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特許7129698包装用ストレッチフィルム及びその製造方法並びに包装用ストレッチフィルムの巻体とその巻き取り製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】包装用ストレッチフィルム及びその製造方法並びに包装用ストレッチフィルムの巻体とその巻き取り製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/40 20060101AFI20220826BHJP
   B32B 7/035 20190101ALI20220826BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B32B7/035
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2018197831
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2019151403
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2017229516
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018038189
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成29年10月24日~11月8日司化成工業株式会社において開催された新商品展示会で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591048483
【氏名又は名称】司化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健一
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204587660(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0178278(US,A1)
【文献】米国特許第08637134(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0123721(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02826624(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0269466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/00-65/46
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製で無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、
前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が、当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されていると共に、
当該包装用ストレッチフィルムを形成する前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【請求項2】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている請求項1記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項3】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている請求項1記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項4】
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項5】
合成樹脂製で無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、
前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向の一部に形成されていると共に、
当該包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【請求項6】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている請求項5記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項7】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている請求項5記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項8】
前記着色部は、前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項9】
前記第三の包装用ストレッチフィルムは白色を呈する請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項10】
合成樹脂製で無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムが積層され、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間が部分的に溶着されていることで前記第四の包装用ストレッチフィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルムであって、
当該包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【請求項11】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている請求項10記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項12】
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている請求項10記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項13】
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている請求項10乃至12のいずれか一項に記載の包装用ストレッチフィルム。
【請求項14】
合成樹脂製で無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第二の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法
【請求項15】
合成樹脂製で無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法
【請求項16】
合成樹脂製で無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層する工程、
引き続いて前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間を部分的に溶着する工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って、前記横手方向に直交している長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数成形する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法
【請求項17】
包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれてなる包装用ストレッチフィルムの巻体であって、
請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の包装用ストレッチフィルムが、
積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している空気層が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数存在している
包装用ストレッチフィルムの巻体
【請求項18】
前記空気層は、前記包装用ストレッチフィルムが、その長手方向に連続して、あるいは、前記長手方向に断続的に、肉厚の異なる部分を、前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数備えていることで形成されている請求項17記載の包装用ストレッチフィルムの巻体
【請求項19】
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
合成樹脂製で無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第二の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項20】
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
合成樹脂製で無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、合成樹脂製で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項21】
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
合成樹脂製で無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層する工程、
引き続いて前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間を部分的に溶着する工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って、前記横手方向に直交している長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数成形する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項22】
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している凹凸部を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成するものである
請求項19に記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項23】
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記第一、第二包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対してエンボス加工を施すことで形成する
請求項19に記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項24】
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して所定形状の押型を押圧することで形成する
請求項19に記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項25】
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して部分的な延伸加工を施すことで形成する
請求項19に記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項26】
前記部分的な延伸加工は、
それぞれ外周突条部と外周溝条部とを中心軸が伸びる方向で交互に備えていて前記中心軸を中心にして回動する一対の円筒状延伸ローラが、一方の前記円筒状延伸ローラの前記外周突条部が、他方の前記円筒状延伸ローラの前記外周溝条部に噛みあう構造で配置されてなる延伸ローラに対して、
前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が前記長手方向で挿通されることで行われる
請求項25記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【請求項27】
前記一対の円筒状延伸ローラは、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が長手方向に挿通していく方向において、上流側と、下流側とに配置され、下流側の前記円筒状延伸ローラの方が、上流側の前記円筒状延伸ローラよりも高い周速度で回転する
請求項26記載の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、包装用ストレッチフィルムに関する。特に、識別用の色を備えていることにより、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に、いかなる物品が梱包、包装されているのかを識別することが容易になる包装用ストレッチフィルムとその製造方法に関する。また。このような包装用ストレッチフィルムの巻体で、使用時に、巻体から簡単に剥がして引き出すことができる包装用ストレッチフィルムの巻体とその巻き取り製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品などの搬送時の荷崩れ防止や、型崩れ防止、あるいは物品などの保護や、防水などの目的で、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する包装用ストレッチフィルムが従来から知られている(特許文献1)。
【0003】
包装用ストレッチフィルムは、合成樹脂を6~30μm程度の厚み(肉厚)に製膜化した長尺フィルムである。肉厚6~30μm程度の極薄で、長尺になる長手方向の長さが300m~500m程度、長手方向に直交する方向である横手方向の大きさ、すなわち、幅が300mm~500mm程度であるのが一般的である。
【0004】
製造方法には、ブロー成型(インフレーション成膜法)、Tダイ成型(キャストフィルム成型)などが使用される。また、これらの方法で製膜したフィルムを二次加工で延伸させ、薄肉化、強靭化させたフィルムであるプレストレッチ加工フィルムとする製法もある。
【0005】
このような長尺フィルムが図1図2図示のように、筒状の巻芯2に巻き付けられて包装用ストレッチフィルムの巻体1として市場に提供されている。筒状の巻芯としては中空で筒状の紙管やプラスチック管などが採用され、その外径の大きさは一般的に50~75mm程度である。筒状の巻芯2に巻き付けた包装用ストレッチフィルムの巻体1の巻層3の厚さは、通常、最小でも10mm程度になる。
【0006】
図2図示のように、包装用ストレッチフィルムの巻体1から包装用ストレッチフィルム4を剥がし、引き出して使用する際には、長手方向における先端側5を固定的につかんで、テンションをかけて伸ばしながら(延伸しながら)引き出して物品に巻きつけていく。包装用ストレッチフィルムの表面は粘着性があり、テンションをかけながら巻き付けていくことにより物品が固定される。テンションをかけて伸ばしながら(延伸しながら)物品等に巻きつけることで物品等の外周に積層される包装用ストレッチフィルムの粘着性(物品等には粘着しない)により、ばらけず、伸ばした分、その残存張力で、荷崩れ防止、等の機能を発揮できる。
【0007】
本願出願人も、巻芯の無い包装用ストレッチフィルムの巻体とその製造方法を提案したことがある(特許文献2、3)。保管中の収縮変形や輸送時や取扱い時の変形を無くし、また、嵩張らずに輸送コストを筒状の巻芯に巻き付けられている形態の包装用ストレッチフィルム巻体と同等に抑えることを目的にしたものであった。
【0008】
包装用ストレッチフィルムの巻体は、作業者が手でフィルムを持って延伸しながら物品などに巻きつける手巻き作業での使用や、ストレッチ包装機などの機械によって延伸しながら物品などに巻きつける機械巻き作業での使用に供される。
【0009】
手巻き作業に供される包装用ストレッチフィルムの巻体は、肉厚6~25μm、幅300mm~500mm程度の長尺フィルムであることが一般的である。
【0010】
機械巻き作業に供される包装用ストレッチフィルムの巻体は、巻き付けながら大きくは延伸させないコンベンショナルタイプの場合、肉厚12~20μm、幅500mm程度の長尺フィルム、巻き付ける前に大きく延伸させるプレストレッチタイプの場合、肉厚20~30μm、幅500mm程度の長尺フィルムであることが一般的である。
【0011】
荷物を包装、等する資材としてはPPバンド、PE-テープなどが従来から使われている。これらの包装資材はそれぞれ赤色、青色、黄色、等に彩色されているのが一般的である。それぞれ色が異なるPPバンド、PE-テープを、梱包、包装する荷物ごとに区別して使用することで、赤色のバンドで梱包・包装されている荷物、青色のバンドで梱包・包装されている荷物、等々、梱包・包装に使用されているバンド、テープの色によって荷物の仕分け、管理を行うことが可能になる。
【0012】
そこで、赤色、青色、黄色、等複数の標準色に彩色されている梱包・包装用のPPバンド、PE-テープなどを用いて、工場、生産、物量の仕分け、ロット管理などが行われている。
【0013】
一方、包装用ストレッチフィルムは上述したように物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する際に使用され、しかも、物品に何回も巻きつけられて、何重にも積層される。そこで、包装用ストレッチフィルムの全体に彩色を施しているものは、従来、使用されないのが一般的であった。梱包、包装された物品が見えなくなるおそれがあるからである。
【0014】
また、そもそも、包装用ストレッチフィルムは上述したように肉薄であることから着色剤、顔料などを用いて彩色を施すことが困難であった。粉体の着色剤、顔料は凝集する性質があり、分散剤を添加する必要があるが、薄い層に添加するとピンホールができて、成形時にフィルムが切れてしまうおそれがある。このため、着色剤や、顔料を混入して彩色しようとすると、フィルムが厚くなってしまうという問題がある。
【0015】
また、薄肉フィルムを彩色するときの押出機と金型内で、内部の顔料を完全に抜き去るには大量の主原料で置換することが必要で、そのため時間、歩留りロスが大きく、ストレッチフィルムの生産としては、大きな問題がある。
【0016】
一般的な装置は透明2~4m幅で成型するため一部の面に色のラインがでるとすべてスクラップとなり、大量のロスとなる。
【0017】
これらの問題から、従来、包装用ストレッチフィルムは全体が無職透明であるのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】実開昭63-123563号公報
【文献】特開2004-131169号公報
【文献】特開2004-137073号公報
【文献】特開平3-226414号公報
【非特許文献】
【0019】
【文献】「手結束材、手で結ぶソフトロープを考える」(鈴木健一)「包装技術 JPI Journal 2016年4月 公益社団法人日本包装技術協会 50頁~55頁」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
包装用ストレッチフィルムは、主原料として使用される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)の技術開発、等と、伸びやすく、成型性に優れていることなどから、ここ20~25年の間に一気に汎用化された。
【0021】
更に、LLDPE樹脂は、メタロセン触媒の開発により、m-LLDPEとも呼ばれる、更なる特徴を持った樹脂としてこの技術分野で使用されるようになり、包装用ストレッチフィルムが市場で多く使用されるようになっている。
【0022】
上述したように、従来、包装用ストレッチフィルムは全体が無職透明であるのが一般的であったが、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装するように使用される際に、識別に使用する目印としての色を備えているようになれば、工場、生産、物量の仕分け、ロット管理などを容易に行うことができるようになるので便利である。
【0023】
また、包装用ストレッチフィルムは、非常に伸びやすい延伸性、優れた強靭性(強度性)、裂けづらい性質(優れた引き裂き強度、パンクチャ―強度)を有していることから、その薄肉化が進んでいる。
【0024】
特に、急激に使用量が増加したことから産業廃棄物としての処理の問題や、環境対策、更には、製造コストの観点などから近年では薄肉化が一層進んでいる。
【0025】
一方、フィルムの薄肉化が進むと、ストレッチフィルムは粘着性を有するため剥がしにくく、剥がして引き出すことが難しくなる。
【0026】
また、フィルムの薄肉化によって剥がれづらいだけでなく、筒状の巻芯2に巻き付けたロール状の包装用ストレッチフィルムの巻体の側縁部の傷、ダメージなどにより、引き出して使用する際に破断しやすくなる。
【0027】
また、筒状の巻き芯に巻きつけたロール状の包装用ストレッチフィルムの巻体の場合、中心となる巻き芯の径(50~75mm程度)に比較して、幅が300mm~500mmと大きいので、フィルムの薄肉化が進むと、完全に引き出すのに時間を要するようになる。
【0028】
そこで、この発明は、識別用の色を備えていることにより、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に、いかなる物品が梱包、包装されているのかを識別することが容易になる包装用ストレッチフィルムを提供することを目的にしている。
【0029】
また、このような包装用ストレッチフィルムの巻体で、使用時に、巻体から簡単に剥がして引き出すことができる包装用ストレッチフィルムの巻体とその巻き取り製造方法を提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0030】
[1]
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が、当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルム。
【0031】
[2]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[1]の包装用ストレッチフィルム。
【0032】
[3]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[1]の包装用ストレッチフィルム。
【0033】
[4]
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[1]乃至[3]のいずれかに記載の包装用ストレッチフィルム。
【0034】
[5]
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、
前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルム。
【0035】
[6]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[5]の包装用ストレッチフィルム。
【0036】
[7]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[5]の包装用ストレッチフィルム。
【0037】
[8]
前記着色部は、前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[5]乃至[7]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0038】
[9]
前記第三の包装用ストレッチフィルムは白色を呈する[5]乃至[8]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0039】
[10]
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムが積層され、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間が部分的に溶着されていることで前記第四の包装用ストレッチフィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルム。
【0040】
[11]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[10]の包装用ストレッチフィルム。
【0041】
[12]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[10]の包装用ストレッチフィルム。
【0042】
[13]
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[10]乃至[12]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0043】
[14]
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、
前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が、当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されていると共に、
当該包装用ストレッチフィルムを形成する前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【0044】
[15]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[14]の包装用ストレッチフィルム。
【0045】
[16]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[14]の包装用ストレッチフィルム。
【0046】
[17]
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[14]乃至[16]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0047】
[18]
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムであって、
前記色付帯フィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向の一部に形成されていると共に、
当該包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【0048】
[19]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[18]の包装用ストレッチフィルム。
【0049】
[20]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[18]の包装用ストレッチフィルム。
【0050】
[21]
前記着色部は、前記第三の包装用ストレッチフィルムにおける前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[18]乃至[20]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0051】
[22]
前記第三の包装用ストレッチフィルムは白色を呈する[18]乃至[21]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0052】
[23]
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムが積層され、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間が部分的に溶着されていることで前記第四の包装用ストレッチフィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルムであって、
当該包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成されている、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形されている
包装用ストレッチフィルム。
【0053】
[24]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に直線状に伸びている[23]の包装用ストレッチフィルム。
【0054】
[25]
前記着色部は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている[23]の包装用ストレッチフィルム。
【0055】
[26]
前記着色部は、前記横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている[22]乃至[25]のいずれかの包装用ストレッチフィルム。
【0056】
[27]
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第二の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0057】
[28]
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0058】
[29]
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層する工程、
引き続いて前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間を部分的に溶着する工程、
引き続いてロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0059】
[30]
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第二の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0060】
[31]
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0061】
[32]
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層する工程、
引き続いて前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間を部分的に溶着する工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って、前記横手方向に直交している長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数成形する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取る工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの製造方法。
【0062】
[33]
包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれてなる包装用ストレッチフィルムの巻体であって、
[14]乃至[26]のいずれかの包装用ストレッチフィルムが、
積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している空気層が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層が前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数存在している
包装用ストレッチフィルムの巻体。
【0063】
[34]
前記空気層は、前記包装用ストレッチフィルムが、その長手方向に連続して、あるいは、前記長手方向に断続的に、肉厚の異なる部分を、前記包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数備えていることで形成されている[33]の包装用ストレッチフィルムの巻体。
【0064】
[35]
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第二の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0065】
[36]
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記第一、第三の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する延伸工程、
延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0066】
[37]
包装用ストレッチフィルムをロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法であって、
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層する工程、
引き続いて前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間を部分的に溶着する工程、
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って、前記横手方向に直交している長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数成形する延伸工程、
前記延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させる工程
を備えている包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0067】
[38]
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している凹凸部を前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成するものである
[35]乃至[37]のいずれかの包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0068】
[39]
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記第一、第二包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対してエンボス加工を施すことで形成する
[35]乃至[37]のいずれかの包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0069】
[40]
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して所定形状の押型を押圧することで形成する
[35]乃至[37]のいずれかの包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0070】
[41]
前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を、前記第一、第二の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して部分的な延伸加工を施すことで形成する
[35]乃至[37]のいずれかの包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0071】
[42]
前記部分的な延伸加工は、
それぞれ外周突条部と外周溝条部とを中心軸が伸びる方向で交互に備えていて前記中心軸を中心にして回動する一対の円筒状延伸ローラが、一方の前記円筒状延伸ローラの前記外周突条部が、他方の前記円筒状延伸ローラの前記外周溝条部に噛みあう構造で配置されてなる延伸ローラに対して、
前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が前記長手方向で挿通されることで行われる
[41]の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【0072】
[43]
前記一対の円筒状延伸ローラは、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第二の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が長手方向に挿通していく方向において、上流側と、下流側とに配置され、下流側の前記円筒状延伸ローラの方が、上流側の前記円筒状延伸ローラよりも高い周速度で回転する
[41]の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法。
【発明の効果】
【0073】
この発明によれば、識別用の色を備えていることにより、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に、いかなる物品が梱包、包装されているのかを識別することが容易になる包装用ストレッチフィルムを提供することができる。
【0074】
また。このような包装用ストレッチフィルムの巻体で、使用時に、巻体から簡単に剥がして引き出すことができる包装用ストレッチフィルムの巻体とその巻き取り製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】従来の包装用ストレッチフィルムの巻体の一例を説明する正面図。
図2】従来の包装用ストレッチフィルムの巻体からフィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する一部を省略した斜視図。
図3】(a)本発明の一実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図4】(a)本発明の他の一実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図5】(a)本発明の更に他の一実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図6】本発明の一実施形態の包装用ストレッチフィルムを製造する工程を説明する一部を省略した概念図。
図7】(a)本発明の更に他の一実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する一部を省略した斜視図。
図8】(a)本発明の更に他の一実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する一部を省略した斜視図。
図9】本発明の図7図8の実施形態に係る包装用ストレッチフィルムの巻体において、積層されて巻層を形成している包装用ストレッチフィルムの外周(外径)側の構造を説明する一部を省略した概略断面図。
図10】本発明の他の包装用ストレッチフィルムの製造方法の一実施形態及び、本発明の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法の一実施形態の工程を説明する概念図であって(a)は平面図、(b)はこれに対応している側面図。
図11】本発明の他の包装用ストレッチフィルムの製造方法の一実施形態及び、本発明の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法の一実施形態において延伸工程で採用される一対の延伸ロールの一実施形態を一部を省略して説明する図。
図12】(a)、(b)、(c)は、本発明の他の包装用ストレッチフィルムの製造方法の一実施形態及び、本発明の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法の一実施形態において延伸工程がエンボス加工で行われる場合の一対の延伸ロールの一実施形態を一部を省略して説明する図。
図13】(a)、(b)は、本発明の他の包装用ストレッチフィルムの製造方法の一実施形態及び、本発明の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法の一実施形態において延伸工程がエンボスギヤ加工で行われる場合の一対の延伸ロールの一実施形態を一部を省略して説明する図。
図14】(a)本発明の他の施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図15】(a)本発明の他の実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図16】(a)本発明の更に他の実施形態の包装用ストレッチフィルムがロール状に巻かれて巻体になっている一例を説明する正面図、(b)フィルムを剥がして、引き出して使用する状態を説明する正面図。
図17】本発明の他の実施形態の包装用ストレッチフィルムを製造する工程を説明する一部を省略した概念図。
図18】無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から加熱媒体を当てて部分的に有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着することで本発明の包装用ストレッチフィルムを製造する場合における溶着工程を説明する概念図。
図19】部分溶着工程で使用される加熱ローラの構造の一例を説明する概念図。
図20】部分溶着工程を説明する一部を省略した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0076】
(包装用ストレッチフィルムの実施形態1)
図3(a)、(b)は、この実施形態の包装用ストレッチフィルム54を表すものである。
【0077】
極薄(例えば、肉厚6~30μm程度)で、長尺になる長手方向の長さが300m~500m程度、長手方向に直交する方向である横手方向の大きさ、すなわち、幅が300mm~500mm程度の、包装用ストレッチフィルム54が、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、包装用ストレッチフィルムの巻体51が図3(a)に図示されている。
【0078】
この実施形態の包装用ストレッチフィルム54は、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に伸びる着色部52が、長手方向に直交する横手方向の一部に形成されているものである。着色部52以外の部分は、従来の包装用ストレッチフィルムと同じく無色透明である。
【0079】
図3(b)図示のように、長手方向における先端側55を固定的につかんで、包装用ストレッチフィルムの巻体51から包装用ストレッチフィルム54を剥がし、引き出して使用し、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装すると、識別用の着色部52が存在していることにより、いかなる物品が梱包、包装されているのか識別することができる。
【0080】
この際、着色部52は、包装用ストレッチフィルム54の横手方向の一部にしか形成されておらず、着色部52以外の部分は無色透明である。そこで、物品に何回も巻きつけられて、何重にも積層され、当該物品を梱包、包装する場合であっても、着色部52以外の無色透明部分を介して、梱包、包装された物品を外部から視認することができる。
【0081】
図3図示の実施形態では、着色部52は、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に直線状に伸びており、長尺ストレッチフィルム54の横手方向の中央部に形成されている。物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に識別色として利用できればよいので、長尺ストレッチフィルム54の横手方向で、端縁側に着色部52を形成してもよい。
【0082】
図5図示の実施形態では、着色部56は、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に屈曲しながら伸びており、長尺ストレッチフィルム54の横手方向の中央部に形成されている。物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に識別色として利用できればよいので、長尺ストレッチフィルム54の横手方向で、端縁側に着色部56を形成してもよい。
【0083】
図4図示の実施形態では、着色部53a、53bが、長尺ストレッチフィルム54の横手方向において間隔を空けている複数個所(2か所)に形成されている。図4図示の実施形態では包装用ストレッチフィルム54の長手方向に直線状に伸びる着色部53a、53bが形成されている。直線状ではなく、図5図示のように、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に屈曲しながら伸びる2本の着色部が、長尺ストレッチフィルム54の横手方向において間隔を空けている複数個所に形成されている形態にすることもできる。
【0084】
この実施形態の包装用ストレッチフィルム54は、無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムが挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムである。無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に挟み込まれる極薄の色付帯フィルムによって図3、4、5に図示した着色部52、53a、53b、56が形成される。色付帯フィルムの色としては、例えば、赤、青、緑、等、識別色としての機能を発揮できる種々の有色を採用できる。
【0085】
無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムも、第二の包装用ストレッチフィルムも、着色部52、53a、53b、56となる色付帯フィルムも、同材質、例えば、いずれも、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)製や、m-LLDPEと樹脂製など、従来の包装用ストレッチフィルムの製造に使用されているものとすることができる。
【0086】
上述したように、包装用ストレッチフィルム54の幅が300mm~500mm程度であるときに、着色部52、53a、53b、56となる色付帯フィルムの幅は、着色部が包装用ストレッチフィルム54の横手方向の一部に形成されているようにし、また、識別色としての役割を発揮できるように、例えば、横幅80~100mm程度にすることができる。
【0087】
上記に替えて、この実施形態の包装用ストレッチフィルム54は、無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第四の包装用ストレッチフィルムとの間が部分的に溶着されていることで前記第四の包装用ストレッチフィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている形態にして製造することもできる。前記において、第一の包装用ストレッチフィルムへの第四の包装用ストレッチフィルムの積層は、例えば、第一の包装用ストレッチフィルムに第四の包装用ストレッチフィルムを貼り合わせる形態にすることができる。
【0088】
無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着するものである。この部分的な溶着は、横方向において部分的に行うことで、延伸させて使用するときにはがれない程度に部分溶着するものである。
【0089】
例えば、有色の第四の包装用ストレッチフィルムの横方向サイズ(幅)が50mmの場合、約5mm幅を溶融させ、長手方向で連続的に融着させるものである。
【0090】
(包装用ストレッチフィルムの実施形態2)
図14(a)、(b)は、この実施形態の包装用ストレッチフィルム154を表すものである。
【0091】
極薄(例えば、肉厚6~30μm程度)で、長尺になる長手方向の長さが300m~500m程度、長手方向に直交する方向である横手方向の大きさ、すなわち、幅が300mm~500mm程度の、包装用ストレッチフィルム154が、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、包装用ストレッチフィルムの巻体151が図示されている。
【0092】
この実施形態の包装用ストレッチフィルム154は、包装用ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第一の着色部153が、包装用ストレッチフィルム154の長手方向に直交する横手方向の一部に形成されているとともに、包装用ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第二の着色部152が、包装用ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第一の着色部153の長手方向に直交する横手方向の一部に形成されているものである。
【0093】
第二の着色部152の色は、第一の着色部153の色とは異なる色になっている。例えば、第一の着色部153の色は白色、第二の着色部152の色は赤色である。これによって色のコントラストを良くすることができる。第一の着色部153及び第二の着色部152以外の部分は、従来の包装用ストレッチフィルムと同じく無色透明である。
【0094】
図14(b)図示のように、長手方向における先端側55を固定的につかんで、包装用ストレッチフィルムの巻体151から包装用ストレッチフィルム154を剥がし、引き出して使用し、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装すると、識別用の第一の着色部153と、第二の着色部152とが存在していることにより、いかなる物品が梱包、包装されているのか識別することができる。
【0095】
この際、第二の着色部152は、第一の着色部153の横手方向の一部にしか形成されておらず、なおかつ、第一の着色部153は、包装用ストレッチフィルム54の横手方向の一部にしか形成されていない。そして、第一の着色部153及び第二の着色部152以外の部分は無色透明である。そこで、物品に何回も巻きつけられて、何重にも積層され、当該物品を梱包、包装する場合であっても、第一の着色部153及び第二の着色部152以外の無色透明部分を介して、梱包、包装された物品を外部から視認することができる。
【0096】
また、第二の着色部152の色が、第一の着色部153の色とは異なる色になっている、例えば、第一の着色部153の色は白色で、第二の着色部152の色が赤色である。これにより、第一の着色部153の横手方向の一部に形成されている第二の着色部152の色を明確に視認することができる。
【0097】
そこで、第二の着色部152の色によって、包装用ストレッチフィルム154が巻き付けられて梱包されている物品の識別を行うことがより容易になる。
【0098】
図14図示の実施形態では、横手方向の一部に第二の着色部152が形成されている第一の着色部153は、包装用ストレッチフィルム154の長手方向に直線状に伸びており、長尺ストレッチフィルム154の横手方向の中央部に形成されている。物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装する使用時に識別色として利用できればよいので、横手方向の一部に第二の着色部152が形成されている第一の着色部153は、長尺ストレッチフィルム154の横手方向で、端縁側に形成されるようにしてもよい。
【0099】
また、図示していないが、図4に図示されている着色部53a、53bのように、長手方向に伸びる第二の着色部152が横手方向における一部に形成されている第一の着色部153が、包装用ストレッチフィルム154の横手方向において間隔を空けている複数個所で長手方向に伸びるように形成されている形態にすることもできる。
【0100】
あるいは、図示していないが、図5に図示されている着色部56のように、長手方向に伸びる第二の着色部152が横手方向における一部に形成されている第一の着色部153が、包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている形態にすることもできる。
【0101】
図14図示の実施形態では、第二の着色部152は、包装用ストレッチフィルム154において長手方向に直線状に伸びている第一の着色部153の横手方向における中央部に形成されている。第一の着色部153の色と、第二の着色部152の色とが異なることにより、上述したように、包装用ストレッチフィルム154が物品に巻き付けられて梱包を行った時に、梱包されている物品の識別を行うことを容易ならしめるものであるので、第二の着色部152は、包装用ストレッチフィルム154において長手方向に直線状に伸びている第一の着色部153の横手方向で、端縁側に形成されるようにしてもよい。
【0102】
あるいは、図示していないが、図5に図示されている着色部56のように、第一の着色部153の横手方向における一部において長手方向に伸びている第二の着色部152が、第一の着色部153の横手方向における一部において包装用ストレッチフィルムの長手方向に屈曲しながら伸びている形態にすることもできる。
【0103】
図15図16は、包装用ストレッチフィルム154において長手方向に直線状に伸びている第一の着色部153の横手方向における一部に形成されている第二の着色部152が、図14図示の実施形態とは異なる態様で形成されている例を説明するものである。
【0104】
図15図示の実施形態では、長尺ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第二の着色部153a、153aが、長尺ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第一の着色部153の横手方向において間隔を空けている複数個所(2か所)に形成されている。
【0105】
図16図示の実施形態では、長尺ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第二の着色部156は、長尺ストレッチフィルム154の長手方向に伸びる第一の着色部153の長手方向に屈曲しながら伸びている。
【0106】
この実施形態の包装用ストレッチフィルム154は、無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルム(第一の着色部153を構成するストレッチフィルム)との間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルム(第二の着色部152を構成するストレッチフィルム)が挟み込まれてなる包装用ストレッチフィルムである。前記色付帯フィルム(第二の着色部152を構成するストレッチフィルム)によって形成されている長手方向に伸びる着色部が前記第三の包装用ストレッチフィルム(第一の着色部153を構成するストレッチフィルム)における前記横手方向の一部に形成されている包装用ストレッチフィルムである。
【0107】
無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムも、第三の包装用ストレッチフィルム(第一の着色部153を構成するストレッチフィルム)も、色付帯フィルム(第二の着色部152を構成するストレッチフィルム)も同材質、例えば、いずれも、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)製や、m-LLDPEと樹脂製など、従来の包装用ストレッチフィルムの製造に使用されているものとすることができる。
【0108】
(包装用ストレッチフィルムの製造方法の実施形態1)
上述したストレッチフィルムの実施形態1で説明した包装用ストレッチフィルムは、従来から包装用ストレッチフィルムの製造に使用されている装置を用いて製造することが出来る。図6を用いてその一例を説明する。
【0109】
(挟込み工程)
延伸前の包装用ストレッチフィルム71(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反61が、ブレーキ装置63を備えている原反フィルムホルダー65に装着されている。
【0110】
延伸前の極薄の色付帯フィルム73(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反67が、がブレーキ装置68を備えている原反フィルムホルダー69に装着されている。
【0111】
延伸前の包装用ストレッチフィルム72(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反62が、ブレーキ装置64を備えている原反フィルムホルダー66に装着されている。
【0112】
原反フィルムホルダー65から巻き出された包装用ストレッチフィルム71と、原反フィルムホルダー66から巻き出された包装用ストレッチフィルム72との間に、原反フィルムホルダー69から巻き出された色付帯フィルム73が挟み込まれる。
【0113】
ベースとなる包装用ストレッチフィルム72は、後述する延伸工程を経て製造される包装用ストレッチフィルムが300mm~500mm程度の幅になることを考慮した幅のものを用いる。包装用ストレッチフィルム71は、色付帯フィルム73を包装用ストレッチフィルム72との間に挟みこむ、かぶせの役割を果たすので、前述の場合、例えば、幅100mm程度のものを用いる。色付帯フィルム73は、このような幅の包装用ストレッチフィルム72と、包装用ストレッチフィルム71との間に挟むので、少なくとも、かぶせの包装用ストレッチフィルム71の幅よりは幅が小さい、例えば、幅50mm程度のものを用いる。
【0114】
(延伸工程)
包装用ストレッチフィルム71と包装用ストレッチフィルム72との間に色付帯フィルム73が挟み込まれている全体が、従来公知のロール状の圧着ロール70で押圧され、一軸方向又は二軸方向に延伸加工される。ここでは、例えば、図10に符号25で図示し、後述の実施形態で説明されている一対の延伸ロールなどを用いることができる。こうして、包装用ストレッチフィルム71と包装用ストレッチフィルム72との間に色付帯フィルム73が挟み込まれている全体(包装用ストレッチフィルム74)の肉厚を、少なくとも包装用ストレッチフィルム71の肉厚と包装用ストレッチフィルム72の肉厚の合計の半分以下に延伸する。
【0115】
(巻取り工程)
引き続き、不図示の巻き取りロールによりロール状に巻き取る。
【0116】
上述した延伸工程で、例えば、長手方向に3倍に延伸し、これに直交する横手方向に1.5倍に延伸することで、全体(包装用ストレッチフィルム74)の肉厚が9ミクロンの図3図示の包装用ストレッチフィルム54を製造することができる。
【0117】
上述した延伸工程を経てこの実施形態の包装用ストレッチフィルム74を製造するので、包装用ストレッチフィルム71、包装用ストレッチフィルム72、色付帯フィルム73は、同等の伸び特性を備えていることが望ましい。
【0118】
例えば、上述したように、包装用ストレッチフィルム71、包装用ストレッチフィルム72、色付帯フィルム73を同材質にすることができる。
【0119】
このように2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造であっても、これを、一軸方向又は二軸方向に延伸し、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造の肉厚を、少なくとも2枚の包装用ストレッチフィルムの合計の肉厚の半分以下に延伸している。
【0120】
このように延伸することで単位当たりの強度が向上する。そこで、より肉薄の構造にすることも可能である。
【0121】
また、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造にして延伸する際、ロール状で圧着ロールで押圧する実施形態にすると、2枚の包装用ストレッチフィルムとこの間に挟み込まれている着色部を形成する色付帯フィルムとが完全に密着し、はがれることが無くなる。
【0122】
なお、原反フィルムホルダー65に装着されている延伸前の包装用ストレッチフィルム71も、原反フィルムホルダー66に装着されている延伸前の包装用ストレッチフィルム72も、従来公知の包装用ストレッチフィルムであるので、表面が粘着性を有している。
【0123】
そこで、着色部52、53a、53b、56を形成する色付帯フィルム73をそのまま添付することで着色部を備えている包装用ストレッチフィルムとすることもできる。
【0124】
すなわち、上述した「挟込み工程」⇒「延伸工程」⇒「巻取り工程」を経て図3図示の包装用ストレッチフィルム54を製造するのに替えて、「延伸工程」を採用せず、包装用ストレッチフィルムの表面の粘着性を利用して、「挟込み工程」⇒「巻取り工程」で経て図3図示の包装用ストレッチフィルム54を製造することもできる。
【0125】
上記では、包装用ストレッチフィルム71と包装用ストレッチフィルム72との間に色付帯フィルム73を挟み込み、これを延伸して使用時にはがれることがないように加工して図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムを製造していた。これに替えて、無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着することで図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムを製造することもできる。この場合には、例えば、次のような製造工程が採用される。
【0126】
(積層工程)
延伸前の包装用ストレッチフィルム72(LLDPE製で肉厚12ミクロン)の原反62が、ブレーキ装置64を備えている原反フィルムホルダー66に装着されている(図18)。
【0127】
延伸前の有色の包装用ストレッチフィルム83(LLDPE製で肉厚10ミクロン)の原反80が、ブレーキ装置81を備えている原反フィルムホルダー82に装着されている(図18)。
【0128】
有色の包装用ストレッチフィルム83の横手方向における幅は、包装用ストレッチフィルム72の横手方向における幅よりも小さい。例えば、無色透明の包装用ストレッチフィルム72の横手方向における幅が300mmで、有色の包装用ストレッチフィルム83の横手方向における幅が50mmである。
【0129】
原反フィルムホルダー66、82から巻き出された包装用ストレッチフィルム72と、包装用ストレッチフィルム83とはガイドロール70を介して熱融着ロール部へ誘導されることで張り合わされ、積層される。
【0130】
(部分溶着(融着)工程)
熱融着ロール部は、図18図示の実施形態では、下側のロール85(例えば、ロール外径:150mm)及び、上側のロール84を備えていて、この下流に圧着ロール86、87が配備されている。
【0131】
下側のロール85は、不図示のモータで駆動され、回転速度がコントロールされ、表面ゴムロールで被覆されているゴムロールあるいは、金属ロールである。回転速度は、例えば、速度:100~300m/分である。
【0132】
上側のロール84は、下側のロール85の上(接線)に沿って回転する加熱体であり、表面加熱されている金属ロールである。上側のロール84はモータ駆動されないフリーヒートロールであり、加熱溶着処理を行わない場合にはエアシリンダ93(図19)によって上昇させ、開放状態にすることができる。
【0133】
モータ等で駆動することなく、接触する下側のロール85により回転する上側のロール84は、上述のように、無色透明の包装用ストレッチフィルム72に対して張り合わされ、積層されて部分融着される有色の包装用ストレッチフィルム83の横手方向における幅が50mmである場合、これに対応させてロール幅50mmのものを採用できる。外径は60~100mmである。
【0134】
図19に例示した上側のロール84は、内部にカートリッジヒーター88が複数埋め込まれている。図示の実施形態では、300wのカートリッジヒーター88が、円周方向に間隔を空けた2箇所において、それぞれ、横方向に間隔を空けた2箇所、合計で4カ所に埋め込まれている。
【0135】
カートリッジヒーター88は温度センサー89を介して、有色の包装用ストレッチフィルム83との接触部の表面温度が調整できるように構成されている。図19では、内部に軸受ベアリング90を有し、軸受ベアリング90を熱から保護するため、断熱材91を挟み込み、まわりをカートリッジヒーター88で組み込んだ加熱金属媒体92で囲む構造になっている。加熱金属媒体92には熱伝道性の良い金属銅(Cu)や真鍮などが使用される。
【0136】
カートリッジヒーター88が有色の包装用ストレッチフィルム83の表面に接触する部分を狭くし、熱伝導を良くする目的で接触幅を狭くすることが望ましい。図示のように、円周方向に間隔を空けた2箇所において、それぞれ、横方向に間隔を空けた2箇所カートリッジヒーター88を配備する場合、例えば、融着部幅3~5mmで十分剥離することなく融着可能である。
【0137】
また、円周方向に間隔を空けた2箇所において、1個ずつのカートリッジヒーター88を配備する場合、有色の包装用ストレッチフィルム83の横手方向における幅が50mmであれば、上側のロール84の横方向における中央部に10mm幅のカートリッジヒーター88が配備されていれば十分剥離することなく融着可能である。
【0138】
圧着ロール86、87は融着を熟成させるロールであって、例えば、圧着ロール86はニップロール(ゴムロール)、圧着ロール87は金属ロール(スチールロール)である。圧着ロール86はフリーロールとし、一方、圧着ロール87は回転速度制御されている下側のロール85と速度同調されている。
【0139】
上述したように積層(張り合わせ)された有色の包装用ストレッチフィルム83と無色透明の包装用ストレッチフィルム72とを、熱融着ロール部の下側のロール85と上側のロール84との間に通過させると、表面加熱されている上側のロール84が適切な押し圧で有色の包装用ストレッチフィルム83の上に接触する。これにより、下層の無色透明の包装用ストレッチフィルム72にも熱が伝わり、表面同士に溶着が起こり、次の圧着ロール86、87により融着が熟成される。
【0140】
上述したように積層(張り合わせ)された有色の包装用ストレッチフィルム83と無色透明の包装用ストレッチフィルム72のフィルム通過速度が100~200m/分の場合、加熱ロールである上側のロール84は60~80mm外径が、調節しやすく、160~200℃で、効果的である。さらに速度アップせた200~300m/分の場合、加熱ロールである上側のロール84の外径を100~130mmにすることで、同じ温度範囲で、融着できる。温度が高すぎると、融着が激しく怒り、原反部に穴あき(ピンホール)現象が起こり、使用時の延伸に耐えられなく、破断することもある。通過速度、圧着力、表面温度の管理が重要である。
【0141】
このような部分溶着工程を経ることで、無色透明の包装用ストレッチフィルム72に有色の包装用ストレッチフィルム83を張り合せ、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、無色透明の包装用ストレッチフィルム72と有色の包装用ストレッチフィルム83とを延伸させて使用する時、はがれない程度に部分溶着(幅方向)が行われている包装用ストレッチフィルを製造することができる。
【0142】
部分的溶着(融着)としては、例えば、有色の包装用ストレッチフィルム83の幅が50mmの場合、約幅5mmを溶融させ、長手方向に連続融着させる実施形態にすることができる。
【0143】
(巻取り工程)
引き続き、不図示の巻き取りロールによりロール状に巻き取る。
【0144】
このように無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着(融着)することで前記第四の包装用ストレッチフィルムによって形成されている長手方向に伸びる着色部が当該長手方向に直交する横手方向の一部に形成されている図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムとすると、包装用ストレッチフィルム71と包装用ストレッチフィルム72との間に色付帯フィルム73を挟み込み、これを延伸して使用時にはがれることがないように加工して図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムを製造する場合に比較して厚みを小さくすることが可能になる。
【0145】
そこで、外径あたり、1巻当たり、長く(m数)巻くことができ、使用時、包装機械用としては長く巻くことにメリットがある。交換頻度の削減につながる。
【0146】
例えば、包装用ストレッチフィルム71と包装用ストレッチフィルム72との間に色付帯フィルム73を挟み込み、これを延伸して使用時にはがれることがないように加工して図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムとした場合に、240mm外径、1200m巻であるとすれば、このような部分溶着で図3図5図示の実施形態の包装用ストレッチフィルムとしたときには同じ240mm外径であても1600m巻にすることができる。
【0147】
挟み込む材料使用しないことで、軽量化が可能で、製造コストの削減が可能になる。
【0148】
(包装用ストレッチフィルムの製造方法の実施形態2)
上述したストレッチフィルムの実施形態2で説明した包装用ストレッチフィルムも、従来から包装用ストレッチフィルムの製造に使用されている装置を用いて製造することが出来る。図17を用いてその一例を説明する。
【0149】
(挟込み工程)
第一の着色部153になる延伸前の包装用ストレッチフィルム71a(LLDPE製で、白色で、延伸される前の肉厚5~12ミクロンという極薄)の原反61aが、ブレーキ装置63を備えている原反フィルムホルダー65に装着されている。
【0150】
第二の着色部152になる延伸前の色付帯フィルム(LLDPE製で、赤色で、延伸される前の肉厚5~12ミクロンという極薄)の原反67が、がブレーキ装置68を備えている原反フィルムホルダー69に装着されている。
【0151】
延伸前の包装用ストレッチフィルム72(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反62が、ブレーキ装置64を備えている原反フィルムホルダー66に装着されている。
【0152】
原反フィルムホルダー65から巻き出された、第一の着色部153になる延伸前の包装用ストレッチフィルム71aと、原反フィルムホルダー66から巻き出された包装用ストレッチフィルム72との間に、原反フィルムホルダー69から巻き出された色付帯フィルム73が挟み込まれる。
【0153】
原反フィルムホルダー66から巻き出される包装用ストレッチフィルム72は延伸工程を経て、横幅が、例えば、500mmとなる横幅を備えている。
【0154】
原反フィルムホルダー65から巻き出される、第一の着色部153になる包装用ストレッチフィルム71aは、延伸工程を経て、横幅が、包装用ストレッチフィルム72の横幅より小さくなる(すなわち500mm未満となる)横幅を備えている。
【0155】
原反フィルムホルダー69から巻き出される色付帯フィルム73は、延伸工程を経て、横幅が、第一の着色部153になる包装用ストレッチフィルム71aの横幅より小さくなる横幅を備えている。ただし、識別標識になるように、横幅40mmを越えていることが望ましい。
【0156】
そこで、原反フィルムホルダー69から巻き出される色付帯フィルム73は、延伸工程を経て横幅が40mm~50mmとなり、原反フィルムホルダー65から巻き出される、第一の着色部153になる包装用ストレッチフィルム71aは、延伸工程を経て横幅が80mm~100mmとなるようにすることができる。
【0157】
(延伸工程)
無色透明な包装用ストレッチフィルム72と、第一の着色部153になる白色の包装用ストレッチフィルム71aとの間に、色付帯フィルム73が挟み込まれている全体が、従来公知のロール状の圧着ロール70で押圧され、一軸方向又は二軸方向に延伸加工される。ここでも、例えば、図10に符号25で図示し、後述の実施形態で説明されている一対の延伸ロールなどを用いることができる。
【0158】
こうして、無色透明な包装用ストレッチフィルム72と、第一の着色部153になる白色の包装用ストレッチフィルム71aとの間に、色付帯フィルム73が挟み込まれている全体(包装用ストレッチフィルム74)の肉厚を、少なくとも、無色透明な包装用ストレッチフィルム72の肉厚と、第一の着色部153になる白色の包装用ストレッチフィルム71aの肉厚との合計の半分以下に延伸する。
【0159】
(巻取り工程)
引き続き、不図示の巻き取りロールによりロール状に巻き取る。
【0160】
上述した延伸工程で、例えば、長手方向に3倍に延伸し、これに直交する横手方向に1.5倍に延伸することで、全体(包装用ストレッチフィルム74)の肉厚が9ミクロンの図14図示の包装用ストレッチフィルム154を製造することができる。
【0161】
上述した延伸工程を経てこの実施形態の包装用ストレッチフィルム154を製造するので、包装用ストレッチフィルム71a、包装用ストレッチフィルム72、色付帯フィルム73は、同等の伸び特性を備えていることが望ましい。
【0162】
例えば、上述したように、包装用ストレッチフィルム71a、包装用ストレッチフィルム72、色付帯フィルム73を同材質にすることができる。
【0163】
このように2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造であっても、これを、一軸方向又は二軸方向に延伸し、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造の肉厚を、少なくとも2枚の包装用ストレッチフィルムの合計の肉厚の半分以下に延伸している。
【0164】
このように延伸することで単位当たりの強度が向上する。そこで、より肉薄の構造にすることも可能である。
【0165】
また、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に着色部を形成する色付帯フィルムが挟み込まれている積層構造にして延伸する際、ロール状で圧着ロールで押圧する実施形態にすると、2枚の包装用ストレッチフィルムとこの間に挟み込まれている着色部を形成する色付帯フィルムとが完全に密着し、はがれることが無くなる。
【0166】
なお、原反フィルムホルダー65に装着されている延伸前の包装用ストレッチフィルム71aも、原反フィルムホルダー66に装着されている延伸前の包装用ストレッチフィルム72も、従来公知の包装用ストレッチフィルムであるので、表面が粘着性を有している。
【0167】
そこで、第二の着色部52、53a、56を形成する色付帯フィルム73をそのまま添付することで着色部を備えている包装用ストレッチフィルムとすることもできる。
【0168】
すなわち、上述した「挟込み工程」⇒「延伸工程」⇒「巻取り工程」を経て図14図示の包装用ストレッチフィルム154を製造するのに替えて、「延伸工程」を採用せず、包装用ストレッチフィルムの表面の粘着性を利用して、「挟込み工程」⇒「巻取り工程」で経て図14図示の包装用ストレッチフィルム154を製造することもできる。
【0169】
(包装用ストレッチフィルムの実施形態3及び、包装用ストレッチフィルムの巻体の実施形態)
図7図9は、この実施形態の包装用ストレッチフィルム54aと、この実施形態の包装用ストレッチフィルム54aが、後述する包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法によって、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、この実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体81、91を説明するものである。この実施形態の包装用ストレッチフィルム54aが、後述する包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法によって、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、この実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体81、91が図7(a)、図8(a)に図示されている。
【0170】
極薄(例えば、肉厚6~30μm程度)で、長尺になる長手方向の長さが300m~500m程度、長手方向に直交する方向である横手方向の大きさ、すなわち、幅が300mm~500mm程度の、包装用ストレッチフィルム54aが、後述する包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法によって、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、包装用ストレッチフィルムの巻体81(図7(a))、91(図8(a))である。
【0171】
図7(a)図示の実施形態では、円筒状の中空の巻き芯2に、上記の実施の形態で説明した、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に直線状に伸びる着色部57が、その横手方向における中央部に形成されている形態の包装用ストレッチフィルム54aが巻き取られている。
【0172】
図8(a)図示の実施形態では、円筒状の中空の巻き芯2に、上記の実施の形態で説明した、包装用ストレッチフィルム54の長手方向に屈曲状に伸びる着色部58が、その横手方向における中央部に形成されている形態の包装用ストレッチフィルム54aが巻き取られている。
【0173】
図7図8図示の包装用ストレッチフィルム54aは、更に、その長手方向に連続して、肉厚の異なる部分を、包装用フィルム54aの横手方向に複数備えていることで、積層されて巻層13を形成する包装用ストレッチフィルム同士の間に、包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している空気層17a、17b、17c、17dが、包装用ストレッチフィルム14の横手方向で複数存在しているものである(図9)。
【0174】
図9は、積層されて巻層13を形成している包装用ストレッチフィルム54aの外周(外径)側の構造を説明する一部を省略した断面図である。図9において上側が巻体81、91の外径側、下側が巻体81、91の内径側になる。
【0175】
積層されて巻層13を形成している包装用ストレッチフィルム54a(図9)において一番外側に巻かれている包装用ストレッチフィルム54aは、その横手方向における端縁部である側縁部18aから横手方向で内側に向かうにしたがって、薄肉部15g、厚肉部15c、薄肉部15f、厚肉部15b、薄肉部15e、厚肉部15a、薄肉部15dを備えている。
【0176】
同様に、積層されて巻層13を形成している包装用ストレッチフィルム54a(図9)において径方向で包装用ストレッチフィルム54aの内径側になっている包装用ストレッチフィルム54bは、その横手方向における端縁部である側縁部18bから横手方向で内側に向かうにしたがって、薄肉部16g、厚肉部16c、薄肉部16f、厚肉部16b、薄肉部16e、厚肉部16a、薄肉部16dを備えている。
【0177】
図7図8図示の実施形態の包装用ストレッチフィルム54aは、その長手方向に連続している厚肉部と、薄肉部とを、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向に交互に備えている。
【0178】
これが、後述する包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法によって、円筒状の中空の巻き芯2に、ロール状に巻かれてなる、この実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体81、91(図7(a)、図8(a))になっている。
【0179】
この結果、包装用ストレッチフィルム54aが巻き芯2に巻き取られる、等してロール状の巻き体となったときには、積層されて巻層13を形成する包装用ストレッチフィルム同士の間に包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している空気層17a、17b、17c、17dが、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向で存在する構造になっている。
【0180】
この結果、図7(b)、図8(b)図示のように、長手方向における先端側5を固定的につかんで、包装用ストレッチフィルムの巻体81、91から包装用ストレッチフィルム54aを剥がし、引き出して使用する際、一番外側(外周側)の包装用ストレッチフィルム54aと、それより一層内周側の包装用ストレッチフィルム54bとの間に空気層17a、17b、17c、17dが存在していることから、包装用ストレッチフィルム54aを剥がしやすく、引き出しやすくなっている。
【0181】
また、この実施形態の包装用ストレッチフィルム54aは、上記の実施の形態で説明した、長手方向に直線状に伸びる着色部57、長手方向に屈曲して伸びる着色部58が、その横手方向における中央部に形成されている形態の包装用ストレッチフィルムである(図7図8)。
【0182】
そこで、図7(b)、図8(b)図示のように、長手方向における先端側55を固定的につかんで、包装用ストレッチフィルムの巻体81、91から包装用ストレッチフィルム54aを剥がし、引き出して使用し、物品などに巻きつけて当該物品などを梱包、包装すると、識別用の着色部57、58が存在していることにより、いかなる物品が梱包、包装されているのか識別することができる。この際、着色部57、58は、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向の一部にしか形成されておらず、着色部57、58以外の部分は無色透明であるので、物品に何回も巻きつけられて、何重にも積層され、当該物品を梱包、包装する場合であっても、着色部57、58以外の無色透明部分を介して、梱包、包装された物品を外部から視認することができる。
【0183】
なお、この実施形態では、 包装用ストレッチフィルム54aが、その長手方向に連続している、肉厚の異なる部分(厚肉部15a、等と、薄肉部15d、等)を包装用ストレッチフィルム54aの横手方向に複数備えていることで、積層されて巻層13を形成する包装用ストレッチフィルム同士の間に包装用ストレッチフィルム54aの長手方向に連続している空気層17a、等が、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向で複数形成されている構造で説明した。
【0184】
図示していないが、このような構造に替えて、包装用ストレッチフィルム54aが、その長手方向に断続して肉厚の異なる部分を、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向に複数備えていることで、積層されて巻層13を形成するストレッチフィルム同士の間に、包装用ストレッチフィルム54aの長手方向に断続的に形成されている空気層が、包装用ストレッチフィルム54aの横手方向で複数形成されている構造にしても、図7(b)、図8(b)図示のように、長手方向における先端側55を固定的につかんで、包装用ストレッチフィルムの巻体81、91から包装用ストレッチフィルム54aを剥がし、引き出して使用する際、一番外側(外周側)の包装用ストレッチフィルムと、それより一層内周側の包装用ストレッチフィルムとの間に空気層が存在していることで、包装用ストレッチフィルムを剥がしやすく、引き出しやすくすることができる。
【0185】
(包装用ストレッチフィルムの製造方法の実施形態3及び、包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法の実施形態)
この実施形態の包装用ストレッチフィルムの製造方法は、上述した図7図9を用いて説明した実施形態の包装用ストレッチフィルム54aを製造する方法の一例である。
【0186】
また、この実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体の巻き取り製造方法は、極薄(例えば、肉厚6~30μm程度)で、長尺になる長手方向の長さが300m~500m程度、長手方向に直交する方向である横手方向の大きさ、すなわち、幅が300mm~500mm程度の、包装用ストレッチフィルムを、図7(a)、図8(a)図示のように、ロール状に巻き取る包装用ストレッチフィルムの巻体81、91の巻き取り製造方法である。
【0187】
この実施形態では、無色透明な2枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと第二の包装用ストレッチフィルムとの間に当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第二の包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる極薄の色付帯フィルムを挟み込む挟込み工程を最初に行っている。
【0188】
あるいは、無色透明な極薄の第一の包装用ストレッチフィルムと、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な第三の包装用ストレッチフィルムとの間に、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムと同材質で、当該第一、第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向に直交する長手方向に伸びる、極薄で、前記第三の包装用ストレッチフィルムの前記横手方向における幅より小さい前記横手方向の幅を有し、前記第三の包装用ストレッチフィルムの色とは異なる色を呈する色付帯フィルムを挟み込む、挟込み工程を最初に行っている。
【0189】
若しくは、無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着する工程を最初に行っている。
【0190】
引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記2枚の包装用ストレッチフィルムの肉厚の合計の半分以下に延伸する。
【0191】
あるいは、引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、前記第一の包装用ストレッチフィルムと前記第三の包装用ストレッチフィルムとの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記第一の包装用ストレッチフィルムの肉厚と前記第三の包装用ストレッチフィルムの肉厚との合計の半分以下に延伸する。
【0192】
若しくは、引き続いて一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って、前記横手方向に直交している長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数、あるいは、前記長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を前記横手方向に複数成形する延伸工程を行う。
【0193】
この延伸工程後、ロール状に巻き取ることで、積層されて巻層を形成するフィルム同士の間に、前記長手方向に連続している空気層を前記横手方向で複数、あるいは、前記長手方向で断続的に形成されている空気層を前記横手方向で複数存在させている包装用ストレッチフィルムの巻体を巻き取り製造するものである。
【0194】
前記において、一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している凹凸部を前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成するものにできる。
【0195】
また、前記において、一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対してエンボス加工を施すことで形成するようにできる。
【0196】
また、一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に肉厚の異なる部分を断続して、前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して所定形状の押型を押圧することで形成することができる。
【0197】
更に、前記一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って前記包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を、前記包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数形成する工程は、前記包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体に対して部分的な延伸加工を施すことで形成することもできる。
【0198】
この場合、前記部分的な延伸加工は、それぞれ外周突条部と外周溝条部とを中心軸が伸びる方向で交互に備えていて前記中心軸を中心にして回動する一対の円筒状延伸ローラが、一方の前記円筒状延伸ローラの前記外周突条部が、他方の前記円筒状延伸ローラの前記外周溝条部に噛みあう構造で配置されてなる延伸ローラに対して、前記2枚の包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が前記長手方向で挿通されることで行われるようにできる。
【0199】
この場合、前記一対の円筒状延伸ローラは、前記包装用ストレッチフィルムの間に前記色付帯フィルムが挟み込まれている全体が長手方向に挿通していく方向において、上流側と、下流側とに配置され、下流側の前記円筒状延伸ローラの方が、上流側の前記円筒状延伸ローラよりも高い周速度で回転する形態にすることが出来る。
【0200】
図6図10を用いて、上述した製造工程に採用する装置の一例の概略構成を表す。
【0201】
図10(a)の右端側には、図示を省略しているが、図6で説明した、延伸前の包装用ストレッチフィルム71(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反61がブレーキ装置63を備えている原反フィルムホルダー65に装着され、延伸前の極薄の色付帯フィルム73(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反67がブレーキ装置68を備えている原反フィルムホルダー69に装着され、延伸前の包装用ストレッチフィルム72(LLDPE製で肉厚17ミクロン)の原反62がブレーキ装置64を備えている原反フィルムホルダー66に装着されている。
【0202】
原反フィルムホルダー65から巻き出された包装用ストレッチフィルム71と、原反フィルムホルダー66から巻き出された包装用ストレッチフィルム72との間に、原反フィルムホルダー69から巻き出された色付帯フィルム73が挟み込まれる。
【0203】
こうして、包装用ストレッチフィルム71と、包装用ストレッチフィルム72との間に、色付帯フィルム73が挟み込まれている状態で、一対の延伸ロール25によって延伸が行われる。
【0204】
なお、図18図20を用いて説明したように、無色透明な1枚の極薄の第一の包装用ストレッチフィルムに、有色で前記第一の包装用ストレッチフィルムよりも横手方向における幅が小さく極薄な1枚の第四の包装用ストレッチフィルムを積層し、その上から、加熱媒体を当てて、部分的に、有色の第四の包装用ストレッチフィルムを溶着した状態で、一対の延伸ロール25によって延伸が行われる形態にすることもできる。
【0205】
一対の延伸ロール25は、例えば、一対のエンボスロール、一対のギヤロール、一対の溝付きローラにすることができる。
【0206】
一対の延伸ロール25は、延伸ロール用駆動モータ23と、一対の延伸ロール25を連動させる駆動ギヤ24によって駆動される。一対の延伸ロール25におけるロール間での延伸比は、例えば、組み合わせギヤで設定される。
【0207】
一対の延伸ロール25が一対のギヤロールで構成される場合について図11を参照して説明する。
【0208】
図11図示の一対のギヤロールは、高速側ギヤ25aと、低速側ギヤ25bとが組み合わされているもので、例えば、それぞれのギヤロール外径を150m/mφ、溝深さを15mm、間隔(P)を15mm、減速比1.0~3.0に設定することができる。
【0209】
図11中、符号Aで示す箇所では、低速側ギヤ25bの凸部で押さえられることで横手方向への延伸が起こりにくい。一方、図11中、符号Bで示す箇所では、高速側ギヤ25aで誘導されることで横手方向への延伸が生じる。この結果、図11の符号Aで示す箇所を通過する包装用ストレッチフィルム部分は、図11の符号Bで示す箇所を通過する包装用ストレッチフィルム部分に比較して断面が厚く(肉厚)、図11の符号Bで示す箇所を通過する包装用ストレッチフィルム部分は、図11の符号Aで示す箇所を通過する包装用ストレッチフィルム部分に比較して断面が薄く(肉薄)になる。
【0210】
これによって、包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を、横手方向に複数成形することができる。
【0211】
一対のギヤロールを形成する高速側ギヤ25a、低速側ギヤ25bの面速、かみ込み(GAP)により延伸比が大きくなる。
【0212】
図10(a)図示の一対の円筒状の延伸ロール25では、例えば、巻き取りが行われる前の包装用ストレッチフィルムが長手方向に挿通していく方向において、図10(a)図示のように、上流側と、下流側とに配置されている一対の円筒状の延伸ロール25の中の下流側の延伸ローラ25の方が、上流側の延伸ローラ25よりも高い周速度で回転する構成にすることができる。
【0213】
図12を参照して、エンボス加工で、包装用ストレッチフィルムの長手方向に断続的に肉厚の異なる部分を、横手方向で複数成形する一例を説明する。
【0214】
図12図示の一対のギヤロールは、一対のエンボスロール25c、25dによって形成されている(図12(a))。エンボスロール25c、25dが合致したときには図12(b)図示のようになり、エンボスロール25c、25dがずれたときには図12(c)図示のようになって、エンボスの凹凸により、包装用ストレッチフィルムの表面に肉厚の異なる部分が、包装用ストレッチフィルムの長手方向に断続的に、包装用ストレッチフィルムの横手方向で複数成形される。
【0215】
図13を参照して、エンボスギヤ加工で、包装用ストレッチフィルムの長手方向に断続的に肉厚の異なる部分を、横手方向で複数成形する一例を説明する。
【0216】
図13図示のエンボスギヤ加工によれば、長手方向(回転方向)への延伸がギヤの凹凸によって行われ、切欠き溝部は延伸されず、肉厚の部分となる。
【0217】
上述したようにして、長手方向に連続している肉厚の異なる部分が、横手方向で複数成形された報償用ストレッチフィルム、あるいは、長手方向に断続的に肉厚の異なる部分が、横手方向で複数成形された包装用ストレッチフィルムは、引き続き、フィルム拡張部に送られる。
【0218】
図10図示の実施形態では、まず、一対の延伸ロール25の下流側に配置されているしわ取り及びフィルム拡張ガイドロール26によってフィルム拡張が行われる。
【0219】
図示の実施形態のしわ取り及びフィルム拡張ガイドロール26は、中央の外径が連続的に小さくなっている複数のつつみ状ゴムロールによって構成されている。
【0220】
しわ取り及びフィルム拡張ガイドロール26の下流側には引き続いて一対の延伸ロール27が配置されている。一対の延伸ロール27は、例えば、ゴムロールであって、図10(b)の上側の低速側ロール、下側の高速側ロールからなり(ロール間の隙間は、例えば、1~5mm)、長手方向への延伸が行われる。
【0221】
ここでの長手方向への延伸は、例えば、一対の延伸ロール25での処理が、エンボスロールによるものであって、包装用ストレッチフィルムの長手方向に断続的に肉厚の異なる部分を、横手方向で複数成形するものである場合、このような処理が行われた後の包装用ストレッチフィルムを長手方向に延伸させるものになる。
【0222】
また、一対の延伸ロール25での処理が、エンボスロール以外のものによる場合、一対の延伸ロール27での延伸処理は、長手(縦)方向(MD)、二軸横手方向(TD)への物性を最適にするための延伸処理になる。
【0223】
一対の延伸ロール27は、駆動モータ29によって回転駆動され、一対の延伸ロール27の下流側に位置している、駆動連動ギヤ28によって連動される一対のニップロール30によって、長手方向への延伸が行われた包装用ストレッチフィルムが引き取られていく。図中、符号31は巻き取り軸、紙管ホルダーである。
【0224】
その後、巻き取り駆動モータ33で駆動される巻き取りロール32に巻き取られていく。
【0225】
このようにして、上述した図7図9を用いて説明した実施形態の包装用ストレッチフィルム54aが製造される。
【0226】
また、図7図9を用いて説明したこの実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体81、91が巻き取り製造される。
【0227】
プラスチックは、延伸させることにより収縮という現象が起きる。これを利用して、プラスチックフィルムに筋を入れ、これを延伸することで、筋部(厚い部分)と筋の谷間(薄い部分)での延伸後の収縮差を利用してプラスチックフィルムにちじれ、皺を発生させ、このようなプラスチックフィルムから作成する紐にボリューム感、ソフト感を持たせる技術は公知である(非特許文献1)。
【0228】
上述した、巻き取りが行われる前の包装用ストレッチフィルムに対して部分的な延伸加工を施しながら包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を、横手方向に複数成形する工程は、この技術を利用するものである。
【0229】
こうして、ロール状への巻き取りが行われる前の、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に同材質からなる色付帯フィルムが挟み込まれているものに対して、一軸方向又は二軸方向への延伸加工を行って2枚の包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続している肉厚の異なる部分を2枚の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数、あるいは、長手方向に断続して形成される肉厚の異なる部分を2枚の包装用ストレッチフィルムの横手方向に複数成形すると共に、2枚の包装用ストレッチフィルムの間に色付帯フィルムが挟み込まれている全体の肉厚を、少なくとも前記2枚の包装用ストレッチフィルムの肉厚の合計の半分以下に延伸するようにしたものである。
【0230】
図6図10図13を参照して上述したように、一対のエンボスロール、一対のギヤロール、一対の溝付きローラ一などからなる一対の延伸ロール25による延伸、しわ取り及びフィルム拡張ガイドロール26によるフィルム拡張、一対の延伸ロール27による長手方向への延伸によって、例えば、図10(a)の右側である原反フィルム繰り出し側に繰り出し回転可能にセットされている従来の包装用ストレッチフィルムの巻体に巻かれている包装用ストレッチフィルムが、それぞれ、肉厚23μm、幅250mmで、色付帯フィルムが肉厚23μm、幅10mmであるときに、幅方向に2倍、長手方向に2倍に延伸し、肉厚12μm、幅500mmで、長手方向に連続している肉厚の異なる部分が横手方向に複数成形されていて、横手方向の一部に長手方向にわたって伸びる着色部を備えている包装用ストレッチフィルムにし、これを、巻取機で巻き取って、図7図9を用いて説明したこの実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体11を巻き取り製造することができる。
【0231】
また、上述したように、実施形態の包装用ストレッチフィルムの巻体81、91を巻き取り製造すると、筒状の巻芯に巻き付けたロール状の包装用ストレッチフィルムの巻体の側縁部(図9に符号18a、18b、18c、18dで示す部分)は延伸を受けずに、原反フィルム繰り出し側に繰り出し回転可能にセットされている従来の包装用ストレッチフィルムの巻体に巻かれている従来の長尺ストレッチフィルムの肉厚をほぼ維持できる。そこで、筒状の巻芯に巻き付けたロール状の包装用ストレッチフィルムの巻体の側縁部の傷、ダメージなどにより、引き出して使用する際に破断が生じるおそれを減少させることができる。
【0232】
以上、この発明の実施形態を添付図面を参照して説明したが、この発明は、上述した実施形態に限られず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【0233】
例えば、上述したように、ロール状への巻き取りが行われる前の包装用ストレッチフィルムに対して包装用ストレッチフィルムの長手方向に連続して肉厚の異なる部分を複数成形することに替えて、長手方向に断続して肉厚の異なる部分を複数成形するようにすることができる。
【0234】
この場合には、例えば、巻き取りが行われる前の包装用ストレッチフィルムに対してエンボス加工したり、巻き取りが行われる前の包装用ストレッチフィルムに対して所定形状の押型を押圧することなどによって、包装用フィルムの長手方向に断続して肉厚の異なる部分を複数成形することができる。
【0235】
また、着色部52、53a、53b、56、57、58を形成すべく、延伸される前の2枚の包装用ストレッチフィルムに挟み込まれて、2枚の包装用ストレッチフィルムと共に一軸方向又は二軸方向への延伸加工を受ける色付帯フィルムの色として赤色、青色、黄色、等複数の標準色をそれぞれ用いることで、無色透明な包装用ストレッチフィルムの横手方向における一部に、当該包装用ストレッチフィルムの長手方向に伸びる標準色からなる着色部を備えている包装用ストレッチフィルムを提供することができるので、これを物品の包装、梱包に用いることで、工場、生産、物量の仕分け、プロット管理が容易になる。
【符号の説明】
【0236】
2 円筒状の中空の巻き芯
15d、15e、15f、15g、16d、16e、16f、16g 肉薄部
15a、15b、15c、16a、16b、16c 肉厚部
17a、17b、17c、17d空気層
18a 18b 包装用ストレッチフィルムの横手方向における側縁部
23 延伸ロール用駆動モータ
24 駆動ギヤ
25 一対の延伸ロール
25a 高速側ギヤ
25b 低速側ギヤ
25c、25d 一対のエンボスロール
26 しわ取り及びフィルム拡張ガイドロール
27 一対の延伸ロール
28 駆動連動ギヤ
29 駆動モータ
30 一対のニップロール
31 巻き取り軸、紙管ホルダー
33 巻き取り駆動モータ
32 巻き取りロール
51、61、71、81、91、151、161、171 包装用ストレッチフィルムの巻体
52 53a、53b、56 着色部
54、54a、154 包装用ストレッチフィルム
62 原反
63 ブレーキ装置
64、68 ブレーキ装置
65、66、69 原反フィルムホルダー
67 原反
70 圧着ロール
71、71a 延伸前の包装用ストレッチフィルム
73 延伸前の極薄の色付帯フィルム
72 延伸前の包装用ストレッチフィルム
153 第一の着色部
152、153a、156 第二の着色部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20