(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で向上させる装置およびその運転方法
(51)【国際特許分類】
C02F 11/00 20060101AFI20220826BHJP
C02F 11/04 20060101ALI20220826BHJP
C02F 11/122 20190101ALI20220826BHJP
【FI】
C02F11/00 Z ZAB
C02F11/04 A
C02F11/122
(21)【出願番号】P 2022048887
(22)【出願日】2022-03-24
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】202111657083.8
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515190906
【氏名又は名称】南京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】馬思佳
(72)【発明者】
【氏名】楊東麗
(72)【発明者】
【氏名】許柯
(72)【発明者】
【氏名】任洪強
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-345200(JP,A)
【文献】特開平06-106183(JP,A)
【文献】特表2000-506828(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110734933(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113461284(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00-11/20
C05B 1/00-21/00
C05C 1/00-13/00
C05D 1/00-11/00
C05F 1/00-17/993
C05G 1/00- 5/40
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次接続された汚泥調節プール(1)と、汚泥注入ポンプ(2)と、汚泥加水分解・酸性
化タンク(3)と、および外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)とを含み、
前記調節プール(1)には、汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に注入された汚泥の濃度
が60g/L以下になるように使用される清水プール(15)がさらに接続され、
前記汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の下部に機械攪拌パドル(4)が設けられ、汚
泥加水分解・酸性化タンク(3)中の上部にバッフルプレート(5)が設けられ、前記バ
ッフルプレート(5)の表面上に軟質生物学的担体が固定され、
前記外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)上に汚泥注入管と汚泥返送管が設けられ
、前記汚泥注入管、汚泥返送管はいずれも汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に接続され
、汚泥注入管に一方向タイミングバルブ(6)が設けられ、前記一方向タイミングバルブ
(6)は汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の汚泥の一部を、定期的に外部循環弱アル
カリ性急速攪拌タンク(8)に一方向で送り込み、汚泥返送管に外部循環ポンプ(12)
が設けられ、前記外部循環ポンプ(12)は外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)
内の汚泥を一定時間を経った後汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に再び送り込むために
使用され、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)にアルカリ投与タンク(9)とp
H計(11)がさらに接続され、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)の底部に急
速攪拌機(7)が設けられ、前記急速攪拌機(7)に回転速度コントローラー(10)が
接続され
、
前記急速攪拌とは、400~600rpmの攪拌速度である、
ことを特徴とする残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で向上させる装
置。
【請求項2】
前記バッフルプレート(5)と垂直面の夾角は15~30°であり、前記軟質生物学的担
体はアルデヒドセルロース繊維で形成されたフィラメント状の軟質繊維束である、ことを
特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記機械攪拌パドル(4)は3羽根攪拌パドルを採用し、前記3羽根攪拌パドルの攪拌パ
ドル羽根と水平面の夾角が45°であり、3羽根攪拌パドルの直径と汚泥加水分解・酸性
化タンク(3)のタンク径の比が0.5~0.8:1であり、3羽根攪拌パドルと汚泥加
水分解・酸性化タンク(3)底部間の距離が汚泥加水分解・酸性化タンク(3)本体の高
さの15%よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記急速攪拌機(7)は4羽根攪拌パドルであり、前記4羽根攪拌パドルの直径と外部循
環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)のタンク径の比が0.4~0.6:1であり、4羽
根攪拌パドルの攪拌パドルの羽根は逆三角形であり、攪拌パドル羽根の根部と水平面の夾
角が10~15°であり、攪拌パドル羽根の頂部と水平面の夾角が30~45°であり、
攪拌パドル羽根の根部の長さと攪拌パドル羽根の根部の厚さの比が25~35:1であり
、攪拌パドル羽根の頂部の長さと攪拌パドル羽根の頂部の厚さの比が50~100:1で
あり、4羽根攪拌パドルと外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)底部の間の距離が
外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)本体の高さの10%よりも小さい、ことを特
徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記汚泥加水分解・酸性化タンク(3)の上部に汚泥排出管が設けられ、前記汚泥排出管
がプレートアンドフレームフィルタープレス(13)または汚泥メタン生成タンク(14
)に接続され、前記プレートアンドフレームフィルタープレス(13)は、圧力ろ過によ
り生成された汚泥発酵液を下水脱窒による窒素除去に必要な炭素源として使用するために
使用され、前記汚泥メタン生成タンク(14)は汚泥を利用してバイオガスを生成するた
めに使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残留汚泥の処理の技術分野に関し、具体的に残留汚泥の加水分解・酸性化効果
を高効率・低エネ消費で向上させる装置およびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
残留な汚泥には、病原微生物、大量の有機物、窒素、リンの栄養素が含まれているため、
適切に処理しないと、生態環境や人間の健康に大きな脅威をもたらす。
汚泥嫌気性消化は、汚泥の「削減、無害、資源利用」を実現するために最も一般的に使用
されている技術であり、資源とエネルギーを回収でき、低コストと高い環境経済的利益と
いう利点がある。汚泥嫌気性発酵は主に加水分解酸性化とメタン生成の2段階であるが、
汚泥嫌気性消化工程の主な律速段階である汚泥加水分解は比較的遅いため、汚泥の加水分
解・酸性化効果の向上が急務である。
例えば、特許番号CN110734933Aの中国発明特許では、廃棄物活性汚泥の嫌気
性発酵における中鎖脂肪酸の収量を改善するための方法が開示され、この方法は、ゼロ価
鉄粉を添加することにより、汚泥嫌気性消化による中鎖脂肪酸の生産を改善できるが、ゼ
ロ価鉄粉のコストが非常に高く、普及と適用が困難である。
特許番号CN113461284Aの中国発明特許では、硝酸塩の熱加水分解を強化して
都市汚泥を処理する方法が開示され、汚泥に硝酸塩化学物質を添加して熱加水分解するこ
とにより、汚泥フロックなどの耐火性有機物の分解効率を向上させることができるが、こ
の方法は多くの化学物質とエネルギー消費を必要とし、嫌気性消化システムの安定性に影
響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で向上させる装置およ
びその運転方法を提供し、汚泥の加水分解・酸性化効率の向上を確保することに加えて、
処理工程のエネルギー消費と薬品消費を効果的に削減し、操作と管理が便利で、プロセス
運転が安定する。
【0004】
本発明の技術的解決策としての残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で
向上させる装置は、順次接続された汚泥調節プール、汚泥注入ポンプ、汚泥加水分解・酸
性化タンクおよび外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンクを含み、
前記調節プール(1)には、汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に注入された汚泥の濃度
が60g/L以下になるように使用される清水プール(15)がさらに接続され、
前記汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の下部に機械攪拌パドル(4)が設けられ、汚
泥加水分解・酸性化タンク(3)中の上部にバッフルプレート(5)が設けられ、前記バ
ッフルプレート(5)の表面上に軟質生物学的担体が固定され、
前記外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)上に汚泥注入管と汚泥返送管が設けられ
、前記汚泥注入管、汚泥返送管はいずれも汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に接続され
、汚泥注入管に一方向タイミングバルブ(6)が設けられ、前記一方向タイミングバルブ
(6)は汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の汚泥の一部を、定期的に外部循環弱アル
カリ性急速攪拌タンク(8)に一方向で送り込み、汚泥返送管に外部循環ポンプ(12)
が設けられ、前記外部循環ポンプ(12)は外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)
内の汚泥を一定時間を経った後汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に再び送り込むために
使用され、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)にアルカリ投与タンク(9)とp
H計(11)がさらに接続され、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)の底部に急
速攪拌機(7)が設けられ、前記急速攪拌機(7)に回転速度コントローラー(10)が
接続される。
【0005】
本発明の一側面として、前記バッフルプレート(5)と垂直面の夾角は15~30°であ
り、前記軟質生物学的担体はアルデヒドセルロース繊維で形成されたフィラメント状の軟
質繊維束であり、使用される軟質生物学的担体は従来技術の通常製品であり、単位重量が
1.6~2.0kg/m3であり、繊維束の長さが60~100mmであり、束の直径が
0.3~0.45mmであり、束間距離が10~25mmであり、気孔率>99%である
。
本発明の一側面として、前記機械攪拌パドル(4)は3羽根攪拌パドルを採用し、前記3
羽根攪拌パドルの攪拌パドル羽根と水平面の夾角が45°であり、3羽根攪拌パドルの直
径と汚泥加水分解・酸性化タンク(3)のタンク径の比が0.5~0.8:1であり、3
羽根攪拌パドルと汚泥加水分解・酸性化タンク(3)底部間の距離が汚泥加水分解・酸性
化タンク(3)本体の高さの15%よりも小さい。
【0006】
本発明の一側面として、前記急速攪拌機(7)は4羽根攪拌パドルであり、前記4羽根攪
拌パドルの直径と外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)のタンク径の比が0.4~
0.6:1であり、4羽根攪拌パドルの攪拌パドルの羽根は逆三角形であり、攪拌パドル
羽根の根部と水平面の夾角が10~15°であり、攪拌パドル羽根の頂部と水平面の夾角
が30~45°であり、攪拌パドル羽根の根部の長さと攪拌パドル羽根の根部の厚さの比
が25~35:1であり、攪拌パドル羽根の頂部の長さと攪拌パドル羽根の頂部の厚さの
比が50~100:1であり、4羽根攪拌パドルと外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク
(8)底部の間の距離が外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)本体の高さの10%
よりも小さい。
【0007】
本発明の一側面として、前記汚泥加水分解・酸性化タンク(3)の上部に汚泥排出管が設
けられ、前記汚泥排出管がプレートアンドフレームフィルタープレス(13)または汚泥
メタン生成タンク(14)に接続され、前記プレートアンドフレームフィルタープレス(
13)は、圧力ろ過により生成された汚泥発酵液を下水脱窒による窒素除去に必要な炭素
源として使用するために使用され、前記汚泥メタン生成タンク(14)は汚泥を利用して
バイオガスを生成するために使用される。
【0008】
本発明の別の側面によれば、本発明は、上記装置と協力して残留汚泥の加水分解・酸性化
効果を向上させるための運転方法をさらに提供し、この方法は、
S1:まず汚泥を調節プール(1)に注入し、調節プール(1)に接続された清水プール
(15)により、汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に入った汚泥の濃度が60~80g
/L以下になるように制御するステップと、
S2:汚泥を汚泥注入ポンプ(2)を通って汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に注入し
、このとき機械攪拌パドル(4)の攪拌を開始し、汚泥濃度が30g/L未満の場合、9
0rpmの攪拌速度で攪拌し、汚泥濃度が30g/Lを超えた場合、120rpmの攪拌
速度で攪拌し、汚泥が汚泥加水分解・酸性化タンク(3)での滞在時間が1.5~3dで
あり、この間バッフルプレート(5)表面上に固定された軟質生物学的担体により加水分
解・酸性化機能細菌を濃縮し、汚泥と加水分解・酸性化機能細菌の接触効率を高め、安定
的かつ効率的な加水分解・酸性化効果を確保するステップと、
S3:毎回汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の20~30wt%の汚泥混合液が重力
により外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)に流入すると、急速攪拌機(7)を始
動させ、まず200~400rpmで5分間攪拌した後、アルカリ投与タンク(9)をオ
ンにして、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)中の汚泥のpHを8~8.5に調
節し、次に継続的に20~30分間攪拌し、回転速度コントローラー(10)により急速
攪拌機(7)の回転速度を400~600rpmに調節して5~10分間攪拌し、300
~400rpmの攪拌により溶解した一部のCO2をオーバフローさせ、pHを調節して
形成された揮発性脂肪酸を解離させ、酸性環境による加水分解・酸性化菌の阻害を緩和し
て、微生物の活性を改善し、400~600rpmの急速攪拌により汚泥フロックを粉砕
および破壊する可能性があり、分解されていない汚泥有機物が加水分解・酸性化菌と接触
し、汚泥有機物がSCODと揮発性脂肪酸に効率的に変換されることを確保するステップ
と、
S4:汚泥加水分解・酸性化タンク(3)によって加水分解・酸性化された汚泥をプレー
トアンドフレームフィルタープレス(13)に注入して汚泥と水を分離し、得られた汚泥
発酵液を窒素とリンの回収後下水処理場の脱窒による窒素除去の炭素源として使用し、ま
たは汚泥メタン生成タンク(14)に注入してバイオガスを生成し、得られたバイオガス
を浄化した後熱電併給、グリッド組込または下水処理場に使用するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明の汚泥加水分解・酸性化タンクは、3羽根機械攪拌パドルが設けられ、一定
攪拌戦略で汚泥を均一に分布させる効果を達成し、微生物フロック構造の形成を促進して
加水分解・酸性化微生物の活性およびその富集を強化し、汚泥加水分解・酸性化タンクの
本体の上部のバッフルプレート面上に軟質生物学的担体が固定されており、活性微生物が
汚泥加水分解・酸性化タンク本体から直接持ち出さないようにすることができ、さらに加
水分解・酸性化機能細菌を濃縮し、残留汚泥と加水分解・酸性化機能細菌の接触効率を高
め、汚泥加水分解・酸性化タンクの耐衝撃性を大幅に向上させ、安定かつ効率的な加水分
解・酸性化効果を得ることができる。
(2)本発明の外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンクは、まずCO2をオーバフローさせ
pHを調節することにより、形成された揮発性脂肪酸を解離させ、酸性環境と加水分解・
酸性化生成物による加水分解・酸性化機能細菌の阻害を緩和し、加水分解・酸性化機能細
菌活性を高め、次に4羽根逆三角形の攪拌パドル羽根により急速攪拌して汚泥フロックを
粉砕および破壊して、分解されていない汚泥有機物が加水分解・酸性化菌と接触してコロ
ニーを形成でき、汚泥加水分解・酸性化タンクに注入された後、加水分解・酸性化機能細
菌の活性をさらに向上させ、汚泥有機物がSCODと揮発性脂肪酸に効率的に変換される
のを確保する。
(3)本発明の汚泥加水分解・酸性化タンク中の発酵混合液のpH値が大幅に増減するこ
となく、その後のメタン生成または脱窒素炭素源としての発酵液に悪影響を及ばず、その
後のバイオガス収量を大幅増加させ、または下水脱窒素と炭素源の投入量を効果的に削減
し、汚泥のエネルギーと資源化利用の効率を向上させる。
(4)本発明の装置は構造が簡単で、設備要件が少なく、操作が便利であり、本発明の運
転方法は、汚泥嫌気性加水分解・酸性化の効率と安定性を効果的に向上させ、汚泥有機物
の加水分解・酸性化効率が高く、エネルギー消費が低く、汚泥嫌気性加水分解・酸性化プ
ロセスが安定で、高効率かつ低エネルギー消費という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【0011】
[符号の説明]
1 汚泥調節プール
2 汚泥注入ポンプ
3 汚泥加水分解・酸性化タンク
4 機械攪拌パドル
5 バッフルプレート
6 一方向タイミングバルブ
7 急速攪拌機
8 外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク
9 アルカリ投与タンク
10 回転速度コントローラー
11 pH計
12 外部循環ポンプ
13 プレートアンドフレームフィルタープレス
14 汚泥メタン生成タンク
15 清水プール
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の利点をより具体化するために、具体的な実施形態により本発明をより詳し
く説明する。
実施例1
図1に示すように、残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で向上させる
装置は、順次接続された汚泥調節プール1、汚泥注入ポンプ2、汚泥加水分解・酸性化タ
ンク3および外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8を含み、
調節プール(1)には、汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に注入された汚泥の濃度が6
0g/L以下になるように使用される清水プール(15)がさらに接続され、
前記汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の下部に機械攪拌パドル(4)が設けられ、汚
泥加水分解・酸性化タンク(3)中の上部にバッフルプレート(5)が設けられ、バッフ
ルプレート5と垂直面の夾角が20°であり、バッフルプレート5の高さと汚泥加水分解
・酸性化タンク3本体の高さの比が10%であり、バッフルプレート5の表面上に軟質生
物学的担体が固定され、軟質生物学的担体はアルデヒドセルロース繊維で形成されたフィ
ラメント状の軟質繊維束であり、この軟質生物学的担体は従来技術の製品であり、単位重
量1.8kg/m
3、繊維束長さ80mm、束の直径0.4mm、束間距離15mm、気
孔率>99%の軟質生物学的担体を採用し、
機械攪拌パドル(4)は3羽根攪拌パドルを採用し、前記3羽根攪拌パドルの攪拌パドル
羽根と水平面の夾角が45°であり、3羽根攪拌パドルの直径と汚泥加水分解・酸性化タ
ンク(3)のタンク径の比が0.6:1であり、3羽根攪拌パドルと汚泥加水分解・酸性
化タンク3の底部間の距離が3cmであり、
汚泥加水分解・酸性化タンク(3)の上部に汚泥排出管が設けられ、前記汚泥排出管がプ
レートアンドフレームフィルタープレス(13)または汚泥メタン生成タンク(14)に
接続され、前記プレートアンドフレームフィルタープレス(13)は、圧力ろ過により生
成された汚泥発酵液を下水脱窒による窒素除去に必要な炭素源として使用するために使用
され、前記汚泥メタン生成タンク(14)は汚泥を利用してバイオガスを生成するために
使用され、
外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8上に汚泥注入管と汚泥返送管が設けられ、汚泥注
入管、汚泥返送管はいずれも汚泥加水分解・酸性化タンク3に接続され、汚泥注入管上に
一方向タイミングバルブ6が設けられ、一方向タイミングバルブ6は汚泥加水分解・酸性
化タンク3中の汚泥の一部を、定期的に外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8に一方向
で送り込み、一方向タイミングバルブ6は、汚泥が汚泥加水分解・酸性化タンク3から外
部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8のみに流れるのを許可し、汚泥返送管上に外部循環
ポンプ12が設けられ、外部循環ポンプ12は外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8内
の汚泥を一定時間を経った後汚泥加水分解・酸性化タンク3に再び送り込むために使用さ
れ、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8にアルカリ投与タンク9とpH計11がさら
に接続され、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8の底部に急速攪拌機7が設けられ、
急速攪拌機7に回転速度コントローラー10が接続され、
急速攪拌機7は4羽根攪拌パドルであり、4羽根攪拌パドルの直径と外部循環弱アルカリ
性急速攪拌タンク8のタンク径の比が0.5:1であり、4羽根攪拌パドルの攪拌パドル
羽根は逆三角形であり、攪拌パドル羽根の根部と水平面の夾角が12°であり、攪拌パド
ル羽根の頂部と水平面の夾角が40°であり、攪拌パドル羽根の根部の長さと攪拌パドル
羽根の根部の厚さの比が30:1であり、攪拌パドル羽根の頂部の長さと攪拌パドル羽根
の頂部の厚さの比が80:1であり、4羽根攪拌パドルと外部循環弱アルカリ性急速攪拌
タンク8の底部間の距離が1.5cmである。
上記の装置と協力して残留汚泥加水分解・酸性化効果を高めるための運転方法は、以下の
ステップを含む。
S1:ある都市下水処理場の二次沈殿槽の残留汚泥から汚泥を収集し、汚泥濃度が23.
21±0.62g/Lであり、揮発性浮遊固体濃度が14.34±0.41g/Lであり
、SCOD317.9±36.03mg/L,TCOD20.88±1.13g/L、p
H7.3であり、汚泥をまず調節プール1に注入し、調節プール1に接続された清水プー
ル15により、汚泥加水分解・酸性化タンク3に入った汚泥の濃度が60~80g/L以
下になるように制御する。
S2:汚泥を汚泥注入ポンプ(2)を通って汚泥加水分解・酸性化タンク(3)に注入し
、このとき機械攪拌パドル(4)の攪拌を開始し、汚泥濃度が30g/L未満の場合、9
0rpmの攪拌速度で攪拌し、汚泥濃度が30g/Lを超えた場合、120rpmの攪拌
速度で攪拌し、この攪拌戦略により汚泥を均一に分布させる効果を達成する同時に、微生
物フロック構造の形成を確保して加水分解・酸性化微生物の活性を高め、汚泥の汚泥加水
分解・酸性化タンク3での滞在時間が2dである。
S3:毎回汚泥加水分解・酸性化タンク(3)中の25wt%の汚泥混合液が重力により
外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)に流入すると、急速攪拌機(7)を始動させ
、まず350rpmで5分間攪拌した後、アルカリ投与タンク(9)をオンにして、外部
循環弱アルカリ性急速攪拌タンク(8)中の汚泥のpHを8.2に調節し、次に継続的に
25分間攪拌し、回転速度コントローラー(10)により急速攪拌機(7)の回転速度を
500rpmに調節して7分間攪拌した後、再び汚泥加水分解・酸性化タンク3に注入し
、最初に汚泥加水分解・酸性化タンク3に注入された汚泥の平均粒子径が82μmである
ことに対して、再び汚泥加水分解・酸性化タンク3に注入された汚泥の平均粒子径が58
μmになり、反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥
排出口の発酵液のSCODが2914±97mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が186
6±105mgCOD/Lである。
S4:汚泥加水分解・酸性化タンク(3)によって加水分解・酸性化された汚泥をプレー
トアンドフレームフィルタープレス(13)に注入して汚泥と水を分離し、遠心分離によ
り汚泥と水を分離した後、得られた発酵液が窒素とリン除去、下水脱窒による窒素除去と
炭素源として使用され、進水COD145mg/L、総窒素濃度32mg/Lの下で、C
ODを250mg/Lに調節し、排水総窒素濃度が安定して15mg/Lよりも低い。
【0013】
実施例2
本実施例は以下のことを除いて実施例1と基本的に同様であり、処理する汚泥がある都市
の下水処理場の二次沈殿槽の残留汚泥から収集され、汚泥濃度19.7±0.7g/L、
汚泥総COD17.1±1.1g/L、pH6.8~7.2、溶解性COD169~26
4mg/Lであり、汚泥が調節プール1を通って汚泥加水分解・酸性化タンク3に直接注
入され、汚泥加水分解・酸性化タンク3のバッフルプレート5と垂直面の夾角が15°で
あり、バッフルプレート5の高さと汚泥加水分解・酸性化タンク3本体の高さの比が15
%であり、バッフルプレート5表面上に固定された軟質生物学的担体の単位重量2.0k
g/m3、繊維束長さ60mm、束の直径0.3mm、束間距離10mm、気孔率>99
%であり、機械攪拌パドル4の羽根傾斜角度が45°であり、直径とタンク径の比が0.
5:1であり、汚泥加水分解・酸性化タンク3の底部からの距離が2cmであり、外部循
環弱アルカリ性急速攪拌タンク8の急速攪拌機7の直径とタンク径の比が0.5:1であ
り、羽根の根部の傾斜角度が10°であり、羽根の頂部の傾斜角度が30°であり、根部
の長さと厚さの比が25:1であり、頂部の長さと厚さの比が60:1であり、外部循環
弱アルカリ性急速攪拌タンク8の底部からの距離が1cmであり、機械攪拌パドル4をオ
ンにして、攪拌速度を90rpmに設定し、汚泥滞在時間が2dであり、反応器が10d
運転した後、4hごとに約20wt%の汚泥が汚泥加水分解・酸性化タンク3から外部循
環弱アルカリ性急速攪拌タンク8に流入し、急速攪拌機7をオンにして、まず200rp
mで5分間攪拌した後、アルカリ投与タンク9をオンにして、pHを8に調節した後継続
的に25分間攪拌し、回転速度コントローラー10により回転速度を400rpmに調節
し、10分間攪拌した後再び汚泥加水分解・酸性化タンク3に注入し、汚泥が最初に汚泥
加水分解・酸性化タンク3に注入されたときの平均粒子径が64μmであることに対して
、再び汚泥加水分解・酸性化タンク3に注入されたときの平均粒子径が47μmであり、
反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵
液SCODが2681±102mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1689±96mg
COD/Lであり、遠心分離により汚泥と水を分離した後、得られた発酵液が窒素とリン
除去、下水脱窒による窒素除去と炭素源として使用され、進水COD168mg/L、総
窒素濃度35mg/Lの下で、CODを270mg/Lに調節し、排水総窒素濃度が安定
して15mg/Lよりも低い。
【0014】
実施例3
本実施例は以下のことを除いて実施例1と基本的に同様であり、処理する汚泥がある都市
下水処理場の汚泥濃縮溝の残留汚泥から収集され、汚泥濃度53.17±2.04g/L
、揮発性浮遊固体濃度27.19±1.43g/L、SCOD639.4±51.28m
g/L,TCOD39.62±2.91g/L、pH6.8であり、汚泥が調節プール1
を通って汚泥加水分解・酸性化タンク3に直接注入され、汚泥加水分解・酸性化タンク3
のバッフルプレート5と垂直面の夾角が30°であり、バッフルプレート5の高さと汚泥
加水分解・酸性化タンク3本体の高さの比が10%であり、バッフルプレート5表面上に
固定された軟質生物学的担体の単位重量2.0kg/m3、繊維束長さ80mm、束の直
径0.35mm、束間距離25mm、気孔率>99%であり、機械攪拌パドル4の羽根傾
斜角度が45°であり、直径とタンク径の比が0.8:1であり、汚泥加水分解・酸性化
タンク3の底部からの距離が1.5cmであり、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8
の急速攪拌機7の直径とタンク径の比が0.6:1であり、羽根根部の傾斜角度が15°
であり、羽根頂部の傾斜角度が45°であり、根部の長さと厚さの比が25:1であり、
頂部の長さと厚さの比が100:1であり、外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8の底
部からの距離が1.5cmであり、機械攪拌パドル4をオンにして攪拌速度を120rp
mに設定し、汚泥滞在時間が3dであり、反応器が15d運転した後、8hごとに約30
wt%の汚泥が汚泥加水分解・酸性化タンク3から外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク
8に流入し、急速攪拌機7をオンにし、まず400rpmで5分間攪拌した後、アルカリ
投与タンク9をオンにして、pHを8.5に調節した後、継続的に30分間攪拌し、回転
速度コントローラーにより回転速度を600rpmに調節し、10分間攪拌した後再び汚
泥加水分解・酸性化タンク3に注入し、汚泥が最初に汚泥加水分解・酸性化タンク3に注
入されたときの平均粒子径が97μmであることに対して、再び汚泥加水分解・酸性化タ
ンク3に注入されたときの平均粒子径が74μmであり、反応器が継続的に30d運転し
た後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが4894±201
mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が2452±132mgCOD/Lであり、汚泥加水
分解・酸性化タンク3からの汚泥が汚泥メタンに注入されてタンク生成に使用され、汚泥
滞在時間が20dであり、メタン収量が221~247ml/gVSであり、汚泥有機物
のメタン生成率が大幅に向上する。
【0015】
実施例4
様々なバッフルプレート5の設置による残留汚泥の加水分解・酸性化の向上効果を比較す
る。
配置されたバッフルプレート5と垂直面の夾角を15°、25°、30°に調整すること
を除いて、他のパラメータや運転方法ステップおよびパラメータはすべて実施例1と同様
であり、
バッフルプレート5と垂直面の夾角が15°に調整されると、反応器が継続的に20d運
転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2712±6
7mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1735±89mgCOD/Lであり、
バッフルプレート5と垂直面の夾角が25°に調整されると、反応器が継続的に20d運
転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2824±1
01mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1792±75mgCOD/Lであり、
バッフルプレート5と垂直面の夾角が30°に調整されると、反応器が継続的に20d運
転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2744±9
3mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1755±83mgCOD/Lであり、
結論:バッフルプレート5と垂直面の夾角が15~30°である場合、残留汚泥加水分解
・酸性化効果を向上でき、そのうちに、実施例1ではバッフルプレート5と垂直面の夾角
が20°である場合、残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果が最良であることが示されて
いる。
【0016】
実施例5
様々な軟質生物学的担体のパラメータによる残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果を比較
する。
軟質生物学的担体のパラメータを調整することを除いて、他のパラメータや運転方法ステ
ップおよびパラメータはすべて実施例1と同様であり、
軟質生物学的担体の単位重量1.6kg/m3、繊維束長さ60mm、束の直径0.3m
m、束間距離10mm、気孔率>99%であるとき、反応器が継続的に20d運転した後
、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2657±76mg/
Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1696±97mgCOD/Lであり、
軟質生物学的担体の単位重量2.0kg/m3、繊維束長さ100mm、束の直径0.4
5mm、束間距離25mm、気孔率>99%であるとき、反応器が継続的に20d運転し
た後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2754±73m
g/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1775±101mgCOD/Lであり、
結論:軟質生物学的担体の単位重量1.6~2.0kg/m3、繊維束長さ60~100
mm、束の直径0.3~0.45mm、束間距離10~25mm、気孔率>99%である
とき、残留汚泥加水分解・酸性化効果を向上でき、そのうちに、実施例1では軟質生物学
的担体のパラメータの残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果が最良であることが示されて
いる。
【0017】
実施例6
様々な機械攪拌パドル4の設置による残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果を比較する。
機械攪拌パドル4の設置パラメータを調整することを除いて、他のパラメータや運転方法
ステップおよびパラメータはすべて実施例1と同様であり、
機械攪拌パドル4の攪拌パドル羽根と水平面の夾角が45°であり、機械攪拌パドル4の
直径と汚泥加水分解・酸性化タンク3のタンク径の比が0.5:1であるとき、反応器が
継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCO
Dが2867±105mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1804±83mgCOD/
Lであり、
機械攪拌パドル4の攪拌パドル羽根と水平面の夾角が45°であり、機械攪拌パドル4の
直径と汚泥加水分解・酸性化タンク3のタンク径の比が0.8:1であるとき、反応器が
継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCO
Dが2805±95mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1786±87mgCOD/L
であり、
結論:機械攪拌パドル4の直径と汚泥加水分解・酸性化タンク3のタンク径の比が0.5
~0.8:1に調整されると、残留汚泥加水分解・酸性化効果を向上でき、そのうちに、
実施例1では機械攪拌パドル4の設置パラメータによる残留汚泥加水分解・酸性化の向上
効果が最良であることが示されている。
【0018】
実施例7
様々な急速攪拌機7の設置による残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果を比較する。
急速攪拌機7の設置パラメータを調整することを除いて、他のパラメータや運転方法ステ
ップおよびパラメータはすべて実施例1と同様であり、
急速攪拌機7の直径と外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8のタンク径の比が0.4:
1であり、急速攪拌機7の攪拌パドルの羽根根部と水平面の夾角が10°であり、攪拌パ
ドルの羽根頂部と水平面の夾角が30°であり、攪拌パドルの羽根根部の長さと攪拌パド
ルの羽根根部の厚さの比が25:1であり、攪拌パドルの羽根頂部の長さと攪拌パドルの
羽根頂部の厚さの比が50:1であるとき、反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加
水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2759±93mg/Lに達し
、揮発性脂肪酸濃度が1773±101mgCOD/Lであり、
急速攪拌機7の直径と外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8のタンク径の比が0.6:
1であり、急速攪拌機7の攪拌パドルの羽根根部と水平面の夾角が15°であり、攪拌パ
ドルの羽根頂部と水平面の夾角が45°であり、攪拌パドルの羽根根部の長さと攪拌パド
ルの羽根根部の厚さの比が35:1であり、攪拌パドルの羽根頂部長さと攪拌パドルの羽
根頂部の厚さの比が100:1であるとき、反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加
水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2721±85mg/Lに達し
、揮発性脂肪酸濃度が1753±97mgCOD/Lであり、
結論:急速攪拌機7の設置パラメータが調整されると残留汚泥加水分解・酸性化効果にあ
る程度影響を及ぼし、そのうちに、実施例1では急速攪拌機7の設置パラメータによる残
留汚泥加水分解・酸性化の向上効果が最良であることが示されている。
【0019】
実施例8
様々な機械攪拌パドル4の攪拌方式による残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果を比較す
る。
機械攪拌パドル4の攪拌方式を調整することを除いて、他のパラメータや運転方法ステッ
プおよびパラメータはすべて実施例1と同様であり、
汚泥濃度が20g/L未満である場合、90rpmの攪拌速度で攪拌し、汚泥濃度が20
g/Lよりも高い場合、120rpmの攪拌速度で攪拌し、反応器が継続的に20d運転
した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2614±10
2mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1630±94mgCOD/Lであり、
汚泥濃度が40g/L未満である場合、90rpmの攪拌速度で攪拌し、汚泥濃度が40
g/Lよりも高い場合、120rpmの攪拌速度で攪拌し、反応器が継続的に20d運転
した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚泥排出口の発酵液SCODが2543±96
mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が1689±101mgCOD/Lであり、
結論:様々な機械攪拌パドル4の攪拌方式が残留汚泥加水分解・酸性化効果にある程度影
響を及ぼし、汚泥濃度が30g/Lである場合90rpm、120rpmで攪拌すると汚
泥を均一に分布させる効果を達成し、微生物フロック構造の形成を促進して加水分解・酸
性化微生物活性およびその濃縮を強化することが示されている。
【0020】
実施例9
様々な急速攪拌機7の攪拌方式による残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果を比較する。
急速攪拌機7の攪拌方式を調整することを除いて、他のパラメータや運転方法ステップお
よびパラメータはすべて実施例1と同様であり、
200rpmで5分間攪拌した後、アルカリ投与タンク9をオンにして、外部循環弱アル
カリ性急速攪拌タンク8中の汚泥のpHを8.2に調節した後、継続的に20分間攪拌し
、回転速度コントローラー10により急速攪拌機7の回転速度を400rpmに調節し、
5分間攪拌し、反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の汚
泥排出口の発酵液SCODが2725±105mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が17
12±87mgCOD/Lであり、
400rpmで5分間攪拌した後、アルカリ投与タンク9をオンにして、外部循環弱アル
カリ性急速攪拌タンク8中の汚泥のpHを8.2に調節した後、継続的に30分間攪拌し
、回転速度コントローラー10により急速攪拌機7の回転速度を600rpmに調節し、
10分間攪拌し、反応器が継続的に20d運転した後、汚泥加水分解・酸性化タンク3の
汚泥排出口の発酵液SCODが2774±93mg/Lに達し、揮発性脂肪酸濃度が17
46±95mgCOD/Lであり、
結論:様々な急速攪拌機7の攪拌方式が残留汚泥加水分解・酸性化効果にある程度影響を
及ぼし、300~400rpmで攪拌すると、溶解した一部のCO2をオーバフローさせ
、pHを調節することで、形成された揮発性脂肪酸を解離でき、酸性環境による加水分解
・酸性化菌の阻害を緩和し、微生物活性を高め、400~600rpmで急速攪拌すると
、汚泥フロックを粉砕および破壊して、分解されていない汚泥有機物と加水分解・酸性化
菌を接触させ、汚泥有機物がSCODと揮発性脂肪酸に効率的に変換され、そのうちに、
実施例1では急速攪拌機7の攪拌パラメータによる残留汚泥加水分解・酸性化の向上効果
が最良であることが示されている。
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、残留汚泥の加水分解・酸性化効果を高効率・低エネ消費で向上させる装置およびその運転方法を提供する。
【解決手段】この装置は、順次接続された汚泥調節プール1、汚泥注入ポンプ2、汚泥加水分解・酸性化タンク3および外部循環弱アルカリ性急速攪拌タンク8を含み、従来技術と比較すると、本発明の汚泥加水分解・酸性化タンクは体積が小さく、汚泥中の有機物の加水分解・酸性化効率が高く、低エネルギー消費および低薬品消費の条件下で、安定で、経済的かつ効率的な運転効果を達成できる。
【選択図】
図1