(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】肌状態、体状態又は心状態のケアに関する情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20220826BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2017128340
(22)【出願日】2017-06-30
【審査請求日】2020-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本川 智紀
(72)【発明者】
【氏名】加藤 朋美
(72)【発明者】
【氏名】及川 優
(72)【発明者】
【氏名】中西 類子
(72)【発明者】
【氏名】飯田 隆
(72)【発明者】
【氏名】横田 幸信
(72)【発明者】
【氏名】村越 淳
(72)【発明者】
【氏名】寺田 知彦
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/125454(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/157277(WO,A1)
【文献】特開2006-263002(JP,A)
【文献】特開2003-319910(JP,A)
【文献】特開2004-313265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ情報の入力を受け付ける入力部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに推奨する一または複数の施策を認識する推奨施策認識部と、
ユーザの
、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策の実行履歴を認識し、当該認識された前記一または複数の施策の実行履歴から、施策ごとの実行の有無を認識する実行履歴認識部と、
前記
ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策のうちから、施策の実行頻度に基づいて、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策を認識する第1施策認識部と、
前記第1施策認識部により認識された前記第1施策
を代替する第2施策の候補を認識するとともに、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を認識して、当該ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外した、当該第1施策を代替する第2施策を認識する代替施策認識部と、
前記代替施策認識部により認識された前記第2施策
の情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備えることを特徴とする情報出力システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報出力システムにおいて、
前記第1施策認識部は、前記実行履歴認識部により認識された施策の実行率が所定の閾値以下という第1条件及び前記実行履歴認識部により認識された施策の不実行の期間が所定の第1期間以上継続しているという第2条件の一方または両方を充足している施策を前記第1施策として認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項3】
請求項
1または2記載の情報出力システムにおいて、
前記ユーザの一または複数の嗜好を示す嗜好情報を認識する嗜好情報認識部と、
前記推奨施策認識部は、前記嗜好に適した施策が認識されるように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項4】
請求項
1~3のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
推奨施策認識部は、前記一または複数の施策の実施に際しての負担を認識し、各施策の実施に際しての負担が小さい順に前記ユーザに推奨する施策を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項5】
請求項
1~
4のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記推奨施策認識部は、前記一または複数の施策のユーザの指定状態に対する効果を認識し、各施策の前記指定状態に対する効果が大きい順に前記ユーザに推奨する施策を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項6】
請求項
1~
5うちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記代替施策認識部は、前記第1施策認識部により認識された前記第1施策のカテゴリを認識し、前記第1施策のカテゴリと同一のカテゴリの第2施策を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項7】
請求項
1~
6のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
情報の入力を受け付ける入力部を備え、
前記入力部を介して受け付けられた情報に基づいて前記ユーザによる実行が不能な施策である不能施策を認識する不能施策認識部を備え、
前記代替施策認識部は、前記不能施策とは異なる施策を前記第2施策として認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項8】
請求項
1~
7のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記一または複数の施策とは異なる前記ユーザの施策外行動の実行履歴を認識する施策外行動認識部と、
前記施策外行動認識部により認識された前記施策外行動の実行履歴に基づいて、当該施策外行動に関連する嗜好と関連付けられた施策の優先度を調整する優先度認識部とを備え、
前記代替施策認識部は、施策の優先度に応じて前記第2施策を認識することを特徴とする情報出力システム。
【請求項9】
請求項
2記載の情報出力システムにおいて、
前記出力制御部は、前記第2施策を含む情報の出力から所定の第2期間以上経過した場合に、前記第1施策を含む情報を前記出力部に出力するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項10】
請求項
9記載の情報出力システムにおいて、
前記出力制御部は、前記第1施策が第1時点と第2時点とにおいて前記第1条件及び前記第2条件の一方または両方を充足したと判定し、前記第1時点と前記第2時点との間の第3時点及び前記第2時点よりも後の第4時点において前記第1施策を含む情報を前記出力部に出力する場合、前記第1時点から前記第3時点までの期間よりも、前記第2時点から前記第4時点までの期間を長くするように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項11】
請求項
1~
10のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
外部の環境を示す外部環境情報を認識する外部環境情報認識部を備え、
前記代替施策認識部は、外部環境情報認識部により認識された外部環境情報に応じて前記第2施策を認識するように構成されていることを特徴とする情報出力システム。
【請求項12】
請求項
2、9、10のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記第1施策認識部は、前記ユーザの施策の実行率の平均値が高いほど前記閾値が連続的または断続的に高くなるように前記閾値を設定し、または前記第1期間が連続的または断続的に短くなるように前記第1期間を設定することを特徴とする情報出力システム。
【請求項13】
請求項
1~
12のうちいずれか1項記載の情報出力システムにおいて、
前記一または複数の施策の情報は、当該施策の種別を示す情報及び、所定期間あたりの当該施策を実行すべき時間の長さ又は量の多さである施策の実行の度合いを示す情報の一方または両方からなり、
前記代替施策認識部は、前記第1施策の実行率
が所定の第2閾値以下であるか否かに応じて、前記第2施策の種別及び実行の度合いの一方または両方を選択することを特徴とする情報出力システム。
【請求項14】
情報を出力する出力部を備えるシステムが実行する方法であって、
ユーザ情報の入力を受け付けるステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに推奨する一または複数の施策を認識するステップと、
ユーザの
、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策の実行履歴を認識し、当該認識された前記一または複数の施策の実行履歴から、施策ごとの実行の有無を認識するステップと、
前記
ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策のうちから、施策の実行頻度に基づいて、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策を認識するステップと、
前記第1施策
を代替する第2施策の候補を認識するとともに、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を認識して、当該ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外した、当該第1施策を代替する第2施策を認識するステップと、
前記第2施策
の情報を前記出力部に出力するステップとを含むことを特徴とする情報出力方法。
【請求項15】
情報を出力する出力部を備えるシステムに、
ユーザ情報の入力を受け付けるステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに推奨する一または複数の施策を認識するステップと、
ユーザの
、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策の実行履歴を認識し、当該認識された前記一または複数の施策の実行履歴から、施策ごとの実行の有無を認識するステップと、
前記
ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策のうちから、施策の実行頻度に基づいて、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策を認識するステップと、
前記第1施策
を代替する第2施策の候補を認識するとともに、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を認識して、当該ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外した、当該第1施策を代替する第2施策を認識するステップと、
前記第2施策
の情報を前記出力部に出力するステップとを実行させることを特徴とする情報出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌状態、体状態又は心状態のケアに関する様々なツールが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、化粧品販売員等がユーザに対して用いるカウンセリングツールとして、肌状態の典型的なパターンに対し、その肌の状態の説明をする肌状態説明部と、その肌の状態に必要なスキンケア方法の説明表示部とを備えたカウンセリングツールが記載されている。
【0004】
肌状態説明部は、肌状態の典型的なパターンとしての「水分が不足しがちな状態」という小見出しと、当該肌の状態についての「お肌を外的刺激から守るバリア機能も低下しやすく、………考えられます。」という説明文とを含む。
【0005】
スキンケア方法の説明表示部は、当該肌状態におけるスキンケア方法としての「やや不足している方 W保湿」及び「不足している方 W保湿+ローションマスク・クリーム」という見出しとが含まれている。ここで、「W保湿」及び「ローションマスク・クリーム」は、それぞれ、スキンケア方法の種類又はスキンケアに用いる商品を示している。
【0006】
化粧品販売員は、例えば、顧客の肌状態が水分がやや不足している状態であると判断した場合、スキンケア方法の説明表示部に表示された「W保湿」を行うよう勧めるなど、顧客の肌状態とカウンセリングツールとを突き合わせることで、肌のパターンに応じた施策を即座にユーザに対して提示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の技術は、ユーザの肌状態に応じて画一的なアドバイスを行うためのカウンセリングツールにすぎず、個々のユーザの嗜好、生活の状況、習慣等のユーザごとの個別の事情に鑑みて施策を提案するものではなかった。このため、ユーザの個別の事情によっては、有効でない施策が提案され続けるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザごとの個別の事情に鑑みて施策を提案することができる肌状態、体状態又は心状態のケアに関する情報出力システム、情報出力プログラム及び情報出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報出力システムは、
ユーザ情報の入力を受け付ける入力部と、
情報を出力する出力部と、
前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに推奨する一または複数の施策を認識する推奨施策認識部と、
ユーザの、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策の実行履歴を認識し、当該認識された前記一または複数の施策の実行履歴から、施策ごとの実行の有無を認識する実行履歴認識部と、
前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策のうちから、施策の実行頻度に基づいて、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策を認識する第1施策認識部と、
前記第1施策認識部により認識された前記第1施策を代替する第2施策の候補を認識するとともに、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を認識して、当該ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外した、当該第1施策を代替する第2施策を認識する代替施策認識部と、
前記代替施策認識部により認識された前記第2施策の情報を前記出力部に出力する出力制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
当該構成の情報出力システムによれば、推奨施策認識部により、ユーザ情報に基づいて、ユーザに推奨する一または複数の施策が認識される。また、前記実行履歴認識部により、前記情報出力システムのユーザの、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策の実行履歴が認識される。そして、前記実行履歴認識部により、前記一または複数の施策の実行履歴から、施策ごとの実行の有無が認識される。
【0012】
第1施策認識部により、前記ユーザ情報に基づき認識された一または複数の施策のうちから、前記施策の実行頻度に基づいて、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策が認識される。
【0013】
そして、代替施策認識部により、前記第1施策認識部により認識された前記第1施策を代替する第2施策の候補が認識されるとともに、前記ユーザ情報に基づいて前記ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策が認識されて、当該ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外した、当該第1施策を代替する第2施策が認識される。出力制御部により、第2施策の情報が出力部に出力される。
【0014】
これにより、ユーザにとって実行が難しい、または実行したくない第1施策について、第1施策に代替する第2施策が代替の施策として出力部に出力される。また、第2施策からは、前記ユーザ情報に基づいて認識された、ユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策は除外されている。このようにユーザにとって実行ができない、または実行したくない施策を当該施策の候補から除外することで、ユーザが実行できないか実行したくない施策が代替施策から積極的に排除され、ユーザにとって実行ができる蓋然性の高い代替施策が提案されうる。
【0015】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記第1施策認識部は、前記実行履歴認識部により認識された施策の実行率が所定の閾値以下という第1条件及び前記実行履歴認識部により認識された施策の不実行の期間が所定の第1期間以上継続しているという第2条件の一方または両方を充足している施策を前記第1施策として認識するように構成されていることが好ましい。
【0016】
当該構成の情報出力システムによれば、、第1施策認識部により、前記実行履歴認識部により認識された施策の実行率が所定の閾値以下という第1条件及び前記実行履歴認識部により認識された施策の不実行の期間が所定の第1期間以上継続しているという第2条件の一方または両方を充足している第1施策が認識される。
【0017】
そして、代替施策認識部により、前記第1施策認識部により認識された前記第1施策と異なる第2施策が認識される。出力制御部により、第2施策を含む情報が出力部に出力される。
【0018】
これにより、実行率が所定の閾値以下及び施策の不実行の期間が所定の第1期間以上又は一方または両方である第1施策について、第1施策と異なる第2施策が代替の施策として出力部に出力される。これにより、ユーザの個別の事情により実行率が低い施策及び施策の不実行の期間が継続している施策の代替施策が提案されうる。
【0021】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記代替施策認識部は、前記第1施策認識部により認識された前記第1施策のカテゴリを認識し、前記第1施策のカテゴリと同一のカテゴリの第2施策を認識するように構成されていることが好ましい。
【0022】
本明細書において「施策のカテゴリ」との用語は、「食事」「更衣」「移動」「排泄」「整容」「入浴」等の、施策に含まれる行動の基本的な分類を意味する。
【0023】
当該構成の情報出力システムによれば、代替施策認識部により、前記第1施策認識部により認識された前記第1施策のカテゴリが認識され、前記第1施策のカテゴリと同一のカテゴリの第2施策が認識される。
【0024】
そして、出力制御部により、当該第2施策を含む情報が出力部に出力される。
【0025】
これにより、第1施策と同一カテゴリの第2施策を含む情報が出力部に出力されるので、代替施策を推奨するにあたって、ユーザに違和感を軽減しながら代替施策を推奨することができる。
【0026】
本発明の情報出力システムにおいて、
情報の入力を受け付ける入力部を備え、
前記入力部を介して受け付けられた情報に基づいて前記ユーザによる実行が不能な施策である不能施策を認識する不能施策認識部を備え、
前記代替施策認識部は、前記不能施策とは異なる施策を前記第2施策として認識するように構成されていることが好ましい。
【0027】
当該構成の情報出力システムによれば、不能施策認識部により、前記入力部を介して受け付けられた情報に基づいて前記ユーザによる実行が不能な施策である不能施策が認識される。そして、前記推奨施策認識部により、前記不能施策とは異なる施策を推奨する施策として認識され、前記代替施策認識部により、前記不能施策とは異なる施策が前記第2施策として認識される。これにより、実行の禁止に関するユーザ個別の事情が勘案されて推奨又は代替の施策が適切に提案されうる。
【0028】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記ユーザの一または複数の嗜好を示す嗜好情報を認識する嗜好情報認識部と、
前記推奨施策認識部は、前記嗜好に適した施策が認識されるように構成されていることが好ましい。
【0029】
当該構成の情報出力システムによれば、嗜好情報認識部により、前記ユーザの嗜好を示す嗜好情報が認識される。そして、前記推奨施策認識部により、前記嗜好に適した前記ユーザに推奨する施策が認識される。
【0030】
この結果、ユーザの嗜好に適した施策が推奨する施策として提案されうる。
【0031】
本発明の情報出力システムにおいて、
推奨施策認識部は、前記一または複数の施策の実施に際しての負担を認識し、各施策の実施に際しての負担が小さい順に前記ユーザに推奨する施策を認識するように構成されていることが好ましい。
【0032】
当該構成の情報出力システムによれば、推奨施策認識部により、一または複数の施策の実施に際しての負担が認識され、各施策の実施に際しての負担が小さい順に前記ユーザに推奨する施策が認識される。
【0033】
この結果、実施に際しての負担が小さい施策が優先的に推奨する施策として提案されるので、ユーザの負担が軽減されうる。
【0034】
本発明の情報出力システムにおいて、
推奨施策認識部は、前記一または複数の施策の前記指定状態に対する効果を認識し、各施策の前記指定状態に対する効果が大きい順に前記ユーザに推奨する施策を認識するように構成されていることが好ましい。
【0035】
当該構成の情報出力システムによれば、推奨施策認識部により一または複数の施策の前記指定状態に対する効果が認識され、各施策の前記指定状態に対する効果が大きい順に前記ユーザに推奨する施策が認識される。
【0036】
この結果、指定状態に対する効果が大きい施策が優先的に推奨する施策として提案されうる。
【0037】
当該構成の情報出力システムにおいて、
前記一または複数の施策とは異なる前記ユーザの施策外行動の実行履歴を認識する施策外行動認識部と、
前記施策外行動認識部により認識された前記施策外行動の実行履歴に基づいて、当該施策外行動に関連する嗜好と関連付けられた施策の優先度を調整する優先度認識部とを備え、
前記代替施策認識部は、施策の優先度に応じて前記第2施策を認識することが好ましい。
【0038】
例えば、ユーザが自己の嗜好を入力したとしても、嗜好に関する情報は曖昧であり、同一の嗜好情報が入力されとしても、必ずしも同様の施策の実施傾向となるとは限らない。また、時間の経過とともにユーザ嗜好が変化することもある。
【0039】
このような点に鑑みて構成された当該構成の情報出力システムによれば、施策外行動認識部により、前記一または複数の施策とは異なる前記ユーザの施策外行動の実行履歴が認識される。そして、前記優先度認識部により、前記施策外行動の実行履歴に基づいて、当該施策外行動に関連する嗜好と関連付けられた施策の優先度が調整される。そして、前記代替施策認識部により、施策の優先度に応じて前記第2施策が認識される。
【0040】
この結果、ユーザの嗜好の曖昧さ又は嗜好の変化が勘案されて、第2施策が適切に提案されうる。
【0041】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記出力制御部は、前記第2施策を含む情報の出力から所定の第2期間以上経過した場合に、前記第1施策を含む情報を前記出力部に出力するように構成されていることが好ましい。
【0042】
多忙であったり、体調不良になったりなど、一時的に第1施策の実行率が低下したり、実行不能になったりした場合でも、期間が経過すれば再度第1施策の実行率が上昇したり、実行可能になる場合がある。当該構成の情報出力システムによれば、前記出力制御部により、前記第2施策を含む情報の出力から所定の第2期間以上経過した場合に、前記第1施策を含む情報が前記出力部に出力される。これにより、一時的に第1施策の実行率が低下したり、実行不能になったりした場合、所定の第2期間経過後に再度第1施策を含む情報が出力されることにより、ユーザに対し再度第1施策の実行を促すことができる。
【0043】
当該構成の情報出力システムにおいて、
前記出力制御部は、前記第1施策が第1時点と第2時点とにおいて前記第1条件及び前記第2条件の一方または両方を充足したと判定し、前記第1時点と前記第2時点との間の第3時点及び前記第2時点よりも後の第4時点において前記第1施策を含む情報を前記出力部に出力する場合、前記第1時点から前記第3時点までの期間よりも、前記第2時点から前記第4時点までの期間を長くするように構成されていることが好ましい。
【0044】
前述したように、第1条件及び第2条件の一方または両方が充足されたと判定された場合でも、一時的な理由により第1施策の実行率が低下しているか、第1施策の実行が不能になった可能性がある。しかし、第1条件及び第2条件の一方または両方と判定された場合には、一時的な理由により第1施策の実行率が低下しているか、第1施策の実行が不能になった可能性もあるが、その蓋然性は低くなると考えられる。
【0045】
この点に鑑みて構成された当該構成の情報出力システムによれば、前記出力制御部は、前記第1施策が第1時点と第2時点とにおいて前記第1条件及び前記第2条件の一方または両方を充足したと判定し、前記第1時点と前記第2時点との間の第3時点及び前記第2時点よりも後の第4時点において前記第1施策を含む情報を前記出力部に出力する場合、前記第1時点から前記第3時点までの期間よりも、前記第2時点から前記第4時点までの期間を長くするように構成されている。これにより、頻繁に第1施策の実行を促すことが回避されるので、ユーザにわずらわしさを与えることが回避されうる。
【0046】
本発明の情報出力システムにおいて、
外部の環境を示す外部環境情報を認識する外部環境情報認識部を備え、
前記代替施策認識部は、外部環境情報認識部により認識された外部環境情報に応じて前記第2施策を認識するように構成されていることが好ましい。
【0047】
当該構成の情報出力システムによれば、外部の環境が勘案されて前記第2施策が認識される。この結果、よりユーザ個別の事情が勘案された形で代替施策が提案されうる。
【0048】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記第1施策認識部は、前記ユーザの施策の実行率の平均値が高いほど前記閾値が連続的または断続的に高くなるように前記閾値を設定し、または前記第1期間が連続的または断続的に短くなるように前記第1期間を設定することが好ましい。
【0049】
当該構成の情報出力システムによれば、前記ユーザの施策の実行率の平均値が高いほど前記閾値が連続的または断続的に高くなるように前記閾値が設定され、または前記第1期間が連続的または断続的に短くなるように前記第1期間が設定される。これにより、各施策の実行率の平均値が高い比較的積極的なユーザと、各施策の実行率の平均値が低い比較的消極的なユーザとのそれぞれにあわせて施策の実行率または不実行の期間に応じた代替施策の提案が行われうる。
【0050】
本発明の情報出力システムにおいて、
前記一または複数の施策の情報は、当該施策の種別を示す情報及び、所定期間あたりの当該施策を実行すべき時間の長さ又は量の多さである施策の実行の度合いを示す情報の一方または両方からなり、
前記代替施策認識部は、前記第1施策の実行率が所定の第2閾値以下であるか否かに応じて、前記第2施策の種別及び実行の度合いの一方または両方を選択することが好ましい。
【0051】
本明細書において「施策の種別」との用語は、「野菜を食べる」「ランニング」等の、施策に含まれる行動の分類であって、「施策のカテゴリ」よりも細かい分類を意味する。
【0052】
当該構成の情報出力システムによれば、一または複数の施策の情報は、当該施策の種別を示す情報及び、所定期間あたりの当該施策を実行すべき時間の長さ又は量の多さである施策の実行の度合いを示す情報の一方または両方からなる。そして、前記第1施策の実行率が所定の第2閾値以下であるか否かに応じて、認識する第2施策の種別及び第2施策の実行の度合いの一方または両方が選択される。前記第1施策の実行率の高低は、ユーザの状況又はやる気を反映していると考えられるところ、前記第1施策の実行率が所定の第2閾値以下であるか否かに応じて第2施策の種別及び実行の度合いの一方または両方が選択されることにより、ユーザの状況又はやる気が勘案された形で第2施策が選択される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図3】肌サポートサーバによる一連の肌サポート処理の説明図。
【
図4】肌サポートサーバにおける処理の第1のフローチャート。
【
図5】肌サポートサーバにおける処理の第2のフローチャート。
【
図6】ユーザ端末における処理の第1のフローチャート。
【
図7】ユーザ端末における処理の第2のフローチャート。
【
図8】主観データ及び客観データによる肌、心、体の初期データの解析処理の説明図。
【
図11】
図11Aは各施策とその施策の改善傾向等との関係を示す図で、
図11Bは各工程のスケジュールを示す図で、
図11Cはなりたい肌と肌状態の主観状態、客観状態との関係を示す図。
【
図12】画像表示を実施している期間における日々のモニタリングに基づく進捗表の説明図。
【
図14】ユーザ端末における肌状態の改善度の表示画面の説明図。
【
図16】暮らし及び特殊事例の評価方法の説明図であり、
図16Aは暮らし及び特殊事例の評価基準を示し、
図16Bは暮らし及び特殊事例の評価例を示している。
【
図22】
図22Aは、施策の実行履歴を示す図、
図22Bは、施策ごとの実行率、施策ごとの不実行期間を示す図、
図22Cは、平均実行率と第1閾値と第2閾値と第1期間との関係を示す図。
【
図24】
図24Aは、施策のカテゴリが同一の第2施策群の一例を示す図、
図24Bは、不能施策を除外した後の第2施策群の一例を示す図。
【
図25】
図25Aは、負担の小さな順で並び替えた場合の第2施策群の一例を示す図、
図25Bは、効果の大きな順で並び替えた場合の第2施策群の一例を示す図。
【
図26】
図26Aは、第2施策認識処理の第5例のフローチャート、
図26Bは、第2施策認識処理の第6例のフローチャート。
【
図27】
図27は、第2施策認識処理の第7例のフローチャート。
【
図28】施策の再推奨及び再々推奨を行うタイミングを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の実施形態の一例について、
図1~
図18を参照して説明する。
【0055】
[A.肌サポートサーバの利用形態]
図1を参照して、肌サポートサーバ10の構成および本発明を構成する系に対する位置付けを説明する。肌サポートサーバ10は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等を備えたコンピュータシステムにより構成される。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された画像表示用のプログラムをCPUで実行することによって、複数のユーザU(
図1ではUa,Ub,Ucを例示)の肌状態を改善又は維持するための処理(画像表示処理)を実行する機能を実現する。
【0056】
肌サポートサーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク1を介して、複数のユーザUの通信端末(ユーザ端末)30(
図1では30a,30b,30cを例示)との間でデータ通信を行うことにより、ユーザUの肌状態の改善又は維持をサポートする。肌サポートサーバ10と、ユーザ端末30とにより構成されるシステムが、本発明の「情報出力システム」の一例に相当する。
【0057】
通信ネットワーク1には、担当者T(
図1ではTa,Tbを例示)の通信端末50(
図1では50a,50bを例示)も接続されている。担当者Tは、通信端末50を介して、ユーザUの肌の特徴や趣味嗜好、生活スタイル等を考慮した適切な肌ケア法等の情報を含むデータを、肌サポートサーバ10及びユーザ端末30に送信することにより、ユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスを行う。なお、担当者Tの通信端末50とユーザUのユーザ端末30とは必ずしも一対一である必要はなく、肌サポートサーバ10、担当者Tの通信端末50、通信ネットワーク1を合わせた系全体によってユーザUの肌状態の改善に対するアドバイスがユーザUのユーザ端末30に提供されればよい。例えば、ユーザUの1又は複数のユーザ端末30に対して、複数の担当者Tによってそれぞれの通信端末50を介してアドバイスを提供する方法でも良い。
【0058】
さらに、肌サポートサーバ10は、複数のユーザUのユーザ端末30から送信される各ユーザの固有データを解析して、汎用的に活用可能な2次データを生成する機能を有し、この2次データを通信ネットワーク1を介して他のシステム60に提供するサービスも行うことができる。
【0059】
[B.肌サポートサーバ、及びユーザ端末の構成]
図2を参照して、肌サポートサーバ10およびユーザ端末30の構成について説明する。肌サポートサーバ10は、メモリに保持された情報出力プログラムをCPUで実行することにより、肌状態認識部11、施策グループ選択部12、施策情報送信部13、及び2次データ生成部19、実行履歴認識部21、第1施策認識部22、代替施策認識部23、推奨施策認識部24、不能施策認識部25、嗜好情報認識部26、施策外行動認識部27、優先度認識部28、外部環境情報認識部29として機能する。これらの構成による処理については後述する。また、肌サポートサーバ10は、ユーザUの画像表示処理に使用する各種データを保持するサポートDB(データベース)20を備えている。このサポートDB20はたとえばRAM上に展開され、後述する主観および客観データの更新によって書き換え可能である。
【0060】
次に、本実施形態のユーザ端末30は、表示器31、タッチパネル32、カメラ33、マイク34、CPU35、及びメモリ36等を備えている。表示器31が、本発明の「出力部」に相当する。タッチパネル32が、本発明の「入力部」に相当する。これに代えてまたは加えて、カメラ33で撮像したユーザUの画像又はマイク34から入力されたユーザUの音声に基づいてユーザの指定を認識することにより、カメラ33又はマイク34を本発明の「入力部」として機能させてもよい。
【0061】
なお、一の装置が情報を「認識する」とは、一の装置が他の装置から当該情報を受信すること、一の装置が当該一の装置に接続された記憶媒体に記憶された情報を読み取ること、一の装置が当該一の装置に接続されたセンサから出力された信号に基づいて情報を取得すること、一の装置が、受信した情報又は記憶媒体に記憶された情報又はセンサから取得した情報に基づいて、所定の演算処理(計算処理又は検索処理など)を実行することにより当該情報を導出すること、一の装置が他の装置による演算処理結果としての当該情報を当該他の装置から受信すること、一の装置が当該受信信号にしたがって内部記憶装置又は外部記憶装置から当該情報を読み取ること等、当該情報を取得するためのあらゆる演算処理が実行されることを意味する。
【0062】
本実施形態においては、ユーザ端末30は例えばスマートフォンであるため、カメラ33やマイク34等を備えているが、ユーザ端末と有線無線にかかわらずやり取りできる構成であれば、外付けでの構成であったり、専門的な撮像装置を用いても良い。CPU35は、メモリ36に保持された画像表示用のアプリケーション35a(以下、肌サポートアプリ35aという)のプログラムを実行することにより、ユーザUが肌サポートアプリ35aを介して肌サポートサーバ10によるサポートを享受可能な状態とする。アプリケーション35aを実行したCPU35が本発明の「出力制御部」として機能する。
【0063】
また、ユーザUは、肌の細胞を取得するための角質採取テープ37(
図1では37a、37b、37cを例示)を別途有している。この角質採取テープ37は、予め担当者TによりユーザUに提供されたものであってもよいし、ユーザUが市販の角質採取テープ37を購入してもよい。
【0064】
なお、以下の説明では、説明の便宜のため、肌状態の改善又は維持のサポート処理の対象のユーザをユーザUaと表し、「ユーザUa」と異なるユーザを「他のユーザUb、Uc」と表す。
【0065】
[C.肌サポートサーバによる一連の処理]
次に、
図3を参照して、肌サポートサーバによる一連の処理について説明する。肌サポートサーバ10は、「1.ゴール設定」、「2.スケジュール決定」、「3.モニタリング」、「4.スケジュール修正」、[5.ゴール判定]及び「6.2次データ生成」の各工程の処理を、
図4,5に示したフローチャートに従って実行する。また、ユーザ端末30は、各工程における肌サポートサーバ10による処理に応じて、
図6,7に示したフローチャートによる処理を実行する。以下では、各工程における肌サポートサーバ10及びユーザ端末30のCPU35の処理について、
図4~7に示したフローチャート
を参照しつつ説明する。
【0066】
ユーザUaは、
図6のSTEP50で、肌サポートアプリ35aのプログラムをユーザ端末30にダウンロードして肌サポートアプリ35aを起動する。そして、ユーザUaは肌サポートアプリ35aへの登録申請を行う。
【0067】
肌サポートサーバ10は、
図4のSTEP10で、ユーザUaからの登録申請を受け付けたときに、「ユーザUaからの登録申請を受け付けた」と認識し、STEP11に処理を進める。そしてSTEP11以降の画像表示処理を開始する。
【0068】
[D.ゴール設定工程]
図3に示した「1.ゴール設定」の工程は、肌状態認識部11及び施策グループ選択部12により実行される。施策グループ選択部12は、
図4のSTEP11でユーザ端末30にユーザUaの現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態を把握するための情報入力を促す初期情報要求データを送信する。
【0069】
この初期情報要求データを受信したユーザ端末30では、肌サポートアプリ35aが、
図6のSTEP51で、ユーザUaに対して、現状の肌、体、心の各状態、及びユーザUaが要望する肌状態の入力を促す画面を表示器31に表示する。それに対してユーザ端末30は、ユーザUaが入力した情報を含む初期ユーザ情報データを、肌サポートサーバ10に送信する。
【0070】
肌状態認識部11は、
図4のSTEP11において、初期ユーザ情報データを受信して、初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌、心、体の各状態と、ユーザUaが要望する肌状態とに基づいて、肌状態の目標スコア(ゴール)を設定する。
【0071】
ここで、初期ユーザ情報データには、肌状態、体状態、及び心状態についての主観データ及び客観データが含まれている。詳細な定義は後述するが、主観データはユーザの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。肌状態の主観データは、現状の肌状態に対するユーザUaの満足度を、例えば10段階で示したデータである。肌状態の客観データは、ユーザUaの肌画像データである。なお、肌状態の客観データには、初期ユーザ情報データに含まれる肌状態の客観データに加え、角質採取テープ37により採取されたユーザUaの角層細胞の解析データが含まれても良い。角層細胞の解析データは、具体的には例えば保水能力と皮脂適格性に関するデータである。この場合、角層細胞の解析を、例えばユーザ端末30に接続された測定機器45により行うことで、或は、角質採取テープ37の画像データをユーザ端末30から肌サポートサーバ10に送信し、肌サポートサーバ10側で角質採取テープ37の画像を分析して保水能力と皮脂適格性などを測定してもよい。
【0072】
ユーザUaの満足度は肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。また、肌画像データは、ユーザ端末30のカメラ33又は接続端子40に接続された外部カメラによってユーザUaがユーザUaの顔を撮像することによって取得した画像データである。
【0073】
また、肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用方法を表示器31に表示し、角質採取テープ37の使用と別途の郵送とを促す。肌サポートアプリ35aは、ユーザUaに対して、角質採取テープ37の使用と肌画像の撮像を促し、撮像された画像が肌サポートサーバ10に送信されるようにしてもよい。
【0074】
肌状態認識部11は、
図8に示したように、肌状態の初期値を、主観のスコアをたとえば3、肌画像のスコアを3、保水能力のスコアを2、皮脂適格性のスコアを1に割り当て
て、合計した値を肌状態のスコアとする。なお、スコアは正の整数ではなく、小数で表現されていてもよいし、負の数で表されてもよい。
【0075】
角層細胞の解析による保水能力スコア及び皮脂適格性のスコアの認識を第1認識方法と呼ぶ。第1認識方法は、これに代えてまたは加えて、角層水分量計によりユーザの肌の水分量を計測する方法及び皮脂量計によりユーザの肌の皮脂量を計測する方法のうち少なくとも1つを含む。また、第1の認識方法によるユーザの肌の認識を定期的に行うため、肌状態認識部11は、定期的にユーザ端末30に角質採取テープ37等の使用を促すメッセージを送信したりすることにより、ユーザに行動を促す。このときの「定期的」というのは厳密に時間的に等間隔である必要はなく、肌状態に影響が出ない範囲で等間隔であれば良い。例えば、3ヶ月ごとに第1の認識方法を実施する場合において、1月1日に初回を実施した場合、ちょうど3か月後の4月1日のみならず、例えばその1週間前の3月24日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよいし、例えばその1週間後の4月8日前後にユーザ端末30にメッセージを送信してもよい。また、長期的にサービスを提供するときなどは、例えば細かい改善を調べたい時は1ヶ月ごとに第1の認識方法を設定し、肌状態に対する季節変化の影響を調べるために3か月ごとに第1の認識方法を設定するなど、認識のタイミングは変更可能である。
【0076】
アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識のそれぞれを第2認識方法と呼ぶ。第2認識方法は、アンケート入力による肌状態の主観データに基づいて主観スコアの認識及びユーザUaの肌画像データに基づく肌画像スコアの認識の一方によってユーザUaの肌状態を認識してもよいし、これらと異なる方法を含んでもよい。また、第2認識方法は、第1の認識方法よりも頻繁に行われる。これは角質採取テープ37の使用・郵送が手間的にも煩雑かつ値段的にも高価になってしまうためである。また、角質採取テープ37の使用が頻繁であると、ユーザUaの肌へ悪影響が及ぶおそれもある。
【0077】
例えば3か月間ごとに第1の認識方法が実施され、第2の認識方法は毎日実施にされる。また、第1の認識方法の実施と第2の認識方法の実施のタイミングが重なる時は、できれば同じタイミングで実施されると精度の良いデータが取れるために好ましい。ただし第1の認識方法の実施時に第2の認識方法が実施されなくても本発明の実施は可能であるし、効果も得られる。
【0078】
なお、主観スコアは、主観データに基づいて認識されたスコアであればよい。
【0079】
体状態の主観データと客観データは、
図9に示したように分けられている。詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいたデータである。体状態の主観データは、ユーザUaが肌サポートアプリ35aを通じてアンケートを入力することによって取得される。客観データは、ユーザUaがユーザ端末30のカメラ33を用いて撮像されたユーザUaの舌・唇の画像データ、ユーザ端末30の接続端子40に接続された測定機器45により測定されたユーザUaの血圧、不整脈、尿中成分、血中成分等の測定データと、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力により取得された頭痛又は肩こり等の体調不良の回数、疲労度判定等のデータである。なお、将来の肌ケア以外のサービスへの展開に備えて、種々の病気の発生情報などについても初
期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0080】
心状態の主観データと客観データは、
図10に示したように分けられている。、詳細な定義は後述するが、肌の主観データおよび客観データと同様に、主観データはユーザUaの主観によって判定される項目、客観データは検査結果や画像解析、事実情報に基づいた
データである。主観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力によって取得される。客観データは、肌サポートアプリ35aにおけるアンケート入力(一日の笑った頻度等)と、測定機器による測定(脈拍モニタリングからの心理状態推定等)とにより取得される。なお、将来の肌ケア以外のサービスの展開に備えて、種々の精神疾患の発生情報についても初期ユーザ情報データに含めてもよい。
【0081】
肌状態認識部11は、認識したユーザUaの肌、体、心の状態の主観データ及び客観データを、サポートDB20に記憶する。
【0082】
肌状態認識部11は、このようにして初期ユーザ情報データから認識したユーザUaの肌状態、体状態、及び心状態の主観データと客観データに基づいて、
図8の右側の三角形で示したように、肌状態を1~9、体状態を1~6、心状態を1~6の各スコアで表した3軸の初期値を設定する。なお、肌状態のスコアと同様に、体状態又は心状態の主観データ及び客観データから体状態又は心状態の主観スコア及び客観スコアが算出され、それらに基づいて体状態のスコア及び心状態のスコアとして扱われてもよい。
【0083】
さらに、施策グループ選択部12は、初期ユーザ情報データに含まれる「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ、希望、頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」を取得する。「なりたい肌スコア」「施策のカテゴリ,希望,頻度」「アレルギー情報」及び「現在行っている施策」は、肌サポートアプリ35aにより、ユーザUaが入力したものである。
【0084】
ここで、「なりたい肌スコア」において、「なりたい肌」とは、乾燥感改善、ごわつき改善、敏感肌改善、ニキビ改善、しぼみ感改善、シミ改善、シワ改善、たるみ改善、くすみ改善、くま改善、顔色改善、及びハリ改善の中から選択された肌状態の改善対象である。また、「スコア」とは、各対象の肌状態に対するユーザUaの満足度であって、肌サポートアプリにおいて1~10の10段階でユーザが選択したスコアである。
【0085】
サポートDB20は、各改善対象に関連付けられた肌状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を記憶している。例えば、
図11Cに示されるように、「乾燥感改善」には、肌状態の主観状態「乾燥感改善」と、肌状態の客観状態の基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」とが関連付けられている。
【0086】
例えば、「なりたい肌」が「乾燥感改善」であり、現状の肌状態の乾燥感の満足度のスコアが3であるときに、ユーザUaの選択に応じて、「乾燥感改善」と関連付けられたユーザUaの肌状態の主観状態「乾燥感改善」についての満足度5が主観的な目標スコアとして設定される。
【0087】
また、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた肌状態の客観的な改善対象を設定する。例えば、施策グループ選択部12は、「乾燥感改善」に関連付けられた基準「保水能力と皮脂適格性との差を最小化」に基づいて、ユーザUaの肌状態のうち、保水能力よりも低い皮脂適格性の値2を客観的な目標スコアとして設定する。
【0088】
また、「施策のカテゴリ、希望、頻度」において、カテゴリとしては「食生活、自宅での行動、運動、化粧品の使い方」等、希望としては「難易度、金額制約、時間制約、やりたくない施策、肌ケアを行うシーン、施策のカテゴリに関する嗜好」等、頻度としては「1日当たりのアドバイスを受ける回数」等が選択される。
【0089】
「アレルギー情報」は、ユーザUaがアレルギー疾患の場合のアレルギー物質に関する情報が含まれる。
【0090】
「現在行っている施策」は、ユーザUaがすでに行っている施策であり、「湯船につかる」等の内容及び頻度又は程度などにより表される。
【0091】
また、初期ユーザ情報データには、ユーザUaの性別、年齢、住んでいる地域、職業、性格等のユーザの属性を示す情報が含まれている。
【0092】
[E.スケジュール決定工程]
図3に示した「2.スケジュール決定」の工程は、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。施策グループ選択部12は、
図4のSTEP12で、ゴール(主観的な目標スコア及び客観的な目標スコア)を達成するための施策グループを選択する。この選択は、上述した各改善対象に関連付けられた、肌状態の主観状態の改善傾向と肌状態の客観状態の改善傾向と適した周辺環境とを考慮して行われる。施策グループ選択部12は、あらかじめ登録された地域またはGPSセンサ等によって検出された位置情報と、端末の時計機能から取得した日時とに基づいて、スケジュール期間におけるユーザUaの周辺環境の温度、湿度等を予測する。
【0093】
例えば、施策グループ選択部12は、カテゴリの希望が「自宅での行動、食生活、運動」であり、梅雨の時期のように湿度が平均50%と予測される季節であり、主観的な目標スコアが「乾燥感」の満足度5以上、客観的な目標スコアが皮脂適格性2以上である場合、主観状態の改善傾向が「乾燥感改善」を含み、客観状態の改善傾向が「皮脂適格性向上」を含み、カテゴリに「自宅での行動、食生活、運動」のいずれかであり、適した周辺環境が湿度50%と矛盾しない施策を選択する。
【0094】
ここで、主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向は、予め担当者T等の専門家によって定められたものであってもよいし、サポートDB20に記憶された他のユーザUb、Ucが実施した施策と他のユーザUb、Ucの肌状態の時系列的変化に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよいし、実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化がサポートDB20に保存されている場合には、当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向であってもよい。
【0095】
例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策と、その施策を実施した前後の他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の主観データの時系列的変化及び他のユーザUb、Ucそれぞれごとの肌状態の客観データの時系列的変化の一方又は両方とが記憶される。
【0096】
また、例えば、サポートDB20には、他のユーザUb、Ucのそれぞれが実施した施策「湯船につかる」と、その施策を実施した前後における、他のユーザUb、Ucそれぞれの肌状態の主観状態の時系列的変化としての「乾燥感についての満足度」が記憶されているとする。
【0097】
このとき、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとに、施策「湯船につかる」について、例えば、湯船につかる前日と、湯船につかった日の肌状態の主観データ(乾燥感についての満足度)の変化量を算出する。そして、施策グループ選択部12は、各他のユーザUb、Ucごとの乾燥感についての満足度の変化量の平均値をとる。施策グループ選択部12は、例えば、「乾燥感についての満足度」の変化量の平均値が所定値以上である場合に、施策「湯船につかる」の主観状態の改善傾向を「乾燥感改善」と認識する。客観状態の改善傾向についても、主観状態の改善傾向と同様に認識できる。
【0098】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの年齢及び肌状態に基づいて、同年代、同様の肌状態等、処理対象とする他のユーザUb、Ucの範囲を絞ってもよい。
【0099】
また、施策グループ選択部12は、サポートDBに実施した施策とユーザUaの肌状態の時系列的変化が保存されている場合には、上記と同様にして算出した当該情報に基づいて推定される主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0100】
施策グループ選択部12は、ユーザUaの第1回目のスケジュール決定工程においては、他のユーザUb、Ucの肌状態の主観データ、客観データから上記主観状態の改善傾向
及び客観状態の改善傾向を認識し、ユーザUaの第2回目のスケジュール決定工程においてはユーザUaの肌状態の主観データ、客観データから主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識してもよい。
【0101】
施策グループ選択部12は、肌状態のみならず、心状態、体状態についても同様に主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を認識し、当該心状態、体状態の主観状態の改善傾向及び客観状態の改善傾向を加味して施策を選択してもよい。
【0102】
施策グループ選択部12は、「現在行っている施策」と同内容及び同頻度または同程度の施策を施策グループから除外してもよい。ユーザが既に行っている施策は、提案するまでもないと考えられるからである。
【0103】
図11Aの例では、施策グループ選択部12は、「湯船につかる」「ビタミンC摂取」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」を含むように複数の施策の組合せである施策グループを選択する。
【0104】
施策情報送信部13は、施策グループの中から、ユーザUaの「施策のカテゴリ、希望、頻度」に応じて施策の優先度を評価し、当該優先度に従って初期の施策を決定する。
図12には、初期の施策として「湯船につかる」「野菜摂取」「1万歩以上歩く」が選択されたスケジュールの例を示している。施策情報送信部13は、このようにして決定したスケジュールの内容を示すスケジュールデータをユーザ端末30に送信する。初期の施策の決定に際しては、後述する
図19の推奨施策認識処理が実行されてもよい。
【0105】
施策情報送信部13は、併せて、ユーザUaの指定を基に、一定期間の各工程の実施の計画を作成する。
図11Bには、START時にゴール設定とスケジュール決定を行い、毎日モニタリングをし、1週間ごとにスケジュール修正を行い、1か月後に進捗グラフを作成し、3か月目にゴール判定と新たなゴール設定を行うという一連のイベントの計画が示されている。施策情報送信部13は、ユーザUaの指定に加えてまたは代えて、あらかじめ定められた、一定期間の各工程の実施の計画を用いてもよい。
【0106】
ユーザ端末30において、
図6のSTEP52で、肌サポートサーバ10からスケジュールデータを受信すると、肌サポートアプリ35aは、
図12に示したようなスケジュールの実行表及び
図11Bに示したような作業内容の計画を表示可能にして、ユーザUaによる各施策の実施を促す。
図12のスケジュールの実行表においては、各施策(「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」)の内容が表示される。
【0107】
[F.モニタリング工程]
図3に示した「3.モニタリング」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは毎日)、肌状態認識部11及び施策情報送信部13により実行される。肌サポートアプリ35aの利用を開始したユーザUaは、ユーザ端末30により、日々の肌、体、心の各状態と、スケジュールにより指示された施策の実施状況と、スケジュールにより指示された施策以外のユーザUaの自主的な行動(施策外行動)の実施状況とを入力する。施策の実施状況には、「湯船につかる」、「野菜摂取」、「1万歩以上歩く」をそれぞれ実施したかどうかを示す情報のほか、「30分」および「湯船につかる」、「300g」および「野菜を摂取」、「1万5千歩」および「歩く」など、時間、量などで表される施策の実行の度合いが含まれる。
【0108】
肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されるとSTEP60に処理を進め、上述した初期ユーザ情報データと同様に、ユーザUaの肌、体、心の状態についての主観データと客観データを含む現状ユーザ情報データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP54に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP53で、ユーザUaにより肌、体、心の状態が入力されない場合、そのままSTEP54に処理を進める。ここで送信されるデータには、角質採取テープ37によって採取された角層細胞に関するデータは含まれない。
【0109】
また、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されたときにSTEP61に処理を進め、スケジュールの実行状況を示す実行状況データを肌サポートサーバ10に送信して
図7のSTEP55に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図6のSTEP54で、ユーザUaによりスケジュールの実行状況(各施策の実行状況)が入力されない時は、そのままSTEP55に処理を進める。
【0110】
さらに、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されたときにSTEP62に処理を進め、実施された施策外行動の内容を示す施策外行動実施データを肌サポートサーバ10に送信してSTEP56に処理を進める。なお、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP55で、ユーザUaにより施策外行動の実施状況が入力されないときには、そのままSTEP56に処理を進める。
【0111】
図4のSTEP13~
図5のSTEP16、及び
図4のSTEP20~STEP22は、施策情報送信部13による処理である。肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信したときにSTEP20に処理を進め、現状ユーザ情報データをサポートDB20に蓄積してSTEP14に処理を進める。なお、肌状態認識部11は、STEP13でユーザ端末30から現状ユーザ情報データを受信しないときは、STEP14にそのまま処理を進める。
【0112】
また、施策情報送信部13は、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信したときにSTEP21に処理を進め、実行状況データをサポートDB20に蓄積してSTEP15に処理を進める。一方で、STEP14でユーザ端末30から実行状況データを受信していないと判定された場合は、そのままSTEP15に処理を進める。
【0113】
さらに、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信したときにSTEP22に処理を進め、施策外行動実施データをサポートDB20に蓄積して
図5のSTEP16に処理を進める。一方で、施策情報送信部13は、STEP15でユーザ端末30から施策外行動実施データを受信しない時は、そのまま
図5のSTEP16に処理を進める。
【0114】
図5に移って、STEP16で、施策情報送信部13は、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、スケジュールの進捗状況を示す進捗表データを作成し、この進捗表データをユーザ端末30に送信する。
【0115】
ここで、スケジュールの進捗表は、例えば
図12に示したように、上から順に、肌状態(ここでは乾燥肌)のスコア、体状態のスコア、心状態のスコア、施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)の実施状況、暮らし情報(野菜摂取量、水分摂取量)、及び暮らし特殊事例が、1日単位で表示する構成となっている。
【0116】
また、スケジュール進捗表には、施策の実行度合い(「30分」湯船につかる、「300g」野菜摂取、「1万5千歩」歩く)が含まれている。
【0117】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP56で、肌サポートサーバ10から送信された進捗表データを受信したときにSTEP63に処理を進め、進捗表データをメモリ36に保持する。肌サポートアプリ35aは、メモリ36に格納された進捗表データを用いて、
図12に示した進捗表をユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0118】
また、肌サポートアプリ35aは、進捗表データの他に、通信を介して認識した、肌サポートサーバ10のサポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等を用いて、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移や変化を示す情報を、ユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0119】
例えば、肌サポートアプリ35aは、
図13に示したように、スケジュールによる施策以外のユーザUaの行動(洗顔法の変更、マッサージを受けた等)、及びユーザの体調(生理、睡眠不足等)と、ユーザUaの肌状態の変化の関係を日単位の時系列グラフで、表示器31に表示する。
【0120】
また、肌サポートアプリ35aは、
図14に示したように、一カ月単位で、ユーザUaの角質状態を含む肌状態、心理状態、肌ケアの満足度、及び化粧品の使い方の評価値の変化を対比したレーダーチャートを表示器31に表示する。
【0121】
ユーザUaは、肌サポートアプリ35aによるこれらの表示を視認して、自身の肌、体、心の各状態の変化を確認することにより、肌の改善度と共に、体と心の状態の変化も把握することができるため、肌、体、及び心の状態をバランス良く改善しながら、目標とする肌状態のゴールへの到達することができる。
【0122】
[G.スケジュール修正]
図3に示した「4.スケジュール修正」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11Bでは1週間ごとに)、施策情報送信部13により実行される。
図5のSTEP17~STEP20、及びSTEP30~STEP33が、施策情報送信部13による処理である。
【0123】
施策情報送信部13は、STEP17で、サポートDB20に蓄積されたユーザUaの初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び実行状況データ等に基づいて、ユーザUa肌状態の目標達成度、スケジュールに組み込まれた各施策の実行度、及び各施策の効果を評価する。各施策の効果とは、各施策の実行の前後におけるユーザUaのゴールに関連した、肌状態、体状態又は心状態のうち少なくとも1つの状態(指定状態)のスコアの変化により求められる。例えば、ある施策を実行したときに、指定状態のスコアが2から3に上昇した場合には、効果+1として求められうる。
【0124】
施策情報送信部13は、
図15Aに示した施策の評価基準を用いて、肌状態と体又は心の状態との相関関係を抽出し、この相関関係に基づいて、スケジュールに組み込まれた各施策の継続、施策グループからの除外、施策の中止、別の施策への変更を判断する。
【0125】
図15Aの評価基準では、判定項目として、実施の有無、肌への影響、体への影響、心への影響という四項目が使用され、実施率が所定実施率を超え、肌に良い影響があり、且つ、体と心に悪い影響がない施策については、A評価となって継続と判断される。なお、
図15Aでは、実施率が所定の実施率を超えた施策を「実施」として表記し、実施率が所定の実施率以下であった施策を「不実施」として表記している。
図12及び
図15Bでも同様である。
【0126】
施策の影響のタイミングと影響が継続する期間が施策ごとに定められている場合、施策情報送信部13は、施策の影響のタイミングと施策の影響が継続する期間に基づいて、各施策の影響を判定してもよい。
【0127】
例えば、「湯船につかる」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、翌日に影響が出、1日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「湯船につかる」という施策の影響は、12月16日の各状態に反映されていると判断する。
【0128】
また、「野菜摂取」という施策の肌への影響、体への影響、心への影響は、1週間後に影響が出、3日だけ継続すると定められていた場合、施策情報送信部13は、例えば12月15日の「野菜摂取」という施策の影響は、12月22日~12月24日の各状態に反映されていると判断する。
【0129】
それに対して、実施され、肌に良い影響があるが、体と心のいずれかに悪い影響がある施策については、B評価となって中止或は別施策への変更と判断される。また、実施率が所定の実施率以下となった施策はユーザUaにとって負荷が大きかったと考えられるため、C評価となって中止或は別施策(例えば、ユーザUaの負荷が軽減する施策又は別の施策)への変更と判断される。
【0130】
施策情報送信部13は、各施策を1日だけ実施することで肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行っても良いし、数日や数週間などの一定期間において各施策を実施することで、肌、体、心への良いまたは悪い影響があるかの評価を行ってもよい。一定期間で評価を行う場合、施策情報送信部13は、例えば、一定割合でいずれかの状態に悪影響が出た場合にB評価とし、実施割合が一定以下である場合にC評価とし、それ以外の場合A評価としてもよい。これに代えて、施策情報送信部13は、例えば、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価としてもよい。また、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にC評価とし、1日の評価におけるいずれかの状態の満足度が所定以下となり、または、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定以下となった場合にB評価とし、1日におけるいずれかの状態の満足度が所定値を超え、かつ、一定期間におけるいずれかの状態の満足度の平均値が所定値を超えた場合にA評価とするなど、1日の評価と一定期間の評価とを組み合わせて用いてもよい。
【0131】
また、施策情報送信部13は、
図8に示した肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、当該肌状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。施策情報送信部13は、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である場合に、体状態又は心状態のスコアの向上度が所定の向上度以下である施策を施策グループから除外してもよい。
【0132】
図15Bは、
図15Aに示した評価基準を、本実施形態における施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く)に適用した例を示している。
図15Bにより、施策情報送信部13は、「湯船につかる」についてはA評価として、次のスケジュールでの継続を決定し、「野菜摂取」についてはB評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定し、「1万歩以上歩く」についてはC評価として、施策グループからの除外、次のスケジュールでの中止或は他の施策への変更を決定している。
【0133】
施策情報送信部13は、複数の施策が行われた影響については、それらの施策の組合せごとに判断する。例えば、施策情報送信部13は、「湯船につかる」「野菜摂取」の組合せが、B評価又はC評価であった場合、「湯船につかる」若しくは「野菜摂取」の単独の施策のみとするか、又はこれらのいずれかの施策と別な施策との組み合わせとするように変更してもよい。
【0134】
施策情報送信部13はこのような評価処理を行って、スケジュール修正(主として施策グループの他の施策への変更による修正)の要否を判断し、スケジュール修正が必要と判断したときには、STEP30に処理を進めてスケジュールを修正する。そして、修正したスケジュールのデータであるスケジュール修正データをユーザ端末30送信して、STEP19に処理を進める。一方、スケジュールの修正が不要であると判断したときには、施策情報送信部13は、
図5のSTEP18から
図5のSTEP19に処理を進め、この場合はスケジュールは修正されない。
【0135】
次に、施策情報送信部13は、STEP19で、初期ユーザ情報データ、現状ユーザ情報データ、及び施策外行動実施データ等に基づいて、ユーザUaが行った各施策外行動(スケジュールに組み込まれている施策以外に、ユーザが行った行動)を評価する。
【0136】
施策情報送信部13は、
図16Aに示した施策外行動の評価基準を用いて、施策外行動の推奨の有無又は禁止の提案を判断する。
図16Aの評価基準では、判定項目として、肌、体、心の各状態への影響が使用される。
【0137】
そして、「肌、体、心のいずれかに良い影響があり、且ついずれについても悪い影響が無い」場合は、D評価となって実施が推奨される。それに対して、「肌、体、心のいずれかに悪い影響がある」場合は、E評価となって禁止が提案される。また、「肌、体、心のいずれにも影響が無い」場合には、F評価となって実施が推奨されない。
【0138】
図16Bは、
図16Aに示した評価基準を、本実施形態における施策外行動(マッサージを受けた、チョコレートを大量に摂取した)に適用した例を示している。
図16Bにより、施策情報送信部13は、「マッサージを受ける」についてはD評価として、次のスケジュールでの実施の推奨を決定している。また、「チョコレートの大量摂取」についてはE評価として、次のスケジュールでの止めるための施策(例えば、和菓子を摂取する代替案)の提案を決定している。
【0139】
施策情報送信部13は、スケジュールに組み込まれた施策の中止或は変更、又は施策外行動について、実施の推奨或は禁止の提案を決定したときには、STEP20からSTEP31に処理を進める。そして、推奨を決定したときはSTEP31からSTEP33に処理を進め、施策外行動の実施を推奨する施策外行動推奨データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0140】
一方、施策情報送信部13は、禁止の提案を決定したときには、STEP31からSTEP32に処理を進め、施策外行動の禁止を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信して、
図4のSTEP13に処理を進める。
【0141】
また、施策情報送信部13は、推奨又は禁止を提案する施策外行動がない場合には、STEP20から
図4のSTEP13に処理を進める。なお、禁止を提案する施策外行動に代替行動がある場合には、禁止の提案に代えて代替行動への変更を提案する施策外行動禁止データをユーザ端末30に送信するようにしてもよい。
【0142】
ユーザ端末30において、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP57で、肌サポートサーバ10からスケジュール修正データを受信すると、STEP65に処理を進め、スケジュール修正データに基づいてスケジュールを修正する。そして、肌サポートアプリ35aは、メモリ36に保持されたスケジュールデータを更新して、処理をSTEP58に進める。
【0143】
また、肌サポートアプリ35aは、
図7のSTEP58で、肌サポートサーバ10から施策外行動推奨データ又は施策外行動禁止データを受信すると、STEP66に処理を進め、受信したデータに応じて、施策外行動を推奨又は禁止の提案を報知する画面をユーザ端末30の表示器31に表示する。なお、この報知は、例えば
図12に示した進捗表に報知メッセージを表示して行ってもよい。また、推奨する施策外行動を、新たな施策としてスケジュールを修正してもよい。
【0144】
[H.ゴール判定工程]
図3に示した「5.ゴール判定」の工程は、ユーザUaが肌サポートアプリ35a上で設定した期間ごとに(
図11BにおいてはSTARTから3か月後)、肌状態認識部11、施策グループ選択部12及び施策情報送信部13により実行される。
【0145】
肌サポートアプリ35aは、角質採取テープ37の使用と、角質採取テープ37の郵送を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示する。
【0146】
肌状態認識部11は、郵送された角質採取テープ37から得られた情報に基づいて、肌状態の客観値(保水能力、皮脂適格性など)を認識する。客観値は、水分量が0-100μS等、肌の物理状態を示す値そのままであってもよいし、それぞれの物理状態を大小に応じて1~10のいずれかに割り当てるなどして正規化した値であってもよい。
【0147】
また、肌サポートアプリ35aは、アンケートの回答、肌等の撮像の使用を促すメッセージをユーザ端末30の表示器31に表示し、得られた情報を送信する。
【0148】
肌状態認識部11は、肌サポートアプリ35aから得られた情報に基づいて、肌の乾燥感の主観値(主観スコア)と、肌状態の客観値(肌の画像スコア)を認識する。
【0149】
施策グループ選択部12及び施策情報送信部13は、肌の乾燥感の主観値と、肌状態の客観値とに基づいて、肌状態のサポート開始時と3カ月後における評価値を比較して、ゴール達成度を判定する。
【0150】
図17の例では、乾燥感の主観値のスコアが3カ月で3から5に増加しているので達成(○)と判定し、客観値についても、肌の画像スコアが3カ月で3から4に増大し、保水能力が2に維持され、皮脂適格性が1から2に増大しているので達成(○)と判定されている。そして、主観値と客観値が共にゴールを達成しているので、トータルとしてもゴールを達成したと判定している。
【0151】
肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴールを達成した場合には新たなゴールを設定するため、
図3に示した「1.ゴール設定」の工程を再度実行する。肌状態認識部11及び施策グループ選択部12は、ゴール未達の場合は、「2.スケジュール決定」工程を実施してもよいし、ユーザの希望または進捗に応じて「1.ゴール設定」の工程を再度実行してもよい。
【0152】
[I.2次データ生成]
図3に示した「6.2次データ生成」の工程は、2次データ生成部19により実行される。2次データ生成部19は、複数のユーザUから送信される初期ユーザ情報データ、角層細胞解析データ、現状ユーザ情報データ、実行状況データ、施策外行動実施データ等の各種データ(以下、ユーザ個別データという)を、ユーザごとにサポートDB20に順次
蓄積する。
【0153】
そして、2次データ生成部19は、サポートDB20に蓄積されたユーザ個別データを分析して、例えば
図18に示したように、各ユーザの特性(性別、年齢、居住地、嗜好、ライフスタイル等)、サポートの改善対象(乾燥感、ごわつき、敏感、ニキビ、しぼみ感等)、スケジュールにより提案された施策(湯船につかる、野菜摂取、1万歩以上歩く等)、及び施策の実施による肌、体、心の各状態の変化等を関連付けた2次データを生成する。
【0154】
また、2次データ生成部19は、施策外行動についても
図18と同様に、各ユーザの特性と施策外行動の実施による肌、体、心の各状態の影響とを関連付けた2次データを生成する。
【0155】
このようにして生成された2次データは、同様の特性を有するユーザについて、体及び心に良い影響を与えつつ肌状態の改善を図るために有効な施策を選択する際に、有効に活用することができる。例えば、上述した
図3の「2.スケジュール決定」の工程において、施策グループ選択部12は、2次データを参照して、ユーザUaの特性に適合した施策を選択することができる。
【0156】
また、上述した
図3の「4.スケジュール修正」の工程において、施策情報送信部13は、ユーザUaの肌、体、心の各状態の推移に応じてスケジュールを変更する際に、2次データを参照して、より有効な施策或は施策外行動を組み込んだスケジュールに変更することができる。
【0157】
さらに、2次データは、肌状態のサポートを行う上で有効に利用できると共に、ある特性を有するユーザ(例えば、東京に住む30代のアウトドア志向の女性等)をターゲットとしたマーケティング等の目的にも利用することができる。そのため、2次データを
図1に示した他のシステム60等に提供してもよい。
【0158】
[J.推奨施策認識処理]
次に、
図19~
図20を参照して、スケジュール決定工程において行われる推奨施策認識処理を説明する。
【0159】
図19のSTEP101において、推奨施策認識部24は、初期ユーザ情報データに含まれるユーザUaの各種情報を認識する。ユーザUaの各種情報には、
図20Aに示されるように、アレルギー物質に関する情報、ユーザUaの性別、ユーザUaの年齢、施策のカテゴリに関する嗜好並びに難易度、時間制約、金額的制約及び実施したいと思わない施策等の負担に関する情報が含まれている。
図20Aでは、施策のカテゴリに関する嗜好として、好きな施策または行いたい施策のカテゴリには○が付され、嫌いな施策または実施したいと思わない施策のカテゴリには×が付されている。
図20Aでは、負担の欄が上限なしとなっているが、これに代えて、難易度の上限、時間の上限、金額の上限及び実施したいと思わない施策のそれぞれが含まれていてもよい。
【0160】
図19のSTEP102において、推奨施策認識部24は、ゴール決定工程において決定されたユーザUaのゴールを認識し、ゴールに対応する複数の推奨施策の候補である推奨施策候補群を認識する。
【0161】
例えば、推奨施策認識部24は、ユーザUaのゴールとして、乾燥感改善のための肌の主観状態(乾燥感)に関する目標スコアと、肌の客観状態(保水性)に関する目標スコアとを認識する。そして、推奨施策認識部24は、他のユーザUb、Ucの過去の施策実行履歴と他のユーザUb、Ucの肌の主観状態及び客観状態の変化に関するデータに基づいて、肌の主観状態(乾燥感)に関する目標スコアと、肌の客観状態(保水性)に関する目標スコアとを向上させるための施策の候補を認識する。推奨施策認識部24は、ユーザUaの過去の施策の実行履歴とユーザUaの肌の主観状態及び客観状態の変化に関するデータがある場合には、このデータに基づいて施策の候補を認識してもよい。
【0162】
以下、
図20Bに示される施策群が、推奨施策候補群であるとして説明する。
図20Bにおけるそれぞれの施策の情報は、肌サポートサーバ10の開発者、管理者等によって定められてもよい。肌サポートサーバ10は、負担について、ユーザUaの難易度、金銭的制約、時間的制約、実施したいと思わない施策に基づいて、それぞれの施策を評価してもよい。肌サポートサーバ10は、効果について、各ユーザの施策の実行履歴及びその後の肌状態等の変化に基づいて所定の計算式に従って計算してもよい。施策のそれぞれの情報は、サポートDB20に記憶されていてもよいし、別なサーバ等から受信してもよい。
【0163】
図19のSTEP103において、不能施策認識部25及び推奨施策認識部24は、ユーザ情報に示されるアレルギー物質を含む第1不能施策を推奨施策候補群から除外する。
【0164】
より具体的には、不能施策認識部25は、ユーザ情報に含まれるユーザUaのアレルギー物質を認識する。例えば、不能施策認識部25は、
図20Aに示されるユーザ情報を参照して、アレルギー物質「エビ」及び「カニ」を認識する。
【0165】
また、推奨施策認識部24は、推奨施策候補群から、使用材料にユーザUaのアレルギー物質が1つでも含まれる施策を除外する。例えば、推奨施策認識部24は、
図20Bに示されるテーブルから、アレルギー物質「エビ」及び「カニ」を含む施策「海鮮物を食べる」(第1不能施策)を除外する。
【0166】
図19のSTEP104において、不能施策認識部25及び推奨施策認識部24は、ユーザ情報に示されるユーザUaの属性では実行できない第2不能施策を推奨施策候補群から除外する。
【0167】
詳細には、不能施策認識部25は、各施策の実行条件を参照して、ユーザ情報に示されるユーザUaの属性と反する実行条件を有する施策を認識する。例えば、不能施策認識部25は、
図20Aに示されるユーザUaの年齢「19」、性別「女性」と反する実行条件を有する施策「ワインを飲む」「相撲をとる」を除外する。実行条件は、肌サポートサーバ10の開発者、管理者等により設定されてもよい。実行条件には、法律の要請から定められる条件、社会通念から定められる条件、宗教の要請から定められる条件等がある。
【0168】
そして、推奨施策認識部24は、認識した施策(第2不能施策)を推奨施策候補群から除外する。
【0169】
図19のSTEP105において、嗜好情報認識部26は、ユーザ情報に示されるユーザUaの施策のカテゴリに関する嗜好を認識する。例えば、嗜好情報認識部26は、
図20Aに示されるユーザUaのユーザ情報から、○食事、○運動、×飲酒という情報を認識する。
【0170】
図19のSTEP106において、推奨施策認識部24は、推奨施策候補群からユーザUaの嗜好に適さない施策を除外する。ここで、ユーザUaの嗜好に適さない施策とは、ユーザUaが好む施策のカテゴリに含まれる施策と異なる施策であってもよいし、ユーザUaが嫌う施策のカテゴリに含まれる施策であってもよい。
【0171】
図19のSTEP107において、推奨施策認識部24は、推奨施策候補群に含まれる施策を、効果及び負担に応じて並び替えを行う。推奨施策認識部24は、
図20AのユーザUaの負担に関する希望を参照し、並び替えのルールを選択する。並び替えのルールは、種々のルールが採用されうるが、例えば、以下の(1)~(5)が挙げられる。
【0172】
(1)施策を効果が大きい順に降順で並び替える。効果が同一の施策については、負担が小さい順に昇順で並び替える。
【0173】
(2)負担が小さい順に昇順で並び替える。負担が同一の施策については、施策を効果が大きい順に降順で並び替える。
【0174】
(3)効果から施策をマイナスした数を大きい順に降順で並び替える。
【0175】
(4)施策を効果が大きい順に降順で並び替える。
【0176】
(5)負担の小さい順に昇順で並び替える。
【0177】
図19のSTEP108において、推奨施策認識部24は、推奨施策候補群から推奨施策の候補を認識する。例えば、推奨施策認識部24は、上位2個の施策を推奨施策の候補として認識する。
【0178】
図19のSTEP109において、推奨施策認識部24は、認識した推奨施策の候補を示す情報をユーザ端末30に送信する。推奨施策認識部24は、その他の施策の候補を併せてユーザ端末30に送信してもよい。ユーザ端末30の出力制御部は、受信した情報を表示器31に出力する。
【0179】
[K.推奨施策認識処理]
次に、
図21~
図22を参照して、スケジュール修正工程において行われる代替施策認識処理を説明する。
【0180】
図21のSTEP201において、実行履歴認識部21は、実行状況データに基づいて、指定の期間の施策の実行履歴を認識する。指定の期間はあらかじめ定まった期間またはユーザUaによってユーザ端末30を介して指定された期間であり、例えば、1か月である。
【0181】
例えば、実行履歴認識部21は、
図22Aに示されるような施策の実行履歴を認識する。施策の実行履歴には、日付、施策の種別、施策の実行の度合い、実行の有無が含まれる。実行の有無は、当該日付に当該種別の施策を実行の度合いで実行したかどうかを示す。
【0182】
図21のSTEP202において、実行履歴認識部21は、指定の期間における施策の実行履歴に基づいて、平均実行率を認識する。
【0183】
例えば、実行履歴認識部21は、
図22Bに示されるように、施策ごとに指定の期間による実行率を算出する。実行率は、指定期間において施策を実行した日数を、指定期間の日数で割ることで得られる。実行履歴認識部21は、これらの施策の実行率から、平均実行率を算出する。また、実行履歴認識部21は、施策ごとに最新の情報が存在する時点から施策を実行していない期間(不実行期間)を認識する。
【0184】
例えば、最新の情報が存在する時点が2017年6月30日である場合、2017年6月29日まで施策が実行されていなくとも2017年6月30日に施策が実行されていれば、その施策の不実行期間は0日となる。
【0185】
また、例えば、最新の情報が存在する時点が2017年6月30日であり、2017年6月21日から2017年6月30日まで施策が実行されていない場合、その施策の不実行期間は10日となる。
【0186】
図21のSTEP203において、第1施策認識部22は、平均実行率に基づいて、各施策の実行率の平均値に基づいて第1閾値と第2閾値と第1期間とを設定する。第1閾値と第2閾値と第1期間とは、後述する第1条件、第2条件において使用される値及び期間である。
【0187】
例えば、第1施策認識部22は、
図22Cに示される平均実行率と、第1閾値と、第2閾値と、第1期間との関係を示すテーブルを用いて、平均実行率から、第1閾値と第2閾値と第1期間とを求める。
図22Cに示されるテーブルは、例えば肌サポートサーバ10の開発者または管理者等によってサポートDB20にあらかじめ登録されている。
【0188】
より具体的には、第1施策認識部22は、ユーザUaの施策の平均実行率が40%である場合、
図22Cに示されるテーブルを参照して、第1閾値「20%」第2閾値「10%」第1期間「7日」を認識する。
【0189】
図21のSTEP204~STEP208は、施策ごとに実行される。処理対象の施策を、以下では「対象施策」と呼ぶ。
【0190】
図21のSTEP204において、実行履歴認識部21は、対象施策の実行率を認識する。
【0191】
例えば、
図22Bにおいて、対象施策がランニングである場合、実行率「18%」を認識する。
【0192】
図21のSTEP205において、第1施策認識部22は、対象施策が第1条件を充足するかどうかを判定する。第1条件は、施策の実行率が第1閾値以下という条件である。
【0193】
例えば、対象施策の実行率が18%であり、第1閾値が20%であれば、第1施策認識部22は、
図21のSTEP205の判定結果を肯定的とする。
【0194】
当該判定結果が肯定的である場合(
図21のSTEP205でYES)、第1施策認識部22は、対象の施策はユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策である可能性があると判定して、
図21のSTEP208の処理へ進む。
【0195】
当該判定結果が否定的である場合(
図21のSTEP205でNO)、
図21のSTEP206において、実行履歴認識部21は、対象施策の不実行期間を認識する。例えば、実行履歴認識部21は、
図22Bに示されるテーブルを参照して、施策「野菜を食べる」の不実行期間「7日」を認識する。
【0196】
図21のSTEP207において、第1施策認識部22は、対象施策が第2条件を充足するかどうかを判定する。第2条件は、施策の不実行の期間が所定の第1期間以上継続しているという条件である。
【0197】
例えば、対象施策の不実行期間が7日であり、第1期間が7日であれば、第1施策認識部22は、
図21のSTEP207の判定結果を肯定的とする。
【0198】
当該判定結果が肯定的である場合(
図21のSTEP207でYES)、第1施策認識部22は、対象の施策はユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策であると判定して、
図21のSTEP208の処理へ進む。
【0199】
図21のSTEP208において、第1施策認識部22は、対象施策を第1施策群に追加する。第1施策群は、第1条件及び第2条件の一方または両方を充足する施策の群であり、対象の施策はユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策である。
【0200】
本実施形態では、
図22Bに示される施策のうち、「野菜を食べる」及び「ランニング」が第1施策群に追加される。
【0201】
なお、本実施形態では、対象の施策がユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策であると判定するために、第1施策認識部22は、対象の施策が第1条件及び第2条件の一方の条件を充足するかについて確認している。しかしながらこれに代えて、対象の施策が第1条件及び第2条件の両方が充足するかを確認してもよいし、第1条件に対してのみまたは第2条件に対してのみ充足するかを確認してもよい。また、これらに加えて、他の条件を充足するか否かを確認してもよい。
【0202】
当該判定結果が否定的である場合(
図21のSTEP207でNO)は、対象の施策はユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策である可能性はあるものの、まだ非継続期間が短いことから間隔が長い状態で継続できている可能性もあるため、様子見としてSTEP209へ進む。
【0203】
当該判定結果が否定的である場合(
図21のSTEP207でNO)又は
図21のSTEP208の処理の後、
図21のSTEP209において、第1施策認識部22は、指定期間に実行されたすべての施策に対して
図21のSTEP204~STEP208の処理が実行されたか否かを判定する。
【0204】
当該判定結果が否定的である場合(
図21のSTEP209でNO)、未処理の施策が残っているため、第1施策認識部22は、未処理の施策を対象施策として、
図21のSTEP204以下の処理を実行する。
【0205】
当該判定結果が肯定的である場合(
図21のSTEP209でYES)、
図21のSTEP204~STEP208の処理が実行されたとして、
図21のSTEP210において、代替施策認識部23は、第2施策群認識処理を実行する。第2施策群認識処理の詳細については後述する。
【0206】
図21のSTEP211において、代替施策認識部23は、第2施策群を含む情報をユーザ端末30に送信する。
【0207】
[L.第2施策認識処理]
次に、
図23~
図27を参照して
図21のSTEP210において実行される第2施策認識処理の例を説明する。以下では、第1例~第7例の合計7つの第2施策認識処理の例を説明するが、これらの処理をすべて実行してもよいし、一部処理を省略してもよい。これらの処理に加え、さらにほかの処理が実行されてもよい。また、これらの処理について、任意の順番で処理を実行してよい。以下においては、第1例の処理から順に処理を行った場合を想定して説明する。
【0208】
本実施形態では、
図20Aに示されるユーザをユーザUaとして説明する。
【0209】
また、本実施形態では、
図22Bに示される施策のうち、ユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策群である第1施策群には、「施策の種別 野菜を食べる 実行の度合い 100g」及び「施策の種別 ランニング 実行の度合い 3km」が含まれているとして説明する。また、初期状態では、第2施策群は
図20Bに示される施策群であるとして説明する。
【0210】
(第1例)
図23AのSTEP301において、代替施策認識部23は、第1施策群に含まれる各施策のカテゴリを認識する。例えば、代替施策認識部23は、
図20B又は
図22Bに示されるテーブルを参照して、「野菜を食べる」の施策のカテゴリ「食事」及び「ランニング」の施策のカテゴリ「運動」を認識する。
【0211】
図23AのSTEP302において、代替施策認識部23は、第1施策群に含まれる各施策のカテゴリと同一のカテゴリの施策を抽出し、第2施策群とする。例えば、代替施策認識部23は、
図20Bに示されるテーブルに含まれる施策のうち、施策のカテゴリが「食事」又は「運動」となっている施策を抽出し、第2施策群とする。
【0212】
図23AのSTEP303において、代替施策認識部23は、第2施策群から、第1施策群に含まれる各施策と同一の施策を除外する。例えば、代替施策認識部23は、
図23AのSTEP302で抽出された第2施策群(施策のカテゴリが「食事」又は「運動」となっている施策の群)から、
図22Bのテーブルに示される「施策の種別 野菜を食べる 実行の度合い100g」及び「施策の種別 ランニング 実行の度合い 3km」の施策を除外する。
【0213】
この結果、第2施策群は、
図24Aのテーブルに示されるような施策の群となる。
【0214】
(第2例)
図23BのSTEP401において、不能施策認識部25は、第1不能施策を認識する。第1不能施策の認識方法は、
図19のSTEP103と同一の方法であってもよい。
【0215】
図23BのSTEP402において、不能施策認識部25は、第2不能施策を認識する。第2不能施策の認識方法は、
図19のSTEP103と同一の方法であってもよい。
【0216】
図23BのSTEP403において、代替施策認識部23は、第1不能施策と第2不能施策とを第2施策群から除外する。例えば、代替施策認識部23は、
図20Aに示されるユーザUaのアレルギー物質「エビ」「カニ」及び性別「女性」を認識し、すなわちユーザUaが甲殻類アレルギーを持つ女性だった場合、
図24Aに示されるテーブルから「海鮮物を食べる」及び「相撲を取る」の施策を除外し、
図24Bに示されるテーブルを第2施策群として生成する。
【0217】
(第3例)
図23CのSTEP501において、代替施策認識部23は、ユーザUaの負担に関する要望を認識する。例えば、代替施策認識部23は、
図20Aに示されるユーザUaの負担に関する要望「上限なし」を認識する。
【0218】
図23CのSTEP502において、代替施策認識部23は、第2施策群に含まれる各施策の負担を認識する。例えば、代替施策認識部23は、
図24Bに示されるテーブルを参照して、各施策の負担を認識する。
【0219】
図23CのSTEP503において、代替施策認識部23は、ユーザUaの負担に関する要望に応じて負担の順に施策を並び替える。例えば、代替施策認識部23は、ユーザUaの負担に関する要望に合致しない施策を第2施策群から除外した上で負担の小さい順に昇順で各施策を並び替えてもよいし、負担の小さい順に昇順で各施策を並び替えたのちユーザUaの負担に関する要望に合致しない施策を下位に位置させてもよい。
【0220】
本実施形態では負担の要望は「上限なし」なので、例えば、
図25Aに示されるように、負担の小さい施策が上位に来るように並び替えられる。
【0221】
(第4例)
図23DのSTEP601において、代替施策認識部23は、各施策の効果を認識する。例えば、代替施策認識部23は、
図24Cに示されるテーブルを参照して、各施策の効果を認識する。
【0222】
図23DのSTEP602において、代替施策認識部23は、各施策を効果が大きい順に並び替える。例えば、代替施策認識部23は、
図25Bのように並び替えを行う。
図19のSTEP107で説明したように、種々の並び替えの方法があるが、
図25Bは、
図19のSTEP107で説明した(2)の方法で並び替えている。
【0223】
(第5例)
図26AのSTEP701において、外部環境情報認識部29は、ユーザUaの外部の環境としての外部環境情報を認識する。外部の環境とは、例えば、ユーザUaの住んでいる地域、時季、施策に関連するニュース等である。外部環境情報認識部29は、初期ユーザ情報データ、NTP(Network Time Protocol)サーバ、又はニュースサーバを参照することにより、外部の環境を認識する。
【0224】
図26AのSTEP702において、外部環境情報認識部29は、ユーザUaの外部の環境としての外部環境情報に関連付けられた施策を抽出する。例えば、粉じんが多く発生する地域には、施策の種別「洗顔」が関連付けられうる。
【0225】
(第6例)
図26Bでは、第1施策群に含まれる各施策に対して、
図26BのSTEP801~STEP804の処理が実行される。以下においては、処理対象の施策を「対象の第1施策」と呼ぶ。
【0226】
図26BのSTEP801において、代替施策認識部23は、対象の第1施策について、実行率が第1閾値以下又は不実行期間が第1期間以上か否かを判定する。
【0227】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26BのSTEP801でYES)、
図26BのSTEP802において、代替施策認識部23は、対象の第1施策の実行率が第2閾値以下か否かを判定する。
【0228】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26BのSTEP802でYES)、
図26BのSTEP803において、代替施策認識部23は、対象の第1施策と施策の種別が異なる施策を第2施策として抽出する。例えば、代替施策認識部23は、施策の種別が「ランニング」である場合、施策の種別が「ランニング」とは異なる「水泳」を第2施策として抽出する。なお、代替施策認識部23は、第1施策と施策のカテゴリが同一の施策を第2施策として抽出することが好ましい。
【0229】
当該判定結果が否定的である場合(
図26BのSTEP802でNO)、
図26BのSTEP804において、代替施策認識部23は、対象の第1施策と施策の種別が同一で、実行の度合いが異なる施策を第2施策として抽出する。例えば、代替施策認識部23は、施策の種別が「ランニング」、実行の度合い「3km」である場合、施策の種別が「ランニング」と同一の施策のうち、実行の度合いが異なる施策「2km」「1km」を第2施策として抽出する。なお、第1施策の実行の度合いより第2施策の実行の度合いが小さいことが好ましい。これは、第1施策がユーザUaにとって実行が難しい、または実行したくない施策であるのに対して、第2施策が第1施策と同じ種類の施策で実行の度合いが高い施策である場合、実行される可能性がほとんどないからである。
【0230】
図26BのSTEP803の処理の後または
図26BのSTEP804の処理の後、
図26BのSTEP805において、代替施策認識部23は、第1施策群に含まれるすべての施策について
図26BのSTEP801~STEP804の処理を実行したか否かを判定する。
【0231】
当該判定結果が否定的である場合(
図26BのSTEP805でNO)、代替施策認識部23は、未処理の施策について、
図26BのSTEP801の処理を実行する。
【0232】
当該判定結果が肯定的である場合(
図26BのSTEP805でYES)、代替施策認識部23は、第6例の第2施策認識処理を終了する。
【0233】
(第7例)
図27のSTEP901において、嗜好情報認識部26は、初期ユーザ情報データを参照して、施策のカテゴリに関するユーザUaの嗜好を認識する。例えば、嗜好情報認識部26は、
図20Aのテーブルを参照して、施策のカテゴリに関するユーザUaの嗜好「○食事、○運動、×飲酒」を認識する。
【0234】
図27のSTEP902において、施策外行動認識部27は、ユーザUaの行動履歴から、ユーザUaの施策外行動を認識する。より具体的には、施策外行動認識部27は、施策外行動データに基づいて、ユーザUaの施策外行動を認識する。
【0235】
図27のSTEP903において、施策外行動認識部27は、ユーザUaの施策外行動のカテゴリを認識する。例えば、施策外行動認識部27は、
図20Bに類似したテーブルを参照することにより、施策外行動のカテゴリを認識してもよい。また、ユーザ端末30に施策外行動を入力する際に、ユーザUaがあらかじめ施策外行動のカテゴリを指定してもよい。
【0236】
図27のSTEP904において、優先度認識部28は、ユーザUaの嗜好と施策外行動との整合性をチェックする。
図27のSTEP905において、優先度認識部28は、ユーザUaの嗜好と施策外行動との整合性に基づいて、ユーザUaの嗜好を修正する。
【0237】
例えば、優先度認識部28は、ユーザUaが好む(○)としたカテゴリの施策外行動の実行率が所定の閾値以上か否かを判定し、判定結果が否定的である場合、当該嗜好を無効にしてもよいし、他の嗜好を優先するようにしてもよい。また、優先度認識部28は、ユーザUaが嫌う(×)としたカテゴリの施策外行動の実行率が所定の閾値以上か否かを判定し、判定結果が肯定的である場合、当該嗜好を無効にしてもよいし、他の嗜好を優先するようにしてもよい。優先度認識部28は、少なくとも、ユーザUaが嫌う(×)とした嗜好の修正をすることが好ましい。
【0238】
図27のSTEP906において、代替施策認識部23は、修正後の嗜好に基づいて、第2施策群から施策を抽出する。例えば、代替施策認識部23は、修正されていない好む(○)とした施策を最優先の順位とし、修正された好む(○)施策を次の優先順位とし、好む(○)でも嫌う(×)でもない施策をその次の優先順位とし、修正された嫌う(×)施策をその次の優先順位とし、修正されていない嫌う(×)施策を最後の順位として、各施策を認識して、上位の施策から所定の個数の施策を抽出してもよい。
【0239】
[M.施策再推奨処理]
次に
図28を参照して、施策再推奨処理を説明する。
【0240】
代替施策認識部23は、
図21で説明したように、第1時点t1において、施策Xが第1条件または第2条件を充足したと判定した場合、代替施策Yを抽出し、ユーザ端末30に当該代替施策Yを含む情報を送信して表示器31にその情報を出力させることにより、代替施策Yの実行を促す。
【0241】
その後、所定の第2期間が経過した場合、代替施策認識部23は、施策Xを含む情報をユーザ端末30に送信し、表示器31にその情報を出力させることにより、ユーザUaに施策Xの再実行を促す。代替施策認識部23は、代替施策Yの施策の種別またはカテゴリが施策Xの施策の種別又はカテゴリと同一で、代替施策Yの実行率が所定以上又は実行継続期間が所定以上であるということを、施策Xの再実行を促す条件としてもよい。
【0242】
その後、代替施策認識部23は、再度施策Xが第2時点t2において第1条件または第2条件を充足した場合、再度、代替施策認識部23は、
図21と同様の処理により、代替施策Zを含む情報を抽出し、ユーザ端末30に当該代替施策Zを含む情報を送信して表示器31にその情報を出力させることにより、代替施策Zの実行を促す。代替施策Zは、代替施策Yと同一の施策であってもよいし、異なる施策であってもよい。
【0243】
代替施策認識部23は、一定の期間が経過した場合、施策Xの再々実行を促す。ただし、代替施策Zを促した第2時点t2から、代替施策Zの後に施策Xの再々実行を促した第4時点t4までの期間T2は、代替施策Yを促した第1時点t1から、代替施策Yの後に施策Xの再実行を促した第3時点t3までの期間T1より、長い期間であるようにすることが好ましい。また、代替施策認識部23は、代替施策Zの施策の種別またはカテゴリが施策Xの施策の種別又はカテゴリと同一で、代替施策Zの実行率が所定以上又は実行継続期間が所定以上であるということを、施策Xの再々実行を促す条件としてもよい。
【0244】
(変形態様)
上記の例では、肌サポートサーバ10は、メモリに保持された情報出力プログラムをCPUで実行することにより、実行履歴認識部21、第1施策認識部22、代替施策認識部23、推奨施策認識部24、不能施策認識部25、嗜好情報認識部26、施策外行動認識部27、優先度認識部28、外部環境情報認識部29として機能したが、これに代えて、肌サポートアプリ35a等の適当なプログラムを読み込んだユーザ端末30が実行履歴認識部、第1施策認識部、代替施策認識部、推奨施策認識部、不能施策認識部、嗜好情報認識部、施策外行動認識部、優先度認識部及び外部環境情報認識部の一部または全部の機能並びに「出力制御部」として機能してもよい。この場合、情報出力プログラムを実行したCPUが通信を介して実行結果を認識し、実行履歴認識部、第1施策認識部、代替施策認識部、推奨施策認識部、不能施策認識部、嗜好情報認識部、施策外行動認識部、優先度認識部及び外部環境情報認識部の残部として機能しうる。この場合、肌サポートアプリ35aを実行したCPU35が、肌サポートサーバ10と通信することにより、初期ユーザ情報データ及び
図20A,
図20B、
図22A~
図22C、
図24A,
図24B、
図25A、
図25B等のテーブル等の各種必要なデータを受信してもよいし、肌サポートアプリ35a等のプログラムを実行したCPU35が、ユーザ端末30の記憶装置に記憶されたデータを参照し、処理を実行してもよい。この場合、
図20A,
図20B、
図22A~
図22C、
図24A,
図24B、
図25A、
図25Bに示されるテーブルは、肌サポートサーバ10のサポートDBに記憶され、肌サポートアプリ35a等のプログラムを実行したCPUが必要に応じてダウンロードしてメモリ36に記憶して使用してもよいし、肌サポートサーバ10が肌サポートアプリ35a等のプログラムを実行したCPUから検索情報を受信して、テーブルを検索し、検索結果をユーザ端末30に送信してもよい。
【0245】
また、ユーザ端末30が肌サポートサーバ10の機能を有することにより、ユーザ端末30が単独で情報出力システムを構成してもよい。
【0246】
上記の例では、肌サポートサーバ10がサポートDB20に格納されたデータを参照したが、これに代えて又は加えて、肌サポートサーバ10が、ユーザ端末30と通信を行うことにより、必要なデータを認識してもよい。
【符号の説明】
【0247】
1…通信ネットワーク、10…肌サポートサーバ、11‥肌状態認識部、12…施策グループ選択部、13…施策情報送信部、19…2次データ生成部、20…サポートDB(データベース)、30(30a,30b,30c)…ユーザ端末(スマートフォン)、31…表示器、32…タッチパネル、33…カメラ、34…マイク、35…CPU、35
a…肌サポートアプリ、36…メモリ、40…接続端子、45…測定機器。