(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/16 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
F24F6/16
(21)【出願番号】P 2019013924
(22)【出願日】2019-01-30
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】笹川 亜也果
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-046922(JP,A)
【文献】特開2000-033216(JP,A)
【文献】実公昭45-003667(JP,Y1)
【文献】特開2005-230465(JP,A)
【文献】特開2014-089029(JP,A)
【文献】特開2008-128633(JP,A)
【文献】実開平03-072223(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第105864948(CN,A)
【文献】中国実用新案第2653361(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第107120769(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00-6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング表面に空気の吸込口と吹出口を有し、
前記ケーシング内に所定の水位を維持する水受け部と、
外周の一部を水面に接触して回転し、水を跳ね上げることでミストを発生させる円板と、
前記円板の回転軸と同軸で、前記吸込口から吸込んだ空気に送風して、前記円板によって発生したミストを前記吹出口から吹出す送風ファンとを有し、
前記円板と前記送風ファンを回転するモーターを有し、
前記円板の前記外周先端に立設した多数の羽根aを前記円板の厚さ方向に交互に備え、
前記外周先端に立設し、かつ前記円板の厚さ方向の外側に突出した多数の羽根bを交互に備え、
前記羽根aと前記羽根bは前記円板の厚さ方向に交互に配置することを特徴とするミスト発生装置。
【請求項2】
前記羽根bは前記円板の回転方向とは逆の方向に傾斜して備えることを特徴とする請求項1に記載のミスト発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノミストと負イオンを室内に放出して室内の加湿や空気清浄を行うミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来例として、大型のケーシングの内部にモーターからの回転軸に、水巻上げ孔とエッジ を有する複数枚のディスクを備え、このディスクの回転で水を巻き上げ、外側のメッシュのケージにてミスト化して部屋中に適度な湿度とマイナスイオンを放出し、細菌の補足を行うミスト発生装置が有った。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなミスト発生装置は、大きすぎるために家庭用の空気調和機や暖房器に組み込んで使用することはできために、コンパクト化を必要としていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では、ケーシング表面に空気の吸込口と吹出口を有し、
前記ケーシング内に所定の水位を維持する水受け部と、
外周の一部を水面に接触して回転し、水を跳ね上げることでミストを発生させる円板と、
前記円板の回転軸と同軸で、前記吸込口から吸込んだ空気に送風して、前記円板によって発生したミストを前記吹出口から吹出す送風ファンとを有し、
前記円板と前記送風ファンを回転するモーターを有し、
前記円板の前記外周先端に立設した多数の羽根aを前記円板の厚さ方向に交互に備え、
前記外周先端に立設し、かつ前記円板の厚さ方向の外側に突出した多数の羽根bを交互に備え、
前記羽根aと前記羽根bは前記円板の厚さ方向に交互に配置するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、円板の外周先端に多数の羽根aを前記円板の厚さ方向に交互に備えることで、ミストの発生を効率の良く行うことができるので、ミスト発生装置をコンパクト化することができる。
また、前記円板の厚さ方向の外側に突出して、更に多数の羽根bを交互に備えることで、更にミストの発生を効率の良く行うことができる。
また、前記羽根bは前記円板の回転方向とは逆の方向に傾斜して備えることで、羽根bが水面に衝突して発生する騒音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態におけるミスト発生装置の斜視図。
【
図2】同モーター軸の中心を通る左側面方向の断面図。
【
図3】同モーター軸の中心を通る右側面方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態のミスト発生装置を
図1から5に基づいて説明する。
【0009】
1はこの実施形態のミスト発生装置で、家庭用のエアコンや暖房機に組み込んで使用される。2はミスト発生装置1の外枠を形成するケーシングで、上面に空気の吸込口3と、ミストを含んだ空気を吹出す吹出口4を有している。
【0010】
ケーシング2は底面と背面と左右側面とを一体に形成するベース30と、前面を形成する前パネル31と、上面を形成する上パネル32を有している。
【0011】
5は仕切板で、ケーシング2内を前後に仕切ることで、前方に空気導入室6を、後方で下部の水受け部wに所定の水位を維持する水跳ね室7を形成する。また、仕切板5の略中央は円形に開口した吸込孔8を有している。9は遠心ファン型の送風ファンで、吸込孔8の後方の水跳ね室7内に位置し、吸込孔8から吸込んだ空気を吹出口4側へ吹出すものである。
【0012】
10は送風ファン9の後部に有する円板で、外周の先端に有する多数の羽根aを水面に接触して回転し、水を跳ね上げることでミストを発生させる。この羽根aは円板10の回転方向と垂直に形成される。また、円板10は各々の羽根aの面積を小さくして多数の羽根aを厚さ方向に交互に備えることで羽根aが水面に衝突することで発生する騒音を小さくすることができる。円板10はケーシング2の背面に備えるモーターで、回転軸12がベース30を貫通して備えられ、モーター11の回転で送風ファン9と円板10が回転する。また、円板10の直径は約60mmで厚さ8mmで、先端の羽根aは5mm(高さ)×5mm(横)×1.5mm(厚さ)で先端部分をR形状に加工している。
【0013】
前記送風ファン9の右側にはベース30のから一体に立ち上がって形成される右ガイド33を有し、送風ファン9の左側には同じくベース30のから一体に立ち上がって形成される左ガイド34を有し、送風ファン9との間に適宜間隔備えて形成される。送風ファン9と円板10が
図3の破線矢印方向に回転する。(左回転)これによって、効率よく送風が行われると共に、羽根aによって跳ね上げられた水滴がケーシング2や仕切板5等の壁面に衝突することでミストが発生し、送風と一緒に吹出口4から吹き出す。このように、円板10の外周先端に多数の羽根aを円板10の厚さ方向に交互に備えることで、ミストの発生を効率の良く行うことができるので、ミスト発生装置1をコンパクト化することができる。
【0014】
前記水跳ね室7の水受け部w側面には給水口35を有し、給水管36が接続される。給水管36の先にはカートリッジタンク等による給水手段(図示せず)が備えられ、水受け部wの水位が維持される。
【0015】
図6-7を基に他の実施例の円板10について説明する。円板10先端に備える羽根aの厚さ方向(前後方向)の外側に突出して、更に多数の羽根bを円板10の厚み方向の中心側を回転方向の前側、円板10の厚み方向の外側を回転方向の後側となるように、交互に備えることで、ミストの発生量を増加し、更にミストの発生を効率の良く行うことができる。また、羽根bを円板10の厚み方向の中心側を回転方向の前側、円板10の厚み方向の外側を回転方向の後側となるように、円板10の回転方向とは逆の方向に傾斜してさせることで、羽根bが水面に衝突して発生する騒音を小さくすることができる。
【0016】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
モータ-12が回転すると、送風ファン9と円板10が回転する。これによって、吸込口3から吸い込まれた空気は仕切板5の吸込孔8から送風ファン9を通過し吹出口4から吹き出される。これと同時に円板10先端の羽根a・bが水を跳ね上げ、この跳ね上げられた水滴がケーシング2や仕切板5の壁面に衝突することでミストが発生し、送風と一緒に吹出口4から吹き出すものである。
【0017】
以上のように本発明によれば、円板10の外周先端に多数の羽根aを円板10の厚さ方向に交互に備えることで、ミストの発生を効率の良く行うことができるので、ミスト発生装置1をコンパクト化することができる。
また、円板10の厚さ方向の外側に突出して、更に多数の羽根bを交互に備えることで、更にミストの発生を効率の良く行うことができる。
また、羽根bは円板10の回転方向とは逆の方向に傾斜して備えることで、羽根bが水面に衝突して発生する騒音を小さくすることができる。
【0018】
また、本実施形態では送風ファン9と円板10を一体の構造で説明したが、送風ファン9と円板10を別体に備えても良く、送風ファン9を遠心ファンで説明したが、プロペラファン等違う種類のファンを使用しても良い。
【0019】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0020】
1 ミスト発生装置
2 ケーシング
3 吸込口
4 吹出口
5 仕切板
9 送風ファン
10 円板
11 モーター
a 羽根
b 羽根
w 水受け部