(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】流体収集デバイス、及び関連のシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 5/451 20060101AFI20220825BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20220825BHJP
A61F 5/455 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
A61F5/451 V
A61F5/453
A61F5/455
(21)【出願番号】P 2020560915
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(86)【国際出願番号】 US2019029609
(87)【国際公開番号】W WO2019212950
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-12-23
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518427339
【氏名又は名称】ピュアウィック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】PureWick Corporation
【住所又は居所原語表記】2030 Gillespie Way, Suite 109, El Cajon, CA 92020, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒュエット ジェームズ デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】レーム エリック
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0266031(US,A1)
【文献】実開平02-131422(JP,U)
【文献】実開平4-51924(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第610638(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0189225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/451
A61F 5/453
A61F 5/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアであって、前記流体不浸透性のバリアは、また、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、前記開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている、流体不浸透性のバリアと;
入口部および出口部を画定し、前記入口部と前記出口部との間に延在しているチャネルであって、前記出口部は、前記入口部から下流に位置決めされており、前記入口部は、ガス供給源と流体連通しているように構成されており、前記出口部は、流体貯蔵コンテナと流体連通しているように構成されており、前記チャネルは、前記チャネルの内部が前記チャンバーと流体連通していることを可能にする少なくとも1つのアパーチャーまたは通路を画定している、チャネルと
を含
み、前記チャネルは、その中に配設されている少なくとも1つの吸引デバイスを含み、前記吸引デバイスは、最小直径を有する狭くなったセクションと、吸引方向に沿って前記最小直径から直ぐ下流の膨張したセクションとを含み、
前記チャネルの前記少なくとも1つのアパーチャーまたは通路は、前記最小直径に隣接して、または、前記狭くなったセクションに近接して、前記狭くなったセクションから下流に配設されており、
前記チャネルは、前記チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されている、または、前記チャネルは、前記チャンバーの中に少なくとも部分的に配設され、前記通路と流体連通している導管に直接的に取り付けられている、もしくは、導管と一体的に形成されている、の少なくとも一つであることを特徴とする、流体収集デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の流体収集デバイスであって、
前記チャンバーの中に配設されている流体浸透性のサポートと;
前記流体浸透性のサポートの上に配設されている流体浸透性の膜であって、前記流体浸透性の膜は、前記開口部の少なくとも一部分を横切って延在してカバーしており、前記開口部は、前記女性の尿道に隣接して位置決めされるように構成されている、流体浸透性の膜と
をさらに含むことを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流体収集デバイスであって、流体をその中に保持するように構成されている前記チャンバーの中に配設されている少なくとも1つのリザーバーをさらに含み、前記チャネルの前記少なくとも1つのアパーチャーまたは通路は、前記少なくとも1つのリザーバーの中にまたは前記少なくとも1つのリザーバーに隣接して配設されていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の流体収集デバイスであって、前記リザーバーは、前記チャンバーの実質的に占有されていない部分であり、前記リザーバーは、前記チャンバーの端部に位置付けされていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記チャネルは、前記チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記チャネルは、
導管に直接的に取り付けられている、または、導管と一体的に形成されていることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の流体収集デバイスであって、
前記導管は、前記チャネルの内部が前記チャンバーと流体連通していることを可能にする少なくとも1つの進入口を画定
し、前記導管は、前記チャンバーから前記チャネルの前記少なくとも1つのアパーチャーまたは通路へ延在していることを特徴とする流体収集デバイス。
【請求項8】
ガス供給源と;
前記ガス供給源から下流に位置決めされている流体貯蔵コンテナであって、前記流体貯蔵コンテナは、流体を保持するように構成されている、流体貯蔵コンテナと;
請求項1から
7のいずれか1項に記載の流体収集デバイスであって、前記流体収集デバイスは、前記ガス供給源から下流に、および、前記流体貯蔵コンテナから上流に位置決めされており、前記入口部は、前記ガス供給源と流体連通しており、前記出口部は、前記流体貯蔵コンテナと流体連通している、流体収集デバイスと
を含むことを特徴とする、流体収集システム。
【請求項9】
請求項
8に記載のシステムであって、前記流体収集デバイスは、その中に前記流体を保持するように構成されている前記チャンバーの中に配設されている少なくとも1つのリザーバーを含み、前記チャネルは、前記リザーバーと流体連通していることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項
8または
9に記載のシステムであって、前記流体収集デバイスは、少なくとも1つの第1のチューブを介して前記ガス供給源と流体連通しており、少なくとも1つの第2のチューブを介して前記流体収集デバイスと流体連通していることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月1日に出願された米国仮出願第62/665,331号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
人は、典型的な排尿プロセスが困難であるかまたは不可能であるように、運動制限または運動障害を有する場合がある。たとえば、人は、可動性を損なう外科手術または身体障害を有する場合がある。別の例では、人は、たとえば、パイロット、ドライバー、および、危険エリアでの作業者によって経験されるものなど、制限された移動条件を有する場合がある。追加的に、人からの流体収集は、モニタリング目的または臨床試験のために必要とされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2017/0189225号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0374848号明細書
【文献】米国特許第6117163号明細書
【文献】米国特許第6123398号明細書
【文献】米国特許第8211063号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0610638号明細書
【文献】中国特許出願公開第107847384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベッドパンおよび尿道カテーテル(たとえば、Foleyカテーテルなど)が、これらの状況のうちのいくつかに対処するために使用され得る。しかし、ベッドパンおよび尿道カテーテルは、それに関連付けられるいくつかの問題を有している。たとえば、ベッドパンは、不快感、こぼれ、および他の衛生上の問題を起こしやすい可能性がある。尿道カテーテルは、不快であり、痛みを伴う可能性があり、尿路感染症を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、流体収集デバイスのユーザーおよび製造業者は、尿を収集するための新しい改善されたデバイス、システム、および方法を探し続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示されている実施形態は、流体収集デバイスを使用するデバイス、システム、および方法に関する。ある実施形態では、流体収集デバイスが開示されている。流体収集デバイスは、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含む。また、流体不浸透性のバリアは、当該バリアを通って延在する開口部を画定している。開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体収集デバイスは、チャネルを含み、チャネルは、入口部および出口部を画定し、入口部と出口部との間に延在している。出口部は、入口部から下流に位置決めされている。入口部は、ガス供給源と流体連通しているように構成されており、出口部は、流体貯蔵コンテナと流体連通しているように構成されている。チャネルは、チャネルの内部がチャンバーと流体連通していることを可能にする少なくとも1つのアパーチャーを画定している。
【0007】
ある実施形態では、流体収集システムが開示されている。流体収集システムは、ガス供給源と、ガス供給源から下流に位置決めされている流体貯蔵コンテナとを含む。流体貯蔵コンテナは、流体を保持するように構成されている。また、流体収集システムは、流体収集デバイスを含み、流体収集デバイスは、ガス供給源および流体貯蔵コンテナから間隔を置いて配置されている。流体収集デバイスは、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含む。また、流体不浸透性のバリアは、当該バリアを通って延在する開口部を画定している。開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体収集デバイスは、チャネルを含み、チャネルは、入口部および出口部を画定し、入口部と出口部との間に延在している。出口部は、入口部から下流に位置決めされている。入口部は、ガス供給源と流体連通しているように構成されており、出口部は、流体貯蔵コンテナと流体連通しているように構成されている。チャネルは、チャネルの内部がチャンバーと流体連通していることを可能にする少なくとも1つのアパーチャーを画定している。
【0008】
ある実施形態では、流体を収集する方法が開示されている。この方法は、女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップを含む。開口部は、流体収集デバイスの流体不浸透性のバリアによって画定されている。また、この方法は、女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップを含む。流体収集デバイスのチャンバーは、流体不浸透性のバリアによって少なくとも部分的に画定されている。またこの方法は、流体収集デバイスのチャネルの入口部から出口部へガスを流すステップをさらに含み、それは、チャネルの中に形成された少なくとも1つのアパーチャーを介してチャンバーからチャネルの中へ流体を吸引するのに効果的であり、また、少なくとも1つのアパーチャーを介してチャネルに進入する流体を出口部に向けて押すのに効果的である。チャネルは、入口部から出口部へ延在している。
【0009】
開示されている実施形態のいずれかからの特徴は、限定することなく互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することを通して、当業者に明らかになることとなる。
【0010】
図面は、本開示のいくつかの実施形態を図示しており、同一の参照番号は、異なる図の中のまたは図面に示されている実施形態の中の同一または同様のエレメントまたは特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態による、流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図2】実施形態による、そのチャネルの中へ流体をアクティブに引き入れるように構成されている流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図3】実施形態による、複数のアパーチャーおよび/または吸引デバイスを有するチャネルを含む流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図4】実施形態による、流体収集デバイスのチャンバーから間隔を置いて配置されているチャネルを含む流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図5A】実施形態による、男性用流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図5B】実施形態による、男性用流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図5C】実施形態による、男性用流体収集デバイスの概略断面図である。
【
図6A】実施形態による流体収集システムの概略図である。
【
図6B】実施形態による流体収集システムの概略図である。
【
図7】実施形態による、本明細書で開示されている流体収集デバイスおよび/または流体収集システムのいずれかを使用する方法のフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で開示されている実施形態は、デバイス、システム、ならびに、流体収集デバイスを使用する方法に関する。ある実施形態では、流体収集デバイスは、チャンバーを少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリアを含む。また、流体不浸透性のバリアは、当該バリアを通って延在する開口部を画定しており、開口部は、女性の尿道に隣接して位置決めされるか、または、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体収集デバイスは、その入口部と出口部との間に延在するチャネルを含む。入口部は、ガス供給源と流体連通している(たとえば、流体的に連結されている)ように構成されている。入口部は、ガス供給源と直接的に流体連通している(たとえば、直接的に取り付けられている)か、または、ガス供給源と(たとえば、少なくとも1つのチューブを介して)間接的に流体連通していることが可能である。出口部は、流体貯蔵コンテナと流体連通しているように構成されている。出口部は、流体貯蔵コンテナに直接的に流体連通しているかまたは(たとえば、少なくとも1つのチューブを介して)間接的に流体連通していることが可能である。出口部は、入口部から下流に位置決めされている。また、チャネルは、少なくとも1つのアパーチャーをその中に画定しており、少なくとも1つのアパーチャーは、チャネルの内部がチャンバーの残りの部分と流体連通していることを可能にする。
【0013】
本明細書で開示されている流体収集デバイスは、人から流体を収集するように構成されている。流体収集デバイスによって収集される流体は、尿を含むことが可能である。流体収集デバイスによって収集される流体は、また、膣分泌液、陰茎分泌液、生殖液、血液、汗、または他の体液のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0014】
本明細書で開示されている流体収集デバイスは、流体収集システムの中で使用されるように構成されている。本明細書で開示されている流体収集システムは、ガス供給源を含む。ガス供給源を含むシステムは、いくつかの実施形態では、真空供給源を含むシステムに関連付けられるいくつかの問題を解決することが可能である。たとえば、真空供給源を含むシステムは、真空供給源に向けて流体を引き出し、流体が真空供給源に到達することができる前に、流体貯蔵コンテナの中に流体のほとんどを堆積させる。しかし、少量の流体(たとえば、流体からの蒸気)が依然として真空供給源に到達する可能性があり、それは、真空供給源を汚染および/または損傷させる(たとえば、錆びさせる)可能性がある。追加的に、流体貯蔵コンテナが実質的に満杯のときには、大量の流体が真空供給源に到達する可能性がある。しかし、ガス供給源を含むシステムは、ガス供給源から離れるように流体を移動させ、それによって、汚染および/または損傷を防止する。別の実施形態では、真空供給源を含むシステムは、利用可能な真空供給源を含まない環境で使用されることができない(たとえば、環境は、真空供給源を含まないか、または、真空供給源が既に使用されている)。そうであるので、ガス供給源を含むシステムは、利用可能な真空供給源を含まない環境で使用され得る。
【0015】
図1は、実施形態による流体収集デバイス100の概略断面図である。流体収集デバイス100は、女性用流体収集デバイス100の例であり、女性用流体収集デバイス100は、女性から流体を受け入れるように構成されている。流体収集デバイス100は、流体不浸透性のバリア102を含む。流体不浸透性のバリア102は、チャンバー104および開口部106を少なくとも部分的に画定している。開口部106は、流体不浸透性のバリア102を通って延在しており、それによって、流体がチャンバー104に進入することを可能にする。開口部106は、女性の尿道に隣接して位置決めされるように構成され得る。また、流体収集デバイス100は、チャネル108を含み、チャネル108は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されている。チャネル108(たとえば、チューブまたは導管)は、入口部110と、入口部110から下流に位置決めされている出口部112と含む。入口部110は、ガス供給源(図示せず)と流体連通しているように構成されており、出口部112は、流体貯蔵コンテナ(図示せず)と流体連通しているように構成されている。チャネル108は、少なくとも1つのアパーチャー114を画定しており、少なくとも1つのアパーチャー114は、チャネル108の内部116がチャンバー104と流体連通していることを可能にする。図示されている実施形態では、チャネル108は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されており、アパーチャー114は、チャンバー104の中に配設されている。
【0016】
流体収集デバイス100は、開口部106を介してチャンバー104の中へ流体を受け入れるように構成されている。たとえば、開口部106は、細長い形状を示すことが可能であり、細長い形状は、尿道開口部の下方の第1の場所(たとえば、肛門もしくは膣口またはその近く)から尿道開口部の上方の第2の場所(たとえば、陰核もしくは陰毛またはその近く)へ延在するように構成されている。開口部106は、女性の脚が閉じられているときに女性の脚同士の間のスペースが比較的に小さいので、細長い形状を示すことが可能であり、それによって、開口部106の細長い形状に対応する経路のみに沿った流体の流れを可能にする。開口部106は、長手方向に対して横断方向に測定される幅を示すことが可能であり、それは、流体収集デバイス100の周囲部の少なくとも約10%であり、たとえば、流体収集デバイス100の周囲部の約25%から約50%、約40%から約60%、約50%から約75%、約65%から約85%、または、約75%から約100%などである。開口部106は、流体収集デバイス100の周囲部の50%よりも大きい幅を示すことが可能である。その理由は、チャネル108を通るガス(たとえば、大気、窒素、酸素など)の継続的なフローが、チャネル108の中へ流体を引き入れるからである。いくつかの実施形態では、開口部106は、垂直方向に配向され得る(たとえば、デバイス100の長手方向軸線に対して概して平行の主軸線を有している)。いくつかの実施形態では(図示せず)、開口部106は、水平方向に配向され得る(たとえば、デバイス100の長手方向軸線に対して垂直の主軸線を有している)。ある例では、流体不浸透性のバリア102は、たとえば、人に接着剤によって(たとえば、ヒドロゲル接着剤によって)取り付けられるなど、人に取り付けられるように構成され得る。ある実施形態によれば、適切な接着剤は、米国特許出願公開第2017/0189225号に開示されているものなどのような、ヒドロゲル層であり、その文献の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0017】
また、流体不浸透性のバリア102は、チャンバー104の中に流体を一時的に貯蔵するように構成されている。たとえば、流体不浸透性のバリア102は、流体不浸透性のポリマー(たとえば、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど)、金属フィルム、別の適切な材料、または、それらの組み合わせなどのような、任意の適切な流体不浸透性の材料から形成され得る。そうであるので、流体不浸透性のバリア102は、開口部106から間隔を置いて配置されているチャンバー104の部分を流体が退出することを実質的に防止する。ある実施形態では、流体不浸透性のバリア102は、空気浸透性および流体不浸透性になっていることが可能である。そのような実施形態では、流体不浸透性のバリア102は、複数の細孔を画定する疎水性の材料から形成され得る。ある例では、流体不浸透性のバリア102の外側表面の1つまたは複数の部分は、軟質のおよび/または滑らかな材料から形成され得り、それによって、擦傷を低減させる。
【0018】
流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されている流体浸透性の膜118を含むことが可能である。流体浸透性の膜118は、開口部106の少なくとも一部分(たとえば、すべて)をカバーすることが可能である。流体浸透性の膜118は、開口部106から離れるように任意の流体を吸い上げるように構成され得り、それによって、流体がチャンバー104から逃げることを防止する。また、流体浸透性の膜118は、より詳細に下記に議論されることとなるように、一般的にチャンバー104の内部に向けて流体を吸い上げることが可能である。流体浸透性の膜118は、流体を吸い上げることができる任意の材料を含むことが可能である。たとえば、流体浸透性の膜118は、ファブリック、たとえば、ガーゼ(たとえば、シルク、リネン、またはコットンガーゼ)、別の軟質のファブリック、または別の滑らかなファブリックなどを含むことが可能である。本明細書で言及されている浸透性の特性は、ウィッキング(wicking、毛管作用)、毛細管作用、拡散、または、他の同様の特性もしくはプロセスであることが可能であり、本明細書で「浸透性の」および/または「ウィッキング」と称され得る。そのような「ウィッキング」は、浸透性の材料の中への吸収を含まない場合がある。ガーゼ、軟質のファブリック、および/または滑らかなファブリックから流体浸透性の膜118を形成することは、流体収集デバイス100によって引き起こされる擦傷を低減させることが可能である。
【0019】
流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されている流体浸透性のサポート120を含むことが可能である。流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118を支持するように構成されている。その理由は、流体浸透性の膜118が、折り畳み可能な、薄い、または他の方法で容易に変形可能な材料から形成され得るからである。たとえば、流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118が流体浸透性のサポート120と流体不浸透性のバリア102との間に配設されるように位置決めされ得る。そうであるので、流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118の位置を支持および維持することが可能である。流体浸透性のサポート120は、流体浸透性の膜118よりも変形しにくい任意の流体浸透性の材料から形成され得る。たとえば、流体浸透性のサポート120は、多孔性のナイロン構造体を含むことが可能である。ある実施形態では、流体浸透性のサポート120は、流体収集デバイス100から省略され得る。
【0020】
ある実施形態では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120は、チャネル108によって占有されていないチャンバー104の部分を少なくとも実質的に完全に充填することが可能である。別の実施形態では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120は、チャネル108によって占有されていないチャンバー104の部分を実質的に完全に充填しているとは限らない。そのような実施形態では、流体収集デバイス100は、チャンバー104の中に配設されているリザーバー122を含むことが可能である。リザーバー122は、流体浸透性のサポート120と流体不浸透性のバリア102との間に画定されているチャンバー104の実質的に占有されていない部分である。チャンバー104の中にある流体は、流体浸透性の膜118および/または流体浸透性のサポート120を通ってリザーバー122へ流れることが可能である。リザーバー122は、流体の少なくともいくらかをその中に貯蔵することが可能である。
【0021】
ある例では、リザーバー122は、入口部110に最も近いチャンバー104の端部に位置付けされ得る。しかし、リザーバー122は、チャンバー104の中の異なる場所に位置付けされ得る。たとえば、リザーバー122は、出口部112に最も近いチャンバー104の端部に位置付けされ得る。別の例では、流体収集デバイス100は、複数のリザーバー、たとえば、入口部110に最も近いチャンバー104の端部に位置付けされている第1のリザーバー、および、出口部112に最も近いチャンバー104の端部に位置付けされている第2のリザーバーなどを含むことが可能である。別の例では、流体浸透性のサポート120は、チャネル108の少なくとも一部分から間隔を置いて配置されており、リザーバー122は、流体浸透性のサポート120とチャネル108との間のスペースであることが可能である。
【0022】
流体不浸透性のバリア、流体浸透性の膜、流体浸透性のサポート、およびチャンバーの他の例は、2016年9月8日に出願された米国特許出願第15/260,103号に開示されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0023】
流体不浸透性のバリア102、流体浸透性の膜118、および流体浸透性のサポート120は、チャンバー104の中に少なくとも部分的に配設されているチャネル108を有するように構成され得る。ある例では、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120のうちの少なくとも1つは、チャネル108を収容するスペースを形成するように構成され得る。ある例では、流体不浸透性のバリア102は、第1のアパーチャー124および第2のアパーチャー126を画定することが可能である。第1および第2のアパーチャー124、126は、それを通って延在するチャネル108、または、それを通って延在する少なくとも1つのチューブ(図示せず)を有するようにサイズ決めされ得る。入口部110または出口部112がチャンバー104の中に配設されているときには、少なくとも1つのチューブは、入口部110および/または出口部112に連結されるように構成され得る。第1および第2のアパーチャー124、126は、チャネル108または少なくとも1つのチューブに対して少なくとも実質的に流体密封のシールを形成するように構成され得り、それによって、流体がチャンバー104から逃げることを実質的に防止する。
【0024】
先に議論されているように、チャネル108は、ガス供給源および流体貯蔵コンテナに連結されるように、ならびに、ガス供給源と流体貯蔵コンテナとの間に少なくとも部分的に延在するように構成されている。ある例では、チャネル108は、ガス供給源または流体貯蔵コンテナのうちの少なくとも1つに直接的に接続されるように構成されている。そのような例では、チャネル108は、少なくとも1フィート(30.48cm)、少なくとも2フィート(60.96cm)、少なくとも3フィート(91.44cm)、または少なくとも6フィート(182.88cm)だけ、流体不浸透性のバリア102から延在することが可能である。ある例では、チャネル108は、チャネル108とは個別のおよび別個の少なくとも1つのチューブによって、ガス供給源または流体貯蔵コンテナのうちの少なくとも1つに間接的に接続されるように構成されている。いくつかの実施形態では、チャネル108の一部分、および/または、チャネル108に接続されているチューブは、カテーテル固定デバイスによって着用者の皮膚に固定され、カテーテル固定デバイスは、それに限定されないが、米国特許第6,117,163号;米国特許第6,123,398号;および米国特許第8,211,063号に開示されているものを含む、たとえば、C.R.Bard、Inc.から入手可能なSTATLOCK(登録商標)カテーテル固定デバイスなどであり、それらの文献の開示は、すべて、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0025】
入口部110および出口部112は、ガス供給源および流体貯蔵コンテナに(たとえば、直接的にまたは間接的に)接続するように構成されている。ある例では、入口部110および/または出口部112は、オス型コネクターを形成することが可能である。別の例では、入口部110および/または出口部112は、メス型コネクターを形成することが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、しっかりとした連結を促進させるように構成されているリブを含むことが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、テーパー付きの形状を形成することが可能である。いくつかの例では、チャネル108は、たとえば、チャネル108が可撓性になることを可能にする直径または壁部厚さの1つまたは複数を有することなどによって、弾性になっている1つまたは複数の部分を含むことが可能である。ある例では、入口部110および/または出口部112は、リジッドの材料または可撓性の材料を含むことが可能である。
【0026】
先に議論されているように、チャネル108は、少なくとも1つのアパーチャー114を含む。ある実施形態では、少なくとも1つのアパーチャー114は、単一のアパーチャー114を含む。そのような実施形態では、アパーチャー114は、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに位置付けされ得る。たとえば、図示されているように、単一のアパーチャー114は、少なくとも1つのリザーバー122の中にもしくはそれに隣接して、入口部110にもしくはその近くに、または、出口部112にもしくはその近くに配設されている。チャンバー104の重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに単一のアパーチャー114を位置付けすることは、単一のアパーチャー114が他のどこかに位置付けされた場合よりも流体の多くを単一のアパーチャー114が受け入れることを可能にし、滞留(たとえば、流体の滞留は、微生物増殖および悪臭を引き起こす可能性がある)の可能性を低減させる。たとえば、流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120の中の流体は、毛細管力に起因して任意の方向に流れることが可能である。しかし、特に、流体浸透性の膜118および/または流体浸透性のサポート120の少なくとも一部分が流体によって飽和しているときには、流体は、重力の方向に流れる優先傾向を示す可能性がある。
【0027】
ある例では、少なくとも1つのアパーチャー114は、複数のアパーチャー114を含む(
図3を参照)。そのような例では、複数のアパーチャー114のうちの少なくとも1つは、上記に議論されている単一のアパーチャー114と実質的に同じ理由のために、重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに位置付けされている。ある例では、残りのアパーチャー114のうちの少なくとも1つは、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに位置付けされ得り、それによって、流体がそこから除去され得る速度を増加させる。別の例では、残りのアパーチャー114のうちの少なくとも1つは、たとえば、流体浸透性の膜118または流体浸透性のサポート120の部分に隣接して、チャンバー104の重量測定法的に低いポイントから間隔を置いて配置され得る。そのような場合では、流体浸透性の膜118または流体浸透性のサポート120に隣接しているアパーチャー114は、流体浸透性の膜118または流体浸透性のサポート120から直接的に流体を受け入れることが可能であり、それによって、流体の停滞を低減させる(たとえば、流体の停滞は、微生物増殖および悪臭を引き起こす可能性がある)。
【0028】
ガス供給源からのガスは、(矢印によって示されているように)チャネル108の入口部110から出口部112へ流れるように構成されている。チャネル108を通るガスのフローは、チャネル108に進入する任意の流体が出口部112に向けて流れることを引き起こす。アパーチャー114は、それを通って流れるガスの量を制限するように構成され得る。たとえば、アパーチャー114は、ガスのフローに対して鋭角に1つもしくは複数の壁部128を通って延在することが可能であり、または、逆止バルブを含むことが可能である。
【0029】
ある例では、チャネル108は、チャンバー104の中へ少なくとも挿入可能であるように構成されている。そのような例では、チャネル108は、チャンバー104の中へのチャネル108の挿入を促進させるように構成されている1つまたは複数のマーカー(図示せず)をその外部の上に含むことが可能である。たとえば、チャネル108は、たとえば、リザーバー122の中にまたはリザーバー122に隣接して配設されるように構成されているアパーチャー114をチャネル108が画定しているときなどに、チャネル108の過剰挿入または過少挿入を防止するように構成されている1つまたは複数のマーキングをその上に含むことが可能である。別の例では、チャネル108は、チャンバー104に対するチャネル108の正しい回転を促進させるように構成されている1つまたは複数のマーキングをその上に含むことが可能である。ある例では、1つまたは複数のマーキングは、ライン、ドット、ステッカー、または、任意の他の適切なマーキングを含むことが可能である。さらに、流体不浸透性のバリア102は、着用者の上にデバイス100を整合させる際にユーザーを支援するための1つまたは複数のマーキングなどのような、マーキングをその上に含むことが可能である。たとえば、流体不浸透性のバリア102(たとえば、開口部106の反対側)の上のラインは、医療従事者が着用者の尿道の上に開口部106を整合させることを可能にすることができる。いくつかの例では、マーキングは、ストライプまたはハッシュなどのような、アライメントガイドまたは配向インジケーターのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。そのようなマーキングは、恥骨などのような1つまたは複数の解剖学的特徴にデバイス100を整合させるように位置決めされ得る。
【0030】
ある例では、流体収集デバイス100の1つまたは複数のコンポーネントは、流体収集デバイスが着用者にまたは着用者の体液に接触する可能性がある、流体収集デバイスの任意の表面の上の制菌性材料などのような抗菌性材料を含むことが可能である。抗菌性材料は、ニトロフラゾンコーティングまたは銀コーティングなどのような、抗菌性コーティングを含むことが可能である。抗菌性材料は、体液の滞留または停滞に起因する微生物増殖などのような、微生物増殖を阻止することが可能である。いくつかの例では、流体収集デバイス100の1つまたは複数のコンポーネント(たとえば、不浸透性のバリア102、チャネル108など)は、シクロデキストリンを含有する材料または熱可塑性エラストマー(TPE)ポリマーなどのような、臭気遮断または吸収材料を含むことが可能である。
【0031】
図1の流体収集デバイス100は、流体をチャネル108の中へ引き入れるために吸引を使用しない。その代わりに、流体収集デバイス100は、流体をチャネル108の中へ引き入れるために、重力、毛細管反応などに依存する。しかし、本明細書で開示されている流体収集デバイスは、流体をそのチャネルの中へ引き入れるために吸引を使用するように構成され得る。
図2は、実施形態による、流体をそのチャネル208の中へアクティブに引き入れるように構成されている流体収集デバイス200の概略断面図である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、流体収集デバイス200は、本明細書で開示されている流体収集デバイスのいずれかと同じかまたは実質的に同様になっている。たとえば、流体収集デバイス200は、チャンバー204および開口部206を少なくとも部分的に画定する流体不浸透性のバリア202を含むことが可能である。また、流体収集デバイス200は、チャンバー204の中に配設されている流体浸透性の膜118および流体浸透性のサポート120を含むことが可能である。流体収集デバイス200は、チャンバー204の中に少なくとも部分的に配設されているチャネル208をさらに含むことが可能である。
【0032】
チャネル208は、吸引デバイス230(たとえば、ベンチュリー吸引デバイス)を含み、吸引デバイス230は、ガスがチャネル208を通って流れるときに、吸引力を発生させるように構成されている。吸引デバイス230は、狭くなったセクション232を含むことが可能であり、狭くなったセクション232は、膨張したセクション234から上流に位置決めされている。狭くなったセクション232において、チャネル208の内部216の直径は、一般的に、チャネル208の中のガスの流路(矢印によって示されている)に沿って減少している。ある例では、チャネル208の壁部228と一体的に形成されているか、もしくは、チャネル208の壁部228から個別になっている、少なくとも1つの障害物238をチャネル208の中に設置することによって、チャネル208の壁部228の厚さを増加させることによって、または、任意の他の適切な方法を使用することによって、狭くなったセクション232は形成され得る。狭くなったセクション232におけるチャネル208の内部216の直径は、直径が最小直径を示すまで、流路に沿って減少し続ける。吸引デバイス230の膨張したセクション234は、狭くなったセクション232から下流にある。膨張したセクション234におけるチャネル208の内部216の直径は、流路に沿って増加している。ある例では、図示されているように、チャネル208の内部216の直径は、突然に増加することが可能である。別の例では、チャネル208の内部216の直径は、徐々に増加することが可能である。いずれかの例では、真空は、最小直径において、または、最小直径からわずかに下流において生成される。
【0033】
チャネル208は、少なくとも1つのアパーチャー214を含み、少なくとも1つのアパーチャー214は、吸引デバイス230によって生成される真空に隣接して位置決めされている。たとえば、アパーチャー214は、狭くなったセクション232の最小直径の下流側に隣接して、または、狭くなったセクション232に近接してその下流に位置付けされ得る。吸引デバイス230によって発生させられる真空は、チャンバー204の中に吸引力を生成させる。吸引力は、チャンバー204の中に存在している流体のうちのより多くをチャネル208の中へ引き入れることが可能であり、それによって、チャンバー204の中の流体の滞留または停滞を低減させる。
【0034】
先に議論されているように、本明細書で開示されている流体収集デバイスのチャネルは、複数のアパーチャーを含むことが可能である。追加的に、チャネルは、また、複数のアパーチャーのうちの少なくともいくつかに対応する複数の吸引デバイスを含むことが可能である。
図3は、実施形態による、複数のアパーチャー314および/または吸引デバイス330を有するチャネル308を含む流体収集デバイス300の概略断面図である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、流体収集デバイス300は、本明細書で開示されている流体収集デバイスのいずれかと同じかまたは同様になっていることが可能である。たとえば、流体収集デバイス300は、チャンバー304および開口部306を画定する流体不浸透性のバリア302を含むことが可能である。また、流体収集デバイス300は、チャンバー304の中に配設されている流体浸透性の膜318および流体浸透性のサポート320を含むことが可能である。また、チャネル308は、チャンバー304の中に少なくとも部分的に配設され得る。
【0035】
チャネル308は、その中に形成された複数のアパーチャー314を含む。ある例では、複数のアパーチャー314のうちの少なくとも1つは、チャンバー304の重量測定法的に低いポイントにまたはその近くに位置付けされており、たとえば、リザーバー322の中にまたはそれに隣接して配設されている。また、アパーチャー314の残りの部分は、チャンバー304の重量測定法的に低いポイントに、その近くに、および/または、それから間隔を置いて位置付けされ得る。
【0036】
また、チャネル308は、複数の吸引デバイス330を含むことが可能である。吸引デバイス330は、
図2の吸引デバイス230と同じかまたは同様になっていることが可能である。たとえば、吸引デバイス330のそれぞれは、最小直径を有する狭くなったセクション332と膨張したセクション334とを含むことが可能である。吸引デバイス330は、チャネル308の中に配設され得り、アパーチャー314のうちの少なくともいくつか(たとえば、すべて)が、対応する吸引デバイス330の最小直径に隣接または近接して、および、その下流に位置決めされるようになっている。複数の吸引デバイス330は、チャンバー304の中のさまざまな場所からチャネル308の中へ流体を引き入れる吸引力を生成させることが可能である。たとえば、複数の吸引デバイス330は、チャンバー304の中のさまざまな場所から流体を引き入れる吸引力を生成させることが可能であり、それによって、1つの吸引デバイスを有するかまたは吸引デバイスを有さない実質的に同様のチャネルと比較して、チャンバー304の中の滞留または停滞を制限する。
【0037】
図1~
図3は、そのチャンバーの中に少なくとも部分的に配設されているチャネルを含む流体収集デバイスを図示および説明している。しかし、いくつかの実施形態では、チャネルは、流体収集デバイスのチャンバーから間隔を置いて配置され得る。
図4は、実施形態による、流体収集デバイス400のチャンバー404から間隔を置いて配置されているチャネル408を含む流体収集デバイス400の概略断面図である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、流体収集デバイス400は、本明細書で開示されている流体収集デバイスのいずれかと同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。たとえば、流体収集デバイス400は、チャンバー404および開口部406を画定する流体不浸透性のバリア402を含むことが可能である。また、流体収集デバイス400は、チャンバー404の中に配設されている流体浸透性の膜418、流体浸透性のサポート420、およびリザーバー422のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0038】
流体収集デバイス400は、導管440を含み、導管440は、チャンバー404の中に少なくとも部分的に配設されている。導管440は、少なくとも1つの進入口442(たとえば、複数の進入口)および退出口444を画定している。進入口442は、チャンバー404の中に存在している流体のうちの少なくともいくらかが導管440の内部446に進入することを可能にする。ある例では、導管440は、チャンバー404の重量測定法的に低いポイントに、その近くに、または、それから間隔を置いて位置付けされている少なくとも1つの進入口442を有するように構成され得る。ある例では、導管440は、リザーバー422の中にまたはそれに隣接して配設されている少なくとも1つの進入口442を有するように構成され得る。
【0039】
導管440は、チャネル408がチャンバー404と流体連通していることを可能にするように構成され得る。換言すれば、チャネル408は、導管440を介してチャンバー404と間接的に流体連通している。そうであるので、流体不浸透性のバリア402は、アパーチャー424を画定することが可能である。ある例では、図示されているように、アパーチャー424は、導管440がチャンバー404の中に部分的にのみ配設されているときには、導管440がチャンバー404から外向きに延在することを可能にする。別の例では、アパーチャー424は、チューブがチャンバー404の中へ延在することを可能にし、また、導管440がチャンバー404の中に完全に配設されているときには、チューブが導管440に取り付けられることを可能にする。たとえば、導管440は、第1の端部領域(たとえば、アパーチャー424に近接している)から流体不浸透性のバリア402の中へ延在することが可能であり、そして、第2の端部領域(たとえば、第1の端部領域の反対側)へ、リザーバー422に近接するポイントへ延在することが可能であり、少なくとも1つの進入口442がリザーバー422と流体連通しているようになっている。いくつかの実施形態では(図示せず)、導管440は、第2の端部領域に進入することが可能であり、導管440の少なくとも1つの進入口442は、第2の端部領域の中に(たとえば、リザーバー422の中に)配設され得る。
【0040】
チャネル408は、入口部410および出口部412を画定する1つまたは複数の壁部428を含むことが可能である。入口部410は、ガス供給源(図示せず)に連結されるように構成され得り、出口部412は、流体貯蔵コンテナ(図示せず)に連結されるように構成され得り、矢印によって示されている方向にガスがチャネル408を通って流れるようになっている。また、チャネル408は、通路414を含み、通路414は、(示されているように)直接的にまたは(少なくとも1つのチューブを介して)間接的のいずれかで、導管440と流体連通しているように構成されている。ある例では、チャネル408は、通路414を画定する1つまたは複数の通路壁部448を含むことが可能である。1つまたは複数の通路壁部448は、壁部428から外向きに延在することが可能であり、壁部428および通路壁部448が、集合的に概してT字形状を形成することができるようになっている。ある例では、チャネル408は、また、吸引デバイス430を含む。吸引デバイス430は、導管440の中へ流体を引き入れる吸引力を提供することが可能である。ある例では、吸引デバイス430は、チャネル408から省略され得る。
【0041】
先に議論されているように、チャネル408は、導管440と流体連通しているように構成され得る。ある例では、図示されているように、チャネル408および導管440は、互いから個別になっている。そのような例では、チャネル408および導管440は、任意の適切な方法をそれぞれ使用して一緒に取り付けられ得る。たとえば、チャネル408の通路414は、メス型コネクターを形成することが可能であり、導管440の退出口444は、通路414に連結されるように構成されているオス型コネクターを形成することが可能である。別の場合では、通路414は、オス型コネクターを形成することが可能であり、退出口444は、通路414に連結されるように構成されているメス型コネクターを形成することが可能である。別の場合では、通路414は、オス型またはメス型コネクターを含むことが可能であり、退出口444は、オス型またはメス型コネクターを含むことが可能であり、流体収集デバイス400は、少なくとも1つのチューブ(図示せず)を含むことが可能であり、少なくとも1つのチューブは、通路414および退出口444に取り付けられており、通路414と退出口444との間に延在している。別の例では、チャネル408および導管440は、一体的に一緒に形成され得る(たとえば、単一ピース構築体を示す)。
【0042】
図1~
図4に示されている流体収集デバイスは、女性から流体を収集する(たとえば、女性の尿道から尿を収集する)ように構成されている女性用流体収集デバイスの例である。しかし、本明細書で開示されている流体収集デバイスのいずれかは、男性から流体を収集する(たとえば、男性の尿道から尿を収集する)ように構成され得る。
図5Aから
図5Cは、異なる実施形態による、男性用流体収集デバイス500a~cの概略断面図である。
【0043】
図5Aを参照すると、流体収集デバイス500aは、受容部550aおよびカップ部分552aを含む。受容部550aは、男性の尿道を取り囲む皮膚に連結されるように、および、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。たとえば、受容部550aは、環状のベース554を含むことが可能であり、環状のベース554は、孔部556を画定している。環状のベース554は、男性の尿道の周りに位置決めされる(たとえば、陰茎の周りに位置決めされる)ように構成されており、孔部556は、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成され得る。また、環状のベース554は、男性の尿道の周りの皮膚に連結される(たとえば、ヒドロゲル接着剤などによって、接着によって取り付けられる)ように構成され得る。ある例では、環状のベース554は、環状のベース554が連結されるように構成されている皮膚表面の一般的な形状を示すことが可能であり、および/または、可撓性になっていることが可能であり、それによって、環状のベース554が皮膚表面の形状に一致することを可能にする。また、受容部550aは、その中に配設されているカップ部分552aを有するように構成されている中空の領域558を画定している。たとえば、受容部550aは、中空の領域558を部分的に画定する環状のベース554から上向きに延在するフランジ560を含むことが可能である。中空の領域558は、十分に深くなっており、カップ部分552aが中空の領域558から偶発的に除去されそうにないようになっている(たとえば、中空の領域558は、少なくとも1cmの深さがあるか、少なくとも2cmの深さがあるか、または、少なくとも5cmの深さがある)。
【0044】
カップ部分552aは、受容部550aの中空の領域558の中へフィットするようにサイズ決めおよび形状決めされている流体不浸透性のバリア502aを含む。流体不浸透性のバリア502aは、チャンバー504aを部分的に画定している。また、流体不浸透性のバリア502aは、流体不浸透性のバリア502aを通って延在する開口部506aを画定しており、それは、男性の尿道がそれを通して位置決めされた状態にするように構成されている。また、流体不浸透性のバリア502aは、少なくとも1つの孔部562aを画定することが可能であり、少なくとも1つの孔部562aは、チャンバー504aが実質的に大気圧力のままになることを可能にする。また、カップ部分552aは、チャネル508aを含み、チャネル508aは、チャンバー504aの中に少なくとも部分的に配設されている。チャネル508aは、入口部510aおよび出口部512aを含み、入口部510aは、ガス供給源(図示せず)に連通可能に連結されるように構成されており、出口部512aは、流体貯蔵コンテナ(図示せず)に連通可能に連結されるように構成されており、矢印によって示されている方向にガスがチャネル508aを通って流れるようになっている。また、チャネル508aは、少なくとも1つのアパーチャー514aを画定しており、少なくとも1つのアパーチャー514aは、チャネル508aの内部516aがチャンバー504aと流体連通していることを可能にする。たとえば、少なくともアパーチャー514aは、チャンバー504aの中に配設されている。
【0045】
ある例では、チャンバー504aは、男性の陰茎の変化するサイズおよび剛性に起因して、実質的に空になっている可能性がある。しかし、チャンバー504aの最も外側の領域は、多孔性の材料(たとえば、それは、本明細書で開示されている流体浸透性の膜および/または流体浸透性のサポートと同じかまたは同様になっている)を含むことが可能であり、多孔性の材料は、男性の尿道からの尿の流れを鈍らせ、それによって、跳ね返りを制限するように構成されており、および/または、チャンバー504aの選択された領域へ流体を方向付けるように構成されている。チャンバー504aは実質的に空になっているので(たとえば、チャンバー504aの実質的にすべてがリザーバーを形成している)、流体は、チャンバー504aの重量測定法的に低いポイントに溜まる傾向がある。チャンバー504aの重量測定法的に低いポイントは、人の皮膚および流体収集デバイス500aの交差部にあるか、カップ部分552aの中に形成された角部にあるか、または、別の適切な場所にあることが可能である。チャネル508aのアパーチャー514aは、チャンバー504aの重量測定法的に低いポイントに隣接または近接するように構成および位置決めされ得る。ある例では、チャンバー504aは、本明細書で開示されている流体浸透性の膜およびサポートとそれぞれ同様になっている、その中に配設されている流体浸透性の膜(図示せず)またはサポート(図示せず)のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0046】
動作の間に、流体収集デバイス500aを使用する男性は、流体(たとえば、尿)をチャンバー504aの中へ排出することが可能である。流体は、チャンバー504aの中に溜まるかまたはその他の方法で収集され得る。流体の少なくともいくらかは、アパーチャー514aを介してチャネル508aの内部516aに進入することが可能である。入口部510aから出口部512aへのガスの流れは、チャネル508aに進入する流体を出口部512aに向けて押しだすことが可能である。動作の間に、孔部562aは、流体がチャンバー504aの中へ導入されたとしても、および、その後にチャンバー504aから除去されたとしても、チャンバー504aの中の圧力を大気圧力に実質的に維持し、ガスは、チャネル508aを介してチャンバー504aの中へ導入され、および/または、チャンバー504aから除去されることなどが可能である。
【0047】
図5Bは、流体収集デバイス500bを図示しており、流体収集デバイス500bは、本明細書で別段に開示されている場合を除いて、
図5Aの流体収集デバイス500aと同じかまたは実質的に同様になっている。たとえば、流体収集デバイス500bは、受容部550bおよびカップ部分552bを含むことが可能である。カップ部分552bは、流体不浸透性のバリア502bを含むことが可能であり、流体不浸透性のバリア502bは、チャンバー504bおよび開口部506bを画定している。また、カップ部分552bは、チャネル508bを含むことが可能であり、チャネル508bは、チャンバー504bの中に少なくとも部分的に配設されている。たとえば、チャネル508bは、入口部510b、出口部512b、および少なくとも1つのアパーチャー514bを画定している。
【0048】
また、チャネル508bは、その中に配設されている少なくとも1つの吸引デバイス530bを含む。吸引デバイス530bは、
図2~
図4の吸引デバイス230、330、または430と同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。たとえば、吸引デバイス530bは、最小直径を有する狭くなったセクション532bと、狭くなったセクション532bから下流にある膨張したセクション534bとを含む。アパーチャー514bが、その最小直径に隣接しているか、または、狭くなったセクション532bに近接してそこから下流にあるように、吸引デバイス530bは位置決めされている。吸引デバイス530bは、流体のうちの多くがチャネル508bに進入することを引き起こす吸引力を印加することが可能であり、それによって、チャンバー504bの中の滞留または停滞を制限する。孔部562bは、チャンバー504bの中に大気圧力を実質的に維持し、それによって、吸引力によって引き起こされ得る不快感および毛細血管の破裂を低減させる。
【0049】
図5Cは、流体収集デバイス500cを図示しており、流体収集デバイス500cは、本明細書で別段に開示されている場合を除いて、
図5Aおよび
図5Bの流体収集デバイス500a、500bと同じかまたは実質的に同様になっている。たとえば、流体収集デバイス500cは、受容部550cおよびカップ部分552cを含むことが可能である。カップ部分552cは、流体不浸透性のバリア502cを含むことが可能であり、流体不浸透性のバリア502cは、チャンバー504cおよび開口部506cを画定している。
【0050】
また、流体収集デバイス500cは、チャネル508cを含み、チャネル508cは、チャンバー504cから間隔を置いて配置されている。チャネル508cは、
図4のチャネル408と同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。たとえば、チャネル508cは、入口部510c、出口部512c、および少なくとも1つの通路514cを画定することが可能である。また、チャネル508cは、吸引デバイス530cを含むことが可能である。
【0051】
また、流体収集デバイス500cは、導管540を含み、導管540は、チャンバー504cの中に少なくとも部分的に配設されている。導管540は、チャネル508cがチャンバー504cと間接的に流体連通していることを可能にするように構成されている。導管540は、少なくとも1つの進入口542と、進入口542から下流の退出口544とを含む。導管540は、本明細書で開示されている技法のいずれかを使用して、チャネル508cに取り付けられ得る。
【0052】
先に議論されているように、流体収集デバイスは、ガス供給源および流体貯蔵コンテナを含むシステムの一部を形成することが可能である。
図6Aは、実施形態による流体収集システム664aの概略図である。システム664aは、流体収集デバイス600aを含み、流体収集デバイス600aは、たとえば、
図1~
図3、
図5A、または
図5Bの流体収集デバイス100、200、300、500a、500bのいずれかなどのような、流体収集デバイス600aのチャンバーの中に少なくとも部分的に配設されているチャネル(図示せず)を含む。また、システム664aは、ガス供給源668aを含み、ガス供給源668aは、流体収集デバイス600aから上流に位置決めされており、流体収集デバイス600aのチャネルの入口部と流体連通している。たとえば、ガス供給源668aは、入口部と直接的に流体連通していることが可能であり(たとえば、入口部に直接的に取り付けられている)、または、少なくとも1つの第1のチューブ670aを介して入口部と間接的に流体連通していることが可能である。ガス供給源668aは、ガス(たとえば、大気、酸素、窒素など)の圧縮タンク、ポンプ、圧縮機、または壁面のガス供給源などのような、任意の適切なガス供給源を含むことが可能である。また、システム664bは、流体貯蔵コンテナ672aを含み、流体貯蔵コンテナ672aは、流体収集デバイス600aから下流に位置決めされており、チャネルの出口部と流体連通している。たとえば、流体貯蔵コンテナ672aは、出口部と直接的に流体連通していることが可能であり(たとえば、出口部に直接的に取り付けられている)、または、少なくとも1つの第2のチューブ674aを介して出口部と間接的に流体連通していることが可能である。流体貯蔵コンテナ672aは、コンテナ入口部および空気ベントを有するコンテナなどのような、流体を貯蔵することができる任意の適切なコンテナを含むことが可能である。
【0053】
ある例では、第1のチューブ670a、第2のチューブ674a、または、流体収集デバイス600aのチャネルは、流量計(図示せず)を含むことが可能であり、流量計は、その中のガスおよび/または流体のフローを測定するように構成されている。別の例では、システム664aは、固定デバイス(たとえば、STATLOCK(登録商標)固定デバイス(図示せず))を含むことが可能であり、固定デバイスは、第1のチューブ670a、第2のチューブ674a、または、流体収集デバイス600aのチャネルを人に固定するように構成されている。ある例では、第1のチューブ670a、第2のチューブ674a、または、流体収集デバイス600aのチャネルは、可撓性の材料から、たとえば、Foleyチューブなどから形成され得る。
【0054】
ある例では、第2のチューブ674aまたは流体収集デバイス600aのチャネルのうちの少なくとも1つは、その中に存在している流体(の存在)を曖昧にすることができる少なくとも部分的に不透明の材料から形成され得り、それによって、流体によって引き起こされる機能障害を低減させる。たとえば、第2のチューブ674aまたは流体収集デバイス600aのチャネルのうちの少なくとも1つは、不透明のまたはほぼ不透明の材料から形成され得る。別の例では、第2のチューブ674aまたは流体収集デバイス600aのチャネルのうちの少なくとも1つは、艶消しのチュービングなどのような、半透明の材料から形成され得る。不透明のまたはほぼ不透明の材料とは異なり、半透明の材料は、システム664aのユーザーが、それを通るガスまたは流体のフローを阻止している問題に気付くことを可能にする。
【0055】
図6Bは、実施形態による流体収集システム664bの概略図である。本明細書で別段に開示されている場合を除いて、システム664bは、
図6Aのシステム664aと同じかまたは実質的に同様になっていることが可能である。たとえば、システム664bは、ガス供給源668bおよび流体貯蔵コンテナ672bを含むことが可能であり、ガス供給源668bは、(たとえば、少なくとも1つの第1のチューブ670bを介して)流体収集デバイス600bのチャネル608の入口部と流体連通しており、流体貯蔵コンテナ672bは、(たとえば、少なくとも1つの第2のチューブ674bを介して)チャネル608の出口部と流体連通している。しかし、システム664aとは異なり、流体収集デバイス600bのチャネル608は、流体収集デバイス600bのチャンバー604から間隔を置いて配置されている。たとえば、流体収集デバイス600bは、
図4または
図5Cの流体収集デバイス400、500cと同じかまたは同様になっていることが可能である。そのような例では、チャンバー604は、導管640または別のチューブを介してチャネル608と間接的に流体連通していることが可能である。
【0056】
図7は、実施形態による、本明細書で開示されている流体収集デバイスおよび/または流体収集システムのいずれかを使用する方法700のフローダイアグラムである。方法700は、行為705を含むことが可能であり、行為705は、「女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップ」と記載している。行為705の後に、行為710が続くことが可能であり、行為710は、「女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップ」と記載している。行為710の後に、行為715が続くことが可能であり、行為715は、「流体収集デバイスのチャネルの入口部から出口部へガスを流すステップであって、それは、チャネルの中に形成された少なくとも1つのアパーチャーもしくは通路を介してチャンバーからチャネルの中へ流体を吸引すること、または、少なくとも1つのアパーチャーもしくは通路を介してチャネルに進入する流体を出口部に向けて押すことのうちの少なくとも1つに対して効果的である」と記載している。
【0057】
方法700の行為705、710、715は、例示目的のためのものである。たとえば、方法700の行為705、710、715は、異なる順序で実施されるか、複数の行為へと分割されるか、修正されるか、補充されるか、または組み合わせられ得る。ある例では、方法700の行為705、710、715のうちの1つまたは複数は、方法700から省略され得る。
【0058】
行為705は、「女性の尿道に隣接してまたは男性の尿道の周りに流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップ」と記載している。ある例では、行為705は、女性用流体収集デバイスの開口部を位置決めするステップを含むことが可能であり、女性用流体収集デバイスの流体浸透性の膜が、女性の尿道に近接して当接するかまたは位置決めされるようになっている。別の例では、行為705は、男性の尿道の周りに男性用流体収集デバイスの受容部を位置決めするステップを含むことが可能であり、男性の尿道が受容部の孔部を通して位置決めされるようになっている。そのような例では、行為705は、受容部の中空の領域の中に男性用流体収集デバイスのカップ部分を位置決めするステップを含むことが可能であり、男性の尿道が、カップ部分の開口部を通して位置決めされるようになっている。
【0059】
行為710は、「女性の尿道または男性の尿道から流体収集デバイスのチャンバーの中へ流体を受け入れるステップ」と記載している。たとえば、行為710は、流体浸透性の膜および流体浸透性のサポートを使用して、開口部から離れるように流体を吸い上げるステップを含むことが可能である。別の例では、行為710は、男性用流体収集デバイスのカップ部分のチャンバーの中へ流体を受け入れるステップを含むことが可能である。いずれかの例において、行為710は、アパーチャー(たとえば、
図1~
図3、
図5A、および
図5Bのアパーチャー114、214、314、514a、または514b)またはチャネルの通路(たとえば、
図4および
図5Cの通路414、514c)と直接的または間接的のいずれかで流体連通しているチャンバーの一部分に向けて流体を流すステップを含むことが可能である。たとえば、行為710は、チャンバーの実質的に占有されていない部分(たとえば、リザーバー)へ、チャンバーの重量測定法的に低いポイントなどへ、流体を流すステップを含むことが可能である。
【0060】
行為715は、「流体収集デバイスのチャネルの入口部から出口部へガスを流すステップであって、それは、チャネルの中に形成された少なくとも1つのアパーチャーもしくは通路を介してチャンバーからチャネルの中へ流体を吸引すること、または、少なくとも1つのアパーチャーもしくは通路を介してチャネルに進入する流体を出口部に向けて押すことのうちの少なくとも1つに対して効果的である」と記載している。ある例では、行為715は、流体収集デバイスのチャンバーの中に少なくとも部分的に配設されているチャネルを通してガスを流すステップを含むことが可能である。別の例では、行為715は、流体収集デバイスのチャンバーから間隔を置いて配置されているチャネルを通してガスを流すステップを含むことが可能である。そのような例では、行為715は、チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されており、チャネルと流体連通している、導管を通してガスを流すステップを含むことが可能である。
【0061】
ある例では、行為715は、吸引デバイスを使用して吸引力を発生させるステップを含むことが可能である。そのような例では、行為715は、吸引デバイスの少なくとも1つの狭くなったセクションを通しておよびそこから、吸引デバイスの膨張したセクションの中へ、ガスを流し、それによって、チャンバーからチャネルの中へ流体を吸引するのに効果的な吸引力を発生させるステップを含むことが可能である。吸引デバイスは、吸引力がチャネルのアパーチャーまたは通路において発生させられるように位置決めされ得り、それによって、流体がチャネルに進入することを引き起こす。ある例では、行為715は、単一の吸引デバイスまたは複数の吸引デバイスを使用して吸引力を発生させるステップを含むことが可能である。ある例では、行為715は、チャンバーの中に少なくとも部分的に配設されているチャネル、または、チャンバーから間隔を置いて配置されているチャネルの中に、吸引力を発生させるステップを含むことが可能である。
【0062】
ある例では、方法700は、ガス供給源から流体貯蔵コンテナに向けてガスを流すステップを含むことが可能である。そのような例では、方法700は、ポンプを使用してガスのフローを発生させ、ガスがガスの圧縮タンクから外へ流れることを可能にし、壁面のガス供給源からガスを提供するステップなどを含むことが可能である。ある例では、方法700は、流体収集デバイスから間隔を置いて配置されており、出口部と流体連通している流体貯蔵コンテナの中に、チャネルに進入する流体を収集するステップを含むことが可能である。
【0063】
さまざまな態様および実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の態様および実施形態も企図される。本明細書で開示されているさまざまな態様および実施形態は、図示の目的のためのものであり、限定するものであることを意図していない。