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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】内燃機関用回転電機、およびその回転子
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/22 20060101AFI20220825BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20220825BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20220825BHJP
   H02K 1/2791 20220101ALI20220825BHJP
【FI】
H02K21/22 B
H02K21/22 M
H02K11/215
H02K7/18 B
H02K1/2791
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021515929
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(86)【国際出願番号】 JP2020015039
(87)【国際公開番号】W WO2020217900
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2019085384
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599161580
【氏名又は名称】株式会社デンソートリム
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(74)【代理人】
【識別番号】100170689
【弁理士】
【氏名又は名称】金 順姫
(72)【発明者】
【氏名】山下 輝
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/169156(WO,A1)
【文献】特開2018-27008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/22
H02K 11/215
H02K 7/18
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨークとしてのロータコア(22)と、
前記ロータコアに保持された永久磁石(23)とを備え、
前記永久磁石は、所定の基本周期(PT)で極性が交番するように形成された複数の基本磁極(26)、および、前記基本磁極(26)と異なる極性をもつように前記永久磁石の一部に形成された特殊磁極(27)を有し、
前記特殊磁極は、周方向に隣接し、異なる極性をもつ2つの前記特殊磁極(27a、27b)を有し、
前記特殊磁極と前記基本磁極とが提供する同じ極性の周方向長さ(LG)は、前記基本周期の1/2を超え、前記基本周期以下(1/2×PT<LG≦PT)である内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項2】
前記基本磁極は、回転電機のための回転磁界を提供する請求項1に記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項3】
前記永久磁石は、前記基本磁極ごとに着磁された複数の磁石片を備え、
前記特殊磁極は、周方向に隣接する2つの前記磁石片に着磁され、異なる極性をもつ2つの前記特殊磁極(27a、27b)を有する請求項1または請求項2に記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項4】
複数の前記磁石片は、
前記基本磁極のみを有する2種類の複数の前記磁石片(23a、23b)と、
前記基本磁極と前記特殊磁極とを有する2種類の2つの前記磁石片(23c、23d)とを備える請求項3に記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項5】
ヨークとしてのロータコア(22)と、
前記ロータコアに保持された永久磁石(23)とを備え、
前記永久磁石は、所定の基本周期(PT)で極性が交番するように形成された複数の基本磁極(26)、および、前記基本磁極(26)と異なる極性をもつように前記永久磁石の一部に形成された特殊磁極(27)を有し、
前記特殊磁極と前記基本磁極とが提供する同じ極性の周方向長さ(LG)は、前記基本周期の1/2を超え、前記基本周期以下(1/2×PT<LG≦PT)であり、
前記永久磁石は、前記基本磁極ごとに着磁された複数の磁石片を備え、
前記特殊磁極(227a、227b、227c)は、複数の前記磁石片のすべてに着磁されている内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項6】
前記特殊磁極は、前記基本周期の1/2で極性が交番するように形成されている請求項5に記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項7】
複数の前記磁石片は、
前記基本磁極と2つの前記特殊磁極(227a、227b)とを有する2種類の複数の前記磁石片(223a、223b)と、
前記基本磁極とひとつの前記特殊磁極とを有する1つの前記磁石片(223c)とを備える請求項5または請求項6に記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項8】
前記特殊磁極は、前記永久磁石において前記基本磁極に挟まれて配置されている請求項1から請求項7のいずれかに記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項9】
前記特殊磁極は、前記永久磁石における軸方向の一端に配置されている請求項1から請求項7のいずれかに記載の内燃機関用回転電機の回転子。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の内燃機関用回転電機の回転子(21)と、
前記回転子と対向して配置された固定子(31)と、
前記回転子の回転方向に沿って前記基本磁極が配置された基本磁極軌道(28)に配置された複数の回転位置センサ(38a、38b、38c)と、
前記回転子の回転方向に沿って前記特殊磁極が配置された特殊磁極軌道(29)に配置された基準位置センサ(38d)とを備える内燃機関用回転電機。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2019年4月26日に日本に出願された特許出願第2019-85384号を基礎としており、基礎の出願の内容を、全体的に、参照により援用している。
【技術分野】
【0002】
この明細書における開示は、内燃機関用回転電機、およびその回転子に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1および特許文献2は、内燃機関と組み合わせて使用される始動発電機を開示する。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5097654号公報
【文献】特許第6221676号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1および特許文献2は、回転電機の制御のための出力信号と、内燃機関の制御のための出力信号とを出力する。内燃機関用回転電機、およびその回転子にはさらなる改良が求められている。
【0006】
開示されるひとつの目的は、基準位置の検出精度が高い内燃機関用回転電機、およびその回転子を提供することである。
【0007】
ここに開示された第1発明の内燃機関用回転電機の回転子は、ヨークとしてのロータコアと、ロータコアに保持された永久磁石とを備え、永久磁石は、所定の基本周期PTで極性が交番するように形成された複数の基本磁極、および、基本磁極と異なる極性をもつように永久磁石の一部に形成された特殊磁極を有し、特殊磁極は、周方向に隣接し、異なる極性をもつ2つの特殊磁極(27a、27b)を有し、特殊磁極と基本磁極とが提供する同じ極性の周方向長さLGは、基本周期の1/2を超え、基本周期以下(1/2×PT<LG≦PT)である。
【0008】
開示される第1発明の内燃機関用回転電機の回転子によると、特殊磁極は、回転方向における少なくとも1箇所において、基準位置を示すことができる。しかも、特殊磁極と基本磁極とが提供する同じ極性の周方向長さは、基本周期PTの1/2を超え、基本周期PT以下である。周方向長さLGは、1/2×PT<LG≦PTによってあらわされる。基本周期PTを超える長い期間を要することなく、基準位置を示すことができる。この結果、基準位置の検出精度が高い内燃機関用回転電機の回転子が提供される。
ここに開示された第2発明の内燃機関用回転電機の回転子は、ヨークとしてのロータコア(22)と、ロータコアに保持された永久磁石(23)とを備え、永久磁石は、所定の基本周期(PT)で極性が交番するように形成された複数の基本磁極(26)、および、基本磁極(26)と異なる極性をもつように永久磁石の一部に形成された特殊磁極(27)を有し、特殊磁極と基本磁極とが提供する同じ極性の周方向長さ(LG)は、基本周期の1/2を超え、基本周期以下(1/2×PT<LG≦PT)であり、永久磁石は、基本磁極ごとに着磁された複数の磁石片を備え、特殊磁極(227a、227b、227c)は、複数の磁石片のすべてに着磁されている。
【0009】
ここに開示された内燃機関用回転電機は、上記回転子と、回転子と対向して配置された固定子と、回転子の回転方向に沿って基本磁極が配置された基本磁極軌道に配置された複数の回転位置センサと、回転子の回転方向に沿って特殊磁極が配置された特殊磁極軌道に配置された基準位置センサとを備える。
【0010】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】内燃機関用回転電機のブロック図である。
図2】第1実施形態に係る磁極とセンサとを示す展開図である。
図3】複数のセンサの出力信号を示す波形図である。
図4】第2実施形態に係る磁極とセンサとを示す展開図である。
図5】複数のセンサの出力信号を示す波形図である。
図6】第3実施形態に係る磁極とセンサとを示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
複数の実施形態が、図面を参照しながら説明される。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0013】
第1実施形態
図1において、内燃機関用回転電機(以下、単に回転電機という)10は、発電電動機、始動発電機、または交流発電機スタータ(AC Generator Starter)とも呼ばれる。回転電機10の用途の一例は、乗り物用の内燃機関12の発電電動機である。乗り物は、車両、船舶、航空機、アミューズメント機器、または、シミュレーション機器である。乗り物の典型的な一例は、鞍乗り型車両である。回転電機10は、発電機、または、空調機器など定置の内燃機関に用いられてもよい。
【0014】
回転電機10は、インバータ回路(INV)と制御装置(ECU)とを含む電気回路11と電気的に接続されている。電気回路11は、三相の電力変換回路を提供する。電気回路11は、回転電機10が発電機として機能するとき、出力される交流電力を整流し、バッテリを含む電気負荷に電力を供給する整流回路を提供する。電気回路11は、回転電機10から供給される点火制御用、および/または、燃料噴射制御用の基準位置信号を受信する信号処理回路を提供する。電気回路11は、点火制御、および/または、燃料噴射制御を実行する点火制御器、および/または、燃料噴射制御を提供する。点火制御は、所定のクランク角において点火を実行する。所定のクランク角は、基準信号に基づいて特定される。燃料噴射制御は、所定のクランク角において燃料噴射を実行する。所定のクランク角は、基準信号に基づいて特定される。
【0015】
電気回路11は、回転電機10を電動機として機能させる駆動回路を提供する。電気回路11は、回転電機10を電動機として機能させるための回転位置信号を回転電機10から受信する。電気回路11は、検出された回転位置に応じて回転電機10への通電を制御することにより回転電機10を電動機として機能させる。
【0016】
この明細書における制御装置は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)とも呼ばれる場合がある。制御装置、または制御システムは、(a)if-then-else形式と呼ばれる複数の論理としてのアルゴリズム、または(b)機械学習によってチューニングされた学習済みモデル、例えばニューラルネットワークとしてのアルゴリズムによって提供される。
【0017】
制御装置は、少なくともひとつのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、データ通信装置によってリンクされた複数のコンピュータを含む場合がある。コンピュータは、ハードウェアである少なくともひとつのプロセッサ(ハードウェアプロセッサ)を含む。ハードウェアプロセッサは、下記(i)、(ii)、または(iii)により提供することができる。
【0018】
(i)ハードウェアプロセッサは、少なくともひとつのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくともひとつのプロセッサコアである場合がある。この場合、コンピュータは、少なくともひとつのメモリと、少なくともひとつのプロセッサコアとによって提供される。プロセッサコアは、CPU:Central Processing Unit、GPU:Graphics Processing Unit、RISC-CPUなどと呼ばれる。メモリは、記憶媒体とも呼ばれる。メモリは、プロセッサによって読み取り可能な「プログラムおよび/またはデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどによって提供される。プログラムは、それ単体で、またはプログラムが格納された記憶媒体として流通する場合がある。
【0019】
(ii)ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。この場合、コンピュータは、プログラムされた多数の論理ユニット(ゲート回路)を含むデジタル回路によって提供される。デジタル回路は、ロジック回路アレイ、例えば、ASIC:Application-Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、SoC:System on a Chip、PGA:Programmable Gate Array、CPLD:Complex Programmable Logic Deviceなどとも呼ばれる。デジタル回路は、プログラムおよび/またはデータを格納したメモリを備える場合がある。コンピュータは、アナログ回路によって提供される場合がある。コンピュータは、デジタル回路とアナログ回路との組み合わせによって提供される場合がある。
【0020】
(iii)ハードウェアプロセッサは、上記(i)と上記(ii)との組み合わせである場合がある。(i)と(ii)とは、異なるチップの上、または共通のチップの上に配置される。これらの場合、(ii)の部分は、アクセラレータとも呼ばれる。
【0021】
制御装置と信号源と制御対象物とは、多様な要素を提供する。それらの要素の少なくとも一部は、ブロック、モジュール、またはセクションと呼ぶことができる。さらに、制御システムに含まれる要素は、意図的な場合にのみ、機能的な手段と呼ばれる。
【0022】
この開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0023】
回転電機10は、内燃機関12に組み付けられている。内燃機関12は、ボディ13と、ボディ13に回転可能に支持され、内燃機関12と連動して回転する回転軸14とを有する。回転電機10は、取付対象であるボディ13と回転軸14とに組み付けられている。ボディ13は、内燃機関12のクランクケース、ミッションケースなどの構造体である。回転軸14は、内燃機関12のクランク軸、またはクランク軸と連動する回転軸である。回転軸14は、内燃機関12が運転されることによって回転する。
【0024】
回転軸14は、回転電機10を発電機として機能させるように回転電機10を回転させる。回転軸14は、回転電機10が電動機として機能するとき、回転電機10の回転によって内燃機関12を始動可能な回転軸である。また、回転軸14は、回転電機10が電動機として機能するとき、回転電機10の回転によって内燃機関12の回転を支援(アシスト)することができる回転軸である。回転軸14は、回転電機10が電動機として機能するとき、内燃機関12に代わって回転動力を提供する回転軸でもある。
【0025】
回転電機10は、回転子21と、固定子31と、センサユニット37とを有する。以下の説明において、軸方向ADの語は、固定子31を円筒体とみなした場合の中心軸の方向を意味する。径方向RDの語は、固定子31を円筒体とみなした場合の直径方向を意味する。周方向CDの語は、固定子31を円筒体とみなした場合の円周方向を意味する。
【0026】
回転子21は、界磁子である。固定子31は、電機子である。回転子21は、全体がカップ状である。回転子21は、その開口端をボディ13に向けて位置付けられる。回転子21は、回転軸14の端部に固定される。回転子21と回転軸14とは、キー嵌合などの回転方向の位置決め機構を介して連結されている。回転子21は、固定ボルト25によって回転軸14に締め付けられることによって固定されている。回転子21は、回転軸14とともに回転する。回転子21は、永久磁石によって界磁、すなわち回転界磁を提供する。
【0027】
回転子21は、カップ状のロータコア22を有する。ロータコア22は、内燃機関12の回転軸14に連結される。ロータコア22は、回転軸14に固定される内筒と、内筒の径方向外側に位置する外筒と、内筒と外筒との間に拡がる環状の底板とを有する。ロータコア22は、後述する永久磁石のためのヨークを提供する。ロータコア22は、鉄椀とも呼ばれる。ロータコア22は、磁性金属製である。
【0028】
回転子21は、ロータコア22の内面に配置された永久磁石23を有する。永久磁石23は、外筒の内側に固定されている。永久磁石23は、径方向内側に配置された保持カップ24によって軸方向ADおよび径方向RDに関して固定されている。保持カップ24は、薄い非磁性金属製である。保持カップ24は、ロータコア22に固定されている。
【0029】
永久磁石23は、複数の磁石片を有する。セグメントは、磁石片とも呼ばれる。それぞれの磁石片は、部分円筒状である。永久磁石23は、12個の磁石片によって、6対のN極とS極、すなわち12極の界磁を提供する。磁極の数は、他の数でもよい。永久磁石23は、その内側に、複数のN極と複数のS極とを提供する。
【0030】
永久磁石23は、複数の基本磁極を提供する。複数の基本磁極は、所定の基本周期(PT)で極性が交番するように形成されている。複数の基本磁極は、発電機または電動機として機能するための回転電機のための回転磁界を提供する。永久磁石23は、少なくとも界磁を提供する。回転子21は、固定子31に回転磁界を提供する。基本磁極は、回転電機10を少なくとも電動機として機能させるための回転位置信号を提供する。基本磁極は、回転信号用磁極とも呼ばれる。
【0031】
永久磁石23は、部分的な特殊磁極を提供する。特殊磁極は、ひとつの磁極片の中において基本磁極と異なる極性をもつように永久磁石の一部に形成されている。特殊磁極は、点火制御、および/または燃料噴射制御のための基準位置信号を提供する。特殊磁極は、界磁のための磁極配列とは異なる部分的な磁極によって提供される。特殊磁極は、基準位置信号用磁極とも呼ばれる。
【0032】
固定子31とボディ13とは、固定ボルト34を介して連結されている。固定子31は、複数の固定ボルト34によってボディ13に締め付けられることによって固定されている。固定子31は、回転子21とボディ13との間に配置されている。固定子31は、回転子21の内面とギャップを介して対向する仮想の外周面を有する。仮想の外周面は、複数の磁極35によって提供されている。固定子31は、ボディ13に固定されている。
【0033】
固定子31は、ステータコア32を有する。ステータコア32は、第1端面SD1と、第1端面SD1の反対側である第2端面SD2と、外周面とを有する。ステータコア32は、内燃機関12のボディ13に固定されることによって回転子21の内側に配置される。ステータコア32は、複数のティース部分を有する。ひとつのティース部分は、ひとつの磁極35を提供する。ステータコア32は、複数の磁極35を提供する。ステータコア32は、外突極型の鉄心を提供する。固定子31は、例えば、18個の磁極35を有する。
【0034】
固定子31は、ステータコア32に装着されたステータコイル33を有する。ステータコイル33は、電機子巻線を提供する。ステータコア32とステータコイル33との間にはインシュレータ36が配置されている。インシュレータ36は、電気絶縁部材である。インシュレータ36は、電気絶縁性の樹脂製である。ステータコイル33は、三相巻線である。ステータコイル33は、回転子21および固定子31を発電機または電動機として選択的に機能させることができる。
【0035】
センサユニット37は、内燃機関用回転位置検出装置を提供する。センサユニット37は、内燃機関12に連動する回転電機10に設けられている。センサユニット37は、固定子31に設けられている。センサユニット37は、回転電機10のステータコア32に設けられている。センサユニット37は、固定ボルト39によってステータコア32の第1端面SD1に固定されている。固定ボルト39は、第2端面SD2から第1端面SD1に向けて貫通している。
【0036】
センサユニット37は、複数のセンサ38を備える。センサユニット37は、センサ38を隣接する2つの磁極35の間に位置づけている。ひとつのセンサ38は、基準位置信号を出力するように位置づけられる。ひとつのセンサ38は、基準位置センサとも呼ばれる。他の少なくともひとつのセンサ38は、回転信号を出力するように位置づけられる。他の少なくともひとつのセンサ38は、回転位置センサとも呼ばれる。この実施形態では、複数のセンサ38のうちのひとつのセンサ38が、基準位置センサを提供する。この実施形態では、複数のセンサ38のうちの3つのセンサ38が、回転位置センサを提供する。複数のセンサ38が、4つのセンサを備える場合、ひとつのセンサが基準位置センサを提供し、残る3つのセンサが回転位置センサを提供することができる。複数のセンサ38が、3つのセンサを備える場合、ひとつのセンサが基準位置センサを提供し、全体の3つのセンサが回転位置センサを提供することができる。
【0037】
センサユニット37は、複数のセンサ38から出力される信号を外部に取り出すための外部接続用の配線15を有する。配線15は、基準位置信号および回転信号を伝達することができる。回転電機10は、ステータコイル33と電気回路11とを接続する複数の電力線16を有する。電力線16は、可撓性のケーブルによって提供されている。電力線16は、回転電機10が発電機として機能するとき、ステータコイル33に誘導される電力を電気回路11に供給する。電力線16は、回転電機10が電動機として機能するとき、ステータコイル33を励磁するための電力を電気回路11からステータコイル33へ供給する。
【0038】
図2において、対向して配置されている回転子21と固定子31との展開図が図示されている。回転子21は、矢印RTを正転方向としている。なお、基本磁極26におけるS極26aとN極26bとは交換可能である。特殊磁極27におけるS極27aとN極27bとは交換可能である。
【0039】
永久磁石23は、複数の磁石片23a、23b、23c、23dを有する。複数の磁石片23a、23b、23c、23dは、基本磁極26ごとに着磁されており、基本磁極26を提供する。この実施形態では、4種類の着磁パターンに着磁された4種類の磁石片が使用されている。複数の磁石片23a、23b、23c、23dは、基本磁極26のみを有する2種類の複数の磁石片23a、23bを備える。複数の磁石片は、基本磁極26と特殊磁極27との両方を有する2種類の2つの磁石片23c、23dを備える。複数の磁石片23aは、基本磁極26としてのS極26aを有する。複数の磁石片23bは、基本磁極26としてのN極26bを有する。複数の基本磁極26の極性が交番する基本周期PTは、複数の磁石片23a、23b、23c、23dの周方向幅に依存している。
【0040】
ひとつの磁石片23cは、基本磁極26としてのN極26bと、特殊磁極27としてのS極27aとを有する。磁石片23cにおいて、基本磁極26の面積は、特殊磁極27の面積より大きい。特殊磁極27は、基本磁極26の一部である。特殊磁極27は、永久磁石23において基本磁極26に挟まれて配置されている。特殊磁極27は、永久磁石23における軸方向の中間に基本磁極26に挟まれて配置されている。特殊磁極27は、軸方向に関して基本磁極26に挟まれているが、周方向に関して基本磁極26に挟まれていてもよい。
【0041】
ひとつの磁石片23dは、基本磁極26としてのS極26aと、特殊磁極27としてのN極27bとを有する。磁石片23dにおいて、基本磁極26の面積は、特殊磁極27の面積より大きい。特殊磁極27は、基本磁極26の一部である。特殊磁極27は、基本磁極26に挟まれて位置している。
【0042】
磁石片23a、23b、23c、23dは、基本磁極26が周方向CDに沿って交番するように配置されている。2つの磁石片23c、23dは、基本磁極26と特殊磁極27とが周方向CDに沿って連続する極性を示すように配置されている。2つの磁石片23c、23dは、特殊磁極27が周方向CDに沿って反転する極性を示すように配置されている。磁石片23cは、例えば、磁石片23aが提供する基本磁極26であるS極26aと、磁石片23cが提供する特殊磁極27であるS極27aとが連続する極性を示すように配置されている。磁石片23cと磁石片23dとは、磁気的な特性が検出可能に異なる2つの特殊磁極27を提供している。磁石片23cと磁石片23dとは、2つの特殊磁極27が周方向CDに沿って反転する極性を示すように配置されている。磁石片23dは、例えば、磁石片23bが提供する基本磁極26であるN極26bと、磁石片23dが提供する特殊磁極27であるN極27bとが連続する極性を示すように配置されている。特殊磁極27は、周方向CDに隣接する2つの磁石片23c、23dに着磁され、異なる極性をもつS極27aおよびN極27bを有する。
【0043】
基本磁極26は、周方向CDに沿って延びる基本磁極軌道28にあらわれるように配置されている。基本磁極軌道28には、複数の基本磁極26だけがあらわれる。特殊磁極27は、周方向CDに沿って延びる特殊磁極軌道29にあらわれるように配置されている。特殊磁極軌道29は、永久磁石23の軸方向の実質的な中央に設定されている。特殊磁極軌道29には、複数の基本磁極26とすべての特殊磁極27とがあらわれる。
【0044】
センサユニット37は、基本磁極軌道28に配置された複数のセンサ38a、38b、38cを有する。基本磁極軌道28は、回転子21の回転方向に沿って基本磁極26が配置された軌道である。センサ38a、38b、38cは、回転信号を出力する。センサユニット37は、特殊磁極軌道29に配置されたひとつのセンサ38dを有する。特殊磁極軌道29は、回転子21の回転方向に沿って特殊磁極27が配置された軌道である。センサ38dは、基準位置信号を出力する。複数のセンサ38a、38b、38c、38dは、永久磁石23が提供する磁束を検出する。複数のセンサ38a、38b、38c、38dは、磁束に反応する多様なセンサ素子によって提供することができる。複数のセンサ38a、38b、38c、38dは、例えば、ホール効果を利用したセンサによって提供することができる。
【0045】
この実施形態によると、特殊磁極27は、周方向に隣接する2つの磁石片にわたって同じ極性の磁極を提供する。特殊磁極27は、周方向に隣接する3つの磁極にわたって同じ極性の磁極を提供しない。特殊磁極27は、例えば、周方向に隣接する2つの磁石片23a、23cにわたって同じ極性の磁極、すなわちS極26aとS極27aとを提供する。特殊磁極27は、例えば、周方向に隣接する2つの磁石片23d、23bにわたって同じ極性の磁極、すなわちN極26bとN極27bとを提供する。
【0046】
特殊磁極27は、基準位置を示す区間において周方向CDに隣接する2つの磁石片23c、23dに異なる極性の磁極を提供するように配置されている。図示される実施形態では、S極27aとN極27bとは、周方向CDに隣接する2つの磁石片23c、23dに配置されており、かつ、異なる極性を与えられている。なお、S極27aとN極27bとは、交換可能である。異なる極性は、S極とN極との関係、S極と無着磁との関係、または、無着磁とN極との関係を含む。
【0047】
図3は、複数のセンサ38a、38b、38c、38dの出力信号波形を示す。波形A、B、C、Dのそれぞれは、複数のセンサ38a、38b、38c、38dのそれぞれに対応している。回転位置センサとしての3つのセンサ38a、38b、38cは、複数の出力波形A、B、Cを出力する。出力波形A、B、Cは、基本磁極26が規定する基本周期PTの矩形波として出力される。出力波形A、B、Cの位相は、周期1/3×PTごとにずれている。この結果、回転位置信号は、周期1/3×PTの分解能を実現可能である。
【0048】
基準位置センサとしてのセンサ38dは、出力波形Dを出力する。出力波形Dは、基準位置信号である。出力波形Dは、基本周期PTの基本周期期間と、周期2×PTの欠歯期間とを有する。欠歯期間は、基準位置を示している。出力波形Dは、欠歯期間においても、基本周期PTで交番する。出力波形Dは、時刻t101と時刻t103との間において欠歯部分を提供する。出力波形Dは、時刻t102においても交番する。出力波形Dは、欠歯期間においても実質的に2回の基準位置を示すことができる。言い換えると、出力波形Dは、欠歯期間においても基本周期PTの分解能を実現可能である。この結果、出力波形Dは、欠歯期間において、周期3/2×PT(1.5×PT)よりも高い分解能を提供する。
【0049】
特殊磁極27と基本磁極26とが提供する同じ極性の周方向長さLGは、基本周期PTの1/2を超え、基本周期PT以下である。長さLGは、1/2×PT<LG≦PTである。基本周期PTを超える長い期間を要することなく、基準位置を示すことができる。この結果、基準位置の検出精度が高い内燃機関用回転電機の回転子が提供される。
【0050】
基準位置の到来は、回転位置信号から与えられる信号周期1/3×PTに基づいて判定可能である。内燃機関12の始動時に回転数が徐々に上昇する過程においても、信号周期1/3×PTと、基本周期PTとの差は、欠歯機関の到来の判定を可能とする。さらに、基準位置信号が提供する周期2×PTの欠歯期間は、2回の欠歯判定の機会を提供する。
【0051】
電気回路11は、センサユニット37からの複数の信号に基づいて基準位置を検出する。電気回路11は、基準位置に基づいて、点火制御、および/または、燃料噴射制御を実行する。電気回路11は、例えば、センサ38dからの信号に加えて、位相センサとしての3つのセンサ38a、38b、38cのうちの2つのセンサを使用して、点火位置、および/または燃料噴射位置を特定する。この実施形態によると、内燃機関12におけるいわゆる失火の発生を抑制することができる。よって、内燃機関12の始動時においても、点火および/または燃料噴射を確実に実行することができる。この結果、内燃機関12の始動が速く完了する。
【0052】
以上に述べた実施形態によると、基準位置の検出精度が高い内燃機関用回転電機が提供される。ひとつの観点では、内燃機関12の回転速度が遅い始動時においても、高い精度で欠歯部分の到来(基準位置の到来)を示すことができる。内燃機関の始動時において早期に基準位置を示すことができる。この結果、内燃機関12の始動が速い内燃機関用回転電機が提供される。
【0053】
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、基準位置信号である出力波形Dは、基本周期PTの分解能を提供する。これに代えて、この実施形態では、基準位置信号は、周期3/4×PTの分解能を提供する。
【0054】
図4において、永久磁石23は、基本磁極26ごとに着磁された複数の磁石片223a、223b、223cを備える。特殊磁極227a、227b、227cは、複数の磁石片のすべてに着磁されている。特殊磁極27は、基本周期PTの1/2で極性が交番するように形成されている。この実施形態では、3種類の着磁パターンに着磁された3種類の磁石片が使用されている。複数の磁石片223a、223b、223cは、基本磁極26と2つの特殊磁極227a、227bとを有する2種類の複数の磁石片223a、223bを備える。複数の磁石片223a、223b、223cは、基本磁極26とひとつの特殊磁極227cとを有する1つの磁石片223cを備える。この実施形態でも、基本磁極26におけるS極26aとN極26bとは交換可能である。特殊磁極27におけるS極227aとN極227bとも交換可能である。
【0055】
回転子21は、複数の磁石片223a、223b、223cを有する。複数の磁石片223aは、基本磁極26としてのS極26aと、特殊磁極27としてのS極227a、および、N極227bとを有する。複数の磁石片223bは、基本磁極26としてのN極26bと、特殊磁極27としてのS極227a、および、N極227bとを有する。特殊磁極227としてのS極227a、および、N極227bは、ひとつの磁石片223a、223bを周方向CDに2分して着磁されている。
【0056】
ひとつの磁石片223cは、基本磁極26としてのS極26aと、特殊磁極27としてのN極227cとを有する。N極227cは、ひとつの磁石片223cの周方向CDにおける全体にわたって延びている。
【0057】
複数の磁石片223a、223b、223cは、基本磁極26としてのS極26aおよびN極26bが交番するように配置されている。磁石片223cは、周方向CDにおけるいずれか一方の特殊磁極(S極227aまたはN極227b)と連続した極性を提供するように配置されている。
【0058】
図5において、基準位置センサとしてのセンサ38dは、出力波形Dを出力する。出力波形Dは、基準位置信号である。出力波形Dは、周期1/2×PTの期間と、周期3/4×PTの欠歯期間とを有する。欠歯期間は、基準位置を示している。出力波形Dは、時刻t201と時刻t203との間において欠歯部分を提供する。出力波形Dは、欠歯期間において、周期3/2×PT(1.5×PT)よりも高い分解能を提供する。
【0059】
基準位置の到来は、基本周期の期間に与えられる信号周期1/2×PTに基づいて判定可能である。内燃機関12の始動時に回転数が徐々に上昇する過程においても、信号周期1/2×PTと、周期3/4×PTとの差は、欠歯期間の到来の判定を可能とする。
【0060】
以上に述べた実施形態によると、基準位置の検出精度が高い内燃機関用回転電機が提供される。ひとつの観点では、内燃機関12の回転速度が遅い始動時においても、高い精度で欠歯部分の到来(基準位置の到来)を示すことができる。内燃機関の始動時において早期に基準位置を示すことができる。この結果、内燃機関12の始動が速い内燃機関用回転電機が提供される。
【0061】
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、特殊磁極27は、永久磁石23のほぼ中央に形成されている。これに代えて、特殊磁極27は、永久磁石23の軸方向のいずれか一方に偏在して形成されてもよい。
【0062】
図6において、磁石片23cは、永久磁石23における軸方向の一端に配置された特殊磁極27としてのS極327aを有する。磁石片23dは、永久磁石23における軸方向の一端に配置された特殊磁極27としてのN極327bを有する。この結果、基本磁極26は、基本磁極軌道28にあらわれるように配置されている。特殊磁極27は、特殊磁極軌道29にあらわれるように配置されている。センサユニット37は、基本磁極軌道28に配置された回転位置センサとしてのセンサ38a、38b、38cを有する。センサユニット37は、特殊磁極軌道29に配置された基準位置センサとしてのセンサ38dを有する。この結果、センサ38a、38b、38cは、回転位置を示す複数の回転位置信号を出力する。センサ38dは、基準位置を示す基準位置信号を出力する。この実施形態でも、先行する第1実施形態と同様の信号波形が得られる。
【0063】
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0064】
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
【0065】
上記実施形態では、複数の基本磁極26は、複数の磁石片23a、23b、23c、23dによって提供されている。これに代えて、ひとつの磁石片によって、複数の基本磁極26を提供してもよい。異なる極性の語は、磁気的な特性が検出可能に異なることを意味している。また、異なる極性の語は、S極とN極との関係、S極と無着磁との関係、または、無着磁とN極との関係を含む用語である。
【0066】
上記実施形態では、1周期Tの中に、ひとつの基準位置を設定している。これに代えて、1周期Tの中に、2つ以上の基準位置を設定してもよい。例えば、複数の磁石片23a、23bに加えて、回転子21の複数の位置に、複数の組の磁石片23c、23dを配置することができる。複数の磁石片223a、223bに加えて、回転子21の複数の位置に、複数の磁石片223cが配置されてもよい。同様に、複数の磁石片23a、23bに加えて、回転子21の複数の位置に、複数の組の磁石片323c、323dが配置されてもよい。
【0067】
上記実施形態では、センサユニット37は、4つのセンサ38を備える。これに代えて、センサユニット37は、3つのセンサ38を備えていてもよい。この場合、センサユニット37は、基本磁極軌道28に配置された2つのセンサ38と、特殊磁極軌道29に配置されたひとつのセンサ38とを備えることができる。特殊磁極軌道29に配置されたひとつのセンサ38は、基準位置センサおよび回転位置センサの両方として利用される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6