(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】超音波霧化シートの作動制御回路、及び超音波電子タバコ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/05 20200101AFI20220825BHJP
【FI】
A24F40/05
(21)【出願番号】P 2021517897
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2019090913
(87)【国際公開番号】W WO2019238064
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】201820921088.4
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 建福
(72)【発明者】
【氏名】鐘 科軍
(72)【発明者】
【氏名】郭 小義
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウィ▼
(72)【発明者】
【氏名】尹 新強
(72)【発明者】
【氏名】易 建華
(72)【発明者】
【氏名】李 勝博
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206258688(CN,U)
【文献】特表2014-504886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源モジュール(1)、ブースト回路(2)、喫煙スイッチ(3)、コントローラ(4)、駆動回路(7)、及びLC発振回路(5)を備え、電源モジュール(1)は、順次、ブースト回路(2)、駆動回路(7)、LC発振回路(5)を介して超音波霧化シート(J)に電気的に接続され、喫煙スイッチ(3)はコントローラ(4)の入力端子に電気的に接続され、コントローラ(4)の出力端子はブースト回路(2)のエネイブル端子に電気的に接続される超音波霧化シートの作動制御回路であって、
喫煙スイッチ(3)の隣接する2つの導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きいときに、ブースト回路(2)から駆動回路(7)に伝送する電圧値を高くするための電圧調整回路(6)をさらに備え、ブースト回路(2)の出力端子は該電圧調整回路(6)を介して駆動回路(7)の入力端子に電気的に接続され、コントローラ(4)の出力端子は電圧調整回路(6)の制御端子に電気的に接続され
、
前記電圧調整回路(6)は、第1のMOSトランジスタ(Q1)、第1の抵抗(R1)、及び第2の抵抗(R2)を備え、ブースト回路(2)の基準レベルフィードバック端子は第3の抵抗(R3)を介してアースし、ブースト回路(2)の電圧出力端子は第4の抵抗(R4)を介してブースト回路(2)の基準レベルフィードバック端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタ(Q1)のゲートと第2の抵抗(R2)の一端はともにコントローラ(4)の出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタ(Q1)のドレインは第1の抵抗(R1)を介してブースト回路(2)の電圧出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタ(Q1)のドレインは第3の抵抗(R3)と第4の抵抗(R4)との間に接続され、第2の抵抗(R2)の他端はアースする、ことを特徴とする超音波霧化シートの作動制御回路。
【請求項2】
ブースト回路(2)の電圧出力端子と駆動回路(7)の入力端子との間に接続された第1のフィルタリング回路(8)をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波霧化シートの作動制御回路。
【請求項3】
ブースト回路(2)の入力端子と電源モジュール(1)の出力端子との間に接続された第2のフィルタリング回路(9)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波霧化シートの作動制御回路。
【請求項4】
前記第1のフィルタリング回路(8)は、第1のコンデンサ(C1)、第2のコンデンサ(C2)、第3のコンデンサ(C3)、第4のコンデンサ(C4)を備え、第1のコンデンサ(C1)、第2のコンデンサ(C2)、第3のコンデンサ(C3)、第4のコンデンサ(C4)の一端はすべてブースト回路(2)の電圧出力端子と駆動回路(7)の入力端子との間に接続され、第1のコンデンサ(C1)、第2のコンデンサ(C2)、第3のコンデンサ(C3)、第4のコンデンサ(C4)の他端はすべてアースする、ことを特徴とする請求項
2に記載の超音波霧化シートの作動制御回路。
【請求項5】
前記第2のフィルタリング回路(9)は、第5のコンデンサ(C5)、第6のコンデンサ(C6)を備え、第5のコンデンサ(C5)、第6のコンデンサ(C6)の一端はブースト回路(2)の入力端子と電源モジュール(1)の出力端子との間に接続され、第5のコンデンサ(C5)、第6のコンデンサ(C6)の他端はアースする、ことを特徴とする請求項
3に記載の超音波霧化シートの作動制御回路。
【請求項6】
請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載の超音波霧化シートの作動制御回路を備えることを特徴とする超音波電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に超音波霧化シートの作動制御回路、及び超音波電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、従来の超音波霧化シートの作動制御回路は、電源モジュール1、ブースト回路2、喫煙スイッチ3、コントローラ4、駆動回路7、及びLC発振回路5を備え、電源モジュール1は、順次、ブースト回路2、駆動回路7、LC発振回路5を介して超音波霧化シートJに電気的に接続され、喫煙スイッチ3はコントローラ4の入力端子に電気的に接続され、コントローラ4の出力端子はブースト回路2のエネイブル端子に電気的に接続される。喫煙スイッチ3が押されると、コントローラ4が、入力端子の電位変化を検出し、コントローラ4がブースト回路2を制御して作動させ、電源モジュール1の出力する電圧がブースト回路2によって所定電圧値にブーストされ、次に、該一定の所定電圧値で超音波霧化シートの作動が駆動される。
【0003】
喫煙スイッチ3が複数回連続的に導通する場合の超音波霧化シートJの空炊きを回避し、また作動電圧が大きすぎることによる超音波霧化シートJの寿命短縮を防止するために、超音波霧化シートJのパワーを制御することで、ブースト回路2の出力電圧値を小さくする必要がある。
【0004】
超音波霧化シートJの過度の低温やリキッドの長期間の蓄積などの問題のため、長期間使用しない場合、電子タバコを起動させるために、超音波霧化シートJのリキッドを素早く霧化するには大きなパワーが必要とされる。したがって、従来のようにブースト回路2の出力電圧値が小さい条件では、喫煙スイッチ3の隣接する2回の導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きい場合、超音波霧化シートJの起動速度が低く、電子タバコに用いると、具体的には、喫煙するときに最初のいくつかのパフでは煙量が小さく、煙量が不安定であり、ユーザーエクスペリエンスが劣るという現象がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超音波霧化シートの作動制御回路では、ブースト回路の出力電圧値が一定の値であり、ブースト回路の出力電圧値が小さいため、超音波霧化シートの起動速度が低く、喫煙するときに最初のいくつかのパフでは煙量が小さく、煙量が不安定であり、ユーザーエクスペリエンスが劣る。本発明の目的は、上記従来技術の欠陥に対して、超音波霧化シートの起動速度が高く、超音波霧化シートの空炊きや作動電圧が大きすぎることによる寿命短縮を回避し、煙量が安定的であり、より省エネであり、ユーザーエクスペリエンスが向上する超音波霧化シートの作動制御回路及び超音波電子タバコを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明で採用される技術案は以下のとおりである。
【0007】
電源モジュール、ブースト回路、喫煙スイッチ、コントローラ、駆動回路、及びLC発振回路を備え、電源モジュールは、順次、ブースト回路、駆動回路、LC発振回路を介して超音波霧化シートに電気的に接続され、喫煙スイッチはコントローラの入力端子に電気的に接続され、コントローラの出力端子はブースト回路のエネイブル端子に電気的に接続される超音波霧化シートの作動制御回路であって、
喫煙スイッチの隣接する2つの導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きいときに、ブースト回路から駆動回路に伝送する電圧値を高くするための電圧調整回路をさらに備え、ブースト回路の出力端子は該電圧調整回路を介して駆動回路の入力端子に電気的に接続され、コントローラの出力端子は電圧調整回路の制御端子に電気的に接続される。
【0008】
上記構造によれば、電圧調整回路を利用して、ブースト回路から駆動回路に出力する電圧を調整することにより、パワー不足により超音波電子タバコの起動初期の煙量が小さいという問題を解決する。
【0009】
喫煙スイッチの隣接する2回の導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きい場合、コントローラは電圧調整回路を制御して作動させ、ブースト回路の出力電圧が電圧調整回路により高く調整され、それにより、駆動回路に出力される電圧が高まり、出力パワーが増大し、超音波霧化シートの作動電圧が高くなり、超音波霧化シートの起動速度が向上し、煙発生速度が高くなり、それによって、超音波電子タバコの各パフには、パフするごとの時間間隔が長いことにより、煙発生量が少なく、起動速度が低いという問題を解決する。
【0010】
時間間隔が所定時間以下である場合、超音波霧化シートが既に予熱されているので、小さなパワーだけで大量の煙を発生させることができる。このとき、コントローラは電圧調整回路を制御して作動させないようにし、ブースト回路の出力電圧が直接駆動回路に出力され、駆動回路の入力電圧が低くなり、駆動回路の出力パワーが低下し、超音波霧化シートから霧化された煙が起動初期とほぼ一致し、煙量が安定的であり、ユーザーエクスペリエンスが向上し、また、より省エネであり、空炊きや大きすぎる作動電圧による超音波霧化シートの寿命短縮がない。
【0011】
好適な形態として、前記電圧調整回路は、第1のMOSトランジスタ、第1の抵抗、及び第2の抵抗を備え、ブースト回路の基準レベルフィードバック端子は第3の抵抗を介してアースし、ブースト回路の電圧出力端子は第4の抵抗を介してブースト回路の基準レベルフィードバック端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタのゲートと第2の抵抗の一端はともにコントローラの出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタのドレインは第1の抵抗を介してブースト回路の電圧出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタのドレインは第3の抵抗と第4の抵抗との間に接続され、第2の抵抗の他端アはースする。
【0012】
上記構造によれば、電圧調整回路を利用して、ブースト回路から駆動回路に出力する電圧を調整することにより、パワーの不足により超音波電子タバコの起動初期の煙量が小さいという問題を解決することができる。電圧調整回路の作動原理は以下のとおりである。
【0013】
ブースト回路の基準レベルフィードバック端子から出力されたフィードバック電圧基準値Vrfが小さい(ゼロボルトに近い)ので、本発明は、第4の抵抗又は第1の抵抗と第4の抵抗を並列接続した総抵抗である上抵抗を調整し、コントローラのI/Oポートの出力電圧とVrfとの電圧差が第1のMOSトランジスタのVgsよりも大きいことにより、第1のMOSトランジスタの開閉を駆動し、第1の抵抗と第4の抵抗を並列接続して電圧を調整するか、又は第4の抵抗単独で電圧を調整する。
【0014】
喫煙スイッチの隣接する2回の導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きい場合、コントローラは低レベルを第1のMOSトランジスタのゲートに出力し、第1のMOSトランジスタがオフになり、第1の抵抗が接続を切断し、第4の抵抗の抵抗値がそれと第1の抵抗とを並列接続したときの抵抗値よりも大きく、且つサンプリングレベルVrfが一定であるため、電圧比が抵抗比に等しい関係式から、ブースト回路から駆動回路に出力した出力電圧が高まり、出力パワーが増大し、超音波霧化シートの作動電圧が高く調整されたことがわかり、それによって、超音波霧化シートの起動速度が高く、煙発生速度が高く、超音波電子タバコの各パフでは、パフする時間間隔が長く、煙発生量が少なく、起動速度が低いという問題を解決する。
【0015】
時間間隔が所定時間以下である場合、超音波霧化シートがすでに予熱されているので、小さなパワーだけで大量の煙を発生させることができる。このとき、コントローラは高レベルを第1のMOSトランジスタのゲートに出力し、第1のMOSトランジスタが導通し、第1の抵抗が第4の抵抗に並列接続され、それによって、上抵抗の抵抗値が低下し、電圧比が抵抗比に等しい関係式から、ブースト回路から駆動回路に出力した出力電圧が低下し、出力パワーが低下することがわかり、それによって、超音波霧化シートで霧化された煙が起動初期の煙とほぼ一致し、煙量が安定的であり、ユーザーエクスペリエンスが向上し、また、より省エネであり、空炊きや大きすぎる作動電圧による超音波霧化シートの寿命短縮はない。
【0016】
本発明の前記電圧調整の形態は、サンプリング基準レベルVrfが低いブースト回路に適用でき、Vrfが一定であるという特徴を利用して、MOSトランジスタ回路でサンプリング抵抗の上抵抗を調整するように設定し、簡単な回路によりブースト回路の出力電圧の動的な調整を実現する。
【0017】
さらに、ブースト回路の電圧出力端子と駆動回路との間に接続された第1のフィルタリング回路をさらに備える。
【0018】
第1のフィルタリング回路は、ブースト回路でブーストされて駆動回路に出力される電圧信号のノイズをフィルタリングすることに用いられる。
【0019】
さらに、ブースト回路の入力端子と電源モジュールとの間に接続された第2のフィルタリング回路をさらに備える。
【0020】
第2のフィルタリング回路は、電源モジュールからブースト回路に出力する電圧信号のノイズをフィルタリングすることに用いられる。
【0021】
好適な形態として、前記第1のフィルタリング回路は、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサ、第4のコンデンサを備え、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサ、第4のコンデンサの一端はすべてブースト回路の電圧出力端子と駆動回路との間に接続され、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、第3のコンデンサ、第4のコンデンサの他端はすべてアースする。
【0022】
好適な形態として、前記第2のフィルタリング回路は、第5のコンデンサ、第6のコンデンサを備え、第5のコンデンサ、第6のコンデンサの一端はブースト回路の入力端子と電源モジュールとの間に接続され、第5のコンデンサ、第6のコンデンサの他端はアースする。
【0023】
同一の発明構想に基づいて、本発明は、前記超音波霧化シートの作動制御回路を備えることを特徴とする超音波電子タバコをさらに提供する。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べて、本発明では、超音波霧化シートは、起動速度が高く、空炊きや大きすぎる作動電圧による超音波霧化シートの寿命短縮がなく、煙量が安定的であり、より省エネであり、作製プロセスが簡単であり、使用コストを低下させ、ユーザーエクスペリエンスが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来の超音波霧化シートの作動制御回路のブロック図である。
【
図2】本発明の超音波霧化シートの作動制御回路のブロック図である。
【
図3】本発明のブースト回路及び電圧調整回路の具体的な回路接続構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図2及び
図3に示すように、超音波電子タバコの超音波霧化シートの作動制御回路は、電源モジュール1、ブースト回路2、喫煙スイッチ3、コントローラ4、駆動回路7、及びLC発振回路5を備え、電源モジュール1は、順次ブースト回路2、駆動回路7、LC発振回路5を介して超音波霧化シートJに電気的に接続され、喫煙スイッチ3はコントローラ4の入力端子に電気的に接続され、コントローラ4の出力端子はブースト回路2のエネイブル端子に電気的に接続され、前記作動制御回路は、喫煙スイッチ3の隣接する2回の導通時刻の間の時間間隔(本実施例では、隣接する押し時刻の間の時間間隔)が所定時間よりも大きいときに、ブースト回路2から駆動回路7に伝送する電圧値を高く調整するための電圧調整回路6をさらに備え、ブースト回路2の出力端子は該電圧調整回路6を介して駆動回路7の入力端子に電気的に接続され、コントローラ4の出力端子は電圧調整回路6の制御端子に電気的に接続される。
【0027】
図3に示すように、前記電圧調整回路6は、第1のMOSトランジスタQ1、第1の抵抗R1、及び第2の抵抗R2を備え、ブースト回路2の電圧出力端子は駆動回路7の入力端子に電気的に接続され、ブースト回路2の基準レベルフィードバック端子は第3の抵抗R3を介してアースし、ブースト回路2の電圧出力端子は第4の抵抗R4を介してブースト回路2の基準レベルフィードバック端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタQ1のゲートと第2の抵抗R2の一端はともにコントローラ4の出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタQ1のドレインは第1の抵抗R1を介してブースト回路2の電圧出力端子に電気的に接続され、第1のMOSトランジスタQ1のドレインは第3の抵抗R3と第4の抵抗R4との間に接続され、第2の抵抗R2の他端はアースする。
【0028】
電源モジュール1は、1つのリチウム電池の充放電回路と、保護回路から構成され、保護回路は、過充電及び過電圧の機能を有し、また後端回路の過電流や短路を防止する。ブースト回路2では、1個のリチウム電池を用いてブーストする方式によって、後端の高周波数LC発振回路5に約30Wパワーの電源を供給する。
【0029】
コントローラ4は、51コアシングルチップコンピュータを用いてLED灯による指示及びMOSトランジスタの開閉を制御することで、回路基板全体の低消費電力化及び保護を実現し、また、超音波霧化シートJの電圧・電流の変化をリアルタイムで検出し、超音波霧化シートJの空炊きや過負荷を防止し、さらに、後端駆動回路7にPWM信号を供給し、パワー検出により周波数追跡をリアルタイムで実現する。
【0030】
本実施例では、LC発振回路5は、高周波数強制両側発振回路を用いる。高周波数強制両側発振回路は、MOSトランジスタの持続的な開閉によりインダクタンス、コンデンサ及び超音波霧化シートJ自体の静的容量を同時に共振させ、正弦波を形成し、それによって、超音波霧化シートJを効果的に発振駆動し、リキッドを霧化する。
【0031】
駆動回路7は、駆動チップによって、コントローラ4から供給される2本のPWM信号を増幅させて、それぞれのPWM信号により後端高周波数強制両側発振回路のインダクタンスコンデンサと超音波霧化シートJを共振駆動し、超音波霧化シートJに全波発振を行わせ、霧化効果を奏する。
【0032】
超音波霧化シートの作動制御回路は、ブースト回路2でブーストされて出力する電圧信号のノイズをフィルタリングするための、ブースト回路2の電圧出力端子と駆動回路7との間に接続された第1のフィルタリング回路8をさらに備える。前記第1のフィルタリング回路8は、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2、第3のコンデンサC3、第4のコンデンサC4を備え、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2、第3のコンデンサC3、第4のコンデンサC4の一端はともにブースト回路2の電圧出力端子と駆動回路7との間に接続され、第1のコンデンサC1、第2のコンデンサC2、第3のコンデンサC3、第4のコンデンサC4の他端はともにアースする。
【0033】
超音波霧化シートの作動制御回路は、電源モジュール1からブースト回路2に出力する電圧信号的ノイズをフィルタリングするための、ブースト回路2の入力端子と電源モジュール1との間に接続された第2のフィルタリング回路9を備える。前記第2のフィルタリング回路9は、第5のコンデンサC5、第6のコンデンサC6を備え、第5のコンデンサC5、第6のコンデンサC6の一端は、ブースト回路2の入力端子と電源モジュール1との間に接続され、第5のコンデンサC5、第6のコンデンサC6の他端はアースする。
【0034】
前記ブースト回路2は、インダクタンスL、ダイオードD、ブーストチップU、第2のMOSトランジスタQ2、第5の抵抗R5、第6の抵抗R6、第7の抵抗R7、第8の抵抗R8、第9の抵抗R9、第7のコンデンサC7、第8のコンデンサC8、第9のコンデンサC9、第10のコンデンサC10、第11のコンデンサC11、及び第12のコンデンサC12を備え、そのうち、第2の抵抗R2の一端はブーストチップUのエネイブル端子に接続され、第2の抵抗R2の他端はコントローラ4に接続される。ここで、VINは電源モジュール1由来の電圧出力であり、EN1はコントローラ4由来のエネイブル信号であり、VOLTAGEはコントローラ4由来の電圧調整信号であり、VOUTはブースト回路2から駆動回路7に出力する電圧信号である。
【0035】
本発明では、電圧調整回路6の作動原理は、以下のとおりである。
【0036】
ブースト回路2の基準レベルフィードバック端子から出力されたフィードバック電圧基準値Vrfが小さい(ゼロボルトに近い)ので、本発明は、第4の抵抗R4又は第1の抵抗R1と第4の抵抗R4を並列接続した総抵抗である上抵抗を調整し、コントローラ4のI/0ポートの出力電圧とVrfとの電圧差が第1のMOSトランジスタQ1のVgsよりも大きいことにより、第1のMOSトランジスタQ1の開閉を駆動し、第1の抵抗R1と第4の抵抗R4を並列接続して電圧を調整するか、又は第4の抵抗R4単独で電圧を調整する。
【0037】
喫煙スイッチ3の隣接する2回の導通時刻の間の時間間隔が所定時間よりも大きい場合、コントローラ4は低レベルを第1のMOSトランジスタQ1のゲートに出力し、第1のMOSトランジスタQ1がオフになり、第1の抵抗R1が接続を切断し、第4の抵抗R4の抵抗値がそれと第1の抵抗R1とを並列接続したときの抵抗値よりも大きく、且つサンプリングレベルVrfが一定であるため、電圧比が抵抗比に等しい関係式から、ブースト回路2から駆動回路7に出力した出力電圧が高まり、出力パワーが増大し、超音波霧化シートJの作動電圧が高く調整されたことが分かり、それによって、超音波霧化シートJの起動速度が高く、煙発生速度が高く、超音波電子タバコの各パフでは、パフする時間間隔が長く、煙発生量が少なく、起動速度が低いという問題を解決する。
【0038】
時間間隔が所定時間以下である場合、超音波霧化シートJがすでに予熱されているので、小さなパワーだけで大量の煙を発生させることができる。このとき、コントローラ4は高レベルを第1のMOSトランジスタQ1のゲートに出力し、第1のMOSトランジスタQ1が導通し、第1の抵抗R1が第4の抵抗R4に並列接続され、それによって、上抵抗の抵抗値が低下し、電圧比が抵抗比に等しい関係式から、ブースト回路2から駆動回路7に出力する出力電圧が低下し、出力パワーが低下することがわかり、それによって、超音波霧化シートJで霧化された煙が起動初期の煙とほぼ一致し、煙量が安定的であり、ユーザーエクスペリエンスが向上し、また、より省エネであり、空炊きや大きすぎる作動電圧による超音波霧化シートJの寿命短縮はない。
【0039】
本発明の前記電圧調整の形態は、サンプリング基準レベルVrfが低いブースト回路2に適用でき、Vrfが一定であるという特徴を利用して、MOSトランジスタ回路でサンプリング抵抗の上抵抗を調整するように設定し、簡単な回路によりブースト回路2の出力電圧の動的な調整を実現する。
【0040】
以上、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記特定の実施形態に制限されず、上記の特定の実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的ではなく、当業者であれば、本発明に基づいて、本発明の趣旨及び特許請求の範囲による特許範囲を逸脱することなくさまざまな形態を実現することができ、これらはすべて本発明の特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0041】
1-電源モジュール、2-ブースト回路、3-喫煙スイッチ、4-コントローラ、5-LC発振回路、6-電圧調整回路、7-駆動回路、8-第1のフィルタリング回路、9-第2のフィルタリング回路、J-超音波霧化シート、Q1-第1のMOSトランジスタ、Q2-第2のMOSトランジスタ、R1-第1の抵抗、R2-第2の抵抗、R3-第3の抵抗、R4-第4の抵抗、R5-第5の抵抗、R6-第6の抵抗、R7-第7の抵抗、R8-第8の抵抗、R9-第9の抵抗、C1-第1のコンデンサ、C2-第2のコンデンサ、C3-第3のコンデンサ、C4-第4のコンデンサ、C5-第5のコンデンサ、C6-第6のコンデンサ、C7-第7のコンデンサ、C8-第8のコンデンサ、C9-第9のコンデンサ、C10-第10のコンデンサ、C11-第11のコンデンサ、C12-第12のコンデンサ、L-インダクタンス、U-ブーストチップ、D-ダイオード。