(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】情報制御装置、及び表示変更方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20220825BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20220825BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20220825BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220825BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20220825BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220825BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0484
G06F3/0488
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/00 530H
G09G5/14 Z
G09G5/36 520D
G09G5/38 A
(21)【出願番号】P 2018128054
(22)【出願日】2018-07-05
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 学
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/111075(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/0484
G06F 3/0488
G09G 5/00
G09G 5/14
G09G 5/36
G09G 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ディスプレイに対するユーザのタッチ操作を検知する操作検知部と、
検知された前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイの表示を、前記第1ディスプレイの表示画面を分割した複数の分割領域のサイズと位置関係が異なる複数のレイアウトの間で遷移させるレイアウト設定部と、を備え、
前記レイアウト設定部は、前記レイアウトの遷移過程を、複数の前記分割領域
が重なり合うことなく、時計回りまたは反時計回りに移動するアニメーションとして前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報制御装置であって、
前記レイアウト設定部は
、ユーザによるドラッグ
操作に応じて、
前記レイアウトの遷移過程を表す前記アニメーションを前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報制御装置であって、
前記レイアウト設定部は、前記レイアウトの遷移過程を、複数の前記分割領域が形状を変化させながら移動する前記アニメーションとして前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報制御装置であって、
遷移前の前記レイアウトと、前記タッチ操作と、遷移先の前記レイアウトとを対応付けた遷移情報を記憶する記憶部を、備え、
前記レイアウト設定部は、前記遷移情報を参照し、検知された前記タッチ操作に応じて遷移先の前記レイアウトを決定する
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の情報制御装置であって、
前記レイアウト設定部は、前記遷移情報を参照し、検知されたタッチオン座標が属する前記分割領域とドラッグ方向とに応じて遷移先の前記レイアウトを決定する
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報制御装置であって、
前記レイアウト設定部は、検知された前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイとは異なる第2ディスプレイも併用するレイアウトに、前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイの表示画面を遷移させる
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の情報制御装置であって、
前記レイアウト設定部は、前記第1ディスプレイの表示画面に表示された前記分割領域に対する前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとを併用するレイアウトから、前記第2ディスプレイを併用しないレイアウトに、前記第1ディスプレイの表示画面を遷移させる
ことを特徴とする情報制御装置。
【請求項8】
情報制御装置による表示変更方法であって、
第1ディスプレイに対するユーザのタッチ操作を検知する操作検知ステップと、
検知された前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイの表示を、前記第1ディスプレイの表示画面を分割した複数の分割領域のサイズと位置関係が異なる複数のレイアウトの間で遷移させるレイアウト設定ステップと、を含み、
前記レイアウト設定ステップは、前記レイアウトの遷移過程を、複数の前記分割領域
が重なり合うことなく、時計回りまたは反時計回りに移動するアニメーションとして前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは、前記レイアウトの遷移過程を、複数の前記分割領域が形状を変化させながら移動する前記アニメーションとして前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項10】
請求項
8に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは
、ユーザによるドラッグ
操作に応じて、前記レイアウトの遷移過程を
表す前記アニメーションを前記表示画面に表示させる
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項11】
請求項
8に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは、遷移前の前記レイアウトと、前記タッチ操作と、遷移先の前記レイアウトとを対応付けた遷移情報を参照し、検知された前記タッチ操作に応じて遷移先の前記レイアウトを決定する
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは、前記遷移情報を参照し、検知されたタッチオン座標が属する前記分割領域とドラッグ方向とに応じて遷移先の前記レイアウトを決定する
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項13】
請求項
8に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは、検知された前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイとは異なる第2ディスプレイも併用するレイアウトに、前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイの表示画面を遷移させる
ことを特徴とする表示変更方法。
【請求項14】
請求項
13に記載の表示変更方法であって、
前記レイアウト設定ステップは、前記第1ディスプレイの表示画面に表示された前記分割領域に対する前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとを併用するレイアウトから、前記第2ディスプレイを併用しないレイアウトに、前記第1ディスプレイの表示画面を遷移させる
ことを特徴とする表示変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報制御装置、及び表示変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイにおける情報表示に関する発明として、例えば、特許文献1には、表示領域に表示を行う表示部と、表示領域に対する操作を検出する操作検出部と、表示部を制御する表示制御部とを備える電子機器が開示されている。また、同文献には、表示制御部は、表示領域に含まれる第1表示領域を複数の分割領域に分割し、当該複数の分割領域のそれぞれの表示を独立して制御する分割表示モードを有し、分割表示モードにおいて、複数の分割領域のそれぞれに対する設定を可能とするように設定できる一つの操作対象画像を表示部に表示させる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電子機器によれば、ユーザは第1表示領域の複数の分割領域の大きさを変更することができる。しかしながら、複数の分割領域の位置関係は固定されており、ユーザは複数の分割領域の位置関係を変更することができなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ディスプレイに設けた複数の分割領域のサイズと位置関係をより使い勝手良く変更できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る情報制御装置は、第1ディスプレイに積層されたタッチパネルに対するユーザのタッチ操作を検知する操作検知部と、検知された前記タッチ操作に応じ、前記第1ディスプレイの表示を、前記第1ディスプレイの表示画面を複数に分割した分割領域のサイズと位置関係が異なる複数のレイアウト間で遷移させるレイアウト設定部と、を備え、前記レイアウト設定部は、前記レイアウトの遷移過程を、複数の前記分割領域のサイズと位置関係の変化を表すアニメーションとして前記表示画面に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ディスプレイに設けた複数の分割領域のサイズと位置関係をより使い勝手良く変更することが可能となる。
【0008】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る車載装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】車載装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】第1ディスプレイにおける複数の分割領域を定義するための図である。
【
図4】第1ディスプレイにおけるレイアウトL1~L6の表示例を示す図である。
【
図5】第2ディスプレイを併用するレイアウトL11の表示例を示す図である。
【
図6】第2ディスプレイを併用するレイアウトL41の表示例を示す図である。
【
図7】レイアウトL1からL2への遷移の過程を表すアニメーションの表示例を示す図である。
【
図8】第1の動作例におけるレイアウト遷移処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図9】第1の動作例に対応する遷移テーブルの一例を示す図である。
【
図10】第1ディスプレイにおける複数の分割領域と、分割線と、ポインタとを定義するための図である。
【
図11】第1ディスプレイにおける検知領域と、ポインタ変更点との例を示す図である。
【
図12】第1ディスプレイと第2ディスプレイとを併用するレイアウトL101~L104の例を示す図である。
【
図13】レイアウトL101~L104それぞれの変形例を示す図である。
【
図14】第2の動作例におけるレイアウト遷移処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図15】第2の動作例に対応する遷移テーブルの一例を示す図である。
【
図16】分割領域のサイズに応じて表示する情報量を変える場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0011】
<本発明の一実施の形態に係る車載装置の構成例>
以下、本発明の一実施の形態について、情報制御装置が車載装置である場合を例にして説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る車載装置10の構成例を示している。該車載装置10は、例えば、ナビゲーション機能を備えた車載ナビゲーション装置によって実現可能である。そのため、車載装置10は、例えば、前面に第1ディスプレイ21を備える箱型の装置であり、車内のコンソールパネルに収容される。また、車載装置10は、コンソールパネルに取り付けるための取り付け具(ブラケット)を備えており、取り付け具を介して、車内のコンソールパネルの上等に取り付けられるものであってもよい。
【0013】
ここで、ナビゲーション機能とは、地図情報の表示、出発地(または現在地)から目的地までの推奨経路の探索および誘導、交通情報の表示といった通常のナビゲーション装置が備える機能である。なお、車載装置10は、専用のナビゲーション装置に限定されるものではなく、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置およびPDA(Personal Data Assistance)等であっても良い。この場合、ナビゲーション機能は、これらの装置にインストールされたアプリケーションまたはこれらの装置が接続可能なサーバ装置によって提供される。
【0014】
車載装置10は、ナビゲーション機能に関するナビゲーション画面の他、エアコン(エアーコンディショナ)の温度や風量等を設定するためのエアコン画面、オーディオの選曲や音量等を設定するためのオーディオ画面、無線接続されたスマートフォンによって実行されるアプリケーションの画面、電話の発着信を行うための電話画面等を表示することができる。
【0015】
図示するように、車載装置10は、演算処理装置11と、第1ディスプレイ21と、第2ディスプレイ22と、記憶装置23と、音声入出力装置24と、入力装置25と、ROM(Read Only Memory)装置26とを有する。
【0016】
さらに、車載装置10は、車速センサ27と、ジャイロセンサ28と、GPS(Global Positioning System)受信装置29と、FM多重放送受信装置30と、ビーコン受信装置31とを有する。
【0017】
演算処理装置11は、車載装置10の様々な処理を行う中心的なユニットである。演算処理装置11は、例えば、車速センサ27等の各種センサおよびGPS受信装置29から出力された情報を用いて現在地を検出する。また、演算処理装置11は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置23やROM装置26から読み出す。また、演算処理装置11は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて第1ディスプレイ21に表示させる信号を出力する。また、演算処理装置11は、記憶装置23あるいはROM装置26に記憶されている地図情報等を用いて、ユーザ(運転者や同乗者)から指示された出発地と目的地とを結ぶ推奨経路を算出する。また、演算処理装置11は、スピーカ242や第1ディスプレイ21に所定の信号を出力して経路の誘導を行う。
【0018】
また、演算処理装置11は、第1ディスプレイ21の表示画面を所定の割合で分割した分割領域を設定する。また、演算処理装置11は、分割領域のレイアウト(配置パターン)に応じた所定の表示情報を所定の表示形態で各分割領域に表示する。さらに、演算処理装置11は、第1ディスプレイ21に設定した分割領域を、第2ディスプレイ22に移動して表示することができ、また、第2ディスプレイ22に移動して表示した分割領域を、第1ディスプレイ21に戻して表示することができる。
【0019】
このような演算処理装置11は、数値演算及び各デバイスを制御する等様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)111と、記憶装置23またはROM113等のメモリ装置から読み出した地図情報や演算データ等を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実現するブートプログラム等を格納するROM113と、演算処理装置11に各種ハードウェアを接続するためのI/F(Interface)114と、これらを相互に接続するバス115とを有している。
【0020】
第1ディスプレイ21は、例えば、車内前面に設けられたコンソールパネルの中央に設置される。第1ディスプレイ21は、グラフィックス情報を表示するユニットである。第1ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される。なお、後述するが、第1ディスプレイ21には、透明なタッチパネル251が積層されている。したがって、ユーザは第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対してタッチ操作を行うことができる。
【0021】
第2ディスプレイ22は、例えば、運転席正面に設けられたインストルメントパネルに設置される。例えば、米国仕様車等のようにステアリングホイールが左側に設置されている車両の場合、ユーザから見て、第2ディスプレイ22は、コンソールパネルの中央に設置される第1ディスプレイ21の左側に設定される。
【0022】
なお、第2ディスプレイ22については、該車両に予め設けられている、速度計や回転計等を表示するディスプレイを流用することが望ましい。もちろん、車載装置10のために専用の第2ディスプレイ22を設けてもよい。第2ディスプレイ22は、グラフィックス情報を表示するユニットである。第2ディスプレイ22は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される。
【0023】
記憶装置23は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカード等の少なくとも読み書きが可能な記憶媒体から成る。記憶装置23には、例えば、演算処理装置11によって用いられる様々な情報(例えば、地図情報131、レイアウト情報132、遷移テーブル133、アニメーション情報134、ポインタ情報135(いずれも
図2)等)が格納されている。
【0024】
音声入出力装置24は、音声入力装置としてのマイクロフォン241と、音声出力装置としてのスピーカ242とを有する。マイクロフォン241は、運転者や同乗者が発した声(ユーザ発話)等、車載装置10の外部の音声を集音する。また、スピーカ242は、演算処理装置11で生成された運転者等への案内を音声として出力する。
【0025】
入力装置25は、ユーザからの指示入力を受け付ける装置である。入力装置25は、タッチパネル251と、ダイヤルスイッチ252と、その他のハードスイッチであるスクロールキー等(不図示)から成る。入力装置25は、各キーや各スイッチの操作に応じた情報を演算処理装置11等の他の装置に出力する。
【0026】
タッチパネル251は、透明な材質から成り、第1ディスプレイ21の表示画面に積層される。タッチパネル251は、ユーザの指やタッチペンによるタッチ操作(タッチオン(接触)、ドラッグ(接触した状態での移動)、及びタッチオフ(接触解除)を検知する。よって、ユーザは、あたかも第1ディスプレイ21の表示画面を視認しながら、表示画面(実際には、タッチパネル251)に触れて各種の操作を入力することができる。ユーザによるタッチ操作の位置は、例えば、タッチパネル251上に設定されるxy座標に基づいて特定される。タッチパネル251は、例えば、静電容量方式による入力検出素子等から成る。
【0027】
ROM装置26は、CD(Compact Disk)-ROMやDVD(Digital Versatile Disk)-ROM等のROM、IC(Integrated Circuit)カード等の少なくとも読み取りが可能な記憶媒体から成る。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データ等が記憶されている。
【0028】
車速センサ27は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ28は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体(車両)の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置29は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。これらの各装置は、車載装置10が搭載された車両の現在地を検出するために演算処理装置11で用いられる。
【0029】
FM多重放送受信装置30は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報およびFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報等が含まれている。
【0030】
ビーコン受信装置31は、VICS(登録商標)情報等の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報および緊急警報等を受信する。ビーコン受信装置31には、例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等がある。
【0031】
以上、車載装置10のハードウェア構成について説明した。
【0032】
次に、車載装置10の機能構成を示す機能ブロックについて説明する。
図2は、車載装置10の機能ブロックの一例を示している。
【0033】
車載装置10は、制御部120と、記憶部130とを有している。
【0034】
制御部120は、入力受付部121と、操作検知部122と、レイアウト設定部123と、表示情報生成部124と、機能処理部125とを有している。
【0035】
入力受付部121は、入力装置25のダイヤルスイッチ252やその他のハードスイッチ等を介して、ユーザからの指示や情報の入力を受け付ける機能ブロックである。例えば、入力受付部121は、入力装置25を介して、出発地および目的地の設定や推奨経路の探索指示等をユーザから受け付ける。
【0036】
操作検知部122は、入力装置25のタッチパネル251に対するユーザの指または専用のタッチペンによるタッチ操作を検知する機能ブロックである。具体的には、操作検知部122は、タッチパネル251に対するタッチオン、ドラッグ、及びタッチオフを検知する。また、操作検知部122は、タッチ操作されているタッチパネル251上のxy座標を特定する。
【0037】
また、操作検知部122は、所定時間(例えば、0.5秒間)内にタッチパネル251への複数回(例えば、2回)タッチを検知し、各々のタッチ位置を示すタッチパネル251上のxy座標を特定することもできる。
【0038】
また、操作検知部122は、これらのタッチ操作(タッチオフを含む)を検知すると、タッチ操作の種類と、そのxy座標をレイアウト設定部123に出力する。
【0039】
レイアウト設定部123は、表示画面における分割領域を設定する機能ブロックである。具体的には、レイアウト設定部123は、表示画面全体を1つの表示領域とした全画面領域、または表示画面を複数(例えば、3)に分割した分割領域のサイズと位置を設定する。さらに、レイアウト設定部123は、レイアウトの遷移の過程を表すアニメーション表示を実行する。
【0040】
表示情報生成部124は、表示領域に表示する表示情報を生成する機能ブロックである。
【0041】
機能処理部125は、第1ディスプレイ21の分割領域に操作受付ボタンが含まれており、かつ、係る操作受付ボタンへのタッチ操作があった場合、そのタッチ操作に応じて、所定の機能を実現するための処理を行う機能ブロックである。ここでいう機能とは、例えば、ナビゲーション機能、エアコン設定、音楽の再生、電話の発着信等である。
【0042】
記憶部130は、所定情報を格納する機能ブロックである。記憶部130は、ROM113、及び記憶装置23によって実現される。記憶部130は、地図情報131、レイアウト情報132、遷移テーブル133、アニメーション情報134、ポインタ情報135、その他の様々な情報を格納している。
【0043】
地図情報131には、ナビゲーション機能にて用いる地形や道路等の情報が記録されている。レイアウト情報132には、表示画面における複数の分割領域のサイズと位置が異なる複数のレイアウト(配置パターン)の情報や現在表示中のレイアウトを表す情報が記録されている。
【0044】
遷移テーブル133は、本発明の変換情報に対応する。遷移テーブル133には、タッチ操作とレイアウト間の遷移との対応関係が記録されている。アニメーション情報134には、レイアウト間の遷移過程を表すアニメーションを表示するための情報が記録されている。ポインタ情報135には、各レイアウトにおけるポインタ301(
図10)の位置と、ポインタ移動点303(
図11)の位置と、タッチ領域ta(
図11)の位置とに関する情報が記録されている。
【0045】
以上、車載装置10の機能ブロックについて説明した。
【0046】
なお、車載装置10の機能ブロックである入力受付部121、操作検知部122、レイアウト設定部123、表示情報生成部124、及び機能処理部125については、CPU111が所定のプログラムを実行することによって実現される。このプログラムは、車載装置10のROM113または記憶装置23に格納されており、実行に際してRAM112上にロードされて、CPU111により実行される。
【0047】
なお、
図2に示された各機能ブロックは、本実施の形態において実現される車載装置10の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、車載装置10の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0048】
また、各機能ブロックの全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路等)により構築されてもよい。また、各機能ブロックの処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0049】
<第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用した情報表示について>
次に、車載装置10による第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用して情報表示を行う2種類の動作例について説明する。
【0050】
車載装置10は、以下に説明する第1の動作例、または第2の動作例の一方を実行する。なお、車載装置10を、第1の動作例と第2の動作例との両方を実行可能とし、ユーザが選択した方を実行するようにしてもよい。
【0051】
<第1の動作例>
はじめに、第1の動作例について説明する。車載装置10は、第1の動作例として、第1ディスプレイ21の表示画面を複数の分割領域に分割して、各分割領域それぞれに異なる情報を表示させることができる。さらに、車載装置10は、第1ディスプレイ21の任意の位置に対するユーザからのタッチ操作に応じ、複数の分割領域のサイズや位置関係を変更することができる。
【0052】
さらに、車載装置10は、第1ディスプレイ21に対するユーザからのタッチ操作に応じ、分割領域を第2ディスプレイ22に移動させて表示させることができる。
【0053】
図3は、第1の動作例として、第1ディスプレイ21の表示画面を3つの分割領域に分割した場合を示している。以下、同示するように、最も大きい分割領域を第1領域211、その他の2つの分割領域をそれぞれ第2領域212及び第3領域213と称する。また、第1ディスプレイ21の座標系は、左上を原点として、長辺側をx軸方向、短辺側をy軸方向とする。なお、第1ディスプレイ21の表示画面を分割する数は3に限らず、4以上であってもよい。
【0054】
第1領域211、第2領域212、及び第3領域213の各分割領域には、例えば、ナビゲーション機能に関するナビゲーション画面、エアコンの温度や風量等を設定するためのエアコン画面、オーディオの選曲や音量等を設定するためのオーディオ画面、無線接続されたスマートフォンによって実行されるアプリケーションのアプリ画面、電話の発着信を行うための電話画面等を割り当てて表示させることができる。
【0055】
なお、各分割領域における表示は、そのサイズに応じて、表示情報生成部124が、表示する情報の内容を変更するようになされている。例えば、第1領域211経路案内の画面が割り当てられている場合、そのサイズが小さいときには、次に曲がる交差点等の情報だけを表示するようにし、そのサイズが大きいときには、広域な地図を表示するようになされている。また例えば、第2領域212にエアコン画面が割り当てられている場合、そのサイズが小さいときには、現状の温度だけを表示するようにし、そのサイズが大きいときには、設定温度を変更するための操作受付ボタンも追加して表示するようになされている。
【0056】
第1領域211、第2領域212、及び第3領域213のサイズと位置関係については、レイアウトL1~L6(
図4),L11(
図5),L41(
図6)のいずれかをユーザが選択することにより変更できる。
【0057】
具体的には、ユーザが第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対して、タッチオンとドラッグを行うと、操作検知部122が、そのタッチ操作を検知し、検知結果をレイアウト設定部123に通知する。レイアウト設定部123は、タッチ操作の検知結果に応じて表示画面におけるレイアウトを遷移させる。
【0058】
ただし、各レイアウトの遷移の方向は任意ではなく限定されている。例えば、レイアウトL1においてはレイアウトL2、L6、またはL11にだけ遷移可能であり、また例えば、レイアウトL2においてレイアウトL1またはL3にだけ遷移可能であるように、特定のレイアウト間でだけ遷移可能とされている。レイアウトの遷移を限定することにより、レイアウト設定部123の処理を軽減することができる。
【0059】
次に、
図4は、第1ディスプレイ21だけを用いるレイアウトL1~L6の表示例を示している。
【0060】
同図左上段に示すレイアウトL1は、第1領域211が表示画面の右側を占めている。第2領域212と第3領域213とは、同じサイズで縦方向に並び表示画面の左側を占めている。
【0061】
同図左中段に示すレイアウトL2は、レイアウトL1に比較し、第1領域211の縦方向の幅が下側から短縮されている。第2領域212は、縦方向の幅が第1領域211と同じ長さまで下側に伸ばされている。第3領域213は、縦方向の幅が短縮され、横方向の幅が表示画面の右端まで伸ばされている。
【0062】
同図左下段に示すレイアウトL3は、レイアウトL2に比較し、第1領域211が同じサイズのまま左側に移動されている。第2領域212は、サイズと位置が変更され、レイアウトL2における第3領域213と同じ位置を占めている。第3領域213は、第1領域211が左側に移動したことによって空いた領域を占めるように、横方向の幅が左側から短縮され、縦軸方向に伸ばされて表示画面の上端まで移動されている。
【0063】
同図右下段に示すレイアウトL4は、第1領域211が縦方向の幅が表示画面の下端まで伸ばされて、表示画面の左側を占めている。第2領域212と第3領域213とは、同じサイズに変形され、縦方向に並び表示画面の右側を占めている。
【0064】
同図右中段に示すレイアウトL5は、レイアウトL4に比較し、第1領域211の縦方向の幅が上側から短縮されている。第2領域212は、縦方向の幅が第1領域211と同じ長さまで上側に伸ばされている。第3領域213は、縦軸方向の幅が短縮され、横方向の幅が表示画面の左端まで伸ばされている。
【0065】
同図右上段に示すレイアウトL6は、レイアウトL5に比較し、第1領域211が同じサイズのまま右側に移動されている。第2領域212は、サイズと位置が変更され、レイアウトL5における第3領域213と同じ位置を占めている。第3領域213は、第1領域211が右側に移動したことによって空いた領域を占めるように、横方向の幅が右側から短縮され、縦方向に伸ばされて表示画面の下端に移動されている。
【0066】
次に、第1の動作例におけるレイアウト間の遷移について説明する。
【0067】
レイアウトL1においては、ユーザからの所定のタッチ操作(詳細後述)に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL2へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL6へと遷移することができる。
【0068】
レイアウトL2においては、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL3へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL1へと遷移することができる。
【0069】
レイアウトL3においては、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL4へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL2へと遷移することができる。
【0070】
レイアウトL4においては、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL5へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL3へと遷移することができる。
【0071】
レイアウトL5においては、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL6へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL4へと遷移することができる。
【0072】
レイアウトL6においては、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が反時計回りで回転するようにレイアウトL1へと遷移することができる。また、ユーザからの所定のタッチ操作に応じ、あたかも表示画面内で各分割領域が時計回りで回転するようにレイアウトL5へと遷移することができる。
【0073】
なお、レイアウトL1においては、上述したレイアウトL2,L6の他、第2ディスプレイ22も併用するレイアウトL11へと遷移することができる。
【0074】
図5は、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用するレイアウトL11の表示例を示している。
【0075】
同図下側に示すレイアウトL11は、第1ディスプレイ21の大部分を第1領域211が占めており、第2領域212と第3領域213とは、第1ディスプレイ21の左端に極めて短い横幅で縦方向に並んで表示されている。第2ディスプレイ22には、レイアウトL1における第1ディスプレイ21の第2領域212と第3領域213とに相当する第2領域222と第3領域223とが表示されている。
【0076】
同図上側に示すレイアウトL1においては、ユーザからの第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対する所定のタッチ操作に応じ、あたかも第2領域212、及び第3領域213が第1領域211によって左側の第2ディスプレイ22に押し出されるかのように、第1ディスプレイ21及び第2ディスプレイ22の表示をレイアウトL11へと遷移することができる。
【0077】
同図下側に示すレイアウトL11においては、ユーザからの第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対する所定のタッチ操作に応じ、あたかも第2ディスプレイ22に表示されている第2領域222、及び第3領域223が右側の第1ディスプレイ21に引き戻されるかのように、第1ディスプレイ21及び第2ディスプレイ22の表示をレイアウトL1へと遷移することができる。
【0078】
また、レイアウトL4においては、上述したレイアウトL3,L5の他、第2ディスプレイ22も併用するレイアウトL41へと遷移することができる。
【0079】
図6は、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用するレイアウトL41の表示例を示している。
【0080】
同図下側に示すレイアウトL41は、第1ディスプレイ21の表示画面の右側の大部分を第2領域212と第3領域213とが縦方向に並んで占めている。第1ディスプレイ21の表示画面の左端には、縦方向の全幅を占め、短い横幅の第1領域211が表示されている。第2ディスプレイ22には、レイアウトL4における第1ディスプレイ21の第1領域211に相当する第1領域221が表示されている。
【0081】
同図上側に示すレイアウトL4においては、ユーザからの第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対する所定のタッチ操作に応じ、あたかも第1領域211が第2領域212及び第3領域213から左側の第2ディスプレイ22に押し出されるかのように、第1ディスプレイ21及び第2ディスプレイ22の表示をレイアウトL41へと遷移することができる。
【0082】
同図下側に示すレイアウトL41においては、ユーザからの第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対する所定のタッチ操作に応じ、あたかも第2ディスプレイ22に表示されている第1領域221が第1ディスプレイ21に引き戻されるかのように、第1ディスプレイ21及び第2ディスプレイ22の表示をレイアウトL4へと遷移することができる。
【0083】
ところで、上述したレイアウト間の遷移過程は、各分割領域のサイズと形状(矩形のアスペクト比)と位置関係が徐々に変化するアニメーションとして、少なくとも第1ディスプレイ21に表示される。
【0084】
図7は、レイアウトL1からレイアウトL2への遷移過程を表すアニメーションの表示例を示している。
【0085】
同図に示されるように、レイアウト間の遷移過程では、ユーザによるドラッグの距離に応じ、各分割領域が接触したり、重なり合ったりすることなく、あたかも互いが反発するかのように、それぞれのサイズと形状と表示位置を変えながら遷移先のレイアウトになるまで移動する。なお、各分割領域のサイズと形状と表示位置が変更されている間、各分割領域の内部の情報表示は、表示情報生成部124によって、各領域のサイズの変更に合わせて拡大縮小されながら表示が継続される。
【0086】
また、レイアウトの遷移が完了する前にユーザからのタッチ操作が終了した場合(ユーザがタッチオフした場合)、ドラッグの距離、すなわち、タッチオン座標からタッチオフ座標までの距離に応じて遷移が確定する。例えば、ドラッグの距離が所定長(例えば、第1ディスプレイ21の横幅の50%)未満である場合には遷移前のレイアウトに戻され、ドラッグの距離が所定長以上である場合には遷移先のレイアウトまで遷移が進められる。
【0087】
<第1の動作例におけるレイアウト遷移処理>
次に、
図8は、第1の動作例におけるレイアウト遷移処理の一例を説明するフローチャートである。
【0088】
該レイアウト遷移処理は、例えば、車両のイグニッションスイッチがオンとされて、車載装置10が起動され、第1ディスプレイ21の表示画面に設けられた各分割領域に所定の情報が表示された後に開始される。その後、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフにされて、車載装置10の動作が終了されるまで繰り返し実行される。
【0089】
はじめに、操作検知部122が、第1ディスプレイ21に積層されたタッチパネル251に対するタッチ操作の監視を開始し、ユーザからのタッチオン及びドラッグがあるか否かを判定する(ステップS1)。ここで、タッチオン及びドラッグがないと判定した場合(ステップS1でNO)、操作検知部122は、タッチパネル251に対するタッチ操作の監視を継続する。
【0090】
反対に、タッチオン及び所定量以上のドラッグがあると判定した場合(ステップS1でYES)、操作検知部122が、タッチオンされたxy座標とドラッグ方向を検出して、レイアウト設定部123に通知する(ステップS2)。なお、ドラッグ方向については、右方向(+x軸方向)または左方向(-x軸方向)として検出すればよい。例えば、ユーザが斜め方向にドラッグした場合、そのy軸方向成分は無視して、x軸方向成分だけを検出すればよい。
【0091】
また、タッチオンされた位置の表示画面に、操作受付ボタンが表示されている場合、操作受付ボタンに対するユーザの操作を優先し、レイアウトの遷移は実行しないようにする。これにより、ユーザがレイアウトを遷移させる以外の意図でタッチ操作を行った場合に、ユーザの意に反してレイアウトを遷移させてしまうことを防ぐことができる。
【0092】
次に、レイアウト設定部123が、記憶部130のレイアウト情報132を参照し、現在(遷移前)のレイアウトと、タッチオンされたxy座標に現在表示されている分割領域とを特定する(ステップS3)。次に、レイアウト設定部123が、遷移前のレイアウトと、タッチオンされた分割領域と、タッチオンされたy座標が、第1ディスプレイ21の縦方向の上側(上半分)または下側(下半分)のどちらであるかと、ドラッグ方向とに基づき、記憶部130の遷移テーブル133を参照して、遷移先のレイアウトを決定する(ステップS4)。
【0093】
なお、本実施の形態では、遷移先のレイアウトを決める判定条件として遷移テーブル133を用いているが、遷移先のレイアウトを決める判定条件はこれに限定されない。タッチ操作と遷移先のレイアウトとが予め対応付けされて判定条件として用いることができれば、情報の持ち方に制限はない。
【0094】
ここで、遷移テーブル133について説明する。
図9は、第1の動作例に対応する遷移テーブル133の一例を示している。遷移テーブル133は、遷移先のレイアウトを決めるための情報(遷移情報)である。遷移テーブル133には、遷移前のレイアウトと、タッチ操作と、遷移先のレイアウトとが対応付けて記録されている。
【0095】
例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、第3領域213に対するタッチオンと、右方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL2に決定する。また例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、第2領域212に対するタッチオンと、右方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL6に決定する。さらに例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、第1領域211の縦方向の上側に対するタッチオンと、左方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL2に決定する。さらに例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、第1領域211の縦方向の下側に対するタッチオンと、左方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL6に決定する。
【0096】
また例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、第2領域212または第3領域213に対するタッチオンと、左方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL11に決定する。
【0097】
さらに例えば、遷移前のレイアウトがL4であって、第1領域211に対するタッチオンと、左方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトをL41に決定する。
【0098】
ただし、例えば、遷移前のレイアウトがL4であって、第2領域212または第3領域213に対するタッチオンと、右方向へのドラッグが検知された場合、レイアウト設定部123は、遷移先のレイアウトを決定しない。この場合、後述するステップS5におけるアニメーション表示において、ドラッグ操作に応じて、第2領域212及び第3領域213が少しだけ右方向に移動した後、直ちに元のレイアウトL4に戻る様子が表示される。
【0099】
図8に戻る。上述したように、レイアウト設定部123が遷移先のレイアウトを決定した後、次に、レイアウト設定部123が、記憶部130のアニメーション情報134を参照して、遷移前のレイアウトから遷移先のレイアウトへの遷移過程を表すアニメーションを少なくとも第1ディスプレイ21に表示する(ステップS5)。
【0100】
次に、操作検知部122が、ユーザがタッチオフしたか否(ドラッグ中である)かを判定する(ステップS6)。ここで、操作検知部122が、ユーザがタッチオフしていないと判定した場合(ステップS6でNO)、処理はステップS5に戻される。そして、ステップS5,S6の処理が繰り返されることにより、レイアウト設定部123によるアニメーション表示が継続される。
【0101】
その後、ユーザがタッチオフしたと判定した場合(ステップS6でYES)、操作検知部122が、タッチオフ座標をレイアウト設定部123に通知する。次に、レイアウト設定部123が、ドラッグの距離に応じて、レイアウトを確定する。すなわち、ドラッグの距離が所定長未満であれば、レイアウトを遷移前に戻し、ドラッグの距離が所定長以上(既にアニメーション表示が終了している場合を含む)であれば、レイアウトを遷移先の状態に確定する。以上で、第1の動作例におけるレイアウト遷移処理は終了される。
【0102】
以上に説明した第1の動作例におけるレイアウト遷移処理によれば、ユーザは、第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)の任意の位置をタッチし、ドラッグすることにより、第1ディスプレイ21における画面表示のレイアウトを遷移させることができる。また、レイアウトによっては、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用することができる。車載装置10は、レイアウトの遷移に際して、遷移過程をアニメーションとして表示することができる。
【0103】
<第2の動作例>
次に、第2の動作例について説明する。車載装置10は、第2の動作例として、第1ディスプレイ21の表示画面を複数の分割領域に分割して、各分割領域それぞれに異なる情報を表示させることができる。さらに、車載装置10は、第1ディスプレイ21に表示したポインタ301(
図10)に対するユーザからのタッチ操作に応じ、複数の分割領域のサイズや位置関係を変更することができる。
【0104】
さらに、車載装置10は、第1ディスプレイ21に対するユーザからのタッチ操作に応じ、分割領域を第2ディスプレイ22に移動させて表示させることができる。
【0105】
図10は、第2の動作例として、第1ディスプレイ21の表示画面を3つの分割領域に分割した場合を示している。以下、同示するように、分割した最も大きい領域を第1領域211、その他の2つの分割領域をそれぞれ第2領域212、第3領域213と称する。また、第1ディスプレイ21の座標系を、左上を原点とし、長辺側をx軸方向、短辺側をy軸方向とする。なお、第1ディスプレイ21の表示画面を分割する数は3に限らず、4以上であってもよい。
【0106】
第2の動作例では、第1の動作例と異なり、第1ディスプレイ21の表示画面において、各分割領域の境界に分割線302(302x,302y)が表示される。また、分割線302の交点にはポインタ301が表示される。
【0107】
ユーザは、ポインタ301をタッチしてドラッグし、予め設定されている複数のポインタ移動点303のいずれかの付近まで移動させることにより、各分割領域のサイズと位置関係が異なるレイアウト間を遷移させることができる。
【0108】
図11は、第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に予め設定されている複数のポインタ移動点303とその周囲に設定されるタッチ領域taの例を示している。同図の場合、第1ディスプレイ21には、9箇所のポインタ移動点3031~3039が設定されており、それぞれの周囲にタッチ領域ta1~ta9が設けられている。
【0109】
なお、ポインタ移動点303及びタッチ領域taの境界は第1ディスプレイ21に表示されない。したがって、ユーザは、表示されているポインタ301をタッチオンしてから、上下左右いずれかの方向に直感的にドラッグすることになる。そこで、ユーザがポインタ301をタッチしてドラッグした場合、操作検知部122が、記憶部130のポインタ情報135を参照し、ドラッグ中のxy座標が属するタッチ領域taを判断して、該タッチ領域taに属するポインタ移動点303にポインタ301が移動されたものと見做すようにする。例えば、ユーザが、ポインタ移動点3035に位置するポインタ301をタッチして右方向にドラッグし、タッチ領域ta8まで達した場合、操作検知部122は、ポインタ301がポインタ移動点3038まで移動されたと見做すようにする。
【0110】
第2の動作例においても、第1領域211、第2領域212、及び第3領域213の各分割領域には、例えば、ナビゲーション画面、エアコン画面、オーディオ画面、アプリ画面、電話画面等を割り当てて表示させることができる。
【0111】
なお、各分割領域は、そのサイズに応じて、表示情報生成部124が、表示する情報の内容を変更するようになされている。例えば、第2領域212にエアコン画面が割り当てられている場合、そのサイズが小さいときには、現状の温度だけを表示するようになされており、そのサイズが大きいときには、設定温度を変更するための操作受付ボタンも追加して表示するようになされている。
【0112】
第2の動作例において、第1領域211、第2領域212、及び第3領域213の位置関係とサイズについては、レイアウトL101~L104(
図12)のいずれかをユーザが選択して表示することができる。
【0113】
具体的には、ユーザが第1ディスプレイ21のポインタ301に対して、タッチオンとドラッグを行うと、操作検知部122が、そのタッチ操作を検知し、検知結果をレイアウト設定部123に通知する。レイアウト設定部123は、タッチ操作の検知結果に応じてレイアウトを遷移する。
【0114】
ただし、各レイアウトの遷移の方向は任意ではなく限定されている。例えば、レイアウトL101においてはレイアウトL102またはL104にだけ遷移可能であり、また例えば、レイアウトL102においてはレイアウトL103にだけ遷移可能であるように、特定のレイアウト間でだけ遷移可能とされている。レイアウトの遷移を限定することにより、レイアウト設定部123の処理を軽減することができる。
【0115】
次に、
図12は、第2の動作例におけるレイアウトL101~L104の表示例を示している。なお、レイアウトL101~L103では、第1ディスプレイ21だけが用いられる。レイアウトL104では、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とが併用される。
【0116】
同図左上段に示すレイアウトL101は、第1領域211が表示画面の右側を占めている。第2領域212と第3領域213とは、同じサイズで縦方向に並び表示画面の左側を占めている。この場合、ポインタ301は、ポインタ移動点3035に位置している。
【0117】
同図右上段に示すレイアウトL102は、第1領域211が表示画面の左側を占めている。第2領域212と第3領域213とは、同じサイズで縦方向に並び表示画面の右側を占めている。この場合、ポインタ301は、ポインタ移動点3038に位置している。
【0118】
同図右下段に示すレイアウトL103は、第1領域211の横幅が、レイアウトL101における第2領域212及び第3領域213と同じ横幅まで短縮されて表示画面の左側を占めている。第2領域212と第3領域213とは、レイアウトL101における第1領域211と同じ横幅まで伸ばされて表示画面の右側を占めている。この場合、ポインタ301は、ポインタ移動点3035に位置している。
【0119】
同図左中段に示すレイアウトL104は、第1ディスプレイ21の表示画面全体を第1領域211が占めている。第2ディスプレイ22には、レイアウトL101における第2領域212と第3領域213とに相当する第2領域222と第3領域223とが、同じサイズで縦方向に並び表示画面の右側を占めている。この場合、ポインタ301は、ポインタ移動点3032に位置している。
【0120】
次に、第2の動作例におけるレイアウト間の遷移について説明する。
【0121】
レイアウトL101においては、ユーザからのポインタ301に対するタッチオンと右方向へのドラッグに応じ、第1ディスプレイ21の表示をレイアウトL102へと遷移することができる。このドラッグ操作に際しては、分割線302が、あたかもポインタ301に接続されたゴム紐等の弾性体のように引き伸ばされて変形し、分割線302の変形に伴って各分割領域の形状も台形に変形され、その過程が表示される。すなわち、x軸方向に平行な分割線302は右方向に引き伸ばされ、y軸方向に平行な分割線302は、ポインタ302の位置で折り曲げられて斜め方向に引き伸ばされる。そして、ユーザが、タッチ領域ta8にてタッチオフすると、あたかもポインタ301がポインタ移動点3038まで引っ張られるかのように瞬時に移動して、レイアウトL102への遷移が完了する。反対に、ユーザが、タッチ領域ta5にてタッチオフすると、あたかもポインタ301が引っ張られるかのようにポインタ移動点3035まで瞬時に戻されて、レイアウトの遷移が中止される。
【0122】
また、レイアウトL101においては、ユーザからのポインタ301に対するタッチオンと左方向へのドラッグに応じ、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22との表示をレイアウトL104へと遷移することができる。このドラッグ操作に際しては、上述した場合と同様に、分割線302の変形とそれに伴う各分割領域の変形の過程が表示される。そして、ユーザが、タッチ領域ta2にてタッチオフすると、あたかもポインタ301がポインタ移動点3032まで引っ張られるかのように瞬時に移動して、レイアウトL104への遷移が完了する。反対に、ユーザが、タッチ領域ta5にてタッチオフすると、あたかもポインタ301が引っ張られるかのようにポインタ移動点3035まで瞬時に移動して、レイアウトの遷移が中止される。
【0123】
レイアウトL102においては、ユーザからのポインタ301に対するタッチオンと左方向へのドラッグに応じ、第1ディスプレイ21の表示をレイアウトL103に遷移することができる。このドラッグ操作に際しては、上述した場合と同様に、分割線302の変形とそれに伴う各分割領域の変形の過程が表示される。そして、ユーザが、タッチ領域ta5にてタッチオフすると、あたかもポインタ301がポインタ移動点3035まで引っ張られるかのように瞬時に移動して、レイアウトL103への遷移が完了する。反対に、ユーザが、タッチ領域ta8にてタッチオフすると、あたかもポインタ301が引っ張られるかのようにポインタ移動点3038まで瞬時に戻されて、レイアウトの遷移が中止される。
【0124】
レイアウトL103においては、ユーザからのポインタ301に対するタッチオンと左方向へのドラッグに応じ、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22との表示をレイアウトL104に遷移することができる。このドラッグ操作に際しては、上述した場合と同様に、分割線302の変形とそれに伴う各分割領域の変形の過程が表示される。そして、ユーザが、タッチ領域ta2にてタッチオフすると、あたかもポインタ301がポインタ移動点3032まで引っ張られるかのように瞬時に移動して、レイアウトL104への遷移が完了する。反対に、ユーザが、タッチ領域ta5にてタッチオフすると、あたかもポインタ301が引っ張られるかのようにポインタ移動点3035まで瞬時に戻されて、レイアウトの遷移が中止される。
【0125】
レイアウトL104においては、ユーザからのポインタ301に対するタッチオンと右方向へのドラッグに応じ、第1ディスプレイ21の表示をレイアウトL101に遷移することができる。このドラッグ操作に際しては、上述した場合と同様に、分割線302の変形とそれに伴う各分割領域の形状の変形の過程が表示される。そして、ユーザが、タッチ領域ta5にてタッチオフすると、あたかもポインタ301がポインタ移動点3035まで引っ張られるかのように瞬時に移動して、レイアウトL101への遷移が完了する。反対に、ユーザが、タッチ領域ta2にてタッチオフすると、あたかもポインタ301が引っ張られるかのようにポインタ移動点3032まで瞬時に戻されて、レイアウトの遷移が中止される。
【0126】
次に、
図13は、レイアウトL101~L104それぞれの変形例を示している。
【0127】
同図(A)はレイアウトL101の変形例であり、上段にレイアウトL101H、中段にレイアウトL101、下段にレイアウトL101Lを示している。レイアウトL101Hは、レイアウトL101に比較して、第2領域212の縦方向の幅を短縮し、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を伸ばしたものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3034に位置している。レイアウトL101Hは、レイアウトL101との間で相互に遷移可能である。レイアウトL101Lは、レイアウトL101に比較して、第2領域212の縦方向の幅を伸ばし、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を短縮したものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3036に位置している。レイアウトL101Lは、レイアウトL101との間で相互に遷移可能である。
【0128】
同図(B)はレイアウトL102の変形例であり、上段にレイアウトL102H、中段にレイアウトL102、下段にレイアウトL102Lを示している。レイアウトL102Hは、レイアウトL102に比較して、第2領域212の縦方向の幅を短縮し、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を伸ばしたものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3037に位置している。レイアウトL102Hは、レイアウトL102との間で相互に遷移可能である。レイアウトL102Lは、レイアウトL102に比較して、第2領域212の縦方向の幅を伸ばし、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を短縮したものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3039に位置している。レイアウトL102Lは、レイアウトL102との間で相互に遷移可能である。
【0129】
同図(C)はレイアウトL103の変形例であり、上段にレイアウトL103H、中段にレイアウトL103、下段にレイアウトL103Lを示している。レイアウトL103Hは、レイアウトL103に比較して、第2領域212の縦方向の幅を短縮し、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を伸ばしたものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3034に位置している。レイアウトL103Hは、レイアウトL103との間で相互に遷移可能である。レイアウトL103Lは、レイアウトL103に比較して、第2領域212の縦方向の幅を伸ばし、その分だけ第3領域213の縦方向の幅を短縮したものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3036に位置している。レイアウトL103Lは、レイアウトL103との間で相互に遷移可能である。
【0130】
同図(D)はレイアウトL104の変形例であり、上段にレイアウトL104H、中段にレイアウトL104、下段にレイアウトL104Lを示している。レイアウトL104Hは、レイアウトL104に比較して、第2領域222の縦方向の幅を短縮し、その分だけ第3領域223の縦方向の幅を伸ばしたものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3031に位置している。レイアウトL104Hは、レイアウトL104との間で相互に遷移可能である。レイアウトL104Lは、レイアウトL104に比較して、第2領域222の縦方向の幅を伸ばし、その分だけ第3領域223の縦方向の幅を短縮したものである。この場合、ポインタ301はポインタ移動点3033に位置している。レイアウトL104Lは、レイアウトL104との間で相互に遷移可能である。
【0131】
さらに、同図に示されるように、レイアウトL101Hは、レイアウトL102Hに遷移可能であり、レイアウトL101Lは、レイアウトL102Lに遷移可能である。レイアウトL102Hは、レイアウトL103Hに遷移可能であり、レイアウトL102Lは、レイアウトL103Lに遷移可能である。レイアウトL103Hは、レイアウトL104Hに遷移可能であり、レイアウトL103Lは、レイアウトL104Lに遷移可能である。レイアウトL104Hは、レイアウトL101Hとの間で相互に遷移可能であり、レイアウトL104Lは、レイアウトL101Lとの間で相互に遷移可能である。
【0132】
なお、上述した遷移の他、例えば、レイアウトL101Hから、レイアウトL102やレイアウトL102Lへの遷移のように、ポインタ301のx座標とy座標の両方が変わるレイアウトの遷移を許容するようにしてもよい。
【0133】
<第2の動作例におけるレイアウト遷移処理>
次に、
図14は、第2の動作例におけるレイアウト遷移処理の一例を説明するフローチャートである。
【0134】
該レイアウト遷移処理は、例えば、車両のイグニッションスイッチがオンとされて、車載装置10が起動され、第1ディスプレイ21の表示画面に設けられた各分割領域に所定の情報が表示された後に開始される。その後、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフにされて、車載装置10の動作が終了されるまで繰り返し実行される。
【0135】
はじめに、操作検知部122が、第1ディスプレイ21(に積層されたタッチパネル251)に対するタッチ操作を監視し、ユーザからポインタ301へのタッチオン及びドラッグの操作があるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、タッチオン及びドラッグの操作がないと判定した場合(ステップS11でNO)、操作検知部122は、タッチパネル251に対するタッチ操作の監視を継続する。
【0136】
反対に、ポインタ301へのタッチオン及びドラッグの操作があると判定した場合(ステップS11でYES)、操作検知部122は、ドラッグ中のxy座標をレイアウト設定部123に通知し始めるとともに、ドラッグ方向を検出してレイアウト設定部123に通知する(ステップS12)。なお、ドラッグ方向については、上方向(-y軸方向)、下方向(+y軸方向)、右方向(+x軸方向)、または左方向(-x軸方向)として検出すればよい。例えば、ユーザが斜め方向にドラッグした場合、そのx軸方向成分とy軸方向成分との絶対値が大きい方をドラッグ方向として検出すればよい。
【0137】
また、タッチオンされた位置の表示画面に、操作受付ボタンが表示されている場合、第1の動作例と同様に、操作受付ボタンに対するユーザの操作を優先し、レイアウトの遷移は実行しないようにする。これにより、ユーザがレイアウトを遷移させる以外の意図でタッチ操作を行った場合に、ユーザの意に反してレイアウトを遷移させてしまうことを防ぐことができる。
【0138】
次に、レイアウト設定部123が、ポインタ301に対するドラッグ方向に基づき、記憶部130に格納された遷移テーブル133を参照して遷移先のレイアウトを決定する(ステップS13)。なお、本実施の形態では、遷移先のレイアウトを決める判定条件として遷移テーブル133を用いているが、遷移先のレイアウトを決める判定条件はこれに限定されない。タッチ操作と遷移先のレイアウトとが予め対応付けされて判定条件として用いることができれば、情報の持ち方に制限はない。
【0139】
ここで、遷移テーブル133について説明する。
図15は、第2の動作例に対応する遷移テーブル133の一例を示している。遷移テーブル133は、遷移先のレイアウトを決めるための情報(遷移情報)である。遷移テーブル133には、遷移前のレイアウトと、タッチ操作と、遷移先のレイアウトとが対応付けて記録されている。
【0140】
例えば、遷移前のレイアウトがL101であって、右方向へのドラッグが検知された場合、遷移先のレイアウトはL102に決定される。また例えば、遷移前のレイアウトがL101であって、左方向へのドラッグが検知された場合、遷移先のレイアウトはL104に決定される。さらに例えば、遷移前のレイアウトがL1であって、上方向へのドラッグが検知された場合、遷移先のレイアウトはL101Hに決定される。
【0141】
さらに例えば、遷移前のレイアウトがL102であって、左方向へのドラッグが検知された場合のように、遷移テーブル133に記録が無い場合、該ドラッグに応じた遷移は行われない。この場合、レイアウト遷移処理は強制終了されて、再びステップS11から開始される(不図示)。
【0142】
図14に戻る。上述したように、レイアウト設定部123が、遷移先のレイアウトを決定した後、次に、レイアウト設定部123が、ユーザのドラッグ操作に応じて遷移先のレイアウトに徐々に近づくように、分割線302が、あたかもポインタ301に接続されたゴム紐等の弾性体のように引き伸ばされて変形し、分割線302の変形に伴って各分割領域の形状も変形される状態を表示する(ステップS14)。
【0143】
次に、操作検知部122が、ユーザがタッチオフしたか否(ドラッグ中である)かを判定する(ステップS15)。ここで、操作検知部122が、ユーザがタッチオフしていないと判定した場合(ステップS15でNO)、処理はステップS12に戻される。そして、ステップS12~S15の処理が繰り返されることにより、レイアウト設定部123による、遷移先のレイアウトに徐々に近づくように、分割線302と各分割領域の変形の表示が継続される。
【0144】
その後、ユーザがタッチオフしたと判定した場合(ステップS15でYES)、操作検知部122が、タッチオフされた旨とタッチオフのxy座標とをレイアウト設定部123に通知する。
【0145】
次に、レイアウト設定部123が、タッチオフした旨の通知に応じ、記憶部130のポインタ情報135を参照して、タッチオンのxy座標と、タッチオフのxy座標とが同じタッチ領域taに属しているか否かを判定する(ステップS16)。ここで、同じタッチ領域taに属していないと判定した場合(ステップS16でNO)、レイアウト設定部123が、ポインタ情報135を参照して、タッチオフのxy座標が属するタッチ領域taのポインタ移動点303を特定し、特定したポインタ移動点303までポインタ301を瞬時に移動させることにより、レイアウトの遷移を完了させる(ステップS17)。
【0146】
反対に、タッチオンのxy座標と、タッチオフのxy座標とが同じタッチ領域taに属していると判定した場合(ステップS16でYES)、レイアウト設定部123が、タッチオンのxy座標までポインタ301を瞬時に戻すことにより、レイアウトの遷移を中断し、レイアウトを元の状態に戻す(ステップS18)。以上で、第2の動作例におけるレイアウト遷移処理は終了される。
【0147】
以上に説明した第2の動作例におけるレイアウト変更処理によれば、ユーザは、第1ディスプレイ21に表示されたポインタ301をタッチし、ドラッグすることにより、複数の分割領域のサイズと位置関係とが異なるレイアウトを遷移させることができる。また、ユーザは、レイアウト104のように、第1ディスプレイ21と第2ディスプレイ22とを併用して情報を表示させることができ、さらに、第2ディスプレイ22に移動させた分割領域を第1ディスプレイ21に戻すことができる。車載装置10は、レイアウトの遷移に際して、遷移過程を、分割線302や各分割領域を変形させて表示することができる。
【0148】
<動作の変形例>
上述した説明では、各分割領域における表示は、そのサイズに応じて、表示する情報の内容を変更するとしたが、表示する情報の内容を変更することなく、分割領域のサイズに応じて、表示する情報量、換言すれば、ユーザが見ることができる情報量を変更するようにしてもよい。
【0149】
図16は、分割領域のサイズに応じて、表示する情報の内容を変更することなく、表示する情報量を変更する例を示している。ただし、同図の例では、上述した第2の動作例では遷移不可であったレイアウトL103からレイアウトL102への遷移が可能であって、レイアウトL103における第1領域211と、レイアウトL102における第1領域211とにそれぞれ表示される情報の内容が同じ場合を示している。レイアウトL102は、レイアウトL103に比較して第1領域211のサイズが大きいので、同じ情報であってもより多くの情報量を表示することができる。
【0150】
この場合、ユーザは、レイアウトL103において、ポインタ301をタッチして右方向にドラッグすれば、ドラッグしている間、五角形に変形された第1領域211に表示された、情報量が増えた情報を視認することができる。この後、ユーザがドラッグを左方向に戻してタッチオフすれば、レイアウトをL102に遷移させることなく、L103に戻すことができる。
【0151】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0152】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0153】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現されてもよい。各機能を実現するプログラム、判定テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、HDD、SSD等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0154】
本発明は、情報制御装置、及び表示変更方法だけでなく、コンピュータ読み取り可能なプログラム等の様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0155】
10・・・車載装置、11・・・演算処理装置、21・・・第1ディスプレイ、22・・・第2ディスプレイ、23・・・記憶装置、24・・・音声入出力装置、25・・・入力装置、26・・・ROM装置、27・・・車速センサ、28・・・ジャイロセンサ、29・・・GPS受信装置、30・・・FM多重放送受信装置、31・・・ビーコン受信装置、111・・・CPU、112・・・RAM、113・・・ROM、114・・・I/F、115・・・バス、120・・・制御部、121・・・入力受付部、122・・・操作検知部、123・・・レイアウト設定部、124・・・表示情報生成部、125・・・機能処理部、130・・・記憶部、131・・・地図情報、132・・・レイアウト情報、133・・・遷移テーブル、134・・・アニメーション情報、135・・・ポインタ情報、211・・・第1領域、212・・・第2領域、213・・・第3領域、221・・・第1領域、222・・・第2領域、223・・・第3領域、241・・・マイクロフォン、242・・・スピーカ、251・・・タッチパネル、252・・・ダイヤルスイッチ、301・・・ポインタ、302・・・分割線、303・・・ポインタ移動点、ta・・・タッチ領域