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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】オーバープリントニス
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20220826BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20220826BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20220826BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20220826BHJP
   C09D 161/20 20060101ALI20220826BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20220826BHJP
   C09D 167/00 20060101ALI20220826BHJP
   C09D 7/65 20180101ALN20220826BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/61
C09D7/20
C09D7/63
C09D161/20
C09D163/00
C09D167/00
C09D7/65
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018013594
(22)【出願日】2018-01-30
(65)【公開番号】P2019131666
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】310000244
【氏名又は名称】DICグラフィックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(72)【発明者】
【氏名】延藤 真理
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-070847(JP,A)
【文献】特開2010-248436(JP,A)
【文献】特開2016-160345(JP,A)
【文献】特開2000-186248(JP,A)
【文献】特開2007-112115(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0063787(KR,A)
【文献】特開2015-193758(JP,A)
【文献】特開2010-024306(JP,A)
【文献】特開2003-156819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0148232(US,A1)
【文献】特開2016-138181(JP,A)
【文献】特開2007-099332(JP,A)
【文献】特開2016-079306(JP,A)
【文献】特開2008-163304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バインダー樹脂、前記バインダー樹脂と相溶しないビーズ、脂肪酸アマイド及び溶剤を含有するオーバープリントニスであって、前記バインダー樹脂が、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含有し、前記ビーズがアクリル樹脂ビーズ、アミノ樹脂ビーズ、ポリオレフィン樹脂ビーズ、アルミナビーズ、シリカビーズ、及びガラスビーズからなる群から選ばれる何れか1種を含有することを特徴とするオーバープリントニス。
但し、前記ビーズの屈折率が1.3以上であり、平均粒子径が0.5~40μmである。
【請求項2】
前記バインダー樹脂が、アミノ樹脂と、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1に記載のオーバープリントニス。
【請求項3】
前記アミノ樹脂が、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、及び尿素樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含有する請求項1~2に記載のオーバープリントニス。
【請求項4】
前記バインダー樹脂とビーズの比率(バインダー/ビーズ)が、不揮発分換算にて質量比で50/1~1/3の範囲である請求項1~の何れか1つに記載のオーバープリントニス。
【請求項5】
前記溶剤が、溶解度パラメータ(SP値)が8.50~15.00(cal/cm0.5であり、沸点が65~170℃であり、蒸発速度指数が15~500である有機溶剤を含有する請求項1~の何れか1つ記載のオーバープリントニス。
【請求項6】
前記溶剤が、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、及びアルコール系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1~の何れか1つに記載のオーバープリントニス。
【請求項7】
前記溶剤が、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1~の何れか1つに記載のオーバープリントニス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料の表面保護や意匠性向上の為に、主に各種プラスチックフィルムやアルミ箔をラミネートした包装材料の表面を形成するために用いるオーバープリントニスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種基材には、表面保護や意匠性向上のために、各種のオーバープリントニスの塗工が施されている。基材の最外層に塗工し被覆する事で基材を表面保護したり、目的に応じて光沢や艶消し、透明性や濁りを調整し意匠性を付与する場合、更には触感を付与したり滑性を付与する場合等にもオーバープリントニスを施す場合がある。用途は食品包装、医薬品包装、生活雑貨材料、電子材包装、反射材料、電気製品、自動車向け等、多分野に渡る。
【0003】
オーバープリントニスには、防傷性付与のため架橋密度の高い反応性樹脂を用いる必要がある一方で、熱硬化系のオーバープリントニスを塗工、焼付け乾燥すると、硬化反応により塗工面が著しく収縮し、基材に反りが発生し後加工の作業性に影響する場合がある。
【0004】
この硬化反応による塗工面の収縮を抑制する方法として、ニス中にビーズを含有するオーバープリントニスが挙げられる(特許文献1および特許文献2)。
【0005】
しかし、当該オーバープリントニスは塗工乾燥後、ビーズが表面から脱落し、防傷性、耐熱性等の表面保護性能が低下してしまうため、焼付け乾燥後も塗膜にビーズが原型で留まることで、表面保護性能を保持しつつ収縮が防止され基材の反りが緩和できるオーバープリントニスが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-248436号公報
【文献】国際公開第2015/093281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、熱硬化の為の焼付け乾燥工程において塗工面が収縮せず、且つビーズ脱落が無い状態を保持しつつプラスチックフィルムやアルミ箔の基材の反りが抑制できるオーバープリントニスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、特定のバインダー樹脂、及び、前記バインダー樹脂と相溶しない特定のビーズ、特定の分散助剤及び特定の溶剤を含有させたオーバープリントニスが、上記課題を達成することを見出し本発明するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、バインダー樹脂、前記バインダー樹脂と相溶しないビーズ、分散助剤及び溶剤を含有するオーバープリントニスであって、前記バインダー樹脂が、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる何れか1種以上を含有し、前記ビーズがアクリル樹脂ビーズ、アミノ樹脂ビーズ、ポリオレフィン樹脂ビーズ、アルミナビーズ、シリカビーズ、及びガラスビーズからなる群から選ばれる何れか1種を含有するオーバープリントニスに関する。
【0010】
また、前記バインダー樹脂が、アミノ樹脂と、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含有するオーバープリントニスに関する。
【0011】
また、前記アミノ樹脂が、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、及び尿素樹脂からなる群から選ばれる何れか1種以上を含有するオーバープリントニスに関する。
【0012】
また、前記ビーズの屈折率が1.3以上であり、平均粒子径が0.5~40μmであるオーバープリントニスに関する。
【0013】
また、前記バインダー樹脂とビーズの比率(バインダー/ビーズ)が、不揮発分換算にて質量比で50/1~1/3の範囲であるオーバープリントニスに関する。
【0014】
また、前記分散助剤が、脂肪族エステル、脂肪族アマイド、酸化ポリエチレン、ポリカルボン酸及び水添ひまし油からなる群から選ばれる1種以上を含有するオーバープリントニスに関する。
【0015】
また、前記溶剤が、溶解度パラメータ(SP値)が8.5~15.0(cal/cm0.5であり、沸点が65~170℃であり、蒸発速度指数が15~500である有機溶剤を含有するオーバープリントニスに関する。
【0016】
また、前記溶剤が、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、及びアルコール系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するオーバープリントニスに関する。
【0017】
また、前記溶剤が、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するオーバープリントニスに関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のオーバープリントニスは、熱硬化の為の焼付け乾燥工程において塗工面が収縮せず、且つビーズ脱落が無い状態を保持しつつプラスチックフィルムやアルミ箔の基材の反りを抑制する事が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明によるオーバープリントニスの最良の形態について説明するが、本発明において、「バインダー樹脂と相溶しないビーズ」とは、液状のバインダー樹脂に分散しても分子状あるいはセグメント状の次元で相互溶解せず相分離の状態を維持するビーズを示すことを意図するものである。
【0020】
(バインダー樹脂)
本発明のオーバープリントニスを構成するバインダー樹脂としては、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、またはアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上が好ましく用いられる。本発明のオーバープリントニスは、当該バインダー樹脂を用いることにより、塗膜とした場合に、熱圧着や摩擦傷に脆弱な基材に対して優れた耐熱性や防傷性を付与することができるものである。
【0021】
前記バインダー樹脂は、アミノ樹脂と、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上を含有することがより好ましく用いられる。これらの中でも、アミノ樹脂と、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましく用いられる。
【0022】
前記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂が好ましく用いられ、アルキルエーテル化したメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂がより好ましく用いられる。
【0023】
前記アルキルエーテル化メラミン樹脂としては、メチルエーテル化メラミン樹脂、エチルエーテル化メラミン樹脂、n-ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソプロピルエーテル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、エチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、n-ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、イソプロピルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、イソブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、メチルエーテル化尿素樹脂、エチルエーテル化尿素樹脂、n-ブチルエーテル化尿素樹脂、イソプロピルエーテル化尿素樹脂、イソブチルエーテル化尿素樹脂等が挙げられる。
【0024】
前記アミノ樹脂は、遊離ホルムアルデヒドを含有する場合があるが、塗料として用いた場合の表面硬度、耐水性等の塗膜物性低下を来たす原因となるため、減圧除去、キャッチャー剤等の方法により、遊離ホルムアルデヒド含有量を1%未満に低減したものが好ましい。
【0025】
前記アミノ樹脂は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。また、前記アミノ樹脂の中でもメラミン樹脂がより好ましい。
【0026】
前記メラミン樹脂の中でもメチルエーテル化メラミン樹脂、エチルエーテル化メラミン樹脂、n-ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソプロピルエーテル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹脂が特に好ましい。
【0027】
前記エポキシ樹脂としては、エポキシ基を含有する、硬化可能なエポキシ樹脂であればよく、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エーテル型エポキシ樹脂、エーテルエステル型エポキシ樹脂、エステル型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0028】
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールAなどが挙げられ、リン変性されていても良い。
【0029】
前記ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型、臭素化フェノールノボラック型、臭素化ビスフェノールAノボラック型などのノボラック型をグリシジル化したエポキシ樹脂などが挙げられ、リン変性されていても良い。
【0030】
前記脂肪族エーテル型エポキシ樹脂としては、グリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコールをグリシジル化したエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0031】
前記エーテルエステル型エポキシ樹脂としては、パラオキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0032】
前記エステル型エポキシ樹脂としてはフタル酸、テレフタル酸などのポリカルボン酸をグリシジル化したエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0033】
前記アミン型エポキシ樹脂としては、4,4-ジアミノジフェニルメタン、m-アミノフェノールなどのアミン化合物をグリシジル化したエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0034】
これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。これらのエポキシ樹脂の中でもビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFがより好ましく、リン変性ビスフェノールA、リン変性ビスフェノールFが特に好ましい。
【0035】
前記ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、線状ポリエステル樹脂が好ましく用いられ、アルキド樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂がより好ましく用いられる。
【0036】
上記バインダー樹脂の合計含有量は、オーバープリントニスに用いる不揮発成分の総量に対し、20~98質量%含有することが好ましく、22~94質量%含有することがより好ましく、25~90質量%含有することが特に好ましい。
【0037】
上記アミノ樹脂の合計含有量は、オーバープリントニスに用いるバインダー樹脂の総量に対し、2~50質量%含有することが好ましく、5~45質量%含有することがより好ましく、10~40質量%含有することが特に好ましい。
【0038】
(バインダー樹脂と相溶しないビーズ)
本発明のオーバープリントニスを構成する、前記バインダー樹脂と相溶しないビーズとしては、アクリル樹脂ビーズ、アミノ樹脂ビーズ、ポリオレフィン樹脂ビーズ、アルミナビーズ、シリカビーズ、及びガラスビーズなる群から選ばれる1種類以上のビーズであり、より好ましくは、アクリル樹脂ビーズ、アミノ樹脂ビーズ、シリカビーズである。
【0039】
前記アクリル樹脂ビーズとしては、屈折率1.40~1.60、真比重1.01~1.50のポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、および他樹脂との共重合物等が挙げられる。
【0040】
前記アミノ樹脂ビーズとしては、屈折率1.50~1.80、真比重1.30~1.80のメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられる。
【0041】
前記ポリオレフィン樹脂ビーズとしては、屈折率1.30~1.60、真比重0.90~1.80のポリエチレン樹脂ビーズ、ポリプロピレン樹脂ビーズ等が挙げられる。
【0042】
前記アルミナビーズとしては、屈折率1.50~1.90、真比重3.80~4.00の酸化アルミニウムが挙げられる。
【0043】
前記シリカビーズとしては、屈折率1.43~1.46、真比重1.10~2.20のアモルファスシリカ微粒子等が挙げられる。
【0044】
前記ガラスビーズとしては、屈折率1.40~2.30、真比重2.40~4.60のソーダ石灰ガラス、チタン-バリウム系ガラス、低アルカリガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス等が挙げられる。
【0045】
本発明で使用するビーズはバインダー樹脂と相溶しないことが特徴であり、前記バインダー樹脂と相溶しない少なくとも1種以上のビーズを用いる。前記ビーズを添加する事で、ニス塗布後の熱硬化の為の焼付け乾燥工程において、塗工面が収縮せずプラスチックフィルやアルミ箔の基材の反りを抑制する事が出来る。
【0046】
前記ビーズの粒子形状は、真球状、略球状、凸レンズ型等非真球状、中空状、多孔質状、コアシェル状、無機有機複合状、が好ましい。
【0047】
これらの中でも、真球状、略球状、凸レンズ型等非真球状、中空状、多孔質状、がさらに好ましい。
【0048】
これらの中でも、真球状、略球状、凸レンズ型等非真球状、が特に好ましい。
【0049】
オーバープリントニス中のビーズの含有量としては、ビーズが脱落せず基材の反り、耐傷性、耐熱性等の表面保護が良好に保たれるために、不揮発分換算で、バインダー樹脂とビーズの比率(バインダー樹脂/ビーズ)が、50/1~1/3の範囲であることが好ましく、より好ましくは、20/1~1/2の範囲である。これらの中でも、20/1~1/1の範囲が特に好ましい。
【0050】
これらの中でも、基材フィルムがポリエチレンテレフタレートであれば、前記ビーズはアクリル樹脂ビーズであり、バインダー樹脂とアクリル樹脂ビーズを含むビーズの比率(バインダー樹脂/アクリル樹脂を含むビーズ)が、20/1~1/1の範囲である組み合わせが特に好ましい。
基材フィルムがアルミ箔であれば、前記したビーズがアクリル樹脂ビーズであり、バインダー樹脂とアクリル樹脂ビーズを含むビーズの比率(バインダー樹脂/アクリル樹脂を含むビーズ)が、20/1~1/2の範囲である組み合わせが特に好ましい。
【0051】
本発明のオーバープリントニスのビーズは固有の屈折率や粒子径による光拡散性付与が可能であり、光沢、艶消し、透明性等を発現しオーバープリントニスの意匠性を付与する事ができる。使用するビーズの屈折率は1.3以上2.5以下が好ましく、屈折率が1.4以上1.8以下がより好ましい。平均粒子径は、0.5~40μmが好ましく、1.0~15.0μmがより好ましい。
【0052】
平均粒子径の測定は顕微鏡(SEM等)による観察を行い、ビーズが真球状の場合はその直径を、ビーズが非真球状の場合は最長径(観察視野またはその写真上で、個々のビーズを平行な2本の線分で挟み込んだときの最長距離)および最短径(観察視野またはその写真上で、個々のビーズを平行な2本の線分で挟み込んだときの最短距離)を求め、その算術平均値をそのビーズの平均直径とする。さらにビーズ20個についての直径または平均直径を算術平均し、その値を平均粒子径とする。
【0053】
(分散助剤)
本発明のオーバープリントニスには、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、酸化ポリエチレン、ポリカルボン酸及び水添ひまし油からなる群から選ばれる1種以上の分散助剤を含有する。分散剤を含有させることにより、ビーズの分散性を向上させることがでるため、ビーズが凝集せず均一分散した塗膜を形成でき、かつ、ビーズが塗膜から脱落するのを抑制することができる。また、オーバープリントニスの保存安定性を向上できる。
【0054】
前記分散助剤としては、芳香族系、ケトン系、エステル系等の溶剤によって容易に膨潤し、少量の添加でビーズ分散性を調整することができることから、脂肪酸アミド、酸化ポリエチレンが好ましく、脂肪酸アミドがより好ましい。
【0055】
脂肪族アミドとしては、飽和脂肪酸モノアミド(ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸モノアミド(オレイン酸アミド等)、飽和脂肪酸ビスアミド(メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸ビスアミド(エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等)、置換アミド(N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルオレイン酸アミド等)、芳香族ビスアミド類(メチロールステアリン酸アミド類、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド類、N,N-ジステアリルイソフタール酸アミド、メタキシリレンビスステアリン酸アミド等)、分岐型アミド(N,N'-2-ヒドロキシエチルステアリン酸アミド、N,N'-エチレンビスオレ イン酸アミド等)、アルカノールアミド(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド等)等が挙げられる。
【0056】
前記分散助剤としては、商品名「ターレン7200-2」、「ターレンBA-600」、「ターレンKU-700」、「ターレンKY-2000」、「ターレン1450」、「ターレン2000」、「ターレン2200A」、「ターレン2450」、「ターレン2550」(いずれも共栄社化学社製)、または商品名「フローノンHR-2」、「フローノンSP-1000D」、「フローノンSP-1000AF」、「フローノンSD-700」、「フローノンSDR-80」(いずれも共栄社化学社製)、商品名「ディスパロンA603-10X」、「ディスパロンA6900-10X」、「ディスパロン6810-10X」(いずれも楠本化成社製)等を使用できる。
【0057】
これら分散助剤は、1種または2種以上を混合使用してもよい。
【0058】
上記分散助剤の合計含有量は、オーバープリントニスに用いる不揮発成分の総量に対し、0.01~10質量%含有することが好ましく、0.05~5質量%含有することがより好ましく、0.1~3質量%含有することが特に好ましい。また、上記分散助剤の合計含有量は、オーバープリントニスに用いるバインダー樹脂の総量に対し、0.01~15
質量%含有することが好ましく、0.05~10質量%含有することがより好ましく、0.1~5質量%含有することが特に好ましい。また、上記分散助剤の合計含有量は、オーバープリントニスに用いるビーズの総量に対し、5~10質量%含有することが好ましく、1~7.5質量%含有することがより好ましく、0.1~5質量%含有することが特に好ましい。
【0059】
(有機溶剤)
本発明のオーバープリントニスには、溶解度パラメータ(SP値)が8.5~15(cal/cm0.5であり、沸点が65~170℃であり、蒸発速度指数が15~500である有機溶剤を含有する。
本発明のオーバープリントニスは、当該有機溶剤を用いることにより、塗膜とした場合に、基材へのアタックが少ないために優れた配向性を維持しつつ、塗布ムラを改善することができる。
【0060】
前記有機溶剤は、溶解度パラメータ(SP値)が8.50~15.00(cal/cm0.5であるが、8.70~14.50であることが好ましく、9.00~14.50であることがより好ましい。また、沸点は65~170℃であるが、65~160℃が好ましく、65~150℃がより好ましい。蒸発速度指数は15~500であるが、25~450であることが好ましく、35~250であることがより好ましい。前記有機溶剤を含むことにより、オーバープリントニスにおいて、バインダー樹脂の溶解性ならびに有機溶剤の揮発速度の制御性とを両立し、ムラの少ない塗膜の形成が可能となる。
尚、本発明におけるSP値(溶解度パラメータ/単位:((cal/cm0.5)とは、Fedors法により算出されるものであり、蒸発速度指数とは、酢酸ブチルを100としたときの各溶剤の蒸発速度を表す指標であり、「塗料の流動と顔料分散」(植木憲二監訳 共立出版株式会社 昭和46年5月1日発行)の第294頁の「13.2 溶剤の蒸発性」項及び巻末付録B「溶剤の性質」の記載に準拠している。
【0061】
前記有機溶剤としては、ケトン系有機溶剤、酢酸エステル系有機溶剤、芳香族炭化水素系有機溶剤、グリコールエーテル系有機溶剤及びアルコール系有機溶剤が挙げられる。
ケトン系有機溶剤としては、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンが挙げられる。
酢酸エステル系有機溶剤としては、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、ガンマ-ブチロラクトンが挙げられる。
芳香族炭化水素系としては、トルエン、キシレンが挙げられる。
アルコール系有機溶剤としては、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、ジアセトンアルコールが挙げられる。
グリコールエーテル系有機溶剤としては、
前記有機溶剤としては、なかでもケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素系有機溶剤、グリコールエーテル系有機溶剤及びアルコール系有機溶剤が好ましい。
特に、バインダー樹脂の溶解性及び溶剤揮発速度の観点から、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2-プロパノールを用いることが特に好ましい。
【0062】
用いる有機溶剤の比率は、本発明に用いられるオーバープリントニスが通常塗布により行われることから、塗布した状態を著しく損なわない限りは特に制限はないが、オーバープリントニスにおける不揮発成分が20~80質量%であることが好ましく、25~75質量%であることが更に好ましく、30~70質量%であることが特に好ましい。
また、前記有機溶剤は、蒸発速度を制御するために、沸点が65~109℃である群(I)から選ばれる1つ以上と、かつ沸点が110~170℃である群(II)から選ばれる1つ以上を含有することが好ましい。この場合、群(I)としては、65~105℃が好ましく、65~100℃がより好ましく、群(II)としては、110~160℃が好ましく、110~150℃がより好ましい。群(I)と群(II)の比率(I)/(II)は、35/65~3/97となる割合が好ましく、25/75~5/95であることが更に好ましく、15/85~7/93であることが特に好ましい。
【0063】
有機溶剤に前記バインダー樹脂を溶解する際には、均一に溶解させるために、加熱攪拌することが好ましい。加熱攪拌時の加熱温度は、用いるバインダー樹脂の有機溶剤に対する溶解性を考慮して適宜調節すればよいが、生産性の点から15℃~70℃が好ましく、20℃~60℃が更に好ましく、25℃~50℃が特に好ましい。
【0064】
本発明のオーバープリントニスには、他に必要に応じて、スルホンアミド、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油等の可塑剤、アクリル樹脂、変性シリコン等のレベリング剤、アニオン系、ノニオン系、カチオン系等の界面活性剤、ビニル系、エポキシ系、アクリル系、アミノ系等のシランカップリング剤、酸触媒、イソシアネート等の硬化剤、等の添加剤を含有させることが出来る。
【0065】
基材として利用可能なプラスチックフィルムとしては、特に限定は無く、例えば、Ny6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂に代表される生分解性樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。
これらのフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。
また、フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていれば更に基材密着性を向上させる事ができることが好ましい。また、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
【0066】
本発明のオーバープリントニスの塗布・印刷方式の具体的な例としては、ロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、マイクログラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等の塗装方式や、グラビア印刷、フレキソ印刷及びスクリーン印刷等の印刷方式が挙げられる。乾燥は120~290℃の熱風で1~60秒程度、蒸発乾燥させる。乾燥状態での塗布量は、1~5g/m程度が好ましい。
【実施例
【0067】
次に、本発明を、実施例を挙げて更に具体的に説明する。尚、本明細書では特に断りのない限り、部および%は質量基準である。実施例および比較例の塗膜組成および評価結果を表1~8に示す。尚、平均粒子径は、日立製作所製操作型電子顕微鏡S-3400Nを用いて測定した。
【0068】
(アミノ樹脂/エポキシ樹脂系:ニスベースAの調製)
アミノ樹脂Aを13部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON H-601-55(DIC株式会社製)、不揮発分55%)を42部、溶剤としてキシレン37部、イソプロピルアルコールを8部混合し、オーバープリントニスベースAを調整した。
【0069】
(アミノ樹脂/ポリエステル樹脂系:ニスベースBの調整)
アミノ樹脂Aを10部、ポリエステル樹脂(ベッコライトM-6206-40(DIC株式会社製)、不揮発分40%)を70部、溶剤としてトルエン15部、メチルエチルケトン5部を混合し、オーバープリントニスベースBを調製した。
【0070】
(アミノ樹脂/エポキシ樹脂系:ニスベースDの調製)
アミノ樹脂Aを13部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON H-601-55(DIC株式会社製)、不揮発分55%)を42部、溶剤としてN-メチルピロリドン45部を混合し、オーバープリントニスベースDを調整した。
【0071】
(実施例1)
(オーバープリントニス(1)の調製)
前記で調製したニスベースA 59部に、フローノンHR-2(脂肪酸アミド、共栄社化学株式会社製)1部を添加し撹拌により均一化させた後、テクポリマーMBX-8(アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径8μm、積水化成品工業株式会社製)40部を添加し、撹拌によりオーバープリントニス(1)を作製した。
オーバープリントニス(1)を20μmのアルミ箔上に乾燥状態の塗布量が3g/m程度となるようバーコーターで塗布し、乾燥硬化条件を180℃ 10秒とし、評価用塗工物1を作製した。
【0072】
(評価項目1:塗膜外観)
評価用塗工物1の表面をウエスで10回擦った後の外観を目視で観察した。
◎:傷付きもビーズ脱落も無し。
○:傷は若干付くがビーズ脱落はなし。
△:傷はかなりつくが脱落は無し。
×:傷はかなり付き、ビーズ脱落があり。
【0073】
(評価項目2:密着性)
評価用塗工物1を、JIS K-5600に準じて評価した。
◎:いずれの碁盤目にも剥がれがない。
○:カットの交点における塗膜の小さな剥がれがある。
△:塗膜がカットの線に沿って部分的に剥がれている。
×:塗膜全体に剥がれがある、の目視4段階評価とする。
【0074】
(評価項目3:反り)
評価用塗工物1を100×100mmにカットし、中心から対角線に50×50mmのクロスカットを入れる。室温23~27℃の水平な台上で15分静置後、物差しで試料角と台との高さ距離mmを測定し反り量を評価する。
○:0mm~1mm未満
△:1mm以上~4mm未満
×:4mm以上
【0075】
(オーバープリントニス(2)~(40)及び比較用オーバープリントニス(C1)~(C4)の調整)
下記表1~5に示す各材料をそれぞれ下記表に示す割合に変更した以外は、本発明のオーバープリントニス(1)の調整と同一条件で、本発明のオーバープリントニス(2)~(40)及び比較用オーバープリントニス(C1)~(C4)を得た。
下記表1~5に、本発明の実施例1~40のオーバープリントニス(1)~(40)、比較例1~4のオーバープリントニス(C1)~(C4)の具体的な組成を示す。また、表6に、オーバープリントニス(1)~(40)、比較用オーバープリントニス(C1)~(C4)に使用した有機溶剤のSP値、沸点及び蒸発速度指数を示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
・アミノ樹脂A:メラミン・ホルムアルデヒド・アルキルモノアルコール(C1~C12)縮合物、比重1.18~1.20、遊離ホルムアルデヒド0.5%以下、不揮発分97%、溶剤メタノール2.5%、気泡粘度U~X
・EPICLON H601-55:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、不揮発分55%、溶剤トルエン20%、イソプロパノール15%、1-メトキシ-2-プロパノール7.5%
・ベッコライトM-6206-40:変性アルキド樹脂、不揮発分40%、溶剤キシレン50%、シクロヘキサノン7.5%、イソブタノール2.5%
・フローノンHR-2:脂肪族アマイド(ジアマイド及びポリアマイドの混合物)、不揮発分10%、溶剤キシレン70%、エタノール13%、メタノール7%
・オプトビーズ3500M:アミノ樹脂ビーズ、平均粒子径3.5μm、屈折率1.65、真比重1.65、日産化学(株)製
・オプトビーズ2000M:アミノ樹脂ビーズ、平均粒子径2.0μm、屈折率1.65、真比重1.65、日産化学(株)製
・エポスターS:アミノ樹脂ビーズ、平均粒子径1.0μm、屈折率1.66、真比重1.50、(株)日本触媒製
・オプトビーズ500S:アミノ樹脂ビーズ、平均粒子径0.5μm、屈折率1.65、真比重1.65、日産化学(株)製
・エポスターMA1010:アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径10.0μm、屈折率1.66、真比重1.40、(株)日本触媒製
・テクポリマーMBX-8:アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径8.0μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・テクポリマーMBX-5:アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径5.0μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・テクポリマーMBX-20:アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径20.0μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・テクポリマーSSX-103:アクリル樹脂ビーズ、平均粒子径3.0μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・テクポリマーXX-31BF:アクリル樹脂ビーズ両凸レンズ型、平均粒子径2.6μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・テクポリマーXX-67BF:アクリル樹脂ビーズ中空粒子、平均粒子径5.3μm、屈折率1.49、真比重1.20、積水化成品工業(株)製
・EMB-10:ガラスビーズ、平均粒子径5.0μm、屈折率1.55、真比重2.60、ポッターズ・バロティーニ(株)製
・EMB-20:ガラスビーズ、平均粒子径10.0μm、屈折率1.55、真比重2.60、ポッターズ・バロティーニ(株)製
・GB731:ガラスビーズ、平均粒子径32.0μm、屈折率1.55、真比重2.60、ポッターズ・バロティーニ(株)製
・サイロスフェアC1510:シリカ、平均粒子径10.0μm、屈折率1.44、冨士シリシア化学(株)製
・サイロスフェアC1504:シリカ、平均粒子径4.0μm、屈折率1.44、冨士シリシア化学(株)製
・アートパールC-100透明:架橋型ウレタンビーズ、平均粒子径50.0μm、屈折率1.51、根上工業(株)製
【0083】
(実施例2~20)
(評価用塗工物の作製)
用いるオーバープリントニスをそれぞれ、本発明のオーバープリントニス(2)~(20)に変更した以外は、実施例1と同一条件にて、実施例2~20の評価用塗工物2~20を得た。
得られた評価を下表7に示す。
【0084】
(実施例21~25)
用いるオーバープリントニスをそれぞれ、本発明のオーバープリントニス(21)~(25)に変更し、用いる基材を50μmPETフィルムに変更し、また、乾燥硬化条件を150℃ 20秒に変更した以外は、実施例1と同一条件にて、実施例21~25の評価用塗工物21~25を得た。
得られた評価を下表7に示す。
【0085】
(実施例26~40)
(評価用塗工物の作製)
用いるオーバープリントニスをそれぞれ、本発明のオーバープリントニス(26)~(40)に変更した以外は、実施例1と同一条件にて、実施例26~40の評価用塗工物26~40を得た。
得られた評価を下表8に示す。
【0086】
(比較例1~4)
用いるオーバープリントニスをそれぞれ、比較用オーバープリントニス(C1)~(C4)に変更した以外は、実施例1と同一条件にて、比較例1~4の評価用塗工物c1~c4を得た。
得られた評価を下表8に示す。
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
本発明のオーバープリントニスは、熱硬化の為の焼付け乾燥工程において塗工面が収縮せず、塗工外観や基材密着性を保持しつつ、プラスチックフィルムやアルミ箔の基材の反りを抑制する事が出来る。