(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】種子処理としての非環式ピコリンアミド
(51)【国際特許分類】
A01N 43/40 20060101AFI20220825BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20220825BHJP
A01C 1/08 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
A01N43/40 101D
A01P3/00
A01C1/08
(21)【出願番号】P 2019560353
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(86)【国際出願番号】 US2018030553
(87)【国際公開番号】W WO2018204431
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-10
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】コルテバ アグリサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ,チェングリン
(72)【発明者】
【氏名】クリティチ,カーラ,ジェイ.,アール.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,ケビン,ジー.
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/122802(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/106138(WO,A1)
【文献】特表2020-518634(JP,A)
【文献】特表2020-520899(JP,A)
【文献】特表2018-500361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00- 65/48
A01P 1/00- 23/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するために植物種子を処理する方法であって、前記植物種子が種蒔き前に式Iの化合物で
、種子100キログラム当たり0.5~500グラムの割合で処理される、方法。
【化1】
【請求項2】
前記処理される種子が、小麦種子(Triticum属種、TRZSS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記真菌病原体が、小麦葉枯病(Zymoseptoria tritici)、小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum)、小麦赤さび病(Puccinia triticina)、および小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici)の病原からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理される種子が、大麦種子(Hordeum vulgare、HORVS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記真菌病原体が、大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種hordei)、および大麦雲形病(Rhynchosporium secalis)の病原からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記処理される種子が、ウリ種子(Cucumis属種、CUMSS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記真菌病原体が、キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearumまたはPodosphaera xanthii)、およびキュウリ炭疽病(Colletotrichum lagenarium)の病原からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記処理される種子が、イネ種子(Oryza sativa、ORYSP)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記真菌病原体が、イネイモチ病(Pyricularia oryzae)の病原である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
真菌および昆虫の侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の殺虫剤で処理された、植物種子。
【化2】
【請求項11】
真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の殺真菌剤で処理された、植物種子。
【化3】
【請求項12】
真菌侵襲に耐性のある植物体を生成し、かつ望ましくない植生を根絶するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の除草剤で処理された、植物種子。
【化4】
【請求項13】
真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物、ならびに生物学的微生物、有機化合物、無機肥料、または微量栄養素供与体、および接種材料からなる群から選択される、1つ以上の追加の植物健康刺激薬で処理された、植物種子。
【化5】
【請求項14】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の方法のための、式Iの化合物を含む製剤。
【化6】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2017年5月2日に出願された米国仮特許出願第62/500168号の利益を主張するものであり、この仮特許出願は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、新規種子処理殺真菌剤を用いて種子を処理することによって植物病原性真菌を防除する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
農業では、種子処理または種子粉衣を使用して、植え付け前に種子を処理してきた。「種子処理」という用語には、種子粉衣、種子コーティング、種子散粉、種子吸収(浸漬)、種子発泡(すなわち、発泡体で被覆する)、および種子ペレット化など、当該技術分野で知られているすべての好適な種子処理技術が含まれ、好ましくは、植え付け前に種子自体に直接、かつ/または植え付け中に種子のすぐ近傍に、殺菌活性化合物を適用することを指す。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、植物体に対する真菌侵襲を防除または防止するための方法であって、式Iの化合物(S)-1,1-ビス(4-フルオロフェニル)プロパン-2-イル(3-アセトキシ-4-メトキシピコリノイル)-L-アラニン酸塩の殺菌有効量を、植物体を生成するように適合された種子に適用する工程を含む、方法を含み得る。
【化1】
【0005】
本開示の一態様は、植物体中の、かつ/または植物体上の植物病原性真菌を防除するための方法であり、植物体の成長が予期される種子を、種蒔き前および/または予備発芽後に、式Iの化合物で処理する。
【0006】
本開示の追加の特徴および利点は、現時点で認識されている通り、本明細書に記載される実用新案を実施する最良の態様を例示している例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると、当業者に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載される本開示の実施形態は、網羅的であることを意図していないか、または開示された精確な形態に本開示を限定することを意図していない。むしろ、説明のために選択される実施形態は、当業者が本開示を実施できるように選択されている。
【0008】
種子処理は、液体製剤または固体製剤としての種子環境へのコーティングまたは適用としての式Iの化合物の種子への直接適用を独立して含み得る。さらに、式Iの化合物は、液体製剤または固体製剤として実生環境に適用され得る。
【0009】
種子は、広く解釈され、種蒔きされる可能性のあるものなら何でも含み、おそらく、作物を栽培するために場所(土壌)または他の成長培地に蒔かれる可能性がある。「種子」という用語は、真の種子、種子片、穀物、吸枝、球茎、球根、果実、塊茎、切穂、刈桑、および類似の形態を含むがこれらに限定されない、すべての種類の種子および植物栄養繁殖体を包含し、好ましくは真の種子を意味する。
【0010】
実生(seedling)は、発芽した種子である。
【0011】
実生環境(seedling environment)は、実生を取り巻く土壌または他の成長培地である。
【0012】
本開示は、種子処理殺真菌剤としての送達および使用のために式Iの化合物を製剤化することができるすべての媒体を企図するものであり、従来の種子処理製剤には、例えば、流動性のある濃縮物、溶液、乾燥処理用の粉末、スラリー処理用の水分散性粉末、水溶性粉末、ならびに乳濁液およびゲル製剤が含まれる。これらの製剤を、希釈するか、または希釈しないで適用することができる。
【0013】
典型的には、製剤は、水溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、またはそれらの組み合わせとして水と濃縮された製剤の希釈後に適用される。このような溶液、懸濁液、または乳濁液は、水溶性、水懸濁性、もしくは乳化性の製剤またはそれらの組み合わせから生成され得るが、これらは、湿潤性粉末もしくは水分散性顆粒剤を含み、通常これらとして知られている固体であるか、または乳化性濃縮物、水性懸濁液、もしくは懸濁濃縮物、および水性乳濁液もしくは水中乳濁液、または懸濁液・乳濁液などのこれらの混合物を含み、通常これらとして知られている液体である。容易に理解されるように、農薬剤として農薬活性成分の所望の活性を著しく阻害することなく所望の実用性をもたらすか、残存寿命を改善するか、または農薬効果を達成するために必要な有効濃度を減少させるという条件で、この組成物を添加することができる任意の材料を使用してもよい。
【0014】
湿潤性粉末は、圧縮されて水分散性顆粒剤を形成する場合があり、農薬活性成分、不活性担体、および界面活性剤のうちの1つ以上の均質混合物を含む。湿潤性粉末中の農薬活性成分の濃度は、通常、湿潤性粉末の総重量に基づいて約10重量パーセント~約90重量パーセントであり、より好ましくは、約25重量パーセント~約75重量パーセントである。湿潤性粉末製剤の調製では、農薬活性成分は、葉ろう石、タルク、チョーク、石膏、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、精製ケイ酸塩など、任意の微細分割固体と混ぜ合わされ得る。このような作業では、微細分割担体および界面活性剤は、典型的には、化合物(複数可)と混成され、粉砕される。
【0015】
農薬活性成分の乳化性濃縮物は、濃縮物の総重量に基づいて、好適な液体中で、約10重量パーセント~約50重量パーセントの農薬活性成分などの好都合な濃度を含む。農薬活性成分は、水混和性溶媒または水不混和性有機溶媒の混合物のいずれかである不活性担体、および乳化剤中に溶解される。濃縮物を水および油で希釈して、水中油型乳濁液の形態でスプレー混合物を形成してもよい。有用な有機溶媒としては、芳香族、特に、重質芳香族ナフサなどの石油のうちの高沸点ナフタレン部分およびオレフィン部分が挙げられる。他の有機溶媒、例えば、ロジン誘導体を含むテルペン溶媒、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン、および2-エトキシエタノールなどの複合アルコールなどを使用することもできる。
【0016】
本明細書で有利に用いられ得る乳化剤は、当業者が容易に決定することができ、様々な非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、および両性乳化剤、または二つ以上の乳化剤の混成物を含む。乳化性濃縮物の調製に有用な非イオン性乳化剤の例には、ポリアルキレングリコールエーテル、ならびにエチレンオキシド、エトキシル化アルキルフェノールなどのプロピレンオキシド、およびポリオールまたはポリオキシアルキレンでエステル化されたカルボン酸エステルとの、アルキルおよびアリールフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、または脂肪酸の縮合生成物が含まれる。陽イオン性乳化剤は、四級アンモニウム化合物および脂肪アミン塩を含む。陰イオン性乳化剤は、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えば、カルシウム)、硫酸化ポリグリコールエーテルの油溶性塩、およびリン酸化ポリグリコールエーテルの適切な塩を含む。
【0017】
乳化性濃縮物の調製に用いることができる代表的な有機液体は、キシレン、プロピルベンゼン分画などの芳香族液体、または混合ナフタレン分画、鉱油、ジオクチルフタレートなどの置換された芳香族有機液体、灯油、様々な脂肪酸のジアルキルアミド、特にジメチルアミド、およびn-ブチルエーテル、エチルエーテル、もしくはジエチレングリコールのメチルエーテルなどのクリコールエーテル、ならびにトリエチレングリコールのメチルエーテルなどである。2つ以上の有機液体の混合物も、乳化性濃縮物の調製に用いられ得る。有機液体には、キシレン、およびプロピルベンゼン分画が含まれ、場合によってはキシレンが最も好ましい。表面活性分散剤は、典型的には、液体製剤中で用いられ、乳化剤の合計重量に基づいて、0.1~20重量パーセントの量で用いられる。製剤はまた、他の適合可能な添加剤、例えば、植物成長調節剤、および農業で使用される他の生物学的活性化合物を含有することができる。
【0018】
水性懸濁液は、水性懸濁液の総重量に基づいて、約5~約50重量パーセントの範囲の濃度の水性媒体中に分散された1つ以上の水不溶性農薬活性成分の懸濁液を含む。懸濁液は、農薬活性成分のうちの1つ以上を微細に粉砕し、上記に考察される同じタイプから選択される水および界面活性剤から構成される媒体に接地材料を強力に混合することによって調製される。また、無機塩および合成ゴムまたは天然ゴムなどの他の構成要素を添加して、水性媒体の密度および粘度を増加させることができる。水性混合物を調製し、それをサンドミル、ボールミル、またはピストン型ホモジナイザーなどの装置で均質化することによって、同時に粉砕および混合するのが最も効果的であることが多い。
【0019】
水性乳濁液は、水性乳濁液の総重量に基づいて、典型的には約5~約50重量パーセントの範囲の濃度の水性媒体で乳化された1つ以上の水不溶性農薬活性成分の乳濁液を含む。農薬活性成分が固体である場合、水性乳濁液の調製の前に、好適な水不混和性溶媒中に溶解されなければならない。乳濁液は、液体農薬活性成分またはそれらの水不混和性溶液を、上記のように乳濁液の形成および安定化を助ける界面活性剤を典型的に含む水性媒体に乳化することによって調製される。これは、高せん断ミキサーまたはホモジナイザーによって提供される激しい混合の助けを得て達成されることが多い。
【0020】
本開示の組成物はまた、顆粒製剤であってもよく、これは土壌への適用に特に有用である。顆粒製剤は、通常、全体または大部分が、アタパルジャイト、ベントナイト、ジアトマイト、粘土、または類似の安価な物質などの粗く分割された不活性材料からなる、不活性担体中に分散された、農薬活性成分(複数可)の顆粒製剤の総重量に基づいて、約0.5~約10重量パーセントを含有する。こうした製剤は、通常、好適な溶媒中に農薬活性成分を溶解し、それを約0.5~約3ミリメートル(mm)の範囲で適切な粒子径に予め成形された顆粒担体に適用することによって調製される。好適な溶媒は、化合物が部分的に、または完全に可溶性である溶媒である。このような製剤はまた、担体ならびに化合物および溶媒の生地またはペーストを作製し、粉砕し、乾燥させて、所望の顆粒粒子を得ることによって調製することもできる。
【0021】
細粉は、粉末形態の農薬活性成分のうちの1つ以上を、例えば、カオリン粘土、粉砕した火山岩、タルク、粉砕した樹皮などの好適な細粉農業用担体と均質に混合することによって調製され得る。細粉は、好適には、細粉の総重量に基づいて、約1~約10重量パーセントの化合物を含有し得る。
【0022】
製剤は、さらに、接着性および流動性を高め、活性成分の散粉を減少させるアジュバント界面活性剤およびポリマーを含有し得る。これらのアジュバントは、任意選択的に、製剤の構成要素またはタンクミックスとして用いられ得る。アジュバント界面活性剤の量は、典型的には、水のスプレー体積に基づいて、0.01~1.0体積パーセント、好ましくは、約0.05~0.5体積パーセントで変化するであろう。好適なアジュバント界面活性剤としては、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化合成アルコールまたはエトキシ化天然アルコール、スルホコハク酸のエステルの塩、エトキシ化有機ケイ素、エトキシ化脂肪アミン、および鉱油もしくは植物油と界面活性剤の混成物が挙げられるが、これらに限定されない。製剤はまた、米国特許出願番号第11/495,228号に開示されているものなどの水中油型乳濁液を含んでもよく、その開示は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0023】
製剤は、任意選択的に、他の農薬化合物、肥料、微小栄養素、成長刺激薬、および生物学的微生物を含む、組み合わせを含み得る。このような追加の農薬化合物は、適用するために選択される培地中で本明細書に記載される本開示の混合物に適合し、かつ本混合物の活性と拮抗しない、殺菌剤、殺虫剤、抗線虫剤、殺ダニ剤、節足動物駆除剤、殺真菌剤、またはそれらの組み合わせであり得る。したがって、このような実施形態では、他の農薬化合物(複数可)は、同じかまたは異なる農薬使用のために補足毒性物質として用いられる。本開示と農薬化合物を組み合わせた混合物は、概して、1:100~100:1の重量比で存在し得る。
【0024】
本開示で使用される場合、「ポリマー」または「ポリマー材料」という用語は、単一ポリマーまたは異なるポリマーもしくはコポリマーの組み合わせのいずれかを意味するために用いられる。粒子は、約50重量%~約99重量%のポリマー材料、好ましくは約50重量%~約90重量%のポリマー材料を含む。
【0025】
本開示の実施のために好適なポリマーの例は、以下のポリマー(ならびにそれらのコポリマーおよび混合物):ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(乳酸)(Chronopols50、95、および100)およびポリ(乳酸-グリコール酸)コポリマー(Lactel BP-400)などのコポリマー、および例えばポリスチレンとの組み合わせ、セルロースアセテートブチレート、ポリ(スチレン)、ヒドロキシ酪酸-ヒドロキシ吉草酸コポリマー(Biopol D400G)、スチレン無水マレイン酸コポリマー(SMA 1440 A樹脂、Sartomer Co.)、ポリ(メチルビニルエーテル-マレイン酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(n-アミルメタクリレート)、ウッドロジン、ポリアンヒドリド、例えば、ポリ(セバシン無水物)、ポリ(吉草酸無水物)、ポリ(トリメチレンカーボネイト)など、およびポリ(カルボキシフェノキシプロパン-セバシン酸)、ポリ(フマル酸-セバシン酸)などのコポリマー、ポリオルトエステル、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジオキサノン)、エチルセルロース、エチルビニルアセテートポリマーおよびコポリマー、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、アセチル化モノ-、ジ-、およびトリグリセリド、ポリ(ホスファゼン)、塩化天然ゴム、ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニル、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリブタジエン、ポリウレタン、塩化ビニリデンポリマーおよびコポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-アクリルコポリマー、ビニルアセテートポリマーおよびコポリマー(例えば、ビニルアセテート-エチレンコポリマー(Vinumuls)およびビニルアセテート-ビニルピロリドンコポリマー、アルキルビニルエーテルポリマーおよびコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸エチルビニル、セルローストリアセテート、ポリアンヒドリド、ポリグルタミン酸、ポリヒドロキシ酪酸、アクリルポリマー(Rhoplexes)、アルキルアクリレートポリマーおよびコポリマー、アリールアクリレートポリマーおよびコポリマー、アリールメタクリレートポリマーおよびコポリマー、ポリ(カプロラクタム)(すなわち、カプロラクトンに対する窒素含有相対物)、エポキシ/ポリアミンエポキシ/ポリアミド、ポリビニルアルコールポリマーおよびコポリマー、ポリビニルアルコールポリマーおよびコポリマー、シリコーン、ポリエステル(アルキドを含む油系アプローチに対して)、フェノール類(乾性油とのポリマーおよびコポリマー)の非包括的なリストを含むがこれらに限定されない。
【0026】
一実施形態では、本開示の組成物に使用されるポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-グリコール酸)コポリマー、セルロースアセテートブチレート、ポリ(スチレン)、ヒドロキシ酪酸-ヒドロキシ吉草酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル-マレイン酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(n-アミルメタクリレート)、ウッドロジン、ポリアンヒドリド、ポリオルトエステル、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(ジオキサノン)、エチルセルロース、エチルビニルアセテートポリマー、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、アセチル化モノ-、ジ-、およびトリグリセリド、ポリ(ホスファゼン)、塩化天然ゴム、ビニルポリマー、ポリ塩化ビニル、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリブタジエン、ポリウレタン、塩化ビニリデンポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-アクリルコポリマー、アルキルビニルエーテルポリマー、酢酸フタルセルロース、フタル酸エチルビニル、セルローストリアセテート、ポリアンヒドリド、ポリグルタミン酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリビニルアセテート、ビニルアセテート-エチレンコポリマー、ビニルアセテート-ビニルピロリドンコポリマー、アクリルポリマー、アルキルアクリレートポリマー、アリールアクリレートポリマー、アリールメタクリレートポリマー、ポリ(カプロラクタム)、エポキシ樹脂、ポリアミンエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコールポリマー、ポリアルキド樹脂、フェノール樹脂、アビエチン酸樹脂、シリコーン、ポリエステル、およびコポリマーならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0027】
好ましいポリマーには、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(乳酸)(Chronopols50、95、または100)、ならびにポリスチレン、ポリ(乳酸-グリコール酸)コポリマー(Lactel BP-400)、セルロースアセテートブチレート、およびポリ(スチレン)との組み合わせが含まれる。
【0028】
式Iの化合物は、病害阻害および植物学的に許容可能な量で植物体に使用すると有効である。「病害阻害および植物学的に許容可能な量」という用語は、防除が所望される植物病害を死滅させるか、または阻害する化合物の量を指すが、植物体に対してほとんど毒性がない。この量は、概して、種子100キログラム(g ai/100kg)当たり、約0.5~約500グラムの活性成分になる。必要とされる式Iの化合物の正確な量は、防除される真菌病害、用いられる製剤のタイプ、適用の方法、適用のタイミング、特定の植物種、気候条件などにより変化する。希釈および適用の割合は、用いられる機器のタイプ、所望される適用の方法および頻度、ならびに防除される病害によって決まることになる。
【0029】
式Iの化合物は、農業用殺真菌剤と組み合わせて、それらの殺菌性混合物および相乗的混合物を形成し、種子に適用することもできる。殺菌性混合物は、より多種多様な望ましくない病害を防除するために適用されることが多い。他の殺真菌剤(複数可)と併せて使用される場合、式Iの化合物は、他の殺真菌剤(複数可)と共に製剤化され得るか、他の殺真菌剤(複数可)とタンク混合され得るか、または他の殺真菌剤(複数可)と共に順次種子に適用され得る。そのような他の殺真菌剤としては、アメトクトラジン、アミノピリフェン、アゾキシストロビン、、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ベンゾビンジフルピル、ブテレタノール、ビキサフェン、ボスカリド、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロタロニル、Coniothyrium minitans、水酸化銅、オクタン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基酸)、酸化第一銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロベンチアゾックス、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジピメチトロン、エネストロビン、エポキシコナゾール、エタボキサム、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンピクロニル、フルアジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピモミド、フルオピラム、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン酢酸塩、インピルフルキサム、イプコナゾール、イプフェンピラゾロン、イプフェントリフルコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソフェタミド、イソフルシプラム、イソピラザム、イソチアニル、マンコゼブ、マンデストロビン、マンジプロパミド、マンネブ、メタラキシル、メフェノキサム、メフェントリフルコナゾール、メタラキシル-M、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、メチルイソチオシアネート、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、メチルテトラプロール、ミクロブタニル、オフレース、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキシン銅、ペンコナゾール、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピカルブトラゾクス、ピコキシストロビン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラプロポイン、ピラジフルミド、ピラゾフォス、ピリベンカルブ、ピリダクロメチル、ピリメタニル、ピリオフェノン、キノフメリン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テブフロキン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、ゾキサミド、Trichoderma属種、5-フルオロシトシンおよびそれらのプロファンギシド、フェンピコキサミド、ならびにそれらの誘導体が含まれる。
【0030】
さらに、式Iの化合物は、用途に対して選択される培地中の式Iの化合物と適合し、かつ式Iの化合物の活性と拮抗せずに、農薬混合物およびそれらの相乗的混合物を形成する、殺虫剤、抗線虫剤、殺ダニ剤、節足動物駆除剤、殺菌剤、またはそれらの組み合わせを含む、他の農薬と組み合わせることができる。式Iの化合物を、1つ以上の他の農薬と併せて適用して、より多種多様な望ましくない害虫を防除することができる。他の農薬と併せて使用される場合、式Iの化合物は、他の農薬(複数可)と共に製剤化され得るか、他の農薬(複数可)とタンク混合され得るか、または他の農薬(複数可)と共に順次種子に適用され得る。典型的な殺虫剤としては、アロサミジンおよびチューリンゲンシンなどの抗生物質殺虫剤、スピノサドおよびスピネトラムなどのマクロサイクリック乳酸殺虫剤、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリオメクチン、イベルメクチン、およびセラメクチンなどのアベルメクチン殺虫剤、レピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、およびモキシデクチンなどのミルベマイシン殺虫剤、ベンダイオカルブおよびカルバリルなどのカルバメート殺虫剤、ベンフラカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、デカルボフラン、およびフラチオカルブなどのベンゾフラニルメチルカルバメート殺虫剤、ジミタン、ジメチラン、ヒキキンカルブ、およびピリミカルブなどのジメチルカルバメート殺虫剤、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、メソミル、ニトリルカルブ、オキサミル、タジムカルブ、チオカルボキシム、チオジカルブ、およびチオファノックスなどのオキシムカルバメート殺虫剤、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、ブタタルブ、カルバノレート、クロエトカルブ、ジクレシル、ジオキサカルブ、EMPC、エチオフェンカルブ、フェンタカルブ、フェノブカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトルカルブ、メキサカルベート、プロマシル、プロメカルブ、プロポキスル、トリメタカルブ、XMC、およびキシリルカルブなどのフェニルメチルカルバメート殺虫剤、ホウ酸、珪藻土、およびシリカゲルなどの乾燥剤殺虫剤、ブロフラニリド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、シクロニリプロール、シハロジアミド、フルベンジアミド、テトラクロラントラニリプロール、およびテトラニリプロールなどのジアミド殺虫剤、フルキサメタミドなどのジアリールイソキサゾリン殺虫剤、ジネックス、ジノプロップ、ジノサム、およびDNOCなどのジニトロフェノール殺虫剤、バリウムヘキサフルオロケイ酸塩、氷晶石、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、およびスルフルラミドなどのフッ素殺虫剤、アミトラズ、クロロジメホルム、ホルメタネート、およびフォルムパラネートなどのホルムアミジン殺虫剤、アクリロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、クロロピクリン、パラジクロロベンゼン、1,2-ジクロロプロパン、ギ酸エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、シアン化水素、ヨードメタン、臭化メチル、メチルクロロフォルム、塩化メチレン、ナフタリン、ホスフィン、フッ化スルフリル、およびテトラクロルエタンなどの燻蒸剤殺虫剤、ホウ砂、多硫化カルシウム、オレイン酸銅、塩化第一水銀、チオシアン酸カリウム、およびチオシアン酸ナトリウムなどの無機殺虫剤、ビストリフルロン、ブプロフェジン、クロルフルアズロン、サイロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロン、およびトリフルムロンなどのキチン合成阻害剤、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メソプレン、ピリプロキシフェン、およびトリプレンなどの幼若ホルモン類似体、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、および幼若ホルモンIIIなどの幼若ホルモン、ジクロロメゾチアズおよびトリフルメゾピリムなどのメソイオン殺虫剤、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、およびテブフェノジドなどの脱皮ホルモンアゴニスト、α-エクジソン、およびエクジステロンなどの脱皮ホルモン、ジオフェノランなどの脱皮阻害剤、プレコセンI、プレコセンII、およびプレコセンIIIなどのプレコセン、ジシクラニルなどの未分類昆虫成長調節剤、ベンスルタップ、カルタップ、チオシクラムおよびチオスルタップなどのネライストキシン類似体殺虫剤、tyclopyrazoflorなどのピリジルピラゾール殺虫剤、フロニカミドなどのニコチノイド殺虫剤、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、およびチアメトキサムなどのニトログアニジン殺虫剤、ニテンピラム、およびニチアジンなどのニトロメチレン殺虫剤、アセタミプリド、サイクロキサプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、およびチアクロプリドなどのピリジルメチル-アミン殺虫剤、ブロモ-DDT、カンフェクロル、DDT、pp’-DDT、エチル-DDD、HCH、ガンマ-HCH、リンデン、メトキシクロール、ペンタクロロフェノール、およびTDEなどの有機塩素殺虫剤、アルドリン、ブロモシクレン、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、ディルドリン、ジロール、エンドスルファン、アルファ-エンドスルファン、エンドリン、HEOD、ヘプタクロル、HHDN、イソベンザン、イソドリン、ケレバン、およびマイレックスなどのシクロジエン殺虫剤、ブロムフェンビンホス、クロルフェンビンホス、クロトキシホス、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメチルビンホス、ホスピレート、ヘプテノホス、メトクロトフォス、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、ナフタロホス、ホスファミドン、プロパホス、TEPP、およびテトラクロルビンホスなどの有機リン酸エステル殺虫剤、ジオキサベンゾホス、ホスメチラン、およびフェントアートなどの有機チオリン酸殺虫剤、アセチオン、アミトン、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルメホス、デメフィオン、デメフィオン-O、デメフィオン-S、デメトン、デメトン-O、デメトン-S、デメトン-メチル、デメトン-O-メチル、デメトン-S-メチル、デメトン-S-メチルスルホン、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、IPSP、イソチオエート、マラチオン、メタクリホス、オキシデメトン-メチル、オキシデプロホス、オキシジスルフォトン、ホレート、スルホテップ、テルブホス、およびチオメトンなどの脂肪族有機チオリン酸殺虫剤、アミジチオン、シアントエート、ジメトエート、エトエート-メチル、ホルモチオン、メカルバム、オメトエート、プロトエート、ソファミド、およびバミドチオンなどの脂肪族アミド有機チオリン酸殺虫剤、クロロホキシム、ホキシム、およびホキシム-メチルなどのオキシム有機チオリン酸殺虫剤、アザメチホス、クマホス、クミトエート、ジオキサチオン、エンドチオン、メナゾン、モルホチオン、ホサロン、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、およびキノチオンなどの複素環有機チオリン酸殺虫剤、ジチクロホスおよびチクロホスなどのベンゾチオピラン有機チオリン酸殺虫剤、アジンホス-エチル、およびアジンホス-メチルなどのベンゾトリアジン有機チオリン酸殺虫剤、ジアリホス、およびホスメットなどのイソインドール有機チオリン酸殺虫剤、イソキサチオンおよびゾラプロフォスなどのイソキサゾール有機チオリン酸殺虫剤、クロルプラゾホスおよびピラゾホスなどのピラゾロピリミジン有機チオリン酸殺虫剤、クロルピリホスおよびクロルピリホス-メチルなどのピリジン有機チオリン酸殺虫剤、ブタチオホス、ダイアジノン、エトリムホス、リリムフォス、ピリミホス-エチル、ピリミホス-メチル、ピリミドフォス、ピリミテート、およびテブピリムホスなどのピリミジン有機チオリン酸殺虫剤、キナルホス、およびキナルホス-メチルなどのキノキサリン有機チオリン酸殺虫剤、アチダチオン、リチダチオン、メチダチオン、およびプロチダチオンなどのチアジアゾール有機チオリン酸殺虫剤、イサゾホス、およびトリアゾホスなどのトリアゾール有機チオリン酸殺虫剤、アゾトエート、ブロモホス、ブロモホス-エチル、カルボフェノチオン、クロチルオホス、シアノホス、シオチアート、ジカプトン、ジクロフェンチオン、エタホス、ファムフール、フェンクロルホス、フェニトロチオンフェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン-エチル、ヘテロホス、ヨードフェンホス、メスルフェンホス、パラチオン、パラチオン-メチル、フェンカプトン、フォスニクロロ、プロヘノホス、プロチオホス、スルプロホス、テメホス、トリクロロメタホス-3、およびトリフェノホスなどのフェニル有機チオリン酸殺虫剤、ブトネート、およびトリクロルホンなどのホスホネート殺虫剤、メカルホンなどのホスホノチオアート殺虫剤、ホノホス、およびトリクロロナートなどのフェニルエチルホスホノチオアート殺虫剤、シアノフェンホス、EPN、およびレプトホスなどのフェニルフェニルホスホノチオアート殺虫剤、クルホメート、フェナミホス、ホスチエタン、メホスホラン、ホスホラン、およびピリメタホスなどのホスホルアミデート殺虫剤、アセフェート、イソカルボホス、イソフェンホス、イソフェンホス-メチル、メタミドホス、およびプロペタンホスなどのホスホルアミドチオエート殺虫剤、ジメホックス、マジドックス、ミパフォクス、およびシュラーダンなどのホスホロジアミド殺虫剤、インドキサカルブなどのオキサジアジン殺虫剤、メトキサジアゾンなどのオキサジアゾリン殺虫剤、ジアリホス、ホスメット、およびテトラメトリンなどのフタルイミド殺虫剤、テブフェンピラド、トレフェンピラドなどのピラゾール殺虫剤、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、およびバニリプロールなどのフェニルピラゾール殺虫剤、アクリナトリン、アレスリン、ビオアレトリン、バルトリン、ビフェントリン、カッパ-ビフェントリン、ビオエタノメトリン、クロロプラレトリン、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、エータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、ジメトリン、エンペントリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、タウ-フルバリネート、フレトリン、ヘプタフルトリン、イミプロトリン、メペルフルトリン、メトフルトリン、エプシロン-メトフルトリン、モムフルオロスリン、エプシロン-モムフルオロスリン、ペルメトリン、ビオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェノスリン、プラレスリン、プロフルトリン、ピレスメトリン、レスメトリン、ビオレスメトリン、シスメトリン、テフルトリン、カッパ-テフルトリン、テラレスリン、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、トラロメトリン、およびトランスフルトリンなどのピレスロイドエステル殺虫剤、エトフェンプロックス、フルフェンプロックス、ハルフェンプロックス、プロトリフェンブテ、およびシラフルオフェンなどのピレスロイドエーテル殺虫剤、フルフェネリム、およびピリミジフェンなどのピリミジンアミン殺虫剤、クロルフェナピルなどのピロール殺虫剤、スピロピジオン、およびスピロテトラマトなどのテトラミン酸殺虫剤、スピロメシフェンなどのテトロン酸殺虫剤、ジアフェンチウロンなどのチオ尿素殺虫剤、フルコフロン、およびスルコフロンなどの尿素殺虫剤、フルアザインドリジン、およびチオキサザフェンなどの未分類殺線虫剤、およびベンズピリモキサン、クロサンテル、ナフテン酸銅、クロタミトン、EXD、フェナザフロル、フェノキサクリム、フルヘキサフォン、フルピリミン、ヒドラメチルノン、イソプロチオラン、マロノベン、メタフルミゾン、ニフルリジド、オキサゾールスルフィル、プリフェナート、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン
、ラフォキサニド、スルホキサフロル、トリアラテン、およびトリアザメートなどの未分類殺虫剤、ならびにこれらの任意の組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0031】
さらに、式Iの化合物は、用途に対して選択される培地中の式Iの化合物と適合し、かつ式Iの化合物の活性と拮抗せずに、農薬混合物およびそれらの相乗的混合物を形成する、除草剤と組み合わされ得る。式Iの化合物を、1つ以上の除草剤と併せて適用して、多種多様な望ましくない植物体を防除することができる。除草剤と併せて使用される場合、式Iの化合物は、除草剤(複数可)と共に製剤化され得るか、除草剤(複数可)とタンク混合され得るか、または除草剤(複数可)と共に順次適用され得る。典型的な除草剤としては、アリドクロル、ベフルブタミド、ベンザドクス、ベンジプラム、ブロモブチド、カフェンストロール、CDEA、シプラゾール、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジフェナミド、エプロナズ、エトニプロミド、フェントラザミド、フルポキサム、ホメサフェン、ハロサフェン、イソカルバミド、イソキサベン、ナプロパミド、ナプタラム、ペトキサミド、プロピザミド、キノンアミド、テブタム、およびチアフェンアシルなどのアミド除草剤、クロラノクリル、シザニリド、クロメプロップ、シプロミッド、ジフルフェニカン、エトベンザニド、フェナシュラム、フルフェナセット、フルフェニカン、メフェナセット、メフルイジド、メタミホップ、モナリッド、ナプロアニリド、ペンタノクロール、ピコリナフェン、およびプロパニルなどのアニリド除草剤、ベンゾイルプロップ、フラムプロップ、およびフラムプロップ-Mなどのアリールアラニン除草剤、アセトクロル、アラクロール、ブタクロール、ブテナクロール、デラクロール、ジエタチル、ジメタクロール、メタザクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、プリナクロール、テルブクロール、テニルクロール、およびキシラクロールなどのクロロアセトアニリド除草剤、ベンゾフルオル、ペルフルイドン、ピリミスルファン、およびプロフルアゾールなどのスルホンアニリド除草剤、アスラム、カルバスラム、フェナスラム、およびオリザリンなどのスルホンアミド除草剤、クロルチアミドなどのチオアミド除草剤、ビラナホスなどの抗生除草剤、クロランベン、ジカンバ、2,3,6-TBA、およびトリカンバなどの安息香酸除草剤、ビスピリバック、およびピリミノバックなどのピリミジニルオキシベンゾ酸除草剤、ピリチオバックなどのピリミジニルチオベンゾ酸除草剤、クロルタールなどのフタル酸除草剤、アミノピラリド、クロピラリド、フロルピラウキシフェン、ハラウキシフェン、およびピクロラムなどのピコリン酸除草剤、キンクロラック、およびキンメラックなどのキノリンカルボン酸除草剤、カコジル酸、CMA、DSMA、ヘキサフルレート、MAA、MAMA、MSMA、亜ヒ酸カリウム、および亜ヒ酸ナトリウムなどのヒ素除草剤、フェンキノトリオン、ランコトリオン、メソトリオン、スルコトリオン、テフリルトリオン、およびテムボトリオンなどのベンゾイルシクロヘキサンジオン除草剤、ベンフレセート、およびエトフメセートなどのベンゾフラニルアルキルスルホン酸除草剤、ベンザゾリンなどのベンゾチアゾール除草剤、アスラム、カルボキサゾールクロルプロカルブ、ジクロロメート、フェナシュラム、カルブチレート、およびテルブカルブなどのカルバメート除草剤、バルバン、BCPC、カルバスラム、カルベタミド、CEPC、クロルブファム、クロルプロファム、CPPC、デスメディファム、フェニソファム、フェンメディファム、フェンメディファム-エチル、プロファム、およびスウェップなどのカルバニレート除草剤、アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロフォキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム、およびトラルコキシジムなどのシクロヘキセンオキシム除草剤、イソキサクロルトール、およびイソキサフルトールなどのシクロプロピルイソオキサゾール除草剤、シニドン-エチル、フルメジン、フルミクロラック、ルミオキサジン、およびフルミプロピンなどのジカルボキシイミド除草剤、ベンフルラリン、ブトラリン、ジニトラミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン、ニトラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロフルラリン、およびトリフルラリンなどのジニトロアニリン除草剤、ジノフェナート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェン、およびメジノテルブなどのジニトロフェノール除草剤、エトキシフェンなどのジフェニルエーテル除草剤、アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、クロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトニプロミド、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン、フォメサフェン、フリロキシフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、およびオキシフルオルフェンなどのニトロフェニルエーテル除草剤、ダゾメット、およびメタムなどのジチオカルバメート除草剤、アロラック、クロロポン、ダラポン、フルプロパネート、ヘキサクロロアセトン、ヨードメタン、メチルブロミド、モノクロロ酢酸、SMA、およびTCAなどのハロゲン化脂肪族除草剤、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、およびイマゼタピルなどのイミダゾリノン除草剤、スルファミン酸アンモニウム、ホウ砂、塩素酸カルシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、アジ化カリウム、青酸カリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、および硫酸などの無機除草剤、ブロモボニル、ブロモキシニル、クロロキシニル、シクロピラニル、ジクロベニル、イソドボニル、イオキシニル、およびピラクロニルなどのニトリル除草剤、アミプロホス-メチル、アニロホス、ベンスリド、ビラナホス、ブタミホス、2,4-DEP、DMPA、EBEP、ホスアミン、グルホシネート、グルホシネート-P、グリホサート、およびピペロホスなどの有機リン除草剤、ブロモフェノキシム、クロメプロップ、2,4-DEB、2,4-DEP、ジフェノペンテン、ジスル、エルボン、エトニプロミド、フェンテラコール、およびトリホプシムなどのフェノキシ除草剤、メタゾール、オキサジアルギル、オキサジアゾンなどのオキサジアゾリン除草剤、フェノキサスルホンなどのオキサゾール除草剤、4-CPA、2,4-D、3,4-DA、MCPA、MCPA-チオエチル、および2,4,5-Tなどのフェノキシ酢酸除草剤、4-CPB、2,4-DB、3,4-DB、MCPB、および2,4,5-TBなどのフェノキシ酪酸除草剤、クロプロップ、4-CPP、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、3,4-DP、フェノプロップ、メコプロップ、およびメコプロップ-Pなどのフェノキシプロピオン酸除草剤、クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ-P、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-P、およびトリホップなどのアリールオキシフェノキシプロピオン酸除草剤、ジニトラミン、およびプロジアミンなどのフェニレンジアミン除草剤、ピロキサスルホンなどのピラゾール除草剤、ベンゾフェナップ、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、トルピラレート、およびトプラメゾンなどのベンゾイルピラゾール除草剤、フルアゾレート、ニピラクロフェン、ピオキサデン、およびピラフルフェンなどのフェニルピラゾール除草剤、クレダジン、シクロピリモレート、ピリダフォル、およびピリデートなどのピリダジン除草剤、ブロムピラゾン、クロリダゾン、ジミダゾン、フルフェンピル、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、オキサピラゾン、およびピダノンなどのピリダジノン除草剤、アミノピラリド、クリオジナート、クロピラリド、ジチオピル、フロルピラウキシフェン、フルロキシピル、ハラウキシフェン、ハロキシジン、ピクロラム、ピコリナフェン、ピリクロル、チアゾピル、およびトリコピルなどのピリジン除草剤、イプリミダム、およびチオクロリムなどのピリミジンジアミン除草剤、シペルコート、ジエタムコート、ジフェンゾコート、ジコート、モルファムコート、およびパラコートなどの四級アンモニウム除草剤、ブチレート、シクロアート、ジ-アラート、EPTC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルフォカルブ、ピリブチカルブ、スルファレート、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリ-アレート、およびベルノレートなどのチオカルバメート除草剤、ジメキサノ、EXD、およびプロキサンなどのチオカルボネート除草剤、メチウロンなどのチオ尿素除草剤、ジプロペトリン、インダジフラム、トリアジフラム、およびトリヒドロキシトリアジンなどのトリアジン除草剤、アトラジン、クロラジン、シアナジン、シプラジン、エグリナジン、イパジン、メソプラジン、プロシアジン、プログリナジン、プロパジン、セブチラジン、シマジン、テルブチラジン、およびトリエタジンなどのクロロトリアジン除草剤、アトラトン、メトメトン、プロメトン、セクブメトン、シメトン、およびテルブメトンなどのメトキシトリアジン除草剤、アメトリン、アジプロトリン、シアナトリン、デスメトリン、ジメタメトリン、メトプロトリン、プロメトリン、シメトリン、およびテルブトリンなどのメチルチオトリアジン除草剤、アメトリジオン、アミブジン、ヘキサジノン、イソメチオジン、メタミトロン、メトリブジン、およびトリフルジモキサジンなどのトリアジノン除草剤、アミトロール、カフェンストロール、エプロナズ、およびフルポキサムなどのトリアゾール除草剤、アミカルバゾン、ベンカルバゾン、カルフェントラゾン、フルカルバゾン、イプフェンカルバゾン、プロポキシルカルバゾン、スルフェントラゾン、およびチエンカルバゾン-メチルなどのトリアゾロン除草剤、クロランズラム、ジクロズラム、フロラズラム、フルメトズラム、メトスラム、ペノキススラム、およびピロキシズラムなどのトリアゾロピリミジン除草剤、ベンゾフェンジゾン、ブロマシル、ブタフェナシル、フルプロパシル、イソシル、レナシル、サフルファナシル、チアフェナシル、およびテルバシルなどのウラシル除草剤、ベンズチアズロン、クミルロン、シクルロン、ジクロラルウレア、ジフルフェンゾピル、イソノルロン、イソウロン、メタベンズチアズロン、モニソウロン、およびノルロンなどの尿素除草剤、アニスロン、ブツロン、クロムブロムロン、クロルエツロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ダイムロン、ジフェノキスロン、ジメフロン、ジウロン、フェヌロン、フルオメツロン、フルオチウロン、イソプロツロン、リヌロン、メチウロン、メチルジムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトキスロン、モノリヌロン、モヌロン、ネブロン、パラフルロン、フェノベンズロン、シデュロン、テトラフルロン、およびチジアズロンなどのフェニル尿素除草剤、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、フォラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、メゾスルフロン、メタゾスルフロン、ニコスルフロン、オルソスルファムロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロピリスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、およびトリフロキシスルフロンなどのピリミジニルスルフォニル尿素除草剤、クロルスルフロン、チノスルフロン、エタメットスルフロン、イオドスルフロン、イオフェンスルフロン、メットスルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン、およびトリトスルフロンなどのトリアジニルスルフォニル尿素除草剤、ブチウロン、エチジムロン、テブチウロン、チアザフロン、およびチジアズロンなどのチアジアゾリル尿素除草剤、ならびにアクロレイン、アリルアルコール、アミ
ノシクロピラクロル、アザフェニジン、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ビシクロピロン、ブチダゾール、カルシウムシアナミド、カムベンジクロール、クロルフェナク、クロルフェンプロップ、クロルフルアゾール、クロルフルレノール、シンメチリン、クロマゾン、CPMF、クレゾール、シアンアミド、シクロピリモレート、オルソ-ジクロロベンゼン、ジメピペレート、エンドサル、フルオロミジン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、フルチアセット、インダノファン、メチルイソチオシアネート、OCH、オキサジクロメホン、ペンタクロロフェノール、ペントキサゾン、フェニル水銀アセテート、プロスルファリン、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、キノクラミン、ロデタニル、スルグリカピン、チジアジミン、トリジファン、トリメツロン、トリプロピンダン、およびトリタックが含まれ得るがこれらに限定されない。
【0032】
種子処理混合物はまた、さらなる活性化合物を含む場合があるか、またはこれらと共に、かつ/またはこれらと順次適用され得る。これらのさらなる化合物は、有機化合物、無機肥料、もしくは微量栄養供与体などの植物健康刺激薬、または接種材料などの植物成長に影響を与える他の調製物であり得る。
【0033】
別の実施形態では、種子処理混合物はまた、Bacillus菌株、例えば、Bacillus subtilis var.amyloiquefaciens FZB24(TAEGRP)(登録商標))、Bacillus amyloiquefaciens FZB42(RHIZOVITAL(登録商標))、VoTivo(商標)Bacillus firmus、およびClariva(商標)(Pasteuria nishizawae)、Bacillus thuringiensis、Trichoderma属種、ならびに/または昆虫、ダニ類、線形動物、および/もしくは植物病原体に対する活性を示すそれぞれの菌株の突然変異体および代謝産物からなる群などだがこれらに限定されない、他の生物学的微生物を含み得るか、またはこれらと共に、かつ/もしくはこれらと順次適用され得る。
【0034】
本開示の別の実施形態は、真菌侵襲を防除または防止するための方法である。本方法は、式Iの化合物の殺菌有効量を種子に適用することを含む。式Iの化合物は、低い植物毒性を示しながら、殺菌レベルで様々な種子の処理に好適である。化合物は、保護剤および/または根絶様式の両方で有用であり得る。
【0035】
式Iの化合物は、特に農業用途にかなり殺菌効果を有することが分かっている。式Iの化合物は、農作物および園芸植物との併用に特に効果的である。さらなる利点としては、植物体の健康を向上することと、植物体の収穫を向上する(例えば、バイオマスの増加および/または有価値成分の含有量の増加)ことと、植物体の活力を向上する(例えば、植物体の成長の改善および/またはより青々とした葉)ことと、植物体の質を向上する(例えば、特定の成分の含有量または組成の増大)ことと、植物体の非生物的ストレスおよび/または生物的ストレスへの耐性を向上することと、が挙げられ得るがこれらに限定されない。
【0036】
以下の真菌に対する式Iの化合物の有効性が、殺真菌剤としての化合物の一般的実用性を確立することを当業者は理解するであろう。
【0037】
式Iの化合物は、真菌病原体に対して広範囲の活性を有する。例示的な病原体としては、小麦葉枯病(Zymoseptoria tritici)、テンサイの斑点病(Cercospora beticola)、ピーナッツの斑点病(Cercospora arachidicolaおよびCercosporidium personatum)および他の作物、アジアダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi)、大麦雲形病(Rhynchosporium secalis)、大麦ラムラリア斑点病(Ramularia collo-cygni)、大麦網斑病(Pyrenophora teres)、大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種hordei)、小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum)、小麦赤さび病(Puccinia triticina)、小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici)、スイカ黒斑病(Didymella bryoniae)、リンゴ腐敗病(Venturia inaequalis)、リンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、キュウリ炭疽病(Colletotrichum lagenarium)、キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、灰色カビ病(Botrytis cinerea)、スクレロティニア白カビ病(Sclerotinia sclerotiorum)、ブドウうどんこ病(Erysiphe necator)、トマトの夏疫病(Alternaria solani)、イネイモチ病(Pyricularia oryzae)、核果の赤腐れ病(Monilinia fructicola)、およびバナナの黒シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis)が含まれ得るがこれらに限定されない。適用される活性材料の正確な量は、適用される特定の製剤によって決まるるだけでなく、所望される特定の作用、防除する真菌種、ならびに化合物と接触する植物体または他の生成物の一部によっても決まる。
【0038】
本願発明の例として以下のものが挙げられる。
[1] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するために植物種子を処理する方法であって、前記植物種子が上記式Iの化合物で処理される、方法。
[2] 前記式Iの化合物が、種子100キログラム当たり約0.5~約500グラムの割合で適用される、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記処理される種子が、小麦種子(Triticum属種、TRZSS)である、上記[1]に記載の方法。
[4] 前記真菌病原体が、小麦葉枯病(Zymoseptoria tritici)、小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum)、小麦赤さび病(Puccinia triticina)、および小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici)の病原からなる群から選択される、[1]に記載の方法。
[5] 前記処理される種子が、大麦種子(Hordeum vulgare、HORVS)である、上記[1]に記載の方法。
[6] 前記真菌病原体が、大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種hordei)、および大麦雲形病(Rhynchosporium secalis)の病原からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[7] 前記処理される種子が、ウリ種子(Cucumis属種、CUMSS)である、上記[1]に記載の方法。
[8] 前記真菌病原体が、キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearumまたはPodosphaera xanthii)、およびキュウリ炭疽病(Colletotrichum lagenarium)の病原からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[9] 前記処理される種子が、イネ種子(Oryza sativa、ORYSP)である、上記[1]に記載の方法。
[10] 前記真菌病原体が、イネイモチ病(Pyricularia oryzae)の病原である、上記[1]に記載の方法。
[11] 真菌および昆虫の侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の殺虫剤で処理される、植物種子。
[12] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の殺真菌剤で処理される、植物種子。
[13] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成し、かつ望ましくない植生を根絶するように適合された植物種子であって、式Iの化合物および1つ以上の除草剤で処理される、植物種子。
[14] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物種子であって、式Iの化合物、ならびに生物学的微生物、有機化合物、無機肥料、または微量栄養素供与体、および接種材料からなる群から選択される、1つ以上の追加の植物健康刺激薬で処理される、植物種子。
[15] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するために植物実生を処理する方法であって、前記植物実生が式Iの化合物で処理される、方法。
[16] 前記処理される実生が、小麦(triticum属種、TRZSS)の実生である、上記[15]に記載の方法。
[17] 前記真菌病原体が、小麦葉枯病(Zymoseptoria tritici)、小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum)、小麦赤さび病(Puccinia triticina)、および小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici)の病原からなる群から選択される、上記[15]に記載の方法。
[18] 前記処理される種子が、大麦種子(Hordeum vulgare、HORVS)である、上記[15]に記載の方法。
[19] 前記真菌病原体が、大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種hordei)、および大麦雲形病(Rhynchosporium secalis)の病原からなる群から選択される、上記[15]に記載の方法。
[20] 前記処理される種子が、ウリ種子(Cucumis属種、CUMSS)である、上記[15]に記載の方法。
[21] 前記真菌病原体が、キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearumまたはPodosphaera xanthii)、およびキュウリ炭疽病(Colletotrichum lagenarium)の病原からなる群から選択される、上記[15]に記載の方法。
[22] 前記処理される種子が、イネ種子(Oryza sativa、ORYSP)である、上記[15]に記載の方法。
[23]前記真菌病原体が、イネイモチ病の病原(Pyricularia oryzae)である、上記[15]に記載の方法。
[24] 真菌および昆虫侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物実生であって、植物種子が、式Iの化合物および1つ以上の殺虫剤で処理される、植物実生。
[25] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物実生であって、植物種子が、式Iの化合物および1つ以上の殺真菌剤で処理される、植物実生。
[26] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成し、望ましくない植生を根絶するように適合された植物実生であって、植物種子が、式Iの化合物および1つ以上の除草剤で処理される、植物実生。
[27] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物実生であって、植物種子が、式Iの化合物、ならびに有機化合物、無機肥料、または微量栄養素供与体、および接種材料からなる群から選択される1つ以上の追加の植物健康刺激薬で処理される、植物実生。
[28] 真菌侵襲に耐性のある植物体を生成するように適合された植物実生であって、式Iの化合物で処理される、植物実生。
[29] 実生環境へ式Iの化合物を液体製剤または固体製剤として適用することを含む、真菌侵襲から植物体を保護する方法。
本明細書で提供される任意の範囲または所望の値は、本明細書の教示を理解するために当業者にとって明らかであるように、求められる効果を失うことなく、拡張または変更され得る。
【実施例】
【0039】
種子処理としての式Iの化合物の殺菌活性の評価。小麦の病害について(表2):小麦の葉枯病(Zymoseptoria tritici、バイエルコードSEPTTR)、小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum、バイエルコードLEPTNO)、小麦赤さび病(Puccinia triticina、バイエルコードPUCCRT)、および小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici、ベイヤーコードERYSGT)。大麦の病害について(表3):大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種hordei、べイヤーコードERYSGH)、大麦雲形病(Rhynchosporium secalis、べイヤーコードLEANSE)、および大麦の斑点病(Cochliobolus sativus、バイエルコードCOCHSA)。キュウリの病害について(表4):うどんこ病(Erysiphe cichoracearum、バイエルコードERYSCI)、炭疽病(Colletotrichum lagenarium、べイヤーコードCOLLLA)、およびキュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis、バイエルコードPSEUCU)。イネの病害について(表5):イネイモチ病(Pyricularia oryzae、バイエルコードPYRIOR)、およびイネ紋枯病(Rhizoctonia solani、バイエルコードRHIZSO)。大豆の病害について:大豆さび病(Phakopsora pachyrhizi、バイエルコードPHAKPA)。
【0040】
小麦栽培品種「Yuma」、大麦栽培品種「Harrington」、キュウリ「Straight Eight」、イネ栽培品種「Japonica」、および大豆栽培品種「Williams 82」の種子を、種子染料およびポリマーと、種子100キログラム当たり(g ai/100kg種子)300、100、33、11、3.7、および0グラムの活性成分の割合での式Iの化合物の10%懸濁液濃縮製剤との混合物で処理し、ヒュームフード中で一晩乾燥させた。処理された種子を、処理後2週間以内に土壌を用いないメトロミックスを含有する鉢に植え付け、結果として得られた実生植物体に、以下に記載されるように、それぞれの病原体を接種した。4つの鉢の実生に各処理割合で接種した。
SEPTTR:9日齢の実生に、Z.triticiの水性胞子懸濁液を接種し、接種後、植物体を100%相対湿度(22℃の暗いデューチャンバで1日、その後、20℃の明るいデューチャンバで2日)に保持して、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物体を20℃に設定された温室に移し、病害を発症させた。
LEPTNO:9日齢の実生に、P.nodorumの水性胞子懸濁液で葉に噴霧することによって接種し、接種後、植物体を、100%相対湿度(22℃の暗いデューチャンバで1日、20℃の明るいデューチャンバで2日)に保持して、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物体を20℃に設定された温室に移し、病害を発症させた。
PUCCRT:9日齢の実生に、P.triticinaの水性胞子懸濁液で葉に噴霧することによって接種し、接種後、植物体を、100%の相対湿度(22℃で暗いデューチャンバで1日)に保持して、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物体を24℃に設定された温室に移し、病害を発症させた。
ERYSGT:7日齢の実生に、感染された母株由来の胞子を散粉することによってB.graminisを接種し、接種後、20℃の温室に保持して、病害を発症させた。
ERYSGH:7日齢の実生植物体に、B.graminis形態種hordeiの感染された母株を散粉することによって接種した。接種後、植物体を、23℃に設定された成長室内に保持して、病害を発症させた。
RHYNSE:7日齢の実生植物体に、R.secalisの水性胞子懸濁液によって接種した。接種後、植物体を、100%の相対湿度で48時間、22℃のデュールームに保持した。次いで、植物体を、20℃に設定された温室に移し、病害を発症させた。
COCHSA:7日齢の実生植物体に、C.sativusの水性胞子懸濁液を接種した。接種後、植物体を、100%の相対湿度および22℃の温度で24時間、暗いデュールームに置いた。次いで、植物体を、24℃の温度の温室に移した。
ERYSCI:11日齢の実生に、E.cichoracearumの胞子懸濁液を接種した。接種後、病害が完全に発現されるまで、そのまま23℃に設定された成長室に保持した。
COLLLA:11日齢の植物体に、C.lagenariumの水性胞子懸濁液を接種した。接種後、植物体を、22℃で100%の相対湿度のデュールームで48時間保持し、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物体を、23℃に設定された成長室に移し、病害を発症させた。
PSEUCU:13日齢の実生に、P.cubensisの胞子懸濁液を接種した。.接種後、実生を、100%の相対湿度で24時間、22℃のデュールームに置いた。実生を、20℃の温室に移し、病害を発症させた。
PYRIOR:10日齢の植物体に、P.oryzaeの水性胞子懸濁液を接種した。接種後、植物体を、22℃で100%の相対湿度のデュールームで48時間保持し、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物体を、24°Cに設定された温室に移し、病害を発症させた。
RHIZSO:10日齢の実生に、R.solaniおよびPDA培地の混成混合物を接種した。接種された植物体を、フードの下に置き、次いで、100%の相対湿度で48時間、22℃のデュールームに移し、葉に感染させた。植物体をフードの下に保持し、次いで、24℃に設定された温室に移し、病害を発症させた。
PHAKPA:植物体に、P.pachyrhiziの水性胞子懸濁液を接種した。植物体を、22℃および100%の相対湿度の暗いデュールームで24時間インキュベートし、次いで、23℃の成長室に移し、病害を発症させた。
【0041】
これらの実験で評価した場合の式Iの化合物の有効性を表2~5に示す。未処理の植物体上で症状が完全に発現されたときに処理された植物体上の病害の重症度を評価し、次いで、未処理の接種された植物体の病害レベルに基づいて重症度を防除パーセントに変換することによって、病害を防除するための式Iの化合物の有効性を判定した。
【0042】
表2~5の試験結果を示す。1)小麦について(表2)、式Iの化合物は、葉枯病(SEPTTR)およびふ枯病(LEPTNO)に対して優れた保護を実証し、赤さび病(PUCCRT)およびうどんこ病(ERYSGT)に対して中程度の活性を実証した。2)大麦について(表3)、式Iの化合物は、うどんこ病(ERYSGH)に対する優れた活性を示し、大麦雲形病(RHYNSE)に対して中程度の活性を示したが、斑点病(COCHSA)に対しては活性はほとんど示されなかった。3)キュウリについて(表4)、式Iの化合物は、炭疽病(COLLLA)に対して強い活性を示し、うどんこ病(ERYSCI)に対して中程度の活性を示したが、べと病(PSEUCU)に対しては活性はほとんど示されなかった。4)イネについて(表5)、式Iの化合物は、イネイモチ病(PICOR)に対する強い活性を示したが、イネ紋枯病(RHIZSO)に対しては活性はほとんど示されなかった。大豆(データは示されず)については、アジア大豆さび病(PHAKPA)に対して少なくとも活性は見られなかった。
【0043】
これらの種子処理用途での葉面病害の防除は、式Iの化合物が、木質部に取り込まれ、種子処理から保護剤の病害防除を提供するのに十分な量で葉に再分配されることを実証している。さらに、試験された最も高い割合でも、式Iの化合物の適用による発育阻止または植物毒性の証拠は存在しなかった。植物毒性を有しない優れた病害防除は、式Iの化合物が、様々な真菌病害の種子処理としての潜在的実用性を有することを示している。
表1.生物学的活性評価尺度。
【表1】
表2.種子処理を使用した4つの小麦の病害に対する式Iの化合物を利用した葉面病害防除の評価。
【表2】
*g ai/100kg種子=種子100キログラム当たりのグラム活性成分
*SEPTTR-小麦葉枯病(Zymoseptoria tritici)
*LEPTNO-小麦ふ枯病(Parastagonospora nodorum)
*PUCCRT-小麦赤さび病(Puccinia triticina)
*ERYSGT-小麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種tritici)
表3.種子処理を使用した3つの大麦の病害に対する式Iの化合物を利用した葉面病害防除の評価。
【表3】
*g ai/100kg種子=種子100キログラム当たりの-グラム活性成分
*ERYSGT-大麦うどんこ病(Blumeria graminis形態種 hordei)
*RHYNSE-大麦雲形病(Rhynchosporium secalis)
*COCHSA-大麦の斑点病(Cochliobolus sativus)
表4.種子処理を使用した3つのキュウリ病害に対する式Iの化合物を利用した葉面病害防除の評価。
【表4】
*g ai/100kg種子=種子100キログラム当たりの-グラム活性成分
*ERYSCI-キュウリうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)
*COLLLA-キュウリ炭疽病(Colletotrichum lagenarium)
*PSEUCU-キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)
表5.種子処理を使用した2つのイネの病害に対する式Iの化合物を利用した葉面病害防除の評価。
【表5】
*g ai/100kg種子=種子100キログラム当たりの-グラム活性成分
*PYRIOR-イネイモチ病(Pyricularia oryzae)
*RHIZSO-イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)