(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】粉末状材料を空気圧式に搬送するための方法
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20220825BHJP
B65G 53/16 20060101ALI20220825BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20220825BHJP
B01D 53/64 20060101ALI20220825BHJP
B01D 53/68 20060101ALI20220825BHJP
B01D 53/83 20060101ALI20220825BHJP
F23J 15/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B01J4/00 105D
B65G53/16 ZAB
B01D53/50 100
B01D53/64 100
B01D53/68 100
B01D53/83
F23J15/00 J
(21)【出願番号】P 2019527805
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2017080642
(87)【国際公開番号】W WO2018096167
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2016/079012
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2016-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514311209
【氏名又は名称】エス.ア.ロイスト ルシェルシュ エ デヴロップマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バケ、ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】ハイツボルフ、ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ルトゥジー、ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】ライオンズ、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】メッツ、チャド、ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フィッツジェラルド、ハワード、ブラクストン
(72)【発明者】
【氏名】フィリペッリ、グレゴリー、エム.
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-154652(JP,A)
【文献】実開昭59-074927(JP,U)
【文献】特開2015-144985(JP,A)
【文献】特開2015-157253(JP,A)
【文献】特開平03-023111(JP,A)
【文献】特開2005-299682(JP,A)
【文献】特開平06-191641(JP,A)
【文献】国際公開第2000/038848(WO,A1)
【文献】国際公開第2002/045650(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00
B65G 53/16
B01D 53/50
B01D 53/64
B01D 53/68
B01D 53/83
F23J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法であって、前記方法は、
- 粉末状材
料の貯蔵タンクからレシピエント・ゾーンへ、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、粉末状材
料を空気圧式に搬送するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、パイプライン壁部を含み、また、前記粉末状材
料の貯蔵タンクに、および、前記レシピエント・ゾーンに接続されており、前記粉末状材
料は、ブロワーによって発生させられるフローによって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を、前記レシピエント・ゾーンの中へ、空気圧式に輸送され、前記ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローし、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、前記粉末状材
料の粒子が輸送される、ステップと、
- 前記粉末状材
料の貯蔵タンクから、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ進入するときに、所定の量の前記粉末状材
料を投与するための投与手段によって、粉末状材
料を投与するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、前記投与手段を通して、前記粉末状材
料の貯蔵タンクに接続されている、ステップと、
- 前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップと、
を含む、方法において、
音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側におよび/または前記レシピエント・ゾーンまでに、音波を発生させ、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの前記圧力降下の前記変動ステップに対して、反作用を提供
し、
音波を発生させる前記音波デバイスは、インフラソニック波を発生させるインフラサウンド・デバイスであることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローする前記ブロワーは、また、少なくとも部分的に前記音波デバイスを通して前記搬送流体をブローする、請求項1に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項3】
前記音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの前記圧力降下の前記変動ステップに対して反作用を提供するときに、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの前記圧力降下の前記変動ステップに対して、スムージング作用および/またはマスキング作用を提供する、請求項1
または2に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項4】
インフラソニック波は、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを含むインフラサウンド・デバイスの内側に発生させられ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブによって互いに接続されており、前記インフラソニック波は、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーの内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供する前記第1のチャンバーの内側の励磁機によって発生させられ、発生させられた前記インフラソニック波は、前記チューブを通して輸送され、前記第2のチャンバーに到達する
、請求項2に従属する請求項
3に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項5】
前記第1のチャンバーは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントへと分割されており、前記第1のコンパートメントは、通過孔部を通して前記第2のコンパートメントに接続されており、前記第1のコンパートメントは、内部チャネルを含み、前記内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、前記動力源は、前記第1のチャンバーに対して外部に位置付けされており、前記励磁機を形成しており、前記内部チャネルは、前記第1のコンパートメントの内側に同心円状に据え付けられており、前記インフラソニック波は、前記可動ピストンによって発生させられ、また、前記第2のチャンバーに到達するように前記チューブを通して輸送される前に、前記通過孔部を通して、前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントへ、前記搬送流体によって輸送される、請求項
4に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項6】
前記第1のコンパートメントに進入するか、または、前記第1のコンパートメントに接続される前に、前記ブロワーによってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するステップと、前記第2のチャンバーの内側にそれを導入するステップとをさらに含む、請求項
5に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項7】
前記粉末状材
料は、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群からから選択される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項8】
前記搬送流体は、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物である、請求項1から
7のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項9】
前記粉末状材
料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波は、前記投与手段にも接触する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項10】
音波は、前記粉末状材
料の輸送に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を進行し、また
、前記レシピエント・ゾーンまで進行する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項11】
前記粉末状材
料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送されるインフラソニック波は、Helmholtzバス・トラップに起因して前記ブロワーに到達することを防止され、前記Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバーに接続されているか、または
、前記ブロワーと前記第1のチャンバーとの間の前記パイプラインの上に接続されている、請求項
4、または、請求項
4に従属する請求項
5から
10のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項12】
前記方法は、緊急モードおよび動作モードを含み、前記緊急モードでは、ブローされた前記搬送流体が、前記第1のチャンバーに進入することを防止され、方向転換させられ、前記音波デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ直接的にブローされ、前記動作モードでは、前記ブローされた搬送流体が、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーへ提供される、請求項
4、または、請求項
4に従属する請求項
5から
11のいずれか一項に記載の、粉末状材
料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項13】
前記粉末状材料は、粉末状吸着剤である、請求項1から12のいずれか一項に記載の、粉末状材料を空気圧式に搬送するための方法。
【請求項14】
煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法であって、前記方法は、
- 燃料および/もしくは燃焼させられることとなる材料を燃焼させるステップ、または、加熱もしくは溶融させられることとなる材料を加熱するステップと、レシピエント・ゾーンの中に煙道ガスを作り出すステップと、
- 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法にしたがって、前記汚染化合物を捕獲するために提供される粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するステップであって、前記レシピエント・ゾーンは、煙道ガス・ダクトである、ステップと、
- 前記煙道ガス・ダクトの内側の前記粉末状吸着剤によって汚染化合物を捕獲し、それによって、汚染化合物から前記煙道ガスを激減させるステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
燃料、および/または、燃焼させられることとなる、または、加熱もしくは溶融させられることとなる前記材料の前記燃焼ステップの動作条件の変動ステップは、第1の信号、および/または、前記第1の搬送パイプラインの内側の前記圧力降下の前記変動ステップを発生させ、前記方法は、前記第1の信号、および/または、前記第1の搬送パイプラインの内側の前記圧力降下の前記変動ステップに応答して、粉末状吸着剤の前記量を調節するステップをさらに含む、請求項14に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法。
【請求項16】
前記第1の信号は、たとえば、前記煙突の出口部における環境の風速、前記煙突の前記出口部または前記煙道ガス・ダクトの外側における環境の大気圧力、前記煙道ガスの温度、前記燃料の性質、前記燃料の硫黄含有量、前記煙道ガスの硫黄含有量、前記煙道ガスの塩素含有量、前記煙道ガスの水銀含有量、燃焼もしくは加熱もしくは溶融させられることとなる材料の塩素含有量、燃焼もしくは加熱もしくは溶融させられることとなる材料の硫黄含有量、燃焼もしくは加熱もしくは溶融させられることとなる材料の水銀含有量、および、それらの組み合わせなどである、請求項15に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法。
【請求項17】
煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイスであって、前記デバイスは、
- 燃料、および/または、燃焼もしくは加熱もしくは溶融させられることとなる材料を燃焼させるために、および、煙道ガスを作り出すために設けられている炉または燃焼室であって、前記炉または燃焼室は、煙道ガス・ダクトに接続されており、前記炉または燃焼室の中で発生させられる煙道ガスは、前記煙道ガス・ダクトに導かれる、炉または燃焼室と、
- 第1の空気圧式の搬送パイプラインによって前記煙道ガス・ダクトに接続されている粉末状吸着剤の貯蔵タンクであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、ブロワーにさらに接続されており、前記ブロワーは、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を前記煙道ガス・ダクトへ前記粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するために設けられており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、パイプライン壁部を含み、また、前記煙道ガス・ダクトに接続されており、前記ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側に搬送流体のフローを発生させるために設けられており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送される、粉末状吸着剤の貯蔵タンクと、
- 前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中へ進入するときに、所定の量の前記粉末状吸着剤を投与するために設けられている粉末状吸着剤投与手段であって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、前記投与手段を通して、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに接続されている、粉末状吸着剤投与手段と、
- 第1の信号に応答して粉末状吸着剤の前記量を調節するための制御デバイスと、
を含む、デバイスにおいて、
前記デバイスは、音波デバイスをさらに含み、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、また、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側におよび/または前記煙道ガス・ダクトまでに、音波を発生させるために設けられており、前記音波デバイスは、さらに、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの前記圧力降下の変動ステップに対して反作用するように設けられて
おり、
音波を発生させるために設けられている前記音波デバイスは、インフラソニック波を発生させるために設けられているインフラサウンド・デバイスであることを特徴とする、デバイス。
【請求項18】
前記デバイスは、混合または接続デバイスをさらに含み、前記混合または接続デバイスは、前記投与手段と前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされており、前記搬送流体の中に前記粉末状吸着剤を混合するために設けられている、請求項17に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項19】
前記デバイスは、冷却デバイスをさらに含み、前記冷却デバイスは、前記ブロワーと前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされている、請求項17または請求項18に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項20】
前記インフラサウンド・デバイスは、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを含み、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブによって互いに接続されており、前記第1のチャンバーは、励磁機を含み、前記励磁機は、前記第1のチャンバーの内側に位置付けされており、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーの内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供することによって、前記インフラソニック波を発生させるように設けられており、発生させられた前記インフラソニック波は、共鳴パイプラインとして作用する前記チューブを通して輸送され、前記第2のチャンバーに到達する、請求項
17から19のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項21】
前記第1のチャンバーは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントへと分割されており、前記第1のコンパートメントは、通過孔部を通して前記第2のコンパートメントに接続されており、前記第1のコンパートメントは、内部チャネルを含み、前記内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、前記動力源は、前記第1のチャンバーに対して外部に位置付けされており、前記励磁機を形成しており、前記内部チャネルは、前記第1のコンパートメントの内側に同心円状に据え付けられており、前記インフラソニック波は、前記可動ピストンによって発生させられ、また、前記第2のチャンバーに到達するように前記チューブを通して輸送される前に、前記通過孔部を通して、前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントへ、前記搬送流体によって輸送される、請求項
20に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項22】
前記音波デバイスは、前記ブロワーおよび前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている、請求項17から
21のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項23】
前記音波デバイスは、第2のブロワー、および、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクと前記煙道ガス・ダクトとの間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている、請求項17から
21のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項24】
前記音波デバイスは、第2のブロワー、および、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクと前記ブロワーとの間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている、請求項17から
21のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、調節可能な流量ディストリビューター・パイプをさらに含み、前記調節可能な流量ディストリビューター・パイプは、第1の端部において、前記ブロワーに、前記ブロワーと前記第1のチャンバーとの間に、または、前記第1のチャンバーのいずれか
にに接続されており、また、第2の端部において、前記第2のチャンバーに接続されており、前記調節可能な流量ディストリビューター・パイプは、前記ブロワーによってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するために、および、前記第2のチャンバーの内側にそれを導入するために設けられている、請求項
21に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項26】
前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクは、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群から選択される粉末状吸着剤の粉末状吸着剤貯蔵タンクである、請求項17から
25のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項27】
前記搬送流体は、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物である、請求項17から
26のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項28】
前記デバイスは、Helmholtzバス・トラップをさらに含み、前記Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバーに接続されているか、または
、前記ブロワーと前記第1のチャンバーとの間の前記パイプラインの上に接続されており、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送されるインフラソニック波が前記ブロワーに到達することを防止するために設けられている、請求項
20または21に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項29】
前記デバイスは、緊急デバイスを含み、前記緊急デバイスは、緊急位置である第1の位置と、動作位置である第2の位置とを有しており、前記緊急デバイスは、スイッチを含み、前記スイッチは、緊急パイプに接続されており、前記緊急パイプは、直接的に前記ブロワーを前記インフラサウンド・デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続しており、前記緊急位置は、前記スイッチが、ブローされた前記搬送流体が前記第1のチャンバーに進入することを防止し、前記搬送流体を前記インフラサウンド・デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ直接的に方向転換させる、位置であり、前記動作位置は、ブローされた前記搬送流体が少なくとも部分的に前記第1のチャンバーへ提供される、位置である、請求項
20または21に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項30】
前記第1の信号は、たとえば、前記煙突の出口部における環境の風速、前記煙突の前記出口部または前記煙道ガス・ダクトの外側における環境の大気圧力、前記煙道ガスの温度、前記燃料の性質、前記燃料の硫黄含有量、前記煙道ガスの硫黄含有量、前記煙道ガスの塩素含有量、前記煙道ガスの水銀含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の塩素含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の硫黄含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の水銀含有量、および、それらの組み合わせなどである、請求項17から
29のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【請求項31】
前記投与手段は、投与スクリュー、垂直方向のシャフトまたは水平方向のシャフトを備えた回転弁、エア・スライド、ジェット・フィーダー、スクリュー・フィーダー、エア・ロック・フィーダー、スクリュー・ポンプ、圧力容器、エア・リフトから選択され、前記投与手段は、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクと前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされており、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波によって接触されるように設けられている、請求項17から
30のいずれか一項に記載の、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するための方法であって、方法は、
- 粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンクからレシピエント・ゾーン(recipient zone)へ、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、パイプライン壁部を含み、また、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに、および、前記レシピエント・ゾーンに接続されており、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤は、ブロワーによって発生させられるフローによって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を、前記レシピエント・ゾーンの中へ、空気圧式に輸送され、前記ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローし、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送される、ステップと、
- 前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ進入するときに、所定の量の前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤を投与するための投与手段によって、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤を投与するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、前記投与手段を通して、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに接続されている、ステップと、
- 前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップと、
を含む、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンクとレシピエント・ゾーンとの間の、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の間に、圧力降下変動が、任意の時間に、非常に頻繁に起こり、それは、制御することが困難である。圧力降下の変動は、空気圧式の搬送プロセスの複数の内在要因に起因しているか、または、外部イベントに起因している可能性がある。
【0003】
そのような圧力降下の変動は、搬送されることとなる粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の全体を乱しており、異なる種類の摂動(perturbation)を引き起こす。摂動のなかでも、圧力降下の変動が粉末状材料/吸着剤の搬送速度の修正を引き起こしているという事実を見出すことが可能である。
【0004】
粉末状材料/吸着剤フローは、跳躍速度(saltation velocity)を有しており、跳躍速度の下で、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、空気圧式の搬送パイプの中に定着し始め、一方、ブロワーによってブローされる搬送流体は、安全な速度の公称値を与えられ、安全な速度の公称値は、跳躍速度よりも大きくなっており、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送パイプの内側に定着することを防止する。
【0005】
残念なことには、多くの変動が、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の間の任意の時間に起こり、空気圧式の搬送パイプラインの内側に圧力降下の不安定性を引き起こす。
【0006】
実際に、ブロワーは、圧力降下と流量との間の曲線によって特徴付けられている。圧力降下、すなわち、レシピエント・ゾーンの内側の圧力および第1の搬送パイプの進入口における圧力の差は、プラントによって課されるものであり、プラントの内側では、空気圧式の搬送が実施されるはずであり、ブロワーの特徴曲線は、プラントの内側で起こる圧力降下の値に応じて、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の中に所定の流量を結果として生じさせる。
【0007】
圧力降下において小さい変動が存在するとすぐに(たとえば、それに限定されることないが、大気条件の変化、搬送流体の温度の変化、閉塞に起因し得るパイプライン断面の低減、部分的な閉塞、ブロワー・フローを乱す物体、粉末状材料の非連続的なローディング(特に、回転弁による)、電力切断または電圧(もしくは、電流)の変動、スート・ブローイング、負荷(容量)変化、ガス・スクラバーの中の動作条件の変化、バグ・フィルター・パルス、静電集塵器ラッピング(rapping)、燃料注入の変動、燃料品質(たとえば、エネルギー、湿分、およびアッシュ含有量)の変動、メインの押込通風または誘引通風のレート変化、プラントのファン、さらに、空気圧式の搬送パイプラインへ投与および給送される、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の流量の不均一性、投与手段による空気フローの中の粉末材料の凝集などによって引き起こされる)、粉末状吸着剤/材料の空気圧式の搬送が乱されないように十分に迅速に制御することが可能になることなく、圧力降下は減少または増加し始める。プロセス煙道ガスのレシピエント・ゾーンにおける圧力のこれらの変動は、注入の前に空気圧式の搬送パイプラインの中で使用されるガス流量に直接的に影響を与えることが可能である。その理由は、もしある場合には、ブロワーの制御が、通常は、十分に反応性が高くないからである。結果的に、フロー・レジメの変化が存在し、それは、搬送流体に対する粉末状材料の質量比の変化につながる。結果として、たとえば、繰り返しになるが、それに限定されることなく、圧力降下が増加するときに、搬送流体の空気圧式の速度または流量が低減され、場合によっては、搬送流体の速度が安全な公称値速度よりも低い値に到達するようになっており、したがって、空気圧式に搬送される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が空気圧式の搬送パイプラインの内側の沈殿することを引き起こす。粉末状材料、とりわけ粉末状吸着剤の沈殿は、圧力降下が増加することを引き起こすこととなり、それは、さらに低いガス流量につながる。明らかに、ガス流量がアクティブに制御されないシステムに関して、または、ガス流量が十分に高速に制御されることができないシステムに関して、そのような空気圧式の輸送システムは、安定していない。
【0008】
逆に、圧力降下の減少のケースでは、高過ぎるフローが、断面の変化または方向の変化が存在する領域において、粉末状材料のより高い押し込み力に起因して、粉末状材料がパイプの壁部の上にスティックすることを引き起こす可能性がある。
【0009】
したがって、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始め、そして、空気圧式の搬送に利用可能なパイプラインの通過直径が低減されるので、圧力降下の変動を引き起こし、そして、空気圧式の搬送に影響をもたらす圧力降下の増加を引き起こす。
【0010】
理解することができるように、圧力降下の最小の単一の変動は、空気圧式の搬送の設計最適化のレベルがどのようなものであっても起こり、それは、空気圧式の搬送パイプラインの内側の粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の効率に強い影響をもたらすこととなる。
【0011】
ときには、煙道ガス・ダクトの中の圧力は、プロセス動作に応じて変化することとなる(これらの圧力変動の原因の例が、下記に提供される)。投与手段に応じて、煙道ガス圧力変動は、空気圧式の搬送システムの中のガス・フロー変動を引き起こすこととなる。
【0012】
この変動の現象は、ブローされているときに、任意の搬送流体の中で起こっている。その現象は、当然のことながら、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が搬送されるときに、さらに増幅される。その理由は、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始めるとすぐに、粉末状材料自身が、正しい圧力降下を容易に回復することができないからである。実際に、ガス速度が跳躍速度の下方に落ちたときに、粉末状材料が堆積し始めると、そのような粉末は、容易に再飛散されない。
【0013】
本発明は、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンクとレシピエント・ゾーンとの間の空気圧式の搬送パイプラインの中の粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の効率的な改善を可能にする方法を提供することによって、これらの欠点の少なくとも一部を解決する。
【0014】
本発明によれば、レシピエント・ゾーンという用語によって、それは、以下のもの、すなわち、炉もしくは燃焼後チャンバー、または後燃焼ゾーン、または、粉末状吸着剤を収集するための別の貯蔵レシピエント、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送を通して、たとえば、煙道ガス・ダクト(すなわち、炉の中にあるかまたは炉に接続されている、熱交換器の中にあるかまたは熱交換器に接続されている、燃焼ゾーンの中にあるかまたは燃焼ゾーンに接続されている、燃焼後チャンバーの中にあるかまたは燃焼チャンバーに接続されている、後燃焼ゾーンの中にあるかまたは燃焼ゾーンに接続されている、など)などを通して注入されるべきチャネル、プラントの内側のパイプライン、フィルター・デバイス、たとえば、静電集塵器など、バグ・フィルター、ガス・スクラバー、たとえば、乾燥式、半湿潤式(噴霧乾燥アブソーバー)、または湿潤式のスクラバー...のうちの1つまたは複数を意味している。フィルター・デバイスまたはガス・スクラバーに関して、注入ポイントは、特に、それらの進入口の前において、または、それらの進入口において、ダクトの中にあることが可能である。
【0015】
粉末状材料の空気圧式の搬送という用語によって、それは、本発明の範囲内において、マイナスの圧力によるまたはプラスの圧力による空気圧式の搬送、または、搬送流体の中の濃密相、ストランド相、もしくは希薄相、とりわけ、希薄相としての、または、搬送流体の中の不連続相としての、粉末状材料の空気圧式の搬送を意味している。
【0016】
「に接続されている」という用語によって、1つのエレメントが、直接的にまたは間接的に別のエレメントに接続されていることを意味しており、エレメント同士が互いに連通しているが、他のエレメントがその間に挿入され得るということを意味している。
【発明の概要】
【0017】
上述の問題を解決するために、本発明によれば、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するための方法であって、音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側におよび/または前記レシピエント・ゾーンまでに、音波を発生させ、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップに対して、反作用を提供することを特徴とする、方法が提供される。
【0018】
本明細書で考えられる乱流に関して、音波が圧力降下の増加を発生させるということ、ならびに、音波が前記第1の搬送パイプラインおよび/または前記レシピエント・ゾーンの中の圧力変動に対して反作用する能力を有しているということが、実際に驚くほどに認識された。
【0019】
音波は、ときには、蓄積された粒子、たとえば、粉末状吸着剤粒子などの凝集を解くために使用されるか、または、ガス固体フローを用いる大型の機器の中に蓄積された粒子を防止し、クリーニングし、もしくは除去するために使用される。これらの用途では、音波は、停滞ゾーンにおいて、すなわち、ガス速度がほぼゼロになっており、層流条件を結果として生じさせるエリアにおいて、乱流を発生させるか、または、ダクト・ワークの壁部が機械的に振動することを引き起こし、粒子付着を防止する。これらの2つのメカニズムは、ダクトの壁部への粒子の沈殿および付着を防止することとなる。しかし、本発明によれば、音波が、空気圧式の搬送フローの圧力降下を増加させるために使用され、本発明による音波は、それが圧力降下の変動ステップに反作用することができるように使用され、それによって、粒子の蓄積をクリーニングするかまたは粒子の蓄積に反対に作用する代わりに、前記空気圧式の搬送において粉末状材料の蓄積を引き起こす、摂動を最小化する。
【0020】
本発明によれば、前記搬送流体は、前記パイプライン壁部に沿った境界層を含むフローを有しており、その境界層厚さは、前記パイプラインの変化する断面の領域において、および、方向が変化する領域において変化する。
【0021】
有利には、本発明の方法によれば、ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローするだけでなく、また、少なくとも部分的に前記音波デバイスを通して前記搬送流体をブローする。
【0022】
実際に、ブロワーが前記空気圧式の搬送パイプの内側の搬送流体をブローするだけでなく、少なくとも部分的に前記音波デバイスを通して搬送流体をブローするという事実は、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下をさらに増加させ、圧力降下変動に反作用するためにより効率的である。
【0023】
特定の実施形態では、第1の空気圧式の搬送パイプラインは、リジッドのパイプラインであり、とりわけ、ステンレス鋼または炭素鋼のものである。この特定の実施形態は、リジッドの前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローするブロワーと組み合わせられるときに、さらに能力を発揮する。
【0024】
別の特定の実施形態では、第1の空気圧式の搬送パイプは、可撓性のパイプラインであり、とりわけ、ポリウレタンのようなポリマーのものである。
【0025】
実際に、この好適な実施形態によれば、圧力降下の変動は、圧力降下の増加を発生させる音波によって、驚くほどに反作用される。
【0026】
100μmを下回る平均粒子サイズd50を有する粉末状材料の微細粒子がリジッドの空気圧式の輸送パイプラインの壁部の上に付着することは、前記パイプラインのベンド、エルボ、断面低減部、または断面拡大部などのような、エリアにおいて起こる。パイプラインの壁部への粒子の付着が起こると、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、消石灰、または、消石灰を含む吸着剤の混合物である場合には、消石灰の炭酸塩化が起こり、除去することが困難な硬質層の形成を結果として生じさせる。
【0027】
摩擦力、衝撃力、および重力と比較して、静電気力の寄与度が増加することに起因して、固体物体への付着の問題は、減少する粒子直径の粒子に関して、ますます重要になっている。所定の直径<100μmを有する粉末状吸着剤粒子は、一般的に、Geldart分類(Cocco, R.; Reddy-Karri, S. B.; Knowlton, T. Introduction to Fluidization. AICHE CEP 2014, No. November, 21-29; Geldart, D. Types of Gas Fluidization. Powder Technol. 1973, 7 (5), 285-292を参照)による凝集性として分類され(Geldart粉末グループC)、それらのフロー特性は、Jenickeによるフロー・ファンクション分類(CAGLI, A. S.; DEVECI, B. N.; OKUTAN, C. H.; SIRKECI, D. A. A.; TEOMAN, E. Y. Flow Property Measurement Using the Jenike Shear Cell for 7 Different Bulk Solids. Proc. Eur. Congr. Chem. Eng. 2007, No. September, 16-20; Jenicke, A. W. Gravity Flow of Bulk Solids. Bull. Univ. Utah 1961, 52 (29), 1-309; Jenicke, A. W. Storage and Flow of Solids. Bull. Univ. Utah 1964, 53 (26), 1-198; Pendyala, R.; Jayanti, S.; Balakrishnan, A. R. Flow and Pressure Drop Fluctuations in a Vertical Tube Subject to Low Frequency Oscillations. Nucl. Eng. Des. 2008, 238 (1), 178-187を参照)を使用して、詳細に評価され得る。Jenickeフロー・ファンクションによって、粉末の内部凝集が測定され、これは、粉末の付着特性に関する良好なインジケーターとして考えられ得る。
【0028】
リジッドのパイプの中の粉末状吸着剤の空気圧式の輸送の付着問題に関して、上記に概説されたクリーニング・メカニズムは、付着の防止を説明することができない。
【0029】
音波の従来の用途では、ガス速度が機器の停滞ゾーンの内側においてほぼゼロになっているシステムの中に、乱流を生成させるために、波が使用される。
【0030】
パイプの中の流体フローの乱流は、レイノルズ数によって査定され得る:
【数1】
ここで、ρは、搬送流体の密度(kg/m
3)であり、vは、搬送流体の速度(m/s)であり、dは、パイプ直径(m)であり、μは、搬送流体の粘性係数(Pa s)である。それらのレイノルズ数が2000よりも大きい場合には(すなわち、Re>2000)、搬送流体は、乱流になっていると考えられる。
【0031】
粉末状吸着剤の通常の輸送に関して、搬送流体は、大気であることが可能であり、チューブ直径は、約0.10m(4インチ)である、搬送する空気速度は、典型的に20m/sである。これらの条件の下で、レイノルズ数は、100万を上回り、それは、流体が高度に乱流になっているということを暗示している。
【0032】
これは、空気圧式の搬送のケースでは、音波は、局所的な乱流を層流ゾーンに提供し、蓄積された粒子をクリーニングまたは除去するメカニズムを開始させる役割を果たさず、したがって、圧力降下の変動に反作用する原因となることができないということ意味している。
【0033】
それに加えて、音波空気フローに起因する圧力降下の増加は、高度に乱流のフローに関して予期されない(Pendyala, R.; Jayanti, S.; Balakrishnan, A. R. Flow and Pressure Drop Fluctuations in a Vertical Tube Subject to Low Frequency Oscillations. Nucl. Eng. Des. 2008, 238 (1), 178-187を参照)。
【0034】
ダクト・ワークおよび機器壁部に関して、金属パーツの移動が、パーツの大きいサイズおよび/またはより薄い壁部(それは、したがって、より低い曲げ強度を有しており、したがって、より変形可能である)に起因して、可能であるが、そのような移動は、第1の空気圧式の搬送パイプラインとして使用される0.10~0.20m(4~8インチ)直径のスチール・パイプまたはポリマー(プラスチック)パイプに関しては可能ではない。空気圧式の搬送パイプラインの表面積および壁部厚さの組み合わせは、音波に起因する任意の重要な半径方向の移動を妨げる。
【0035】
したがって、音波の適用が、圧力降下の変動に反作用し、それによって、リジッドのパイプ壁部への粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の粒子の付着も回避するということは予期されない。この自明でない結果は、従来のシステムとは対照的なブロー・スルー・システムを介して、たとえば、好適な実施形態などにおいて音波が発生させられる方式によって引き起こされ、従来のシステムでは、デッド・エンド・サウンド発生器が使用される。音波のブロー・スルー発生の結果は、始動と停止を繰り返すフローの性質によるガス固体混合物のより強力な混合である。
【0036】
本発明による別の好適な実施形態では、音波を発生させる音波デバイスは、インフラソニック波を発生させるインフラサウンド・デバイスである。
【0037】
本発明による方法のさらに別の好適な実施形態では、前記音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップに対して反作用を提供するときに、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップに対して、スムージング作用および/またはマスキング作用(それは、補償作用とも呼ばれる)を提供する。
【0038】
本発明による方法の特定の実施形態では、インフラソニック波は、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを含むインフラサウンド・デバイスの内側に発生させられ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブによって互いに接続されており、前記インフラソニック波は、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーの内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供する第1のチャンバーの内側の励磁機によって発生させられ、発生させられた前記インフラソニック波は、チューブを通して輸送され、第2のチャンバーに到達する。
【0039】
より好ましくは、本発明による方法において、第1のチャンバーは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントへと分割されており、前記第1のコンパートメントは、通過孔部を通して前記第2のコンパートメントに接続されており、前記第1のコンパートメントは、内部チャネルを含み、内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、動力源は、第1のチャンバーに対して外部に位置付けされており、励磁機を形成しており、前記内部チャネルは、前記第1のコンパートメントの内側に同心円状に据え付けられており、前記インフラソニック波は、可動ピストンによって発生させられ、また、第2のチャンバーに到達するようにチューブを通して輸送される前に、通過孔部を通して、前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントへ、前記搬送流体によって輸送される。搬送流体は、ピストンを通してブローされ得る。
【0040】
別の有利な実施形態では、回転コントローラーが、適当な作業周波数を回避するための励磁機動力源(モーター)のために、ならびに、効率および安全を考量させるために含まれている。
【0041】
別の好適な実施形態では、音波デバイスは、音波発生器の近くの第1の空気圧式の搬送パイプラインの中に、20mbarから200mbarの間の、とりわけ、少なくとも30mbarの、とりわけ、最大でも150mbarの圧力増加を生成させる。
【0042】
本発明による有利な実施形態では、方法は、第1のコンパートメントに進入するか、または、第1のコンパートメントに接続される前に、ブロワーによってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するステップと、第2のチャンバーの内側にそれを導入するステップとをさらに含む。
【0043】
特定の実施形態では、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム(hydrated or semi-hydrated dolime)、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム(quick dolime)、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(トロナとしても知られる)、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群からから選択される。
【0044】
特定の実施形態では、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、好ましくは、主に、無機粉末状吸着剤であり、それは、それが主に本質的に無機質であり得るということを意味しているが、典型的に、粉末状吸着剤の重量に対して、30重量%以下の、とりわけ、20重量%以下の、より具体的には、15%以下の、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物を含有することが可能である。
【0045】
粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、好ましくは、主に、好ましくは、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群から選ばれる、粉末状吸着剤の重量に対して50重量%を上回る、とりわけ、70%を上回る量のカルシウム吸着剤を含有するカルシウム無機吸着剤である。
【0046】
さらに別の好適な実施形態では、前記搬送流体は、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物である。
【0047】
さらに好適な実施形態では、前記粉末状材料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波、とりわけ、インフラソニック波は、前記投与手段にも接触する。
【0048】
別の好適な実施形態では、音波、とりわけ、インフラソニック波は、前記粉末状材料の輸送に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を進行し、また、好ましくは、レシピエント・ゾーンまで進行する(または、分配される)。
【0049】
本発明による方法における別の好適な実施形態では、前記粉末状材料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される、音波、とりわけ、インフラソニック波は、Helmholtzバス・トラップに起因してブロワーに到達することを防止され、Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバーに接続されているか、または、好ましくは、ブロワーと第1のチャンバーとの間のパイプラインの上に接続されている。
【0050】
本発明による特定の実施形態では、方法は、緊急モードおよび動作モードを含み、緊急モードでは、ブローされた搬送流体が、前記第1のチャンバーに進入することを防止され、方向転換させられ、音波デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ直接的にブローされ、動作モードでは、ブローされた搬送流体が、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーへ提供される。
【0051】
また、本発明は、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法であって、方法は、
- 燃料および/または燃焼させられることとなる材料を燃焼させるステップ、または、加熱もしくは溶融させられることとなる材料を加熱するステップと、レシピエント・ゾーンの中に煙道ガスを作り出すステップと、
- 本発明にしたがって、前記汚染化合物を捕獲するために提供される粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するステップであって、前記レシピエント・ゾーンは、煙道ガス・ダクトである、ステップと、
- 前記煙道ガス・ダクトの内側の前記粉末状吸着剤によって汚染化合物を捕獲し、それによって、汚染化合物から煙道ガスを激減させるステップと、
を含む、方法に関する。
【0052】
具体的には、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法は、
- 燃料および/もしくは燃焼させられることとなる材料を燃焼させるステップ、または、加熱もしくは溶融させられることとなる材料を加熱するステップと、レシピエント・ゾーンの中に煙道ガスを作り出すステップと、
- 粉末状吸着剤の貯蔵タンクから、煙道ガス・ダクトであるレシピエント・ゾーンへ、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、パイプライン壁部を含み、また、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに、および、前記レシピエント・ゾーンに接続されており、前記粉末状吸着剤は、ブロワーによって発生させられるフローによって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を、前記煙道ガス・ダクトの中へ、空気圧式に輸送され、前記ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローし、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送される、ステップと、
- 前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ進入するときに、所定の量の前記粉末状吸着剤を投与するための投与手段によって、粉末状吸着剤を投与するステップであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、前記投与手段を通して、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに接続されている、ステップと、
- 前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの圧力降下の変動ステップと、
- 前記煙道ガス・ダクトの内側の前記粉末状吸着剤によって汚染化合物を捕獲し、それによって、汚染化合物から前記煙道ガスを激減させるステップと、
を含む。
【0053】
本発明によれば、燃料は、ガス、液体、ペースト、または固体、特に、石炭および/または油を意味することが可能である。
【0054】
本発明、燃焼させられることとなる材料、または、加熱もしくは溶融させられることとなる材料という用語によって、それは、それに限定されることなく、ゴミ材料(家庭、産業、もしくは医療)、加熱されることとなる原材料を加熱することによってセメントまたはガラスを作り出すためのケイ酸塩材料、石灰岩または苦灰岩(ドロマイト)、金属鉱石、とりわけ、鉄鉱石、れんが、またはタイルなどを意味している。また、加熱または燃焼されることとなる材料は、スチールのスクラップ、バッテリー...のようなリサイクルされる材料であることが可能である。
【0055】
典型的に、ガス、とりわけ、煙道ガスの処理は、酸性ガス、特に、HCl、SO2、SO3、および/またはHFの軽減を必要とし、その低減は、煙道ガス・フローの中へ、または、固定されているかまたは動いているかのいずれかの固体粒子を含むフィルター・ベッドを通して、物質(多くの場合、無機質(乾燥したものおよび粉末状のもの)を注入することによって、乾燥した条件の下で実施され得る。このケースでは、粉末状化合物は、一般的に、カルシウム-マグネシウムベースの化合物、とりわけ、石灰、好ましくは、水酸化カルシウムもしくは消石灰、または、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムのようなナトリウム化合物を含む。また、他の化合物も使用され得り、それは、特に、ダイオキシン、フラン、および/または、水銀を含む重金属を低減させるために使用されるもの、たとえば、活性炭もしくは亜炭コークスのような炭素質物質、または、無機物質、たとえば、フィロケイ酸塩をベースとするものなど、たとえば、セピオライトもしくはハロイサイトなどである。
【0056】
さまざまな解決策が、汚染化合物捕獲を改善させるために開発されており、それは、たとえば、国際公開第2014/206880号に説明されている解決策などがある。国際公開第2014/206880号は、煙道ガス・ダクトの中へ粉末状無機化合物を注入するためのデバイスを説明しており、煙道ガス・ダクトは、粉末状化合物の供給源と粉末状化合物注入パイピングとを含み、粉末状化合物注入パイピングは、粉末状化合物の供給源によって供給され、前記ガス・ダクトの中へ開口するように配置されている。粉末状化合物を注入するためのデバイスは、単相性液体水相の供給源と、単相性液体水相を液滴として注入するための少なくとも1つのパイピングとをさらに含む。この文献によれば、単相性液体水相を注入するためのパイピングは、粉末状化合物注入パイピングの外部面の周りに局在化された周辺スペースの中に位置付けされている。
【0057】
別の解決策が、文献特開昭61-259747号公報に説明されている。この文献によれば、水酸化カルシウムなどのような吸収剤が、固体気体接触装置の内側に給送され、そこには、廃ガスも給送される。固体気体接触装置は、重ね合わせられた多孔板を含む。廃ガスは、接触装置の底部側に給送され、多孔板を通過した後の接触装置の上側ステージにおいて、捕獲された汚染物質の中でさらに消耗された状態で、接触装置から抜け出すこととなる。吸収剤は、接触装置の内側において、廃ガスの上方であるが、多孔板の下に給送される。空気の中の超低周波音が発生させられ、接触装置の中に導入され、多段噴流層固体気体接触装置を形成している。
【0058】
環境の中への汚染物質の排出は、ますます規制されており、煙道ガスの中に放出される汚染化合物の公認レベルは、厳しく制御されている。この理由のために、ゴミ焼却炉などのような、バーナーを使用する産業(以降では、「燃焼産業」と呼ばれる)だけでなく、セメント産業、石灰産業、ガラス産業などのような、炉を使用する産業も、環境的要件を堅持するために、煙道ガス処理における汚染化合物の排出をますます制御している。
【0059】
残念なことには、煙道ガスの中の汚染物質のレベルを低減させるように対応および事前作用するために、多くの予防措置がとられる場合にも、それらの予防措置のすべてが、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の中のそれ自身の変動を引き起こし、したがって、汚染物質捕獲の不足を引き起こしている。
【0060】
本発明は、煙道ガスからの汚染物質捕獲の効率を改善させる方法を提供することによって、これらの欠点の少なくとも一部を解決し、それによって、汚染物質捕獲の中の変動、したがって、不足が、可能な限り低減される。
【0061】
この問題を解決するために、本発明にしたがって、以前に述べられているような煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法であって、音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側におよび/または前記レシピエント・ゾーンまでに、音波を発生させ、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップに対して、反作用を提供し、前記レシピエント・ゾーンが、前記煙道ガス・ダクトであることを特徴とする、方法が提供される。
【0062】
本発明によれば、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の変動ステップに対する反作用は、粉末状吸着剤の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波によって、煙道ガス・ダクトの中に給送される粉末状吸着剤、とりわけ、粉末状無機吸着剤の望ましくない変動を低減させることによって、汚染物質化合物捕獲の改善を引き起こす。
【0063】
実際に、粉末状吸着剤の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波が、煙道ガス・ダクトの中を給送される粉末状吸着剤の空気圧式の搬送における変動に直接的な影響を有するということが、驚くほどに見出された。
【0064】
音波の適当な使用は、粉末状吸着剤の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の圧力降下の増加を生成させ、それは、煙道ガス・ダクトの内側に注入される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の変動を解決することが可能であるということが、本発明にしたがって示されている。
【0065】
粉末状吸着剤の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を進行する音波は、圧力降下における変動に対して非常に迅速に反作用することによって、煙道ガス・ダクトの内側の汚染物質捕獲の不足を防止するということが示されており、それによって、粒子の速度が跳躍速度(跳躍速度において、粒子が次いで定着し始めることとなる)よりも下に落ちることを引き起こすことを、変動する圧力降下が引き起こすことを防止し、粒子が空気圧式の輸送によって搬送されることを可能にし、結果として、粒子が煙道ガス・ダクトに依然として到達することを可能にする。
【0066】
実際に、この効果は、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の増加を生成させる音波の適正な使用、ならびに、粉末状吸着剤の粒子とパイプの中の音の振動の腹および節の場所を変化させる波の変動周波数を有する音波との間の衝突の組み合わせによって到達される。
【0067】
典型的に、閉塞が始まるときに、第1の空気圧式の搬送パイプラインの直径が低減され、これは、また、上述のものと同じ理由のために、前記搬送流体と前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤との間の重量比を変化させることとなる。
【0068】
したがって、本発明によれば、粉末状吸着剤の前記搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波が、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の中の変動に対して反作用し、それによって、煙道ガス・ダクトへの粉末状吸着剤の十分な/最適化流量を保証することによって、汚染物質捕獲のレベルを改善させるように示されている。
【0069】
本発明の方法の好適な実施形態では、燃料、および/または、燃焼させられることとなる、または、加熱もしくは溶融させられることとなる前記材料の前記燃焼ステップの動作条件の変動ステップは、第1の信号、および/または、前記第1の搬送パイプラインの内側の圧力降下の変動ステップを発生させ、前記方法は、前記第1の信号、および/または、前記第1の搬送パイプラインの内側の圧力降下の前記変動ステップに応答して、粉末状吸着剤の前記量を調節するステップをさらに含む。
【0070】
ますます、燃焼産業は、煙道ガス・ダクトの出口においてアナライザーを使用し、汚染化合物のレベルを測定し(第1の信号の例)、また、それらの汚染物質を捕獲するために使用される粉末状吸着剤の量を制御するために、長期間にわたって制御ループを適切な場所に置いている。たとえば、SO2のレベルが増加し始める場合には、粉末状吸着剤の量は、この汚染物質の捕獲を改善させるために、増加させられることとなる。SO2のレベルが減少し始める場合には、粉末状吸着剤の量は減少させられることとなる。
【0071】
他の「燃焼産業」は、連続的な分析を使用していないが、予防策として、それらは、いくつかのクライテリアおよび測定値(第1の信号)、たとえば、使用されることとなる燃料の中の硫黄のレベル、燃焼させられることとなるゴミまたは加熱されることとなる材料(金属鉱石、リサイクル材料...)の中に存在する塩素または硫黄のレベルに関する事前分析またはデータなどに基づいて、燃焼ステップまたは加熱ステップの予期される収率、炉を動かす人々の回転、燃焼させられることとなる材料の燃焼を行うために炉の中に導入される一次的な空気レベルに基づいて、温度、大気圧力、...に基づいて、粉末状吸着剤の量を調節する。次いで、粉末状吸着剤の量は、所定の期間にわたって手動で固定され、新しい条件(第1の信号)が生じたときに変化させられる。
【0072】
より具体的には、たとえば、汚染物質レベルの増加、汚染物質レベルの減少など、第1の信号が、燃焼させられることとなる燃料および/または材料の燃焼からの排気ガスから生じるときに、与えられるべき応答は、煙道ガス・ダクトの内側に導入されることとなる粉末状吸着剤の量を変化させることである。ブロワーによって第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側にブローされる粉末状吸着剤の量の変化は、前記搬送流体と前記粉末状吸着剤との間の重量比の変化を生み出し、それは、空気圧式の輸送の圧力降下の変動を生成させ、それによって、煙道ガス・ダクトの内側に注入される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の変動を引き起こす。
【0073】
実際に、粉末状吸着剤の量の変化は、空気圧式の搬送システムの動作の変動を引き起こし、ブローイング流量が第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のブロワーの出口において極めて安定した状態に留まるときに、搬送流体流量の変動自身が反対圧力に自分自身を適合させることを引き起こす。
【0074】
第1の信号に応答して、前記粉末状吸着剤と前記搬送流体との間の重量比の変化が起こる。粉末状吸着剤の粒子は、増加または減少し得る、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の変動する速度によって搬送される。
【0075】
本発明の方法による別の好適な実施形態によれば、前記第1の信号は、たとえば、煙突の出口部における環境の風速、煙突の出口部または前記煙道ガス・ダクトの外側における環境の大気圧力、煙道ガスの温度、燃料の性質、燃料の硫黄含有量、煙道ガスの硫黄含有量、煙道ガスの塩素含有量、煙道ガスの水銀含有量、燃焼もしくは加熱させられることとなる材料の塩素含有量、燃焼もしくは加熱させられることとなる材料の硫黄含有量、燃焼もしくは加熱させられることとなる材料の水銀含有量、および、それらの組み合わせなどである。
【0076】
煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法の別の好適な実施形態では、音波デバイスは、音波発生器の近くの第1の空気圧式の搬送パイプラインの中に、20mbarから200mbarの間の、とりわけ、少なくとも30mbarの、とりわけ、最大でも150mbarの圧力の増加を生成させる。
【0077】
有利には、本発明の方法によれば、ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローするだけでなく、少なくとも部分的に前記音波デバイスを通して前記搬送流体をブローしている。
【0078】
実際に、ブロワーが前記空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローするだけでなく、少なくとも部分的に前記音波デバイスを通して搬送流体をブローするという事実は、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下をさらに増加させ、圧力降下変動に反作用するためにさらにより効率的に作用し、それは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインを通しておよび/または前記煙道ガス・ダクトまで搬送される前記粉末状吸着剤によって、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲に好影響を与える。
【0079】
好適な実施形態では、第1の空気圧式の搬送パイプラインは、リジッドのパイプラインであり、とりわけ、ステンレス鋼のものである。この好適な実施形態は、リジッドの前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側の搬送流体をブローするブロワーと組み合わせられるときに、さらに能力を発揮する。
【0080】
実際に、この好適な実施形態によれば、圧力降下の変動は、圧力降下の増加を発生させる音波によって、驚くほどに反作用される。
【0081】
100μmを下回る平均粒子サイズd50を有する粉末状材料の微細粒子がリジッドの空気圧式の輸送パイプラインの壁部の上に付着することは、前記パイプラインのベンド、エルボ、断面低減部、または断面拡大部などのような、エリアにおいて起こる。パイプラインの壁部への粒子の付着が起こると、粉末状吸着剤が、消石灰、または、消石灰を含む吸着剤の混合物である場合には、消石灰の炭酸塩化が起こり、除去することが困難な硬質層の形成を結果として生じさせる。
【0082】
摩擦力、衝撃力、および重力と比較して、静電気力の寄与度が増加することに起因して、固体物体への付着の問題は、減少する粒子直径の粒子に関して、ますます重要になっている。所定の直径<100μmを有する粉末状吸着剤粒子は、一般的に、Geldart分類による凝集性として分類され、それらのフロー特性は、Jenickeによるフロー・ファンクション分類を使用して、詳細に評価され得る。Jenickeフロー・ファンクションによって、粉末の内部凝集が測定され、これは、粉末の付着特性に関する良好なインジケーターとして考えられ得る。
【0083】
リジッドのパイプの中の粉末状吸着剤の空気圧式の輸送の付着問題に関して、上記に概説されたメカニズム、クリーニング・メカニズムは、付着の防止を説明することができない。
【0084】
音波の従来の用途では、ガス速度が機器の停滞ゾーンの内側においてほぼゼロになっているシステムの中に、乱流を生成させるために、波が使用される。
【0085】
パイプの中の流体フローの乱流は、レイノルズ数によって査定され得る:
【数2】
ここで、ρは、搬送流体の密度(kg/m
3)であり、vは、搬送流体の速度(m/s)であり、dは、パイプ直径(m)であり、μは、搬送流体の粘性係数(Pa s)である。それらのレイノルズ数が2000よりも大きい場合には(すなわち、Re>2000)、搬送流体は、乱流になっていると考えられる。
【0086】
粉末状吸着剤の通常の輸送に関して、搬送流体は、大気であることが可能であり、チューブ直径は、約0.1m(4インチ)である、搬送する空気速度は、典型的に20m/sである。これらの条件の下で、レイノルズ数は、100万を上回り、それは、流体が高度に乱流に振る舞うということを暗示している。
【0087】
これは、空気圧式の搬送のケースでは、音波は、局所的な乱流を層流ゾーンに提供し、蓄積された粒子をクリーニングまたは除去するメカニズムを開始させる役割を果たさず、したがって、圧力降下の変動に反作用する原因となることができないということ意味している。
【0088】
それに加えて、音波空気フローに起因する圧力降下の増加は、高度に乱流のフローに関して予期されない(Pendyala, R.; Jayanti, S.; Balakrishnan, A. R. Flow and Pressure Drop Fluctuations in a Vertical Tube Subject to Low Frequency Oscillations. Nucl. Eng. Des. 2008, 238 (1), 178-187を参照)。
【0089】
ダクト・ワークおよび機器壁部に関して、金属パーツの移動が、パーツの大きいサイズに起因して、可能であるが、そのような移動は、第1の空気圧式の搬送パイプラインとして使用される0.10~0.20m(4~8インチ)直径のスチール・パイプに関しては可能ではない。空気圧式の搬送パイプラインの表面積および壁部厚さの組み合わせは、音波に起因する任意の重要な半径方向の移動を妨げる。
【0090】
したがって、音波の適用が、圧力降下の変動に反作用し、それによって、リジッドのパイプ壁部への粉末状吸着剤の粒子の付着も回避するということは予期されない。この自明でない結果は、従来のシステムとは対照的なブロー・スルー・システムを介して、たとえば、好適な実施形態などにおいて音波が発生させられる方式によって引き起こされ、従来のシステムでは、デッド・エンド・サウンド発生器が使用される。音波のブロー・スルー発生の結果は、始動と停止を繰り返すフローの性質による、より強力な混合である。
【0091】
本発明による別の好適な実施形態では、音波を発生させる音波デバイスは、インフラソニック波を発生させるインフラサウンド・デバイスである。
【0092】
本発明による煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるための方法のさらに別の好適な実施形態では、前記音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの圧力降下の変動ステップに対して反作用を提供するときに、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの圧力降下の変動ステップに対して、スムージング作用および/またはマスキング作用(それは、補償作用とも呼ばれる)を提供する。
【0093】
本発明による方法の特定の実施形態では、インフラソニック波は、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを含むインフラサウンド・デバイスの内側に発生させられ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブによって互いに接続されており、前記インフラソニック波は、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーの内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供する第1のチャンバーの内側の励磁機によって発生させられ、発生させられた前記インフラソニック波はチューブを通して輸送され、第2のチャンバーに到達する。
【0094】
より好ましくは、本発明による方法において、第1のチャンバーは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントへと分割されており、前記第1のコンパートメントは、通過孔部を通して前記第2のコンパートメントに接続されており、前記第1のコンパートメントは、内部チャネルを含み、内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、動力源は、第1のチャンバーに対して外部に位置付けされており、励磁機を形成しており、前記内部チャネルは、前記第1のコンパートメントの内側に同心円状に据え付けられており、前記インフラソニック波は、可動ピストンによって発生させられ、また、第2のチャンバーに到達するようにチューブを通して輸送される前に、通過孔部を通して、前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントへ、前記搬送流体によって輸送される。搬送流体は、ピストンを通してブローされ得る。
【0095】
別の有利な実施形態では、回転コントローラーが、適当な作業周波数を回避するための励磁機動力源(モーター)のために、ならびに、効率および安全を考量させるために含まれている。
【0096】
本発明による有利な実施形態では、方法は、第1のコンパートメントに進入する前に、または、第1のコンパートメントから、ブロワーによってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するステップと、第2のチャンバーの内側にそれを導入するステップとをさらに含む。
【0097】
実際に、煙道ガスを処理するための既存のプラントは、既存のブロワー、空気圧式の搬送パイプライン、パイプ・ダクト、および、粉末状吸着剤投与デバイスの寸法などの間の特定のキャリブレーションにしたがって寸法決めされている。
【0098】
本発明による方法が既存のプラントの中で実施されることとなるときには、音波デバイス、とりわけ、インフラサウンド・デバイスを、既存のプラントに適合させる必要があることが非常に多く、また、ときには、プラントのサイズまたはプラントの制約に応じて、非常に長い(100mを超える)第1の空気圧式の搬送パイプライン(特に、投与デバイスと煙道ガス・ダクトとの間の)の長さに適合させる必要もある。
【0099】
典型的に、粉末状吸着剤給送レートは、あるプラントから別のプラントへ、30kg/hから1200kg/hであることが可能であり、プラントの能力に応じて、粉末状吸着剤の体積流量は、130m3/hから800m3/hへ変化する可能性があり、ブロワーによってブローされる搬送流体の圧力は、170mbarから900mbarへ変化する可能性がある。
【0100】
当然のことながら、いくつかのケースでは、すべての搬送流体が、プラントの容量に起因して、高い圧力で、ブロワーによってブローされるときには、この高い圧力は、音波、とりわけ、インフラソニック波の品質に、または、音波デバイス、とりわけ、インフラサウンド・デバイス自身に損傷を引き起こすことなく、第1のチャンバーに進入することができない。
【0101】
したがって、本発明にしたがって、多くのプラント容量に適合するのに十分にフレキシブルであり、それによって、音波デバイス、とりわけインフラサウンド・デバイスの動作可能性として、ブローされた搬送流体の一部分を直接的に前記第2のチャンバーへ導出することを可能にする、音波デバイス、とりわけ、インフラサウンド・デバイスを提供することが予見される。
【0102】
特定の実施形態では、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(トロナとしても知られる)、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群からから選択される。
【0103】
特定の実施形態では、粉末状吸着剤は、好ましくは、主に、無機粉末状吸着剤であり、それは、それが主に本質的に無機質であり得るということを意味しているが、典型的に、粉末状吸着剤の重量に対して、30重量%以下の、とりわけ、20重量%以下の、より具体的には、15%以下の、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物を含有することが可能である。
【0104】
粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、好ましくは、主に、好ましくは、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群から選ばれる、粉末状吸着剤の重量に対して50重量%を上回る、とりわけ、70%を上回る量のカルシウム吸着剤を含有するカルシウム無機吸着剤である。
【0105】
さらに別の好適な実施形態では、前記搬送流体は、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物である。
【0106】
さらに好適な実施形態では、前記粉末状材料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送されるインフラソニック波は、前記投与手段にも接触し、それは、送達される量の精度を向上させ、投与デバイスに損傷を与えることなく、投与手段の潜在的な閉塞を低減させる。
【0107】
別の好適な実施形態では、インフラソニック波は、前記粉末状吸着剤の輸送に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を進行し、また、好ましくは、煙道ガス・ダクトまで進行する(または、分配される)。
【0108】
本発明による方法における別の好適な実施形態では、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される、インフラソニック波は、Helmholtzバス・トラップに起因してブロワーに到達することを防止され、Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバーに接続されているか、または、好ましくは、ブロワーと第1のチャンバーとの間のパイプラインの上に接続されている。
【0109】
本発明による特定の実施形態では、方法は、緊急モードおよび動作モードを含み、緊急モードでは、ブローされた輸送空気が、前記第1のチャンバーに進入することを防止され、方向転換させられ、音波デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ直接的にブローされ、動作モードでは、ブローされた搬送流体が、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーへ提供される。
【0110】
本発明による方法の他の実施形態が、添付の特許請求の範囲に述べられている。
【0111】
また、本発明は、煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイスであって、デバイスは、
- 燃料、および/または、燃焼もしくは加熱もしくは溶融させられることとなる材料を燃焼させるために、および、煙道ガスを作り出すために設けられている炉または燃焼室であって、前記炉または燃焼室は、煙道ガス・ダクトに接続されており、前記炉または燃焼室の中で発生させられる煙道ガスは、煙道ガス・ダクトに導かれる、炉または燃焼室と、
- 第1の空気圧式の搬送パイプラインによって前記煙道ガス・ダクトに接続されている粉末状吸着剤の貯蔵タンクであって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、ブロワーにさらに接続されており、ブロワーは、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を前記煙道ガス・ダクトへ前記粉末状吸着剤を空気圧式に搬送するために設けられており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、パイプライン壁部を含み、また、前記煙道ガス・ダクトに接続されており、前記ブロワーは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側に搬送流体のフローを発生させるために設けられており、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中を、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送される、粉末状吸着剤の貯蔵タンクと、
- 前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクから前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中へ進入するときに、所定の量の前記粉末状吸着剤を投与するために設けられている粉末状吸着剤投与手段であって、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインは、前記投与手段を通して、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクに接続されている、粉末状吸着剤投与手段と、
- 第1の信号に応答して粉末状吸着剤の前記量を調節するための制御デバイスと、
を含む、デバイスに関する。
本発明によるデバイスは、デバイスが音波デバイスをさらに含み、音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されており、また、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側におよび/または前記煙道ガス・ダクトまでに、音波を発生させるために設けられており、前記音波デバイスは、さらに、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの圧力降下の変動ステップに対して反作用するように設けられていることを特徴とする。
【0112】
有利には、本発明によるデバイスは、混合デバイスをさらに含み、混合デバイスは、前記投与手段と前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされており、前記搬送流体の中に前記粉末状吸着剤を混合するために設けられている。
【0113】
好適な実施形態では、本発明によるデバイスは、前記投与手段と前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間の位置付けされている接続デバイスをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態では、投与デバイスおよび混合デバイスは、単一のデバイスの中に一体化されている。
【0114】
好適な実施形態では、本発明による煙道ガスからの汚染化合物の捕獲を改善させるためデバイスは、冷却デバイスをさらに含み、冷却デバイスは、前記ブロワーと前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされている。
【0115】
好ましくは、音波を発生させるために設けられている音波デバイスは、インフラソニック波を発生させるために設けられているインフラサウンド・デバイスである。
【0116】
より好ましくは、前記インフラサウンド・デバイスは、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーを含み、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブによって互いに接続されており、前記第1のチャンバーは、励磁機を含み、励磁機は、前記第1のチャンバーの内側に位置付けされており、少なくとも部分的に前記第1のチャンバーの内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供することによって、前記インフラソニック波を発生させるように設けられており、発生させられた前記インフラソニック波は、共鳴パイプラインとして作用するチューブを通して輸送され、第2のチャンバーに到達する。
【0117】
とりわけ好適な実施形態では、第1のチャンバーは、第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントへと分割されており、前記第1のコンパートメントは、通過孔部を通して前記第2のコンパートメントに接続されており、前記第1のコンパートメントは、内部チャネルを含み、内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、動力源は、第1のチャンバーに対して外部に位置付けされており、励磁機を形成しており、前記内部チャネルは、前記第1のコンパートメントの内側に同心円状に据え付けられており、前記インフラソニック波は、可動ピストンによって発生させられ、また、第2のチャンバーに到達するようにチューブを通して輸送される前に、通過孔部を通して、前記第1のコンパートメントから前記第2のコンパートメントへ、前記搬送流体によって輸送される。
【0118】
本発明による特定の実施形態では、前記音波デバイスは、前記ブロワーおよび第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている。
【0119】
変形実施形態では、前記音波デバイスは、第2のブロワー、および、粉末状吸着剤の貯蔵タンクと煙道ガス・ダクトとの間の第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている。
【0120】
本発明による別の変形実施形態では、前記音波デバイスは、第2のブロワー、および、粉末状吸着剤の貯蔵タンクとブロワーとの間の第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続されている。
【0121】
また、本発明によれば、デバイスが、調節可能な流量ディストリビューター・パイプをさらに含み、調節可能な流量ディストリビューター・パイプは、第1の端部において、ブロワーに、ブロワーと第1のチャンバーとの間に、または、第1のチャンバーのいずれかに、好ましくは、第1のチャンバーの第1のコンパートメントに接続されており、また、第2の端部において、第2のチャンバーに接続されており、前記調節可能な流量ディストリビューター・パイプは、ブロワーによってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するために、および、第2のチャンバーの内側にそれを導入するために設けられているということが好適である。
【0122】
特定の実施形態では、粉末状吸着剤の貯蔵タンクは、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(トロナとしても知られる)、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群から選択される粉末状吸着剤の粉末状吸着剤貯蔵タンクである。
【0123】
とりわけ、搬送流体は、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物である。
【0124】
好適な実施形態では、本発明によるデバイスは、Helmholtzバス・トラップをさらに含み、Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバーに接続されているか、または、好ましくは、ブロワーと第1のチャンバーとの間のパイプラインの上に接続されており、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送されるインフラソニック波がブロワーに到達することを防止するために設けられている。
【0125】
さらに好適な実施形態では、本発明によるデバイスは、緊急デバイスを含み、緊急デバイスは、緊急位置である第1の位置と、動作位置である第2の位置とを有しており、前記緊急デバイスは、スイッチを含み、スイッチは、緊急パイプに接続されており、緊急パイプは、直接的にブロワーをインフラサウンド・デバイスの下流の第1の空気圧式の搬送パイプラインに接続しており、前記緊急位置は、スイッチが、ブローされた搬送流体が前記第1のチャンバーに進入することを防止し、搬送流体をインフラサウンド・デバイスの下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインへ直接的に方向転換させる、位置であり、動作位置は、ブローされた搬送流体が少なくとも部分的に前記第1のチャンバーへ提供される、位置である。
【0126】
本発明によるデバイスにおいて、前記第1の信号は、たとえば、煙突の出口部における環境の風速、煙突の出口部または前記煙道ガス・ダクトの外側における環境の大気圧力、煙道ガスの温度、燃料の性質、燃料の硫黄含有量、煙道ガスの硫黄含有量、煙道ガスの塩素含有量、煙道ガスの水銀含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の塩素含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の硫黄含有量、燃焼させられることとなるかまたは加熱もしくは溶融されることとなる材料の水銀含有量、および、それらの組み合わせなどである。
【0127】
本発明によるデバイスの好適な実施形態では、前記投与手段は、投与スクリュー、垂直方向のシャフトまたは水平方向のシャフトを備えた回転弁、エア・スライド、ジェット・フィーダー、スクリュー・フィーダー、エア・ロック・フィーダー、スクリュー・ポンプ、圧力容器、エア・リフトから選択され、前記投与手段は、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンクと前記第1の空気圧式の搬送パイプラインとの間に位置付けされており、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波、とりわけ、インフラソニック波によって接触されるように設けられている。
【0128】
本発明によるデバイスの他の実施形態が、添付の特許請求の範囲に述べられている。本発明の他の特徴および利点は、非限定的な以下の説明から、および、図面および例を参照することによって、導出されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【
図1A】本発明による粉末状材料の空気圧式の搬送が実施される、加熱プロセスの概略図である。
【
図1B】本発明による粉末状材料の空気圧式の搬送が実施される、加熱プロセスの別の概略図である。
【
図1C】本発明による粉末状材料の空気圧式の搬送が、異なる可能な場所において実施される、加熱プロセスの別の概略図である。
【
図1D】本発明による粉末状材料の空気圧式の搬送が実施される、加熱プロセスの別の概略図である。
【
図2】音波デバイスが、空気圧式の搬送パイプラインと1列に位置付けされている、粉末状材料の空気圧式の搬送の概略図である。
【
図3】音波デバイスが、空気圧式の搬送パイプラインの並列に位置付けされている、粉末状材料の空気圧式の搬送の概略図である。
【
図4】音波デバイスが、それ自身のブロワーとともに、空気圧式の搬送パイプラインと並列に位置付けされている、粉末状材料の空気圧式の搬送の概略図である。
【
図4A】粉末状材料のマルチラインの空気圧式の搬送の概略図である。
【
図5】粉末状材料が消石灰であるときの粉末状材料の凝集性挙動を示す、粉末状材料のJenickeフロー・ダイアグラムである。
【
図6】第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力トレンドを示すグラフであり、第1の曲線は、インフラサウンド・デバイスなしの1つの空気圧式の搬送パイプライン13’の中の長期間にわたる圧力降下を示しており、第2の曲線は、インフラサウンド・デバイスなしの別の空気圧式の搬送パイプライン13の中の長期間にわたる圧力降下を示している、グラフである。
【
図6A】第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力トレンドを示すグラフであり、第1の曲線は、インフラサウンド・デバイスを備えた1つの空気圧式の搬送パイプライン13’の中の長期間にわたる圧力降下を示しており、第2の曲線は、インフラサウンド・デバイスなしの別の空気圧式の搬送パイプライン13の中の長期間にわたる圧力降下を示している、グラフである。
【
図7】例が実施されたプラントを概略的に図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0130】
図面において、同じ参照数字が、同じまたは同様のエレメントに割り当てられている。
【0131】
図1Aに見ることができるように、加熱プロセスは、典型的に、熱交換器(たとえば、ボイラー)、焼却炉または炉8などのような、加熱ユニットを含み、その後に、フィルタリング・ユニットおよび/またはスクラバー9が続いている。加熱ユニット8において、煙道ガスは、煙道ガス・ダクト(図示せず)の中に含有されており、煙道ガスは、加熱ユニット8から出て、フィルタリング・ユニットおよび/またはスクラバー9に進入し、フィルタリング・ユニットおよび/またはスクラバー9から、煙道ガスは、ブロワー(ファン)11を通過しており、煙突10へ排出される。1つのアイテムだけが機器9として表現されている場合でも、どのような順序であれ、プラントの煙道ガス処理設備に応じて、ダクトによって接続された連続したフィルターおよびスクラバー・ユニットが存在する可能性があるとういことが明らかである。
【0132】
図1に図示されている加熱プロセスは、燃焼プロセスであることが可能であり、燃焼プロセスには、炉8が存在しており、炉8は、たとえば、石炭、亜炭、もしくはバイオマスの炉、セメント炉、石灰炉、ガラス炉、金属鉱石、とりわけ、鉄鉱石の炉、リサイクル材料の炉、または、たとえば、ゴミを燃焼させる焼却炉8などである。
【0133】
また、ここで図示されているような加熱プロセスは、前のステップから熱エネルギーを回収するボイラー8を含むプロセスであることが可能である。ボイラー8は、炉の中のもしくはバーナー15(
図1Cを参照)の中の、前の燃焼ステップから、または、別の燃焼ステップから、エネルギーを回収することが可能である。
【0134】
煙道ガスは、燃焼させられることとなる材料(ゴミ、鉄鋼プラントの中の鉄鉱石、石灰岩、シリカ)の燃焼、加熱、もしくは精練から来る可能性があり、または、燃料(コークス、石炭、ガス、亜炭、石油液体燃料、...)から来る可能性がある。
【0135】
この理由のために、ゴミ焼却炉などのような、バーナーを使用する「燃焼産業」と以降で呼ばれる産業だけでなく、炉を使用する産業も、環境的要件を堅持するために、煙道ガス処理における汚染化合物の排出をますます制御している。
【0136】
ガス、とりわけ、煙道ガスの処理は、酸性ガス、特に、HCl、SO2、および/またはHFの軽減を必要とし、その低減は、煙道ガス・フローの中へ、または、固定されているかまたは動いているかのいずれかの固体粒子を含むフィルター・ベッドを通して、物質(多くの場合、無機質(乾燥したものおよび粉末状のもの)を注入することによって、乾燥した条件の下で実施され得る。このケースでは、粉末状化合物は、一般的に、カルシウム-マグネシウム化合物、とりわけ、石灰、好ましくは、水酸化カルシウムもしくは消石灰、または、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムのようなナトリウム化合物を含む。また、他の化合物も使用され得り、それは、特に、ダイオキシン、フラン、および/または、水銀を含む重金属を低減させるために使用されるもの、たとえば、活性炭もしくは亜炭コークスのような炭素質物質、または、無機物質、たとえば、フィロケイ酸塩をベースとするものなど、たとえば、セピオライトもしくはハロイサイトなどである。
【0137】
煙道ガスは、除去されなければならない汚染化合物を含有しているので、非常に多くの場合に、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、煙道ガス・ダクトの中に注入され、特定のレベルの汚染化合物を捕獲する。
【0138】
たとえば、粉末状吸着剤などの粉末状材料を注入するために、プロセス・プラントは、ブロワー1を含み、ブロワー1は、第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されており、搬送流体、たとえば、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物を、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中にブローする。
【0139】
粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンク2が、投与手段3を通して第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されている。パイプライン壁部を含む第1の空気圧式の搬送パイプライン13は、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンク2に接続されており、また、加熱ユニット8の煙道ガス・ダクトに接続されており、加熱ユニット8の下流に続く。
【0140】
搬送流体は、前記パイプライン壁部に沿った境界層を含むフローを有しているだけでなく、また、前記粉末状材料の粒子が、前記搬送フローの内側のそれらの周りに境界層を有している。
【0141】
したがって、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンク2から、加熱ユニット8の煙道ガス・ダクトへ、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中を空気圧式に搬送され、ブロワー1によって発生させられる搬送流体のフローによって、加熱ユニット8の下流に続き、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の搬送流体をブローし、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中を、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送されている。
【0142】
投与手段3は、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンク2から、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中へ進入するときに、所定の量の前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤を投与する。
【0143】
投与手段3は、好ましくは、投与スクリュー、垂直方向のシャフトまたは水平方向のシャフトを備えた回転弁、エア・スライド、ジェット・フィーダー、スクリュー・フィーダー、エア・ロック・フィーダー、スクリュー・ポンプ、圧力容器、またはエア・リフトなどから選択される。
【0144】
粉末状材料貯蔵タンク2の中に含有されている粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(トロナとしても知られる)、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群からから選択される。
【0145】
図示されている実施形態では、乾燥デバイス14が、ブロワー1に進入する前に搬送流体を乾燥させるために設けられている。また、冷却デバイス4が、前記ブロワーによって第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中へブローされた後の搬送流体を冷却するために設けられており、乾燥された搬送流体を第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中にさらに搬送する。また、混合または接続デバイス5が、プロセス・プラントの中に存在しており、前記ブロワー1によってブローされた搬送流体と、前記投与手段3によって投与された粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤との混合を可能にする。
【0146】
より具体的には、混合デバイスは、第1の給送チューブおよび第2の給送チューブを含み、第1の給送チューブにおいて、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の搬送流体が、混合チャンバーに進入しており、第1の給送チューブが、混合チャンバーに接続されており、第2の給送チューブは、粉末状材料を給送するために、前記投与手段3および前記混合チャンバーに接続されている。粉末状材料および搬送流体の給送の間に、粉末状材料およびブローされた搬送流体の均質な混合が実施され、それは、混合チャンバーを離れ、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13を通り炉またはブロワー8の中の前記煙道ガス・ダクトへその輸送が続く。第1の空気圧式の搬送パイプラインにおいて、混合チャンバーを下って、粒子は、搬送流体の中に適正に搬送および拡散される。搬送流体の中の粉末状材料の粒子は、特に、煙道ガス・ダクトの中の炉またはボイラー8の底部の中に給送される。
【0147】
音波デバイス12が、ブロワーと煙道ガス・ダクトとの間の、好ましくは、本明細書で示されているように、ブロワーと混合デバイス5との間の任意の場所に位置付けされるかまたは接続されている。音波デバイス12は、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側に、および/または、前記煙道ガス・ダクトまで、音波を発生させる。図示されているこの好適な実施形態では、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されているブロワー1は、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の搬送流体をブローしているだけでなく、また、少なくとも部分的に前記音波デバイス12を通して前記搬送流体をブローしている。
【0148】
図示されているこの実施形態では、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンク2と前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13との間に位置付けされている前記投与手段3は、また、前記粉末状吸着剤の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送される音波によって接触される。
【0149】
「に接続されている」という用語によって、1つのエレメントが、直接的にまたは間接的に別のエレメントに接続されていることを意味しており、エレメント同士が互いに連通しているが、他のエレメントがその間に挿入され得るということを意味している。
【0150】
粉末状材料の空気圧式の搬送という用語によって、それは、本発明の範囲内において、マイナスの圧力によるもしくはプラスの圧力による空気圧式の搬送、または、搬送流体の中の濃密相、ストランド相、もしくは希薄相、とりわけ、希薄相としての、または、搬送流体の中の不連続相としての、粉末状材料の空気圧式の搬送を意味している。
【0151】
粉末状材料の空気圧式の搬送の間に、圧力降下変動が、任意の時間に、非常に頻繁に起こり、それは、制御することが困難である。圧力降下の変動は、空気圧式の搬送プロセスの複数の内在要因に起因しているか、または、外部イベントに起因している可能性がある。
【0152】
そのような圧力降下の変動は、搬送されることとなる粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の全体を乱しており、異なる種類の摂動を引き起こす。摂動のなかでも、圧力降下の変動が粉末状吸着剤の搬送速度の修正を引き起こしているという事実を見出すことが可能である。
【0153】
最初に説明されているように、粉末状吸着剤フローは、跳躍速度を有しており、跳躍速度の下で、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、空気圧式の搬送パイプの中に定着し始め、一方、ブロワーによってブローされる搬送流体は、安全な速度の公称値を与えられ、安全な速度の公称値は、跳躍速度よりも大きくなっており、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送パイプの内側に定着することを防止する。
【0154】
実際に、ブロワーは、圧力降下と流量との間の曲線によって特徴付けられている。圧力降下は、プラントによって課されるものであり、プラントの内側では、空気圧式の搬送が実施されるはずであり、ブロワーの特徴曲線は、プラントの内側で起こる圧力降下の値に応じて、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の所定の流量を付与する。
【0155】
圧力降下の中に小さい変動が存在するとすぐに、粉末状材料の空気圧式の搬送を乱さないように十分に迅速にそれを制御することができない状態で、圧力降下は、減少または増加し始める。結果として、たとえば、繰り返しになるが、それに限定されることなく、圧力降下が増加するときに、搬送流体の空気圧式の速度または流量が低減され、場合によっては、搬送流体の速度が安全な公称値速度よりも低い値に到達することを引き起こし、したがって、空気圧式に搬送される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が空気圧式の搬送パイプラインの内側の沈殿することを引き起こす。
【0156】
したがって、粉末状材料は、空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始め、そして、空気圧式の搬送に利用可能なパイプラインの通過直径が低減されるので、圧力降下の変動を引き起こし、そして、空気圧式の搬送に影響をもたらす圧力降下の増加を引き起こす。
【0157】
理解することができるように、圧力降下の最小の単一の変動は、空気圧式の搬送の最適化のレベルがどのようなものであっても起こり、それは、空気圧式の搬送パイプラインの内側の粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の効率に強い影響をもたらすこととなる。
【0158】
この変動の現象は、ブローされているときに、任意の搬送流体の中で起こっているが、それは、当然のことながら、粉末状材料が搬送されるときに、さらに増幅される。その理由は、粉末状材料が空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始めるとすぐに、粉末状材料自身が、圧力降下の正しいレジメン(regimen)を容易に回復することができないからである。
【0159】
本発明による方法において、音波デバイス12は、炉またはボイラー8の中の前記煙道ガス・ダクトまで、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側に音波を発生させ、前記煙道ガス・ダクトまで前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の変動ステップに対する反作用を提供する。
【0160】
音波が圧力の増加を発生させるときに、圧力の増加が、前記第1の搬送パイプラインおよび/または前記煙道ガス・ダクトの中の圧力降下の変動ステップに対して反作用する能力を有しているということが、実際に驚くほどに認識された。
【0161】
音波デバイスは、好ましくは、音波発生器の近くの第1の空気圧式の搬送パイプラインの中に、20mbarから200mbarの間の、とりわけ、少なくとも30mbarの、とりわけ、最大でも150mbarの圧力降下の増加を生成させる。
【0162】
好ましくは、前記音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの、圧力降下の変動ステップに対する反作用を提供するときに、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記煙道ガス・ダクトまでの圧力降下の変動ステップに対して、スムージング作用および/またはマスキング作用を提供する。
【0163】
音波は、圧力降下を増加させるために使用され、それは、本発明による音波が、圧力降下の変動ステップに反作用することができるように使用され、それによって、粒子の蓄積を是正するかまたは粒子の蓄積に反対に作用する代わりに、前記空気圧式の搬送において、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の蓄積を引き起こす、摂動を最小化するということを意味している。
【0164】
図示されている好適な実施形態では、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中の圧力降下の変動ステップに対する反作用は、粉末状吸着剤の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送される音波によって、煙道ガス・ダクトの中に給送される粉末状吸着剤、とりわけ、粉末状無機吸着剤の変動を低減させることによって、汚染化合物捕獲の改善を引き起こす。
【0165】
実際に、粉末状吸着剤の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波が、煙道ガス・ダクトの中を給送される粉末状吸着剤の空気圧式の搬送における変動に直接的な影響を有するということが、驚くほどに見出された。
【0166】
循環する音波の適当な使用は(それは、粉末状吸着剤の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の圧力降下の増加を生成させる)、煙道ガス・ダクトの内側に注入される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の変動を解決することが可能である。
【0167】
粉末状吸着剤の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波は、圧力降下における変動に対して非常に迅速に反作用することによって、煙道ガス・ダクトの内側の汚染物質捕獲の不足を防止するということが示されており、それによって、十分な速度を有していない粒子が定着することを防止し、粒子が空気圧式の輸送によって搬送されることを可能にし、結果として、粒子が煙道ガス・ダクトに依然として到達することを可能にする。実際に、境界層の存在の結果として、粒子が空気圧式に搬送されるのに十分な速度を有していないときに、音波は、第1の空気圧式の搬送パイプラインの壁部に定着する傾向を有する粒子と衝突している。
【0168】
実際に、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の増加を生成させる音波の適正な使用、ならびに、粉末状吸着剤の粒子とパイプの中の音の振動の腹および節の場所を変化させる波の変動周波数を有する音波との間の衝突の組み合わせ。
【0169】
したがって、本発明によれば、粉末状吸着剤の前記搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送される音波が、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中の圧力降下の中の変動に反作用し、それによって、炉またはボイラー8の中の煙道ガス・ダクトへの粉末状吸着剤の十分な/最適化流量を保証することによって、汚染物質捕獲のレベルを改善させるように示されている。
【0170】
いくつかのケースでは、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の変動は、動作条件に起因しているか、または、調整ループに起因しており、調整ループは、プロセス自身によって、または、メジャーもしくはデータによって与えられる第1の信号に起因している。
【0171】
ますます、燃焼産業は、煙道ガス・ダクトの出口においてアナライザーを使用し、汚染化合物のレベルを測定し(第1の信号の例)、また、それらの汚染物質を捕獲するために使用される粉末状吸着剤の量に対して反対に作用するために、長期間にわたって調整ループを適切な場所に置いている。たとえば、SO2のレベルが増加し始める場合には、粉末状吸着剤の量は、この汚染物質の捕獲を改善させるために、増加させられることとなる。SO2のレベルが減少し始める場合には、粉末状吸着剤の量は減少させられることとなる。
【0172】
他の「燃焼産業」は、連続的な分析を使用していないが、予防策として、それらは、いくつかのクライテリアおよび測定値(第1の信号)、たとえば、使用されることとなる燃料の中の硫黄のレベル、燃焼させられることとなるゴミまたは加熱されることとなる材料(金属鉱石、リサイクル材料...)の中に存在する塩素または硫黄のレベルに関する事前分析またはデータなどに基づいて、燃焼ステップまたは加熱ステップ、炉を運営する人々の方向転換、燃焼させられることとなる材料の燃焼を行うために炉の中に導入される一次的な空気レベルに基づいて、温度、大気圧力、...に基づいて、粉末状吸着剤の量を調節する。次いで、粉末状吸着剤の量は、所定の期間にわたって手動で固定され、新しい条件(第1の信号)が生じたときに変化させられる。
【0173】
より具体的には、たとえば、汚染物質レベルの増加、汚染物質レベルの減少など、第1の信号が、燃焼させられることとなる燃料および/または材料の燃焼からの排気ガスから生じるときに、与えられるべき応答は、煙道ガス・ダクトの内側に導入されることとなる粉末状吸着剤の量を変化させることである。ブロワーによって第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側にブローされる粉末状吸着剤の量の変化は、前記搬送流体と前記粉末状吸着剤との間の重量比の変化を生み出し、それは、空気圧式の輸送の圧力降下の変動を生成させ、それによって、煙道ガス・ダクトの内側に注入される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の変動を引き起こす。
【0174】
実際に、粉末状吸着剤の量の変化は、空気圧式の搬送システムの動作の変動を引き起こし、ブローイング・レートが第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のブロワーの出口において極めて安定した状態に留まるときに、搬送流体流量の変動自身が反対圧力に自分自身を適合させることを引き起こす。
【0175】
第1の信号に応答して、前記粉末状吸着剤と前記搬送流体との間の重量比の変化が起こる。粉末状吸着剤の粒子は、増加または減少し得る、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の変動する速度によって搬送される。
【0176】
他のケースでは、前記第1の信号は、たとえば、煙突の出口部における環境の風速、煙突の出口部または前記煙道ガス・ダクトの外側における環境の大気圧力、煙道ガスの温度、燃料の性質、燃料の硫黄含有量、煙道ガスの硫黄含有量、煙道ガスの塩素含有量、煙道ガスの水銀含有量、燃焼させられることとなる材料の塩素含有量、燃焼させられることとなる材料または加熱させられることとなる材料の硫黄含有量、燃焼させられることとなる材料または加熱させられることとなる材料の水銀含有量、および、それらの組み合わせなどである。
【0177】
図1Bは、本発明による変形実施形態を図示しており、そこでは、搬送流体の中の粉末状材料の粒子が、加熱ユニット8に進入するダクトの中に給送されている。
【0178】
図1Cは、先に述べられているように、加熱プロセスが、炉またはバーナー15から熱エネルギーを回収するボイラー31を含む、プロセスを図示している。
【0179】
より具体的には、高温の煙道ガスが、炉またはバーナー15の中に作り出され、フィルタリング・デバイスおよび/またはガス・スクラバー9へ移送される前に、含有されるカロリーを回収するためのボイラー31へ搬送される。1つのアイテムだけが機器9として表現されている場合でも、どのような順序であれ、プラントの煙道ガス処理設備に応じて、ダクトによって接続された連続したフィルターおよびスクラバー・ユニットが存在する可能性があるとういことが明らかである。
【0180】
粉末状材料は、図示されているように、たとえば、炉15の中に(その燃焼室後または後燃焼ゾーンの中を含む)(オプションA)、ボイラー31の中に(オプションB)、または、フィルタリング・デバイスおよび/もしくはガス・スクラバー9の進入口において(オプションC)、または、すべてのそれらの機器同士の間のガス・ダクトの中に(点線)、または、それらの任意の組み合わせなど、異なる場所に注入され得る。複数の機器9のケースでは、さまざまな機器9の間に、ユニット9の1つもしくは複数の間のダクトの中に、または、ユニット9の1つもしくは複数の進入口において、粉末状材料が注入され得るということが明らかである。
【0181】
第1の空気圧式の搬送パイプラインは、炉もしくはその燃焼室後または後燃焼ゾーンに接続されているか(オプションA)、ボイラー(もしくは、任意の他の熱交換器)31に接続されているか(オプションB)、または、フィルタリング(もしくは、スクラビング)デバイス9に接続されているか(オプションC)、または、すべてのそれらの機器同士の間のガス・ダクトに接続されているか、または、それらの任意の組み合わせのいくつかのオプションに応じているべきである。
【0182】
また、本発明による特定の変形例では、複数の搬送パイプラインが存在しており、それぞれが、それら自身の音波デバイスを含有しているということが予見され、または、音波デバイスの下流に、マルチウェイ・コネクターが存在しており、第1の複数の搬送パイプラインが、空気圧式の搬送パイプラインの束へと広げられ、それは、随意的に、閉鎖/開放メカニズムを設けられており、本発明によるデバイスに対してより多くのフレキシビリティーを提供するということも予見される。
【0183】
図1Dは、
図1Cに図示されている実施形態Aを表しており、そこでは、音波を発生させる音波デバイスが、インフラソニック波を発生させるインフラサウンド・デバイスであるということが詳述されている。音波デバイスは、変形例BおよびCの両方の中に一体化され得るということが留意されるべきである。
【0184】
インフラサウンド・デバイスでは、インフラソニック波が、第1のチャンバー16および第2のチャンバー17を含むインフラサウンド・デバイス12の内側に発生させられ、第1のチャンバーおよび第2のチャンバーの両方が、チューブ18によって互いに接続されており、前記インフラソニック波は、少なくとも部分的に前記第1のチャンバー16の内側にブローされた前記搬送流体にインフラサウンド・パルスを提供する第1のチャンバー16の内側の励磁機19によって発生させられ、発生させられた前記インフラソニック波は、チューブを通して輸送され、第2のチャンバー17に到達し、第1のチャンバーは、第1のコンパートメント20および第2のコンパートメント21へと分割されている。第1のコンパートメント20は、通過孔部22を通して第2のコンパートメント21に接続されており、また、内部チャネルを含み、内部チャネルの内側において、可動ピストンが、動力源23によって、第1の位置から第2の位置へ、および、前記第2の位置から前記第1の位置へ移動させられ、動力源23は、第1のチャンバー16に対して外部に位置付けされており、励磁機を形成している。内部チャネルは、前記第1のコンパートメント20の内側に同心円状に据え付けられている。
【0185】
インフラソニック波は、可動ピストンによって発生させられ、また、第2のチャンバー17に到達するようにチューブ18を通して輸送される前に、通過孔部22を通して、前記第1のコンパートメント20から前記第2のコンパートメント21へ、前記搬送流体によって輸送される。
【0186】
前記ブロワー1によってブローされた搬送流体は、第1のチャンバーの第1のコンパートメントに到達し、給送ライン24を通ってインフラサウンド・デバイスに進入する。第1のチャンバー16は、その後にテーパー付きのセクション16aが続き、共鳴チューブ18として作用するチューブとの接続へと続く。搬送流体は、チューブ18を辿り、第2のテーパー付きの膨張セクション17aに到達し、第2のテーパー付きの膨張セクション17aは、それが接続されている第2のチャンバー17の方向に拡大するセクションを有している。
【0187】
好適な実施形態では、調節可能な流量ディストリビューター・パイプ25をさらに含み、調節可能な流量ディストリビューター・パイプ25は、第1の端部において、ブロワー1に、ブロワー1と第1のチャンバー16との間に、または、第1のチャンバー16のいずれかに、好ましくは、第1のコンパートメント20に接続されており、また、第2の端部において、第2のチャンバー17に接続されている。前記調節可能な流量ディストリビューター・パイプ25は、ブロワー1によってブローされた前記搬送流体の一部分を導出するために、および、第2のチャンバー17の内側にそれを導入するために設けられる。
【0188】
別の好適な実施形態では、本発明によるデバイスは、Helmholtzバス・トラップ(図示せず)をさらに含み、Helmholtzバス・トラップは、前記第1のチャンバー16に接続されているか、または、好ましくは、ブロワーと第1のチャンバーとの間のパイプラインの上に接続されている。Helmholtzバス・トラップは、粉末状吸着剤の前記輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送されるインフラソニック波がブロワー1に到達することを防止するために設けられている。
【0189】
図1Dに示されているような別の好適な実施形態では、本発明によるデバイスは、緊急デバイス26を含み、緊急デバイス26は、緊急位置である第1の位置と、動作位置である第2の位置とを有しており、前記緊急デバイスは、スイッチ27を含み、スイッチ27は、緊急パイプ28に接続されており、緊急パイプ28は、ブロワー1をインフラサウンド・デバイス12の下流の第1の空気圧式の搬送パイプライン13に直接的に接続している。スイッチ27は、3方弁であるか、または、2方弁であることが可能であり、3方弁は、描画されているように、接続ポイントに据え付けられており、したがって、すべてのブローされた搬送流体が緊急パイプ28を通り抜けるようになっており、2方弁は、パイプ28の任意の位置に挿入されており、ブローされた搬送流体が(内部チャネルの中の可動ピストンの位置に応じて、完全にまたは部分的に)インフラサウンド・デバイス12の下流に搬送されることを可能にする。
【0190】
緊急位置は、スイッチ27が、ブローされた搬送流体が前記第1のチャンバー16に進入することを防止し、搬送流体をインフラサウンド・デバイス12の下流の前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13へ直接的に方向転換させる、位置であり、動作位置は、ブローされた搬送流体が少なくとも部分的に前記第1のチャンバー16へ提供される位置である。
【0191】
インフラソニック波デバイスは、低い圧力で動作し、それは、インフラソニック波デバイスの内側の圧力が、大気圧力の辺りで振動しているが、1,5bar(絶対値)よりも低く留まるということを意味している。
【0192】
発生させられるインフラソニック波は、150dBから170dBの間の高パワー波である。進入する搬送流体は、おおよそ1,25barの圧力で給送されている。ピストン23は、搬送流体24のためのエントリーから搬送流体を推進させる。動力源は、その移動を保証するようにピストンを駆動する。ピストンの好適な直径は、50mmから150mmの間に含まれている。ピストンは、第1のコンパートメント20に接続されているジャケットの内側を、第1の位置から第2の位置へ移動する。ジャケットは、ジャケットが搬送流体エントリー24と流体接続した状態になることを可能にする、第1のタイプの孔部を含む。それに加えて、ピストン23は、ヘッドを含み、ヘッドは、また、第2のタイプの孔部を設けられている。
【0193】
ジャケットは、搬送流体エントリー24と流体接続して第1のコンパートメント20の内側に位置付けされている。第1の位置から第2の位置へのピストン23の変位の間に、第2のタイプの孔部は、第1のタイプの孔部の前に徐々に移動し、搬送流体が第1のコンパートメント20から第2のコンパートメント21へ進行することを徐々に可能にする。ピストン23が第1の位置にあるときには、第1のタイプの孔部は、第2のタイプの孔部と同一チャネルになっており、完全に搬送流体の通過を可能にする(開位置)。ピストン23が第2の位置にあるときには、第1のタイプの孔部は、第2のタイプの孔部と同一チャネルになっておらず、したがって、搬送流体の通過を防止する(閉位置)。
【0194】
インフラソニック・パルスの発生器は、可聴周波数において、搬送流体の振動を下流に発生させ、それは、インフラソニック波のケースでは、30Hzよりも低く、好ましくは、おおよそ20Hzである。パルスの発生、すなわち、ピストン23の移動は、可聴周波数において、搬送流体の中の圧力の変動を発生させ、それは、デバイスのパイピングを通して伝播する。
【0195】
第1のチャンバーは、振動のパワーの低減を引き起こすが、バンド幅を増加させる。実際に、共鳴チューブが設けられているので、周波数は、+0,5から-0,5Hzに変化することが可能であり、それは、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の音の振動の腹および節の場所を変化させる。
【0196】
好ましくは、テーパー付きのセクション16aの基礎の直径は、350mmから500mmの間に含まれており、テーパー付きのセクション16aの上部の直径は、150mmから219mmの間に含まれている。共鳴チューブ18は、150mmから300mmの間に含まれる直径を有しており、また、X/4の長さを有しており、ここで、Xは、インフラソニック信号の波長である。共鳴チューブ18は、搬送流体が共鳴を始めることを可能にする。テーパー付きのセクション17aの基礎は、150mmから300mmの間に含まれており、テーパー付きのセクション17aの上部は、400mmから600mmの間に含まれる直径を有している。第2のチャンバー17は、粉末状材料への伝送を保証するための振動を伝播させることを可能にする。第2のチャンバー17の長さは、約750mmであり、直径は、400mmから600mmの間に含まれている。
【0197】
図2から
図4は、それに限定されることなしに、空気圧式の搬送システムの中の音波デバイスの好適な場所を図示している。
【0198】
他の実施形態では、音波デバイスは、貯蔵タンクの下流に位置付けされ得る。
図2から
図4に図示されている実施形態では、第1の空気圧式の搬送パイプラインは、
図1Aから
図1Dにあるように、炉、焼却炉、ボイラー、フィルター、スクラバー、または、さらには、サイロに接続され得る。これは、以下では、レシピエント・ゾーンと述べられている。
【0199】
本発明によれば、レシピエント・ゾーンという用語によって、それは、粉末状吸着剤を収集するためのサイロ、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送を通して注入されるべきであるチャネル、たとえば、煙道ガス・ダクト、プラントの内側のパイプライン、ガス・スクラバー、フィルター・デバイス、たとえば、静電集塵器、バグ・フィルターなど...を意味している。
図2は、粉末状材料、たとえば、粉末状吸着剤を搬送するための空気圧式の搬送システムを概略的に図示している。
【0200】
空気圧式の搬送システムは、ブロワー1を含み、ブロワー1は、第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されており、搬送流体、たとえば、空気、不活性ガス、排気ガス、または、それらの混合物を、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中にブローする。
【0201】
粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンク2は、投与手段3を通して第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されている。パイプライン壁部を含む第1の空気圧式の搬送パイプライン13は、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンク2、および、レシピエント・ゾーンに接続されている。搬送流体は、前記パイプライン壁部に沿った境界層を含むフローを有しているだけでなく、また、前記粉末状材料の粒子が、前記搬送フローの内側のそれらの周りに境界層を有している。
【0202】
したがって、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、ブロワー1によって発生させられる搬送流体のフローによって、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の貯蔵タンク2から、レシピエント・ゾーン(図示せず)の中の煙道ガス・ダクトへ、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中を空気圧式に搬送され、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の搬送流体をブローし、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中を、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の粒子が輸送されている。
【0203】
投与手段3は、前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤の貯蔵タンク2から、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中へ進入するときに、所定の量の前記粉末状材料、とりわけ、前記粉末状吸着剤を投与する。
【0204】
投与手段3は、好ましくは、投与スクリュー、垂直方向のシャフトまたは水平方向のシャフトを備えた回転弁、エア・スライド、ジェット・フィーダー、スクリュー・フィーダー、エア・ロック・フィーダー、スクリュー・ポンプ、圧力容器、またはエア・リフトから選択される。
【0205】
粉末状材料貯蔵タンク2の中に含有されている粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、消石灰、水和されたもしくは半水和されたドライム、石灰岩、ドロマイト、生石灰、クイック・ドライム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム二水和物(トロナとしても知られる)、ハロイサイト、セピオライト、活性炭および亜炭コークスから選択される炭素質有機化合物、フライ・アッシュ、または、これらの化合物のいずれかの混合物からなる群からから選択される。
【0206】
また、図示されている実施形態では、乾燥デバイス4が、前記ブロワーによって第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中へブローされた後に、搬送流体を乾燥させるために設けられており、乾燥された搬送流体を第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中にさらに搬送する。また、混合または接続デバイス5が、プロセス・プラントの中に存在しており、前記ブロワー1によってブローされた搬送流体と、前記投与手段3によって投与された粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤との混合を可能にする。
【0207】
より具体的には、混合デバイスは、第1の給送チューブおよび第2の給送チューブを含み、第1の給送チューブにおいて、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の搬送流体が、混合チャンバーに進入しており、第1の給送チューブが、混合チャンバーに接続されており、第2の給送チューブは、粉末状材料を給送するために、前記投与手段3および前記混合チャンバーに接続されている。粉末状材料および搬送流体の給送の間に、粉末状材料およびブローされた搬送流体の均質な混合が実施され、それは、混合チャンバーを離れ、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13を通り前記レシピエント・ゾーンへその輸送が続く。第1の空気圧式の搬送パイプラインにおいて、混合チャンバーを下って、粒子は、搬送流体の中に適正に搬送および拡散される。
【0208】
音波デバイス12が、ブロワーと煙道ガス・ダクトとの間の、好ましくは、本明細書で示されているように、ブロワーと混合デバイス5との間の任意の場所に位置付けされるかまたは接続されている。音波デバイス12は、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側に、および/または、前記レシピエント・ゾーンまで、音波を発生させる。図示されているこの好適な実施形態では、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されているブロワー1は、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の搬送流体をブローしているだけでなく、また、少なくとも部分的に前記音波デバイス12を通して前記搬送流体をブローしている。
【0209】
図示されているこの実施形態では、前記粉末状材料の貯蔵タンク2と前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13との間に位置付けされている前記投与手段3は、また、前記粉末状材料の輸送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送される音波によって接触される。
【0210】
「に接続されている」という用語によって、1つのエレメントが、直接的にまたは間接的に別のエレメントに接続されていることを意味しており、エレメント同士が互いに連通しているが、他のエレメントがその間に挿入され得るということを意味している。
【0211】
粉末状材料の空気圧式の搬送という用語によって、それは、本発明の範囲内において、マイナスの圧力によるもしくはプラスの圧力による空気圧式の搬送、または、搬送流体の中の希薄相としての、または、搬送流体の中の不連続相としての、粉末状材料の空気圧式の搬送を意味している。
【0212】
粉末状材料の空気圧式の搬送の間に、圧力降下変動が、任意の時間に、非常に頻繁に起こり、それは、制御することが困難である。圧力降下の変動は、空気圧式の搬送プロセスの複数の内在要因に起因しているか、または、外部イベントに起因している可能性がある。
【0213】
そのような圧力降下の変動は、搬送されることとなる粉末状材料の空気圧式の搬送の全体を乱しており、異なる種類の摂動を引き起こす。摂動のなかでも、圧力降下の変動が粉末状材料の搬送速度の修正を引き起こしているという事実を見出すことが可能である。
【0214】
最初に説明されているように、粉末状材料フローは、跳躍速度を有しており、跳躍速度の下で、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤は、空気圧式の搬送パイプの中に定着し始め、一方、ブロワーによってブローされる搬送流体は、安全な速度の公称値を与えられ、安全な速度の公称値は、跳躍速度よりも大きくなっており、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が、空気圧式の搬送パイプの内側に定着することを防止する。
【0215】
実際に、ブロワーは、圧力降下と流量との間の曲線によって特徴付けられている。圧力降下は、プラントによって課されるものであり、プラントの内側では、空気圧式の搬送が実施されるはずであり、ブロワーの特徴曲線は、プラントの内側で起こる圧力降下の値に応じて、粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の所定の流量を付与する。
【0216】
圧力降下の中に小さい変動が存在するとすぐに、粉末状材料の空気圧式の搬送を乱さないように十分に迅速にそれを制御することができない状態で、圧力降下は、減少および増加し始める。結果として、たとえば、繰り返しになるが、それに限定されることなく、圧力降下が増加するときに、搬送流体の空気圧式の速度または流量が低減され、場合によっては、搬送流体の速度が安全な公称値速度よりも低い値に到達することを引き起こし、したがって、空気圧式に搬送される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤が空気圧式の搬送パイプラインの内側の沈殿することを引き起こす。
【0217】
したがって、粉末状材料は、空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始め、そして、空気圧式の搬送に利用可能なパイプラインの通過直径が低減されるので、圧力降下の変動を引き起こし、そして、空気圧式の搬送に影響をもたらす圧力降下の増加を引き起こす。
【0218】
理解することができるように、圧力降下の最小の単一の変動は、空気圧式の搬送の最適化のレベルがどのようなものであっても起こり、それは、空気圧式の搬送パイプラインの内側の粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の空気圧式の搬送の効率に強い影響をもたらすこととなる。
【0219】
この変動の現象は、ブローされているときに、任意の搬送流体の中で起こっているが、それは、当然のことながら、粉末状材料が搬送されるときに、さらに増幅される。その理由は、粉末状材料が空気圧式の搬送パイプラインの内側に蓄積し始めるとすぐに、粉末状材料自身が、圧力降下の正しいレジメンを容易に回復することができないからである。
【0220】
本発明による方法において、音波デバイス12は、前記レシピエント・ゾーンまで、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側に音波を発生させ、前記レシピエント・ゾーンまで前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の変動ステップに対する反作用を提供する。
【0221】
音波が圧力の増加を発生させるときに、圧力の増加が、前記第1の搬送パイプラインおよび/または前記レシピエント・ゾーンの中の圧力降下の変動ステップに対して反作用する能力を有しているということが、実際に驚くほどに認識された。
【0222】
音波デバイスは、好ましくは、音波発生器の近くの第1の空気圧式の搬送パイプラインの中に、20mbarから200mbarの間の、とりわけ、少なくとも30mbarの、好ましくは、最大でも150mbarの圧力降下の増加を生成させる。
【0223】
好ましくは、前記音波デバイスが、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの、圧力降下の変動ステップに対する反作用を提供するときに、前記音波デバイスは、前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの中のおよび/または前記レシピエント・ゾーンまでの圧力降下の変動ステップに対して、スムージング作用および/またはマスキング作用を提供する。
【0224】
音波は、圧力降下を増加させるために使用され、それは、本発明による音波が、圧力降下の変動ステップに反作用することができるように使用され、それによって、粒子の蓄積を是正するかまたは粒子の蓄積に反対に作用する代わりに、前記空気圧式の搬送において、粉末状材料の蓄積を引き起こす、摂動を最小化するということを意味している。
【0225】
図示されている好適な実施形態では、前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中の圧力降下の変動ステップに対する反作用は、粉末状材料の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側を輸送される音波によって、煙道ガス・ダクトの中に給送される粉末状材料、とりわけ、粉末状無機材料の変動を低減させることによって、汚染物質化合物捕獲の改善を引き起こす。
【0226】
実際に、粉末状材料の前記空気圧式の搬送の間に前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波が、レシピエント・ゾーンの中を給送される粉末状材料の空気圧式の搬送における変動に直接的な影響を有するということが、驚くほどに見出された。
【0227】
進行する音波の適当な使用は、粉末状材料の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプライン13の内側の圧力降下の増加を生成させ、それは、レシピエント・ゾーンの内側に注入される粉末状材料、とりわけ、粉末状吸着剤の変動を解決することが可能である。
【0228】
粉末状材料の前記輸送の間の前記第1の空気圧式の搬送パイプラインの内側を輸送される音波は、圧力降下における変動に対して非常に迅速に反作用することによって、煙道ガス・ダクトの内側の汚染物質捕獲の不足を防止するということが示されており、それによって、十分な速度を有していない粒子が定着することを防止し、粒子が空気圧式の輸送によって搬送されることを可能にし、結果として、粒子が煙道ガス・ダクトに依然として到達することを可能にする。実際に、境界層の存在の結果として、粒子が空気圧式に搬送されるのに十分な速度を有していないときに、音波は、第1の空気圧式の搬送パイプラインの壁部に定着する傾向を有する粒子と衝突している。
【0229】
実際に、第1の空気圧式の搬送パイプラインの中の圧力降下の増加を生成させる音波の適正な使用、ならびに、粉末状材料の粒子とパイプの中の音の振動の腹および節の場所を変化させる波の変動周波数を有する音波との間の衝突の組み合わせ。
【0230】
図3は、本発明による、空気圧式の搬送システムの中の音波デバイスの別の可能な場所を図示している。
【0231】
見ることができるように、この実施形態では、音波デバイスは、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中に位置付けされているのではなく、その代わりに、並列に設置されており、混合デバイスの前に第1の空気圧式の搬送パイプラインに到達する出口ダクト29を通して、第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されている。音波デバイスは、デッド・エンド・デバイスである。
【0232】
図4は、本発明による、空気圧式の搬送システムの中の音波デバイスの別の可能な場所を図示している。
【0233】
見ることができるように、この実施形態では、音波デバイスは、第1の空気圧式の搬送パイプライン13の中に位置付けされているのではなく、その代わりに、並列に設置されており、混合デバイスの前に第1の空気圧式の搬送パイプラインに到達する出口ダクト29を通して、第1の空気圧式の搬送パイプライン13に接続されている。音波デバイス12は、ブロー・スルー・デバイスであり、エントリー・ダクト30によって別のブロワー6に接続されている。
【0234】
図4Aは、マルチラインの空気圧式の搬送システムを示しており、そこでは、1つの音波デバイス12が、図示されている両方の空気圧式の搬送パイプラインの投与手段5の上流に位置付けされている。
【0235】
図5は、粉末状材料に関するJenickeフロー・ダイアグラムであり、粉末状材料が消石灰であるときの粉末状材料の凝集性挙動を示している。
【0236】
以前に言われているように、摩擦力、衝撃力、および重力と比較して、静電気力の寄与度が増加することに起因して、固体物体への付着の問題は、減少する粒子直径の粒子に関して、ますます重要になっている。
【0237】
所定の直径(<100μm)を有する消石灰粒子は、Geldart分類による凝集性として、一般的に分類され、それらのフロー特性は、Jenickeによるフロー・ファンクション分類を使用して、詳細に評価され得る。
【0238】
Jenickeフロー・ファンクションによって、粉末の内部凝集が測定され、これは、粉末の付着特性に関する良好なインジケーターとして考えられ得る。
【0239】
図5では、2つの消石灰粉末の凝集性が示されている。粉末Aは、d
p=10(μm)の粒子サイズを有しており、一方、粉末Bは、d
p=3(μm)の粒子サイズを有している。粉末Bは、より凝集性が高く、「非常に凝集性が高い」によるフロー・ファンクションによって分類されることが明らかである。結果として、粉末Bは、リジッドのパイプ壁部への付着に対して、粉末Aよりもはるかに感度が高いこととなる。粉末Cは、容易に流れる粉末であり、粉末Dは、自由に流れる粉末であり、一方、粉末Eは、粘り気のある粉末である。
【0240】
例
テストが、発電プラントにおいて、工業的規模で実施され、特に、プラントの内側の圧力降下の変動の観点から、粉末状消石灰吸着剤の空気圧式の搬送に関して、本発明の効果を評価した。
【0241】
これらのテストにおいて使用された発電プラントは(それは、
図7に図示されている)、バーナー(15)、および、石炭を燃焼させるための炉(31)を含み、前記炉は、煙道ガス・ダクトに接続されており、前記炉の中で発生させられる煙道ガスは、静電集塵器(9)へ導かれ、スクラバー(32)がそれに続き、さらに、煙突(10)へ排出される。
【0242】
消石灰は、ガス状の汚染物質、とりわけ、SO2を捕獲するために、静電集塵器の前におよび煙突の前に、この発電プラントの煙道ガス・ダクトの中へ注入される。そのような吸着剤は、国際公開第9714650号に開示されているように、高い比表面積の消石灰である。
【0243】
プラントは、前記粉末状消石灰のための貯蔵タンク(2)をさらに含み、前記タンクは、ホッパー(3)を通して炉に接続されており、ホッパー(3)は、2つの空気圧式の搬送パイプライン(13、13’)の中へ前記粉末状消石灰を並列に同一の給送レートで導く2つの出力を有している。搬送パイプライン(13、13’)は、両方とも4インチ(10.2cm)の直径を示す。消石灰の給送レートは、炉の中で燃焼させられる石炭の量、および、その中に含有されている硫黄の量に基づいて、定期的に調節される。
【0244】
両方の搬送パイプラインは、ブロワー(1、1’)によって、搬送流体として空気(15、15’)を供給される。
【0245】
それらの搬送流体(15、15’)は、ブロワー(1、1’)に進入する前に、最初に乾燥デバイス(14、14’)によって乾燥させられ、次いで、さらに、ブロワーによってブローされた後に、冷却デバイス(4、4’)によって冷却される。ブロワー(1、1’)は、約10kPaにおいて固定された初期圧力降下を示す。
【0246】
本発明を図示するために、搬送流体(15’)は、以前に説明されているように、消石灰と接触した状態になる前に、さらに音波デバイス(12’)の中へ移送される。
【0247】
両方の搬送パイプライン(13、13’)の中の圧力降下が、ブロワー(1、1’)によって連続的に測定される。
【0248】
結果的に、このプラントによって、特に、消石灰の注入の給送レートの長期間にわたる変動によって発生させられる、音波デバイスが実装されていない搬送パイプラインの中の圧力降下の変動と、以前に説明されているような、音波デバイスを含む本発明による搬送パイプラインとをリアルタイムに比較することが可能である。
【0249】
【0250】
図6は、動作の連続5日間の期間にわたって、時間の関数として測定されたラインの中の圧力を示している。
図6は、基準ケースを表しており、すなわち、音波デバイスは動作しておらず、ライン13’および13に関する条件は同様になっている。大きい変動が、圧力読み取り値の中に起こるということ、ならびに、これらの圧力変動は、両方のライン13’および13に関して同様であるということが、
図6から明らかである。表1は、
図6の圧力読み取り値の統計的分析を示している。
【0251】
【0252】
両方のライン13’および13が、同様の平均圧力で動作しており、ライン13’が、より低い平均圧力で動作しているということを、表1から結論付けることが可能である。2つのラインの圧力変動は、圧力信号の標準偏差(1σ)として表1に表されている。圧力変動は、2つのラインに関して事実上同一であるということが明らかである。これは、音波デバイスが動作していない状態で、圧力損失および圧力の変動は同様になっているということ意味している。最後に、表1に相対的圧力変動を表しており、相対的圧力変動は、標準偏差および平均圧力の比である。ライン13’の中の平均圧力は、少し低くなっているので、圧力変動の相対的効果が、少し高くなっている。相対的圧力変動は、2つのラインにおいて、22%~30%である。圧力のそのような変動は、非常に重大であり、空気圧式の搬送システムのガス流量の中に変動を発生させることとなる。報告された圧力変動は、全5日の動作日に関する平均数であり、瞬間的な圧力変動は、著しく大きくなっているということに留意されたい。
【0253】
図6Aは、音波デバイスが5日の期間にわたってライン13’において動作しているケースのライン13’および13の圧力信号を示している。ライン13’の中の圧力は、ライン13の中の圧力よりも著しく大きくなっているということが明白である。明らかに、音波デバイスを備えた動作ライン13’は、より高い圧力損失を発生させる。音波デバイスなしの動作のケースでは、ライン13’は、ライン13よりもわずかに低い圧力を示したということに留意されたい(
図6参照)。
図6Aの圧力信号の統計的分析が、表2に与えられている。
【0254】
【0255】
第1に、表2は、平均圧力は、音波デバイスなしのライン(13)の中よりも、音波デバイスが動作した状態のライン(13’)の中において、ほぼ2倍(1.7倍)高くなっているということを示している。圧力変動は(圧力信号の標準偏差(1σ)として表2に表されている)、音波デバイスが動作した状態のライン(13’)は、音波デバイスなしのライン(13)よりもはるかに安定しているということを示している。圧力信号の標準偏差は、音波デバイスありのラインに関するものよりも、音波デバイス(13)なしのラインに関するものに関して、ほぼ1.5倍(1.45倍)高くなっている。
【0256】
音波デバイスが動作した状態のライン(13’)に関して、より高い平均圧力および低い標準偏差の組み合わせの結果は、相対的圧力変動(標準偏差および平均圧力の比)が2.5倍以上低くなるということである。音波デバイスなしのライン(13)は、18%の相対的圧力変動を示しており、それは、
図6および表1に示されているタイム・フレームの中に見出された22%と同様である。音波デバイスが動作した状態のライン(13’)に関して、相対的圧力変動は、単に7%に過ぎない。より低いこの圧力変動(絶対的および相対的の両方)は、空気圧式の搬送システムの著しく改善された安定性を結果として生じさせることとなる。
【0257】
音波デバイスは、圧力変動の減衰を結果として生じさせ、その結果として、空気圧式の搬送システムの改善された安定性を結果として生じさせるということが、
図6、
図6A、および、表1、表2の統計的分析から明らかである。
【0258】
それに加えて、より高い平均圧力での動作は、音波デバイスが動作しているケースでは、煙道ガス・ダクトの中の圧力摂動が、搬送ラインの中の圧力に対してより小さい影響を有することを引き起こし、その結果として、空気圧式の空気速度に対してより小さい影響を有することを引き起こすこととなる。これは、より安定した空気圧式の搬送動作を結果として生じさせる。