(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】包装袋体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/60 20060101AFI20220826BHJP
B65D 33/36 20060101ALI20220826BHJP
【FI】
B65D75/60
B65D33/36
(21)【出願番号】P 2018142141
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】508329302
【氏名又は名称】株式会社コマック
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】内木 雄也
(72)【発明者】
【氏名】堀内 省吾
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-169991(JP,A)
【文献】特開2010-143609(JP,A)
【文献】特開2018-083652(JP,A)
【文献】米国特許第04890744(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/60
B65D 33/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂氏100度~145度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときに、そのシール強度を高くするように構成されたフィルムを用いて三方シール包装によって生成された被包装物を液体ないしは流動性の低い流体とする包装袋体であって、
この包装袋体の一辺に沿うようにして前記低温度帯において形成された第一のヒートシール部と、
前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一のヒートシール部に連続するようにして前記高温度帯において形成された第二のヒートシール部とを備えると共に、
前記第二のヒートシール部における前記第一のヒートシール部に連続する端末側を拡幅として、前記第一のヒートシール部の形成範囲内において、二カ所の前記第二のヒートシール部間の距離が狭くなるようにしてなる、包装袋体。
【請求項2】
前記第一のヒートシール部を、ジグザグ状又は蛇行状をなすように形成させて、前記第一のヒートシール部の外縁であって包装袋体の内側にもっとも入り込んだ箇所が、前記第一のヒートシール部の内縁であって包装袋体の外側にもっとも入り込んだ箇所よりも、包装袋体の内側に位置されるようにしてなる、請求項1に記載の包装袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、三方シール包装により連続的に生成されると共に、被包装物を液体ないしは流動性の低い流体としてなる包装袋体の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
三方シール包装によって生成される包装袋体は、搬送途中から二つ折りにされるフィルムの折った側と反対の側に搬送方向に沿った第一のヒートシール部を連続的に形成させて前記フィルムをいわば筒状にした状態から、前記搬送方向に交叉する方向に沿った第二のヒートシール部を間欠的に形成させることで、連続的に生成される。被包装物は、先順位で施される第二のヒートシール部を充填底として前記筒状になった前記フィルム内に送り込まれる。先順位で施される第二のヒートシール部と次順位で施される第二のヒートシール部との間が一袋の包装袋体となる。なお、前記フィルムの折った側にも搬送方向に沿ったヒートシール部が形成される場合もあり、この場合は三方シール包装でありながら、生成される包装袋体の外観は四方シール包装によって生成されたものと同じ様子となる。
【0003】
このように生成される包装袋体の被包装物(内容物)の取り出しを容易にするために、包装袋体の隅部に、この隅部を開口とするための破線もしくは切り込みを施したものとして、特許文献1に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、三方シール包装により連続的に生成されると共に、被包装物を液体ないしは流動性の低い流体としてなる包装袋体に、前記被包装物を注出させるための開封操作を容易化する構造を、包装袋体に別途破線や切り込みを施すことなく、適切に付与できるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、包装袋体を、摂氏100度~145度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときに、そのシール強度を高くするように構成されたフィルムを用いて三方シール包装によって生成された被包装物を液体ないしは流動性の低い流体とする包装袋体であって、
この包装袋体の一辺に沿うようにして前記低温度帯において形成された第一のヒートシール部と、
前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一のヒートシール部に連続するようにして前記高温度帯において形成された第二のヒートシール部とを備えると共に、
前記第一のヒートシール部の形成範囲内において、二カ所の前記第二のヒートシール部間の距離が狭まるように、前記第二のヒートシール部を形成させてなる、ものとした。
【0007】
包装袋体の中央側を把持して、典型的には二本の指で挟んで、押圧すると、被包装物を介して包装袋体の表面と裏面とを引き離す向きの力が第一のヒートシール部に作用する。第一のヒートシール部は第二のヒートシール部に比べシール強度が低く、加えて、前記第二のヒートシール部は、前記第一のヒートシール部の形成範囲内において、二カ所の第二のヒートシール部間の距離が狭まるように形成されていることから、前記引き離す向きの力は第一のヒートシール部における二カ所の第二のヒートシール部間に位置される領域に集中し、前記押圧力を過大に作用させなくてもこの領域において第一のヒートシール部を破壊して包装袋体の表面と裏面とを分離することができる。これにより、前記領域から被包装物を容易に注出させることができる。前記領域は、第一のヒートシール部の一部であることから、注ぎ口的な機能を持ち、被包装物を不規則に漏れさせることなく所望の方向に向けて送り出す。
【0008】
前記第一のヒートシール部を、ジグザグ状又は蛇行状をなすように形成させて、前記第一のヒートシール部の外縁であって包装袋体の内側にもっとも入り込んだ箇所が、前記第一のヒートシール部の内縁であって包装袋体の外側にもっとも入り込んだ箇所よりも、包装袋体の内側に位置されるようにしておくことが、この発明の態様の一つとされる。
【0009】
このようにした場合、前記包装袋体の押圧したときに、第一のヒートシール部における二カ所の第二のヒートシール部間に位置される領域における、前記第一のヒートシール部の外縁であって包装袋体の内側にもっとも入り込んだ箇所が破壊さえされれば、被包装物を注出させることができ、被包装物の注出がより容易となる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、三方シール包装により連続的に生成されると共に、被包装物を液体ないしは流動性の低い流体としてなる包装袋体に、前記被包装物を注出させるための開封操作を容易化する構造を、包装袋体に別途破線や切り込みを施すことなく、適切に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第一例)の正面図であり、一袋づつに分けられていない状態として示している。
【
図4】
図4は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第二例)の正面図である。
【
図5】
図5は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第三例)の正面図である。
【
図6】
図6は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第四例)の正面図であり、一袋づつに分けられていない状態として示している。
【
図9】
図9は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第五例)の正面図である。
【
図10】
図10は、この発明の一実施の形態にかかる包装袋体(第六例)の正面図である。
【
図11】
図11は、前記第一例を生成する三方シール包装機の要部斜視図である。
【
図12】
図12は、前記三方シール包装機を構成する縦シールロールの正面構成図である。
【
図13】
図13は、前記三方シール包装機を構成する横シールロールの正面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1~
図13に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について説明する。この実施の形態にかかる包装袋体Pは、三方シール包装により連続的に生成されるものである。また、かかる包装袋体Pは、摂氏100度~145度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときに、そのシール強度を高くするように構成されたフィルムFを用いて生成されるものである。また、かかる包装袋体Pは、被包装物Mを液体(醤油などの液体調味料やラーメンスープなど)ないしは流動性の低い流体(練りからし、味噌、ゲル状体、流動物、流動食など)とするものである。
【0013】
具体的には、包装袋体Pは、搬送途中から二つ折りにされるフィルムFの折った側Faと反対の側に搬送方向xに沿った第一のヒートシール部1を連続的に形成させて前記フィルムFをいわば筒状にした状態から、前記搬送方向xに交叉する方向に沿った第二のヒートシール部2を間欠的に形成させることで、連続的に生成される。被包装物Mは、先順位で施される第二のヒートシール部2を充填底として前記筒状になった前記フィルムF内に送り込まれる。先順位で施される第二のヒートシール部2と次順位で施される第二のヒートシール部2との間が一袋の包装袋体Pとなる。
【0014】
また、かかる包装袋体Pを構成するフィルムFは、凝集破壊、または、界面剥離もしくは層間剥離可能にヒートシールされるシーラント層(図示は省略する。)を有するものとなっている。
【0015】
また、包装袋体Pは、四辺を備えた略長方形の両面(表面Paと裏面Pb)をそれぞれ持つ。この包装袋体Pの一辺に沿うようにして前記低温度帯において第一のヒートシール部1が形成されている。
【0016】
また、前記一辺に隣り合う二箇所の辺にそれぞれこの辺に沿って前記第一のヒートシール部1に連続するようにして前記高温度帯において第二のヒートシール部2が形成されている。
【0017】
図示の例では、前記第一のヒートシール部1は、前記一辺との間に非シール部3を残すようにして形成されている。図示の例では、フィルムFの折った側FaFaと反対の側において、フィルム縁部Fbとの間に間隔を開けて第一のヒートシール部1を形成させることにより、この非シール部3を形成させるようにしている。
【0018】
第一のヒートシール部1の形成側の辺に対向する辺が前記フィルムFの折った側Faとなる。第二のヒートシール部2は、第一のヒートシール部1の形成側の辺に隣り合う二辺に沿ってそれぞれ、この第一のヒートシール部1と前記対向する辺とに亘るようにして形成されている。
【0019】
この実施の形態にあっては、包装袋体Pを構成するフィルムFを、摂氏100度~145度の低温度帯でヒートシールをしたときのシール強度よりも、これよりも高温の高温度帯でヒートシールしたときにそのシール強度を高くするものとしている。
【0020】
第一のヒートシール部1のシール強度(ヒートシール強さ、剥離強度)は、易開封性を考慮すると1N/15mm~7N/15mmの範囲、好ましくは4N/15mm~6N/15mmの範囲としておくことが好ましい。第二のヒートシール部2のシール強度はこれより高く、典型的には10N/15mm以上としておくことが好ましい。かかるシール強度は、JIS規格番号Z1707:1997に基づく。このシール強度は、上下二枚の平板シーラー間にシーラント層を向き合わせて二枚のフィルムFを、2.0kg/cm2の圧力で1秒間挟み込むんで形成されたヒートシール部を15mm幅の短冊状の試験片とし、この試験片を構成する二枚のフィルムFの剥離が生じたときの力の大きさである。かかる二枚の平板シーラーの下側の平板シーラーは摂氏80度に保ち、上側の平板シーラーの温度を変化させて所定温度毎に試験片を生成させることで、前記条件を満たすフィルムFを選定することが可能とされる。前記低温度帯および高温度帯の範囲がこの種のヒートシールにおいて実用上利用される温度範囲にあると共に、その範囲が一定の幅を持つフィルムFを利用することで、前記の機能を備えた包装袋体Pを安定的に生成させることができる。このようなフィルムFとしては、前記シーラント層を、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとポリブテンを混ぜたもの、又は、ポリエチレンを主成分としてこれにエチレン・プロピレンコポリマーとブテン・α-オレフィンコポリマーを混ぜたものが利用できることが分かった。
【0021】
前記第二のヒートシール部2は、前記第一のヒートシール部1の形成範囲外では二カ所の前記第二のヒートシール部2間の距離を広くするが、前記第一のヒートシール部1の形成範囲内においては、二カ所の前記第二のヒートシール部2間の距離が狭くなるように、形成されている。
【0022】
図1及び
図2に示される第一例では、第二のヒートシール部2は、第一のヒートシール部1に連続する端末2b(第一のヒートシールに重なり合う端末2b)側に、包装袋体Pの内側(包装袋体の内方、つまり、被包装物Mの充填空間側)に向けて突き出す痕部2aを持ち、この痕部2aによって前記第一のヒートシール部1の形成範囲内において、二カ所の前記第二のヒートシール部2間の距離が狭まるようにしている。
【0023】
具体的には、第一例では、第二のヒートシール部2は、フィルムFの折った側Faから、第一のヒートシール部1の内縁1aの近傍までの箇所2cをフィルムFの搬送方向xに直交する向きに続く帯状で、かつ、細幅とすると共に、この箇所2cと第一のヒートシール部1の範囲内に位置される前記端末2bとの間を前記痕部2aによって拡幅としている。
【0024】
第一例では、前記痕部2aは、第一のヒートシール部1の範囲内に位置される外側輪郭線2dをフィルムFの搬送方向xに沿わせると共に、第一のヒートシール部1の内縁1aよりも包装袋体Pの中央側に位置される内側輪郭線2eを第一のヒートシール部1側に近づくに連れて痕部2aの幅(痕部2aの
図2における左右方向の寸法)を漸減させるように傾斜させ、外側輪郭線2dと内側輪郭線2eとの間にフィルムFの搬送方向xに直交する頂部輪郭線2fを持った態様となっている。
図2において、下方に位置される第二のヒートシール部2の痕部2aの頂部輪郭線2fと上方に位置される第二のヒートシール部2との間において、二カ所の前記第二のヒートシール部2間の距離が最小化されている。
【0025】
第二のヒートシール部2は、後述の包装装置4の横シールロール6によって形成される。連続的に生成される包装袋体Pは、第二のヒートシール部2の範囲内においてフィルムFの搬送方向xに直交する向きの仮想の線分L(
図1参照)に沿って切り分けられ、あるいは、この仮想の線分Lに沿って形成されるミシン目によって切り分け可能にされ、先順位で施される第二のヒートシール部2における前記仮想の線分Lの上側が二カ所の第二のヒートシール部2の一方となり、後順位で施される第二のヒートシール部2における前記仮想の線分Lの下側が二カ所の第二のヒートシール部2の他方となる。
【0026】
包装袋体Pの中央側を把持して、典型的には二本の指で挟んで、押圧すると、被包装物Mを介して包装袋体Pの表面Paと裏面Pbとを引き離す向きの力が第一のヒートシール部1に作用する。第一のヒートシール部1は第二のヒートシール部2に比べシール強度が低く、加えて、前記第二のヒートシール部2は、前記第一のヒートシール部1の形成範囲内において、二カ所の第二のヒートシール部2間の距離が狭まるように形成されていることから、前記引き離す向きの力は第一のヒートシール部1における二カ所の第二のヒートシール部2間に位置される領域(前記二カ所の第二のヒートシール部2の一方の痕部2aの頂部輪郭線2fとこれに対向する第二のヒートシール部2の他方との間)に集中し、前記押圧力を過大に作用させなくてもこの領域において第一のヒートシール部1を破壊して包装袋体Pの表面と裏面とを分離することができる。これにより、前記領域から被包装物Mを容易に注出させることができる。前記領域は、第一のヒートシール部1の一部であることから、注ぎ口的な機能を持ち、被包装物Mを不規則に漏れさせることなく所望の方向に向けて送り出す。
【0027】
図4は、前記第一例よりもフィルムFの搬送方向xに直交する向きの前記痕部2aの幅を広くした第二例を示している。
【0028】
図5は、前記痕部2aの内側輪郭線2eを、前記外側輪郭線2dと同様に、フィルムFの搬送方向xに沿うようにして前記痕部2aを形成させた第三例を示している。
【0029】
図6~
図8は、前記第一のヒートシール部1を、ジグザグ状又は蛇行状をなすように形成させて、前記第一のヒートシール部1の外縁1dであって包装袋体Pの内側にもっとも入り込んだ箇所1eが、前記第一のヒートシール部1の内縁1aであって包装袋体Pの外側にもっとも入り込んだ箇所1bよりも、包装袋体の内側に位置されるようにした第四例を示している(箇所1bと箇所1e間の距離を
図8において符号zで示す。)。この第四例では、第二のヒートシール部2の端末2bは第一のヒートシール部1の外縁1dとフィルム縁部Fbとの間に位置するようになっている。
【0030】
このようにした場合、前記包装袋体Pの押圧したときに、第一のヒートシール部1における二カ所の第二のヒートシール部2間に位置される領域における、前記第一のヒートシール部1の外縁1dであって包装袋体Pの内側にもっとも入り込んだ箇所1eが破壊さえされれば、被包装物Mを注出させることができ、被包装物Mの注出がより容易となる。
【0031】
図示の例では、前記第一のヒートシール部1の外縁1dであって包装袋体Pの内側にもっとも入り込んだ箇所1eは弧状輪郭線1fによって形成されているが、この箇所1eの前方に位置される前記第一のヒートシール部1の内縁1aは、この箇所1eを通るフィルムFの搬送方向xに直交する仮想の線分y上に頂部を形成させた尖った山状輪郭線1cによって形成されている。これにより、この例にあっては、包装袋体Pを前記のように押圧したときに、山状輪郭線1cの頂部から第一のヒートシール部1を破壊しやすく、この頂部の破壊をきっかけに前記箇所1eがよりスムースに破壊されるようになっている。
【0032】
図9は、前記第四例よりもフィルムFの搬送方向xに直交する向きの前記痕部2aの幅を広くした第五例を示している。
【0033】
図10は、前記痕部2aの内側輪郭線2eを、前記外側輪郭線2dと同様に、フィルムFの搬送方向xに沿うようにして前記痕部2aを形成させた第六例を示している。
【0034】
なお、以上に説明した第一例~第六例では、二カ所の第二のヒートシール部2の一方のみ前記痕部2aを有するものとしたが、二カ所の第二のヒートシール部2の双方が前記痕部2aを有するようにして、これにより、前記第一のヒートシール部1の形成範囲内において、二カ所の前記第二のヒートシール部2間の距離が狭まるようにしてあっても良い。
【0035】
また、図示の例では、第一のヒートシール部1は、いわゆるベタシールとなっているが、微細な凹凸によって碁盤目状を呈するなど、必要に応じてベタシール以外の態様としても構わない。また、図示の例では、第二のヒートシール部2も、いわゆるベタシールとなっているが、第二のヒートシール部2内に搬送方向xに直交する向きのすじ目を形成させるなど、必要に応じてベタシール以外の態様としても構わない。
【0036】
図11~
図13に、前記第一例の包装袋体Pを生成する包装装置4(三方シール包装機)の一例の要部を示す。図中、符号5は前記第一のヒートシール部1を形成させるための縦シールロールであり、符号6は前記第二のヒートシール部2を形成させるための横シールロールである。縦シールロール5および横シールロール6はそれぞれ一対づつあって、内蔵される図示しない加熱手段により所定の温度に加熱されるようになっていると共に、フィルムFの搬送方向xにその回転軸線を直交させるようにして配置される。フィルムFはロール状に巻き取られた状態で用意され、そこから引き出されて一対の縦シールロール5、5間に先ず送り込まれ、次いで一対の横シールロール6、6間に送り込まれる。一対の縦シールロール5、5はそれぞれ、フィルムFを間にして突き合わされる第一のヒートシール部1を形成させる周回フランジ5a(縦シールロール5の回転軸線を巡る向きの外鍔)を備えており、これによりフィルムFに前記第一のヒートシール部1が形成される。また、一対の横シールロール6、6にはそれぞれ、その回転軸線に沿った向きに続く突出部6aが形成されており、一方の横シールロール6の突出部6aと他方の横シールロール6の突出部6aがフィルムFを間にして突き合わされるようになっている。これによりフィルムFに前記第二のヒートシール部2が形成される。図中、符号7は引き出されたフィルムFを内側に通してこれを二つ折りにするガイド手段である。また、図中、符号8は前記被包装物Mの充填管である。この充填管8は一対の縦シールロール5、5の間を通じて筒状にされたフィルムF内に吐出口を位置させるように配される。
【0037】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【符号の説明】
【0038】
P 包装袋体
1 第一のヒートシール部
2 第二のヒートシール部