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  • 特許-情報通信装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】情報通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021036311
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康智
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-038130(JP,A)
【文献】特開2018-011166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部と、
その本体部に対して着脱自在であり、アンテナが内蔵されたアンテナユニットとが備えられ、
前記本体部には、アンテナユニット設置部が備えられ、
前記アンテナユニットは、その少なくとも一部を前記アンテナユニット設置部に嵌め込む状態で、前記本体部に対して装着自在に構成され
前記アンテナユニット設置部は、前記本体部の前面部に配設され、
前記アンテナユニットは、前記アンテナユニット設置部に対して、前記本体部の前方側から着脱自在に構成され、
前記本体部は、化粧カバーの取付窓を通して前方側に膨出する部位が備えられ、その取付窓を通して前方側に膨出する部位に前記アンテナユニット設置部が配設されている情報通信装置。
【請求項2】
少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部と、
その本体部に対して着脱自在であり、アンテナが内蔵されたアンテナユニットとが備えられ、
前記本体部には、アンテナユニット設置部が備えられ、
前記アンテナユニットは、その少なくとも一部を前記アンテナユニット設置部に嵌め込む状態で、前記本体部に対して装着自在に構成され、
前記アンテナユニットは、左右方向に延びる第1ユニット部位と、その第1ユニット部位の両端部において上下方向に延びる左右一対の第2ユニット部位とを有している情報通信装置。
【請求項3】
前記アンテナユニットが前記本体部に装着された場合に、前記アンテナユニットは、その全体が前記アンテナユニット設置部内に収納配置されている請求項1又は2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部と、
その本体部に対して着脱自在であり、アンテナが内蔵されたアンテナユニットとが備えられ、
前記本体部には、アンテナユニット設置部が備えられ、
前記アンテナユニットは、その少なくとも一部を前記アンテナユニット設置部に嵌め込む状態で、前記本体部に対して装着自在に構成され、
前記本体部は、設置面よりも前方側に膨出する膨出部が備えられ、
その膨出部に前記アンテナユニット設置部が配設され、
前記アンテナユニットが前記本体部に装着された場合に、前記アンテナユニットの輪郭が、前記膨出部の輪郭に沿う形状に形成されている情報通信装置。
【請求項5】
前記本体部は、前記アンテナユニットに内蔵されたアンテナとは別のアンテナを内蔵自在に構成されている請求項1~4の何れか1項に記載の情報通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナが備えられ、そのアンテナにて無線通信を行う情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような情報通信装置として、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末のようなモバイル通信端末を用いて室内等で無線通信を行うために、無線LAN用のアンテナが備えられ、室内に面する壁部等の設置面に設置可能な情報通信装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1、2に記載の情報通信装置は、電源部等の各種の機器が内蔵された本体部が備えられ、その本体部が、後方側の一部を設置面の内部に埋設させる埋設状態にて設置面に設置されている。これにより、設置面から室内側への装置の突出量を小さくすることができ、美観の低下や装置が邪魔になる等の問題発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6259939号公報
【文献】特許第6703910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような情報通信装置では、安定した広範囲での無線通信を行うために、アンテナをどのように配置させるかが問題となる。しかしながら、特許文献1に記載のものでは、埋設状態の本体部にアンテナを内蔵させているので、設置面から室内側に突出している部位も小さく、アンテナの設置スペースを確保すること自体難しくなっている。しかも、本体部の内部には、電源部等の各種の機器が内蔵されているので、それら他の機器の設置スペースとの取り合いも考慮しなければならず、アンテナを自由な位置に配設するのも難しくなっている。
【0006】
その点、特許文献2に記載のものでは、本体部とは別に、アンテナを内蔵したアンテナユニットが本体部に対して着脱自在に備えられている。よって、本体部とは別にアンテナの設置スペースを確保することができ、アンテナの設置スペースを確保し易い。また、本体部とは別のアンテナユニットにアンテナを内蔵させるので、他の機器の設置スペースとの取り合いを考慮しなくてもよく、アンテナの配設位置の自由度も高めることができる。
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のアンテナユニットは、本体部に装着した状態において、本体部の外周部の全周を覆う形状に形成されているので、アンテナユニットの全体が上下方向や左右方向で本体部よりも外方側に突出することになり、設置面から室内側に突出している部位の大きさが大きくなってしまう。よって、美観の低下や装置が邪魔になる等の問題発生を防止できるという効果が薄れてしまう可能性があり、この点で改善の余地があった。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、アンテナの設置スペースを容易に確保でき、アンテナの配設位置の自由度も高めることができながら、設置面から室内側に突出している部位の大きさを小さくできる情報通信装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部と、
その本体部に対して着脱自在であり、アンテナが内蔵されたアンテナユニットとが備えられ、
前記本体部には、アンテナユニット設置部が備えられ、
前記アンテナユニットは、その少なくとも一部を前記アンテナユニット設置部に嵌め込む状態で、前記本体部に対して装着自在に構成されている点にある。
【0010】
本構成によれば、アンテナを内蔵したアンテナユニットが本体部に対して着脱自在に備えられているので、本体部とは別にアンテナの設置スペースを確保することができ、アンテナの設置スペースを確保し易い。また、本体部とは別のアンテナユニットにアンテナを内蔵させるので、他の機器の設置スペースとの取り合いを考慮しなくてもよく、アンテナの配設位置の自由度も高めることができる。
【0011】
しかも、本体部にアンテナユニットを装着させる場合には、アンテナユニットの少なくとも一部をアンテナユニット設置部に嵌め込むことで、本体部にアンテナユニットを装着させることができる。これにより、アンテナユニットの全体が本体部よりも外方側に突出することがなく、設置面から室内側に突出している部位の大きさを小さくできる。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、前記アンテナユニット設置部は、前記本体部の前面部に配設され、
前記アンテナユニットは、前記アンテナユニット設置部に対して、前記本体部の前方側から着脱自在に構成されている点にある。
【0013】
本構成によれば、アンテナユニットは、アンテナユニット設置部に対して、本体部の前方側から着脱自在であるので、設置面に設置された状態の本体部に対しても、本体部の前方側からアンテナユニットを着脱することができる。これにより、設置面に本体部を設置させた後、その本体部にアンテナユニットを装着することができ、設置作業の簡素化を図ることができる。また、本体部を設置面に設置させたままとしながら、その本体部に対してアンテナユニットを着脱させて、アンテナユニットの交換作業も行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の第3特徴構成は、前記アンテナユニットが前記本体部に装着された場合に、前記アンテナユニットは、その全体が前記アンテナユニット設置部内に収納配置されている点にある。
【0015】
本構成によれば、アンテナユニットが本体部に装着された場合に、アンテナユニットの全体が本体部の内方側に凹入するアンテナユニット設置部内に収納配置されているので、アンテナユニットが本体部よりも外方側に突出することがなく、設置面から室内側に突出している部位の大きさを最小限に抑えることができる。
【0016】
本発明の第4特徴構成は、前記本体部は、設置面よりも前方側に膨出する膨出部が備えられ、
その膨出部に前記アンテナユニット設置部が配設され、
前記アンテナユニットが前記本体部に装着された場合に、前記アンテナユニットの輪郭が、前記膨出部の輪郭に沿う形状に形成されている点にある。
【0017】
本構成によれば、アンテナユニットが本体部に装着された場合に、アンテナユニットの輪郭が本体部の膨出部の輪郭に沿う形状となるので、アンテナユニットと膨出部との間で凸凹がなく、見た目もよくなり、美観の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の第5特徴構成は、前記本体部は、前記アンテナユニットに内蔵されたアンテナとは別のアンテナを内蔵自在に構成されている点にある。
【0019】
本構成によれば、アンテナユニットだけでなく、本体部にも別のアンテナを内蔵することができるので、装置として設置可能なアンテナの本数を増加させることができ、安定した広範囲での無線通信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】情報コンセントが設置された状態を示す正面図
図2】情報コンセントが設置された状態を示す側面図
図3】本体ユニットからアンテナユニットを取り外した状態を示す斜視図
図4】本体ユニットにアンテナユニットを装着させた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る情報通信装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
この情報通信装置に相当する情報通信ユニット2は、図1及び図2に示すように、例えば、壁11等の設置面に設置された情報コンセント1の一部として備えられている。以下、壁11に対して直交する表裏方向の表側を前後方向の前方側(図2中、右側)として、表裏方向の裏側を前後方向の後方側(図2中、左側)として説明する。
【0022】
情報コンセント1は、図1に示すように、情報通信ユニット2に加えて、電源コンセントユニット3が備えられている。情報通信ユニット2は、左右方向の一方側(図1中右側)に配置され、電源コンセントユニット3は、左右方向の他方側(図1中左側)に配置され、情報通信ユニット2と電源コンセントユニット3とが、左右方向に並ぶように備えられている。情報通信ユニット2の前面側には、LAN用モジュラープラグが接続自在なLAN用モジュラープラグ用の接続口4が備えられ、電源コンセントユニット3の前面側には、上下に2つの差込口5が備えられている。
【0023】
情報コンセント1は、図2に示すように、壁11に貫通形成された矩形状の設置用孔12の後方側に設置されたコンセントボックス13と、壁11の前面側に配置された化粧カバー14とを、それらの間において壁11の前面に当接する取付フレーム15を介して固定されている。
【0024】
コンセントボックス13の上下には、壁11の後方側空間に配線された電源ケーブル(図示省略)、及び、通信ケーブル7等の各ケーブルが挿入される挿入口16が形成されている。通信ケーブル7は、挿入口16を通してコンセントボックス13内に引き込まれ、情報通信ユニット2に接続されている。図示を省略した商用電源からの電力を供給する電源ケーブルも、挿入口16を通してコンセントボックス13内に引き込まれ、電源コンセントユニット3に接続されている。また、電源コンセントユニット3と情報通信ユニット2とを接続する電源ケーブル6が備えられ、その電源ケーブル6にて電源コンセントユニット3と情報通信ユニット2とを接続することで、商用電源からの電力が、電源コンセントユニット3を介して情報通信ユニット2に供給されている。
【0025】
化粧カバー14には、図1及び図2に示すように、情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3に対応した形状の取付窓17が形成されている。情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3は、図2に示すように、各取付窓17を通して、情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3の前面部分を前方に露出させる形態で取り付けられている。
【0026】
情報通信ユニット2は、図3及び図4に示すように、本体ユニット21(本体部)とアンテナユニット22とが備えられ、本体ユニット21には、アンテナ23以外の情報通信のための各部品が内蔵され、アンテナユニット22には、アンテナ素子及びグランドを含むアンテナ23が内蔵されている。
【0027】
本体ユニット21は、図2に示すように、その全体が壁11よりも前方側に突出しているのではなく、その後方側の一部が壁11の内部に埋設される埋設状態で壁11に設置されている。本体ユニット21は、前方側ケーシング24と後方側ケーシング25とに分割自在に構成されており、後方側ケーシング25の全体及び前方側ケーシング24の後端部位が壁11の内部に埋設されている。このように、本体ユニット21を埋設状態で壁11に設置することで、壁11から室内側への装置の突出量を小さくすることができ、美観の低下や装置が邪魔になる等の問題発生を防止することができる。
【0028】
例えば、前方側ケーシング24は、合成樹脂製に構成され、後方側ケーシング25は、アルミや亜鉛銅等の金属製に構成されている。これにより、後方側ケーシング25は、良好な熱伝導性を有しており、後方側ケーシング25の外表面部から外部に放熱して、本体ユニット21の内部の昇温を抑制している。後方側ケーシング25の外表面部には、複数の溝部が形成されており、その表面積を拡大させて、外部への放熱を促進している。
【0029】
前方側ケーシング24は、図3及び図4に示すように、前方側に面する矩形状の前面部24aと、その前面部24aの外周縁部から後方側に延出する周側部24bとを有する後方側が開放された箱状に形成されている。周側部24bは、前面部24aの上端縁部から後方側に延出する面状の上方側部位と、前面部24aの下端縁部から後方側に延出する面状の下方側部位と、前面部24aの右端縁部から後方側に延出する面状の右側部位と、前面部24aの左端縁部から後方側に延出する面状の左側部位との上下左右の4つの側部部位を有している。前方側ケーシング24には、周側部24bの後端部位から側方側に延出するフランジ部24cが備えられ、図2に示すように、フランジ部24cが、取付フレーム15に固定自在に構成されている。
【0030】
前方側ケーシング24の前面部24aには、図3及び図4に示すように、表示ランプ部26、設定ボタン27、LAN用モジュラープラグ用の接続口4等が配設されている。表示ランプ部26は、情報通信ユニット2の電源の投入状態を示すインジゲータ、ネットワークのアクセス状態を示すインジゲータ等の各種のインジゲータを有しており、前面部24aの右上方側部位に配設されている。設定ボタン27は、ネットワークを接続する各種の設定を行うためのボタンであり、前面部24aの左右方向及び上下方向の中央部位に配設されている。LAN用モジュラープラグ用の接続口4は、前面部24aの左右方向の中央部位で上下方向の下方側部位に配設されている。
【0031】
後方側ケーシング25は、後方側に面する矩形状の後面部25aと、その後面部25aの外周縁部から前方側に延出する周側部25bとを有する前方側が開放された箱状に形成されている。周側部25bは、後面部25aの上端縁部から前方側に延出する上方側部位と、後面部25aの下端縁部から前方側に延出する下方側部位と、後面部25aの右端縁部から前方側に延出する右側部位と、後面部25aの左端縁部から前方側に延出する左側部位との上下左右の4つの側部部位を有している。後方側ケーシング25の後面部25aや周側部25bには、電源ケーブル6や通信ケーブル7等の各ケーブルを接続する接続口25cが備えられている。
【0032】
前方側ケーシング24と後方側ケーシング25とを組み付けることで、前後、左右及び上下が閉塞された中空状の内部空間が形成され、その内部空間に、アンテナ23(図3及び図4参照)以外の情報通信のための各部品が内蔵されている。アンテナ23以外の情報通信のための各部品としては、通信制御部用の電子部品やその電子部品が実装された基板、コンバータ等の電源部品やその電源部品が実装された基板等、複数の電子基板及び複数の電子部品が備えられている。本体ユニット21の内部空間には、例えば、電子部品が実装された複数の基板が前後方向に並んで積層された積層状態にて備えられている。
【0033】
アンテナ23が内蔵されたアンテナユニット22は、図3及び図4に示すように、本体ユニット21に対して着脱自在に備えられている。そのために、本体ユニット21には、図3に示すように、アンテナユニット22を装着させるアンテナユニット設置部28が備えられている。本体ユニット21は、前方側ケーシング24における前面部24aの全体、及び、周側部24bの前方側部位が壁11よりも前方側に膨出する膨出部29となっており、この膨出部29の下方側部位にアンテナユニット設置部28が配設されている。図3は、本体ユニット21からアンテナユニット22を取り外した状態を示しており、図4は、本体ユニット21にアンテナユニット22を装着させた状態を示している。
【0034】
本体ユニット21に対してアンテナユニット22を装着させる場合に、その装着方向について、壁11に設置された本体ユニット21に対して、本体ユニット21の前方側からアンテナユニット22を着脱自在に構成されている。本体ユニット21は、図2に示すように、壁11に対して埋設状態で設置されており、化粧カバー14の取付窓17を通して、本体ユニット21の前方側ケーシング24における前面部24a及び周側部24bが化粧カバー14よりも前方側に膨出して露出されている。アンテナユニット設置部28は、取付窓17を通して前方側に膨出する前方側ケーシング24における前面部24a及び周側部24bの前方側部位に配設されているので、化粧カバー14を取り外すことなく、アンテナユニット設置部28に対して前方側からアンテナユニット22を装着することができる。
【0035】
アンテナユニット設置部28は、図3に示すように、前方側ケーシング24の前面部24aを後方側に窪ませた(切り欠いた)凹状に形成されており、その窪ませた空間をアンテナユニット22の設置空間としている。アンテナユニット設置部28は、前方側ケーシング24の前面部24aにおける下端部位を後方側に窪ませた第1設置部位28aと、前方側ケーシング24の前面部24aにおける左右方向の両端部の左右端部部位を後方側に窪ませた第2設置部位28bとが備えられている。
【0036】
第1設置部位28aは、前方側ケーシング24の前面部24aにおける左右方向の全長に亘る長さを有しており、第2設置部位28bは、前方側ケーシング24の前面部24aにおける下端部から途中部までの上下方向の一部に亘る長さを有している。このように、アンテナユニット設置部28は、左右方向に延びる第1設置部位28aと、その第1設置部位28aの両端部において下方側から上方側に延びる左右一対の第2設置部位28bとを有する上方側が開放されたU字状に形成されている。アンテナユニット設置部28は、LAN用モジュラープラグ用の接続口4に対して、その下方側、及び、その左右両側を連続して囲む状態で配設されている。
【0037】
アンテナユニット22は、図4に示すように、アンテナユニット設置部28に嵌め込む状態で、本体ユニット21に装着されている。アンテナユニット22をアンテナユニット設置部28に嵌め込む状態で装着することで、本体ユニット21に備えられた接続端子30(図3参照)を介して、本体ユニット21とアンテナユニット22とが電気的に接続される。これにより、本体ユニット21に内蔵された通信制御部とアンテナユニット22に内蔵されたアンテナ23とが接続され、本体ユニット21に内蔵された通信制御部等が、アンテナユニット22に内蔵されたアンテナ23にて電波の送受信を行い、外部機器との間で無線通信を行うことができる。
【0038】
アンテナユニット22は、図3に示すように、左右方向に延びる第1ユニット部位22aと、その第1ユニット部位22aの両端部において下方側から上方側に延びる左右一対の第2ユニット部位22bとを有する上方側が開放されたU字状に形成されている。アンテナユニット22には、例えば、左右一対のアンテナ23の夫々が、第1ユニット部位22aと第2ユニット部位22bとに亘る状態で上下方向及び左右方向に延びるL字状の姿勢にて内蔵されており、アンテナ23が本体ユニット21の左右両側に配設されている。ちなみに、アンテナ23をどのような姿勢にて設置するかは適宜変更が可能である。
【0039】
第1ユニット部位22aは、アンテナユニット設置部28の第1設置部位28aにおける空間に対して、左右方向、上下方向及び前後方向の3方向の全てにおいて、同じ形状で同じ大きさに形成されている。第2ユニット部位22bも、アンテナユニット設置部28の第2設置部位28bにおける空間に対して、左右方向、上下方向及び前後方向の3方向の全てにおいて、同じ形状で同じ大きさに形成されている。このようにして、アンテナユニット22とアンテナユニット設置部28との両方が、上方側を開放させた左右対称なU字形状で同じ大きさに形成されている。
【0040】
その結果、アンテナユニット22が本体ユニット21のアンテナユニット設置部28に装着された場合には、図4に示すように、アンテナユニット22の全体が、アンテナユニット設置部28の中空状の設置空間内に収納配置されている。よって、アンテナユニット22が、左右方向、上下方向及び前後方向の3方向の全てにおいて、本体ユニット21から外側に突出することなく、アンテナユニット設置部28の窪んだ空間の範囲内に収められている。
【0041】
また、アンテナユニット22が本体ユニット21のアンテナユニット設置部28に装着された場合には、アンテナユニット22の輪郭が、本体ユニット21の前方側ケーシング24における前面部24a及び周側部24bの輪郭に沿う形状に形成されている。
【0042】
アンテナユニット22が本体ユニット21のアンテナユニット設置部28に装着された場合には、前方側ケーシング24の前面部24aに対して、アンテナユニット22における第1ユニット部位22aの前面部及び第2ユニット部位22bの前面部が面一となり、それらの輪郭(外形)が凹凸することなく、上下方向及び左右方向に連続する形状に形成されている。また、前方側ケーシング24の周側部24bに対して、アンテナユニット22における第2ユニット部位22bの周側部が面一となり、それらの輪郭(外形)が凹凸することなく、前後方向に連続する形状に形成されている。
【0043】
前方側ケーシング24の前面部24aと周側部24bとの境界部位に上下方向に延びる面状の傾斜部位24dが形成されているので、アンテナユニット22の第2ユニット部位22bにも、その前面部とその周側部との境界部位に上下方向に延びる傾斜部位22cが形成されている。これにより、アンテナユニット22が本体ユニット21のアンテナユニット設置部28に装着された場合には、図4に示すように、本体ユニット21側の傾斜部位24dとアンテナユニット22側の傾斜部位22cとが上下方向で連続する形状に形成されている。
【0044】
アンテナユニット22には、アンテナ23が内蔵されているが、本体ユニット21にも別のアンテナ31(図3及び図4の点線参照)を内蔵させることができる。例えば、アンテナ23は、無線LANの複数の周波数帯域(例えば、2.4GHzと5.0GHz)に感度を有する板状のアンテナ素子を有するデュアルアンテナにて構成することができる。別のアンテナ31は、アンテナ23と異なる周波数帯域又は同様の周波数帯域に感度を有するフィルム状のアンテナ素子を有するアンテナにて構成することができる。アンテナ23及び別のアンテナ31については、板状アンテナやフィルムアンテナに限らず、例えば、線状アンテナ、チップアンテナや基板アンテナ等、各種のアンテナを適用することができる。
【0045】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0046】
(1)上記実施形態では、アンテナユニット22及びアンテナユニット設置部28を、上方側が開放されたU字形状としているが、例えば、逆に、下方側が開放されたU字形状としたり、矩形状とする等、その形状については適宜変更が可能である。
【0047】
(2)上記実施形態では、アンテナユニット22及びアンテナユニット設置部28が、本体ユニット21の膨出部29(前方側ケーシング24の前面部24a及び周側部24bの前方側部位)における下方側部位に配設されているが、例えば、本体ユニット21の膨出部29における上方側部位に配設することもでき、アンテナユニット22及びアンテナユニット設置部28の配設箇所は適宜変更することができる。
【0048】
(3)上記実施形態では、情報通信ユニット2に対して電源ケーブル6を接続することで、電源ケーブル6を通して電力の供給を受けるように情報通信ユニット2を商用電源仕様としているが、通信ケーブル7を介して電力の供給を受けるように情報通信ユニット2をPOE(Power Over Ethernet)仕様とすることもできる。
【0049】
(4)上記実施形態では、情報通信ユニット2を、LAN用モジュラープラグ用の接続口4を備えた仕様としているが、LAN用モジュラープラグ用の接続口4を省略することもできる。また、情報通信ユニット2を、LAN用モジュラープラグ用の接続口4に加えて、電話回線用モジュラーアダプタ用の接続口を備えた仕様とすることもできる。
【符号の説明】
【0050】
2 情報通信ユニット(情報通信装置)
11 壁(設置面)
21 本体ユニット(本体部)
22 アンテナユニット
23 アンテナ
28 アンテナユニット設置部
29 膨出部
31 アンテナ(別のアンテナ)
【要約】
【課題】アンテナの設置スペースを容易に確保でき、アンテナの配設位置の自由度も高めることができながら、設置面から室内側に突出している部位の大きさを小さくする。
【解決手段】少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部21と、その本体部21に対して着脱自在であり、アンテナ23が内蔵されたアンテナユニット22とが備えられ、本体部21には、アンテナユニット設置部28が備えられ、アンテナユニット22は、その少なくとも一部をアンテナユニット設置部に嵌め込む状態で、本体部21に対して装着自在に構成されている。
【選択図】図3

図1
図2
図3
図4