(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】油水分離装置の運転条件診断方法および油水分離装置の運転条件診断装置
(51)【国際特許分類】
B01D 17/12 20060101AFI20220825BHJP
B01D 17/05 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B01D17/12 Z
B01D17/12 C
B01D17/05 501Z
(21)【出願番号】P 2018190945
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000105567
【氏名又は名称】コスモ石油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 光宏
(72)【発明者】
【氏名】土屋 祐治
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀一
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-059156(JP,A)
【文献】特開平03-038201(JP,A)
【文献】特開2001-017964(JP,A)
【文献】特開平02-014702(JP,A)
【文献】特開2010-247144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 17/00-17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油水分離装置の運転条件診断方法であって、
排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置
として、
排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板とを有し、当該間仕切り板が前記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなるものを用い、
前記排水の性状および診断対象となる油水分離装置の仕様から選ばれる一種以上の条件に応じて、前記排水の注入口と間仕切り板との距離を調整した状態で、
前記運転条件診断装置に排水を注入して油水の分離の状況を確認することを特徴とする油水分離装置の運転条件診断方法
。
【請求項2】
前記排水を前記運転条件診断装置に注入する注入速度、前記排水に添加する凝集剤の種類および前記排水に添加する凝集剤の量から選ばれる一種以上の条件を変更しながら、前記排水を複数回前記運転条件診断装置に注入する請求項
1に記載の油水分離装置の運転条件診断方法。
【請求項3】
前記箱状本体の注入口と間仕切り板間に形成される油水分離部の底部に底上げ用の板材を敷設した状態で前記排水を前記運転条件診断装置に注入する請求項1
または請求項2に記載の油水分離装置の運転条件診断方法。
【請求項4】
前記箱状本体の注入口と間仕切り板間に形成される油水分離部において、油相を形成する油滴の粒子径の大小または水相中の炭化水素濃度に基づいて油水の分離の状況を確認する請求項1~請求項
3のいずれかに記載の油水分離装置の運転条件診断方法。
【請求項5】
前記運転条件診断装置が、前記箱状本体の側壁に油分抜出口を有するとともに、前記間仕切り板の下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板を有し、当該邪魔板の高さが、前記油分抜出口が設けられる高さ以上前記間仕切り板の高さ未満の高さである上記請求項2~請求項
4のいずれかに記載の油水分離装置の運転条件診断方法。
【請求項6】
排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する
油水分離装置の運転条件診断装置であって、
排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板とを有し、
当該間仕切り板が前記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなることにより、
前記排水の注入口と間仕切り板との距離を調整可能となっている
ことを特徴とする油水分離装置の運転条件診断装置
。
【請求項7】
前記箱状本体がさらに凝集剤の添加口を有する請求項
6に記載の油水分離装置の運転条件診断装置。
【請求項8】
前記箱状本体の側壁に油分抜出口を有するとともに、前記間仕切り板の下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板を有し、当該邪魔板の高さが、前記油分抜出口が設けられる高さ以上前記間仕切り板の高さ未満の高さである請求
項7に記載の油水分離装置の運転条件診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油水分離装置の運転条件診断方法および油水分離装置の運転条件診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種産業において、有機物を含む工業排水が活性汚泥法により処理されるようになっている(例えば、特許文献1(特開2002-210486号公報)参照)。
活性汚泥法は有機排水を好気的に生物処理する方法であり、例えば、標準活性汚泥法においては、活性汚泥処理槽のBOD-SS負荷(曝気槽内の単位MLSS量(kg)あたり1日に加えられる汚水中のBOD量)が0.2~0.4kgBOD/(kgMLSS・日)程度になるようにプロセス設計されている。
【0003】
上記活性汚泥法による排水処理方法においては、予めAPIオイルセパレーター(API oil-water separator、 American Petroleum Institute基準により設計されたオイルセパレーター)や、APIオイルセパレーターに基づいてシェル社が開発した、PPIオイルセパレーター(Parallel Plate Interceptor oil-water separator)またはCPIオイルセパレーター(Corrugated Plate Interceptor oil-water separator)等の各種油水分離装置を用いた油水分離処理が行われている。
【0004】
例えば、各種工場から排出される工業排水を一旦バッファタンクに集合した後、このバッファタンク中の工業排水に対し、上述した各種油水分離装置を用いた油水分離処理や凝集加圧処理等の一次処理を行って油分を除去した上で、活性汚泥処理等の二次処理を行うことにより、工業排水中のフェノール、ベンゼン等の有機物や、窒素、リン等が排出基準以下になるように処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記排水処理においては、例えば各種排水の排出源となる製造プロセスの運転条件変更等に伴って排水中の油分濃度や浮遊物質(SS)濃度等も変動し、特に処理対象となる排水が石油系排水である場合、石油系排水は各種炭化水素類を種々の割合で含む多様な原油を精製する際に排出されるものであることから、処理対象となる原油種や精製処理条件の変更に伴い、排水中に混入する油分濃度や浮遊物質(SS)濃度等も変動し易かった。
【0007】
例えば、上述したAPIオイルセパレーター、PPIオイルセパレーターまたはCPIオイルセパレーター等の油水分離装置は、油と水の比重差を用いてストークスの式に基づいた沈降分離により油水を分離する装置であるが、これ等の油水分離装置により石油系排水の油水分離を行う場合、原油中のアスファルテンやワックス分が炭化水素油とエマルションを形成して計算通りに油水分離が行われない場合があったり、油水分離装置の底部に金属堆積物等が沈降、堆積して有効な深さを阻害することにより計算通りに油水分離が行われない場合があった。
【0008】
上記油水分離装置において所望水準まで油分を除去できない場合、油水分離装置の下流に配置された活性汚泥装置の汚泥の活性が低下して排水中のCODが上昇したり、活性汚泥を構成する微生物が死滅する場合も想定され、各種排出基準を満たし難くなることから、各種排出基準を満たす上で油水分離装置の運転条件も柔軟に変更する必要がある。
また、上記油水分離装置底部に沈降した堆積物の除去には、費用や時間、手間を要することから、底部に堆積物が存在する状態であっても各種排出基準を満たす油水分離装置の運転条件を随時決定することが求められる。
【0009】
しかしながら、従来より、油水分離装置の運転条件は、上述したストークスの式に基づいて決定される他は、管理者の勘や経験に基づいて試行錯誤的に決定されるに過ぎなかった。
一方、排水処理現場においては、大雨等によって排水流量が増加したりスラッジ等が油水分離装置の底部に堆積することにより、必ずしもストークスの式の通りに油水が分離しない状況が発生している。油水分離装置における油水の分離が想定通りに行われない場合、分離対象となる排水(油水)を排水処理現場から研究所等の分析部門に移送して分析する必要があるが、移送に時間を要するために油分が凝集して粒径が変化する場合があった。上記排水(油水)を排水処理現場において分析しようとしても、測定装置が大型であったり高額であるために簡便な測定を行い難いという技術課題が存在していた。
【0010】
このような状況下、本発明は、排水流量が増加したり油水分離装置の底部にスラッジ等が堆積するような場合等においても、迅速かつ簡便に油水分離装置の運転条件の適否を診断する油水分離装置の運転条件診断方法および油水分離装置の運転条件診断装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術課題を解決するために本発明者等が鋭意検討したところ、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置に排水を注入して油水の分離の状況を確認することにより上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1)排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置に排水を注入して油水の分離の状況を確認することを特徴とする油水分離装置の運転条件診断方法、
(2)前記運転条件診断装置が、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板とを有し、当該間仕切り板が、前記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなり、
前記排水の性状および診断対象となる油水分離装置の仕様から選ばれる一種以上の条件に応じて、前記排水の注入口と間仕切り板との距離を調整する上記(1)に記載の油水分離装置の運転条件診断方法、
(3)前記排水を前記運転条件診断装置に注入する注入速度、前記排水に添加する凝集剤の種類および前記排水に添加する凝集剤の量から選ばれる一種以上の条件を変更しながら、前記排水を複数回前記運転条件診断装置に注入する上記(1)または(2)に記載の油水分離装置の運転条件診断方法、
(4)前記箱状本体の注入口と間仕切り板間に形成される油水分離部の底部に底上げ用の板材を敷設した状態で前記排水を前記運転条件診断装置に注入する上記(1)~(3)のいずれかに記載の油水分離装置の運転条件診断方法、
(5)前記箱状本体の注入口と間仕切り板間に形成される油水分離部において、油相を形成する油滴の粒子径の大小または水相中の炭化水素濃度に基づいて油水の分離の状況を確認する上記(1)~(4)のいずれかに記載の油水分離装置の運転条件診断方法、
(6)前記運転条件診断装置が、前記箱状本体の側壁に油分抜出口を有するとともに、前記間仕切り板の下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板を有し、当該邪魔板の高さが、前記油分抜出口が設けられる高さ以上前記間仕切り板の高さ未満の高さである上記(2)~(5)のいずれかに記載の油水分離装置の運転条件診断方法、
(7)排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有することを特徴とする油水分離装置の運転条件診断装置、
(8)排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板とを有し、
当該間仕切り板が、前記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなる
上記(7)に記載の油水分離装置の運転条件診断装置、
(9)前記箱状本体がさらに凝集剤の添加口を有する上記(7)または(8)に記載の油水分離装置の運転条件診断装置、
(10)前記箱状本体の側壁に油分抜出口を有するとともに、前記間仕切り板の下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板を有し、当該邪魔板の高さが、前記油分抜出口が設けられる高さ以上前記間仕切り板の高さ未満の高さである上記(8)または(9)に記載の油水分離装置の運転条件診断装置、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、排水流量が増加したり油水分離装置の底部にスラッジ等が堆積するような場合等においても、迅速かつ簡便に、油水分離装置の運転条件の適否を診断する油水分離装置の運転条件診断方法および油水分離装置の運転条件診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】油水分離装置の運転条件診断装置の一例を示す図である。
【
図3】油水分離装置の運転条件診断装置の一例を示す図である。
【
図4】箱状本体との接触部に樹脂部材を有する間仕切り板の一例を示す図である。
【
図5】箱状本体との接触部に樹脂部材を有する間仕切り板の一例を示す図である。
【
図6】
図2に例示する運転条件診断装置1の長手方向(A-A'線)に沿った垂直断面図である。
【
図7】
図2に例示する運転条件診断装置1に排水を注入したときの装置の内部状態を説明するための装置の長手方向(A-A'線)に沿った垂直断面図である。
【
図8】
図2に例示する運転条件診断装置1の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る排水処理設備の運転条件診断方法は、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置に排水を注入して油水の分離の状況を確認することを特徴とするものである。
【0016】
本出願書類において、油水分離装置の処理対象となる排水は特に制限されず、有機物含有排水が適当である。
有機物含有廃水としては、例えば、石油系排水や、各種潤滑油、有機溶剤、油脂、糖液、発酵液等の有機物を含有する工業排水、生活排水等から選ばれる一種以上が挙げられる。
本出願書類において、上記石油系排水とは石油精製設備から排出される排水を意味する。
石油精製設備から排出される排水は、各種炭化水素類を種々の割合で含む多様な原油を精製する際に排出されるものであることから、処理対象となる原油種や精製処理条件の変更に伴い、排水中に、例えば、油分や浮遊物質(suspended solids(SS))、有機物、窒素濃度、リン濃度等が各種割合で混入され易く、このために、排水処理設備においては、排出規制値を満たすように排水処理条件(排水処理設備の運転条件)を柔軟に変更することが求められる。
【0017】
本発明に係る排水処理設備の運転条件診断方法において、診断対象となる油水分離装置は、通常、他の排水処理装置とともに排水処理設備を構成しており、係る排水処理設備としては、一次処理装置および二次処理装置から選ばれる二種以上、例えば、油水分離装置および活性汚泥処理装置を含むものが適当であり、油水分離装置、凝集加圧装置および活性汚泥処理装置を含むものがより適当であり、油水分離装置、凝集加圧装置、活性汚泥処理装置および沈降槽を含むものがさらに適当である。
【0018】
図1は、本発明に係る運転条件診断方法において、診断対象となる油水分離装置を有する排水処理設備の一例を示すものである。
図1に示す排水処理設備は、排水11を一時的に受け入れ貯留するバッファタンク12と、バッファタンク12からの流出水11aを一次処理する一次処理手段13とを備え、
図1に示すように、上記一次処理手段13は、油水分離装置13Aとともに、例えば凝集加圧装置13Bおよび貯留タンク13Cを備え、係る一次処理手段により油水分離や固形分の除去等の排水11の一次処理が行われる。
【0019】
図1に示す排水処理設備においては、一次処理手段13で処理された一次処理水11bを二次処理する二次処理手段14を備え、
図1に示すように、上記二次処理手段14は、例えば活性汚泥処理装置14Aおよび沈降槽14Bを含み、係る二次処理手段により活性汚泥処理等の排水11の二次処理が行われる。
沈降漕14Bは、活性汚泥処理装置14Aから流出する活性汚泥処理水11cを受け入れ、処理水11dおよび活性汚泥を含むスラリー11eに固液分離して、処理水11dを排出するとともにスラリー11eを活性汚泥処理装置14Aに返送するものである。
【0020】
図1に示す排水処理設備例においては、油水分離装置13Aが本発明に係る運転条件診断方法の診断対象となる。
【0021】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置に排水を注入する。
【0022】
このように、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置としては、排水の注入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板とを有し、当該間仕切り板が、上記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなるものを挙げることができる。
上記油水分離装置が箱状本体の内壁面に対して摺動性を有する間仕切り板を有することにより、当該間仕切り板と箱状本体の内壁面との当接部における水密状態を発揮しつつ(排水の漏出を抑制しつつ)間仕切り板を任意の位置に配設することが可能となる。
【0023】
上記箱状本体の内壁面に対して摺動性を有する間仕切り板としては、箱状本体との接触部の少なくも一部に摺動部材として樹脂部材を有するものを挙げることができる。
【0024】
図2および
図3は、各々上記運転条件診断装置の一例を示すものである。
図2および
図3に示す運転条件診断装置1は、各々、排水の注入口Iおよび排出口Dが設けられた上面が開口する卓上型の箱状本体2と、当該箱状本体の内部空間を仕切る間仕切り板DPとを有し、当該間仕切り板DPが、前記箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材を有することにより、前記箱状本体の内壁面に対し摺動自在に配設されてなるものである。
図2および
図3に示す運転条件診断装置1は、間仕切り板DPの下部に設けた貫通口Pの開口形状が異なる以外は、共通する形態を有している。
【0025】
上記卓上型の箱状本体のサイズは、簡便に運搬し得る卓上サイズであれば特に制限されず、排水を流通させるポンプの容量等に応じて適宜決定すればよい。
上記卓上型の箱状本体は、通常、縦方向の長さ(
図2および
図3の例における長さα)が、5~200cmであるものが好ましく、10~100cmであるものがより好ましく、10~60cmであるものがさらに好ましい。
上記卓上型の箱状本体は、通常、横方向の長さ(
図2および
図3の例における長さβ)が、3~200cmであるものが好ましく、3~100cmであるものがより好ましく、3~50cmであるものがさらに好ましい。
上記卓上型の箱状本体は、通常、高さ方向の長さ(
図2および
図3の例における長さγ)が、3~100cmであるものが好ましく、3~50cmであるものがより好ましく、3~30cmであるものがさらに好ましい。
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法において、運転条件診断装置として卓上型の箱状本体を有するものを採用することにより、その持ち運びが容易となり、例えば油水分離装置(実機)の近傍において、油水の分離状況(油分と水分に分離できているか否か)を確認するシミュレートを容易に行うことができる。
【0026】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、診断対象となる油水分離装置の(油水分離に使用される)排水の流通距離や油水分離装置の内容量(処理量)等に対応するように、上記運転条件診断装置の間仕切り板の位置を調整する。
上記卓上型の箱状本体において、縦方向の長さ(
図2および
図3の例における長さα)が長いほど、間仕切り板を任意の位置に配設し易くなるが、縦方向の長さが長すぎると箱状本体が大型化して装置の持ち運びが困難となり易く、また、診断に供する排水量も多量となるために簡便、迅速な診断が行い難くなる。また、縦方向の長さ(
図2および
図3の例における長さα)が短くなるほど、ストークスの式に基づいて油水を分離させるために、排水を極めて小さな流速で流通させる必要が生じ、迅速な診断が行い難くなる。
また、上記卓上型の箱状本体において、横方向の長さ(
図2および
図3の例における長さβ)および高さ方向の長さ(
図2および
図3の例における長さγ)は、上記間仕切り板の位置に応じて油水分離部(
図2および
図3の例における油水分離部c)の内容量を規定する。
【0027】
上記卓上型の箱状本体は、その内容量が、0.05~4000Lであるものが好ましく、0.1~500Lであるものがより好ましく、0.1~90Lであるものがさらに好ましい。
【0028】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法は、油水分離装置(実機)に代えて上記卓上型の箱状本体を有する小型の運転条件診断装置に排水を注入して運転条件の適否を診断するものであることから、例えば実機において大雨等により排水流量が増加したり底部にスラッジ等が堆積している場合であっても、迅速かつ簡便に、油水分離装置の運転条件の適否を診断することができる。
【0029】
上記運転条件診断装置を構成する間仕切り板が箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材を有する形態としては、例えば、
図4(a)および
図4(b)に示すように、設置時に箱状本体の側壁と接触する間仕切り板DPの両端部(両側部)に各々樹脂部材R、Rを接着剤等で固定した形態を挙げることができる。
【0030】
また、上記運転条件診断装置を構成する間仕切り板が箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材を有する形態としては、例えば、
図5(a)および
図5(b)に示すように、設置時に箱状本体の側壁と接触する間仕切り板DPの両端部に沿って設けた樋状に湾曲する支持板S、S内に各々樹脂部材R、Rを接着剤等で固定した形態を挙げることができる。
【0031】
さらに、上記運転条件診断装置を構成する間仕切り板が箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材を有する形態としては、例えば、
図5(c)に示すように、設置時に箱状本体の側壁および底板と各々接触する間仕切り板DPの両端部(両側部)および下端部に沿って設けた樋状に湾曲する支持板S1およびS2内に各々樹脂部材R1、R2を接着剤等で固定した形態を挙げることができる。
【0032】
上記樹脂部材を構成する樹脂としては、後述する摺動性を付与し得るものであれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンや各種ビニール素材等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
【0033】
このように、間仕切り板が箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材等の摺動部材を有することにより、間仕切り板と箱状本体との密着性が向上し、箱状本体と間仕切り板によって形成される(
図2や
図3の形態例において符号Cで示す)油水分離部から油分を含む排水の漏出を抑制することができる。
【0034】
図2や
図3の形態例において符号Cで示す油水分離部の間仕切り板DP付近においては、通常、間仕切り板DPの下部近傍に水分、間仕切り板の上部近傍に油分が分離して(油水分離して)存在することになる。
このため、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)および
図5(b)に例示するように、間仕切り板の下端部には必ずしも(
図5(c)に例示する樹脂部材R2のような)樹脂部材を設けなくてもよい。
【0035】
また、同様の理由により、間仕切り板の側部(箱状本体の側壁と接触する間仕切り板の端部)に設ける樹脂部材は、
図5(b)に例示する樹脂部材Rのように間仕切り板側部の下方には必ずしも設ける必要はない。
この場合、間仕切り板の側部に設ける樹脂部材は、間仕切り板側部の上端から、間仕切り板の側部全長の7/10~9/10程度の長さに亘って設けられてなるものであればよい。
【0036】
また、上記間仕切り板が、箱状本体との接触部の少なくとも一部に樹脂部材を有することにより、間仕切り板と箱状本体間との密着性を向上し得るとともに、箱状本体の内壁面に対して摺動性を発揮して、間仕切り板の配置位置を任意位置に調整することができる。
例えば、
図2や
図3に例示する間仕切り板DPは、図中矢印で示すように内壁面に沿って摺動自在に移動してその配置位置を任意位置に規定することができる。
図6は、
図2に例示する運転条件診断装置1の長手方向(A-A’線)に沿った垂直断面図であり、同図にも示すように、間仕切り板DPは、内壁に沿って摺動自在に移動することにより、その配置位置を図中左右方向の任意位置に自在に規定することができる。
上記間仕切り板を内壁に沿って摺動させて配置位置を規定するために(位置決めするために)、上記箱状本体の側面に予め目盛り等を設けてもよいし、上記箱状本体の内側側面に樹脂部材を係止するための縦溝を設けてもよい。
【0037】
このように、運転条件診断装置を構成する間仕切り板が箱状本体の内壁面に対して摺動自在に配設されてなることにより、排水の注入口と間仕切り板との距離を任意に調整することができる。
【0038】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、排水の性状や診断対象となる油水分離装置の仕様に応じて、上記運転条件診断装置を構成する排水の注入口と間仕切り板との距離を調整することが好ましい。
【0039】
上述したように、従来より、油水分離装置の運転条件は、専ら下記ストークスの式
v=g(ρw-ρ0)D2/18μ
(ここで、v:油滴の浮上速度(cm/s)、g:重力の加速度(cm/s2)、ρw:水の密度(g/cm3)、ρ0:油の密度(g/cm3)、μ:水の絶対粘度(g/cm・s)、D:油滴の直径(cm)である。)
に基づいて決定されている。
【0040】
上記ストークスの式によれば、油水分離装置に流入する排水の性状(排水中に含まれる油滴の直径や密度等)に応じて排水中の油滴の浮上速度が変動することになり、このために油水分離装置に排水を注入した後、油分を浮上分離し得る(油水分離し得る)注入口からの距離が変動することになる。
一方、診断対象となる実際の油水分離装置においては、その仕様上(装置構成上)、油水分離に利用し得る注入口からの距離(排水の流通距離)やその内容量(処理量)が装置毎に規定される。
このため、本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、排水の性状や診断対象となる油水分離装置の仕様に応じて、上記運転条件診断装置を構成する排水の注入口と間仕切り板との距離を調整することにより、実際の油水分離装置において、処理対象となる排水中の油分を浮上分離させるために必要な注入口からの距離をストークスの式から算出してその算出値の適否を確認したり、実際の油水分離装置(実機)における油水分離の状況や、油水分離装置(実機)に大雨等により当初設計値以上の流速で排水が流入するときの油水分離の状況をシミュレートすることが可能となる。
上記シミュレートに際し、油水分離装置における排水の注入口と間仕切り板との距離や箱状本体への排水の注入速度は、実際の油水分離装置(実機)と油水分離装置のサイズや処理容量等の相違に対応して適宜ダウンサイズする等して調整すればよい。
【0041】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、運転条件診断装置に排水を注入して油水の分離の状況を確認する。
【0042】
運転条件診断装置1の箱状本体2内に設置される間仕切り板DPの下部には、通常、貫通口が設けられており、例えば、
図2、
図4(a)、
図5(a)および
図5(c)等に示す例においては、箱状本体2内に設けた間仕切り板DPの中央下部に四角形状に開口した貫通口Pが設けられており、
図3、
図4(b)および
図5(b)に示す例においては、箱状本体2内に設けた間仕切り板DPの下部全体に亘って細長い貫通口Pが設けられている。
上記運転条件診断装置の箱状本体内に設置される間仕切り板の下部に貫通口が設けられることにより、箱状本体内で油水分離した水分を容易に流通させることができる。
【0043】
図7は、
図2に例示する運転条件診断装置1に排水を注入したときの装置の内部状態を説明するための装置の長手方向(A-A'線)に沿った垂直断面図である。
【0044】
図7に示す例においても、注入口Iから注入した排水は、注入口Iと間仕切り板DP間に規定される油水分離部Cにおいて油相Oと水Wに分離された後、水相を構成する水分については(図中の矢印に沿うように)間仕切り板DP下部の貫通口Pを通過して排出口Dから排出される。
【0045】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、排水を上記運転条件診断装置に注入する注入速度、排水に添加する凝集剤の種類および排水に添加する凝集剤の量から選ばれる一種以上の条件を変更しながら、排水を複数回運転条件診断装置に注入してもよい。
【0046】
すなわち、例えば実際の油水分離装置の運転条件に対応するように、運転条件診断装置を構成する排水の注入口から間仕切り板までの距離を変更して所定の注入速度で運転条件診断装置内に排水を注入しても油分を分離できなかった場合、上記運転条件診断装置に注入する排水の注入速度を変更したり、排水に対して各種凝集剤を添加して油分を浮上分離させたり、排水に対する凝集剤の添加量を変化させて油分を浮上分離させて油分を好適に分離し得るか否か、すなわち油水の分離の状況を評価(診断)し、最適な条件を探ることが好ましい。
【0047】
上記凝集剤を添加するために、油水分離装置の運転条件診断装置は、箱状本体に凝集剤の添加口を有するものが好ましい。
上記凝集剤の添加口は、排水の注入口とは別に併設されていてもよいし排水の注入口と同一であってもよく、排水の注入口と同一である場合、上流側で予め凝集剤を添加した状態で排水を箱状本体内に注入する。
また、凝集剤の添加口は複数設けられていてもよく、凝集剤の添加口が複数設けられていることにより油水分離部(
図7等に示す例における油水分離部C)内における凝集剤濃度の分布を容易に均一化することができる。
【0048】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、箱状本体の注入口と間仕切り板間に形成される油水分離部の底部に底上げ用の板材を敷設した状態で運転条件診断装置に排水を注入してもよい。
【0049】
上述したように、油水分離装置の底部に金属堆積物等が堆積して計算どおりに油水分離が行われない場合がある。このような場合、運転条件診断装置内に形成される油水分離部の底部に底上げ用の板材を敷設し、例えばその形状や厚みを堆積物に対応したものとすることにより、運転条件診断装置内の環境を油水分離装置(実機)内の環境に近似させることができ、より実機に近い環境下で油水分離の状況をシミュレートすることが可能となる。
【0050】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法において、油分の分離の状況については、目視で確認することもできるが、例えば、水相(
図7の例における水相W)を形成する水分のサンプルを採取してその炭化水素濃度を確認したり、油相(
図7の例における油相O)を形成する油分のサンプルを採取してその粒子径を測定することにより確認することもできる。
例えば、APIセパレーターにおいては、油滴の粒子径が150μm以上である場合に油分を好適に分離し得るとされていることから、上記油相を形成する油滴の粒子径が150μm以上であるか否かにより油分の分離の状況を確認することができる。
【0051】
本発明に係る油水分離装置の診断方法においては、運転条件診断装置が、箱状本体の側壁に油分抜出口を有するとともに、上記間仕切り板の下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板を有し、当該邪魔板の高さが、上記油分抜出口が設けられる高さ以上上記間仕切り板の高さ未満の高さであることが好ましい。
【0052】
図8は、
図2に例示する運転条件診断装置1の側面図であり、
図7に示す内部構造を破線で併記するものである。
図8に示す例においては、運転条件診断装置1が、箱状本体2の側壁に油分抜出口WSを有するとともに、間仕切り板DPの下流側にさらに排水の水位を調整するための邪魔板BPを有し、当該邪魔板BPの高さが、上記油分抜出口WSが設けられる高さとほぼ同一の高さになっている。
上記邪魔板BPの高さが油分抜出口WSが設けられる高さと同一の高さになっていることにより、油水分離部C内の排水の水位を油分抜出口WSと同一の高さに制御することができ、このために油水分離部Cの側壁に設けた油分抜出口WSから油相Oを構成する油分を簡便に抜き出すことができる。
【0053】
上記邪魔板の高さが油分抜出口が設けられる高さ未満の高さである場合には、箱状本体内(油水分離部C)の排水の水位が油分抜出口の高さよりも低くなるため油分の抜出しが困難になり、上記邪魔板の高さが間仕切り板DPの高さ以上の高さである場合には、油水分離後の水相を構成する水分の流れ(
図7に矢印で例示する貫通口Pから排出口Dに至る水分の流れ)を阻害するため水分の排出が困難になる。
【0054】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法において、箱状本体が上記邪魔板とともに油分抜出口を有することにより、箱状本体内に蓄積する油分を簡便に抜き出し得るとともに、抜き出した油分を用いて上記油滴の粒子径等を容易に測定して油分の分離の状況を確認することもできる。
【0055】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法は、APIオイルセパレーター、PPIオイルセパレーター等から選択されるいずれか一種以上の油水分離装置の診断に好適に適用することができる。
この場合、例えばPPIオイルセパレーターは、油水分離装置内に45°の角度で傾斜する多数の平行板を設置したものであることから、PPIオイルセパレーターの診断を行う場合には、上記運転条件診断装置の油水分離部(
図7に例示する油水分離部C)に同様の平行板を設置して対応した排水処理環境とすることが好ましい。
【0056】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法は、例えば、内容量10m3~1000m3の油水分離装置の診断に適用することができる。
【0057】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法においては、実際の油水分離装置を使用することなく卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置を用いて油水の分離の状況を判断し得ることから、迅速かつ簡便に、油水分離装置の運転条件の適否を診断することができる。
【0058】
次に、本発明に係る油水分離装置の運転条件診断装置について説明する。
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断装置は、排水の流入口および排出口が設けられた卓上型の箱状本体を有することを特徴とするものである。
【0059】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断装置の内容は、本発明に係る油水分離装置の運転条件診断方法の説明で詳述したとおりである。
【0060】
本発明に係る油水分離装置の診断装置は、APIオイルセパレーター、PPIオイルセパレーター等から選択されるいずれか一種以上の油水分離装置の診断に好適に使用することができる。
この場合、上述したように、例えばPPIオイルセパレーターは、油水分離装置内に45°の角度で傾斜する多数の平行板を設置したものであることから、PPIオイルセパレーターの診断を行う場合には、運転条件診断装置の油水分離部(
図7に例示する油水分離部C)に同様の平行板を設置して対応した排水処理環境とすることが好ましい。
【0061】
本発明に係る油水分離装置の運転条件診断装置は、例えば、内容量10m3~1000m3の油水分離装置の診断に適用することができる。
【0062】
本発明に係る油水分離装置の診断装置は、卓上型の箱状本体を有する油水分離装置の運転条件診断装置を用いて油水の分離の状況を判断し得ることから、迅速かつ簡便に、油水分離装置の運転条件の適否を診断することができる。
【0063】
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0064】
(実施例1)
(1)運転条件診断装置の作製
図2に対応する形態を有する上面が開口する運転条件診断装置1を作製した。
すなわち、厚さ2mmのアクリル板を用いて各々形成された、排水の注入口I、排水の排出口Dおよび油分抜出口WSが設けられた箱状本体2(縦α=20cm、横β=5cm、高さγ=8cm)と、間仕切り板DP(横5cm、高さ8cm)と邪魔板BP(横 5cm、高さ5cm)とを
図2に示すような形態に組み付けた。
上記間仕切り板DPは、
図5(a)に例示するように、設置時に箱状本体の側壁と接触する間仕切り板DPの両端部に沿って設けた樋状に湾曲する支持板S、S内に各々樹脂部材R、Rを接着剤等で固定することにより、箱状本体2の内壁面に沿って摺動自在に設置されてなるものであり、その下部に貫通口P(横3cm、高さ2cm)を有するものである。
【0065】
(2)排水の診断
上記運転条件診断装置1を用い、診断対象となる油水分離装置の仕様(排水の流通距離および装置の処理量)に対応するように、上記排水の注入口Iと間仕切り板DP間の距離が8cmになるように調整した。
次いで、純水に粒子径150μmのポリエチレン製着色粒子を分散したモデル排水を、注入口Iから速度8mL/minで注入した。
その結果、事前にストークスの式に基づいて算出したとおり、油水分離部Cにおいてポリエチレン製着色粒子を有する油相Oと水相Wに分離しており、油水分離部Cから下流側にポリエチレン製着色粒子が流出していないことを目視で確認することができた。
さらに、油相Oを構成するポリエチレン製着色粒子を、油水分離部Cの底部から5cmの高さに設けた油分抜出口WSより流出させて採取することができた。
【0066】
(実施例2)
実施例1の(2)排水の診断において、モデル排水に代えて製油所の実排水を用いた以外は、実施例1と同様の条件で運転条件診断装置1内に排水を注入し、排出した。上記実排水は、JIS法に準拠した方法で測定したときに、n-ヘキサン含有濃度が500mg/Lであるものである。
このとき、油分抜出口WSから抜き出した油滴の粒子径を(株)島津製作所社製粒度分布装置で測定したところ150μm以上であり、水相Wから抜き出した水分中には粒子径150μm以上の油滴は確認されなかった。このため、事前にストークスの式に基づいて算出したとおり、油水分離部Cにおいて油相Oおよび水相Wに分離できていることを確認することができた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、迅速かつ簡便に、油水分離装置の運転条件の適否を診断する油水分離装置の運転条件診断方法および油水分離装置の運転条件診断装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 油水分離装置の運転条件診断装置
2 箱状本体
11 石油系排水
11a バッファタンク12からの流出水
11b 一次処理水
11c 活性汚泥処理水
11d 処理水
11e 固体沈殿物を含むスラリー
12 バッファタンク
13 一次処理手段
13A 油水分離装置
13B 凝集加圧装置
13C 貯留タンク
I 注入口
C 油水分離部
DP 間仕切り板
P 貫通口
BP 邪魔板
D 排出口
WS 油分抜出口
O 油相
W 水相
R、R1、R2 樹脂部材
S、S1、S2 支持板