(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】ジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機
(51)【国際特許分類】
B23K 26/38 20140101AFI20220825BHJP
G05B 19/4093 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
B23K26/38 A
G05B19/4093 H
(21)【出願番号】P 2021516240
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017629
(87)【国際公開番号】W WO2020218477
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2019085013
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】宮本 晴雄
(72)【発明者】
【氏名】五本木 正弘
(72)【発明者】
【氏名】成田 真庸
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-039706(JP,A)
【文献】特開平06-161528(JP,A)
【文献】特開2013-128972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00-26/70
G05B 19/4093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラム
に含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出し、抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出し、抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定し、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、
前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、
前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部と、
を備えるジョイント量制御装置。
【請求項2】
前記ジョイント補正量生成部は、前記部品に設けられるジョイントのうちの1または複数のジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定する操作に応答して、前記ジョイント補正量を生成する請求項1に記載のジョイント量制御装置。
【請求項3】
前記ジョイント補正量生成部は、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを、前記レーザ加工機が前記板金を切断するときに選択する加工条件を示す加工条件番号、前記部品に設けられるジョイントに付されたジョイント番号、前記部品の部品番号のうちのいずれかによって特定する請求項2に記載のジョイント量制御装置。
【請求項4】
前記ジョイント補正量生成部は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して一律のジョイント補正量を生成する請求項1に記載のジョイント量制御装置。
【請求項5】
前記加工プログラム解析部は、
前記アプローチにつながる3つの切断経路の各切断開始点である3点の切断開始点と、前記レーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の2つの切断経路の各切断終了点との3点の切断終了点とを抽出し、
抽出した全ての前記3点の切断開始点と全ての前記3点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、
算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出する
請求項1~4のいずれか1項に記載のジョイント量制御装置。
【請求項6】
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、
前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、
前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部と、
を備え
、
前記加工プログラムが第1の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機用に作成された加工プログラムであり、前記NC装置が制御する前記レーザ加工機が前記第1の工具径補正量とは異なる第2の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機であるとき、
前記ジョイント補正量生成部は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して、前記第1の工具径補正量と前記第2の工具径補正量との差分に基づく一律のジョイント補正量を生成する
ジョイント量制御装置。
【請求項7】
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、
前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、
前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部と、
を備え
、
前記加工プログラム解析部は、ジョイント量を最大に減少させることができる最大値を求め、
前記ジョイント情報付加部は、前記ジョイント情報に前記最大値を含ませる
ジョイント量制御装置。
【請求項8】
コンピュータ機器が、
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラム
に含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出し、
抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、
算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出し、
抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定し、
ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出し、
抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加し、
NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信し、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成し、
前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信する
ジョイント量制御方法。
【請求項9】
前記コンピュータ機器は、前記部品に設けられるジョイントのうちの1または複数のジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定する操作に応答して、前記ジョイント補正量を生成する請求項8に記載のジョイント量制御方法。
【請求項10】
前記コンピュータ機器は、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを、前記レーザ加工機が前記板金を切断するときに選択する加工条件を示す加工条件番号、前記部品に設けられるジョイントに付されたジョイント番号、前記部品の部品番号のうちのいずれかによって特定する請求項9に記載のジョイント量制御方法。
【請求項11】
前記コンピュータ機器は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して一律のジョイント補正量を生成する請求項8に記載のジョイント量制御方法。
【請求項12】
前記コンピュータ機器は、
前記アプローチにつながる3つの切断経路の各切断開始点である3点の切断開始点と、前記レーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の2つの切断経路の各切断終了点との3点の切断終了点とを抽出し、
抽出した全ての前記3点の切断開始点と全ての前記3点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、
算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出する
請求項8~11のいずれか1項に記載のジョイント量制御方法。
【請求項13】
コンピュータ機器が、
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出し、
抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加し、
NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信し、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成し、
前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信
し、
前記加工プログラムが第1の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機用に作成された加工プログラムであり、前記NC装置が制御する前記レーザ加工機が前記第1の工具径補正量とは異なる第2の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機であるとき、
前記コンピュータ機器は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して、前記第1の工具径補正量と前記第2の工具径補正量との差分に基づく一律のジョイント補正量を生成する
ジョイント量制御方法。
【請求項14】
コンピュータ機器に、
レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラム
に含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出するステップと、
抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出するステップと、
算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出するステップと、
抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定するステップと、
ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出するステップと、
抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するステップと、
NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信するステップと、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するステップと、
前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信するステップと、
を実行させるジョイント量制御プログラム。
【請求項15】
板金を切断して部品を作製するための加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードのうちの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報が付加されている加工プログラムを読み込む加工プログラム読み込み部と、
前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに対応付けられて設定されたジョイント補正量を記憶するジョイント補正量記憶部と、
前記加工プログラム読み込み部によって読み込まれた前記加工プログラムを解釈して、前記部品に設けられるジョイントのジョイント量を決定するとき、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を、前記ジョイント補正量記憶部に記憶された前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるインタプリタと、
を備え
、
前記インタプリタは、
ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、レーザ加工機が前記板金を切断するときに選択する加工条件を示す加工条件番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定された加工条件番号が示す加工条件を選択して前記板金を切断するときに形成するジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させ、
ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、前記部品に設けられるジョイントに付されたジョイント番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定されたジョイント番号のジョイントを形成するときにジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させ、
ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、前記部品の部品番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定された部品番号を示す部品を作製するよう前記板金を切断するときに形成するジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させる
レーザ加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工機によって板金を切断して所定の形状の部品を作製するとき、部品を母材から完全に分離しないように部品と母材とをつなぐジョイントを形成することがある(特許文献1参照)。ジョイントは、板金の切断後の部品の跳ね上がりまたは落下を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
板金を切断するための加工プログラムは、自動プログラミング装置(CAM機器)によって作成される。ジョイントの位置及びジョイント量を設定することによって、自動プログラミング装置は、板金よりジョイントが付加された部品を切断する加工プログラムを作成することができる。ジョイント量とは、部品端部の板金を切断しない部分の距離である。
【0005】
加工プログラムにおいてジョイント量が適切に設定されたとしても、実際のレーザ加工機の加工条件によってジョイント量が適切とならないことがある。具体的には、本来形成されるはずのジョイントが形成されないことがあり、ジョイント量が少なすぎて部品が不用意に母材から離れてしまうことがあり、ジョイント量が多すぎてジョイントを切断しにくいことがある。例えば、レーザ加工機における入熱量のばらつき等によって、不適切なジョイント量となることがある。CO2レーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムを、ファイバレーザ発振器を用いるレーザ加工機で用いると、不適切なジョイント量となることがある。
【0006】
従来においては、レーザ加工機によって板金を実際に切断したときにジョイント量が適切でなかった場合、ジョイント量を修正するために加工プログラムを作成し直す必要がある。
【0007】
1またはそれ以上の実施形態は、加工プログラムを作成し直すことなく、ジョイント量を補正することができるジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機を提供することを目的とする。
【0008】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様によれば、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムに含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出し、抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出し、抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定し、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部とを備えるジョイント量制御装置が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様によれば、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部とを備え、前記加工プログラムが第1の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機用に作成された加工プログラムであり、前記NC装置が制御する前記レーザ加工機が前記第1の工具径補正量とは異なる第2の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機であるとき、前記ジョイント補正量生成部は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して、前記第1の工具径補正量と前記第2の工具径補正量との差分に基づく一律のジョイント補正量を生成するジョイント量制御装置が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様によれば、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出する加工プログラム解析部と、前記加工プログラム解析部が抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するジョイント情報付加部と、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するジョイント補正量生成部と、前記レーザ加工機を制御するNC装置が前記加工プログラムに基づいてジョイントが設けられた部品を作製するよう板金を切断し、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムと、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量とを前記NC装置に送信する送信部とを備え、前記加工プログラム解析部は、ジョイント量を最大に減少させることができる最大値を求め、前記ジョイント情報付加部は、前記ジョイント情報に前記最大値を含ませるジョイント量制御装置が提供される。
【0009】
1またはそれ以上の実施形態の第4の態様によれば、コンピュータ機器が、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムに含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出し、抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出し、算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出し、抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定し、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出し、抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加し、NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信し、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成し、前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信するジョイント量制御方法が提供される。
1またはそれ以上の実施形態の第5の態様によれば、コンピュータ機器が、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムを解析して、前記加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出し、抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加し、NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信し、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成し、前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信し、前記加工プログラムが第1の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機用に作成された加工プログラムであり、前記NC装置が制御する前記レーザ加工機が前記第1の工具径補正量とは異なる第2の工具径補正量で工具径を補正して板金を切断するレーザ加工機であるとき、前記コンピュータ機器は、前記部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定し、前記部品に設けられる全てのジョイントに対して、前記第1の工具径補正量と前記第2の工具径補正量との差分に基づく一律のジョイント補正量を生成するジョイント量制御方法が提供される。
【0010】
1またはそれ以上の実施形態の第6の態様によれば、コンピュータ機器に、レーザ加工機によって板金を切断して部品を作製するための加工プログラムに含まれている全ての切断開始を示すコードの各コードに続く複数の切断経路、及び全ての切断終了点を示すコードの各コードに続く複数の切断経路に基づいて、レーザ切断開始側においてピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる切断経路の切断開始点を少なくとも含む少なくとも1点の切断開始点と、レーザ切断終了側においてレーザ切断終了点と前記レーザ切断終了点に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とを含む少なくとも2点の切断終了点とを抽出するステップと、抽出した全ての前記1点の切断開始点と全ての前記2点の切断終了点との全ての組み合わせで互いの距離を算出するステップと、算出した距離が所定の距離の範囲内である切断開始点と切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補であるジョイント候補として抽出するステップと、抽出した前記ジョイント候補のうち、前記ジョイント候補の前記切断開始点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長した延長線と前記ジョイント候補の前記切断終了点に至る切断経路を切断進行方向に延長した延長線とが衝突または交差するジョイント候補を、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組であると決定するステップと、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断開始点をレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点とし、ジョイントを構成する組であると決定した前記切断終了点をレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点として、前記第1の端点及び前記第2の端点の組を示す第1及び第2のコードを抽出するステップと、抽出した前記第1のコードと前記第2のコードとの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報を前記加工プログラムに付加するステップと、NC装置が前記加工プログラムに基づいて前記レーザ加工機を制御することにより前記板金を切断して、ジョイントが設けられた前記部品を作製するよう、前記ジョイント情報が付加された前記加工プログラムを前記NC装置に送信するステップと、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに設定するジョイント補正量を生成するステップと、前記レーザ加工機が前記部品を作製するときに、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるよう、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントを示す情報が対応付けられた前記ジョイント補正量を前記NC装置に送信するステップとを実行させるジョイント量制御プログラムが提供される。
【0011】
1またはそれ以上の実施形態の第7の態様によれば、板金を切断して部品を作製するための加工プログラムに含まれる、ジョイントを構成するレーザ切断開始側の切断経路の第1の端点及びレーザ切断終了側の切断経路の第2の端点の組を示す第1及び第2のコードのうちの少なくとも一方の位置を示すジョイント情報が付加されている加工プログラムを読み込む加工プログラム読み込み部と、前記加工プログラムに基づいて作製される前記部品に設けられるジョイントのうち、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントに対応付けられて設定されたジョイント補正量を記憶するジョイント補正量記憶部と、前記加工プログラム読み込み部によって読み込まれた前記加工プログラムを解釈して、前記部品に設けられるジョイントのジョイント量を決定するとき、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントのジョイント量を、前記ジョイント補正量記憶部に記憶された前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるインタプリタとを備え、前記インタプリタは、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、レーザ加工機が前記板金を切断するときに選択する加工条件を示す加工条件番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定された加工条件番号が示す加工条件を選択して前記板金を切断するときに形成するジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させ、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、前記部品に設けられるジョイントに付されたジョイント番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定されたジョイント番号のジョイントを形成するときにジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させ、ジョイント量を増加または減少させる対象のジョイントが、前記部品の部品番号で特定されているときには、前記レーザ加工機が特定された部品番号を示す部品を作製するよう前記板金を切断するときに形成するジョイントのジョイント量を前記ジョイント補正量だけ増加または減少させるレーザ加工機が提供される。
【0012】
1またはそれ以上の実施形態のジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機によれば、加工プログラムを作成し直すことなく、ジョイント量を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、1またはそれ以上の実施形態のジョイント量制御装置及びレーザ加工機の第1の構成例を示すブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、ジョイントの形成方法の第1の例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、ジョイントの形成方法の第2の例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、ジョイントの形成方法の第3の例を示す図である。
【
図3】
図3は、加工プログラムの一例を簡略化して示す図である。
【
図4】
図4は、加工プログラムより抽出されたレーザ切断開始側の切断指令とレーザ切断終了側の切断指令とを概念的に示す図である。
【
図5】
図5は、レーザ切断開始側の切断指令に含まれる3つの切断開始点とレーザ切断終了側の切断指令に含まれる3つの切断終了点との全ての組み合わせを示す図である。
【
図6】
図6は、ジョイントを構成しないレーザ切断開始側の切断指令とレーザ切断終了側の切断指令との組の一例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、
図2Aに示すジョイントの形成方法の第1の例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、
図2Bに示すジョイントの形成方法の第2の例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、
図2Cに示すジョイントの形成方法の第3の例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、ジョイントの形成方法の第4例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、ジョイントの形成方法の第5の例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、ジョイントの形成方法の第6の例におけるジョイントの最大短縮可能距離を示す図である。
【
図9】
図9は、ジョイント情報が付加された加工プログラムの一例を簡略化して示す図である。
【
図10】
図10は、板取りデータの表示画像の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、ジョイント量補正設定画像の一例を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、
図2Aに示すジョイントの形成方法の第1の例におけるジョイントのジョイント量を減少させた状態を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、
図2Bに示すジョイントの形成方法の第2の例におけるジョイントのジョイント量を減少させた状態を示す図である。
【
図12C】
図12Cは、
図2Cに示すジョイントの形成方法の第3の例におけるジョイントのジョイント量を減少させた状態を示す図である。
【
図13】
図13は、
図1に示す第1の構成例のジョイント量制御装置で実行されるジョイント量制御方法またはジョイント量制御プログラムが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、
図18に示す第1の構成例のレーザ加工機のNC装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、
図2Aに示すジョイントの形成方法の第1の例におけるジョイントにおいて、レーザ切断開始側をシフトすることによってジョイント量を減少させた状態を示す図である。
【
図17】
図17は、
図2Aに示すジョイントの形成方法の第1の例におけるジョイントにおいて、レーザ切断開始側及びレーザ切断終了側の双方をシフトすることによってジョイント量を減少させた状態を示す図である。
【
図18】
図18は、
図2Aに示すジョイントの形成方法の第1の例におけるジョイントにおいて、円弧状の逃げを付加するようにジョイント量を補正した状態を示す図である。
【
図19】
図19は、ジョイント特定情報を選択してジョイント量補正設定画像を表示するように構成した表示画像の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、
図19に示す表示画像において条件選択の選択ボタンに触れたときに表示されるジョイント量補正設定画像の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、
図19に示す表示画像において経路選択の選択ボタンに触れて1つの切断経路を選択し、選択した切断経路に存在するジョイントを、ジョイント量を補正する対象のジョイントに設定した状態を示す図である。
【
図22】
図22は、
図19に示す表示画像において範囲選択の選択ボタンに触れて、ジョイント量を補正する対象の切断経路を含む領域を設定した状態を示す図である。
【
図23】
図23は、
図22に示す領域の設定によって領域に含まれる切断経路に存在するジョイントを、ジョイント量を補正する対象のジョイントに設定した状態を示す図である。
【
図24】
図24は、
図19に示す表示画像において部品選択の選択ボタンに触れて1つの部品を選択し、選択した部品に含まれる切断経路に存在するジョイントを、ジョイント量を補正する対象のジョイントに設定した状態を示す図である。
【
図25】
図25は、1またはそれ以上の実施形態のジョイント量制御装置及びレーザ加工機の第2の構成例を示すブロック図である。
【
図26】
図26は、レーザビームのビーム径の違いによってジョイント量が不適切となる場合に生成すべきジョイント補正量を示す図である。
【
図27】
図27は、
図25に示す第2の構成例のジョイント量制御装置で実行されるジョイント量制御方法またはジョイント量制御プログラムが実行する部分的な処理を示すフローチャートである。
【
図28A】
図28Aは、1またはそれ以上の実施形態のジョイント量制御装置及びレーザ加工機の第3の構成例で実行されるジョイント量制御方法またはジョイント量制御プログラムが実行する部分的な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、1またはそれ以上の実施形態のジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
<第1の構成例>
図1において、ジョイント量制御装置10とレーザ加工機20とが接続されている。ジョイント量制御装置10は、中央制御部11、記憶部12、加工プログラム解析部13、ジョイント情報付加部14、ジョイント補正量生成部15、表示制御部16、タッチパネル17を備える。タッチパネル17は、液晶パネル等の表示部171と、表示部171上に配置されたタッチセンサ172とを有する。タッチセンサ172(タッチパネル17)は操作部の一例である。ジョイント量制御装置10は、タッチセンサ172以外の操作部を備えていてもよい。
【0016】
ジョイント量制御装置10は、コンピュータ機器によって構成することができる。中央制御部11は、コンピュータ機器の中央処理装置(CPU)であってもよい。加工プログラム解析部13、ジョイント情報付加部14、ジョイント補正量生成部15、表示制御部16は、CPUがコンピュータプログラムであるジョイント量制御プログラムを実行することによる機能的な構成であってもよい。ジョイント量制御プログラムは記憶部12等の非一時的な記憶媒体に記憶され、メインメモリにロードされて、CPUがジョイント量制御プログラムに記述されている各命令を実行する。
【0017】
ジョイント量制御装置10を構成する上で、ハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。
【0018】
記憶部12には、自動プログラミング装置によって作成された加工プログラムが記憶されている。記憶部12には、後述するジョイント量変換パラメータが記憶されている。ジョイント量制御装置10によって選択されたジョイントのジョイント量を補正すると、ジョイント補正量と、後述するように作成されたジョイント情報付加加工プログラムとが記憶部12に記憶される。
【0019】
加工プログラム、ジョイント量変換パラメータ、ジョイント情報付加加工プログラム、ジョイント補正量が全て共通の1つの記憶部に記憶されていなくてもよい。例えば、ジョイント量変換パラメータ及びジョイント補正量は、記憶部12以外の記憶部に記憶されていてもよい。加工プログラムがジョイント量制御装置10とネットワークで接続された加工プログラムデータベースに記憶されていて、ジョイント量制御装置10が加工プログラムデータベースより読み出した加工プログラムを記憶部12に記憶させてもよい。ジョイント補正量を記憶する記憶部は一時記憶部であってもよい。
【0020】
中央制御部11は、記憶部12より加工プログラムを読み出して加工プログラム解析部13に供給する。加工プログラム解析部13は、加工プログラムを解析して、板金より切断される部品の端部に設けられるジョイントの位置を抽出する。
【0021】
図2A~
図2Cを用いて、ジョイントがどのように形成されるかを説明する。
図2Aに示す例において、レーザ加工機20は、板金の切断を開始するとき部品の外部に設定したレーザ切断開始点P30にピアスPsを開け、部品の端部に位置する点P31まで直線の切断経路C31を切断する。以下、レーザ切断開始点P30を切断開始点P30と略記する。切断経路C31はアプローチと称される。切断開始点P30は切断経路C31の切断開始側の端点であり、点P31は切断経路C31の切断終了側の端点である。
【0022】
点P31は部品に沿って板金を切断するときの切断開始点となり、レーザ加工機20は、点P31から点P32までの切断経路C32を切断する。点P31は切断経路C32の切断開始側の端点であり、点P32は切断経路C32の切断終了側の端点である。レーザ加工機20は、点P32を切断開始点として、点P32から点P33までの切断経路C33を切断する。点P32は切断経路C33の切断開始側の端点であり、点P33は切断経路C33の切断終了側の端点である。
【0023】
また、点P31~P33は、レーザ切断開始側の最初の切断経路であるアプローチにつながる3つの切断経路の切断開始点である。
【0024】
レーザ加工機20は、部品の端部に沿って、点P42から点P41まで切断経路C41を切断し、点P41からレーザ切断終了点P40まで切断経路C40を切断して、板金の切断を終了する。レーザ切断終了点P40は、複数の切断経路が連結した一連の切断の切断終了点であり、レーザビームの照射を停止して加工ヘッドを上昇させる位置である。以下、レーザ切断終了点P40を切断終了点P40と略記する。点P42は切断経路C41の切断開始側の端点であり、点P41は切断経路C41の切断終了側の端点である。点P41は切断経路C40の切断開始側の端点であり、切断終了点P40は切断経路C40の切断終了側の端点である。
【0025】
また、点P41及びP42は、レーザ切断終了側の最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対側の2つの切断経路の切断終了点である。
【0026】
このとき、レーザ切断開始側の切断経路C32の切断開始点である点P31(第1の端点)と切断終了点P40(第2の端点)との間がジョイントとなり、両者の距離がジョイント量となる。
【0027】
図2Bに示す例においては、レーザ切断開始側の切断の仕方は
図2Aにおけるそれと同じであり、レーザ切断終了側の切断の仕方が異なる。レーザ加工機20は、部品の端部に沿って点P42から点P41まで切断経路C41を切断する。続けて、レーザ加工機20は、点P41から部品の外部に設定した切断終了点P40まで直線の切断経路C40を切断する。切断経路C40は逃げと称される。点P41及びP42は、レーザ切断終了側の最後の切断経路である逃げにつながる切断進行方向とは反対側の2つの切断経路の切断終了点である。
【0028】
このとき、レーザ切断開始側の切断経路C32の切断開始点である点P31(第1の端点)とレーザ切断終了側の切断経路C41の切断終了点である点P41(第2の端点)との間がジョイントとなり、両者の距離がジョイント量となる。
【0029】
図2Cに示す例において、レーザ加工機20は、切断開始点P30にピアスPsを開け、点P31まで直線のアプローチである切断経路C31を切断する。続けて、レーザ加工機20は、点P31を切断開始点として、点P31から部品の端部に位置する点P32まで円弧状のアプローチである切断経路C32を切断する。切断経路C32は半径0.5mm以下の微小円弧である。さらに、レーザ加工機20は、点P32を切断開始点として、点P32から点P33までの切断経路C33を切断する。
【0030】
切断開始点P30は切断経路C31の切断開始側の端点であり、点P31は切断経路C31の切断終了側の端点である。点P31は切断経路C32の切断開始側の端点であり、点P32は切断経路C32の切断終了側の端点である。点P32は切断経路C33の切断開始側の端点であり、点P33は切断経路C33の切断終了側の端点である。
【0031】
また、点P31~P33は、レーザ切断開始点からのアプローチにつながる3つの切断経路の切断開始点である。
【0032】
レーザ加工機20は、部品の端部に沿って点P43から点P42まで切断経路C42を切断する。続けて、レーザ加工機20は、点P42を切断開始点として、点P42から点P41まで円弧状の逃げである切断経路C41を切断する。切断経路C41は半径0.5mm以下の微小円弧である。さらに、レーザ加工機20は、点P41を切断開始点として、点P41から切断終了点P40まで直線の逃げである切断経路C40を切断して、板金の切断を終了する。
【0033】
点P43は切断経路C42の切断開始側の端点であり、点P42は切断経路C42の切断終了側の端点である。点P42は切断経路C41の切断開始側の端点であり、点P41は切断経路C41の切断終了側の端点である。点P41は切断経路C40の切断開始側の端点であり、切断終了点P40は切断経路C40の切断終了側の端点である。
【0034】
また、点P41及びP42は、レーザ切断終了側の最後の切断経路である逃げにつながる切断進行方向とは反対側の2つの切断経路の切断終了点である。
図2Cの場合には、切断経路C41はレーザ切断終了側の1つ目の逃げの切断経路であり、点P42は、1つ目の逃げの切断経路C41につながる切断進行方向とは反対側の切断経路C42の切断終了点である。
【0035】
このとき、レーザ切断開始側の切断経路C33の切断開始点である点P32(第1の端点)とレーザ切断終了側の切断経路C42の切断終了点である点P42(第2の端点)との間がジョイントとなる。
図2Cのようにアプローチ及び逃げにそれぞれ円弧状の切断経路C32及びC41を設けると、部品を板金より取り外す際に板金は点P32と点P42との間では切断されず、部品の端部から外側に離れた位置で切断される。よって、点P32と点P42の距離ではなく、点P31と点P41の距離がジョイント量となる。
【0036】
以上のように、ジョイントは、
図2Aまたは
図2Bの他に、
図2Cに示すように形成されることがある。よって、
図2A~
図2Cに示す全てのジョイントに対応して、ジョイントの位置を抽出するには、レーザ切断開始側においては、ピアスPsを開ける切断開始点P30からのアプローチにつながる3つの切断経路の各切断開始点である3点(P31~P33)から第1の端点を選択する必要がある。
【0037】
また、
図2A~
図2Cに示す全てのジョイントに対応して、ジョイントの位置を抽出するには、レーザ切断終了側においては、切断終了点P40と、切断終了点P40に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の2つの切断経路の切断終了点(P41及びP42)との3点から第2の端点を選択する必要がある。
【0038】
部品に設けられるジョイントが
図2Aまたは
図2Bのいずれかのジョイントであり、
図2Cのジョイントが使用されない場合には、レーザ切断開始側において3点の切断開始点から第1の端点を選択し、レーザ切断終了側において3点の切断終了点から第2の端点を選択する必要はない。ピアスを開けるレーザ切断開始点からのアプローチにつながる少なくとも1つの切断経路の切断開始点から第1の端点を選択し、レーザ切断終了点とレーザ切断終了点に至る切断経路につながる切断進行方向とは反対方向の少なくとも1つの切断経路の切断終了点とから第2の端点を選択すればよい。
【0039】
1またはそれ以上の実施形態においては、
図2Cのジョイントが使用される場合も考慮して、レーザ切断開始側において3点の切断開始点から第1の端点を選択し、レーザ切断終了側において3点の切断終了点から第2の端点を選択する場合を説明する。なお、
図2A~
図2Cはジョイントの形成方法の例であり、後述する
図8A~
図8Cに示すように他の形成方法も存在する。
【0040】
図3は、Gコードで構成された加工プログラムの一例を簡略化して示している。
図3において、M103は切断開始を示すコードであり、M104は切断終了を示すコードである。コードM103の直前のGで始まるコードはピアスの位置を示す。即ち、コードM103に続くGで始まるコードは、ジョイントを形成するための3つの切断経路C31~C33の各切断終了点を示すことがある。コードM104の直前のGで始まるコードは、ジョイントを形成するための切断終了点P40と切断終了点P40から切断進行方向とは反対方向に遡る2つの切断経路C40及びC41の切断開始点を示すことがある。
【0041】
そこで、
図3に示すように、加工プログラム解析部13は、コードM103に続く3行(3経路)の切断指令C3と、コードM104の直前の3行(3経路)の切断指令C4とを全て抽出する。一例として、加工プログラムは、5つの切断指令C3と、5つの切断指令C4を有するとする。
【0042】
図4に示すように、5つの切断指令C3をC3a~C3e、5つの切断指令C4をC4a~C4eとする。加工プログラム解析部13は、ジョイントの位置を抽出するために、切断指令C3a~C3eと切断指令C4a~C4eとの全ての組み合わせで、切断指令C3と切断指令C4との組がジョイントを形成する切断経路を含むか否かを判定する。
【0043】
図5に示すように、加工プログラム解析部13は、切断指令C3a~C3eと切断指令C4a~C4eとの全ての組み合わせで、レーザ切断開始側の切断指令C3に含まれる3つの切断開始点と、レーザ切断終了側の切断指令C4に含まれる3つの切断終了点との全ての組み合わせの距離を算出する。
図2A~
図2Cにおいて、加工プログラム解析部13は、レーザ切断開始側の点P31~P33の3点と、レーザ切断終了側の切断終了点P40~P42の3点との各距離を算出する。
【0044】
加工プログラム解析部13は、算出した距離が所定の距離の範囲内であれば、レーザ切断開始側の切断開始点とレーザ切断終了側の切断終了点との組を、ジョイントを構成する組の候補とする。所定の距離の範囲は、例えば0.3mm~1.0mmである。
図2Aにおいては、点P31と切断終了点P40の距離が0.3mm~1.0mmの範囲内で、点P31と切断終了点P40との組がジョイントを構成する第1及び第2の端点の組の候補(以下、ジョイント候補)となる。
【0045】
図2Bにおいては、点P31と点P41との組がジョイント候補となる。逃げの切断経路C40は1.0mmを超える長さであり、点P31と切断終了点P40との組はジョイント候補とはならない。
図2Cにおいては、点P31と点P41と
の組、点P31と点P42と
の組、点P32と点P41と
の組、点P32と点P42と
の組が、ジョイント候補となる。
【0046】
加工プログラムが、
図6に示すように板金を矩形状に切断するように構成されており、切断指令C3と切断指令C4との組が
図6に示すように選択されたとする。このような場合、点P31~P33の3点と、切断終了点P40と点P41及びP42の3点とのいずれの組み合わせであっても、2点の距離は0.3mm~1.0mmの範囲内とはならない。よって、
図6に示すように選択された切断指令C3と切断指令C4との組においては、ジョイント候補は抽出されない。
【0047】
加工プログラム解析部13は、以上のようにしてレーザ切断開始側の第1の端点とレーザ切断終了側の第2の端点の距離を判断基準として抽出したジョイント候補の中から、次のようにしてジョイントを構成しない組を除外して、ジョイントを構成する組を抽出する。
【0048】
加工プログラム解析部13は、ジョイント候補の第1の端点からの切断経路を切断進行方向とは反対方向に延長し、ジョイント候補の第2の端点に至る切断経路を切断進行方向に延長する。加工プログラム解析部13は、第2の端点に至る切断経路の延長線が第1の端点と衝突するとき、ジョイント候補はジョイントを構成する組であると決定する。また、加工プログラム解析部13は、第1の端点からの切断経路の切断進行方向とは反対方向への延長線と、第2の端点に至る切断経路の切断進行方向への延長線とが交差するとき、ジョイント候補はジョイントを構成する組であると決定する。
【0049】
図7A~
図7Cを用いて、
図2A~
図2Cの場合にどのようにジョイントを構成しない組が除外され、ジョイントを構成する組が抽出されるかを説明する。
図7Aにおいて、ジョイント候補である点P31からの切断経路C32の反対方向への延長線は直線のC32eとなり、切断終了点P40に至る切断経路C40の切断進行方向への延長線は直線のC40eとなる。延長線C40eは点P31と衝突するから、点P31と切断終了点P40との組がジョイントを構成する組であると決定される。
【0050】
切断終了点P40を点P31に近付けてジョイント量を少なくする場合、原理的には、点P31と切断終了点P40の距離がジョイント量の最大短縮可能距離となる。切断終了点P40を始点P31から遠ざけてジョイント量を多くする場合、切断終了点P40を切断経路C41の切断終了点である点P41まで移動させることができるので、原理的には、切断終了点P40と点P41の距離がジョイント量の最大延長可能距離となる。但し、1またはそれ以上の実施形態において、ジョイント量を短縮または延長する最大距離を0.5mmとする。
【0051】
図7Bにおいても同様に、点P31と点P41との組がジョイントを構成する組であると決定される。点P31と点P41の距離が原理的にはジョイント量の最大短縮可能距離であり、点P41と点P42の距離が原理的にはジョイント量の最大延長可能距離となる。
【0052】
図7Cにおいて、ジョイント候補である点P31からの切断経路C32の切断進行方向とは反対方向への延長線は円弧状のC32eとなり、ジョイント候補である点P32からの切断経路C33の切断進行方向とは反対方向への延長線は直線のC33eとなる。ジョイント候補である点P41に至る切断経路C41の切断進行方向への延長線はC41eとなり、ジョイント候補である点P42に至る切断経路C42の切断進行方向への延長線はC42eとなる。延長線C42eは点P32と衝突するから、点P32と点P42との組がジョイントを構成する組であると決定される。
【0053】
部品の端部に形成されているジョイントが
図7Cに示すような円弧状のアプローチ及び逃げを有する特殊ジョイントである場合、点P32と点P42の距離はジョイント量の最大短縮可能距離とはならない。点P31と点P41の距離が原理的にはジョイント量の最大短縮可能距離となる。点P42と点P43の距離が原理的にはジョイント量の最大延長可能距離となる。
【0054】
図8Aに示す例においては、点P31からの切断経路C32の切断進行方向とは反対方向への延長線C32eと、切断終了点P40に至る切断経路C40の切断進行方向への延長線C40eとが交差し、点P31と切断終了点P40との組がジョイントを構成する組であると決定される。切断終了点P40から延長線C32eまでの距離が原理的にはジョイント量の最大短縮可能距離となる。
【0055】
図8Bに示す例においては、切断終了点P40に至る切断経路C40の切断進行方向への円弧状の延長線C40eが点P31と衝突し、点P31と切断終了点P40との組がジョイントを構成する組であると決定される。切断終了点P40から点P31までの延長線C40eに沿った距離が原理的にはジョイント量の最大短縮可能距離となる。
【0056】
図8Cに示す例においては、点P31からの切断経路C32の切断進行方向とは反対方向への延長線C32eと、切断終了点P40に至る切断経路C40の切断進行方向への円弧状の延長線C40eとが交差し、点P31と切断終了点P40との組がジョイントを構成する組であると決定される。切断終了点P40から延長線C32eまでの延長線C40eに沿った距離が原理的にはジョイント量の最大短縮可能距離となる。
【0057】
図1に戻り、加工プログラム解析部13は、加工プログラムの全体を解析してジョイントの位置を抽出したら、加工プログラムとジョイントの位置情報とをジョイント情報付加部14に供給する。
図9に示すように、ジョイント情報付加部14は、加工プログラムに、ジョイントの位置を示すジョイント情報を付加する。具体的には、ジョイント情報付加部14は、ジョイントを構成する第1の端点と第2の端点との組のうちのレーザ切断終了側の第2の端点を示すコード(第2のコード)に、一例として“$JNT”なる符号を付加する。
【0058】
1またはそれ以上の実施形態においては、好ましい構成として、ジョイント情報付加部14は、第2の端点を示すコードに、“$JNT”に加えて、ジョイント量を最大に減少させることができる最大値を付加する。最大値は上記のように求められた最大短縮可能距離を示す。
図9に示す例では、最大短縮可能距離が0.6mmであって、第2の端点を示すコードに、“$JNT:0.6”なる符号が付加されている。
【0059】
ジョイント情報付加部14は、加工プログラムにジョイント情報として$JNT”なる符号を付加する代わりに、加工プログラムに、後述するNC装置21が直接読み取ることができる例えばLで表記されるアドレスをジョイント情報として付加してもよい。また、Gコード体系をカスタマイズして任意の方法でジョイント情報を設定し、カスタマイズされたGコード体系のGコードを読み取ってジョイント情報を解釈してもよい。
【0060】
ジョイント情報付加部14は、加工プログラムのコードにジョイント情報を付加することに限定されず、ジョイント情報を加工プログラムとは別ファイルで構成し、加工プログラムにジョイント情報を含む別ファイルを付加してもよい。ジョイント情報付加部14は、ジョイント情報を任意の形態で加工プログラムに付加すればよい。加工プログラムとジョイント情報とを関連付けることは加工プログラムにジョイント情報を付加することに含まれる。
【0061】
ジョイント情報付加部14がジョイント情報を付加する代わりに、自動プログラミング装置によって加工プログラムを作成した時点で加工プログラムにジョイント情報を付加してもよい。
【0062】
ジョイント情報を第1の端点と第2の端点との組のうちのレーザ切断終了側の第2の端点を示すコードに付加するのは、第2の端点の位置を変更してジョイント量を補正するためである。後述するように、ジョイント情報をレーザ切断開始側の第1の端点を示すコード(第1のコード)に付加して、第1の端点の位置を変更してジョイント量を補正してもよい。ジョイント情報を第1の端点を示すコードと第2の端点を示すコードとの双方に付加して、第1及び第2の端点双方の位置を変更してジョイント量を補正してもよい。
【0063】
中央制御部11は、ジョイント情報付加部14が生成したジョイント情報が付加された加工プログラム(ジョイント情報付加加工プログラム)を記憶部12に記憶させる。中央制御部11は、ジョイント情報を付加する前の加工プログラムに対してジョイント情報付加加工プログラムを上書きするよう、記憶部12を制御してもよい。中央制御部11は、記憶部12に記憶されたジョイント情報付加加工プログラムをレーザ加工機20に送信する。中央制御部11は、ジョイント情報付加加工プログラムをレーザ加工機20(NC装置21)に送信する送信部として機能する。
【0064】
図1に示すように、レーザ加工機20は、加工機本体27と、レーザ発振器29と、加工機本体27及びレーザ発振器29を制御するNC装置21とを備える。NC装置21は、加工プログラム読み込み部22、インタプリタ23、インタポレータ24、軸指令出力部25、ジョイント補正量記憶部26を備える。レーザ発振器29は例えばファイバレーザ発振器である。
【0065】
加工機本体27は、レーザ発振器より射出されたレーザビームを板金に照射する加工ヘッドを備える。また、加工機本体27は、加工ヘッドをX軸、Y軸、Z軸方向に動かすためのモータ28x、28y、28zを備える。X軸とY軸は板金の表面に沿った方向の互いに直交する方向の一方及び他方であり、Z軸は板金の表面と直交する方向である。モータ28x、28y、28zはエンコーダを有する。
【0066】
加工プログラム読み込み部22は、ジョイント量制御装置10より送信されたジョイント情報付加加工プログラムを読み込んで記憶する。インタプリタ23は、加工プログラム読み込み部22より供給されたジョイント情報付加加工プログラムを解釈する。後述するように、インタプリタ23は、ジョイント補正量記憶部26に記憶されたジョイント補正量を読み出すことがある。
【0067】
上述のように、加工プログラムは、レーザビームによって板金を切断する際の各切断経路の切断開始点及び切断終了点を指示するコードを含んで構成されている。インタポレータ24は、各切断経路の切断開始点と切断終了点との間の点を補間する。軸指令出力部25は、インタポレータ24の出力に基づいて、加工ヘッドをX軸、Y軸、Z軸方向に動かす軸指令をそれぞれモータ28x、28y、28zに出力する。レーザ加工機20は、以上の構成及び動作によって、板金を切断して所定の形状の部品を作製する。
【0068】
オペレータが、レーザ加工機20によって板金を切断中または切断後に、板金におけるいずれかの位置のジョイントのジョイント量が適切でないことを発見したとする。オペレータは、タッチパネル17または他の操作部を操作して、タッチパネル17に、ジョイントの位置を示すジョイントマークを含む板取りデータを表示するよう指示する。板取りデータを表示するよう指示されると、表示制御部16は、記憶部12に記憶されているジョイント情報付加加工プログラムに基づいて、タッチパネル17にジョイントマークを含む板取りデータを表示するよう制御する。
【0069】
図10は、タッチパネル17に表示される板取りデータの表示画像の一例を示している。
図10に示す例では、板金の外周を示す矩形線50内に、第1の部品の外周線を示す4つの第1の部品画像51と、第2の部品の外周線を示す4つの第2の部品画像52とが配置されている。第1の部品画像51は内部に矩形状の開口を形成するための矩形状切断線510を含む。第2の部品画像52は内部に円形の開口を形成するための円形切断線520を含む。
【0070】
図10に示す例では、加工プログラムが板金より各1つの第1及び第2の部品を切り出すように作成されている。NC装置21は、板取りデータの基づき、加工プログラムによる板金の切断を4回繰り返すよう加工機本体27を制御する。
【0071】
第1の部品の端部及び第1の部品の内部の矩形状切断線510によって切断されるスクラップにはジョイントが設定されており、ジョイントの位置を示すジョイントマーク53が表示されている。第2の部品の端部にはジョイントが設定されており、ジョイントの位置を示すジョイントマーク53が表示されている。
【0072】
表示制御部16は、板取りデータの表示画像を加工条件ごとに色を異ならせて表示する。加工条件はE番号と称される加工条件番号によって特定されている。E番号はE1~E9を含む。
図3に示す加工プログラムにおいて、E004とはE番号のE4を示し、E004に続く板金の切断をE番号E4なる加工条件で実行することを示している。例えば、第1及び第2の部品の外周線はE番号E4なる加工条件で切断されるように設定され、第1の部品画像51及び第2の部品画像52は白で表示されている。
【0073】
矩形状切断線510はE番号E2なる加工条件で切断されるように設定され、青で表示されている。円形切断線520はE番号E3なる加工条件で切断されるように設定され、黄で表示されている。E番号のE1~E9ごとに色が設定されているから、オペレータは、タッチパネル17に表示される板取りデータの表示画像の色によって、どの部分がどの加工条件で切断されるのかを容易に理解することができる。
【0074】
オペレータが、レーザ加工機20によって切断された板金を確認して、第1の部品の端部に設けたジョイントのジョイント量が適切でないことを発見したとする。オペレータは、
図10に示す板取りデータの表示画像によって、第1の部品画像51(第1の部品の外周線)は白で表示されていることを確認する。
【0075】
オペレータは、タッチパネル17または他の操作部を操作して、タッチパネル17に、ジョイント量を補正するためのジョイント量補正設定画像を表示するよう指示する。ジョイント量補正設定画像を表示するよう指示されると、表示制御部16は、タッチパネル17に
図11に示すジョイント量補正設定画像60を表示するよう制御する。ジョイント量補正設定画像60は、E番号のE1~E9に対応してジョイント量を増減させる操作部61~69を含む。
【0076】
1またはそれ以上の実施形態においては、E番号を、ジョイントを特定するジョイント特定情報として用いている。即ち、ジョイント補正量に対応付けられたE番号E1~E9は、E番号E1~E9それぞれで板金を切断した切断線に設けられるジョイントであることを示す。
【0077】
操作部61~69は、非補正の0を中心として右方向に増加、左方向に減少の程度を示す目盛601、目盛601に沿って移動してジョイント量を増減させるスライダ602を有する。ジョイント量を増加するとはジョイントの距離を伸長することであり、ジョイント量を減少するとはジョイントの距離を短縮することである。また、操作部61~69は、板取りデータの表示画像がE番号に対応してどの色で表示されるかを示す色マーク603、スライダ602の左右方向の位置に対応したジョイント量の増減値604を有する。
【0078】
図11においては、色マーク603の色の違いをハッチングの有無及びハッチングのパターンで表現している。目盛601及び増減値604の数値はジョイントを伸長または短縮する物理量としての距離を示すものではなく、伸長または短縮する程度を示す増減相対値である。
【0079】
図11に示すように、オペレータは、E番号E4の操作部64におけるスライダ602をマイナス3の位置に移動させたとする。
図11に示すジョイント量補正設定画像60によって操作部61~69のうちのいずれかのスライダ602が操作されて、ジョイント量を増減する指示がなされると、中央制御部11は増減の指示に応答してジョイント補正量生成部15に増減相対値を供給する。
図11に示す例では、中央制御部11はジョイント補正量生成部15に増減相対値としてマイナス3を供給する。
【0080】
ジョイント補正量生成部15は、記憶部12に記憶されているジョイント量変換パラメータを用いて、増減相対値を距離に変換してジョイント補正量を生成する。ジョイント量変換パラメータは増減相対値を距離に変換する係数によって構成することができる。ジョイント補正量生成部15は、複数のジョイント量変換パラメータから選択したジョイント量変換パラメータを用いて増減相対値を距離に変換してもよい。ジョイント補正量生成部15は、板金の板厚、材質、切断速度の少なくとも1つの違いに応じて、ジョイント量変換パラメータを選択してもよい。
【0081】
中央制御部11は、生成したジョイント補正量をE番号と対応させて記憶部12に記憶させる。続けて、中央制御部11は、E番号に対応付けられたジョイント補正量をNC装置21に送信する。ジョイント補正量記憶部26は、ジョイント量制御装置10から送信されたE番号に対応付けられたジョイント補正量を記憶する。
【0082】
ジョイント補正量記憶部26にジョイント補正量が記憶されていれば、NC装置21が対応するE番号の切断経路を切断するよう加工機本体27を制御するとき、インタプリタ23は、ジョイント量をジョイント補正量だけ増加または減少させるよう補正する。
図11に示す例では、E番号E4の切断経路を切断するときのジョイント量が補正されるので、第1及び第2の部品の端部に設けられるジョイントのジョイント量が補正される。一方、矩形状切断線510によって切断されるスクラップに設けられるジョイントのジョイント量は補正されず、当初の加工プログラムによって決まるジョイント量が維持される。
【0083】
上記のように、オペレータは、第1の部品の端部に設けたジョイントのジョイント量が適切でないことを発見して、E番号E4の切断経路を切断するときのジョイント量を補正したのであるが、第2の部品の端部に設けたジョイントのジョイント量も併せて補正される。第1の部品の外周線及び第2の部品の外周線は同じE番号E4の加工条件で切断されるので、第1の部品の端部のジョイントのジョイント量が適切でなければ、第2の部品の端部のジョイントのジョイント量も適切でない可能性が高い。よって、第2の部品の端部のジョイントのジョイント量も併せて補正されることは好ましい。
【0084】
図2Aに示すジョイントが用いられていれば、インタプリタ23は、
図12Aに示すようにジョイント量を補正する。
図12Aはジョイント量を減少する場合を示している。インタプリタ23は、切断終了点P40をジョイント補正量だけ切断進行方向(ジョイント量を減少させる方向)またはその反対方向(ジョイント量を増加させる方向)にシフトさせて、ジョイント量を補正する。
【0085】
図2Bに示すジョイントが用いられていれば、インタプリタ23は、
図12Bに示すようにジョイント量を補正する。
図12Bはジョイント量を減少する場合を示している。インタプリタ23は、点P41をジョイント補正量だけ切断進行方向(ジョイント量を減少させる方向)またはその反対方向(ジョイント量を増加させる方向)にシフトさせ、点P41のシフトに対応させて、切断終了点P40までの切断経路C40をシフトさせる。
【0086】
図2Cに示すジョイントが用いられていれば、インタプリタ23は、
図12Cに示すようにジョイント量を補正する。
図12Cはジョイント量を減少する場合を示している。インタプリタ23は、点P42をジョイント補正量だけ切断進行方向(ジョイント量を減少させる方向)またはその反対方向(ジョイント量を増加させる方向)にシフトさせ、点P42のシフトに対応させて、点P41までの切断経路C41及び切断終了点P40までの切断経路C40をシフトさせる。
【0087】
以上のように、ジョイント量制御装置10は、オペレータが、いずれかのE番号に対応するジョイントのジョイント量を増加または減少させるよう操作すれば、オペレータによる操作に対応したジョイント補正量を生成してNC装置21に供給する。1枚の板金を切断中にNC装置21にジョイント補正量が入力されれば、レーザ加工機20は、ジョイント補正量記憶部26にジョイント補正量が記憶された時点以降、ジョイント補正量が設定されたE番号に対応するジョイントのジョイント量を補正して板金を切断する。
【0088】
1枚の板金の切断後にジョイント補正量が入力されれば、レーザ加工機20は、次の1枚の板金以降、ジョイント補正量が設定されたE番号に対応するジョイントのジョイント量を補正して板金を切断する。
【0089】
1またはそれ以上の実施形態によれば、加工プログラムを作成し直すことなく、ジョイント量を補正することができる。1またはそれ以上の実施形態によれば、1枚の板金の切断中であってもジョイント補正量を設定することができ、ジョイント量を補正することができる。1またはそれ以上の実施形態によれば、板金の加工を中断して加工プログラムを編集する必要もない。
【0090】
図13、
図14A~
図14Cを用いて、ジョイント量制御装置10で実行されるジョイント量制御方法、または、ジョイント量制御装置10がコンピュータ機器によって構成されている場合にCPUが実行するジョイント量制御プログラムの処理を説明する。
【0091】
図13において、中央制御部11(CPU)は、ステップS11にて、加工プログラムを読み込む。加工プログラム解析部13(CPU)は、ステップS12にて、加工プログラムを解析して、ジョイントの位置を特定する。ジョイント情報付加部14(CPU)は、ステップS13にて、ジョイント情報付加加工プログラムを生成して、記憶部12に保存する。中央制御部11は、ステップS14にて、ジョイント情報付加加工プログラムをNC装置21に送信する。
【0092】
中央制御部11は、ステップS15にて、ジョイント量を補正する操作がなされたか否かを判定する。ジョイント量を補正する操作がなされなければ(NO)、中央制御部11は処理をステップS18に移行させる。ジョイント量を補正する操作がなされれば(YES)、ジョイント補正量生成部15(CPU)は、ステップS16にて、ジョイント量変換パラメータに基づきジョイント補正量を生成し、中央制御部11がジョイント補正量を記憶部12に記憶させる。
【0093】
中央制御部11は、ステップS17にて、ジョイント量を補正する対象のE番号とジョイント補正量とをNC装置21に送信する。中央制御部11は、ステップS18にて、加工プログラムの終了によって加工が終了したか否かを判定する。加工が終了していなければ(NO)、ステップS15~S18の処理が繰り返される。ステップS15~S18の処理が繰り返されるので、オペレータは任意のタイミングでジョイント量を補正して、ジョイント補正量をNC装置21に送信することができる。
【0094】
ステップS18にて加工が終了していれば(YES)、中央制御部11は、ジョイント量制御装置10によるジョイント量の補正処理を終了させる。
図13に示す処理によれば、加工開始前、加工中、加工終了前の加工停止中のいずれのタイミングであってもジョイント量を補正することができる。
【0095】
図14A~
図14Cは、ステップS12の詳細な処理を示している。
図14Aにおいて、加工プログラム解析部13は、ステップS1201にて、レーザ切断開始側のピアスPsからのアプローチにつながる3つの切断経路の切断開始点である3点を抽出する。加工プログラム解析部13は、ステップS1202にて、レーザ切断終了側の切断終了点P40と、切断終了点P40に至る最後の切断経路につながる切断進行方向とは反対側の2つの切断経路の切断終了点との3点を抽出する。ステップS1201とステップS1202との順番は逆でもよく、同時であってもよい。
【0096】
加工プログラム解析部13は、ステップS1203にて、加工プログラムの全体で、レーザ切断開始側の切断開始点の3点とレーザ切断終了側の切断終了点の3点の抽出を完了したか否かを判定する。加工プログラムの全体での抽出を完了していなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1201~S1203の処理を繰り返す。
【0097】
ステップS1203にて加工プログラムの全体での抽出を完了していれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1204にて、選択した1組の切断開始点と1組の切断終了点との全ての組み合わせの距離を算出する。加工プログラム解析部13は、ステップS1205にて、切断開始点と切断終了点の距離が所定の範囲内であるか否かを判定する。
【0098】
ステップS1205にて切断開始点と切断終了点の距離が所定の範囲内であれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1206にて、切断開始点及び切断終了点をジョイント候補と設定して、処理をステップS1207に移行させる。ステップS1205にて切断開始点と切断終了点の距離が所定の範囲内でなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、処理をステップS1207に移行させる。
【0099】
加工プログラム解析部13は、ステップS1207にて、全ての組で切断開始点と切断終了点の距離の算出を完了したか否かを判定する。全ての組で切断開始点と切断終了点の距離の算出を完了していなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1204~S1207の処理を繰り返す。
【0100】
ステップS1207にて全ての組で切断開始点と切断終了点の距離の算出を完了していれば(YES)、加工プログラム解析部13は、処理をステップS1208に移行させる。
【0101】
加工プログラム解析部13は、ステップS1208にて、選択した1組の切断開始点と1組の切断終了点とで、レーザ切断開始側の切断経路の線分とレーザ切断終了側の切断経路の線分とが交差するか否かを判定する。レーザ切断開始側の切断経路の線分とレーザ切断終了側の切断経路の線分とが交差すれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1209にて選択した1組の切断開始点及び1組の切断終了点をジョイント候補から除外して、処理を
図14CのステップS1225に移行させる。
【0102】
ステップS1208にてレーザ切断開始側の切断経路の線分とレーザ切断終了側の切断経路の線分とが交差しなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、
図14BのステップS1210にて、レーザ切断開始側の切断経路の線分を切断進行方向とは反対方向に延長し、ステップS1211にて、レーザ切断終了側の切断経路の線分を切断進行方向に延長する。
【0103】
加工プログラム解析部13は、ステップS1212にて、いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線延長線分とが衝突するか否かを判定する。いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線延長線分とが衝突すれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1215にて、直線延長線分の始端である切断終了点から衝突点までの直線長さを最大短縮距離に設定して、処理をステップS1218に移行させる。
【0104】
ステップS1212にていずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線延長線分とが衝突しなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1213にて、いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の円弧延長線分とが衝突するか否かを判定する。いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の円弧延長線分とが衝突すれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1216にて、直線延長線分の始端である切断終了点から衝突点までの円弧長さを最大短縮距離に設定して、処理をステップS1218に移行させる。
【0105】
ステップS1213にていずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の円弧延長線分とが衝突しなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1214にて、いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線または円弧延長線分とが交差するか否かを判定する。いずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線または円弧延長線分とが交差すれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1217にて、直線延長線分の始端である切断終了点から交差点までの直線または円弧長さを最大短縮距離に設定して、処理をステップS1218に移行させる。
【0106】
加工プログラム解析部13は、ステップS1218にて、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組を特定して、処理をステップS1219に移行させる。ステップS1214にていずれかの切断開始点とレーザ切断終了側の直線または円弧延長線分とが交差しなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、処理をステップS1219に移行させる。
【0107】
加工プログラム解析部13は、ステップS1219にて、全ての切断経路の線分を確認したか否かを判定する。全ての切断経路の線分を確認していなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1210~S1219の処理を繰り返す。全ての切断経路の線分を確認していれば(YES)、加工プログラム解析部13は、処理を
図14CのステップS1220に移行させる。
【0108】
図14Cにおいて、加工プログラム解析部13は、ステップS1220にて、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組を特定できたか否かを判定する。ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組を特定できなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1224にて、選択した1組の切断開始点と1組の切断終了点との組み合わせにおいては、ジョイントは存在しないと決定して、処理をステップS1225に移行させる。
【0109】
ステップS1220にてジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組を特定できていれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1221にて、
図2Cのような微小円弧を含まない
図2A、
図2B、
図8A~
図8Cに示すような通常ジョイントの形状パターンであるか否かを判定する。通常ジョイントの形状パターンであれば(YES)、加工プログラム解析部13は、処理をステップS1225に移行させる。通常ジョイントの形状パターンでなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、処理をステップS1222に移行させる。
【0110】
加工プログラム解析部13は、ステップS1222にて、
図2Cのような微小円弧を含む特殊ジョイントの形状パターンであるか否かを判定する。特殊ジョイントの形状パターンでなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、ステップS1224にて、選択した1組の切断開始点と1組の切断終了点との組み合わせにおいては、ジョイントは存在しないと決定して、処理をステップS1225に移行させる。
【0111】
ステップS1222にて特殊ジョイントの形状パターンであれば(YES)、加工プログラム解析部13は、ステップS1223にて、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との組、最大短縮距離を確定して、処理をステップS1225に移行させる。
図7Cを例とすると、ステップS1223より以前で、切断開始点P32と切断終了点P42との距離が一旦最大短縮距離と設定される。ステップS1223にて、切断開始点P32と切断終了点P42との距離の代わりに、切断開始点P31と切断終了点P41との距離が最大短縮距離に設定される。
【0112】
加工プログラム解析部13は、ステップS1225にて、全ての組でジョイントの有無の判定を完了したか否かを判定する。全ての組でジョイントの有無の判定を完了していなければ(NO)、加工プログラム解析部13は、処理を
図14AのステップS1208に戻し、ステップS1208~S1225の処理を繰り返す。全ての組でジョイントの有無の判定を完了していれば(YES)、加工プログラム解析部13は、処理を
図13のステップS13に移行させる。
【0113】
図15を用いて、NC装置21で実行される処理を説明する。
図15において、NC装置21は、処理を開始すると、ステップS201にて、ジョイント情報付加加工プログラムが入力されたか否かを判定する。ジョイント情報付加加工プログラムが入力されなければ(NO)、NC装置21はステップS201の処理を繰り返す。ジョイント情報付加加工プログラムが入力されれば(YES)、NC装置21は、ステップS202にて、ジョイント情報付加加工プログラムを記憶する。
【0114】
NC装置21(インタプリタ23)は、ステップS203にて、ジョイント情報付加加工プログラムの1ブロックを読み込む。1ブロックとは1行(1経路)である。NC装置21(インタプリタ23)は、ステップS204にて、読み込んだ1ブロックにジョイント情報が付加されているか否かを判定する。ジョイント情報が付加されていなければ(NO)、NC装置21は処理をステップS208に移行させる。
【0115】
ステップS204にてジョイント情報が付加されていれば(YES)、インタプリタ23は、ステップS205にて、ジョイント補正量記憶部26を参照する。インタプリタ23は、ステップS206にて、読み込んだE番号に対応付けられたジョイント補正量が記憶されているか否かを判定する。ジョイント補正量が記憶されていなければ(NO)、NC装置21は処理をステップS208に移行させる。
【0116】
ステップS206にてジョイント補正量が記憶されていれば(YES)、インタプリタ23は、ステップS207にて、ジョイント補正量だけジョイント量を補正し、必要に応じて、ジョイント量の補正に合わせて切断経路をシフトして、処理をステップS208に移行させる。
【0117】
NC装置21(インタポレータ24)は、ステップS208にて、補間処理を実行し、NC装置21(軸指令出力部25)は、ステップS209にて、モータ28x、28y、28zに軸指令を出力する。インタプリタ23は、ステップS210にて、ジョイント情報付加加工プログラムの全ブロックを読み込んだか否かを判定する。全ブロックを読み込んでいなければ(NO)、インタプリタ23は、ステップS203~S210の処理を繰り返す。全ブロックを読み込んでいれば(YES)、NC装置21は処理を終了させる。
【0118】
以上説明した第1構成例のジョイント量制御装置、ジョイント量制御方法、ジョイント量制御プログラム、及びレーザ加工機において、
図16に示すように、NC装置21は、ジョイントを構成する切断開始点をシフトさせて、ジョイント量を補正してもよい。ジョイント情報を加工プログラムのレーザ切断開始側の第1の端点を示すコードに付加すれば、
図16に示すジョイント量の補正が可能となる。
図2B、
図2C、及びその他の
図のジョイントにおいても同様である。
【0119】
図17に示すように、NC装置21は、ジョイントを構成する切断開始点と切断終了点との双方をシフトさせて、ジョイント量を補正してもよい。ジョイント情報を加工プログラムのレーザ切断開始側の第1の端点を示すコードとレーザ切断終了側の第2の端点を示すコードの双方に付加すれば、
図17に示すジョイント量の補正が可能となる。
図2B、
図2C、及びその他の
図のジョイントにおいても同様である。
【0120】
図18に示すように、NC装置21は、第1の端点と第2の端点の距離を増減させるだけでなく、円弧状の逃げを付加するようにジョイント量を補正してもよい。補正前の第2の端点(ここでは切断終了点P40)に円弧状の逃げを付加して逃げの先端を新たに第2の端点とすれば、ジョイント量を減少させつつ、第2の端点を部品の端部から外側に離れた位置とすることができる。この場合、ジョイント情報付加部14は、加工プログラムの第2の端点を示すコードに、例えば、“$JNT:0.6R0.1”なる符号を付加すればよい。R0.1は半径0.1mmの円弧状の逃げを付加することを意味する。
【0121】
図18において、NC装置21は、円弧状の逃げを付加する代わりに、直線状の逃げを付加するようにジョイント量を補正してもよい。直線状の逃げは、切断経路C40に対して直交するように付加することに限定されず、鋭角で斜め方向に伸びる逃げとしてもよい。
【0122】
ジョイント補正量生成部15は、ジョイント量を増加または減少させる増減相対値を距離に変換してジョイント補正量を生成しているが、オペレータがジョイント量を増加または減少させる距離を指示して、その指示に基づいてジョイント補正量を生成してもよい。また、ジョイント補正量生成部15は、オペレータの指示によらず、ジョイント補正量を自動的に生成してもよい。
【0123】
さらに、1またはそれ以上の実施形態においては、E番号をジョイント特定情報として用いているが、次のような情報をジョイント特定情報としてもよい。オペレータが、部品に設けられる複数のジョイントのうちのいずれかを直接的に指定し、指定されたジョイントを特定する情報をジョイント特定情報としてもよい。オペレータが、板金を切断する際の複数の切断経路のうちのいずれかを選択して、その切断経路に設けられるジョイントを特定する情報をジョイント特定情報としてもよい。
【0124】
オペレータが、部品のうちの部分的な領域を指定して、指定した領域に設けられるジョイントを特定する情報をジョイント特定情報としてもよい。板金よりサイズの大きい部品とサイズの小さい部品を切り出すとき、部品のサイズを選択して、選択されたサイズの部品に設けられるジョイントを特定する情報をジョイント特定情報としてもよい。加工プログラムに基づいて作製される部品に設けられる全てのジョイントを、ジョイント量を増減する対象のジョイントとしてもよい。この場合であっても全てのジョイントを特定する情報はジョイント特定情報となる。
【0125】
図19は、ジョイント特定情報を選択してジョイント量補正設定画像を表示するように構成した表示画像の一例を示しめている。タッチパネル17には、板取りデータの表示画像と、ジョイント特定情報を選択するためのウインドウ173とが表示されている。
図19に示す例では、板金の外周を示す矩形線50内に、板取りデータの表示画像として4つの部品画像54が配置されている。ウインドウ173には、条件選択、経路選択、範囲選択、部品選択と表示された4つの選択ボタン1731~1734が表示されている。
【0126】
条件選択の選択ボタン1731が触れられると、
図20に示すように、ウインドウ173には、
図11と同様のジョイント量補正設定画像60が表示される。
図20に示すジョイント量補正設定画像60は、E番号のE1~E9に対応してジョイント量を増減させる操作部61~69に加えて、E番号E1~E9の全てのジョイント量を増減させる操作部6Aを含む。例えば、オペレータが、操作部6Aにおけるスライダ602をプラスの2の位置に移動させたとすると、E番号E1~E9の全てのジョイント量の増減相対値がプラス2に設定される。
【0127】
ジョイント補正量生成部15は、レーザ加工機20がE番号E1~E9の全ての加工条件で板金を切断する際に形成されるジョイントのジョイント補正量を生成し、中央制御部11はE番号E1~E9の全てと対応させてジョイント補正量を記憶部12に記憶させる。E番号E1~E9の全てに対応付けられたジョイント補正量がNC装置21に送信されてジョイント補正量記憶部26に記憶されれば、レーザ加工機20は、板金をE番号E1~E9のうちのいずれの加工条件で切断する場合でも、ジョイント補正量記憶部26に記憶されたジョイント補正量だけジョイント量を補正する。
【0128】
ウインドウ173に表示されるジョイント量補正設定画像60は操作部6Aを含まない
図11に示すジョイント量補正設定画像60とすることもできる。
【0129】
図21は、経路選択の選択ボタン1732が触れられた状態のウインドウ173を示す。例えば、オペレータが、右から2番目の部品画像54の右上の切断経路541を触れると、表示制御部16は触れられた切断経路541の色を変更する。
図21では、色が変更された切断経路541を一点鎖線で示している。中央制御部11は、一点鎖線で示す色が変更された切断経路541に存在するジョイントのみをジョイント量を補正する対象に設定する。ウインドウ173には、ジョイント量補正設定画像600が表示されている。ジョイント量を補正する対象のジョイントは、板金を板取りデータに基づく加工プログラムに従って切断する一連の加工工程における最初のジョイントから最後のジョイントまでの全てのジョイントに付された番号(ジョイント番号)で特定することができる。
【0130】
オペレータが、ジョイント量補正設定画像600におけるスライダ602をプラス方向またはマイナス方向に移動すると、ジョイント補正量生成部15は、色が変更された切断経路541に存在するジョイントのジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ジョイント番号に対応付けられたジョイント補正量を記憶部12に記憶させる。ジョイント番号に対応付けられたジョイント補正量がNC装置21に送信されてジョイント補正量記憶部26に記憶されれば、レーザ加工機20は、選択された切断経路541に存在するジョイントのジョイント量をジョイント補正量記憶部26に記憶されたジョイント補正量だけ補正する。
【0131】
図21においては、1つの切断経路541のみを選択した状態を示しているが、オペレータは2つ以上の切断経路を選択してもよい。
【0132】
図21に示すように特定のジョイント番号のジョイントを、ジョイント量を補正する対象に設定した場合、NC装置21は、
図15のステップS206において、ジョイント補正量記憶部26に、切断しようとする切断経路に存在するジョイントが有するジョイント番号に対応付けられてジョイント補正量が記憶されているか否かを判定すればよい。
【0133】
図22は、範囲選択の選択ボタン1733が触れられた状態のウインドウ173を示す。例えば、オペレータが、タッチパネル17に指を触れて破線の矩形で示すように、ジョイント量を補正する対象の切断経路を含む領域70を設定したとする。
図22に示す例では、領域70には、右から2番目の部品画像54の右上及び左上の2つの切断経路541及び542が含まれている。
【0134】
図23に示すように、表示制御部16は触れられた切断経路541及び542の色を変更する。
図23では、色が変更された切断経路541及び542を一点鎖線で示している。中央制御部11は、一点鎖線で示す色が変更された切断経路541及び542に存在するジョイントを、ジョイント量を補正する対象に設定する。ウインドウ173には、ジョイント量補正設定画像600が表示されている。
【0135】
オペレータが、ジョイント量補正設定画像600におけるスライダ602をプラス方向またはマイナス方向に移動すると、ジョイント補正量生成部15は、色が変更された切断経路541及び542に存在するジョイントのジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ジョイント番号に対応付けられたジョイント補正量を記憶部12に記憶させる。ジョイント番号に対応付けられたジョイント補正量がNC装置21に送信されてジョイント補正量記憶部26に記憶されれば、レーザ加工機20は、選択された切断経路541及び542に存在するジョイントのジョイント量をジョイント補正量記憶部26に記憶されたジョイント補正量だけ補正する。
【0136】
図22及び
図23においては、1つの部品画像54の一部を領域70で囲んで複数の切断経路を選択した状態を示しているが、オペレータは複数の部品画像54を含むように領域70で囲んでもよいし、複数の部品画像54にまたがるように領域70で囲んでもよい。
【0137】
図22及び
図23に示すようにジョイント量を補正する対象
を設定した場合も同様に、NC装置21は、
図15のステップS206において、ジョイント補正量記憶部26に、切断しようとする1または複数の切断経路に存在するジョイントが有するジョイント番号に対応付けられてジョイント補正量が記憶されているか否かを判定すればよい。
【0138】
図24は、部品選択の選択ボタン1734が触れられた状態のウインドウ173を示す。
図24に示す例では、部品画像54~56が配置されている。部品画像55は
図10に示す第1の部品画像51と同じ形状である。部品画像56は
図10に示す第2の部品画像52と同じ形状である。部品画像54~56で示される部品の部品名はそれぞれP0054、P0055、P0056であるとする。
【0139】
ウインドウ173には、ジョイント量を補正する対象の部品を選択するための部品リスト81と、ジョイント量を補正する対象の部品の大きさを指定するためのサイズ入力部82と、ジョイント量補正設定画像600とが表示されている。サイズ入力部82におけるXとは部品のX方向(
図24の左右方向)の大きさであり、Yとは部品のY方向(
図24の上下方向)の大きさである。
【0140】
図24に示すように、例えば、オペレータが、部品リスト81から部品名P0054を選択すると、表示制御部16は部品画像54の全ての切断経路の色を変更する。
図24では、色が変更された切断経路を一点鎖線で示している。中央制御部11は、選択された部品における色が変更された全ての切断経路に存在するジョイントを、ジョイント量を補正する対象に設定する。
【0141】
オペレータが、ジョイント量補正設定画像600におけるスライダ602をプラス方向またはマイナス方向に移動すると、ジョイント補正量生成部15は、色が変更された全ての切断経路に存在するジョイントのジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、部品名と対応させてジョイント補正量を記憶部12に記憶させる。部品名と対応付けられたジョイント補正量がNC装置21に送信されてジョイント補正量記憶部26に記憶されれば、レーザ加工機20は、選択された部品の全ての切断経路に存在するジョイントのジョイント量をジョイント補正量記憶部26に記憶されたジョイント補正量だけ補正する。
【0142】
図24においては、部品リスト81によって1つの部品(部品画像54)のみを選択した状態を示しているが、オペレータは2つ以上の部品を選択してもよい。サイズ入力部82によって部品の大きさが指定された場合には、指定された範囲内に含まれる1つまたは2つ以上の部品がジョイント量を補正する対象の部品に設定される。
【0143】
図24に示すように部品に設けられる全てのジョイントをジョイント量を補正する対象に設定した場合、NC装置21は、
図15のステップS206において、ジョイント補正量記憶部26に、切断しようとする部品に対応付けられたジョイント補正量が記憶されているか否かを判定すればよい。
【0144】
<第2の構成例>
ジョイント補正量生成部15は、オペレータによる所定の操作によってジョイント補正量を生成することに限定されず、中央制御部11またはNC装置21による自動的な制御によって、ジョイント補正量を生成してもよい。
【0145】
図25は、中央制御部11がジョイント補正量を自動的に生成し、NC装置21が加工プログラムを読み込む際に、ジョイント補正量をNC装置21に送信する第2の構成例を示している。上記のように、CO
2レーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムを、ファイバレーザ発振器を用いるレーザ加工機で用いると、不適切なジョイント量となることがある。
図25は、第1のレーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムを、第2のレーザ発振器を用いるレーザ加工機で用いて板金を切断する際に好適な構成である。
【0146】
記憶部12には、第1のレーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムが記憶されている。第1のレーザ発振器は例えばCO2レーザ発振器である。加工プログラムには、第1のレーザ発振器を用いるレーザ加工機の機種を示す加工機情報と、第1のレーザ発振器の種別を示す発振器情報と、加工条件とが付随している。加工機情報と発振器情報と加工条件とを付随情報と称することとする。加工条件は、加工対象の板金の材質及び板厚、加工速度(切断速度)、工具径補正量、及びその他の各種の情報を含む。
【0147】
記憶部12に記憶されている第1のレーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムで板金を切断しようとしているレーザ加工機20が備えるレーザ発振器29は、第1のレーザ発振器とは異なる第2のレーザ発振器であるとする。第2のレーザ発振器は例えばファイバレーザ発振器である。記憶部12には、レーザ加工機20のパラメータとして、レーザ加工機20の機種を示す加工機情報と、レーザ発振器29の種別を示す発振器情報と、レーザ加工機20が板金を切断するために選択された加工条件とが予め記憶されている。オペレータは、タッチパネル17を操作して、切断しようとする板金の材質及び板厚に対応した加工条件を選択することができる。
【0148】
CO2レーザ発振器より射出されるレーザビームによって形成されるビームスポットの直径(ビーム径)は、ファイバレーザ発振器より射出されるレーザビームのビーム径と比較して大きい。よって、CO2レーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムを、ファイバレーザ発振器であるレーザ発振器29を用いるレーザ加工機で用いるとジョイント量が増加してしまい、板金より部品を外すことが困難となってしまう。逆に、ファイバレーザ発振器を用いるレーザ加工機用に作成された加工プログラムを、CO2レーザ発振器を用いるレーザ加工機で用いるとジョイント量が減少してしまい、部品が板金より落下してしまう。
【0149】
そこで、ジョイント量制御装置10は、ジョイント情報付加加工プログラムをNC装置21に送信するときに、全てのジョイントのジョイント量を一括で補正するジョイント補正量を自動的に生成してNC装置21に送信するのがよい。
【0150】
図26は、CO
2レーザ発振器を用いたレーザ加工機用に作成された加工プログラムを用いて、ファイバレーザ発振器を用いたレーザ加工機で板金を切断したときに、ジョイント量がどのように変化するかを示している。
図26において、太い実線は、加工プログラムで設定されている切断経路である。CO
2レーザ発振器を用いたレーザ加工機が板金を切断するときのビームスポットBs1と、ファイバレーザ発振器を用いたレーザ加工機が板金を切断するときのビームスポットBs2とは、
図26に示すように位置がずれる。
【0151】
距離J0は、加工プログラムで設定されているジョイント量である。距離J1は、CO2レーザ発振器を用いたレーザ加工機が板金を切断するときのビームスポットBs1のビーム径を含めたジョイント量(以下、ジョイント量J1)である。距離J2は、ファイバレーザ発振器を用いたレーザ加工機が板金を切断するときのビームスポットBs2のビーム径を含めたジョイント量(以下、ジョイント量J2)である。CO2レーザ発振器を用いたレーザ加工機用に作成された加工プログラムを用いて、ファイバレーザ発振器を用いたレーザ加工機で板金を切断すると、ジョイント量J1とジョイント量J2との差分である距離J12だけジョイント量が増加してしまう。
【0152】
逆に、ファイバレーザ発振器を用いたレーザ加工機用に作成された加工プログラムを用いて、CO2レーザ発振器を用いたレーザ加工機で板金を切断すると、ジョイント量J1とジョイント量J2との差分である距離J12だけジョイント量が減少してしまう。
【0153】
ジョイント補正量生成部15は、加工プログラムの付随情報における加工条件に含まれている工具径補正量と、レーザ加工機20のパラメータにおける加工条件に含まれている工具径補正量とに基づいて、ジョイント補正量に相当する距離J12を算出することができる。
図26に示すように、加工プログラムの付随情報における加工条件に含まれている工具径補正量は、ビームスポットBs1のビーム径の1/2である距離Ca1(以下、工具径補正量Ca1)である。レーザ加工機20のパラメータにおける加工条件に含まれている工具径補正量は、ビームスポットBs2のビーム径の1/2である距離Ca2(以下、工具径補正量Ca2)である。距離J12は、工具径補正量Ca1と工具径補正量Ca2との差分をとることによって求めることができる。
【0154】
なお、中央制御部11は、付随情報における発振器情報とレーザ加工機20のパラメータにおける発振器情報とが異なる場合に、加工条件における工具径補正量の差分を求めるようジョイント補正量生成部15を制御すればよい。中央制御部11は、付随情報における発振器情報とレーザ加工機20のパラメータにおける発振器情報とが異なり、さらに、加工機情報が異なる場合に、加工条件における工具径補正量の差分を求めるようジョイント補正量生成部15を制御してもよい。このようにすれば、全てのジョイントのジョイント量を一律に一括で補正するジョイント補正量を生成する必要があるときに、工具径補正量の差分を求める計算を実行させることができる。
【0155】
中央制御部11は、ジョイント補正量記憶部26に、全てのE番号、全てのジョイント番号、全ての部品番号のうちのいずれかによって全てのジョイントが補正対象のジョイントであることを示すジョイント特定情報と対応付けられたジョイント補正量を記憶させればよい。
【0156】
図27を用いて、
図25に示すジョイント量制御装置10で実行されるジョイント量制御方法、または、ジョイント量制御装置10がコンピュータ機器によって構成されている場合にCPUが実行するジョイント量制御プログラムの処理を説明する。
図27において、
図13と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0157】
図27において、中央制御部11は、ステップS13に続けて、ステップS21にて、加工プログラムに付随情報があるか否かを判定する。中央制御部11は、加工プログラムに付随情報があれば(YES)、処理をステップS22に移行させ、付随情報がなければ(NO)、処理をステップS14に移行させる。中央制御部11は、ステップS22にて、ジョイント量の自動補正の機能がオンであるか否かを判定する。自動補正の機能をオンするかオフするかは、タッチパネル17によって中央制御部11に設定することができる。
【0158】
中央制御部11は、ステップS22にて自動補正の機能がオンであれば(YES)、処理をステップS23に移行させ、オフであれば(NO)、処理をステップS14に移行させる。中央制御部11は、ステップS23にて、ジョイント量を補正する必要があるか否かを判定する。ジョイント量を補正する必要があれば(YES)、ジョイント補正量生成部15は、ステップS24にて、ジョイント補正量を生成する。一例として、加工プログラムの付随情報における加工条件の工具径補正量が0.20mmで、レーザ加工機20のパラメータにおける加工条件の工具径補正量が0.12mmであれば、ジョイント補正量を0.08mmと計算することができる。
【0159】
中央制御部11は、ステップS24にて、ジョイント補正量を記憶部12に記憶させて、処理をステップS25に移行させる。ステップS23にてジョイント量を補正する必要がなければ(NO)、中央制御部11は処理をステップS14に移行させる。中央制御部11は、ステップS25にて、ジョイント補正量をNC装置21に送信して、処理を
図13のステップS14に移行させる。
【0160】
ステップS24にて所定のジョイント補正量が生成され、ステップS25にてジョイント補正量がNC装置21に送信された場合には、全てのジョイントのジョイント量を一括で補正するためのジョイント補正量がジョイント補正量記憶部26に記憶される。このとき、
図25に示すように、ジョイント補正量記憶部26は、NC装置21がジョイント情報付加加工プログラムを読み込んだときに供給されるジョイント補正量を第1の記憶領域261に記憶させるのがよい。
【0161】
図27のステップS21~S25の処理によれば、加工開始前でNC装置21がジョイント情報付加加工プログラムを読み込んだ時点で既にジョイント補正量がジョイント補正量記憶部26に記憶されている。よって、NC装置21がジョイント情報付加加工プログラムによって板金の切断を開始すれば、加工中の全てのジョイントのジョイント量が補正される。
【0162】
以上のようにしてジョイント量制御装置10がジョイント補正量を自動的に生成して、ジョイント補正量記憶部26に記憶させた後、ステップS15~S17によって、オペレータが手動でジョイント補正量を生成してもよい。オペレータは、
図19~
図24に示すいずれかの方法で補正対象のジョイントを選択してジョイント補正量を生成してもよい。このとき、
図25に示すように、ジョイント補正量記憶部26は、オペレータが操作することによって生成されたジョイント補正量を第2の記憶領域262に記憶させるのがよい。
【0163】
インタプリタ23は、第1の記憶領域261に全てのジョイントのジョイント量を一括で補正するためのジョイント補正量が記憶されている場合には、全てのジョイントのジョイント量を第1の記憶領域261に記憶されているジョイント補正量だけ一括で補正する。インタプリタ23は、第1の記憶領域261にジョイント補正量が記憶されておらず、第2の記憶領域262にジョイント補正量が記憶されている場合には、ジョイント特定情報で特定されたジョイントのジョイント量を、第2の記憶領域262に記憶されているジョイント補正量だけ補正する。
【0164】
インタプリタ23は、第1の記憶領域261と第2の記憶領域262との双方にジョイント補正量が記憶されている場合には、ジョイント量を次のように補正する。インタプリタ23は、全てのジョイントのジョイント量を第1の記憶領域261に記憶されているジョイント補正量だけ一括で補正し、かつ、ジョイント特定情報で特定されたジョイントのジョイント量を、第2の記憶領域262に記憶されているジョイント補正量だけ補正する。
【0165】
<第3の構成例>
以上説明した
図1に示す第1の構成例及び
図25に示す第2の構成例においては、オペレータがジョイント量補正設定画像60または600におけるスライダ602を操作することによってジョイント量を増減するための増減相対値を設定している。オペレータが、増減相対値ではなく、レーザ加工機20が板金を切断する際に形成するジョイントのジョイント量を直接的に示す直接値を設定するように構成してもよい。
【0166】
オペレータがジョイント量の直接値を設定する構成は、
図1に示す第1の構成例と同様の構成であってもよいし、
図25に示す第2の構成例と同様の構成であってもよい。
図25に示す第2の構成例と同様の構成でジョイント量の直接値を設定する場合のジョイント量制御装置10の動作を説明する。
【0167】
一例として、加工プログラムで設定されているジョイント量が0.4mmであり、オペレータがジョイント量を0.75mmと指定したとする。このとき、ジョイント補正量生成部15は、0.75mmから0.4mmを減算して0.35mmのジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ジョイント特定情報とジョイント補正量とをNC装置21に送信する。オペレータが、全てのジョイントのジョイント量を一括で指定するためのジョイント量の直接値を指定することも可能である。
【0168】
ジョイント量の直接値を、ジョイント量を増減させる増減相対値であるジョイント補正量に変換するのは、インタプリタ23がジョイント量の直接値に基づいてジョイント量を補正することができず、ジョイント補正量に基づいてジョイント量を補正する必要があるからである。
【0169】
図28A及び
図28Bを用いて、
図25に示す第2の構成例と同様の構成でオペレータがジョイント量の直接値を設定する場合にジョイント量制御装置10で実行されるジョイント量制御方法、または、ジョイント量制御装置10がコンピュータ機器によって構成されている場合にCPUが実行するジョイント量制御プログラムの処理を説明する。
図28A及び
図28Bにおいて、
図13または
図27と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0170】
図28Aにおいて、中央制御部11は、ステップS13に続けて、ステップS31にて、ジョイント量の直接値を指定する設定とされているか否かを判定する。ジョイント量の直接値を指定する設定とされていれば(YES)、オペレータはステップS32にてジョイント量の直接値を設定する。ジョイント量の直接値は記憶部12に記憶される。ジョイント補正量生成部15は、ステップS33にて、ジョイント量の直接値に基づきジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ステップS33にて、ジョイント補正量を記憶部12に記憶させて、処理をステップS25に移行させる。
【0171】
ステップS31にてジョイント量の直接値を指定する設定とされていなければ(NO)、中央制御部11は、
図27と同様に、ステップS21~S24を実行させて、処理をステップS25に移行させる。
【0172】
中央制御部11は、ステップS25にて、ステップS32及びS33で生成したジョイント補正量、またはステップS24で生成したジョイント補正量をNC装置21に送信する。ステップS32及びS33で生成したジョイント補正量は、オペレータが設定したジョイント量の直接値に基づいて生成した全てのジョイントのジョイント量を一括で補正するためのジョイント補正量である。ステップS24で生成したジョイント補正量は、オペレータの操作によらず自動的に生成した、全てのジョイントのジョイント量を一括で補正するためのジョイント補正量である。ステップS25にて送信されたジョイント補正量は第1の記憶領域261に記憶される。
【0173】
中央制御部11は、ステップS14にて、ジョイント情報付加加工プログラムをNC装置21に送信して、処理を
図28BのステップS15に移行させる。
【0174】
図28Bにおいて、中央制御部11は、ステップS15にて、ジョイント量を補正する操作がなされたか否かを判定する。ジョイント量を補正する操作がなされなければ(NO)、中央制御部11は処理をステップS18に移行させる。ジョイント量を補正する操作がなされれば(YES)、中央制御部11は、ステップS34にて、ジョイント量の直接値が入力された否かを判定する。ジョイント量の直接値が入力されなければ(NO)、即ち、ジョイント量の増減相対値が入力されれば、ジョイント補正量生成部15は、ステップS16にて、ジョイント量変換パラメータに基づきジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ステップS16にて、ジョイント補正量を記憶部12に記憶させて、処理をステップS17に移行させる。
【0175】
ステップS34にてジョイント量の直接値が入力されれば(YES)、ジョイント補正量生成部15は、ステップS35にて、ジョイント量の直接値に基づいてジョイント補正量を生成する。中央制御部11は、ステップS35にて、ジョイント補正量を記憶部12に記憶させて、処理をステップS17に移行させる。
【0176】
中央制御部11は、ステップS17にて、ジョイント量を補正する対象のE番号とジョイント補正量とをNC装置21に送信する。ジョイント補正量を設定する対象のジョイントは、上記のように、E番号で指定されていてもよいし、ジョイント番号で指定されていてもよいし、部品名で指定されていてもよい。中央制御部11は、ステップS18にて、加工プログラムの終了によって加工が終了したか否かを判定する。加工が終了していなければ(NO)、ステップS15~S18の処理が繰り返される。ステップS18にて加工が終了していれば(YES)、中央制御部11は、ジョイント量制御装置10によるジョイント量の補正処理を終了させる。
【0177】
本発明は以上説明した第1~第3の構成例を含む1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0178】
本願は、2019年4月26日に日本国特許庁に出願された特願2019-085013号に基づく優先権を主張するものであり、その全ての開示内容は引用によりここに援用される。