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特許7129367カラオケ装置、カラオケ用プログラム及び歌詞情報変換プログラム
<図1>
  • 特許-カラオケ装置、カラオケ用プログラム及び歌詞情報変換プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】カラオケ装置、カラオケ用プログラム及び歌詞情報変換プログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019048700
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020149009
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2020-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】中谷 潤哉
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】木方 庸輔
【審判官】渡辺 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-92933(JP,A)
【文献】特開平7-334178(JP,A)
【文献】特開平11-65565(JP,A)
【文献】特開2013-210724(JP,A)
【文献】特開2011-215358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/40,
G10K 15/00 - 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ情報に基づいて再生を行う制御部を備え、
カラオケ情報は、伴奏情報と歌詞情報を含んで構成され、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
制御部は、伴奏再生処理と、結合表示処理を実行可能とし、
伴奏再生処理は、指定されたカラオケ情報の伴奏情報を再生し、
結合表示処理は、結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報を新たな表示行を規定する表示位置に表示する
カラオケ装置。
【請求項2】
結合表示処理は、結合対象となる文字情報を結合する際、結合対象となる文字情報に隣接した異なる表示行に表示される文字情報中、表示行に表示される横幅が短い文字情報に結合する
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
付随情報は、文字情報の表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングを含んで構成され、
結合表示処理は、付随情報で規定されている表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングの少なくとも1つを変更する
請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
結合表示処理は、結合後の文字情報を、付随情報に含まれる表示開始タイミングと同じタイミングで表示する、あるいは、付随情報に含まれる表示終了タイミングと同じタイミングで表示を終了する
請求項3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
結合表示処理は、結合後の文字情報を、付随情報に規定された表示開始タイミングとは異なるタイミングで表示する、あるいは、表示終了タイミングとは異なるタイミングで表示を終了する
請求項3または請求項4に記載のカラオケ装置。
【請求項6】
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように調整する
請求項1から請求項5に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように、文字情報が表示される表示行を入れ替える
請求項6に記載のカラオケ装置。
【請求項8】
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように、文字情報を結合しない
請求項6に記載のカラオケ装置。
【請求項9】
制御部は、結合表示処理と、通常表示処理とを切り替えて実行可能とし、
通常表示処理は、付随情報で規定される表示行に文字情報を表示し、
結合表示処理は、通常表示処理において表示される文字の大きさよりも小さい大きさで文字情報を表示する
請求項1から請求項8の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項10】
カラオケ情報に基づいて再生を行う情報処理装置で実行されるカラオケ用プログラムであって、
カラオケ情報は、伴奏情報と歌詞情報を含んで構成され、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
伴奏再生処理と、結合表示処理を実行可能とし、
伴奏再生処理は、指定されたカラオケ情報の伴奏情報を再生し、
結合表示処理は、結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報を新たな表示行を規定する表示位置に表示する
カラオケ用プログラム。
【請求項11】
情報処理装置で実行される歌詞情報変換プログラムであって、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報に新たな表示行を規定する表示位置を割り当てる結合処理を実行可能とする
歌詞情報変換プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生される伴奏音に併せて歌唱を楽しむカラオケ装置、及び、カラオケ用プログラム、並びに、カラオケに使用される歌詞情報を変換する歌詞情報変換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宴会や飲み会等、各種の人が集う場等では、伴奏音に合わせて歌唱を楽しむカラオケが行われている。カラオケを行うためのカラオケ装置では、演奏に同期して歌詞を表示装置に表示させる基本機能を有することが通常である。ユーザは、表示される歌詞を参照しつつ、歌唱を行うことで、歌詞を記憶していなくても適切な歌詞で歌唱を行うことが可能である。
【0003】
特許文献1には、弱視や、老眼等の視認を補助するため、歌詞の拡大機能を設けたカラオケシステムが開示されている。歌い手が視認可能な文字サイズに歌詞を拡大することで、歌詞を良好に視認し、カラオケを楽しむことを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-116864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在のカラオケ装置は、通信を介してカラオケ情報を表示装置に送信する形態が一般的である。通信型のカラオケ装置が普及してから年月が経過しているが、普及当初に作成されたカラオケ情報が、今も使用されている場合もある。通信型のカラオケ装置の普及当初は、使用される表示装置(モニタ)も、現在の大画面の表示装置ほどは大きくなく、カラオケ情報を使用して表示する歌詞も、表示装置の大きさに見合った文字サイズ等の形態で表示していた。
【0006】
現在、カラオケボックス等で使用される表示装置は、大型液晶表示装置等、50インチ以上の大画面の表示装置が使用されることが一般的となっている。このような大画面の表示装置を使用することで、迫力のある背景映像を提供することが可能となっている。一方、前述したように、歌詞表示については、従来の表示装置を対象にして作成されているため、必要以上に歌詞が大きく表示されることになり、違和感を生じることが考えられる。また、大きな歌詞により背景映像の視認が阻害されてしまうことになる。また、昨今、曲の演奏中に採点結果など歌詞以外の情報を画面に表示することが多くなってきているが、歌詞と歌詞以外の情報とを同時表示する際、重なってしまい互いの情報の視認が阻害されてしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明に係るカラオケ装置は、以下の構成を採用するものである。
カラオケ情報に基づいて再生を行う制御部を備え、
カラオケ情報は、伴奏情報と歌詞情報を含んで構成され、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
制御部は、伴奏再生処理と、結合表示処理を実行可能とし、
伴奏再生処理は、指定されたカラオケ情報の伴奏情報を再生し、
結合表示処理は、結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報を新たな表示行を規定する表示位置に表示する。
【0008】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、結合対象となる文字情報を結合する際、結合対象となる文字情報に隣接した異なる表示行に表示される文字情報中、表示行に表示される横幅が短い文字情報に結合する。
【0009】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
付随情報は、文字情報の表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングを含んで構成され、
結合表示処理は、付随情報で規定されている表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングの少なくとも1つを変更する。
【0010】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、結合後の文字情報を、付随情報に含まれる表示開始タイミングと同じタイミングで表示する、あるいは、付随情報に含まれる表示終了タイミングと同じタイミングで表示を終了する。
【0011】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、結合後の文字情報を、付随情報に規定された表示開始タイミングとは異なるタイミングで表示する、あるいは、表示終了タイミングとは異なるタイミングで表示を終了する。
【0012】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように調整する。
【0013】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように、文字情報が表示される表示行を入れ替える。
【0014】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
結合表示処理は、文字情報が表示されない画面となる前に、表示される文字情報が最も下に位置する表示行となるように、文字情報を結合しない。
【0015】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
制御部は、結合表示処理と、通常表示処理とを切り替えて実行可能とし、
通常表示処理は、付随情報で規定される表示行に文字情報を表示し、
結合表示処理は、通常表示処理において表示される文字の大きさよりも小さい大きさで文字情報を表示する。
【0016】
また本発明に係るカラオケ用プログラムは、
カラオケ情報に基づいて再生を行う情報処理装置で実行されるカラオケ用プログラムであって、
カラオケ情報は、伴奏情報と歌詞情報を含んで構成され、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
伴奏再生処理と、結合表示処理を実行可能とし、
伴奏再生処理は、指定されたカラオケ情報の伴奏情報を再生し、
結合表示処理は、結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報を新たな表示行を規定する表示位置に表示する。
【0017】
また本発明に係る歌詞情報変換プログラムは、
情報処理装置で実行される歌詞情報変換プログラムであって、
歌詞情報は、従来のカラオケ装置の環境のために作成された歌詞情報であって、複数の行情報を含んで構成され、
行情報は、文字情報、及び、文字情報が表示される表示行を規定する表示位置を含んだ付随情報を含んで構成され、
結合前のあるタイミングにおいて、隣接した異なる表示行に表示される文字情報を1つに結合し、結合された文字情報に新たな表示行を規定する表示位置を割り当てる結合処理を実行可能とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るカラオケ装置、カラオケ用プログラムによれば、従来の表示装置を対象に作成されたカラオケ情報であっても、大画面の表示装置等に適切な形態で歌詞を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図
図2】本実施形態に係るカラオケ情報、歌詞情報のデータ構成を示す図
図3】本実施形態の楽曲再生処理を示すフロー図
図4】本実施形態における変換前、変換後の歌詞情報の表示経過を示す図
図5】本実施形態における変換目、変換後の歌詞表示の様子を示す図
図6】本実施形態の歌詞情報変換処理を示すフロー図
図7】本実施形態の歌詞情報変換処理の第1結合規則を説明するための図
図8】本実施形態の歌詞情報変換処理の第2結合規則を説明するための図
図9】本実施形態の歌詞情報変換処理の第1補正処理を説明するための図
図10】本実施形態の歌詞情報変換処理の第1補正処理を説明するための図
図11】本実施形態の歌詞情報変換処理の第1補正処理を説明するための図
図12】本実施形態の歌詞情報変換処理の第2補正処理を説明するための図
図13】本実施形態の歌詞情報変換処理の第3補正処理を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステム3は、カラオケ装置2(「コマンダ」とも呼ばれる)と、リモコン装置1を含んで構成されている。カラオケ装置2とリモコン装置1は、LAN100及びアクセスポイント110を利用してネットワークを形成するように接続されている。
【0021】
カラオケボックスなどの店舗に設置されるカラオケ装置2は、楽曲を演奏するための演奏手段として音響制御部25を備えている。また、カラオケ装置2は、ユーザからの各種入力を受け付けるスイッチなどで構成されるカラオケ装置2側の入力手段としての操作部21を備える。カラオケ装置2は、操作部21からの入力を解釈して制御部30に伝達する操作処理部22を備える。また、カラオケ装置2は、各種情報を記憶するカラオケ装置2側の記憶手段としてのHDD32(ハードディスク)を備える。カラオケ装置2は、LAN100に接続してネットワークに加入するためのカラオケ装置側通信手段としてのLAN通信部24を備えている。
【0022】
また、カラオケ装置2は、モニタ41に対して歌詞、背景映像等の映像を表示させる映像再生手段を備える。この映像再生手段は、背景映像情報に基づいて背景映像を再生する映像再生部29、再生する背景映像を一時的に蓄積するビデオRAM28、再生された背景映像に歌詞を重畳表示する映像制御部31を備えている。なお、映像制御部31では、背景映像に対して映像効果を付与する機能を有してもよい。
【0023】
さらに、このカラオケ装置2では、外部に接続されたモニタ41以外に、タッチパネルモニタ33に対しても各種情報を表示することを可能としている。タッチパネルモニタ33は映像制御部31から入力された映像情報を表示する表示部33aと、タッチ入力された位置を操作処理部22に出力するタッチパネル33bが重畳されて構成されている。また、カラオケ装置2に対する各種操作は、カラオケ装置2のフロントパネル等に設けられた操作部21を介して行うことも可能となっている。
【0024】
本実施形態のタッチパネルモニタ33は、リモコン装置1の操作手段であるタッチパネルモニタ11と同様の操作手段として機能することも可能としている。ユーザはタッチパネルモニタ33から楽曲を選択して、直接カラオケ装置2に予約をさせるなど、リモコン装置1と同等の操作手段として機能することが可能である。
【0025】
さらに、カラオケ装置2は、各構成を統括して制御するための制御手段として、CPU等で構成された制御部30、各種プログラムを実行するにあたって必要となる情報を一時記憶するためのメモリ27を備えている。
【0026】
このような構成にてカラオケ装置2は、各種処理を実行することとなるが、カラオケ装置2の主な機能として、楽曲指定処理、楽曲再生処理などを実行可能としている。楽曲指定処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を指定、予約するための処理であってリモコン装置1と連携して実行される。リモコン装置1から送信された楽曲を識別する楽曲IDを含む予約情報をメモリ27に記憶する予約テーブルに登録する。楽曲再生処理は、予約テーブルに登録された予約情報に基づき楽曲を再生させる処理であって、演奏処理と歌詞再生処理とが同期して実行される処理である。
【0027】
演奏処理は、カラオケ情報に含まれる伴奏情報を音響制御部25にて演奏させる処理である。音響制御部25にて演奏された楽曲は、歌唱用マイク44a、44bから入力される歌唱音声と一緒にスピーカ42から放音される。歌詞再生処理は、カラオケ情報に含まれる歌詞情報に基づいて、歌詞をモニタ41に表示させることで歌唱補助を行う処理である。この歌詞再生処理で表示される歌詞に、背景映像を重畳させて表示させる背景映像表示処理を実行することとしてもよい。
【0028】
一方、リモコン装置1は、予約情報などカラオケ装置2に対して各種指示を送信するとともに、カラオケ装置2あるいはインターネット上に接続されたサーバ装置5から各種情報を受信する。本実施形態では、ユーザインターフェイスとしてボタンなどの操作部17と、タッチパネルモニタ11を備えている。タッチパネルモニタ11は、表示部11aとタッチパネル11bを有して構成され、表示部11aに各種インターフェイスを表示するとともに、ユーザからのタッチ入力を受付可能としている。
【0029】
さらにリモコン装置1は、楽曲検索に必要とされるデータベース、各種プログラム、並びに、プログラム実行に伴って発生する各種情報を記憶するメモリ14、そして、これら構成を統括して制御するためのリモコン側制御手段を備えて構成される。リモコン側制御手段には、CPU等で構成される制御部15、表示部11aに対して表示する映像を形成する映像制御部13、表示する映像情報を一時的に蓄えるビデオRAM12、操作部17からの入力を解釈して制御部15に伝達する操作処理部18が含まれている。
【0030】
リモコン装置1は、無線LAN通信部16によって、アクセスポイント110と無線接続されることで、LAN100によって構成されるネットワークに接続される。なお、各リモコン装置1は、特定のカラオケ装置2に対して事前に対応付けされている。リモコン装置1から出力される各種指令は、対応付けされたカラオケ装置2にて受信されることとなる。なお、カラオケ装置2の操作は、ユーザ(顧客)が所持するスマートフォン等の携帯端末を使用して行うことも可能である。その場合、ユーザが来店した際、ユーザが所持する携帯端末とカラオケ装置2とが対応付けられる。
【0031】
図2(A)は、カラオケ装置2で再生されるカラオケ情報のデータ構成を示す図である。カラオケ情報は、選曲等を行うために付与されたメタ情報と、伴奏、歌詞表示を行うための実情報を含んで構成されている。メタ情報には、楽曲を管理するための楽曲ID、楽曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名、区間識別情報等を含んで構成されている。
【0032】
実情報は、伴奏情報、歌詞情報、背景映像情報を含んで構成されている。楽曲を再生する際、伴奏情報を音響制御部25に演奏させることで、歌唱伴奏としての伴奏音をスピーカ42から音響出力することが可能である。また、楽曲を再生する際、歌詞情報を映像再生部29で再生し、モニタ41に映像出力することで、ユーザの歌唱補助を行うことが可能である。その際、カラオケ情報に含まれる背景映像情報を、背景映像として再生することで、楽曲の雰囲気に合った映像を表示することが可能である。なお、背景映像情報は、カラオケ情報に含めるものではなく、例えば、楽曲のジャンル毎に用意しておき、カラオケ情報のジャンルに応じて使用することとしてもよい。
【0033】
図2(B)は、カラオケ情報に含まれる歌詞情報のデータ構成を示す図である。本実施形態の歌詞情報は、複数の行情報によって構成されている。行情報は、画面に表示させる歌詞1行に関する情報であって、付随情報と文字情報によって構成されている。図2(B)には、行情報4について、その詳細が示されている。文字情報は、歌詞として表示させる文字を規定する情報であって、文字コード(JISコード等)で規定された情報である。付随情報は、演奏進行における文字情報に関する情報であって、本実施形態では、文字情報が表示装置に表示される位置を規定した表示位置(表示行)、文字情報の表示が開始されるタイミングを規定した表示開始タイミング、文字情報の表示が消去されるタイミングを規定した表示終了タイミング、文字情報の色変えのタイミングを規定した色変え開始タイミング、文字情報の色変えの速度を規定した色変え速度を含んで構成されている。
【0034】
図2(B)に示されている行情報4の例では、文字情報4で規定される歌詞「うううううううう」を、付随情報に含まれる文字情報が表示される表示行を規定する表示位置(X1,Y1(Y1は1行目に相当))に、表示開始タイミングt1のタイミングでモニタ41の画面に表示させる。その後、色変え開始タイミングDtのタイミングにおいて、色変え速度v1で色変えを開始する。そして、表示終了タイミングt2が到来することで、歌詞「うううううううう」の表示を終了(消去)する。
【0035】
図3には、カラオケ装置2で実行される楽曲再生処理を示すフロー図が示されている。カラオケ装置2は、予約テーブルを参照(S101)し、次に再生すべき予約情報の有無を判定する(S102)。予約情報がある場合(S102:Yes)、次に再生すべき予約情報の楽曲が変換対象楽曲であるか否かが判定される(S103)。変換対象楽曲の判定は、例えば、再生対象となる予約情報に含まれる楽曲IDを、変換禁止楽曲の楽曲IDを規定したテーブルと参照することで行われる。再生対象となる楽曲IDがテーブルに掲載されている場合、変換対象楽曲で無いと判定(S103:No)され、再生対象となる楽曲IDがテーブルに掲載されていない場合、変換対象楽曲と判定(S103:Yes)される。
【0036】
ここで、変換禁止楽曲を規定するテーブルに掲載される楽曲としては、例えば、以下に示す楽曲が挙げられる。
・背景映像情報に歌詞が含まれている楽曲
・歌詞の2行表示が禁止されている楽曲
・歌詞の表示サイズの変更が禁止されている楽曲
・歌詞情報が5行以上同時に表示されている楽曲
・同時色変わりイベントが使用されている楽曲
本実施形態では、このような楽曲を変換対象楽曲として扱わず、後の歌詞情報変換処理(S104)は実行しないこととしている。
【0037】
一方、変換対象楽曲については、その歌詞情報に対して歌詞情報変換処理(S200)が実行される。本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)は、4乃至3行で規定された元の歌詞情報を2行に、または、2行で規定された元の歌詞情報を1行に変換する処理である。その際、歌詞の文字サイズを小さくすることで、大画面のモニタ41においても、背景映像が歌詞で阻害されず、その視認性の向上を図ることが可能となっている。
【0038】
次に、この歌詞情報変換処理(S200)について説明する。図4(A)は、変換前の歌詞情報について、歌詞情報の表示経過を示す例であり、図4(B)は、変換後の歌詞情報について、新たな行情報に基づく歌詞情報の表示経過を示す例である。図4(A)は、変換前の歌詞情報に基づいて表示される歌詞の表示経過である。本実施形態では、付随情報に含まれる表示位置(表示行)において、Y座標として1行~4行の何れかの行を割り当てることが可能となっている。行情報に含まれる文字情報1~7は、各文字情報に関連付けられた各付随情報の表示位置に基づく座標に、表示開始タイミング、表示終了タイミングにしたがって表示される。
【0039】
例えば、図2(B)で説明した行情報4については、表示位置(X1、Y1(1行目))、表示開始タイミングt1、表示終了タイミングt2が付随情報によって規定されているため、t1~t2の期間、1行目(行番号1)に表示される。図5(A)は、変換前の歌詞情報によって表示されるモニタ41の画面を示す図であり、図4(A)に示すt1時の様子が示されている。t1時には、1行目(行番号1)に文字情報4「うううううううう」が表示され、2行目(行番号2)に文字情報5「ええええええええ」が表示され、3行目(行番号3)に文字情報2「ああああああああ」が表示され、4行目(行番号4)に文字情報3「いいいいいいいい」が表示されている。文字情報3「いいいいいいいい」には、色変え位置Cが示されており、歌唱タイミングを示している。
【0040】
図5(B)は、変換後の歌詞情報によって表示されるモニタ41の画面を示す図であり、図4(B)のt1時の様子、つまり図5(A)と同じ時点の様子が示されている。変換後には、変換前の1行目の文字情報4と2行目の文字情報5が結合され、文字情報4+5「ううううううううええええええええ」が、新たな1行目に表示される。また、変換前の3行目の文字情報2と4行目の文字情報3が結合され、文字情報2+3「ああああああああいいいいいいいい」が、新たな2行目に表示される。つまり、変換(結合)後は、変換(結合)した文字情報に関連する付随情報に規定される表示位置(表示行)、表示開始タイミング及び表示終了タイミングが変更され、メモリ27に一時保存され、一時保存された情報に基づいて、文字情報が表示される。その際、文字情報が結合されることによって文字情報の横幅が長くなって表示されないことあるため、変換後の歌詞情報は、変換前の歌詞情報よりも文字サイズを小さく表示する。これらによって、背景映像情報が歌詞情報によって阻害されることを抑制している。
【0041】
また、図5に示す本実施形態では、歌唱評価のためにピアノロール41a、技巧情報41b~41dを表示している。ここで、ピアノロール41aは、模範歌唱の音高、及び、ユーザの歌唱音高を比較するための表示であって、それぞれ、音高を縦方向の位置に、時間経過を横方向の位置にとったバー形状で表示される。また、技巧情報41b~41dは、ユーザの歌唱における技巧発生回数を示したものであり、本実施形態では、3種類(こぶし、しゃくり、ビブラート)を技巧情報としている。
【0042】
図5(A)の変換前の状態では、モニタ41の上方位置にピアノロール41a、技巧情報41b~41dを表示しているのに対し、図5(B)の変換後の状態では、モニタ41の下方位置に表示位置を変化させている。また、図5(A)の変換前の状態では、ピアノロール41aの上に技巧情報41b~41dを表示しているのに対し、図5(B)の変換後の状態では、ピアノロール41aの下に技巧情報41b~41dを表示させ、レイアウトを変更している。特に、本実施形態では、変換後の文字情報を、ピアノロール41aの上部に表示するため、ピアノロール41aと技巧情報41b~41dとによって、歌詞の視認性が阻害されない視認しやすいレイアウトとなっている。
【0043】
図3の楽曲再生処理に戻り、歌詞情報変換処理(S200)が完了すると、カラオケ情報に含まれる伴奏情報の再生が開始される(S104)。本実施形態では、採点処理を行う場合(S105:Yes)であって、歌詞の表示形態が縮小表示に指定されている場合(S106:縮小)、図5(B)に示す、変換後の歌詞情報を使用した表示形態で歌詞を表示させることとしている(S107)。一方、それ以外の場合、すなわち、採点処理が指定されていない場合(S105:No)、あるいは、採点処理が指定されていても歌詞の表示形態が通常表示に指定されている場合(S106:通常)、図5(A)に示す変換前の歌詞情報を使用した表示形態で表示させることとしている(S108)。なお、採点処理時には、ピアノロール41a、技巧情報41b~41dがモニタ41に表示され、採点処理を行わない場合には、モニタ41には、ピアノロール41a、技巧情報41b~41dは表示されない。
【0044】
このように、本実施形態では、歌詞の大きさの指定状況、採点処理によるピアノロール41a、技巧情報41b~41dの表示状況によって、変換前の歌詞情報を使用した4行乃至3行表示、あるいは、変換後の歌詞情報を使用した2行表示に表示形態を切り替えることとしている。なお、このような実施形態に限られるものでは無く、変換後の歌詞情報を使用した歌詞の表示形態は、カラオケ装置2における適宜設定状況下で使用することとしてもよい。
【0045】
本実施形態では、楽曲の再生途中、採点処理の指定(S105)、歌詞の表示形態(S106)の判断が繰り返し実行され、状況に応じた歌詞の表示形態に変更することが可能となっている。なお、採点処理の指定、歌詞の表示形態については、少なくとも一方について、楽曲再生中は禁止することとしてもよい。楽曲の再生が完了した場合(S109:Yes)、楽曲再生処理の先頭に戻り、次の楽曲について、予約テーブルチェック(S101)が実行される。
【0046】
次に、本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)について説明する。図6は、本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)を示すフロー図である。歌詞情報変換処理(S200)では、まず、再生対象となる楽曲の歌詞情報が読み出される(S201)。そして、第1結合規則、第2結合規則に従って結合処理が実行される(S202)。
【0047】
図7は、本実施形態の歌詞情報変換処理の第1結合規則を説明するための図である。図7(A)に示されるように、変換前における、ある時点での表示状態が、1~4行目に、文字情報1~4を表示させている場合、変換後は、1行目の文字情報1と2行目の文字情報2とを結合し新たな1行目に表示させる。また、3行目の文字情報3と4行目の文字情報4とを結合し新たな2行目に表示させる。なお、本実施形態では、歌詞情報変換処理(S200)において文字情報を結合することで、付随情報中の表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングの何れか1つが変更され、新たな表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングが形成される。新たに形成された表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングは、メモリ27に一時保存される。本実施形態では、形成された新たな表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングは、楽曲再生処理の終了後、破棄することとしているが、形成された新たな表示位置、表示開始タイミング、表示終了タイミングは、カラオケ情報中の歌詞情報等に記憶させておき、同じ楽曲が再度、指定された場合に再利用可能な状態としてもよい。
【0048】
また、図7(B)、図7(C)に示されるように、変換前における、ある時点での表示状態が、1~3行目に文字情報1~3を表示させている場合、文字情報2は、表示行に表示される文字情報の横幅が短い側に結合することとしている。例えば、図7(B)に示されるように、文字情報3の横幅の長さは、文字情報1の横幅よりも短いため、文字情報2は、文字情報3に結合され、新たな2行目に表示されることになる。一方、図7(C)に示されるように、文字情報1の横幅の長さは、文字情報3の横幅よりも短いため、文字情報2は、文字情報1に結合され、新たな1行目に表示される。このように、第1結合規則では、変換後の文字情報の長さをできるだけ抑えるとともに、新たな1行目と2行目の長さの違いを抑えることが可能となっている。
【0049】
図8は、本実施形態の歌詞情報変換処理の第2結合規則を説明するための図である。第2結合規則は、結合した文字情報が1行となる場合における規則である。例えば、図8(A)のように変換前の表示状態が、1行目の文字情報1と2行目の文字情報2であって、変換後に結合されることで1行となる場合、結合された文字情報1、2は、下端となる2行目に表示させることとしている。変換後に1行目に表示させた場合、2行目に文字情報が表示されていないため、歌唱するユーザは、2行目に何か表示されることを期待することが考えられる。ユーザが期待しているにも関わらず、何も表示されない場合、ユーザは戸惑いを生じることがある。本実施形態では、このように、変換後の文字情報を、下端側を優先して表示させることで、画面レイアウト上、安定感のある表示とすることが可能となる。
【0050】
図6に示す本実施形態において、第1結合規則、第2結合規則に従った結合処理(S202)が完了すると、結合された文字情報について検証が行われる。第1結合規則、第2結合規則に従った結合処理では、結合後の複数の文字情報が同じ行であって、且つ、表示するタイミングが被って重なって表示される場合がある。結合後の複数の文字情報について、重なって表示される場合(S203:Yes)、第1補正処理(S204)が実行される。
【0051】
図9図11は、図6に示す本実施形態の歌詞情報変換処理の第1補正処理を説明するための図であり、第1補正処理の各種形態が示されている。図9図11のA~Jは、各形態を説明するための図であり、各形態A~Jの添字「1」は補正前、添字「2」は補正後を示している。また、文字情報A~Dは、結合処理が行われた後の文字情報であって、アルファベットの順(A→B→C→D)で、歌唱されることを示している。
【0052】
図9(A1)は、結合処理が行われた後の状態であり、この形態では、新たな2行目(新行番号2)において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Bの先端部分で重複がみられる。なお、新たな1行目(新行番号1)は、空き状態となっている。このような場合、第1補正処理(S204)では、図9(A2)に示されるように、空いている新たな1行目に文字情報Bを移動させる補正を行うことで重複を解消している。
【0053】
図9(B1)は、新たな2行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。この場合、新たな1行目(新行番号1)は、空き状態となっていない。このような場合、文字情報Bを新たな1行目に移動させ、文字情報Aの終端、すなわち、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しとし、新たな1行目において、文字情報Bと文字情報Cの重複を解消している。歌唱は、文字情報A、文字情報B、文字情報Cの順に行われることになるが、文字情報Aと文字情報Cは、間に文字情報Bを挟んでいるため、文字情報Aと文字情報Cの歌唱には時間が空くことになる。したがって、図9(B2)に示されるように、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しにしても支障が起こる可能性は少ない。
【0054】
図9(C1)は、新たな2行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。文字情報Aと文字情報Cは、間に文字情報Bを挟んでいるため、文字情報Aと文字情報Cの歌唱には時間が空くことになる。また、新たな1行目には、文字情報Cに先駆けて歌唱する文字情報Bが表示されている。したがって、この場合は、図9(C2)に示されるように、文字情報Cの表示開始タイミングを後ろ倒しとして、文字情報Aと文字情報Cの重複を解消することとしている。
【0055】
図9(D1)は、新たな1行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。また、新たな2行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Dの先端部分で重複がみられる。文字情報Aが歌唱されてから文字情報Cが歌唱されるまでの期間に文字情報Bが歌唱されることになる。したがって、図9(D2)に示されるように、文字情報Aは表示終了タイミングを前倒しとして、文字情報Cとの重複を解消する。また、文字情報Bが歌唱されてから文字情報Dが歌唱されるまでの期間に文字情報Cが歌唱されることになる。したがって、文字情報Dは表示開始タイミングを後ろ倒しとして、文字情報Bとの重複を解消することとしている。
【0056】
図10(E1)は、新たな2行目において、文字情報Bと文字情報Cが重複した場合である。この場合、文字情報Aの歌唱後、文字情報Bが直ちに歌唱されるため、文字情報Aの表示終了位置、文字情報Bの表示開始位置を移動させることは好ましくない。ここで、文字情報Cは文字情報Bの後に歌唱されることになるため、図10(E2)に示されるように、文字情報Cを新たな1行目に移動して、その表示開始タイミングを後ろ倒しにする。このように補正することで、文字情報A、文字情報B、文字情報Cの順で適切に歌唱させることが可能となる。
【0057】
図10(F1)は、新たな2行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。なお、新たな1行目には、文字情報Aの後に歌唱される文字情報Bが表示されている。この場合、文字情報Aを早く消去しても支障が少ないことが予想されるため、図10(F2)に示されるように、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しにして、文字情報Aと文字情報Cの重複を解消することとしている。
【0058】
図10(G1)は、新たな1行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。なお、新たな2行目には、文字情報Bの前に歌唱される文字情報Aが表示されている。この場合、文字情報Aを早く消去しても支障が少ないことが予想されるため、図10(G2)に示されるように、文字情報Cを新たな2行目に移動させた上で、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しにして、文字情報Aと文字情報Cの重複を解消することとしている。
【0059】
図10(H1)は、新たな1行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。また、新たな2行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Dの先端部分で重複がみられる。新たな1行目においては、文字情報Bが歌唱された直後に文字情報Cが歌唱されるため、文字情報Bの歌唱タイミングから文字情報Cの歌唱タイミングの期間が短いことが予想される。したがって、文字情報Bの表示終了タイミングを前倒しにする、あるいは、文字情報Cの表示開始タイミングを後倒しにした場合、歌唱するにあたって支障が生じることが考えられる。この形態では、図10(H2)に示されるように、文字情報Cと文字情報Dとの表示する行を入れ替えた後、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しとし、文字情報Dの表示開始タイミングを後倒しとすることで重複を解消することとしている。
【0060】
図11(I1)は、新たな1行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Dの先端部分で重複がみられる。また、新たな2行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。新たな2行目では、文字情報Aが歌唱されてから文字情報Cが歌唱されるまでに、新たな1行目では、文字情報Bが歌唱されてから文字情報Dが歌唱されるまでに時間が空くことになる。したがって、この形態では、行を入れ替えることなく、表示開始タイミング、表示終了タイミングを補正することが可能である。図11(I2)に示されるように、文字情報Dは、その表示開始タイミングを後倒しとして、文字情報Bとの重複を解消している。また、文字情報Aについては、その表示終了タイミングを前倒しとして文字情報Cとの重複を解消することとしている。
【0061】
図11(J1)は、新たな1行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Dの先端部分で重複がみられる。また、新たな2行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。新たな2行目においては、文字情報Bが歌唱された直後に文字情報Cが歌唱されるため、文字情報Bの歌唱タイミングから文字情報Cの歌唱タイミングの期間が短いことが予想される。したがって、文字情報Bの表示終了タイミングを前倒しにする、あるいは、文字情報Cの表示開始タイミングを後倒しにした場合、歌唱するにあたって支障が生じることが考えられる。この形態では、図11(J2)に示されるように、文字情報Cと文字情報Dとの表示行を入れ替えた後、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しとし、文字情報Dの表示開始タイミングを後倒しとすることで重複を解消することとしている。
【0062】
以上、結合後、同じ行における重複が生じた場合に実行される第1補正処理(S204)について説明したが、図6の第1補正処理(S204)を実行することで、文字情報の表示終了タイミングが前倒し、あるいは、表示開始タイミングが後ろ倒しとなることで、文字情報の色変えタイミングが間に合わない、具体的には、色変え途中に次の文字情報に変更される、あるいは、色変えタイミングであるにも関わらず、文字情報が表示されない状況を生じる可能性がある。
【0063】
図6に示す本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)では、このような可能性を考慮し、第1補正処理(S204)の後、色変えタイミングが間に合わない部分が生じた場合(S205:Yes)、第2補正処理(S206)を実行することとしている。
【0064】
図12は、本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)の第2補正処理(S206)を説明するための図であり、第2補正処理の各種形態が示されている。図12のA、Bは、各形態を説明するための図であり、各形態A~Jの添字「1」は第1補正処理(S204)による補正前、添字「2」は第1補正処理(S204)による補正後、添字「3」は第2補正処理(S206)による補正後の状態を示している。また、文字情報A~Dは、結合処理が行われた後の文字情報であって、アルファベットの順(A→B→C→D)で、歌唱されることを示している。
【0065】
図12(A1)は、新たな2行目において、文字情報Bの終端部分と、文字情報Dの先端部分で重複がみられる。この場合、第1補正処理(S204)では、文字情報Dを遅く表示しても支障が少ないことが予想されるため、図12(A2)に示されるように、文字情報Dの表示終了タイミングを後倒しにして、文字情報Bと文字情報Dの重複を解消することとしている。ここで、図12(A1)~図12(A3)に示されるDt1は、文字情報Dに対する色変え開始タイミングである。図12(A2)に示されるように、第1補正処理(S204)を実行することで、文字情報Dに対する色変え開始タイミングDt1が間に合わない状況、すなわち、文字情報Dが表示された際には、文字情報Dに対する色替えが既に開始されている状況となっている。
【0066】
したがって、第2補正処理(S206)では、図12(A3)に示されるように、文字情報Dの色変え開始タイミングDt1に間に合うように、文字情報Dの表示開始タイミングを前倒しとし、文字情報Bの表示終了タイミングを後ろ倒しにすることで、文字情報Dの色変え開始が間に合わない状況を解消している。なお、第2補正処理(S206)の補正は、文字情報Dの色変え開始タイミングDt1の前であって、文字情報Bの色変え終了タイミングの後であれば、適宜範囲で補正を行うことが可能である。
【0067】
図12(B1)は、新たな1行目において、文字情報Aの終端部分と、文字情報Cの先端部分で重複がみられる。この場合、第1補正処理(S204)では、文字情報Aを早く消去しても支障が少ないことが予想されるため、図12(B2)に示されるように、文字情報Aの表示終了タイミングを前倒しにして、文字情報Aと文字情報Cの重複を解消することとしている。ここで、図12(B1)~図12(B3)に示されるDt2は、文字情報Aに対する色変え終了タイミングである。図12(A2)に示されるように、第1補正処理(S204)を実行することで、文字情報Aに対する色変え終了タイミングの前に文字情報Aが消去された状況となっており、歌唱に支障が生じることが考えられる。
【0068】
したがって、第2補正処理(S206)では、図12(B3)に示されるように、文字情報Aの色変え終了タイミングDt2に間に合うように、文字情報Aの表示終了タイミングを後倒しとする。そして、文字情報Aと文字情報Cの重複を回避するため、文字情報Cの表示開始タイミングを後ろ倒しとする。よって、第1補正処理(S204)で生じた文字情報Aの色変え終了前に文字情報Aが消去される状況を解消している。なお、第2補正処理(S206)の補正は、文字情報Aの色変え終了タイミングAtの後であって、文字情報Cの色変開始タイミングの前であれば、適宜範囲で補正を行うことが可能である。
【0069】
以上、図6の第2補正処理(S206)の各種形態について説明したが、第2補正処理(S206)を実行することで、第1補正処理(S204)で生じた歌詞の色変え開始タイミングに文字情報が表示されていない、あるいは、歌詞の色変え終了タイミング前に文字情報が消去される状況を解消することが可能となっている。
【0070】
図6の歌詞情報変換処理(S200)では、S203~S206の処理の実行後、変換された歌詞情報について、不自然な配置が無いか否かを検証する(S207)。図13(A1)は、変換時に生じる不自然な配置を説明するための図である。図13(A1)は、歌詞情報変換処理(S200)において、S201~S206の処理が実行された歌詞情報について、新たな行情報に基づく歌詞情報の表示経過を示す例である。例えば、文字情報Dが表示されてから、次の文字情報Eが表示されるまでの間に、文字情報が表示されない画面となる期間が生じることが考えられる。このような状況は、AメロとBメロの間等の間奏時に生じることとなる。
【0071】
図13(A1)の場合、新たな1行目に文字情報Dが表示された後、間奏等、歌唱が必要の無い期間に入るが、歌唱するユーザは、新たな2行目(図13(A)に示すAで示す部分)に何か表示されることを期待することが考えられる。ユーザが期待しているにも関わらず、文字情報が表示されない場合、ユーザは戸惑いを生じることが考えられる。本実施形態では、このような文字情報の配置を不自然な配置と位置付け、不自然な配置が生じている場合(S207:Yes)、これを解消する第3補正処理(S208)を実行することとしている。
【0072】
図13(A2)は、図13(A1)の歌詞情報に対して、第3補正処理(S208)が実行された後の表示経過を示す例である。この第3補正処理(S208)では、文字情報A、Cと文字情報B、Dの表示位置(歌詞が表示されていない状態から表示され、再度、歌詞が表示されない状態となるまでの1区間)の行を入れ替えることで、間奏前に表示される文字情報Dが新たな2行目に位置させている。したがって、間奏前には、文字情報は下方に位置する新たな2行目に表示され、ユーザは歌唱が一段落したことを確認することが可能となる。なお、この例では、間奏時前に表示される文字情報の不自然な配置について説明したが、楽曲の終了直前に表示される文字情報についても、同様に不自然な状況が生じることが考えられる。このような場合にも第3補正処理(S208)を実行することで、歌唱し易い歌詞の配置とすることが可能となる。
【0073】
第3補正処理(S208)では、このように区切りの良い、入れ替え可能な1区間の行を入れ替えることとしているが、このような形態に代え、最後に表示されている結合された文字情報Dの結合関係を解除する、すなわち、結合しないことによっても解消することが可能である。図13(A3)は、図13(A1)の不自然な配置について、図13(A2)と異なる解消形態である。図13(A3)では、結合関係にあった文字情報Dの結合関係を解除し、文字情報D1、文字情報D2として、それぞれを1行目、2行目に表示させている。このようにすることで、歌唱が必要の無い期間に入る前には、2行目に文字情報D2が表示されることになり、不自然な配置を解消することが可能となっている。なお、結合関係を解除する文字情報は、この例のように最後に位置する文字情報では無く、1区間内の適宜文字情報の結合関係を解除することが可能である。例えば、結合後、横幅が最も長くなる文字情報の結合関係を解除する(結合しない)ことで、文字情報の横幅を適切な長さに抑えることが可能となる。
【0074】
なお、不自然な配置の解消について、図13(A2)の形態を採用するか、図13(A3)の形態の何れか一方を採用してもよい。あるいは、所定の条件に従って、図13(A2)の形態、図13(A3)の形態を使用することとしてもよい。例えば、歌詞が表示されてから画面に歌詞が表示されない状態までを1区間とした場合、当該1区間において、結合後、最初に表示される文字情報が最低行(本実施形態では、新たな2行目)に表示され、かつ、1区間あたりの文字情報の数が偶数になる場合には、図13(A2)の形態を採用する。一方、歌詞が表示されてから画面に歌詞が表示されない状態までを1区間とした場合、当該1区間において、結合後、最初に表示される文字情報が下から2行目(本実施形態では、新たな1行目)に表示され、かつ、1区間あたりの文字情報の数が奇数になる場合には、図13(A3)の形態を採用することが考えられる。
【0075】
以上、本実施形態の歌詞情報変換処理(S200)について説明を行ったが、歌詞情報変換処理(S200)を実行することで、従来のカラオケ装置2の環境のために作成されたカラオケ情報、特に歌詞情報を、現在のカラオケ装置2の環境、特に、モニタ41が大型化する環境に適合させることが可能となる。
【0076】
なお、本実施形態では、歌詞情報変換処理(S200)は、カラオケ装置2において、カラオケ情報の楽曲IDが指定(予約)され、再生開始前に実行されることとしているが、歌詞情報変換処理(S200)を行う主体、あるいは、その実行タイミングは適宜に行うことが可能である。例えば、主体としては、カラオケ装置2が実行することに代え、サーバ装置5で実行し、変換された歌詞情報、あるいは、変換された歌詞情報を含むカラオケ情報をカラオケ装置2に配信することとしてもよい。あるいは、歌詞情報変換処理(S200)は、カラオケ装置2において、楽曲がユーザにより指定(予約)された直後に開始されることとしてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、歌詞情報変換処理(S200)で変換された歌詞情報は、再利用しないこととしているが、変換された歌詞情報をカラオケ装置2内に保存しておき、再度、選曲された時に再利用することとしてもよい。その場合、新たに歌詞情報変換処理(S200)は実行されない。あるいは、変換された歌詞情報は、サーバ装置5に送信してもよい。サーバ装置5で変換された歌詞情報を収集し、他のカラオケ装置2に配信することも可能となる。
【0078】
以上、本実施形態ではカラオケ装置2を例に取って説明を行ったが、本発明はカラオケ装置2に限らず、サーバ装置5、あるいは、各種情報処理装置で実行可能なカラオケ用プログラムについても本発明の範疇に属する。また、カラオケ装置2は、カラオケ専用の装置のみならず、PCやゲーム機、スマートフォン等の各種情報装置であってもよい。その際、これらの情報装置で実行可能なカラオケ用プログラムについても本発明の範疇に属する。
【符号の説明】
【0079】
1:リモコン装置 25:音響制御部
2:カラオケ装置 27:メモリ
5:サーバ装置 28:ビデオRAM
11:タッチパネルモニタ 29:映像再生部
11a:表示部 30:制御部
11b:タッチパネル 31:映像制御部
12:ビデオRAM 32:HDD
13:映像制御部 33:タッチパネルモニタ
14:メモリ 33a:表示部
15:制御部 33b:タッチパネル
16:無線LAN通信部 41:モニタ
17:操作部 41a:ピアノロール
18:操作処理部 41b~41d:技巧情報
21:操作部 42:スピーカ
22:操作処理部 44a、44b:歌唱用マイク
24:LAN通信部
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10
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