(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】カーテンウォールの照明装置及び照明システム並びに照明装置の組込構造
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20220825BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220825BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20220825BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20220825BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20220825BHJP
E04B 2/96 20060101ALI20220825BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20220825BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220825BHJP
【FI】
F21S8/02 100
F21V19/00 170
F21V5/00 320
F21V5/04 650
F21V5/02 100
F21V5/04 600
F21V19/00 510
E04B2/96
F21V33/00 200
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018046646
(22)【出願日】2018-03-14
【審査請求日】2021-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(74)【代理人】
【識別番号】100083851
【氏名又は名称】島田 義勝
(74)【代理人】
【識別番号】100194205
【氏名又は名称】河内 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】清水 國孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直行
(72)【発明者】
【氏名】加登 篤
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0166908(US,A1)
【文献】特開2016-035849(JP,A)
【文献】特開2009-277552(JP,A)
【文献】特開2013-105611(JP,A)
【文献】特開2016-219276(JP,A)
【文献】特開2015-092489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 19/00
F21V 5/00
F21V 5/04
F21V 5/02
E04B 2/96
F21V 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁を構成するカーテンウォールに備えられた照明装置であって、
光源からの光を特定の方向に制御するレンズを備え、
前記照明装置は、前記カーテンウォールを構成する無目又は方立に組み込まれ、
前記レンズは、表面は平らであり、前記レンズの表面が前記無目又は前記方立の表面に連続するよう配され、内面に複数の凸部を有する照明装置。
【請求項2】
前記凸部は、断面が三角形状を有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
無目又は方立への組み込みは組込構造により実現され、
前記組込構造は、
前記カーテンウォールを構成する前記無目及び/又は前記方立に固定されるアタッチ材と、
前記アタッチ材に固定されるカバー材と、
前記カバー材にビードを介して取り付けられ、且つ、LEDモジュール及びレンズ配置
部を備えるLEDカバー材と、を備える請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記LEDカバー材は、前記カバー材に螺子を用いずに取り付けられている請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
外壁を構成するカーテンウォールの照明システムであって、
光源からの光を特定の方向に制御するレンズを備え、
前記レンズは、表面は平らであり、前記レンズの表面が前記カーテンウォールを構成する無目又は方立の表面に連続するよう配され、内面は複数の凸部を有する照明システム。
【請求項6】
前記凸部は、断面が三角形状を有する請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
請求項
1~4のいずれか
1項に記載の照明装置又は請求項
5~6のいずれかに記載の照明システムを備える建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールの照明装置及び照明システム並びに照明装置の組込構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間における建築物の意匠効果を向上させるために、建築物の外壁をライトアップすることが行われている。例えば、特許第4393979号公報(特許文献1)には、カーテンウォールを構成する方立の長手方向に沿って照明を配置することが記載されている(例えば請求項1、段落「0004」)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す、従来のカーテンウォールの照明装置では、光源からの光をカーテンウォールのパネルに直接照射しており、そのため、外壁全体のライトアップの演出を変更することが難しく、演出が単調なものとなっている。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決すべくなされたものであり、外壁全体のライトアップの多様な演出を可能とすることにより、建築物の外観をより魅力的なものとすることができるカーテンウォールの照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の照明装置は、外壁を構成するカーテンウォールに備えられた照明装置であって、光源からの光を特定の方向に制御するレンズを備え前記照明装置は、前記カーテンウォールを構成する無目又は方立に組み込まれ、前記レンズは、表面は平らであり、前記レンズの表面が前記無目又は前記方立の表面に連続するよう配され、内面に複数の凸部を有する照明装置である。
【0007】
本発明の照明装置においては、前記凸部は、断面が三角形状を有することが好ましい。
【0008】
本発明の照明装置においては、無目又は方立への組み込みは組込構造により実現され、前記組込構造は、前記カーテンウォールを構成する前記無目及び/又は前記方立に固定されるアタッチ材と、前記アタッチ材に固定されるカバー材と、前記カバー材にビードを介して取り付けられ、且つ、LEDモジュール及びレンズ配置部を備えるLEDカバー材と、を備えることが好ましい。
【0009】
本発明の照明装置においては、前記LEDカバー材は、前記カバー材に螺子を用いずに取り付けられていることが好ましい。
【0010】
本発明はまた、外壁を構成するカーテンウォールの照明システムであって、光源からの光を特定の方向に制御するレンズを備え、前記レンズは、表面は平らであり、前記レンズの表面が前記カーテンウォールを構成する無目又は方立の表面に連続するよう配され、内面は複数の凸部を有する照明システムを提供する。
【0011】
本発明の照明システムは、前記凸部は、断面が三角形状を有することが好ましい。
【0012】
本発明はまた、本発明の照明装置又は本発明の照明システムを備える建築物を提供する。
【0013】
本発明の照明装置においては、建物の窓部を照明するものであることが好ましい。
【0014】
本発明の照明装置においては、建物のスパンドル部を照明するものであることが好ましい。
【0015】
本発明の照明装置においては、建物の吹き抜け部を照明するものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外壁全体のライトアップの多様な演出を可能とすることにより、建築物の外観をより魅力的なものとすることができるカーテンウォールの照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態にかかるカーテンウォールを室外側から見た正面図
【
図2】照明装置の組込状態を示す
図1のカーテンウォールのI-I線概略断面図
【
図3】照明装置の組込状態を示す
図2の無目のII-II線概略断面図
【
図5】
図3のカバー材としての無目カバー材の断面の拡大図
【
図7】サッシ照射タイプのレンズに交換した
図2の無目のII-II線概略断面図
【
図8】天井照射タイプのレンズに交換した
図2の無目のII-II線断概略面図
【
図9】方立に組み込まれた場合の照明装置の組込状態を示す方立の概略断面図
【
図10】方立に組み込まれた場合の照明装置の組込状態を示す方立の概略断面図
【
図11】照明装置が組込まれたカーテンウォールの照射態様を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0019】
なお、本明細書においては、共通する構成には、共通する用語を用いると共に、各図において略同一に図示して詳細な説明は省略し、必要に応じて同一の符号で示すこととする。
【0020】
本発明の照明装置は、外壁1を構成するカーテンウォール2に備えられた照明装置20であって、LEDモジュール21からの光を特定の方向に制御するレンズ22を備えるものである。
【0021】
図1に示すように、本実施形態では、外壁1構成するカーテンウォール2は、方立3を左右方向に一定の間隔をおいて立設するとともに、この方立3の間に無目4を架橋し、方立3と無目4とにより画定される空間に、窓部5及びスパンドル部6が設けられている。
図1の実施形態では、上下方向において、窓部5及びスパンドル部6が交互に設けられている。また左右方向においては、窓部5同士又はスパンドル部6同士が隣接するように設けられている。
【0022】
図2に示すように、カーテンウォール2には、本発明の組込構造10により、本発明の照明装置20が組み込まれている。本実施形態では、カーテンウォール2の無目4の室内側の面に、照明装置20が組み込まれている。
【0023】
本発明の組込構造10は、
図3、
図7及び
図8に示すように、外壁1を構成するカーテンウォール2に照明装置20を組み込む構造であって、カーテンウォール2を構成する無目4に固定されるアタッチ材11と、アタッチ材11に固定される無目カバー材12と、無目カバー材12にビード13を介して取り付けられ、且つ、LEDモジュール21及びレンズ22を備えるLEDカバー材14と、からなるものである。なお、照明装置20は、本発明の組込構造以外の手段により、カーテンウォール2に備えられてもよい。本実施形態では、LEDモジュール21が光源として機能するものである。
【0024】
図2及び
図3に示すように、本実施形態では、アタッチ材11は、螺子S1とポップナットNとによりカーテンウォール2の無目4に固定されている。また、無目カバー材12は、螺子S2によりアタッチ材11に固定されている。
【0025】
アタッチ材11は、例えばアルミを押し出し成形することにより形成することができる。
図4に示すように、本実施形態のアタッチ材11は、照明装置を組み込んだ状態において、カーテンウォール2の無目4に固定するための螺子S1が貫通する2つの貫通孔11aが設けられた本体部11bと、本体部11bの上端から本体部11bと略並行に延びる上側縦板11cと、本体部11bの下端から本体部11bと略並行に延びる下側縦板11dと、本体部11bの上端に形成されて本体部11bと略垂直に延びる上側横板11eと、本体部11bの下端に形成されて本体部11bと略垂直に延びる下側横板11fとを備えている。特に本実施形態では、照明装置を組み込んだ状態において、本体部11bは、無目4に固定する際に無目4と対向する面に、本体部11bの長手方向に沿って延びる一対の隆起部11gが設けられている。この一対の隆起部11gにより、無目4とアタッチ材11の本体部11bとの間に隙間が形成されるため、螺子S1とポップナットNとにより無目4に容易に固定することが可能となっている。また、上側横板11eには、無目カバー材12を取り付けるための螺子S2が挿入される2つの貫通孔11hが形成されている。下側横板11fは、室内側の端部が肉厚となるように形成されている。
【0026】
無目カバー材12は、例えばアルミを押し出し成形することにより形成することができる。
図5に示すように、無目カバー材12は、照明装置を組み込んだ状態において、無目4の室内側の側面の全体を覆う大きさを有する室内側縦板12aと、照明装置を組み込んだ状態において室内側縦板と無目4との間に位置する室外側縦板12bと、室内側縦板12aの下端と室外側縦板12bの下端とを接続し、且つ、照明装置を組み込んだ状態において一端が無目4と接触する下側横板12cと、室外側縦板12bの上端に形成されて室外側縦板12bと略垂直に無目4に向かって延びる第1の上側横板12dと、一端が室内側縦板12aに接続され他端が室外側縦板12bに接続された第2の上側横板12eと、を備えている。
【0027】
室内側縦板12aの無目4側の上端側には、照明装置を組み込んだ状態において、無目4に向かって突出する一対の突出部12fが形成されている。本実施形態では、一対の突出部12fは上下方向の寸法及び左右方向の寸法が同一であり、一対の突出部12fの一方は、室内側縦板12aの上端に形成されている。
【0028】
室外側縦板12bの無目4側の下端側には、照明装置を組み込んだ状態において、無目4に向かって突出する一対の突出部12gが形成されている。本実施形態では、一対の突出部12gは、上下方向の寸法が同一である。また、一対の突出部12gは、下端側の一方の突出部12gが上端側の他方の突出部12gよりも左右方向の寸法が短く形成されている。この一対の突出部12gの間には、
図3に示すように、アタッチ材11の下側横板11fの肉厚の部分が挿入される。
【0029】
下側横板12cの無目4側の一端には、照明装置を組み込んだ状態において、無目4に沿って上側に延びる突出部12hが形成されている。突出部12hは、上側部分が下側部分よりも室内側に位置するクランク形状を有しており、
図3に示すように、この上側部分と無目4との間に、アタッチ材11の下側縦板11dが挿入されている。
【0030】
第1の上側横板12dには、アタッチ材11に取り付けるための螺子S2が挿入される2つの貫通孔12iが形成されている。
図3に示すように、第1の上側横板12dは、その下面がアタッチ材11の上側横板11eの上面と接触した状態で、螺子S2によりアタッチ材11に取り付けられる。
【0031】
第2の上側横板12eの上面には、L字形状を有する一対の突出部12jが形成されている。
【0032】
LEDカバー材14は、例えばアルミを押し出し成形することにより形成することができる。
図6に示すように、LEDカバー材14は、照明装置を組み込んだ状態において、室内側縦板14aと、下側横板14bと、室外側縦板14cと、上側横板14dと、を備えている。
【0033】
室内側縦板14aの室内側の上端には、クランク形状を有する突出部14eが形成されている。この突出部14eは、
図3に示すように、照明装置を組み込んだ状態において、無目カバー材12の一対の突出部12fの間に挿入される。室内側縦板14aの室外側の上端には、略コの字型のレンズ配置部としてのレンズ保持部14fの一方が形成されている。
【0034】
本実施形態では、室内側縦板14aの下端と、下側横板14bの一方の端とは、略コの字型の接続部14gにより接続されている。下側横板14bの一方の端には、室内側に向かって延びる突出部14hが形成されている。本実施形態では、
図3に示すように、接続部14gと突出部14hとにより囲まれる空間に、無目カバー材12の一方の突出部12jの先端部分が挿入される。
【0035】
本実施形態では、下側横板14bの他方の端と、室外側縦板14cの下端とは、略コの字型の接続部14iにより接続されている。室外側縦板14cの下端には、略Lの字状の突出部14jが形成されている。本実施形態では、
図3に示すように、接続部14iと突出部14jとにより囲まれる空間に、無目カバー材12の他方の突出部12jの先端部分が挿入される。
【0036】
室外側縦板14cの室内側の上端には、略コの字型のレンズ配置部としてのレンズ保持部14fの他方が形成されている。
図3に示すように、一対のレンズ保持部14fにより、照明装置20のレンズ22が保持される。室外側縦板14cの室外側の上端には、上側横板14dの一端が接続されている。上側横板14dの他端には、無目4に沿って下側に延びる突出部14kが形成されている。突出部14kは、下側部分が上側部分よりも室外側に位置するクランク形状を有しており、この突出部14kの下端は、無目カバー材12の第1の上側横板12dと接している。
【0037】
本実施形態では、
図3に示すように、アタッチ材11の上側縦板11cと、無目カバー材12の第1の上側横板12dと、LEDカバー材14の突出部14kと、により囲まれる空間に、押し出し成形されたエチレン・プロピレン・ジエンゴムからなるビード13が配置されている。そのため、LEDカバー材14は、無目カバー材12に、ビード13を介して取り付けられている。また、本実施形態では、LEDカバー材14は、無目カバー材12に螺子を用いずに取り付けられている。
即ち、前記ビード13による見込方向の押圧力で、前記LEDカバー材14が支持されている。
【0038】
照明装置20は、光源としてのLEDモジュール21と、レンズ22とを備えている。
図3に示すように、本実施形態では、LEDモジュール21は、LEDカバー材14の下側横板14bに載置されている。このように、本実施形態では、照明装置20は、組込構造10により、無目4に一体的に設けられている。具体的には、本実施形態では、長さ300mmの複数のLEDモジュール21が直列に接続されており、その両端は、方立3に設けられた電源供給用のコネクタ(図示せず)に接続されている。
【0039】
レンズ22は、無目4の長手方向に連続するもので、その左右方向の端部が、それぞれ一対のレンズ保持部14fに保持されて、光源としてのLEDモジュール21からの光を特定の方向に制御する。
【0040】
本実施形態の照明装置20では、LEDモジュール21からの光が、レンズ22により特定の方向に制御される。そのため、照明装置20からの光の放射態様を、レンズ22により変更することができる。
図3に示すレンズ22は、LEDモジュール21からの光を、矢印で示すように窓部5の方向に制御している。
図7では、LEDモジュール21からの光は、矢印で示すようにほぼ垂直に照射されている。即ち、
図7では、カーテンウォールのサッシの方向に制御されている。
図8では、LEDモジュール21からの光は、矢印で示すように室内側に照射されている。即ち、
図8では、室内の天井の方向に制御されている。このように本発明においては、照明装置20がレンズ22を備えているため、異なるレンズを使用することにより、外壁全体のライトアップの多様な演出が可能となり、建築物の外観をより魅力的なものとすることができる。
【0041】
特に本実施形態では、カーテンウォール2を構成する無目4に固定されるアタッチ材11と、アタッチ材11に固定される無目カバー材12と、無目カバー材12にビード13を介して取り付けられ、且つ、LEDモジュール21及びレンズ配置部を備えるLEDカバー材14と、からなる本発明の組込構造10により、照明装置20を組み込んでいる。即ち、本実施形態では、照明装置20を構成するLEDモジュール21及びレンズ22が、LEDカバー材14に収容されている。そのため、LEDカバー材14を、LEDモジュール21からの光の放射方向が異なるレンズが収容されたLEDカバー材14と交換することで、外壁全体のライトアップの演出を簡単に変更することができる。
【0042】
具体的には、本実施形態では、一対の突出部12gの間にアタッチ材11の下側横板11fの肉厚の部分を挿入し、突出部12hの上側部分と無目4との間にアタッチ材11の下側縦板11dを挿入し、突出部14eを無目カバー材12の一対の突出部12fの間に挿入し、接続部14gと突出部14hとにより囲まれる空間に無目カバー材12の一方の突出部12jの先端部分を挿入し、接続部14iと突出部14jとにより囲まれる空間に無目カバー材12の他方の突出部12jの先端部分を挿入し、アタッチ材11の上側縦板11cと、無目カバー材12の第1の上側横板12dと、LEDカバー材14の突出部14kと、により囲まれる空間に、ビード13を配置することで、LEDカバー材14を、無目カバー12に取り付けている。このように、本実施形態では、LEDカバー材14は、無目カバー12に螺子を用いずに取り付けられている。そのため、ビード13を外し、LEDカバー材14を無目カバー材12に対して、無目4の室内外方向にスライドさせるだけで、簡単にLEDカバー材14を、無目カバー材12から取り外して交換することが可能である。
【0043】
このような本発明の照明システムは、例えば本発明の組込構造10を採用することにより、LEDモジュール21からの光を特定の方向に制御するレンズ22が交換可能である。そのため、本発明の照明システムによれば、ライトアップの演出を簡単に、より多様化することが可能となる。
【0044】
なお、上記実施形態では、照明装置20のレンズ22は、
図3に示すように、一対のレンズ保持部14fにより保持されている。そのため、本実施形態では、LEDカバー材14の交換の代わりに、レンズ22のみを交換することも可能である。このような構成によっても、ライトアップの演出を簡単に、より多様化することが可能となる。
【0045】
図9及び
図10に示すように、照明装置20は、方立に組み込んでもよい。
図9の例では、方立3の、隣接する方立3と対向する面に、照明装置20を取り付けている。また、
図10では、方立3の室内側の側面に照明装置20を取り付けている。このように、
図9及び
図10では、照明装置20は、組込構造10により、方立3に一体的に設けられている。このように、照明装置20を方立3に組み込んでも、レンズを使用することにより、外壁全体のライトアップの多様な演出が可能となり、建築物の外観をより魅力的なものとすることができる。
【0046】
上記実施例においては、建物の窓部を照明する態様について説明したが、本発明の照明装置は、建物のスパンドル部又は建物の吹き抜け部を照明するものとすることもできる。
即ち、照明装置が組込まれたカーテンウォールの照射態様を示した
図11のように、窓部5、スパンドル部6又は吹き抜け部(図示せず)の縦及び/又は横の面内方向(矢印)にLEDの照射光を放射することができると共に、レンズ22を交換することにより、LEDの照射光を面内の垂直方向に加えて、室外寄りに傾斜させたり、室内寄りに傾斜させることができる。
LEDの照射光を室外寄りに傾斜させて照射させると(
図3参照)、その照射光がガラスに反射、透過されるが、そのガラスにエッチング等により模様がほどこされている場合には、照射光により模様に種々の表現が加えられる。
【0047】
本発明は、本発明の照明装置、本発明の照明システム及び/又は本発明の組込構造を備える建築物として把握することができる。
【0048】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において、通常の知識を有する者により可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、外壁全体のライトアップの多様な演出を可能とすることにより、建築物の外観をより魅力的なものとすることができるカーテンウォールの照明装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0050】
1:外壁
2:カーテンウォール
3:方立
4:無目
5:窓部
6:スパンドル部
10:組込構造
11:アタッチ材
11a:貫通孔 11b:本体部 11c:上側縦板 11d:下側縦板
11e:上側横板 11f:下側横板 11g隆起部 11h:貫通孔
12:無目カバー材
12a:室内側縦板 12b:室外側縦板 12c:下側横板
12d:第1の上側横板 12e:第2の上側横板 12f:突出部
12g:突出部 12h:突出部 12i:貫通孔 12j:突出部
13:ビード
14:LEDカバー材
14a:室内側縦板 14b:下側横板 14c:室外側縦板
14d:上側横板 14e:突出部 14f:レンズ保持部
14g:接続部 14h:突出部 14i:接続部 14j:突出部
14k:突出部
20:照明装置
21:LEDモジュール
22:レンズ
N:ポップナット
S1:螺子
S2:螺子