(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ハウジングの外面の共通領域に複数の画像を投射するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61C 17/22 20060101AFI20220825BHJP
G09F 13/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
A61C17/22 E
G09F13/00 W
G09F13/00 S
A61C17/22 B
(21)【出願番号】P 2018549332
(86)(22)【出願日】2017-03-21
(86)【国際出願番号】 IB2017051615
(87)【国際公開番号】W WO2017163173
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-03-18
(32)【優先日】2016-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フークツ,マリニュス アルノルデュス マルティニュス
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-539542(JP,A)
【文献】実開昭63-177891(JP,U)
【文献】特表2015-523592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0195614(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/22
G09F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に配置される複数の光源と、
前記ハウジング内で前記複数の光源の各光源の周りに配置され、前記複数の光源から放射される光を前記ハウジングの外面にある共通領域に方向付けるよう前記複数の光源に対応する複数のチャンバを含む、マスクと、
前記複数の光源と前記ハウジングの前記外面との間に配置される前記複数の光源に対応する複数の画像源とを含み、
前記複数の光源の各光源から放射される光は、前記ハウジングの前記外面に達する前に対応する画像源に達し、前記ハウジングの前記外面にある前記共通領域に対応する画像を投射し、
前記複数の光源は、前記ハウジング内の平坦な基板の上に配置され、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源の光学軸は、前記平坦な基板に対して直交し、前記複数の光源の残りの光源の光学軸は、前記平坦な基板に対して角度付けられる、
動力デバイス。
【請求項2】
前記複数の光源は、前記ハウジング内の平坦な基板の上に配置される、請求項1に記載の動力デバイス。
【請求項3】
前記複数の光源は、限定的な角度依存強度プロファイルを有する発光ダイオードである、請求項1に記載の動力デバイス。
【請求項4】
前記複数の光源のうちの1つ又はそれよりも多くの光源から光を選択的に放射して、前記複数の画像源の異なる画像を前記ハウジングの前記外面にある前記共通領域に選択的に投射する、ように構成される、コントローラを更に含む、請求項1に記載の動力デバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、前記複数の光源のうちの2つ又はそれよりも多くの光源から光を放射して、前記ハウジングの前記外面にある前記共通領域に混合画像を投射する、ように構成される、請求項4に記載の動力デバイス。
【請求項6】
前記コントローラは、(i)前記複数の画像源の第1の画像に対応する前記複数の光源のうちの第1の光源から放射される光をフェードアウトし且つ(ii)前記複数の画像源の第2の画像に対応する前記複数の光源のうちの第2の光源からの光をフェードインして、前記ハウジングの前記外面にある前記共通領域に前記第1の画像から前記第2の画像へのフェード効果を創り出す、ように構成される、請求項4に記載の動力デバイス。
【請求項7】
ハウジングの表面に画像を選択的に表示する方法であって、
(i)複数の光源と、(ii)該複数の光源の各光源の周りに配置され、前記複数の光源から放射される光を前記表面にある共通領域に方向付けるよう前記複数の光源に対応する複数のチャンバを含む、マスクと、(iii)前記複数の光源と前記表面との間に配置される前記複数の光源に対応する複数の画像源とを含む、ハウジングを提供するステップと、
前記複数の光源のうちの第1の光源から光を放射させるステップとを含み、
該放射される光は、前記表面に達する前に対応する第1の画像源に達し、前記表面にある前記共通領域に対応する第1の画像を投射し、
前記複数の光源は、前記ハウジング内の平坦な基板の上に配置され、前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源の光学軸は、前記平坦な基板に対して直交し、前記複数の光源の残りの光源の光学軸は、前記平坦な基板に対して角度付けられる、
方法。
【請求項8】
前記複数の光源のうちの第2の光源から光を放射させるステップを更に含み、
該放射される光は、前記表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、前記表面にある前記共通領域に対応する第2の画像を投射し、前記第1の画像と前記第2の画像との組み合わせは、前記表面にある前記共通領域で混合画像を創り出す、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光源から光をフェードアウトさせるステップと、
前記複数の光源のうちの第2の光源から光をフェードインさせるステップとを含み、
前記放射される光は、前記表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、前記表面にある前記共通領域に対応する第2の画像を投射して、前記ハウジングの前記
表面にある前記共通領域で前記第1の画像から前記第2の画像へのフェード効果を創り出す、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
光が前記第1の光源から放射されるのを停止させるステップと、
光が前記複数の光源のうちの第2の光源から放射されるのを停止させるステップとを含み、
前記放射される光は、前記表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、前記表面にある前記共通領域に対応する第2の画像を投射して、前記表面にある前記共通領域で前記第1の画像から前記第2の画像への切替えを創り出す、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の画像及び前記第2の画像は形状が同じであり、
前記第1の光源は、第1の色の光を放射するように構成され、
前記第2の光源は、第2の色の光を放射するように構成され、前記第1の色は、前記第2の色とは異なり、
前記第1の画像から前記第2の画像への前記切替えは、前記投射される画像の色の変化をもたらす、
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、1以上(1つ又はそれよりも多く)の画像をハウジングの外面の共通領域に投射するよう、ハウジング内の複数の光源から放射される光をそれぞれの複数の画像源を通じて方向付ける、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子デバイスのための幾つかの種類のディスプレイシステムが存在する。例えば、動力歯ブラシ用の従来的なディスプレイシステムは、レーザアブレーションによって創成される白色又は有色ディスプレイを含む。電子デバイス用の他のディスプレイシステムは、例えば、目覚まし時計の面にある白色又は赤色に投射されるディスプレイを含む。
【0003】
しかしながら、そのようなディスプレイシステムは、ディスプレイ動力学(display dynamics)において制限され且つ/或いは比較的大きな「ユーザインターフェース領域(user interface real estate)」を使用し、ディスプレイシステム要素の各々は、互いに隣接して別々に投射されることに制限される。従来的なディスプレイシステムは、複数のアイコン又は他のデザインを(白色又は有色被覆された/塗装された)デバイスの全く同じスポット又は共通領域に表示する能力を決して提供しない。これは、特に、特定の電動手持ち式デバイス上のような限定的な「ユーザインターフェース領域」を備える単一デバイスの表面に複数のアイコンを表示したい状況において、問題となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、当該技術分野には、1以上の画像をハウジングの外面の共通領域に投射するよう、ハウジング内の複数の光源から放射される光をそれぞれの複数の画像源を通じて方向付ける、システム及び方法の必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、白色又は有色に塗装された本体であり得るハウジングの外面の1つの共通領域に(同時に又は順次式に)1以上の画像を投射するよう、マスクによって形成される複数のチャンバ(それらのうちの1以上は角度付けられてよい)を通じて並びにそれぞれの複数の画像源を通じてハウジング内の複数の光源から放射される光を方向付ける、発明的なシステム及び方法に向けられている。例えば、第1及び第2の投射される画像の組み合わせは、表面にある共通領域で動的な混合画像を創り出すことができる。代替的に、第2の画像が共通領域でフェードイン(溶明)(fades in)する間に、第1の画像は共通領域でフェードアウト(溶暗)(fade out)することができる。更に、共通領域への第1の画像の投射の停止後、表面にある共通領域に第2の画像を投射することができる。積み重ねられた画像/アイコンを多色で投射することもできる。投射は外側ハウジングの「スキン(skin)」で起こることができ、スキンは(当業者がこの開示の検討と共に理解するはずであるような)塗料又は艶消しテクスチャ等によって創り出される。
【0006】
ハウジングは、動力歯ブラシを含む歯科/口腔ケアデバイス及びヘルスケアデバイスのような任意の(手持ち式又は非手持ち式)動力デバイスの部分であることができる。本明細書中の実施形態及び実施を使用するならば、例えば、歯磨き挙動及び歯の洗浄を実質的に改良することができ、ユーザは、自分の動力歯ブラシの状態に関する情報をいつも入手していることができる。
【0007】
幾つかの実施形態では、画像はハウジングの外面に投射させられることができ、それは(ハウジングが少なくとも部分的に湾曲する)ハウジングの湾曲した外面の周りに少なくとも部分的に巻き付く。この「巻き付き(wrapping)」構成は、複数の光源から放射される光を発散式にハウジングの湾曲した外面にある別個の領域に方向付けるマスク構成によって達成されることができる。別の言い方をすれば、光源の各々を収容するチャンバを取り囲んで形成するマスクをハウジング内で特定の方法/構成において角度付けて、(部分的には、ハウジングの湾曲した外面にある別個の領域に画像源に対応する画像を投射することによって)「巻き付き」構成を提供することができる。
【0008】
一般的には、1つの態様において、動力デバイスは、動力歯ブラシと、ハウジング内に配置される複数の光源と、ハウジング内で複数の光源の各光源の周りに配置され、複数の光源から放射される光をハウジングの外面にある共通領域に方向付けるよう複数の光源に対応する複数のチャンバを含む、マスクと、複数の光源とハウジングの外面との間に配置される複数の光源に対応する複数の画像源とを含み、複数の光源の各光源から放射される光は、ハウジングの外面に達する前に対応する画像源に達して、ハウジングの外面にある共通領域に対応する画像を投射する。
【0009】
ある実施形態によれば、複数の光源は、前記ハウジング内の平坦な基板の上に配置される。
【0010】
ある実施形態によれば、複数の光源は、限定的な角度依存強度プロファイルを有する発光ダイオードである。
【0011】
ある実施形態によれば、動力デバイスは、複数の光源のうちの1つ又はそれよりも多くの光源から光を選択的に放射して、複数の画像源の異なる画像をハウジングの外面にある共通領域に選択的に投射する、ように構成される、コントローラを更に含む。
【0012】
ある実施形態によれば、コントローラは、複数の光源のうちの2つ又はそれよりも多くの光源から光を放射して、ハウジングの外面にある共通領域に混合画像を投射する、ように構成される。
【0013】
ある実施形態によれば、コントローラは、(i)複数の画像源の第1の画像に対応する複数の光源のうちの第1の光源から放射される光をフェードアウトし且つ(ii)複数の画像源の第2の画像に対応する複数の光源のうちの第2の光源からの光をフェードインして、ハウジングの外面にある共通領域に第1の画像から第2の画像へのフェード効果を創り出す、ように構成される。
【0014】
一般的には、1つの態様では、動力デバイスが、湾曲した外面を有するハウジング内に配置される複数の光源と、ハウジング内で複数の光源の各光源の周りに配置され、複数の光源から放射される光を発散式にハウジングの湾曲した外面にある別個の領域に方向付けるよう複数の光源に対応する多数のチャンバを含む、マスクと、複数の光源とハウジングの湾曲した外面との間に配置される複数の光源に対応する複数の画像源とを含み、複数の光源の各光源から放射される光は、ハウジングの湾曲した外面に達する前に対応する画像源に達し、ハウジングの湾曲した外面にある別個の領域に対応する画像を投射する。
【0015】
ある実施形態によれば、複数の光源は、ハウジング内で平坦な基板の上に配置される。
【0016】
ある実施形態によれば、複数の光源は、限定的な角度依存強度プロファイルを有する発光ダイオードである。
【0017】
ある実施形態によれば、ハウジングの湾曲した外面に投射される複数の画像は、湾曲した外面に巻き付く組み合わせられた画像をもたらす。
【0018】
一般的に、1つの態様では、ハウジングの表面に画像を選択的に表示する方法が、(i)複数の光源と、(ii)複数の光源の各光源の周りに配置され、複数の光源から放射される光を表面にある共通領域に方向付けるよう複数の光源に対応する複数のチャンバを含む、マスクと、(iii)複数の光源と表面との間に配置される複数の光源に対応する複数の画像源とを含む、ハウジングを提供するステップと、複数の光源のうちの第1の光源から光を放射させるステップとを含み、放射される光は、表面に達する前に対応する第1の画像源に達し、表面にある共通領域に対応する第1の画像を投射する。
【0019】
ある実施形態によれば、方法は、複数の光源のうちの第2の光源から光を放射させるステップを更に含み、放射される光は、表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、表面にある共通領域に対応する第2の画像を投射して、第1の画像と第2の画像との組み合わせは、表面にある共通領域で混合画像を創り出す。
【0020】
ある実施形態によれば、方法は、第1の光源から光をフェードアウトさせる(fade-out)ステップと、複数の光源のうちの第2の光源から光をフェードインさせる(fade-in)ステップとを更に含み、放射される光は、表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、表面にある共通領域に対応する第2の画像を投射して、ハウジングの外面にある共通領域で第1の画像から第2の画像へのフェード効果(fade effect)を創り出す。
【0021】
ある実施形態によれば、方法は、光が前記第1の光源から放射されるのを停止させるステップと、光が複数の光源のうちの第2の光源から放射されるのを停止させるステップとを更に含み、放射される光は、表面に達する前に対応する第2の画像源に達し、表面にある共通領域に対応する第2の画像を投射して、表面にある共通領域で第1の画像から第2の画像への切替え(switch)を創り出す。
【0022】
ある実施形態によれば、第1の画像及び第2の画像は形状が同じであり、第1の光源は、第1の色の光を放射するように構成され、第2の光源は、第2の色の光を放射するように構成され、第1の色は、第2の色とは異なり、第1の画像から第2の画像への切替えは、投射される画像の色の変化をもたらす。
【0023】
本開示の目的のために本明細書で使用するとき、「LED」という用語は、電気信号に応答して放射(radiation)を生成することができる任意のエレクトロルミネッセントダイオード(electroluminescent diode)又は他の種類のキャリア注入/結合ベースのシステム(carrier injection/junction-based system)を含むように理解されるべきである。よって、LEDという用語は、電流、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)、レーザダイオード、エレクトロルミネセントストリップ、及び同等物に応答して光を放射する、様々な半導体ベースの構造を含むが、これらに限定されない。LEDという用語は、LEDの物理的及び/又は電気的なパッケージタイプを限定しないことも理解されるべきである。
【0024】
「光源」という用語は、(上述のような1以上のLEDを含む)LEDベースの光源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気、及びメタルハライドランプ)、レーザ、並びに他の種類のエレクトロルミネセンス光源を含む、様々な種類の放射源のうちの任意の1以上を指すように理解されるべきであるが、それらに限定されない。
【0025】
本開示の目的のために本明細書で使用するとき、「コントローラ」という用語は、一般的には、ストリームプローブ装置、システム、又は方法の動作に関する様々な装置を記載するために使用される。コントローラは、本明細書で議論する様々な機能を実行するために、(例えば、専用ハードウェアを用いてのような)多数の方法で実施されることができる。「プロセッサ」は、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用して本明細書で議論する様々な機能を実行するようプログラムされてよい1以上のマイクロプロセッサを利用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを利用して或いはプロセッサを利用しないで実施されてよく、幾つかの機能を実行する専用ハードウェアと他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連する回路構成)との組み合わせとして実施されてもよい。本開示の様々な実施形態で利用されてよいコントローラコンポーネントの例は、従来的なマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0026】
様々な実施では、プロセッサ又はコントローラが、(本明細書では「メモリ」、例えば、揮発性及び不揮発性コンピュータメモリと概ね呼ぶ)1以上の記憶媒体と関連付けられてよい。幾つかの実施において、記憶媒体は、1以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されるときに、本明細書で議論する機能の少なくとも一部を実行する1以上のプログラムで符号化されてよい。様々な記憶媒体は、本明細書で議論する本開示の様々な態様を実施するために、その上に格納される1以上のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードすることができるよう、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてよく或いは輸送可能であってよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書では、1以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために利用することができる任意の種類のコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す一般的な意味において使用されている。
【0027】
「ユーザインターフェース」という用語は、本明細書で使用するとき、人間のユーザ又はオペレータと、ユーザと(複数の)デバイスとの間の通信を可能にする1以上のデバイスとの間のインターフェースを指す。本開示の様々な実施形態において利用されてよいユーザインターフェースの例は、スイッチ、ポテンシオメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、トラックボール、ディスプレイスクリーン、様々な種類のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロホン、及び何らかの形態の人間によって生成される刺激を受信し、それに応答して信号を生成することがある、他の種類のセンサを含むが、それらに限定されない。
【0028】
前述の着想及び以下により詳細に議論する追加的な着想の全ての組み合わせは、(そのような着想が相互に矛盾しないことを条件として)、本明細書に開示する発明的な主題の部分であると想定されることが理解されるべきである。具体的には、この開示の最後に現れる請求する主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示する本発明の主題の一部であると考えられる。
【0029】
本発明の態様及び他の態様は、以下に記載される(複数の)実施形態から明らかであり、以下に記載される(複数の)実施形態を参照して解明される。
【0030】
図面において、同等の参照符号は、一般的には、異なる図を通じて同じ部分を指している。また、図面は必ずしも縮尺通りでなく、一般的には、むしろ本発明の原理を例示する強調が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力歯ブラシの剛毛側の図である。
【0032】
【
図2】ある実施形態に従った
図1のA-A線に沿って取られた動力歯ブラシの本体部分/ハンドル内の投射ディスプレイシステムの断面図である。
【0033】
【
図3A】ある実施形態に従った1つの方向におけるLED光源の角度依存強度プロファイルの図式的な例示である。
【0034】
【
図3B】ある実施形態に従った他の方向におけるLED光源の角度依存強度プロファイルの図式的な例示である。
【0035】
【
図4A】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図4B】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図4C】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【0036】
【
図5A】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図5B】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図5C】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図5D】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【0037】
【
図6A】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図6B】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【
図6C】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムを有する動力デバイスの概略図である。
【0038】
【
図7】ある実施形態に従った動力歯ブラシの投射ディスプレイシステムの概略図である。
【0039】
【
図8】ある実施形態に従ったハウジングの表面に画像を選択的に表示する方法のフローチャートである。
【0040】
【
図9A】ある実施形態に従った数字「97」の画像を示すディスプレイを備える動力デバイスハウジングの図である。
【0041】
【
図9B】ある実施形態に従ったハウジングの湾曲した外面の回りに少なくとも部分的に巻き付けられた数字「93」の画像を示すディスプレイを備える動力デバイスハウジングの図である。
【0042】
【
図9C】ある実施形態に従った
図9Bに示す動力デバイスハウジング内の投射ディスプレイシステムの断面図である。
【0043】
【
図10A】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムのマスク部分のアセンブリ及び射出成形の実施形態の概略図である。
【
図10B】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムのマスク部分のアセンブリ及び射出成形の実施形態の概略図である。
【
図10C】ある実施形態に従った投射ディスプレイシステムのマスク部分のアセンブリ及び射出成形の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示は、ハウジング内のマスクによって形成されるチャンバ内の複数の光源の構成に基づいて、ハウジングの外面の共通領域上に1つ又はそれよりも多く(1以上)の画像を投射することに向けられている。画像を投射して、積み重なったアイコン/画像を創り出すことができる。ある個々のスポットに直角に画像を投射する代わりに、アイコン/画像は、追加的なレンズを用いて或いは用いないで、特定の個々の角度投射を創り出すことによって、ハウジングの表面にある1つの同じスポットに同じ色又は異なる色で投射される。角度ディスプレイマスクは、角度投射を容易にすることができる。本明細書中の様々な実施形態及び実施を使用するならば、共通領域上の投射される画像は、ユーザの利益のための歯磨き情報/表示を含むことができる。
【0045】
本明細書中の実施形態及び実施の利用の特定の非限定的な目的は、動力歯ブラシ(power toothbrush)、例えば、(Koninklijke Philips Electronics, N.V.によって製造される)Philips Sonicare(TM)歯ブラシのユーザに歯磨き情報/表示を提供することである。そのような情報は、例えば、エラー又は警報メッセージ(例えば、交換/充電される予定のバッテリ、ブラシヘッドの交換)、動力歯ブラシの適切な使用に関する指示又は表示、タイマ、知覚結果メッセージ(例えば、完全に洗浄された歯、部分的に洗浄された歯、良好な歯磨き挙動、不十分な歯磨き挙動、歯垢形成)に関連し得る。他の実施形態及び実施によれば、例えば、(当業者がこの開示の検討と共に理解するはずであるような)本明細書に記載する構成及び機能性を組み込むことができる関連情報/表示を、任意の(手持ち式の及び非手持ち式の)電動医療デバイス、歯科デバイス、シェービングデバイス、グルーミングデバイス、母子ケアデバイスのユーザに提供することができる。
【0046】
実施形態の利点は、投射ディスプレイシステム200(projected display system)を含む例示的な動力歯ブラシ100の実施形態の以下の記載によって例示される。しかしながら、この明細書において列挙される特定のコンポーネント、その用途、機能性及び量、並びに他の条件及び詳細は、当該技術分野において広く当て嵌まるように解釈されるべきであり、本発明を如何様にも過度に制限し或いは限定するように解釈されてならない。
【0047】
図1を参照すると、ある実施形態に従った動力歯ブラシの剛毛側の図が示されている。概ね100で示す動力歯ブラシは、一般的には、本体部分112、ネック部分114、及び剛毛117を備えるブラシヘッド部分116を含む。本体部分/ハンドル112は、駆動アセンブリ/回路118、制御ユニット120、及び歯の効果的な洗浄に適したブラシヘッド運動を生成するための電源122(例えば、バッテリ又は電源コード)を含む。例示的な要素は、表象的に示されている。何故ならば、それらは動力歯ブラシの技術において従来的であるからである。歯ブラシ自体の動作は、オン/オフスイッチ124によって制御される。
図1に示す特定の構成及び配置は一例であるに過ぎず、以下に開示する実施形態の範囲を限定しない。
【0048】
動力歯ブラシ100は、歯ブラシ上又は内に配置される1以上(1つ又はそれよりも多く)のセンサ126を含むことができる。センサ126は、
図1では、本体部分/ハンドル112の頂部付近に示されているが、歯磨き情報を感知するために、例えば、ネック部分114又はブラシヘッド部分116を含む、デバイス上のどこに配置されてもよい。プロセッサ130が、好ましくは、歯ブラシ内に配置されて、センサ126から得られるセンサ情報を処理するように構成される。歯ブラシ上に配置されてよく、歯ブラシ上及び/又は内の(
図4~
図7を参照して以下に更に議論する)投影されるディスプレイシステム200と関連付けられてよい、ディスプレイ領域140が、プロセッサに応答することができ、歯磨き情報/表示をユーザに伝達するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、情報の更なる分析のために、歯磨き情報を格納するための記憶システム/メモリ132が含められてよい。
【0049】
多くの種類のセンサを本開示と共に使用することができる。幾つかの実施形態では、例えば、力センサを使用して、歯に対して加えられる剛毛の圧力、荷重、又は力を検出することができる。そのような力センサは、例えば、ホール効果センサ又は他の既知の機械的若しくは磁気的センサを含む、様々な形態を取ることができる。他の実施形態では、歯垢検出センサを使用して、歯の歯垢の存在を検出することができる。例えば、圧力センサが、歯科表面を特徴付けるために歯科表面に適用される空気からのフィードバックを測定するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、歯肉検出センサを使用して、剛毛セットが歯ではなく歯肉を歯磨きしているか否かを検出することができる。更なる実施形態では、MEMS(微小電気機械システム)ジャイロスコープ及び加速度計をブラシヘッド上に位置付けて、動作中の口の間のブラシヘッドの回転速度及びブラシヘッドの向きを検出することができる。他の実施形態では、赤外線センサを使用して、ユーザの口内の剛毛セットの位置を決定することができる。特定の形態のセンサは、センサが正確である限り、本システムの本質的な部分ではない。
【0050】
図2を参照すると、
図1のA-Aに沿って取られた、本体部分/ハンドル112内の投影されるディスプレイシステム200の断面図が示されている。投射ディスプレイシステム200は、平坦な表面又は基板209上のハウジング205内に位置付けられた1以上のLED光源202A,202B,202Cを含む。代替的に、基板209は、例えば、フレキシブルPCBAのような、湾曲した基板であり得る。LED光源202A,202B,202Cの各々は、それぞれの長手方向アクセス213A,213B,213Cを含み、各々のそれぞれのLED光源202A,202B,202Cのためのチャンバ207A,207B,207Cを形成するハウジング205内のマスク204によって取り囲まれている。チャンバ207A及び207Cは、各LED202A及び202Cの位置からチャンバ207Bに向かってそれぞれの長手軸213A及び213Cに対してある角度に位置付けられている。チャンバ207Bは、長手方向アクセス213Bに対してある角度に位置付けられて示されていない。図示しないが、それぞれの画像源を通じて複数のLEDから放射される光に従って投射される画像212が(
図2に216として示す)ハウジング205の外面上の(完全に別個の位置にない)共通領域に形成される限り、角度付けられたチャンバ及び角度付けられないチャンバの様々な組み合わせが想定される。代替的に、共通領域は、ハウジング205の別個のパネル、オン/オフノブ又は(当業者がこの開示の検討と共に理解するはずであるような)他の機能ノブであることができる。
【0051】
図2に更に示すように、各LED光源202A及び202Cは、それぞれの角度付けられたチャンバ207A及び207C内に配置されて、LED光源202A及び202Cから放射される光214A及び214Cを、それぞれの画像源(例えば、箔)206A及び206Cを通じて、それぞれの長手軸213A及び213Cに対してある角度で投射する。角度付けられたチャンバ207A及び207Cは、LED光源202A及び202Cから放射される光を、それぞれの長手軸に対する基準角で案内するように形成される。各LED光源202A及び202Cは、角度付けられたチャンバ207A及び207C内の(好ましくは、角度付けられたチャンバ207A及び207Cの同じ方向において)それぞれの長手軸213A及び213Cに対して角度付けられた表面又は基板上に位置付けられることもできる。LED光源202Bは、チャンバ207B内に位置付けられて、LED光源202Bから放射される光を、画像206Bを備える箔を通じて、長手方向アクセス213Bの各々に沿って方向付ける。LED光源202A,202B,202Cの各々から放射される光は、キャリア208及び塗装システム210を通過して、対応するそれぞれの投射される画像212を、(追加的に又は任意的に上記で議論したような角度付けられた表面を介した)角度付けられたチャンバ207A及び207C並びに角度付けられないチャンバ207Bの構成の関数として、ハウジング205の外面にある1つの共通領域216上に形成する。
【0052】
ある実施形態によれば、それぞれの複数の箔を通じて複数のLED光源から放射される光を介して共通領域上に画像を形成/投射することができるが、LED光源のうちの1つ(さもなければ全てよりも少ないLED光源)によって共通領域上に画像を形成/投射することが想定される。
【0053】
更なる実施形態によれば、追加的な投射される画像の選択肢を1つの共通領域又は別個の共通領域に提供して追加的な表示(例えば、低バッテリ)を提供する目的のために、それぞれの追加的な角度付けられたチャンバ及びそれぞれの追加的な箔内の追加的なLED光源が想定される。その上、(積み重ねられた、部分的に積み重ねられた、或いは並置された)複数のLED及び/又は複数の箔を1以上のチャンバと関連付けることができ、箔の各々を同じとき又は異なるときに利用することができることが想定される。
【0054】
他の実施形態によれば、混ぜられたLED光源投射(mixed LED light source projections)間の最大の光強度/輝度均一性(light intensity/brightness evenness)を達成することができるよう、LED光源が2つの方向において制限された角度依存強度プロファイルと共に使用されることが有利であり得る。
図3A及び
図3Bを参照すると、2つの方向におけるLED光源の角度依存強度プロファイル及び投射される画像/アイコン強度に対する効果の図式的例示が示されている。画像を投射するために使用される放射される光の指向性(directivity)が相対強度(relative intensity)に対して示されており、マスキング箔(masking foil)のレベル、白色半透明ラッカー(while semi-transparent lacquer)のレベル、及び投射されたアイコン/画像のプロファイル/幅が示されている。特に30度範囲の発光角度が、有利な最大の光強度/輝度均一性のために理想的なものとして示されており、それは最も広く最も有利な投射されるアイコン/画像プロファイルをもたらす。この30度範囲を超えるものは、依然として使用することができるが、相対輝度(relative brightness)の低下を示す。
【0055】
例えば、
図3Aに示すように、混ぜられたLED光源投射間の最大光強度/輝度均一性を維持しながら、可能な投射されるアイコン/画像の最も広いプロファイルを得るために、LED光源をゼロ位置から1つの平面内で1つ方向に又は他の方向に15度だけ角度付けることができ(この場合、ゼロ位置は、LED光源202Bが長手軸214Bに沿うような共通領域に直接的に向けられ、LED光源202A及び202Cは、例えば、それぞれの長手軸214A及び214Cから15度未満に角度付けられて、共通領域216に向けられることができ)、それは各LED光源の理想的な相対強度プロファイルを90%~100%の間に維持する。上述のように、それぞれのチャンバ207A及び207Cの角度、共通領域から(
図2で見るときの左又は右への)LEDの距離、及び(角度付けられているにせよ角度付けられていないにせよ)LED光源202A及び202Cが位置付けられる表面は、それぞれ、各LED光源202A及び202Cの相対強度プロファイルに影響を及ぼす。
【0056】
上記で議論した動力歯ブラシ投射ディスプレイシステム200の構造的構成及び機能性は、複数のディスプレイ構成を可能にし、(上述のように)動力歯ブラシのユーザに様々な歯磨き情報/表示を提供する。
【0057】
図4A~
図4Cを参照すると、動力デバイス(パワーデバイス)(power device)の管状本体の同じ共通領域に表示された複数の連続するアイコン/画像が示されている。例えば、本体部分/ハンドル112は、
図4Aにおける「オフ」位置にあるディスプレイ領域140を含む。
図4Bにおいて、アイコン/画像1(上向き矢印)は、ディスプレイ領域140で投射されて、ディスプレイ領域140上にあるように示されている。
図4Cでは、別個のアイコン/画像2(稲妻)が、ディスプレイ領域140に投影されて、ディスプレイ領域140条にあるように示されている。アイコン/画像1がオフにされた後にディスプレイ領域140でアイコン/画像2を投射することができ、逆も同様である 。
【0058】
図5A~
図5Dを参照すると、動力デバイスの管状本体の同じ共通領域上に表示される褪色する(fading)/移行する(transitioning)アイコン/画像が示されている。例えば、本体部分/ハンドル112は、
図5Aの「オフ」位置にあるディスプレイ領域140を含む。
図5Bでは、アイコン/画像1(上向き矢印)が、ディスプレイ領域140上に投射されて、ディスプレイ領域140上にある。
図5Cでは、異なるアイコン/画像2(右に面する矢印)が、ディスプレイ領域140に投射されて、ディスプレイ領域140上にある。しかしながら、アイコン/画像2は、アイコン/画像1の部分を保持し、よって、アイコン/画像1と異なるアイコン/画像2の部分は、関連するアイコン/画像2に漸進的に褪色し或いは移行することができる。同様に、
図5Dでは、アイコン/画像3が、アイコン/画像1及び/又はアイコン/画像2の部分を保持して示されており、よって、アイコン/画像1又はアイコン/画像2とは異なるアイコン/画像3の部分は、関連するアイコン/画像3に漸進的に褪色し或いは移行することができる。
図5B及び
図5Dに示すようなアイコン/画像の退色(fading)又は移行(transition)の順序は異なることができ、各々のアイコン/画像の色は、他のアイコン/画像の色に褪色し或いは移行することができる。
【0059】
図6A~
図6Cを参照すると、合体する(merging)/混合する(blending)アイコン/画像が、動力デバイスの管状本体の同じ共通領域に表示されて、示されている。例えば、本体部分/ハンドル112は、
図6Aの「オフ」位置にあるディスプレイ領域140を含む。
図6Bでは、アイコン/画像1(等号)が、ディスプレイ領域140に投射されて、ディスプレイ領域140上にあるように示されている。
図6Cでは、追加的なアイコン/画像2(スラッシュ)が、ディスプレイ領域140でアイコン/画像1の上に投射されて、アイコン/画像1上にあるように示されている。アイコン/画像のうちの1つのアイコン/画像の色は、他のアイコン/画像の色と合体/混合することができる。
【0060】
アイコン/画像の多数の例示的な実施形態が本明細書に示され且つ記載されているが、動力デバイスのユーザにデバイス又はその使用に関する情報/表示を提供することができる多くの他のアイコン/画像が想定される。更に、上記で議論したアイコン/画像と同様に、単一色、退色若しくは移行色、及び/又は結合色又は混合色が、想定される情報/表示を提供することができる。
【0061】
図7を参照すると、投射ディスプレイシステム200の基本的な制御コンポーネントの概略図が提供されている。本明細書で議論するように、投射されるディスプレイ200は、動力デバイスのハウジング内の1以上のLED光源から放射される光を、複数の画像源を通じて方向付けて、1以上の画像をハウジングの外面の共通領域の上に投射するように、プログラムされることができ且つ/或いは構成されることができる。ある実施形態によれば、投射ディスプレイシステム200の制御コンポーネントは、情報/データを分析し、投射ディスプレイシステム200又は(当業者が本開示の検討と共に理解するはずであるような)本明細書に記載する機能及び方法を実行すると理解されることがあるような外部コンポーネント/デバイスに情報、データ及び/又は命令(制御信号)を送信し/それらから情報、データ及び/又は命令(制御信号)を受信するようにプログラムされ且つ/或いは構成される、コントローラ142を含むことができる。本明細書に記載する機能及び方法を実行するためにコントローラ142によって分析されることができる且つ/或いは使用されることができる情報/データは、1以上のセンサコンポーネントから受信されることができ、コントローラ142は、1以上のセンサから受信される(そして、以後に任意的に分析される)情報/データの結果として(本明細書に記載するような)ハウジングの外面の共通領域の上への1以上の画像の投射をもたらすようにプログラムされることができる且つ/或いは構成されることができる。
【0062】
更なる実施形態によれば、投射ディスプレイシステム200の制御コンポーネントは、例えば、センサ126、電源144、及びディスプレイ140を含むこともできる。電源144は、歯ブラシのための電源122と同じであってよく、或いは別個の電源であることができる。センサ126は、本明細書に記載されるセンサ又は本明細書で他に想定されるセンサのいずれであることができ、歯磨きセッション中のユーザの口の1以上の態様に関するセンサデータを取得するようにプログラムされ且つ/或いは構成される。例えば、センサは、歯表面、歯垢レベル、歯磨き領域、歯磨き強度、歯磨き角、全体的な歯磨きの有効性、及び/又は本明細書の他の箇所に記載するような歯科衛生の広範な他の態様に関する情報/データを取得してよい。センサデータは、動力歯ブラシ100自体の動作状態(オン/オフ状態、正常状態、異常状態、バッテリ寿命、及びモータの速さ)並びに他の関連データに関連してもよい。
【0063】
コントローラ142は、リアルタイムに又は定期的にセンサ126からセンサデータを受信することができる。例えば、センサ126は、格納及び/又は分析のためにコントローラ142にセンサデータの一定のストリームを送信してよく、或いはコントローラ142にそれを送信する前にデータを一時的に格納して集計又は処理してよい。ひとたびコントローラによって受信されると、歯磨きセッションからのセンサデータをプロセッサ150によって処理することができる。プロセッサ150は、プロセッサ130と同じであってよく、或いは別個のプロセッサであることができる。ある実施形態によれば、処理は、(i)更なる分析のためにセンサデータを正規化するか或いは他の方法で処理するステップ、(ii)(当業者が本開示の検討と共に理解するはずであるように動力歯ブラシ100に入力することができる)格納される事前プログラムされた或いはユーザによって定められた歯磨き標準をメモリ132から検索するステップ、(iii)センサデータを検索される標準と比較するステップ、(iv)検索される標準から(予め定められた閾値を超えて)十分に異なる任意のセンサデータがあるか否かを決定するステップ、(v)異なるセンサデータが格納される標準に基づいてユーザへの出力を引き起こすか否かを決定するステップ、及び(vi)センサデータを引き起こすことに関するディスプレイ140への投射の形態においてユーザにデータを出力するステップを含む。換言すれば、センサデータを予めプログラムされた標準と比較して、特定の画像がハウジングの外面の共通領域(例えば、ディスプレイ領域140)に投射されるべきか否かを決定することができる。加えて、ディスプレイ領域140上の特定の画像の投射のタイミングは、リアルタイム又は定期的であることができる。
【0064】
一例として、センサデータは、歯磨き強度、又はユーザが自分の歯をどれぐらい強く、どれぐらい軟らかく、或いはどれぐらい効果的に歯磨きしているかに関する情報であることができる。コントローラ142は、センサデータを使用して、ユーザが自分の歯をどれぐらい強く歯磨きしているかを決定することができる。プロセッサ150は、事前プログラムされた歯磨き強度レベルをメモリ132から引き出し、それを取得されるセンサデータと比較して、ユーザが自分の歯を十分に強く歯磨きしていないことを決定することができる。換言すれば、センサデータから得られる強度レベルは、そのユーザ及び/又はその時刻についての強度レベルの所定の最小閾値の下にある。例えば、異なるユーザ及び異なる時刻又は異なる曜日は、異なる歯磨き強度レベルを要求することがあり、これらの各々は、適切な呼び起こし(recall)のためにメモリ132内に格納されることができる。クロック152は、歯磨き時間、持続時間、及び日付を決定するためにコントローラ142によって利用されてよく、メモリ132から適切な標準を呼び起こすためにコントローラ142によって利用されてよい。プロセッサ150は、格納される情報に基づいて、不適切な歯磨き強度レベルについてどのような応答が必要なことがあるかを更に決定することができ、ディスプレイ140上に投射されるべき適切な画像をメモリ132から引き出すことができる。例えば、歯磨き強度が低すぎるならば、コントローラ142は、(自分の歯磨き強度を増大させることをユーザに表示するために)
図5に関して示し且つ記載したような上向き矢印の選択的な投射をディスプレイ140上にもたらすようにプログラムされることができ且つ/或いは構成されることができる。
【0065】
投射ディスプレイシステム200は、センサデータを無線送受信器(図示せず)に送信するための無線通信機148(wireless communicator)を含んでもよい。例えば、無線通信機148は、インターネット又はイントラネットを通じてWi-Fi接続を介して、歯科専門家、データベース、又は他の場所に、センサデータを送信してよい。代替的に、無線通信機148は、Bluetooth(登録商標)又は他の無線接続を介して、ローカルデバイス、データベース、又は他の送受信器に、センサデータを送信してよい。無線通信機148は、ユーザが長期格納のためにセンサデータを保存すること、更なる分析のためにセンサデータを送信すること、又は他の用途の中でも歯科専門家とデータを共有することを可能にする。無線通信機148は、(当業者がこの開示の検討と共に理解するはずであるような)上記で言及した標準を含むユーザ入力情報を受信することができる送受信器であってもよい。
【0066】
投射ディスプレイシステム200は、ユーザがクレードルから歯ブラシを取り上げ或いは取り外し、歯ブラシを使用しようとしており、次に、投射ディスプレイシステム200を起動することができることを検出するように構成された、センサ158を含んでもよい。センサ158は、例えば、歯ブラシが使用のために持ち上げられ且つ/或いは位置付けられていることを検出する、運動センサであることができる。例えば、センサ158は、様々な異なる運動検出センサを使用して動きを検出してよく、((充電状態のような)動力歯ブラシ100自体についての情報をセンサ126又は158によって感知し、ディスプレイ140上にいつでも投射することができるが)、歯磨き事象中に理解されることがあるように、ユーザが歯ブラシを取り上げたこと及び適切な画像をディスプレイ140上に投射することができることの信号をプロセッサ150に送信することができる。
【0067】
ある実施形態によれば、履歴的に集められたデータは、センサ126及び/又はセンサ158によって感知され、メモリ132に集められて格納される。例えば、歯ブラシは、例えば、1日、週、月など当たりの平均値 (例えば、歯磨き強度)を格納することができる、メモリを含んでよい。時間の経過に共に歯磨き強度が改善されたこと又は悪化したことをユーザに示す特定の画像をディスプレイ領域140に投射することができる。
【0068】
図8を参照すると、ある実施形態に従ったハウジングの表面に画像を選択的に表示する方法800を例示するフローチャートが開示されている。ステップ810において、ハウジングを提供する。ステップ810のハウジングは、以下のもの、即ち、(i)複数の光源、(ii)複数の光源の各々の抗原の回りに配置され、複数の光源から放射される光を表面の共通領域に方向付けるために複数の光源に対応する複数のチャンバを含む、マスク、及び(iii)複数の光源と表面との間に配置された複数の光源に対応する複数の画像源を含んでよい。ステップ820において、複数の光源のうちの第1の光源から光を放射する。複数の抗原の内の第1の光源から放射される光は、表面に達する前に対応する第1の画像源に達することができ、対応する第1の画像を表面の共通領域に投影することができる。ステップ830において、複数の光源のうちの第2の光源から光を放射する。複数の光源のうちの第2の光源から放射される光は、表面に達する前に対応する第2の画像源に達することができ、対応する第2の画像を表面の共通領域に投射することができる。第1の画像と第2の画像との組み合わせは、表面の共通領域に混合画像を創り出すことができる。代替的に、第2の画像が表面の共通領域にフェードイン(溶明)(fades in)する間に、第1の画像は表面の共通領域にフェードアウト(溶暗)(fade out)することができ、或いは共通領域への第1の画像の投射が停止した後に或いは開始していないときに、第2の画像を表面の共通領域に投射することができる。
【0069】
図9Aを参照すると、動力デバイスハウジング205の写真は、数字「97」の画像212を示すディスプレイ140を備える。
図9Bを参照すると、動力デバイスハウジング205は、数字「93」の画像212’を示すディスプレイ140’を備えて示されている。
図9Aの画像212とは異なり、
図9Bの画像212’は、ハウジング205の湾曲した外面の周りに少なくとも部分的に巻き付けられて示されており、大きな角度のディスプレイを提供する。この「巻き付け(wrapping)」構成は、複数の光源から放射される光を発散式にハウジングの湾曲した外面にある別個の領域に方向付けるマスク構成(masking arrangement)によって達成されることができる。代替的に、ハウジングの外面は、少なくとも1つの平坦な表面を含むことができる。別の言い方をすれば、光源の各々を収容するチャンバを取り囲み且つ形成するマスクをハウジング205内で特定の方法/構成において角度付けて、(部分的には、ハウジング205の湾曲した外面にある別個の領域にある画像源に対応する画像を投射することによって)「巻き付け」構成を提供することができる。
【0070】
図9Cを参照すると、
図9Bに示す動力デバイスハウジング205内の投射ディスプレイシステムの断面図が提供されている。
図9Cは、
図9Cのチャンバ207A’及び207C’が
図2に示すような集束角とは対照的に発散角で位置付けられる点を除いて、
図2に類似する。
図9Cに示すチャンバ構成は、マスク204’によって形成され、マスク204’は、ハウジング205の湾曲した外面の周りに少なくとも部分的に巻き付けられた
図9Bの画像212’を得るために光214A’及び214C’を発散式に方向付けることを助ける。
【0071】
図10A~
図10Cを参照すると、投射ディスプレイシステム200のマスク204の実施形態の概略図が示されており、それは射出成形によって形成されることができる。
図10Aによって示すように、マスク204は、(ヒンジが1001で示されている)開放位置において射出成形される。開放位置においてマスク204を射出成形するのが有利であり得る。何故ならば、型からマスクを取り外すことがより容易だからである。取外し後、マスクの開放部分を互いに折り畳むことによってマスク204を組み立てることができる。マスク204の閉塞された底面図が、
図10Bの射出成形後に示されており、ここで、マスク204は、折り畳まれたアセンブリ毎に閉塞構成に形成されている。製造及び組立後のマスク204の最終的な構成の断面図が(
図2に示す構成でもある)
図10Cに示されている。
【0072】
本明細書で定め且つ使用する全ての定義は、辞書定義、参照により組み込む文献中の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0073】
本明細書及び請求項において使用する単数形の表現は、反対のことが明確に示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されなければならない。
【0074】
本明細書及び請求項において使用される「及び/又は」という句は、そのように結合された要素、即ち、幾つかの場合には結合的に存在するが他の場合には分離的に存在する要素の「一方又は両方」を意味するものと理解されるべきである。「及び/又は」を用いて列挙される複数の要素は、同じように、即ち、そのように結合された要素の「1以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素が、具体的に特定されるそれらの要素と関連するにせよ関連しないにせよ、任意的に存在してよい。
【0075】
本明細書及び請求項において使用するとき、「又は」は、上記で定義した「及び/又は」と同じ意味を有するものと理解されるべきである。例えば、リスト中の項目を分離するとき、「又は」及び/又は「及び/又は」は包括的である、即ち、多数の要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むのみならず、それらのうちの1よりも多くをも含み、任意的に、追加的なリストにない項目をも含むように解釈されなければならない。「~のうちの1つのみ」又は「~のうちの正に1つ」のような逆のことが明確に示された用語のみ或いは請求項において使用されるときの「~なる(comprising of)」は、多数の要素又は要素のリストのうちの正に1つの要素を含むことを指す。一般的には、本明細書で使用するような「又は」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正に1つ」のような排他性の用語が先行するときに、排他的な代替(即ち、両方ではない一方又は他方)を示すものとしてのみ解釈されなければならない。
【0076】
本明細書及び請求項において使用するとき、1以上の要素のリストを参照する「少なくとも1つの」という句は、要素のリスト中の要素のうちの任意の1以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト中に具体的に列挙されるありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを含むことを必ずしも意味せず、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを排除しないものと理解されるべきである。この定義は、具体的に特定される要素に関連しようが関連しまいが、「少なくとも1つの」という句が指す要素のリスト中で具体的に特定される要素以外の要素が任意に存在する場合があることも可能にする。
【0077】
逆のことが明確に示されない限り、1つ以上のステップ又は行為を含む本明細書で請求する任意の方法において、方法のステップ又は行為の順序は、方法のステップ又は行為が列挙される順序に必ずしも限定されないことも理解されるべきである。
【0078】
請求項及び上記明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「~なる(composed of)」、及び同等の表現のような、全ての移行的表現は、開放端、即ち、~に限定されないが、~を含むことを意味するように理解されるべきである。「~なる」及び「本質的に~なる」という移行句のみが、それぞれ、米国特許商標庁の特許審査便覧第2111.03項に示すような、閉塞移行句又は半閉塞移行句である。
【0079】
幾つかの発明的な実施形態を本明細書に記載し且つ例示したが、当業者は、機能を実行するための及び/又は本明細書に記載する利点のうちの1以上及び/又は結果を得るための様々な他の手段及び/又は構造を直ちに心に思い浮かべ、そのような変形及び/又は修正の各々は、より一般的には、当業者は、本明細書に記載する全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意図すること、並びに実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明的な教示が使用される具体的な用途又は複数の用途に依存することを直ちに理解するであろう。当業者は、本明細書に記載する特定の発明的な実施形態の多くの均等物を、定常的な実験を用いて認識し或いは確認することができるであろう。従って、前述の実施形態は、ほんの一例として提示されていること、並びに添付の請求項及びそれらの均等物の範囲内で、発明的な実施形態は、具体的に記載し且つ請求する以外の方法で実施されてよいことが理解されるべきである。本開示の発明的な実施形態は、本明細書に記載する個々の構成、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に向けられている。加えて、そのような構成、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法のうちの2以上の任意の組み合わせは、そのような構成、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しないならば、本開示の範囲内に含められる。