる。
これにより、第1電気自動車c1の近くにある購入可能な電力を取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)を第1電気自動車c1の使用者に視認させることが可能になる。
【0140】
(複数の電力・水素供給ステーションの充電状況を知らせることの効果)
購入可能な電力を取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)の複数の情報を知らせることにより、第1電気自動車c1の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力・水素供給ステーション)までのルートRuを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【0141】
(充電状況を知らせることの効果)
可搬式蓄電装置18bを用いる第2電気自動車c2では、充電済みの可搬式蓄電装置18bを購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
可搬式蓄電装置18bの充電状況などを含む充電情報を、可搬式蓄電装置18bを用いる第2電気自動車c2の第2表示部35bに表示させる。
これにより、第2電気自動車c2の近くにある購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置18bを取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)を第2電気自動車c2の使用者に視認させることが可能になる。
【0142】
(複数の電力・水素供給ステーションの充電状況を知らせることの効果)
購入若しくは交換可能な可搬式蓄電装置18bを取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)の複数の情報を知らせることにより、第2電気自動車c2の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力・水素供給ステーション)までのルートRuを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【0143】
(水素充填状況を知らせることの効果)
車内固定水素貯蔵装置31cに蓄積された水素を用いる第3電気自動車c3では、水素充填済みの水素タンク21dなどからの水素を購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
水素タンク21dの水素充填状況などを含む水素充填情報を、車内固定水素貯蔵装置31cを用いる第3電気自動車c3の第3表示部35cに表示させる。
これにより、第3電気自動車c3の近くにある購入可能な電力を取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)を第3電気自動車c3の使用者に視認させることが可能になる。
【0144】
(複数の電力・水素供給ステーションの充電状況を知らせることの効果)
購入可能な水素を取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)の複数の情報を知らせることにより、第3電気自動車c3の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力・水素供給ステーション)までのルートRuを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【0145】
(水素充填状況を知らせることの効果)
水素タンク21dを用いる第4電気自動車c4では、水素充填済みの水素タンク21dを購入など出来る店舗などの情報を入手出来るのが望ましい。
充電状況水素タンク21dの水素充填状況などを含む水素充填情報を、水素タンク21dを用いる第4電気自動車c4の第4表示部35dに表示させる。
これにより、第4電気自動車c4の近くにある購入若しくは交換可能な水素タンク21dを取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)を第4電気自動車c4の使用者に視認させることが可能になる。
【0146】
(複数の電力・水素供給ステーションの充電状況を知らせることの効果)
購入若しくは交換可能な水素タンク21dを取り扱う店舗(電力・水素供給ステーション)の複数の情報を知らせることにより、第4電気自動車c4の使用者にとって最適な店舗を選択しやすい状況にできる。
選択した店舗(電力・水素供給ステーション)までのルートRuを示すことで、店舗までの移動を容易に出来る。
【0147】
(水素発生装置21bが電気分解に限らないこと)
第1実施形態では、水素発生装置21bが、電解液の電気分解により水素を発生させる装置であるとして説明した。
しかしながら、水素の発生方法は、電解液の電気分解に限るものではない。
例えば、水素発生装置21bは、水素を可逆的に放出する有機ハイドライドを触媒反応として温める装置であってもよい。
この場合、電解液供給部21aに代えて、有機ハイドライド供給部が設けられる。
【0148】
(電力・水素供給ステーションの応用例、第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと異なり、固定式蓄電部17が2つの蓄電部(第1蓄電部17a、第2蓄電部17b)を有し、水素貯蔵部21が水素タンク21dと有機ハイドライドとして水素を貯蔵する液体タンク21iなどを有する。
以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、第2実施形態の第2電力・水素供給ステーション10b、第3電力・水素供給ステーション10cも、第2実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと同じ構成であってもよい。
【0149】
(第1電力・水素供給ステーション10a)
第2実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24を有する(図9参照)。
なお、第2実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1実施形態と同様に、充電器14、ステーション側表示部15、ステーション側操作部16、通信部23を有してもよい。
切替部22は、第1切替部22aと第2切替部22bを含む。
【0150】
(第1発電装置11)
第2実施形態の第1発電装置11は、直流電力発生装置11a、交流電力発生装置11bを有する。
【0151】
(直流電力発生装置11a)
直流電力発生装置11aは、太陽光発電装置、風力発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて発電する発電装置(第1の再生可能エネルギー由来電力発生装置)である。
直流電力発生装置11aは、常時、発電が可能な状態にされる。
直流電力発生装置11aは、建物25の屋上などに設置される。
直流電力発生装置11aで得られた電力は、第1変換部13a1と第1切替部22aを介して、第1蓄電部17a、第2蓄電部17bに供給される。
【0152】
(交流電力発生装置11b)
交流電力発生装置11bは、風力発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて発電する発電装置(第2の再生可能エネルギー由来電力発生装置)である。
交流電力発生装置11bは、常時、発電が可能な状態にされる。
ただし、交流電力発生装置11bが受ける風力が所定の風力を超える場合には、交流電力発生装置11bは、発電が出来ない状態にされる。
交流電力発生装置11bは、建物25の屋上などに設置される。
交流電力発生装置11bで得られた電力は、第2変換部13a2と第2切替部22bを介して、第1蓄電部17a、第2蓄電部17bに供給される。
【0153】
(第2発電装置12)
第2発電装置12は、水素に基づいて発電する発電装置(燃料電池)である。
第2発電装置12は、建物25の内部若しくは、建物25の屋上などに設置される。
第2発電装置12で得られた電力は、第2蓄電部17bに供給される。
【0154】
(第1変換装置13a)
第2実施形態の第1変換装置13aは、第1変換部13a1、第2変換部13a2、第3変換部13a3、第4変換部13a4、第5変換部13a5を有する。
【0155】
(第1変換部13a1)
第1変換部13a1は、直流電力発生装置11aと第1蓄電部17aの間に設けられる。第1変換部13a1は、パワーコンディショナー、DC/DCコンバーターを含む。直流電力発生装置11aで得られた電力は、第1変換部13a1で所定の電圧、所定の電流に変換され、第1蓄電部17a若しくは第2蓄電部17bに供給される。
【0156】
(第2変換部13a2)
第2変換部13a2は、交流電力発生装置11bと第1蓄電部17aの間に設けられる。第2変換部13a2は、パワーコンディショナー、AC/DCコンバーターを含む。交流電力発生装置11bで得られた電力は、第2変換部13a2で所定の電圧、所定の電流に変換され、第1蓄電部17a若しくは第2蓄電部17bに供給される。
【0157】
(第3変換部13a3)
第3変換部13a3は、入力端子部24aと第1蓄電部17aの間に設けられる。第3変換部13a3は、AC/DCコンバーターを含む。入力端子部24aに接続された電力供給機器(例えば、第2蓄電部17b)からの電力は、第3変換部13a3で所定の電圧、所定の電流に変換され、第1蓄電部17aに供給される。
【0158】
(第4変換部13a4)
第4変換部13a4は、第1蓄電部17aと第1出力端子部24b1の間に設けられる。第4変換部13a4は、DC/ACインバーターを含む。第1蓄電部17aに蓄積された電力は、第4変換部13a4で所定の電圧、所定の電流に変換され、第1出力端子部24b1に接続された電気機器(例えば、建物25内の負荷など)に供給される。
【0159】
(第5変換部13a5)
第5変換部13a5は、第2蓄電部17bと第2出力端子部24b2の間に設けられる。第5変換部13a5は、DC/ACインバーターを含む。第2蓄電部17bに蓄積された電力は、第5変換部13a5で所定の電圧、所定の電流に変換され、第2出力端子部24b2に接続された電気機器に供給される。
【0160】
(他の変換部)
また、第2発電装置12と第2蓄電部17bとの間には、第2発電装置12で得られた電力について、所定の電圧、所定の電流に変換する変換部(DC/DCコンバーターなど)が設けられてもよい。
【0161】
(制御装置13)
制御装置13は、各部の動作制御を行う。
制御装置13は、建物25の内部などに設置される。
【0162】
(水素タンク21dへの水素供給制御)
例えば、第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrf(Thrf>Thr1)以上に高く、第1発電装置11(直流電力発生装置11a、交流電力発生装置11b)から供給される電力Pが、電力閾値Thp以上に多い場合には、余剰電力が発生しているとして、制御装置13は、水素貯蔵部21を駆動する。
具体的には、制御装置13は、水素発生装置21bを駆動し、水素を発生させる。制御装置13は、保温冷却部21cを駆動し、発生した水素を水素タンク21dに充填させる。
【0163】
(液体タンク21iへの水素供給制御)
水素タンク21dの水素充填率R3が、第2水素充填率閾値Thr4以上に高い場合は、水素タンク21dに水素が十分に充填されているとして、制御装置13は、水素添加装置21hを駆動し、トルエンなどの芳香族化合物に発生した水素を添加して、メチルシクロヘキサンなどの有機ハイドライド(飽和縮合環炭化水素)を生成し、液体タンク21iに蓄積させる。
ただし、水素発生装置21bで発生した水素の水素タンク21dへの供給よりも先に、水素添加装置21hへの供給が行われてもよい。
【0164】
(第2発電装置12への水素供給制御)
水素タンク21dの水素充填率R3が第2水素充填率閾値Thr4以上に高く、且つ液体タンク21iの液量Qがタンク容量閾値Thq以上に高い場合は、制御装置13は、保温冷却部21cを駆動し、水素タンク21dの水素を第2発電装置12に供給させる、そして/若しくは、脱水素装置21jを駆動し、液体タンク21iの有機ハイドライドから水素を分離して、分離した水素を第2発電装置12に供給させる。また、制御装置13は、第2発電装置12を駆動する。
【0165】
(切替部22の切り替え制御)
ただし、水素タンク21dの水素充填率R3が第2水素充填率閾値Thr4以上に高く、且つ液体タンク21iの液量Qがタンク容量閾値Thq以上に高く、第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrf以上に高く、第1発電装置11(直流電力発生装置11a、交流電力発生装置11b)から供給される電力Pが、電力閾値Thp以上に多い場合は、制御装置13は、第1切替部22aと第2切替部22bを駆動し、第1発電装置11からの電力の供給先を第1蓄電部17aから第2蓄電部17bに切り替える。
【0166】
(第2蓄電部17bから第1蓄電部17aへの電力供給制御)
また、第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrfよりも低く、第2蓄電部17bの充電率R1bが、満充電閾値Thrf以上に高い場合は、制御装置13は、第2蓄電部17bから第2出力端子部24b2と入力端子部24aを介して、第1蓄電部17aに電力を供給させる。
【0167】
(固定式蓄電部17)
第2実施形態の固定式蓄電部17は、第1蓄電部17a、第2蓄電部17bを有する。
【0168】
(第1蓄電部17a)
第1蓄電部17aは、直流電力発生装置11aなどからの電力を蓄積する蓄電装置を有する。
第1蓄電部17aは、着脱を考慮せず、建物25の所定の位置に固定される。ただし、第1蓄電部17aが、着脱可能な状態で、建物25の所定の位置に保持されてもよい。
【0169】
第1蓄電部17aは、蓄積した電力を、第1出力端子部24b1に接続された電気機器(例えば、第1負荷19aなど)、水素発生装置21bに供給する。
【0170】
(第2蓄電部17b)
第2蓄電部17bは、直流電力発生装置11aなどからの電力を蓄積する蓄電装置を有する。また、第2蓄電部17bの蓄電装置は、第2発電装置12からの電力を蓄積する。従って、第2蓄電部17bは、燃料電池用蓄電部としても用いられる。
第2蓄電部17bは、着脱を考慮せず、建物25の所定の位置に固定される。ただし、第2蓄電部17bが、着脱可能な状態で、建物25の所定の位置に保持されてもよい。
【0171】
第2蓄電部17bに蓄積した電力は、第2出力端子部24b2に接続された電気機器(例えば、第1負荷19a、入力端子部24aなど)、水素発生装置21bに供給する。ただし、第2蓄電部17bから水素発生装置21bへの電力供給は省略されてもよい。
第1蓄電部17aの蓄電装置の充電容量は、第2蓄電部17bの蓄電装置の充電容量よりも大きい(約3倍)。
【0172】
また、第1蓄電部17a、第2蓄電部17bとは別に、第1実施形態で説明した可搬式蓄電部18が設けられてもよい。この場合、可搬式蓄電部18は、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bの少なくとも一方からの電力供給を受ける。
【0173】
(水素貯蔵部21)
第2実施形態の水素貯蔵部21は、取水部21a1を含む電解液供給部21a、水素発生装置21b、保温冷却部21c、水素タンク21d、連通管21e、検知装置21f、水素供給部21g、水素添加装置21h、液体タンク21i、脱水素装置21jを有する。
このうち、水素タンク21dと液体タンク21iが蓄積部として機能する。
【0174】
(電解液供給部21a)
電解液供給部21aの構成は、第1実施形態の電解液供給部21aの構成と同様である。すなわち、電解液供給部21aには、図9に不図示の取水部21a1が設けられる。
【0175】
(水素発生装置21b)
水素発生装置21bは、水電解装置などで構成され、直流電力発生装置11aなどから供給された電力に基づいて、電気分解を行って、水素を発生させる。
電解液供給部21aと水素発生装置21bは、別体で構成されてもよいし、一体で構成されてもよい。
【0176】
水素発生装置21bは、連通管21eを介して、第2発電装置12、水素タンク21d、水素供給部21g、水素添加装置21h、水素供給部21gと連通する。
連通管21eには、水素発生装置21bからの水素の供給量など水素の流れを制御するバルブ(連通管21eの流量制御装置)が設けられる。図9は、連通管21eにおける、水素発生装置21bと水素添加装置21hの間に第11バルブb1が設けられ、水素発生装置21bと水素供給部21gの間に第12バルブb2が設けられ、水素発生装置21bと脱水素装置21jの間に第13バルブb3が設けられ、水素発生装置21bと水素タンク21dの間に第14バルブb4が設けられ、第2発電装置12と水素発生装置21bの間に第15バルブb5が設けられた例を示す。
連通管21eのバルブ(第11バルブb1~第15バルブb5)が、水素発生装置21bで得られた水素の供給量などを制御する、連通管21eの流量制御装置(第1流量制御装置)として機能する。ただし、第1流量制御装置は、他の部材で構成されてもよい。
水素発生装置21bから水素添加装置21hに水素を供給する場合には、連通管21eにおける第11バルブb1が開状態にされ、他のバルブ(第12バルブb2~第15バルブb5)は閉状態にされる。
連通管21eに設けられたバルブ(第11バルブb1~第15バルブb5)の開閉は、例えば、制御装置13による制御により電動で行われる。
【0177】
(保温冷却部21c)
保温冷却部21cの構成は、第1実施形態の保温冷却部21cの構成と同様である。
【0178】
(水素タンク21d)
水素タンク21dの構成は、第1実施形態の水素タンク21dの構成と同様である。
第2実施形態では、水素タンク21dが1つだけ設けられる例を示すが、第1実施形態と同様に、水素タンク21dが複数設けられてもよい。
図9などに図示はしていないが、バッファータンク21d1及び減圧装置21d2が設けられてもよい。
検知装置21fの構成は、第1実施形態の検知装置21fの構成と同様である。
【0179】
(水素供給部21g)
水素供給部21gは、第1実施形態の水素供給部21gと同様に、第3電気自動車c3などと着脱可能な状態で接続し、水素タンク21dなどからの水素を第3電気自動車c3の車内固定水素貯蔵装置31cに供給する。
また、第1実施形態と同様に、高圧水素タンクなどが水素供給部21gに着脱可能な状態で接続されてもよい。この場合、当該高圧水素タンクなどからの水素が、水素タンク21dなどに供給されてもよい。
【0180】
(水素添加装置21h)
水素添加装置21hは、水素添加反応で、芳香族化合物に水素を添加して、有機ハイドライドを生成する。水素添加反応を活性化するために用いられる触媒(第1触媒21h1、図13参照)は、水素添加反応の触媒用加熱装置によって温められる。ただし、後述する第4実施形態に示すように、太陽熱温水器20など、当該水素添加反応の触媒用加熱装置と別の装置で得られた熱を使って、第1触媒21h1を温めてもよい。
【0181】
(液体タンク21i)
液体タンク21iは、水素添加装置21hで生成された有機ハイドライドを貯蔵する。
液体タンク21iには、タンクの液量Qを検知する液量検知装置(不図示)が設けられる。
【0182】
(脱水素装置21j)
脱水素装置21jは、脱水素反応で、有機ハイドライドから水素を分離する。脱水素反応を活性化するために用いられる触媒(第2触媒21j1、図13参照)は、不図示の脱水素反応の触媒用加熱装置によって温められる。ただし、後述する第4実施形態に示すように、太陽熱温水器20など、当該脱水素反応の触媒用加熱装置と別の装置で得られた熱を使って、第2触媒21j1を温めてもよい。
【0183】
(芳香族化合物タンク)
なお、水素貯蔵部には、水素添加装置21hに供給する芳香族化合物を貯蔵するタンク(不図示)、及び脱水素装置21jで水素が分離して精製された芳香族化合物を貯蔵するタンク(不図示)が設けられる。
【0184】
水素を添加する材料(被水素添加物)は、芳香族化合物に限るものではなく、アルデヒド、ケトンなどであってもよい。
【0185】
(切替部22)
第2実施形態の切替部22は、第1切替部22a、第2切替部22bを有する。
【0186】
(第1切替部22a)
第1切替部22aは、直流電力発生装置11aからの電力の供給先を、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bとで切り替える。
【0187】
(第2切替部22b)
第2切替部22bは、交流電力発生装置11bからの電力の供給先を、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bとで切り替える。
【0188】
(切り替え制御)
通常は、第1変換部13a1と第1切替部22aを介して、直流電力発生装置11aからの電力が第1蓄電部17aに供給され、第2変換部13a2と第2切替部22bを介して、交流電力発生装置11bからの電力が第1蓄電部17aに供給される。
ただし、第1蓄電部17aが満充電状態で、後段の水素タンク21d及び液体タンク21iへの水素の充填度合いが高い場合には、第1変換部13a1と第1切替部22aを介して、直流電力発生装置11aからの電力が第2蓄電部17bに供給され、第2変換部13a2と第2切替部22bを介して、交流電力発生装置11bからの電力が第2蓄電部17bに供給される。
【0189】
具体的には、水素タンク21dの水素充填率R3が第2水素充填率閾値Thr4以上に高く、且つ液体タンク21iの液量Qがタンク容量閾値Thq以上に高く、第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrf以上に高く、第1発電装置11から供給される電力Pが、電力閾値Thp以上に多い場合は、第1発電装置11からの電力の供給先が第1蓄電部17aから第2蓄電部17bに切り替えられる。
【0190】
(入出力端子部24)
入出力端子部24は、入力端子部24a、第1出力端子部24b1、第2出力端子部24b2を有する。
【0191】
(入力端子部24a)
入力端子部24aは、外部の電源(例えば、商用電源)若しくは内部の電源(第2蓄電部17b)と着脱可能な状態で接続する。
入力端子部24aに接続された外部の電源からの電力は、入力端子部24aと第3変換部13a3を介して、第1蓄電部17aに供給される。
なお、入力端子部24aは、ケーブルを介して、第2出力端子部24b2と接続されてもよい。
図9は、入力端子部24aが、ケーブルを介して、第2出力端子部24b2と接続される例を示す。
入力端子部24aは、外部の電源として、第1電気自動車c1と接続されてもよい。この場合、第3変換部13a3と入力端子部24aは、第1実施形態で説明した充電器14の第2コンバーター14bとして機能する。
【0192】
(第1出力端子部24b1)
第1出力端子部24b1は、外部の電気機器(例えば、第1電気自動車c1など)若しくは内部の電気機器(例えば、第1負荷19aなど)と接続する。
第1蓄電部17aからの電力は、第4変換部13a4と第1出力端子部24b1を介して、第1出力端子部24b1に接続された電気機器に供給される。
第1出力端子部24b1が第1電気自動車c1と接続される場合は、第4変換部13a4と第1出力端子部24b1は、第1実施形態で説明した充電器14の第1コンバーター14aとして機能する。
なお、第1蓄電部17aから、第1負荷19aなど内部の電気機器への電力供給は、第1出力端子部24b1を介さずに行われてもよい。この場合、第1蓄電部17aからの電力は、第4変換部13a4を介して、第1負荷19aなどに供給される。
【0193】
(第2出力端子部24b2)
第2出力端子部24b2は、外部の電気機器(例えば、第1電気自動車c1など)若しくは内部の電気機器(例えば、第1負荷19aなど)と接続する。
第2蓄電部17bからの電力は、第5変換部13a5と第2出力端子部24b2を介して、第2出力端子部24b2に接続された電気機器に接続される。
なお、第2出力端子部24b2は、ケーブルを介して、入力端子部24aと接続されてもよい。
第2出力端子部24b2が第1電気自動車c1と接続される場合は、第5変換部13a5と第2出力端子部24b2は、第1実施形態で説明した充電器14として機能する。
なお、第2蓄電部17bから、第1負荷19aなど内部の電気機器への電力供給は、第2出力端子部24b2を介さずに行われてもよい。この場合、第2蓄電部17bからの電力は、第5変換部13a5を介して、第1負荷19aなどに供給される。
【0194】
(建物25)
建物25は、第1実施形態と同様に、第1負荷19aなどを設置した建物である。
第2発電装置12、第1蓄電部17a、第2蓄電部17b、水素発生装置21b、水素タンク21d、水素添加装置21h、液体タンク21i、脱水素装置21jなどは、建物25の内部に配置される。
【0195】
(第1蓄電部17aと第2蓄電部17bと水素貯蔵部21を設けたことの効果)
第1蓄電部17aからの電力は、水素発生装置21bに供給される。
水素発生装置21bで得られた水素は、蓄積部(水素タンク21d、液体タンク21i)に蓄積され、第2発電装置12の発電に用いられる。
第2発電装置12で得られた電力は、直接第1蓄電部17aに供給されるのではなく、第2蓄電部17bに供給され、その後に、第5変換部13a5などを介した直流から交流への変換と交流から直流への変換とを経て、第1蓄電部17aに供給される。
このため、第2発電装置12で得られた電力を直接第1蓄電部17aに供給する形態に比べて、第1蓄電部17aに電力を返すための制御(電圧、電流、タイミングなど)を容易に出来る。
【0196】
(水素を貯蔵する装置を2種類設けたことの効果)
第1発電装置11などで得られたエネルギーを電力として蓄積する装置(第1蓄電部17a、第2蓄電部17b)と、エネルギーを水素として蓄積する装置(水素タンク21d、液体タンク21i)とが併用される。
このため、第1蓄電部17aなどが満充電状態となった場合でも余剰電力を水素に変換して多くのエネルギーを蓄積させることが可能になる。
また、第1発電装置11からの電力供給が十分でなく、且つ第1蓄電部17aなどに蓄積した電力も十分でない場合には、蓄積部(水素タンク21d、液体タンク21i)の水素を電力に換えて、第1負荷19aなどの電気機器に電力供給が出来る。
水素を蓄積する蓄積部は、電力を蓄積する蓄電池などに比べて、比較的簡単に容量を大きくすることができる。
このため、第1発電装置11で得られる電力、第1負荷19aなどの電気機器で必要とする電力の差異に基づいた適切な大きさの蓄積部(水素タンク21d、液体タンク21i)を使って、余剰電力を水素として容易にため込むことが出来る。
また、外部の機器に対して電力を供給するだけでなく、水素を供給することも出来る。
【0197】
(蓄電制御と水素蓄積制御を行うことの効果)
第1蓄電部17a、第2蓄電部17bの充電度合い、水素タンク21dの水素充填度合い、液体タンク21iの液量に応じて、充電、水素生成、水素蓄積、水素に基づく発電などの制御が可能になる。
【0198】
なお、第2実施形態では、直流電力発生装置11aとして、1.5kWの発電能力を有する太陽光発電装置が用いられる。
また、交流電力発生装置11bとして、300Wの発電能力を有する風力発電装置が用いられる。
また、第2発電装置12として、定格出力電力が3kW、定格出力電圧がDC48V、水素供給量が2670SL(Standard Litter)/h、水素圧が0.06~0.07MPaの燃料電池が用いられる。
また、第1変換部13a1として、出力電圧が48VのDC/DCコンバーターが用いられる。
また、第2変換部13a2として、出力電圧が48VのAC/DCコンバーターが用いられる。
また、第3変換部13a3として、入力電圧が三相200V、入力電力が3kW~7.5kWで、出力電力量が15kWh以下のAC/DCコンバーターが用いられる。
また、第4変換部13a4として、出力電圧が三相200V、出力電力が12kWのDC/ACインバーターが用いられる。
また、第5変換部13a5として、出力電圧が三相200V、出力電力が3kWのDC/ACインバーターが用いられる。
また、第1蓄電部17aとして、電圧:48V、電力量:5kWhのリチウムイオンバッテリーが3つ直列または並列に接続されたものが用いられる。
また、第2蓄電部17bとして、電圧:48V、電力量:5kWhのリチウムイオンバッテリーが1つ設けられたものが用いられる。
また、水素発生装置21bとして、水素発生量が183NL/h、水素圧が0.45MPa、電解電圧がDC48V、供給電力が1500W、入力電圧がDC48Vの水電解装置が用いられる。
また、水素タンク21dとして、容量が10000NLの水素吸蔵合金容器が用いられる。
【0199】
この場合、1つの第1電力・水素供給ステーション10aで、商用電源からの電力供給無しで、1つのマンションなどの電力供給を単独で行える。また、各部の仕様(容量、圧力など)の数値が比較的小さいので、各部の仕様の数値が大きい形態に比べて、水素タンク21dなどを建物25に設置する際の各機関への申請が簡単で済む。
ただし、各部の容量などの数値は一例であって、これらのものに限らない。
【0200】
次に、第1電力・水素供給ステーション10aからの電力に基づいて、サーバー100の冷却を行う例を説明する(第3実施形態、図10参照)。
第3実施形態では、第1電力・水素供給ステーション10aの第1出力端子部24b1から、熱交換部130などに電力が供給される例を示す。
ただし、第1電力・水素供給ステーション10aの第2出力端子部24b2から、熱交換部130などに電力が供給されてもよい。
【0201】
第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24を有する。
第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aには、熱媒体循環装置(液槽110、液送部120、熱交換部130、切替装置140)が接続される。
第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと熱媒体循環装置は、サーバー100などのコンピューターを冷却する冷却装置を構成する。
【0202】
なお、第3実施形態の第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24の構成は、第2実施形態の第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24と同様である。
【0203】
以下、第2実施形態と異なる点、すなわち熱媒体循環装置の構成を中心に説明する。
なお、第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1実施形態と同様に、充電器14、ステーション側表示部15、ステーション側操作部16、通信部23を有してもよい。
また、第3実施形態の第2電力・水素供給ステーション10b、第3電力・水素供給ステーション10cも、第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと同じ構成であってもよい。
【0204】
(液槽110)
液槽110は、サーバー100などのコンピューターにおける、少なくとも発熱部材(CPU、ストレージなど)を、第1熱媒体に浸した状態で保持する。すなわち、液槽110は、コンピューターと、当該コンピューターを冷却するための第1熱媒体(冷却溶液)を保持する。
第1熱媒体は、フッ素系不活性液体、純水など、絶縁性の液体で構成される。
【0205】
(液送部120)
液送部120は、ポンプ、コンプレッサーなどを有し、液槽110と熱交換部130との間で第1熱媒体を循環させるために使用される。
【0206】
(熱交換部130)
熱交換部130は、ファン130a、噴霧部130bなどを有し、熱交換により、液槽110からの第1熱媒体を冷却する。
ファン130aは、高温の第1熱媒体が通る管に冷却風を供給する。
噴霧部130bは、高温の第1熱媒体が通る管と、ファン130aの少なくとも一方に、霧状の冷却水を噴射する。
ただし、熱交換部130は、ファン130aに代えて、クーリングタワーなどで、水などの冷媒を使って、第1熱媒体を冷却する形態であってもよい。
【0207】
液槽110、液送部120、熱交換部130は、サーバー100を冷却するための熱媒体循環装置(チラー)を構成する。
【0208】
(切替装置140)
サーバー100は、切替装置140を介して、商用電源と第1出力端子部24b1と接続する。
切替装置140は、通常は、商用電源からの電力がサーバー100に供給され、商用電源からの電力供給が途絶えた時に、タイミング同期を行った上で、第1出力端子部24b1からの電力がサーバー100に供給されるように切替制御する。
【0209】
(液送部120などを含む冷却装置がサーバー100などの冷却を行うことの効果)
液体が第1熱媒体として用いられるため、空気などの気体を使って冷却を行う形態に比べて、効率良くサーバー100の冷却を行うことが可能になる。
熱媒体循環を使った冷却は、2種類の発電装置(第1発電装置11、第2発電装置12)からの電力に基づいて行われる。このため、商用電源からの電力に基づいて、熱媒体循環を使った冷却が行われる形態に比べて、停電など商用電源からの電力供給停止による冷却不能状態に陥る可能性を低くすることができる。
【0210】
(噴霧部130bを使った冷却効果)
噴霧部130bからの霧状の冷却水を、第1熱媒体が通る管などに噴射することで、気化熱を使った冷却を行うことが可能になる。
【0211】
(切替装置140を介して、サーバー100などに電力供給することの効果)
通常は商用電源からの電力に基づいて駆動するサーバー100などのコンピューターについて、停電など商用電源からの電力供給が途絶えた時でも、第1蓄電部17aなどの電力で、当該コンピューターの動作を維持することが可能になる。
【0212】
なお、第3実施形態の熱媒体循環装置で冷却する対象は、電力・水素供給システム1のサーバー100、すなわち、ネットワークを介して、第1電力・水素供給ステーション10a~第3電力・水素供給ステーション10c、第1電気自動車c1~第4電気自動車c4と通信するサーバー100に限るものではない。第3実施形態の熱媒体循環装置は、電力・水素供給システム1とは別のサーバー若しくはコンピューターの冷却に用いられてもよい。
【0213】
(熱媒体循環装置の配置の応用例)
第3実施形態では、熱交換部130などを含む熱媒体循環装置が、第1電力・水素供給ステーション10aとは別体で構成される例を説明した。
しかしながら、1つの筐体25(例えば、20フィートコンテナ)の内部に、第1電力・水素供給ステーション10aを構成する部材(第1発電装置11以外)と、熱媒体循環装置を構成する部材とが、設けられてもよい(図11参照)。この場合でも、第1発電装置11は、当該筐体の上面などに配置される。
この場合、当該1つの筐体25を持ち運びすることにより、サーバー100を商用電源などの外部からの電力供給に頼らずに、色々な場所で動作させることが可能になる。
【0214】
(電力・水素供給ステーションの応用例、第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第3実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと異なり、太陽熱温水器20を有する。
また、太陽熱温水器20など熱を発する部位から、水素タンク21dなど熱を必要とする部位への熱の供給が行われる。
以下、第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0215】
第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、太陽熱温水器20、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24を有する(図12参照)。
第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aには、熱媒体循環装置(液槽110、液送部120、熱交換部130、切替装置140)が接続される。第3実施形態と同様で、第1電力・水素供給ステーション10aと当該熱媒体循環装置とは、別体で構成されてもよいし、1つの筐体25の内部に構成されてもよい。
【0216】
なお、第4実施形態の第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24、建物25、サーバー100、液槽110、液送部120、熱交換部130、切替装置140の構成は、第3実施形態の第1発電装置11、第2発電装置12、制御装置13、第1変換装置13a、固定式蓄電部17、水素貯蔵部21、切替部22、入出力端子部24、建物25、サーバー100、液槽110、液送部120、熱交換部130、切替装置140と同様である。
【0217】
また、第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1実施形態と同様に、充電器14、ステーション側表示部15、ステーション側操作部16、通信部23を有してもよい。
また、第4実施形態の第2電力・水素供給ステーション10b、第3電力・水素供給ステーション10cも、第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aと同じ構成であってもよい。
また、第4実施形態では、第1電力・水素供給ステーション10aの第1出力端子部24b1から、熱交換部130などに電力が供給される例を示す。
ただし、第1電力・水素供給ステーション10aの第2出力端子部24b2から、熱交換部130などに電力が供給されてもよい。
【0218】
(太陽熱温水器20)
太陽熱温水器20は、太陽熱により冷水を温める装置で、太陽の熱を集めお湯を生成する集熱器、当該集熱器で生成されたお湯を貯蔵する貯湯タンクを有する。
太陽熱温水器20の集熱器は、建物25の上部などに設けられる。
【0219】
取水部21a1で得られた水は、電解液供給部21aを介して、若しくは電解液供給部21aを介さずに直接的に、太陽熱温水器20の集熱器に供給される。
太陽熱温水器20の貯湯タンクのお湯(太陽熱温水器20で得られた温水)は、水素発生装置21bに供給される。
従って、第4実施形態では、冷水に代えて温水が水素発生装置21bに供給される。
【0220】
温水を用いることにより、冷水を用いる形態に比べて、電気分解の反応速度を高めたり、所望の水素を得るための消費電力を抑えたりすることが可能になる。
なお、太陽熱温水器20で得られた温水は、水素発生装置21bなどに供給するだけでなく、シャワーなどに用いられてもよい。
【0221】
空気中の水分を結露させ、結露した水を、太陽熱温水器20で温める場合には、外部からの第2熱媒体の供給を極力得ずに第1電力・水素供給ステーション10aの各部を動作させることが可能になる。
【0222】
また、太陽熱温水器20の貯湯タンクのお湯(太陽熱温水器20で得られた温水)、若しくは当該温水から伝達された熱は、第1電力・水素供給ステーション10aにおける加熱を必要とする部材(水素タンク21d、水素添加装置21hの触媒、脱水素装置21jの触媒)に供給される。
すなわち、水素タンク21dに吸蔵された水素の放出には、太陽熱温水器20で得られた温水の熱が利用される。
また、水素添加装置21hと脱水素装置21jの少なくとも一方における触媒の加熱には、太陽熱温水器20で得られた温水の熱が利用される。
太陽熱温水器200で得られた熱の水素タンク21dなどへの伝達の詳細については、後述する。
【0223】
これにより、太陽熱温水器20で得られた温水の熱を用いない形態に比べて、保温冷却部21cなどにおける他の加熱装置のエネルギー消費を抑えることが可能になる。
【0224】
(熱の供給のタイミング)
第1発電装置11の直流電力発生装置(太陽光発電装置)11aから供給される電力が、電力閾値Thpよりも少ない時は、主に第2発電装置12の発電の際に発生する熱が、水素タンク21dに吸蔵された水素の放出に利用されるのが望ましい。
第1発電装置11の直流電力発生装置(太陽光発電装置)11aから供給される電力が、電力閾値Thp以上に多い時は、主に太陽熱温水器20で得られた温水の熱が、水素タンク21dに吸蔵された水素の放出に利用されるのが望ましい。
【0225】
これにより、太陽熱温水器20を使った温水の生成が可能な時間帯は、第2発電装置12を用いずに、太陽熱温水器20で得られた温水を極力利用して、第2発電装置12の負荷を抑え、液体タンク21iに貯めた水素を温存出来る。
【0226】
(熱の供給源の応用例)
第1電力・水素供給ステーション10aにおける加熱を必要とする部材(水素タンク21d、水素添加装置21hの触媒、脱水素装置21jの触媒)への熱の供給は、太陽熱温水器20で得られた温水を利用する形態に限らない。
例えば、第2発電装置12の発電の際に発生する熱、水素添加装置21hにおける水素添加反応の際に発生する熱、熱交換部130で得られた熱の少なくとも1つが利用されてもよい。
この場合、水素タンク21dに吸蔵された水素の放出には、第2発電装置12の発電の際に発生する熱と、太陽熱温水器20で得られた温水の熱と、水素添加装置21hにおける水素添加反応の際に発生する熱と、熱交換部130で得られた熱の少なくとも一方が利用される。
第2発電装置12の発電の際に発生した熱の水素タンク21dなどへの伝達の詳細については、後述する。
【0227】
(熱を利用する部材の応用例)
また、水素添加装置21hと脱水素装置21jの少なくとも一方における触媒の加熱に、第2発電装置12の発電の際に発生する熱などが利用されてもよい。
【0228】
(熱伝達構造の具体例)
第2発電装置12の発電の際に発生する熱、太陽熱温水器20で得られた熱、水素添加装置21hにおける水素添加反応の際に発生する熱、熱交換部130で得られた熱を、水素発生装置21bなどに供給する構成について説明する(図13参照)。
【0229】
第2発電装置12の発電の際に発生する熱、太陽熱温水器20で得られた熱、水素添加装置21hにおける水素添加反応の際に発生する熱、熱交換部130で得られた熱により温められた第2熱媒体(温水)は、循環路200を介して、水素発生装置21bなどに供給される。
【0230】
(循環路200)
循環路200には、ポンプ210、第1バルブ221~第8バルブ228が設けられる。
第2熱媒を供給するため、循環路200には電解液供給部21aが連通する。
ポンプ210、第1バルブ221~第8バルブ228が、循環路200の流量制御装置(第2流量制御装置)として機能する。ただし、第2流量制御装置は、他の部材で構成されてもよい。
【0231】
(ポンプ210)
ポンプ210は、循環路200の内部に温水を循環させる。
【0232】
(第1バルブ221)
第1バルブ221は、太陽熱温水器20と循環路200の間に設けられる。
第1バルブ221は、太陽熱温水器20への第2熱媒体の供給と、太陽熱温水器200からの第2熱媒体の放出の少なくとも一方を制御する。
昼間など、太陽熱温水器20が温水を生成する時、第1バルブ221は開状態にされ、夜間など、太陽熱温水器20が温水を生成しない時、第1バルブ221は閉状態にされる。
【0233】
(第2バルブ222)
第2バルブ222は、第2発電装置12と循環路200の間に設けられる。
第2バルブ222は、第2発電装置12における熱が発生する領域の近傍への第2熱媒体の通過を制御する。
第2発電装置12が、発電を行っている時、第2バルブ222は開状態にされ、発電を行っていない時、第2バルブ222は閉状態にされる。
第2発電装置12で発電の際に排出される水は、電解液供給部21aに供給される。電解液供給部21aへの排出水の供給は、循環路200を介して行われてもよいし、別の流路(図13の破線矢印参照)を介して行われてもよい。
【0234】
(第3バルブ223)
第3バルブ223は、水素添加装置21hと循環路200の間に設けられる。
第3バルブ223は、水素添加装置21hにおける熱が発生する領域の近傍への第2熱媒体の通過を制御する。
水素添加装置21hが、水素添加反応を行っている時、第3バルブ223は開状態にされ、水素添加反応を行っていない時、第3バルブ223は閉状態にされる。
【0235】
(第4バルブ224)
第4バルブ224は、水素添加装置21hと循環路200の間に設けられる。
第4バルブ224は、水素添加装置21hにおける第1触媒21h1を温めるため、第1触媒21h1の近傍への第2熱媒体の通過を制御する。
水素添加装置21hにおける水素添加反応が活性化する前段階であって、循環路200の第2熱媒体が所定の温度以上になっている時、第4バルブ224は開状態にされ、それ以外の時間帯で、第4バルブ224は閉状態にされる。ただし、水素添加反応が行っている間は、水素添加装置21hの触媒も高温になっている可能性が高く、第4バルブ224は開状態にされてもよい。
【0236】
(第5バルブ225)
第5バルブ225は、熱交換部130と循環路200の間に設けられる。
第5バルブ225は、熱交換部130における液槽110からの第1熱媒体が通る管であって、噴霧部130bによる冷却が行われる前段階の部分と接する領域への第2熱媒体の通過を制御する。
サーバー100が稼働している時、第5バルブ225は開状態にされ、サーバー100が稼働していない時、第5バルブ225は閉状態にされる。
第2熱媒体は、第1熱媒体の冷却剤としても機能する。
【0237】
(第6バルブ226)
第6バルブ226は、脱水素装置21jと循環路200の間に設けられる。
第6バルブ226は、脱水素装置21jにおける第2触媒21j1を温めるため、第2触媒21j1の近傍への第2熱媒体の通過を制御する。
脱水素装置21jにおける脱水素反応が活性化する前段階であって、循環路200の第2熱媒体が所定の温度以上になっている時、第6バルブ226は開状態にされ、それ以外の時間帯で、第6バルブ226は閉状態にされる。
【0238】
(第7バルブ227)
第7バルブ227は、水素タンク21dと循環路200の間に設けられる。
第7バルブ227は、水素タンク21dを温めるため、水素タンク21dの近傍への第2熱媒体の通過を制御する。
水素タンク21dに吸蔵された水素の放出を行う時、第7バルブ227は開状態にされ、水素タンク21dに吸蔵された水素の放出を行わない時、第7バルブ227は閉状態にされる。
【0239】
(第8バルブ228)
第8バルブ228は、水素発生装置21bと循環路200の間に設けられる。
第8バルブ228は、水素発生装置21bに第2熱媒体を供給するため、水素発生装置21bへの第2熱媒体の供給を制御する。
水素発生装置21bで水素を発生させる時、第8バルブ228は開状態にされ、水素発生装置21bで水素を発生させない時、第8バルブ228は閉状態にされる。
水素発生装置21b、水素タンク21d、連通管21eなどの気体に含まれる水分(ドレン水など)は、電解液供給部21aに供給される。電解液供給部21aへの気体に含まれる水分の供給は、循環路200を介して行われてもよいし、別の流路(図13の破線矢印参照)を介して行われてもよい。
【0240】
(動作制御の主体)
ポンプ210の動作制御、第1バルブ221~第8バルブ228の開閉制御は、ステーション側操作部16の操作状態に応じて、制御装置13が行う。
【0241】
なお、第2発電装置12など熱を発する装置と循環路200の間に、必要な時に、電気的な制御により、熱を循環路200に移動させる熱移動装置(例えば、ペルティエ素子など)が設けられてもよい。
また、水素タンク21dなど熱を受ける装置と循環路200の間に、必要な時に、電気的な制御により、循環路200から熱を移動させる熱移動装置が設けられてもよい。
また、第2発電装置12など熱を発する装置と、水素タンク21dなど熱を受ける装置の間に、循環路200を設けずに、熱移動装置だけが設けられてもよい。
【0242】
図14は、第2バルブ222~第7バルブ227に代えて、熱移動装置(第1熱移動装置231~第6熱移動装置236)が設けられた例を示す。
第1熱移動装置231は、第2発電装置12における熱が発生する領域と循環路200の間に設けられる。
第2熱移動装置232は、水素添加装置21hにおける熱が発生する領域と循環路200の間に設けられる。
第3熱移動装置233は、水素添加装置21hにおける第1触媒21h1と循環路200の間に設けられる。
第4熱移動装置234は、熱交換部130における液槽110からの第1熱媒体が通る管であって、噴霧部130bによる冷却が行われる前段階の部分と循環路200の間に設けられる。
第5熱移動装置235は、脱水素装置21jにおける第2触媒21j1と循環路200の間に設けられる。
第6熱移動装置236は、水素タンク21dと循環路200の間に設けられる。
【0243】
(補機電源を用いた応用例)
第4実施形態では、制御装置13、取水部21a1、連通管21eの流量制御装置(連通管21eの第11バルブb1など)、循環路200の流量制御装置(ポンプ210、第1バルブ221など)など、第1電力・水素供給ステーション10aを構成する電気機器への電力供給は、第1蓄電部17a若しくは第2蓄電部17bから行われる。ただし、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bとは別の第3蓄電部17cを設けられてもよい(図15参照)。
【0244】
第3蓄電部17cは、補機電源として、第1電力・水素供給ステーション10aを構成する電気機器への電力供給を行う。この場合、切替部22は、第1切替部22aと第2切替部22bと第3切替部22cを有する。第3切替部22cは、直流電力発生装置11aからの電力の供給先を、第3蓄電部17cと第5変換部13a5(若しくは第2蓄電部17b)とで切り替える。
【0245】
直流電力発生装置11aで得られた電力が、第1変換部13a1、第1切替部22a、第3切替部22cを介して、第3蓄電部17cに供給される。ただし、第3蓄電部17cへの電力供給は、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bのいずれかから行われてもよい。また、図15では接続が図示されていないが、交流電力発生装置11bで得られた電力若しくは入力端子部24aに接続された外部の電源からの電力が、第3蓄電部17cに供給されてもよい。
【0246】
第2蓄電部17bの蓄電装置の充電容量は、第3蓄電部17cの蓄電装置の充電容量よりも大きい。例えば、第1蓄電部17aとして、電圧:48V、電力量(蓄電容量):15kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられ、第2蓄電部17bとして、電圧:48V、電力量(蓄電容量):10kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられ、第3蓄電部17cとして、電圧:48V、電力量(蓄電容量):4.8kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられる。
【0247】
(電力の出力の応用例)
第4実施形態では、直流電力発生装置11aからの電力が、第2出力端子部24b2から出力される場合、一旦、直流電力発生装置11aからの電力が第2蓄電部17bに蓄積され、その後に、第2出力端子部24b2から出力される。ただし、図15に示すように、第2蓄電部17bを介さずに、直流電力発生装置11aからの電力は、第1変換部13a1、第1切替部22a、第3切替部22c、第5変換部13a5、第2出力端子部24b2を介して出力されてもよい。
【0248】
また、交流電力発生装置11bからの電力が、第2出力端子部24b2から出力される場合、一旦、交流電力発生装置11bからの電力が第2蓄電部17bに蓄積され、その後に、第2出力端子部24b2から出力される。ただし、図15に示すように、第2蓄電部17bを介さずに、交流電力発生装置11bからの電力は、第2変換部13a2、第2切替部22b、第5変換部13a5、第2出力端子24b2を介して出力されてもよい。
【0249】
(2つの筐体)
第1電力・水素供給ステーション10aを構成する部材は、1つの筐体(建物25)に収納されてもよいが、2つの筐体(第1筐体25a、第2筐体25b)に収容されてもよい。例えば、第1筐体25aは、直流電力発生装置11a、交流電力発生装置11b、第1蓄電部17aを含む(図15の点線よりも右上の領域)。第2筐体25bは、第2発電装置12、第2蓄電部17b、第3蓄電部17c、太陽熱温水器20、水素貯蔵部21を含む。
【0250】
(燃料電池用蓄電部(第2蓄電部17b)とは別の補機電源(第3蓄電部17c)で第1流量制御装置(連通管21eの第11バルブb1など)に電力供給することの効果)
補機電源(第3蓄電部17c)が、電力供給ステーション(第1電力・水素供給ステーション10a)の内部を動作させ、当該補機電源を、水素を燃料電池へ供給するための始動用電源として用いることが可能になる。すなわち、水素に基づいて得られた電力の蓄積を効率良く行うことが可能になる。
【0251】
(再生可能エネルギー由来電力発生装置(第1発電装置11)を用いることの効果)
太陽光発電など、再生可能エネルギー由来の電力発電装置を用いて、余剰電力を水素に換えて蓄積することが可能になる。水素を蓄積する方が、電気を蓄積するよりも、少ない容積でエネルギーを貯めやすく、長時間の蓄積での劣化が少ない。
【0252】
(燃料電池(第2発電装置12)などで得られた水を電解液に用いることの効果)
第2発電装置12、及び水素貯蔵部21で発生する水を電解液として活用することで、外部からの水の供給が少ない状態でも、水素の生成が行える。
【0253】
(燃料電池用蓄電部(第2蓄電部17b)とは別の補機電源(第3蓄電部17c)で第2流量制御装置(循環路200のポンプ210など)に電力供給することの効果)
補機電源(第3蓄電部17c)が、電力供給ステーション(第1電力・水素供給ステーション10a)の内部を動作させ、当該補機電源を、水を太陽熱温水器20などへ供給するための始動用電源として用いることが可能になる。
【0254】
(第1電力・水素供給ステーション10aの応用例、第5実施形態)
第4実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、第1電気自動車c1などの電動移動装置の充電・給電スタンドなどに応用することが出来る(第5実施形態、図16参照)。以下、第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
第5実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aの切替部22は、第3変換部13a3と第1蓄電部17aの間に第4切替部22dを更に有する。
第5実施形態では、図16に示されるように、太陽熱温水器20、第1出力端子部24b1などは省略されてもよい。
【0255】
また、第3蓄電部17cは、省略されてもよい。この場合、第1蓄電部17a若しくは第2蓄電部17bが補機電源として機能する。第5実施形態では、第1蓄電部17aが補機電源として機能し、制御装置13など、第1電力・水素供給ステーション10aを構成する電気機器に電力を供給する。
【0256】
また、第2発電装置12及び水素貯蔵部21も省略されてもよい。水素貯蔵部21を省略した場合、第1電力・水素供給ステーション10aは、外部及び内部への水素供給機能が省略され、電力供給ステーションとして機能する。
【0257】
(第1蓄電部17a、第2蓄電部17bの蓄電容量)
第5実施形態の第1蓄電部17aの蓄電装置の充電容量は、第2蓄電部17bの蓄電装置の充電容量よりも小さい。例えば、第1蓄電部17aとして、電圧:48V、電力量(蓄電容量):10kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられ、第2蓄電部17bとして、電圧:48V、電力量(蓄電容量):120kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられる。
【0258】
(第1負荷19a~第4負荷19d)
第5実施形態では、第1蓄電部17aは、第1負荷19a~第4負荷19dに電力を供給する。
第5実施形態の第1負荷19a~第4負荷19dは、第1電力・水素供給ステーション10aの電気機器である。
第1負荷19aは、第1電力・水素供給ステーション10aの周囲を照射する照明装置を含む。
第2負荷19bは、当該周囲の画像情報を取得する撮像装置を含む。
第3負荷19cは、第1電力・水素供給ステーション10aに設けられた、荷物収納領域29(宅配ボックスなど)の施錠制御装置、及び当該荷物収納領域を冷やしたり温めたりする温度管理装置を含む。
第4負荷19dは、第1蓄電部17a及び第2蓄電部17bの充電状況に関する情報を出力する表示装置(ステーション側表示部15など)を含む。
【0259】
(第4切替部22d)
第4切替部22dは、入力端子部24aからの電力の供給先を、第1蓄電部17aと第2蓄電部17bとで切り替える。
【0260】
(入力端子部24a)
第5実施形態の入力端子部24aは、外部の電源(例えば、商用電源若しくは第1電気自動車c1)と着脱可能な状態で接続する。
入力端子部24aに接続された外部の電源からの電力は、入力端子部24aと第3変換部13a3を介して、第1蓄電部17a若しくは第2蓄電部17bに供給される。
【0261】
(第1切替部22a、第2切替部22b、第4切替部22dの切替制御)
通常、制御装置13は、直流電力発生装置11a及び交流電力発生装置11bからの電力が第1蓄電部17aに供給されるように、第1切替部22a及び第2切替部22bを制御する。
第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrf以上に高く、第1発電装置11(直流電力発生装置11a、交流電力発生装置11b)から供給される電力Pが、電力閾値Thp以上に多い場合には、余剰電力が発生しているとして、制御装置13は、直流電力発生装置11a及び交流電力発生装置11bからの電力が第2蓄電部17bに供給されるように、第1切替部22a及び第2切替部22bを制御する。
【0262】
商用電源からの電力は、主に第1蓄電部17aに供給される。
入力端子部24aに商用電源が接続されている場合、制御装置13は、商用電源からの電力が第1蓄電部17aに供給されるように、第4切替部22dを制御する。
ただし、第1蓄電部17aの充電率R1aが、満充電閾値Thrf以上に高い場合には、余剰電力が発生しているとして、制御装置13は、商用電源からの電力が第2蓄電部17bに供給されるように、第4切替部22dを制御する。
【0263】
電気自動車からの電力は、主に第2蓄電部17bに供給される。
入力端子部24aに第1電気自動車c1の給電端子が接続されている場合、制御装置13は、第1電気自動車c1からの電力が第2蓄電部17bに供給されるように、第4切替部22dを制御する。
ただし、第2蓄電部17bの充電率R1bが、満充電閾値Thrf以上に高い場合には、余剰電力が発生しているとして、制御装置13は、第1電気自動車c1からの電力が第1蓄電部17aに供給されるように、第4切替部22dを制御する。
【0264】
入力端子部24aに商用電源が接続されているか、第1電気自動車c1の給電端子が接続されているかの判断は、制御装置13などが自動的に行う。
制御装置13は、入力端子部24aの周囲に設けられた検知部13cからの情報に基づいて当該判断を行う。当該検知部13cは、入力端子部24aに供給される電力の電圧値が電流値などを検知する、若しくは、入力端子部24aに接続される機器の周囲を撮像する。
【0265】
また、商用電源と接続するための入力端子部24aと、電気自動車の給電部と接続するための入力端子部24aとが別々に設けられても良い。この場合、商用電源からの電力のAC/DC変換用の第3変換部13a3と、電気自動車の給電部からの電力のAC/DC変換用の第3変換部13a3とが別々に設けられる。また、第4切替部22dは省略される。
【0266】
第5実施形態の第1電力・水素供給ステーション10aは、充電・給電スタンドとして、地面に固定される例を説明した。しかしながら、第1電力・水素供給ステーション10aに移動部50が設けられてもよい(図17参照)。移動部50は、第1電力・水素供給ステーション10aの各部を保持する筐体25を、陸上・水上・水中・空中の少なくとも1つを移動させる。
移動部50による移動中に、第2出力端子部24b2に接続された電動移動装置c5に第2蓄電部17bからの電力を供給してもよい。
電動移動装置c5としては、電気自動車の他、電気で移動が可能な船舶、飛行機などが考えられる。
移動部50は、第2蓄電部17b若しくは第1蓄電部17aからの電力で駆動する。
【0267】
(電動移動装置からの給電と電動移動装置への充電を行うことの効果)
入力端子部24aを介した電動移動装置c5(第1電気自動車c1など)からの給電と、第2出力端子部24b2を介した電動移動装置c5への充電が可能となり、第1電力・水素供給ステーション10aを電動移動装置c5の充電・給電スタンドとして用いることが可能になる。
第1蓄電部17aは、第1電力・水素供給ステーション10aの内部の負荷の駆動に用いることが出来、第2蓄電部17bは、電動移動装置c5への充電若しくは電動移動装置c5からの給電に用いることが出来る。
【0268】
(充電・給電スタンドに荷物収納領域を設けたことの効果)
充電・給電スタンド(第1電力・水素供給ステーション10a)の荷物収納領域29を宅配ボックスとして活用出来る。また、第1蓄電部17aが荷物収納領域29の施錠制御装置(第3負荷19c)の駆動を行うことで、外部からの電力供給に頼らずに、充電・給電スタンド及び宅配ボックスを動作させることが可能になる。
【0269】
(電力・水素供給ステーションが移動可能であることの効果)
移動部50により所定の場所に移動した上で、若しくは、移動部50による移動中に、第2出力端子部24b2に接続された電動移動装置c5に第2蓄電部17bからの電力を供給することが可能になる。
【0270】
(水素発生装置21bへの電力供給の応用例)
第2実施形態~第5実施形態では、水素発生装置21bへの電力供給は、第1蓄電部17aから行われる例を説明した。しかしながら、第1蓄電部17aを介さずに、第1発電装置11若しくは入力端子部24aに接続された外部の電源から直接水素発生装置21bに電力供給が行われてもよい。この場合、水素発生装置21bは、第1発電装置11と第1蓄電部17aと外部の電源の少なくとも1つからの電力に基づいて、電解液の電気分解を行う。
【0271】
(外部への水素供給を省略した応用例)
第1実施形態~第5実施形態では、水素発生装置21bで得られた水素は、水素供給部21gを介して外部に供給される形態を説明したが、当該水素は、第2発電装置12への供給だけに用いられてもよい。この場合には、水素供給部21gは省略され、第1電力・水素供給ステーション10aは、外部への水素供給機能が省略され、電力供給ステーションとして機能する。
【0272】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0273】
1 電力・水素供給システム
10a 第1電力・水素供給ステーション
10b 第2電力・水素供給ステーション
10c 第3電力・水素供給ステーション
11 第1発電装置(再生可能エネルギー由来電力発生装置)
11a 直流電力発生装置
11b 交流電力発生装置
12 第2発電装置(燃料電池)
13 制御装置
13a 第1変換装置
13a1 第1変換部
13a2 第2変換部
13a3 第3変換部
13a4 第4変換部
13a5 第5変換部
13b 第2変換装置
13c 検知部
14 充電器
14a 第1コンバーター
14b 第2コンバーター
15 ステーション側表示部
16 ステーション側操作部
17 固定式蓄電部
17a 第1蓄電部
17b 第2蓄電部
17c 第3蓄電部
18 可搬式蓄電部
18a 保持部
18b 可搬式蓄電装置
19a 第1負荷
19b 第2負荷
19c 第3負荷
19d 第4負荷
20 太陽熱温水器
21 水素貯蔵部
21a1 取水部
21a 電解液供給部
21b 水素発生装置
21b1 陰極
21b2 陽極
21b3 保持機構
21b4 絶縁体
21c 保温冷却部
21d 水素タンク
21d1 バッファータンク
21d2 減圧装置
21e 連通管
21f 検知装置
21g 水素供給部
21h 水素添加装置
21h1 第1触媒
21i 液体タンク
21j 脱水素装置
21j1 第2触媒
22 切替部
22a 第1切替部
22b 第2切替部
22c 第3切替部
22d 第4切替部
23 通信部
24 入出力端子部
24a 入力端子部
24b1 第1出力端子部
24b2 第2出力端子部
25 建物(筐体)
25a 第1筐体
25b 第2筐体
29 荷物収納領域
31a 車内蓄電装置
31b 可搬式蓄電装置保持部
31c 車内固定水素貯蔵装置
31d 水素タンク保持部
33a 第1通信部
33b 第2通信部
33c 第3通信部
33d 第4通信部
35a 第1表示部
35a1 第1表示部の予約指示ボタン
35a2 第1表示部のルート案内ボタン
35b 第2表示部
35c 第3表示部
35d 第4表示部
50 移動部
100 サーバー
110 液槽
120 液送部
130 熱交換部
130a ファン
130b 噴霧部
140 切替装置
200 循環路
210 ポンプ
221 第1バルブ
222 第2バルブ
223 第3バルブ
224 第4バルブ
225 第5バルブ
226 第6バルブ
227 第7バルブ
228 第8バルブ
231 第1熱移動装置
232 第2熱移動装置
233 第3熱移動装置
234 第4熱移動装置
235 第5熱移動装置
236 第6熱移動装置
b1 第11バルブ
b2 第12バルブ
b3 第13バルブ
b4 第14バルブ
b5 第15バルブ
c1 第1電気自動車
c2 第2電気自動車
c3 第3電気自動車
c4 第4電気自動車
c5 電動移動装置
Cp 現在位置
Dp 最終目的地
G1 第1試験対象電源
G2 第2試験対象電源
LB1 充電式負荷試験装置
LB2 電気分解式負荷試験装置
P 第1発電装置から供給される電力
Q 液体タンクの液量
R1 固定式蓄電部の充電率
R1a 第1蓄電部の充電率
R1b 第2蓄電部の充電率
R2 可搬式蓄電部の充電率
R3 水素貯蔵部の水素充填率
Ru ルート
t1 第1負荷試験移動装置
t2 第2負荷試験移動装置
Ta 可搬式蓄電部からの電力供給を行う時間
Tb 固定式蓄電部からの電力供給を行う時間
Tc 第2発電装置11bからの電力供給を行う時間
Thp 電力閾値
Thq タンク容量閾値
Thr1 第1充電率閾値
Thr2 第2充電率閾値
Thr3 第1水素充填率閾値
Thr4 第2水素充填率閾値
Thrf 満充電閾値
Tht 時間閾値
TT1 第1時間
【要約】
水素に基づいて得られた電力の蓄積を効率良く行うことが可能な電力供給ステーションなどを提供する。
第1電力・水素供給ステーション10aは、電解液の電気分解を行い、水素を発生させる水素発生装置21bと、水素発生装置21bで得られた水素の供給量を制御する第1流量制御装置と、水素発生装置21bで得られた水素を蓄積する蓄積部とを含む水素貯蔵部21を備え、水素発生装置21bで得られた水素と、蓄積部に蓄積された水素の少なくとも一方に基づいて発電する燃料電池(第2発電装置12)を備え、燃料電池で得られた電力を蓄積する燃料電池用蓄電部(第2蓄電部17b)を備え、補機電源(第3蓄電部17c)を備える。燃料電池用蓄電部の蓄電装置の充電容量は、補機電源の蓄電装置の充電容量よりも大きい。燃料電池用蓄電部は、出力端子部を介して、外部の電気機器に電力を供給する。補機電源は、第1流量制御装置に電力を供給する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17