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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】情報通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20220825BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021036312
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2021-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000119830
【氏名又は名称】因幡電機産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康智
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部が備えられ、
その本体部には、機器を設置自在な複数の基板が内蔵され、
複数の基板のひとつは、アンテナを実装させたアンテナ実装基板として備えられ
前記アンテナは、チップアンテナ用基部上に設置されて、チップアンテナ用基部と一体的に備えられたアンテナ部品として構成され、
前記アンテナ実装基板には、アンテナとチップアンテナ用基部とのアンテナ部品が、ハーネスによる配線を行うことなく、直接設置されている情報通信装置。
【請求項2】
前記本体部の内部空間における前記アンテナ実装基板の姿勢は、実装されるアンテナを前記本体部の前方側に向ける姿勢に設定され
前記アンテナ実装基板は、他の基板よりも小さく形成されている請求項1に記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記アンテナが、複数の周波数帯域に対して感度を有する複数帯域アンテナにて構成され、
その複数帯域アンテナは、チップアンテナ用基部上に設置される状態で、そのチップアンテナ用基部を介して前記アンテナ実装基板に実装されている請求項1又は2に記載の情報通信装置。
【請求項4】
少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部が備えられ、
その本体部には、機器を設置自在な複数の基板が内蔵され、
複数の基板のひとつは、アンテナを実装させたアンテナ実装基板として備えられ、
前記アンテナが、チップアンテナにて構成され、そのチップアンテナから前記アンテナ実装基板の後方側に回り込む電波を前記アンテナ実装基板の前方側に向けて反射させる反射部が備えられている情報通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナが備えられ、そのアンテナにて無線通信を行う情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような情報通信装置として、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末のようなモバイル通信端末を用いて室内等で無線通信を行うために、無線LAN用のアンテナが備えられ、室内に面する壁部等の設置面に設置可能な情報通信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の情報通信装置は、電源部等の各種の機器が内蔵された本体部が備えられ、その本体部が、後方側の一部を設置面の内部に埋設させる埋設状態にて設置面に設置されている。これにより、設置面から室内側への装置の突出量を小さくすることができ、美観の低下や装置が邪魔になる等の問題発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6259939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような情報通信装置では、安定した広範囲での無線通信を行うために、アンテナをどのように配置させるかが問題となる。しかしながら、特許文献1に記載のものでは、本体部を埋設状態で設置するので、設置面から室内側に突出する部位が小さく、アンテナの設置スペースを確保すること自体難しくなっている。しかも、本体部の内部には、電源部等の各種の機器が内蔵されているので、それら他の機器の設置スペースとの取り合いも考慮しなければならず、アンテナを自由な位置に配設するのも難しくなっている。
【0006】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、アンテナの設置スペースを容易に確保でき、アンテナの配設位置の自由度も高めることができる情報通信装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部が備えられ、
その本体部には、機器を設置自在な複数の基板が内蔵され、
複数の基板のひとつは、アンテナを実装させたアンテナ実装基板として備えられている点にある。
【0008】
本構成によれば、複数の基板のひとつは、アンテナを実装させたアンテナ実装基板として備えられているので、アンテナ実装基板以外の基板に他の機器を設置することができ、アンテナ実装基板とそれ以外の基板とを別々に本体部に内蔵させることができる。これにより、アンテナの設置スペースとしては、アンテナ実装基板を設置できるだけのスペースを確保すればよく、アンテナ実装基板自体もアンテナを実装できるだけの大きさがあればよいので、小型化を図ることができることから、その設置スペースも確保し易く、その配設位置の自由度も高めることができる。
【0009】
本発明の第2特徴構成は、前記本体部の内部空間における前記アンテナ実装基板の姿勢は、実装されるアンテナを前記本体部の前方側に向ける姿勢に設定されている点にある。
【0010】
本構成によれば、前記本体部に内蔵されるアンテナ実装基板の姿勢は、実装されるアンテナを本体部の前方側に向ける姿勢であるので、アンテナから本体部の前方側に向けて電波を送信させ易く、また、本体部の前方側から送信される電波を受信し易くなる。よって、安定した無線通信を行い易くなる状態で、本体部にアンテナを内蔵させることができる。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、前記アンテナが、複数の周波数帯域に対して感度を有する複数帯域アンテナにて構成され、
その複数帯域アンテナは、チップアンテナ用基部上に設置される状態で、そのチップアンテナ用基部を介して前記アンテナ実装基板に実装されている点にある。
【0012】
本構成によれば、本体部に内蔵される複数帯域アンテナが、複数の周波数帯域に対して感度を有するので、複数の周波数帯域での無線通信が可能となり、通信速度の向上を図ることができる。しかも、複数帯域アンテナを設置するに当たり、チップアンテナ用の部品であるチップアンテナ用基部を用いながら、アンテナ実装基板に複数帯域アンテナを設置することができ、アンテナ実装基板に対して複数帯域アンテナを適切に実装させることができる。
【0013】
本発明の第4特徴構成は、前記アンテナが、チップアンテナにて構成され、そのチップアンテナから前記アンテナ実装基板の後方側に回り込む電波を前記アンテナ実装基板の前方側に向けて反射させる反射部が備えられている点にある。
【0014】
本構成によれば、アンテナが、チップアンテナにて構成されているので、アンテナの小型化を図ることができる。しかしながら、チップアンテナは、例えば、本体部の前方側を向くように設置しても、本体部の後方側にも電波を放射してしまう。そこで、本構成によれば、チップアンテナを用いるだけでなく、そのチップアンテナからアンテナ実装基板の後方側に回り込む電波を本体部の前方側に向けて反射させる反射部が備えられている。これにより、アンテナの小型化を図りながら、本体部の前方側に向けて効率よく電波を送信させることができ、安定した無線通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】情報コンセントが設置された状態を示す正面図
図2】情報コンセントが設置された状態を示す側面図
図3】第1実施形態における本体ユニットの分解斜視図
図4】第1実施形態におけるアンテナ実装基板を示す図
図5】第2実施形態におけるアンテナ実装基板を示す図
図6】第2実施形態における本体ユニットの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る情報通信装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この情報通信装置に相当する情報通信ユニット2は、図1及び図2に示すように、例えば、壁11等の設置面に設置された情報コンセント1の一部として備えられている。以下、壁11に対して直交する表裏方向の表側を前後方向の前方側(図2中、右側)として、表裏方向の裏側を前後方向の後方側(図2中、左側)として説明する。
【0017】
情報コンセント1は、図1に示すように、情報通信ユニット2に加えて、電源コンセントユニット3が備えられている。情報通信ユニット2は、左右方向の一方側(図1中右側)に配置され、電源コンセントユニット3は、左右方向の他方側(図1中左側)に配置され、情報通信ユニット2と電源コンセントユニット3とが、左右方向に並ぶように備えられている。情報通信ユニット2の前面側には、LAN用モジュラープラグが接続自在なLAN用モジュラープラグ用の接続口4が備えられ、電源コンセントユニット3の前面側には、上下に2つの差込口5が備えられている。
【0018】
情報コンセント1は、図2に示すように、壁11に貫通形成された矩形状の設置用孔12の後方側に設置されたコンセントボックス13と、壁11の前面側に配置された化粧カバー14とを、それらの間において壁11の前面に当接する取付フレーム15を介して固定されている。
【0019】
コンセントボックス13の上下には、壁11の後方側空間に配線された電源ケーブル(図示省略)、及び、通信ケーブル7等の各ケーブルが挿入される挿入口16が形成されている。通信ケーブル7は、挿入口16を通してコンセントボックス13内に引き込まれ、情報通信ユニット2に接続されている。図示を省略した商用電源からの電力を供給する電源ケーブルも、挿入口16を通してコンセントボックス13内に引き込まれ、電源コンセントユニット3に接続されている。また、電源コンセントユニット3と情報通信ユニット2とを接続する電源ケーブル6が備えられ、その電源ケーブル6にて電源コンセントユニット3と情報通信ユニット2とを接続することで、商用電源からの電力が、電源コンセントユニット3を介して情報通信ユニット2に供給されている。
【0020】
化粧カバー14には、図1及び図2に示すように、情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3に対応した形状の取付窓17が形成されている。情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3は、各取付窓17を通して、情報通信ユニット2及び電源コンセントユニット3の前面部分を前方に露出させる形態で取り付けられている。
【0021】
情報通信ユニット2は、図3に示すように、第1アンテナ22、第2アンテナ23や情報通信のための各種の部品が内蔵された本体ユニット21(本体部)が備えられている。本体ユニット21は、図2に示すように、その全体が壁11よりも前方側に突出しているのではなく、その後方側の一部が壁11の内部に埋設される埋設状態で壁11に設置されている。本体ユニット21は、図3に示すように、前方側ケーシング24と後方側ケーシング25とに分割自在に構成されており、後方側ケーシング25の全体及び前方側ケーシング24の後端部位が壁11の内部に埋設されている(図2参照)。このように、本体ユニット21を埋設状態で壁11に設置することで、壁11から室内側への装置の突出量を小さくすることができ、美観の低下や装置が邪魔になる等の問題発生を防止することができる。
【0022】
例えば、前方側ケーシング24は、合成樹脂製に構成され、後方側ケーシング25は、アルミや亜鉛銅等の金属製に構成されている。これにより、後方側ケーシング25は、良好な熱伝導性を有しており、後方側ケーシング25の外表面部から外部に放熱して、本体ユニット21の内部の昇温を抑制している。後方側ケーシング25の外表面部には、複数の溝部が形成されており、その表面積を拡大させて、外部への放熱を促進している。
【0023】
前方側ケーシング24は、図3に示すように、前方側に面する矩形状の前面部24aと、その前面部24aの外周縁部から後方側に延出する周側部24bとを有する後方側が開放された箱状に形成されている。周側部24bは、前面部24aの上端縁部から後方側に延出する面状の上方側部位と、前面部24aの下端縁部から後方側に延出する面状の下方側部位と、前面部24aの右端縁部から後方側に延出する面状の右側部位と、前面部24aの左端縁部から後方側に延出する面状の左側部位との上下左右の4つの側部部位を有している。前方側ケーシング24には、周側部24bの後端部位から側方側に延出するフランジ部24cが備えられ、図2に示すように、フランジ部24cが、取付フレーム15に固定自在に構成されている。
【0024】
前方側ケーシング24の前面部24aには、図3に示すように、表示ランプ部26、設定ボタン27、LAN用モジュラープラグ用の接続口4等が配設されている。表示ランプ部26は、情報通信ユニット2の電源の投入状態を示すインジゲータ、ネットワークのアクセス状態を示すインジゲータ等の各種のインジゲータを有しており、前面部24aの右上方側部位に配設されている。設定ボタン27は、ネットワークを接続する各種の設定を行うためのボタンであり、前面部24aの左右方向及び上下方向の中央部位に配設されている。LAN用モジュラープラグ用の接続口4は、前面部24aの左右方向の中央部位で上下方向の下方側部位に配設されている。
【0025】
後方側ケーシング25は、後方側に面する矩形状の後面部25aと、その後面部25aの外周縁部から前方側に延出する周側部25bとを有する前方側が開放された箱状に形成されている。周側部25bは、後面部25aの上端縁部から前方側に延出する上方側部位と、後面部25aの下端縁部から前方側に延出する下方側部位と、後面部25aの右端縁部から前方側に延出する右側部位と、後面部25aの左端縁部から前方側に延出する左側部位との上下左右の4つの側部部位を有している。後方側ケーシング25の後面部25aや周側部25bには、電源ケーブル6や通信ケーブル7等の各ケーブルを接続する接続口25c(図2参照)が備えられている。
【0026】
前方側ケーシング24と後方側ケーシング25とを組み付けることで、図3に示すように、前後、左右及び上下が閉塞された中空状の内部空間が形成され、その内部空間に、第1アンテナ22、第2アンテナ23や情報通信のための各部品が内蔵されている。各部品として、例えば、第1アンテナ22、第2アンテナ23、コンバータ等の電源部品31や複数の電子部品32に加えて、第1アンテナ22、電源部品31及び電子部品32の夫々を実装する複数の基板33~35が備えられている。
【0027】
複数の基板33~35として、例えば、第1アンテナ22を実装させたアンテナ実装基板33と、複数の電子部品32が実装された第1基板34と、電源部品31が実装された第2基板35とが備えられている。図3では、複数の基板のうち一部の基板33~35のみを示しており、他の基板については省略して図示している。複数の基板33~35の夫々は、上下方向に対向する辺と左右方向に対向する辺を有する矩形状に形成されている。複数の基板33~35は、例えば、前方側から、アンテナ実装基板33、第1基板34、第2基板35の順に、前後方向に間隔を隔てて並んで積層された積層状態にて備えられている。ちなみに、基板の数については、電子部品の数等に対応して適宜変更することが可能である。
【0028】
アンテナ実装基板33は、図3に示すように、上下方向よりも左右方向に長い矩形状に形成されており、第1基板34及び第2基板35よりも上下方向及び左右方向の幅が小さくなるように形成されている。アンテナ実装基板33は、ハーネス36により第1基板34に接続されており、第1基板34に電気的に接続されている。
【0029】
アンテナ実装基板33は、第1アンテナ22を前方側に向ける姿勢にて備えられている。アンテナ実装基板33は、前後方向に対して直交する上下方向及び左右方向に延び、その表面部が前面部となり且つその裏面部が後面部となる姿勢にて備えられ、第1アンテナ22が、前方側に対向するアンテナ実装基板33の前面部(表面部)に備えられている。
【0030】
アンテナ実装基板33には、図4に示すように、無線用接続部(無線用同軸コネクタ)37が実装されており、その無線用接続部37に対して、チップアンテナ用基部38(チップアンテナの土台となる部品)を介して第1アンテナ22が実装されている。第1アンテナ22は、無線LANの複数の周波数帯域(例えば、2.4GHzと5.0GHz)に感度を有する板状のアンテナ素子22aと、グランド22bとを有するデュアルアンテナ(複数帯域アンテナ)として構成されている。第1アンテナ22は、チップアンテナ用基部38上に設置され、チップアンテナ用基部38と一体的に備えられた1つのデュアルアンテナ部品として構成されている。第1アンテナ22とチップアンテナ用基部38とからなる1つのデュアルアンテナ部品を、チップマウント(自動実装機)によりアンテナ実装基板33に実装させるだけで、ハーネス36等による配線を行うことなく、アンテナ実装基板33に第1アンテナ22を直接(直に)設置させることができる。
【0031】
このように、アンテナ実装基板33に第1アンテナ22が実装されているので、アンテナ実装基板33の設置姿勢を調整するだけで、他の部品との兼ね合いが生じることなく、第1アンテナ22が前方側を向く方向になるように、第1アンテナ22の姿勢の調整を簡易に行うことができる。しかも、アンテナ実装基板33は、第1基板34や第2基板35等の他の基板よりも小さく形成されているので、その設置スペースも確保し易く、他の部品との兼ね合いを考慮することなく、第1アンテナ22にて安定して広範囲に電波の送受信を行える位置に配設することができ、設置位置の自由度も大きい。
【0032】
第1基板34には、複数の電子部品32に加えて、第1アンテナ22と異なる周波数帯域又は同様の周波数帯域に感度を有する前方側ケーシング24の内壁面に設けられるフィルム状のアンテナ素子を有する第2アンテナ23がハーネス36にて接続されている。
【0033】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、第1実施形態における第1アンテナ22の別実施形態を示すものであり、以下、図5及び図6に基づいて、第2実施形態におけるアンテナ39を中心に説明する。その他の構成等については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明は省略する。
【0034】
第1実施形態では、図3及び図4に示すように、無線LANの複数の周波数帯域(例えば、2.4GHzと5.0GHz)に感度を有する板状のアンテナ素子22aを有する第1アンテナ22が備えられている。
【0035】
それに対して、この第2実施形態では、図5及び図6に示すように、無線LANのある周波数帯域に感度を有するチップアンテナ39が備えられている。チップアンテナ39は、第1実施形態と同様に、ハーネス36にて第1基板34に接続された第2アンテナ実装基板40に実装されている。このように、第2アンテナ実装基板40にチップアンテナ39が実装されているので、第2アンテナ実装基板40の設置姿勢を調整するだけで、他の部品との兼ね合いが生じることなく、チップアンテナ39が前方側に向く方向となるように、チップアンテナ39の姿勢の調整を簡易に行うことができる。しかも、第2アンテナ実装基板40は、第1基板34や第2基板35等の他の基板よりも小さく形成されているので、その設置スペースも確保し易く、他の部品との兼ね合いを考慮することなく、チップアンテナ39にて安定して広範囲に電波の送受信を行える位置に配設することができ、設置位置の自由度も大きい。
【0036】
チップアンテナ39は、前方側だけでなく、第2アンテナ実装基板40の面方向(上下方向及び左右方向)にも電波が送信されるので、第2アンテナ実装基板40の面方向の端部(上下方向及び左右方向の各方向の端部)から後方側に電波が回り込むことになる。そこで、図5及び図6に示すように、その第2アンテナ実装基板40の面方向の端部(上下方向及び左右方向の各方向の端部)から後方側に回り込む電波を前方側に反射させる反射部41が備えられている。
【0037】
反射部41は、チップアンテナ39の後方側を覆い、チップアンテナ39を中心とする放物曲面を有する形状に形成されている。これにより、チップアンテナ39から第2アンテナ実装基板40の面方向(上下方向及び左右方向)に送信される電波を前方側に反射させて、チップアンテナ39から前方側に効率よく電波を送信させている。また、反射部41は、第2アンテナ実装基板40の面方向(上下方向及び左右方向)においてチップアンテナ39の周囲に到達(受信)する電波をチップアンテナ39に向けて反射して、チップアンテナ39に集めることもできる。
【0038】
反射部41は、チップアンテナ39と同様に、第2アンテナ実装基板40に実装されている。反射部41については、例えば、金属体にて構成することができる。この場合には、その内壁部に対して鏡面処理を行い、第2アンテナ実装基板40の後方側に回り込もうとする電波を効率よく前方側に反射させている。反射部41は、金属体にて構成するものに限らず、樹脂製に構成することもできる。この場合には、反射部41の内壁部に対して、金属メッキ処理が施されている。
【0039】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0040】
(1)上記実施形態では、情報通信ユニット2に対して電源ケーブル6を接続することで、電源ケーブル6を通して電力の供給を受けるように情報通信ユニット2を商用電源仕様としているが、通信ケーブル7を介して電力の供給を受けるように情報通信ユニット2をPOE(Power Over Ethernet)仕様とすることもできる。
【0041】
(2)上記実施形態では、情報通信ユニット2を、LAN用モジュラープラグ用の接続口4を備えた仕様としているが、LAN用モジュラープラグ用の接続口4を省略することもできる。また、情報通信ユニット2を、LAN用モジュラープラグ用の接続口4に加えて、電話回線用モジュラーアダプタ用の接続口を備えた仕様とすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
2 情報通信ユニット(情報通信装置)
11 壁(設置面)
21 本体ユニット(本体部)
22 第1アンテナ(複数帯域アンテナ)
33 アンテナ実装基板
38 チップアンテナ用基部
39 チップアンテナ
40 第2アンテナ実装基板
41 反射部
【要約】
【課題】アンテナの設置スペースを容易に確保でき、アンテナの配設位置の自由度も高めること。
【解決手段】少なくとも後方側の一部が設置面の内部に埋設される埋設状態にて設置面に設置される本体部21が備えられ、その本体部21には、機器を設置自在な複数の基板33~35が内蔵され、複数の基板33~35のひとつは、アンテナ22を実装させたアンテナ実装基板33として備えられている。
【選択図】図3

図1
図2
図3
図4
図5
図6