(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】電子ビーム描画装置、生産装置、電子ビーム描画方法、生産方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20220826BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220826BHJP
H01J 37/305 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
H01L21/30 541E
G03F7/20 504
H01J37/305 B
(21)【出願番号】P 2021105443
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2022-05-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594150176
【氏名又は名称】日本コントロールシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509316578
【氏名又は名称】アイエムエス ナノファブリケーション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】濱路 政和
(72)【発明者】
【氏名】益本 一世
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 菜月
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-026360(JP,A)
【文献】特開2012-243939(JP,A)
【文献】特開2016-201472(JP,A)
【文献】特開2012-212792(JP,A)
【文献】特開2007-115891(JP,A)
【文献】特開2013-171946(JP,A)
【文献】特開2012-253316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、
バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部とを具備し、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得
し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が水平線または垂直線を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記水平線または垂直線に対して、前記バイアス量に比例する大きさの面積変動情報を取得する、電子ビーム描画装置。
【請求項2】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、
バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部とを具備し、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が斜線を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記バイアス量と前記斜線の角度に関する角度情報と前記斜線の前記第一小領域内の長さに関する長さ情報とを取得し、当該バイアス量と当該角度情報と長さ情報とを用いて、前記面積変動情報を算出する
、電子ビーム描画装置。
【請求項3】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、
バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部とを具備し、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が、2つの直線の交点により構成される角部を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記2つの直線を前記バイアス量に対応する長さ分を延ばして作成される平行四辺形と2つの三角形の面積を算出し、当該3つの面積を用いて前記面積変動情報を算出する
、電子ビーム描画装置。
【請求項4】
前記1以上の各図形情報ごと、および前記2以上の各第一小領域ごとに、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報を算出し、前記微分情報格納部に蓄積する第二前処理部をさらに具備する請求項
1から請求項3いずれか一項に記載の電子ビーム描画装置。
【請求項5】
微分情報を算出する微分情報算出式が1以上の各バイアス条件ごとに格納されており、
前記第二前処理部は、
前記1以上の各図形情報ごと、および前記2以上の各第一小領域ごとに、合致するバイアス条件に対応する微分情報算出式を取得し、当該微分情報算出式を用いて、微分情報を算出し、前記微分情報格納部に蓄積する、請求項
4記載の電子ビーム描画装置。
【請求項6】
図形情報が特定する領域である図形領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、前記2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に基づく第一密度情報を取得し、当該第一密度情報の集合である第一密度集合を、前記1以上の図形情報ごとに取得し、前記密度集合格納部に蓄積する第一前処理部をさらに具備する請求項1から請求項
5いずれか一項に記載の電子ビーム描画装置。
【請求項7】
前記描画部は、
前記図形情報受付部が受け付けた前記1以上の図形情報に対して、バイアス処理を適用し、バイアス済みの図形の情報を取得し、
前記照射量取得部は、
前記バイアス済みの図形の情報と、前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量とを用いて、前記2以上の各第二小領域の電子ビームの照射量を取得し、
前記描画部は、前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射して、図形の描画を行う、請求項1から請求項
6いずれか一項に記載の電子ビーム描画装置。
【請求項8】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、
バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、図形情報受付部と、
バイアス量受付部と、密度集合取得部と、補正量取得部と、照射量取得部と、描画部とにより実現される電子ビーム描画方法であって、
前記図形情報受付部が、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付ステップと、
前記バイアス量受付部が、バイアス量を受け付けるバイアス量受付ステップと、前記密度集合取得部が、前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得ステップと、
前記補正量取得部が、前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得ステップと、
前記照射量取得部が、前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得ステップと、
前記描画部が、前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画ステップとを具備し、
前記密度集合取得ステップは、
前記図形情報受付ステップで受け付けられた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出サブステップと、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得サブステップと、
前記密度集合読出サブステップで取得された第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得サブステップで取得された1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得サブステップとを具備し、
前記補正量取得ステップにおいて、
前記密度集合取得サブステップで取得された1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得
し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が水平線または垂直線を含むことであり、
前記面積変動情報取得サブステップにおいて、
前記水平線または垂直線に対して、前記バイアス量に比例する大きさの面積変動情報を取得する、電子ビーム描画方法。
【請求項9】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、図形情報受付部と、バイアス量受付部と、密度集合取得部と、補正量取得部と、照射量取得部と、描画部とにより実現される電子ビーム描画方法であって、
前記図形情報受付部が、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付ステップと、
前記バイアス量受付部が、バイアス量を受け付けるバイアス量受付ステップと、前記密度集合取得部が、前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得ステップと、
前記補正量取得部が、前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得ステップと、
前記照射量取得部が、前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得ステップと、
前記描画部が、前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画ステップとを具備し、
前記密度集合取得ステップは、
前記図形情報受付ステップで受け付けられた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出サブステップと、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得サブステップと、
前記密度集合読出サブステップで取得された第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得サブステップで取得された1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得サブステップとを具備し、
前記補正量取得ステップにおいて、
前記密度集合取得サブステップで取得された1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が斜線を含むことであり、
前記面積変動情報取得サブステップにおいては、
前記バイアス量と前記斜線の角度に関する角度情報と前記斜線の前記第一小領域内の長さに関する長さ情報とを取得し、当該バイアス量と当該角度情報と長さ情報とを用いて、前記面積変動情報を算出する、電子ビーム描画方法。
【請求項10】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、図形情報受付部と、バイアス量受付部と、密度集合取得部と、補正量取得部と、照射量取得部と、描画部とにより実現される電子ビーム描画方法であって、
前記図形情報受付部が、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付ステップと、
前記バイアス量受付部が、バイアス量を受け付けるバイアス量受付ステップと、前記密度集合取得部が、前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得ステップと、
前記補正量取得部が、前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得ステップと、
前記照射量取得部が、前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得ステップと、
前記描画部が、前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画ステップとを具備し、
前記密度集合取得ステップは、
前記図形情報受付ステップで受け付けられた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出サブステップと、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得サブステップと、
前記密度集合読出サブステップで取得された第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得サブステップで取得された1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得サブステップとを具備し、
前記補正量取得ステップにおいて、
前記密度集合取得サブステップで取得された1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が、2つの直線の交点により構成される角部を含むことであり、
前記面積変動情報取得サブステップにおいて、
前記2つの直線を前記バイアス量に対応する長さ分を延ばして作成される平行四辺形と2つの三角形の面積を算出し、当該3つの面積を用いて前記面積変動情報を算出する、電子ビーム描画方法。
【請求項11】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部
とバイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部として機能させるためのプログラムであって、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得
し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が水平線または垂直線を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記水平線または垂直線に対して、前記バイアス量に比例する大きさの面積変動情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部とバイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部として機能させるためのプログラムであって、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が斜線を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記バイアス量と前記斜線の角度に関する角度情報と前記斜線の前記第一小領域内の長さに関する長さ情報とを取得し、当該バイアス量と当該角度情報と長さ情報とを用いて、前記面積変動情報を算出するするものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部とバイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、
バイアス量を受け付けるバイアス量受付部と、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、
前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、
前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、
前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部として機能させるためのプログラムであって、
前記密度集合取得部は、
前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、
前記2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域を検知し、当該第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、
前記密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、前記面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、前記1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、
前記補正量取得部は、
前記密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得し、
前記バイアス条件は、第一小領域の図形が、2つの直線の交点により構成される角部を含むことであり、
前記面積変動情報取得手段は、
前記2つの直線を前記バイアス量に対応する長さ分を延ばして作成される平行四辺形と2つの三角形の面積を算出し、当該3つの面積を用いて前記面積変動情報を算出するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームの照射を行う電子ビーム描画装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、描画装置から照射される荷電粒子ビームの照射量を補正する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に決定できなかった。従来技術においては、特に、電子ビームを照射した際の影響範囲など、補正対象となる現象の影響範囲が広い場合であり、図形の数が膨大である場合は、適切な照射量を決定するまでの処理に、多大な時間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の電子ビーム描画装置は、図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、1以上の各図形情報ごとの1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、照射量取得部が取得した2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部とを具備する電子ビーム描画装置である。
【0006】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できる。
【0007】
また、本第二の発明の電子ビーム描画装置は、第一の発明に対して、密度集合取得部は、受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部から取得する密度集合読出手段と、2以上の各第一小領域のうちで、第一小領域の図形に関するバイアス条件に合致する第一小領域に対して、第一小領域の中の図形に基づく面積変動情報を取得する面積変動情報取得手段と、密度集合読出手段が取得した第一密度集合が有する1以上の各第一小領域の第一密度情報と、面積変動情報取得手段が取得した1以上の各第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各第一小領域ごとの第二密度情報の集合である第二密度集合を、1以上の各図形情報ごとに取得する密度集合取得手段とを具備し、補正量取得部は、密度集合取得手段が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得する、電子ビーム描画装置である。
【0008】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0009】
また、本第三の発明の電子ビーム描画装置は、第二の発明に対して、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報が、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに格納される微分情報格納部と、バイアス量を受け付けるバイアス量受付部とをさらに具備し、面積変動情報取得手段は、バイアス条件に合致する第一小領域に対して、第一小領域に対応付けられた微分情報とバイアス量受付部が受け付けたバイアス量とを用いて、面積変動情報を、1以上の各図形情報ごとに取得する、電子ビーム描画装置である。
【0010】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0011】
また、本第四の発明の電子ビーム描画装置は、第三の発明に対して、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報を算出し、微分情報格納部に蓄積する第二前処理部をさらに具備する電子ビーム描画装置である。
【0012】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0013】
また、本第五の発明の電子ビーム描画装置は、第四の発明に対して、微分情報を算出する微分情報算出式が1以上の各バイアス条件ごとに格納されており、第二前処理部は、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、合致するバイアス条件に対応する微分情報算出式を取得し、微分情報算出式を用いて、微分情報を算出し、微分情報格納部に蓄積する、電子ビーム描画装置である。
【0014】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0015】
また、本第六の発明の電子ビーム描画装置は、第三から第五いずれか1つの発明に対して、バイアス条件は、第一小領域の図形が水平線または垂直線を含むことであり、面積変動情報取得手段は、水平線または垂直線に対して、バイアス量に比例する大きさの面積変動情報を取得する、電子ビーム描画装置である。
【0016】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0017】
また、本第七の発明の電子ビーム描画装置は、第三から第五いずれか1つの発明に対して、バイアス条件は、第一小領域の図形が斜線を含むことであり、面積変動情報取得手段は、バイアス量と斜線の角度に関する角度情報と斜線の第一小領域内の長さに関する長さ情報とを取得し、バイアス量と角度情報と長さ情報とを用いて、X成分の面積変動情報であるX面積変動情報とY成分の面積変動情報であるY面積変動情報とを算出し、X面積変動情報とY面積変動情報とを用いて面積変動情報を算出する、電子ビーム描画装置である。
【0018】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0019】
また、本第八の発明の電子ビーム描画装置は、第三から第五いずれか1つの発明に対して、バイアス条件は、第一小領域の図形が、2つの直線の交点により構成される角部を含むことであり、面積変動情報取得手段は、2つの直線をバイアス量に対応する長さ分を延ばして作成される平行四辺形と2つの三角形の面積を算出し、3つの面積を用いて面積変動情報を算出する、電子ビーム描画装置である。
【0020】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0021】
また、本第九の発明の電子ビーム描画装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、図形情報が特定する領域である図形領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、2以上の各第一小領域の中に、図形情報が示す図形が含まれる面積に基づく第一密度情報を取得し、第一密度情報の集合である第一密度集合を、1以上の図形情報ごとに取得し、密度集合格納部に蓄積する第一前処理部をさらに具備する電子ビーム描画装置である。
【0022】
かかる構成により、電子ビームを用いて図形を描画する際のより適切な照射量を高速に取得できる。
【0023】
また、本第十の発明の密度集合の生産装置は、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、図形情報が特定する領域である図形領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、2以上の各第一小領域の中に、図形情報が示す図形が含まれる面積に基づく第一密度情報を取得し、第一密度情報の集合である第一密度集合を、1以上の図形情報ごとに取得し、蓄積する第一前処理部とを具備する密度集合の生産装置である。
【0024】
かかる構成により、密度集合を取得し、蓄積できる。
【0025】
また、本第十一の発明の微分情報集合の生産装置は、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報を算出し、蓄積する第二前処理部を具備する微分情報集合の生産装置である。
【0026】
かかる構成により、微分情報集合を取得し、蓄積できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による電子ビーム描画装置によれば、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施の形態1における電子ビーム描画装置Aのブロック図
【
図7】同電子ビーム描画装置Aの動作例について説明するフローチャート
【
図8】同密度情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図9】同微分情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図10】同密度集合取得処理の例について説明するフローチャート
【
図11】同補正量集合取得の例ついて説明するフローチャート
【
図12】同描画処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、電子ビーム描画装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態において、1以上の各図形情報を含む領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、図形が含まれる面積に応じた第一密度情報を取得し、事前に第一小領域識別子に対応付けられた第一密度情報の集合を保持しておく。そして、1以上の各図形情報ごとの第一密度情報の集合を用いて、第二小領域ごとの補正量の集合を取得し、第二小領域ごとに、対応する補正量に従った電子ビームの照射量を決定し、当該照射量に従った電子ビームの照射を行う電子ビーム描画装置について説明する。
【0031】
また、本実施の形態において、バイアス処理を行うことにより、より適切な補正量の集合を作成し、当該補正量の集合に従った電子ビームの照射量を決定し、当該照射量に従った電子ビームの照射を行う電子ビーム描画装置について説明する。
【0032】
また、本実施の形態において、単位量のバイアスに対する面積の変化の情報である微分情報を第一小領域ごとに予め保持しておき、当該微分情報を用いて、より適切な補正量の集合を作成し、当該補正量の集合に従った電子ビームの照射量を決定し、当該照射量に従った電子ビームの照射を行う電子ビーム描画装置について説明する。
【0033】
図1は、本実施の形態における電子ビーム描画装置Aのブロック図である。電子ビーム描画装置Aは、格納部1、受付部2、処理部3、および出力部4を備える。
【0034】
格納部1は、密度集合格納部11、および微分情報格納部12を備える。受付部2は、図形情報受付部21、およびバイアス量受付部22を備える。処理部3は、第一前処理部31、第二前処理部32、密度集合取得部33、補正量取得部34、照射量取得部35、および描画部36を備える。密度集合取得部33は、密度集合読出手段331、面積変動情報取得手段332、および密度集合取得手段333を備える。
【0035】
格納部1には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、後述する密度集合、後述する微分情報、1または2以上の図形情報、1以上のバイアス条件、1以上の微分情報算出式、後述する各種の演算式である。
【0036】
図形情報とは、図形を示す情報である。図形情報は、例えば、図形を構成する2以上の各点の座標情報の集合である。図形情報は、例えば、図形を構成する3以上の線の情報の集合である。図形情報は、例えば、ファイルである。ただし、図形情報の構造は問わない。また、図形情報は、図形識別子に対応付いている。図形識別子は、図形を識別する情報であり、例えば、ID、ファイル名、図形名である。
【0037】
バイアス条件とは、後述する面積変動情報を取得するための条件である。バイアス条件は、通常、第一小領域の図形に関する条件である。バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面が存在する領域と図形が存在しない領域とが存在することである。バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面の線が存在することである。なお、図面の線とは、図面の境界線である。また、バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面の水平線が存在することである。また、バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面の垂直線が存在することである。また、バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面の斜線が存在することである。また、バイアス条件は、例えば、第一小領域の中に図面の角部が存在することである。角部は、2つの直線の交点により構成される角の部分である。
【0038】
また、第一小領域には、図形の一部が含まれていても良いし、1または2以上の図形が含まれていても良い。
【0039】
微分情報算出式とは、微分情報を算出するための演算式である。微分情報算出式は、通常、バイアス条件に対応付いている。微分情報算出式の具体例については、後述する。
【0040】
密度集合格納部11には、1以上の各図形情報ごとに、第一密度集合が格納される。1以上の各第一密度集合は、例えば、図形情報を識別する図形識別子に対応付いている。
【0041】
第一密度集合は、2以上の第一密度情報を有する。第一密度集合は、2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である。第一密度集合は、例えば、2以上の第一密度組情報からなる。第一密度組情報は、第一小領域を識別する第一小領域識別子と第一密度情報との組である。なお、第一密度集合は、第一密度マップと呼んでも良い。
【0042】
第一密度情報は、例えば、第一小領域識別子に対応付いている。第一密度情報は、例えば、第一小領域を特定する領域情報(例えば、左上座標と右下座標を有する情報)に対応付いている。第一密度情報は、図形情報が示す図形が、第一小領域内に含まれる面積に応じた情報である。第一密度情報は、例えば、第一小領域内の図面の密度に関する情報である。第一密度情報は、例えば、第一小領域内の全面積の中で、図形が占める割合に関する情報である。第一密度情報は、例えば、0~1の間の数値である。第一密度情報は、例えば、第一小領域内で、図形が占める面積に関する情報である。第一密度情報は、第一小領域内で、図形が占める面積でも良い。
【0043】
密度集合格納部11の1以上の第一密度集合は、第一前処理部31が取得した情報であることは好適である。密度集合格納部11の1以上の第一密度集合は、描画の開始指示の受け付けの前に、前処理として行われた第一前処理部31の処理により、密度集合格納部11に蓄積された情報であることは好適である。
【0044】
なお、2以上の各第一小領域の大きさや形状は、各々、異なっていても良い。また、図形情報に応じて、分割の方法が異なる結果、図形情報により第一小領域の大きさや形状が異なっていても良い。但し、形状は、矩形であることは好適である。
【0045】
微分情報格納部12には、第一小領域に対応付けられた微分情報が格納される。微分情報格納部12には、例えば、1または2以上の各第一小領域に対応付けられた微分情報が格納される。
【0046】
微分情報格納部12には、1以上の各図形情報ごとに、微分情報集合が格納される。微分情報格納部12の微分情報集合には、例えば、図形識別子が対応付いている。
【0047】
微分情報集合は、1または2以上の微分情報の集合である。微分情報集合の各微分情報は、第一小領域に対応している。微分情報集合の各微分情報は、例えば、第一小領域識別子に対応付いている。微分情報集合の各微分情報は、例えば、第一小領域の領域情報に対応付いている。
【0048】
微分情報は、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する情報である。単位量は、例えば、1nmであるが、問わない。なお、バイアスとは、描画中まだは描画後の現像、エッチングなどの製造プロセスによって設計通りにパターンが形成されない際に、それを補正するために元の図形を構成する輪郭の一部または全部を移動させることを指す。
【0049】
微分情報格納部12の1以上の微分情報は、第二前処理部32が取得した情報であることは好適である。微分情報格納部12の1以上の微分情報は、描画の開始指示の受け付けの前に、前処理として行われた第二前処理部32の処理により、微分情報格納部12に蓄積された情報であることは好適である。
【0050】
受付部2は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示は、例えば、後述する図形情報、後述するバイアス量、前処理指示、開始指示である。
【0051】
前処理指示とは、1以上の図形情報に対して前処理を行うことの指示である。前処理とは、描画の開始指示の受け付けの前に行う処理である。前処理は、例えば、第一前処理部31が行う密度集合の取得処理である。前処理は、例えば、第二前処理部32が行う微分情報の取得処理である。
【0052】
開始指示とは、図形の描画の開始の指示である。開始指示は、1以上の図形情報を含むことは好適である。
【0053】
ここで受け付けとは、例えば、図示しない処理手段が取得した情報を、当該処理手段から取得することである。また、受け付けとは、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付け、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。つまり、受け付けられる情報や指示が、どのような手段により受け付けられるかは問わない。
【0054】
図形情報受付部21は、1以上の図形情報を受け付ける。図形情報受付部21は、受付部2が受け付けた開始指示が有する1以上の図形情報を取得しても良い。図形情報受付部21は、1以上の図形情報を格納部1から取得しても良い。
【0055】
バイアス量受付部22は、バイアス量を受け付ける。バイアス量受付部22は、例えば、ユーザからバイアス量を受け付けても良い。ただし、バイアス量を受け付ける方法は問わない。
【0056】
また、バイアス量受付部22は、図形情報ごとに、異なるバイアス量を受け付けても良い。また、バイアス量受付部22は、図形情報が有する1または2以上の各図形ごとに、異なるバイアス量を受け付けても良い。また、バイアス量受付部22は、図形を構成する各部品(例えば、線分)によって、異なるバイアス量を受け付けても良い。さらに、バイアス量受付部22は、図形を構成する各部品(例えば、線分)の部分によって、異なるバイアス量を受け付けても良い。
【0057】
処理部3は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、第一前処理部31、第二前処理部32、密度集合取得部33、補正量取得部34、照射量取得部35が行う処理である。
処理部3は、バイアス量受付部22が受け付けたバイアス量に応じて、図形情報を変更する。かかる処理をバイアス処理と言う。
【0058】
第一前処理部31は、図形情報が特定する領域である図形領域を含む領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、密度情報を取得する。そして、第一前処理部31は、2以上の各第一小領域ごとの密度情報の集合である密度集合を取得し、当該密度集合を密度集合格納部11に蓄積する。なお、第一小領域のサイズは問わない。
【0059】
第一前処理部31は、図形情報受付部21が受け付け得る1または2以上の各図形情報に対して、密度集合を取得し、当該密度集合を、図形情報に対応付けて密度集合格納部11に蓄積しておくことは好適である。つまり、描画部36が処理を行う前に、第一前処理部31が動作し、1以上の各図形情報に対応付けて、密度集合を密度集合格納部11に蓄積しておくことは好適である。かかる前処理により、図形情報受付部21が図形情報を受け付けてから描画部36が処理を行うまでの処理時間が短縮される。
【0060】
第一前処理部31は、例えば、各図形情報の第一小領域ごとに、当該第一小領域の中に含まれる図形情報の面積を、図形情報から取得する。そして、第一前処理部31は、例えば、当該面積をパラメータとする増加関数により、当該第一小領域の密度情報を取得する。なお、第一前処理部31は、例えば、第一小領域全体の面積を取得し、当該全体の面積に対する図形情報の面積との割合である密度情報を取得する。第一前処理部31は、例えば、演算式「密度情報=第一小領域の中の図形の面積/第一小領域全体の面積」により、密度情報を取得する。第一前処理部31は、第一小領域の中の図形の面積そのものを密度情報として取得しても良い。
【0061】
なお、第一小領域の中に2以上の図形が存在する場合、第一前処理部31は、当該複数の図形の各々の第一小領域の中の面積を取得し、当該2以上の面積の和を取得する。そして、第一前処理部31は、2以上の面積の和をパラメータとする増加関数により、当該第一小領域の密度情報を取得する。第一前処理部31は、例えば、演算式「密度情報=2以上の面積の和/第一小領域全体の面積」により、密度情報を取得する。第一前処理部31は、2以上の面積の和を密度情報として取得しても良い。
【0062】
第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域に対応付けられた微分情報を算出し、微分情報格納部12に蓄積する。なお、微分情報とは、第一小領域において、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する情報である。
【0063】
第二前処理部32は、例えば、図形識別子および第一小領域識別子に対応付けて、算出した微分情報を蓄積する。
【0064】
第二前処理部32は、例えば、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、合致するバイアス条件に対応する微分情報算出式を格納部1から取得し、当該微分情報算出式を用いて、微分情報を算出し、微分情報格納部12に蓄積する。
【0065】
以下、第二前処理部32が微分情報を算出する4つの場合について、各場合の微分情報算出式の例を用いて説明する。4つの場合とは、(1)第一小領域の中に水平線を含む場合
(2)第一小領域の中に垂直線を含む場合(3)第一小領域の中に斜線を含む場合(4)第一小領域の中に角部を含む場合である。
(1)第一小領域の中に水平線を含む場合
【0066】
第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、第一小領域の中の図形の水平線の長さ(L1)を、第一小領域の領域情報と図形情報とを用いて算出する。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、格納部1の定数(α1)を読み出し、以下の数式1にα1とL1とを代入し、当該数式1を実行し、微分情報を得る。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、図形識別子と第一小領域識別子に対応付けて、微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。
【0067】
【0068】
なお、数式1において、α1は定数,L1は第一小領域の水平線の長さである。
【0069】
また、(1)の場合の微分情報算出式は、数式1に限らない。(1)の場合の微分情報算出式は、水平線の長さ(L1)をパラメータとする増加関数であれば良い。
【0070】
また、一の第一小領域に、水平線が複数存在する場合、第二前処理部32は、各水平線ごとに、微分情報を算出し、当該水平線ごとの微分情報の和を算出する。かかる和が、一の第一小領域の微分情報である。
(2)第一小領域の中に垂直線を含む場合
【0071】
第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、第一小領域の中の図形の垂直線の長さ(L2)を、第一小領域の領域情報と図形情報とを用いて算出する。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、格納部1の定数(α2)を読み出し、以下の数式2にα2とL2とを代入し、当該数式1を実行し、微分情報を得る。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごとに、2以上の各第一小領域ごとに、図形識別子と第一小領域識別子に対応付けて、微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。
【0072】
【0073】
なお、数式2において、α2は定数,L2は第一小領域の垂直線の長さである。
【0074】
また、(2)の場合の微分情報算出式は、数式2に限らない。(2)の場合の微分情報算出式は、垂直線の長さ(L2)をパラメータとする増加関数であれば良い。
【0075】
また、一の第一小領域に、垂直線が複数存在する場合、第二前処理部32は、各垂直線ごとに、微分情報を算出し、当該垂直線ごとの微分情報の和を算出する。かかる和が、一の第一小領域の微分情報である。
(3)第一小領域の中に斜線をn個含む場合
【0076】
第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、第一小領域の中の各斜線の長さ(Li)を、第一小領域の領域情報と図形情報とを用いて算出する。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、各斜線の法線の角度(αi)を取得する。次に、第二前処理部32は、以下の数式3に、斜線ごとのLiとαiとを代入し、当該数式3を実行し、微分情報を得る。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。第二前処理部32は、例えば、図形識別子と第一小領域識別子に対応付けて、微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。
【0077】
【0078】
なお、数式3において、Dxは、X成分の面積増加量の情報である。Dyは、Y成分の面積増加量の情報である。Liは、斜線の長さである。αiは、斜線の法線の角度である。
【0079】
また、(3)の場合の微分情報算出式は、数式3に限らない。(3)の場合の微分情報算出式は、斜線の長さ(Li)をパラメータとする増加関数であれば良い。
【0080】
また、上記の数式3の導出過程を、以下に説明する。
【0081】
異方性のサイジングが必要なケースでも、通常、バイアス量は連続した変化になる。つまり、似た角度の線分は似たバイアス量を適用したい場合が殆どである。そのため、線分の角度に対応したバイアス量を、
図2に示すように、楕円によって定義する。X方向(水平線)、Y方向(垂直線) のバイアス量(B
x,B
y)を与える、とする。すると、バイアス量(BIAS)は、数式4により算出される。なお、αは、斜線201に対する法線の角度である(
図2参照)。
【0082】
【0083】
数式4によれば、バイアスベクトルの向きは法線方向からずれることになる。しかし、実際のバイアス方向を法線方向にすると、以下のように面積の変動をX成分とY成分に分解することができる(数式5参照)。これはユーザがBx,Byのみを指定する方法にマッチする。
【0084】
【0085】
なお、数式5において、ΔArea
xは、面積変動のX成分である。ΔArea
yは、面積変動のY成分である。L
edgeは、
図3の301の斜線の長さである。
図3のθは、斜線の水平線に対する角度である。
【0086】
以上より、楕円式によって与えられるバイアスベクトルを法線方向に射影したものをバイアスベクトルとすると、バイアス量は以下の数式6になる。
【0087】
【0088】
このとき長さLの直線がもたらす面積変動は以下の数式7で表現できる。
【0089】
【0090】
ここで、L、αは、線分固有のデータなので対象のi番目の斜線の線分の長さ、法線の角度をそれぞれL
i, α
iとすると、線分群に対する面積変動は以下の数式8で表せる(
図4参照)。なお、
図4において、B
x=A,B
y=1である。
【0091】
【0092】
従って、線分群に対する合計の面積変動の微分値(微分情報)を上記の数式3のように定義できる。
(4)第一小領域の中にN個の角部を含む場合
【0093】
第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、2以上の各第一小領域ごと、および角部ごとに、数式9に使用されている全てのパラメータを取得する。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、2以上の各第一小領域ごと、および角部ごとに、数式9に全てのパラメータを代入し、当該数式9を実行し、微分情報を得る。次に、第二前処理部32は、1以上の各図形情報ごと、2以上の各第一小領域ごと、および角部ごとに、微分情報を算出し、当該微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。
【0094】
なお、第二前処理部32は、例えば、1以上の各図形情報ごと、2以上の各第一小領域ごとに、算出した1以上の微分情報の和を算出し、当該1以上の微分情報の和を、図形識別子と第一小領域識別子に対応付けて、微分情報格納部12に蓄積する。かかる和が、1以上の各図形情報ごと、2以上の各第一小領域ごと、および角部ごとの微分情報である。
【0095】
【0096】
なお、数式9の右辺の第1項は、三角形T21の面積である。第2項は、平行四辺形Pの面積である。第3項は、三角形T12の面積である。また、数式9の・・・
【0097】
また、上記の数式9の導出過程を、以下に説明する。
【0098】
ここでは、
図5に示すような二本の単位ベクトルで表される線分L
1,L
2で構成される角に、L
1,L
2にそれぞれバイアスベクトルB
1,B
2で表されるバイアスを適用した結果の角の部分の図形(網掛け部,
図5の501、502、503)を考える。
【0099】
また、U1は、L1による頂点から、L1ベクトルの向きでL2’までのベクトルを表す。また、U2はL2による頂点から、L2ベクトルの向きにL1’までのベクトルを表す。
【0100】
ここでL1とB2がなす角度をθ12 とすると、U1は以下の数式10のように表される (L1は単位ベクトル) 。
【0101】
【0102】
同様に、U2は以下の数式11のように表される (L2は単位ベクトル) 。
【0103】
【0104】
U
1,U
2が確定したので、角部分の面積の増加分をU
1,U
2で構成される平行四辺形Pと、U
1,B
2で構成される三角形T12と、U
2, B
1で構成される三角形T21に分けて算出する(
図6参照)。
【0105】
PはU1,U2を使用して、以下の数式12により算出される。
【0106】
【0107】
T12、T21も、各々、外積を利用して、数式13、数式14により算出される。
【0108】
【0109】
【0110】
ここでバイアスB1,B2に依存しない成分をそれぞれ、数式15のように置くと、角の部分の面積は以下の数式16のようになる。
【0111】
【0112】
【0113】
ここでバイアスベクトルの大きさB1,B2は、L1,L2の法線方向の角度をΦ1, Φ2としたとき、数式17のようになる。
【0114】
【0115】
数式17を変形すると、数式18となる。
【0116】
【0117】
【0118】
ここで、数式19のように、dxx,dyy,dxyを定義すると、角部の面積は以下の数式20のようになる。
【0119】
【0120】
数式20において、dxx,dyy,dxyはバイアスに依存しない、図形情報のみから計算できる情報なため、頂点をN個含むある図形群全体の角部の面積の合計は、上述した数式9となる。
【0121】
一の第一小領域に、複数の種類の図形が含まれる場合、第二前処理部32は、図形の種類ごとの微分情報を算出し、当該種類ごとの微分情報の和を算出する。そして、第二前処理部32は、かかる微分情報の和を、当該一の第一小領域の微分情報として、微分情報格納部12に蓄積する。
なお、第二前処理部32は、上記した方法に限らない。
【0122】
密度集合取得部33は、例えば、図形情報受付部21が受け付けた図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部11から取得する。密度集合取得部33は、例えば、図形情報受付部21が受け付けた2以上の各図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部11から取得する。なお、かかる密度集合を後述する第二密度集合としても良い。かかる場合、バイアス量を用いた補正を行わないこととなる。
【0123】
密度集合取得部33は、例えば、図形情報受付部21が受け付けた図形情報に対応する密度集合である第一密度集合を密度集合格納部11から取得し、当該第一密度集合を用いて、第二密度集合を取得する。
【0124】
密度集合取得部33を構成する密度集合読出手段331は、受付部2が受け付けた図形情報に対応する密度集合である第一密度集合を密度集合格納部11から取得する。密度集合読出手段331は、受付部2が受け付けた2以上の各図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部11から取得する。
【0125】
面積変動情報取得手段332は、受付部2が受け付けた図形情報に対応する2以上の各第一小領域のうちで、バイアス条件に合致する第一小領域に対して、第一小領域の図形に基づく面積変動情報を取得する。なお、バイアス条件は、格納部1に格納されている。
【0126】
面積変動情報取得手段332は、例えば、バイアス条件に合致する第一小領域に対して、当該第一小領域に対応付けられた微分情報とバイアス量受付部22が受け付けたバイアス量とを用いて、面積変動情報を取得する。面積変動情報取得手段332は、例えば、バイアス条件に合致する第一小領域に対して、当該第一小領域に対応付けられた微分情報を微分情報格納部12から取得し、当該微分情報とバイアス量受付部22が受け付けたバイアス量との積である面積変動情報を算出する。
【0127】
面積変動情報取得手段332は、例えば、第一小領域の中の図形の水平線または垂直線に対して、バイアス量に比例する大きさの面積変動情報を取得する。
【0128】
面積変動情報取得手段332は、バイアス量と斜線の角度に関する角度情報と斜線の第一小領域内の長さに関する長さ情報とを取得し、バイアス量と角度情報と長さ情報とを用いて、X成分の面積変動情報であるX面積変動情報とY成分の面積変動情報であるY面積変動情報とを算出し、X面積変動情報とY面積変動情報とを用いて面積変動情報を算出する。面積変動情報取得手段332は、例えば、X面積変動情報とY面積変動情報とをパラメータとする増加関数により、面積変動情報を算出する。なお、増加関数は、例えば、和である。
【0129】
面積変動情報取得手段332は、2つの直線をバイアス量に対応する長さ分を延ばして作成される平行四辺形と2つの三角形の面積を算出し、3つの面積を用いて面積変動情報を算出する。面積変動情報取得手段332は、3つの各面積をパラメータとする増加関数により、面積変動情報を算出する。なお、増加関数は、例えば、和である。
【0130】
密度集合取得手段333は、密度集合読出手段331が取得した第一密度集合と、面積変動情報取得手段332が取得した1以上の第一小領域の面積変動情報とを用いて、1以上の各図形情報に対応する第二密度集合を取得する。
【0131】
密度集合取得手段333は、例えば、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各小領域ごとに、第一密度情報と面積変動情報とを取得し、図形情報ごとおよび小領域ごとに、第一密度集合と面積変動情報とをパラメータとする増加関数により第二密度情報を取得する。そして、密度集合取得手段333は、例えば、各図形情報ごとに、2以上の各小領域に対応する第二密度情報の集合である第二密度集合を取得する。なお、増加関数は、例えば、和である。
【0132】
補正量取得部34は、1または2以上の各図形情報ごとの1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する。2以上の各第二小領域の補正量の集合を補正量集合、または補正マップと言う。補正量取得部34は、2以上の補正マップを取得しても良い。補正量取得部34は、例えば、2以上の各補正の種類ごとに補正マップを取得しても良い。補正の種類とは、例えば、・・・・
【0133】
補正量取得部34は、例えば、1または2以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得する。なお、各第二小領域は、いずれかの第一小領域と同じでも良いし、2以上の第一小領域を含んでいても良いし、いずれかの第一小領域の一部でも良いし、2以上の第一小領域の一部等でも良い。つまり、第二小領域と第一小領域との関係は問わない。第二小領域は、第一小領域とは異なる大きさの領域でも良い。
【0134】
補正量取得部34は、2以上の各図形情報の密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得しても良い。なお、ここでの密度集合は、第一密度集合でも、第二密度集合でも良い。
【0135】
補正量取得部34は、例えば、第二小領域ごとに、当該第二小領域に対応する1以上の第一小領域の第一密度情報をパラメータとする増加関数により補正量を算出する。なお、増加関数は、例えば、加算である。なお、第二小領域に対応する第一小領域とは、第二小領域の範囲に一部でも含まれる第一小領域である。
【0136】
補正量取得部34は、密度集合取得手段333が取得した1以上の第二密度集合を用いて、2以上の各第二小領域の補正量を取得することは好適である。
【0137】
補正量取得部34は、例えば、第二小領域ごとに、当該第二小領域に対応する1以上の第一小領域の第二密度情報をパラメータとする増加関数により補正量を算出する。なお、増加関数は、例えば、加算である。
【0138】
補正量取得部34は、第一密度集合または第二密度集合以外の情報をも用いて、第二小領域の補正量を取得しても良い。例えば、補正量取得部34は、事前に計算された図形の位置や図形の種別や図形の大きさごとの補正量のテーブルや、ビームの照射量や、現像やエッチングのような密度に依存して発生する現象ではガウシアンカーネルなどの現象を表現するモデルのパラメータと、第二密度集合や描画ビームのクーロン散乱や試料中での散乱などのプロセスの特性情報とを組み合わせて用いることにより補正量を算出する。
例えば、補正量取得部34は、取得されたバイアス量を用いて、補正量を取得することは好適である。なお、バイアス量は、例えば、予め格納部1に格納されていても良いし、受付部2が受け付けても良い。
【0139】
照射量取得部35は、補正量取得部34が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、2以上の第二小領域ごとに取得する。
【0140】
照射量取得部35は、例えば、補正量取得部34が取得した2以上の各第二小領域の補正量をパラメータとする増加関数により、第二小領域ごとの照射量を算出する。
【0141】
照射量取得部35は、各第二小領域の補正量以外の情報を用いて、照射量を決定しても良い。例えば、照射量取得部35は、第二小領域と同等か、より小さい影響範囲の現象の補正量や図形ごとに事前に割り当てられた補正量と第二小領域の補正量とを組み合わせて照射量を決定してもよい。この現象は例えば電子ビームの照射による近接効果である。
【0142】
描画部36は、照射量取得部35が取得した2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する。なお、第二小領域ごとの照射量は、照射量取得部35が取得した照射量である。また、描画の対象は、例えば、フォトマスクや、ウェハーなどである。また、描画部36は、通常、電界放出型、ショットキー型、熱電子型などの電子銃や、電子レンズ、高さ検出器などから実現され得る。また、描画部36が発する電子線の断面の形状は、例えば、矩形や円である。描画部36は、複数のビームを同時に使用して、図形を描画しても良い。
なお、描画部36は、図形情報受付部21が受け付けた1以上の図形情報に対して、バイアス処理を適用し、バイアス済みの図形の情報を得ることは好適である。そして、照射量取得部35は、バイアス済みの図形の情報と、補正量取得部34が取得した2以上の各第二小領域の補正量とを用いて、2以上の各第二小領域の電子ビームの照射量を取得する。具体的には、主に、電子ビームのより狭い範囲での散乱を考慮した補正が行われる。第二小領域の密度情報を使って計算されるのは、通常、影響範囲がmmオーダーのものであるが、描画中にリアルタイムに計算するのは、影響範囲が数十μmや数百nm(場合によっては、10nm程度)の影響範囲である。照射量取得部35は、この現象に対応する予め格納されている演算式に第二小領域の「補正量」を入力し、当該演算式を実行することにより照射量を取得する。次に、描画部36は、照射量取得部35が取得した2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、2以上の各第二小領域に電子ビームを照射して、図形の描画を行う。
【0143】
出力部4は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、図形の描画が完了した旨の情報である。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0144】
格納部1、密度集合格納部11、微分情報格納部12は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0145】
格納部1等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部1等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部1等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部1等で記憶されるようになってもよい。
【0146】
受付部2、図形情報受付部21は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0147】
バイアス量受付部22、処理部3、第一前処理部31、第二前処理部32、密度集合取得部33、補正量取得部34、照射量取得部35、密度集合読出手段331、面積変動情報取得手段332、密度集合取得手段333は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部3等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、例えば、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0148】
出力部4は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部4は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0149】
描画部36の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。
【0150】
次に、電子ビーム描画装置Aの動作例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0151】
(ステップS701)受付部2は、前処理指示を受け付けたか否かを判断する。前処理指示を受け付けた場合はステップS702に行き、前処理指示を受け付けなかった場合はステップS716に行く。
【0152】
(ステップS702)処理部3は、カウンタiに1を代入する。
【0153】
(ステップS703)第一前処理部31は、前処理対象のi番目の図形情報が存在するか否かを判断する。i番目の図形情報が存在する場合はステップS704に行き、i番目の図形情報が存在しない場合はステップS701に戻る。なお、前処理対象の図形情報は、例えば、図形識別子に対応付けられて、格納部1に格納されている。
【0154】
(ステップS704)第一前処理部31は、i番目の図形情報と図形識別子とを、例えば、格納部1から取得する。
【0155】
(ステップS705)第一前処理部31は、i番目の図形情報が含まれる領域を2以上の小領域に分割する。なお、各小領域を第一小領域と言う。また、2以上の小領域に分割する処理とは、領域識別子と対にして、2以上の各第一小領域の領域情報を取得する処理である。なお、領域識別子とは、領域(ここでは、第一小領域)を識別する情報であり、例えば、IDである。領域情報は、例えば、矩形の領域を特定する情報であり、例えば、2つの座標情報(例えば、(x1,y1)(x2,y2))である。2つの座標情報は、例えば、矩形の左上座標、右下座標である。ただし、領域情報は、例えば、矩形の左上座標と幅と高さの情報等でも良く、構造は問わない。
【0156】
(ステップS706)第一前処理部31は、カウンタjに1を代入する。
【0157】
(ステップS707)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中に、j番目の第一小領域が存在するか否かを判断する。j番目の第一小領域が存在する場合はステップS708に行き、j番目の第一小領域が存在しない場合はステップS715に行く。
【0158】
(ステップS708)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中のj番目の第一小領域の識別子である第一小領域識別子を取得する。
【0159】
(ステップS709)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中のj番目の第一小領域の領域情報を取得する。
【0160】
(ステップS710)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中のj番目の第一小領域の第一密度情報を取得する。かかる密度情報取得処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0161】
(ステップS711)第一前処理部31は、i番目の図形情報の図形識別子とj番目の第一小領域の第一小領域識別子とに対応付けて、ステップS710で取得した密度情報を蓄積する。なお、密度情報の蓄積先は、格納部1でも良いし、図示しない外部の装置等でも良い。
【0162】
(ステップS712)第二前処理部32は、微分情報を取得する。かかる微分情報取得処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0163】
(ステップS713)第二前処理部32は、i番目の図形情報の図形識別子とj番目の第一小領域の第一小領域識別子とに対応付けて、ステップS712で取得した微分情報を蓄積する。なお、微分情報の蓄積先は、格納部1でも良いし、図示しない外部の装置等でも良い。
【0164】
(ステップS714)第一前処理部31は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS707に戻る。
【0165】
(ステップS715)処理部3は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS703に戻る。
【0166】
(ステップS716)受付部2は、開始指示を受け付けたか否かを判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS717に行き、開始指示を受け付けなかった場合はステップS701に戻る。
【0167】
(ステップS717)処理部3は、カウンタiに1を代入する。
【0168】
(ステップS718)密度集合取得部33は、描画処理対象のi番目の図形情報が存在するか否かを判断する。i番目の図形情報が存在する場合はステップS704に行き、i番目の図形情報が存在しない場合はステップS701に戻る。なお、描画対象の図形情報は、例えば、図形識別子に対応付けられて、格納部1に格納されている。また、描画対象の図形情報は、例えば、開始指示が有する。
【0169】
(ステップS719)バイアス量受付部22は、バイアス量を取得する。なお、ここでは、図形情報に応じて、バイアス量は異なっていても良い。また、バイアス量は、図形情報の中の図形に応じて、異なっていても良い。
【0170】
(ステップS720)密度集合取得部33は、第二密度集合を取得する。かかる密度集合取得処理の例について、
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0171】
(ステップS721)処理部3は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS718に戻る。
【0172】
(ステップS722)補正量取得部34は、補正量集合を取得する。かかる補正量集合取得の例ついて、
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0173】
(ステップS723)描画部36は、ステップS722で取得された補正量集合を用いて、描画処理を行う。ステップS701に戻る。描画処理の例について、
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0174】
なお、
図7のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0175】
次に、ステップS710の密度情報取得処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0176】
(ステップS801)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中のj番目の小領域の面積(例えば、第一面積と言う。)を取得する。なお、かかる面積は、例えば、格納部1に格納されている。また、かかる面積は、j番目の小領域の領域情報から取得できる。
【0177】
(ステップS802)第一前処理部31は、i番目の図形情報の中のj番目の小領域の中の図形の占める面積(例えば、第二面積と言う。)を取得する。なお、第一前処理部31は、通常、j番目の小領域の領域情報と図形情報とを用いて、j番目の小領域の中の図形の占める面積を算出する。かかる技術は公知技術である。
【0178】
(ステップS803)第一前処理部31は、ステップS801で取得した第一面積と、ステップS802で取得した第二面積とを用いて、第一密度情報を算出する。上位処理にリターンする。
【0179】
なお、第一前処理部31は、例えば、演算式「密度情報=第二面積/第一面積」により、密度情報を算出する。また、第一前処理部31は、第二面積を密度情報としても良い。密度情報は、j番目の小領域の中に、図形がどの程度入っているかを特定する情報であれば良い。
【0180】
次に、ステップS712の微分情報取得処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0181】
(ステップS901)第二前処理部32は、カウンタiに1を代入する。
【0182】
(ステップS902)第二前処理部32は、i番目のバイアス条件が格納部1に存在するか否かを判断する。i番目のバイアス条件が存在する場合はステップS903に行き、存在しない場合はステップS913に行く。
【0183】
(ステップS903)第二前処理部32は、i番目のバイアス条件を格納部1から取得する。
【0184】
(ステップS904)第二前処理部32は、対象となる図形情報における、対象となる小領域内の図形情報を取得する。
【0185】
(ステップS905)第二前処理部32は、小領域内の図形情報を用いて、i番目のバイアス条件に合致する小領域内の図形を検知する。
【0186】
(ステップS906)第二前処理部32は、i番目のバイアス条件に対応する微分情報算出式を格納部1から取得する。
【0187】
(ステップS907)第二前処理部32は、カウンタjに1を代入する。
【0188】
(ステップS908)第二前処理部32は、ステップS905で検知した図形の中で、j番目の図形が存在するか否かを判断する。j番目の図形が存在する場合はステップS909に行き、存在しない場合はステップS912に行く。
【0189】
(ステップS909)第二前処理部32は、ステップS906で取得した微分情報算出式に代入する1以上のパラメータを、処理対象の小領域の図形情報のj番目の図形の情報を用いて取得する。なお、1以上のパラメータは、例えば、小領域内の斜線の長さ、小領域内の斜線の角度、小領域内の角部の角度である。
【0190】
(ステップS910)第二前処理部32は、ステップS909で取得した1以上のパラメータをステップS906で取得した微分情報算出式に代入し、当該微分情報算出式を実行し、微分情報を取得し、図示しないバッファに蓄積する。
【0191】
(ステップS911)第二前処理部32は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS908に戻る。
【0192】
(ステップS912)第二前処理部32は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS902に戻る。
【0193】
(ステップS913)第二前処理部32は、ステップS910でバッファに蓄積した微分情報の和を算出する。なお、かかる微分情報の和が、着目する第一小領域の微分情報である。また、ステップS910でバッファに蓄積した微分情報が存在しない場合は、微分情報は「0」である。
【0194】
次に、ステップS720の密度集合取得処理の例について、
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0195】
(ステップS1001)密度集合取得部33は、カウンタiに1を代入する。
【0196】
(ステップS1002)密度集合読出手段331は、処理対象の図形情報の中に、i番目の第一小領域が存在するか否かを判断する。i番目の第一小領域が存在する場合はステップS1003に行き、i番目の第一小領域が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0197】
(ステップS1003)密度集合読出手段331は、処理対象の図形情報の図形識別子およびi番目の第一小領域の第一小領域識別子と対になる第一密度情報を密度集合格納部11から取得する。
【0198】
(ステップS1004)面積変動情報取得手段332は、処理対象の図形情報の図形識別子およびi番目の第一小領域の第一小領域識別子と対になる微分情報を微分情報格納部12から取得する。
【0199】
(ステップS1005)面積変動情報取得手段332は、バイアス量受付部22により取得されているバイアス量とステップS1004で取得した微分情報とを用いて、面積変動情報を取得する。なお、面積変動情報取得手段332は、例えば、演算式「面積変動情報=バイアス量×微分情報」により、面積変動情報を算出する。
【0200】
(ステップS1006)密度集合取得部33は、ステップS1003で取得された第一密度情報とステップS1005で取得された面積変動情報とを用いて、処理対象の図形情報のi番目の第一小領域の第二密度情報を取得する。なお、密度集合取得部33は、例えば、演算式「第二密度情報=第一密度情報+面積変動情報」により、第二密度情報を算出する。
【0201】
(ステップS1007)密度集合取得部33は、処理対象の図形情報の図形識別子およびi番目の第一小領域の第一小領域識別子に対応付けて、ステップS1006で取得した第二密度情報を蓄積する。なお、第二密度情報の蓄積先は、例えば、格納部1であるが、問わない。
【0202】
(ステップS1008)密度集合取得部33は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1002に戻る。
【0203】
次に、ステップS722の補正量集合取得の例ついて、
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0204】
(ステップS1101)補正量取得部34は、カウンタiに1を代入する。
【0205】
(ステップS1102)補正量取得部34は、i番目の第二小領域が存在するか否かを判断する。i番目の第二小領域が存在する場合はステップS1103に行き、i番目の第二小領域が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0206】
(ステップS1103)補正量取得部34は、カウンタjに1を代入する。
【0207】
(ステップS1104)補正量取得部34は、描画対象のj番目の図形情報が存在するか否かを判断する。j番目の図形情報が存在する場合はステップS1105に行き、j番目の図形情報が存在しない場合はステップS1113に行く。
【0208】
(ステップS1105)補正量取得部34は、カウンタk1を代入する。
【0209】
(ステップS1106)補正量取得部34は、i番目の第二小領域に対応するk番目の第一領域が存在するか否かを判断する。k番目の第一領域が存在する場合はステップS1107に行き、k番目の第一領域が存在しない場合はステップS1111に行く。
【0210】
(ステップS1107)補正量取得部34は、k番目の第一領域の第二密度情報を取得する。
【0211】
(ステップS1108)補正量取得部34は、i番目の第二小領域内に含まれるk番目の第一領域の割合を取得する。
【0212】
(ステップS1109)補正量取得部34は、ステップS1107で取得した第二密度情報とステップS1108で取得した割合とを用いて、寄与度を算出する。なお、寄与度とは、i番目の第二小領域におけるk番目の第一領域の補正量の寄与の度合いを示す情報である。補正量取得部34は、例えば、演算式「寄与度=第二密度情報×割合」により、寄与度を算出する。
【0213】
(ステップS1110)補正量取得部34は、カウンタkを1、インクリメントする。ステップS1106に戻る。
【0214】
(ステップS1111)補正量取得部34は、ステップS1109で算出した1以上の寄与度を用いて、i番目の第二小領域におけるj番目の図形の補正量元情報を算出する。なお、補正量元情報は、1以上の各寄与度をパラメータとする増加関数により算出される。補正量元情報は、例えば、1以上の寄与度の和である。
【0215】
(ステップS1112)補正量取得部34は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS1104に戻る。
【0216】
(ステップS1113)補正量取得部34は、ステップS1111で算出した1以上の補正量元情報を用いて、i番目の第二小領域の補正量を算出する。なお、補正量取得部34は、1以上の各補正量元情報をパラメータとする増加関数により補正量を算出する。補正量取得部34は、例えば、演算式「補正量=1以上の補正量元情報の和」により、補正量を算出する。
【0217】
(ステップS1114)補正量取得部34は、ステップS1113で算出した補正量を、i番目の第二小領域の第二小領域識別子に対応付けて蓄積する。なお、補正量の蓄積先は、例えば、格納部1であるが、問わない。
【0218】
(ステップS1115)補正量取得部34は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1102に戻る。
【0219】
次に、ステップS723の描画処理の例について、
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0220】
(ステップS1201)描画部36は、カウンタiに1を代入する。
【0221】
(ステップS1202)描画部36は、図形を描画するi番目の第二小領域が存在するか否かを判断する。i番目の第二小領域が存在する場合はステップS1203に行き、i番目の第二小領域が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0222】
(ステップS1203)描画部36は、i番目の第二小領域の第二小領域識別子と対になる補正量を取得する。なお、描画部36は、例えば、i番目の第二小領域の第二小領域識別子と対になる補正量を格納部1から読み出す。
【0223】
(ステップS1204)描画部36は、ステップS1203で取得した補正量を用いて、照射量を算出する。なお、描画部36は、例えば、補正量をパラメータとする増加関数により、照射量を算出する。
【0224】
(ステップS1205)描画部36は、ステップS1204で算出した照射量に従って、i番目の第二小領域に対して、電子ビームを照射する。
【0225】
(ステップS1206)描画部36は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1202に戻る。
【0226】
以下、本実施の形態における電子ビーム描画装置Aの具体的な動作例について説明する。以下、2つの具体例について説明する。
【0227】
(具体例1)
具体例1は、電子ビーム描画装置Aの前処理の第一の例であり、密度集合(密度マップ)を取得する処理の例である。
【0228】
今、
図13(a)に示す3つの矩形の図形を特定する図形情報が、電子ビーム描画装置Aの格納部1に格納されている、とする。
図13(a)の図形情報は、例えば、図形1301の図形情報(x1,y1)(x2,y2)、図形1302の図形情報(x3,y3)(x4,y4)、および図形1303の図形情報(x5,y5)(x6,y6)である、とする。
【0229】
そして、ユーザは、電子ビーム描画装置Aに前処理指示を入力した、とする。次に、受付部2は、前処理指示を受け付ける。
【0230】
次に、第一前処理部31は、
図13(a)の図形情報が含まれる領域を2以上の小領域に分割する(
図13(b)参照)。なお、各小領域を第一小領域と言う。そして、第一前処理部31は、
図13(b)の各第一小領域の小領域情報(矩形の左上座標、右下座標)を得る、とする。なお、第一小領域の例は、
図13の1304、1305である。
【0231】
次に、第一前処理部31は、各第一小領域の領域情報および図形情報を用いて、各第一小領域の中における図形が占める面積を算出する。また、第一前処理部31は、各第一小領域の面積を第一小領域の領域情報から取得する。なお、第一前処理部31は、格納部1から各第一小領域の面積を読み出しても良い。
【0232】
次に、第一前処理部31は、各第一小領域の図形が占める面積と各第一小領域の面積とを用いて、各第一小領域の密度情報を算出する。第一前処理部31は、例えば、演算式「密度情報=第一小領域の図形が占める面積/第一小領域の面積」により、密度情報を算出する。
【0233】
そして、第一前処理部31は、図形情報を特定する図形識別子と各第一小領域の第一小領域識別子とに対応付けて、第一密度情報を密度集合格納部11に蓄積する。かかる第一密度情報の集合である第一密度マップの例は、
図14である。
図14において、「ID」「図形識別子」「第一小領域識別子」「第一小領域情報」「第一密度情報」を有するレコードを、多数有する。なお、
図14の第一密度マップを図的に示したものが、
図13(c)である。
【0234】
なお、
図14の第一密度マップは、
図7のフローチャートを用いて説明したように、図形を描画する際に作成される補正量集合(補正マップ)の作成に使用される。また、補正マップのイメージは、
図13(d)である。さらに、
図7のフローチャートを用いて説明したように、補正マップを用いて、各第二小領域の照射量が決定され、当該照射量に従って、電子ビームが照射される。
【0235】
以上、密度マップを事前に用意しておくことにより、電子ビームによる図形の描画が非常に速くなる。
【0236】
(具体例2)
具体例2は、電子ビーム描画装置Aの前処理の第一の例であり、各第一小領域の微分情報を取得し、当該微分情報を用いて、密度集合(密度マップ)を取得する処理の例である。
【0237】
今、
図15(a)に示す3つの矩形の図形を有する図形情報が、電子ビーム描画装置Aの格納部1に格納されている、とする。
図15(a)の図形情報は、例えば、図形1501の図形情報(x1,y1)(x2,y2)、図形1502の図形情報(x3,y3)(x4,y4)、および図形1503の図形情報(x5,y5)(x6,y6)である、とする。
【0238】
そして、ユーザは、電子ビーム描画装置Aに前処理指示を入力した、とする。次に、受付部2は、前処理指示を受け付ける。
【0239】
次に、第一前処理部31は、具体例1で述べた処理により、2以上の各第一小領域に対する第一密度情報を有する第一密度マップ1504取得する。
【0240】
次に、第二前処理部32は、
図9のフローチャートを用いて説明したように、2以上の各第一小領域の中の図形情報が合致するバイアス条件に対応する微分情報演算式を取得し、当該微分情報演算式に代入する1以上のパラメータを図形情報から取得し、1以上のパラメータを微分情報演算式に代入し、当該微分情報演算式を実行することにより、微分情報を算出する。そして、第二前処理部32は、図形情報ごと、および第一小領域ごとの微分情報を微分情報格納部12に蓄積する。
【0241】
かかる微分情報集合の例は、
図16に示す。
図16において、「ID」「図形識別子」「第一小領域識別子」「第一小領域情報」「微分情報」を有するレコードを、多数有する。なお、
図16の微分情報「d
1」「d
2」「d
3」「d
4」等は、数値である。
【0242】
なお、
図16の微分情報集合は、
図7のフローチャートを用いて説明したように、図形を描画する際に作成される補正量集合(補正マップ)の作成に使用される。つまり、
図10のフローチャートを用いて説明したように、第一前処理部31により作成された第一密度マップ1504と、第二前処理部32が取得した第一小領域ごとの微分情報とを用いて(
図15(c)参照)、
図15(d)に示す第一小領域ごと第二密度情報を取得する。なお、2以上の第一小領域ごと第二密度情報の集合は、第二密度マップである。
【0243】
そして、
図7のフローチャートを用いて説明したように、
図15(d)に示す第一小領域ごと第二密度情報(第二密度マップ)を用いて、図形を描画する際に作成される補正量集合(補正マップ)が作成される。また、補正マップのイメージは、
図15(e)である。さらに、
図7のフローチャートを用いて説明したように、補正マップを用いて、各第二小領域の照射量が決定され、当該照射量に従って、電子ビームが照射される。
【0244】
以上、微分情報集合を事前に用意しておくことにより、電子ビームによる図形の描画が非常に速くなる。
【0245】
以上、本実施の形態によれば、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できる。
【0246】
なお、本実施の形態において、第一密度マップを作成する装置を電子ビーム描画装置とは異なる装置として構成しても良い。かかる場合の装置である密度集合の生産装置Bのブロック図を
図17に示す。
【0247】
密度集合の生産装置Bは、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部21と、図形情報が特定する領域である図形領域を分割した2以上の各第一小領域ごとに、2以上の各第一小領域の中に、図形情報が示す図形が含まれる面積に基づく第一密度情報を取得し、第一密度情報の集合である第一密度集合を、1以上の図形情報ごとに取得し、蓄積する第一前処理部31とを具備する。
【0248】
また、本実施の形態において、微分情報集合を作成する装置を電子ビーム描画装置とは異なる装置として構成しても良い。かかる場合の装置である微分情報集合の生産装置Cのブロック図を
図18に示す。
【0249】
微分情報集合の生産装置Cは、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部21と、1以上の各図形情報ごと、および2以上の各第一小領域ごとに、バイアスの単位量に対する面積の変動を特定する微分情報を算出し、蓄積する第二前処理部32を具備する。
【0250】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における電子ビーム描画装置Aを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、前記図形情報が示す図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合であり、前記2以上の各第一小領域ごとの第一密度情報の集合である第一密度集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部にアクセス可能なコンピュータを、1以上の図形情報を受け付ける図形情報受付部と、前記図形情報受付部が受け付けた1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を前記密度集合格納部から取得する密度集合取得部と、前記1以上の各図形情報ごとの前記1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、前記補正量取得部が取得した2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、前記2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、前記照射量取得部が取得した前記2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、前記2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部として機能させるためのプログラムである。
【0251】
また、
図19は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の電子ビーム描画装置Aを実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図19は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図20は、システム300のブロック図である。
【0252】
図19において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0253】
図20において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0254】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の電子ビーム描画装置Aの機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0255】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の電子ビーム描画装置Aの機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0256】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0257】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0258】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0259】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0260】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0261】
以上のように、本発明にかかる電子ビーム描画装置は、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できるという効果を有し、電子ビーム描画装置等として有用である。
【符号の説明】
【0262】
1 格納部
11 密度集合格納部
2 受付部
3 処理部
4 出力部
11 密度集合格納部
12 微分情報格納部
21 図形情報受付部
22 バイアス量受付部
31 第一前処理部
32 第二前処理部
33 密度集合取得部
34 補正量取得部
35 照射量取得部
36 描画部
331 密度集合読出手段
332 面積変動情報取得手段
【要約】
【課題】従来、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できなかった。
【解決手段】図形情報が特定する図形領域を分割した2以上の各第一小領域の中に、図形が含まれる面積に応じた第一密度情報の集合が、1以上の各図形情報ごとに格納される密度集合格納部と、1以上の各図形情報に対応する第一密度集合を密度集合格納部から取得する密度集合取得部33と、1以上の各図形情報ごとの1以上の第一密度集合に応じた補正量であり、2以上の各第二小領域の補正量を取得する補正量取得部と、当該2以上の各第二小領域の補正量に応じた強さの電子ビームの照射量を、2以上の第二小領域ごとに取得する照射量取得部と、当該2以上の第二小領域ごとの照射量に従って、2以上の各第二小領域に電子ビームを照射する描画部とを具備する電子ビーム描画装置により、電子ビームを用いて図形を描画する際の適切な照射量を高速に取得できる。
【選択図】
図1