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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ヒータおよびこれを備えた加熱具
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20220825BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220825BHJP
【FI】
H05B3/10 A
A24F40/46
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020545957
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 JP2019034843
(87)【国際公開番号】W WO2020054554
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2018169930
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】津川 昭
(72)【発明者】
【氏名】長野 良紀
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/193958(WO,A1)
【文献】特開2004-259610(JP,A)
【文献】特開平07-190360(JP,A)
【文献】特開2001-068254(JP,A)
【文献】特開2014-241190(JP,A)
【文献】特開2003-022889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/10
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の第1部材と、
該第1部材の内部または表面に位置する発熱抵抗体と、
前記第1部材の端面に接合されており前記第1部材よりも熱伝導率が低い第2部材とを有し
前記第1部材がアルミナを有しており、前記第2部材がジルコニアを有していることを特徴とするヒータ。
【請求項2】
前記第2部材が先端に向かって細くなる形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材とがガラス材料により接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記第1部材と前記第2部材とがガラス材料により接合されているとともに、前記第1部材と前記第2部材の外周面が前記ガラス材料で覆われていることを特徴とする請求項に記載のヒータ。
【請求項5】
記第1部材が端面に凸部を有し、前記第2部材が端面に凹部を有するとともに、前記凸部が前記凹部に挿入されていること特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
【請求項6】
前記第2部材が端面に凸部を有し、前記第1部材が端面に凹部を有するとともに、前記凸部が前記凹部に挿入されていること特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
【請求項7】
前記第1部材が筒状であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータ。
【請求項8】
前記第2部材が端面に凸部を有するとともに、前記凸部が前記第1部材の内側に挿入されていることを特徴とする請求項に記載のヒータ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のヒータと、該ヒータを保持するフランジとを備えたことを特徴とする加熱具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば被加熱物に先端部を接触させて、若しくは突き刺して加熱するヒータ、または内部に被加熱物を挿入して加熱する筒状のヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来知られているヒータは、長手方向を有する絶縁性の基体と、基体に埋設された発熱抵抗体と、発熱抵抗体に電気的に接続された端子とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-135234号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示のヒータは、棒状の第1部材と、該第1部材の内部または表面に位置する発熱抵抗体と、前記第1部材の端面に接合されており前記第1部材よりも熱伝導率が低い第2部材とを有し、前記第1部材がアルミナを有しており、前記第2部材がジルコニアを有している。
【0005】
また本開示の加熱具は、上記のヒータと、該ヒータを保持するフランジとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
図1】本開示のヒータの一例を示す断面図である。
図2】ヒータの別の例を示す断面図である。
図3】ヒータの別の例を示す断面図である。
図4】ヒータの別の例を示す断面図である。
図5】ヒータの別の例を示す断面図である。
図6】ヒータの別の例を示す断面図である。
図7】ヒータの別の例を示す断面図である。
図8】ヒータの別の例を示す断面図である。
図9】ヒータの別の例を示す断面図である。
図10】ヒータの別の例を示す断面図である。
図11】ヒータの別の例を示す断面図である。
図12】本開示のタバコ用加熱具の一例を示す断面図である。
図13】ヒータの別の例を示す斜視図である。
図14】ヒータの別の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、ヒータ10の一例について図面を参照して説明する。本開示のヒータ10は、図1に示すように、第1部材1と、発熱抵抗体2と、第2部材3とを有している。
【0008】
第1部材1は、発熱抵抗体2を保護するための部材である。第1部材1は、棒状の部材である。ここで、棒状の部材とは、長さ方向を有する部材であることを意味しており、第1部材1は、板状または柱状の部材であってもよいし、筒状の部材であってもよい。第1部材1は、絶縁材料からなり、例えば、セラミック材料を有していてもよい。
【0009】
第1部材1の寸法は、例えば第1部材1が板状の場合は、主面の形状が長方形であるときに、長辺の長さを5~20mmに、短辺の長さを1~10mmに、厚さを0.08~1mmにすることができる。また、第1部材1は、端部に被加熱物を挿入しやすいように、先端が細くなっていてもよい。また、第1部材1は、先端または全体が反ってもよい。
【0010】
また、第1部材1が筒状である場合は、長手方向の長さを5~20mmに、内径を8~20mmに、外径を8.5~22mmにすることができる。
【0011】
発熱抵抗体2は、被加熱物を加熱するための部材である。発熱抵抗体2は、例えば第1部材1の表面または内部に設けることができる。発熱抵抗体2は、例えば線状または帯状の部材であってもよい。発熱抵抗体2は、例えば折返し部を有していてもよい。発熱抵抗体2は、外部電源に電気的に接続されていてもよい。発熱抵抗体2は、電流が流れることによって発熱し、被加熱物を加熱することができる。発熱抵抗体2は、第1部材1の長手方向に沿って設けられていてもよい。
【0012】
発熱抵抗体2は、例えばタングステン、モリブデン、クロム、これらの炭化物または金、銀、パラジウム、白金等の金属からなる。また、発熱抵抗体2は、金属以外の成分として、アルミナまたは窒化ケイ素等を有していてもよい。発熱抵抗体2の寸法は、例えば長さが5~50mm、幅が0.2~2mm、厚さが0.005~0.1mmである。
【0013】
発熱抵抗体2は、第1部材1の先端から後端まで設けられていてもよい。また、図13および図14に示すように、発熱抵抗体2は、引き出し部5および導線7に接続されていてもよい。このときに、引き出し部5は、発熱抵抗体2よりも電気抵抗値を小さくすることができる。これにより、引き出し部5における発熱を低減することができる。
【0014】
本開示のヒータ10においては、図1に示すように、第1部材1の端面に接合されており第1部材1よりも熱伝導率が低い第2部材3を有している。これにより、ヒータ10の先端温度を下げつつ、第1部材1の端面を第2部材3によって保護することができる。その結果、ヒータ10を被加熱物に突き刺したときに、被加熱物の奥まで高温になるおそれを低減しつつ、ヒータ10の耐久性を高めることができる。
【0015】
第2部材3は、第1部材1の端面に接合されており、これにより、ヒータ10の先端の強度を高めることができる。第2部材3は、例えば板状、円錐状、円錐台状または円柱状であってもよく、これらの形状を組み合わせたものであってもよい。図1に示す例では、第2部材3は、円柱状である。第2部材3は、例えばジルコニアまたはアルミナ等のセラミック部材であってもよい。第1部材1よりも熱伝導率が低い第2部材3の例としては、例えば、第1部材1がアルミナのときは、第2部材3をジルコニアに、第1部材1が窒化アルミニウムのときは、第2部材3を窒化珪素に、することができる。
【0016】
また、第1部材1がアルミナを有しており、第2部材3がジルコニアを有していてもよい。これにより、ヒータ10先端の第2部材3が弾性の高い部材であるため、ヒータ10を被加熱物に突き刺したときに、第2部材3が破損するおそれを低減することができる。
【0017】
また、図2に示すように、第2部材3が先端に向かって細くなる形状を有していてもよい。これにより、被加熱物をヒータ10の先端に突き刺しやすくすることができる。図2に示す例では、第2部材3は、円錐状である。
【0018】
また、第2部材3が先端に向かって細くなる形状としては、図3に示すように、円柱部分と円錐部分とが組み合わされた形状であってもよい。図3に示す例では、円柱部分の底面が、第1部材1の端面と同径の円形状であり、円錐部分の底面も同径の円形状である。本例の第2部材3の形状は、図2に示す形状に比べて、第2部材3の体積を大きくすることができる。熱伝導率が低い第2部材3の体積を大きくすることで、ヒータ10の先端温度をさらに下げつつ、第1部材1の端面を第2部材3によって保護することができる。
【0019】
上記のような第2部材3が先細状の場合、先端部分は曲面状(R状)であってもよい。これにより、ヒータ10を被加熱物に突き刺したときに、第2部材3の先端部分が破損するおそれを低減することができる。
【0020】
また、図4に示すように、第1部材1と第2部材3とがガラス材料4により接合されていてもよい。これにより、第1部材1と第2部材3との接合の強度を高めることができる。また、図13および図14に示すように、第1部材1は円柱状の部材であって、第1部材1の端面の形状は円形状であって、第2部材3のうち第1部材1に接合する面の形状も円形状であってもよい。この場合は、ガラス接合の接合面積を広くすることができるため、ヒータ10の強度をより高めることができる。
【0021】
また、図5に示すように、第1部材1と第2部材3とがガラス材料4により接合されているとともに、第1部材1と第2部材3の外周面がガラス材料4で覆われていてもよい。これにより、ヒータ10を被加熱物に突き刺したときに、ヒータ10の表面に被加熱物が付着するおそれを低減することができる。その結果、被加熱物が付着した部位におけるヒータ10の腐食を低減し、ヒータ10が破損するおそれを低減することができる。その結果、ヒータ10の耐久性を高めることができる。なお、ヒータ10は、第1部材1の外周面の一部または全部と第2部材3の外周面の一部または全部とがガラス材料4で覆われていてもよい。また、ヒータ10は、第1部材1の外周面の一部または全部がガラス材料4で覆われていて、第2部材3の外周面はガラス材料4で覆われていなくてもよく、第2部材3の外周面の一部または全部がガラス材料4で覆われていて、第1部材1の外周面はガラス材料4で覆われていなくてもよい。
【0022】
また、図6に示すように、第1部材1が端面に凸部11を有し、第2部材3が端面に凹部31を有するとともに、凸部11が凹部31に挿入されていてもよい。これにより、第1部材1が第2部材3に嵌めあわされるため、第1部材1から第2部材3が剥離するおそれを低減することができる。その結果、ヒータ10の耐久性を高めることができる。
【0023】
また、図7に示すように、第2部材3が端面に凸部32を有し、第1部材1が端面に凹部12を有するとともに、凸部32が凹部12に挿入されていてもよい。これにより、第2部材3が第1部材1に嵌めあわされるため、第1部材1から第2部材3が剥離するおそれを低減することができる。その結果、ヒータ10の耐久性を高めることができる。
【0024】
また、図8に示すように、第2部材3が端面に凹部31を有するとともに、第1部材の端面を平坦面としてもよい。これにより、凹部31内が空間となり、第1部材1から第2部材3への熱伝導性を低下させて、ヒータ10の先端温度を下げることができる。
【0025】
また、図9に示すように、第1部材1が端面に凹部12を有するとともに、第2部材の端面を平坦面としてもよい。これにより、凹部12内が空間となり、第1部材1から第2部材3への熱伝導性を低下させて、ヒータ10の先端温度を下げることができる。
【0026】
前述のように、第1部材1と第2部材3とをガラス材料4で接合する場合、凹部31および凹部12内にガラス材料4が入り込んでいてもよい。
【0027】
また、図10に示すように、第1部材1が筒状であってもよい。これにより、ヒータ10の熱容量を減らすことができる。そのため、被加熱物に熱を伝えやすくすることができる。その結果、被加熱物の加熱の速度を高めることができる。
【0028】
また、図11に示すように、第2部材3が端面に凸部32を有するとともに、凸部32が、筒状の第1部材1の内側に挿入されていてもよい。これにより、ヒータ10の熱容量を減らしつつ、第1部材1と第2部材3との接合強度を高めることができる。
【0029】
また、本開示の一例のタバコ用加熱具100は、図12に示すように、ヒータ10と、ヒータ10を保持するフランジ6とを備えている。これにより、タバコの吸い口近傍が過昇温するおそれを低減しつつ、タバコ用加熱具の耐久性を高めることができる。なお、図12に示すタバコ用加熱具100は、図11に示したヒータ10を備える構成であるが、本開示のタバコ用加熱具100は、前述の図1~10に示した、いずれのヒータ10を備える構成であってもよい。
【0030】
本開示は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0031】
1:第1部材
11:凸部
12:凹部
2:発熱抵抗体
3:第2部材
31:凹部
32:凸部
4:ガラス材料
5:引き出し部
6:フランジ
7:導線
10:ヒータ
100:タバコ用加熱具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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