(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】車両用投影アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20220825BHJP
B60Q 3/14 20170101ALI20220825BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G02B27/01
B60Q3/14
B60K35/00 A
(21)【出願番号】P 2019548448
(86)(22)【出願日】2018-03-06
(86)【国際出願番号】 US2018021101
(87)【国際公開番号】W WO2018165126
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】エドモンズ,ウィリアム エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マシュー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ストバー,カール エー.
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/203732(WO,A1)
【文献】特開2012-058270(JP,A)
【文献】特開2004-130892(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0279755(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
G02B 5/30
B60Q 3/14
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングキャビティを取り囲んでいる非透過性ハウジングと、
画像投射方向を有する、前記ハウジングキャビティ内に配置された投影モジュールと、
前記ハウジング内に配置された透過性
の出口開口と、
前記画像投射方向に沿って前記投影モジュールから間隔を置いて前記ハウジングキャビティ内に配置された選択的反射型偏光素子と、を備える車両用投影アセンブリであって、
前記選択的反射型偏光素子は、多層光学フィルムを含み、前記多層光学フィルムの少なくとも一部の層は複屈折性ポリマーを含み、
前記選択的反射型偏光素子は、前記画像投射方向に沿って前記選択的反射型偏光素子に入射する少なくとも一部の光が前記出口開口を通過する光路に向け直されるように、位置合わせされており、
前記選択的反射型偏光素子は、1つの偏光状態の光を実質的に反射するが、別の直交する偏光の光は実質的に透過し、
前記選択的反射型偏光素子は、近赤外スペクトルの両偏光の光を実質的に透過する、車両用投影アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングキャビティ内で、前記選択的反射型偏光素子よりも前記投影モジュールから遠くに配置され、前記選択的反射型偏光素子よりも前記出口開口から遠くに配置された光吸収素子を更に備え、
前記選択的反射型偏光素子を透過した光が、前記光吸収素子に入射する、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項3】
前記出口開口を通過する前記光路
の少なくとも2つの部分が直交する、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項4】
リフレクタを更に備え、前記リフレクタは、前記出口開口を通過する前記光路がリフレクタからの反射を含むように配置されている、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項5】
前記選択的反射型偏光素子が、光学的に平滑である、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項6】
前記選択的反射型偏光素子が、リターダを含む、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項7】
前記出口開口が、カバーレンズを含み、
前記カバーレンズが、フレネル反射以外に反射を有さない、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項8】
前記選択的反射型偏光素子が、コールドミラーを含む、請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【請求項9】
前記ハウジングキャビティ内で、前記選択的反射型偏光素子よりも前記投影モジュールから遠くに配置され、前記選択的反射型偏光素子よりも前記出口開口から遠くに配置された光吸収素子を更に備え、
太陽光が、直線的に前記出口開口と前記選択的反射型偏光素子とを通って前記光吸収素子に入射し、吸収されるように、前記出口開口と前記選択的反射型偏光素子と前記光吸収素子とが配置されている、
請求項1に記載の車両用投影アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ドライバー又は同乗者に情報を提供するために、プロジェクタを車両内に配置又は内蔵することができる。ヘッドアップディスプレイは、前方を向いて頭部をまっすぐにした位置でドライバー又は同乗者に見える情報を表示するためにプロジェクタを使用することができる。車内に配置された投影システムは、太陽光照射及び温度変動を含む著しい極限環境の影響を受ける。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本開示は車両用投影アセンブリに関する。車両用投影アセンブリは、ハウジングキャビティを取り囲んでいる非透過性ハウジングと、画像投射方向を有する、ハウジングキャビティ内に配置された投影モジュールと、ハウジング内に配置された透過性出口開口と、画像投射方向に沿って投影モジュールから間隔を置いてハウジングキャビティ内に配置された選択的反射型偏光素子とを含む。選択的反射型偏光素子は、画像投射方向に沿って選択的反射型偏光素子に入射する少なくとも一部の光が出口開口を通過する光路に向け直されるように、位置合わせされている。選択的反射型偏光素子は、1つの偏光状態の光を実質的に反射するが、別の直交する偏光の光は実質的に透過する。選択的反射型偏光素子は、近赤外スペクトルの両偏光の光を実質的に透過する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図3】2つの積層された試料の表面粗さを示すグラフである。
【
図4】比較例1の透過率パーセントを示すグラフである。
【
図5】比較例2の反射率パーセントを示すグラフである。
【
図6】比較例3の透過率パーセントを示すグラフである。
【
図7】例1の反射率パーセントを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1は、車両用投影アセンブリの概略側面図である。車両用投影アセンブリ100は、ハウジング102、通過偏光112及び遮断偏光114の両方を放射する投影モジュール110、反射画像光122を反射する選択的反射型偏光素子120、出口開口130、太陽光132、及び光吸収素子140を含む。
【0005】
車両用投影アセンブリ100全体は、任意の好適なサイズ及び形状とすることができる。いくつかの実施形態では、車両用投影アセンブリ100は、自動車のダッシュボード内に合うように設計される。車両用投影アセンブリは、投影アセンブリと車両の他の構成素子との効率的な一体化をもたらすように設計することができる。
【0006】
具体的には、ハウジング102は、車両のダッシュボード内に設けられるように任意の好適な三次元形状及びサイズとすることができる。いくつかの実施形態では、車両用投影アセンブリが最小限の顕著な特徴を備えて含まれることを可能にすることが好ましい場合がある(出口開口だけがドライバー又は同乗者に見えるなど)。ハウジング102は、車両用投影アセンブリの設置並びにできれば取り外し及び修理を可能にするための隆起部、係止機構、又は他の機械的素子を含むことができる。
【0007】
ハウジング102は、任意の好適な材料から形成されることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、ポリマー材料から形成される。例えば、ハウジング102は射出成形されることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング102は不透明プラスチックである。いくつかの実施形態では、ハウジング102は暗色又は他の可視光吸収性材料である。ハウジング102は、環境安定性で選択されてもよく、例えば、ハウジング102は、車両ダッシュボードの上又は内部に存在する極端な環境条件に耐えるために、高ガラス転移温度を有することができる。ハウジング102は、全体的な車両重量及び効率の助けとなるように、炭素繊維材料、軽量プラスチック(例えば、グラスバブルズを含むプラスチック)、又は別の軽量材料であってもよく、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、特にハウジング102の一部又は全部が同乗者又はドライバーに見える場合、ハウジング102は、ハウジングの外観を隣接する表面に溶け込ませる又は調和させるための様式的又は審美的素子を含むことができる。例えば、ハウジング102は、本物の若しくは合成の木材、本物の若しくは合成の皮革、又は1つ以上の光沢若しくはつや消しコーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジング102は、カモフラージュフィルム又は他の選択透過性フィルムを含み得る。
【0008】
投影モジュール110は、画像光を投影することができる任意の好適な投影モジュールとすることができる。例えば、投影モジュール110は、1つ以上の光源及び液晶光ゲート素子を含むことができる。これらの実施形態では、液晶光ゲート素子は、従来のLCD投影として透過性、又はLCOS(liquid crystal on silicon)投影システムとして反射性のいずれかであり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、投影モジュール110は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの直接描画光源であってもよく、又はそれを含んでもよい。他の種類の投影モジュール及び光源を必要に応じて使用してもよく、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを利用したプロジェクタ(DLPプロジェクタ)又は偏光ビームスプリッタを使用してもよい。
【0010】
投影モジュールは、任意の好適な構成素子を含んでもよく、任意の好適な特性を有してもよい。例えば、投影モジュールは、用途に応じて異なるレベルの電力を消費し、特定のレベルの光強度を生成することができる。投影モジュールは、任意の好適なコントラスト比及び輝度を有することができる。投影モジュールは、任意の好適な波長若しくは波長の組み合わせ又は任意の白色点を生成することができるが、プロジェクタからの光の少なくとも一部は、可視スペクトル内であるべきである。この説明を目的として、可視スペクトルは、400nm~720nmであると見なし得る。電力配線、出力レンズ光学素子、及びいくつかの実施形態における、冷却ファン又は流体循環ヒートシンクなどの構成素子は、
図1の説明を容易にするために示されていない。
【0011】
投影モジュールは画像投射方向を有し、それに沿って画像光が投影される。
図1の図では、通過偏光112及び遮断偏光114の両方が、画像投射方向に沿って進む。いくつかの実施形態では、図示されたように、投影モジュールは2つの直交する偏光の光(又は、偏光されていない光、これは全体としては各直交偏光と実質的に等しい部分を含む偏光のランダムな混合を含むことになる)を生成する。いくつかの実施形態では、これらは直交する直線偏光状態である。いくつかの実施形態では、これらは左円偏光及び右円偏光である。いくつかの実施形態では、1つの偏光の光のみを、投影モジュールによって生成し得る。車両用投影アセンブリ全体を考察した後に明らかになるように、これらの実施形態では、光の少なくとも一部は遮断偏光であるべきであり、それは、それが出口開口130を実質的に通過する唯一の光であるからである。
【0012】
図1の図では、通過偏光112及び遮断偏光114の両方が、選択的反射型偏光素子120に入射する。選択的反射型偏光素子120は、通過偏光112を実質的に透過しながら、遮断偏光114を実質的に反射する。更に、選択的反射型偏光素子120は、近赤外スペクトルの両偏光の光(例えば、800nm~1400nm、又は更には800nm~2500nmの光)を実質的に透過する。この説明を目的として、近赤外スペクトルは、800nm~2500nmであると見なし得る。用途に応じて、実質的に反射したり実質的に透過したりすることによって、関連光の少なくとも50%がこうした効果を経験することを意味し得る。いくつかの実施形態では、関連光の少なくとも70%がこうした効果を経験する。いくつかの実施形態では、関連光の少なくとも90%がこうした効果を経験する。いくつかの実施形態では、関連光の少なくとも95%又は99%がこうした効果を経験する。測定は、s偏光及びp偏光の両方を平均して、45度の入射角で行われるべきである。いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、通過状態の光がp偏光であり、遮断状態の光がs偏光となるように配置され、これにより、可視波長及び近赤外波長について通過状態の光の透過を最大化し得る。
【0013】
選択的反射型偏光素子120は、所望の光学性能を提供する任意の好適な材料とすることができる。例えば、選択的反射型偏光素子は、ワイヤグリッド偏光子又はコレステリック反射型偏光子であってもよいし、又はこれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120は、多層光学フィルム又は、より具体的には、多層反射型偏光子を含み得る。いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120は、多層反射型偏光子及びミラーを含み得る。いくつかの実施形態では、ミラーは、コールドミラー(可視光を反射するが赤外光を透過する)であってもよい。いくつかの実施形態では、コールドミラーは、多層光学コールドミラーであってもよい。いくつかの実施形態では、これらの部分は、光学的に透明な接着剤又は他の好適な接着方法又はプロセスによって一緒に積層されてもよい。
【0014】
多層光学フィルム、すなわち、屈折率の異なるミクロ層の配置によって、少なくとも部分的に望ましい透過特性及び/又は反射特性をもたらすフィルムが知られている。真空槽の中で一連の無機質材料を光学的に薄い層(「ミクロ層」)として基材に堆積させることによって、このような多層光学フィルムを作ることが知られている。無機多層光学フィルムは、例えば、H.A.Macleodによる教科書、Thin-Film Optical Filters,2nd Ed.,Macmillan Publishing Co.(1986)、及びA.Thelanによる教科書、Design of Optical Interference Filters,McGraw-Hill,Inc.(1989)に記述されている。
【0015】
多層光学フィルムは、交互ポリマー層を共押し出しすることによっても実証された。例えば、米国特許第3,610,729号(Rogers)、同第4,446,305号(Rogersら)、同第4,540,623号(Imら)、同第5,448,404号(Schrenkら)、及び同第5,882,774号(Jonzaら)を参照のこと。これらのポリマー多層光学フィルムでは、個々の層の構成においてポリマー材料が主に又は排他的に使用される。そのようなフィルムは、大量生産工程と適合し、大きなシート及びロール品で作製することができる。
【0016】
多層光学フィルムは、一部の光が隣接ミクロ層の間の境界面で反射するように、異なる屈折率特性を有する、個別のミクロ層を含む。ミクロ層は、複数の境界面で反射された光が、建設的又は破壊的干渉を受けて多層光学フィルムに所望の反射又は透過特性を提供できるほど薄い。紫外線、可視、又は近赤外線波長光を反射するように設計された多層光学フィルムでは、各ミクロ層は通常、光学的厚さ(物理的厚さ×屈折率)が約1μm未満である。多層光学フィルムの外表面の表面層や、ミクロ層の所定のまとまり(以下「パケット」と称する)同士を分離するよう、多層光学フィルム内に配置される保護境界層(protective boundary layers)(PBL)のような、より厚い層が含まれていてもよい。
【0017】
偏光用途、例えば、反射型偏光子の場合には、光学層の少なくとも一部は、複屈折性ポリマーを用いて形成され、ポリマーの屈折率はポリマーの直交座標系の軸に沿って異なる値を有する。一般に、複屈折性ポリマーのミクロ層は、層面(z軸)の法線により規定され、x軸とy軸が層面内に存在する、直交カルテシアン軸を有する。複屈折性の高分子は、非偏光用途においても使用することができる。
【0018】
ある場合には、ミクロ層は、1/4波長積層体に相当する厚さ及び屈折率値を有し、すなわち、それぞれが等しい光学的な厚さ(f比=50%)の2種の隣接ミクロ層を有する、光学繰り返し単位又は単位セルで配列され、このような光学繰り返し単位は、波長λが光学繰り返し単位の全光学的な厚さの2倍である、強め合い干渉光による反射に有効である。f比が50%と異なる、2種のミクロ層光学繰り返し単位を有する多層光学フィルム、又は光学繰り返し単位が2種以上のミクロ層を含むフィルムなどの他の層構成も知られている。これらの光学的繰り返し単位の設計は、特定の高次反射を減少又は増加させるように構成することができる。例えば、米国特許第5,360,659号(Arendsら)及び同第5,103,337号(Schrenkら)を参照のこと。フィルムの厚さ軸(例えば、z軸)に沿った厚さ勾配を使用して、拡張された反射帯、例えば、反射帯が斜めの入射角で短波長にシフトする際に、可視スペクトル全体にわたって反射し続けるように、ミクロ層積層体が人間の可視領域全体にわたる、及び近赤外の中に拡張された反射帯を提供することができる。バンド端を鋭くするように調整された厚さ勾配、すなわち高反射と高透過の間の波長転移は、米国特許第6,157,490号(Wheatleyら)に記述されている。
【0019】
多層光学フィルムと、関連する設計及び構造の更なる詳細は、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)及び同第6,531,230号(Weberら)、PCT公開国際公開第95/17303(Ouderkirkら)及び同第99/39224((Ouderkirkら)、並びに表題「Giant Birefringent Optics in Multilayer Polymer Mirrors」、Science,Vol.287,March 2000(Weberら)という刊行物に記述されている。多層光学フィルムと関連する物品は、光学的特性、機械的特性、及び/又は化学的特性により選択される、追加の層及びコーティングを含むことがある。UV硬化型アクリレート接着剤又は他の好適な材料を用いて、多層光学フィルムを、機械的に補強された層に貼り付けることができる。このような補強層は、PET又はポリカーボネート等のポリマーを含むことがあり、例えばビーズ又はプリズムを使用することによって光拡散又はコリメーション等の光学的機能を提供する構造化表面も含むことがある。追加の層及びコーティングは、ハードコート、引き裂き抵抗性層、及び硬化剤も含むことができる。例えば、米国特許第6,368,699号(Gilbertらによる)を参照されたい。多層光学フィルムを作るための方法及び装置は、米国特許第6,783,349号(Neavinらによる)に記述されている。
【0020】
多層光学フィルムの反射特性及び透過特性は、それぞれのミクロ層の屈折率と、ミクロ層の厚さ及び厚さ分布の関数である。各ミクロ層は、少なくともフィルムの局所的位置で、面内屈折率nx、nyと、フィルムの厚さ方向軸に関連する屈折率nzとによって特徴付けることができる。これらの屈折率は、互いに直交するx軸、y軸、及びz軸に沿って偏光される光に対する対象材料の屈折率を、それぞれ表す。本特許出願での説明を容易にするため、別段の指定がない限り、x軸、y軸、及びz軸は、多層光学フィルム上のいかなる対象点にも適用可能なローカルな直交座標系の軸であり、ミクロ層はx-y面に平行に延び、x軸は、Δnxの大きさを最大とするようにフィルムの面内に配向されているものとする。したがって、Δnyの大きさは、Δnxの大きさ以下であって、それより大きくないものとすることができる。更に、差Δnx、Δny、Δnzを計算する際にどの材料層から始めるかの選択は、Δnxが負でないことを必要とすることによって決定される。換言すれば、境界面を形成する2つの層の間の屈折率の差は、Δnj=n1j-n2jであり、ここでj=x、y、又はzであり、層の指定1、2は、n1x≧n2x、すなわち、Δnx≧0となるように選択される。
【0021】
実際には、屈折率は、適切な材料選択及び加工条件によって制御される。多層フィルムは、多数の、例えば数十又は数百層の2種の交互に配列したポリマーA、Bを共押出しし、通常続いて、多層押出し物を1つ以上のマルチプライヤダイに通し、次に押出し物を延伸するか、又は別法で配向させて、最終フィルムを形成することにより作製される。得られるフィルムは、通常、可視又は近赤外等のスペクトルの所望の領域において、1つ以上の反射帯をもたらすように厚さと屈折率が調整されている、数百の個別のミクロ層から構成される。妥当な層数によって高反射率を得るために、隣接したミクロ層は、通常、x軸に沿って偏光した光に対して少なくとも0.05の屈折率差(Δnx)を呈する。いくつかの実施形態において、x軸に沿って偏光した光に対する屈折率差が、配向後に可能な限り高くなるように、材料を選択する。2つの直交する偏光に対して高反射率が所望される場合には、隣接したミクロ層は、y軸に沿って偏光した光に対して少なくとも0.05の屈折率差(Δny)を呈するようにすることもできる。
【0022】
上記で参照した‘774号(Jonzaらによる)特許は、なかんずく、z軸に沿って偏光した光に対する隣接したミクロ層間の屈折率差(Δnz)を調整して、斜めに入射する光のp偏光部分に対して所望の反射率特性を得る方法を述べている。斜め入射角におけるp偏光の高い反射率を維持するために、ミクロ層間のz屈折率の不整合Δnzは、最も大きい面内屈折率の差Δnxより実質的に小さくなるように制御して、Δnz≦0.5×Δnx又はΔnz≦0.25×Δnxとすることができる。ゼロ又は実質的にゼロに近い大きさのz-屈折率の不整合によって、ミクロ層の間の境界面に対して、入射角の関数としてのp偏光に対する反射率を一定又は実質的に一定とすることができる。更に、z屈折率の不整合Δnzは、面内屈折率の差Δnxと比較して反対の極性を有するように、すなわち、Δnz<0となるように、制御することができる。この条件は、s偏光の場合と同様に、p偏光に対する反射率が、入射角の増加と共に増加する境界面をもたらす。
【0023】
選択的反射型偏光素子120はまた、位相差層を含むことができる。位相差層は、1/2波長位相差層、1/4波長位相差層、1/8波長位相差層、又は可視スペクトルの少なくとも一部について他の任意の位相差を有する位相差層とすることができる。いくつかの実施形態において、選択的反射型偏光素子120は、紫外線吸収剤を含むことができる。これらの紫外線吸収剤は、ミクロ層全体に分布してもよく、特定のミクロ層のみに存在してもよく、又は特定の非光学的なスキン層又は保護境界層にのみ存在してもよい。いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120は、ヒンダードアミン光安定剤を含む。いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120は、少なくとも部分的に湾曲している。
【0024】
いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120が光学的に平滑であることが重要となり得る。特に、選択的反射型偏光素子は少なくとも一部の画像光を反射しているので、選択的反射型偏光素子の表面粗さが、画像品質を歪めたり劣化させたりするほど大きすぎないことが重要である。可視波長に基づいて、いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子の平均表面粗さ(二乗平均平方根)は、200nm未満である。いくつかの実施形態では、100nm未満である。いくつかの実施形態では、50nm未満、又は更には25nm未満である。具体的には、0.67mm×0.50mmの面走査に対して、250nm超のピークバレー(peak-to-valley)(PV)範囲、又は50nm超の二乗平均平方根(RMS)値、又は40nm超のRa粗さを有する積層物品の平滑度値は、視覚的外観上好ましくないことがわかった。したがって、いくつかの実施形態では、積層物品の平滑度は、許容可能な視覚的品質のために、250nmよりも良好な(低い)PV、及び50nm未満のRMS、及び40nm未満のRaの平滑度を有さなければならない。他の実施形態では、積層物品の平滑度は、許容可能な視覚的品質のために、200nmよりも良好なPV、及び35nm未満のRMS、及び30nm未満のRaの平滑度を有さなければならない。平滑度は、例えば、積層接着剤、圧力、ローラー種類、及び他のプロセス、取り扱い、及び材料の考慮事項の慎重な選択によって管理することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、同様の理由により(すなわち、反射画像の忠実度を保つために)、選択的反射型偏光素子が低ヘイズを有することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、許容可能な低ヘイズは、(例えば、BYK-Gardner(Wesel,Germany)から入手可能なHAZE-GARD PLUS透過率計で測定される)10%未満のヘイズであり得る。一部の実施形態では、低ヘイズは、5%未満のヘイズ、2%未満のヘイズ、又は更には1%未満のヘイズを意味し得る。いくつかの実施形態では、反射光に対するヘイズが最も重要であるため、関連ヘイズ値は、プロジェクタモジュールに面するフィルムの側にのみ存在し得ることに留意されたい。
【0026】
通過偏光112については、選択的反射型偏光素子120を実質的に透過し、次に光吸収素子140に入射する。光吸収素子140は、ハウジング102の一部であってもよく、又はハウジング102に接続されていてもよい。実際に、光吸収素子は、ハウジング102と同時に、又はハウジング102と同じ材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、光吸収素子140は、光吸収性材料である。光吸収素子140は、少なくとも近赤外スペクトルの光を吸収するべきである。いくつかの実施形態では、光吸収素子140は、1つ以上のヒートシンク又は熱拡散層を含む。いくつかの実施形態では、光吸収素子140は反射防止層を含む。
【0027】
遮断偏光114については、出口開口130を通過する光路に実質的に反射される。これは、選択的反射型偏光素子120から出口開口130を通過して進む反射画像光122によって表される。なお、この図では、選択的反射型偏光素子120が、投影モジュールから出口開口までの光路の2つの部分が実質的に直交するように、画像投射方向に対して約45度の角度で配置されていることに留意されたい。他の設計及び幾何学的形状が利用可能であり、またそれらは、車両用投影アセンブリ100の設計、全体形状、及びサイズに応じて当業者に明らかとなるであろう。いくつかの実施形態では、反射画像光122は、選択的反射型偏光素子120によって反射された後に1つ以上の光学素子を通過してもよい。例えば、フィルム若しくは他の基材(ポリマー、ガラスなど)内に配置された紫外線吸収素子、又は1/2若しくは1/4波長リターダ又は他の任意の位相差を有するリターダなどのリターダを、選択的反射型偏光素子からの光路及び出口開口に配置してもよい。これらの任意選択の構成及び素子は、説明を簡単にするために
図1には示されていない。
【0028】
出口開口130は、ハウジング102内に配設され、任意の好適な実質的に透明な開口部であってもよい。出口開口130は、単なる空隙である代わりに透明材料から形成され、車両用投影アセンブリ内への塵埃の進入及び蓄積を防止することができる。いくつかの実施形態では、出口開口130は、90%超、95%超、又は更には99%超の透過率を有する。いくつかの実施形態では、出口開口130は、屈折率媒体の変化によるフレネル反射以外には反射を持たない。いくつかの実施形態では、出口開口130は、ポリカーボネートレンズである。いくつかの実施形態では、出口開口130は、アクリルレンズである。いくつかの実施形態では、出口開口130は、環状オレフィンレンズである。
【0029】
車両用投影アセンブリは、典型的には、屋外走行のための車両内に配設されるので、必然的に少なくともある環境条件にある出口開口130は、いくらかの太陽光132を通過させる。太陽光132は、全体的な太陽スペクトルの一部であるが、敏感な光学構成素子及び電子部品に特に損傷を与えることがある。具体的には、この光の照射は、構成素子をそれらの故障点を超えて加熱し、劣化させ、損傷させ、又は車両用投影アセンブリの機能性を破壊することさえある。しかしながら、本明細書に記載されている車両用投影アセンブリでは、太陽光132は、選択的反射型偏光素子120に入射し、その全ての偏光が実質的に透過されている。次に、太陽光132は、光吸収素子140に入射し、吸収される。したがって、ごくわずかな太陽光132が投影モジュールに入射する。これにより、投影モジュールをより低温に保つことによって、車両用投影アセンブリ内の熱管理を大幅に改善することができる。いくつかの実施形態では、選択的反射型偏光素子120によって透過された太陽光132は、周囲条件を検出又は管理するために、また、投影モジュールに対して又は雰囲気制御などの無関係な車両用システムに対して、例えば、輝度又はコントラスト修正の形態のフィードバックを提供するために、センサに入射する。
【0030】
この構成の別の利点は、出口開口において反射フィルムが必要とされないことである。車両用プロジェクタアセンブリの熱管理のための典型的な解決策は、出口開口レンズ上に反射フィルム又は反射型偏光子フィルムを設けることである。光学的粗さ又は欠陥をもたらすことなく光学フィルムを積層すること又は反射コーティングを設けることは困難であるので、画質は部分透過性フィルムを通過することによって低下する。更に、反射フィルム又は反射型偏光子フィルムは部分的に反射性であるため、環境からの光は出口開口レンズで反射され、車両のフロントガラス上に反射光を散らす「ベイリンググレア」をもたらし得る。本明細書に記載される構成は、出口開口が実質的に非反射性であることを可能にするので、環境光をフロントガラス上に反射しそうな又は実際に反射する光路がほとんど存在しない。
【0031】
図2は、車両用投影アセンブリの概略上面図である。車両用投影アセンブリ200は、ハウジング202、通過偏光212及び遮断偏光214の両方を放射する投影モジュール210、反射画像光222を反射する選択的反射型偏光素子220、太陽光232、光吸収素子240、及びフリーフォームミラー250を含む。
【0032】
図2は、
図1と同様であるが、
図2は、フリーフォームミラー250を更に含む。反射画像光222を拡大するために、フリーフォームミラー250を車両用投影アセンブリ200内で使用することができる。したがって、フリーフォームミラー250は、凸状、湾曲状、あるいは非平面状であり得る。フリーフォームミラーは、多層光学リフレクタ、蒸気被覆ポリマー若しくはガラスミラー、及び研磨された金属面を含む、任意の適切な反射表面であるか、又はそれを含むことができる。いくつかの実施形態では、フリーフォームミラー250は、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、又はリターダなどの光学素子を含んでもよい。
図2では、遮断偏光214が向け直される光路は2つのセグメントを含み、最初のセグメントはフリーフォームミラー250に入射し、次のセグメントは出口開口を通過し、出口開口は、
図2の構成においてページ外方向においてフリーフォームミラーの真「上」にあると見なすことができる。繰り返しになるが、具体的な幾何学形状は、用途及び設計上の考慮事項に基づいて選択及び構成されることができ、これは、光学的性能又は機能性が著しく異なることなく可能であるはずである。
【0033】
図中の素子の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する素子に等しく適用されるものと理解されたい。上述の実施形態は、本発明の様々な態様の説明を容易にするために詳細に記載されたものであるため、本発明は、上述の特定の実施例及び実施形態に限定されるものと見なされるべきではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって定義される本発明の範囲内に含まれる様々な変形形態、同等のプロセス、及び代替的デバイスを含めた、本発明の全ての態様を包含するものと理解されるべきである。
【実施例】
【0034】
市販材料:
(1)ワイヤグリッド偏光子、Nippon Seiki Head Up Display(HUD)(Nippon Seiki Co.,Ltd.(Nagaoka,Japan)から入手可能)から抽出した市販例。この素子は、表示エンジン又は画像生成ユニット(PGU)からの光を透過する。
(2)コールドミラー、Nippon Seiki HUD(Nippon Seiki Co.,Ltd.(Nagaoka,Japan)から入手可能)から抽出した市販例。この素子は、表示エンジン(PGU)からの光を反射する。
(3)3M DBEF-Qv2-PC、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能。DBEF-Qv2は、反射型偏光子多層フィルムである。HUD用途では、DBEF-QV2は、ポリカーボネート(PC)ダストカバーに積層され、出口開口の一部として利用され、ハーフミラーとして機能することができる。すなわち、(1)LCD-PGUからの偏光を透過させ、(2)ランダムに偏光された光の一部を反射する。これをDBEF-PCと呼ぶ。
(4)3M APF T50、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能な色中性反射型偏光フィルム。
【0035】
積層平滑度試験方法及び結果:
積層物品の平滑度は、Zygo Corporation(Berwyn,PA)から入手可能な市販の干渉計システムを用いて、5倍対物レンズを使用して、ガラス/フィルム積層のフィルム側から測定することで最も良く特徴が分かった。表面を0.67mm×0.50mmの面積のパッチで走査することにより、この装置は、ピークバレー(PV)、二乗平均平方根(RMS)及びR
aなどの標準的な表面粗さ特性を考慮する。これらの測定が、
図3に示される視覚的に良い外観及び視覚的に悪い外観及び統計を有する試料に対して実施された。#1とラベルした試料は、積層後に視覚的に良好な品質であったが、#2とラベルした試料は視覚的に許容できなかったものである。
【0036】
例の比較:
理想的な熱管理システムは、PGUから見る人までの光の効率を最大化する一方で、日射がPGUを劣化させる影響を最小限に抑える。
【0037】
HUD用途における熱管理について、いくつかの例を評価した。
比較例1:Nippon Seiki製ワイヤグリッド偏光子(PGU光を透過)。この例についての遮断状態の光の透過スペクトルを
図4に示す。
比較例2:Nippon Seiki製コールドミラー(PGU光を反射)。この例についての反射スペクトルを
図5に示す。
比較例3:3M DBEF-PC(PGU光を透過)。この例についての透過スペクトルを
図6に示す。
【0038】
例1:APF T50(PGU光を反射)。この例についての反射スペクトルを
図7に示す。
HUD太陽熱利得に対する効果を評価するために、PGU上の日射透過率をASTM E903-12に基づいて計算した。特定の比較例及びこれらの組み合わせを含むいくつかの構成を評価した。
(1)ワイヤグリッド偏光子
(2)PCカバーレンズに適用された吸収偏光子
(3)DBEF-PC
(4)コールドミラー
(5)ワイヤグリッド偏光子+コールドミラー
(6)吸収偏光子+コールドミラー
(7)DBEF PC+コールドミラー
(8)APFコールドミラー例
【0039】
各構成について、太陽熱利得に比例するであろう日射透過率を以下に要約する。
【0040】
【0041】
日射透過率に加えて、PGUからの偏光の透過率を求めた。最適化された例は、低日射透過率を有し、PGUから高率の偏光可視光を中継することになる。
【0042】
【0043】
図8に示す最終的なチャートは、例及び比較例の性能を要約したものである。このチャートは、PGUへの日射透過率と本システム外へのPGU光の透過率とを、ワイヤグリッド偏光子(CE-1)、コールドミラー(CE-2)、DBEF-PC(CE-3)、及びAPFコールドミラー(例1)について比較している。
【0044】
以下は本開示による例示的な実施形態である。
項目1.ハウジングキャビティを取り囲んでいる非透過性ハウジングと、
画像投射方向を有する、ハウジングキャビティ内に配置された投影モジュールと、
ハウジング内に配置された透過性出口開口と、
画像投射方向に沿って投影モジュールから間隔を置いてハウジングキャビティ内に配置された選択的反射型偏光素子と、を備える車両用投影アセンブリであって、
選択的反射型偏光素子は、画像投射方向に沿って選択的反射型偏光素子に入射する少なくとも一部の光が出口開口を通過する光路に向け直されるように、位置合わせされており、
選択的反射型偏光素子は、1つの偏光状態の光を実質的に反射するが、別の直交する偏光の光は実質的に透過し、
選択的反射型偏光素子は、近赤外スペクトルの両偏光の光を実質的に透過する、車両用投影アセンブリ。
【0045】
項目2.ハウジングキャビティ内で、選択的反射型偏光素子よりも投影モジュールから遠くに配置され、選択的反射型偏光素子よりも出口開口から遠くに配置された光吸収素子を更に備え、選択的反射型偏光素子を透過した光が、光吸収素子に入射する、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0046】
項目3.光吸収素子が、ハウジングの一部である、項目2に記載の車両用投影アセンブリ。
【0047】
項目4.選択的反射型偏光素子が、多層光学フィルムを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0048】
項目5.多層光学フィルムが、紫外線吸収素子を含む、項目4に記載の車両用投影アセンブリ。
【0049】
項目6.多層光学フィルムが、ヒンダードアミン光安定剤を含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0050】
項目7.投影モジュールが、有機発光ダイオードディスプレイを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0051】
項目8.投影モジュールが、光源及び液晶ゲート素子を含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0052】
項目9.液晶ゲート素子が、LCOSである、項目8に記載の車両用投影アセンブリ。
【0053】
項目10.液晶ゲート素子が、液晶パネルである、項目8に記載の車両用投影アセンブリ。
【0054】
項目11.投影モジュールが、デジタルマイクロミラーデバイスを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0055】
項目12.投影モジュールが、少なくとも1つの偏光ビームスプリッタを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0056】
項目13.光源が、偏光光源である、項目8に記載の車両用投影アセンブリ。
【0057】
項目14.投影モジュールが、偏光投影モジュールであり、偏光投影モジュールによって生成された画像が、主に、選択的反射型偏光素子によって反射された1つの偏光状態の光である、項目8に記載の車両用投影アセンブリ。
【0058】
項目15.出口開口を通過する光路が、少なくとも2つの直交する構成素子を含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0059】
項目16.リフレクタを更に備え、リフレクタは、出口開口を通過する光路がリフレクタからの反射を含むように配置されている、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0060】
項目17.リフレクタが、非平面リフレクタである、項目16に記載の車両用投影アセンブリ。
【0061】
項目18.リフレクタが、拡大リフレクタである、項目17に記載の車両用投影アセンブリ。
【0062】
項目19.リフレクタが、光学的に平滑である、項目16に記載の車両用投影アセンブリ。
【0063】
項目20.選択的反射型偏光素子が、光学的に平滑である、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0064】
項目21.選択的反射型偏光素子が、リターダを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0065】
項目22.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトルの少なくとも一部のための1/4波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0066】
項目23.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトル全体のための1/4波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0067】
項目24.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトルの少なくとも一部のための1/8波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0068】
項目25.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトル全体のための1/8波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0069】
項目26.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトルの少なくとも一部のための1/2波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0070】
項目27.選択的反射型偏光素子が、可視スペクトル全体のための1/2波長リターダを含む、項目21に記載の車両用投影アセンブリ。
【0071】
項目28.出口開口が、カバーレンズを含み、カバーレンズが、フレネル反射以外に反射を有さない、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0072】
項目29.カバーレンズが、ポリカーボネートレンズを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0073】
項目30.出口開口を通過する光路に沿って配置された紫外線吸収素子を更に備える、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0074】
項目31.選択的反射型偏光素子が、ワイヤグリッド反射型偏光子を含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0075】
項目32.選択的反射型偏光素子が、コレステリック反射型偏光子を含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0076】
項目33.選択的反射型偏光素子が、コールドミラーを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0077】
項目34.選択的反射型偏光素子が、多層反射型偏光子及び多層コールドミラーを含む、項目1に記載の車両用投影アセンブリ。
【0078】
項目35.多層反射型偏光子及び多層コールドミラーが、接着剤を用いて積層されている、項目34に記載の車両用投影アセンブリ。