(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220825BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2020191664
(22)【出願日】2020-11-18
(62)【分割の表示】P 2016173033の分割
【原出願日】2016-09-05
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】窪田 慎
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 寿郎
【審査官】田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-047750(JP,A)
【文献】特開2000-155896(JP,A)
【文献】特開2008-128799(JP,A)
【文献】特開平11-006743(JP,A)
【文献】特開2013-050413(JP,A)
【文献】特開2003-014483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0161519(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2002-0083928(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と情報処理装置とが通信可能に接続される情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
ノード情報と該ノード情報間を繋ぐリンク情報とを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶部と、
前記ネットワークデータ記憶部とは別に設けられ
た第1の案内情報記憶部であって、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報
と該案内情報を識別する案内情報IDと
が対応付けて
格納され、更新日時が最新である第1の案内情報テーブルを記憶する第1の案内情報記憶部とを備え、
前記ネットワークデータに基づいて探索条件に基づく経路探索を行う手段と、
探索された経路から所定の範囲内にある案内情報の案内情報IDを
前記第1の案内情報
テーブルから取得する手段と、
探索した経路の所定の間隔毎の緯度及び経度を示す座標点列情報と取得した前記案内情報IDとを前記情報処理装置に送信する手段と、
前記情報処理装置から送信される差分案内情報IDを受信する手段と、
受信した差分案内情報IDに対応する差分案内情報を前記第1の案内情報
テーブルから取得し、前記情報処理装置に送信する手段と
を有し、
前記情報処理装置は、
前記第1の案内情報記憶部
に記憶されている第1の案内情報テーブルよりも
更新日時が古い
第2の案内情報テーブルであって、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報
と該案内情報を識別する案内情報IDと
が対応付けて
格納される第2の案内情報テーブルを記憶する第2の案内情報記憶部とを備え、
前記サーバ装置から送信される前記座標点列情報と前記案内情報のIDとを受信する手段と、
受信した前記案内情報のIDに基づいて、前記第2の案内情報
テーブルに
格納されていない案内情報の案内情報IDを差分案内情報IDとして特定する手段と、
特定した差分案内情報IDを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置から送信される前記差分案内情報IDに対応する差分案内情報を受信する手段と、
前記座標点列情報と前記第2の案内情報
テーブルに
格納され
ている案内情報と前記受信した差分案内情報IDに基づく差分案内情報とを用いて経路案内を行う手段と
を有し、
前記情報処理装置の経路案内を行う手段は、
前記座標点列情報により示される各座標点列を直線又は曲線で繋ぐことにより、経路を表示する、情報処理システム。
【請求項2】
ノード情報と該ノード情報間を繋ぐリンク情報と含むネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶部と、前記ネットワークデータ記憶部とは別に設けられ
た第1の案内情報記憶部であって、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報
と該案内情報を識別する案内情報IDと
が対応付けて
格納され、更新日時が最新である第1の案内情報テーブルを記憶する第1の案内情報記憶部とを備え、前記ネットワークデータに基づいて探索条件に基づく経路探索を行う手段と、探索された経路から所定の範囲内にある案内情報の案内情報IDを
前記第1の案内情報
テーブルから取得する手段と、探索した経路の所定の間隔毎の緯度及び経度を示す座標点列情報と取得した前記案内情報IDと
を情報処理装置に送信する手段と、前記情報処理装置から送信される差分案内情報IDを受信する手段と、受信した差分案内情報IDに対応する案内情報を前記第1の案内情報
テーブルから取得し、前記情報処理装置に送信する手段とを有するサーバ装置と通信可能に接続される
前記情報処理装置であって、
前記第1の案内情報記憶部
に記憶されている第1の案内情報テーブルよりも
更新日時が古い
第2の案内情報テーブルであって、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報
と該案内情報を識別する案内情報IDと
が格納される第2の案内情報テーブルを記憶する第2の案内情報記憶部と、を備え、
前記サーバ装置から送信される前記座標点列情報と前記案内情報のIDとを受信する手段と、
受信した前記案内情報のIDに基づいて、前記第2の案内情報
テーブルに
格納されていない案内情報の案内情報IDを差分案内情報IDとして特定する手段と、
特定した差分案内情報IDを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置から送信される前記差分案内情報IDに対応する差分案内情報を受信する手段と、
前記座標点列情報と前記第2の案内情報
テーブルに
格納され
ている案内情報と前記受信した差分案内情報IDに基づく案内情報とを用いて経路案内を行う手段と
を有し、
前記情報処理装置の経路案内を行う手段は、
前記座標点列情報により示される各座標点列を直線又は曲線で繋ぐことにより、経路を表示する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば車両等に搭載されるナビゲーション装置等が知られている。ナビゲーション装置では、ユーザにより入力された目的地等に基づいて経路を探索することで、探索された経路を用いて、目的地までの経路案内を行うことができる。
【0003】
また、ナビゲーション装置では、ユーザにより入力された目的地等の情報をサーバ装置に送信することで、当該サーバ装置において探索された経路を用いて、目的地までの経路案内を行うことができる。
【0004】
更に、ナビゲーション装置で探索された経路と、サーバ装置で探索された経路とが一致しているか否かを判定した上で、不一致の部分についてはサーバ装置で探索された経路の情報を利用して経路案内を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、ナビゲーション装置では、例えば、案内情報(例えば、道路標識の画像や目的地まで案内する音声等)を用いて、目的地までの経路案内を行う。
【0007】
しかしながら、上記の従来技術では、例えば、経路案内に用いる全ての案内情報の画像データや音声データをサーバ装置から取得した場合、ナビゲーション装置とサーバ装置との間の通信量が増大する場合があった。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、経路案内における通信量を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、サーバ装置と情報処理装置とが通信可能に接続される情報処理システムであって、前記サーバ装置は、ノード情報と該ノード情報間を繋ぐリンク情報とを含むネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶部と、前記ネットワークデータ記憶部とは別に設けられ、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報を、該案内情報を識別する案内情報IDと対応付けて記憶する第1の案内情報記憶部とを備え、前記ネットワークデータに基づいて探索条件に基づく経路探索を行う手段と、探索された経路から所定の範囲内にある案内情報の案内情報IDを第1の案内情報記憶部から取得する手段と、探索した前記経路と取得した前記案内情報IDとを前記情報処理装置に送信する手段と、前記情報処理装置から送信される差分案内情報IDを受信する手段と、受信した差分案内情報IDに対応する差分案内情報を前記第1の案内情報記憶部から取得し、前記情報処理装置に送信する手段とを有し、前記情報処理装置は、前記第1の案内情報記憶部よりも古い情報であって、経路案内時に用いられる音声データ又は画像データである案内情報を、該案内情報を識別する案内情報IDと対応付けて記憶する第2の案内情報記憶部とを備え、前記サーバ装置から送信される前記経路と前記案内情報のIDを受信する手段と、受信した前記案内情報のIDに基づいて、前記第2の案内情報記憶部に記憶されていない案内情報の案内情報IDを差分案内情報IDとして特定する手段と、特定した差分案内情報IDを前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置から送信される前記差分案内情報IDに対応する差分案内情報を受信する手段と、前記経路と前記第2の案内情報記憶部に記憶される案内情報と前記受信した差分案内情報IDに基づく差分案内情報とを用いて経路案内を行う手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、経路案内における通信量を軽減することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第一の実施形態に係る経路案内システムの一例のシステム構成を示す図である。
【
図2】第一の実施形態に係る経路案内システムの処理の概要を説明する図である。
【
図3】第一の実施形態に係る電子装置及びサーバ装置の一例のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】第一の実施形態に係る経路案内システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図5】パーマネントIDと対応付けられた案内情報の一例を示す図である。
【
図6】第一の実施形態に係る経路案内の開始処理の一例のシーケンス図である。
【
図8】第二の実施形態に係る経路案内システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図9】パーマネントIDと対応付けられたノード情報及びリンク情報の一例を示す図である。
【
図10】第二の実施形態に係る経路案内の開始処理の一例のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第一の実施形態]
まず、本実施形態に係る経路案内システム1のシステム構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る経路案内システム1の一例のシステム構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る経路案内システム1は、電子装置10と、サーバ装置20とを有し、インターネット等の広域的なネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0015】
電子装置10は、例えば、車両等に搭載されるナビゲーション装置(いわゆる、カーナビ)等である。なお、経路案内システム1は、複数台の電子装置10を有していても良い。
【0016】
電子装置10には、クライアントプログラム100がインストールされている。また、電子装置10は、地図データ記憶部110と、ネットワークデータ記憶部120と、案内情報記憶部130とを有する。
【0017】
電子装置10は、クライアントプログラム100により、例えばユーザから入力された目的地や経由地等に基づいて、サーバ装置20に対して、現在地から目的地までの経路探索を要求する。また、電子装置10は、例えばユーザから入力された目的地や経由地等と、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータとに基づいて、現在地から目的地までの経路探索を行う。
【0018】
そして、電子装置10は、クライアントプログラム100により、当該サーバ装置20で探索された経路又は当該電子装置10で探索した経路を、地図データ記憶部110に記憶されている地図データが示す地図上に表示して、経路案内を行う。また、このとき、電子装置10は、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報と、サーバ装置20から取得した案内情報との少なくとも一方の案内情報を用いて、経路案内を行う。これにより、電子装置10は、ユーザに対して、経路案内を行うことができる。
【0019】
このように、電子装置10は、サーバ装置20に経路探索を要求することができると共に、当該電子装置10でも経路探索を行うことができる。
【0020】
なお、地図データとは、電子装置10上に地図を表示するためのデータであり、例えば、緑地や河川、道路、鉄道、都道府県等の表示対象の種類毎に分類され、緯度及び経度等が既知のメッシュ状に区切られて管理されている。そして、表示対象の種類毎に分類された地図データは、縮尺に応じて、当該種類毎に予め定められたレイヤーに、メッシュ毎に描画されることで表示される。したがって、クライアントプログラム100は、例えば、表示対象の種類毎に分類された地図データがそれぞれ描画されたメッシュ状のレイヤーを、1つ以上結合して重畳することにより、電子装置10上に地図を表示する。
【0021】
また、ネットワークデータとは、経路探索等に用いられるデータであり、例えば、交差点や分岐点、道路属性が変化する箇所、道路幅が変化する箇所等の各種地点を示すノード情報と、ノード間を繋ぐリンク情報とが含まれる。また、ノード情報には、例えば、ノード番号、緯度・経度、交差点の名称(漢字及び読み)や信号機の有無等の情報が含まれている。更に、リンク情報には、例えば、リンク長や座標点列、リンクのコスト、リンクの両端にあるノード番号、道路属性、進行方向、高度(標高)等の情報が含まれている。したがって、クライアントプログラム100は、例えば、ダイクストラ法等の既知のアルゴリズムを用いて、現在地から目的地までのリンクのコストが最小になるように経路探索を行う。
【0022】
また、案内情報とは、経路案内に用いられる画像や音声等のデータであり、例えば、道路標識等の画像データや音声案内の音声データ等である。案内情報には、当該案内情報を識別するための識別情報であるパーマネントIDが対応付けられている。
【0023】
サーバ装置20は、電子装置10からの要求に応じて経路探索を行うコンピュータである。なお、サーバ装置20は、1台以上のコンピュータにより実現されていても良い。
【0024】
サーバ装置20には、サーバプログラム200がインストールされている。また、サーバ装置20は、地図データ記憶部210と、ネットワークデータ記憶部220と、案内情報記憶部230とを有する。
【0025】
サーバ装置20は、サーバプログラム200により、電子装置10からの要求に応じて、当該要求に含まれる現在地や目的地等と、ネットワークデータ記憶部220に記憶されているネットワークデータとに基づいて、現在地から目的地までの経路探索を行う。なお、サーバプログラム200は、クライアントプログラム100と同様に、例えば、ダイクストラ法等の既知のアルゴリズムを用いて、現在地から目的地までのリンクのコストが最小になるように経路探索を行う。
【0026】
そして、サーバ装置20は、サーバプログラム200により、探索した経路を示す経路情報と、当該経路の経路案内に用いられる案内情報のパーマネントIDとを電子装置10に返信する。これにより、電子装置10は、サーバ装置20から返信されたパーマネントIDにより識別される案内情報のうち、当該電子装置10の案内情報記憶部230に記憶されていない案内情報を、サーバ装置20から取得することができる。
【0027】
なお、サーバ装置20は、経路情報及びパーマネントIDに加えて、地図データ記憶部210に記憶されている地図データのうち、探索した経路に対応する地図データを電子装置10に返信しても良い。
【0028】
このように、サーバ装置20は、電子装置10からの要求に応じて、経路探索を行うことができる。また、サーバ装置20は、探索された経路の経路案内に用いられる案内情報のパーマネントIDを電子装置10に返信することができる。
【0029】
ここで、地図データ、ネットワークデータ、及び案内情報は、例えば、新たに道路の敷設や交差点の敷設等があった場合には、クライアントプログラム100やサーバプログラム200のベンダー等により、最新の地図データ、ネットワークデータ、及び案内情報が配布等される。
【0030】
本実施形態において、サーバ装置20が有する案内情報記憶部230には、最新の案内情報が記憶されているものとする。一方で、電子装置10が有する案内情報記憶部130には、必ずしも最新の案内情報が記憶されているとは限らないものとする。
【0031】
同様に、本実施形態において、サーバ装置20が有するネットワークデータ記憶部220には、最新のネットワークデータが記憶されているものとする。一方で、電子装置10が有するネットワークデータ記憶部120には、必ずしも最新のネットワークデータが記憶されているとは限らないものとする。
【0032】
なお、電子装置10のユーザは、例えば、ベンダー等から配布されるCDやDVD、USBメモリ等の記録媒体を用いて、ネットワークデータや地図データ、案内情報を最新の状態に更新することができる。
【0033】
<処理の概要>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1の処理の概要について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、第一の実施形態に係る経路案内システム1の処理の概要を説明する図である。
【0034】
S1)まず、電子装置10は、例えばユーザにより入力された目的地や経由地等を含む経路探索要求をサーバ装置20に送信する。
【0035】
S2)次に、サーバ装置20は、電子装置10から経路探索要求を受信すると、当該経路探索要求に含まれる目的地や経由地等に基づいて、目的地までの経路を探索する。また、サーバ装置20は、探索された経路に対応する案内情報のパーマネントIDを取得する。なお、経路に対応する案内情報とは、当該経路の経路案内に用いられる案内情報(すなわち、例えば、経路上にある道路標識の画像データや目的地までの音声案内の音声データ等)のことである。
【0036】
S3)次に、サーバ装置20は、探索された経路を示す経路情報と、パーマネントIDとを電子装置10に送信する。
【0037】
S4)続いて、電子装置10は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDのうち、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられていないパーマネントIDを特定する。すなわち、電子装置10は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDにより識別される案内情報のうち、案内情報記憶部130に記憶されていない案内情報のパーマネントIDを特定する。以降では、このように特定されたパーマネントIDを「差分パーマネントID」と表す。
【0038】
S5)続いて、電子装置10は、上記のS4で特定した差分パーマネントIDをサーバ装置20に送信する。
【0039】
S6)サーバ装置20は、差分パーマネントIDを受信すると、当該差分パーマネントIDに対応付けられている案内情報(以降では、「差分案内情報」と表す。)を案内情報記憶部230から取得する。
【0040】
S7)次に、サーバ装置20は、上記のS6で取得した案内情報を電子装置10に送信する。
【0041】
S8)そして、電子装置10は、上記のS7でサーバ装置20から受信した差分案内情報と、上記のS4で受信したパーマネントIDに対応付けて案内情報記憶部130に記憶されている案内情報とに基づいて、経路情報により示される経路の経路案内を行う。
【0042】
すなわち、電子装置10は、例えば、サーバ装置20から受信した差分案内情報2100と、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報2200及び案内情報2300とに基づいて、経路1000の経路案内を行う。
【0043】
このように、本実施形態に係る経路案内システム1では、経路案内に用いられる案内情報のうち、電子装置10の案内情報記憶部130に記憶されていない案内情報(差分案内情報)をサーバ装置20から取得する。一方で、本実施形態に係る経路案内システム1では、経路案内に用いられる案内情報のうち、電子装置10の案内情報記憶部130に記憶されている案内情報は、当該案内情報記憶部130から取得する。
【0044】
これにより、本実施形態に係る経路案内システム1では、電子装置10とサーバ装置20との間で、経路案内におけるデータ通信量を削減することができる。
【0045】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1に含まれる電子装置10及びサーバ装置20のハードウェア構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、第一の実施形態に係る電子装置10及びサーバ装置20の一例のハードウェア構成を示す図である。
【0046】
≪電子装置10≫
図3(a)に示すように、本実施形態に係る電子装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、通信I/F14とを有する。また、本実施形態に係る電子装置10は、ROM(Read Only Memory)15と、RAM(Random Access Memory)16と、CPU(Central Processing Unit)17と、記憶装置18と、GPS(Global Positioning System)受信機19とを有する。更に、これらハードウェアは、バスB1で互いに接続されている。
【0047】
入力装置11は、例えば、タッチパネルや各種ボタン等であり、ユーザが電子装置10に各種入力を行うのに用いられる。表示装置12は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等であり、電子装置10による処理結果を表示する。
【0048】
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。電子装置10は、外部I/F13を介して、記録媒体13aの読み取りや書き込みを行うことができる。
【0049】
記録媒体13aには、例えば、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。なお、記録媒体13aには、クライアントプログラム100が格納されていても良い。
【0050】
通信I/F14は、電子装置10をネットワークNに接続するためのインタフェースである。電子装置10は、通信I/F14を介して、サーバ装置20との間でデータ通信を行うことができる。
【0051】
記憶装置18は、プログラムやデータを格納している不揮発性のメモリであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。記憶装置18に格納されているプログラムやデータには、クライアントプログラム100、電子装置10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)等がある。
【0052】
RAM16は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM15は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM15には、例えば、OS設定やネットワーク設定等のデータが格納されている。
【0053】
CPU17は、ROM15や記憶装置18等からプログラムやデータをRAM16上に読み出し、当該プログラムやデータに基づく処理を実行することで、電子装置10全体の制御や各種の機能を実現する演算装置である。
【0054】
GPS受信機19は、GPSから所定の電波を受信して、電子装置10の現在の位置を示す緯度及び経度の測定を行う。なお、GPS受信機19は、電子装置10の高度を測定することができても良い。
【0055】
本実施形態に係る電子装置10は、
図3(a)に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0056】
≪サーバ装置20≫
図3(b)に示すように、本実施形態に係るサーバ装置20は、入力装置21と、表示装置22と、外部I/F23と、通信I/F24とを有する。また、本実施形態に係るサーバ装置20は、ROM25と、RAM26と、CPU27と、記憶装置28とを有する。更に、これらハードウェアは、バスB2で互いに接続されている。
【0057】
入力装置21は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルや各種ボタン等であり、ユーザがサーバ装置20に各種入力を行うのに用いられる。表示装置22は、例えば、LCDやCRT(Cathode Ray Tube)等であり、サーバ装置20による処理結果を表示する。なお、入力装置21及び表示装置22の少なくとも一方は、必要なときにバスB2に接続して利用する形態であっても良い。
【0058】
外部I/F23は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体23a等がある。サーバ装置20は、外部I/F23を介して、記録媒体23aの読み取りや書き込みを行うことができる。
【0059】
記録媒体23aには、例えば、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。なお、記録媒体23aには、サーバプログラム200が格納されていても良い。
【0060】
通信I/F24は、サーバ装置20をネットワークNに接続するためのインタフェースである。サーバ装置20は、通信I/F24を介して、電子装置10との間でデータ通信を行うことができる。
【0061】
記憶装置28は、プログラムやデータを格納している不揮発性のメモリであり、例えば、HDDやSSD等である。記憶装置28に格納されているプログラムやデータには、サーバプログラム200、サーバ装置20全体を制御する基本ソフトウェアであるOS等がある。
【0062】
RAM26は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM25は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM25には、例えば、OS設定やネットワーク設定等のデータが格納されている。
【0063】
CPU27は、ROM25や記憶装置28等からプログラムやデータをRAM26上に読み出し、当該プログラムやデータに基づく処理を実行することで、サーバ装置20全体の制御や各種の機能を実現する演算装置である。
【0064】
本実施形態に係るサーバ装置20は、
図3(b)に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0065】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1の機能構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、第一の実施形態に係る経路案内システム1の一例の機能構成を示す図である。
【0066】
図4に示すように、本実施形態に係る電子装置10は、主な機能部として、通信部101と、入力受付部102と、表示制御部103と、条件設定部104と、経路探索部105と、差分特定部106と、経路案内部107とを有する。これら各機能部は、クライアントプログラム100がCPU17に実行させる処理により実現される。
【0067】
通信部101は、サーバ装置20との間で各種データの送受信を行う。例えば、通信部101は、サーバ装置20に対して、後述する条件設定部104により設定された探索条件を含む経路探索要求を送信する。また、例えば、通信部101は、サーバ装置20から経路情報及びパーマネントIDを受信する。更に、例えば、通信部101は、後述する差分特定部106により特定された差分パーマネントIDをサーバ装置20に送信する。
【0068】
入力受付部102は、ユーザによる各種入力を受け付ける。例えば、入力受付部102は、ユーザによる目的地や経由地等の入力を受け付ける。
【0069】
表示制御部103は、各種画面を表示する。例えば、表示制御部103は、地図データ記憶部110に記憶されている地図データに基づく地図を表示装置12上に表示する。また、例えば、表示制御部103は、サーバ装置20から受信した経路情報により示される経路を地図上に表示する。更に、表示制御部103は、案内情報を表示装置12上に表示する。なお、これら以外にも、表示制御部103は、例えば、各種情報(例えば、施設情報や注記等)を地図上に表示したり、各種画面(例えば、目的地や経由地の設定画面や各種設定画面等)を表示したりする。
【0070】
条件設定部104は、経路探索を行うための各種条件が含まれる探索条件を設定する。すなわち、条件設定部104は、例えば、入力受付部102が受け付けた目的地、GPS受信機19により測定された現在地(すなわち、電子装置10の現在位置を示す緯度及び経度の情報)等が含まれる探索条件を設定する。そして、条件設定部104は、通信部101により、探索条件を含む経路探索要求をサーバ装置20に送信する。
【0071】
なお、探索条件には、例えば、入力受付部102が受け付けた経由地が含まれていても良い。また、探索条件には、例えば、有料道路の通行有無等が含まれていても良い。このように、探索条件には、現在地から目的地までの経路探索に用いられる各種条件が含まれる。
【0072】
経路探索部105は、条件設定部104により設定された探索条件と、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータとに基づいて経路探索を行う。
【0073】
なお、本実施形態に係る経路案内システム1では、上述したように、電子装置10は、サーバ装置20に対して、探索条件を含む経路探索要求を送信する。このため、電子装置10は、必ずしも経路探索部105により経路探索を行う必要はない。ただし、例えば、電子装置10とサーバ装置20との間の通信状態が悪い場合や即時に経路探索を行いたい場合等には、電子装置10は、経路探索要求をサーバ装置20に送信すると共に、経路探索部105により経路探索を行っても良い。
【0074】
差分特定部106は、経路探索要求に応じてサーバ装置20から送信されたパーマネントIDと、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられているパーマネントIDとの差分(差分パーマネントID)を特定する。すなわち、差分特定部106は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDのうち、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられているパーマネントID以外のパーマネントIDを、差分パーマネントIDとして特定する。
【0075】
そして、差分特定部106は、通信部101により、差分パーマネントIDをサーバ装置20に送信する。
【0076】
経路案内部107は、サーバ装置20から受信した経路情報により示される経路の経路案内を行う。このとき、経路案内部107は、サーバ装置20から受信した差分案内情報及び/又は案内情報記憶部130から取得した案内情報を用いて、当該経路の経路案内を行う。
【0077】
なお、経路案内とは、電子装置10のユーザに対して、経路に従って目的地に辿り着くまでの案内を行うことである。また、経路案内には、例えば、電子装置10の現在地が経路から外れた場合における案内(元の経路に戻るための案内や経路の再探索等)も含まれる。
【0078】
図4に示すように、本実施形態に係るサーバ装置20は、主な機能部として、通信部201と、経路探索部202と、取得部203とを有する。これら各機能部は、サーバプログラム200がCPU27に実行させる処理により実現される。
【0079】
通信部201は、電子装置10との間で各種データの送受信を行う。例えば、通信部201は、電子装置10から経路探索要求を受信する。また、例えば、通信部201は、後述する経路探索部202により探索された経路を示す経路情報と、後述する取得部203により取得されたパーマネントIDとを電子装置10に送信する。更に、通信部201は、後述する取得部203により取得された案内情報を電子装置10に送信する。
【0080】
経路探索部202は、電子装置10から受信した経路探索要求に含まれる探索条件と、ネットワークデータ記憶部220に記憶されているネットワークデータとに基づいて経路探索を行う。そして、経路探索部202は、通信部201により、探索された経路を示す経路情報と、後述する取得部203により取得されたパーマネントIDとを電子装置10に送信する。
【0081】
取得部203は、経路探索部202により探索された経路に対応する案内情報に対応付けられているパーマネントIDを案内情報記憶部230から取得する。また、取得部203は、電子装置10から受信した差分パーマネントIDに対応付けられている案内情報(差分案内情報)を案内情報記憶部230から取得する。
【0082】
ここで、電子装置10が有する案内情報記憶部130及びサーバ装置20が有する案内情報記憶部230には、パーマネントIDと対応付けて案内情報が記憶されている。
図5は、パーマネントIDと対応付けられた案内情報の一例を示す図である。
【0083】
図5(a)は、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報の一例を示している。
図5(a)に示すように、案内情報記憶部130には、パーマネントIDと対応付けて案内情報が記憶されている。ここで、案内情報は、データの項目として、コンテンツと、座標とを有する。
【0084】
コンテンツとは、案内情報として表示される画像や案内情報として再生される音声等を示すデータである。すなわち、コンテンツには、例えば、画像データや音声データ、又はこれらのデータの格納先を示すファイルパス等が設定される。
【0085】
また、座標とは、案内情報が用いられる緯度及び経度を示す情報である。すなわち、案内情報は、例えば、電子装置10の現在地が、座標で示される緯度及び経度から所定の範囲内に入った場合に、コンテンツで示される画像データ等が表示される(又は音声データが再生される。)。
【0086】
図5(b)は、案内情報記憶部230に記憶されている案内情報の一例を示している。
図5(b)に示すように、案内情報記憶部230には、パーマネントIDと対応付けて案内情報が記憶されている。
【0087】
ここで、上述したように、案内情報記憶部230には最新の案内情報が記憶されている一方で、案内情報記憶部130には必ずしも最新の案内情報が記憶されているとは限らない。したがって、案内情報記憶部230には、例えば、パーマネントID「P001」、「P002」、「P003」、及び「P004」等の案内情報が記憶されている一方で、案内情報記憶部130には、パーマネントID「P002」の案内情報は記憶されていない。
【0088】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1の処理の詳細について説明する。以降では、サーバ装置20で探索された経路を示す経路情報を電子装置10に送信した上で、電子装置10及び/又はサーバ装置20に記憶されている案内情報を用いて、当該経路の経路案内を開始する場合の処理について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、第一の実施形態に係る経路案内の開始処理の一例のシーケンス図である。
【0089】
ステップS601において、電子装置10の条件設定部104は、探索条件を設定する。すなわち、条件設定部104は、例えば、入力受付部102が受け付けた目的地、GPS受信機19により測定された現在地等が含まれる探索条件を設定する。なお、ユーザは、例えば、表示制御部103により表示された画面(探索条件の設定画面)において、目的地等を入力することができる。
【0090】
ステップS602において、電子装置10の条件設定部104は、通信部101により、上記のステップS601で設定された探索条件を含む経路探索要求をサーバ装置20に送信する。
【0091】
ステップS603において、サーバ装置20の経路探索部202は、通信部201により経路探索要求を受信すると、当該経路探索要求に含まれる探索条件と、ネットワークデータ記憶部220に記憶されているネットワークデータとに基づいて経路探索を行う。すなわち、経路探索部202は、例えば、探索条件に含まれる現在地及び目的地に基づいて、当該現在地から当該目的地までの最適な経路を探索する。
【0092】
ステップS604において、サーバ装置20の取得部203は、上記のステップS603で探索された経路に対応する案内情報のパーマネントIDを案内情報記憶部230から取得する。すなわち、取得部203は、例えば、案内情報記憶部230に記憶されている案内情報の座標が、上記のステップS603で探索された経路から所定の範囲内にある案内情報に対応付けられているパーマネントIDを取得する。
【0093】
ステップS605において、サーバ装置20の経路探索部202は、上記のステップS603で探索された経路を示す経路情報と、上記のステップS604で取得部203により取得されたパーマネントIDとを電子装置10に送信する。
【0094】
なお、経路情報は、例えば、経路に含まれるノードのノード情報と、当該経路に含まれるリンクのリンク情報とが含まれる情報である。ただし、経路情報は、例えば、経路上の所定の間隔毎の緯度及び経度を示す座標点列情報であっても良い。また、経路情報は、例えば、電子装置10の経路探索部105により同一の経路を探索するための情報(経路上の出発地及び目的地を示す情報、並びに経路上の各地点を示す情報等)であっても良い。
【0095】
ステップS606において、電子装置10の差分特定部106は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDと、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられているパーマネントIDとの差分(差分パーマネントID)を特定する。すなわち、差分特定部106は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDのうち、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられているパーマネントID以外のパーマネントIDを、差分パーマネントIDとして特定する。
【0096】
具体的には、例えば、サーバ装置20から受信したパーマネントIDが「P001」、「P002」、「P003」、「P007」である一方で、パーマネントID「P002」の案内情報と、パーマネントID「P007」の案内情報とが案内情報記憶部130に記憶されていないとする。この場合、差分特定部106は、差分パーマネントIDを「P002」及び「P007」と特定する。
【0097】
ステップS607において、電子装置10の差分特定部106は、通信部101により、差分パーマネントIDをサーバ装置20に送信する。
【0098】
ステップS608において、サーバ装置20の取得部203は、通信部101により差分パーマネントIDを受信すると、当該差分パーマネントIDに対応付けられている案内情報(差分案内情報)を案内情報記憶部230から取得する。
【0099】
ステップS609において、サーバ装置20の取得部203は、通信部201により、上記のステップS608で取得された差分案内情報を電子装置10に送信する。
【0100】
ステップS610において、電子装置10の経路案内部107は、上記のステップS606でサーバ装置20から受信したパーマネントIDのうち、案内情報記憶部130に記憶されている案内情報に対応付けられているパーマネントIDの案内情報を取得する。
【0101】
このように、電子装置10は、サーバ装置20から受信したパーマネントIDのうち、差分パーマネントID以外のパーマネントIDに対応付けられている案内情報を案内情報記憶部130から取得する。なお、このとき、電子装置10は、差分パーマネントIDと、サーバ装置20から受信した差分案内情報とを対応付けて案内情報記憶部130に記憶させることにより、案内情報記憶部130を更新しても良い。
【0102】
ステップS611において、電子装置10の経路案内部107は、サーバ装置20から受信した差分案内情報と、上記のステップS610で取得した案内情報とを用いて、上記のステップS605で受信した経路情報により示される経路の経路案内を行う。
【0103】
なお、経路案内部107は、例えば、経路情報が座標点列情報である場合、当該座標点列情報により示される各座標点列を直線又は曲線で繋ぐことにより、地図上に経路を表示すれば良い。また、経路案内部107は、例えば、経路情報が、サーバ装置20で探索された経路における経路上の出発地及び目的地を示す情報、並びに経路上の各地点を示す情報等である場合、経路探索部105により、これらの情報から経路探索を行った上で、探索された経路を地図上に表示すれば良い。
【0104】
ここで、電子装置10の経路案内部107による経路案内の一例を
図7に示す。
図7は、経路案内の一例を説明する図である。
【0105】
図7に示すように、電子装置10は、表示制御部103により、経路案内画面G100を表示装置12上に表示する。経路案内画面G100には、経路3000と、差分案内情報4100並びに案内情報4200及び案内情報4300とが表示されている。このように、経路案内画面G100は、道路標識等を示す差分案内情報4100や案内情報4200及び案内情報4300等を表示することにより、経路3000による経路案内を行うことができる。
【0106】
また、
図7に示すように、電子装置10は、経路案内部107により、音声案内である差分案内情報4400を出力することにより、経路3000による経路案内を行うことができる。なお、差分案内情報4400による音声案内は、例えば、電子装置10と接続された車載スピーカ等により行うことができる。
【0107】
これにより、電子装置10のユーザは、経路案内画面G100に表示された差分案内情報4100や案内情報4200及び案内情報4300、音声として出力された差分案内情報4400等を参考にして、経路3000に従って目的地まで辿り着くことができるようになる。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る経路案内システム1では、サーバ装置20で探索された経路の経路案内に用いられる案内情報のうち、電子装置10に記憶されていない案内情報(差分案内情報)をサーバ装置20から取得する。一方で、本実施形態に係る経路案内システム1では、サーバ装置20で探索された経路の経路案内に用いられる案内情報のうち、電子装置10に記憶されている案内情報はサーバ装置20から取得しない。
【0109】
したがって、本実施形態に係る経路案内システム1では、経路案内に用いられる案内情報を取得する場合における電子装置10とサーバ装置20との間の通信量を軽減することができる。
【0110】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。第一の実施形態では、案内情報にパーマネントIDが対応付けられている場合について説明したが、第二の実施形態では、ネットワークデータに含まれるノード情報及びリンク情報にパーマネントIDが対応付けられている場合について説明する。
【0111】
これにより、第二の実施形態では、サーバ装置20で探索された経路に基づいて、電子装置10のネットワークデータ記憶部120を更新することができるようになる。以降では、ノード情報に対応付けられているパーマネントIDを「ノードID」、リンク情報に対応付けられているパーマネントIDを「リンクID」と表す。
【0112】
なお、第二の実施形態では、第一の実施形態と同一の機能を有する箇所及び同一の処理を行う箇所については、第一の実施形態と同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0113】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1の機能構成について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、第二の実施形態に係る経路案内システム1の一例の機能構成を示す図である。
【0114】
図8に示すように、本実施形態に係る電子装置10は、更新部108を有する。当該機能部は、クライアントプログラム100がCPU17に実行させる処理により実現される。また、本実施形態に係る電子装置10は、差分特定部106Aの機能が第一の実施形態と異なる。
【0115】
差分特定部106Aは、経路探索要求に応じてサーバ装置20から送信されたパーマネントID(ノードID及びリンクID)と、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに含まれるノード情報及びリンク情報に対応付けられているパーマネントID(ノードID及びリンクID)との差分(差分パーマネントID)を特定する。
【0116】
すなわち、差分特定部106Aは、サーバ装置20から受信したノードIDと、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに含まれるノード情報に対応付けられているノードIDとの差分(差分ノードID)を特定する。また、差分特定部106Aは、サーバ装置20から受信したリンクIDと、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに含まれるリンク情報に対応付けられているリンクIDとの差分(差分リンクID)を特定する。
【0117】
そして、差分特定部106Aは、通信部101により、差分パーマネントID(差分ノードID及び差分リンクID)をサーバ装置20に送信する。
【0118】
更新部108は、後述する取得部203Aにより取得されたノード情報及びリンク情報を用いて、ネットワークデータ記憶部120を更新する。
【0119】
図8に示すように、本実施形態に係るサーバ装置20は、取得部203Aの機能が第一の実施形態と異なる。
【0120】
取得部203Aは、経路探索部202により探索された経路に対応するノード情報及びリンク情報のパーマネントID(ノードID及びリンクID)をネットワークデータ記憶部220から取得する。すなわち、取得部203Aは、経路探索部202により探索された経路に含まれるノードを示すノード情報のノードIDと、当該経路に含まれるリンクを示すリンク情報のリンクIDとをネットワークデータ記憶部220から取得する。
【0121】
また、取得部203Aは、電子装置10から受信した差分ノードIDに対応付けられているノード情報(差分ノード情報)をネットワークデータ記憶部220から取得する。更に、取得部203Aは、電子装置10から受信した差分リンクIDに対応付けられているリンク情報(差分リンク情報)をネットワークデータ記憶部220から取得する。
【0122】
ここで、電子装置10が有するネットワークデータ記憶部120及びサーバ装置20が有するネットワークデータ記憶部220には、上述したように、パーマネントIDと対応付けてノード情報及びリンク情報が記憶されている。
図9は、パーマネントIDと対応付けられたノード情報及びリンク情報の一例を示す図である。
【0123】
図9(a)は、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに含まれるノード情報の一例を示している。
図9(a)に示すように、ネットワークデータ記憶部120には、ノードIDと対応付けてノード情報が記憶されている。ここで、ノード情報は、データの項目として、上述したように、ノード番号や緯度・経度等を有する。
【0124】
図9(b)は、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに含まれるリンク情報の一例を示している。
図9(b)に示すように、ネットワークデータ記憶部120には、リンクIDと対応付けてリンク情報が記憶されている。ここで、リンク情報は、データの項目として、上述したように、リンク長や座標点列、ノード番号(始点、終点)、道路属性、進行方向等を有する。
【0125】
図9(c)は、ネットワークデータ記憶部220に記憶されているネットワークデータに含まれるノード情報の一例を示している。
図9(c)に示すように、ネットワークデータ記憶部220には、ノードIDと対応付けてノード情報が記憶されている。
【0126】
図9(d)は、ネットワークデータ記憶部220に記憶されているネットワークデータに含まれるリンク情報の一例を示している。
図9(c)に示すように、ネットワークデータ記憶部220には、リンクIDと対応付けてリンク情報が記憶されている。
【0127】
ここで、上述したように、ネットワークデータ記憶部220には最新のネットワークデータが記憶されている一方で、ネットワークデータ記憶部120には必ずしも最新のネットワークデータが記憶されているとは限らない。したがって、ネットワークデータ記憶部220には、例えば、リンクID「P002」のリンク情報が記憶されている一方で、ネットワークデータ記憶部120には、リンクID「P002」のリンク情報は記憶されていない。
【0128】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る経路案内システム1の処理の詳細について説明する。以降では、サーバ装置20で探索された経路を示す経路情報を電子装置10に送信して経路案内を開始する場合に、電子装置10に記憶されているネットワークデータを更新する処理について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、第二の実施形態に係る経路案内の開始処理の一例のシーケンス図である。
【0129】
ステップS1001において、サーバ装置20の取得部203Aは、ステップS603で探索された経路に対応するノード情報及びリンク情報のパーマネントID(ノードID及びリンクID)をネットワークデータ記憶部220から取得する。
【0130】
ステップS1002において、サーバ装置20の経路探索部202は、ステップS603で探索された経路を示す経路情報と、上記のステップS1001で取得部203Aにより取得されたパーマネントID(ノードID及びリンクID)とを電子装置10に送信する。
【0131】
ステップS1003において、電子装置10の差分特定部106Aは、サーバ装置20から受信したパーマネントID(ノードID及びリンクID)と、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているネットワークデータに対応付けられているパーマネントIDとの差分(差分パーマネントID)を特定する。
【0132】
すなわち、差分特定部106Aは、サーバ装置20から受信したノードIDのうち、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているノード情報に対応付けられているノードID以外のノードIDを、差分ノードIDとして特定する。同様に、差分特定部106Aは、サーバ装置20から受信したリンクIDのうち、ネットワークデータ記憶部120に記憶されているリンク情報に対応付けられているリンクID以外のリンクIDを、差分リンクIDとして特定する。
【0133】
そして、差分特定部106Aは、差分ノードID及び差分リンクIDを差分パーマネントIDとする。
【0134】
ステップS1004において、電子装置10の差分特定部106Aは、通信部101により、差分パーマネントIDをサーバ装置20に送信する。
【0135】
ステップS1005において、サーバ装置20の取得部203Aは、通信部201により差分パーマネントIDを受信すると、当該差分パーマネントIDに対応付けられているネットワークデータをネットワークデータ記憶部220から取得する。
【0136】
すなわち、取得部203Aは、差分ノードIDに対応付けられているノード情報(差分ノード情報)をネットワークデータ記憶部220から取得する。同様に、取得部203Aは、差分リンクIDに対応付けられているリンク情報(差分リンク情報)をネットワークデータ記憶部220から取得する。
【0137】
ステップS1006において、サーバ装置20の取得部203Aは、通信部201により、上記のステップS1005で取得された差分ノード情報及び差分リンク情報を電子装置10に送信する。
【0138】
ステップS1007において、電子装置10の更新部108は、通信部101により受信した差分ノード情報及び差分リンク情報を用いて、ネットワークデータ記憶部120を更新する。すなわち、更新部108は、差分ノード情報を差分ノードIDと対応付けてネットワークデータ記憶部120に記憶させる。同様に、更新部108は、差分リンク情報を差分リンクIDと対応付けてネットワークデータ記憶部120に記憶させる。これにより、ネットワークデータ記憶部120が更新される。
【0139】
ステップS1008において、電子装置10の経路案内部107は、サーバ装置20から受信した経路情報により示される経路の経路案内を行う。このとき、経路案内部107は、第一の実施形態で説明したように、案内情報及び/又は差分案内情報を用いて経路案内を行う。
【0140】
なお、例えば、経路情報が座標点列情報である場合には、経路案内部107は、上記のステップS1003の処理の前に、ステップS1008の処理を行っても良い。すなわち、この場合、ステップS1003~ステップS1007の処理は、経路案内部107による経路案内のバックグラウンドで行われても良い。
【0141】
以上のように、本実施形態に係る経路案内システム1では、サーバ装置20で探索された経路に対応するノード情報及びリンク情報のうち、電子装置10に記憶されていないノード情報及びリンク情報を、当該電子装置10に追加する更新を行うことができる。これにより、本実施形態に係る経路案内システム1では、ユーザは、電子装置10のネットワークデータ記憶部120を、例えば、CDやDVD、USBメモリ等の記録媒体を用いて手動で更新する必要がなくなる。
【0142】
なお、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 経路案内システム
10 電子装置
20 サーバ装置
100 クライアントプログラム
101 通信部
102 入力受付部
103 表示制御部
104 条件設定部
105 経路探索部
106 差分特定部
107 経路案内部
110 地図データ記憶部
120 ネットワークデータ記憶部
130 案内情報記憶部
200 サーバプログラム
201 通信部
202 経路探索部
203 取得部
210 地図データ記憶部
220 ネットワークデータ記憶部
230 案内情報記憶部