(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】橋のためのダブルUおよびシングルU鋼コンクリート複合構造の建設のためのシステム
(51)【国際特許分類】
E01D 1/00 20060101AFI20220825BHJP
E01D 19/12 20060101ALI20220825BHJP
【FI】
E01D1/00 C
E01D19/12
(21)【出願番号】P 2021529779
(86)(22)【出願日】2019-02-20
(86)【国際出願番号】 IN2019000008
(87)【国際公開番号】W WO2020110132
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】201841045227
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519045479
【氏名又は名称】サバマニ パンディ,べライサミ
(73)【特許権者】
【識別番号】519045480
【氏名又は名称】ジェヤンシ ラニ,サバマニ パンディ
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】ジェヤンシ ラニ, サバマニ パンディ
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-213702(JP,A)
【文献】特開2003-313884(JP,A)
【文献】特開2001-317069(JP,A)
【文献】特開平11-264177(JP,A)
【文献】特開平11-071860(JP,A)
【文献】特開平08-239847(JP,A)
【文献】特開平11-071778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00
E01D 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール又は道路が配される橋のためのダブルU字形鋼コンクリート複合構造であって、
ダブルU字形鋼と、外側底部スラブと、底部デッキスラブと、外側上部スラブとを備え、
前記ダブルU字形鋼は、
前記レール又は前記道路の長手方向からみてU字形の鋼梁又は鋼桁である底部U字形鋼と、
前記レール又は前記道路の長手方向からみてU字形の鋼梁又は鋼桁であり上下逆さとされて前記底部U字形鋼に連結された上部U字形鋼と
から成り、
前記底部U字形鋼及び前記上部U字形鋼の各々について、
当該U字形鋼は、ウェブ板と
当該ウェブ板を挟む上下のフランジ板とから作られ
たI鋼で構成されており、
前記フランジ板の曲げられた箇所の残留応力を回避するように、前記フランジ板が当該フランジ板の厚さの略5倍曲げられ、
前記底部U字形鋼及び/又は前記上部U字形鋼のうち前記レール又は前記道路が配される範囲において、前記ウェブ板が、排水のためのキャンバ、および、死荷重と活荷重の最大50%とを持ち上げるためのプレキャンバを設けるように形成され、
前記外側底部スラブは、前記底部U字形鋼の外側面に配されるスラブであり、
前記底部デッキスラブは、前記底部U字形鋼の内側面に配されるスラブであり、
前記外側上部スラブは、前記上部U字形鋼の外側面に配されるスラブである、
橋のためのダブルU字形鋼コンクリート複合構造。
【請求項2】
レール又は道路が配される橋のためのダブルU字形鋼コンクリート複合構造を形成する方法であって、
(A)
底部U字形鋼を形成するステップと、
(B)
前記底部U字形鋼についてコンクリートによる凝固を行うステップと
(C)上部U字形鋼を形成するステップと、
(D)前記上部U字形鋼についてコンクリートによる凝固を行うステップと
を含
み、
前記底部U字形鋼は、前記レール又は前記道路の長手方向からみてU字形の鋼梁又は鋼桁であり、
前記上部U字形鋼は、前記レール又は前記道路の長手方向からみてU字形の鋼梁又は鋼桁であり上下逆さとされて前記底部U字形鋼に連結され、
前記底部U字形鋼及び前記上部U字形鋼の各々について、
当該U字形鋼は、ウェブ板と当該ウェブ板を挟む上下のフランジ板とから作られたI鋼で構成されており、
前記フランジ板の曲げられた箇所の残留応力を回避するように、前記フランジ板が当該フランジ板の厚さの略5倍曲げられ、
前記底部U字形鋼及び/又は前記上部U字形鋼のうち前記レール又は前記道路が配される範囲において、前記ウェブ板が、排水のためのキャンバ、および、死荷重と活荷重の最大50%とを持ち上げるためのプレキャンバを設けるように形成され、
(B)において、前記底部U字形鋼の外側面に配されるスラブとしての外側底部スラブと、前記底部U字形鋼の内側面に配されるスラブとしての底部デッキスラブとが形成され、
(D)において、前記上部U字形鋼の外側面に配されるスラブとしての外側上部スラブが形成される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁工学の分野に関し、詳細には、経済的かつ迅速な軌道敷設のための鋼コンクリート複合橋に関する。より詳細には、本発明は、鉄道、地下鉄および幹線道路の橋で使用するための、I断面から作られる複合型ダブルU字形鉄筋入り桁橋およびU字形複合型鉄筋入り桁アプローチの建設のシステムならびにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路橋の複合建設において、主桁は、デッキ幅を覆うように約2.5mの間隔で、通行方向に沿って配置される。各桁は、その路線設定で通過する活荷重を得るように設計される。建設の深度は、橋の設計とアプローチのコストにおいて重要な役割を果たす。建設の深度(路面の上部から桁の下部まで)は、24mから45mの径間について2mから3.5mである。中路式(Half through)鋼桁が建設され、その一層小さな慣性モーメントによりさらに短い径間のために採用され得る。さらに、地下鉄の現場での建設には、より長い継続時間にわたる交通の遮断が必要である。プレキャスト建設において、ボックスのセグメントは、既存の道路のより近くに建設される、または、1つの道路のためのプレキャストセグメントが現場に輸送される。より長くより幅の広いボックスは、道路/レールで運ぶ難しさから、作られない。その一方で、単一レーン/2レーン/ツインボックスのためのボックス型構造および単一レーン道路のためのプレキャストセグメントは、既存の建設システムで提供される。道路による輸送での幅および高さの制限から、より長い径間用のボックスは現場で鋳造され、1つの道路/レールに適した小さなボックスは、プレキャストされ、道路により輸送される。既存の道路は、長時間公共的に閉鎖される。ツインボックスは、現場で鋳造される。あるいは、2つのボックスが並んで保たれる。
【0003】
複数桁のシステムにおいて、各桁は、その一片において荷重を得るように設計される。建設の深度(主桁の下部から路面まで)は深い。使用される鋼の重量は重い。ブレーシングとダイアフラムの配置は重みを加え、建設時間を増やす。建設は現場で行われるものである。架台梁および複数の柱が、デッキを支えるために必要とされる。精巧な型枠が必要とされる。交差路は閉鎖されなければならず、したがって交通に干渉するため、迅速な軌道敷設に適さない。ラダーデッキシステムでの鋼の使用は少ないが、建設の深度はより深いものであり、アプローチのコストの増加をもたらしてしまう。露出される面積が多くなると、雨や耐候安定剤に対して脆弱となる。中路式鋼構造主桁の鋼特性のみが使用される。さらなる桁の深度と鋼の量とが必要とされ、これは短い径間に採用可能である。露出される面積が多くなると、雨や耐候安定剤に対して脆弱となる。PSC U桁は単レーンの鉄道橋にのみ使用される。鋳造は、最大18mの短い径間のために建設されかつ多レーン道路/鉄道橋には適していない、精巧な形成作業を必要とする現場で行われる。
【0004】
先行技術の1つであるKR101654657は、側梁とスラブセグメントを用いた架橋建設方法を開示している。下路橋は、横断方向に間隔をおいて配置される2つ以上の側梁であって、端部の下部は、下側土台を形成する長手方向に互いに間隔をおかれる両当接ユニットの上面に支持される、側梁と、側梁の上面に直接支持される両端部フランジと、両端部フランジ間に形成されたU字形床板ユニットを含むU字形スラブセグメントであって、U字形床板ユニットは、互いに隣接する側梁の内面に接しており、かつU字形床板ユニットが側梁の上面で直接支持された両端部フランジに接していると横断方向で両側梁の内側側部を支持する、U字形スラブセグメントとを備えている。上記発明の欠点は、スラブは当接部上で支持される主桁間におよび、デッキ幅は少なく、これにより多レーン道路/レールおよびより長い径間に適切ではないことである。既存の交通は、主桁と精巧な型枠配置を支持する当接部により妨害される。
【0005】
別の先行技術であるKR101476290は、鋼複合型PSC波形鋼板U桁を開示しており、コンクリート層(12)と長手方向にコンクリート層(12)の内側に設けられる複数のPS鋼鉄材(11)とを含む下側フランジ(10)、下側フランジ(10)の両側にそれぞれ連結される1対の複合部(20)であって、複合部間の距離における下側距離よりも長い上側距離に設けられる、1対の複合部(20)、および、コンクリートで形成され、かつ1対の複合部(20)の上側側部にそれぞれ連結される1対の上側フランジ(30)であって、そこでは複合部(20)は、波形鋼板(24)、波形鋼板(24)の下側部分を下側フランジ(10)のコンクリート(12)に結合するように構成される下側結合部材(22)、および、波形鋼板(24)の上側部分を上側フランジ(30)のコンクリートに結合するように構成される上側結合部材(26)を含む、1対の上側フランジ(30)を備える。上述の発明の波形板は、1対の複合部とは独立したウェブを形成するが、より広い/多レーン道路/鉄道橋には適していない。
【0006】
さらに別の先行技術であるKR100881921「Opening steel composite U girder construction method」は、部分的プレストレスでの、上側フランジの正のモーメント領域と負のモーメント領域における高強度のコンクリートを備えた台形状開口型鋼桁を開示している。
【0007】
上述の説明から、以前の建設法は、多レーン道路/レールには適しておらず、また交通が妨害されることが観察されており、さらに橋は、分けて、すなわちサブストリームおよび土台などとして建設される必要があることが理解される。したがって、サブストリームおよび土台と一緒になった組み立て式の橋の建設は、工場で行われ、現場に輸送され、最短時間で建設しなければならない。I断面から作られる複合型ダブルU字形鉄筋入り桁橋およびU字形複合型鉄筋入り桁アプローチの建設であって、輸送および取り扱いを簡単にするように、互いに上下に配置されてダブルU字形複合構造を形成する、U字形に作られた鋼梁とスラブのシステムを提供する方法、およびさらに、U字形鋼桁が自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材を形成し結果として主桁の径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらししたがってより長い径間に採用可能であるように、U字形鋼桁およびRCCスラブの複合相互作用による新たな力伝達システムを提供する方法による建設が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、道路/レールの橋の建設のための、I断面から作られるダブルU字形およびアプローチ/シングルU字形鋼複合構造を提供することである。
1.本発明の主な目的は、力の伝達のために、鋼梁がU字形に作られ、0.2mの厚さのスラブが、上部および底部U梁の外面ならびに底部Uのデッキ部分の上に設けられる、梁とスラブのシステムを提供することである。
2.本発明の他の目的は、フレーム作用の結果として主桁における径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能である、自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材を形成する、溶接されたスプライスによって接合部で連結されるか、またはHSFCボルトで連結される、上部U梁および底部U梁を提供することである。
3.本発明のさらに他の目的は、道路/レールのレーンの数に適した最大60m幅の径間の橋を建設することである。現場での作業は、土工作業、桁の配置、土の十分な締固めによる側面の盛り立て、防水、および排水配置の程度まで最低限に抑えられる。
4.本発明のさらに他の目的は、一体のスラブシステムに比べて格段に軽量である一方、建設の深度は、約1Mから最大30m、最大60mの径間について最大2mである、梁とスラブのシステムを提供することである。30mを上回る径間の場合、Uは、2つの部材、すなわち中間接合部を有する2つのLから作られなければならない。
5.本発明のさらなる目的は、薄く軽量な構造であり、結果として道路/レールでの輸送がしやすく軌道敷設が速い、梁とスラブのシステムを提供することである。
6.本発明の他の目的は、工場で作られ現場に送られ、結果として作業の質を高める一方、既存の交差路配置に対する干渉が送り出しの間だけに最小限に抑えられる、橋全体を提供することである。
7.本発明のさらなる目的は、橋およびアプローチのコストを削減し、迅速な軌道敷設を助け、したがってコストおよび時間の超過を削減することである。
8.本発明のさらに他の目的は、鉄道および地下鉄の橋ならびに幹線道路の橋について、橋のコストの全体的な節約以外に、地下通路内の道路またはレールのための上方空間を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に明確に例示されていない本開示の複数の可能な実施形態が存在するため、本開示は、記載される特定のシステムおよび方法には限定されないことを理解されよう。さらに、本明細書で使用される用語は、特定の変形例または実施形態のみを説明するためのものであり、本開示の範囲を制限する意図はないことを理解されたい。
【0010】
本発明の基本的な態様によれば、鉄道橋および幹線道路橋を含めた橋で使用される、I断面から作られるダブルU字形およびシングルU字形鋼複合構造の建設のためのシステムが提供され、システムは、複数の基礎スラブと、複数の底部デッキスラブを備え、ここで、前記外側スラブと前記底部デッキスラブとの間の前記底部中空部分には、貧配合コンクリートが充填される。I断面から作られる上部U字形鋼桁および底部U字形鋼桁を含む、鋼から形成される複数のU字形鋼桁または梁が提供される。上部U字形鋼桁または梁および前記底部U字形鋼桁または梁は、約2mの均一な間隔に互いに上下に配置される。上部U字形梁または鋼桁(8)および前記底部U字形梁または鋼桁(2)は、溶接されたスプライスによって、またはHSFCボルトによって連結され、それによって自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材が形成され、そのフレーム作用によって、結果として主桁の径間の中央に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。
【0011】
さらに、複数のアプローチは、シングルU断面から作られ、I梁およびRCCスラブにより拡張される。キャンバは、幹線道路では最大4レーン、鉄道/地下鉄軌道では最大3レーンに使用される運搬路において底部U字形鋼桁のウェブを調節することにより、ボックス内に設けられる。さらに、0.2mの厚さのスラブは、力の伝達のため、上部および底部U字形鋼桁の外面ならびに底部U字形鋼桁の内面に設けられる。
【0012】
本発明の他の一態様によれば、橋で使用されるダブルU字形およびシングルU字形鋼複合構造の建設のためのプレキャスト方法が提供され、方法は、基礎スラブを用意するステップと、道路排水のためのキャンバを持ち上げ、さらに死荷重と活荷重の最大50%とを持ち上げるようにプレキャンバを持ち上げるように、鋼のウェブ板を切断する方法によってI断面から作られるU字形梁または桁を形成するステップとを含み、ここで、フランジ板は、残留応力を回避するように縁で5Tまで(ここで、Tは板の厚さ)曲げられ、U字形梁を形成するためにウェブ板に溶接される。鋼には防食のために亜鉛めっきが施される。U梁は、約2mの間隔でコンクリートに接触するようにシアコネクタにより配置される。3mmの溶接で溶接されたU梁の上に6mmの厚さの軟鋼板が広げられる。梁および底部デッキの外側のコンクリートによる凝固が行われる。
【0013】
同様に、上部U梁は、上下逆さの位置に同じように作られる。複合型Uシステムは、道路/レールによって現場まで輸送される。基礎スラブは、3m間隔の持ち上げ点を有するようにプレキャストされる。複合型Uシステムおよび基礎スラブは、道路/レールによって現場まで輸送される。30mを超え最大60mまでの径間の場合、Uは、輸送要件の理由で、2つの部分、すなわち中央接合部を含む2つのLから構成される。
【0014】
さらに、前記基礎スラブは持ち上げられ、基礎スラブは約3mの持ち上げ点を有する持ち上げ梁により配置される。底部U字形梁は、所定位置に配置され、その上に上部U字形梁が配置され、溶接されたスプライスにより、またはHSFCボルトにより連結され、それによって自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材が形成され、そのフレーム作用によって、結果として主桁の径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。両方のデッキ部分には、補強材による表面被覆が施される。底部U字形梁の外側スラブと底部U字形梁のデッキスラブとの間の間隙には、貧配合コンクリートが充填される。十分に締固めされた上部デッキの形成および橋が使用可能状態になるまで盛り立てが行われる。切土部での工程におけるアプローチは、底部U字形梁を作る方法により提供され、I梁およびRCCスラブによりさらに拡張される。盛土部におけるアプローチは、道路/レール荷重および土圧ならびに外側スラブを最大GLまで支えるようにU梁の内面にスラブを設けることを除いて、底部U字形梁を作る方法によって提供され、I梁およびRCCスラブによりさらに拡張される。最後に、防水のためにエポキシ/ポリマー変性モルタルが接合部に充填される。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、橋で使用されるダブルU字形およびシングルU字形鋼複合構造の建設の現場法が提供され、現場法は、所望レベルまでの土工作業のステップ、砂の盛り立てステップ、および基礎スラブの代わりにコースを整地するステップを含む。U梁の形成および外側スラブのコンクリートによる凝固は、プレキャスト工法で論じたのと同様である。U梁の上部レベルまで、貧配合コンクリートが充填される。歩道/高くなった縁石を含むRCCデッキスラブが鋳造される。使用可能状態まで上部梁を建設するさらなるステップは、プレキャスト工法で論じたのと同様である。
【0016】
本発明の上述その他の特徴は、添付の図面とあわせてその後に続く本発明の詳細な説明を読めばより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による、ボックス内に鉄道軌道があり、ボックスの上に鉄道軌道/幹線道路がある、鉄道橋に実装される複合型ダブルU字形鋼コンクリート桁橋デッキの建設のためのシステムの概略図である。
【
図2】本発明による、ボックス内に幹線道路があり、ボックスの上に鉄道/幹線道路がある、道路橋に実装される複合型ダブルU字形鉄筋コンクリートと鋼桁橋デッキの建設のためのシステムの概略図である。
【
図3】本発明による、U内に鉄道軌道がある、レール切土部に実装される複合型U字形鋼コンクリート桁のシステムの概略図である。
【
図4】本発明による、U内に幹線道路がある、道路切土部に実装される複合型U字形鋼コンクリート桁のシステムの概略図である。
【
図5】本発明による、鉄道軌道の場合のレール盛土部に実装される複合型U字形鋼コンクリート桁のシステムの概略図である。
【
図6】本発明による、幹線道路の場合の道路盛土部に実装される複合型U字形鋼コンクリート桁のシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照した本発明の詳細な説明
【0019】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する。しかし、開示の実施形態は、様々な形態で具体化できる本発明の単なる一例に過ぎないことを理解されたい。以下の説明と図面は本発明を制限するものと解釈されるものではなく、多数の具体的な詳細が、特許請求の範囲の根拠として、かつ本発明をどのように実施および/または使用するかを当業者に教示するための根拠として、本発明の徹底的な理解を提供するために説明される。しかし、特定の例において、周知または従来の詳細は、詳細に本発明を不必要に不明瞭にしないために記載されていない。
【0020】
図1および
図2を参照すると、本発明は、
図1に示されるように鉄道軌道がボックス内にあるレール橋に実装される、およびさらに
図2に示されるように幹線道路がボックス内にある道路橋に実装される、複合型ダブルU字形鋼コンクリート桁橋デッキの建設のためのシステムを表す概略図に適用されるように例示され、システムは、複数の基礎スラブ(1)、I断面から作られる複数の上部U字形梁または桁(8)、I断面から作られる複数の底部U字形梁または桁(2)、外側底部スラブ(3)および底部デッキスラブ(4)、歩道(5)、高くなった縁石(6)、レール軌道/幹線道路の形成部(7)、外側上部スラブ(9)、路面(10)およびレール面(11)を備える。上部および底部U梁は、約2mの均一な間隔で互いに上下に配置される。上部および底部U梁(2、8)は、溶接されたスプライスを用いて、またはHSFCボルトにより連結され、それによって自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材が形成され、それによってフレーム作用が、結果として主桁の径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。前記外側底部スラブ(3)と前記底部デッキスラブ(4)との間の底部中空部分には、貧配合コンクリートが充填される。
【0021】
本発明の一実施形態では、幹線道路では最大4レーン、および鉄道/地下鉄軌道では最大3レーンに使用される運搬路において、底部U字形梁のウェブを変化させることによって、キャンバがボックス内に設けられる。0.2mの厚さのスラブは、力の伝達のため、上部U字形鋼桁(8)および底部U字形鋼桁(2)の外側部分、ならびに底部U字形鋼桁(2)の内側部分に配置される。U字形鋼桁とスラブのシステムの複合相互作用による新たな力伝達システムを提供する方法により、結果として径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。
【0022】
本発明の他の実施形態では、橋で使用されるダブルU字形およびシングルU字形鋼複合構造の建設のためのプレキャスト方法が提供され、方法は、基礎スラブを用意するステップと、道路排水のためにキャンバを持ち上げ、さらに死荷重と活荷重の最大50%とを持ち上げるようにプレキャンバを持ち上げるように、鋼のウェブ板を切断する方法によってI断面から作られるU字形梁または桁を形成するステップとを含み、ここで、フランジ板は、残留応力を回避するように縁で5Tまで(ここで、Tは板の厚さ)曲げられ、U字形梁を形成するようにウェブ板に溶接される。鋼は、防食のために亜鉛めっきが施される。シアコネクタによりU梁を約2mの間隔でコンクリートに接触して配置する。6mmの厚さの軟鋼板を、3mm溶接で溶接されたU梁の上に広げる。梁と底部デッキの外側のコンクリートによる凝固が行われる。
【0023】
同様に、上部U梁は、上下逆さの位置に同じように作られる。複合型Uシステムは、現場まで道路/レールによって輸送される。基礎スラブは、持ち上げ点が3m間隔になるようにプレキャストされる。複合型Uシステムおよび基礎スラブは、現場まで道路/レールによって輸送される。
【0024】
さらに、前記基礎スラブは、持ち上げられ、基礎スラブは、約3mの持ち上げ点を有する持ち上げ梁により配置される。底部U字形梁が所定位置に配置され、その上に上部U字形梁が配置され、溶接されたスプライスにより、またはHSFCボルトにより連結され、それによって自己歪みユニットであるフルフレームのフィーレンディール型複合材が形成され、それによってフレーム作用が、結果として主桁の径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。補強材による表面被覆が、両方のデッキ部分に施される。底部U字形梁の外側スラブと、底部U字形梁のデッキスラブとの間の間隙には、貧配合コンクリートが充填される。盛り立てが、十分に締固めされた上部デッキの形成まで行われる。ボックスの上に設けられている鉄道軌道/道路、および橋は、使用可能状態にある。切土部での工程のアプローチは、底部U字形梁を作る方法によって提供されI梁およびRCCスラブによりさらに拡張される。盛土部におけるアプローチは、道路/レール荷重および土圧ならびに外側スラブを最大GLまで支えるようにU梁の内面にスラブを設けることを除いて、底部U字形梁を作る方法によって提供され、I梁およびRCCスラブによりさらに拡張される。最後に、防水のため、接合部にエポキシ/ポリマー変性モルタルが充填される。鉄道軌道/道路は、ボックスの上に設けられる。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態では、橋で使用されるダブルU字形およびシングルU字形鋼複合構造の建設の現場法が提供され、現場法は、所望のレベルまでの土工作業のステップ、砂の盛り立てステップ、および基礎スラブの代わりにコースを整地するステップを含む。U梁を形成し、外側のスラブのコンクリートによる凝固を行うことは、プレキャスト工法で論じたのと同様である。貧配合コンクリートは、U梁の上レベルまで充填される。RCCデッキスラブは、歩道/高くなった縁石を含めて鋳造される。使用可能状態までの上部梁の建設のさらなるステップは、その作業が現場で行われることを除き、プレキャスト工法で論じたのと同様である。
【0026】
図3および
図4を参照すると、本発明は、
図3に示されるように鉄道軌道がボックス内にあるレール切土部に実装される、およびさらに
図4に示されるように幹線道路がボックス内にある道路切土部に実装される、複合型U字形鋼コンクリート桁の建設のためのシステムを表す概略図に適用されるように例示され、システムは、複数の基礎スラブ(1)、I断面から作られる複数の上部U字形梁または桁(8)、I断面から作られる複数の底部U字形梁または桁(2)、外側底部スラブ(3)および底部デッキスラブ(4)、歩道(5)、高くなった縁石(6)、レール軌道/幹線道路の形成部(7)、I梁(12)、ならびに外壁(13)を備える。U梁の間隔は約2mであり、上部でつなぎ梁(tie beam)に連結される。複数のアプローチは、シングルU断面から作られ、I梁(12)およびRCCスラブにより拡張される。さらに、幹線道路では最大3レーン、鉄道/地下鉄軌道では最大2レーンに使用される運搬路において、底部梁のウェブを変化させることによって、キャンバがボックス内に設けられる。
【0027】
図5および
図6を参照すると、本発明は、
図5に示されるように鉄道軌道の場合のレール盛土部に実装される、およびさらに
図6に示されるように幹線道路がボックス内にある道路盛土部に実装される、複合型U字形鋼コンクリート桁の建設のためのシステムを表す概略図に適用されるように例示され、システムは、複数の基礎スラブ(1)、複数の上部U字形梁または桁(8)、複数の底部U字形梁または桁(2)、外壁兼用底部スラブ(3)および底部デッキスラブ(4)、歩道(5)、高くなった縁石(6)、レール軌道/幹線道路の形成部(7)、I梁(12)、ならびに内壁(14)を備える。U梁の間隔は約2mであり、上部でつなぎ梁に連結される。複数のアプローチは、シングルU断面から作られ、I梁(12)およびRCCスラブにより拡張される。U字形鋼桁とスラブのシステムの複合相互作用により新たな力伝達システムを提供する方法により、結果として径間の中心に偏向およびモーメントの実質的な低減をもたらし、したがってより長い径間に採用可能になる。
【0028】
本発明は、主に鉄道、道路および地下鉄の橋での適用例を中心に論じてきたが、本発明は、任意の特定の橋に限定されず、しかしまた当業者には既知の、道路とレールの交差点、道路/道路、道路/地下鉄交差点、レール/レール交差点、道路/レール水路のための河川橋にも適用可能である。
本発明の利点
1.本発明は、重量が軽い、ダブルU/シングルU字形鋼梁とスラブのシステムを確実にする。
2.橋全体を、道路/レールで輸送できるセグメントの形態で工場で予め製造することができる。
3.道路/レールのレーンの数に適した最大60m幅の径間の橋を建設することができる。現場での作業は、桁の配置、側面の盛り立ておよび締固め、ならびに防水作業による、土工作業の程度まで最低限に抑えられる。
4.梁とスラブのシステムは、一体のスラブシステムに比べて格段に軽量であり、その一方で建設の深度は、約1Mから最大30m、最大60mの径間について最大2mである。30mを上回る径間の場合、Uは、2つの部分、すなわち中間接合部を有する2つのLから作られなければならない。より薄く重量がより軽い構造の結果、道路/レールによる輸送が簡単になり、また軌道敷設が速くなる。それにより、橋およびアプローチのコストが減り、迅速な軌道敷設が支援され、したがってコストと時間の超過が削減される。
5.橋全体が工場で作られ、現場に送られることで、結果として作業の質がより良くなることが可能である。既存の交差路配置への干渉は、送り出しの間だけに最小限に抑えられる。
6.鉄道および地下鉄の橋ならびに幹線道路の橋について、橋のコストの全体的な節約以外に、地下通路内の道路またはレールのための上方空間が増加する。
【0029】
本開示の要約書は読者が技術的開示の本質を迅速に確かめることを可能にするために提供されることを強調しておく。これは、特許請求の範囲または意味を解釈しまたは限定するのに用いられないとの理解に従い提示する。加えて、前述の詳細な説明は、本開示を簡素化する目的で、単一の実施形態中で様々な要件がひとまとめにされていると理解される。本開示の方法は、請求項記載の実施形態が各請求項に明示的に記載されるより多くの特徴を要求するものとして解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、発明の主題は、1つの開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。したがって、以下の請求項は詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は個別の実施形態として成立している。添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「ここで(in which)」はそれぞれ、用語「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」の平易な英語の同等物として使用される。さらに、用語「第1」、「第2」、および「第3」などは、単なる標識として使用され、それらの対象に数的な要件を課すようには意図されていない。
【0030】
さらに記述せずとも、当業者なら、上記の説明および例示的な実施例を用いて、本発明を行い利用し、特許請求の範囲に記載されている方法を実施できると考えられる。前述の議論および実施例は単に、特定の好ましい実施形態の詳細な説明を示すものであることを理解されたい。様々な修正および均等物が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることは、当業者に明白である。