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  • 特許-杖の装着座板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】杖の装着座板
(51)【国際特許分類】
   A45B 5/00 20060101AFI20220825BHJP
   A47C 13/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
A45B5/00
A47C13/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018188154
(22)【出願日】2018-10-03
(65)【公開番号】P2020054682
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2020-11-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392025881
【氏名又は名称】北川 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
(72)【発明者】
【氏名】北川 稔
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3043938(JP,U)
【文献】特開2005-211573(JP,A)
【文献】特開2006-055487(JP,A)
【文献】米国特許第05090434(US,A)
【文献】特開2004-339744(JP,A)
【文献】特開2008-127831(JP,A)
【文献】特開2014-008093(JP,A)
【文献】実公平54-002166(JP,Y2)
【文献】特開2017-060769(JP,A)
【文献】特開平09-201215(JP,A)
【文献】特開2004-329844(JP,A)
【文献】米国特許第04930839(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 5/00
A47C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着躯体と座板とを備える杖の装着座板であって、前記装着躯体は、杖軸体の外径より大きい内空間を有して杖が入出可能な側面の開口部を有する略C状の壁体からなり、前記壁体の前方壁に締着ボルトを付設し、前記壁体の後方壁の下部に設ける張出板には支持ボルトを付設し、前記座板は、前記壁体を挟むように挿入する開口部を先端部に開口し、前記締着ボルトは、杖軸体を締着して前記装着躯体を杖に装着し、前記支持ボルトは、前記壁体の上部の張出部に先端部を支持されて前記装着躯体に装着されている前記座板を下面側から支持して上下方向の角度を調整可能であることを特徴とする杖の装着座板。
【請求項2】
装着躯体と座板とを備える杖の装着座板であって、前記装着躯体は、杖軸体の外径より大きい内空間を有して杖が入出可能な略U状の壁体からなり、前記壁体の前方の杖が入出可能な開口部を開閉する扉に締着ボルトを付設し、前記壁体の後方壁の下部に設ける張出板には支持ボルトを付設し、前記座板は、前記壁体を挟むように挿入する開口部を先端部に開口し、前記締着ボルトは、杖軸体を締着して前記装着躯体を杖に装着し、前記支持ボルトは、前記壁体の上部の張出部に先端部を支持されて前記装着躯体に装着されている前記座板を下面側から支持して上下方向の角度を調整可能であることを特徴とする杖の装着座板。
【請求項3】
前記装着躯体は、前記壁体の後方壁の内側及び前記締着ボルトの先端の各々に杖軸体を挟着する略V状の挟着体を付設することを特徴とする請求項1または請求項2記載の杖の装着座板。
【請求項4】
前記装着躯体は、前記壁体の後方壁を下方に伸長することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の杖の装着座板。
【請求項5】
前記座板は、折り畳み式とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の杖の装着座板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用中の杖又は新造の杖(以下杖という)を改良せずに、立ったまま座ることを目的とする座板を杖に装着できる杖の装着座板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、杖は、高齢者、ケガ治療者や病気療養者、登山者、荷を担いだ歩行者等の歩行補助具として使用されているが、種々の杖を改良せずに立ったまま座して小休止可能となる着脱容易な杖に装着できる座板(以下、装着座板という)が求められていた。
【0003】
腰を掛ける椅子として杖を改良するものには、杖の上端に取手兼座面となる折りたたみ式の板状体を装着し、杖の内筒に折りたたみ式椅子脚を付設するもので、高さを低くした腰掛座面が提案されているが、立ったまま座することや他の杖への転用を目的としておらず、目的、構成において本願と相違する(たとえば特許文献1)。
【0004】
立姿勢で座する椅子となる杖では、杖幹に固着する支持板に沿って上下動可能にして杖に固定できる座高調整手段にお尻を支える尻当てを備えるものが提案されているが、該椅子も、杖に改良を加えた杖と一体の固有なものである。
該椅子の、立ったまま座する目的は本願と同様ではあるが、杖幹に支持板を固着等の改良を加えたものであり、他の杖への転用は困難と思われ、本願が目指す趣旨や構成において極めて相違する(たとえば特許文献2)。
【0005】
竹馬遊具において足がかりを竿の任意の位置に係止する手段として、竿に嵌着したスリット付き円筒部材に足がかり円筒部の押込み挟着が提案されているが、竿と一体のもので、様々な外径竿への足がかり係止は困難なものと想定され、本願装着座板と形態的に多少の類似性はあるとしても、該遊具は本願の目的、構成とは極めて相違する(たとえば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-035416号公報
【文献】特開2012-231874号公報
【文献】登録実用新案公報 登録番号 第3011027号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そもそも杖は足腰の負担を軽減して歩行を手助けするものであるが、杖の使用中でも小休止を望む場合がよくある。特に高齢者の場合には、足腰が痛くなって、石段や木株などの座台に腰を下ろして暫くして痛々しく立ち上がって歩く姿をよく見かけるが、高齢者やケガ治療の訓練者が座る場所が見つからず両手で杖につかまり立ちして休む姿や、荷を背負ったハイカ-が背中の荷だけを杖で支えての立休みも見かける。
【0008】
ここに、本発明の目的は、杖を使用しながらも立ったまま腰を掛けて身体(特に下半身)を休めるという要求事態を解決すべく、使用中の杖は改良することなく現状のままの杖とし、軽量にして簡易で確実に座板を装着できる杖の装着座板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための請求項1の発明の構成は、装着躯体と座板とを備える杖の装着座板であって、装着躯体は、杖軸体の外径より大きい内空間を有して杖が入出可能な側面の開口部を有する略C状の壁体からなり、壁体の前方壁に締着ボルトを付設し、壁体の後方壁の下部に設ける張出板には支持ボルトを付設し、座板は、壁体を挟むように挿入する開口部を先端部に開口し、締着ボルトは、杖軸体を締着して装着躯体を杖に装着し、支持ボルトは、壁体の上部の張出部に先端部を支持されて装着躯体に装着されている座板を下面側から支持して上下方向の角度を調整可能であることをその要旨とする。
【0010】
請求項2の発明の構成は、装着躯体と座板とを備える杖の装着座板であって、装着躯体は、杖軸体の外径より大きい内空間を有して杖が入出可能な略U状の壁体からなり、壁体の前方の杖が入出可能な開口部を開閉する扉に締着ボルトを付設し、壁体の後方壁の下部に設ける張出板には支持ボルトを付設し、座板は、壁体を挟むように挿入する開口部を先端部に開口し、締着ボルトは、杖軸体を締着して装着躯体を杖に装着し、支持ボルトは、壁体の上部の張出部に先端部を支持されて装着躯体に装着されている座板を下面側から支持して上下方向の角度を調整可能であることをその要旨とする。
【0011】
なお、装着躯体は、壁体の後方壁の内側及び締着ボルトの先端の各々に杖軸体を挟着する略V状の挟着体を付設してもよく、壁体の後方壁を下方に伸長してもよく、座板は、折り畳み式としてもよい。
【0012】
ここで、一般に使用されている杖軸体の最大外径は凡そ23mm程度であり、装着躯体の開口部及び内空間を25mm程度とすれば殆どの杖への装着が可能である。なお、当然ながらこれ以上に大外径の杖の場合には、それに対応する装着躯体及び座板とする。
装着躯体に装着する座板は、略長方形にして先端中央部に略U状の開口部を開口し、この開口部を装着躯体の壁体の外幅と前後の長さの寸法に合わせるとともに壁体の後方壁の形状と合致させて、この開口部を装着躯体の後部から前方に向けて差込める形態とする。
なお、座板は折り畳み式にすれば扱い易くなり、この際、後方板が上方にせり上がるように制作することにより座した際の安定感を創出する。座板は、略長方形に限定されるものではなく、機能やデザインを害しない様々な形態の材料や板上貼物を選択できる。
【発明の効果】
【0013】
かかる発明の構成によるときは、装着躯体の壁体の平面形状を略C状にした場合は、側面の開口部から杖の入出が容易となり、平面形状を略U状とした場合には、扉を開けた前方の開口部から杖の入出が容易にできる。しかしながら、これらの開口部がない場合には、通常使用されている杖は上端に握り具(図4、13を参照)、下端に石突きゴム具(図4、12を参照)等が付設されており、この付設物をいちいち取外して杖の上端又は下端(分離継手の杖では継手部)から装着躯体に差し込むこととなり極めて不便である。
【0014】
装着躯体を装着する杖軸体に複数段の受け孔が既設の場合には、装着躯体の壁体の前方壁や扉に付設する締着ボルトの先端に凸加工を施し、受板を備えた凸部を杖軸体の都合の良い高さの受け孔に合わせてボルト締めを施せば、壁体の後方壁の内側への押圧と合わせ、装着躯体が杖軸体にしっかり装着されて下方にずれることはない。締着ボルトの先端の凸部に備える杖軸体を受けるための受板は、湾曲状又は略V状として凸部の根本に回転自在に付設する。
【0015】
なお、装着躯体の壁体の後方壁の内側及び締着ボルトの先端に略V状の挟着体を各々備えた場合には、後方の挟着体の左右2ヶ所の縦の当りラインと、前方の挟着体の左右2ヶ所の縦の当りラインとを合わせた4ヶ所の杖軸体への当りラインで強力な挟着となり、杖軸体の受け孔の有無に関係なく、装着躯体を杖軸体にしっかりと確実に装着できる。
【0016】
先端部に略U状の開口部を開口する座板は、装着躯体の壁体を挟むように押し込まれて装着躯体に装着される。また、装着された座板に座した際、所定板厚(凡そ10~20mm程度)を有する座板は、左右に傾くことなく、併せて先端部の左右2ヶ所が壁体の上端の張出部に支持されるとともに、後方の張出板に付設する支持ボルトに支持されるため、合計3部位により装着躯体が座板を確実に支持する。なお、支持ボルトは、座板の上下方向の角度調整と支持固定の機能を有する。そして、装着躯体の壁体の上端の張出部と後方の張出板との間隔は、座板の先端部の厚さと角度調整代とを合わせた値より大きくすればよい。
【0017】
装着躯体の壁体の後方壁を下方に伸長して燕尾服調の形態にした場合には、杖を前方に傾斜して座するとき、体重により杖に掛かる応力は、装着躯体の前方の締着ボルトの受板又は略V状の挟着体の上端が杖に当る部位と、壁体の後方壁又は略V状の挟着体の下端が杖に当る部位とで主として受けることとなる。そのため、これらの部位の間隔を長くすることにより、杖軸体に掛る応力が減少して杖を保護することとなり、装着躯体も、デザイン的に良好となる。
【0018】
座板を折り畳み式にした場合には、杖から取外しての携帯時や杖に装着のままの歩行時に、目立たずかさばらず利便性を増し、更には後方板がせり上がるような構成により座したときに安定感を助長する機能を有する。
【0019】
以上の構成による本発明の使用概要は、まず装着躯体の開口部から挿入した杖の立座りの高さを定め(図4(a))、装着躯体の前方に付設する締着ボルトで確実に締着固定した装着躯体に座板を略U状の開口部いっぱいまで差込み、後方の張出板に付設する支持ボルトで座板を好みの角度に調整することにより杖への座板の装着が完結する(図4(b))。
【0020】
杖にしっかり装着された杖の装着座板への立座りは、図4(c)の立座りイメージのように座板を後方に向け、杖は前方にθ°(凡そ10~20°程度)傾斜させて座板にまたがり、両足を多少(20cm程度)前後させて肩幅程度に広げるようにして立座りする。この際、左右前後の傾きは、両足や杖の押し込み力等で各々バランスをとるものであるが、僅かの試行により安全で安定的に座することができる。なお、標識柱や柵等につかまり、立座りすることもできる。
【0021】
また、既存の杖の強度は様々であり、座する際に杖のたわみ状態を確認しながら体重の掛け具合を両足で加減すればよく、膝を僅かに曲げての立座りで体重のほぼ半分程度(凡そ上半身の体重)を座板で受けることにより足腰への負担が軽減出来る。なお、強度が十分な杖を調達すれば、杖のたわみ具合の確認を要しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態に係る杖の装着座板を図面に従って説明する。図1図2は、図3に示す座板3を装着する装着躯体2の構成と使用状態の一例であり、図3に示す斜視図の(a)は1枚板の座板3、(b)は折り畳み式の座板3、図4に示す斜視図の(a)は杖1への装着躯体2の装着状態、(b)は杖1に装着する装着躯体2への座板3の装着状態、(c)は立座りイメージの一例である。なお、各図面に付す符号は、構成目的を同じくする個所に同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
図1は、装着躯体2の第1の実施形態を示す平面図(一部切欠)及び右側面図(一部切欠)である。略C状の壁体21は、杖軸体11が入出容易な右側の開口部210を有し、締着ボルト22を付設する螺状孔211を壁体21の前方壁に設け、壁体21の上端に座板3の支持体と装着躯体2の構造体を兼ねる張出部251を固着し、下端に固着の張出部252の後方には、座板3の上下方向の角度調整と座板3の支持とのための支持ボルト24を付設する張出板23を備え、張出板23の中央部に螺状孔231を設けている。この略C状の壁体21を逆C状として左側の開口部210としても同じ機能を有する。
【0024】
なお、開口部210の開口幅及び装着躯体2の内幅(内空間)を25mm程度にすれば既存の殆どの杖1が入出可能となり、杖1の所定位置に既設の数段の受け孔111から選択する1個の受け孔111に対し、壁体21の前方壁に付設する締着ボルト22の先端の凸部222を挿入し、受板223により杖軸体11を壁体21の後方壁の内側に押圧締着すれば、装着躯体2は杖軸体11に締着されて下方にずれ下がることはない。この際、締着ボルト22は大握輪221により強締着が容易となり、凸部222の根本には、杖軸体11を受ける湾曲状の受板223が回転自在に付設されている。
【0025】
杖1に装着された装着躯体2には、図3に示す(a)又は(b)の何れかの座板3を装着する。すなわち、座板3の先端部の所定板厚を有する略U状の開口部31を壁体21の外壁面いっぱいに滑らかに挿入すれば、装着躯体2の壁体21を挟み込む形態とともに、左右の支持部32が壁体21の上端の張出部251に支持される。更に開口部31の後方では、張出板23に付設する支持ボルト24の摘み241を回転させることにより、座板3を上下方向の好みの角度に調整できるとともに座板3の支持が同時にできるため、座板3の左右前後の傾きや移動はなく、安定な杖の装着座板となる。なお、支持ボルト24の先端には、座板3を支持する支持板242を回転自在に付設している。
【0026】
ここで、杖の装着座板への立座りは、図4(a)の斜視図のように希望高さの受け孔111に装着躯体2を締着し、図4(b)の斜視図のように杖1に装着された装着躯体2に座板3をしっかりと装着して、図4(c)の立座りイメージのように、平坦な場所では杖1を前方にθ°(凡そ10~20°程度)傾斜させて座板3にまたがり、杖1のたわみ具合を確認しながら個々の好みに合った立座り(詳細は段落番号0020)により、足腰を十分に休めることが出来る。
【0027】
図2は、装着躯体2の第2の実施形態を示す平面図(一部切欠)及び右側面図(一部切欠)である。略U状の壁体21の前方の杖軸体11が入出容易な開口部210の先端には、締着ボルト22を付設するための螺状孔261を中央やや上部に設けた扉26を備え、扉26の左右両側には、それぞれ軸体264の通し孔263を有する扉軸受部262を設ける。各扉軸受部262は、壁体21の右又は左の先端部の上下の扉受体212、213の間を摺動開閉可能となっている。上の各扉受体212の中央部には、軸体264の通し孔214を設け、下の各扉受体213の中央部には、軸体264のネジ受けとなる螺状孔215を設けている。このような構成により、扉26は、利用者の都合に合わせて左右いずれでも開閉可能となる。なお、軸体264は、下の扉受体213へのネジ止めにより着脱容易にして落下がなく、装着躯体2の補強効果も有する。
【0028】
なお、壁体21の上端に同形状の張出部251を固着し、下端に固着の張出部252の後方には、座板3の上下方向の角度を調整し、座板3を支持するための支持ボルト24を付設する張出板23を備えており、上下の張出部251、252は、装着躯体2の構造体ともなる。さらに、装着躯体2の壁体21の後方壁の内側には、杖1を受ける略V状の挟着体27を固着し、締着ボルト22の先端には、杖1を押圧する略V状の挟着体28を回転自在に付設281しており、壁体21と一体の挟着体27は、壁体21の下方に燕尾状に伸長29して杖軸体11の保護効果を有する。なお、略V状の挟着体27は、壁体21と一体成型してもよい。
【0029】
この実施形態の装着躯体2の構成によれば、略U状の壁体21の前方は、杖1の入出容易な開口部210となって、先端部に扉26を備えており、扉26を閉じて軸体264を螺着することにより、装着躯体2の強度を高める利点もある。そして、挟着体27及び挟着体28は、杖軸体11の前後から締着ボルト22の大握輪221による強い締着により、杖1に装着躯体2を確実に装着できる。この装着躯体2は、アルミ鋳物や強度確保の樹脂成型が主であるが、アルミ、ジュラルミン等の板材をプレス加工としてもよく、強度を重視のうえ極力軽量化を図るものである。
【0030】
座板3は、図3に示す(a)又は(b)の何れかの座板3を前述の段落番号0025のようにして装着躯体2に装着すれば、極めて容易で確実となる。ここで、図3に示す(a)の座板3はシンプルで経済的であり、(b)の折り畳み式の座板3は持ち運び容易で目立ち難く、開板時に前方板3Aより後方板3Bがβ°(凡そ10~20°程度)上方にせり上がる開閉連結具33を取り付けて制作することにより、立座りの際にお尻の後方へのズレを抑止して安定感を高めることができる。
【0031】
図3では、座板3を先端から後端まで等厚に表示しているが、応力が最も大きく掛かるのは先端部の支持部32と支持ボルト24の部位であり、最も小さいのは後端部であるから、掛かる応力度合いに応じて座板3の板厚を変えれば軽量化と資材節約が図られる。座板3は、木製板加工や、アルミ板等のプレス加工、樹脂成型などによるが、強度確保と軽量化を図るものである。
【0032】
本発明の杖の装着座板は、既存の杖を改良することなく、そのままに立座りの支持体として活用するもので、歩行中に立座りの小休止を望む場合には、軽量で明瞭な構成にして、杖1への装着躯体2の装着(図4(a))及び装着躯体2への座板3の装着(図4(b))は極めて簡潔で確実であり、移動手段での持運びもコンパクト軽量で荷物としての負担を軽減できる。また、杖の装着座板への立座り方法は、段落番号0020に記載の通りであるが、装着躯体2と座板3の分離により、杖1に装着躯体2のみを装着しての杖歩行や、装着躯体2、折り畳み式の座板3(図3(b))の双方を装着しての杖歩行、あるいは使用頻度の少ない場合には双方をポケット等にしまっての杖歩行など、利用者の都合に合わせて多様な選択ができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】略C状の装着躯体の構成説明図
図2】略U状の装着躯体の構成説明図
図3】座板の構成説明図
図4】装着躯体、座板の使用説明図
【符号の説明】
【0034】
1…杖
11…杖軸体
2…装着躯体
21…壁体
210…開口部
22…締着ボルト
23…張出板
24…支持ボルト
26…扉
27、28…挟着体
3…座板
図1
図2
図3
図4